JP2014173427A - ディフューザベーン及びそれを備えた遠心圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】作動範囲を広くすることができ、圧力損失が少ないディフューザベーンを提供することを目的とする。
【解決手段】遠心圧縮機(1)のディフューザ流路(14a)は、インペラ(11)が配設された吸気流路(9)を有する本体ハウジング(3)と、本体ハウジング(3)に対し吸気流路(9)の下流側に連結された蓋ハウジング(5)と、の間の環状の間隙として形成されている。このディフューザベーン(15)は、ディフューザ流路(14a)内に周方向に離隔して配置され、本体ハウジング(3)と蓋ハウジング(5)とを連結する連結部(6)と、後縁(TE)から前縁(LE)側に向かう所定の延面距離の範囲(L1)で蓋ハウジング(3)との間に隙間を形成する空隙形成部(15a)と、を有している。
【選択図】図2
【解決手段】遠心圧縮機(1)のディフューザ流路(14a)は、インペラ(11)が配設された吸気流路(9)を有する本体ハウジング(3)と、本体ハウジング(3)に対し吸気流路(9)の下流側に連結された蓋ハウジング(5)と、の間の環状の間隙として形成されている。このディフューザベーン(15)は、ディフューザ流路(14a)内に周方向に離隔して配置され、本体ハウジング(3)と蓋ハウジング(5)とを連結する連結部(6)と、後縁(TE)から前縁(LE)側に向かう所定の延面距離の範囲(L1)で蓋ハウジング(3)との間に隙間を形成する空隙形成部(15a)と、を有している。
【選択図】図2
Description
本発明は、ディフューザベーン及びそれを備えた遠心圧縮機に係る。
従来、遠心圧縮機として、ディフューザの流路内に複数のディフューザベーンを備えたものが知られており、その一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1には、遠心圧縮機において、ディフューザのシュラウド側壁面から立設するディフューザベーンを有し、そのディフューザベーンの先端と、シュラウド側壁面に対向するハブ側壁面と、の間にクリアランスと称される前縁から後縁に至る隙間を形成した例、及びディフューザベーンの中央部から前縁にかけてのハブ側壁面に沿った範囲に、同じくクリアランスと称される孔又は切れ込みを設けた例が開示されている。
そして、特許文献1に記載された遠心圧縮機は、これらのクリアランスを設けることにより、クリアランス無しの場合と比較して、ディフューザの流路面積を広く確保でき、効率向上と作動範囲の拡大との両立を図ることができるものになっている。
特許文献1には、遠心圧縮機において、ディフューザのシュラウド側壁面から立設するディフューザベーンを有し、そのディフューザベーンの先端と、シュラウド側壁面に対向するハブ側壁面と、の間にクリアランスと称される前縁から後縁に至る隙間を形成した例、及びディフューザベーンの中央部から前縁にかけてのハブ側壁面に沿った範囲に、同じくクリアランスと称される孔又は切れ込みを設けた例が開示されている。
そして、特許文献1に記載された遠心圧縮機は、これらのクリアランスを設けることにより、クリアランス無しの場合と比較して、ディフューザの流路面積を広く確保でき、効率向上と作動範囲の拡大との両立を図ることができるものになっている。
発明者は、ディフューザの流路内の流れについて、特にディフューザベーンの近傍領域における流速について詳細な検討を行ってきた。その検討結果について、図10及び図11を参照して説明する。
図10は、従来の一般的な、クリアランスの無いディフューザベーン105を備えた遠心圧縮機100におけるディフューザ102の近傍を示す断面図であり、図11は、図10におけるA−A位置での断面図である。
ディフューザ102は、ハウジング本体103と蓋部材104とにより構成され、ハウジング本体103側の後端面103aと蓋部材104の前端面104aとの間にディフューザ流路102aとなる空間を形成する部分である。ディフューザ102は、ハウジング本体103内に配置されたインペラ101の径方向外側に位置して設けられている。
ディフューザ流路102aには、周方向に離隔して配設された複数のベーン105が備えられている。ここでベーン105の羽根の高さは高さH105で示される。図11では、代表として隣接する二つのベーン105について全体形状が示され、インペラ101回転時のディフューザ流路102a内を流れる流体の流れ方向が、白抜き矢印で示されている。
ディフューザ102は、ハウジング本体103と蓋部材104とにより構成され、ハウジング本体103側の後端面103aと蓋部材104の前端面104aとの間にディフューザ流路102aとなる空間を形成する部分である。ディフューザ102は、ハウジング本体103内に配置されたインペラ101の径方向外側に位置して設けられている。
ディフューザ流路102aには、周方向に離隔して配設された複数のベーン105が備えられている。ここでベーン105の羽根の高さは高さH105で示される。図11では、代表として隣接する二つのベーン105について全体形状が示され、インペラ101回転時のディフューザ流路102a内を流れる流体の流れ方向が、白抜き矢印で示されている。
また、図11には、ベーン105の羽根の高さH105を100%としたときの、蓋部材104の前端面104aから10%の位置での流速分布における、マッハ数Maが最高ランクの高速領域KARと最低ランクの低速領域TARとが、ハッチング範囲として示されている。
図11から明らかなように、ベーン105の圧力面PSにおける内径側(前縁LE側)の近傍領域に高速領域KARが生じ、負圧面SSにおける外径側(後縁TE側)の近傍領域に低速領域TARが生じている。
この低速領域TARは、ベーン105の内径側から外径側に流れる主流の他に、その主流に直交し圧力面PS側から負圧面SS側に流れる二次流れが発生することにより生じるものと考えられる。
負圧面SSの後縁TE側近傍に生じた低速領域TARは圧力損失の原因となるものであるから、ベーン105は、その低速領域TARが発生しない又は発生しても小さく、圧力損失が少ないものであることが望まれる。
また、当然に、流路面積が大きく確保されて作動範囲が広いことも望まれるので、それら二つの要望が両立して実現されることが期待されている。
図11から明らかなように、ベーン105の圧力面PSにおける内径側(前縁LE側)の近傍領域に高速領域KARが生じ、負圧面SSにおける外径側(後縁TE側)の近傍領域に低速領域TARが生じている。
この低速領域TARは、ベーン105の内径側から外径側に流れる主流の他に、その主流に直交し圧力面PS側から負圧面SS側に流れる二次流れが発生することにより生じるものと考えられる。
負圧面SSの後縁TE側近傍に生じた低速領域TARは圧力損失の原因となるものであるから、ベーン105は、その低速領域TARが発生しない又は発生しても小さく、圧力損失が少ないものであることが望まれる。
また、当然に、流路面積が大きく確保されて作動範囲が広いことも望まれるので、それら二つの要望が両立して実現されることが期待されている。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、作動範囲を広くすることができ、圧力損失が少ないディフューザベーン及びそれを備えた遠心圧縮機を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は次の構成を有する。
1) 遠心圧縮機(1)のディフューザ流路(14a)に設けられるディフューザベーンであって、
前記ディフューザ流路(14a)は、インペラ(11)が配設された吸気流路(9)を有する本体ハウジング(3)と、前記本体ハウジング(3)に対し前記吸気流路(9)の下流側に連結された蓋ハウジング(5)との間の環状の間隙として形成されており、
前記ディフューザ流路(14a)内に周方向に離隔して配置され、
前記本体ハウジング(3)と前記蓋ハウジング(5)とを連結する連結部(6)と、後縁(TE)から前縁(LE)側に向かう所定の延面距離の範囲(L1)で前記蓋ハウジング(3)との間に隙間を形成する空隙形成部(15a)と、を有していることを特徴とするディフューザベーン(15)である。
2) 前記空隙形成部(15a)は、前記後縁(TE)から前記前縁(LE)に向かうに従って、前記隙間の高さ(h1)を一定とする範囲と減小させる範囲との少なくとも一方を含んで形成されていることを特徴とする1)に記載のディフューザベーン(15)である。
3) 前記隙間の高さ(h1)は、前記連結部(6)の高さを100%としたときの15%以下とされていることを特徴とする1)又は2)に記載のディフューザベーン(15)である。
4) 前記所定の延面距離は、前記ディフューザベーン(15)の前記後縁(TE)から前記前縁(LE)迄の延面距離を100%としたときの25%以下とされていることを特徴とする1)〜3)のいずれか一つに記載のディフューザベーン(15)である。
5) 遠心圧縮機(1)のディフューザ流路(14a)に設けられるディフューザベーンであって、
前記ディフューザ流路(14a)は、インペラ(11)が配設された吸気流路(9)を有する本体ハウジング(3)と、前記本体ハウジング(3)の前記吸気流路(9)の下流側に連結された蓋ハウジング(5)との間の環状の間隙として形成されており、
前記ディフューザ流路(14a)内に周方向に離隔して配置され、
前記本体ハウジング(3)と前記蓋ハウジング(5)とを連結する連結部(20)と、後縁(TE)と前縁(LE)との間の中間領域における所定の延面距離の範囲で前記本体ハウジング(3)との間に隙間を形成する隙間形成部(19)と、を有していることを特徴とするディフューザベーン(15B)である。
6) 前記隙間は、高さが前記連結部(20)の高さを100%としたときの10%以下であり、前記所定の延面距離の範囲が前記前縁から前記後縁迄の延面距離を100%としたときの前記前縁から35%〜55%に含まれることを特徴とする5)に記載のディフューザベーン(15B)である。
7) 吸気流路(9)を有する本体ハウジング(3)と、前記吸気流路(9)内に配設されたインペラ(11)と、前記本体ハウジング(3)に対し前記吸気流路(9)の下流側に連結された蓋ハウジング(5)と、前記本体ハウジング(3)と蓋ハウジング(5)との間の環状の間隙を流路(14a)としてなるディフューザ(14)と、前記ディフューザ(14)の流路(14a)内に周方向に離隔して配設された複数のディフューザベーンと、を備えた遠心圧縮機において、
前記ディフューザベーンとして、1)〜6)のいずれか一つに記載のディフューザベーン(15)(15B)を備えていることを特徴とする遠心圧縮機(1)である。
1) 遠心圧縮機(1)のディフューザ流路(14a)に設けられるディフューザベーンであって、
前記ディフューザ流路(14a)は、インペラ(11)が配設された吸気流路(9)を有する本体ハウジング(3)と、前記本体ハウジング(3)に対し前記吸気流路(9)の下流側に連結された蓋ハウジング(5)との間の環状の間隙として形成されており、
前記ディフューザ流路(14a)内に周方向に離隔して配置され、
前記本体ハウジング(3)と前記蓋ハウジング(5)とを連結する連結部(6)と、後縁(TE)から前縁(LE)側に向かう所定の延面距離の範囲(L1)で前記蓋ハウジング(3)との間に隙間を形成する空隙形成部(15a)と、を有していることを特徴とするディフューザベーン(15)である。
2) 前記空隙形成部(15a)は、前記後縁(TE)から前記前縁(LE)に向かうに従って、前記隙間の高さ(h1)を一定とする範囲と減小させる範囲との少なくとも一方を含んで形成されていることを特徴とする1)に記載のディフューザベーン(15)である。
3) 前記隙間の高さ(h1)は、前記連結部(6)の高さを100%としたときの15%以下とされていることを特徴とする1)又は2)に記載のディフューザベーン(15)である。
4) 前記所定の延面距離は、前記ディフューザベーン(15)の前記後縁(TE)から前記前縁(LE)迄の延面距離を100%としたときの25%以下とされていることを特徴とする1)〜3)のいずれか一つに記載のディフューザベーン(15)である。
5) 遠心圧縮機(1)のディフューザ流路(14a)に設けられるディフューザベーンであって、
前記ディフューザ流路(14a)は、インペラ(11)が配設された吸気流路(9)を有する本体ハウジング(3)と、前記本体ハウジング(3)の前記吸気流路(9)の下流側に連結された蓋ハウジング(5)との間の環状の間隙として形成されており、
前記ディフューザ流路(14a)内に周方向に離隔して配置され、
前記本体ハウジング(3)と前記蓋ハウジング(5)とを連結する連結部(20)と、後縁(TE)と前縁(LE)との間の中間領域における所定の延面距離の範囲で前記本体ハウジング(3)との間に隙間を形成する隙間形成部(19)と、を有していることを特徴とするディフューザベーン(15B)である。
6) 前記隙間は、高さが前記連結部(20)の高さを100%としたときの10%以下であり、前記所定の延面距離の範囲が前記前縁から前記後縁迄の延面距離を100%としたときの前記前縁から35%〜55%に含まれることを特徴とする5)に記載のディフューザベーン(15B)である。
7) 吸気流路(9)を有する本体ハウジング(3)と、前記吸気流路(9)内に配設されたインペラ(11)と、前記本体ハウジング(3)に対し前記吸気流路(9)の下流側に連結された蓋ハウジング(5)と、前記本体ハウジング(3)と蓋ハウジング(5)との間の環状の間隙を流路(14a)としてなるディフューザ(14)と、前記ディフューザ(14)の流路(14a)内に周方向に離隔して配設された複数のディフューザベーンと、を備えた遠心圧縮機において、
前記ディフューザベーンとして、1)〜6)のいずれか一つに記載のディフューザベーン(15)(15B)を備えていることを特徴とする遠心圧縮機(1)である。
本発明によれば、作動範囲を広くすることができ、圧力損失が少ない、という効果が得られる。
本発明の実施形態におけるディフューザベーンを備えた遠心圧縮機を、図1〜図9,図11を参照して説明する。説明における前後方向は、便宜的に図1に示される前後方向で規定する。
まず、図1を参照して遠心圧縮機1について説明する。
遠心圧縮機1は、略環状の吸気流路部Rを有する本体ハウジング3と、本体ハウジング3の後方側(吸気流路部Rの下流側)に連結された蓋ハウジング5と、を含むハウジング体7を有している。
本体ハウジング3の吸気流路部Rは、内部が、図1の右方側を上流側として左方側へ吸気される流体(この例では空気)の吸気流路9となっている。この吸気流路9の後方側(下流側)にはインペラ11が配設されている。
インペラ11は、ハブ部11aと、ハブ部11aから径方向外側に延出するよう設けられた羽根部11bと、を有している。
ハブ部11aには、シャフト13が挿通固定されている。このシャフト13は、蓋ハウジング5に支持されつつ図示しない駆動源に連結されており、駆動源の動作によってインペラ11はシャフト13と共に回転するようになっている。この回転により、遠心圧縮機1は、吸気流路9内の空気を吸引圧縮すると共にインペラ11の径方向外側に設けられたディフューザ14からスクロール通路17に向け送給する。
遠心圧縮機1は、略環状の吸気流路部Rを有する本体ハウジング3と、本体ハウジング3の後方側(吸気流路部Rの下流側)に連結された蓋ハウジング5と、を含むハウジング体7を有している。
本体ハウジング3の吸気流路部Rは、内部が、図1の右方側を上流側として左方側へ吸気される流体(この例では空気)の吸気流路9となっている。この吸気流路9の後方側(下流側)にはインペラ11が配設されている。
インペラ11は、ハブ部11aと、ハブ部11aから径方向外側に延出するよう設けられた羽根部11bと、を有している。
ハブ部11aには、シャフト13が挿通固定されている。このシャフト13は、蓋ハウジング5に支持されつつ図示しない駆動源に連結されており、駆動源の動作によってインペラ11はシャフト13と共に回転するようになっている。この回転により、遠心圧縮機1は、吸気流路9内の空気を吸引圧縮すると共にインペラ11の径方向外側に設けられたディフューザ14からスクロール通路17に向け送給する。
ディフューザ14は、インペラ11の径方向外側において、本体ハウジング3の後方側の壁部3aと壁部3aに所定間隔をもって対向する蓋ハウジング5の前方側の壁部5aとにより、環状に形成されている。壁部3aと壁部5aとの間の間隙は、ディフューザ14を流れる流体の流路14aとなっている。
流路14a内には、複数のディフューザベーン15(以下、単にベーン15と称する)が設けられている。
具体的には、本体ハウジング3の壁部3aに環状のリングプレート16が埋め込まれるように取り付けられており、複数のベーン15は、リングプレート16上に周方向に所定間隔をもって離隔し、後方側に向けて立設形成されている。
具体的には、本体ハウジング3の壁部3aに環状のリングプレート16が埋め込まれるように取り付けられており、複数のベーン15は、リングプレート16上に周方向に所定間隔をもって離隔し、後方側に向けて立設形成されている。
次に、ベーン15の詳細を図2及び図3を参照して説明する。
図2は、図1におけるディフューザ14近傍の拡大図である。図3は、図2におけるA1−A1位置での断面図である。
ディフューザ14において、ベーン15は、上述のように周方向に所定の間隔で離隔して複数個配設されている。また、ベーン15の長手方向がインペラ11の回転中心線CL1(図1参照)とベーン15の長手方向の中心位置P1とを通る線LN1に対して概ね角度θ(0<θ<90°)傾いた姿勢とされている。
この構成において、インペラ11が回転すると、空気は、流路14a内を白ヌキ矢印(図3参照)の方向に流れるようになっている。
図2は、図1におけるディフューザ14近傍の拡大図である。図3は、図2におけるA1−A1位置での断面図である。
ディフューザ14において、ベーン15は、上述のように周方向に所定の間隔で離隔して複数個配設されている。また、ベーン15の長手方向がインペラ11の回転中心線CL1(図1参照)とベーン15の長手方向の中心位置P1とを通る線LN1に対して概ね角度θ(0<θ<90°)傾いた姿勢とされている。
この構成において、インペラ11が回転すると、空気は、流路14a内を白ヌキ矢印(図3参照)の方向に流れるようになっている。
ベーン15は、本体ハウジング3の壁部3aと蓋ハウジング5の壁部5aとの両方に連結した連結部6(羽根の高さHTなる部分)と、壁部3a側にのみ連結した羽根高さが高さHTよりも低い部分(L1の範囲)とを有している。
換言するならば、ベーン15は、蓋ハウジング5の壁部5a側において後縁TEから壁部5aに沿った所定の範囲L1に、壁部5aとの間に隙間を形成するよう欠落した空隙形成部15aを有している。
さらに換言するならば、ベーン15は、前縁LEから後縁TE迄の、前縁LE側の部分が本体ハウジング3の壁部3aと蓋ハウジング5の壁部5aとに連結部6により連結し、後縁TE側の部分が壁部3aのみに連結した形状になっている。
空隙形成部15aは、壁部5aに対して距離h1だけ離れて平行に形成された端部15a1と、端部15a1の最奥部位から壁部5aに向かうように形成された側部15a2と、を有している。
換言するならば、ベーン15は、蓋ハウジング5の壁部5a側において後縁TEから壁部5aに沿った所定の範囲L1に、壁部5aとの間に隙間を形成するよう欠落した空隙形成部15aを有している。
さらに換言するならば、ベーン15は、前縁LEから後縁TE迄の、前縁LE側の部分が本体ハウジング3の壁部3aと蓋ハウジング5の壁部5aとに連結部6により連結し、後縁TE側の部分が壁部3aのみに連結した形状になっている。
空隙形成部15aは、壁部5aに対して距離h1だけ離れて平行に形成された端部15a1と、端部15a1の最奥部位から壁部5aに向かうように形成された側部15a2と、を有している。
このように、ディフューザ14の流路14aにおいて、ベーン15は、蓋ハウジング5の壁部5aに沿い後縁TEから前縁LEに向かって切り込まれた空隙形成部15aを有している。
この空隙形成部15aにより形成された、ベーン15と壁部5aとの隙間は、ベーン15の圧力面PSと負圧面SSとを空間で繋ぎ、流体(空気)が流通可能な流路となる。
そのため、図11で説明したような、べーン高さを100%としたときの壁部5aから10%の位置に生じる低速領域TARの発生を防止又は抑制することができる。また、低速領域TARの発生を完全に防止できない場合でも、発生範囲を、空隙形成部15aが無い場合と比べて小さくすることができる。
従って、空隙形成部15aを有するベーン15は、流路面積が広く確保されるので遠心圧縮機の作動範囲を広くすることができ、かつ圧力損失が少ないものとなっている。
この空隙形成部15aにより形成された、ベーン15と壁部5aとの隙間は、ベーン15の圧力面PSと負圧面SSとを空間で繋ぎ、流体(空気)が流通可能な流路となる。
そのため、図11で説明したような、べーン高さを100%としたときの壁部5aから10%の位置に生じる低速領域TARの発生を防止又は抑制することができる。また、低速領域TARの発生を完全に防止できない場合でも、発生範囲を、空隙形成部15aが無い場合と比べて小さくすることができる。
従って、空隙形成部15aを有するベーン15は、流路面積が広く確保されるので遠心圧縮機の作動範囲を広くすることができ、かつ圧力損失が少ないものとなっている。
発明者は、図11で説明した流速分布について更に詳細に探求し、図4に示される結果を得た。
図4は、空隙形成部15aを有していないベーン15K(以下、比較ベーン15Kと称する)について、蓋ハウジング5の壁部5a側からの距離に応じた速度分布の違いを、距離を9段階に変えてシミュレーションした結果の内、特に顕著に低速領域TARが出現している三つの段階について示した図である。
具体的には、比較ベーン15Kの羽根高さを100%とし、9段階の各位置を壁部9aの表面を0%の位置として便宜的に%で表し、10%から90%まで、10%刻みで結果を求めたものである。
従って、100%の位置は本体ハウジング3の壁部3aの表面位置であり、50%の位置は両表面の中間位置であることを意味する。
そして、図4(A)が10%位置、図4(B)が20%位置、図4(C)が30%位置での流速分布の結果である。
また,図4(A)〜図4(C)では、描画の単純化と理解の容易化のため、高速領域KARと低速領域TARとが、マッハ数Maの値に基づいて以下のように各2段階で表されている。すなわち、
(高速領域KAR)
領域K1:1.2<Ma (クロスハッチング)
領域K2:1.0<Ma≦1.2 (片ハッチング)
(低速領域TAR)
領域T1:0<Ma≦0.2 (片ハッチング)
領域T2:0≒Ma (クロスハッチング)
である。
図4は、空隙形成部15aを有していないベーン15K(以下、比較ベーン15Kと称する)について、蓋ハウジング5の壁部5a側からの距離に応じた速度分布の違いを、距離を9段階に変えてシミュレーションした結果の内、特に顕著に低速領域TARが出現している三つの段階について示した図である。
具体的には、比較ベーン15Kの羽根高さを100%とし、9段階の各位置を壁部9aの表面を0%の位置として便宜的に%で表し、10%から90%まで、10%刻みで結果を求めたものである。
従って、100%の位置は本体ハウジング3の壁部3aの表面位置であり、50%の位置は両表面の中間位置であることを意味する。
そして、図4(A)が10%位置、図4(B)が20%位置、図4(C)が30%位置での流速分布の結果である。
また,図4(A)〜図4(C)では、描画の単純化と理解の容易化のため、高速領域KARと低速領域TARとが、マッハ数Maの値に基づいて以下のように各2段階で表されている。すなわち、
(高速領域KAR)
領域K1:1.2<Ma (クロスハッチング)
領域K2:1.0<Ma≦1.2 (片ハッチング)
(低速領域TAR)
領域T1:0<Ma≦0.2 (片ハッチング)
領域T2:0≒Ma (クロスハッチング)
である。
図4(A)〜図4(C)から明らかなように、10%位置において、マッハ数Maがほぼ0(ゼロ)となる領域T2が、比較ベーン15Kの負圧面SSにおける後縁TE側の表面位置を含めて発生していることが認められる。
また、この領域T2は、20%以上の位置で発生が認められていない。従って、領域T2は、10%未満の位置においてその範囲が拡大しているものと推察される。
また、この領域T2は、20%以上の位置で発生が認められていない。従って、領域T2は、10%未満の位置においてその範囲が拡大しているものと推察される。
マッハ数Maが0<Ma≦0.2なる領域T1は、10%位置において、領域T2を包含し、比較ベーン15Kの負圧面SSにおける後縁TE側の表面位置を含めて発生している。
領域T1は、20%位置において、比較ベーン15Kから離隔した位置に発生し、30%以上の位置では発生が認められない。従って、領域T1は、10%未満の位置においてその範囲が拡大しているものと推察される。
領域T1は、20%位置において、比較ベーン15Kから離隔した位置に発生し、30%以上の位置では発生が認められない。従って、領域T1は、10%未満の位置においてその範囲が拡大しているものと推察される。
一方、高速領域KARにおける領域K1,K2は、10〜30%位置のいずれにもベーン15Kの表面位置から発生しており、位置の違いによる領域形状の変化はほとんど認められない。
これらの結果から、ベーン15Kは、超低速なる領域T1と領域T2との発生を防止又は抑制できるものであれば、圧力損失を効果的に少なくできることがわかる。
すなわち、図4(A)〜図4(C)に示されている結果に基づき、比較ベーン15Kにおいて、その表面位置から発生している領域T1,T2に対応する範囲を空隙形成部15aとして圧力面PSと負圧面SSとの間の空気流通を可能とすることで、より効果的に圧力損失を防止又は抑制できる。
すなわち、図4(A)〜図4(C)に示されている結果に基づき、比較ベーン15Kにおいて、その表面位置から発生している領域T1,T2に対応する範囲を空隙形成部15aとして圧力面PSと負圧面SSとの間の空気流通を可能とすることで、より効果的に圧力損失を防止又は抑制できる。
空隙形成部15aを形成する際の好ましい範囲は、以下のように設定できる。
高さ方向については、壁部5a側から0(ゼロ)〜20%未満の範囲と設定して形成するとよい。
ここで遠心圧縮機の効率向上というベーンに求められる効果を損なわないようにするには、空隙形成部15aにより生じる間隙を必要以上に大きくしないことが望ましい。
従って、より望ましくは、空隙形成部15aの高さを、領域T1及び領域T2が共にベーンの表面から発生している10%と発生していない20%との中間の15%を上限として形成するとよい。
高さ方向については、壁部5a側から0(ゼロ)〜20%未満の範囲と設定して形成するとよい。
ここで遠心圧縮機の効率向上というベーンに求められる効果を損なわないようにするには、空隙形成部15aにより生じる間隙を必要以上に大きくしないことが望ましい。
従って、より望ましくは、空隙形成部15aの高さを、領域T1及び領域T2が共にベーンの表面から発生している10%と発生していない20%との中間の15%を上限として形成するとよい。
一方、ベーンの長手方向について検討すると、べーンの前縁LEから後縁TEまでの延面距離を100%、後縁TE位置を0%としたときに、領域T1は、高さ方向の10%位置においてベーン表面の概ね0%〜25%の範囲に発生している。そして、高さ方向位置が0%に近づくほど、領域T1,T2の範囲は拡大する傾向にある。
発明者のシミュレーションによれば、領域T1は、高さ方向位置が0%位置近くで長手方向の0%〜50%の範囲に拡大するので、長手方向範囲として0〜55%の範囲に設けることが望ましい。
すなわち、ベーン15は、空隙形成部15aにより形成される隙間の高さである距離h1が、ベーン15の高さHTに対して0%〜15%以下に設定されているとよい。
また、ベーン15は、空隙形成部15aの側部15a2の位置が、ベーン15全体の長手方向の延面距離に対し、後縁TEを0%として55%以下の位置に設定されているとよい。
このように空隙形成部15aを設ける範囲を設定することで、ベーンを設けることによる遠心圧縮機の効率向上の効果を妨げることなく、より良好に圧力損失を少なくすることができる。
発明者のシミュレーションによれば、領域T1は、高さ方向位置が0%位置近くで長手方向の0%〜50%の範囲に拡大するので、長手方向範囲として0〜55%の範囲に設けることが望ましい。
すなわち、ベーン15は、空隙形成部15aにより形成される隙間の高さである距離h1が、ベーン15の高さHTに対して0%〜15%以下に設定されているとよい。
また、ベーン15は、空隙形成部15aの側部15a2の位置が、ベーン15全体の長手方向の延面距離に対し、後縁TEを0%として55%以下の位置に設定されているとよい。
このように空隙形成部15aを設ける範囲を設定することで、ベーンを設けることによる遠心圧縮機の効率向上の効果を妨げることなく、より良好に圧力損失を少なくすることができる。
空隙形成部15aは、図2に示されるような矩形形状でなくてもよい。
図4(A)からも明らかなように、低速領域TARは、ベーン15の後縁TE側に近い方がより低速の領域T2となっている。
従って、ベーン15を、図5に示されるように、端部15a1が後縁TEから離れるほど壁部5aに接近して距離h1が徐々に小さくなるよう傾斜した空隙形成部15aAを有するベーン15Aとしてもよい。この場合においても、良好に低速領域TARの発生を防止又は抑制することができる。
また、このベーン15Aにおいても、隙間の高さである距離h1は、ベーン15Aの高さHTを100%としたときの15%以下に設定されているとよく、端部15a1が壁部5aに接続する位置は、ベーン15A全体の長手方向の延面距離を100%とし後縁TEを0%位置としたときの55%以下の位置に設定されているとよい。
図4(A)からも明らかなように、低速領域TARは、ベーン15の後縁TE側に近い方がより低速の領域T2となっている。
従って、ベーン15を、図5に示されるように、端部15a1が後縁TEから離れるほど壁部5aに接近して距離h1が徐々に小さくなるよう傾斜した空隙形成部15aAを有するベーン15Aとしてもよい。この場合においても、良好に低速領域TARの発生を防止又は抑制することができる。
また、このベーン15Aにおいても、隙間の高さである距離h1は、ベーン15Aの高さHTを100%としたときの15%以下に設定されているとよく、端部15a1が壁部5aに接続する位置は、ベーン15A全体の長手方向の延面距離を100%とし後縁TEを0%位置としたときの55%以下の位置に設定されているとよい。
このように、ベーン15Aにおいて空隙形成部15aAを設ける範囲を最適設定することで、ベーンを設けることによる遠心圧縮機の効率向上の効果を妨げることなく、より良好に圧力損失を少なくすることができる。
発明者は、さらに吸気流路9内における二次流れにも着目し、その具体的流れをシミュレーションにより探求した。図6は、比較ベーン15K近傍の二次流れを流線Nとして模式的に示した図である。
図6において、流線Nで示される二次流れは、本体ハウジング3の壁部3a側において比較ベーン15Kaの圧力面PS側から隣接する比較ベーン15Kbの負圧面SS側に吸気流路9を横断するように流れる。
そして、二次流れは、比較ベーン15Kbの負圧面SSの中央付近における壁部3a側(図6の上方側)の部位AR1に当たって跳ね返り、負圧面SSから離隔つつ、蓋ハウジング5の壁部5a側に向けて流れ、吸気流路9を抜ける。
この二次流れの詳細検討により、比較ベーン15Kbの負圧面SSにおける壁部5a側の部位AR2に剥離が生じ、低速領域TARが生じる一因となっていることが明らかになった。
そこで、流線Nで代表される二次流れの内、部位AR1に当たって跳ね返る流れを低減することで低速領域TARの発生を抑制できる、として、部位AR1に相当する部位に負圧面SSと圧力面PSとを繋ぐ流路となる開口部を設け、二次流れがその開口部を介して負圧面SS側から反対側の圧力面PS側に抜けるようにしたベーン15Bを想起するに至った。
そして、二次流れは、比較ベーン15Kbの負圧面SSの中央付近における壁部3a側(図6の上方側)の部位AR1に当たって跳ね返り、負圧面SSから離隔つつ、蓋ハウジング5の壁部5a側に向けて流れ、吸気流路9を抜ける。
この二次流れの詳細検討により、比較ベーン15Kbの負圧面SSにおける壁部5a側の部位AR2に剥離が生じ、低速領域TARが生じる一因となっていることが明らかになった。
そこで、流線Nで代表される二次流れの内、部位AR1に当たって跳ね返る流れを低減することで低速領域TARの発生を抑制できる、として、部位AR1に相当する部位に負圧面SSと圧力面PSとを繋ぐ流路となる開口部を設け、二次流れがその開口部を介して負圧面SS側から反対側の圧力面PS側に抜けるようにしたベーン15Bを想起するに至った。
さらに、発明者は、ベーン15Bにおける開口部を設ける位置を最適化するために、サージ流量における二次流れと、チョーク流量における二次流れと、中間流量における二次流れと、を比較ベーン15Kにおいてシミュレーションし、詳細に検討した。その結果が図7に示されている。
図7(A)は、サージ流量における二次流れ、図7(C)は、チョーク流量における二次流れ、図7(B)はサージ流量とチョーク流量との間の中間流量における二次流れを示している。
この結果から、流量に応じて二次流れが負圧面SSに当たる位置が異なることが明らかとなった。
具体的には、二次流れが負圧面SSに当たる位置をP2とすると、サージ流量において、位置P2は前縁LEから38%の位置にあり、チョーク流量において、位置P2は前縁LEから53%の位置にあることが判明した。
また、ベーン15Bの高さ方向については、位置P2は、ベーン15Bの高さHTを100%としたときの10%以下にあることが判明した
すなわち、位置P2は、流量に応じ、前縁側から延面距離で38%〜53%、かつ高さ方向で10%以下の範囲、で移動することが明らかになった。この結果を反映させたベーン15Bについて図8を参照して説明する。
図7(A)は、サージ流量における二次流れ、図7(C)は、チョーク流量における二次流れ、図7(B)はサージ流量とチョーク流量との間の中間流量における二次流れを示している。
この結果から、流量に応じて二次流れが負圧面SSに当たる位置が異なることが明らかとなった。
具体的には、二次流れが負圧面SSに当たる位置をP2とすると、サージ流量において、位置P2は前縁LEから38%の位置にあり、チョーク流量において、位置P2は前縁LEから53%の位置にあることが判明した。
また、ベーン15Bの高さ方向については、位置P2は、ベーン15Bの高さHTを100%としたときの10%以下にあることが判明した
すなわち、位置P2は、流量に応じ、前縁側から延面距離で38%〜53%、かつ高さ方向で10%以下の範囲、で移動することが明らかになった。この結果を反映させたベーン15Bについて図8を参照して説明する。
図8において、ベーン15Bは、前縁LEから後縁TEに至る途中部位の本体ハウジング3の壁部3a側に、隙間となる開口部18を有するものとされている。すなわち、ベーン15Bは、前縁から後縁に至る範囲に、本体ハウジング3との間に隙間となる開口部18を形成する隙間形成部19と、壁部3aと壁部5aとを連結する連結部20と、を有している。
このベーン15Bは、その長手方向の縁面距離L2を100%とし、前縁LEの位置を0%位置としたときに、開口部18の前縁LE側の側部18aの位置を38%未満の位置、後縁TE側の側部18bの位置を53%以上の位置にされていると、サージ流量からチョーク流量にいたる実用的流用範囲で二次流れを、この開口部18を介して負圧面SS側から圧力面PS側に抜くことができるので好ましい。
また、負圧面SSに当たる二次流れが広がりを持つことを考慮して、例えば側部18aの位置を35%の位置、側部18bの位置を55%の位置として広げるとよりよい。
このベーン15Bは、その長手方向の縁面距離L2を100%とし、前縁LEの位置を0%位置としたときに、開口部18の前縁LE側の側部18aの位置を38%未満の位置、後縁TE側の側部18bの位置を53%以上の位置にされていると、サージ流量からチョーク流量にいたる実用的流用範囲で二次流れを、この開口部18を介して負圧面SS側から圧力面PS側に抜くことができるので好ましい。
また、負圧面SSに当たる二次流れが広がりを持つことを考慮して、例えば側部18aの位置を35%の位置、側部18bの位置を55%の位置として広げるとよりよい。
このようなベーン15Bによれば、隙間である開口部18を介して圧力面PS側と負圧面SS側との間の空気流通が行われるので、流路面積が広く確保されて遠心圧縮機の作動範囲を広くすることができ、低速領域TARの発生を良好に防止することができ、低速領域TARが発生した場合もその程度を極めて小さく抑えることができる。
また、ベーン15は、空隙形成部15a又は空隙形成部15aAと開口部18との両方を備えたベーン15Cとしてもよい(図9参照)。
図9(a)には、空隙形成部15aと開口部18との両方を備えたベーン15Cが示されている。図9(b)には、空隙形成部15aAと開口部18との両方を備えたベーン15CAが示されている。
ベーン15C(15CA)によれば、空隙形成部15a(15aA)を介した圧力面PS側と負圧面SS側との間の空気流通と、開口部18を介して圧力面PS側と負圧面SS側との間の空気流通との両方が行われるので、低速領域TARの発生をより良好に防止することができ、低速領域TARが発生した場合もその程度を極めて小さく抑えることができる。
従って、空隙形成部15a又は空隙形成部15aAと開口部18との両方を備えたベーン15Cは、流路面積が広く確保されて遠心圧縮機の作動範囲を広くすることができ、圧力損失がより少ないものとなっている。
図9(a)には、空隙形成部15aと開口部18との両方を備えたベーン15Cが示されている。図9(b)には、空隙形成部15aAと開口部18との両方を備えたベーン15CAが示されている。
ベーン15C(15CA)によれば、空隙形成部15a(15aA)を介した圧力面PS側と負圧面SS側との間の空気流通と、開口部18を介して圧力面PS側と負圧面SS側との間の空気流通との両方が行われるので、低速領域TARの発生をより良好に防止することができ、低速領域TARが発生した場合もその程度を極めて小さく抑えることができる。
従って、空隙形成部15a又は空隙形成部15aAと開口部18との両方を備えたベーン15Cは、流路面積が広く確保されて遠心圧縮機の作動範囲を広くすることができ、圧力損失がより少ないものとなっている。
本発明の実施形態は、上述した構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形例としてもよいのは言うまでもない。
ベーン15における端部15a1は、直線状に形成されているものに限らず、曲線状に形成されていてもよい。
リングプレート16は、蓋ハウジング5側に取り付けられていてもよい。
空隙形成部15a及び開口部18の入隅部分にはR付けがされていてもよい。
リングプレート16は、蓋ハウジング5側に取り付けられていてもよい。
空隙形成部15a及び開口部18の入隅部分にはR付けがされていてもよい。
1 遠心圧縮機
3 本体ハウジング、 3a 壁部
5 蓋ハウジング、 5a 壁部
6 連結部
7 ハウジング体
9 吸気流路
11 インペラ、 11a ハブ部、 11b 羽根部
13 シャフト
14 ディフューザ、 14a 流路
15 ベーン(ディフューザベーン)
15a,15aA 空隙形成部、 15a1 端部、 15a2 側部
15K,15Ka,15Kb 比較ベーン
16 リングプレート
17 スクロール通路
18 開口部
19 隙間形成部
20 連結部
AR1,AR2 部位
HT (羽根の)高さ、 h1 距離
KAR 高速領域、 TAR 低速領域
LE 前縁、 TE 後縁
CL1 回転中心線、 LN1 線、 N 流線
P1 中心位置
R 吸気流路部
θ 角度
3 本体ハウジング、 3a 壁部
5 蓋ハウジング、 5a 壁部
6 連結部
7 ハウジング体
9 吸気流路
11 インペラ、 11a ハブ部、 11b 羽根部
13 シャフト
14 ディフューザ、 14a 流路
15 ベーン(ディフューザベーン)
15a,15aA 空隙形成部、 15a1 端部、 15a2 側部
15K,15Ka,15Kb 比較ベーン
16 リングプレート
17 スクロール通路
18 開口部
19 隙間形成部
20 連結部
AR1,AR2 部位
HT (羽根の)高さ、 h1 距離
KAR 高速領域、 TAR 低速領域
LE 前縁、 TE 後縁
CL1 回転中心線、 LN1 線、 N 流線
P1 中心位置
R 吸気流路部
θ 角度
Claims (7)
- 遠心圧縮機のディフューザ流路に設けられるディフューザベーンであって、
前記ディフューザ流路は、インペラが配設された吸気流路を有する本体ハウジングと、前記本体ハウジングに対し前記吸気流路の下流側に連結された蓋ハウジングとの間の環状の間隙として形成されており、
前記ディフューザ流路内に周方向に離隔して配置され、
前記本体ハウジングと前記蓋ハウジングとを連結する連結部と、後縁から前縁側に向かう所定の延面距離の範囲で前記蓋ハウジングとの間に隙間を形成する空隙形成部と、を有していることを特徴とするディフューザベーン。 - 前記空隙形成部は、前記後縁から前記前縁に向かうに従って、前記隙間の高さ方向の幅を一定とする範囲と減小させる範囲との少なくとも一方を含んで形成されていることを特徴とする請求項1記載のディフューザベーン。
- 前記隙間の高さは、前記連結部の高さを100%としたときの15%以下とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のディフューザベーン。
- 前記所定の延面距離は、前記ディフューザベーンの前記後縁から前記前縁迄の延面距離を100%としたときの25%以下とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のディフューザベーン。
- 遠心圧縮機のディフューザ流路に設けられるディフューザベーンであって、
前記ディフューザ流路は、インペラが配設された吸気流路を有する本体ハウジングと、前記本体ハウジングの前記吸気流路の下流側に連結された蓋ハウジングとの間の環状の間隙として形成されており、
前記ディフューザ流路内に周方向に離隔して配置され、
前記本体ハウジングと前記蓋ハウジングとを連結する連結部と、後縁と前縁との間の中間領域における所定の延面距離の範囲で前記本体ハウジングとの間に隙間を形成する隙間形成部と、を有していることを特徴とするディフューザベーン。 - 前記隙間は、高さが前記連結部の高さを100%としたときの10%以下であり、前記所定の延面距離の範囲が前記前縁から前記後縁迄の延面距離を100%としたときの前記前縁から35%〜55%に含まれることを特徴とする請求項5記載のディフューザベーン。
- 吸気流路を有する本体ハウジングと、前記吸気流路内に配設されたインペラと、前記本体ハウジングに対し前記吸気流路の下流側に連結された蓋ハウジングと、前記本体ハウジングと蓋ハウジングとの間の環状の間隙を流路としてなるディフューザと、前記ディフューザの流路内に周方向に離隔して配設された複数のディフューザベーンと、を備えた遠心圧縮機において、
前記ディフューザベーンとして、請求項1〜6のいずれか1項に記載のディフューザベーンを備えていることを特徴とする遠心圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013043812A JP2014173427A (ja) | 2013-03-06 | 2013-03-06 | ディフューザベーン及びそれを備えた遠心圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013043812A JP2014173427A (ja) | 2013-03-06 | 2013-03-06 | ディフューザベーン及びそれを備えた遠心圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014173427A true JP2014173427A (ja) | 2014-09-22 |
Family
ID=51694945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013043812A Pending JP2014173427A (ja) | 2013-03-06 | 2013-03-06 | ディフューザベーン及びそれを備えた遠心圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014173427A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108361226A (zh) * | 2017-01-27 | 2018-08-03 | 曼柴油机和涡轮机欧洲股份公司 | 径向压缩机和涡轮增压器 |
US11092163B2 (en) | 2017-02-08 | 2021-08-17 | Mitsubishi Heavy Industries Engine & Turbocharger, Ltd. | Compressor and turbocharger |
-
2013
- 2013-03-06 JP JP2013043812A patent/JP2014173427A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108361226A (zh) * | 2017-01-27 | 2018-08-03 | 曼柴油机和涡轮机欧洲股份公司 | 径向压缩机和涡轮增压器 |
US11092163B2 (en) | 2017-02-08 | 2021-08-17 | Mitsubishi Heavy Industries Engine & Turbocharger, Ltd. | Compressor and turbocharger |
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