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JP2014182311A - 偏光板およびその製造方法 - Google Patents

偏光板およびその製造方法 Download PDF

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JP2014182311A
JP2014182311A JP2013057408A JP2013057408A JP2014182311A JP 2014182311 A JP2014182311 A JP 2014182311A JP 2013057408 A JP2013057408 A JP 2013057408A JP 2013057408 A JP2013057408 A JP 2013057408A JP 2014182311 A JP2014182311 A JP 2014182311A
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和宏 沖
Hideaki Kagawa
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渉 馬島
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Abstract

【課題】膜厚が薄い偏光板を提供する。
【解決手段】光学異方性層と光学的に等方性のアクリルポリマー層とを含む光学フィルムおよび偏光子を含む偏光板であって、前記光学異方性層は、液晶化合物を含む重合性組成物を光照射して前記液晶化合物を重合させることにより形成された層であり、前記アクリルポリマー層は、前記の液晶化合物を含む重合性組成物から形成される層の表面に直接塗布された(メタ)アクリレートを含む重合性組成物を硬化させることにより形成された層であり、前記アクリルポリマー層の膜厚が前記光学異方性層の膜厚よりも大きい、偏光板。
【選択図】なし

Description

本発明は、偏光板およびその製造方法に関する。
スマートフォンやタブレットPC等の市場の拡大により、ディスプレイにもますます、薄型化が求められている。この流れの中で、透明で低複屈折性の光学フィルムとして従来から用いられているセルロースアシレート系ポリマーフィルムに加えて、アクリル系ポリマーフィルム、シクロオレフィン系ポリマーフィルムなどの様々なフィルムを偏光板の保護フィルムとして利用することが試みられている(例えば特許文献1)。これらのフィルムは、価格が高い、取扱い時にへこみなどを生じやすいなどの問題があり、実用のためには改善の余地がある。また、ディスプレイの薄型化のために保護フィルムが位相差を有する構成も求められる。
特開2009−175222号公報
本発明は膜厚が薄い偏光板の提供を課題とする。本発明は特に位相差を有する薄膜の光学フィルムを保護フィルムとして有する偏光板の提供を課題とする。本発明は、また、前記偏光板の製造方法の提供も課題とする。
薄型フィルムは、上記のへこみや傷防止のため、または取扱い性のために、ラミネートフィルムが貼付された材料として製造、搬送される場合がある。本発明者らは、薄膜形成のためラミネートフィルムとして機能しうるフィルムを仮支持体として用い、重合性化合物を含む組成物を仮支持体上に塗布後、前記化合物を重合させることによるアクリル系ポリマーフィルムの作製を試みた。しかし、仮支持体とアクリル系ポリマーフィルムの剥離性が不十分であるとの問題に直面した。この問題の解決のために本発明者がさらに鋭意研究を重ねた結果、仮支持体上へのアクリル系ポリマー層の形成の前に液晶化合物から形成される光学異方性層を設けることにより、アクリル系ポリマー層の仮支持体からの剥離性が改善し、制御された位相差も付与できることを見出した。そして、本発明者らは、これが、仮支持体上へ配向膜を介さずに直接、液晶化合物を含む組成物の光硬化により形成した位相差を有する薄膜(光学異方性層)を形成した場合、その薄膜を仮支持体から欠陥なく剥離することも可能としていることを見出した。従来は、本発明者らが試行錯誤しても、液晶化合物を含む組成物の光硬化により形成した位相差を有する薄膜(光学異方性層)は、仮支持体から欠陥なく剥離できず、本発明者らは位相差を有する薄膜が仮支持体からの剥離の際に壊れやすいという難しい課題に悩まされていた。
上記の知見に基づいて、本発明者らは、偏光板の保護フィルムとして用いることが可能な光学フィルムを提供できる光学フィルム材料を得て、さらに検討を重ね、本発明を完成させた。すなわち、本発明は下記の[1]〜[11]を提供するものである。
[1]光学異方性層と光学的に等方性のアクリルポリマー層とを含む光学フィルムおよび偏光子を含む偏光板であって、
前記光学異方性層は、液晶化合物を含む重合性組成物を光照射して前記液晶化合物を重合させることにより形成された層であり、
前記アクリルポリマー層は、前記の液晶化合物を含む重合性組成物から形成される層の表面に直接塗布された(メタ)アクリレートを含む重合性組成物を硬化させることにより形成された層であり、
前記アクリルポリマー層の膜厚が前記光学異方性層の膜厚よりも大きい、偏光板。
[2]前記光学異方性層の膜厚が0.5μm〜5μmである、[1]に記載の偏光板。
[3]前記光学異方性層の膜厚が0.5μm〜3μmである、[1]に記載の偏光板。
[4]前記光学異方性層と前記偏光子とが直接接している[1]〜[3]のいずれか一項に記載の偏光板。
[5]前記アクリルポリマー層と前記偏光子とが直接接している[1]〜[4]のいずれか一項に記載の偏光板。
[6]セルロースアシレートフィルムを含み、
前記光学フィルム、前記偏光子、および前記セルロースアシレートフィルムをこの順で含む[1]〜[5]のいずれか一項に記載の偏光板。
[7]前記液晶化合物が(メタ)アクリル基を2つ以上有する化合物である[1]〜[6]のいずれか一項に記載の偏光板。
[8]前記偏光子からみて、前記光学フィルム側の最外層にハードコート層を含む[1]〜[7]のいずれか一項に記載の偏光板。
[9][1]〜[8]のいずれか一項に記載の偏光板の製造方法であって、
(1)以下の光学フィルム材料を用意すること:
延伸フィルムからなる層と光学異方性層と光学的に等方性のアクリルポリマー層とを含み、
前記の延伸フィルムからなる層はラビング処理した面を有し、
前記光学異方性層は、前記面に直接塗布された液晶化合物を含む重合性組成物を光照射して前記液晶化合物を重合させることにより形成された層であり、
前記アクリルポリマー層は、前記の液晶化合物を含む重合性組成物から形成される層の表面に直接塗布された(メタ)アクリレートを含む重合性組成物を硬化させることにより形成された層であり、かつ、
前記アクリルポリマー層の膜厚が前記光学異方性層の膜厚よりも大きい、光学フィルム材料、
(2)前記光学フィルム材料の延伸フィルムからなる層を剥離すること、
(3)前記光学フィルム材料または前記の延伸フィルムからなる層の剥離後の光学フィルムを、偏光子を含むフィルムに積層することを含む製造方法。
[10]前記光学フィルム材料が前記光学異方性層からみて前記アクリルポリマー層側の面で前記偏光子を含むフィルムに積層され、その後前記光学フィルム材料の延伸フィルムからなる層が剥離される、[9]に記載の製造方法。
[11]前記光学フィルム材料の延伸フィルムからなる層が剥離され、その後、前記の延伸フィルムからなる層の剥離後の光学フィルムが前記偏光子を含むフィルムに積層される、[9]に記載の製造方法。
本発明により、薄くて高性能な偏光板が提供される。
本発明の偏光板層構成の例を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を含む意味で使用される。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルタをマニュアルで交換するか、又は測定値をプログラム等で変換して測定することができる。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(11)及び式(12)よりRthを算出することもできる。
式(11)
Figure 2014182311
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。
式(11)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚である。
式(12):Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
式(12)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚である。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
本明細書では、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。例えば、単にReと記載されているときは、Re(550)を示す。
また、本明細書において、角度(例えば「90°」等の角度)、およびその関係(例えば「直交」、「平行」、および「45°で交差」等)については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、厳密な角度±10°未満の範囲内であることを意味し、厳密な角度との誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。さらに、レターデーションが実質的に0とは、Re(550)≦10nmかつRth(550)≦10nm、好ましくはRe(550)≦5nm以下かつRth(550)≦5nmであることを意味する。
[偏光板]
本発明の偏光板は、光学異方性層と光学的に等方性のアクリルポリマー層とを含む光学フィルムおよび偏光子を含む。偏光子のいずれか一方の面、または両方の面に前記光学フィルムが配置されていればよい。偏光子のいずれか一方の面に前記光学フィルムが配置されているときの他方の面には、保護フィルムが配されていることが好ましい。偏光子と光学フィルムとの間に保護フィルムが配されていてもよい。保護フィルムとしては、セルロースアシレ―ト系ポリマーフィルム、アクリル系ポリマーフィルム、またはシクロオレフィン系ポリマーフィルムを用いることができる。セルロースアシレ―ト系ポリマーに関しては特開2011−237474号公報のセルロースアシレ―ト系樹脂に関する記載を参照できる。
本発明の偏光板における光学フィルムでは偏光子側から、光学異方性層、アクリルポリマー層の順で積層されていてもよく、アクリルポリマー層、光学異方性層の順で積層されていてもよい。光学異方性層またはアクリルポリマー層のいずれか一方が偏光子と直接接していてもよい。
本発明の偏光板の層構成の例を図1に示す。
[光学フィルム]
本明細書において、光学フィルムとは、各種表示装置、発光装置、偏光板などの各種光学素子などの、光学部材に用いることができるフィルムを意味する。本発明において、光学フィルムは、例えば、100μm以下、60μm以下、40μm以下、25μm以下、10μm以下、または5μm以下程度の膜厚であることが好ましい。光学フィルムはまた、透明である(例えば、光透過率が80%以上)ことも好ましい。光学フィルムは低複屈折性であっても高複屈折性を有していてもよい。制御された複屈折性を有することが好ましい。
[光学異方性層]
光学異方性層は、レターデーションを測定したときにレターデーションが実質的に0でない入射方向が一つでもある、即ち等方性でない光学特性を有する層である。本発明で用いられる光学フィルムにおける光学異方性層は、液晶化合物を含む重合性組成物に光照射して前記液晶化合物を重合させることにより形成されたものである。前記重合性組成物は、少なくとも1つの重合性基を有する液晶化合物を含んでおり、光照射により前記液晶組成物が重合性基により重合するものであればよい。前記重合性組成物は、仮支持体上に塗布され、形成されたものであることが好ましい。特に、延伸フィルムをラビング処理した面に直接塗布され、形成されたものであることが好ましい。塗布層をさらに、室温等により乾燥させる、または加熱(例えば 50℃〜150℃、好ましくは80℃〜120℃の加熱)することにより、該層中の前記液晶化合物分子を配向させることができる。これを光照射して重合固定化することにより、光学異方性層が形成されていればよい。
光学異方性層の膜厚は、10μm以下、8μm未満、7μm以下、6μm以下、5μm以下、4μm以下、3μm以下、2μm以下、1.9μm以下、1.8μm以下、1.7μm以下、1.6μm以下、1.5μm以下、1.4μm以下、1.3μm以下、1.2μm以下、1.1μm以下または1μm以下、また、0.2μm以上、0.3μm以上、0.4μm以上、0.5μm以上、0.6μm以上、0.7μm以上、0.8μm以上、0.9μm以上であればよい。光学異方性層の膜厚は、アクリルポリマー層の膜厚よりも小さいことが好ましい。
[液晶化合物]
液晶化合物としては、棒状液晶化合物、円盤状液晶化合物があげられる。
前記棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
棒状液晶化合物を重合によって配向を固定することがより好ましく、重合性棒状液晶化合物としては、Makromol. Chem., 190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号、WO95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号、同98/52905号、特開平1−272551号、同6−16616号、同7−110469号、同11−80081号、および特願2001−64627号などに記載の化合物を用いることができる。また、重合性棒状液晶化合物として好ましくは、下記一般式(1)にて表される重合性棒状液晶化合物である。
一般式(1) Q1−L1−Cy1−L2−(Cy2−L3)n−Cy3−L4−Q2
(一般式(1)中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基であり、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy1、Cy2およびCy3は二価の環状基であり、nは0、1、2または3である。)
以下にさらに一般式(1)で表される重合性棒状液晶化合物について説明する。
一般式(1)中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基である。重合性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
Figure 2014182311
上記のうち、好ましい重合性基としては、アクリル基、メタクリル基があげられる。特に一般式(1)におけるQ1およびQ2の双方がアクリル基またはメタクリル基であることが好ましい。これらの基を用いることにより、(メタ)アクリレートを含む重合性組成物を硬化させて形成されたアクリルポリマー層との密着性が良好になる傾向がある。
一般式(1)中、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基である。L1およびL4はそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR−、−C=N−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記Rは炭素原子数が1から7のアルキル基または水素原子である。Rは、炭素原子数1から4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることがもっとも好ましい。
組み合わせからなる二価の連結基の例を以下に示す。ここで、左側がQ(Q1またはQ2)に、右側がCy(Cy1またはCy3)に結合する。
L−1:−CO−O−二価の鎖状基−O−
L−2:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−3:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−4:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−
L−5:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−O−
L−6:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−O−CO−
L−7:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−8:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−9:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−10:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−
L−11:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−O−
L−12:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−O−CO−
L−13:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−14:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−15:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−16:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−
L−17:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−18:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−19:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−20:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−21:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基を意味する。アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基およびアルケニレン基がさらに好ましい。
アルキレン基は、分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素数は2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基の具体例としては、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、2−メチル−テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、2−ブテニレン、2−ブチニレンなどが上げられる。
二価の環状基の定義および例は、後述するCy1、Cy2およびCy3の定義および例と同様である。
一般式(1)中、L2またはL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基である。L2およびL3はそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR−、−C=N−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基または単結合であることが好ましい。上記Rは炭素原子数が1から7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1から4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることがもっとも好ましい。二価の鎖状基、および二価の環状基についてはL1およびL4の定義と同義である。
2またはL3として好ましい二価の連結基としては、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−OCONR−、−COS−、−SCO−、−CONR−、−NRCO−、−CH2CH2−、−C=C−COO−、−C=N−、−C=N−N=C−、等が挙げられる。
一般式(1)において、nは0、1、2または3である。nが2または3の場合、二つのL3は同じであっても異なっていてもよく、二つのCy2も同じであっても異なっていてもよい。nは1または2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。
一般式(1)において、Cy1、Cy2およびCy3は、それぞれ独立に、二価の環状基である。
環状基に含まれる環は、5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることがもっとも好ましい。
環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。
環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
ベンゼン環を有する環状基としては、1、4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1、5−ジイルおよびナフタレン−2、6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1、4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2、5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2、5−ジイルが好ましい。
環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1乃至5のアルキル基、炭素原子数が1乃至5のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1乃至5のアルコキシ基、炭素原子数が1乃至5のアルキルチオ基、炭素原子数が2乃至6のアシルオキシ基、炭素原子数が2乃至6のアルコキシカルホ゛ニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2乃至6のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2乃至6のアシルアミノ基が含まれる。
以下に、一般式(1)で表される重合性棒状液晶化合物の例を示すが、本発明重合性棒状液晶化合物の例はこれらに限定されるものではない。
Figure 2014182311
Figure 2014182311
Figure 2014182311
Figure 2014182311
また、前記棒状液晶化合物としては、前記一般式(1)で表される重合性棒状液晶化合物に加え、少なくとも一種の下記一般式(2)で表される化合物を併用することが好ましい。
一般式(2)
1−(L1)p−Cy1−L2−(Cy2−L3)n−Cy3−(L4)q−M2
(一般式(2)中、M1およびM2はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ハロゲン、−SCN、−CF3、ニトロ基、または、Q1を表すが、M1およびM2の少なくとも一つは、Q1以外の基を表す。
ただし、Q1、L1、L2、L3、L4、Cy1、Cy2、Cy3およびnは前記一般式(1)で表される基と同義である。また、pおよびqは0、または1である。)
1およびM2がQ1を表さない場合、M1およびM2は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、シアノ基であることが好ましく、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、もしくは、フェニル基であり、pおよびqは0であることが好ましい。
また、前記一般式(1)で表される重合性液晶化合物と、一般式(2)で表される化合物の混合物中における、一般式(2)で表される化合物の好ましい混合比率としては、0.1%〜40%であり、より好ましくは、1%〜30%であり、更に好ましくは、5%〜20%である。
以下に、一般式(2)で表される化合物の好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2014182311
Figure 2014182311
前記円盤状液晶性化合物は、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されている。円盤状液晶性化合物の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。円盤状液晶性化合物を重合により固定するためには、円盤状液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。即ち、光硬化型円盤状液晶性化合物は、下記式(3)で表わされる化合物であることが好ましい。
一般式(3)
D(−L−P)n
(一般式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは4〜12の整数である。)
前記式(3)中の円盤状コア(D)、二価の連結基(L)および重合性基(P)の好ましい具体例は、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)であり、同公報に記載の内容を好ましく用いることができる。
前記一般式(1)〜(3)で表わされる化合物は重合性組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対し、80質量%以上、90質量%以上、または、95質量%以上、また、99.99質量%以下、99.98質量%以下、99.97質量%以下で含まれていればよい。特に、アクリル基、またはメタクリル基を含む化合物が、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、または、95質量%以上、また、99.99質量%以下、99.98質量%以下、99.97質量%以下で含まれていることが好ましい。
液晶化合物は、水平配向、垂直配向、傾斜配向、およびねじれ配向のいずれの配向状態で固定されていてもよい。尚、本明細書において「水平配向」とは、棒状液晶の場合、分子長軸と透明支持体の水平面が平行であることをいい、円盤状液晶の場合、円盤状液晶化合物のコアの円盤面と透明支持体の水平面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が10度未満の配向を意味するものとする。本発明の光学フィルム材料における光学異方性層としては、棒状液晶化合物を水平配向させた状態で固定化されたものを含むことが好ましい。
[溶媒]
液晶化合物を含有する組成物を、塗布液として調製する場合の塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒もしくは水、またはこれらの混合溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例としては、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)、アルキルアルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール)が挙げられる。また、二種類以上の溶媒を混合して使用してもよい。上記の中で、アルキルハライド、エステル、ケトンおよびそれらの混合溶媒が好ましい。
後述のアクリルポリマー層作製のための組成物にも同様の溶媒を用いることができる。
[配向固定化]
液晶化合物の重合反応は、光重合反応であればよい。光重合反応としては、ラジカル重合、カチオン重合のいずれでもよいが、ラジカル重合が好ましい。ラジカル光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。カチオン光重合開始剤の例には、有機スルフォニウム塩系、ヨードニウム塩系、フォスフォニウム塩系等を例示することができ、有機スルフォニウム塩系、が好ましく、トリフェニルスルフォニウム塩が特に好ましい。これら化合物の対イオンとしては、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロフォスフェートなどが好ましく用いられる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。液晶化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、10mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、25〜1000mJ/cm2であることがさらに好ましい。照度は10〜2000mW/cm2であることが好ましく、20〜1500mW/cm2であることがより好ましく、40〜1000mW/cm2であることがさらに好ましい。照射波長としては250〜450nmにピークを有することが好ましく、300〜410nmにピークを有することがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは加熱条件下で光照射を実施してもよい。
[水平配向剤]
液晶化合物を含む重合性組成物中に、特開2009−69793号公報の段落「0098」〜「0105」に記載の、一般式(1)〜(3)で表される化合物および一般式(4)のモノマーを用いた含フッ素ホモポリマーまたはコポリマーの少なくとも一種を含有させることで、液晶化合物の分子を実質的に水平配向させることができる。液晶化合物を水平配向させる場合、その傾斜角は0〜5度が好ましく、0〜3度がより好ましく、0〜2度がさらに好ましく、0〜1度が最も好ましい。
水平配向剤の添加量としては、液晶化合物の質量の0.01〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.02〜1質量%が特に好ましい。なお、特開2009−69793号公報の段落「0098」〜「0105」に記載の一般式(1)〜(4)にて表される化合物は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
[その他の添加剤]
液晶化合物を含む重合性組成物はそのほか必要な添加剤を含んでいてもよいが、いわゆるカイラル剤を含んでいないことが好ましい。
[アクリルポリマー層]
本発明で用いられる光学フィルムは、(メタ)アクリレートを含む重合性組成物を硬化させて形成されたアクリルポリマー層を含む。光学フィルムにおいて、アクリルポリマー層としては、光学異方性層、または硬化前の光学異方性層の表面に直接、(メタ)アクリレートモノマーを含む重合性組成物を塗布し、この塗布層を硬化して形成される層を用いる。なお、光学異方性層または硬化前の光学異方性層につき、本明細書において、「液晶化合物を含む重合性組成物から形成される層」という場合がある。
アクリルポリマー層としては光学的に等方性であるものを用いればよい。光学的に等方性であるとは、面内レターデーション(Re(550))の絶対値が10nm以下、かつ、厚み方向レターデーション(Rth)の絶対値が10nm以下であることを意味する。
すなわち、アクリルポリマー層は、例えば、アクリレート基を有する液晶化合物を重合させて得られるポリマー層等を含まないことが好ましく、より詳しくは、液晶化合物を固形分量で80質量%以上、70質量%以上、60質量%以上、50質量%以上、40質量%以上、30質量%以上、20質量%以上、10質量%以上、5質量%以上、または1質量%以上で含む組成物を硬化させて得られたポリマー層ではないことが好ましい。
アクリルポリマーは、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸とその各種エステルの共重合体、スチレンと(メタ)アクリル酸あるいは各種(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸あるいは各種(メタ)アクリル酸エステルの共重合体等を挙げることができる。好ましい例としてはメチル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体、アリル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の共重合体、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体などを挙げることができる。これらのポリマーは単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。
アクリルポリマー層は(メタ)アクリレートおよびそのほかのモノマーを熱重合したものであっても光重合したものであってもよいが、光重合したものが特に好ましい。光重合反応は、液晶化合物を含む重合性組成物から形成される層に、(メタ)アクリレートを含む重合性組成物が直接塗布され、その塗布層において行われていればよい。光重合反応のための光照射は上述の液晶化合物の重合のための光照射と同様の条件で行われればよく、液晶化合物の重合のための光照射が、(メタ)アクリレートを同時に重合させていてもよい。
重合開始剤としては熱重合開始剤、光重合開始剤が、手法に合わせて適宜用いられる。
光重合開始剤としては米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書および同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール2量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾールおよびトリアリールイミダゾール2量体が好ましい。また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとしてあげることができる。
また重合開始剤の量は、アクリルポリマー層形成のための重合性組成物の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.2〜10質量%であることがさらに好ましい。
アクリルポリマー層に ハードコート性を持たせるために、アクリルポリマー層中のポリマーとしてTgの高いポリマーを用いてもよい。そのTgは50℃以上が好ましく、80℃以上であればより好ましく、100℃以上であればさらに好ましい。ポリマーのTgを上げるために、水酸基、カルボン酸基、アミノ基といった極性基を導入するとよい。高Tgポリマーの一例として、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートの反応物、アルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物、アルキル(メタ)アクリレートと、水酸基含有(メタ)アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸等の酸無水物との反応物であるハーフエステルの共重合体等が挙げられる。
また、ハードコート性を付与するために、少なくとも1種類の二官能以上の重合性モノマーおよび重合性ポリマーを含む層を光照射または熱により重合した層を用いてもよい。反応性基としては、(メタ)アクリル基のほか、ビニル基、アリル基、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基等が挙げられる。重合性ポリマーの一例として、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロール1,3−ジ(メタ)アクリレート等の重合性基含有アクリレートの反応物。重合性基含有アクリレートの反応物(メタ)アクリル酸との共重合体、および他のモノマーとの多元共重合体が挙げられる。
アクリルポリマー層の膜厚は、60μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、25μm以下、または15μm以下、また、2μm以上、3μm以上、3.5μm以上、4μm以上、4.5μm以上、または5μm以上であることが好ましい。本発明の光学フィルム材料においては、アクリルポリマー層の膜厚は、光学異方性層の膜厚よりも大きいことが好ましい。アクリルポリマー層の膜厚を光学異方性層の膜厚よりも大きくすることにより、アクリルポリマー層および光学異方性層を含む積層体を延伸フィルムから剥離することが容易である構成とすることができる。アクリルポリマー層の膜厚と光学異方性層の膜厚との比は、それぞれの膜厚にもよるが、例えば、「アクリルポリマー層の膜厚」/「光学異方性層の膜厚」が、6〜5、5〜4、4〜3、3〜2、2〜1.5、1.5〜1.1などであればよい。通常それぞれの膜厚が小さいほど、「アクリルポリマー層の膜厚」/「光学異方性層の膜厚」を大きくすることが好ましい。
[塗布方法]
光学異方性層またはアクリルポリマー層などの形成の際の組成物の塗布は、ディップコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、スリットコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)により、行うことができる。二以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
[光学フィルムの作製方法]
本発明で用いられる光学フィルムは、仮支持体と光学異方性層とアクリルポリマー層とを含む光学フィルム材料から提供されるものであってもよい。本明細書において、光学フィルム材料とは光学フィルムを供給するための材料を意味する。具体的には、仮支持体として機能する延伸フィルムからなる層を剥離して光学フィルムを提供できるものであればよい。
光学フィルム材料は、延伸フィルムからなる層と、光学異方性層と、(メタ)アクリレートを含む重合性組成物を硬化させて形成されたアクリルポリマー層とを含むことが好ましい。光学フィルム材料において、延伸フィルムからなる層および光学異方性層、並びに光学異方性層およびアクリルポリマー層は、それぞれ互いに直接接していることが好ましい。
[延伸フィルム]
光学フィルム材料に用いられる延伸フィルムは、特に限定されず、一軸延伸フィルムであっても、二軸延伸フィルムであってもよいが、一軸延伸フィルムであることが好ましい。延伸フィルムは熱可塑性樹脂フィルムを延伸したものであることが好ましい。熱可塑性樹脂としては例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系ポリマー、シクロオレフィンポリマー(例えば、ノルボルネン系樹脂(日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等)が好ましい。この中でポリエチレンテレフタレート(PET)がより好ましい。延伸条件は特に限定されない。例えば、特開2009−214441号公報の記載を参照して行うことができる。
延伸フィルムからなる層の膜厚としては10μm〜1000μm程度であればよく、好ましくは25μm〜250μmであり、より好ましくは30μm〜90μmである。
本発明の光学フィルム材料において、延伸フィルムからなる層はラビング処理した面を有し、ラビング処理した面には直接光学異方性層が設けられる。
ラビング処理は、一般にはポリマーを主成分とする膜の表面を、紙や布で一定方向に数回擦ることにより実施することができる。ラビング処理の一般的な方法については、例えば、「液晶便覧」(丸善社発行、平成12年10月30日)に記載されている。
ラビング密度を変える方法としては、「液晶便覧」(丸善社発行)に記載されている方法を用いることができる。ラビング密度(L)は、下記式(A)で定量化されている。
式(A) L=Nl(1+2πrn/60v)
式(A)中、Nはラビング回数、lはラビングローラーの接触長、rはローラーの半径、nはローラーの回転数(rpm)、vはステージ移動速度(秒速)である。
ラビング密度を高くするためには、ラビング回数を増やす、ラビングローラーの接触長を長く、ローラーの半径を大きく、ローラーの回転数を大きく、ステージ移動速度を遅くすればよく、一方、ラビング密度を低くするためには、この逆にすればよい。
また、ラビング処理の際の条件としては、特許4052558号の記載を参照することもできる。
光学フィルム材料は、上記の層のほか、低透湿層、保護層、帯電防止層、ハードコート層、接着層等の他の機能性層を含んでいてもよい。
光学フィルム材料は、例えば以下[A]〜[C]いずれかの製造方法で作製することができる。
[A](1)延伸フィルムの少なくとも一方の面をラビングすること、
(2)前記延伸フィルムのラビングされた面に液晶化合物を含む重合性組成物を塗布すること、
(3)前記の液晶化合物を含む重合性組成物から形成される層に直接、(メタ)アクリレートを含む重合性組成物を塗布すること、および
(4)前記の液晶化合物を含む重合性組成物および前記の(メタ)アクリレート含む重合性組成物を硬化させることを含む製造方法。
[B]前記硬化が光照射により行われる[A]に記載の製造方法。
[C][B]に記載の製造方法であって、
(1)延伸フィルムの少なくとも一方の面をラビングすること、
(2)前記延伸フィルムのラビングされた面に直接、液晶化合物を含む重合性組成物を塗布すること、
(2−2)前記の液晶化合物を含む重合性組成物を光照射して、前記液晶化合物を重合させて光学異方性層を形成すること、
(3)前記光学異方性層に直接、前記の(メタ)アクリレートを含む重合性組成物を塗布すること、
(3−2)前記の(メタ)アクリレートを含む重合性組成物を光照射して前記(メタ)アクリレートを重合させてアクリルポリマー層を形成することを、この順に含む製造方法。
[偏光子]
偏光子には、ヨウ素系偏光子、二色性染料を用いる染料系偏光子やポリエン系偏光子がある。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。本発明には、いずれの偏光子を用いてもよい。、例えば偏光子はポリビニルアルコール(PVA)と二色性分子から構成することが好ましい。ポリビニルアルコール(PVA)と二色性分子から構成される偏光子については例えば特開2009−237376号公報の記載を参照することができる。偏光子の膜厚は50μm以下であればよく、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。
[偏光板の作製方法]
本発明で用いられる偏光板は、例えば、以下のように製造することができる。
上述の光学フィルム材料の延伸フィルムからなる層を剥離し、前記の延伸フィルムからなる層の剥離後の光学フィルムを偏光子を含むフィルムに積層する。または、上述の光学フィルム材料を偏光子を含むフィルムに積層し、その後、延伸フィルムからなる層を剥離する。積層の際は両フィルムを接着剤等により接着してもよい。接着剤としては特に限定はないが、特開 2004−245925号公報に示されるような、分子内に芳香環を含まないエポキシ化合物の硬化性接着剤、特開2008−174667号公報記載の360〜450nmの波長におけるモル吸光係数が400以上である光重合開始剤と紫外線硬化性化合物とを必須成分とする活性エネルギー線硬化型接着剤、特開2008−174667号公報記載の(メタ)アクリル系化合物の合計量100質量部中に(a)分子中に(メタ)アクリロイル基を2以上有する(メタ)アクリル系化合物と、(b)分子中に水酸基を有し、重合性二重結合をただ1個有する(メタ)アクリル系化合物と、(c)フェノールエチレンオキサイド変性アクリレートまたはノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレートとを含有する活性エネルギー線硬化型接着剤などがあげられる。
偏光子を含むフィルムは、偏光子の他、保護フィルム、もう一つの上記保護フィルム、後述の環状オレフィン構造を有するポリマーを含む層などを含んでいてもよい。
[環状オレフィン構造を有するポリマーを含む層]
本発明の偏光板は環状オレフィン構造を有するポリマーを含む層を含むことが好ましい。環状オレフィン構造を有するポリマーを含む層を含むことにより、本発明の偏光板に透湿性を付与することができる。透湿性とは水は通さないが、水蒸気は通す性質を意味する。
環状オレフィン構造を有するポリマーを含む層はアクリルポリマー層であってもよい。すなわち、(メタ)アクリレートを含む重合性組成物が環状オレフィン構造を有するモノマーを含み、上記硬化により(メタ)アクリレートとともにポリマーを形成した層であってもよい。または、環状オレフィン構造を有するポリマーを含む層は光学フィルムと偏光子との間に配置されていてもよい。
環状オレフィン構造を有するポリマーを含む層の膜厚は、30μm以下であればよく、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。
[環状オレフィン構造]
環状オレフィン構造を含むポリマーの例としては、特開2009−237376号公報の記載を参照することができる。
[ハードコート層]
本発明の偏光板はハードコート層を含んでいてもよい。ハードコート層は最外層として含まれていればよく、前記偏光子からみて、前記光学フィルム側の最外層に含まれていることが好ましい。ハードコート層としては特開2012−103689号公報の記載を参照することができる。
本明細書において、ハードコート層とは、該層を形成することで透明支持体の鉛筆硬度が上昇する層をいう。実用的には、ハードコート層積層後の鉛筆硬度(JIS K5400)はH以上が好ましく、更に好ましくは2H以上であり、最も好ましくは3H以上である。ハードコート層の厚みは、0.4〜35μmが好ましく、更に好ましくは1〜30μmであり、最も好ましくは1.5〜20μmである。
具体的な組成については特開2012−103689号公報の記載を参照することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
<剥離型光学フィルムL―1の形成>
下記表1に示す塗布液(A)の処方に調製した塗布液を、ワイヤーバーを用いて、ラビング処理した富士フイルム製PET(厚さ75μm)に塗布し、室温にて30秒間乾燥させた後、90℃の雰囲気で2分間加熱し、その後フュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、光学異方性層を作製した。棒状液晶性化合物のフィルム面に対する平均傾斜角は0°であり、棒状液晶がフィルム面に対して水平に配向していることを確認した。また得られた膜厚は1.5μmとなった。
Figure 2014182311
Figure 2014182311
<アクリルポリマー層形成>
得られた光学異方性層の表面に、下記表2に示す塗布液(B)の処方に調製した塗布液を、ワイヤーバーを用いて塗布し、60℃で150秒乾燥の後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させて、厚さ5.0μmのアクリルポリマー層を形成し、光学フィルム材料を得た。
Figure 2014182311
Figure 2014182311
(仮支持体からの剥離)
上記で得られた光学異方性層を仮支持体から剥がし、光学フィルムを得た。
光学フィルムを偏光子と貼り合わせる際はアクリル接着剤を用いて貼り合わせをし、保護シートと貼り合わせる際は、保護シートの貼り合わせる面にコロナ処理を行い、アクリル接着剤を用いて貼り合わせた。
(支持体つき光学フィルムL−2の形成)
市販のセルロースアシレートフィルム(フジタック ZRD40、富士フイルム(株)製)を、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムのバンド面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/m2で塗布し、110℃に加熱した(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。続いて、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m2塗布した。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理したセルロースアシレートフィルムを作製した。
(アルカリ溶液組成)
───────────────────────────────────
アルカリ溶液組成(質量部)
───────────────────────────────────
水酸化カリウム 4.7質量部
水 15.8質量部
イソプロパノール 63.7質量部
界面活性剤
SF−1:C1429O(CH2CH2O)2OH 1.0質量部
プロピレングリコール 14.8質量部
───────────────────────────────────
(配向膜の形成)
上記のように鹸化処理した長尺状のセルロースアシレートフィルムに、下記の組成の配向膜塗布液を#14のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、更に100℃の温風で120秒乾燥し、配向膜を作製した。
──────────────────────────────────―
配向層用塗布液組成(%)
──────────────────────────────────―
ポリビニルアルコール(PVA205、クラレ(株)製) 3.23
ポリビニルピロリドン(Luvitec K30、BASF社製) 1.50
蒸留水 57.11
メタノール 38.16
──────────────────────────────────―
上記光学異方性層形成前の基材(配向膜を形成したもの)を使用する以外は上記の例と同様にして光学異方性層を形成し、支持体つき光学フィルムL−2を得た。光学フィルムを保護シートと貼り合わせる際は、光学異方性層面において行い保護シート面にコロナ処理を行ってからアクリル接着剤を用いて貼り合わせた。
(環状オレフィン樹脂シートT−1の作製)
市販されているシクロオレフィン系ポリマーフィルム“ZEONOR ZF14”(日本ゼオン製)を、下記表4に示す延伸温度(Tgは環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度)及び延伸倍率により延伸して、環状オレフィン樹脂シートT−1を得た。
偏光子と貼りあわせる際は、片面にコロナ処理を行い、コロナ処理面においてPVA系粘着剤を用いて貼り合わせた。
Figure 2014182311
(アクリル樹脂シートT−2の作製)
下記に記載のアクリル樹脂を使用した。このアクリル樹脂は市販品で入手可能である。
・ダイヤナールBR88(商品名)、三菱レイヨン(株)製、質量平均分子量1500000(以降アクリル樹脂AC−1とする)。
(紫外線吸収剤)
下記に記載の紫外線吸収剤を使用した。
・UV剤1:チヌビン328(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
(ドープB調製)
下記に記載の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、ドープBを調製した。
(ドープB組成)
アクリル樹脂AC−1 100質量部
紫外線吸収剤 UV剤1 2質量部
ジクロロメタン 300質量部
エタノール 40質量部
バンド流延装置を用い、前記調製したドープを2000mm幅でステンレス製のエンドレスバンド(流延支持体)に流延ダイから均一に流延した。ドープ中の残留溶媒量が40質量%になった時点で流延支持体から高分子膜として剥離し、延伸をせずに搬送し、乾燥ゾーンで130℃で乾燥を行った。得られたアクリル樹脂シートT−2の膜厚は40μmであった。
偏光子と貼りあわせる際は、片面にコロナ処理を行い、コロナ処理面においてPVA系粘着剤を用いて貼り合わせた。
(セルロースアシレートフィルム)
市販のセルロースアシレートフィルム(フジタック 40μmまたは80μm、富士フイルム(株)製)(TAC)の表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、更に100℃の温風で乾燥した。偏光子と貼りあわせる際は、得られたこれらの鹸化した面が偏光子側となるようにした。接着剤はPVA系接着剤を用いた。
(偏光子の作製)
厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜(偏光子)を得た。
得られた光学フィルム、偏光子、および上記の環状オレフィン樹脂シート、アクリル樹脂シートまたはセルロースアシレートフィルムを用いて、光学フィルム、片側偏光板保護シート(用いない例を含む)、偏光子、他方の偏光板保護シートの順で積層し、表に示す構成の実施例1〜12、比較例1〜5の偏光板を得た。
(偏光板のカール評価)
得られた偏光板を150mm×150mmに切り抜き、水平で平滑な台上に光学異方性層側を上にして静地させて、以下の評価を行った。結果を表に示す。

A:光学異方性層側へ強くカールした。
B:光学異方性層側へ弱くカールした。
C:わずかにカールするか、ほとんどカールがない。
Figure 2014182311
なお、実施例1〜12、比較例1〜5の偏光板の膜厚は以下の表に示す通りであった。
Figure 2014182311
1 偏光子
2 光学異方性層
3 アクリルポリマー層
4 保護フィルム1
5 ハードコート層
6 保護フィルム2

Claims (11)

  1. 光学異方性層と光学的に等方性のアクリルポリマー層とを含む光学フィルムおよび偏光子を含む偏光板であって、
    前記光学異方性層は、液晶化合物を含む重合性組成物を光照射して前記液晶化合物を重合させることにより形成された層であり、
    前記アクリルポリマー層は、前記の液晶化合物を含む重合性組成物から形成される層の表面に直接塗布された(メタ)アクリレートを含む重合性組成物を硬化させることにより形成された層であり、
    前記アクリルポリマー層の膜厚が前記光学異方性層の膜厚よりも大きい、偏光板。
  2. 前記光学異方性層の膜厚が0.5μm〜5μmである、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記光学異方性層の膜厚が0.5μm〜3μmである、請求項1に記載の偏光板。
  4. 前記光学異方性層と前記偏光子とが直接接している請求項1〜3のいずれか一項に記載の偏光板。
  5. 前記アクリルポリマー層と前記偏光子とが直接接している請求項1〜4のいずれか一項に記載の偏光板。
  6. セルロースアシレートフィルムを含み、
    前記光学フィルム、前記偏光子、および前記セルロースアシレートフィルムをこの順で含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の偏光板。
  7. 前記液晶化合物が(メタ)アクリル基を2つ以上有する化合物である請求項1〜6のいずれか一項に記載の偏光板。
  8. 前記偏光子からみて、前記光学フィルム側の最外層にハードコート層を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の偏光板。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の偏光板の製造方法であって、
    (1)以下の光学フィルム材料を用意すること:
    延伸フィルムからなる層と光学異方性層と光学的に等方性のアクリルポリマー層とを含み、
    前記の延伸フィルムからなる層はラビング処理した面を有し、
    前記光学異方性層は、前記面に直接塗布された液晶化合物を含む重合性組成物を光照射して前記液晶化合物を重合させることにより形成された層であり、
    前記アクリルポリマー層は、前記の液晶化合物を含む重合性組成物から形成される層の表面に直接塗布された(メタ)アクリレートを含む重合性組成物を硬化させることにより形成された層であり、かつ、
    前記アクリルポリマー層の膜厚が前記光学異方性層の膜厚よりも大きい、光学フィルム材料、
    (2)前記光学フィルム材料の延伸フィルムからなる層を剥離すること、
    (3)前記光学フィルム材料または前記の延伸フィルムからなる層の剥離後の光学フィルムを、偏光子を含むフィルムに積層することを含む製造方法。
  10. 前記光学フィルム材料が前記光学異方性層からみて前記アクリルポリマー層側の面で前記偏光子を含むフィルムに積層され、その後前記光学フィルム材料の延伸フィルムからなる層が剥離される、請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記光学フィルム材料の延伸フィルムからなる層が剥離され、その後、前記の延伸フィルムからなる層の剥離後の光学フィルムが前記偏光子を含むフィルムに積層される、請求項9に記載の製造方法。
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