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JP2021011828A - 多段遠心圧縮機 - Google Patents

多段遠心圧縮機 Download PDF

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JP2021011828A
JP2021011828A JP2019124903A JP2019124903A JP2021011828A JP 2021011828 A JP2021011828 A JP 2021011828A JP 2019124903 A JP2019124903 A JP 2019124903A JP 2019124903 A JP2019124903 A JP 2019124903A JP 2021011828 A JP2021011828 A JP 2021011828A
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未来 黒田
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千尋 明連
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Abstract

【課題】多段遠心圧縮機における効率低下を抑制する。【解決手段】少なくとも一実施形態に係る多段遠心圧縮機は、軸方向に配列された複数段のインペラと、インペラを囲うケーシングと、インペラから排出される作動流体を径方向外側に向かって案内するためのディフューザ流路と、を備え、軸方向に沿った断面において、ディフューザ流路を挟んで軸方向にて対向する一対のディフューザ壁面のうちハブ側の第1ディフューザ壁面は、第1ディフューザ壁面の上流側に位置して第1ディフューザ壁面に連なる第1上流側壁面の下流端における該第1上流側壁面の接線方向を基準として、第1上流側壁面の下流端との接続位置から径方向外側に向かってハブ側に後退する後退面を有する。【選択図】図4

Description

本開示は、多段遠心圧縮機に関する。
産業用圧縮機やターボ冷凍機、小型ガスタービン、ポンプ等に用いられる遠心圧縮機として、回転軸に固定されたディスクに複数のブレードを取り付けたインペラを備えた多段遠心圧縮機が知られている。この多段遠心圧縮機は、インペラを回転させることで、作動流体に圧力エネルギー及び速度エネルギーを与えている。
回転軸の軸線方向に隣り合う一対のインペラは、リターン流路で接続されている(例えば特許文献1参照)。
特開2018−173020号公報
このような多段遠心圧縮機では、リターン流路を挟んで軸方向にて対向する一対の壁面を有する。また、このような多段遠心圧縮機では、ディフューザ流路を挟んで軸方向にて対向する一対のディフューザ壁面を有する。一対のディフューザ壁面のうちハブ側の壁面を第1ディフューザ壁面とも呼ぶ。
多段遠心圧縮機では、リターン流路における一対の壁面のうち、上記第1ディフューザ壁面に連なる壁面において作動流体の剥離が生じることがある。
このような剥離は遠心圧縮機の効率低下を招くため、出来るだけ抑制することが望まれている。
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態は、多段遠心圧縮機における効率低下を抑制することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る多段遠心圧縮機は、
軸方向に配列された複数段のインペラと、
前記インペラを囲うケーシングと、
前記インペラから排出される作動流体を径方向外側に向かって案内するためのディフューザ流路と、を備え、
前記軸方向に沿った断面において、前記ディフューザ流路を挟んで前記軸方向にて対向する一対のディフューザ壁面のうちハブ側の第1ディフューザ壁面は、前記第1ディフューザ壁面の上流側に位置して前記第1ディフューザ壁面に連なる第1上流側壁面の下流端における該第1上流側壁面の接線方向を基準として、前記第1上流側壁面の前記下流端との接続位置から径方向外側に向かってハブ側に後退する後退面を有する。
上述したように、多段遠心圧縮機では、リターン流路における一対の壁面のうち、上記第1ディフューザ壁面に連なる壁面において作動流体の剥離が生じることがある。発明者らが鋭意検討した結果、この剥離は、インペラのチップ側にカバーが設けられていない、いわゆるオープンインペラを用いた場合に発生し易いことが判明した。
具体的には、遠心圧縮機のインペラとしてオープンインペラを用いた場合、インペラのチップ側の先端とケーシングとの間にチップクリアランスを設ける。そのため、このチップクリアランスが存在することで、インペラの出口側において作動流体の流速がハブ側よりもチップ側で低下する傾向が見られる。このインペラの出口側における作動流体の流速の差は、ディフューザ流路における作動流体の流速にも影響を及ぼし、ディフューザ流路の出口において上記第1ディフューザ壁面の近傍における流速よりも上記一対のディフューザ壁面のうちチップ側の壁面(以下第2ディフューザ壁面とも呼ぶ)の近傍における流速の方が低くなる傾向が見られる。
多段遠心圧縮機では、ディフューザ流路とリターン流路とは、リターンベンドで接続されている。第1ディフューザ壁面はリターンベンドにおける径方向内側の壁面に連なり、第2ディフューザ壁面はリターンベンドにおける径方向外側の壁面に連なっている。
ディフューザ流路から径方向外側に向かって流出した作動流体は、リターンベンドで径方向内側に向かうように流れの向きが変更されてリターン流路に流入する。その際、第1ディフューザ壁面の近傍を流れる作動流体の流速が、第2ディフューザ壁面の近傍を流れる作動流体の流速よりも早いと、第1ディフューザ壁面の近傍を流れる作動流体がリターンベンドで十分に流れの向きを変えることができなくなる。その結果、リターン流路における一対の壁面のうち、リターンベンドにおける径方向内側の壁面に連なる壁面、すなわち第1ディフューザ壁面に連なる壁面において作動流体が剥離し易くなる。
発明者らが鋭意検討した結果、第1ディフューザ壁面が上述したような後退面を備えることで、ディフューザ流路における入口側の領域において、ハブ側の流路断面積を増やすことができる。そのため、第1ディフューザ壁面が上述したような後退面を備えていない場合と比べて、ディフューザ流路における入口側の領域において第1ディフューザ壁面の近傍を流れる作動流体の流速を抑制できる。これにより、第1ディフューザ壁面の近傍における流速と第2ディフューザ壁面の近傍における流速との差を抑制できるので、第1ディフューザ壁面の近傍を流れる作動流体がリターンベンドで流れの向きを変え易くなる。したがって、リターン流路において、上記径方向内側の壁面に連なる壁面、すなわち第1ディフューザ壁面に連なる壁面における作動流体の剥離を抑制できる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記第1ディフューザ壁面は、前記後退面よりも前記径方向外側に位置する第1外側壁面を有し、
前記第1外側壁面は、
前記軸方向に沿った断面において、前記第1外側壁面の下流端が前記第1外側壁面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分上、又は、該線分よりも前記ハブ側に後退した位置に配置され、
前記軸方向に沿った断面において、前記第1外側壁面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分と前記第1外側壁面の下流端へ向かう線分とのなす角度が前記後退面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分と前記後退面の下流端へ向かう線分とのなす角度よりも小さい。
上記(2)の構成によれば、後退面は径方向に対して軸方向に傾いているが、第1外側壁面は後退面よりも軸方向への傾きが抑制されることとなる。これにより、第1外側壁面の軸方向への傾きが抑制されていない場合と比べて、第1外側壁面の下流端を軸方向上流側の位置に配置できる。したがって、多段遠心圧縮機における回転軸の長さを抑制できるので、回転軸の振動発生を抑制できる。また、多段遠心圧縮機における回転軸の長さを抑制できるので、多段遠心圧縮機の軸方向寸法が大きくなってしまうことを抑制できる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記第1ディフューザ壁面は、前記後退面よりも前記径方向外側に位置する第1外側壁面を有し、
前記第1外側壁面は、
前記軸方向に沿った断面において、前記第1外側壁面の下流端が前記第1外側壁面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分よりもチップ側に突出した位置に配置されている。
上記(3)の構成によれば、第1外側壁面の下流端を第1外側壁面の上流端を起点として径方向外側へ向かう線分よりも軸方向上流側の位置に配置できる。これにより、第1外側壁面の下流端が該線分よりも軸方向下流側の位置に配置されている場合と比べて、第1外側壁面の下流端を軸方向上流側の位置に配置できる。したがって、多段遠心圧縮機における回転軸の長さを抑制できるので、回転軸の振動発生を抑制できる。また、多段遠心圧縮機における回転軸の長さを抑制できるので、多段遠心圧縮機の軸方向寸法が大きくなってしまうことを抑制できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記一対のディフューザ壁面のうちチップ側の第2ディフューザ壁面は、前記第2ディフューザ壁面の上流側に位置して前記第2ディフューザ壁面に連なる第2上流側壁面の下流端における該第2上流側壁面の接線方向を基準として、前記第2上流側壁面の前記下流端との接続位置から径方向外側に向かってハブ側に突出する突出面を有する。
発明者らが鋭意検討した結果、第2ディフューザ壁面が上記突出面を有していない場合、ディフューザ流路の出口側の領域における流路断面積が比較的大きくなって作動流体の流速が第2ディフューザ壁面の近傍において低下してしまい、リターンベンドからの作動流体の逆流を招くおそれがある。
上記(3)の構成によれば、第2ディフューザ壁面が上記突出面を有していない場合と比べてディフューザ流路における流路断面積を抑制できるので、上述したようなリターンベンドからの作動流体の逆流を抑制できる。また、上記(3)の構成によれば、第2ディフューザ壁面近傍において第2ディフューザ壁面の影響を受けて流速が小さくなる境界層の厚さを薄くすることができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記チップ側の第2ディフューザ壁面は、
前記軸方向に沿った断面において、前記突出面の下流端が前記突出面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分上、又は、該線分よりも前記ハブ側に突出した位置に配置され、
前記軸方向に沿った断面において、前記突出面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分と前記突出面の下流端へ向かう線分とのなす角度が前記後退面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分と前記後退面の下流端へ向かう線分とのなす角度よりも小さい。
上記(4)の構成によれば、突出面の上流端を起点として径方向外側へ向かう線分と突出面の下流端へ向かう線分とのなす角度が後退面の上流端を起点として径方向外側へ向かう線分と後退面の下流端へ向かう線分とのなす角度よりも大きい場合と比べて、突出面の下流端の位置を軸方向上流側に配置できる。これにより、突出面の下流端が第1ディフューザ壁面に近づきすぎることを抑制でき、ディフューザ流路の流路断面積を確保できる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、
前記第2ディフューザ壁面は、前記突出面よりも前記径方向外側に位置する第2外側壁面を有し、
前記第2外側壁面は、
前記軸方向に沿った断面において、前記第2外側壁面の下流端が前記第2外側壁面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分よりも前記チップ側に後退した位置に配置されている。
上記(6)の構成によれば、第2外側壁面の下流端が第2外側壁面の上流端を起点として径方向外側へ向かう線分よりもハブ側に突出した位置に配置されている場合と比べて、第2外側壁面の下流端の位置を軸方向上流側に配置できる。これにより、第2外側壁面の下流端が第1ディフューザ壁面に近づきすぎることを抑制でき、ディフューザ流路の流路断面積を確保できる。また、上述したようにディフューザ流路の流路断面積を確保できることから、第1ディフューザ壁面において第2外側壁面の下流端と対向する領域の位置を必要以上に軸方向下流側に配置する必要がなくなるので、多段遠心圧縮機における回転軸の長さを抑制できる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(4)乃至(6)の何れかの構成において、前記突出面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分と前記突出面の下流端へ向かう線分とのなす角度は、前記後退面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分と前記後退面の下流端へ向かう線分とのなす角度よりも小さい。
上記(7)の構成によれば、後退面の上流端から下流端に向かうにつれて、突出面との距離が大きくなるように構成されるので、ディフューザ流路における入口側の領域において第1ディフューザ壁面の近傍を流れる作動流体の流速を抑制できる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、前記径方向における前記後退面の長さは、前記径方向における第1ディフューザ壁面の長さの5%を超え20%以下である。
発明者らが鋭意検討した結果、径方向における後退面の長さが径方向における第1ディフューザ壁面の長さの5%以下であると、ディフューザ流路における入口側の領域において第1ディフューザ壁面の近傍を流れる作動流体の流速を抑制する効果が低いことが判明した。したがって、上記(8)の構成によれば、ディフューザ流路における入口側の領域において第1ディフューザ壁面の近傍を流れる作動流体の流速を効果的に抑制できる。
また、径方向における後退面の長さが長くなるほど上述した作動流体の流速を抑制する効果が大きくなるが、後退面の下流端が軸方向下流側に位置することとなるため、回転軸の長さがより長くなってしまう。そのため、回転軸の振動が発生し易くなるおそれがある。
発明者らが鋭意検討した結果、径方向における後退面の長さが径方向における第1ディフューザ壁面の長さの20%以下であれば、上述した作動流体の流速を抑制する効果をできるだけ大きくしつつ、回転軸の振動を抑制できることが判明した。したがって、上記(8)の構成によれば、上述した作動流体の流速を抑制する効果をできるだけ大きくしつつ、回転軸の振動を抑制できる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの構成において、前記後退面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分と前記後退面の下流端へ向かう線分とのなす角度は、5度を超え、且つ、10度未満である。
発明者らが鋭意検討した結果、上記角度が5度以下であると、ディフューザ流路における入口側の領域において第1ディフューザ壁面の近傍を流れる作動流体の流速を抑制する効果が低いことが判明した。したがって、上記(9)の構成によれば、ディフューザ流路における入口側の領域において第1ディフューザ壁面の近傍を流れる作動流体の流速を効果的に抑制できる。
また、上記角度が大きくなるほど上述した作動流体の流速を抑制する効果が大きくなるが、後退面の下流端が軸方向下流側に位置することとなるため、回転軸の長さがより長くなってしまうおそれがある。そのため、回転軸の振動が発生し易くなるおそれがある。
発明者らが鋭意検討した結果、上記角度が10度未満であれば、上述した作動流体の流速を抑制する効果をできるだけ大きくしつつ、回転軸の振動を抑制できることが判明した。したがって、上記(9)の構成によれば、上述した作動流体の流速を抑制する効果をできるだけ大きくしつつ、回転軸の振動を抑制できる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れかの構成において、前記ハブ側の第1ディフューザ壁面と前記一対のディフューザ壁面のうちチップ側の第2ディフューザ壁面との距離は、前記ディフューザ流路における入口側端部での距離を100%としたときに前記ディフューザ流路における出口側端部での距離が90%以上110%以下である。
出口側端部での上記距離が90%未満であるとディフューザ流路における流速が十分に低下せず、圧力損失が大きくなり、遠心圧縮機における効率が低下する。したがって、上記(10)の構成によれば、遠心圧縮機における効率が低下を抑制できる。また、出口側端部での上記距離が110%を超えると、ディフューザ流路の出口側の領域における流路断面積が比較的大きくなって、上述したように、作動流体の流速が第2ディフューザ壁面の近傍において低下してしまい、リターンベンドからの作動流体の逆流を招くおそれがある。したがって、上記(10)の構成によれば、リターンベンドからの作動流体の逆流を抑制できる。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、多段遠心圧縮機における効率低下を抑制できる。
幾つかの実施形態に係る多段遠心圧縮機の断面を示す模式的な図である。 一実施形態に係る多段遠心圧縮機の断面の一部を拡大した模式的な図である。 他の実施形態に係る多段遠心圧縮機の断面の一部を拡大した模式的な図である。 図2の一部を拡大した模式的な図である。 図3の一部を拡大した模式的な図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
(多段遠心圧縮機100の全体構成)
図1は、幾つかの実施形態に係る多段遠心圧縮機100について、回転軸1の軸線O方向に沿った断面を示す模式的な図である。図2は、一実施形態に係る多段遠心圧縮機100の断面の一部を拡大した模式的な図である。図3は、他の実施形態に係る多段遠心圧縮機100の断面の一部を拡大した模式的な図である。
なお、図の煩雑化を避けるため、図1においては、図2以降に記載した流路2の詳細な形状については省略している。
図1に示すように、幾つかの実施形態に係る多段遠心圧縮機100は、回転軸1と、回転軸1に対して回転軸1の軸方向に配列された複数段のインペラ4と、インペラ4を囲うケーシング3と、流路2とを備えている。なお、ケーシング3は、回転軸1の周囲を覆うことで流路2を形成している。
ケーシング3は、軸線Oに沿って延びる円筒状をなしている。回転軸1は、このケーシング3の内部を軸線Oに沿って貫通するように延びている。軸線O方向におけるケーシング3の両端部には、それぞれジャーナル軸受5及びスラスト軸受6が設けられている。回転軸1は、これらジャーナル軸受5とスラスト軸受6とによって軸線O回りに回転可能に支持されている。
ケーシング3の軸線方向一方側には、外部から作動流体Gとしての空気を取り入れるための吸気口7が設けられている。さらに、ケーシング3の軸線方向他方側には、ケーシング3内部で圧縮された作動流体Gが排気される排気口8が設けられている。
ケーシング3の内側には、これら吸気口7と排気口8とを連通し、縮径と拡径を繰り返す内部空間が形成されている。この内部空間は、複数のインペラ4を収容するとともに、上記の流路2の一部をなしている。
なお、以降の説明では、この流路2上における吸気口7が位置する側を単に上流側と呼び、排気口8が位置する側を単に下流側と呼ぶ。
また、以降の説明では、回転軸1の軸線O方向を単に軸方向とも呼ぶ。そして、回転軸1の軸線O方向に沿った方向については、吸気口7が位置する側を軸方向上流側と呼び、排気口8が位置する側を軸方向下流側と呼ぶ。
以降の説明では、回転軸1の軸線Oを中心とする径方向を単に径方向とも呼び、軸線Oを中心とする径方向内側を単に径方向内側とも呼び、軸線Oを中心とする径方向外側を単に径方向外側とも呼ぶ。また、以降の説明では、回転軸1の軸線Oを中心とする周方向を単に周方向とも呼ぶ。
回転軸1には、その外周面上で軸線O方向に間隔を空けて複数(例えば6つ)のインペラ4が設けられている。各インペラ4は、例えば図2に示すように、軸線方向から見て略円形の断面を有するディスク(ハブ)41と、このディスク41の上流側の面に設けられた複数のブレード42とを有している。
ディスク41は、軸線Oと交差する方向から見て、該軸線方向の一方側から他方側に向かうに従って、径方向の寸法が次第に拡大するように形成されることで、おおむね円錐状をなしている。
ブレード42は、上記のディスク41の軸線方向における両面のうち、上流側を向く円錐面上で、軸線Oを中心として径方向外側に向かって放射状に複数配列されている。より詳しくは、これらブレード42は、ディスク41の上流側の面から上流側に向かって立設された薄板によって形成されている。これら複数のブレード42は、軸線方向から見た場合、周方向の一方側から他方側に向かうように湾曲している。
幾つかに実施形態に係るインペラ4では、ブレード42の上流側の端縁には、カバー43が設けられていない。すなわち、幾つかに実施形態に係るインペラ4は、いわゆるオープンインペラである。
流路2は、ケーシング3の内部空間を連通する空間である。本実施形態では、1つのインペラ4ごと(1つの圧縮段ごと)に1つの流路2が形成されているものとして説明を行う。すなわち、幾つかの実施形態に係る多段遠心圧縮機100では、最後段のインペラ4を除く例えば5つのインペラ4に対応して、上流側から下流側に向かって連続する5つの流路2が形成されている。
それぞれの流路2は、吸込流路21と、ディフューザ流路23と、リターンベンド25と、リターン流路27とを含んでいる。なお、図2は、流路2及びインペラ4のうち、1段目のインペラ4とその流路2を主として示している。
1段目のインペラ4では、吸込流路21は上記の吸気口7と直接接続されている。この吸込流路21によって、外部の空気が流路2上の各流路に作動流体Gとして取り込まれる。
図2、3では図示していないが、2段目以降のインペラ4における吸込流路21は、前段(1段目)の流路2におけるリターン流路27の下流端と連通されている。
ディフューザ流路23は、径方向内側から外側に向かって延びる流路である。ディフューザ流路23は、インペラ4で圧縮されて排出される作動流体Gを径方向外側に向かって案内するための流路である。例えば、図2、3によく示すように、幾つかの実施形態に係る多段遠心圧縮機100は、軸方向に沿った断面において、ディフューザ流路23を挟んで軸方向にて対向する一対のディフューザ壁面210、220を有する。一対のディフューザ壁面210、220のうちハブ側(軸方向下流側)のディフューザ壁面210を第1ディフューザ壁面210とも呼び、チップ側(軸方向上流側)のディフューザ壁面220を第2ディフューザ壁面220とも呼ぶ。
リターンベンド25は、ディフューザ流路23から径方向外側に向かって流出した作動流体Gを径方向内側に向かうように流れの向きを変更するための流路である。リターンベンド25の上流端はディフューザ流路23の下流端に接続されている。リターンベンド25の下流端は、リターン流路27の上流端に接続されている。
幾つかの実施形態に係る多段遠心圧縮機100は、第1ディフューザ壁面210に連なる壁面であって、リターンベンド25の延在方向に沿った中心軸AXrbよりも径方向内側の第1ベンド壁面25aを有する。幾つかの実施形態に係る多段遠心圧縮機100は、第2ディフューザ壁面220に連なる壁面であって、中心軸AXrbよりも径方向外側の第2ベンド壁面25bを有する。幾つかの実施形態に係るリターンベンド25は、第1ベンド壁面25aと第2ベンド壁面25bとによって挟まれている。
リターン流路27は、リターンベンド25で径方向内側に向かって転向された作動流体Gを次段のインペラ4に流入させる流路である。リターン流路27には、リターンベーン29が設けられている。
幾つかの実施形態に係る多段遠心圧縮機100は、第1ベンド壁面25aに連なる壁面であって、軸方向上流側に位置する第1リターン壁面27aを有する。幾つかの実施形態に係る多段遠心圧縮機100は、第2ベンド壁面25bに連なる壁面であって、軸方向下流側に位置する第2リターン壁面27bを有する。幾つかの実施形態に係るリターン流路27は、第1リターン壁面27aと第2リターン壁面27bとによって挟まれている。
すなわち、第1リターン壁面27aは、第1ディフューザ壁面210に連なる壁面であり、第2リターン壁面27bは、第2ディフューザ壁面220に連なる壁面である。
図4は、図2の一部を拡大した模式的な図である。図5は、図3の一部を拡大した模式的な図である。以下、図2〜図5を参照して、幾つかの実施形態に係る流路2の詳細について説明する。
(リターン流路27における作動流体Gの剥離について)
多段遠心圧縮機100では、リターン流路27における一対の壁面(第1リターン壁面27a及び第2リターン壁面27b)のうち、第1ディフューザ壁面210に連なる第1リターン壁面27aにおいて作動流体の剥離が生じることがある。発明者らが鋭意検討した結果、この剥離は、インペラ4のチップ側にカバーが設けられていない、いわゆるオープンインペラを用いた場合に発生し易いことが判明した。
具体的には、多段遠心圧縮機100のインペラ4としてオープンインペラを用いた場合、インペラ4のチップ側の先端42aとケーシングとの間にチップクリアランス31を設ける。そのため、このチップクリアランス31が存在することで、インペラ4の出口側において作動流体Gの流速がハブ側よりもチップ側で低下する傾向が見られる。このインペラ4の出口側における作動流体Gの流速の差は、ディフューザ流路23における作動流体Gの流速にも影響を及ぼし、ディフューザ流路23の出口において第1ディフューザ壁面210の近傍における流速よりも第2ディフューザ壁面220の近傍における流速の方が低くなる傾向が見られる。
上述したように、多段遠心圧縮機100では、ディフューザ流路23とリターン流路27とは、リターンベンド25で接続されている。第1ディフューザ壁面210はリターンベンド25における径方向内側の第1ベンド壁面25aに連なり、第2ディフューザ壁面220はリターンベンド25における径方向外側の第2ベンド壁面25bに連なっている。
ディフューザ流路23から径方向外側に向かって流出した作動流体Gは、リターンベンド25で径方向内側に向かうように流れの向きが変更されてリターン流路27に流入する。その際、第1ディフューザ壁面210の近傍を流れる作動流体Gの流速が、第2ディフューザ壁面220の近傍を流れる作動流体Gの流速よりも早いと、第1ディフューザ壁面210の近傍を流れる作動流体Gがリターンベンド25で十分に流れの向きを変えることができなくなる。その結果、リターン流路27では、第1ディフューザ壁面210に連なる第1リターン壁面27aにおいて作動流体Gが剥離し易くなる。
発明者らが鋭意検討した結果、第1ディフューザ壁面210が以下で詳述する後退面211を備えることで、ディフューザ流路23における入口側の領域において、ハブ側の流路断面積を増やすことができる。そのため、第1ディフューザ壁面210が後述する後退面211を備えていない場合と比べて、ディフューザ流路23における入口側の領域において第1ディフューザ壁面210の近傍を流れる作動流体Gの流速を抑制できる。これにより、第1ディフューザ壁面210の近傍における流速と第2ディフューザ壁面220の近傍における流速との差を抑制できるので、第1ディフューザ壁面210の近傍を流れる作動流体Gがリターンベンド25で流れの向きを変え易くなる。したがって、リターン流路27において、第1ベンド壁面25aに連なる壁面、すなわち第1ディフューザ壁面210に連なる第1リターン壁面27aにおける作動流体Gの剥離を抑制できる。
(後退面211について)
以下、図2〜図5を参照して、後退面211について説明する。
図2〜図5に示すように、幾つかの実施形態に係る第1ディフューザ壁面210は、第1ディフューザ壁面210の上流側に位置して第1ディフューザ壁面210に連なる第1上流側壁面201の下流端201bにおける該第1上流側壁面201の接線Lt1方向を基準として、前記第1上流側壁面201の前記下流端201bとの接続位置P1から径方向外側に向かってハブ側に後退する後退面211を有する。
幾つかの実施形態では、上記後退面211が存在することで、ディフューザ流路23の入口側において、ディフューザ流路23の流路幅が下流側(ディフューザ流路23の出口側)に向かうにつれて大きくなる。この後退面211は、第1ディフューザ壁面210に設けられているため、第1ディフューザ壁面210の近傍で第1ディフューザ壁面210に沿って流れる作動流体Gの流速を抑制できる。そのため、ディフューザ流路23の出口側における第1ディフューザ壁面210の近傍を流れる作動流体Gの流速を抑制できる。したがって、第1ディフューザ壁面210の近傍を流れる作動流体Gがリターンベンド25で流れの向きを変え易くなるので、第1リターン壁面27aにおける作動流体Gの剥離を抑制できる。
(第1ディフューザ壁面210における第1外側壁面について)
図2〜図5に示すように、幾つかの実施形態に係る第1ディフューザ壁面は、後退面211よりも径方向外側に位置する第1外側壁面213を有する。
この第1外側壁面213は、軸方向に沿った断面において、図4に示すように、第1外側壁面213の下流端213bが第1外側壁面213の上流端213aを起点として径方向外側へ向かう線分L1上に配置されているとよい。但し、この第1外側壁面213は、軸方向に沿った断面において、第1外側壁面213の下流端213bが、該線分L1よりもハブ側に後退した位置に配置されていてもよい。
また、第1外側壁面213は、軸方向に沿った断面において、第1外側壁面213の上流端213aを起点として径方向外側へ向かう線分L1と第1外側壁面213の下流端213bへ向かう線分L2とのなす角度θaが後退面211の上流端211aを起点として径方向外側へ向かう線分L3と後退面211の下流端211bへ向かう線分L4とのなす角度θbよりも小さい。
上記構成により、後退面211は径方向に対して軸方向に傾いているが、第1外側壁面213は後退面211よりも軸方向への傾きが抑制されることとなる。これにより、第1外側壁面213の軸方向への傾きが抑制されていない場合と比べて、第1外側壁面213の下流端213bを軸方向上流側の位置に配置できる。したがって、多段遠心圧縮機100における回転軸1の長さを抑制できるので、回転軸1の振動発生を抑制できる。また、多段遠心圧縮機100における回転軸1の長さを抑制できるので、多段遠心圧縮機100の軸方向寸法が大きくなってしまうことを抑制できる。
なお、幾つかの実施形態では、第1外側壁面213の上流端213aは、後退面211の下流端211bと接続されている。
例えば図5に示す実施形態では、第1外側壁面213は、軸方向に沿った断面において、第1外側壁面213の下流端231bが第1外側壁面213の上流端213aを起点として径方向外側へ向かう線分L1よりもチップ側に突出した位置に配置されている。
上記構成により、第1外側壁面213の下流端213bを線分L1よりも軸方向上流側の位置に配置できる。これにより、第1外側壁面213の下流端213bが該線分L1よりも軸方向下流側の位置に配置されている場合と比べて、第1外側壁面213の下流端213bを軸方向上流側の位置に配置できる。したがって、多段遠心圧縮機100における回転軸1の長さを抑制できるので、回転軸1の振動発生を抑制できる。また、多段遠心圧縮機100における回転軸1の長さを抑制できるので、多段遠心圧縮機100の軸方向寸法が大きくなってしまうことを抑制できる。
(第2ディフューザ壁面220について)
図2〜図5に示すように、幾つかの実施形態に係る第2ディフューザ壁面220は、第2ディフューザ壁面220の上流側に位置して第2ディフューザ壁面220に連なる第2上流側壁面203の下流端203bにおける該第2上流側壁面203の接線Lt2方向を基準として、前記第2上流側壁面203の下流端203bとの接続位置P2から径方向外側に向かってハブ側に突出する突出面221を有する。
発明者らが鋭意検討した結果、第2ディフューザ壁面220が上記突出面221を有していない場合、ディフューザ流路23の出口側の領域における流路断面積が比較的大きくなって作動流体Gの流速が第2ディフューザ壁面220の近傍において低下してしまい、リターンベンド25からの作動流体Gの逆流を招くおそれがある。
上記構成によれば、第2ディフューザ壁面220が上記突出面221を有していない場合と比べてディフューザ流路23における流路断面積を抑制できるので、上述したようなリターンベンド25からの作動流体Gの逆流を抑制できる。また、上記構成によれば、第2ディフューザ壁面220近傍において第2ディフューザ壁面220の影響を受けて流速が小さくなる境界層の厚さを薄くすることができる。
幾つかの実施形態では、第2ディフューザ壁面220は、軸方向に沿った断面において、例えば図5に示すように、突出面221の下流端221bが突出面221の上流端221aを起点として径方向外側へ向かう線分L5よりもハブ側に突出した位置に配置されているとよい。但し、第2ディフューザ壁面220は、軸方向に沿った断面において、突出面221の下流端221bが線分L5上に配置されていてもよい。
また、第2ディフューザ壁面220は、軸方向に沿った断面において、突出面221の上流端211aを起点として径方向外側へ向かう線分L5と突出面221の下流端221bへ向かう線分L6とのなす角度θcが後退面211の上流端211aを起点として径方向外側へ向かう線分L3と後退面211の下流端211bへ向かう線分L4とのなす角度θbよりも小さいとよい。
上記構成によれば、線分L5と線分L6とのなす角度θcが線分L3と線分L4とのなす角度θbよりも大きい場合と比べて、突出面221の下流端221bの位置を軸方向上流側に配置できる。これにより、突出面221の下流端221bが第1ディフューザ壁面210に近づきすぎることを抑制でき、ディフューザ流路23の流路断面積を確保できる。
例えば図5に示すように、第2ディフューザ壁面220は、突出面221よりも前記径方向外側に位置する第2外側壁面223を有していてもよい。
この第2外側壁面は、軸方向に沿った断面において、第2外側壁面223の下流端223bが第2外側壁面223の上流端223aを起点として径方向外側へ向かう線分L7よりもチップ側に後退した位置に配置されていてもよい。
上記構成によれば、第2外側壁面223の下流端223bが第2外側壁面223の上流端223aを起点として径方向外側へ向かう線分L7よりもハブ側に突出した位置に配置されている場合と比べて、第2外側壁面223の下流端223bの位置を軸方向上流側に配置できる。これにより、第2外側壁面223の下流端223bが第1ディフューザ壁面210に近づきすぎることを抑制でき、ディフューザ流路23の流路断面積を確保できる。また、上述したようにディフューザ流路23の流路断面積を確保できることから、第1ディフューザ壁面210において第2外側壁面223の下流端223bと対向する領域の位置を必要以上に軸方向下流側に配置する必要がなくなるので、多段遠心圧縮機100における回転軸1の長さを抑制できる。
なお、図5に示す実施形態では、第2外側壁面223の上流端223aは、突出面221の下流端221bと接続されている。
図2〜図5に示すように、幾つかの実施形態では、突出面221の上流端221aを起点として径方向外側へ向かう線分L5と突出面221の下流端221bへ向かう線分L6とのなす角度θcは、後退面211の上流端211aを起点として径方向外側へ向かう線分L3と後退面211の下流端211bへ向かう線分L4とのなす角度θbよりも小さいとよい。
上記構成によれば、後退面211の上流端211aから下流端211bに向かうにつれて、突出面221との距離が大きくなるように構成されるので、ディフューザ流路23における入口側の領域において第1ディフューザ壁面210の近傍を流れる作動流体の流速を抑制できる。
上述した幾つかの実施形態では、径方向における後退面211の長さLeは、径方向における第1ディフューザ壁面の長さLdの5%を超え20%以下であるとよい。
発明者らが鋭意検討した結果、径方向における後退面211の長さLeが径方向における第1ディフューザ壁面210の長さLdの5%以下であると、ディフューザ流路23における入口側の領域において第1ディフューザ壁面210の近傍を流れる作動流体Gの流速を抑制する効果が低いことが判明した。したがって、長さLeを長さLdの5%を超えるように設定することで、ディフューザ流路23における入口側の領域において第1ディフューザ壁面210の近傍を流れる作動流体Gの流速を効果的に抑制できる。
また、径方向における後退面211の長さLeが長くなるほど上述した作動流体Gの流速を抑制する効果が大きくなるが、後退面211の下流端211bが軸方向下流側に位置することとなるため、回転軸1の長さがより長くなってしまう。そのため、回転軸1の振動が発生し易くなるおそれがある。
発明者らが鋭意検討した結果、径方向における後退面211の長さLeが径方向における第1ディフューザ壁面210の長さLdの20%以下であれば、上述した作動流体Gの流速を抑制する効果をできるだけ大きくしつつ、回転軸1の振動を抑制できることが判明した。したがって、上長さLeを長さLdの20%以下にに設定することで、上述した作動流体Gの流速を抑制する効果をできるだけ大きくしつつ、回転軸1の振動を抑制できる。
なお、径方向における突出面221の長さLfは、径方向における後退面211の長さLeよりも短い。
図2〜図5に示す幾つかの実施形態では、後退面211の上流端211aを起点として径方向外側へ向かう線分L3と後退面211の下流端211bへ向かう線分L4とのなす角度θbは、5度を超え、且つ、10度未満であるとよい。
発明者らが鋭意検討した結果、上記角度θbが5度以下であると、ディフューザ流路23における入口側の領域において第1ディフューザ壁面210の近傍を流れる作動流体Gの流速を抑制する効果が低いことが判明した。したがって、上記角度θbが5度を超えるように設定することで、ディフューザ流路23における入口側の領域において第1ディフューザ壁面210の近傍を流れる作動流体Gの流速を効果的に抑制できる。
また、上記角度θbが大きくなるほど上述した作動流体Gの流速を抑制する効果が大きくなるが、後退面211の下流端211bが軸方向下流側に位置することとなるため、回転軸1の長さがより長くなってしまうおそれがある。そのため、回転軸1の振動が発生し易くなるおそれがある。
発明者らが鋭意検討した結果、上記角度θbが10度未満であれば、上述した作動流体Gの流速を抑制する効果をできるだけ大きくしつつ、回転軸1の振動を抑制できることが判明した。したがって、上記角度θbを10度未満に設定することで、上述した作動流体Gの流速を抑制する効果をできるだけ大きくしつつ、回転軸1の振動を抑制できる。
図2〜図5に示す幾つかの実施形態では、第1ディフューザ壁面210と第2ディフューザ壁面220との距離は、ディフューザ流路23における入口側端部23aでの距離を100%としたときにディフューザ流路23における出口側端部23bでの距離が90%以上110%以下である。
ディフューザ流路23における入口側端部23aでの距離を100%としたときに、出口側端部23bでの上記距離が90%未満であるとディフューザ流路23における流速が十分に低下せず、圧力損失が大きくなり、多段遠心圧縮機100における効率が低下する。したがって、出口側端部23bでの上記距離を90%以上に設定することで、遠心圧縮機における効率が低下を抑制できる。また、出口側端部23bでの上記距離が110%を超えると、ディフューザ流路23の出口側の領域における流路断面積が比較的大きくなって、上述したように、作動流体Gの流速が第2ディフューザ壁面220の近傍において低下してしまい、リターンベンド25からの作動流体Gの逆流を招くおそれがある。したがって、出口側端部23bでの上記距離を110%以下に設定することで、リターンベンド25からの作動流体の逆流を抑制できる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、多段遠心圧縮機100は、上述した図4に示した実施形態における第1ディフューザ壁面210が有する特徴と、図5に示した実施形態における第2ディフューザ壁面220が有する特徴とを有していてもよい。また、多段遠心圧縮機100は、上述した図4に示した実施形態における第2ディフューザ壁面220が有する特徴と、図5に示した実施形態における第1ディフューザ壁面210が有する特徴とを有していてもよい。
また、例えば上述した図4に示した第1ディフューザ壁面210及び第2ディフューザ壁面220が有する特徴や、図5に示した第1ディフューザ壁面210及び第2ディフューザ壁面220が有する特徴は、2段目以降のインペラ4に係るディフューザ流路23が有していてもよい。
1 回転軸
2 流路
3 ケーシング
4 インペラ
23 ディフューザ流路
25 リターンベンド
27 リターン流路
210 ディフューザ壁面(第1ディフューザ壁面)
211 後退面
213 第1外側壁面
220 ディフューザ壁面(第2ディフューザ壁面)
221 突出面
213 第2外側壁面

Claims (10)

  1. 軸方向に配列された複数段のインペラと、
    前記インペラを囲うケーシングと、
    前記インペラから排出される作動流体を径方向外側に向かって案内するためのディフューザ流路と、を備え、
    前記軸方向に沿った断面において、前記ディフューザ流路を挟んで前記軸方向にて対向する一対のディフューザ壁面のうちハブ側の第1ディフューザ壁面は、前記第1ディフューザ壁面の上流側に位置して前記第1ディフューザ壁面に連なる第1上流側壁面の下流端における該第1上流側壁面の接線方向を基準として、前記第1上流側壁面の前記下流端との接続位置から径方向外側に向かってハブ側に後退する後退面を有する
    多段遠心圧縮機。
  2. 前記第1ディフューザ壁面は、前記後退面よりも前記径方向外側に位置する第1外側壁面を有し、
    前記第1外側壁面は、
    前記軸方向に沿った断面において、前記第1外側壁面の下流端が前記第1外側壁面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分上、又は、該線分よりも前記ハブ側に後退した位置に配置され、
    前記軸方向に沿った断面において、前記第1外側壁面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分と前記第1外側壁面の下流端へ向かう線分とのなす角度が前記後退面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分と前記後退面の下流端へ向かう線分とのなす角度よりも小さい
    請求項1に記載の多段遠心圧縮機。
  3. 前記第1ディフューザ壁面は、前記後退面よりも前記径方向外側に位置する第1外側壁面を有し、
    前記第1外側壁面は、
    前記軸方向に沿った断面において、前記第1外側壁面の下流端が前記第1外側壁面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分よりもチップ側に突出した位置に配置されている
    請求項1に記載の多段遠心圧縮機。
  4. 前記一対のディフューザ壁面のうちチップ側の第2ディフューザ壁面は、前記第2ディフューザ壁面の上流側に位置して前記第2ディフューザ壁面に連なる第2上流側壁面の下流端における該第2上流側壁面の接線方向を基準として、前記第2上流側壁面の前記下流端との接続位置から径方向外側に向かってハブ側に突出する突出面を有する
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の多段遠心圧縮機。
  5. 前記チップ側の第2ディフューザ壁面は、
    前記軸方向に沿った断面において、前記突出面の下流端が前記突出面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分上、又は、該線分よりも前記ハブ側に突出した位置に配置され、
    前記軸方向に沿った断面において、前記突出面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分と前記突出面の下流端へ向かう線分とのなす角度が前記後退面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分と前記後退面の下流端へ向かう線分とのなす角度よりも小さい
    請求項4に記載の多段遠心圧縮機。
  6. 前記第2ディフューザ壁面は、前記突出面よりも前記径方向外側に位置する第2外側壁面を有し、
    前記第2外側壁面は、
    前記軸方向に沿った断面において、前記第2外側壁面の下流端が前記第2外側壁面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分よりも前記チップ側に後退した位置に配置されている
    請求項5に記載の多段遠心圧縮機。
  7. 前記突出面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分と前記突出面の下流端へ向かう線分とのなす角度は、前記後退面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分と前記後退面の下流端へ向かう線分とのなす角度よりも小さい
    請求項4乃至6の何れか一項に記載の多段遠心圧縮機。
  8. 前記径方向における前記後退面の長さは、前記径方向における第1ディフューザ壁面の長さの5%を超え20%以下である
    請求項1乃至7の何れか一項に記載の多段遠心圧縮機。
  9. 前記後退面の上流端を起点として前記径方向外側へ向かう線分と前記後退面の下流端へ向かう線分とのなす角度は、5度を超え、且つ、10度未満である
    請求項1乃至8の何れか一項に記載の多段遠心圧縮機。
  10. 前記ハブ側の第1ディフューザ壁面と前記一対のディフューザ壁面のうちチップ側の第2ディフューザ壁面との距離は、前記ディフューザ流路における入口側端部での距離を100%としたときに前記ディフューザ流路における出口側端部での距離が90%以上110%以下である
    請求項1乃至9の何れか一項に記載の多段遠心圧縮機。
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