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JP2017067964A - 光学シートとその製造方法、液晶表示装置 - Google Patents

光学シートとその製造方法、液晶表示装置 Download PDF

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JP2017067964A JP2015192145A JP2015192145A JP2017067964A JP 2017067964 A JP2017067964 A JP 2017067964A JP 2015192145 A JP2015192145 A JP 2015192145A JP 2015192145 A JP2015192145 A JP 2015192145A JP 2017067964 A JP2017067964 A JP 2017067964A
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太朗 橋爪
Taro Hashizume
太朗 橋爪
武田 淳
Atsushi Takeda
淳 武田
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Abstract

【課題】薄型であり、且つ、高温環境下、あるいは、高温高湿環境下においてもベンディングの生じにくい光学シートとその製造方法、及び液晶表示装置を提供する。【解決手段】光学シート1は、偏光子10と、偏光子の表面10sに隣接してなる配向層21と、配向層21の、偏光子10と反対側の表面21sに隣接してなるλ/4層22と、λ/4層22の、配向層10と反対側の表面22sに備えられてなる反射偏光子23とを有している。反射偏光子23は、コレステリック液晶相が固定されてなる少なくとも1層の光反射層23A、23Bを含み、λ/4層22及び光反射層23A,23Bが、液晶化合物を含む重合性液晶組成物の硬化層であることを特徴としている。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光子表面に輝度向上フィルムを備えた光学シートとその製造方法、偏光子表面に輝度向上フィルムを備えた光学シートを備えた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置(以下、LCDと称することもある)は、液晶テレビ、デジタルカメラ、タブレットPC(Personal Computer)、スマートフォンなどの液晶パネル等の用途で広く用いられている。通常、LCDは、液晶セルの両側に偏光板を設けた液晶パネル部材を有し、バックライトシステムからの光を液晶パネルの各種部材で制御することにより表示が行われている。
バックライトシステムとバックライト側偏光板の間に反射偏光子としての機能を有する輝度向上フィルムを設けることが提案されている。反射偏光子は、あらゆる方向に振動しながら入射する光のうち、特定の偏光方向に振動する光のみ透過させて、他の偏光方向に振動する光を反射する光学素子であり、反射光をリサイクルして利用することにより液晶セルへの出射側に透過する光量を増加させてLCDにおける光利用効率を改善するものである。
輝度向上フィルムには、多層積層フィルム等のポリマーフィルムを所定方向に延伸することにより所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの(特許文献1等)、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したもののように、左回りまたは右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他方を透過する特性を示すもの(特許文献2〜4等)等があり、上記反射光を再帰反射させることにより表示画面における光量を増加させることができる。
特許3448626号公報 特開平1−133003号公報 特許3518660号公報 WO2008/016056号公報
ところで、LCDは、近年、タブレットPCやスマートフォンなどの小型サイズに多く使用され、ますます薄型化が求められている。上記のような輝度向上フィルムをLCDの構成部材として備えたLCDにおいて、輝度向上フィルムの薄型化に伴って液晶パネルのベンディングが大きくなるという問題がある。
特に、汎用な偏光子として知られるポリビニルアルコール(PVA)系偏光子のように、ポリマーフィルムの延伸により得られる偏光子上に、多層積層フィルム等のポリマーフィルムの延伸により得られる輝度向上フィルムを備えた構成では、高温環境下、あるいは、高温高湿環境下において偏光子と輝度向上フィルムの双方が収縮しやすいことから、パネルを大きく反らせてしまうことがわかった。
一方、輝度向上フィルムとして、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものを備えた構成とすることにより、ポリマーフィルムの延伸により得られる偏光子との組み合わせであっても、上記収縮によるベンディングが抑制できることが本発明者らにより確認されている。しかしながら、更なる液晶表示画面の大型化及び薄型化に対応するために、より効果的にベンディングを抑制可能とすることが望ましい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、液晶表示装置のバックライトシステムと液晶セルとの間に設けられる偏光子と反射偏光子とを備えた光学シートにおいて、薄型であり、且つ、高温環境下、あるいは、高温高湿環境下においてベンディングの生じにくい光学シートとその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明はまた、薄型であり、且つ、高温環境下、あるいは、高温高湿環境下においてベンディングの生じにくい液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明の光学シートは、偏光子と、偏光子の表面に隣接してなる配向層と、
配向層の、偏光子と反対側の表面に隣接してなるλ/4層と、
λ/4層の、配向層と反対側の表面に備えられてなる反射偏光子と含み、
反射偏光子が、コレステリック液晶相が固定されてなる少なくとも1層の光反射層を含み、λ/4層及び光反射層が、液晶化合物を含む重合性液晶組成物の硬化層であることを特徴としている。
本発明の光学シートにおいて、反射偏光子は、少なくとも2層の光反射層を備えてなることが好ましい。
また、反射偏光子は、円盤状液晶化合物が固定されてなるコレステリック液晶層からなる光反射層と、棒状液晶化合物が固定されてなるコレステリック液晶層からなる光反射層とを含むことが好ましい。
λ/4層は、円盤状液晶化合物が固定されてなる層であることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、上記本発明の光学シートと液晶セルとを少なくとも含むものである。
本発明の光学シートの製造方法は、
偏光子を用意し、偏光子の表面に隣接して配向層を形成する配向層形成工程と、
配向層の、偏光子と反対側の表面に、液晶化合物を含む重合性液晶組成物を直接塗布して塗布膜を形成し、塗布膜を硬化させて液晶化合物が固定されてなるλ/4層を形成するλ/4層形成工程と、
λ/4層の、配向層と反対側の表面にコレステリック液晶相が固定されてなる少なくとも1層の光反射層を含む反射偏光子を形成する反射偏光子形成工程とを有する。
本発明の光学シートの製造方法において、反射偏光子形成工程は、λ/4層の表面に、液晶化合物を含む重合性液晶組成物を直接塗布して塗布膜を形成し、塗布膜を硬化させて光反射層を形成する工程であることが好ましい。かかる工程は、λ/4層の表面に、円盤状液晶化合物または棒状液晶化合物からなる液晶化合物を含む重合性液晶組成物を直接塗布して塗布膜を形成し、塗布膜を硬化させて第1の光反射層を形成する工程と、
第1の光反射層の表面に、円盤状液晶化合物または棒状液晶化合物からなる液晶化合物を含む重合性液晶組成物を直接塗布して塗布膜を形成し、塗布膜を硬化させて第2の光反射層を形成する工程とを有してなり、
第1の光反射層の液晶化合物と第2の光反射層の、液晶化合物の形状は異なることが好ましい。λ/4層形成工程において、液晶化合物は円盤状液晶化合物であることが好ましい。
本明細書において、「第1の光反射層の液晶化合物と第2の光反射層の、液晶化合物の形状が異なる」とは、一方が棒状なら他方が円盤状であることを意味する。
上記本発明の光学シート、及び光学シートの製造方法において、偏光子は、ポリビニルアルコール及び/またはエチレン−ビニルアルコール共重合体を含むものであることが好ましい。
本発明の光学シートは、配向層と、λ/4層と、コレステリック液晶相が固定されてなる少なくとも1層の光反射層を備えた反射偏光子とが順次積層されてなる輝度向上フィルム、すなわち、熱や湿度の影響で生じる収縮の生じにくい輝度向上フィルムと偏光子とが接着層を介さずに隣接して接合されてなる構成を有している。かかる構成の光学シートは、接着層を備えた構成に比してより薄型であり、且つ、高温環境下、あるいは、高温高湿環境下におけるベンディングがより生じにくいものとなる。
従って、本発明によれば、薄型であり、且つ、高温環境下、あるいは、高温高湿環境下においてもベンディングの生じにくい液晶表示装置を提供することができる。
本発明にかかる一実施形態の光学シートの概略断面図である。 本発明にかかるその他の実施形態の光学シートの概略断面図である。 本発明にかかる一実施形態の液晶表示装置の構成を示す概略図である。 図3に示される液晶表示装置における液晶セルへの入射光照射部の構成を示す概略図である。
以下の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書中、ピークの「半値幅」とは、ピーク高さ1/2でのピークの幅のことを言う。光反射層の反射中心波長と半値幅は下記のように求めることができる。
分光光度計UV3150(島津製作所)を用いて光反射層の透過スペクトルを測定すると、選択反射領域に透過率の低下ピークがみられる。この最も大きいピーク高さの1/2の高さの透過率となる2つの波長のうち、短波側の波長の値をλ1(nm)、長波側の波長の値をλ2(nm)とすると、反射中心波長と半値幅は下記式で表すことができる。
反射中心波長=(λ1+λ2)/2
半値幅=(λ2−λ1)
本明細書中、Re(λ)、Rth(λ)は、各々、波長λにおける面内のレターデーション、及び厚さ方向のレターデーションを表す。単位はいずれもnmである。Re(λ)はKOBRA 21ADH、又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。測定されるフィルムが、1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。なお、この測定方法は、後述する光学異方性層中の円盤状液晶分子の配向層側の平均チルト角、その反対側の平均チルト角の測定においても一部利用される。
Rth(λ)は、前述のRe(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。上記において、法線方向から面内の遅
相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH、又はWRが算出する。なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値、及び入力された膜厚値を基に、以下の式(A)、及び式(B)よりRthを算出することもできる。
なお、上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。また、式(A)におけるnxは、面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは、面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzは、nx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚である。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d・・・・・・・・・・・式(B)
測定されるフィルムが、1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法により、Rth(λ)は算出される。Rth(λ)は、前述のRe(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として、フィルム法線方向に対して−50°から+50°まで10°ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。また、上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについては、アッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
コレステリック液晶相が固定されてなる光反射層においては、液晶本来の常光屈折率noと異常光屈折率neを用いると、面内の屈折率の平均値は
(nx+ny)/2=(no+ne)/2
で表される。
また、膜厚方向の屈折率はnoとなるため、コレステリック液晶相が固定されてなる光反射層のRthは下記式で表すことができる。本明細書において、コレステリック液晶相が固定されてなる層のRthは下記式を用いて計算した値である。
Rth={(no+ne)/2−no}×d={(ne−no)/2}×d
なお、ne及びnoはアッベ屈折計にて測定することができる。
また、コレステリック液晶相が固定されてなる層のRthを得る方法として、偏光エリプソを用いた方法を適用することもできる。
例えば、M. Kimura et al. Jpn. J. Appl. Phys. 48 (2009) 03B021に記載されているようにエリプソ測定法を用いれば、コレステリック液晶相が固定されてなる層の厚さ、螺旋構造のピッチ、捩れ角等が得られ、そこからRthの値を得ることができる。
本明細書では、「可視光」とは、380nm〜780nmのことをいう。また、本明細書では、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。
また、本明細書において、角度(例えば「90°」等の角度)、及びその関係(例えば「直交」、「平行」、及び「45°で交差」等)については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、厳密な角度±10°未満の範囲内であることなどを意味し、厳密な角度との誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
本明細書において、偏光子または偏光板の「吸収軸」と「透過軸」とは、互いに90°の角度をなす方向を意味する。
本明細書において、位相差フィルム等の「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。
また、本明細書において、位相差領域、位相差フィルム、及び液晶層等の各部材の光学特性を示す数値、数値範囲、及び定性的な表現(例えば、「同等」、「等しい」等の表現)については、液晶表示装置やそれに用いられる部材について一般的に許容される誤差を含む数値、数値範囲及び性質を示していると解釈されるものとする。
また、本明細書で「正面」とは、表示面に対する法線方向を意味する。
本明細書において、輝度向上フィルムとは、偏光子の表面に隣接してなる配向層とλ/4板と反射偏光子とを含むフィルムを意味するものとする。
本明細書において反射偏光子は、コレステリック液晶相が固定されてなる光反射層を含む層を意味し、偏光子とは区別して用いられる。
「光学シート」
図1を参照して、本発明に係る一実施形態の光学シートについて説明する。図1は本実施形態の光学シート1の概略断面図である。本明細書の図面において、各部の縮尺は視認しやすくするため適宜変更して示してある。
図1に示されるように、光学シート1は、偏光子10と、偏光子の表面10sに隣接してなる配向層21と、配向層21の、偏光子10と反対側の表面21sに隣接してなるλ/4層22と、λ/4層22の、配向層10と反対側の表面22sに備えられてなる反射偏光子23とを有している。
反射偏光子23は、コレステリック液晶相が固定されてなる少なくとも1層の光反射層23A、23Bを含み、λ/4層22及び光反射層23A,23Bが、液晶化合物を含む重合性液晶組成物の硬化層であることを特徴としている。図1及び後に説明する図2において、λ/4層22と光反射層23A,23Bの層中には、本実施形態における各層の液晶化合物の特徴がわかるよう、その形状及び配向状態の好適な例を模式的に示してある。
従来、輝度向上フィルムは、偏光子を含む偏光板の表面に、接着剤を介して貼合されて液晶表示装置に備えられている。一方、光学シート1は、λ/4層22と反射偏光子23とを有する輝度向上フィルム20が接着層を介さずに偏光子10に隣接して備えられてなる。接着層は、輝度向上フィルムを構成する各層の厚みに比して数倍から十数倍の厚みを要することから、薄型化の観点においてはできるだけ少ない方が好ましい。光学シート1の膜厚は、薄型化の観点から薄い方が好ましく、好ましくは、13μm〜100μmであり、より好ましくは15μm〜50μmである。
本発明者は、輝度向上フィルムと偏光子(または偏光板)との間に存在する接着層をなくし、偏光子表面に直接輝度向上フィルムを設けることで、高温環境下、または、高温高湿環境下におけるベンディングが、接着層を有する構成に比して小さくなることを見出した。
「発明が解決しようとする課題」の項目において述べたように、コレステリック液晶層からなる光反射層を備えた反射偏光子は、ポリマーフィルムの延伸により得られる反射偏光子に比して、熱または湿度による収縮を抑制することができる。
すなわち、光学シート1は、熱や湿度の影響で生じる収縮の生じにくい輝度向上フィルムと偏光子とが厚み増加及びベンディングの要因の1つである接着層を介さずに隣接して接合されてなる構成を有している。かかる構成の光学シートは、接着層を備えた構成に比してより薄型であり、且つ、高温環境下、あるいは、高温高湿環境下におけるベンディングがより生じにくいものとなる。
従って、光学シート1を、液晶表示装置において、バックライトと液晶セルとの間の偏光板として用いることにより、薄型であり、且つ、高温環境下、あるいは、高温高湿環境下においてもベンディングの生じにくい液晶表示装置を提供することができる。
光学シート1の製造方法は、特に限定されないが、偏光子10を用意し、偏光子の表面10sに隣接して配向層21を形成する配向層形成工程と、
配向層の、偏光子10と反対側の表面21sに、液晶化合物を含む重合性液晶組成物を直接塗布して塗布膜を形成し、塗布膜を硬化させて液晶化合物が固定されてなるλ/4層22を形成するλ/4層形成工程と、
λ/4層の、配向層21と反対側の表面22sにコレステリック液晶相が固定されてなる少なくとも1層の光反射層(23A,23B)を含む反射偏光子23を形成する反射偏光子形成工程とを有する本発明の光学シートの製造方法により好適に製造することができる。
以下に光学シート1の各構成要素について、その形成方法と共に説明する。
「偏光子」
偏光子10としては、液晶表示装置に通常用いられる偏光子を特に制限されずに採用することができるが、ポリマーフィルムにヨウ素が吸着配向されたものを用いることが好ましい。ポリマーフィルムとしては、特に限定されず各種のものを使用できる。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、ポリエチレンテレフタレート系フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系フィルムや、これらの部分ケン化フィルム、セルロース系フィルム等の親水性高分子フィルムに、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、偏光子としてのヨウ素による染色性に優れたポリビニルアルコール系フィルムを用いることが好ましい。
ポリビニルアルコール系フィルムの材料には、ポリビニルアルコールまたはその誘導体が用いられる。ポリビニルアルコールの誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール等が挙げられる他、エチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸そのアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したものが挙げられる。
偏光子10のポリマーフィルムとしては、ポリビニルアルコール及び/またはエチレン−ビニルアルコール共重合体を含むものが特に好ましい。
前述のポリマーフィルムの材料であるポリマーの重合度は、一般に500〜10,000であり、1000〜6000の範囲であることが好ましく、1400〜4000の範囲にあることがより好ましい。更に、ケン化フィルムの場合、そのケン化度は、例えば、水への溶解性の点から、75モル%以上が好ましく、より好ましくは98モル%以上であり、98.3〜99.8モル%の範囲にあることがより好ましい。
前述のポリマーフィルム(未延伸フィルム)は、常法に従って、一軸延伸処理、ヨウ素染色処理が少なくとも施される。さらには、ホウ酸処理、洗浄処理、を施すことができる。また前述の処理の施されたポリマーフィルム(延伸フィルム)は、常法に従って乾燥処理されて偏光子となる。
偏光子の厚さとしては特に限定されず、通常は5〜80μm、好ましくは5〜50μm、より好ましくは、5〜25μmである。
偏光子の光学特性としては、偏光子単体で測定したときの単体透過率が43%以上であることが好ましく、43.3〜45.0%の範囲にあることがより好ましい。また、前述の偏光子を2枚用意し、2枚の偏光子の吸収軸が互いに90°になるように重ね合わせて測定する直交透過率は、より小さいことが好ましく、実用上、0.00%以上0.050%以下が好ましく、0.030%以下であることがより好ましい。偏光度としては、実用上、99.90%以上100%以下であることが好ましく、99.93%以上100%以下であることが特に好ましい。偏光板として測定した際にもほぼこれと同等の光学特性が得られるものが好ましい。
「輝度向上フィルム」
既に述べたように、光学シート1において、輝度向上フィルム20は、偏光子10の表面10sに隣接して備えられてなり、表10sに隣接してなる配向層21と、配向層21の表面21sに隣接して備えられたλ/4層22と、反射偏光子23とをこの順に有してなる。
<配向層>
配向層21は液晶化合物を含む重合性液晶組成物の硬化層からなるλ/4層22の形成の際、重合性液晶組成物中の液晶化合物の分子を配向させるための下地層である。配向層21の膜厚は、0.1〜10μmの範囲にあることが好ましい。
配向層21としては特に制限されず、偏光子の表面10sに直接設けられてなり、表面をラビング処理された有機化合物(好ましくはポリマー)層(ラビング処理配向層)、酸化ケイ素などの無機化合物の斜方蒸着層、マイクログルーブを有する層、電場の付与、磁場の付与、或いは光照射により配向機能を付与した配向層等が挙げられる。中でも、ラビング処理配向層または光配向層が製造容易性の観点において好ましい。
(ラビング処理配向層)
ラビング処理配向層に用いる有機化合物層は、ポリマー層が好ましく、例えば特開平8−338913号公報明細書中段落番号[0022]記載のメタクリレート系共重合体、スチレン系共重合体、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリカーボネート等が含まれる。シランカップリング剤をポリマーとして用いることができる。水溶性ポリマー(例、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール)が好ましく、ゼラチン、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールが更に好ましく、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。
ラビング処理としては特に制限されず、有機化合物層の表面を、紙や布で一定方向に擦ることにより実施することができる。ラビング処理の一般的な方法については、例えば、「液晶便覧」(丸善社発行、平成12年10月30日)に記載されている。
ラビング密度を変える方法としては、「液晶便覧」(丸善社発行)に記載されている方法を用いることができる。ラビング密度(L)は、下記式(A)で定量化されている。
式(A) L=Nl(1+2πrn/60v)
式(A)中、Nはラビング回数、lはラビングローラーの接触長、rはローラーの半径、nはローラーの回転数(rpm)、vはステージ移動速度(秒速)である。
ラビング密度を高くするためには、ラビング回数を増やす、ラビングローラーの接触長を長く、ローラーの半径を大きく、ローラーの回転数を大きく、ステージ移動速度を遅くすればよく、一方、ラビング密度を低くするためには、この逆にすればよい。また、ラビング処理の際の条件としては、特許4052558号の記載を参照することもできる。
(光配向層)
光配向層は、公知の光配向材料で形成された層に直線偏光または非偏光照射を施すことにより製造することができる。本明細書において、「直線偏光照射」とは、光配向材料に光反応を生じせしめるための操作である。用いる光の波長は、用いる光配向材料により異なり、その光反応に必要な波長であれば特に限定されるものではない。好ましくは、光照射に用いる光のピーク波長が200nm〜700nmであり、より好ましくは光のピーク波長が400nm以下の紫外光である。
光配向材料としては、特に制限されず、例えば、特開2006−285197号公報、特開2007−76839号公報、特開2007−138138号公報、特開2007−94071号公報、特開2007−121721号公報、特開2007−140465号公報、特開2007−156439号公報、特開2007−133184号公報、特開2009−109831号公報、特許第3883848号、特許第4151746号に記載のアゾ化合物、特開2002−229039号公報に記載の芳香族エステル化合物、特開2002−265541号公報、特開2002−317013号公報に記載の光配向性単位を有するマレイミドおよび/またはアルケニル置換ナジイミド化合物、特許第4205195号、特許第4205198号に記載の光架橋性シラン誘導体、特表2003−520878号公報、特表2004−529220号公報、特許第4162850号に記載の光架橋性ポリイミド、ポリアミド、またはエステルが好ましい例として挙げられる。特に好ましくは、アゾ化合物、光架橋性ポリイミド、ポリアミド、またはエステルである。
光照射に用いる光源は、通常使われる光源、例えばタングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、カーボンアークランプ等のランプ、各種のレーザー(例、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、YAGレーザー)、発光ダイオード、陰極線管などを挙げることができる。
直線偏光を得る手段としては、偏光板(例、ヨウ素偏光板、二色色素偏光板、ワイヤーグリッド偏光板)を用いる方法、プリズム系素子(例、グラントムソンプリズム)やブリュースター角を利用した反射型偏光子を用いる方法、または偏光を有するレーザー光源から出射される光を用いる方法が採用できる。また、フィルターや波長変換素子等を用いて必要とする波長の光のみを選択的に照射してもよい。
照射する光は、直線偏光の場合、配向層に対して上面、または裏面から配向層表面に対して垂直、または斜めから光を照射する方法が採用される。光の入射角度は、光配向材料によって異なるが、例えば、0〜90°(垂直)、好ましくは40〜90である。
非偏光を利用する場合には、斜めから非偏光を照射する。その入射角度は、10〜80°、好ましくは20〜60、特に好ましくは30〜50°である。照射時間は好ましくは1分〜60分、さらに好ましくは1分〜10分である。
本実施形態では配向層21を備えた態様としているが、偏光子10の表面10sに直接配向処理(例えば、ラビング処理)することで、配向層として機能させることができる場合は、配向層21を形成せずに、配向処理した表面10sに直接後記するλ/4層22を形成しても構わない。
<λ/4層>
λ/4層22は液晶化合物の分子の配向によって発現された光学異方性を示す層であり、λ/4板としての機能を有する液晶化合物を含む重合性液晶組成物の硬化層であれば特に制限されない。
λ/4板は特定の波長λnmにおける面内レターデーションRe(λ)が
Re(λ)=λ/4
を満たす光学異方性層のことをいう。上式は可視光域のいずれかの波長(例えば、550nm)において達成されていればよい。λ/4層は輝度向上フィルムにおいて、反射偏光子を透過して得られる円偏光を直線偏光に変換するための層として機能する。
λ/4層22の形成に用いられる液晶化合物の種類については特に制限されない。例えば、低分子液晶化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、光架橋や熱架橋によって固定化して得られる光学異方性層や、高分子液晶化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、冷却することによってこの配向を固定化して得られる光学異方性層を用いることもできる。なお光学シート1において、光学異方性層に液晶化合物が用いられる場合であっても、光学異方性層は、この液晶化合物が重合等によって固定されて形成された層であり、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。
重合性液晶化合物は、多官能性重合性液晶でもよいし、単官能性重合性液晶化合物でもよい。また、液晶化合物は、円盤状液晶化合物または棒状液晶化合物が好ましく、円盤状液晶化合物がより好ましい。なお具体的な液晶化合物については、後述の光反射層の項目において説明する。
λ/4層22において、液晶化合物の分子は、垂直配向、水平配向、ハイブリッド配向及び傾斜配向のいずれかの配向状態に固定化されていることが好ましい。視野角依存性が対称である位相差板を作製するためには、円盤状液晶化合物の円盤面がフィルム面(光学異方性層面)に対して実質的に垂直であるか、又は、棒状液晶化合物の長軸がフィルム面(光学異方性層面)に対して実質的に水平であることが好ましい。λ/4層22としては、円盤状液晶化合物が垂直配向して固定されてなる層がより好ましい。円盤状液晶化合物が実質的に垂直とは、フィルム面(光学異方性層面)と円盤状液晶化合物の円盤面とのなす角度の平均値が70°〜90°の範囲内であることを意味する。80°〜90°がより好ましく、85°〜90°が更に好ましい。棒状液晶化合物が実質的に水平とは、フィルム面(光学異方性層面)と棒状液晶化合物のダイレクターとのなす角度が0°〜20°の範囲内であることを意味する。0°〜10°がより好ましく、0°〜5°が更に好ましい。
λ/4層22の膜厚は、1〜10μmであればよく、1〜5μmであることが好ましい。
なお、λ/4層22は、下記式(A)〜(C)を少なくともひとつ満たすことが好ましく、下記式(A)〜(C)を全て満たすことがさらに好ましい。
式(A) 450nm/4−35nm<Re(450)<450nm/4+35nm
式(B) 550nm/4−35nm<Re(550)<550nm/4+35nm
式(C) 630nm/4−35nm<Re(630)<630nm/4+35nm
また、λ/4層22のRth(550)は、−120〜120nmであることが好ましく、−80〜80nmであることがより好ましく、−70〜70nmであることが特に好ましい。
λ/4層22は、下記式(1)〜(3)を満たすことがより好ましい。
式(1) 450nm/4−25nm<Re(450)<450nm/4+25nm
式(2) 550nm/4−25nm<Re(550)<550nm/4+25nm
式(3) 630nm/4−25nm<Re(630)<630nm/4+25nm
λ/4層22は、下記式(101)〜(103)を満たすことが更に好ましい。
式(101) 450nm/4−15nm<Re(450)<450nm/4+15nm式(102) 550nm/4−15nm<Re(550)<550nm/4+15nm式(103) 630nm/4−15nm<Re(630)<630nm/4+15nm
前述のλ/4層22は、下記式(201)〜(203)を満たすことが特に好ましい。
式(201) 450nm/4−5nm<Re(450)<450nm/4+5nm
式(202) 550nm/4−5nm<Re(550)<550nm/4+5nm
式(203) 630nm/4−5nm<Re(630)<630nm/4+5nm
また、λ/4層22は下記式(401)〜(403)を満たすことが好ましい。
式(401) Re(450)<Re(550)<Re(630)
式(402) Re(450)<Re(550)<Re(630)
式(403) Re(450)<Re(550)<Re(630)
λ/4層22は、配向層21のラビング処理面にλ/4層22の重合性液晶組成物を塗布して、重合性液晶組成物中の液晶化合物の分子を配向させ、その後、必要に応じて、配向層ポリマーと後述するλ/4層22に含まれる多官能モノマーとを反応させるか、あるいは、架橋剤を用いて配向層ポリマーを架橋させることで、形成することができる。
<反射偏光子(光反射層)>
光学シート1において、反射偏光子23は、コレステリック液晶相が固定されてなる2層の光反射層23Aと23Bとからなる構成を有している。本実施形態ではかかる構成について説明をするが、反射偏光子23は、少なくとも1層の光反射層を含んでいればよく、2層〜4層の光反射層を含むことがより好ましく、2層または3層の光反射層含むことがより好ましい。また、反射偏光子23を構成する光反射層は、反射中心波長が互いに異なる光反射層を2層以上含むことが好ましく、反射中心波長が互いに異なる光反射層を2層または3層含むことがより好ましい。本実施形態において、第1の光反射層23Aの液晶化合物と第2の光反射層23Bの、液晶化合物の形状は異なることが好ましい。
反射率のピークを与える波長(すなわち反射中心波長)は、コレステリック液晶相が固定されてなる光反射層の、コレステリック液晶相中の螺旋構造のピッチまたは屈折率を変えることにより調整することができるが、螺旋構造のピッチはキラル剤の添加量を変えることによって容易に調整可能である。具体的には富士フイルム研究報告No.50(2005年)p.60−63に詳細な記載がある。また、コレステリック液晶相を固定するときの温度や照度と照射時間などの条件などで調整することもできる。
反射偏光子23は、青色光、緑色光および赤色光を反射する機能を持つことが好ましい。
ここで、青色光とは380〜499nmの波長の光であり、緑色光とは500〜599nmの波長の光であり、赤色光とは600〜780nmの光である。また、赤外光とは、780nm超850nm以下の光である。
本実施形態では、反射偏光子23は、図示されるように、円盤状液晶化合物が固定されてなるコレステリック液晶層からなる光反射層23Aと、棒状液晶化合物が固定されてなるコレステリック液晶層からなる光反射層23Bとを含むことが好ましい。
また、2層の光反射層23Aと23Bとからなる本実施形態の場合、2層の光反射層のうち、いずれか1層が1色の波長領域を超えた波長領域の光も反射する層であることが好ましい。たとえば、青色光と緑色光を1層で反射する層や、緑色光と赤色光を1層で反射する層である。
1色の波長領域を超えた波長領域の光も反射する層として反射半値幅200nm以下を制御して作製する場合、単一のピッチではなく、コレステリックの螺旋方向(通常膜厚方向)でピッチ数が徐々に変化することで、広い半値幅を実現できるピッチグラジエント法を用いることができる。ピッチグラジエント法に関しては1995年(Nature 378、467−469 1995)や特開平6−281814号公報や特許4990426号記載の方法を参照できる。前述の高Δn液晶化合物の使用も好ましい。
光反射層23A,23Bのそれぞれの膜厚は、反射性、配向乱れや透過率低下の防止等の点より、1.5〜8μmが好ましく、1.5〜5μmであることが好ましく、2〜4μmであることがさらに好ましく、2〜3μmであることが最も好ましい。
λ/4層22の表面22sに反射偏光子23を形成する方法としては特に制限されないが、図1に示されるように、λ/4層22の表面22sに直接反射偏光子23を備えた構成とする場合には、λ/4層の表面に、液晶化合物を含む重合性液晶組成物を直接塗布して塗布膜を形成し、塗布膜を硬化させて光反射層23Aを形成し、ついで、光反射層23Bを同様に形成することが好ましい。
図示される、円盤状液晶化合物が固定されてなるコレステリック液晶層からなる光反射層23Aと、棒状液晶化合物が固定されてなるコレステリック液晶層からなる光反射層23Bを備えた構成とする場合は、λ/4層の表面に、円盤状液晶化合物からなる液晶化合物を含む重合性液晶組成物を直接塗布して塗布膜を形成し、塗布膜を硬化させて第1の光反射層23Aを形成する工程と、第1の光反射層23Aの表面に、棒状液晶化合物からなる液晶化合物を含む重合性液晶組成物を直接塗布して塗布膜を形成し、塗布膜を硬化させて第2の光反射層23Bを形成する工程を実施することにより、反射偏光子23を形成することができる。
<重合性液晶組成物>
上記したλ/4層22および反射偏光子23の形成に好適な重合性液晶組成物について説明する。λ/4層22および反射偏光子23の形成に好適な重合性液晶組成物には、重合性液晶化合物、配向制御剤、重合開始剤、配向助剤などのその他の成分を含有していてもよい。反射偏光子23の重合性液晶組成物には、キラル剤を含むことが好ましい。
(液晶化合物)
λ/4層22および反射偏光子23の形成に好適な重合性液晶組成物に含まれる液晶化合物としては、棒状液晶化合物および円盤状液晶化合物が好ましく挙げられる。
棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物は、重合性基を有する液晶化合物であることが好ましい。重合性基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、ビニル基等を挙げることができる。重合性液晶化合物を硬化させることにより、液晶化合物の配向を固定することができる。重合性基を有する液晶化合物である場合は、棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物は、モノマーであるか、重合度が100未満の比較的低分子量な液晶化合物であることが好ましい。
棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
重合性液晶化合物である棒状液晶化合物としては、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号、WO95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号、同98/52905号、特開平1−272551号、同6−16616号、同7−110469号、同11−80081号、及び特願2001−64627号の各公報などに記載の化合物を用いることができる。更に棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報や特開2007−279688号公報に記載の化合物も好ましく用いることができる。
下記表1に、後記実施例において用いている、液晶層110として好適な棒状液晶化合物を例示する。
円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号や特開2010−244038号に記載の化合物が挙げられる。下記表2に、後記実施例において用いている、液晶層110として好適な円盤状液晶化合物を例示する。
反射偏光子23を構成する光反射層に使用する液晶化合物として、高Δn液晶化合物を用いた態様では、コレステリック液晶相が固定されてなる光反射層の反射を広帯域にすることができる。Δnは、複屈折の値であり、たとえば棒状液晶化合物の場合、その化合物の短軸および長軸方向それぞれの屈折率の値の差である。
コレステリック液晶相が固定されてなる光反射層に用いる液晶化合物は、0.06≦Δn≦0.5程度が実用的(特表2011−510915号公報に記載の高Δn液晶材料を使用できる)であり、半値幅で15nmから150nmに相当する。また、高Δn液晶化合物は、特許3999400号公報、特許4053782号公報、特許4947676号公報等があるが、本発明に対してはこれらに限定されない。Δnの測定方法は、特許4053782号公報の段落〔0112〕や、特許4947676号公報の段落〔0142〕等の方法がある。
反射半値幅の拡大及び、後述のピッチグラジエント法を適用した層などでの膜厚低減が必要となる場合においては、液晶化合物のΔnは好ましくは0.16以上、より好ましくは0.2以上更に好ましくは0.3以上、特に好ましくは現状、工業化されている液晶のΔn上限である0.5程度であればよい。ただし、今後、さらなる高Δn液晶が開発されれば、使用することができ、より膜厚低減が可能である。
液晶化合物のΔn分散について各波長での分散が少ないことが好ましいことが知られている。Δn(450/550比)≦1.6が好ましく、Δn(450/550比)≦1.4がより好ましく、Δn(450/550比)≦1.2以下がさらに好ましく、Δn(450/550比)≦1.1が特に好ましい。
(キラル剤)
反射偏光子23を形成する重合性液晶組成物には、コレステリック液晶相を形成するためにキラル剤を含むことが好ましい。キラル剤は、公知の種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第一42委員会編、1989に記載)から選択することができる。キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。
キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤が重合性基を有するとともに、併用する棒状液晶化合物も重合性基を有する場合は、重合性基を有するキラル剤と重合性棒状液晶合物との重合反応により、棒状液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性基を有するキラル剤が有する重合性基は、重合性棒状液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基又はアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
強い捩れ力を示すキラル剤としては、例えば、特開2010−181852号公報、特開2003−287623号公報、特開2002−80851号公報、特開2002−80478号公報、特開2002−302487号公報に記載のキラル剤が挙げられ、好ましく用いることができる。さらに、これらの公開公報に記載されているイソソルビド化合物類については対応する構造のイソマンニド化合物類を用いることもでき、これらの公報に記載されているイソマンニド化合物類については対応する構造のイソソルビド化合物類を用いることもできる。
(配向制御剤)
重合性液晶組成物には、配向制御剤を含んでいてもよい。配向制御剤の例には、特開2005−99248号公報の[0092]及び[0093]中に例示されている化合物、特開2002−129162号公報の[0076]〜[0078]及び[0082]〜[0085]中に例示されている化合物、特開2005−99248号公報の[0094]及び[0095]中に例示されている化合物、特開2005−99248号公報の[0096]中に例示されている化合物が含まれる。
フッ素系配向制御剤として、下記一般式(I)で表される化合物も好ましい。
一般式(I)において、L11、L13、L13、L14、L15、L15はおのおの独立して単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SCO−、−NRCO−、−CONR−(一般式(I)中におけるRは水素原子または炭素数が1〜6のアルキル基を表す)を表し、−NRCO−、−CONR−は溶解性を減ずる効果があり、膜作製時にヘイズ値が上昇する傾向があることからより好ましくは−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SCO−であり、化合物の安定性の観点からさらに好ましくは−O−、−CO−、−COO−、−OCO−である。上記のRがとりうるアルキル基は、直鎖状であっても分枝状であってもよい。炭素数は1〜3であることがより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基を例示することができる。
―重合開始剤―
上記棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物が重合性液晶化合物である場合など、重合性化合物を重合させて塗膜を硬化させる場合は、液晶層作製用組成物に重合開始剤を含んでいることが好ましい。
重合開始剤としては、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報、特開平10−29997号公報記載)等が挙げられる。
また、重合開始剤は、約300nm〜800nm(330nm〜500nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50の吸光係数を有する化合物を、少なくとも1種含有していることが好ましい。吸収波長は紫外可視分光光度計(島津製作所製 UV3150)にて測定することができ、そこから吸光係数を算出できる。
用いうる重合開始剤としては、少なくとも芳香族基を有する化合物であることが好ましく、例えば、アシルホスフィン化合物、アセトフェノン系化合物、α−アミノケトン化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ケタール誘導体化合物、チオキサントン化合物、オキシム化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、トリハロメチル化合物、アゾ化合物、有機過酸化物、ジアゾニウム化合物、ヨードニウム化合物、スルホニウム化合物、アジニウム化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ケタール誘導体化合物、メタロセン化合物等のオニウム塩化合物、有機硼素塩化合物、ジスルホン化合物などが挙げられる。
これらのうち、感度の観点から、オキシム化合物、アセトフェノン系化合物、α−アミノケトン化合物、トリハロメチル化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、チオキサントン化合物及び、チオール化合物が好ましい。
オキシム系開始剤の具体例としては、特開2001−233842号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報記載の化合物、特開2006−342166号公報記載の化合物を用いることができる。
重合開始剤として好適に用いられるオキシム誘導体等のオキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
また上記記載以外のオキシムエステル化合物として、カルバゾールN位にオキシムが連結した特表2009−519904号公報に記載の化合物、ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許7626957号公報に記載の化合物、色素部位にニトロ基が導入された特開2010−15025号公報及び米国特許公開2009−292039号記載の化合物、国際公開特許2009−131189号公報に記載のケトオキシム系化合物、トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許7556910号公報に記載の化合物、405nmに吸収極大を有しg線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114号公報記載の化合物などを用いてもよい。
市販品ではIRGACURE−OXE01、IRGACURE−OXE02が好適に用いられる。
またアセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、及び、IRGACURE−379(商品名:いずれもBASFジャパン社製)を用いることができる。またアシルホスフィン系開始剤としては市販品であるIRGACURE−819やDAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASFジャパン社製)を用いることができる。
さらに、チオキサントン化合物としては、下記の例示化合物を用いることができる。
組成物中に重合開始剤が含有される場合、重合開始剤の含有量は、組成物全固形分に対して、硬化性の観点から0.01〜40質量%の範囲であることが好ましく、0.03〜20質量%の範囲であることがより好ましく、0.05〜10質量%の範囲であることが更に好ましく、0.1〜5質量%の範囲であることが特に好ましい。重合開始剤は1種のみを用いてもよいし2種以上を用いてもよい。
―溶剤―
液晶層作製用組成物は溶剤を含んでいることが好ましい。溶剤は低表面張力溶剤でも、標準表面張力溶剤でもよい。なかでも、液晶層を形成するための組成物には、低表面張力溶剤を含有することが好ましい。
低表面張力溶剤の表面張力は10〜22mN/m(10〜22dyn/cm)であり、15〜21mN/mであることが好ましく、18〜20mN/mであることがより好ましい。標準表面張力溶剤の表面張力は22mN/mより大きく、23〜50mN/mであることが好ましく、23〜40mN/mであることがより好ましい。
また、低表面張力溶剤の表面張力と標準表面張力溶剤の表面張力との差は、2mN/m以上であることが好ましく、3mN/m以上であることがより好ましく、4〜20mN/m以上であることが更に好ましく、5〜15mN/mであることが特に好ましい。
なお、本明細書において、溶剤の表面張力は、溶剤ハンドブック(講談社、1976年発行)に記載の値である。溶剤の表面張力は、例えば、協和界面科学株式会社製自動表面張力計CBVP−A3により測定することができる物性値である。測定は25℃の条件で行えばよい。
溶剤としては、有機溶剤が好ましく用いられ、この中から、低表面張力溶剤と標準表面張力溶剤とを選択することができる。有機溶剤の例には、アルコール(例、エタノール、tert-ブチルアルコール)、アミド(例、N、N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ヘプタン、シクロペンタン、トルエン、ヘキサン、テトラフルオロエチレン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1、2−ジメトキシエタン)、アミン(例、トリエチルアミン)が挙げられる。二種類以上の有機溶剤を併用してもよい。これらの溶剤は、重合時の溶剤として用いたものを、除去せずそのまま組成物の溶剤として用いることもできる(たとえばトルエンなど)。
低表面張力溶剤の例としては、tert−ブチルアルコール(19.5mN/m)、テトラフルオロエチレン(TFE、20.6mN/m)、トリエチルアミン(20.7mN/m)、シクロペンタン(21.8mN/m)、ヘプタン(19.6mN/m)及びこれら溶剤のいずれか2種以上の組み合わせからなる混合溶剤などが挙げられる。数値は表面張力を示す。これらのうち、tert−ブチルアルコール、テトラフルオロエチレン、トリエチルアミン、シクロペンタンが、安全性の観点から好ましく、tert-ブチルアルコールまたはテトラフルオロエチレンがより好ましく、tert-ブチルアルコールが更に好ましい。
標準表面張力溶剤の例としては、メチルエチルケトン(MEK、23.9mN/m)、酢酸メチル(24.8mN/m)、メチルイソブチルケトン(MIBK、25.4mN/m)、シクロヘキサノン(34.5mN/m)、アセトン(23.7mN/m)、酢酸イソプロピル(0.0221mN/m)及びこれら溶剤のいずれか2種以上の組み合わせからなる混合溶剤などが挙げられる。数値は表面張力を示す。これらのうち、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンと他の1つの溶剤の混合溶剤、酢酸メチルとメチルイソブチルケトンとの混合溶剤などが好ましい。
液晶層作製用組成物全質量に対する溶剤の濃度は、95〜50質量%であることが好ましく、93〜60質量%であることがより好ましく、90〜75質量%であることが更に好ましい。
液晶層形成の際の乾燥工程では、液晶層作製用組成物の溶剤は、溶剤全量に対して、95質量%以上除去されることが好ましく、98質量%以上除去されることがより好ましく、99質量%以上除去されることが更に好ましく、実質的に100質量%除去されることが特に好ましい。
<塗布および硬化方法>
既に述べたように、本実施形態の光学シート1において、配向層21、λ/4層22、光配向層23A,23Bは塗布法により形成することができる。
各層の形成は、各層の構成材料を含む塗布液を用意し,その塗布液を各層の形成面に塗布して塗布膜を形成した後に硬化させることにより行うことができる。
塗布方法としては、ロールコーティング方式やグラビア印刷方式、スピンコート方式などの適宜な方式で展開する方法などが挙げられ、さらにワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、等の種々の方法が例示できる。また、インクジェット装置を用いて、液晶組成物をノズルから吐出して、塗布膜を形成することもできる。
塗布膜の硬化方法は特に制限されないが、重合性液晶組成物の塗布膜の場合は、液晶化合物の分子の、配向状態を維持して状態で固定されるように硬化する必要がある。硬化は、液晶性分子に導入した重合性基の重合反応により実施することが好ましい。
重合性液晶組成物の塗布後であって、硬化のための重合反応前に、塗布膜は、公知の方法で乾燥してもよい。例えば放置によって乾燥してもよく、加熱によって乾燥してもよい。
重合性液晶組成物の塗布および乾燥の工程で、重合性液晶組成物中の液晶化合物分子が配向していればよい。
例えば重合性液晶組成物が、溶剤を含む塗布液として調製されている態様では、塗布膜を乾燥し、溶剤を除去することで、コレステリック液晶相の状態にすることができる場合
がある。また、コレステリック液晶相への転移温度での加熱を行ってもよい。例えば、一旦等方性相の温度まで加熱し、その後、コレステリック液晶相転移温度まで冷却する等によって、安定的にコレステリック液晶相の状態にすることができる。前述の重合性液晶組成物の液晶相転移温度は、製造適性等の面から10〜250℃の範囲内であることが好ましく、10〜150℃の範囲内であることがより好ましい。10℃未満であると液晶相を呈する温度範囲にまで温度を下げるために冷却工程等が必要となることがある。また200℃を超えると、一旦液晶相を呈する温度範囲よりもさらに高温の等方性液体状態にするために高温を要し、熱エネルギーの浪費、基板の変形、変質等からも不利になる。
重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進す
るため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
硬化反応を促進するため、加熱条件下で紫外線照射を実施してもよい。特に光反射層の形成の際、紫外線照射時の温度は、コレステリック液晶相が乱れないように、コレステリック液晶相を呈する温度範囲に維持することが好ましい。
また、雰囲気の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達せず、膜強度が不十分の場合には、窒素置換等の方法により、雰囲気中の酸素濃度を低下させることが好ましい。好ましい酸素濃度としては、10%以下が好ましく、7%以下がさらに好ましく、3%以下が最も好ましい。紫外線照射によって進行される硬化反応(例えば重合反応)の反応率は、層の機械的強度の保持等や未反応物が層から流出するのを抑える等の観点から、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがよりさらに好ましい。反応率を向上させるためには照射する紫外線の照射量を増大する方法や窒素雰囲気下あるいは加熱条件下での重合が効果的である。また、一旦重合させた後に、重合温度よりも高温状態で保持して熱重合反応によって反応をさらに推し進める方法や、再度紫外線を照射する方法を用いることもできる。反応率の測定は反応性基(例えば重合性基)の赤外振動スペクトルの吸収強度を、反応進行の前後で比較することによって行うことができる。
既に述べたように、重合性液晶組成物の液晶化合物分子の配向に基づく光学的性質、例えば、コレステリック液晶相の光学的性質は、層中において保持されていれば十分であり、硬化後のλ/4板または光反射層の液晶組成物はもはや液晶性を示す必要はない。例えば、液晶組成物が、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
光反射層の形成においては、上記の硬化により、コレステリック液晶相が固定されて、光反射層が形成される。ここで、液晶相を「固定化した」状態は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持された状態が最も典型的、且つ好ましい態様である。それだけには限定されず、具体的には、通常0℃〜50℃、より過酷な条件下では−30℃〜70℃の温度範囲において、この層に流動性が無く、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を意味するものとする。
コレステリック液晶相が固定されてなる光反射層の製造方法としては、他に、例えば、特開平1−133003号公報、特許3416302号、特許3363565号、特開平8−271731号公報に記載の方法を参照してもよい。
上記まででは、反射偏光子23の光反射層23Aが、直接λ/4層22の表面22s上に形成されてなる態様について説明したが、図2に示されるように、反射偏光子23は、別途仮支持体上等に形成した後、接着層24を介してλ/4層22と貼合されてなる構成としてもよい。かかる態様において、接着層24は、公知の接着剤または粘着剤の硬化層とすることができる。
接着層24に用いられる粘着剤としては、例えば、動的粘弾性測定装置で測定した貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比(tanδ=G”/G’)が0.001〜1.5である物質のことを表し、いわゆる、粘着剤やクリープしやすい物質等が含まれる。粘着剤の例としては、例えば、アクリル系粘着剤や、ポリビニルアルコール系接着剤が挙げられるが、これに限定されない。
また、接着剤としては、ホウ素化合物水溶液、特開2004−245925号公報に示されるような、分子内に芳香環を含まないエポキシ化合物の硬化性接着剤、特開2008−174667号公報記載の360〜450nmの波長におけるモル吸光係数が400以上である光重合開始剤と紫外線硬化性化合物とを必須成分とする活性エネルギー線硬化型接着剤、特開2008−174667号公報記載の(メタ)アクリル系化合物の合計量100質量部中に(a)分子中に(メタ)アクリロイル基を2以上有する(メタ)アクリル系化合物と、(b)分子中に水酸基を有し、重合性二重結合をただ1個有する(メタ)アクリル系化合物と、(c)フェノールエチレンオキサイド変性アクリレートまたはノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレートとを含有する活性エネルギー線硬化型接
着剤などが挙げられる。
光学シート1において、接着層24と反射偏光子23との屈折率の差は0.15以下であることが好ましく、0.10以下であることがより好ましく、0.05以下であることが特に好ましい。このような接着層の屈折率の調整方法としては特に制限はないが、例えば特開平11−223712号公報に記載の方法を用いることができる。特開平11−223712号公報に記載の方法の中でも、以下の態様が特に好ましい。
接着層に用いられる粘着剤の例としては、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂を挙げることができる。これらは単独もしくは2種以上混合して使用してもよい。特に、アクリル系樹脂は、耐水性、耐熱性、耐光性等の信頼性に優れ、接着力、透明性が良く、更に、屈折率を液晶ディスプレイに適合するように調整し易い等から好ましい。アクリル系粘着剤としては、アクリル酸及びそのエステル、メタクリル酸及びそのエステル、アクリルアミド、アクリルニトリル等のアクリルモノマーの単独重合体もしくはこれらの共重合体、更に、前述のアクリルモノマーの少なくとも1種と、酢酸ビニル、無水マレイン酸、スチレン等の芳香族ビニルモノマーとの共重合体を挙げることができる。特に、粘着性を発現するエチレンアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の主モノマー、凝集力成分となる酢酸ビニル、アクリルニトリル、アクリルアミド、スチレン、メタクリレート、メチルアクリレートなどのモノマー、さらに接着力向上や、架橋化起点を付与するメタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、無水マレイン酸等の官能基含有モノマーからなる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−60℃〜−15℃の範囲にあり、重量平均分子量が20万〜100万の範囲にあるものが好ましい。
接着剤としては、シート状光硬化型粘接着剤(東亞合成グループ研究年報 11 TREND 2011 第14号記載)を接着層に用いることもできる。粘着剤のように光学フィルム同士の貼合が簡便で、紫外線(UV)で架橋・硬化し、貯蔵弾性率、接着力及び耐熱性が向上するものであり好ましい。
以上のように、光学シート1は構成されている。
光学シート1は、偏光子の表面10sと反対側の表面に偏光板保護フィルム(図示せず)を有していてもよい。
偏光板保護フィルムとしては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性等に優れる熱可塑性樹脂が用いられる。この様な熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、及びこれらの混合物が挙げられる。
セルロース樹脂は、セルロースと脂肪酸のエステルである。セルロースエステル系樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリプロピルセルロース、ジプロピルセルロース等が挙げられる。これらのなかでも、トリアセチルセルロースが特に好ましい。トリアセチルセルロースは多くの製品が市販されており、入手容易性やコストの点でも有利である。トリアセチルセルロースの市販品の例としては、富士フイルム社製の商品名「UV−50」、「UV−80」、「SH−80」、「TD−80U」、「TD−TAC」、「UZ−TAC」や、コニカ社製の「KCシリーズ」等が挙げられる。
環状ポリオレフィン樹脂としては、ノルボルネン系樹脂が好ましい。環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。具体例としては、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとその共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及び、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、ならびに、それらの水素化物等が挙げられる。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーが挙げられる。
環状ポリオレフィン樹脂としては、種々の製品が市販されている。具体例としては、日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼオネックス」、「ゼオノア」、JSR株式会社製の商品名「アートン」、TICONA社製の商品名「トーパス」、三井化学株式会社製の商品律「APEL」が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、任意の適切な(メタ)アクリル系樹脂を採用し得る。例えば、ポリメタクリル酸メチル等のポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸
メチル−(メタ)アクリル酸共重合、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂等)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体等)が挙げられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等のポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルが挙げられる。より好ましくはメタクリル酸メチルを主成分(50〜100質量%、好ましくは70〜100質量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂の具体例として、例えば、三菱レイヨン株式会社製のアクリペットVHやアクリペットVRL20A、特開2004−70296号公報に記載の分子内に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、分子内架橋や分子内環化反応により得られる高Tg(メタ)アクリル樹脂系が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂として、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂を用いることもできる。高い耐熱性、高い透明性、二軸延伸することにより高い機械的強度を有するからである。
保護フィルムの厚さは適宜に設定し得るが、一般には強度や取扱い等の作業性、薄層性等の点より1〜80μm程度である。特に1〜60μmが好ましく、5〜40μmがより好ましい。保護フィルムは、5〜25μmの場合に特に好適である。
[液晶表示装置]
輝度向上フィルムを備えた液晶表示装置の構成については、特願2013−174971(本出願時未公開)に詳細が記載されている。上記したように、光学シート1は、薄型であり、且つ、高温環境下、または、高温高湿環境下においてベンディングの少ないものであるので、液晶表示装置のバックライト側偏光板として好適である。
以下、本発明の一実施形態である液晶表示装置について説明する。図3は、本発明にかかる一実施形態である液晶表示装置100の構成を示す概略図である。図4は、液晶表示装置100における液晶セル30への入射光照射部の構成を示す概略図である。
図3に示されるように、液晶表示装置100は、上側偏光板60と、上記本発明の光学シート1からなる下側偏光板50と、これらに挟持されてなる液晶セル30と、下側偏光板50の液晶セルとは反対の面側にバックライトユニット40とを有しており、液晶セル30は、液晶32とその上下に配置されてなる液晶セル上電極基板31と液晶セル下電極基板32とを有している。
液晶表示装置100を透過型として使用する場合、上側偏光板60をフロント側(視認側)偏光板、下側偏光板50をリア側(バックライト側)偏光板とし、図示していないが、液晶32と上側偏光板60との間にカラーフィルターを備える態様となる。図3において、60Dと50Dは互いに略直交した各偏光板の吸収軸の方向を示しており、31Dと33Dは各電極基板の配向制御方向を示している。
図4に示される入射光照射部は、バックライトユニット40と上記光学シート1から構成されてなる。バックライトユニット40は、白色光を出射する光源42と、光源42から出射された一次光を導光させて出射させる導光板43と、導光板43の光出射面と反対側の面に備えられてなる反射板41とを備える。上記本発明の光学シート1は、偏光子10側から、導光板43からの出射光LB,LG,LRが入射されるように、導光板43を挟んで反射板41と対向配置されている。
光源42としては、430nm〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する青色光と、500nm〜600nmの波長帯域に発光中心波長を有する緑色光と、600nm〜4700nmの波長帯域に発光強度のピークの少なくとも一部を有する赤色光とを発光する光源であれば特に制限されない。かかる光源としては、青色光を発光する青色発光ダイオード(LED)と、青色発光ダイオードの光が入射した時に緑色光と赤色光を発光する蛍光材料を有する光源、300nm以上430nm未満の波長帯域に発光中心を有するUV光を発光するUV発光ダイオードと、UV発光ダイオードの光が入射した時に青色光と緑色光と赤色光を発光する蛍光材料を有する光源、青色光を発光する青色発光ダイオードと、青色発光ダイオードの光が入射した時に緑色光〜赤色光にかけての広いピークの光を発光する蛍光材料(黄色蛍光体など)を有する光源(疑似白色LED)、各色の発光ダイオードを備えた光源等が好ましく例示される。
反射板41は、光源から発光されて輝度向上フィルムで反射された光の偏光状態を変換し、反射する。このような反射板41としては特に制限はなく、公知のものを用いることができ、特許3416302号、特許3363565号、特許4091978号、特許348656号等に記載されている。
導光板43としては、公知のものを何ら制限なく使用することができる。
輝度向上フィルム20において、反射偏光子23は、反射中心波長380nm以上500nm未満、且つ半値幅100nm以下である反射率ピークを有する光反射層23Aと、反射中心波長500nm以上750nm以下、且つ半値幅200nm以下である反射率ピークを有する光反射層23Bとにより構成されてなり、光反射層23AのRth(550)と光反射層23BのRth(550)の符号が異なる態様を有するものである。かかる態様の輝度向上フィルムは、光反射層23Aで青色光(L)、光反射層23Bで緑色光(L)と赤色光(L)の右円偏光又は左円偏光の少なくとも一方を反射し、λ/4層22は波長λの光を円偏光から直線偏光に変換することができる。かかる構成により、第一の偏光状態の円偏光(例えば右円偏光)が光反射層23で実質的に反射され、一方で第二の偏光状態の円偏光(例えば左円偏光)が光反射層23で実質的に透過し、透過光はλ/4板によって直線偏光に変換されて出射される。反射された右円偏光は反射板41等によりその方向及び偏光状態をランダム化されて再度輝度向上フィルム20に入射して左円偏光が透過して出射される。このように、反射された偏光状態の光を再循環することにより光の利用効率を高め、バックライトから出射される光Lwの強度を高めることができる。
バックライトユニット40は、その他、公知の拡散板や拡散シート、プリズムシート(例えば、住友スリーエム社製BEFシリーズなど)、導光器を備えていることも好ましい。その他の部材についても、特許3416302号、特許3363565号、特許4091978号、特許3448626号などに記載されており、これらの公報の内容は本発明に組み込まれる。
なお、上記バックライトユニットが備えられる液晶表示装置において、液晶セルの駆動モードについては特に制限はなく、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等の種々のモードを利用することができる。液晶セルは、VAモード、OCBモード、IPSモード、またはTNモードであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。VAモードの液晶表示装置の構成としては、特開2008−262161号公報の図2に示す構成が一例として挙げられる。ただし、液晶表示装置の具体的構成には特に制限はなく、公知の構成を採用することができる。
バックライトユニットの輝度向上フィルムが、本発明の光学シートを備えることにより、特に赤色及び緑色の波長変換域が広くなり、高輝度なバックライト及び液晶表示装置を得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
特開2006−293275号公報の[0219]〜[0220]と同様にして、偏光子を製造し、偏光子の一表面に、下記の組成の配向膜塗布液を#14のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、更に100℃の温風で120秒乾燥した。得られた塗布膜に連続的にラビング処理を施した。このとき、長尺状のフィルムの長手方向と搬送方向は平行であり、フィルム長手方向に対して、ラビングローラーの回転軸は時計回りに45°の方向とした。
上記配向層上に、下記の組成の円盤状液晶化合物を含むλ/4層形成用塗布液を上記作製した配向膜の表面に#3.6のワイヤーバーで連続的に塗布した。フィルムの搬送速度(V)は20m/minとした。塗布液の溶剤の乾燥及び円盤状液晶化合物の配向熟成のために、130℃の温風で90秒間加熱した。続いて、80℃にて紫外線照射(300mJ/cm)を行い、液晶化合物の配向を固定化しλ/4層を形成した。
上記配向助剤1および2は、それぞれトリメチル置換のベンゼン環におけるメチル基の置換位置が異なる2種の化合物の混合物(2種の化合物の混合比50:50(質量比))である。また、界面活性剤1の「a/b=98/2」との記載は、aは98質量%、bは2質量%であることを示す。
<B1 円盤状液晶化合物を用いた、コレステリック層の形成>
上記の方法で作製したλ/4板の表面に、下記の方法で液晶化合物として円盤状液晶化合物を用いたコレステリック液晶相を固定してなる光反射層として、第一の光反射層を形成した。
下記の組成の円盤状液晶化合物を含む塗布液B1を上記作製した配向膜の表面に塗布した。続いて、溶媒を70℃、2分間乾燥し、溶媒を気化させた後に115℃で3分間加熱熟成を行って、均一な配向状態を得た。
水銀灯を用いて紫外線照射して、光反射層を形成した。
このとき、UV照射量は300mJ/cmとした。
<B2 棒状液晶化合物を用いた、コレステリック層の形成>
上記の方法で作製したλ/4板の表面に、連続的に塗布した。フィルムの搬送速度(V)は20m/minとした。塗布液の溶媒の乾燥及び棒状液晶化合物の配向熟成のために、85℃の温風で120秒間加熱した。続いて、80℃にてUV照射を行い、液晶化合物の配向を固定化し光反射層を形成した。
このとき、UV照射量は300mJ/cmとした。
<B4 高Δn棒状液晶化合物を用いた、ピッチグラジエントコレステリック層の形成>
下記の組成の棒状液晶化合物を含む塗布液B4を塗布した。フィルムの搬送速度(V)は20m/minとした。
塗布液の溶媒の乾燥及び棒状液晶化合物の配向熟成のために、110℃の温風で120秒間加熱した。
続いて、100℃にて照射量20mJ/cm2でUV照射した。
更にその後、配向再熟成として、80℃の温風で120秒加熱した。
続いて、70℃にて照射量350mJ/cm2でUV照射し、光反射層を形成した。
(転写)
実施例の表中「転写」との記載の例は、以下のように作製した。
仮支持体として富士フイルム製PET(厚さ75μm)を準備し、連続的にラビング処理を施した。ラビング処理の方向は、フィルム長手方向と平行とした。上記仮支持体上に上記いずれかの液晶化合物を塗布し、λ/4板および反射偏光子を作製した。総研化学社製SK2057を使用して貼合し、仮支持体は貼合後剥離した。
IPSモード液晶セル(LGC製 42LS5600)の下側の偏光板を剥がし、作製した以下の表1に記載の各例の光学シートを、偏光子がセル側となるよう液晶セルに貼りつけた。このとき、偏光子の透過軸は元の製品と同様にクロスニコルとなるように配置とした。作製した光学シートについて、以下の基準で評価した。
<評価>
(1)正面輝度
測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、白表示時の正面輝度を測定した。その結果をもとに、以下の基準で評価した。輝度向上フィルムを設けない構成を正面輝度100%として評価した。
5:130%以上であり、良好である。
4:120%以上〜130%未満であり、比較的良好である。
3:110%以上〜120%未満であり、比較的悪い。
2:110%未満であり、悪い。
(2)斜め色味変化
液晶表示装置の斜め色味変化Δu’v’を以下の方法で評価した。色味座標u’、v’の値を正面(極角0度)と極角60度方向で差分をとった色味色差Δu’v’を方位角0〜360度方向で15度刻みに測定し、その平均値を斜め色味変化Δu’v’の評価指標とした。色味座標u’v’の測定には測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いた。その結果をもとに、以下の基準で評価した。
4:比較例2の液晶表示装置の斜め色味変化を100%としたときに、色味変化が70%未満。
3:比較例2の液晶表示装置の斜め色味変化を100%としたときに、色味変化が70%以上。
(3)高温高湿環境経時後のパネルの反り;ベンディング
液晶表示装置の湿度変化時のパネル反りを以下の方法で評価した。
液晶表示装置を60℃、相対湿度90%で48時間経過させた後、25℃、相対湿度60%の環境下で液晶表示装置を分解し、液晶セルを平面に静置し、4角それぞれの平面からの高さを反り量として測定し、そのうち最も大きな値をベンディングとして測定した。
5:ベンディング量が7mm未満で反りが小さい
4:ベンディング量が7mm以上、8mm未満で反りが比較的小さい
3:ベンディング量が8mm以上、9mm未満で反りが比較的大きい
2:ベンディング量が9mm以上で反りが大きい
(4)表面傷耐性
次に、各光学シートの偏光子側表面をガラス基材に粘着剤で貼合した。
このサンプルに対して、反射偏光子側から以下の荷重を掛けた後の変形量を非接触表面・層断面形状計測システム VertScan(菱化システム社製)で測定した。
荷重は、プッシュプルゲージの先端を5mmφの球形状に加工し、0.5kgの荷重を10秒間与えた。
4: 変形量が3μm以下であり、略視認されない
3: 変形量が3μm以上であり、視認される
各実施例及び比較例の構成及びその評価結果を以下の表3に示す。
1,50 光学シート
10 偏光子
10s 偏光子の表面
20 輝度向上フィルム
21 配向層
21s 配向層の表面
22 円盤状液晶化合物が垂直配向したλ/4板
23 反射偏光子
23A,23B 光反射層
30 液晶セル
40 バックライトユニット
100 液晶表示装置

Claims (11)

  1. 偏光子と、
    該偏光子の表面に隣接してなる配向層と、
    該配向層の前記偏光子と反対側の表面に隣接してなるλ/4層と、
    該λ/4層の前記配向層と反対側の表面に備えられてなる反射偏光子と含み、
    該反射偏光子が、コレステリック液晶相が固定されてなる少なくとも1層の光反射層を含み、
    前記λ/4層及び前記光反射層が、液晶化合物を含む重合性液晶組成物の硬化層である光学シート。
  2. 前記反射偏光子が、少なくとも2層の前記光反射層を備えてなる請求項1記載の光学シート。
  3. 前記反射偏光子が、円盤状液晶化合物が固定されてなるコレステリック液晶層からなる前記光反射層と、棒状液晶化合物が固定されてなるコレステリック液晶層からなる前記光反射層とを含む請求項1または2に記載の光学シート。
  4. 前記λ/4層が、円盤状液晶化合物が固定されてなる層である請求項1〜3いずれか1項に記載の光学シート。
  5. 前記偏光子が、ポリビニルアルコール及び/またはエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む請求項1〜4いずれか1項に記載の光学シート。
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載の光学シートと液晶セルとを少なくとも含む液晶表示装置。
  7. 偏光子を用意し、
    該偏光子の表面に隣接して配向層を形成する配向層形成工程と、
    前記配向層の前記偏光子と反対側の表面に、液晶化合物を含む重合性液晶組成物を直接塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜を硬化させて液晶化合物が固定されてなるλ/4層を形成するλ/4層形成工程と、
    前記λ/4層の前記配向層と反対側の表面にコレステリック液晶相が固定されてなる少なくとも1層の光反射層を含む反射偏光子を形成する反射偏光子形成工程とを有する光学シートの製造方法。
  8. 前記反射偏光子形成工程は、前記λ/4層の前記表面に、液晶化合物を含む重合性液晶組成物を直接塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜を硬化させて前記光反射層を形成する工程である請求項7に記載の光学シートの製造方法。
  9. 前記反射偏光子形成工程は、
    前記λ/4層の前記表面に、円盤状液晶化合物または棒状液晶化合物からなる前記液晶化合物を含む重合性液晶組成物を直接塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜を硬化させて第1の光反射層を形成する工程と、
    該第1の光反射層の表面に、円盤状液晶化合物または棒状液晶化合物からなる前記液晶化合物を含む重合性液晶組成物を直接塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜を硬化させて第2の光反射層を形成する工程とを有してなり、
    前記第1の光反射層の前記液晶化合物と前記第2の光反射層の、前記液晶化合物の形状が異なる請求項7または8に記載の光学シートの製造方法。
  10. 前記λ/4層形成工程において、前記液晶化合物が円盤状液晶化合物である請求項7〜9いずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
  11. 前記偏光子が、ポリビニルアルコール及び/またはエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む請求項7〜10いずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
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