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JP2015021898A - 放射線検出器及びその製造方法 - Google Patents

放射線検出器及びその製造方法 Download PDF

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JP2015021898A JP2013151933A JP2013151933A JP2015021898A JP 2015021898 A JP2015021898 A JP 2015021898A JP 2013151933 A JP2013151933 A JP 2013151933A JP 2013151933 A JP2013151933 A JP 2013151933A JP 2015021898 A JP2015021898 A JP 2015021898A
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Abstract

【課題】省スペース化と防湿性能の向上とを図ることができる放射線検出器及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る放射線検出器は、基板と、前記基板の一方の表面に設けられた光電変換素子と、を有するアレイ基板と、前記光電変換素子の上に設けられ、放射線を蛍光に変換するシンチレータ層と、前記シンチレータ層を覆う防湿体と、前記シンチレータ層の側壁と、前記防湿体と、の間に設けられ、前記防湿体と共に前記シンチレータ層を封止する側面防湿層と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、放射線検出器及びその製造方法に関する。
放射線検出器の一例にX線検出器がある。X線検出器においては、X線をシンチレータ層により可視光すなわち蛍光に変換し、この蛍光をアモルファスシリコン(a−Si)フォトダイオード、あるいはCCD(Charge Coupled Device)などの光電変換素子を用いて信号電荷に変換することでX線画像を取得している。
また、蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するために、シンチレータ層上に反射層をさらに設ける場合もある。
ここで、シンチレータ層と反射層は、水蒸気などに起因する特性の劣化を抑制するために外部雰囲気から隔離する必要がある。特に、シンチレータ層が、CsI(ヨウ化セシウム):Tl(タリウム)膜やCsI:Na(ナトリウム)膜などからなる場合には、湿度などによる特性劣化が大きくなるおそれがある。
そのため、ポリパラキシリレンからなる膜でシンチレータ層と反射層を覆ったり、シンチレータ層の周囲を囲う包囲部材と包囲部材上に設けられたカバーとを用いてシンチレータ層を封止する技術が提案されている。
また、さらに高い防湿性能を得られる構造として、シンチレータ層と反射層をハット形状の防湿体で覆い、防湿体のつば(鍔)部を基板と接着する構造が提案されている。
シンチレータ層と反射層をハット形状の防湿体で覆い、防湿体のつば部を基板と接着すれば、前述した他の防湿構造に比べて高い防湿性能を得ることができる。
ここで、ハット形状の防湿体のつば部と基板との封止性を確保し、且つ高い信頼性を得るためには、防湿体のつば部の幅寸法を長くすることが好ましい。
ところが、防湿体のつば部の幅寸法を長くすると、防湿体の周囲に余分なスペースが必要となる。
また、防湿体のつば部から外側にはみ出す接着剤の量を制御することは困難である。この場合、フレキシブルプリント基板などと電気的に接続される配線パッドは、はみ出した接着剤の領域のさらに外側に設ける必要がある。
そのため、防湿体のつば部の幅寸法を長くし、接着剤がはみ出す領域を確保しようとすると、有効画素エリアの周辺に設けることが必要となる領域の寸法が増加し、ひいては放射線検出器の寸法の増加や重量の増加を招くおそれがある。
米国特許第6262422号明細書 特開平05−242847号公報 特開2009−128023号公報
本発明が解決しようとする課題は、省スペース化と防湿性能の向上とを図ることができる放射線検出器及びその製造方法を提供することである。
実施形態に係る放射線検出器は、基板と、前記基板の一方の表面に設けられた光電変換素子と、を有するアレイ基板と、前記光電変換素子の上に設けられ、放射線を蛍光に変換するシンチレータ層と、前記シンチレータ層を覆う防湿体と、前記シンチレータ層の側壁と、前記防湿体と、の間に設けられ、前記防湿体と共に前記シンチレータ層を封止する側面防湿層と、を備えている。
第1の実施形態に係るX線検出器1を例示するための模式斜視図である。 X線検出器1の模式断面図である。 (a)は、防湿体7の模式正面図である。(b)は、防湿体7の模式側面図である。 高温高湿環境下(60℃−90%RH)における解像度特性の変化を例示するためのグラフ図である。 比較例に係るX線検出器11の模式断面図である。 (a)は、比較例に係る防湿体17の模式正面図である。(b)は、比較例に係る防湿体17の模式側面図である。 他の比較例に係るX線検出器21の模式断面図である。 高温高湿環境下(60℃−90%RH)における解像度特性の変化を例示するためのグラフ図である。 側面防湿層8の透湿率を説明するための模式断面図である。 他の実施形態に係るX線検出器1aを例示するための模式斜視図である。 本実施の形態に係る側面防湿層8の形成において用いるトレイ(治具)100を例示するための模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
また、本発明の実施形態に係る放射線検出器は、X線のほかにもγ線などの各種放射線に適用させることができる。ここでは、一例として、放射線の中の代表的なものとしてX線に係る場合を例にとり説明をする。したがって、以下の実施形態の「X線」を「他の放射線」に置き換えることにより、他の放射線にも適用させることができる。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態に係るX線検出器1について例示をする。
図1は、第1の実施形態に係るX線検出器1を例示するための模式斜視図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、図1においては、反射層6や防湿体7などを省いて描いている。
図2は、X線検出器1の模式断面図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、図2においては、制御ライン2c1、データライン2c2、信号処理部3、画像伝送部4などを省いて描いている。
図3(a)は、防湿体7の模式正面図である。
図3(b)は、防湿体7の模式側面図である。
放射線検出器であるX線検出器1は、放射線画像であるX線画像を検出するX線平面センサである。X線検出器1は、例えば、一般医療用途などに用いることができる。
図1および図2に示すように、X線検出器1には、アレイ基板2、信号処理部3、画像伝送部4、シンチレータ層5、反射層6、防湿体7、および側面防湿層8が設けられている。
アレイ基板2は、シンチレータ層5によりX線から変換された可視光(蛍光)を電気信号に変換する。
アレイ基板2は、基板2a、光電変換部2b、制御ライン(又はゲートライン)2c1、データライン(又はシグナルライン)2c2、および保護層2fを有する。
基板2aは、板状を呈し、ガラスなどの透光性材料から形成されている。
光電変換部2bは、基板2aの一方の表面に複数設けられている。
光電変換部2bは、矩形状を呈し、制御ライン2c1とデータライン2c2とで画された領域に設けられている。複数の光電変換部2bは、マトリクス状に並べられている。
なお、1つの光電変換部2bは、1つの画素(pixel)に対応する。
複数の光電変換部2bのそれぞれには、光電変換素子2b1と、スイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)2b2が設けられている。
また、光電変換素子2b1において変換した信号電荷を蓄積する図示しない蓄積キャパシタを設けることができる。図示しない蓄積キャパシタは、例えば、矩形平板状を呈し、各薄膜トランジスタ2b2の下に設けることができる。ただし、光電変換素子2b1の容量によっては、光電変換素子2b1が図示しない蓄積キャパシタを兼ねることができる。
光電変換素子2b1は、例えば、フォトダイオードなどとすることができる。
薄膜トランジスタ2b2は、蛍光が光電変換素子2b1に入射することで生じた電荷の蓄積および放出のスイッチングを行う。薄膜トランジスタ2b2は、アモルファスシリコン(a−Si)やポリシリコン(P−Si)などの半導体材料を含むものとすることができる。薄膜トランジスタ2b2は、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を有している。薄膜トランジスタ2b2のゲート電極は、対応する制御ライン2c1と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のソース電極は、対応するデータライン2c2と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のドレイン電極は、対応する光電変換素子2b1と図示しない蓄積キャパシタとに電気的に接続される。
制御ライン2c1は、所定の間隔を開けて互いに平行に複数設けられている。制御ライン2c1は、第1の方向(例えば、行方向)に延びている。
複数の制御ライン2c1は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d1とそれぞれ電気的に接続されている。複数の配線パッド2d1には、フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線の一端がそれぞれ電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線の他端は、信号処理部3に設けられた図示しない制御回路とそれぞれ電気的に接続されている。
データライン2c2は、所定の間隔を開けて互いに平行に複数設けられている。データライン2c2は、第1の方向に直交する第2の方向(例えば、列方向)に延びている。
複数のデータライン2c2は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d2とそれぞれ電気的に接続されている。複数の配線パッド2d2には、フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線の一端がそれぞれ電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線の他端は、信号処理部3に設けられた図示しない増幅・変換回路とそれぞれ電気的に接続されている。
保護層2fは、光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2を覆うように設けられている。
保護層2fは、窒化ケイ素(SiN)やアクリル系樹脂などの絶縁性材料から形成することができる。
信号処理部3は、基板2aの光電変換部2bが設けられる側とは反対側に設けられている。
信号処理部3には、図示しない制御回路と、図示しない増幅・変換回路とが設けられている。
図示しない制御回路は、各薄膜トランジスタ2b2の動作、すなわちオン状態およびオフ状態を制御する。例えば、図示しない制御回路は、フレキシブルプリント基板2e1と配線パッド2d1と制御ライン2c1とを介して、制御信号S1を各制御ライン2c1毎に順次印加する。制御ライン2c1に印加された制御信号S1により薄膜トランジスタ2b2がオン状態となり、光電変換部2bからの画像データ信号S2が受信できるようになる。
図示しない増幅・変換回路は、例えば、複数の電荷増幅器、並列/直列変換器、およびアナログ−デジタル変換器を有している。
複数の電荷増幅器は、各データライン2c2にそれぞれ電気的に接続されている。
複数の並列/直列変換器は、複数の電荷増幅器にそれぞれ電気的に接続されている。
複数のアナログ−デジタル変換器は、複数の並列/直列変換器にそれぞれ電気的に接続されている。
図示しない複数の電荷増幅器は、データライン2c2と配線パッド2d2とフレキシブルプリント基板2e2とを介して、各光電変換部2bからの画像データ信号S2を順次受信する。
そして、図示しない複数の電荷増幅器は、受信した画像データ信号S2を順次増幅する。
図示しない複数の並列/直列変換器は、増幅された画像データ信号S2を順次直列信号に変換する。
図示しない複数のアナログ−デジタル変換器は、直列信号に変換された画像データ信号S2をデジタル信号に順次変換する。
画像伝送部4は、配線4aを介して、信号処理部3の図示しない増幅・変換回路と電気的に接続されている。なお、画像伝送部4は、信号処理部3と一体化されていてもよい。 画像伝送部4は、図示しない複数のアナログ−デジタル変換器によりデジタル信号に変換された画像データ信号S2に基づいて、X線画像を構成する。構成されたX線画像のデータは、画像伝送部4から外部の機器に向けて出力される。
シンチレータ層5は、光電変換素子2b1の上に設けられ、入射するX線を可視光すなわち蛍光に変換する。シンチレータ層5は、基板2a上の複数の光電変換部2bが設けられた領域を覆うように設けられている。
シンチレータ層5は、例えば、ヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、あるいはヨウ化ナトリウム(NaI):タリウム(Tl)などを用いて形成することができる。この場合、真空蒸着法などを用いて、柱状結晶の集合体が形成されるようにすることができる。
また、シンチレータ層5は、例えば、酸硫化ガドリニウム(GdS)などを用いて形成することもできる。この場合、例えば、以下のようにしてシンチレータ層5を形成することができる。まず、酸硫化ガドリニウムからなる粒子をバインダ材と混合する。次に、混合された材料を、基板2a上の複数の光電変換部2bが設けられた領域を覆うように塗布する。次に、塗布された材料を焼成する。次に、ブレードダイシング法などを用いて、焼成された材料に溝部を形成する。この際、複数の光電変換部2bごとに四角柱状のシンチレータ層5が設けられるように、マトリクス状の溝部を形成することができる。溝部には、大気(空気)、あるいは酸化防止用の窒素ガスなどの不活性ガスが満たされるようにすることができる。また、溝部が真空状態となるようにしてもよい。
なお、図2に例示をしたシンチレータ層5は、ヨウ化セシウム:タリウムからなる蒸着膜の場合である。そのため、シンチレータ層5は、柱状結晶の集合体となっている。この場合、シンチレータ層5の厚み寸法は、600μm程度とすることができる。柱状結晶の柱(ピラー)の太さ寸法は、最表面で8〜12μm程度とすることができる。
反射層6は、蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するために設けられている。すなわち、反射層6は、シンチレータ層5において生じた蛍光のうち、光電変換部2bが設けられた側とは反対側に向かう光を反射させて、光電変換部2bに向かうようにする。
反射層6は、シンチレータ層5の表面側(X線の入射面側)を覆うように設けられている。
反射層6は、例えば、酸化チタン(TiO)などの光散乱性粒子を含む樹脂をシンチレータ層5上に塗布することで形成することができる。また、反射層6は、例えば、銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなる層をシンチレータ層5上に成膜することで形成することもできる。
また、反射層6は、例えば、表面が銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなる板を用いて形成することもできる。
なお、図2に例示をした反射層6は、酸化チタンからなるサブミクロン粉体と、バインダ樹脂と、溶媒を混合して作成した材料をシンチレータ層5の表面側に塗布し、これを乾燥させることで形成されたものである。
この場合、反射層6の厚み寸法は、150μm程度とすることができる。
防湿体7は、空気中に含まれる水蒸気により、シンチレータ層5と反射層6の特性が劣化するのを抑制するために設けられている。
防湿体7は、シンチレータ層5と反射層6を覆っている。
図2、図3(a)、および図3(b)に示すように、防湿体7は、キャップ形状を呈し、表面部7aと周面部7bを有する。
防湿体7は、表面部7aと周面部7bが一体成形されたものとすることができる。
表面部7aおよび周面部7bにより形成された空間の内部には、シンチレータ層5と反射層6が設けられる。なお、反射層6が設けられない場合には、表面部7aおよび周面部7bにより形成された空間の内部には、シンチレータ層5が設けられる。表面部7aと反射層6またはシンチレータ層5との間には隙間があってもよいが、密着している方が好ましい。周面部7bと側面防湿層8との間には隙間があってもよいが、密着している方が好ましい。
防湿体7は、透湿係数の小さい材料から形成することができる。
防湿体7は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、樹脂層と無機材料(アルミニウムなどの軽金属、SiO、SiON、Alなどのセラミック系材料)層が積層された低透湿防湿材料などから形成することができる。
この場合、実効的な透湿係数がほとんどゼロであるアルミニウムやアルミニウム合金などを用いて防湿体7を形成すれば、防湿体7を透過する水蒸気をほぼ完全になくすことができる。
また、防湿体7の厚み寸法は、X線の吸収や剛性などを考慮して決定することができる。この場合、防湿体7の厚み寸法を大きくしすぎるとX線の吸収が多くなりすぎる。防湿体7の厚み寸法を小さくしすぎると剛性が低下して破損しやすくなる。
防湿体7は、例えば、厚み寸法が0.1mmのアルミニウム箔をプレス成形して形成することができる。
表面部7aは、シンチレータ層5の表面側(X線の入射面側)に対峙している。
周面部7bは、一端が表面部7aに設けられ、シンチレータ層5の側壁を囲んでいる。 周面部7bは、表面部7aの周縁から基板2aに向けて延びている。
周面部7bの高さ寸法は、シンチレータ層5の厚み寸法と反射層6の厚み寸法の合計よりも長くなっている。周面部7bの高さ寸法は、例えば、1.0mm程度とすることができる。
周面部7bと基板2aの表面とがなす角度θ1が、シンチレータ層5の側壁と基板2aの表面とがなす角度θ2よりも小さくなるようにすれば、周面部7bの端部とシンチレータ層5の側壁の端部との間の距離L1を長くすることができる。
距離L1が長くなれば、防湿性能を高めることができる。
ただし、角度θ1を余り小さくすると、余分なスペースが必要となる。
例えば、角度θ1は、45°程度とすることができる。
側面防湿層8は、シンチレータ層5の側壁側から水蒸気が侵入するのを抑制するために設けられている。
前述したように、防湿体7は、アルミニウムなどから形成されている。そのため、防湿体7を透過する水蒸気は、極めて僅かなものとなる。この場合、水蒸気は、防湿体7の周面部7bの端部と、基板2aの表面との間から、防湿体7の内部に侵入する。
そこで、シンチレータ層5の側壁と、防湿体7の周面部7bとの間に側面防湿層8を設けることで、水蒸気がシンチレータ層5の側壁に到達するのを抑制している。
側面防湿層8は、シンチレータ層5の側壁と、防湿体7との間に設けられ、防湿体7と共にシンチレータ層5を封止している。
側面防湿層8は、例えば、タルク(滑石:MgSi10(OH))などからなるフィラー材を含むエポキシ系樹脂から形成することができる。
一般的に、樹脂は、水蒸気を比較的透過させやすい。これは高分子材料の本質であり、分子鎖間の隙間の大きさが水分子(HO)の大きさに対して大きいからである。
これに対して、樹脂中に、例えば、タルクなどの無機材料からなるフィラー材を所定の量添加すれば、透湿係数を顕著に小さくすることが可能となる。一般的に、タルクなどの無機材料は、原子間の隙間が水分子の大きさに対して小さいからである。
例えば、タルクなどからなるフィラー材を含むエポキシ系樹脂の高温高湿環境下(60℃−90%RH)における透湿係数は、1.5〜2.0g・mm/(m・day)となる。すなわち、タルクなどからなるフィラー材を含むエポキシ系樹脂の透湿係数は、タルクなどからなるフィラー材を含まないエポキシ系樹脂の透湿係数に比べて、2〜4桁程度低くなる。
この場合、タルクなどからなるフィラー材の添加量は、50重量%以上とすることができる。
側面防湿層8は、タルクなどからなるフィラー材を含むエポキシ系接着剤を硬化させることで形成することができる。なお、側面防湿層8の形成に関する詳細は後述する。
また、側面防湿層8は、水ガラスなどの無機材料を主要成分とする材料から形成することもできる。
水ガラスなどの無機材料を主要成分とする材料から側面防湿層8を形成しても、透湿係数を小さくすることができる。
すなわち、側面防湿層8は、無機材料を主要成分として含むものであればよい。
図4は、高温高湿環境下(60℃−90%RH)における解像度特性の変化を例示するためのグラフ図である。
なお、図4においては、側面防湿層8の材料のみを変え、他の条件は同等としている。 側面防湿層8は、エポキシ系樹脂のみからなるもの、タルクなどからなるフィラー材を70重量%添加したエポキシ系樹脂からなるもの、水ガラスからなるものとした。
また、シンチレータ層5と反射層6とによって得られる解像度特性が、高温高湿環境下(60℃−90%RH)における保管時間の経過とともにどのように劣化するかで評価した。
なお、輝度よりも、湿度に対してより敏感な解像度特性により評価することにした。
解像度特性は、解像度チャートを各サンプルの表面側に配し、RQA−5相当のX線を照射して、裏面側から2Lp/mmのCTF(Contrast transfer function)を測定する方法で求めた。
図4から分かるように、タルクなどからなるフィラー材を添加したエポキシ系樹脂からなるものと、水ガラスからなるものは、解像度特性の劣化を格段に小さくすることができる。
解像度特性の劣化の抑制は、前述した無機材料特有の水蒸気バリア効果によるものである。
すなわち、タルク以外の無機材料を用いるようにしても解像度特性の劣化を抑制することができる。
この場合、樹脂に無機材料を添加する場合には、無機材料は、樹脂との親和性や安定性を考慮して選定することができる。
また、無機材料からなる側面防湿層8とする場合には、無機材料は、シンチレータ層5との親和性や、シンチレータ層5の材料と反応を生じない(シンチレータ層5の変質が生じない)ことなどを考慮して選定することができる。
次に、防湿体7と側面防湿層8の作用効果についてさらに説明する。
まず、比較例に係る防湿体について説明する。
図5は、比較例に係るX線検出器11の模式断面図である。
図6(a)は、比較例に係る防湿体17の模式正面図である。
図6(b)は、比較例に係る防湿体17の模式側面図である。
図7は、他の比較例に係るX線検出器21の模式断面図である。
図5、図6(a)、および図6(b)に示すように、比較例に係るX線検出器11には防湿体17が設けられている。
防湿体17は、ハット形状を呈し、表面部7a、周面部7b、および、つば部17cを有する。
防湿体17は、防湿体7につば部17cをさらに設けたものである。
つば部17cは、周面部7bの表面部7a側とは反対側の端部を囲むように設けられている。つば部17cは、周面部7bの端部から外側に向けて延びている。つば部17cは、環状を呈し、基板2aの光電変換部2bが設けられる側の面と平行となるように設けられている。
つば部17cは、接着層18を介して、基板2aの光電変換部2bが設けられる側の面と接着されている。
ハット形状の防湿体17の場合には、接着層18の幅寸法を長くするとともに、接着層18の厚み寸法を短くすることで、接着層18を介して防湿体17の内部に水蒸気が侵入するのを抑制している。
ハット形状の防湿体17を用いるものとすれば、高い防湿性能を得ることが可能となる。
しかしながら、ハット形状の防湿体17を用いるものとすれば、つば部17cを接着するためのスペースが必要となる。
接着層18の厚み寸法を短くするために、加圧力を一定以上に大きくすれば、防湿体17のつば部17cから外側にはみ出す接着剤18aの量が多くなる。
そのため、有効画素エリアの周辺に設けることが必要となる領域がさらに広くなるおそれがある。
例えば、適正な接着層18の幅寸法を確保し、且つ、つば部17cから外側にはみ出す接着剤18aの量を考慮すると、有効画素の端部から配線パッド2d1(2d2)の内側の端部(または、有効画素の端部からアレイ基板2の切断位置)までの距離L2は、12mm程度となる。
これに対して、本実施の形態に係る防湿体7を用いるものとすれば、つば部17cおよびはみ出す接着剤18aのためのスペースを設ける必要がなくなる。
そのため、距離L2は、5mm程度とすることが可能となる。
すなわち、距離L2を7mm短くすることができるので、X線検出器1の平面寸法を縦横それぞれ14mm短くすることができる。
図7に示すように、比較例に係るX線検出器21には防湿体7が設けられている。
ただし、X線検出器21には側面防湿層8が設けられていない。
つば部17cを有していない防湿体7の場合には、防湿体7の周面部7bの端部と基板2aの表面との間のわずかな隙間を水蒸気が通過するおそれがある。
図8は、高温高湿環境下(60℃−90%RH)における解像度特性の変化を例示するためのグラフ図である。
なお、図8は、キャップ形状の防湿体7と側面防湿層8が設けられた場合、ハット形状の防湿体17が設けられた場合、および、キャップ形状の防湿体7のみが設けられた場合の解像度特性の変化を比較するためのグラフ図である。
解像度特性の測定方法は、図4の場合と同様である。
図8から分かるように、キャップ形状の防湿体7のみが設けられた場合には、解像度特性の劣化が大きくなる。
これに対して、キャップ形状の防湿体7と側面防湿層8が設けられた場合には、解像度特性の劣化が、ハット形状の防湿体17が設けられた場合と同等となる。
すなわち、キャップ形状の防湿体7と側面防湿層8を設けるものとすれば、省スペース化と防湿性能の向上とを図ることができる。
また、このことは、側面防湿層8を設ければ、ハット形状の防湿体17のつば部17cの幅寸法を短くすることができることをも意味する。
そのため、ハット形状の防湿体17と側面防湿層8が設けられたX線検出器とすることもできる。
すなわち、側面防湿層8を設ければ、ハット形状の防湿体17のつば部17cの幅寸法を短くすることができるので、省スペース化と防湿性能の向上とを図ることができる。
ただし、キャップ形状の防湿体7と側面防湿層8が設けられたX線検出器1とすれば、さらなる省スペース化を図ることができる。
次に、側面防湿層8の透湿率についてさらに説明する。
図9は、側面防湿層8の透湿率を説明するための模式断面図である。
図9に示す防湿体7および側面防湿層8を含む防湿構造全体の透湿率は、以下の近似式(1)で表すことができる。
QT=Q7+Q8 ・・・(1)
Q8≒P8・Seff./Deff.
≒P8・(L・Geff.・C)/[(Teff.・Heff.)1/2・F] ・・・(2)
QT:防湿構造全体の透湿率
Q7:防湿体7の透湿率
Q8:側面防湿層8の透湿率
P8:側面防湿層8の透湿係数
Seff.:側面防湿層8の実効透湿断面積
Deff.:側面防湿層8の実効透湿深さ
L:シンチレータ層5の側面を一周する側面防湿層8の周囲長
Geff.:防湿体7と基板2aとの間の実効隙間寸法
C:防湿体7と基板2aとの隙間面積S(≒L・Geff.)と実効透湿断面積Seff.との補正係数
Teff.:側面防湿層8の実効厚み寸法
Heff.:側面防湿層8の実効高さ寸法
F:側面防湿層8の形状補正係数
この場合、式(1)の1項目のQ7は、防湿構造の大部分を占める防湿体7の透湿率を表している。防湿体7の材料として、厚み寸法が0.1mmのアルミニウムの箔材などを用いれば、Q7を実質的にゼロレベルに抑えることが可能である。
また、防湿体7の端部と基板2aとの距離を近接させ、かつ側面防湿層8の幅寸法と厚み寸法を適正な値とすれば、式(1)の2項目のQ8も低い値に抑えられる。
すなわち、式(1)の2項目のQ8を書き下した式(2)において、防湿体7と基板2aとの隙間面積S(≒L・Geff.)を小さくし、側面防湿層8の実効厚み寸法Teff.と側面防湿層8の実効高さ寸法Heff.を長くすることで、側面防湿層8の透湿率Q8を小さくすることができる。
式(2)から分かるように、側面防湿層8の実効厚み寸法Teff.が長いほど、あるいは、側面防湿層8の実効高さ寸法Heff.が長いほど、防湿体7と基板2aとの間の隙間(隙間面積S)から侵入する水蒸気の透湿抑制効果を大きくすることができる。
この場合、式(2)の防湿体7と基板2aとの間の実効隙間寸法Geff.、側面防湿層8の厚み実効寸法Teff.、および側面防湿層8の実効高さ寸法Heff.の関係が以下の式を満足するようにすれば、防湿性能をさらに高くすることができる。
Geff.<Teff. かつ Geff.<Heff.
次に、他の実施形態に係るX線検出器1aを例示する。
図10は、他の実施形態に係るX線検出器1aを例示するための模式斜視図である。
図10に示すように、X線検出器1aには、アレイ基板2、信号処理部3、画像伝送部4、シンチレータ層5、反射層6、防湿体7、側面防湿層8、および中間層9が設けられている。
すなわち、X線検出器1aは、前述したX線検出器1にさらに中間層9を設けたものである。
中間層9は、シンチレータ層5の側壁と、側面防湿層8との間に設けられている。
中間層9は、シンチレータ層5の側壁側の補強および平坦化を図るために設けられている。
シンチレータ層5が柱状結晶の集合体である場合には、シンチレータ層5の側壁が脆くなる。そのため、シンチレータ層5の側壁に局所的な外力が加わると、シンチレータ層5の側壁が崩落するおそれがある。
そこで、シンチレータ層5の側壁と、側面防湿層8との間に中間層9を設けることで、シンチレータ層5の側壁に加わる外力を分散させるようにしている。
また、シンチレータ層5が柱状結晶の集合体である場合には、シンチレータ層5の側壁の表面に凹凸が形成されている。そのため、シンチレータ層5の側壁と、側面防湿層8との密着性が悪くなり水蒸気が侵入しやすくなる。
そこで、シンチレータ層5の側壁と、側面防湿層8との間に中間層9を設けることで、シンチレータ層5の側壁側を平坦化して、中間層9と側面防湿層8とが密着するようにしている。
また、前述した反射層6をシンチレータ層5の側壁にも形成することで、中間層9の役割を兼ねさせることもできる。
例えば、反射層6は、シンチレータ層5の表面(X線の入射面)と、シンチレータ層5の側壁とを覆い、光散乱性粒子を含むものとすることができる。
反射層6は、シンチレータ層5の上に設けられるものであるため、シンチレータ層5の材料と反応しない安定な材料から形成される。また、反射層6は、シンチレータ層5と密着しやすい材料から形成される。
そのため、反射層6をシンチレータ層5の側壁にも形成することで、中間層9の役割を兼ねさせることができる。
つまり、中間層9の材料は、反射層6の材料と同じものとすることができる。
以上に例示をしたように、本実施の形態に係るX線検出器1、1aとすれば、シンチレータ層5を外気に含まれている水分から保護し、かつ、有効画素エリアの外側に設けられる領域(額縁部)の寸法を最小限に抑えることができる。
すなわち、本実施の形態に係るX線検出器1、1aとすれば、省スペース化と防湿性能の向上とを図ることができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係るX線検出器の製造方法について例示をする。
X線検出器1、1aは、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、基板2a上に光電変換部2b、制御ライン2c1、データライン2c2、配線パッド2d1、配線パッド2d2、および保護層2fなどを順次形成してアレイ基板2を作成する。アレイ基板2は、例えば、半導体製造プロセスを用いて作成することができる。
次に、アレイ基板2上の複数の光電変換部2bが形成された領域を覆うようにシンチレータ層5を形成する。シンチレータ層5は、例えば、真空蒸着法などを用いて、ヨウ化セシウム:タリウムからなる膜を成膜することで形成することができる。この場合、シンチレータ層5の厚み寸法は、600μm程度とすることができる。柱状結晶の柱の太さ寸法は、最表面で8〜12μm程度とすることができる。
次に、シンチレータ層5の表面側(X線の入射面側)の面を覆うように反射層6を形成する。反射層6は、例えば、酸化チタンからなるサブミクロン粉体と、バインダ樹脂と、溶媒を混合して作成した材料をシンチレータ層5上に塗布し、これを乾燥させることで形成することができる。
また、シンチレータ層5の側壁を覆うように中間層9を形成する。
中間層9の形成方法と材料は、反射層6の場合と同じとすることができる。
なお、反射層6をシンチレータ層5の側壁にも形成することで、中間層9を形成してもよい。
次に、シンチレータ層5の側壁側に側面防湿層8を形成するとともに、防湿体7と側面防湿層8によりシンチレータ層5と反射層6を封止する。
防湿体7は、例えば、厚み寸法が0.1mmのアルミニウム箔をプレス成形して形成することができる。
なお、側面防湿層8の形成と、防湿体7と側面防湿層8とによるシンチレータ層5と反射層6との封止に関する詳細は後述する。
次に、フレキシブルプリント基板2e1、2e2を介して、アレイ基板2と信号処理部3を電気的に接続する。
また、配線4aを介して、信号処理部3と画像伝送部4を電気的に接続する。
その他、回路部品などを適宜実装する。
次に、図示しない筐体の内部にアレイ基板2、信号処理部3、画像伝送部4などを格納する。
そして、必要に応じて、光電変換素子2b1の異常や電気的な接続の異常の有無を確認する電気試験、X線画像試験、高温高湿試験、冷熱サイクル試験などを行う。
以上のようにして、X線検出器1、1aを製造することができる。
次に、側面防湿層8の形成と、防湿体7と側面防湿層8とによるシンチレータ層5と反射層6との封止についてさらに例示をする。
図11は、本実施の形態に係る側面防湿層8の形成において用いるトレイ(治具)100を例示するための模式断面図である。
図11に示すように、トレイ100には、基部101と付着防止層102が設けられている。
基部101は、板状を呈し、中央部分に凹部101aが設けられている。凹部101aの側壁には傾斜面101bが設けられている。防湿体7は、凹部101aの内部に載置される。防湿体7を凹部101aの内部に載置した際には、防湿体7の周面部7bが傾斜面101bにより支持される。また、防湿体7を凹部101aの内部に載置した際には、凹部101aの底面と防湿体7の表面部7aとの間に隙間ができるようになっている。
付着防止層102は、凹部101aの周囲の面に設けられている。
付着防止層102は、例えば、凹部101aの周囲の面にフッ素樹脂コーティングを施したり、フッ素樹脂からなるテープを貼り付けたりすることで形成することができる。
付着防止層102を設けるようにすれば、側面防湿層8の形成に用いる樹脂などが付着したとしても容易に除去することができる。
次に、トレイ100を用いた側面防湿層8の形成と、防湿体7と側面防湿層8とによるシンチレータ層5と反射層6との封止について説明する。
まず、防湿体7の周面部7bの内壁面(接着面)を清浄化する。
清浄化は、例えば、有機溶剤による洗浄、紫外線オゾン処理(Ultraviolet-Ozone Surface Treatment)、プラズマ処理などにより行うことができる。
次に、ディスペンサー装置のX−Yステージに、トレイ100をセットし、トレイ100の凹部101aの内部に防湿体7を載置する。
次に、ディスペンサー装置により、防湿体7の周面部7bの内壁面に側面防湿層8となる材料を塗布する。
側面防湿層8となる材料は、タルクなどからなるフィラー材が添加されたエポキシ系の接着剤とすることができる。
この場合、タルクなどからなるフィラー材の添加量は、50重量%以上とすることができる。
側面防湿層8となる材料の塗布量は、防湿体7と、シンチレータ層5または中間層9との間に空隙が生じない量とする。
例えば、タルクなどからなるフィラー材が添加されたエポキシ系の接着剤の比重は約1.4g/cc、塗布量は、0.6mg/mm程度とすることができる。
次に、側面防湿層8となる材料が塗布された防湿体7を、シンチレータ層5、反射層6、中間層9などが形成されたアレイ基板2に近接させ、位置合わせしたのちに合体する。
そして、側面防湿層8となる材料を、防湿体7の周面部7bとシンチレータ層5の側壁との間、あるいは、防湿体7の周面部7bと中間層9との間で圧着し、硬化させる。側面防湿層8となる材料が硬化することで、側面防湿層8が形成されるとともに、防湿体7と側面防湿層8とによりシンチレータ層5と反射層6が封止される。
ここで、エポキシ系の接着剤は、例えば、紫外線硬化型のエポキシ系の接着剤や、熱硬化型のエポキシ系の接着剤などとすることができる。
紫外線硬化型のエポキシ系の接着剤を用いる場合には、側面防湿層8となる材料が塗布された防湿体7を、シンチレータ層5、反射層6、中間層9などが形成されたアレイ基板2と合体させた後に、基板2aの裏面側から制御ライン2c1やデータライン2c2の間を通して紫外線を照射する。さらに、その後に、加熱処理を施すことで、硬化反応が不十分な成分の架橋硬化反応を促進させることができる。この場合、加熱温度は60℃程度、加熱時間は1時間程度とすることができる。
紫外線硬化型のエポキシ系の接着剤は、接着作業が容易であり、接着剤の保管ライフも長い。しかしながら、アルミニウム箔などから形成された防湿体7を介して、紫外線硬化型のエポキシ系の接着剤に紫外線を照射することができない。一方、基板2aの裏面側から紫外線を照射する場合には、制御ライン2c1やデータライン2c2の間を通して紫外線を照射することができる。そのため、照射された紫外線の一部は、シンチレータ層5などを介して、紫外線硬化型のエポキシ系の接着剤に照射される。
ここで、紫外線硬化型のエポキシ系の接着剤が、ラジカル重合型である場合には、その硬化現象に停止反応があるため、紫外線が照射された部分のみが硬化することになる。これに対して、紫外線硬化型のエポキシ系の接着剤が、カチオン重合型の場合には、硬化現象の停止反応が無いため、紫外線が照射された部分の架橋硬化反応が周辺部にも伝搬して、硬化反応が行きわたる。すなわち、制御ライン2c1やデータライン2c2などの影になる部分の硬化反応も生じさせることができる。そのため、封止品質のより高い側面防湿層8を形成することができる。
カチオン重合型の紫外線硬化型のエポキシ系の接着剤としては、例えば、ナガセケムテックス(株) XNR−5516ZHV−B1などを例示することができる。
熱硬化型のエポキシ系の接着剤を用いる場合には、側面防湿層8となる材料が塗布された防湿体7を、シンチレータ層5、反射層6、中間層9などが形成されたアレイ基板2と合体させた後に、所定の加熱条件で硬化反応を進行させるようにすればよい。
また、以下のようにして側面防湿層8を形成することもできる。
例えば、まず、シンチレータ層5の側壁、または、中間層9の上に側面防湿層8となる材料を塗布する。側面防湿層8となる材料は、ディスペンサー装置などを用いて、シンチレータ層5の側壁側に一周に渡って塗布する。
この場合、防湿体7の周面部7bの内壁面には、側面防湿層8となる材料を塗布する必要はない。ただし、側面防湿層8となる材料は、シンチレータ層5の側壁側と、防湿体7の周面部7bの内壁面とに塗布してもよい。
次に、トレイ100の凹部101aの内部に防湿体7を載置する。
次に、防湿体7を、側面防湿層8となる材料が塗布されたシンチレータ層5または中間層9に近接させ、位置合わせしたのちに合体する。
そして、側面防湿層8となる材料を、防湿体7の周面部7bとシンチレータ層5の側壁との間、あるいは、防湿体7の周面部7bと中間層9との間で圧着し、硬化させる。側面防湿層8となる材料が硬化することで、側面防湿層8が形成されるとともに、防湿体7と側面防湿層8とによりシンチレータ層5と反射層6が封止される。
また、減圧雰囲気(例えば10KPa≒0.1気圧)のチャンバー内で、防湿体7と、シンチレータ層5または中間層9とを近接させ、位置合わせしたのちに合体することもできる。
この場合、合体させた状態では、側面防湿層8となる材料は未だ柔らかい状態にある。 その後、チャンバー内を大気圧に戻すと、防湿体7の内部が外気圧に対して負圧になっているため、防湿体7はシンチレータ層5や反射層6に向けて加圧される。
防湿体7は、例えば、厚み寸法が0.1mmのアルミニウム箔などから形成されているため、防湿体7がシンチレータ層5、反射層6、および側面防湿層8となる材料に密着し、界面に隙間が生じないようにすることができる。
その後、紫外線の照射や加熱処理などを施すことで側面防湿層8となる材料を硬化させる。この際、防湿体7がシンチレータ層5、反射層6、および側面防湿層8となる材料に密着した状態で、側面防湿層8となる材料を硬化させることができる。そのため、信頼性の高い封止構造を得ることが可能となる。
以上に説明したように、本実施の形態に係るX線検出器の製造方法は、以下の工程を含むことができる。
光電変換素子2b1を有するアレイ基板2上に、X線を蛍光に変換するシンチレータ5層を形成する工程。
シンチレータ層5を覆う防湿体7の周面部7bの内壁に、側面防湿層8となる材料を塗布する工程。
シンチレータ層5を側面防湿層8となる材料が塗布された防湿体7で覆う工程。
側面防湿層8となる材料を硬化させて、シンチレータ層5の側壁と、防湿体7の周面部7bの内壁との間に側面防湿層8を形成する工程。
また、以下の工程を含むものとしてもよい。
光電変換素子2b1を有するアレイ基板2上に、X線を蛍光に変換するシンチレータ層5を形成する工程。
シンチレータ層5の側壁側に側面防湿層8となる材料を塗布する工程。
側面防湿層8となる材料が塗布されたシンチレータ層5を防湿体7で覆う工程。
側面防湿層8となる材料を硬化させて、シンチレータ層5の側壁と、防湿体7の周面部7bの内壁との間に側面防湿層8を形成する工程。
また、以下の工程をさらに含むこともできる。
シンチレータ層5のX線の入射面と、シンチレータ層5の側壁とを覆い、光散乱性粒子を含む反射層6を形成する工程。
また、側面防湿層8となる材料は、カチオン重合型の紫外線硬化型接着剤を含むものとすることができる。
そして、前述した側面防湿層8を形成する工程において、アレイ基板2の防湿体7が設けられた側とは反対の側から、側面防湿層8となる材料に向けて紫外線を照射するようにすることができる。
また、防湿体で覆う工程は、減圧雰囲気のチャンバー内で実行することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 X線検出器、1a X線検出器、2 アレイ基板、2a 基板、2b 光電変換部、2b1 光電変換素子、2b2 薄膜トランジスタ、3 信号処理部、4 画像伝送部、5 シンチレータ層、6 反射層、7 防湿体、7a 表面部、7b 周面部、8 側面防湿層、9 中間層

Claims (10)

  1. 基板と、前記基板の一方の表面に設けられた光電変換素子と、を有するアレイ基板と、
    前記光電変換素子の上に設けられ、放射線を蛍光に変換するシンチレータ層と、
    前記シンチレータ層を覆う防湿体と、
    前記シンチレータ層の側壁と、前記防湿体と、の間に設けられ、前記防湿体と共に前記シンチレータ層を封止する側面防湿層と、
    を備えた放射線検出器。
  2. 前記防湿体は、前記シンチレータ層の前記放射線の入射面側に設けられた表面部と、一端が前記表面部に設けられ、前記シンチレータ層の側壁を囲む周面部と、を有した請求項1記載の放射線検出器。
  3. 前記シンチレータ層の前記放射線の入射面と、前記シンチレータ層の側壁と、を覆い、光散乱性粒子を含む反射層をさらに備え、
    前記側面防湿層は、前記反射層と、前記防湿体と、の間に設けられた請求項1または2に記載の放射線検出器。
  4. 前記側面防湿層は、無機材料を主要成分として含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の放射線検出器。
  5. 前記防湿体と、前記基板と、の間の実効隙間寸法をGeff.と、前記側面防湿層の厚み実効寸法をTeff.と、前記側面防湿層の実効高さ寸法をHeff.と、した場合に、以下の式を満足する請求項1〜4のいずれか1つに記載の放射線検出器。
    Geff.<Teff. かつ Geff.<Heff.
  6. 光電変換素子を有するアレイ基板上に、放射線を蛍光に変換するシンチレータ層を形成する工程と、
    前記シンチレータ層を覆う防湿体の周面部の内壁に、側面防湿層となる材料を塗布する工程と、
    前記シンチレータ層を前記側面防湿層となる材料が塗布された前記防湿体で覆う工程と、
    前記側面防湿層となる材料を硬化させて、前記シンチレータ層の側壁と、前記防湿体の周面部の内壁と、の間に側面防湿層を形成する工程と、
    を備えた放射線検出器の製造方法。
  7. 光電変換素子を有するアレイ基板上に、放射線を蛍光に変換するシンチレータ層を形成する工程と、
    前記シンチレータ層の側壁側に側面防湿層となる材料を塗布する工程と、
    前記側面防湿層となる材料が塗布された前記シンチレータ層を防湿体で覆う工程と、
    前記側面防湿層となる材料を硬化させて、前記シンチレータ層の側壁と、前記防湿体の周面部の内壁と、の間に側面防湿層を形成する工程と、
    を備えた放射線検出器の製造方法。
  8. 前記シンチレータ層の前記放射線の入射面と、前記シンチレータ層の側壁と、を覆い、光散乱性粒子を含む反射層を形成する工程をさらに備えた請求項6または7に記載の放射線検出器の製造方法。
  9. 前記側面防湿層となる材料は、カチオン重合型の紫外線硬化型接着剤を含み、
    前記側面防湿層を形成する工程において、前記アレイ基板の前記防湿体が設けられた側とは反対の側から、前記側面防湿層となる材料に向けて紫外線を照射する請求項6〜8のいずれか1つに記載の放射線検出器の製造方法。
  10. 前記防湿体で覆う工程は、減圧雰囲気のチャンバー内で実行される請求項6〜9のいずれか1つに記載の放射線検出器の製造方法。
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