JP2015006646A - 金属ナノ粒子の分離法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い透過流量を維持しながら金属ナノ粒子を含む液体から金属ナノ粒子を分離する方法の提供。【解決手段】原液タンク1内の金属ナノ粒子を含む液体を限外濾過膜モジュール2に供給し、クロスフロー方式により濾過圧力50kPa以下で濾過して、金属ナノ粒子を含む精製液は原液タンク1に戻し、透過液は排水する。定期的に逆圧洗浄水として電気伝導度が300μS/cm以下の水を使用して逆圧洗浄し、洗浄排水を原液タンク1に戻す。【選択図】図1
Description
本発明は、金属ナノ粒子を含む液体から分離膜により金属ナノ粒子を分離する方法に関する。
有用な金属ナノ粒子と不用な不純物を含む液体から、金属ナノ粒子と不純物を分離する技術が知られている。
特許文献1には、チタン化合物水溶液を加熱加水分解したり、チタン化合物水溶液にアルカリを添加して中和したりした後で、合成工程で副生する塩類やイオン分等の不純物を除去するため、酸化チタン微粒子を濾過する工程を経て製造される(特許文献1の段落番号0008)。得られた酸化チタン微粒子の平均粒径は1〜30nmと記載されている。また、濾過手段としては、通常の濾過方法のほか、イオン交換法、限外濾過法が例示されている。
特許文献1には、チタン化合物水溶液を加熱加水分解したり、チタン化合物水溶液にアルカリを添加して中和したりした後で、合成工程で副生する塩類やイオン分等の不純物を除去するため、酸化チタン微粒子を濾過する工程を経て製造される(特許文献1の段落番号0008)。得られた酸化チタン微粒子の平均粒径は1〜30nmと記載されている。また、濾過手段としては、通常の濾過方法のほか、イオン交換法、限外濾過法が例示されている。
特許文献2には、限外濾過膜を用いて、無機ナノ粒子を含有する溶液をクロスフロー濾過し、粒径の異なる無機ナノ微粒子を分別濾過する分離方法が記載されている。実施例では限外濾過膜としてポリスルホン系高分子膜が使用されている。
特許文献3には、酸化物ナノ粒子の分散液の分別のための方法において、少なくとも1つの方法工程が膜式クロスフロー濾過工程であり、その際、該分散液による膜の越流が被動回転部材によって生ずる方法が記載されている。
段落番号0028には、透過液2(微細物を含む透過液1でなく、清澄な透過液)を濾過工程に返送できることが記載されている。
段落番号0028には、透過液2(微細物を含む透過液1でなく、清澄な透過液)を濾過工程に返送できることが記載されている。
特許文献4には、クロス・フロー分離方式を使用して懸濁液の固体を濃縮し、保留された固体を迅速に放出するために逆洗方式またはバツクウォツシュを使用し、且分離と放出とを長時間反復することからなる、懸濁液の固体の濃縮法が記載されている。逆洗には、清澄化液とガスを使用している(実施例1)。
特許文献5には、供給液側と浸透液側とを有する濾過膜を有する精密または限外濾過モジュールにおいて、濾過された浸透液の一部を濾過モジュールの浸透液側に再循環させて濾過膜の供給液側及び浸透液側における並流を維持しつつ、供給液側と浸透液側との圧力差をゼロにするか又は逆転させる操作によって濾過膜に付着した汚染物質を追い出して洗い流し、濾過膜の付着汚れを低減もしくは除去する濾過方法及び濾過システムが記載されている。
上記した先行技術では、濾過運転を継続したときの透過流量の低下が大きく、改善の余地があった。
本発明は、高い透過流量を維持したまま、金属ナノ粒子を含む液体から金属ナノ粒子を分離することができる分離方法を提供することを課題とする。
本発明は、高い透過流量を維持したまま、金属ナノ粒子を含む液体から金属ナノ粒子を分離することができる分離方法を提供することを課題とする。
本発明は、課題の解決手段として、
金属ナノ粒子を含む液体から金属ナノ粒子を分離する方法であって、
前記金属ナノ粒子が、金属及び金属化合物からなる平均粒子径が1〜300nmの範囲のものであり、
前記分離方法が、濾過工程と洗浄工程を含む方法であり、
前記濾過工程が、原液タンク内の金属ナノ粒子を含む液体を限外濾過膜モジュールに供給して濾過するとき、クロスフロー方式により濾過圧力50kPa以下で濾過して、金属ナノ粒子を含む精製液は原液タンクに戻し、透過液は排水する工程であり、
前記洗浄工程が、濾過工程を中断して定期的に実施する逆圧洗浄工程であり、逆圧洗浄水として電気伝導度が300μS/cm以下の水を使用し、洗浄排水を前記原液タンクに戻す工程であり、
前記濾過工程と前記洗浄工程の組み合わせを1サイクルとして、これを複数サイクル繰り返す、金属ナノ粒子の分離方法を提供する。
金属ナノ粒子を含む液体から金属ナノ粒子を分離する方法であって、
前記金属ナノ粒子が、金属及び金属化合物からなる平均粒子径が1〜300nmの範囲のものであり、
前記分離方法が、濾過工程と洗浄工程を含む方法であり、
前記濾過工程が、原液タンク内の金属ナノ粒子を含む液体を限外濾過膜モジュールに供給して濾過するとき、クロスフロー方式により濾過圧力50kPa以下で濾過して、金属ナノ粒子を含む精製液は原液タンクに戻し、透過液は排水する工程であり、
前記洗浄工程が、濾過工程を中断して定期的に実施する逆圧洗浄工程であり、逆圧洗浄水として電気伝導度が300μS/cm以下の水を使用し、洗浄排水を前記原液タンクに戻す工程であり、
前記濾過工程と前記洗浄工程の組み合わせを1サイクルとして、これを複数サイクル繰り返す、金属ナノ粒子の分離方法を提供する。
本発明の金属ナノ粒子の分離方法によれば、高い透過流量を維持したまま、金属ナノ粒子を含む液体から不純物を除去して、金属ナノ粒子の純度を高めることができる。
本発明の分離方法は、金属ナノ粒子と不純物(合成工程で副生する塩類やイオン分等の不純物)を含む液体から、金属ナノ粒子を分離する(即ち、不純物を分離する)ことで、前記液体中の金属ナノ粒子の純度を高めるための分離方法である。
以下、本発明の分離方法を図1の分離方法のフロー図により説明する。
以下、本発明の分離方法を図1の分離方法のフロー図により説明する。
原液タンク1には、原液ライン10から供給された原液となる金属ナノ粒子を含む液体が入っている。原液タンク1には、撹拌装置を付設することができる。
原液タンク1内の原液は、透過流量を高いレベルで維持し、不純物を除去し易くするため、希釈することができる。
このときに使用する希釈水は、電気伝導度が10μS/cm以下の純水が好ましく、1μS/cm以下の純水がより好ましい。
希釈は、原液中の金属ナノ粒子濃度が0.1〜1.0質量%になるように調整することが好ましく、金属ナノ粒子濃度が0.2〜0.4質量%になるように調整することがより好ましい。
原液タンク1内の原液は、透過流量を高いレベルで維持し、不純物を除去し易くするため、希釈することができる。
このときに使用する希釈水は、電気伝導度が10μS/cm以下の純水が好ましく、1μS/cm以下の純水がより好ましい。
希釈は、原液中の金属ナノ粒子濃度が0.1〜1.0質量%になるように調整することが好ましく、金属ナノ粒子濃度が0.2〜0.4質量%になるように調整することがより好ましい。
本発明の分離方法の分離対象となる金属ナノ粒子は、金属及び金属化合物からなる平均粒子径が1〜300nmの範囲のものである。
金属ナノ粒子を構成する金属及び金属化合物は特に制限されるものではなく、チタン、金、銀、銅、又はそれらの酸化物、窒化物、炭化物などを挙げることができる。前記の金属ナノ粒子は、合成工程で副生する塩類や共存するイオン分などの不純物が含まれる場合が多く、それらの塩類やイオン分を除去し、精製するため、本発明の分離膜により金属ナノ粒子を濾過・分離する。
平均粒子径は、5〜200nmが好ましく、10〜100nmがより好ましい。平均粒子径は、実施例に記載の方法により測定する。
金属ナノ粒子を構成する金属及び金属化合物は特に制限されるものではなく、チタン、金、銀、銅、又はそれらの酸化物、窒化物、炭化物などを挙げることができる。前記の金属ナノ粒子は、合成工程で副生する塩類や共存するイオン分などの不純物が含まれる場合が多く、それらの塩類やイオン分を除去し、精製するため、本発明の分離膜により金属ナノ粒子を濾過・分離する。
平均粒子径は、5〜200nmが好ましく、10〜100nmがより好ましい。平均粒子径は、実施例に記載の方法により測定する。
原液タンク1内の原液(金属ナノ粒子を含む液体)は、原液送水ライン11から限外濾過膜モジュール2に供給して濾過分離される。ライン11にはポンプ21が設置されている。
濾過は、クロスフロー方式により濾過圧力50kPa以下(膜間差圧力)で濾過する。濾過圧力は、好ましくは30kPa以下である。
濾過後、金属ナノ粒子を含む精製液は精製液ライン12から原液タンク1に戻し、金属ナノ粒子を含まない透過液は透過液ライン13、14から透過液タンク3に送った後、排水する。なお、透過液ライン13と透過液ライン14との分岐部分には開閉弁(電磁弁など)を設けることができる。
濾過工程は30〜60分間の間隔で実施することが好ましい。
濾過は、クロスフロー方式により濾過圧力50kPa以下(膜間差圧力)で濾過する。濾過圧力は、好ましくは30kPa以下である。
濾過後、金属ナノ粒子を含む精製液は精製液ライン12から原液タンク1に戻し、金属ナノ粒子を含まない透過液は透過液ライン13、14から透過液タンク3に送った後、排水する。なお、透過液ライン13と透過液ライン14との分岐部分には開閉弁(電磁弁など)を設けることができる。
濾過工程は30〜60分間の間隔で実施することが好ましい。
限外濾過膜モジュール2で使用する濾過膜(分離膜)は公知の材質からなるものを使用できるが、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリルなどを挙げることができる。
分離膜は、平膜、中空糸膜、チューブ膜を使用することができる。
これらの中でも、本発明の濾過運転や逆圧洗浄が容易であることから、中空糸膜が好ましい。中空糸膜は、内圧型、外圧型のいずれでも使用できるが、適切な膜面線速の確保や、逆洗の容易性の面から内圧型がより好ましい。
中空糸膜の内径は、0.5〜2mmが好ましく、0.7〜1.5mmがより好ましい。
中空糸膜の外径は、0.8〜3mmが好ましく、1.1〜2.2mmがより好ましい。
膜厚は、150〜500μmが好ましい。
限外濾過膜は、分画分子量1〜50万程度のものが好ましい。
これらの中でも、本発明の濾過運転や逆圧洗浄が容易であることから、中空糸膜が好ましい。中空糸膜は、内圧型、外圧型のいずれでも使用できるが、適切な膜面線速の確保や、逆洗の容易性の面から内圧型がより好ましい。
中空糸膜の内径は、0.5〜2mmが好ましく、0.7〜1.5mmがより好ましい。
中空糸膜の外径は、0.8〜3mmが好ましく、1.1〜2.2mmがより好ましい。
膜厚は、150〜500μmが好ましい。
限外濾過膜は、分画分子量1〜50万程度のものが好ましい。
限外濾過膜モジュールは、それらを使用したスパイラルモジュール、平膜モジュール、中空糸膜モジュール、チューブラーモジュールとして使用することができる。
これらの中でも本発明の濾過運転が容易であることから、中空糸膜モジュールが好ましい。
これらの中でも本発明の濾過運転が容易であることから、中空糸膜モジュールが好ましい。
所定時間だけ濾過工程を実施した後、濾過工程を中断して、洗浄工程として逆圧洗浄を実施する。
逆圧洗浄は、ポンプ22を駆動させ、逆圧洗浄水タンク4内の水を逆圧洗浄ライン(一部を透過液ラインと共用している)13から限外濾過膜モジュール2に供給して実施する。
逆圧洗浄は1〜2分間実施する。
逆圧洗浄時の圧力は、濾過圧力(最大で50kPa)よりも高い圧力であり、200kPa以下であることが好ましい。より好ましくは180〜200kPaである。
逆圧洗浄水タンク4の水(逆圧洗浄水)は、洗浄水(純水)供給ライン15から供給された電気伝導度が300μS/cm以下の水であり、好ましくは10μS/cm以下の水であり、より好ましくは1μS/cm以下の水である。
逆圧洗浄後の排水(逆圧洗浄排水)は、限外濾過膜モジュール2の膜面に付着していた微量の金属ナノ粒子を含んでおり、原液送水ライン11の一部と、逆圧洗浄排水ライン15から原液タンク1に戻す。なお、原液送水ライン11と逆圧洗浄排水ライン15との分岐部分には開閉弁(電磁弁など)を設けることができる。
逆圧洗浄は、ポンプ22を駆動させ、逆圧洗浄水タンク4内の水を逆圧洗浄ライン(一部を透過液ラインと共用している)13から限外濾過膜モジュール2に供給して実施する。
逆圧洗浄は1〜2分間実施する。
逆圧洗浄時の圧力は、濾過圧力(最大で50kPa)よりも高い圧力であり、200kPa以下であることが好ましい。より好ましくは180〜200kPaである。
逆圧洗浄水タンク4の水(逆圧洗浄水)は、洗浄水(純水)供給ライン15から供給された電気伝導度が300μS/cm以下の水であり、好ましくは10μS/cm以下の水であり、より好ましくは1μS/cm以下の水である。
逆圧洗浄後の排水(逆圧洗浄排水)は、限外濾過膜モジュール2の膜面に付着していた微量の金属ナノ粒子を含んでおり、原液送水ライン11の一部と、逆圧洗浄排水ライン15から原液タンク1に戻す。なお、原液送水ライン11と逆圧洗浄排水ライン15との分岐部分には開閉弁(電磁弁など)を設けることができる。
本発明の分離方法では、濾過工程と洗浄工程の組み合わせを1サイクルとして、これを複数サイクル繰り返す。
繰り返すサイクル数は、好ましくは2〜5サイクルであり、より好ましくは2〜4サイクルである。
繰り返すサイクル数は、好ましくは2〜5サイクルであり、より好ましくは2〜4サイクルである。
本発明の分離方法では、濾過工程により得られた精製液(金属ナノ粒子を含む液)を原液タンク1に戻すと共に、不純物を含む透過液は排水する。
そして、本発明の分離方法では、洗浄工程にて逆圧洗浄水として電気伝導度が300μS/cm以下の水を使用し、逆圧洗浄排水(微量の金属ナノ粒子を含んでいる)を原液タンク1に戻す。
このため、原液タンク1の原液からは不純物の濃度が低下されて行くが、実質的に不純物を含んでいない逆圧洗浄排水が定期的に供給されるため、限外濾過膜モジュール2における透過流量は高いレベルで維持される。
また原液を電気伝導度の小さい水で希釈する工程を付加することで、透過流量を高いレベルに維持することが容易になる。
そして、濾過工程と洗浄工程の組み合わせを複数サイクル繰り返すことによって、純度の高い金属ナノ粒子を含む液体が得られる。
本発明の分離方法は、金属ナノ粒子の分離方法、金属ナノ粒子の精製方法、または金属ナノ粒子の回収方法として適している。
そして、本発明の分離方法では、洗浄工程にて逆圧洗浄水として電気伝導度が300μS/cm以下の水を使用し、逆圧洗浄排水(微量の金属ナノ粒子を含んでいる)を原液タンク1に戻す。
このため、原液タンク1の原液からは不純物の濃度が低下されて行くが、実質的に不純物を含んでいない逆圧洗浄排水が定期的に供給されるため、限外濾過膜モジュール2における透過流量は高いレベルで維持される。
また原液を電気伝導度の小さい水で希釈する工程を付加することで、透過流量を高いレベルに維持することが容易になる。
そして、濾過工程と洗浄工程の組み合わせを複数サイクル繰り返すことによって、純度の高い金属ナノ粒子を含む液体が得られる。
本発明の分離方法は、金属ナノ粒子の分離方法、金属ナノ粒子の精製方法、または金属ナノ粒子の回収方法として適している。
<金属ナノ粒子の平均粒子径の測定>
透過型電子顕微鏡で観察を行い、画像解析することで、50個の粒子の粒子径の平均値を求めた。
透過型電子顕微鏡で観察を行い、画像解析することで、50個の粒子の粒子径の平均値を求めた。
実施例1
<濾過工程>
金属ナノ粒子として平均粒子径20nmの酸化亜鉛粒子(和光純薬社製)を用い、金属ナノ粒子濃度0.2質量%になるように純水(電気伝導度1μS/cm)で希釈した。
さらに金属ナノ粒子含有液に対して、不純物として硫酸マグネシウム(試薬特級・和光純薬)が1000ppm(質量基準)になるように添加・溶解して未精製原液(原液)とした。
この未精製原液を、純水(電気伝導度1μS/cm)で2倍希釈した後、ポリエーテルスルホン素材でできた分画分子量15万の限外濾過中空糸膜モジュール(FB03-VC-FUS15C1;ダイセン・メンブレン・システムズ(株)社製)を用いて、濾過圧力30kPaにてクロスフロー濾過を行った。このとき原液タンク内の原液は撹拌した。
このクロスフロー濾過により透過液側に硫酸ナトリウムが移行し、精製液側に金属ナノ粒子が移行した。
精製液は原液タンクに戻し、透過液は透過液タンクに送った。
<濾過工程>
金属ナノ粒子として平均粒子径20nmの酸化亜鉛粒子(和光純薬社製)を用い、金属ナノ粒子濃度0.2質量%になるように純水(電気伝導度1μS/cm)で希釈した。
さらに金属ナノ粒子含有液に対して、不純物として硫酸マグネシウム(試薬特級・和光純薬)が1000ppm(質量基準)になるように添加・溶解して未精製原液(原液)とした。
この未精製原液を、純水(電気伝導度1μS/cm)で2倍希釈した後、ポリエーテルスルホン素材でできた分画分子量15万の限外濾過中空糸膜モジュール(FB03-VC-FUS15C1;ダイセン・メンブレン・システムズ(株)社製)を用いて、濾過圧力30kPaにてクロスフロー濾過を行った。このとき原液タンク内の原液は撹拌した。
このクロスフロー濾過により透過液側に硫酸ナトリウムが移行し、精製液側に金属ナノ粒子が移行した。
精製液は原液タンクに戻し、透過液は透過液タンクに送った。
<洗浄工程>
濾過運転を60分継続した(透過流量120L/m2・h)後、濾過運転を停止して、逆圧洗浄を1分間実施した。
逆圧洗浄に使用した逆圧洗浄水は電気伝導度1μS/cmであり、逆圧洗浄水の使用量は60分間の透過液量と同量であった。
逆圧洗浄排水の全量を原液タンクに戻した後、さらに原液を純水(電気伝導度1μS/cm)で2倍希釈した。
濾過運転を60分継続した(透過流量120L/m2・h)後、濾過運転を停止して、逆圧洗浄を1分間実施した。
逆圧洗浄に使用した逆圧洗浄水は電気伝導度1μS/cmであり、逆圧洗浄水の使用量は60分間の透過液量と同量であった。
逆圧洗浄排水の全量を原液タンクに戻した後、さらに原液を純水(電気伝導度1μS/cm)で2倍希釈した。
上記の濾過工程と洗浄工程の組み合わせを1サイクルとして、合計で3サイクル実施した。
上記のとおり1回目の濾過工程における透過液量は120L/m2・hであり、2回目の濾過工程における透過液量は140L/m2・h、3回目の濾過工程における透過液量は150L/m2・hであった。
未精製原液の電気伝導度は1500μS/cmであり、3サイクル後の金属ナノ粒子を含む精製液の電気伝導度は840μS/cmであった。
この結果から、高い透過流量を維持したまま、不純物(硫酸マグネシウム)が除去され、金属ナノ粒子の純度が高められたことが確認された。
上記のとおり1回目の濾過工程における透過液量は120L/m2・hであり、2回目の濾過工程における透過液量は140L/m2・h、3回目の濾過工程における透過液量は150L/m2・hであった。
未精製原液の電気伝導度は1500μS/cmであり、3サイクル後の金属ナノ粒子を含む精製液の電気伝導度は840μS/cmであった。
この結果から、高い透過流量を維持したまま、不純物(硫酸マグネシウム)が除去され、金属ナノ粒子の純度が高められたことが確認された。
比較例1
逆圧洗浄をせず、濾過運転60分に一度、原液タンクに透過流量と同量の純水(電気伝導度1μS/cm)を加えたほかは実施例1と同様に実施した。
1回目の濾過工程における透過液量は120L/m2・hであり、2回目の濾過工程における透過液量は110L/m2・h、3回目の濾過工程における透過液量は115L/m2・hであった。
未精製原液の電気伝導度は1500μS/cmであり、3サイクル後の精製液の電気伝導度は850μS/cmであった。
逆圧洗浄をせず、濾過運転60分に一度、原液タンクに透過流量と同量の純水(電気伝導度1μS/cm)を加えたほかは実施例1と同様に実施した。
1回目の濾過工程における透過液量は120L/m2・hであり、2回目の濾過工程における透過液量は110L/m2・h、3回目の濾過工程における透過液量は115L/m2・hであった。
未精製原液の電気伝導度は1500μS/cmであり、3サイクル後の精製液の電気伝導度は850μS/cmであった。
1 原液タンク
2 限外濾過膜モジュール
3 透過液タンク
4 逆圧洗浄水タンク
10 原液ライン
11 原液送水ライン
12 精製液ライン
13 透過液ライン
15 逆圧洗浄排水ライン
2 限外濾過膜モジュール
3 透過液タンク
4 逆圧洗浄水タンク
10 原液ライン
11 原液送水ライン
12 精製液ライン
13 透過液ライン
15 逆圧洗浄排水ライン
Claims (4)
- 金属ナノ粒子を含む液体から金属ナノ粒子を分離する分離方法であって、
前記金属ナノ粒子が、金属及び金属化合物からなる平均粒子径が1〜300nmの範囲のものであり、
前記分離方法が、濾過工程と洗浄工程を含む方法であり、
前記濾過工程が、原液タンク内の金属ナノ粒子を含む液体を限外濾過膜モジュールに供給して濾過するとき、クロスフロー方式により濾過圧力50kPa以下で濾過して、金属ナノ粒子を含む精製液は原液タンクに戻し、透過液は排水する工程であり、
前記洗浄工程が、濾過工程を中断して定期的に実施する逆圧洗浄工程であり、逆圧洗浄水として電気伝導度が300μS/cm以下の水を使用し、洗浄排水を前記原液タンクに戻す工程であり、
前記濾過工程と前記洗浄工程の組み合わせを1サイクルとして、これを複数サイクル繰り返す、金属ナノ粒子の分離方法。 - 原液タンク内の金属ナノ粒子を含む液体中に電気伝導度が1μS/cm以下の水を入れて希釈することで、前記金属ナノ粒子濃度が0.2〜0.4質量%になるように調整する工程を含んでいる、請求項1記載の金属ナノ粒子の分離方法。
- 前記濾過工程が30〜60分間濾過運転を実施する工程であり、前記洗浄工程が1〜2分間逆圧洗浄する工程である、請求項1または2記載の金属ナノ粒子の分離方法。
- 限外濾過膜モジュールが、限外濾過膜としてポリエーテルスルホンからなる中空糸膜を使用しているものである、請求項1〜3のいずれか1項記載の金属ナノ粒子の分離方法。
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- 2013-06-26 JP JP2013133294A patent/JP2015006646A/ja active Pending
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