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JP2006194991A - 光学素子及び光学素子の作製方法 - Google Patents

光学素子及び光学素子の作製方法 Download PDF

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JP2006194991A JP2005004226A JP2005004226A JP2006194991A JP 2006194991 A JP2006194991 A JP 2006194991A JP 2005004226 A JP2005004226 A JP 2005004226A JP 2005004226 A JP2005004226 A JP 2005004226A JP 2006194991 A JP2006194991 A JP 2006194991A
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学 瀬尾
Yasushi Yamada
泰史 山田
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Abstract

【課題】本発明は、光の空間位相分布及び空間的な強度分布を調整する光学素子及び光学素子の製造方法に関する。
【解決手段】光学素子1は、入射光に対して透過性を有し略四角形の中空部を有するセル構造体3が入射光に対向する面方向に複数分布する状態で透明基板2に形成されて配置され、複数のセル構造体3のうち列方向に1列置きに液体4の封入されているセル構造体3aと液体4の封入されていないセル構造体3bとが配列されている。したがって、様々な光源に対応することができるとともに、入射光の高精度・高分解能な空間位相変調を行うことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学素子及び光学素子の作製方法に関し、詳細には、光の空間位相分布及び空間的な強度分布を調整する光学素子及び当該光学素子の製造方法に関する。
光の位相を空間的に変調する光学素子としては、一般的に、表面レリーフ型の光学素子や液晶を用いた光学素子があり、ホログラフィック素子等として用いられている。
この表面レリーフ型の光学素子は、反射型の素子と透過型の素子があるが、いずれも素子を通過する光路長を空間的に異ならせることで、光の位相の変調を行っている。
そして、表面レリーフ型の光学素子は、表面の段差が光の波長の数分の一から十数分の一以下の精度で形成されている必要があり、また、表面の段差が連続的または多段的に形成されている必要がある。
ところが、このような高精度で多段または連続的に段差を形成するには、通常、リソグラフィとエッチングの工程を繰り返し行うことで形成されるため、作製コストが高く、光学素子が高価なものとなるだけでなく、このような高精度で多段または連続的に段差を形成すること自体が困難である。
また、光の位相と強度の両方を空間的に変化させると、特定の位置に置いて所望のパターンを形成することができ、また、任意の光線を再現することができ、3次元的な強度分布を形成することもできる。
従来、特定の位置に置いて所望のパターンを形成するには、コンピュータ合成ホログラフィ(CGH)によって計算された位相分布を与える回折光学素子が用いられる。この場合、位相分布のみを変化させることによって所望のパターンを形成するのに、位相分布の決定に最適化手法が用いられる。最適化手法としては、シミュレーテッド・アニーリング法や反復フーリエ変換法等があるが、いずれの手法を用いても、完全に所望のパターンを再生する位相分布を求めることは困難であり、必ず誤差が発生する。
また、光の位相と強度の両方を空間的に変化させる素子としては、ローマン型ホログラムがあり、ローマン型ホログラムは、ピクセル毎に開口部の大きさによって光強度を変化させ、開口部の位置によって位相を変化させる。
そして、従来から液晶を用いた光学素子があり、例えば、液晶を用いてねじれ配向の領域と平行配向の領域を設け、光の位相と振幅の両方の変調を行う技術が開示されている(特許文献1参照)。
また、従来、レーザ光を吸収する液体の光路長を変化させることで、光の減衰量を調整する技術がある(特許文献2参照)。
特開平6−265927号公報 特許第3564845号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、光強度の光及び紫外光に対して耐性を有し、高精度・高分解能な光の空間変調を安定した行う上で、改良の必要があった。
すなわち、上記ローマン型ホログラムにあっては、開口位置で光の位相を変化させるため、ピクセルのサイズとしては、大きいものに限られ、高分解能・高精度なものを作成することが困難であるという問題があった。
また、上記液晶を用いた光学素子にあって、高強度のレーザでは光学素子である液晶に損傷がおこり、また、繰り返しレーザ照射によって変質して、透過率が変化するという問題があった。特に、短波長紫外域では透過材料に制限があり、液晶を光学素子として用いることが困難である。例えば、レーザ加工では、高強度の光、特に、レーザリソグラフィでは、主に紫外領域の高強度の光が用いられているため、高強度、紫外光に対して耐性のない液晶を用いることができない。
そこで、本発明は、様々な光源に対応可能で高精度・高分解能な空間の位相変調を行う光学素子、特に、高強度レーザや紫外光に対する空間位相変調を安定して行うことのできる光学素子及び光学素子の作製方法を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明の光学素子は、入射光を空間的に位相変調して出射させる光学素子であって、当該入射光に対して透過性を有し所定形状の中空部を有する構造体が当該入射光に対向する面方向に複数分布する状態で配置され、当該複数の構造体のうち少なくとも1つの構造体の中空部内に所定の液状物質が封入されていることにより、上記目的を達成している。
この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記光学素子は、前記複数の構造体のうち、2つ以上の構造体の中空部内に、前記液状物質としてそれぞれ屈折率の異なる液状物質が封入されているものであってもよい。
また、例えば、請求項3に記載するように、前記2つ以上の構造体の中空部内に封入されているそれぞれ屈折率の異なる液状物質は、2種類以上の屈折率の異なる液状物質が混ぜ合わされて作製されていてもよい。
さらに、例えば、請求項4に記載するように、前記光学素子は、前記複数の構造体のうち、2つ以上の構造体の中空部内に、前記液状物質としてそれぞれ光の透過率の異なる液状物質が封入されているものであってもよい。
また、例えば、請求項5に記載するように、前記2つ以上の構造体の中空部内に封入されているそれぞれ光の透過率の異なる液状物質は、所定の液状物質にそれぞれ所定の色素が分散されて作製されていてもよい。
さらに、例えば、請求項6に記載するように、前記2つ以上の構造体の中空部内に封入されているそれぞれ光の透過率の異なる液状物質は、所定の液状物質にそれぞれ所定の微粒子が分散されて作製されていてもよい。
また、例えば、請求項7に記載するように、前記構造体は、前記中空部内面のうち前記入射光に対向する側の面に、反射板が設けられていてもよい。
さらに、例えば、請求項8に記載するように、前記光学素子は、前記液状物質を所定の流速で吐出する液状物質供給装置から前記構造体の中空部内に前記液状物質が注入された後、当該中空部が密閉されて作製されていてもよい。
また、例えば、請求項9に記載するように、前記液状物質供給装置は、複数の異なる液状物質を任意の割合で合成して前記構造体の中空部内に注入するものであってもよい。
請求項10記載の発明の光学素子の製造方法は、入射光に対して透過性を有し所定形状の中空部を有する構造体が当該入射光に対向する面方向に複数分布する状態で配置され、当該複数の構造体のうち少なくとも1つの構造体の中空部内に所定の液状物質が封入されることで、前記入射光を空間的に位相変調させる光学素子の製造方法であって、前記液状物質を吐出する液状物質供給装置から前記構造体の中空部内に前記液状物質を注入した後、当該中空部を密閉することにより、上記目的を達成している。
この場合、例えば、請求項11に記載するように、前記光学素子の製造方法は、前記液状物質供給装置から複数の異なる液状物質を任意の割合で合成して当該合成した液状物質を前記構造体の中空部内に注入してもよい。
本発明の光学素子によれば、入射光に対して透過性を有し所定形状の中空部を有する構造体が当該入射光に対向する面方向に複数分布する状態で配置し、当該複数の構造体のうち少なくとも1つの構造体の中空部内に所定の液状物質を封入しているので、様々な光源に対応することができるとともに、高精度・高分解能な空間の位相変調を行うことができ、特に、高強度レーザや紫外光に対する高精度・高分解能な空間位相変調を安定して行うことができる。
本発明の光学素子の製造方法によれば、入射光に対して透過性を有し所定形状の中空部を有する構造体が当該入射光に対向する面方向に複数分布する状態で配置され、当該複数の構造体のうち少なくとも1つの構造体の中空部内に所定の液状物質が封入されることで、入射光を空間的に位相変調させる光学素子の構造体の中空部内に、液状物質供給装置から液状物質を注入した後、当該中空部を密閉することにより、構造体の中空部内に液状物質を簡単かつ安定して速やかに注入することができ、高強度レーザや紫外光に対する高精度・高分解能な空間位相変調を安定して行う光学素子を簡単かつ安定して速やかに製造することができる。
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1及び図2は、本発明の光学素子及び光学素子の作製方法の第1実施例を示す図であり、図1は、本発明の光学素子及び光学素子の作製方法の第1実施例を適用した光学素子1の斜視図、図2は、図1の光学素子1の正面断面図である。
図1及び図2において、光学素子1は、光に対して透過性を有する透明基板2に複数の中空のセル構造体(構造体)3がマトリックス状に形成されており、セル構造体3は、その上面が開口した四角形状に形成されている。セル構造体3は、列方向に、液状物質4の入れられているセル構造体3aと液状物質4の入れられていないセル構造体3bとが、1列おきに配列されている。この液状物質4としては、光に対して透過性を有している液状物質であれば、どのような液状物質でも用いることができ、例えば、水、水溶液、オイル等を用いることができ、光学素子1の利用目的に応じて、適宜の液状物質を選択することができる。
そして、光学素子1は、液状物質4がセル構造体3a内に入れられた後に、光に対して透過性を有する透明蓋基板5で覆われて、各セル構造体3が密閉されている。すなわち、光学素子1は、液状物質4の封入されている光に対して透過性を有するセル構造体3aが部分的、本実施例では、液状物質4の封入されていないセル構造体3bを挟んで列状に配列された状態となっている。
このような透明基板2に対する立体的なセル構造体3の加工は、例えば、フォトリソグラフィとドライエッチングによる加工、接着法による加工、レーザによる3次元造形による加工、あるいは、レーザによる直接加工またはレーザによる内部加工等の技術により行うことができる。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の光学素子1は、液状物質4の封入されているセル構造体3aを部分的に配置することで、入射光の位相を空間的に変化させて透過させる。
すなわち、光学素子1は、図1及び図2の上方向または下方向から光が入射される。このとき、光学素子1は、その透明基板2に複数のセル構造体3がマトリックス状に形成されており、当該マトリックス状のセル構造体3の1列置きに液状物質4が封入されて、液状物質4の封入されているセル構造体3aと液状物質4の封入されていないセル構造体3bとが1列置きに配置された状態となっている。
この状態で、図1及び図2の上方向または下方向から入射される波長λの光の液状物質4の封入されているセル構造体3aでの平均屈折率をnλ、液状物質4の封入されているセル構造体3aの光の透過方向の距離(深さ)をLとすると、液状物質4での位相変化量は、次式(1)で示される。
位相変化量=2π×nλ×L/λ・・・(1)
そして、液状物質4の屈折率は、1.1程度〜1.6程度まで選択することができ、距離Lを一定として、セル構造体3の内部に封入する液状物質4の屈折率を変化させると、液状物質4の封入されているセル構造体3a毎に位相を変化させることができる。
したがって、液状物質4の封入されているセル構造体3aを部分的に配置することで、入射光の位相を空間的に変化させて透過させることができる。
このように、本実施例の光学素子1は、入射光に対して透過性を有し略四角形の中空部を有するセル構造体3が入射光に対向する面方向に複数分布する状態で配置され、複数のセル構造体3のうち列方向に1列置きに液状物質4の封入されているセル構造体3aと液状物質4の封入されていないセル構造体3bとが配列されている。
したがって、様々な光源に対応することができるとともに、高精度・高分解能な空間の位相変調を行うことができ、特に、高強度レーザや紫外光に対する高精度・高分解能な空間位相変調を安定して行うことができる。
また、上記光学素子1では、透明基板2の全てのセル構造体3は、その深さが一定に形成されているが、セル構造体3の深さは、一定に限るものではなく、例えば、場所により深さが段階的に異なるように形成しても良い。
このようにすると、上記(1)式の距離Lが異なり、セル構造体3の深さの変化と液状物質4の有無によって、空間的に多段階に位相の変化する変調を行うことができる。
したがって、本実施例の光学素子1は、光ビームを分岐、あるいは、所定の位置で所望の強度分布を形成する回折光学素子やホログラフィック素子として用いることができるとともに、液晶を用いていないため、光強度のレーザ光や紫外光に対しても透過性が高く、損傷を受けにくく、安定した動作を行わせることができる。
なお、上記光学素子1は、セル構造体3がマトリックス状に配置されているが、セル構造体3の配置は、マトリックス状に限るものではなく、例えば、同心円状に配置されていても良い。
このように、セル構造体3の配置を変化させることによって、意図するパターンの形成を適宜に行うことができる。
図3は、本発明の光学素子及び光学素子の作製方法の第2実施例を適用した光学素子10の正面断面図である。
なお、本実施例は、上記第1の実施例の光学素子1と同様の光学素子に適用したものであり、本実施例の説明においては、上記第1の実施例の光学素子1と同様の構成部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図3において、本実施例の光学素子10は、光に対して透過性を有する透明基板2に複数の中空のセル構造体3がマトリックス状に形成されており、セル構造体3は、その上面が開口した四角形状に形成されている。
各セル構造体3は、その底面(図3の下面)に、光を反射させる金属膜(反射膜)11が形成されており、この金属膜11は、例えば、スパッタリングや蒸着等の方法で形成される。すなわち、セル構造体3は、内面のうち、入射光に対向する面に金属膜11が形成されている。
また、セル構造体3は、列方向に、光に対して透過性を有する液状物質4の入れられているセル構造体3aと液状物質4の入れられていないセル構造体3bとが、1列おきに配列されている。
そして、光学素子10は、液状物質4がセル構造体3a内に入れられた後に、光に対して透過性を有する透明蓋基板5で覆われて、各セル構造体3が密閉されている。すなわち、光学素子10は、液状物質4の封入されている光に対して透過性を有するとともにその底面に金属膜11の形成されているセル構造体3aが部分的、本実施例では、液状物質4の封入されていないセル構造体3bを挟んで列状に配列された状態となっている。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の光学素子10は、液状物質4が封入されているとともにその底面に反射板として金属膜11の形成されているセル構造体3aと、液状物質4は封入されていないが金属膜11の形成されているセル構造体3bと、を部分的に配置することで、入射光の位相を空間的に変化させて反射させる。
すなわち、光学素子10は、図3の上方向から光が入射され、各セル構造体3に入射した光が金属膜11で反射されるとともに、液状物質4の封入されているセル構造体3aでは、上述のように、入射時と反射時の両方で、液状物質4を通過する際に位相変化が発生し、空間的に位相変調させることができる。
そして、本実施例の光学素子10は、入射光を金属膜11を用いて反射させて出射させているため、透過型の場合に比較して、厚さが半分でよく、より低アスペクトな構造で、光の位相を空間的に変調させることができる。
図4〜図6は、本発明の光学素子及び光学素子の作製方法の第3実施例を示す図であり、図4は、本発明の光学素子及び光学素子の作製方法の第3実施例を適用した光学素子20の正面断面図である。
なお、本実施例は、上記第1の実施例の光学素子1と同様の光学素子に適用したものであり、本実施例の説明においては、上記第1の実施例の光学素子1と同様の構成部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図3において、本実施例の光学素子20は、光に対して透過性を有する透明基板2に複数の中空のセル構造体3がマトリックス状に形成されており、セル構造体3は、その上面が開口した四角形状に形成されている。
各セル構造体3は、場所によって異なる屈折率の液状物質4c〜4hが入れられており、例えば、列方向に、それぞれ異なる屈折率の液状物質4c〜4hの入れられたセル構造体3c〜3hが配列されている。
そして、光学素子20は、液状物質4c〜4hがセル構造体3c〜3h内に入れられた後に、光に対して透過性を有する透明蓋基板5で覆われて、各セル構造体3c〜3hが密閉されている。すなわち、光学素子20は、それぞれ屈折率の異なる液状物質4c〜4hの封入されている光に対して透過性を有するセル構造体3c〜3hが列状に配列された状態となっている。
上記光学素子20の各セル構造体3c〜3hへの液状物質4c〜4hの注入には、例えば、図5に示すような液状物質供給装置30を用いることができる。
図5において、液状物質供給装置30は、複数、図5では、3つの液溜まり部31a〜31c、バルブ32a〜32c、流路33、バルブ34及び合成液溜まり部35等を備えており、各液溜まり部31a〜31cには、それぞれ異なる液状物質36a〜36cが貯留されている。例えば、液溜まり部31aには、屈折率n1の透明な液状物質36aが、液溜まり部31bには、屈折率n1で光透過率がα1の液状物質36bが、液溜まり部31cには、屈折率n2の透明な液状物質36cが、それぞれ貯留されている。各液溜まり部31a〜31cには、流路33が繋がっており、各液溜まり部31a〜31cの出口の流路33には、それぞれバルブ32a〜32cが設けられている。各液溜まり部31a〜31cに繋がっている流路33は、合成液溜まり部35に繋がっており、合成液溜まり部35への入口部分の流路33には、バルブ34が設けられている。
この液状物質供給装置30は、ディスペンサーやインク噴射方式のプリンタのインク噴射機構等を流用することができる。特に、インク噴射方式のプリンタのインク噴射機構は、ピエゾ素子の駆動によって流路から液状物質を押し出す機構が、高速であり精度も高く、汎用的に用いられていることから液状物質供給装置30に良好な状態で適用することができる。
そして、この液状物質供給装置30は、各バルブ32a〜32cを調整することで、各液溜まり部31a〜31cからの液状物質36a〜36cの流量を調整し、光学素子20の各セル構造体3c〜3hに注入する液状物質4c〜4hを合成して流路33及びバルブ34を介して合成液溜まり部35に送って、合成液溜まり部35から目的とするセル構造体3c〜3hに液状物質4c〜4hを注入する。この場合、バルブ32a〜32cを調整することで、液状物質36aと液状物質36bの合成の割合を調整して、注入する液状物質4c〜4hの光透過率の調整を行い、この合成液と液状物質36cとの合成の割合を調整して、屈折率の調整を行う。
実際の光学素子20の各セル構造体3c〜3hへの液状物質4c〜4hの注入においては、このような液状物質供給装置30を複数台並列に並べて行うと、高速に液状物質4c〜4hをセル構造体3c〜3hに注入することができる。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の光学素子20は、それぞれ屈折率の異なる液状物質4c〜4hが封入されているセル構造体3c〜3hを列状に配置することで、入射光の位相を空間的に変化させて透過させる。
すなわち、光学素子20は、図4の上方向または下方向から光が入射され、各セル構造体3c〜3hに入射した光が当該セル構造体3c〜3hに封入されている液状物質4c〜4hの屈折率に応じて屈折されて透過し、この液状物質4c〜4hを通過する際に各セル構造体3c〜3hを通過する光にそれぞれ異なる位相変化をおこさせて、空間的に位相変調させることができる。
例えば、各セル構造体3c〜3hの液状物質4c〜4hの屈折率を、例えば、図6(a)に示すような位相分布が得られるように調整して、光学素子20を作製し、この光学素子20を用いて光を透過して位相変調させた光をレンズで集光させると、図6(b)に示すような強度分布がホログラム像再生によって得ることができる。
すなわち、本実施例の光学素子20は、屈折率の異なる複数の液状物質4c〜4hをセル構造体3c〜3hに封入することで、多段的に屈折率を変調することができ、マルチレベルでの回折光学素子やホログラフィック素子として利用することができる。
また、本実施例の光学素子20では、液状物質供給装置30を用いて、2つ以上の液状物質4c〜4hを混ぜて、意図する屈折率や透過率の液状物質を生成して注入しているので、容易に液状物質4c〜4hの屈折率や透過率を調整することができる。
さらに、液状物質供給装置30を用いると、液状物質4c〜4hを微細なセル構造体3c〜3hに的確にかつ素早く注入することができ、生産性を向上させることができる。
また、液状物質供給装置30は、液状物質4c〜4hのセル構造体3c〜3hへの注入を、各液溜まり部31a〜31cの屈折率や光透過率の異なる液状物質36a〜36cを任意の割合で合成しながら行うので、任意の屈折率や光透過率の液状物質4c〜4hを自由に生成して注入することができ、位相と強度の両方を空間的に変調する光学素子20を速やかにかつ容易に作製することができる。
さらに、本実施例の光学素子20は、従来のように、表面形状を多段階的に作成することなく、多段階的に屈折率を変調することができ、光学素子20を安価なマルチレベルの回折光学素子として利用することができる。また、同一形状の光学素子20を多数作製して、セル構造体3c〜3hに封入する液状物質4c〜4hとして、屈折率の異なるさまざまな液状物質を用いると、種々の回折光学素子を安価に製造することができ、特に、多品種少量生産の場合には、従来の場合よりも安価に製造することができる。
なお、上記各実施例において、液状物質4に、光吸収性のある材料を添加すると、当該光吸収材料の光のある波長に対する吸収係数をαとし、透過距離をLとすると、光の透過率Tは、次式(2)で示される。
透過率T=exp(−αL)・・・(2)
すなわち、吸収係数αの異なる光吸収材料を用いることで、液状物質4の光透過率を制御することができ、この場合、当該液状物質4の注入されているセル構造体3の透過光の位相と透過率変化は、屈折率の異なる液状物質の混合割合と吸収係数αの異なる光吸収材料の混合割合を調整することで、同時に制御することができる。
したがって、光の位相と強度を同時に調整することができる。
また、液状物質4は、光吸収材料として、透過光の波長に対して吸収性のある材料を用いて添加することで、光の屈折率と同時に吸収率を変化させるものとすることができる。
このように、光吸収材料を液状物質4に添加することで、光の位相に加えて、光の空間的強度の調整を同時に行うことができ、3次元的なホログラム像を容易に作成することができ、また、ホログラムのノイズの低減、ホログラムパタンの設計の簡易化を容易に行うことができる。
さらに、液状物質4は、溶液に色素を混合することで、光の透過率を変化させるものであってもよい。
このようにすると、混合する色素の量を調整することで、容易に光の透過率を調整することができ、光の透過率の異なる複数の液状物質4を簡単かつ容易に調整することができる。
また、液状物質4には、光散乱微粒子を添加しても良い。すなわち、光の透過率を調整するために、光吸収材料を用いると、光を吸収することで、熱が発生し、光強度のレーザ光に対しては、耐性が低いものとなる。ところが、光散乱微粒子を液状物質4に添加すると、入射光を当該光散乱微粒子で散乱させて、発熱することなく、透過光あるいは反射光強度を変化させることができ、光強度レーザ光に対しても十分な耐性を持った光学素子を作製することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明の光学素子及び光学素子の作製方法は、光の空間位相分布及び空間的な強度分布を調整するリソグラフィ、レーザ加工、画像表示装置等のビームホモジェナイザー・ビーム分岐素子、ビームパターン整形素子等として利用することができる。
本発明の光学素子及び光学素子の作製方法の第1実施例を適用した光学素子の斜視図。 図1の光学素子の正面断面図。 本発明の光学素子及び光学素子の作製方法の第2実施例を適用した光学素子の正面断面図。 本発明の光学素子及び光学素子の作製方法の第3実施例を適用した光学素子の正面断面図。 本発明の光学素子及び光学素子の作製方法で用いる液状物質供給装置の概略構成図。 図4の各セル構造体の液状物質の屈折率の位相分布の一例を示す図(a)とそのセル構造体を通過した光が集光されてできるホログラム像の一例を示す図(b)。
符号の説明
1 光学素子
2 透明基板
3、3a、3b、3c〜3h セル構造体
4、4c〜4h 液状物質
5 透明蓋基板
10 光学素子
11 金属膜
20 光学素子
30 液状物質供給装置
31a〜31c 液溜まり部
32a〜32c バルブ
33 流路
34 バルブ
35 合成液溜まり部
36a〜36c 液状物質

Claims (11)

  1. 入射光を空間的に位相変調して出射させる光学素子であって、当該入射光に対して透過性を有し所定形状の中空部を有する構造体が当該入射光に対向する面方向に複数分布する状態で配置され、当該複数の構造体のうち少なくとも1つの構造体の中空部内に所定の液状物質が封入されていることを特徴とする光学素子。
  2. 前記光学素子は、前記複数の構造体のうち、2つ以上の構造体の中空部内に、前記液状物質としてそれぞれ屈折率の異なる液状物質が封入されていることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  3. 前記2つ以上の構造体の中空部内に封入されているそれぞれ屈折率の異なる液状物質は、2種類以上の屈折率の異なる液状物質が混ぜ合わされて作製されていることを特徴とする請求項2記載の光学素子。
  4. 前記光学素子は、前記複数の構造体のうち、2つ以上の構造体の中空部内に、前記液状物質としてそれぞれ光の透過率の異なる液状物質が封入されていることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  5. 前記2つ以上の構造体の中空部内に封入されているそれぞれ光の透過率の異なる液状物質は、所定の液状物質にそれぞれ所定の色素が分散されて作製されていることを特徴とする請求項4記載の光学素子。
  6. 前記2つ以上の構造体の中空部内に封入されているそれぞれ光の透過率の異なる液状物質は、所定の液状物質にそれぞれ所定の微粒子が分散されて作製されていることを特徴とする請求項4記載の光学素子。
  7. 前記構造体は、前記中空部内面のうち前記入射光に対向する側の面に、反射板が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の光学素子。
  8. 前記光学素子は、前記液状物質を所定の流速で吐出する液状物質供給装置から前記構造体の中空部内に前記液状物質が注入された後、当該中空部が密閉されて作製されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の光学素子。
  9. 前記液状物質供給装置は、複数の異なる液状物質を任意の割合で合成して前記構造体の中空部内に注入することを特徴とする請求項8記載の光学素子。
  10. 入射光に対して透過性を有し所定形状の中空部を有する構造体が当該入射光に対向する面方向に複数分布する状態で配置され、当該複数の構造体のうち少なくとも1つの構造体の中空部内に所定の液状物質が封入されることで、前記入射光を空間的に位相変調させる光学素子の製造方法であって、前記液状物質を吐出する液状物質供給装置から前記構造体の中空部内に前記液状物質を注入した後、当該中空部を密閉することを特徴とする光学素子の製造方法。
  11. 前記光学素子の製造方法は、前記液状物質供給装置から複数の異なる液状物質を任意の割合で合成して当該合成した液状物質を前記構造体の中空部内に注入することを特徴とする請求項10記載の光学素子の製造方法。
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KR20200029925A (ko) * 2018-09-11 2020-03-19 삼성전자주식회사 광변조 소자와 그 동작방법 및 광변조 소자를 포함하는 장치

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