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JP2015031854A - 干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、電子機器、及び干渉フィルターの製造方法 - Google Patents

干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、電子機器、及び干渉フィルターの製造方法 Download PDF

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JP2015031854A
JP2015031854A JP2013162062A JP2013162062A JP2015031854A JP 2015031854 A JP2015031854 A JP 2015031854A JP 2013162062 A JP2013162062 A JP 2013162062A JP 2013162062 A JP2013162062 A JP 2013162062A JP 2015031854 A JP2015031854 A JP 2015031854A
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浩司 北原
Koji Kitahara
浩司 北原
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Abstract

【課題】反射膜上に電極を設ける場合でも配線信頼性の向上を図れる干渉フィルターを提供する。
【解決手段】波長可変干渉フィルター5は、互いに対向する一対の反射膜54,55と、可動反射膜55を覆う第二絶縁膜572と、を備え、第二絶縁膜572は、可動反射膜55に重なり合う干渉領域572A、及び干渉領域572Aに連続し、可動反射膜55に重ならない領域に延出する延出領域572Bを含み、干渉領域572Aの表面、及び延出領域572Bの表面は、同一平面であり、可動反射膜55に対して平行である。
【選択図】図3

Description

本発明は、干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、電子機器、及び干渉フィルターの製造方法に関する。
従来、互いに対向する一対の反射膜を有し、この反射膜間の距離(ギャップ寸法)を変化させることで、測定対象の光から所定波長の光を選択して射出させる干渉フィルターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の干渉フィルターでは、各反射膜上に電極が配置され、電極間に電圧を印加することで、反射膜間のギャップ寸法を変化させることが可能となる。また、反射膜として誘電体多層膜が用いられ、半値幅が小さい(分解能が高い)光を透過させることができる。
特開平11−142752号公報
ところで、干渉フィルターにおいて、反射膜上に保持された電荷を除去するために、反射膜上に帯電防止用の電極を設ける構成や、各反射膜上に静電容量検出用の電極を配置し、これらの電極間の静電容量を検出する構成等、反射膜上に電極を設ける構成が提案されている。この場合、反射膜上の電極から、反射膜の外側に引き出された引出電極を形成し、引出電極に設けられた端子から回路に電気的接続を行う。
しかしながら、蒸着やスパッタリング等により、反射膜の端面(他方の反射膜に対向する上面に直交した側面)に電極や引出電極を形成すると、例えば当該端面において電極や引出電極が断線してしまうという課題がある。この場合、反射膜上の電極に対して電気的導通を適切にとることができず、配線信頼性が低下するという課題がある。特に、上記特許文献1のように、反射膜として誘電体多層膜を用いる場合、単層の反射膜に比べて厚み寸法が大きくなるため、より断線のリスクが高くなる。
本発明は、反射膜上に電極を設ける場合でも配線信頼性の向上を図れる干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、電子機器、及び干渉フィルターの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の干渉フィルターは、互いに対向する一対の反射膜と、前記一対の反射膜の少なくともいずれか一方を覆う絶縁膜と、を備え、前記絶縁膜は、前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続し、前記反射膜と重ならない第二領域を含み、前記第一領域の表面は、前記反射膜と平行な平坦面であり、前記第二領域の表面は、前記第一領域の表面と同一平面であることを特徴とする。
本発明では、絶縁膜は、反射膜を覆って設けられ、反射膜に重なる第一領域と、第一領域に連続した第二領域を備えている。そして、この第二領域の表面は、第一領域の表面と同一平面となっている。
このため、例えば、絶縁膜の第一領域内に帯電防止用電極や静電容量検出量電極を形成し、当該電極から第二領域に伸びる引出電極を形成する場合に、引出電極の形成位置に段差等がなく、断線のリスクを低減可能となる。これにより、第一領域内の電極に対して引出電極を介して適切に電気的導通をとることが可能となり、配線信頼性の向上を図れる。
本発明の干渉フィルターにおいて、互いに対向する一対の反射膜と、前記一対の反射膜の少なくともいずれか一方を覆う絶縁膜と、を備え、前記絶縁膜は、前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続し、前記反射膜と重ならない第二領域を含み、前記第一領域の表面は、前記反射膜と平行な平坦面であり、前記第二領域の表面は、前記第一領域の表面の外周端に連続し、前記第一領域の表面に対して傾斜する傾斜面を含むことを特徴とする。
本発明では、絶縁膜は、反射膜を覆って設けられ、反射膜に重なる第一領域と、第一領域に連続した第二領域を備えている。そして、この第二領域の表面は、第一領域の表面に対して傾斜している。
ここで、本発明で第二領域としては、第一領域の表面の外周端から傾斜面が連続する構成の他、第一領域の外周端から所定距離だけ、第一領域の表面と同一平面となる平坦面が連続し、この平坦面の外周端から傾斜面が連続する構成を含む。また、傾斜面は、曲面状のなだらかに傾斜する傾斜面の他、第一領域の表面に対して鈍角で傾斜する傾斜平面を含む。
このような構成でも、反射膜の第一領域から第二領域に電極を形成した場合に、傾斜面に沿って電極が形成されることで、例えば反射膜の端面(他方の反射膜に対向する上面に対して直交する側面)に電極を形成する場合に比べて、断線のリスクを低減可能となる。したがって、上記発明と同様、第一領域内の電極に対して引出電極を介して適切に電気的導通をとることができ、配線信頼性の向上を図れる。
本発明の干渉フィルターにおいて、前記傾斜面の前記第一領域側の端部は、前記絶縁膜の内側に曲率中心を有する曲面であることが好ましい。
本発明によれば、傾斜面の第一領域側の端部は、凸曲面状に湾曲している。すなわち、第二領域の第一領域側の端部は、第一領域の表面(平坦面)からなだらかな曲面となって傾斜している。このため、第一領域から第二領域に亘って電極を形成する場合に、段差や角部等、急激に角度が変化する面がなく、断線のリスクをより確実に低減できる。
本発明の干渉フィルターにおいて、前記傾斜面は、ウエットエッチングにより形成された曲面であることが好ましい。
本発明では、第二領域における傾斜面は、ウエットエッチングを実施した際に、マスク領域の裏側にエッチング液が回り込むこと(サイドエッチング)で形成される。このようなサイドエッチングでは、表面全体がなだらかに傾斜する曲面となり、上記発明と同様、電極を形成した場合の断線のリスクをより効果的に低減できる。
本発明の干渉フィルターにおいて、前記反射膜は誘電体多層膜により構成されたことが好ましい。
本発明では、反射膜が誘電体多層膜により構成されている。このような誘電体多層膜を用いた干渉フィルターでは、射出された光の分光スペクトルにおいて半値幅が小さくなり、高い分解能で所望波長の光を射出することができる。このような誘電体多層膜を用いた反射膜では、厚み寸法が大きくなるが、上述のような絶縁膜を設けることで、反射膜上に電極を設けたとしても、当該電極に対して適切に電気的導通をとることができる。
本発明の干渉フィルターにおいて、前記絶縁膜は、前記一対の反射膜の双方に対してそれぞれ設けられたことが好ましい。
一対の反射膜のいずれか一方にのみ電極を形成する場合では、当該電極を設ける一方側にのみ上述したような絶縁膜を設ければよい。これに対して、本発明のように、一対の反射膜の双方に対して上述したような絶縁膜を設ける構成とすることで、双方の反射膜に対して電極を形成することができ、これらの電極の配線信頼性の向上を図ることができる。
本発明の光学フィルターデバイスは、互いに対向する一対の反射膜、及び、前記一対の反射膜の少なくともいずれか一方を覆う絶縁膜を有する干渉フィルターと、前記干渉フィルターを収納する筐体と、を備え、前記絶縁膜は、前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続し、前記反射膜と重ならない第二領域を含み、前記第一領域の表面は、前記反射膜と平行な平坦面であり、前記第二領域の表面は、前記第一領域の表面と同一平面であることを特徴とする。
本発明では、上記発明と同様に反射膜上に電極を形成した場合に、当該電極から第二領域上に延出する引出電極を形成することで、配線信頼性を向上させることができる。
また、干渉フィルターが筐体内に収納されているため、例えば反射膜への異物の付着等を抑制でき、衝撃等から干渉フィルターを保護することもできる。
本発明の光学フィルターデバイスは、互いに対向する一対の反射膜、及び、前記一対の反射膜の少なくともいずれか一方を覆う絶縁膜を有する干渉フィルターと、前記干渉フィルターを収納する筐体と、を備え、前記絶縁膜は、前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続し、前記反射膜と重ならない第二領域を含み、前記第一領域の表面は、前記反射膜と平行な平坦面であり、前記第二領域の表面は、前記第一領域の表面の外周端に連続し、前記第一領域の表面に対して傾斜する傾斜面を含むことを特徴とする。
本発明では、上記発明と同様に反射膜上に電極を形成した場合に、当該電極から第二領域上に延出する引出電極を形成することで、配線信頼性を向上させることができる。
また、干渉フィルターが筐体内に収納されているため、例えば反射膜への異物の付着等を抑制でき、衝撃等から干渉フィルターを保護することもできる。
本発明の光学モジュールは、互いに対向する一対の反射膜、及び、前記一対の反射膜の少なくともいずれか一方を覆う絶縁膜を有する干渉フィルターと、前記干渉フィルターから出射された光を受光する受光部と、を備え、前記絶縁膜は、前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続し、前記反射膜と重ならない第二領域を含み、前記第一領域の表面は、前記反射膜と平行な平坦面であり、前記第二領域の表面は、前記第一領域の表面と同一平面であることを特徴とする。
本発明では、上記発明と同様に反射膜上に電極を形成した場合に、当該電極から第二領域上に延出する引出電極を形成することで、配線信頼性を向上させることができる。したがって、当該干渉フィルターを有する光学モジュールにおいても、配線信頼性を高めることができる。
本発明の光学モジュールは、互いに対向する一対の反射膜、及び、前記一対の反射膜の少なくともいずれか一方を覆う絶縁膜を有する干渉フィルターと、前記干渉フィルターから出射された光を受光する受光部と、を備え、前記絶縁膜は、前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続し、前記反射膜と重ならない第二領域を含み、前記第一領域の表面は、前記反射膜と平行な平坦面であり、前記第二領域の表面は、前記第一領域の表面の外周端に連続し、前記第一領域の表面に対して傾斜する傾斜面を含むことを特徴とする。
本発明では、上記発明と同様に反射膜上に電極を形成した場合に、当該電極から第二領域上に延出する引出電極を形成することで、配線信頼性を向上させることができる。したがって、当該干渉フィルターを有する光学モジュールにおいても、配線信頼性を高めることができる。
本発明の電子機器は、互いに対向する一対の反射膜、及び、前記一対の反射膜の少なくともいずれか一方を覆う絶縁膜を有する干渉フィルターと、前記干渉フィルターを制御する制御部と、を備え、前記絶縁膜は、前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続し、前記反射膜と重ならない第二領域を含み、前記第一領域の表面は、前記反射膜と平行な平坦面であり、前記第二領域の表面は、前記第一領域の表面と同一平面であることを特徴とする。
本発明では、上記発明と同様に反射膜上に電極を形成した場合に、当該電極から第二領域上に延出する引出電極を形成することで、配線信頼性を向上させることができる。したがって、当該干渉フィルターを有する電子機器においても、配線信頼性を高めることができる。
本発明の電子機器は、互いに対向する一対の反射膜、及び、前記一対の反射膜の少なくともいずれか一方を覆う絶縁膜を有する干渉フィルターと、前記干渉フィルターを制御する制御部と、を備え、前記絶縁膜は、前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続し、前記反射膜と重ならない第二領域を含み、前記第一領域の表面は、前記反射膜と平行な平坦面であり、前記第二領域の表面は、前記第一領域の表面の外周端に連続し、前記第一領域の表面に対して傾斜する傾斜面を含むことを特徴とする。
本発明では、上記発明と同様に反射膜上に電極を形成した場合に、当該電極から第二領域上に延出する引出電極を形成することで、配線信頼性を向上させることができる。したがって、当該干渉フィルターを有する電子機器においても、配線信頼性を高めることができる。
本発明の干渉フィルターの製造方法は、基板上に反射膜を形成する反射膜形成工程と、前記基板上に前記反射膜を覆う絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、を備え、前記絶縁膜形成工程において、前記反射膜の厚み方向から見た平面視で、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続して前記反射膜と重ならない第二領域を含む前記絶縁膜を形成するとともに、当該絶縁膜の表面を研磨して平坦にすることを特徴とすることを特徴とする。
本発明では、反射膜を覆うように、絶縁膜を形成した後、その表面を研磨すればよく、上述したような配線接続性が高い干渉フィルターを容易に製造することができる。
本発明の干渉フィルターの製造方法は、基板上に反射膜を形成する反射膜形成工程と、前記基板上に前記反射膜を覆う絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、を備え、前記絶縁膜形成工程において、前記反射膜の厚み方向から見た平面視で、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続して前記反射膜と重ならない第二領域を含む前記絶縁膜を形成し、前記絶縁膜の表面における前記第一領域、及び当該第一領域の端縁から所定の寸法外側の位置までをマスクし、ウエットエッチングを実施して前記第一領域の端縁から所定の寸法外側の位置までの領域をサイドエッチングして前記第一領域の表面に対して傾斜する傾斜面を備えた前記第二領域を形成することを特徴とする。
本発明では、反射膜を覆うように絶縁膜を形成した後、ウエットエッチングを施すことで容易に上述したような配線接続性が高い干渉フィルターを製造することができる。
第一実施形態の分光測定装置の概略構成を示すブロック図。 第一実施形態の波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図。 図2におけるA−A線の断面図。 図2におけるB−B線の断面図。 第一実施形態の波長可変干渉フィルターの製造工程を示すフローチャート。 第一実施形態の固定基板形成工程の各状態を示す概略図。 第一実施形態の可動基板形成工程の各状態を示す概略図。 第二実施形態の波長可変干渉フィルターの概略構成を示す断面図。 第二実施形態の第一絶縁膜の形成方法を説明するための図。 第三実施形態に係る光学フィルターデバイスの概略構成を示す断面図。 その他の変形例における波長可変干渉フィルターの概略構成を示す図。 本発明の電子機器の他の一例である測色装置の概略構成を示すブロック図。 本発明の電子機器の他の一例であるガス検出装置の概略図。 図13のガス検出装置の制御系を示すブロック図。 本発明の電子機器の他の一例である食物分析装置の概略構成を示すブロック図。 本発明の電子機器の他の一例である分光カメラの概略構成を示す模式図。
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態について、図面に基づいて説明する。
[分光測定装置の構成]
図1は、本発明に係る分光測定装置の概略構成を示すブロック図である。
分光測定装置1は、本発明の電子機器の一例であり、測定対象Xで反射した測定対象光における各波長の光強度を分析し、分光スペクトルを測定する装置である。なお、本実施形態では、測定対象Xで反射した測定対象光を測定する例を示すが、測定対象Xとして、例えば液晶パネル等の発光体を用いる場合、当該発光体から発光された光を測定対象光としてもよい。
そして、この分光測定装置1は、図1に示すように、光学モジュール10と、光学モジュール10から出力された信号を処理する制御部20と、を備えている。
[光学モジュールの構成]
光学モジュール10は、波長可変干渉フィルター5と、ディテクター11と、I−V変換器12と、アンプ13と、A/D変換器14と、駆動制御部15とを備える。
この光学モジュール10は、測定対象Xで反射された測定対象光を、入射光学系(図示略)を通して、波長可変干渉フィルター5に導き、波長可変干渉フィルター5を透過した光をディテクター11(受光部)で受光する。そして、ディテクター11から出力された検出信号は、I−V変換器12、アンプ13、及びA/D変換器14を介して制御部20に出力される。
[波長可変干渉フィルターの構成]
次に、光学モジュール10に組み込まれる波長可変干渉フィルター5について説明する。
図2は、波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す平面図である。図3は、図2におけるA−A線を断面した際の断面図であり、図4は、図2におけるB−B線を断面した際の断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、図2ないし図4に示すように、固定基板51及び可動基板52を備えている。これらの固定基板51及び可動基板52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等の各種ガラスや、水晶等により形成されている。そして、固定基板51の第一接合部513及び可動基板52の第二接合部523が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜などにより構成された接合膜53により接合されることで、一体的に構成されている。
固定基板51の可動基板52に対向する面には、本発明の一対の反射膜の一方を構成する固定反射膜54が設けられ、可動基板52の固定基板51に対向する面には、本発明の一対の反射膜の他方を構成する可動反射膜55が設けられている。これらの固定反射膜54及び可動反射膜55は、ギャップG1を介して対向配置されている。
波長可変干渉フィルター5には、ギャップG1のギャップ寸法を調整(変更)するのに用いられる本発明のギャップ変更部の一例である静電アクチュエーター56が設けられている。このような静電アクチュエーター56は対向する電極間に所定の電圧を印加することで、静電引力により容易にギャップG1の寸法を変化させることができ、構成の簡略化を図れる。静電アクチュエーター56は、駆動制御部15の制御により駆動可能となる。
なお、以降の説明に当たり、固定基板51又は可動基板52の基板厚み方向から見た平面視、つまり、固定基板51及び可動基板52の積層方向から波長可変干渉フィルター5を見た平面視を、フィルター平面視と称する。また、本実施形態では、フィルター平面視において、固定反射膜54の中心点及び可動反射膜55の中心点は、一致し、平面視におけるこれらの反射膜54,55の中心点をOで示す。
(固定基板の構成)
この固定基板51は、図3及び図4に示すように、例えばエッチング等により形成された電極配置溝511及び反射膜設置部512を備える。
電極配置溝511は、フィルター平面視で、固定基板51のフィルター中心点Oを中心とした環状に形成されている。反射膜設置部512は、フィルター平面視において、電極配置溝511の中心部から可動基板52側に突出して形成されている。この電極配置溝511の溝底面は、静電アクチュエーター56を構成する第一駆動電極561が配置される電極設置面511Aとなる。また、反射膜設置部512の突出先端面は、固定反射膜54が配置される反射膜設置面512Aとなる。
また、固定基板51には、電極配置溝511から、固定基板51の外周縁に向かって延出する電極引出溝511Bが設けられている。具体的には、電極引出溝511Bは、固定基板51の各頂点C1,C2,C3、C4に向かって延出する。そして、固定基板51の頂点C2,C3(図2参照)には、切欠部514が形成されており、後述する第二駆動電極パッド562P,第二ミラー電極パッド59Pが露出する。
電極配置溝511は、固定基板51をウエットエッチングすることで形成されている。このため、図3及び図4に示すように、溝端部(内周縁近傍及び外周縁近傍)は、サイドエッチングによってなだらかに傾斜する傾斜面となる。
電極配置溝511の電極設置面511Aには、静電アクチュエーター56を構成する第一駆動電極561が設けられる。第一駆動電極561は、電極設置面511Aに直接設けてもよく、電極設置面511Aの上に他の薄膜(層)を設け、その上に設置してもよい。
より具体的には、第一駆動電極561は、フィルター中心点Oを中心としたC字円弧状に形成され、頂点C4に近接する一部にC字開口部が設けられる。また、第一駆動電極561には、第一駆動引出電極561Aが接続され、この第一駆動引出電極561Aは、頂点C1に向かって延出する電極引出溝511Bに沿って、頂点C1まで引き出され、頂点C1において、第一駆動電極パッド561Pを構成する。
このような第一駆動電極561及び第一駆動引出電極561Aを形成する材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)や、Cr/Auの積層体などが挙げられる。
また、第一駆動電極561には、その表面に絶縁層が形成されていてもよい。
なお、本実施形態では、電極設置面511Aに1つの第一駆動電極561が設けられる構成を示すが、例えば、フィルター中心点Oを中心とした同心円となる2つの電極が設けられる構成(二重電極構成)などとしてもよい。
反射膜設置部512は、上述したように、電極配置溝511と同軸上で、電極配置溝511よりも小さい径寸法となる略円柱状に形成される。反射膜設置部512の上面(可動基板52に対向する面)は、反射膜設置面512Aであり、固定反射膜54が設けられる。
固定反射膜54は、反射膜設置部512に直接設けてもよいし、反射膜設置部512の上に他の薄膜(層)を設け、その上に設置してもよい。固定反射膜54としては、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等、導電性の合金膜を用いることができる。
また、例えば高屈折率層をTiO、低屈折率層をSiOとし、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層して形成された誘電体多層膜を用いてもよく、誘電体多層膜及び金属膜を積層した反射膜や、誘電体単層膜及び合金膜を積層した反射膜等を用いてもよい。
そして、反射膜設置部512には、固定反射膜54を覆う透光性の第一絶縁膜571が設けられる。このような第一絶縁膜571としては、例えばSiO、TiO等を用いることができる。
そして、この第一絶縁膜571は、図3及び図4に示すように、固定反射膜54と重なり合う干渉領域571A(第一領域)、及び当該干渉領域571Aを囲う延出領域571B(第二領域)を備える。ここで、干渉領域571Aは、均一厚み寸法となり、可動反射膜55に対向する表面が固定反射膜54や可動反射膜55と平行になる。
一方、延出領域571Bの表面は、干渉領域571Aの表面の端縁からなだらかに傾斜する傾斜面となり、その外周端が電極配置溝511の内周側の傾斜面に段差なく接続される。なお、本実施形態では、延出領域571Bでは、干渉領域571Aの外周端から傾斜する構成を例示するがこれに限定されない。例えば、干渉領域571Aから所定の距離寸法の範囲内は、当該干渉領域571Aと同一平面となる平坦面となり、当該平坦面の端部から緩やかな傾斜面が形成される構成としてもよい。
さらに、第一絶縁膜571上には、透光性の第一ミラー電極58が設けられる。このような第一ミラー電極58としては、例えばインジウム系酸化物である酸化インジウムガリウム(InGaO)、酸化インジウムスズ(Snドープ酸化インジウム:ITO)、Ceドープ酸化インジウム(ICO)、フッ素ドープ酸化インジウム(IFO)、スズ系酸化物であるアンチモンドープ酸化スズ(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化スズ(SnO)、亜鉛系酸化物であるAlドープ酸化亜鉛(AZO)、Gaドープ酸化亜鉛(GZO)、フッ素ドープ酸化亜鉛(FZO)、酸化亜鉛(ZnO)、等が用いられる。また、インジウム系酸化物と亜鉛系酸化物からなるインジウム亜鉛酸化物(IZO:登録商標)等を用いてもよい。
第一ミラー電極58は、少なくとも固定反射膜54に対向する領域(第一絶縁膜571の干渉領域571A)を覆って設けられていることが好ましい。
つまり、干渉領域571A上の一部のみに第一ミラー電極58を設ける構成とすると、反射膜54,55間において、光が第一ミラー電極58を通過する位置と、通過しない位置とが生じる。この場合、光路差によって射出される光の波長域が僅かに変化し、波長分解能が低下する。これに対して、上記のように、第一ミラー電極58を、干渉領域571A全体を覆うように形成することで、上記のような光学特性の差が生じず、波長分解能の低下を抑制できる。
なお、例えばアパーチャーを設ける等により、固定反射膜54の一部(例えば中心点Oから所定径範囲内の領域)から射出された光を測定対象光として扱う場合では、第一ミラー電極58が干渉領域571Aにおける一部に設けられる構成としてもよい。この場合では、測定対象光が入射(出射)する測定領域において、光学特性が同じになればよく、例えば、測定領域を覆うように第一ミラー電極58を設ける構成としてもよく、測定領域外に第一ミラー電極58を設ける構成などとしてもよい。
そして、図2、図3に示すように、第一ミラー電極58は、その外周縁の一部から固定基板51の頂点C4に向かって延出する第一ミラー引出電極58Aを備えている。この第一ミラー引出電極58Aは、第一絶縁膜571の干渉領域571A上から延出領域571B上を通り、電極配置溝511の傾斜面、底面、電極引出溝511Bを通って、頂点C4まで引き出される。干渉領域571Aの表面は平坦面であり、延出領域571Bの表面は、干渉領域571Aの表面から段差なく、なだらかに傾斜する。また、延出領域571Bの傾斜面と、電極配置溝511の傾斜面との間も、段差なくなだらかな傾斜面で接続されている。さらに、電極配置溝511の底面(電極設置面511A)と電極引出溝511Bの底面とは同一平面であり平坦な平滑面となる。
したがって、第一ミラー引出電極58Aは、第一絶縁膜571の干渉領域571Aから固定基板51の頂点C4に至るまで、平坦面、若しくは、なだらかに傾斜する傾斜面に配置されることになる。
第一ミラー引出電極58Aの先端(頂点C4に位置する部位)は、駆動制御部15に接続される第一ミラー電極パッド58Pを構成する。
固定基板51の第一接合部513は、可動基板52に接合される領域である。この第一接合部513の表面には、第一絶縁膜571が設けられている。そして、この第一絶縁膜571上に第一接合膜531が形成され、この第一接合膜531が可動基板52の第二接合膜532に接合されることで、固定基板51及び可動基板52が接合される。
なお、本実施形態では、第一接合部513上に第一絶縁膜571が形成される例を示すが、例えば第一絶縁膜571が形成されない構成としてもよい。この場合、第一接合部513上に直接、又は他のスペーサ―部材等を介して第一接合膜531を設ける。
また、固定基板51の光入射面(固定反射膜54が設けられない面)には、固定反射膜54に対応する位置に反射防止膜を形成してもよい。この反射防止膜は、例えば、低屈折率膜及び高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、固定基板51の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させる。
(可動基板の構成)
可動基板52は、図2ないし図4に示すように、フィルター平面視においてフィルター中心点Oを中心とした円形状の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、保持部522の外側に設けられた第二接合部523とを備えている。可動基板52の頂点C1,C4(図2参照)には、切欠部524が形成されており、第一駆動電極パッド561P,第一ミラー電極パッド58Pが露出する。
可動部521は、保持部522よりも厚み寸法が大きく形成され、例えば、本実施形態では、可動基板52(第二接合部523)の厚み寸法と同一寸法に形成されている。この可動部521は、フィルター平面視において、少なくとも反射膜設置面512Aの外周縁の径寸法よりも大きい径寸法に形成されている。そして、この可動部521には、可動反射膜55が設けられている。可動反射膜55は、可動面521Aに直接設けてもよいし、可動面521Aの上に他の薄膜(層)を設け、その上に設置してもよい。
可動反射膜55は、可動部521の可動面521Aの中心部に、固定反射膜54とギャップG1を介して対向して設けられる。この可動反射膜55としては、上述した固定反射膜54と同一の構成の反射膜が用いられる。
なお、固定基板51と同様に、可動部521の固定基板51とは反対側の面には、反射防止膜が形成されていてもよい。
可動基板52の固定基板51に対向する面には、第二絶縁膜572が設けられる。
この第二絶縁膜572は、図3及び図4に示すように、可動反射膜55を覆って可動基板52の固定基板51に対向する面全体に設けられる。具体的には、第二絶縁膜572は、可動反射膜55と重なる干渉領域572A(第一領域)の表面と、干渉領域572Aから外側に延出した延出領域572B(第二領域)の表面とが、同一平面となり、可動反射膜55の表面に平行となる。
そして、第二絶縁膜572上には、第二駆動電極562及び第二ミラー電極59が設けられている。
第二駆動電極562は、第二絶縁膜572に直接設けてもよいし、他の薄膜(層)を設け、その上に設置してもよい。
この第二駆動電極562は、フィルター中心点Oを中心としたC字円弧状に形成され、固定基板51の頂点C2に近接する一部にC字開口部が設けられている。また、第二駆動電極562には、第二駆動引出電極562Aが接続され、この第二駆動引出電極562Aは、頂点C3に向かって延出する電極引出溝511Bに対向する領域に沿って、可動基板52の頂点C3まで引き出されている。このような第二駆動電極562及び第二駆動引出電極562Aを形成する材料としては、上記第一駆動電極561や第一駆動引出電極561Aと同様、例えば、ITOなどが挙げられる。そして、第二駆動引出電極562Aは、頂点C3において、例えばFPCやリード線等により、駆動制御部15に接続されている第二駆動電極パッド562Pを構成する。
なお、本実施形態では、駆動電極561,562間のギャップG2が反射膜54,55間のギャップG1よりも大きい例を示すが、これに限定されない。例えば、測定対象光として赤外線や遠赤外線を用いる場合等、測定対象光の波長域によっては、ギャップG1がギャップG2よりも大きくなる構成としてもよい。
第二ミラー電極59は、第一ミラー電極58と同様、インジウム系酸化物である酸化インジウムガリウム(InGaO)、酸化インジウムスズ(Snドープ酸化インジウム:ITO)、Ceドープ酸化インジウム(ICO)、フッ素ドープ酸化インジウム(IFO)、スズ系酸化物であるアンチモンドープ酸化スズ(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化スズ(SnO)、亜鉛系酸化物であるAlドープ酸化亜鉛(AZO)、Gaドープ酸化亜鉛(GZO)、フッ素ドープ酸化亜鉛(FZO)、酸化亜鉛(ZnO)、等が用いられる。また、インジウム系酸化物と亜鉛系酸化物からなるインジウム亜鉛酸化物(IZO:登録商標)等を用いてもよい。
また、第二ミラー電極59は、第一ミラー電極58と同様、少なくとも可動反射膜55に対向する領域(第二絶縁膜572の干渉領域572A)を覆って設けられていることが好ましい。
なお、第一ミラー電極58と同様、例えばアパーチャーを設ける等により、反射膜54,55の一部から射出された光を測定対象光として扱う場合では、測定領域において、光学特性が同じになるように設けられていればよい。
そして、図2及び図3に示すように、第二ミラー電極59は、外周縁の一部から可動基板52の頂点C2に向かって延出する第二ミラー引出電極59Aを備えている。この第二ミラー引出電極59Aは、第二絶縁膜572の干渉領域572A上から延出領域572B上を通って頂点C3まで引き出される。第二ミラー引出電極59Aの先端(頂点C2に位置する部位)は、駆動制御部15に接続される第二ミラー電極パッド59Pを構成する。
保持部522は、可動部521の周囲を囲うダイヤフラムであり、可動部521よりも厚み寸法が小さく形成されている。このような保持部522は、可動部521よりも撓みやすく、僅かな静電引力により、可動部521を固定基板51側に変位させることが可能となる。この際、可動部521が保持部522よりも厚み寸法が大きく、剛性が大きくなるため、可動部521が静電引力により固定基板51側に引っ張られた場合でも、可動部521の形状変化をある程度抑制できる。
なお、本実施形態では、ダイヤフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、可動部521のフィルター中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
[光学モジュールの検出部、I−V変換器、アンプ、A/D変換器の構成]
次に、図1に戻り、光学モジュール10について説明する。
ディテクター11は、波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光(検出)し、受光量に基づいた検出信号をI−V変換器12に出力する。
I−V変換器12は、ディテクター11から入力された検出信号を電圧値に変換し、アンプ13に出力する。
アンプ13は、I−V変換器12から入力された検出信号に応じた電圧(検出電圧)を増幅する。
A/D変換器14は、アンプ13から入力された検出電圧(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、制御部20に出力する。
[駆動制御部の構成]
駆動制御部15は、制御部20の制御に基づいて、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に対して駆動電圧を印加する。これにより、静電アクチュエーター56の第一駆動電極561及び第二駆動電極562間で静電引力が発生し、可動部521が固定基板51側に変位する。
また、駆動制御部15は、各ミラー電極パッド58P,59Pを基準電位(例えば接地電位)に設定する。これにより、第一絶縁膜571及び第二絶縁膜572の表面上の電荷を逃がし、帯電による静電力の作用を抑制する。すなわち、本実施形態では、各ミラー電極58,59は、帯電防止用電極として機能する。
なお、ミラー電極58,59としては、その他、静電容量検出量電極や、駆動用電極として機能させることもできる。
静電容量検出用電極として用いる場合は、ミラー電極58,59間に、例えば駆動に影響しない程度の高周波電圧を印加し、ミラー電極58,59間の静電容量を駆動制御部15において検出する。これにより、ミラー電極58,59間の距離を算出することができ、第一絶縁膜571及び第二絶縁膜572(後述)の厚み寸法を加算することで、反射膜54,55間のギャップ寸法を算出することができる。
また、駆動用電極として用いる場合は、例えば、ミラー電極58,59間に駆動用電圧を印加する。これにより、静電アクチュエーター56とともに、反射膜54,55間のギャップ寸法を高精度に制御することが可能となり、所望のギャップ寸法に精度よく設定することが可能となる。
[制御部の構成]
次に、分光測定装置1の制御部20について説明する。
制御部20は、例えばCPUやメモリー等が組み合わされることで構成され、分光測定装置1の全体動作を制御する。この制御部20は、図1に示すように、波長設定部21と、光量取得部22と、分光測定部23と、を備えている。また、制御部20のメモリーには、波長可変干渉フィルター5を透過させる光の波長と、当該波長に対応して静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧との関係を示すV−λデータが記憶されている。
波長設定部21は、波長可変干渉フィルター5により取り出す光の目的波長を設定し、V−λデータに基づいて、設定した目的波長に対応する駆動電圧を静電アクチュエーター56に印加させる旨の指令信号を駆動制御部15に出力する。
光量取得部22は、ディテクター11により取得された光量に基づいて、波長可変干渉フィルター5を透過した目的波長の光の光量を取得する。
分光測定部23は、光量取得部22により取得された光量に基づいて、測定対象光のスペクトル特性を測定する。
[波長可変干渉フィルターの製造方法]
次に、上述したような波長可変干渉フィルター5の製造方法について、図面に基づいて説明する。
図5は、波長可変干渉フィルター5の製造工程を示すフローチャートである。
波長可変干渉フィルター5の製造では、まず、固定基板51を形成するための第一ガラス基板M1、及び可動基板52を形成するための第二ガラス基板M2を用意し、固定基板形成工程S1、及び可動基板形成工程S2を実施する。この後、基板接合工程S3を実施し、固定基板形成工程S1により加工された第一ガラス基板M1と、可動基板形成工程S2により加工された第二ガラス基板M2とを接合する。さらに、切断工程S4を実施し、第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2を個片化して波長可変干渉フィルター5を形成する。
以下、各工程S1〜S4について、図面に基づいて説明する。
(固定基板形成工程)
図6は、固定基板形成工程S1における第一ガラス基板M1の状態を示す図である。
固定基板形成工程S1では、まず、固定基板51の製造素材である第一ガラス基板M1の両面を、表面粗さRaが1nm以下となるまで精密研磨し、例えば500μmの厚み寸法にする。
そして、図6(A)に示すように、第一ガラス基板M1の一方の面A1(可動基板52に接合される側の面)に固定反射膜54を形成する。固定反射膜54として、Ag合金等の金属膜やAg合金等の合金膜を用いる場合では、第一ガラス基板M1の表面に反射膜(金属膜又や合金膜)を形成した後、フォトリソグラフィ法等を用いてパターニングする。
なお、反射膜として誘電体多層膜を形成する場合では、例えばリフトオフプロセスによりパターニングをすることができる。この場合、フォトリソグラフィ法等により、第一ガラス基板M1上の反射膜形成部分以外にレジスト(リフトオフパターン)を形成する。この後、固定反射膜54を形成するための材料(例えば、高屈折層をTiO、低屈折層をSiOとした誘電体多層膜)をスパッタリング法または蒸着法等により成膜する。そして、固定反射膜54を成膜した後、リフトオフにより、不要部分の膜を除去する。
次に、図6(B)に示すように、第一ガラス基板M1の面A1の全面に、第一絶縁膜571を形成する。これには、例えばプラズマCVD法や、スパッタ等を用いることができる。この際、第一絶縁膜571の膜厚は、固定反射膜54の膜厚よりも厚く形成し、例えば、固定反射膜54として700nmの誘電体多層膜を形成した場合、1μm以上に形成する。
その後、図6(C)に示すように、第一絶縁膜571の表面を鏡面研磨し、平滑化する。この際、固定反射膜54の表面(干渉領域571A)に第一絶縁膜571が均一厚みで残るように研磨する。例えば干渉領域571Aの厚み寸法を100nmにする。
次に、第一ガラス基板M1の全体にレジストを塗布し、電極配置溝511、電極引出溝511Bの底面(平坦部)に対応した領域が開口するようにレジストパターンを形成する。この後、フッ酸水溶液を用いて第一絶縁膜571及び第一ガラス基板M1に対してウエットエッチングを実施し、例えば1μmの溝を形成する。
この際、レジストの開口部からレジストの下方にエッチング液が回り込むことで、サイドエッチングが進行する。このため、図6(D)に示すように、電極配置溝511や電極引出溝511Bの外周部や、第一絶縁膜571の延出領域571Bに、なだらかな傾斜曲面が形成される。この際、延出領域571Bに形成された傾斜面において、干渉領域571Aの端部は、曲率中心が第一絶縁膜571の内側となる円弧曲面状に形成される。
この後、レジストを除去する。
また、延出領域571Bの端部形状を更に円弧曲面形状にするために、第一ガラス基板M1をフッ酸水溶液に追加浸漬し、0.1μm程度表面をエッチングしてもよい。
また、なだらかな傾斜曲面を形成するためには、フッ酸水溶液によるウエットエッチングが最も好適であるが、CF、C、CHFを用いたドライエッチングでも傾斜曲面を形成することは可能である。
そして、電極配置溝511の電極設置面511A、及び電極引出溝511Bに対して、第一駆動電極561及び第一駆動引出電極561Aを形成するための電極層を、例えば蒸着法やスパッタリング法等を用いて成膜する。この電極層としては、第一駆動電極561としては、例えば、TiW/Auの積層配線、Cr/Auの積層配線、これらとITOとを組み合わせた積層配線等を形成する。第一ガラス基板M1との密着性が良好である場合は、上記以外の電極層を形成してもよい。また、第一駆動電極561は、配線の電気抵抗の低減を図るために、第一ミラー電極58よりも厚く形成することが好ましく、例えば、100〜200nmに形成する。
そして、電極層上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法を用いて第一駆動電極561、第一駆動引出電極561Aの形状に合わせてレジストをパターニングする。この後、電極層に対するエッチング液(例えば塩酸、硝酸、水の混合液)によりエッチングを実施した後、レジストを除去する。
次に、第一絶縁膜571上に第一ミラー電極58を形成する。具体的には、第一ガラス基板M1の面A1に第一ミラー電極58を形成するための透明電極膜(例えばITO等)を、例えば蒸着法やスパッタリング法等を用いて成膜する。この透明電極膜としては、透過性を確保するために、厚み寸法を例えば30nm以下にすることが好ましい。
ここで、上述したように、第一絶縁膜571は、干渉領域571Aが平坦面、延出領域571Bが干渉領域571Aの表面からなだらかに傾斜する傾斜面により構成される。また、延出領域571Bの外周端部は、電極配置溝511の内周側のなだらかな傾斜面に連続し、平坦な電極設置面511Aから電極引出溝511Bに繋がっている。したがって、透明電極膜は、干渉領域571Aから電極引出溝511Bに亘って、平坦面若しくは、なだらかな傾斜面上に形成されることになり、段差等がなく、断線することがない。
この後、透明電極膜の表面にレジストを塗布し、第一ミラー電極58及び第一ミラー引出電極58Aの形成位置、第一駆動電極561及び第一駆動引出電極561Aの形成位置をカバーするレジストパターンを形成する。そして、エッチングにより第一ミラー電極58及び第一ミラー引出電極58Aをパターニングする。
この際、第一ミラー電極58を構成する透明電極膜と、第一駆動電極561とが異なる膜材であり、透明電極膜に対するエッチング液により第一駆動電極561がエッチングされない場合は、第一駆動電極561及び第一駆動引出電極561Aの形成位置に対してレジストでカバーする必要がない。
以上により、図6(E)に示すように、第一駆動電極561、第一ミラー電極58、第一駆動引出電極561A(図6では図示略)、第一ミラー引出電極58A(図6では図示略)が形成される。
この後、第一駆動電極561、第一ミラー電極58上に絶縁層を成膜してもよい。この場合、例えばプラズマCVD等により各電極561,561A,58,58Aを覆う絶縁層(例えばSiO)を形成した後、各電極パッド561P,58P上の絶縁層を、例えばドライエッチング等により除去する。
(可動基板形成工程)
次に、可動基板形成工程S2について説明する。図7は、可動基板形成工程S2における第二ガラス基板M2の状態を示す図である。
可動基板形成工程S2では、まず、第二ガラス基板M2(例えば厚み寸法が500μm)の表面粗さRaが1nm以下となるまで両面を精密研磨する。
この後、図7(A)に示すように、第二ガラス基板M2の固定基板51が接合される側の面A2に、可動反射膜55を形成する。可動反射膜55の形成は、固定反射膜54と同様の方法により形成することができる。
この後、図7(B)に示すように、第二ガラス基板M2の面A2の全面に、例えばプラズマCVDやスパッタリング等を用いて、第二絶縁膜572を形成する。この際、第一絶縁膜571の形成時と同様に、第二絶縁膜572の厚み寸法を、可動反射膜55の厚み寸法よりも大きく形成し、例えば可動反射膜55が700nmの誘電体多層膜である場合、1μm以上にすることが好ましい。
次に、図7(C)に示すように、第二絶縁膜572の表面を鏡面研磨し、平滑化する。この際、可動反射膜55の表面(干渉領域572A)に第二絶縁膜572が均一厚みで残るように研磨する。例えば干渉領域572Aの厚み寸法を100nmにする。
この後、第二ガラス基板M2の表面(両面)にCr/Au層を形成し、このCr/Au層をエッチングマスクとし、例えばフッ酸系(BHF等)を用いて、保持部522に相当する領域を、例えば470μmの深さ分、エッチングする。この後、エッチングマスクとして使用したCr/Au層を除去することで図7(D)に示すように、可動基板52が形成される。
次に、図7(E)に示すように、第二駆動電極562、第二駆動引出電極562A(図示略)、第二ミラー電極59、及び第二ミラー引出電極59A(図示略)を形成する。
第二駆動電極562及び第二駆動引出電極562Aの形成は、上記固定基板形成工程S1における、第一駆動電極561及び第一駆動引出電極561Aの形成方法と、同様の方法を用いることができる。
また、第二ミラー電極59及び第二ミラー引出電極59Aの形成は、上記固定基板形成工程S1における、第一ミラー電極58及び第一ミラー引出電極58Aの形成方法と、同様の方法を用いることができる。
これらの電極562,562A,59,59Aは、段差等がない平坦な第二絶縁膜572上に形成されるため、断線のリスクがない。
(基板接合工程、及び切断工程)
次に、基板接合工程S3について説明する。
基板接合工程S3では、まず、第一ガラス基板M1の第一接合部513と、第二ガラス基板M2の第二接合部523とに、例えばメタルマスクを用いて、ポリオルガノシロキサンを主成分としたプラズマ重合膜(第一接合膜531及び第二接合膜532)を、例えばプラズマCVD法等により成膜する。各接合膜531,532は、反射膜54,55間のギャップ寸法に応じて予め設定された膜厚寸法に形成し、例えば100nmとなるように成膜する。
そして、第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2のプラズマ重合膜に対して活性化エネルギーを付与するために、Oプラズマ処理またはUV処理を行う。Oプラズマ処理の場合は、例えば、O流量1.8×10−3(m/h)、圧力27Pa、RFパワー200Wの条件で30秒間実施する。また、UV処理の場合は、UV光源としてエキシマUV(波長172nm)を用いて3分間処理する。
プラズマ重合膜に活性化エネルギーを付与した後、これらの第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2のアライメント調整を行う。そして、プラズマ重合膜を介して第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2を重ね合わせ、接合部分に例えば98(N)の荷重を10分間かける。これにより、第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2同士が接合される。
(切断工程)
次に、切断工程S4について説明する。
切断工程S4では、固定基板51及び可動基板52をチップ単位で切り出し、図2及び図3に示すような波長可変干渉フィルター5を形成する。第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2の切断には、例えばスクライブブレイクやレーザー切断等を利用することができる。
[第一実施形態の作用効果]
本実施形態では、第一絶縁膜571は、固定反射膜54を覆って設けられ、この固定反射膜54に重なる干渉領域571Aと、干渉領域571Aを囲う延出領域571Bを備える。延出領域571Bの表面は、干渉領域571Aの平面からなだらかに傾斜し、電極配置溝511の内周側の傾斜面に段差なく連続する。
このため、第一ミラー電極58及び第一ミラー引出電極58Aを形成する際に、段差等による断線が生じず、配線信頼性を向上させることができる。
また、第一絶縁膜571により固定反射膜54を覆う構成となるため、例えば固定反射膜54としてAg金属膜等、劣化しやすい膜材を用いたとしても、第一絶縁膜571が保護膜として機能し、固定反射膜54の劣化を抑制できる。
また、第二絶縁膜572は、可動反射膜55を覆って設けられ、この可動反射膜55に重なる干渉領域572Aと、干渉領域572Aを囲う延出領域572Bとを備える。延出領域572Bの表面は、干渉領域572Aの表面と同一平面状であり、鏡面研磨により平坦な平滑面に形成されている。
このため、第二ミラー電極59及び第二ミラー引出電極59Aを形成する際に、段差等による断線が生じず、第二ミラー電極59においても配線信頼性を向上させることができる。
また、第二絶縁膜572により可動反射膜55を覆う構成となるため、例えば可動反射膜55としてAg金属膜等、劣化しやすい膜材を用いたとしても、第二絶縁膜572が保護膜として機能し、可動反射膜55の劣化を抑制できる。
本実施形態では、固定基板51の母材である第一ガラス基板M1の表面に、第一絶縁膜571を形成した後、電極設置面511Aに対応して開口したレジストパターンを形成し、ウエットエッチングを実施する。これにより、レジストの下方に回り込んだエッチング液により、サイドエッチングが進行することで、第一絶縁膜571の延出領域571Bになだらかな傾斜面が形成される。
また、ウエットエッチングにより、延出領域571Bにおける傾斜面の干渉領域571A側の端部には、第一絶縁膜571の内側に曲率中心点を有する曲面が形成される。つまり、干渉領域571Aにおける平坦面からなだらかに傾斜角度が変化する傾斜面が形成されることになる。
このため、第一絶縁膜571の表面において、急激に角度が変化する部位がなく、より確実に断線のリスクを低減できる。
以上のように、波長可変干渉フィルター5における配線信頼性を向上させることができるため、このような波長可変干渉フィルター5を備えた光学モジュール10や、電子機器である分光測定装置1においても、配線信頼性を向上させることができ、機器信頼性を向上させることができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図面に基づいて説明する。
上述した第一実施形態では、固定基板形成工程S1において、第一ガラス基板M1に対して、第一絶縁膜571を形成した後、エッチングにより第一絶縁膜571及び第一ガラス基板M1に凹部を形成することで、延出領域571Bに傾斜面を形成した。
これに対して、本実施形態では、エッチングを用いずに第一絶縁膜571の延出領域571Bに傾斜面を形成する点で上記第一実施形態と相違する。
図8は、本実施形態の波長可変干渉フィルター5Aの概略構成を示す断面図である。
なお、以降の実施形態、変形例の説明において、既に説明した構成については同符号を付し、その説明を簡略化、または省略する。
図8に示すように、本実施形態では、固定基板51の固定反射膜54を覆う位置のみに第一絶縁膜571が設けられ、第一接合部513上には、第一絶縁膜571は設けられていない。
同様に、可動基板52の可動反射膜55を覆う位置のみに第二絶縁膜572が設けられ、その他の領域には、保持部522や第二接合部523等には、第二絶縁膜572が設けられない。
図9は、本実施形態における第一絶縁膜571の形成方法を示した概略図である。
このような第一絶縁膜571は、以下のように形成することができる。
すなわち、固定基板形成工程において、第一ガラス基板M1に固定反射膜54を形成した後、当該固定反射膜54及び固定反射膜54の外周縁から所定の距離だけ離れた位置までの領域が開口したマスクM3を重ね合せる。具体的には、例えば、反射膜設置面512Aに対応した領域が開口したマスクM3を重ね合せる。
この後、プラズマCVDや、スパッタリング法を用いて、第一絶縁膜571を形成する。これにより、図9に示すように、マスクM3の開口部の中心領域では均一厚みの第一絶縁膜571の干渉領域571Aが形成され、外周縁近傍において、厚み寸法が小さくなる第一絶縁膜571の延出領域571Bが形成される。
なお、可動基板形成工程S2おける第二絶縁膜572の形成においても同様である。
[第二実施形態の作用効果]
本実施形態では、上記第一実施形態と同様に、第一絶縁膜571の延出領域571Bや、第二絶縁膜572の延出領域572Bの表面は、干渉領域571A,572Aに対して傾斜する。このため、上記第一実施形態と同様に、第一ミラー電極58や第一ミラー引出電極58A,第二ミラー電極59や第二ミラー引出電極59Aにおける断線のリスクがなく、配線信頼性を向上させることができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について、図面に基づいて説明する。
上記第一実施形態の分光測定装置1では、光学モジュール10に対して、波長可変干渉フィルター5が直接設けられる構成とした。しかしながら、光学モジュールとしては、複雑な構成を有するものもあり、特に小型化の光学モジュールに対して、波長可変干渉フィルター5を直接設けることが困難な場合がある。本実施形態では、そのような光学モジュールに対しても、波長可変干渉フィルター5を容易に設置可能にする光学フィルターデバイスについて、以下に説明する。
図10は、本発明の第三実施形態に係る光学フィルターデバイスの概略構成を示す断面図である。
図10に示すように、光学フィルターデバイス600は、波長可変干渉フィルター5と、当該波長可変干渉フィルター5を収納する筐体601と、を備えている。
筐体601は、ベース基板610と、リッド620と、ベース側ガラス基板630と、リッド側ガラス基板640と、を備える。
ベース基板610は、例えば単層セラミック基板により構成される。このベース基板610には、波長可変干渉フィルター5の可動基板52が設置される。ベース基板610への可動基板52の設置としては、例えば接着層等を介して配置されてもよく、他の固定部材等に嵌合等されることで配置されていてもよい。また、ベース基板610には、有効領域(フィルター平面視において反射膜54,55と重なり合う領域)に対向する領域に、光通過孔611が開口形成される。そして、この光通過孔611を覆うように、ベース側ガラス基板630が接合される。ベース側ガラス基板630の接合方法としては、例えば、ガラス原料を高温で熔解し、急冷したガラスのかけらであるガラスフリットを用いたガラスフリット接合、エポキシ樹脂等による接着などを利用できる。
このベース基板610のリッド620に対向するベース内側面612には、波長可変干渉フィルター5の各電極パッド561P,562P,58P,59Pのそれぞれに対応して内側端子部615が設けられている。なお、各電極パッド561P,562P,58P,59Pと内側端子部615との接続は、例えばFPC615Aを用いることができ、例えばAgペースト、ACF(Anisotropic Conductive Film)、ACP(Anisotropic Conductive Paste)等により接合する。また、FPC615Aによる接続に限られず、例えばワイヤーボンディング等による配線接続を実施してもよい。
また、ベース基板610は、各内側端子部615が設けられる位置に対応して、貫通孔614が形成されている。各内側端子部615は、貫通孔614に充填された導電性部材を介して、ベース基板610のベース内側面612とは反対側のベース外側面613に設けられた外側端子部616に接続されている。
そして、ベース基板610の外周部には、リッド620に接合されるベース接合部617が設けられている。
リッド620は、図10に示すように、ベース基板610のベース接合部617に接合されるリッド接合部624と、リッド接合部624から連続し、ベース基板610から離れる方向に立ち上がる側壁部625と、側壁部625から連続し、波長可変干渉フィルター5の固定基板51側を覆う天面部626とを備えている。このリッド620は、例えばコバール等の合金または金属により形成することができる。
このリッド620は、リッド接合部624と、ベース基板610のベース接合部617とが、接合されることで、ベース基板610に密着接合されている。
この接合方法としては、例えば、レーザー溶着の他、銀ロウ等を用いた半田付け、共晶合金層を用いた封着、低融点ガラスを用いた溶着、ガラス付着、ガラスフリット接合、エポキシ樹脂による接着等が挙げられる。これらの接合方法は、ベース基板610及びリッド620の素材や、接合環境等により、適宜選択することができる。
リッド620の天面部626は、ベース基板610に対して平行となる。この天面部626には、波長可変干渉フィルター5の有効領域に対向する領域に、光通過孔621が開口形成されている。そして、この光通過孔621を覆うように、リッド側ガラス基板640が接合される。リッド側ガラス基板640の接合方法としては、ベース側ガラス基板630の接合と同様に、例えばガラスフリット接合や、エポキシ樹脂等による接着などを用いることができる。
[第三実施形態の作用効果]
上述したような本実施形態の光学フィルターデバイス600では、筐体601により波長可変干渉フィルター5が保護されているため、外的要因による波長可変干渉フィルター5の破損を防止できる。
[その他の実施形態]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記第一実施形態の固定基板形成工程S1では、第一ガラス基板M1に対して、固定反射膜54を形成した後、第一ガラス基板M1の全面に対して第一絶縁膜571を形成し、その後、電極配置溝511や電極引出溝511Bを形成した。
これに対して、例えば、第一ガラス基板M1に対して、まずエッチングにより電極配置溝511や電極引出溝511Bを形成してもよい。この場合、電極配置溝511や電極引出溝511Bの形成後に、固定反射膜54を形成し、固定反射膜54を覆うように、第一絶縁膜571を形成し、その後、エッチングにより第一絶縁膜571に凹部を形成して、延出領域571Bに傾斜面を形成する。また、この際、第二実施形態のように、反射膜設置面512Aに対してのみ第一絶縁膜571を形成してもよい。
このような製造方法を用いる場合では、例えば図11に示すように、固定反射膜54を設置するためのミラー溝512Bを形成することもできる。このような波長可変干渉フィルター5Bでは、反射膜間のギャップG1を、駆動電極561,562間のギャップG2よりも大きくすることができる。
上記実施形態では、静電アクチュエーター56により、反射膜54,55間のギャップ寸法を変更可能な構成としたが、これに限定されない。例えば、波長固定側のファブリーペローエタロンに対しても、本発明を適用することができる。
波長固定型の干渉フィルターでは、上記実施形態のような可動部521や保持部522が設けられず、固定基板51と可動基板52との間隔が一定に維持される。
このような場合でも、第一ミラー電極58や第二ミラー電極59を設けることで、帯電を除去することで、反射膜間の距離を一定に保つことができる。この際、上記実施形態のような構成とすることで、各ミラー電極58,59、各ミラー引出電極58A,59Aの断線のリスクを低減できる。
上記実施形態では、延出領域571B,572Bが干渉領域571A,572Aの周囲を囲う絶縁膜571,572を例示したが、これに限定されない。本発明では、ミラー電極58,59やミラー引出電極58A,59Aの形成位置に延出領域が形成されていれば、これらの電極の断線のリスクを低減できる。したがって、絶縁膜としては、反射膜を重なり合う干渉領域と、この干渉領域から一方向に延出する延出領域とを有する構成してもよい。この場合、干渉領域から延出領域に亘ってミラー電極やミラー引出電極を形成すれば、これらの電極の断線のリスクを低減でき、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
上記実施形態では、傾斜面がなだらかな曲面状の傾斜となる構成を例示したが、これに限定されない。例えば、干渉領域の平坦面に対して、延出領域の傾斜平面が連続する構成としてもよい。ただし、この場合、干渉領域の平坦面と傾斜平面との間の角部において、断線のリスクが増大するため、上記実施形態で示したようななだらかな曲面状の傾斜面を形成することが好ましい。
本発明の電子機器として、上記各実施形態では、分光測定装置1を例示したが、その他、様々な分野により本発明の光学モジュール、及び電子機器を適用することができる。
例えば、図12に示すように、本発明の電子機器を、色を測定するための測色装置に適用することもできる。
図12は、波長可変干渉フィルターを備えた測色装置400の一例を示すブロック図である。
この測色装置400は、図12に示すように、測定対象Xに光を射出する光源装置410と、測色センサー420(光学モジュール)と、測色装置400の全体動作を制御する制御装置430とを備える。そして、この測色装置400は、光源装置410から射出される光を測定対象Xにて反射させ、反射された検査対象光を測色センサー420にて受光させ、測色センサー420から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち測定対象Xの色を分析して測定する装置である。
光源装置410、光源411、複数のレンズ412(図12には1つのみ記載)を備え、測定対象Xに対して例えば基準光(例えば、白色光)を射出する。また、複数のレンズ412には、コリメーターレンズが含まれてもよく、この場合、光源装置410は、光源411から射出された基準光をコリメーターレンズにより平行光とし、図示しない投射レンズから測定対象Xに向かって射出する。なお、本実施形態では、光源装置410を備える測色装置400を例示するが、例えば測定対象Xが液晶パネルなどの発光部材である場合、光源装置410が設けられない構成としてもよい。
測色センサー420は、本発明の光学モジュールであり、図12に示すように、波長可変干渉フィルター5と、波長可変干渉フィルター5を透過する光を受光するディテクター11と、波長可変干渉フィルター5で透過させる光の波長を可変する駆動制御部15とを備える。また、測色センサー420は、波長可変干渉フィルター5に対向する位置に、測定対象Xで反射された反射光(検査対象光)を、内部に導光する図示しない入射光学レンズを備えている。そして、この測色センサー420は、波長可変干渉フィルター5により、入射光学レンズから入射した検査対象光のうち、所定波長の光を分光し、分光した光をディテクター11にて受光する。なお、波長可変干渉フィルター5の代わりに、波長可変干渉フィルター5A,5Bや光学フィルターデバイス600が設けられる構成としてもよい。
制御装置430は、測色装置400の全体動作を制御する。
この制御装置430としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューターなどを用いることができる。そして、制御装置430は、図12に示すように、光源制御部431、測色センサー制御部432、及び測色処理部433などを備えて構成されている。
光源制御部431は、光源装置410に接続され、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置410に所定の制御信号を出力して、所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部432は、測色センサー420に接続され、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー420にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー420に出力する。これにより、測色センサー420の駆動制御部15は、制御信号に基づいて、静電アクチュエーター56に電圧を印加し、波長可変干渉フィルター5を駆動させる。
測色処理部433は、ディテクター11により検出された受光量から、測定対象Xの色度を分析する。
また、本発明の電子機器の他の例として、特定物質の存在を検出するための光ベースのシステムが挙げられる。このようなシステムとしては、例えば、本発明の光学モジュールを用いた分光計測方式を採用して特定ガスを高感度検出する車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器等のガス検出装置を例示できる。
このようなガス検出装置の一例を以下に図面に基づいて説明する。
図13は、本発明の光学モジュールを備えたガス検出装置の一例を示す概略図である。
図14は、図13のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。
このガス検出装置100は、図13に示すように、センサーチップ110と、吸引口120A、吸引流路120B、排出流路120C、及び排出口120Dを備えた流路120と、本体部130と、を備えて構成されている。
本体部130は、流路120を着脱可能な開口を有するセンサー部カバー131、排出手段133、筐体134、光学部135、フィルター136、波長可変干渉フィルター5、及び受光素子137(検出部)等を含む検出装置(光学モジュール)と、検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部138(処理部)、電力を供給する電力供給部139等から構成されている。なお、波長可変干渉フィルター5の代わりに、波長可変干渉フィルター5A,5Bや光学フィルターデバイス600が設けられる構成としてもよい。また、光学部135は、光を射出する光源135Aと、光源135Aから入射された光をセンサーチップ110側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子137側に透過するビームスプリッター135Bと、レンズ135C,135D,135Eと、により構成されている。
また、図14に示すように、ガス検出装置100の表面には、操作パネル140、表示部141、外部とのインターフェイスのための接続部142、電力供給部139が設けられている。電力供給部139が二次電池の場合には、充電のための接続部143を備えてもよい。
更に、ガス検出装置100の制御部138は、図14に示すように、CPU等により構成された信号処理部144、光源135Aを制御するための光源ドライバー回路145、波長可変干渉フィルター5を制御するための駆動制御部15、受光素子137からの信号を受信する受光回路147、センサーチップ110のコードを読み取り、センサーチップ110の有無を検出するセンサーチップ検出器148からの信号を受信するセンサーチップ検出回路149、及び排出手段133を制御する排出ドライバー回路150などを備えている。
次に、上記のようなガス検出装置100の動作について、以下に説明する。
本体部130の上部のセンサー部カバー131の内部には、センサーチップ検出器148が設けられており、このセンサーチップ検出器148でセンサーチップ110の有無が検出される。信号処理部144は、センサーチップ検出器148からの検出信号を検出す
ると、センサーチップ110が装着された状態であると判断し、表示部141へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
そして、例えば利用者により操作パネル140が操作され、操作パネル140から検出処理を開始する旨の指示信号が信号処理部144へ出力されると、まず、信号処理部144は、光源ドライバー回路145に光源作動の信号を出力して光源135Aを作動させる。光源135Aが駆動されると、光源135Aから単一波長で直線偏光の安定したレーザー光が射出される。また、光源135Aには、温度センサーや光量センサーが内蔵されており、その情報が信号処理部144へ出力される。そして、信号処理部144は、光源135Aから入力された温度や光量に基づいて、光源135Aが安定動作していると判断すると、排出ドライバー回路150を制御して排出手段133を作動させる。これにより、検出すべき標的物質(ガス分子)を含んだ気体試料が、吸引口120Aから、吸引流路120B、センサーチップ110内、排出流路120C、排出口120Dへと誘導される。なお、吸引口120Aには、除塵フィルター120A1が設けられ、比較的大きい粉塵や一部の水蒸気などが除去される。
また、センサーチップ110は、金属ナノ構造体が複数組み込まれ、局在表面プラズモン共鳴を利用したセンサーである。このようなセンサーチップ110では、レーザー光により金属ナノ構造体間で増強電場が形成され、この増強電場内にガス分子が入り込むと、分子振動の情報を含んだラマン散乱光、及びレイリー散乱光が発生する。
これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は、光学部135を通ってフィルター136に入射し、フィルター136によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が波長可変干渉フィルター5に入射する。そして、信号処理部144は、駆動制御部15に対して制御信号を出力する。これにより、駆動制御部15は、上記第一実施形態と同様にして波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56を駆動させ、検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を波長可変干渉フィルター5で分光させる。この後、分光した光が受光素子137で受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路147を介して信号処理部144に出力される。この場合、波長可変干渉フィルター5から目的とするラマン散乱光を精度よく取り出すことができる。
信号処理部144は、上記のようにして得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータと、ROMに格納されているデータとを比較し、目的のガス分子か否かを判定し、物質の特定をする。また、信号処理部144は、表示部141にその結果情報を表示させたり、接続部142から外部へ出力したりする。
なお、上記図13及び図14において、ラマン散乱光を波長可変干渉フィルター5により分光して分光されたラマン散乱光からガス検出を行うガス検出装置100を例示したが、ガス検出装置として、ガス固有の吸光度を検出することでガス種別を特定するガス検出装置として用いてもよい。この場合、センサー内部にガスを流入させ、入射光のうちガスにて吸収された光を検出するガスセンサーを本発明の光学モジュールとして用いる。そして、このようなガスセンサーによりセンサー内に流入されたガスを分析、判別するガス検出装置を本発明の電子機器とする。このような構成でも、波長可変干渉フィルターを用いてガスの成分を検出することができる。
また、特定物質の存在を検出するためのシステムとして、上記のようなガスの検出に限られず、近赤外線分光による糖類の非侵襲的測定装置や、食物や生体、鉱物等の情報の非侵襲的測定装置等の、物質成分分析装置を例示できる。
以下に、上記物質成分分析装置の一例として、食物分析装置を説明する。
図15は、本発明の光学モジュールを利用した電子機器の一例である食物分析装置の概略構成を示す図である。
この食物分析装置200は、図15に示すように、検出器210(光学モジュール)と、制御部220と、表示部230と、を備えている。検出器210は、光を射出する光源211と、測定対象物からの光が導入される撮像レンズ212と、撮像レンズ212から導入された光を分光する波長可変干渉フィルター5と、分光された光を検出する撮像部213(検出部)と、を備えている。なお、波長可変干渉フィルター5の代わりに、波長可変干渉フィルター5A,5Bや光学フィルターデバイス600が設けられる構成としてもよい。
また、制御部220は、光源211の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部221と、波長可変干渉フィルター5を制御する駆動制御部15と、撮像部213を制御し、撮像部213で撮像された分光画像を取得する検出制御部223と、信号処理部224と、記憶部225と、を備えている。
この食物分析装置200は、システムを駆動させると、光源制御部221により光源211が制御されて、光源211から測定対象物に光が照射される。そして、測定対象物で反射された光は、撮像レンズ212を通って波長可変干渉フィルター5に入射する。波長可変干渉フィルター5は駆動制御部15の制御により、上記第一実施形態に示すような駆動方法で駆動される。これにより、波長可変干渉フィルター5から精度よく目的波長の光を取り出すことができる。そして、取り出された光は、例えばCCDカメラ等により構成される撮像部213で撮像される。また、撮像された光は分光画像として、記憶部225に蓄積される。また、信号処理部224は、駆動制御部15を制御して波長可変干渉フィルター5に印加する電圧値を変化させ、各波長に対する分光画像を取得する。
そして、信号処理部224は、記憶部225に蓄積された各画像における各画素のデータを演算処理し、各画素におけるスペクトルを求める。また、記憶部225には、例えばスペクトルに対する食物の成分に関する情報が記憶されており、信号処理部224は、求めたスペクトルのデータを、記憶部225に記憶された食物に関する情報を基に分析し、検出対象に含まれる食物成分、及びその含有量を求める。また、得られた食物成分及び含有量から、食物カロリーや鮮度等をも算出することができる。更に、画像内のスペクトル分布を分析することで、検査対象の食物の中で鮮度が低下している部分の抽出等をも実施することができ、更には、食物内に含まれる異物等の検出をも実施することができる。
そして、信号処理部224は、上述のようにして得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部230に表示させる処理をする。
また、図15において、食物分析装置200の例を示すが、略同様の構成により、上述したようなその他の情報の非侵襲的測定装置としても利用することができる。例えば、血液等の体液成分の測定、分析等、生体成分を分析する生体分析装置として用いることができる。このような生体分析装置としては、例えば血液等の体液成分を測定する装置として、エチルアルコールを検知する装置とすれば、運転者の飲酒状態を検出する酒気帯び運転防止装置として用いることができる。また、このような生体分析装置を備えた電子内視鏡システムとしても用いることができる。
更には、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
更には、本発明の光学モジュール、電子機器としては、以下のような装置に適用することができる。
例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、光学モジュールに設けられた波長可変干渉フィルターにより特定波長の光を分光し、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このようなデータ抽出用光学モジュールを備えた電子機器により、各波長の光のデータを処理することで、光通信を実施することもできる。
また、電子機器としては、本発明の光学モジュールにより光を分光することで、分光画像を撮像する分光カメラ、分光分析機などにも適用できる。このような分光カメラの一例として、波長可変干渉フィルターを内蔵した赤外線カメラが挙げられる。
図16は、分光カメラの概略構成を示す模式図である。分光カメラ300は、図16に示すように、カメラ本体310と、撮像レンズユニット320と、撮像部330とを備えている。
カメラ本体310は、利用者により把持、操作される部分である。
撮像レンズユニット320は、カメラ本体310に設けられ、入射した画像光を撮像部330に導光する。また、この撮像レンズユニット320は、図16に示すように、対物レンズ321、結像レンズ322、及びこれらのレンズ間に設けられた波長可変干渉フィルター5を備えて構成されている。なお、波長可変干渉フィルター5の代わりに、波長可変干渉フィルター5A,5Bや光学フィルターデバイス600が設けられる構成としてもよい。
撮像部330は、受光素子により構成され、撮像レンズユニット320により導光された画像光を撮像する。
このような分光カメラ300では、波長可変干渉フィルター5により撮像対象となる波長の光を透過させることで、所望波長の光の分光画像を撮像することができる。
更には、本発明の光学モジュールをバンドパスフィルターとして用いてもよく、例えば、発光素子が射出する所定波長域の光のうち、所定の波長を中心とした狭帯域の光のみを波長可変干渉フィルターで分光して透過させる光学式レーザー装置としても用いることができる。
また、本発明の光学モジュールを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた、血管や指紋、網膜、虹彩などの認証装置にも適用できる。
更には、光学モジュール及び電子機器を、濃度検出装置として用いることができる。この場合、波長可変干渉フィルターにより、物質から射出された赤外エネルギー(赤外光)を分光して分析し、サンプル中の被検体濃度を測定する。
上記に示すように、本発明の光学モジュール、及び電子機器は、入射光から所定の光を分光するいかなる装置にも適用することができる。そして、本発明の光学モジュールは、上述のように、1デバイスで複数の波長を分光させることができるため、複数の波長のスペクトルの測定、複数の成分に対する検出を精度よく実施することができる。したがって、複数デバイスにより所望の波長を取り出す従来の装置に比べて、光学モジュールや電子機器の小型化を促進でき、例えば、携帯用や車載用の光学デバイスとして好適に用いることができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等に適宜変更できる。
1…分光測定装置、5,5A,5B…波長可変干渉フィルター、10…光学モジュール、11…ディテクター、15…駆動制御部、20…制御部、51…固定基板、511…電極配置溝、511A…電極設置面、512…反射膜設置部、52…可動基板、54…固定反射膜、55…可動反射膜、571…第一絶縁膜、571A…干渉領域、571B…延出領域、572…第二絶縁膜、572A…干渉領域、572B…延出領域、58…第一ミラー電極、58A…第一ミラー引出電極、59…第二ミラー電極、59A…第二ミラー引出電極、600…光学フィルターデバイス、601…筐体、100…ガス検出装置、137…受光素子、200…食物分析装置、210…検出器、220…制御部、300…分光カメラ、330…撮像部、400…測色装置、420…測色センサー、430…制御装置。

Claims (14)

  1. 互いに対向する一対の反射膜と、
    前記一対の反射膜の少なくともいずれか一方を覆う絶縁膜と、を備え、
    前記絶縁膜は、前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続し、前記反射膜と重ならない第二領域を含み、
    前記第一領域の表面は、前記反射膜と平行な平坦面であり、
    前記第二領域の表面は、前記第一領域の表面と同一平面である
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  2. 互いに対向する一対の反射膜と、
    前記一対の反射膜の少なくともいずれか一方を覆う絶縁膜と、を備え、
    前記絶縁膜は、前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続し、前記反射膜と重ならない第二領域を含み、
    前記第一領域の表面は、前記反射膜と平行な平坦面であり、
    前記第二領域の表面は、前記第一領域の表面の外周端に連続し、前記第一領域の表面に対して傾斜する傾斜面を含む
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  3. 請求項2に記載の干渉フィルターにおいて、
    前記傾斜面の前記第一領域側の端部は、前記絶縁膜の内側に曲率中心を有する曲面である
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の干渉フィルターにおいて、
    前記傾斜面は、ウエットエッチングにより形成された曲面である
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の干渉フィルターにおいて、
    前記反射膜は誘電体多層膜により構成された
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の干渉フィルターにおいて、
    前記絶縁膜は、前記一対の反射膜の双方に対してそれぞれ設けられた
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  7. 互いに対向する一対の反射膜、及び、前記一対の反射膜の少なくともいずれか一方を覆う絶縁膜を有する干渉フィルターと、
    前記干渉フィルターを収納する筐体と、を備え、
    前記絶縁膜は、前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続し、前記反射膜と重ならない第二領域を含み、
    前記第一領域の表面は、前記反射膜と平行な平坦面であり、
    前記第二領域の表面は、前記第一領域の表面と同一平面である
    ことを特徴とする光学フィルターデバイス。
  8. 互いに対向する一対の反射膜、及び、前記一対の反射膜の少なくともいずれか一方を覆う絶縁膜を有する干渉フィルターと、
    前記干渉フィルターを収納する筐体と、を備え、
    前記絶縁膜は、前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続し、前記反射膜と重ならない第二領域を含み、
    前記第一領域の表面は、前記反射膜と平行な平坦面であり、
    前記第二領域の表面は、前記第一領域の表面の外周端に連続し、前記第一領域の表面に対して傾斜する傾斜面を含む
    ことを特徴とする光学フィルターデバイス。
  9. 互いに対向する一対の反射膜、及び、前記一対の反射膜の少なくともいずれか一方を覆う絶縁膜を有する干渉フィルターと、
    前記干渉フィルターから出射された光を受光する受光部と、を備え、
    前記絶縁膜は、前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続し、前記反射膜と重ならない第二領域を含み、
    前記第一領域の表面は、前記反射膜と平行な平坦面であり、
    前記第二領域の表面は、前記第一領域の表面と同一平面である
    ことを特徴とする光学モジュール。
  10. 互いに対向する一対の反射膜、及び、前記一対の反射膜の少なくともいずれか一方を覆う絶縁膜を有する干渉フィルターと、
    前記干渉フィルターから出射された光を受光する受光部と、を備え、
    前記絶縁膜は、前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続し、前記反射膜と重ならない第二領域を含み、
    前記第一領域の表面は、前記反射膜と平行な平坦面であり、
    前記第二領域の表面は、前記第一領域の表面の外周端に連続し、前記第一領域の表面に対して傾斜する傾斜面を含む
    ことを特徴とする光学モジュール。
  11. 互いに対向する一対の反射膜、及び、前記一対の反射膜の少なくともいずれか一方を覆う絶縁膜を有する干渉フィルターと、
    前記干渉フィルターを制御する制御部と、を備え、
    前記絶縁膜は、前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続し、前記反射膜と重ならない第二領域を含み、
    前記第一領域の表面は、前記反射膜と平行な平坦面であり、
    前記第二領域の表面は、前記第一領域の表面と同一平面である
    ことを特徴とする電子機器。
  12. 互いに対向する一対の反射膜、及び、前記一対の反射膜の少なくともいずれか一方を覆う絶縁膜を有する干渉フィルターと、
    前記干渉フィルターを制御する制御部と、を備え、
    前記絶縁膜は、前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続し、前記反射膜と重ならない第二領域を含み、
    前記第一領域の表面は、前記反射膜と平行な平坦面であり、
    前記第二領域の表面は、前記第一領域の表面の外周端に連続し、前記第一領域の表面に対して傾斜する傾斜面を含む
    ことを特徴とする電子機器。
  13. 基板上に反射膜を形成する反射膜形成工程と、
    前記基板上に前記反射膜を覆う絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、を備え、
    前記絶縁膜形成工程において、前記反射膜の厚み方向から見た平面視で、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続して前記反射膜と重ならない第二領域を含む前記絶縁膜を形成するとともに、当該絶縁膜の表面を研磨して平坦にする
    ことを特徴とする干渉フィルターの製造方法。
  14. 基板上に反射膜を形成する反射膜形成工程と、
    前記基板上に前記反射膜を覆う絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、を備え、
    前記絶縁膜形成工程において、前記反射膜の厚み方向から見た平面視で、前記反射膜に重なり合う第一領域、及び前記第一領域に連続して前記反射膜と重ならない第二領域を含む前記絶縁膜を形成し、前記絶縁膜の表面における前記第一領域、及び当該第一領域の端縁から所定の寸法外側の位置までをマスクし、ウエットエッチングを実施して前記第一領域の端縁から所定の寸法外側の位置までの領域をサイドエッチングして前記第一領域の表面に対して傾斜する傾斜面を備えた前記第二領域を形成する
    ことを特徴とする干渉フィルターの製造方法。
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