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JP2015161876A - 光フィルター、光学モジュールおよび電子機器 - Google Patents

光フィルター、光学モジュールおよび電子機器 Download PDF

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JP2015161876A JP2014038179A JP2014038179A JP2015161876A JP 2015161876 A JP2015161876 A JP 2015161876A JP 2014038179 A JP2014038179 A JP 2014038179A JP 2014038179 A JP2014038179 A JP 2014038179A JP 2015161876 A JP2015161876 A JP 2015161876A
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Susumu Shinto
晋 新東
浩司 北原
Koji Kitahara
浩司 北原
友樹 坂下
Yuki Sakashita
友樹 坂下
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Abstract

【課題】反射膜の内部応力による突起の出現を抑制する光フィルターを提供する。
【解決手段】固定基板14と、固定基板14に対向して配置される可動部13bと、固定基板14に設けられ光28の一部を反射し一部を透過する固定反射膜44と、可動部13bに設けられ固定反射膜44に対向し、光28の一部を反射し一部を透過する可動反射膜35と、固定反射膜44と可動反射膜35との間隔を制御する静電アクチュエーター50と、を備え、固定反射膜44は導電膜38と保護膜45とに挟まれ、導電膜38と保護膜45とは同じ材質であり、同じ膜厚である。そして、可動反射膜35は導電膜32と保護膜36とに挟まれ、導電膜32と保護膜36とは同じ材質であり、同じ膜厚である。
【選択図】図3

Description

本発明は、光フィルター、光学モジュールおよび電子機器に関するものである。
従来、入射光の中から特定の波長の光を選択して通過させる光フィルターが活用されている。そして、特定の波長の光を通過させる光フィルターが特許文献1に開示されている。それによると、光フィルターは一対の基板を対向配置し、これら基板の対向する面のそれぞれに反射膜が設置されている。
この光フィルターは、対向する一対の反射膜間のギャップに応じた波長の光を選択的に取り出すことができる。反射膜間のギャップは、基板間に設けられたスペーサー膜の厚みにより設定されていた。
基板には酸化チタンの下地膜が設置され、この膜に重ねて反射膜が設置されていた。反射膜には反射率の良い銀の膜が用いられている。そして、銀の膜は空気中に晒されると硫化あるいは湿度の影響を受けて劣化する。そこで、反射膜を覆って保護膜が設置され、反射膜の劣化が防止されていた。この保護膜にはSiO2、TiO2、ZnS、CaF2、SiN4、Al23等の無機物質やポリイミド、各種フォトレジスト等の有機材料が用いられていた。
特開平1−300202号公報
反射膜に用いられる銀や銀合金の膜は金属組織の配列が変位し易い膜である。そして、反射膜の表面と裏面とで内部応力に差が生じるとき“ヒロック”や“ウィスカ”と呼ばれる突起が出現する。これにより、反射膜の反射率が低下する。特許文献1では反射膜が下地膜と保護膜とに挟まれているが、両面の応力差に対する対策はとられていなかった。そこで、反射膜の両面における内部応力の差による突起の出現を抑制して長期に渡って所定の波長の光を精度良く透過させることができる構造の光フィルターが望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例にかかる光フィルターであって、固定基板と、前記固定基板に対向して配置される可動部と、前記固定基板に設けられた第1反射膜と、前記可動部に設けられ前記第1反射膜に対向する第2反射膜と、前記第1反射膜と前記第2反射膜との間隔を制御する間隔制御部と、を備え、前記第1反射膜と前記第2反射膜とのうち少なくとも一方は第1導電膜と第2導電膜とに挟まれ、前記第1導電膜と前記第2導電膜とは同じ材質であり、同じ膜厚であることを特徴とする。
本適用例によれば、光フィルターは固定基板と可動部とを備えている。固定基板には第1反射膜が設置され、可動部には第2反射膜が設置されている。第1反射膜と第2反射膜とは対向配置されている。第1反射膜及び第2反射膜は入射光を反射する。第1反射膜と第2反射膜との間で光の多重反射が生じ、位相の合う光は入射光が進行する方向に透過して進行する。間隔制御部が第1反射膜と第2反射膜との間隔を制御する。これにより、光フィルターは透過させる光の波長を制御することができる。
反射膜を挟んで導電膜が設置されている。導電膜により反射膜の表面が損傷を受けることを防止することができる。従って、品質良く光フィルターを製造することができる。そして、導電膜は導電性がある為、導電膜の表面に静電気が発生することを抑制することができる。従って、第1反射膜と第2反射膜との間の距離を精度良く制御することができる。
第1導電膜と第2導電膜とは同じ材質であり、同じ膜厚となっている。反射膜の第1面に導電膜を設置し第2面には導電膜を設置しないとき、反射膜は第1面と第2面とにかかる応力分布が異なる分布となる。このとき、そして、反射膜において第1面と第2面とで内部応力の差があるとき“ヒロック”や“ウィスカ”と呼ばれる突起が出現する。これにより、反射膜の反射率が低下する。本適用例では反射膜を挟む第1導電膜及び第2導電膜は同じ材質であり同じ膜厚となっている。従って、反射膜における第1面と第2面とで内部応力の差が生じ難いので、突起の出現を抑制することができる。その結果、光フィルターは長期に渡って所定の波長の光を精度良く透過させることができる。
[適用例2]
上記適用例にかかる光フィルターにおいて、前記第1導電膜と前記第2導電膜とは同じ形状であることを特徴とする。
本適用例によれば、第1導電膜と第2導電膜とは同じ形状である。従って、反射膜を挟む第1導電膜及び第2導電膜は同じ応力分布となる。従って、反射膜において第1面と第2面とで内部応力の差が生じ難いので、突起の出現を抑制することができる。
[適用例3]
上記適用例にかかる光フィルターにおいて、前記第1導電膜及び前記第2導電膜の材質はIGOを含むことを特徴とする。
本適用例によれば、第1導電膜及び第2導電膜の材質はIGOを含んでいる。IGOは光透過性が良く、可視領域において概ね80%以上の透過性を有している。従って、効率よく所定の波長の光を通過させることができる。
[適用例4]
上記適用例にかかる光フィルターにおいて、前記第1反射膜と前記第2反射膜とが電気的に接続されていることを特徴とする。
本適用例によれば、第1反射膜と第2反射膜とが電気的に接続されている。従って、第1反射膜と第2反射膜との間に静電気が発生することを抑制できる。従って、第1反射膜と第2反射膜との間の距離を精度良く制御することができる。
[適用例5]
上記適用例にかかる光フィルターにおいて、前記第1反射膜と接続する第1外部端子と、前記第2反射膜と接続する第2外部端子と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、第1反射膜と接続する第1外部端子と、第2反射膜と接続する第2外部端子とが設置されている。従って、第1外部端子及び第2外部端子を通じて、第1反射膜と第2反射膜との間の電気容量を検出することができる。そして、電気容量は第1反射膜と第2反射膜との距離に相関がある。従って、第1反射膜と第2反射膜との距離を検出することができる。
[適用例6]
本適用例にかかる光学モジュールであって、上記のいずれか一項に記載の光フィルターと、前記光フィルターを収納する収納部と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、光フィルターは収納部に収納され、収納部に保護されている。従って、光学モジュールを把持するとき光フィルターが損傷することを防止することができる。そして、光フィルターでは反射膜に突起が出現することを抑制されている。従って、光学モジュールは効率良く所定の波長の光を通過させることができる。
[適用例7]
本適用例にかかる電子機器であって、光フィルターと、前記光フィルターを制御する制御部と、を備え、前記光フィルターは、固定基板と、前記固定基板に対向して配置される可動部と、前記固定基板に設けられた第1反射膜と、前記可動部に設けられ前記第1反射膜に対向する第2反射膜と、前記第1反射膜と前記第2反射膜との間隔を制御する間隔制御部と、を備え、前記第1反射膜と前記第2反射膜とのうち少なくとも一方は第1導電膜と第2導電膜とに挟まれ、前記第1導電膜と前記第2導電膜とは同じ材質であり、同じ膜厚であることを特徴とする。
本適用例によれば、電子機器は光フィルターと制御部とを備え、制御部が光フィルターを制御する。光フィルターは間隔制御部、第1反射膜及び第2反射膜を備え、間隔制御部が第1反射膜と第2反射膜との間隔を制御する。反射膜を挟んで導電膜が設置されている。導電膜により反射膜の表面が損傷を受けることを防止することができる。導電膜は導電性がある為、導電膜の表面に静電気が発生することを抑制することができる。従って、第1反射膜と第2反射膜との間の距離を精度良く制御することができる。
反射膜を挟む第1導電膜及び第2導電膜は同じ材質であり同じ膜厚となっている。従って、反射膜において第1面と第2面とで内部応力の差が生じ難いので、突起の出現を抑制することができる。従って、電子機器は、長期に渡って精度良く所定の波長を光を透過する光フィルターを備えた電子機器とすることができる。
[適用例8]
本適用例にかかる光フィルターであって、固定基板と、前記固定基板に対向して配置される可動部と、前記固定基板に設けられた第1反射膜と、前記可動部に設けられ前記第1反射膜に対向する第2反射膜と、前記第1反射膜と前記第2反射膜との間隔を制御する間隔制御部と、を備え、前記第1反射膜と前記第2反射膜とのうち少なくとも一方は第1導電膜と第2導電膜とに挟まれ、前記第1導電膜と前記第2導電膜とは同じ応力分布であることを特徴とする。
本適用例によれば、光フィルターは固定基板と可動部とを備えている。固定基板には第1反射膜が設置され、可動部には第2反射膜が設置されている。第1反射膜と第2反射膜とは対向配置されている。第1反射膜及び第2反射膜は入射光の一部を反射し一部を透過する。第1反射膜と第2反射膜との間で光の多重反射が生じ、位相の合う光は入射光が進行する方向に透過して進行する。間隔制御部が第1反射膜と第2反射膜との間隔を制御する。これにより、光フィルターは透過させる光の波長を制御することができる。
反射膜を挟んで導電膜が設置されている。導電膜により反射膜の表面が損傷を受けることを防止することができる。従って、品質良く光フィルターを製造することができる。そして、導電膜は導電性がある為、導電膜の表面に静電気が発生することを抑制することができる。従って、第1反射膜と第2反射膜との間の距離を精度良く制御することができる。
第1導電膜と第2導電膜とは同じ応力分布になっている。従って、反射膜において第1面と第2面とで内部応力の差が生じ難いので、反射膜に突起が出現することを抑制することができる。その結果、光フィルターは長期に渡って所定の波長の光を精度良く透過させることができる。
第1の実施形態にかかわり、(a)及び(b)は光学モジュールの構造を示す概略斜視図。 (a)は光学モジュールの構造を示す模式平面図、(b)及び(c)は光学モジュールの構造を示す模式側断面図。 (a)は光フィルターの構造を示す模式側断面図、(b)は反射膜の構造を示す要部模式断面図。 (a)は可動基板の構造を示す模式平面図、(b)は固定基板の構造を示す模式平面図。 制御部の電気制御ブロック図。 光学モジュールの製造方法を説明するための模式図。 光学モジュールの製造方法を説明するための模式図。 光学モジュールの製造方法を説明するための模式図。 第2の実施形態にかかわり、(a)は可動基板の構造を示す模式平面図、(b)は固定基板の構造を示す模式平面図。 制御部の電気制御ブロック図。 第3の実施形態にかかわり、反射膜の構造を示す要部模式断面図。 第4の実施形態にかかわる測色装置の構成を示すブロック図。 第5の実施形態にかかわるガス検出装置の構成を示す模式正面図。 ガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図。 第6の実施形態にかかわる食物分析装置の構成を示すブロック図。 第7の実施形態にかかわる分光カメラの構成を示す概略斜視図。
以下、実施形態について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
本実施形態では、特徴的な構造を有する光学モジュールと、この光学モジュールの製造方法について図面に従って説明する。光学モジュールについて図1〜図8に従って説明する。図1(a)及び図1(b)は光学モジュールの構造を示す概略斜視図である。図1(a)は光学モジュールの第1蓋体側から見た図であり、図1(b)は光学モジュールの第2蓋体側から見た図である。図1(a)に示すように、光学モジュール1は略直方体の形状となっている。光学モジュール1の図中下方向をZ方向とし、Z方向と直交する2方向をX方向及びY方向とする。X方向、Y方向、Z方向はそれぞれ光学モジュール1の辺に沿う方向であり、直交する方向となっている。
光学モジュール1は有底角筒状の収納部としての筐体2を備え、筐体2の−Z方向側には円形の第1孔2aが形成されている。そして、第1孔2aを塞ぐように収納部としての第1蓋体3が設置されている。筐体2と第1蓋体3とは第1の低融点ガラス4により接合されている。筐体2において−Z方向側の面には第1端子5、第2端子6、第3端子7、第4端子8が設置されている。筐体2のZ方向側には収納部としての第2蓋体9が設置され、筐体2と第2蓋体9とは第2の低融点ガラス10により接合されている。
図1(b)に示すように、筐体2のZ方向には四角形の第2孔2bが形成されている。第2孔2bは第1孔2aより大きな孔となっている。そして、第2孔2bを塞ぐように第2蓋体9が設置されている。筐体2、第1蓋体3及び第2蓋体9に囲まれた内部空間11は密閉された空間であり、内部空間11には光フィルター12が設置されている。換言すれば、筐体2は内部空間11を有し内部空間11に光フィルター12を収納する。第2蓋体9は筐体2と接続され内部空間11を密閉する。筐体2、第1蓋体3及び第2蓋体9等により収納部が形成され、収納部の内部に光フィルター12が収納されている。
光学モジュール1の寸法は特に限定されないが、本実施形態では例えば、第1蓋体3から第2蓋体9までの厚みが約3mmである。筐体2をZ方向から見た大きさは1辺が約15mmの四角形となっている。第2蓋体9の厚みは約1mmである。光フィルター12をZ方向から見た大きさは1辺が約11mm〜12mmの四角形となっている。光フィルター12の厚みは約0.7mm〜1.5mmとなっている。
図2(a)は光学モジュールの構造を示す模式平面図であり、光学モジュール1をZ方向側から見た図である。図2(a)は第2蓋体9を除いた図となっている。図2(b)は光学モジュールの構造を示す模式側断面図であり、図2(a)のA−A線に沿う断面から見た図である。図2(a)及び図2(b)に示すように、筐体2の底面2cに光フィルター12が設置され、光フィルター12は可動基板13と固定基板14とが重なった構造となっている。
可動基板13は+X方向側の端に第1端子15、第2端子16、第3端子17、第4端子18が設置されている。+X方向側の底面2cには第1端子21、第2端子22、第3端子23、第4端子24が設置されている。第1端子15は第1端子21と金線25により接続され、第2端子16は第2端子22と金線25により接続されている。さらに、第3端子17は第3端子23と金線25により接続され、第4端子18は第4端子24と金線25により接続されている。
筐体2には貫通電極26が設置され、第1端子21は第1端子5と貫通電極26により接続されている。同様に、第2端子22は第2端子6と貫通電極26により接続され、第3端子23は第3端子7と貫通電極26により接続されている。さらに、第4端子24は第4端子8と貫通電極26により接続されている。つまり、第1端子15は第1端子5と接続され、第2端子16は第2端子6と接続されている。そして、第3端子17は第3端子7と接続され、第4端子18は第4端子8と接続されている。
第1端子5〜第4端子8は制御部27と電気的に接続されている。制御部27は第1端子5〜第4端子8、貫通電極26、第1端子21〜第4端子24及び金線25を介して第1端子15〜第4端子18の電圧を制御する。
第1蓋体3及び第2蓋体9は光透過性を有するケイ酸ガラスによって形成されている。可動基板13及び固定基板14の材料にもケイ酸ガラスが用いられている。ケイ酸ガラスには例えばソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等の各種ガラスや、水晶等を用いることができる。従って、第1蓋体3、光フィルター12、第2蓋体9を入射光としての光28が通過することが可能になっている。筐体2の材質は第1蓋体3及び第2蓋体9と線膨張率が近い材質であれば良く特に限定されないが、本実施形態では例えば、筐体2の材質にセラミックを用いている。
図2(c)は光学モジュールの構造を示す模式側断面図であり、図2(a)のB−B線に沿う断面から見た図である。図2(a)及び図2(c)に示すように、固定基板14の−X方向且つ+Y方向側の角の付近には固定部29が設置され、固定部29により固定基板14は上面にて第2蓋体9に固定されている。固定部29にはケイ酸ガラスに添加剤を加えた低融点ガラスが用いられている。本実施形態では例えば、第2蓋体9、可動基板13及び固定基板14、に石英ガラスが用いられている。
図3(a)は光フィルターの構造を示す模式側断面図である。図3(b)は反射膜の構造を示す要部模式断面図である。図4(a)は可動基板の構造を示す模式平面図であり、図4(b)は固定基板の構造を示す模式平面図である。図3に示すように、光フィルター12では可動基板13と固定基板14とが接合膜30により接合されている。接合膜30には例えば、シロキサンを主成分とするプラズマ重合膜等により構成された膜を用いることができる。固定基板14のZ方向側の面にはアパーチャー31が設置されている。
アパーチャー31は例えばCr等の非透光性部材の膜である。アパーチャー31は円環状であり、アパーチャー31の内周径は光フィルター12が光干渉する光28の有効径に設定されている。これにより、アパーチャー31は光学モジュール1に入射する光28を所定の範囲に限定して絞ることができる。アパーチャー31が無くても光フィルター12が通過させる光28の波長の精度がだせるときにはアパーチャー31を省略しても良い。
図3及び図4(a)に示すように、Z方向から見た平面視で可動基板13には中央を囲む円環状の溝13aが設置されている。溝13aに囲まれた円柱状の部分を可動部13bとする。可動部13bは固定基板14に対向して配置されている。可動部13bの周囲に位置し溝13aにより薄くなっている部分を保持部13cとする。保持部13cは厚みが薄いので変形し易くなっている。これにより、可動部13bは容易にZ方向に移動することが可能になっている。可動基板13は厚みが例えば200μm〜800μmに形成されたガラス基材を加工することで形成されている。保持部13cの厚みは特に限定されないが本実施形態では例えば約30μmになっている。
可動部13bの+Z方向側の面には第1導電膜としての導電膜32が設置されている。導電膜32の材質は光透過性があり導電性のある膜であれば良くIGO(Indium−gallium oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、ICO(indium−doped cerium oxide)等を用いることができる。本実施形態では例えば導電膜32の材質にIGOが用いられている。IGOは光透過性が良く、可視領域において概ね80%以上の透過性を有している。そして、IGOは10−3 ΩCm以下の導電性を有している。さらに、IGOはアモルファス構造である為シュウ酸系のエッチング液を用いて所定に形状に容易に形成することができる。このように、IGOは導電膜32に適した材料となっている。
導電膜32の+X方向側には導電膜配線32aが+X方向に延在している。導電膜配線32aは導電膜32と同じ材質であり、導電膜32を設置する工程と同じ工程で設置される。可動基板13の+Z方向側の面にはさらに第1端子15〜第4端子18が設置され、導電膜配線32aは第3端子17と接続されている。第3端子17は一部が導電膜配線32aの上に重ねて設置されている。
第1端子15〜第4端子18は金属下地層33上に金属上側層34が積層された構造となっている。金属下地層33にはCr膜、TiW膜、NiCr合金膜、Cr膜上にNi膜を積層した膜等を用いることができる。金属下地層33がTiWのときには過塩素酸系のエッチング液を用いて金属下地層33を成形する。そして、金属下地層がCr、NiCrのときにはエッチング液に硝酸セリウム系エッチング液を用いて金属下地層33を成形する。これにより、導電膜32に損傷を与えることなくパターニングすることができる。例えば本実施形態では、金属下地層33にCr膜を用いている。そして、金属上側層34は抵抗の小さい金属が好ましく、例えば本実施形態では、金属上側層34にAu膜を用いている。
導電膜32上には導電膜32と重ねて第2反射膜としての可動反射膜35が設置されている。可動反射膜35はZ方向から見た形状が円形の膜であり表面が鏡面となっている。可動反射膜35は入射する光28の一部を反射し一部を透過させる。可動反射膜35の材質は光28を反射する反射率の高い材質が好ましく、本実施形態では例えば可動反射膜35の材質に銀または銀合金が用いられている。銀合金には例えば、AgSmCu(銀サマリウム銅合金)、AgC(炭化銀)、AgPdCu(銀パラジウム銅合金)、AgBiNd(銀ビスマス銅合金)、AgGaCu(銀ガリウム銅合金)、AgAu(金化銀)、AgInSn(銀インジウム錫合金)、AgCu(銅化銀)を使用することができる。AgSmCu、AgBiNdの合金は特に硫黄、ハロゲン化合物、ナトリウムに対して耐性が高いので製造工程における反射率を劣化の抑制することができる。本実施形態では例えば可動反射膜35にAgSmCuが用いられている。
可動反射膜35と可動部13bとの間には導電膜32が設置されている。導電膜32は可動反射膜35及び可動基板13と親和性のある材料からなっている。導電膜32があることにより、可動反射膜35を可動部13b上に直接設置するときに比べて密着性良く可動反射膜35を可動部13b上に設置することができる。
可動反射膜35の上には可動反射膜35と重ねて第2導電膜としての保護膜36が設置されている。保護膜36は可動反射膜35を保護し可動反射膜35の反射率を維持する。保護膜36の材質は導電膜32と同じ材質であり導電性を有した膜となっている。本実施形態では例えば導電膜32と保護膜36にIGOが用いられている。IGOは光28の透過率が高い為効率良く光28を透過させることができる。さらに、IGOは低抵抗であり静電気を迅速に第3端子17に流動させることができる。
導電膜32と保護膜36とは同じ厚みであり、同じ形状となっている。導電膜32及び保護膜36の厚みは5nm〜20nm程度とすることが好ましい。厚すぎると光28を減衰させ、薄すぎると保護する機能が発揮できなくなる。そして、保護膜36及び導電膜32が可動反射膜35を挟んで設置され、導電膜32と保護膜36とは対向した場所に位置する。光フィルター12の温度が変化するとき、保護膜36、導電膜32及び可動反射膜35は温度に応じて伸縮する。そして、可動反射膜35において導電膜32側の面と保護膜36側の面とで内部応力の差があるとき“ヒロック”や“ウィスカ”と呼ばれる突起が出現する。これにより、可動反射膜35の反射率が低下する。本実施形態では可動反射膜35を挟む保護膜36及び導電膜32は同じ材質となっている。さらに、導電膜32と保護膜36とは同じ厚みであり、同じ形状となっている。従って、可動反射膜35を挟む保護膜36及び導電膜32は同じ熱膨張率となる。従って、可動反射膜35において導電膜32側の面と保護膜36側の面とで内部応力の差が生じ難いので、突起の出現を抑制することができる。
保護膜36は可動反射膜35、導電膜32及び導電膜配線32aを介して第3端子17と電気的に接続されている。第3端子17では金属上側層34にAu膜が用いられている。これにより、第3端子17を流れる電流の抵抗を小さくすることができる。その結果、保護膜36に静電気が発生するときにも迅速に静電気を解消することができる。
可動反射膜35の周囲には可動電極37が設置され、可動電極37は円環状に可動反射膜35を囲んでいる。可動電極37は円環状の+X方向側が分断され、分断された場所に導電膜配線32aが設置されている。可動電極37は電極配線37aにより第2端子16と接続されている。第2端子16は筐体2の第2端子6と接続されているので、可動電極37は第2端子6と接続されている。
可動電極37及び電極配線37aはITO膜とAu膜の積層膜となっている。第2端子16は一部が電極配線37aの上に重ねて設置されている。
図3及び図4(b)に示すように、−Z方向から見た平面視で固定基板14の中央には円柱状に−Z方向に突出する反射膜設置部14aが設置されている。反射膜設置部14aの周囲には円環状に凹んだ電極設置溝14bが設置されている。さらに、電極設置溝14bは+X方向側に延び固定基板14の外周にまで延在している。従って、固定基板14では電極設置溝14bが+X方向側で開口している。固定基板14は厚みが例えば500μm〜1000μmに形成されたガラス基材を加工することで形成されている。
反射膜設置部14aの−Z方向側の面には第1導電膜としての導電膜38が設置されている。導電膜38の材質は導電膜32の材質と同様の材質を用いることができる。導電膜38の材質にはIGO、ITO、ICO等を用いることができる。本実施形態では例えば導電膜38の材質にIGOが用いられている。このため、導電膜38は光透過性が良く低抵抗でありシュウ酸系のエッチング液を用いて所定に形状に容易に形成することができる。
導電膜38の−X方向側には導電膜配線38aが−X方向に延在している。導電膜配線38aは導電膜38と同じ材質であり、導電膜38を設置する工程と同じ工程で設置される。固定基板14の−Z方向側の面にはさらに反射膜端子41が設置され、導電膜配線38aは反射膜端子41と接続されている。反射膜端子41は一部が導電膜配線38aの上に重ねて設置されている。
反射膜端子41は第1端子15〜第4端子18と同様に金属下地層42上に金属上側層43が積層された構造となっている。金属下地層42には金属下地層33と同様の材質の膜が用いられている。そして、金属上側層43は抵抗の小さい金属が好ましく、金属上側層34と同様の膜を用いられている。反射膜端子41は導電膜38の同軸円に沿って導電膜38の−Y方向側を通って+X方向側まで延在し、第4端子18と対向する位置まで達する。
導電膜38の−Z方向側の面には第1反射膜としての固定反射膜44が設置されている。固定反射膜44は−Z方向から見た形状が円形の膜であり表面が鏡面となっている。固定反射膜44の材質は可動反射膜35と同様の材質が用いられている。固定反射膜44は可動反射膜35と対向する場所に位置し、光28の一部を反射させ一部を透過させる。
固定反射膜44と固定基板14との間には導電膜38が設置されている。導電膜38は固定反射膜44及び固定基板14と親和性のある材質からなっている。導電膜38があることにより、固定反射膜44を固定基板14上に直接設置するときに比べて密着性良く固定反射膜44を固定基板14上に設置することができる。
固定反射膜44の上には固定反射膜44と重ねて第2導電膜としての保護膜45が設置されている。保護膜45は固定反射膜44を保護し固定反射膜44の反射率を維持する。保護膜45の材質は導電膜38と同じ材質であり導電性を有した膜となっている。本実施形態では例えば導電膜38と保護膜45にIGOが用いられている。IGOは低抵抗であり静電気を迅速に反射膜端子41に流動させることができる。
そして、固定反射膜44を挟む導電膜38及び保護膜45は同じ熱膨張率となる。導電膜38と保護膜45とは同じ厚みであり、同じ形状となっている。導電膜38及び保護膜45の厚みは5nm〜20nm程度とすることが好ましい。厚すぎると光28を減衰させ、薄すぎると保護する機能が発揮できなくなる。そして、導電膜38及び保護膜45が固定反射膜44を挟んで設置され、導電膜38と保護膜45とは対向した場所に位置する。従って、固定反射膜44において導電膜38側の面と保護膜45側の面とで内部応力の差が生じ難いので、“ヒロック”や“ウィスカ”と呼ばれる突起の出現を抑制することができる。そして、IGOは光28の透過率が高い為効率良く光28を透過させることができる。
保護膜45は固定反射膜44、導電膜38、導電膜配線38aを介して反射膜端子41と電気的に接続されている。反射膜端子41では金属上側層43にAu膜が用いられている。これにより、反射膜端子41を流れる電流の抵抗を小さくすることができる。その結果、保護膜45に静電気が発生するときにも迅速に静電気を解消することができる。
固定反射膜44の周囲には電極設置溝14bに固定電極46が設置されている。固定電極46は固定反射膜44の周囲に位置し円環状に固定反射膜44を囲んでいる。固定電極46は円環状の−X方向側が分断され、分断された場所に導電膜38に接続する導電膜配線38aが設置されている。固定電極46は固定電極配線46aにより固定電極端子47と接続されている。固定電極端子47は導電膜38の同軸円に沿って固定電極46の+Y方向側を通って+X方向側まで延在し、第1端子15と対向する位置まで達する。
反射膜端子41と第4端子18との間にはバンプ電極48が設置され、バンプ電極48により反射膜端子41は第4端子18と接続されている。第4端子18は筐体2の第4端子8と接続されているので、固定反射膜44は第4端子8と接続されている。同様に、固定電極端子47と第1端子15との間にはバンプ電極48が設置され、バンプ電極48により固定電極端子47は第1端子15と接続されている。第1端子15は筐体2の第1端子5と接続されているので、固定電極46は第1端子5と接続されている。
可動電極37と固定電極46とは円環状の部分が対向して設置されている。そして、制御部27が、第2端子6と第1端子5との間に所定の電圧を印加する。これにより、可動電極37と固定電極46との間に静電気力が発生する。静電気力により保持部13cが撓むことで、可動反射膜35と固定反射膜44との間隔である反射膜間ギャップ49を変位させる。これにより、制御部27が反射膜間ギャップ49を所望の寸法に設定することが可能となる。可動電極37、固定電極46及び保持部13c等により間隔制御部としての静電アクチュエーター50が構成されている。
可動反射膜35及び固定反射膜44は光フィルター12に入射する光28の一部を反射し一部を透過する。可動反射膜35と固定反射膜44との間で多重反射が生じ、位相の合う光28は光28が進行する方向に透過して進行する。静電アクチュエーター50が反射膜間ギャップ49を制御することにより光フィルター12は所定の波長の光28を透過させることができる。
Z方向から見た可動基板13の平面視において保護膜36は導電膜32と同じ形状となっている。可動反射膜35を挟む導電膜32及び保護膜36は同じ応力分布となる。従って、可動反射膜35において導電膜32側の面と保護膜36側の面とで内部応力の差が生じ難いので、可動反射膜35の表面に突起が出現することを抑制することができる。
同様に、Z方向から見た固定基板14の平面視において保護膜45は導電膜38と同じ形状となっている。固定反射膜44を挟む導電膜38及び保護膜45は同じ応力分布となる。従って、固定反射膜44において導電膜38側の面と保護膜45側の面とで内部応力の差が生じ難いので、固定反射膜44の表面に突起が出現することを抑制することができる。
図5は制御部の電気制御ブロック図である。図5に示すように、制御部27には第1スイッチ51、第2スイッチ52の2個のスイッチと第1スイッチ51及び第2スイッチ52を制御するスイッチ制御部53とが設置されている。各スイッチは2回路2接点スイッチの形態となっている。第1スイッチ51は第1可動切片51a、第2可動切片51b、第1接点51c、第2接点51d、第3接点51e及び第4接点51fを備えている。
第1可動切片51a及び第2可動切片51bは共に接地されている。第1接点51cは孤立し接続されていない接点である。第2接点51dは第4端子8を介して導電膜38と接続されている。第1可動切片51aは第1接点51c及び第2接点51dの一方と導通する。同様に、第3接点51eは孤立し接続されていない接点である。第4接点51fは第3端子7を介して導電膜32と接続されている。第2可動切片51bは第3接点51e及び第4接点51fの一方と導通する。
第1可動切片51aと第2可動切片51bとは連動しスイッチ制御部53に制御される。スイッチ制御部53が第1可動切片51aを第1接点51cと導通させて第2可動切片51bを第3接点51eと導通させるとき、第1スイッチ51では導電膜38が第1可動切片51aと切断され、導電膜32が第2可動切片51bと切断された状態となる。一方、スイッチ制御部53が第1可動切片51aを第2接点51dと導通させて第2可動切片51bを第4接点51fと導通させるとき、第1スイッチ51では導電膜32及び導電膜38が接地された状態となる。従って、スイッチ制御部53は導電膜32及び導電膜38を短絡させて且つ接地させるか開放するかを制御することができる。
第2スイッチ52は第1可動切片52a、第2可動切片52b、第1接点52c、第2接点52d、第3接点52e及び第4接点52fを備えている。第1可動切片52a及び第2可動切片52bは距離検出部54と接続されている。第1接点52cは第4端子8を介して導電膜38と接続されている。第2接点52dは孤立し接続されていない接点である。第1可動切片52aは第1接点52c及び第2接点52dの一方と導通する。同様に、第3接点52eは第3端子7を介して導電膜32と接続されている。第4接点52fは孤立し接続されていない接点である。第2可動切片52bは第3接点52e及び第4接点52fの一方と導通する。距離検出部54は導電膜32と導電膜38との間の電気容量を測定することにより導電膜32と導電膜38との間の距離を検出する機能を有する。
光フィルター12は第3端子7及び第4端子8の外部端子を備えている。そして、第3端子7及び第4端子8の外部端子を用いて距離検出部54が導電膜32と導電膜38との間の距離を検出することが可能になっている。
第1可動切片52aと第2可動切片52bとは連動しスイッチ制御部53に制御される。スイッチ制御部53が第1可動切片52aを第1接点52cと導通させて第2可動切片52bを第3接点52eと導通させるとき、第2スイッチ52では導電膜32及び導電膜38が距離検出部54と接続される。一方、スイッチ制御部53が第1可動切片52aを第2接点52dと導通させて第2可動切片52bを第4接点52fと導通させるとき、第2スイッチ52では導電膜32及び導電膜38が距離検出部54と切断される。従って、スイッチ制御部53は導電膜32及び導電膜38を距離検出部54に接続させるか接地させるかを制御することができる。
制御部27が反射膜間ギャップ49を検出するとき、まず、スイッチ制御部53が第1スイッチ51及び第2スイッチ52を切り替える。第1スイッチ51ではスイッチ制御部53が第1可動切片51aを第1接点51cと接触させる。さらに、スイッチ制御部53は第2可動切片51bを第3接点51eと接触させる。さらに、第2スイッチ52ではスイッチ制御部53が第1可動切片52aを第1接点52cと接触させる。さらに、スイッチ制御部53は第2可動切片52bを第3接点52eと接触させる。これにより、導電膜32及び導電膜38はそれぞれ距離検出部54と接続される。そして、距離検出部54は導電膜32及び導電膜38に通電して導電膜32と導電膜38との間の電気容量を測定する。これにより、距離検出部54は反射膜間ギャップ49を検出する。
距離検出部54が反射膜間ギャップ49を測定しないとき、第1スイッチ51ではスイッチ制御部53が第1可動切片51aを第2接点51dと接触させる。さらに、スイッチ制御部53は第2可動切片51bを第4接点51fと接触させる。第2スイッチ52ではスイッチ制御部53は第1可動切片52aを第2接点52dと接触させる。さらに、スイッチ制御部53は第2可動切片52bを第4接点52fと接触させる。これにより、導電膜32及び導電膜38はそれぞれ接地され、互いに導通する。
導電膜32と導電膜38との間には水分子や酸素分子等の分子が移動し、分子同士が衝突しあう。このとき、各分子に静電気が生ずることがある。そして、静電気をもつ分子が導電膜32及び導電膜38に接触するとき導電膜32及び導電膜38が帯電する。静電気により導電膜32と導電膜38との間で電圧差が生じるとき、導電膜32と導電膜38との間に静電気力が生じる。これにより反射膜間ギャップ49が変動する。反射膜間ギャップ49が変動することにより光フィルター12を通過する光の波長が変動する。そこで、スイッチ制御部53が所定の時間間隔にて導電膜32及び導電膜38を接地する。これにより、導電膜32及び導電膜38の静電気が除去される為反射膜間ギャップ49を精度良く制御することができる。
尚、第1スイッチ51及び第2スイッチ52はトランジスター等の半導体により構成されたスイッチング素子を用いても良く電磁スイッチでも良い。電流が小さいときには半導体により構成されたスイッチング素子を用いる方が製造し易く耐久性があり好ましい。本実施形態では、例えば、第1スイッチ51及び第2スイッチ52は半導体により構成されたスイッチング素子を用いている。
制御部27には電圧制御部55が設置され、電圧制御部55には可動電極37及び固定電極46が電気的に接続されている。電圧制御部55は可動電極37及び固定電極46に印加する電圧を制御することにより反射膜間ギャップ49を制御することが可能になっている。電圧制御部55が反射膜間ギャップ49を所定の間隔に変更する。そして、光28が光フィルター12に入射される。光28は可動反射膜35と固定反射膜44との間で多重反射し、反射膜間ギャップ49の寸法に応じた波長の光が光フィルター12を通過する。従って、電圧制御部55が反射膜間ギャップ49を制御することにより光フィルター12を通過する光28の波長を制御することが可能になっている。
次に、光学モジュール1の製造方法について説明する。図6〜図8は光学モジュールの製造方法を説明するための模式図である。図6(a)に示すように、溝13a及び保持部13cが形成された可動基板13を用意する。溝13a及び保持部13cは公知のリソグラフィー法を用いてパターニングしエッチングすることにより形成することができる。例えば、クロム層及び金層からなる層をパターニングしてマスクを形成し、超高純度バッファードフッ酸を用いてエッチングすることにより形成することができる。例えば本実施形態では厚みが0.5mmの石英基板をエッチングして保持部13cの厚みを約30μmに形成した。
次に、図6(b)に示すように、可動基板13上に導電膜32及び可動電極37を設置する。まず、可動基板13上に可動電極37の材料であるITOとAuとが積層されたベタ膜を形成する。ベタ膜は基板上全体に同じ膜厚で設置された膜を示す。次に、ITOのベタ膜に重ねてAu膜のベタ膜を形成する。ベタ膜の形成には蒸着法、スパッタ法等の成膜方法を用いることができる。次に、ベタ膜をパターニングして可動電極37及び電極配線37aを形成する。可動電極37及び電極配線37aを形成するには公知のリソグラフィー法を用いてマスクをパターニングしてベタ膜をエッチングすることにより形成することができる。
次に、可動基板13上に導電膜32の材料であるIGOのベタ膜を形成する。ベタ膜は基板上全体に同じ膜厚で設置された膜を示す。ベタ膜の形成には蒸着法、スパッタ法等の成膜方法を用いることができる。次に、ベタ膜をパターニングして導電膜32、導電膜配線32aを形成する。導電膜32及び導電膜配線32aを形成するには公知のリソグラフィー法を用いてマスクをパターニングしてベタ膜をエッチングすることにより形成することができる。IGO膜のエッチング液はシュウ酸系エッチング液を用いることができる。尚、導電膜32及び可動電極37の設置順は交代しても良い。そして、先に設置する膜を保護する保護膜を設置し後で膜を設置した後で保護膜を除去する工程を入れても良い。
次に、図6(c)に示すように、可動基板13上に第1端子15〜第4端子18及びバンプ電極48を形成する。まず、可動基板13上に金属下地層33の材料であるCrからなる下地導体ベタ膜を形成する。下地導体ベタ膜はCrの材料からなるベタ膜を示す。次に、下地導体ベタ膜に重ねて、金属上側層34の材料であるAuからなる上側導体ベタ膜を形成する。上側導体ベタ膜はAuの材料からなるベタ膜を示す。下地導体ベタ膜及び上側導体ベタ膜の形成には蒸着法、スパッタ法等の成膜方法を用いることができる。
次に、上側導体ベタ膜の表面をパターニングしてバンプ電極48を形成する。さらに、上側導体ベタ膜の残った膜をパターニングして第1端子15〜第4端子18の金属上側層34を形成する。さらに、下地導体ベタ膜をパターニングして第1端子15〜第4端子18の金属下地層33を形成する。第1端子15〜第4端子18及びバンプ電極48を形成するには公知のリソグラフィー法を用いてマスクをパターニングして導体ベタ膜をエッチングすることにより形成することができる。Auのエッチング液は特に限定されないが例えばヨウ素系エッチング液を用いることができる。金属下地層33の材料にCrまたはNiCrを用いるときのエッチング液は特に限定されないが例えば硝酸セリウム系エッチング液を用いることができる。金属下地層33の材料にはTiWを用いても良い。このときのエッチング液は特に限定されないが例えば過塩素酸系エッチング液を用いることができる。
第3端子17は導電膜配線32a上で一部が重なるようにパターニングされる。同様に、第2端子16は電極配線37a上で一部が重なるようにパターニングされる。
次に、図6(d)に示すように、導電膜32上に可動反射膜35及び保護膜36を形成する。まず、導電膜32上に可動反射膜35の材料からなる反射ベタ膜を形成する。反射ベタ膜は例えばAgSmCuからなるベタ膜である。反射ベタ膜上に保護膜36の材料からなる保護ベタ膜を形成する。保護ベタ膜はIGOからなるベタ膜である。保護ベタ膜の厚みは導電膜32と同じ厚みに形成する。反射ベタ膜及び保護ベタ膜の形成には蒸着法、スパッタ法等の成膜方法を用いることができる。次に、保護ベタ膜をパターニングして保護膜36を形成する。続いて、反射ベタ膜をパターニングして可動反射膜35を形成する。このとき、導電膜32、可動反射膜35及び保護膜36を同じ形状に形成する。保護膜36及び可動反射膜35を形成するには公知のリソグラフィー法を用いてマスクをパターニングして保護ベタ膜及び反射ベタ膜をエッチングすることにより形成することができる。IGO膜のエッチング液はシュウ酸系エッチング液を用いることができる。反射ベタ膜のエッチング液はリン酸、硝酸、酢酸混合エッチング液を用いることができる。
次に、図6(e)に示すように反射膜設置部14a及び電極設置溝14bが形成された固定基板14を用意する。反射膜設置部14a及び電極設置溝14bは公知のリソグラフィー法を用いてパターニングしエッチングすることにより形成することができる。例えば、クロム層及び金層からなる層をパターニングしてマスクを形成し、超高純度バッファードフッ酸を用いてエッチングすることにより形成することができる。例えば、本実施形態では厚みが1mmの石英基板をエッチングして形成した。固定基板14にはアパーチャー31が設置されている。アパーチャー31の形成には、まず、アパーチャー31の材料のベタ膜を形成する。ベタ膜の形成には蒸着法、スパッタ法等の成膜方法を用いることができる。次に、ベタ膜をパターニングしてアパーチャー31を形成する。アパーチャー31を形成するには公知のリソグラフィー法を用いてマスクをパターニングしてベタ膜をエッチングすることにより形成することができる。
次に、図7(a)に示すように、固定基板14上に導電膜38、導電膜配線38a、固定電極46及び固定電極配線46aを設置する。まず、固定基板14上に固定電極46の材料であるITOとAuとが積層されたベタ膜を形成する。ベタ膜の形成には蒸着法、スパッタ法等の成膜方法を用いることができる。次に、ベタ膜をパターニングして固定電極46及び固定電極配線46aを形成する。固定電極46及び固定電極配線46aを形成するには公知のリソグラフィー法を用いてマスクをパターニングしてベタ膜をエッチングすることにより形成することができる。
次に、固定基板14上に導電膜38の材料であるIGOのベタ膜を形成する。ベタ膜の形成には蒸着法、スパッタ法等の成膜方法を用いることができる。次に、ベタ膜をパターニングして導電膜38及び導電膜配線38aを形成する。導電膜38及び導電膜配線38aを形成するには公知のリソグラフィー法を用いてマスクをパターニングしてベタ膜をエッチングすることにより形成することができる。IGO膜のエッチング液はシュウ酸系エッチング液を用いることができる。尚、導電膜38及び固定電極46の設置順は交代しても良い。そして、先に設置する膜を保護する保護膜を設置し後で膜を設置した後で保護膜を除去する工程を入れても良い。
次に、図7(b)に示すように、電極設置溝14b上に反射膜端子41及び固定電極端子47を形成する。まず、電極設置溝14b上に金属下地層42の材料であるCrからなる下地導体ベタ膜を形成する。下地導体ベタ膜はCrの材料からなるベタ膜を示す。次に、下地導体ベタ膜に重ねて、金属上側層43の材料であるAuからなる上側導体ベタ膜を形成する。上側導体ベタ膜はAuの材料からなるベタ膜を示す。下地導体ベタ膜及び上側導体ベタ膜の形成には蒸着法、スパッタ法等の成膜方法を用いることができる。
次に、上側導体ベタ膜の表面をパターニングして反射膜端子41及び固定電極端子47の金属上側層43を形成する。さらに、下地導体ベタ膜をパターニングして反射膜端子41及び固定電極端子47の金属下地層42を形成する。反射膜端子41及び固定電極端子47を形成するには公知のリソグラフィー法を用いてマスクをパターニングして導体ベタ膜をエッチングすることにより形成することができる。Auのエッチング液は特に限定されないが例えばヨウ素系エッチング液を用いることができる。金属下地層42の材料にCrまたはNiCrを用いるときのエッチング液は特に限定されないが例えば硝酸セリウム系エッチング液を用いることができる。
反射膜端子41は導電膜配線38a上で一部が重なるようにパターニングされる。同様に、固定電極端子47は固定電極配線46a上で一部が重なるようにパターニングされる。
次に、図7(c)に示すように、導電膜38上に固定反射膜44及び保護膜45を設置する。まず、導電膜38上に固定反射膜44の材料からなる反射ベタ膜を形成する。反射ベタ膜は例えばAgSmCuからなるベタ膜である。反射ベタ膜上に保護膜45の材料からなる保護ベタ膜を形成する。保護ベタ膜の厚みは導電膜38と同じ厚みに形成する。保護ベタ膜はIGOからなるベタ膜である。反射ベタ膜及び保護ベタ膜の形成には蒸着法、スパッタ法等の成膜方法を用いることができる。次に、保護ベタ膜をパターニングして保護膜45を形成する。続いて、反射ベタ膜をパターニングして固定反射膜44を形成する。このとき、導電膜38、固定反射膜44及び保護膜45を同じ形状に形成する。保護膜45及び固定反射膜44を形成するには公知のリソグラフィー法を用いてマスクをパターニングして反射ベタ膜をエッチングすることにより形成することができる。保護ベタ膜であるIGO膜のエッチング液にはシュウ酸系エッチング液を用いることができる。反射ベタ膜のエッチング液にはリン酸、硝酸、酢酸混合エッチング液を用いることができる。
導電膜32、導電膜38、保護膜36及び保護膜45の材料にはIGOが用いられている。導電膜32、導電膜38、保護膜36及び保護膜45の材料にITOを用いるとき、ITOは結晶性の膜でありパターニングするには王水系エッチング液を用いなければならない。王水系エッチング液は配線や素子等に損傷を及ぼす可能性がある。IGOをパターニングするときに用いるエッチング液には例えばシュウ酸系エッチング液を用いることができる。IGO用のエッチング液は王水系エッチング液に比べて配線や素子等に損傷を及ぼし難い溶液である。従って、品質良く光フィルター12を製造することができる。
次に、図7(d)に示すように、可動基板13と固定基板14とを接合する。可動基板13及び固定基板14にそれぞれシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜を成膜する。次に、プラズマ重合膜を貼り合せて可動基板13と固定基板14とを接合する。貼り合せられたプラズマ重合膜は接合膜30となる。バンプ電極48は反射膜端子41と第4端子18とを接続し、固定電極端子47と第1端子15とを接続する。以上の工程により光フィルター12が完成する。
続いて、光フィルター12を筐体2及び第2蓋体9で密閉する。図8(a)に示すように、まず、筐体2及び光フィルター12を用意する。筐体2には第1蓋体3、第1端子5〜第4端子8、貫通電極26、第1端子21〜第4端子24等が設置されている。尚、筐体2の製造方法は公知の方法を用いて製造することが可能であり説明を省略する。
次に、筐体2内の内部空間11に光フィルター12を配置し、図示しない固定治具を用いて筐体2と光フィルター12との位置関係を固定する。
図8(b)に示すように、次に、第1端子15と第1端子21とを金線25で接続し、第2端子16と第2端子22とを金線25で接続する。さらに、第3端子17と第3端子23とを金線25で接続し、第4端子18と第4端子24とを金線25で接続する。金線25の接続はワイヤーボンディング法を用いて行われる。金線25が設置された後で固定治具を除去する。
図8(c)に示すように、次に、筐体2の第2蓋体9を設置する予定の面に低融点ガラスペースト56を配置する。固定基板14上で固定部29を設置する予定の場所に低融点ガラスペースト57を配置する。続いて、低融点ガラスペースト56及び低融点ガラスペースト57を加熱してバインダー成分を蒸発させて除去する。
図8(d)に示すように、次に、筐体2上に第2蓋体9を配置し、真空チャンバー装置等によって真空雰囲気に設定された環境下で加熱する。低融点ガラスペースト56及び低融点ガラスペースト57が溶融した後、徐冷する。これにより、低融点ガラスペースト56が第2の低融点ガラス10になり、低融点ガラスペースト57が固定部29になる。そして、内部空間11が減圧された状態で光学モジュール1が封止される。以上の工程により光学モジュール1が完成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、固定反射膜44と固定基板14との間には導電膜38が設置されている。導電膜38があることにより、固定反射膜44を固定基板14上に直接設置するときに比べて密着性良く固定反射膜44を固定基板14上に設置することができる。同様に、可動反射膜35と可動部13bとの間には導電膜32が設置されている。導電膜32があることにより、可動反射膜35を可動部13b上に直接設置するときに比べて密着性良く可動反射膜35を可動部13b上に設置することができる。
(2)本実施形態によれば、可動反射膜35を挟んで導電膜32及び保護膜36が設置されている。保護膜36により可動反射膜35の表面が損傷を受けることを防止することができる。同様に、固定反射膜44を挟んで導電膜38及び保護膜45が設置されている。保護膜45により固定反射膜44の表面が損傷を受けることを防止することができる。従って、品質良く光フィルター12を製造することができる。そして、保護膜36及び保護膜45は導電性がある為、保護膜36及び保護膜45の表面に静電気が発生することを抑制することができる。従って、反射膜間ギャップ49を精度良く制御することができる。
(3)本実施形態によれば、可動基板13における導電膜32と保護膜36とは同じ材質であり、同じ膜厚となっている。可動反射膜35の片面に保護膜36を設置し別の片面には導電膜32を設置しないとき、可動反射膜35は両面における応力分布が異なる分布となる。このとき、そして、可動反射膜35における両面に内部応力の差があるとき“ヒロック”や“ウィスカ”と呼ばれる突起が出現する。これにより、反射膜の反射率が低下する。本実施形態では可動反射膜35を挟む導電膜32及び保護膜36は同じ材質であり同じ膜厚となっている。従って、可動反射膜35の両面における内部応力の差が生じ難いので、突起の出現を抑制することができる。その結果、光フィルター12は長期に渡って所定の波長の光28を精度良く透過させることができる。
本実施形態では固定反射膜44を挟む導電膜38及び保護膜45は同じ材質であり同じ膜厚となっている。従って、固定反射膜44の両面における内部応力の差が生じ難いので、突起の出現を抑制することができる。その結果、光フィルター12は長期に渡って所定の波長の光28を精度良く透過させることができる。
(4)本実施形態によれば、可動基板13において導電膜32と保護膜36とは同じ形状である。従って、可動反射膜35を挟む導電膜32及び保護膜36では応力分布が略同じになる。従って、可動反射膜35の両面では内部応力の差が生じ難いので、突起の出現を抑制することができる。同様に、固定基板14において導電膜38と保護膜45とは同じ形状である。従って、固定反射膜44を挟む導電膜38及び保護膜45では応力分布が略同じになる。従って、固定反射膜44の両面では内部応力の差が生じ難いので、突起の出現を抑制することができる。
(5)本実施形態によれば、導電膜32、保護膜36、導電膜38及び保護膜45の材質はIGOを含んでいる。IGOは光透過性が良く、可視領域において概ね80%以上の透過性を有している。従って、効率よく所定の波長の光28を通過させることができる。
(6)本実施形態によれば、可動反射膜35と接続する第3端子17と、固定反射膜44と接続する第4端子18とが設置されている。従って、第3端子17及び第4端子18を通じて、距離検出部54は可動反射膜35と固定反射膜44との間の電気容量を検出することができる。そして、電気容量は反射膜間ギャップ49に相関がある。従って、距離検出部54は反射膜間ギャップ49を検出することができる。
(7)本実施形態によれば、光フィルター12は収納部に収納され、収納部に保護されている。従って、光学モジュール1を把持するとき光フィルター12が損傷することを防止することができる。そして、光フィルター12では可動反射膜35及び固定反射膜44に突起が出現することを抑制されている。従って、光学モジュール1は効率良く所定の波長の光28を通過させることができる。
(8)本実施形態によれば、第3端子17及び反射膜端子41の材質は金属である。従って、第3端子17及び反射膜端子41を流れる電流の抵抗を小さくすることができる。その結果、可動反射膜35及び固定反射膜44に静電気が発生するときにも迅速に静電気を解消することができる。
(9)本実施形態によれば、第1スイッチ51が可動反射膜35と固定反射膜44とを接続させることができる。これにより、可動反射膜35及び固定反射膜44の静電気による電圧差が除去される。従って、光学モジュール1は品質良く反射膜間ギャップ49が制御され品質良く所定の波長の光を通過させることができる。
(10)本実施形態によれば、導電膜配線38aの材質はIGOであり、通常では金属下地層42をエッチングするときに導電膜配線38aに損傷を与える可能性がある。一方、本実施形態では金属下地層42の材質にTiW、Cr、NiCrの何れかが用いられている。金属下地層42がTiWのときには過塩素酸系のエッチング液が用いられる。そして、金属下地層42がCr、NiCrのときにはエッチング液に硝酸セリウム系エッチング液が用いられる。IGOは過塩素酸系のエッチング液及び硝酸セリウム系エッチング液により損傷され難い為、導電膜配線38aに損傷を与えることなく金属下地層42をパターニングすることができる。
同様に、導電膜配線32aの材質はIGOであり、金属下地層33の材質はTiW、Cr、NiCrの何れかである。金属下地層33がTiWのときには過塩素酸系のエッチング液が用いられる。そして、金属下地層33をエッチングするときに導電膜配線32aに損傷を与える可能性がある。そして、金属下地層33がCr、NiCrのときにはエッチング液に硝酸セリウム系エッチング液が用いられる。IGOは過塩素酸系のエッチング液及び硝酸セリウム系エッチング液により損傷され難い為、導電膜配線32aに損傷を与えることなく金属下地層33をパターニングすることができる。
(11)本実施形態によれば、可動基板13上に第1端子15〜第4端子18を設置した後で可動反射膜35を設置している。可動反射膜35を設置した後で第1端子15〜第4端子18を設置する工程順にすることができる。このときには、第1端子15〜第4端子18を設置する工程で可動反射膜35に損傷を与える危険性がある。一方、本実施形態の工程順では、第1端子15〜第4端子18を設置する工程で可動反射膜35に損傷を与える危険性がない。
同様に、固定基板14上に反射膜端子41及び固定電極端子47を設置した後で固定反射膜44及び保護膜45を設置している。従って、反射膜端子41及び固定電極端子47を設置する工程で固定反射膜44に損傷を与える危険性がない。従って、品質良く可動反射膜35及び固定反射膜44を設置することができる。
(第2の実施形態)
次に、光学モジュールの一実施形態について図9及び図10を用いて説明する。図9(a)は可動基板の構造を示す模式平面図であり、図9(b)は固定基板の構造を示す模式平面図である。図10は制御部の電気制御ブロック図である。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、光フィルター内で可動反射膜35と固定反射膜44とが電気的に接続されている点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、図9に示すように、光学モジュール60は光フィルター61を備え、光フィルター61は可動基板13と固定基板14とが接合膜30により接合されている。可動基板13上には導電膜32が設置され、導電膜32上には可動反射膜35及び保護膜36が重ねて設置されている。導電膜32の+X方向側には第3端子62が設置されている。そして、導電膜32と第3端子62とは導電膜配線32aにより接続されている。
固定基板14上には導電膜38が設置され、導電膜38上には固定反射膜44及び保護膜45が重ねて設置されている。固定基板14上には反射膜端子41が設置され、反射膜端子41と導電膜38とは導電膜配線38aにより接続されている。そして、反射膜端子41と第3端子62とはバンプ電極48により接続されている。従って、可動反射膜35と固定反射膜44とは電気的に接続されている。
これにより、可動反射膜35及び固定反射膜44の電圧は常に同電位となり、可動反射膜35及び固定反射膜44に静電気が発生しても瞬時に電圧差が除去される。そして、可動反射膜35と固定反射膜44との間には静電気力が作用しなくなる。従って、光学モジュール60は品質良く反射膜間ギャップ49が制御され品質良く所定の波長の光を通過させることができる。
図10に示すように、光学モジュール60を駆動する制御部63に導電膜32及び導電膜38が電気的に接続される。そして、制御部63において導電膜32及び導電膜38が接地される。従って、導電膜32及び導電膜38に静電気が蓄積されるときにも静電気を除去することができる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、可動反射膜35と固定反射膜44とが電気的に接続されている。従って、可動反射膜35と固定反射膜44との間に静電気力が作用することを抑制できる。従って、反射膜間ギャップ49を精度良く制御することができる。
(2)本実施形態によれば、光フィルター61内にて可動反射膜35と固定反射膜44とが電気的に接続されている。従って、制御部63に接地するか否かを切り替えるスイッチが不要となる。従って、制御部63を製造し易くすることができる。
(第3の実施形態)
次に、光学モジュールの一実施形態について図11を用いて説明する。図11は反射膜の構造を示す要部模式断面図である。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、導通膜と保護膜との材質が異なる点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、図11に示すように、光学モジュール66は光フィルター67を備え、光フィルター67は可動基板13と固定基板14とが接合膜30により接合されている。可動基板13上には導電膜68が設置され、導電膜68上には可動反射膜35及び保護膜69が重ねて設置されている。固定基板14上には導電膜70が設置され、導電膜70上には固定反射膜44及び保護膜71が重ねて設置されている。
導電膜68、保護膜69、導電膜70及び保護膜71の材質にはIGO、ITO、ICOの他、スズ系酸化物である酸化スズ(SnO2)、亜鉛系酸化物であるAlドープ酸化亜鉛(AZO)、Gaドープ酸化亜鉛(GZO)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウム系酸化物と亜鉛系酸化物からなるインジウム亜鉛酸化物(IZO:登録商標)等の透明導電膜が用いられる。
導電膜68と保護膜69とは互いに異なる材質の膜になっている。そして、熱の変動により導電膜68及び保護膜69が伸縮する。このときに導電膜68の応力分布と保護膜69の応力分布とが同じ応力分布になるように導電膜68の膜厚及び保護膜69の膜厚が設定されている。これにより、可動反射膜35では導電膜68側の面の応力と保護膜69側の面の応力とが同程度の応力になる。従って、可動反射膜35に“ヒロック”や“ウィスカ”と呼ばれる突起が出現することを抑制することができる。
同様に、導電膜70と保護膜71とは異なる材質の膜になっている。そして、熱の変動により導電膜70及び保護膜71が伸縮する。このときに導電膜70の応力分布と保護膜71の応力分布とが同じ応力分布になるように導電膜70の膜厚及び保護膜71の膜厚が設定されている。これにより、固定反射膜44では導電膜70側の面の応力と保護膜71側の面の応力とが同程度の応力になる。従って、固定反射膜44に“ヒロック”や“ウィスカ”と呼ばれる突起が出現することを抑制することができる。その結果、光フィルター67は長期に渡って所定の波長の光を精度良く透過させることができる。
(第4の実施形態)
次に、上記の光学モジュール1を備えた測色装置の一実施形態について図12を用いて説明する。尚、上記の実施形態と同じ点については説明を省略する。
(測色装置)
図12は、測色装置の構成を示すブロック図である。図12に示すように、電子機器としての測色装置80は、測定対象物81に光を射出する光源装置82と、測色センサー83と、測色装置80の全体動作を制御する制御装置84とを備える。そして、この測色装置80は光源装置82から射出される光を測定対象物81にて反射させる。反射された検査対象光を測色センサー83が受光する。測色センサー83から出力される検出信号に基づいて測色装置80は検査対象光の色度すなわち測定対象物81の色を分析して測定する。
光源装置82は光源85及び複数のレンズ86(図中には1つのみ記載)を備え、測定対象物81に対して例えば白色光等の基準光を射出する。また、複数のレンズ86にはコリメーターレンズが含まれてもよい。この場合、光源85から射出された基準光をコリメーターレンズが平行光にし、光源装置82は図示しない投射レンズから測定対象物81に向かって光を射出する。尚、本実施形態では、光源装置82を備える測色装置80を例示するが、例えば測定対象物81が液晶パネル等の発光部材である場合、光源装置82が設けられない構成としてもよい。
測色センサー83は光フィルター87と、光フィルター87を透過する光を受光するディテクター88と、光フィルター87を透過させる光の波長を制御する制御部としての波長制御部89とを備える。光フィルター87には上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66のいずれかが用いられている。波長制御部89は第1の実施形態における制御部27または第2の実施形態の制御部63の機能を備えている。
また、測色センサー83は、光フィルター87に対向する場所に図示しない入射光学レンズを備えている。入射光学レンズは測定対象物81で反射された反射光(検査対象光)を測色センサー83の内部に導光する。そして、測色センサー83では入射光学レンズから入射した検査対象光のうち所定の波長の光を光フィルター87が分光し、分光した光をディテクター88が受光する。
制御装置84は測色装置80の全体動作を制御する。この制御装置84としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや携帯情報端末の他にも測色専用コンピューター等を用いることができる。そして、制御装置84は光源制御部90、測色センサー制御部91及び測色処理部92等を備えて構成されている。光源制御部90は光源装置82に接続され、例えば、操作者の設定入力に基づいて光源装置82に所定の制御信号を出力して所定の明るさの白色光を射出させる。測色センサー制御部91は測色センサー83の波長制御部89に接続されている。例えば、操作者の設定入力に基づいて測色センサー83にて受光させる光の波長を測色センサー制御部91が設定する。そして、設定した波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー制御部91が波長制御部89に出力する。これにより、制御信号に基づいて波長制御部89は光フィルター87を駆動させる。測色処理部92は、ディテクター88により検出された受光量から、測定対象物81の色度を分析する。
光フィルター87には上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66のいずれかが用いられている。光学モジュール1、光学モジュール60及び光学モジュール66は可動反射膜35及び固定反射膜44に“ヒロック”や“ウィスカ”と呼ばれる突起が出現することを抑制する構造となっている。従って、測色装置80は、長期に渡って所定の波長の光を精度良く透過させることができる光フィルター87を備えた電子機器とすることができる。
(第5の実施形態)
次に、上記の光学モジュール1を備えたガス検出装置の一実施形態について図13及び図14を用いて説明する。このガス検出装置は、例えば、特定ガスを高感度検出する車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器等に用いられる。尚、上記の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図13は、ガス検出装置の構成を示す模式正面図であり、図14は、ガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。図13に示すように、電子機器としてのガス検出装置95はセンサーチップ96と吸引口97a、吸引流路97b、排出流路97c及び排出口97dを備えた流路97と本体部98とを有する構成となっている。
本体部98は、センサー部カバー99、排出手段100及び筐体101を備えている。センサー部カバー99を開閉することにより、流路97を着脱することが可能になっている。さらに、本体部98は光学部102、フィルター103、光フィルター104、受光素子105(検出部)等を含む検出装置を備えている。光フィルター104には上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66のいずれかが用いられている。
さらに、本体部98は検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部106(処理部)及び電力を供給する電力供給部107等を備えている。光学部102は、光を射出する光源108、ビームスプリッター109、レンズ110、レンズ111及びレンズ112により構成されている。ビームスプリッター109は光源108から入射された光をセンサーチップ96側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子105側に透過する。
図14に示すように、ガス検出装置95には操作パネル115、表示部116、外部とのインターフェイスのための接続部117及び電力供給部107が設けられている。電力供給部107が二次電池の場合には充電のための接続部118を備えてもよい。更に、ガス検出装置95の制御部106は、CPU等により構成された信号処理部119及び光源108を制御するための光源ドライバー回路120を備えている。更に、制御部106は光フィルター104を制御するための制御部としての波長制御部121、受光素子105からの信号を受信する受光回路122を備えている。波長制御部121は第1の実施形態における制御部27または第2の実施形態における制御部63の機能を備えている。更に、制御部106はセンサーチップ96のコードを読み取り、センサーチップ96の有無を検出するセンサーチップ検出器123からの信号を受信するセンサーチップ検出回路124を備えている。更に、制御部106は排出手段100を制御する排出ドライバー回路125等を備えている。
次に、ガス検出装置95の動作について説明する。本体部98の上部のセンサー部カバー99の内部にはセンサーチップ検出器123が設けられている。センサーチップ検出器123によりセンサーチップ96の有無が検出される。信号処理部119はセンサーチップ検出器123からの検出信号を検出するとセンサーチップ96が装着された状態であると判断する。そして、信号処理部119は表示部116へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
そして、操作者により操作パネル115が操作され、操作パネル115から検出処理を開始する旨の指示信号が信号処理部119へ出力される。まず、信号処理部119は光源ドライバー回路120に光源駆動の指示信号を出力して光源108を作動させる。光源108が駆動されると、光源108から単一波長で直線偏光の安定したレーザー光が射出される。光源108には温度センサーや光量センサーが内蔵されており、センサーの情報が信号処理部119へ出力される。光源108から入力された温度や光量に基づいて、光源108が安定動作していると信号処理部119が判断すると、信号処理部119は排出ドライバー回路125を制御して排出手段100を作動させる。これにより、検出すべき標的物質(ガス分子)を含んだ気体試料が、吸引口97aから吸引流路97b、センサーチップ96内、排出流路97c、排出口97dへと誘導される。尚、吸引口97aには、除塵フィルター97eが設けられ、比較的大きい粉塵や一部の水蒸気等が除去される。
センサーチップ96は金属ナノ構造体が複数組み込まれた素子であり、局在表面プラズモン共鳴を利用したセンサーである。このようなセンサーチップ96ではレーザー光により金属ナノ構造体間で増強電場が形成される。この増強電場内にガス分子が入り込むと、分子振動の情報を含んだラマン散乱光、及びレイリー散乱光が発生する。これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は光学部102を通ってフィルター103に入射する。フィルター103によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が光フィルター104に入射する。
そして、信号処理部119は波長制御部121に対して制御信号を出力する。これにより、波長制御部121は光フィルター104のアクチュエーターを駆動させて検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を光フィルター104に分光させる。分光した光が受光素子105にて受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路122を介して信号処理部119に出力される。
信号処理部119は、得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータとROMに格納されているデータとを比較する。そしてし、検出対象となるガス分子が目的のガス分子か否かを判定し物質の特定をする。また、信号処理部119は表示部116にその結果情報を表示し、接続部117から外部へ出力する。
ラマン散乱光を光フィルター104により分光し、分光されたラマン散乱光からガス検出を行うガス検出装置95を例示した。ガス検出装置95はガス固有の吸光度を検出してガス種別を特定するガス検出装置として用いてもよい。この場合、センサー内部にガスを流入させ、入射光のうちガスにて吸収された光を検出するガスセンサーに光フィルター104を用いる。そして、ガス検出装置はガスセンサーによりセンサー内に流入されたガスを分析、判別する電子機器である。ガス検出装置95はこのような構成にすることで光フィルター104を用いてガスの成分を検出することができる。
光フィルター104には上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66のいずれかが用いられている。光学モジュール1、光学モジュール60及び光学モジュール66は可動反射膜35及び固定反射膜44に“ヒロック”や“ウィスカ”と呼ばれる突起が出現することを抑制する構造となっている。従って、ガス検出装置95は、長期に渡って所定の波長の光を精度良く透過させることができる光フィルター104を備えた電子機器とすることができる。
(第6の実施形態)
次に、上記の光学モジュール1を備えた食物分析装置の一実施形態について図15を用いて説明する。上記の光学モジュール1、光学モジュール60及び光学モジュール66は近赤外線分光による糖類の非侵襲的測定装置や食物、生体、鉱物等の情報の非侵襲的測定装置等の物質成分分析装置に用いることができる。食物分析装置は物質成分分析装置の1種である。尚、上記の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図15は、食物分析装置の構成を示すブロック図である。図15に示すように、電子機器としての食物分析装置128は検出器129、制御部130及び表示部131を備えている。検出器129は光を射出する光源132、測定対象物133からの光が導入される撮像レンズ134、撮像レンズ134から導入された光を分光する光フィルター135を備えている。光フィルター135には上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66のいずれかが用いられている。さらに、検出器129は分光された光を検出する撮像部136(検出部)を備えている。
制御部130は光源132の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部137及び光フィルター135を制御する制御部としての波長制御部138を備えている。波長制御部138は第1の実施形態における制御部27または第2の実施形態における制御部63の機能を備えている。さらに、制御部130は撮像部136を制御して撮像部136で撮像された分光画像を取得する検出制御部139、信号処理部140及び記憶部141を備えている。
食物分析装置128を駆動させると光源制御部137により光源132が制御されて光源132から測定対象物133に光が照射される。そして、測定対象物133で反射された光は撮像レンズ134を通って光フィルター135に入射する。光フィルター135は波長制御部138の制御により駆動される。これにより、光フィルター135から精度よく目的波長の光を取り出すことができる。そして、取り出された光は、例えば、CCDカメラ等により構成される撮像部136に撮像される。また、撮像された光は分光画像として記憶部141に蓄積される。また、信号処理部140は波長制御部138を制御して光フィルター135に印加する電圧値を変化させ、各波長に対する分光画像を取得する。
そして、信号処理部140は記憶部141に蓄積された各画像における各画素のデータを演算処理し、各画素におけるスペクトルを求める。また、記憶部141にはスペクトルに対する食物の成分に関する情報が記憶されている。記憶部141に記憶された食物に関する情報を基に信号処理部140は求めたスペクトルのデータを分析する。そして、信号処理部140は測定対象物133に含まれる食物成分と各食物成分含有量を求める。また、得られた食物成分及び含有量から信号処理部140は食物カロリーや鮮度等をも算出することができる。更に、画像内のスペクトル分布を分析することで、信号処理部140は検査対象の食物の中で鮮度が低下している部分の抽出等をも実施することができる。更には、信号処理部140は食物内に含まれる異物等の検出をも実施することができる。そして、信号処理部140は上述のようにして得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部131に表示させる処理をする。
光フィルター135には上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66のいずれかが用いられている。光学モジュール1、光学モジュール60及び光学モジュール66は可動反射膜35及び固定反射膜44に“ヒロック”や“ウィスカ”と呼ばれる突起が出現することを抑制する構造となっている。従って、食物分析装置128は、長期に渡って所定の波長の光を精度良く透過させることができる光フィルター135を備えた電子機器とすることができる。
また、食物分析装置128の他にも略同様の構成により、上述したようなその他の情報の非侵襲的測定装置としても利用することができる。例えば、血液等の体液成分の測定、分析等、生体成分を分析する生体分析装置として用いることができる。このような生体分析装置としては、例えば、血液等の体液成分を測定する装置に食物分析装置128を用いることができる。他にも、エチルアルコールを検知する装置とすれば、運転者の飲酒状態を検出する酒気帯び運転防止装置に食物分析装置128を用いることができる。また、このような生体分析装置を備えた電子内視鏡システムとしても用いることができる。更には、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
更には、上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66を用いた電子機器としては、以下のような装置に適用することができる。例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66により特定波長の光を分光する。そして、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このように上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66でデータを抽出する電子機器により各波長の光のデータを処理することで、複数波長の光通信を実施することもできる。
(第7の実施形態)
次に、上記の光学モジュール1を備えた分光カメラの一実施形態について図16を用いて説明する。光を分光させて分光画像を撮像する分光カメラや分光分析機等に上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66を用いることができる。このような分光カメラの一例として、上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66を内蔵した赤外線カメラが挙げられる。尚、上記の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図16は、分光カメラの構成を示す概略斜視図である。図16に示すように、電子機器としての分光カメラ144はカメラ本体145、撮像レンズユニット146及び撮像部147を備えている。カメラ本体145は操作者により把持され操作される部分である。
撮像レンズユニット146はカメラ本体145に接続され、入射した画像光を撮像部147に導光する。また、この撮像レンズユニット146は対物レンズ148、結像レンズ149及びこれらのレンズ間に設けられた光フィルター150を備えて構成されている。光フィルター150には上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66が用いられている。さらに、カメラ本体145には光フィルター150が分光する光の波長を制御する制御部としての波長制御部151が設置されている。波長制御部151は第1の実施形態における制御部27または第2の実施形態における制御部63の機能を備えている。
撮像部147は受光素子により構成され、撮像レンズユニット146により導光された画像光を撮像する。分光カメラ144では光フィルター150が撮像対象となる波長の光を透過させて、撮像部147が所望の波長の光の分光画像を撮像する。
光フィルター150には上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66のいずれかが用いられている。光学モジュール1、光学モジュール60及び光学モジュール66は可動反射膜35及び固定反射膜44に“ヒロック”や“ウィスカ”と呼ばれる突起が出現することを抑制する構造となっている。従って、分光カメラ144は、長期に渡って所定の波長の光を精度良く透過させることができる光フィルター150を備えた電子機器とすることができる。
更には、光フィルター150を組み合わせた光学モジュールをバンドパスフィルターとして用いてもよい。例えば、発光素子が射出する所定波長域の光のうち、所定の波長を中心とした狭帯域の光のみを光フィルター150で分光して透過させる光学式レーザー装置としても用いることができる。また、光学モジュールを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた血管、指紋、網膜及び虹彩等の認証装置にも適用できる。更には、光学モジュールを濃度検出装置に用いることができる。この場合、上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66により物質から射出された赤外エネルギー(赤外光)を分光して分析し、サンプル中の被検体濃度を測定する。
上記に示すように、上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66は、入射光から所定の光を分光するいかなる装置にも適用することができる。そして、上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66は上記のように複数の波長を効率良く分光させることができる。このため、複数の波長のスペクトルの測定、複数の成分に対する検出を効率よく実施することができる。したがって、単一波長を分光させる複数の光学モジュールにより所望の波長を取り出す従来の装置に比べて、電子機器の小型化を促進でき、例えば、携帯用や車載用の光学デバイスとして好適に用いることができる。このときにも、上記の光学モジュール1、光学モジュール60または光学モジュール66は長期信頼性が高く精度良く所定の波長の光を通過させることができる為、これらの光学モジュールを用いた電子機器は複数の波長の光を長期に渡って品質良く取り出して利用することができる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、可動反射膜35が導電膜32と保護膜36とに挟まれ、固定反射膜44が導電膜38と保護膜45とに挟まれていた。可動反射膜35と固定反射膜44とのうち一方の表面状態の劣化が少ないときには劣化が少ない方の反射膜を挟む導電膜及び保護膜を省略しても良い。製造工程を簡易にして生産性を向上することができる。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、可動反射膜35、導電膜32及び保護膜36の平面形状が同じであった。導電膜32及び保護膜36は同じ形状にして可動反射膜35より小さい形状にしても良い。光28が通過しない場所では導電膜32及び保護膜36を省略しても良い。導電膜32及び保護膜36を構成する材料の消費量を減らすことができる。同様に、導電膜38及び保護膜45は同じ形状にして固定反射膜44より小さい形状にしても良い。このときにも、導電膜38及び保護膜45を構成する材料の消費量を減らすことができる。
(変形例3)
前記第1の実施形態では、固定電極46は固定電極端子47と異なる膜にした。固定電極46は固定電極端子47と一体にしても良い。通電可能であれば良いので、製造し易い形態を選択しても良い。同様に、前記第1の実施形態では、可動電極37は第2端子16と異なる膜にした。可動電極37は第2端子16と一体にしても良い。通電可能であれば良いので、製造し易い形態を選択しても良い。
1…光学モジュール、2…収納部としての筐体、3…収納部としての第1蓋体、9…収納部としての第2蓋体、12,67,87,104,135,150…光フィルター、13b…可動部、14…固定基板、17…第2外部端子としての第3端子、18…第1外部端子としての第4端子、32a…第1導電膜としての導電膜配線、35…第2反射膜としての可動反射膜、36,45,69,71…第2導電膜としての保護膜、38,68,70…第1導電膜としての導電膜、44…第1反射膜としての固定反射膜、50…間隔制御部としての静電アクチュエーター、60…光学モジュール、63…制御部、66…光学モジュール、80…電子機器としての測色装置、89,121,138,151…制御部としての波長制御部、95…電子機器としてのガス検出装置、128…電子機器としての食物分析装置、144…電子機器としての分光カメラ。

Claims (8)

  1. 固定基板と、
    前記固定基板に対向して配置される可動部と、
    前記固定基板に設けられた第1反射膜と、
    前記可動部に設けられ前記第1反射膜に対向する第2反射膜と、
    前記第1反射膜と前記第2反射膜との間隔を制御する間隔制御部と、を備え、
    前記第1反射膜と前記第2反射膜とのうち少なくとも一方は第1導電膜と第2導電膜とに挟まれ、前記第1導電膜と前記第2導電膜とは同じ材質であり、同じ膜厚であることを特徴とする光フィルター。
  2. 請求項1に記載の光フィルターであって、
    前記第1導電膜と前記第2導電膜とは同じ形状であることを特徴とする光フィルター。
  3. 請求項1または2に記載の光フィルターであって、
    前記第1導電膜及び前記第2導電膜の材質はIGOを含むことを特徴とする光フィルター。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光フィルターであって、
    前記第1反射膜と前記第2反射膜とが電気的に接続されていることを特徴とする光フィルター。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光フィルターであって、
    前記第1反射膜と接続する第1外部端子と、
    前記第2反射膜と接続する第2外部端子と、を備えることを特徴とする光フィルター。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光フィルターと、
    前記光フィルターを収納する収納部と、を備えることを特徴とする光学モジュール。
  7. 光フィルターと、
    前記光フィルターを制御する制御部と、を備え、
    前記光フィルターは、
    固定基板と、
    前記固定基板に対向して配置される可動部と、
    前記固定基板に設けられた第1反射膜と、
    前記可動部に設けられ前記第1反射膜に対向する第2反射膜と、
    前記第1反射膜と前記第2反射膜との間隔を制御する間隔制御部と、を備え、
    前記第1反射膜と前記第2反射膜とのうち少なくとも一方は第1導電膜と第2導電膜とに挟まれ、前記第1導電膜と前記第2導電膜とは同じ材質であり、同じ膜厚であることを特徴とする電子機器。
  8. 固定基板と、
    前記固定基板に対向して配置される可動部と、
    前記固定基板に設けられた第1反射膜と、
    前記可動部に設けられ前記第1反射膜に対向する第2反射膜と、
    前記第1反射膜と前記第2反射膜との間隔を制御する間隔制御部と、を備え、
    前記第1反射膜と前記第2反射膜とのうち少なくとも一方は第1導電膜と第2導電膜とに挟まれ、前記第1導電膜と前記第2導電膜とは同じ応力分布であることを特徴とする光フィルター。
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