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JP2014508330A - セルのタイル張りからなる複数の層を有する透明な光学素子 - Google Patents

セルのタイル張りからなる複数の層を有する透明な光学素子 Download PDF

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Abstract

本発明は、複数の積み重ねられた層を含む透明な光学素子(100)に関し、これらの層のそれぞれは、光位相シフト値の与えられたセルからなる。これらの層は、層群の1つの中の特定の隣接セル間の境界線が他の層のセルを切り分けるように配置される。この方法により、有効な見掛けのセル寸法を低減することにより、より高い精度で目標光位相シフト分布関数を再生することができる。さらに、この素子によりもたらされる光位相シフト変動の最大振幅は、積み重ねられる層の個数とともに増大する。この素子のジオプター関数の色収差も低減することができる。

Description

本発明は、それぞれセルのタイル張りからなる複数の層を有する透明な光学素子に関する。
この明細書の記述においては、表現「透明な光学素子」は、あるシーンから発して当該素子を通過する光からシーンの像を形成することを目的とする構成部品を意味するものである。たとえば、それは、光学レンズ、眼鏡レンズ又はコンタクト・レンズなどの眼科レンズ、又は眼内レンズ等であり得る。かかる素子は任意選択的に、当該素子の製造工程、その厚さ、使用される材料等に関連する制約に関して、取得可能な光学性能を増大するためにフレネル構造を有することができる。
かかる透明な光学素子は、吸収能力、分極力、又はコントラスト強化等を与える種々の追加光学機能を有することができるが、その像形成機能は、定義された領域において当該素子を通過する所与の単色光波について当該素子がもたらす光位相シフトの分布により特徴付けることができる。一般的に、透明光学素子は、光軸に対して横方向に伸びる有効な領域を有している。したがって、光波の平均伝播方向は、この軸上に重なるように選ぶことができ、かつ、光位相シフトの分布は、当該素子の有効な領域内において決定することができる。
かかる透明光学素子はデジタル的な性質をもたせること、すなわち画素化できることが分かっている。この場合、光位相シフトは、透明光学素子の有効な領域の抽出標本を表す点において生ずる離散的な値を有する。単純化すると、光位相シフトは、各標本抽出点の周りの限定された区域(一般的にセルと呼ばれる)において一定であり得る。したがって、任意の所与のセル中のあらゆる点における素子の光位相シフトの値は、このセルに配置される標本抽出点の値に等しいことになる。より実際的には、位相シフトは各セル内で一定ではないが、このセルの目標位相シフト関数により決定される最小値と最大値の間の中間である。これらのセルは、光学素子の有効領域において隣接しており、この領域においてタイル張りを形成する。次に、デジタル透明光学素子の実際の屈折関数がこのタイル張りとすべてのセルにおいて得られる光位相シフト値の組み合わせからもたらされる。
単色光波の光位相シフトΔΦは、円周率の2倍と各セルを通過する距離Hとこのセルを満たす透明な材料の屈折率の値nと空気の屈折率の値の差の積に等しいことも知られている。換言すると:ΔΦ = 2πH(n−1)/λ。ただし、λは、光の波長を表す。透明な光学素子を製造する第1の可能な方法は、したがって、セルを満たす材料の屈折率の値を当該素子の種々のセル間で変更することにある。この場合、セルは、すべて、素子の光軸に沿って測定して同じ深さを有することができる。透明な光学素子を製造できる別の方法は、同一の透明な均質材料を使用してすべてのセルを満たしつつ種々の深さのセルを作成することにある。たとえば、この光学素子は、調節可能な階段状の厚さを有する透明で均質なシート(任意選択的に曲面とすることができる)からなることができる。この理由から、シートの複数の表面の少なくとも1つは、この表面のタイル張りの異なるセル間で変化するサジタル高度値を有し得る。
しかし、デジタル透明光学素子には、一般的に次の欠点がある:
− 個々のセル(その中で光位相シフトが異なる値を取り得る)は、最小サイズを有しているが、その大きさは、一般的に当該素子を製造するために使用する技術により決まる。この最小サイズは、光位相シフトの分布関数の標本抽出を空間的に制限する(この関数は、所望の屈折関数を作成する目標として使用される)。換言すると、デジタル素子の光位相シフトの実際の分布関数は、目標分布関数を近似的に再現するに過ぎない。これらの2つの分布関数間の差異は、この光学素子により実際に作成される屈折率関数の1つの欠点である。かかる欠点は、目標関数が連続であるか、又は当該素子の有効な領域の内側部分において連続である場合に、著しい。
− 各セルにおける光位相シフトについて取得され得る種々の離散値の個数も限定される。たとえば、16〜128種類の値のみ取得可能である。可能な値のこの限界数のために、デジタル光学素子の標本抽出点のそれぞれについて作成された光位相シフトの値と同一点の目標分布関数の値の間に差が存在することがある。各セル内の光位相シフトについて取得可能な相異なる値の個数に関するこの限界は、これらのセルの最小サイズからもたらされる限界とは異なる。しかし、それは、デジタル素子の光位相シフトの実際の分布関数と目標分布関数の間の差異にも寄与する。
− 素子の各セル中の光位相シフトについて可能な値の範囲は、それ自身限られている。換言すると、素子のセル中で作成され得る光位相シフトは、最小値及び最大値により制限される。これらの最小値及び最大値も、当該素子を製造するために使用される技術の結果である。しかしながら、光位相シフトの値の見掛けの範囲は、公称波長と呼ばれる所与の波長の場合に、2πの倍数である位相跳躍を使用することにより一般的に増大する。この公称波長は、たとえば、約550nm(ナノメートル)でよい。しかし、それから、当該素子により実際に作成される屈折関数について色収差が生ずる(とりわけ、各位相跳躍の振幅がπの小さい整偶数倍に等しい場合に)。その結果、かかる色収差は、多くの応用において不都合である。
− デジタル光学素子の表面上のタイル張りの隣接セルを分離する境界における光位相シフトの不連続は、入射光波の一部を散乱させる。換言すると、この光波のエネルギーの一部分は、当該素子によりその光位相シフト分布関数に従って伝達されるのみならず、その上、その伝播方向は横方向に偏位される。この散乱された波の部分は、続いて、光学素子により形成される像のコントラストを低減する明るい背景を形成する。このコントラストの低減は、当該素子の透明性の低減とみなすことができる。タイル張りのセルを分離する境界のネットワークが周期的である場合、入射波の散乱部分は寄生像を形成したり、又はやはり光学素子の不利な使用をひき起こしやすい優位回折方向に集中されたりする。
これらの状況の下で、この発明は、前記欠点の少なくとも一部の改善又は除去を目指す。
より具体的には、この発明の第1の目的は、セル式透明光学素子の光位相シフト分布関数と目標分布関数間の差異の低減を可能にするセル式透明光学素子を提供することにある。ここで、後者の分布は、連続又は部分的に連続である可能性がある。
この発明の第2の目的は、より小さい色収差、とくにより小さい軸方向色収差を有するセル式透明光学素子を提供することにある。
これら及びその他の目的を達成するために、本発明は、素子の光軸に沿って重ねられた複数の層を含む透明光学素子を提供する。各層は、光軸に対して垂直に伸び、かつ、隣接セルのタイル張りからなる。各層について、光位相シフトの分布関数は、この層の各セル内で一定の値を有している。したがって、この素子の屈折関数は、これらの層のそれぞれの光位相シフト分布関数の組み合わせの結果である。
したがって、本発明の透明光学素子は、デジタル素子とすることができる。
この素子は、これらの層の少なくとも2つの層のタイル張りがこれらの層の射影において光軸に垂直な表面に共存せず、したがって2つの層の一方のいくつかの隣接セル同士間の境界が、前記射影において2つの層のうちの他方のいくつかのセルを切ることを特徴とする。
したがって、射影表面において、これらの層の1つの層のセルは、それら自体、他の層のセルラー間境界により分割される。次に、2つの層の重ね合わせは、各層のセルの寸法以下の寸法を有する有効なセルに分割されるように見える。換言すると、この発明による層の重ね合わせは、一定の屈折関数を作成するために見掛けの有効セル・サイズを低減することを可能にする。この理由のために、本発明の素子の光位相シフトの分布関数と目標分布関数、特に連続又は部分的に連続な目標分布関数間の差異の低減が可能になる。これは、回折される寄生光の強度を低減する効果及びそれを角度的によりよく分布させる効果を有する。それによりこの寄生光は、感知されにくくなる。
さらに、素子の合計光位相シフトの可能な値の個数は、層のそれぞれについて作成可能な値の組み合わせの結果である。したがって、それは、各層の可能な値の個数より多い。したがって、やはりこの理由から、この発明による透明光学素子により目標光位相シフト分布関数をより正確に再生することが可能である。
同時に、本発明の透明光学素子の場合に可能な合計光位相シフト値の範囲は、すべての層の対応範囲の並置から生ずる。したがって、それは後者より広く、かつ、公称波長の場合に2πの小さい整数倍の振幅を有する位相跳躍の必須的使用の回避を可能にする。したがって、本発明の透明光学素子の屈折関数の色収差は、低減され得る。
本発明の種々の実施形態において、1つ以上の次の改善を単独又は組み合わせて適用することができる:
− 射影表面上に共存しない層群のそれぞれのタイル張りは同一であるが、平行移動又は回転又は平行移動と回転の組み合わせにより相互にずらすことができる。
− 射影表面上に共存しない層群のそれぞれのタイル張りの少なくとも1つは、ランダム又は擬似ランダムとすることができる。任意選択的に、素子のタイル張りの1つはランダム又は擬似ランダムとする一方、同一素子の他のタイル張りは周期的すなわち規則的とすることもできる。
− 射影表面上に共存しないタイル張りが平行移動又は平行移動と回転の組み合わせにより相互にずらされる場合、及びこれらのタイル張りが各層に関する少なくとも1つの周期方向において共通周期によりそれぞれ周期的である場合、これらの層の1つの周期方向における平行移動の長さは、共通周期の25%〜75%の間とし、かつ、共通周期の整数倍とすることができる。平行移動の長さは共通周期の25%〜75%の間とすることが好ましい。
− より一般的には、透明光学素子は、同一のタイル張りを有するN個の層を含み得るが、これらのタイル張りのそれぞれは、平行移動により、又は平行移動と回転の組み合わせにより、基準となるこれらのN個のタイル張りの1つに対して、ずらされる。ここでNは、2以上の整数である。N個のタイル張りは、それぞれ、各層に関する少なくとも1つの周期方向の共通周期に従って周期的とすることができる。この場合、基準タイル張りに対するN個の層のそれぞれのタイル張りの平行移動の長さは、基準タイル張りの周期方向において、i・a/Nの25%〜75%の間とし、かつ、共通周期の整数倍とすることができ、ここで、iは、同一のタイル張りを有するN個の層に付番する自然整数であり、iの範囲は0〜N−1であり、かつ、iは基準タイル張りの層については0である。
− 同一のタイル張りを有する層に共通のタイル張り周期は、3μm(ミクロン)と1mm(ミリメートル)とすることができる。
− 同一のタイル張りを有する層群のそれぞれの光位相シフト分布関数は、それら自体、これらの層のそれぞれの平行移動、回転又は並行移動と回転の組み合わせを除き、同じとすることができる。
− 素子の屈折関数は、光位相シフトの分布関数の値の離散化による残留変動を除き、その光軸の周りの回転において不変とすることができる。
この発明の透明光学素子は、光学レンズ、特に眼科用レンズ、及び特に眼鏡レンズを形成することができる。
さらに、各層によりもたらされる光位相シフト値は、この層を形成する透明材料の屈折率の種々のセル間の変動の結果とすることができる。別の方法として、各層によりもたらされる光位相シフト値は、この層の種々のセル間の深さ又は高さの変動の結果とすることもできる。これらの値は、任意の層内の種々のセル間の屈折率と深さ両方の結合変動の結果とすることもできる。
任意選択的に、任意の層中の隣接セルは、セル間壁により相互に隔てることができる。かかる壁は、種々のセル中に最初から含まれている化合物の混合を防止することができる。さらに、セル間壁は、ベース薄膜と問題の層を閉じる薄膜との間のスペーサーとして働くこともできる。これらの薄膜は、セルのいずれかの側面に位置している。
この発明のその他の特徴及び長所は、添付図面を参照しつつ行われる非限定的な例示的実施形態に関する以下の説明から明らかとなるであろう。
図1は、この発明による光学素子の断面図である。 図2a及び2bは、図1の光学素子において使用され得る層の断面図である。 図3a及び3bは、図1の光学素子において使用され得る他の層の断面図である。 図4a及び4bは、図1の光学素子において使用される層の可能なタイル張りを示す。 図5aは本発明の第1実施形態を示し、図5b及び5cは、比較のために言及される先行技術において知られている2つの透明光学素子を示す。 図6は、本発明の2つのその他の実施形態を示す。 図7は、本発明の2つのその他の実施形態を示す。
明瞭を期するため、これらの図に示した素子の寸法は、それらの実際の寸法に対応せず、これらの寸法の比率は実際の比率ではない。さらに、種々の図に現れる同一の参照番号は、同一の機能を持つ同一の要素を示す。
図1に示すように、眼鏡レンズとして使用できる透明光学素子100は、基板10及び基板10の1つの表面に重ねられる少なくとも2つの層1及び2を含んでいる。基板10は、それ自体、眼鏡レンズとなることができ、層1及び2は、先行技術において既知であり、ここでは説明しない方法により、基板10に適用され、かつ、永久的に固定される。たとえば、粘着材料の中間フィルムを使用して一方で層1を層2に固定し、他方で層1及び2の配列を基板10に固定することができる。
基板10は、その有効光学領域の種々の点において発揮される屈折力及び乱視の値の分布により特徴付け得る屈折関数を有している。次に、素子100を通過する光波に関して追加的光位相シフトを局部的に発生させることにより層1及び2のそれぞれは、これらの値を変化させることを目的となし得る。各層1、2により生起されるこの光位相シフトは、各光線が素子10の有効領域を通過する点に応じて変化する。
基板10がそれ自体では屈折機能を持たず、層1及び2を支持する機能のみを有することも可能である。この場合、後者のみ素子100にその最終的屈折機能を与える。
最後に、基板10の使用は、層1及び2が十分に頑丈であるか、又は実際に適切に保持されるならば、たとえば周辺の縁経由で枠に固定されるならば、必須ではない。
層1及び2は、Dにより示される積み重ねる方向に重ね合わされる。これらはお互いに平行であり、任意選択的に共通の曲面形状を有することもできる。
いずれにせよ、層1及び2又は任意選択的に2を超える個数の層の積み重ねを設計してDの方向にこれらの層を通過する単色波の屈折機能を生成する。次に、Dは、素子100の光軸に対応し得る。
本発明による素子の各層は、同一素子の他の層のものと同じ又は異なる構造を持ち得る。
図2a及び2bは、第1の可能な層構造を示す。この場合、可変光位相シフトは、層の局部的厚さを変化させることにより得られる。たとえば、図2aにおいて、層1又は2は、透明なフィルム11からなる。その厚さeは、フィルムの2つの表面の一方の上で定義される種々の区域間で変化する。かかる厚さの変化は、レーザー・アブレーションにより、すなわち、レーザー・ビームの手段によりフィルムの材料の一定の部分を局所的に除去することにより得ることができる。別の方法として、これらの厚さの変化は、フォトリソグラフィーにより得ることもできる。この発明において検討された層の場合、前記層により引き起こされる光位相シフトは、隣接配置された区域内で一定であり、これらの区域はセルと呼ばれ、添付図では文字Cにより示される。セル群Cは、層又はその有効部分を占めてタイル張りを形成する。次に、任意のセルCにおける光位相シフトの値は、このセル中の層11の残留厚さにより決定される。ほとんどの場合、この値は、フィルム11の厚さの局部変化を生成するために使用されるプロセスにより決まる有限個数の可能な値から選択される。たとえば、フィルムの表面を除去するために使用されるレーザー・ビームはパルス化できるが、各パルスは同一のエネルギーを有しているので、フィルムの厚さは、したがって、セル位置に向かって放射されるレーザー・パルスの個数を調整することにより制御される。
図2bは、図2aのものに等価の層構造を示す。この場合、隣接セル群Cは、層に垂直に伸びる壁12により隔離される。フィルム11の可変厚さは、セル群Cの深さを変更することにより達成されるが、この深さは方向Dに測定される。層に平行に測定される隔離壁12の厚さは、この発明の最初の方法では、無視することができる。壁12の最上部は、方向Dに同一共通レベルにあることが好ましい。それらは、したがって封鎖フィルム13を支持することができ、それによりゴミのセル群Cへの侵入及び最初に製造された層に対する深さ分布の変化を防止することができる。
図3a及び3bは、その他の可能な層構造を示す。これらの場合、可変光位相シフトは、層の構成材料の光屈折率の値を局部的に変更することにより得られる。したがってすべてのセルCは、同一の深さを有することができる。たとえば、図3aでは、層1、2は、このフィルムの任意の場所間で一定である厚さeを有するフィルム14からなる。このフィルム14は、光屈折率の値をたとえばレーザー・ビームの手段による局部照射により変更できる光活性材料を含んでいる。種々の点間に照射されるレーザー・パルスの強度すなわち個数を変えながらフィルム14の表面をレーザー・スポットにより掃引することにより、セル群C中の屈折率の値の調整を可能にする。一般的に、この方法により得られる屈折率値の最大差は、約0.1又は0.15である。
最後に、図3bは、図3aのそれと等価の層構造を示している。しかし、この場合には、隣接セルは壁12により隔離されている。したがって、光活性材料の別々の部分は、それぞれ、分割されたセル群Cに含まれており、これらのセルのそれぞれは、その光屈折率値を調整するために別々に照射することができる。これを行うために、セル群Cは、最初に、ベース・フィルム15の表面に形成し、次にセル群Cに光活性材料を満たし、一つずつ照射し、次にベース・フィルム15の反対側でフィルム13によりまとめて封鎖する。このようにセル群Cが壁12により相互に隔離されている場合、各セルに含まれている材料の屈折率値を変える別の方法は、この材料の場合、複数の化合物の混合物を使用することにある。これらの種々の化合物は、それぞれ、相異なる屈折率値をもっており、混合比率を変えることにより中間値が得られる。この場合、得られる値の個数は、各セルに管理可能なように導入できる各化合物の最小量により限定される。一般的に、この方法により16〜128種類のセルCの屈折率値を得ることができる。
別の方法として、上述した構造以外の層構造も使用できる。特に、セル中に含まれる透明材料の部分の厚さの変化と屈折率の変化の両方により光位相シフトの変化を得る混成構造も使用できる。
さらに、この発明による任意の光学素子内において、層群は、それぞれ相異なる構造を有することができる。
図4a及び4bは、各層内でセルCを形成するために使用できる2種類の相異なるタイル張りを示している。かかるタイル張りは、規則的とすること、特に層に平行な少なくとも1つの方向において周期的とすることができる。たとえば、タイル張りは、一片の長さaの正方形パターン(図4a)、三角形パターン、六角形パターン等を有することができる。別の方法として、タイル張りは、ランダム又は擬似ランダム(図4b)とすることができる。この説明の文脈においては、表現「擬似ランダム・タイル張り」とは、見かけ上ランダムなタイル張りを生ずるように設計された構造アルゴリズムを使用して定義されたセル分布を意味するものとして理解する。特に、かかる擬似ランダム・タイル張りは、層中においてセル中心の初期分布を設定し、次にボロノイ法と呼ばれる方法を使用して隣接セル間に境界を構築することにより得ることができる。任意選択的に、最終的に得られるセルのタイル張りにおける無秩序を増大するために、セル中心の少なくとも一部を移動することにより、かかる構築を再び開始することもできる。本発明による任意の光学素子内において、層群は、それぞれ、異なるタイル張りを有することができる。
例として、セル群Cは、大きさ約数ミクロンから数百ミクロンの寸法を有し、問題の層に平行とすることができる。その深さ(方向Dに平行な)は、1〜50μmの間、たとえば、約20μmとすることができる。
各層は、前記層によりもたらされる光位相シフトがタイル張りのセルにそれぞれ専用される値を有し(これらの値は、恐らく1つのセルから次のセル毎に変化する)、かつ、これらの値が前もって決定される一連の離散値に制限される場合、デジタルであると言われる。これは、特に、それ自体デジタルであるプロセスを使用して光位相シフトが調整される場合に該当する。かかるデジタル層は、光位相シフトの目標連続分布関数を近似することのみ可能である。共存しないタイル張りを有する少なくとも2つの層のこの発明による使用は、層の重ね合わせによりもたらされる光位相シフトの実際の分布と目標分布間の差異の低減を可能にする。かかる目標連続分布は、単一焦点眼鏡レンズの屈折関数、たとえば、漸増眼鏡レンズの屈折関数に対応することができる。任意選択的に、光位相シフトの目標分布関数は、素子100の有効領域の分離部分内で連続とし、かつ、2つの面積部分間の境界で不連続とすることができる。かかる状況は、特に、目標分布関数がフレネル・レンズの屈折効果に対応する場合である。一般的に、目標分布関数は、任意の関数でよい。特に、それは、当該素子の光軸の周りの回転の対称性を欠いてもよい。
本発明に従って製造される素子の光位相シフトの実際の分布関数とその目標分布関数間の差異は、種々の方法で推定することができる。
第1の方法は、光学素子によりもたらされ、像のコントラストを低減する傾向を有する発光干渉効果を示すのに適切である。この第1の方法は、光学素子下流の選択された平面において、本発明の光学素子及び基準光学素子により同一入射単色波についてそれぞれもたらされた照明を比較することにある。放射波の焦点面として積分平面を適切に選択する。この第1の方法により、光学素子が相当な強度で光を回折させる方向を確認することができる。状況によっては、回折方向及び散乱ハローを像方向に関して偏向させ、それにより回折及び散乱の強さを低減することが有益である。
差異を推定する第2の方法(一般的にマレシャル基準と呼ばれる)は、光学素子の下流に位置する基準平面において、前記素子を通過する入射単色波について、光位相シフトの実際の分布関数と目標分布関数それぞれに関わる放射波の位相間の差異の二乗を積分することにある。特に、積分平面は、光学素子の出口面に配置することができる。かかる第2の方法は、デジタル・レンズの設計中に実際の位相シフトに関する誤差の量を示すのに特に適している。
図5aを参照しつつ、これから説明する本発明の第1の例示実施形態では、光学素子100は、200μmに等しいピッチaの同一の方形タイル張りを有する2つの層1及び2を含んでいる。層1及び2の層のそれぞれのタイル張りは、方形セルの対角線の長さの半分に沿って相互に平行移動することによりずらされている。換言すると、層2のタイル張りは、層1のタイル張りに対して、方形セルCの両辺の2つの方向に沿ってa/2だけ同時に平行移動される。
2つの層1及び2は、各セルC中の光位相シフトを調整する同一デジタル技術を使用して製造されるデジタル層である。層1、2のそれぞれの光位相シフト分布は、最適化されて2m(メートル)の焦点距離を有する集光単一焦点レンズの目標連続分布を再生する。これらの条件の下で、透明光学素子100は、1mの焦点距離を有する集光単一焦点レンズのデジタル版である。
この発明の利益を示すために、比較として、図5b及び5cは、それぞれ、2つの基準光学素子101及び102を示す。これらは、それぞれ、1mの焦点距離を有する集光単一焦点レンズの光位相シフト分布を再生する単一層の方形タイル張りからなる。本発明によらないこれらの基準光学素子101及び102の製造も、各セルCの光位相シフトを調整するために図5aの素子100のために使用された技術と同じデジタル技術を使用する。
図5bの素子101の方形タイル張りのピッチは、aに等しい、すなわち、図5aの素子100の層1、2のそれぞれのピッチに等しい。図5cの素子102の方形タイル張りのピッチは、a/2に等しい。3つの素子100、101及び102の直径は等しい。
これらの条件の下で、基準素子101の各セルCによりもたらされる光位相シフトは、本発明による素子100の層群の1つの層ための同一セルによりもたらされるものの2倍となり得る。さらに、基準層102のセルCによりもたらされる離散的光位相シフト値は、基準素子101より小さい離散化誤差を有し、これらの3つの素子の目標として使用された1mの焦点距離の集光レンズの連続光位相シフト分布を再生する。
次に、3つの素子100、101及び102は、実際の光学実験を行うことにより、又はかかる実験の数値的シミュレーションを用いて、等価の方法により比較することができる。本件の場合に行われたかかるシミュレーションは、光学フーリエ計算に基づく。かかる計算の基づいている原理は当業者により知られており、したがってここでそれについて記述する必要はないと想定する。
第1に、3つの素子100,101及び102の光学機能について、上述した第1の方法を使用し、これらのそれぞれをこれらのそれぞれの光軸に平行な波長633nm(ナノメートル)の平行単色光のビームにより照射することにより、比較を行った。各素子の下流1mに位置するこれらのそれぞれの像焦点面に作成された明るい照明を記録した。第2回折ピークの最大強度は、素子100及び102について−24.3dB(デシベル)、素子101について−18.1dBであった。これらの強度は、光軸が像焦点面と交差する場所に位置する幾何学的像点の強度について測定した。したがって、この発明による素子100の層のそれぞれのピッチは基準素子102のピッチの2倍であるが、これらの2つの光学素子によりもたらされた寄生回折は、基準素子101のそれより小さい同程度の強度を有する。さらに、第1次回折方向と光軸間の角は、素子100及び102の場合、素子101の場合より2倍大きい。
2つの素子100(図5a)及び101(図5b)の光学機能も、それらのそれぞれを1mに等しい焦点距離を有する発散単一焦点レンズに粘着結合することにより比較した。この発散レンズは、デジタル素子100及び101に関する効果を観察するために、在来の方法によりその厚さを連続的に変更しつつ製造された。この方法により得られたダブレットについて観察された屈折効果は、デジタル素子100及び101における欠陥に対応する。したがって、無限遠点に位置する発光パターン、たとえば、2.96°(度)に等しい外側角直径及び0.74°に等しい角ストローク厚さのランドルトCをこれらのダブレットのそれぞれを通じて観察する。素子100を含むダブレット経由のパターンを観察することにより、タイル張りの方向に平行に整列された寄生像が現れたが、これらの寄生像間の間隔は、本発明による素子100の場合、基準素子101の場合より、2倍大きかった。
このパターンは、本発明による第2の素子について同じ方法で観察された。この素子は、やはりaに等しいピッチの方形タイル張りを含む4つの層からなるが、しかしこれらのタイル張りはセルの対角線の長さの1/4の倍数により徐々にずらされている。この第2素子の各層における光位相シフト分布は、4mに等しい焦点距離を有する集光レンズの光位相シフト分布を再生した。したがって、本発明によるこの第2素子も、1mに等しい焦点距離の集光レンズのデジタル版を形成する。第2の4層素子を−1m焦点距離の発散レンズに粘着結合することにより形成された新しいダブレット経由のランドルトCを観察することにより、寄生像間の間隔も素子100の場合に2倍大きいことが示された。したがって、この発明による透明光学素子における層の個数を増やすことは、その光学機能の改善を可能にする。
さらに、2つの層1及び2が素子100内において方形セルCの両辺の2つの方向に長さa/2の代わりにa/4だけずらされた場合、第2次回折ピークの最大強度は、−23.1dBとなった。したがって、本発明の利益は、平行移動長さがピッチaの半分に等しい場合に、素子100について最大化されるが、ピッチaの25%〜75%の間に位置する平行移動長さのその他の値の場合にも、相当な改善も得られる。
図6に示すように、本発明による第3の透明光学素子103は、やはりたとえば200μmに等しいピッチの方形タイル張りを有する2つの層3及び4を含んでいる。2つの層3及び4は、素子100の層1と同じである。したがって、これらは、それぞれ、2mに等しい焦点距離を有する集光レンズに対応する光位相シフト分布を有している。これらの2つの層3及び4は、素子103中において重ね合わされるが、それらの共通光軸Dの周りで相互に30°だけ回転される。したがって、素子103も、1mの焦点距離の集光レンズ機能を有している。
この素子の1m下流の素子103の像焦点面において得られる照明は、それが波長633nmの平行単色光のビームにより照射されたとき、−24.2dBに等しい最大振幅を有する第2次回折ピークを含んでいた。本発明による素子103に帰される長所は、したがって、素子100に帰される長所に類似している。換言すると、素子100は、2つの層1及び2の角整列に誤差があっても、ほとんど劣化しない。
− 1mの焦点距離を有する発散レンズに粘着結合された素子103経由のランドルトCを観察すると、同一の照射及び観察条件の下で素子102の場合に見られた寄生像よりかなり暗い寄生像が表示された。
図7に示すように、本発明による第4の透明光学素子104は、素子の光軸Dの周りに90°だけ相互に回転される同一のタイル張りを含む2つの層5及び6からなる。2つの層5及び6の共通タイル張りは、擬似ランダムである。それは、上述した層1におけるタイル張りから、セルCの中心をランダムにずらし、次にボロノイ法を使用してセル間境界を構築することにより得られた。このように定義され、セルC中で得られた光位相シフトを再び選択して2mに等しい焦点距離を有する集光レンズを再現した。
本発明によらない基準光学素子は、層5及び6のそれぞれと同じ擬似ランダム・タイル張りを有するが、各セルC中の光位相シフト値がこれらの層の1つ中の相当セルにおける値の2倍になっている単一の層から形成された。
光学素子104及び後者の基準素子は、したがって、やはり両方とも1mに等しい焦点距離を有する集光レンズの機能に類似する屈折機能を有している。これらの2つの素子を平衡光線のビームにより照射すると、素子104は、像焦点面において基準素子の場合より減衰されている散乱光のハローを作成する。したがって、ランダム・タイル張りの場合でも、本発明は、素子のデジタル性による欠点の低減を可能にする。
さらに、本発明による光学素子では、種々の層に属する重ね合わされたセルの光位相シフト値は、相互に加わる。その結果、合計位相シフトの利用可能な値の範囲の幅は、各層の利用可能な位相シフト値の範囲のそれぞれの幅の合計に等しい。したがって、本発明による光学素子は、先行技術で知られている単一層素子の変動より大きい光位相シフトの見掛けの変動を有することができる。したがって本発明を使用することにより、これまで可能でなかった屈折機能を実現することができる。
特に、この発明による光学素子において得られる光位相シフトのより大きな変化は、小さい(それらの変化が2πの倍数であるという事実にも関わらず)振幅位相跳躍を実現する必要性を回避することを可能にする。したがって、たとえばπの10倍より大きい振幅の位相跳躍のみを使用することが可能になる。かかる大振幅位相跳躍は、素子の屈折機能において限定された色収差のみ生ずる。この色収差は、多くの応用、特に眼科応用に適合する。
当然のことであるが、本発明は、これまでに詳述した実施形態に関するその二次的側面のあるものを変更しつつ再現することができる。特に、以下の変更は、別々に、又は多数のそれらを組み合わせて適用することができる:
− 重ね合わされる層は、2以上の任意の数とすることができる。
− 所与の光学素子の種々の層は、種々のタイル張りを含むことができる。たとえば、ある層は周期的タイル張りを有し、かつ、他の層はランダム又は擬似ランダム・タイル張りを有することができる。
− 本発明による光学素子において重ね合わされる層は相互に粘着結合すること、又は2つの連続層間に設けられる中間空間又は中間フィルムにより分離することができる。
− 所与の光学素子の2つの層によりもたらされる位相シフトの目標値は、相異なる値とすることができる。したがって、これらのそれぞれの位相シフト分布関数も相異なり得る。

Claims (11)

  1. シーンから発し、かつ透明な光学素子(100;103;104)を通過する光から前記シーンの像を形成することを目的とする前記透明な光学素子であって、前記素子が、前記素子の光軸に沿って重ね合わせされる複数の層(1,2;3,4;5,6)を含み、
    各層は、前記光軸に対して垂直に伸び、かつ、隣接セル(C)のタイル張りからなり、各層における光位相シフトの分布関数は前記層の各セル内において一定の値を有し、
    各層における隣接セル(C)は、前記層に対して垂直に伸びる壁(12)により分離され、
    前記素子の屈折関数は、前記層群のそれぞれの前記光位相シフト分布関数の組み合わせの結果として生じ、
    前記素子は、前記層群の少なくとも2つのタイル張りが前記層群の射影において前記光軸に垂直な表面上に共存せず、したがって前記2つの層の一方のいくつかの隣接セル間の境界線が、前記射影において前記2つの層のうちの他方のいくつかのセルを切ることを特徴とする、光学素子。
  2. 前記射影表面上で共存しない前記少なくとも2つの層(1,2;3,4;5,6)のそれぞれのタイル張りが同一であるが、平行移動により、回転により、又は平行移動と回転の組み合わせにより互いに対してずらされる、請求項1に記載の素子。
  3. 前記射影表面上で共存しない前記少なくとも2つの層(5,6)のそれぞれのタイル張りの少なくとも一方がランダム又は擬似ランダムである、請求項2に記載の素子。
  4. 前記射影表面上で共存しない前記層の2つ(1,2)のそれぞれのタイル張りが平行移動により、又は平行移動と回転の組み合わせにより互いに対してずらされ、
    前記2つの層の各タイル張りが各層に関する少なくとも1つの周期方向における共通周期(a)により周期的であり、
    前記2つの層の一方の周期方向の前記平行移動の長さが、前記共通周期の25%〜75%の間であり、かつ、前記共通周期の整数倍である、請求項2に記載の素子。
  5. 前記2つの層(1,2)の一方の前記周期方向の前記平行移動の長さが、前記共通周期(a)の25%〜75%の間である、請求項4に記載の素子。
  6. 前記素子の前記層群のうちのN個が同一のタイル張りを有するが、前記タイル張りのそれぞれが基準とされたN個のタイル張りの1つに対して、平行移動により、又は並行移動と回転の組み合わせによりずらされ、Nは2以上の整数であり、
    前記N個の層のそれぞれのタイル張りが、それぞれ、各層に関する少なくとも1つの周期方向における共通周期により周期的であり、
    基準タイル張りの周期方向における、前記基準タイル張りに対する前記N個の層のそれぞれのタイル張りの前記平行移動の長さがi・a/Nの25%〜75%の間にあり、かつ、前記共通周期の整数倍であり、ここで、iは、同一のタイル張りを有する前記N個の層に付番する自然数であり、iの範囲は0〜N−1であり、かつ、iは、前記基準タイル張りの層に対して0である、請求項2に記載の素子。
  7. 同一のタイル張り有する前記層(1,2)に共通なタイル張り周期(a)が3μm〜1mmの間にあることを含む請求項4〜6のいずれか一項に記載の素子。
  8. 同一のタイル張りを有する前記層(1,2;3,4;5,6)のそれぞれの光位相シフト分布関数が、前記層群のそれぞれの平行移動又は回転又は並行移動と回転の組み合わせを除いて、それら自体同一である、請求項2〜7のいずれか一項に記載の素子。
  9. 前記素子の前記屈折関数が、前記光位相シフト分布関数の値の離散化による残留変動を除いて、前記素子の前記光軸の周りの回転において不変である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の素子。
  10. 光学レンズを形成する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の素子。
  11. 眼科レンズを形成する、請求項10に記載の素子。
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