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JP2014080546A - シリコーン組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い熱伝導率を有し且つ接着性が良好であるシリコーングリースを与えることができるシリコーン組成物を提供する。
【解決手段】(A)1分子中に少なくとも2個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度60〜100,000mm/sを有するオルガノポリシロキサン、(B)1分子中に少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有するシリコーンレジン(C)アルミニウム粉末と酸化亜鉛粉末を含み、酸化亜鉛粉末の重量に対するアルミニウム粉末の重量比が1〜10である充填剤(D)1分子中に2個以上の、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(E)白金族金属触媒:有効量を含有するシリコーン組成物、及び該シリコーン組成物からなるグリース。
【選択図】なし

Description

本発明はシリコーン組成物に関する。詳細には、高熱伝導性のシリコーングリースを与えるシリコーン組成物に関し、熱伝導性充填剤を多量に含有しても接着性が良好であるグリースを与えることができるシリコーン組成物に関する。
LSIやICチップ等の電子部品は、使用中の発熱及びそれによる性能の低下が広く知られており、これを解決するための手段として様々な放熱技術が用いられている。一般的な方法としては、発熱部の付近に冷却部材を配置し、両者を密接させたうえで冷却部材から効率的に除熱することにより放熱を行っている。
その際、発熱部材と冷却部材との間に隙間があると、熱伝導性の悪い空気が介在することにより熱伝導率が低下し、発熱部材の温度が十分に下がらなくなってしまう。このような現象を防止するために、空気の介在を防ぐ目的として、熱伝導率がよく、部材の表面に追随性のある放熱材料、例えば放熱グリースや放熱シートが用いられている(特許文献1〜11)。例えば特許文献9は、特定構造を有するオルガノポリシロキサンと、特定の置換基を有するアルコキシシランと、熱伝導性充填剤とを含有して成る熱伝導性シリコーングリース組成物を記載しており、該組成物は熱伝導性が良好であり、かつ流動性が良好であり作業性に優れることを記載している。また特許文献10及び特許文献11は、粘着性と熱伝導性を有するシートに関し、付加硬化型のシリコーンゴム組成物に、熱伝導性充填剤と脂肪族不飽和炭化水素基を有さないシリコーンレジンを配合した熱伝導性組成物を記載している。特許文献10及び特許文献11は、該組成物が薄膜状態で適度な粘着性と良好な熱伝導性を有する熱伝導性硬化物を提供することを記載している。
放熱グリースの中には、半導体チップとヒートスプレッダーを強固に接着させるためにグリースに接着性能を付与したものがある。半導体チップとヒートスプレッダーがグリースを介して十分に接着していないと、放熱性能が十分発揮されず著しい性能の低下を及ぼすため、半導体チップとヒートスプレッダーとの間をグリースにより強固に接着させることは重要である。しかし、放熱グリースの熱伝導率を向上させるためには熱伝導性充填材を大量に充填する必要もある。熱伝導性充填剤をグリース中に大量に充填すると、得られる硬化物の接着性が低下するという問題がある。接着性が低下すると、発熱⇔冷却の熱履歴による半導体チップの歪みに硬化物が追従できなくなり剥離を生じ、最悪の場合、半導体チップの破損を起こす可能性がある。
特許文献12は、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、加水分解性メチルポリシロキサン、熱伝導性充填剤、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、トリアジン環及びアルケニル基含有接着助剤、及び白金系触媒を必須成分として含有する熱伝導性シリコーングリース組成物を記載している。特許文献12は、該組成物は、硬化後に高温での加熱エージングを行った際の硬度上昇が少なく、伸びの減少が抑制される放熱グリースを提供できると記載している。特許文献13は、硬化剤として10時間半減期温度が80℃以上130℃未満のパーオキサイドを含む熱伝導性シリコーン組成物を記載しており、該組成物は、金などの貴金属層を有する基材表面上で容易に硬化できる放熱グリースを提供できると記載している。
特許第2938428号公報 特許第2938429号公報 特許第3580366号公報 特許第3952184号公報 特許第4572243号公報 特許第4656340号公報 特許第4913874号公報 特許第4917380号公報 特許第4933094号公報 特開2008−260798号公報 特開2009−209165号公報 特開2012−102283号公報 特開2012−96361号公報
近年、高品位機種の半導体装置において動作時の発熱量が益々増大している。しかし、従来のシリコーングリースは、熱伝導率が十分でないという問題や、熱伝導率は高いが接着性が低いという問題を有する。本発明は、上記事情を鑑み成されたものであり、従来のシリコーングリースに比べ、高い熱伝導率を有し且つ接着性が良好であるシリコーングリースを与えることができるシリコーン組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、脂肪族不飽和炭化水素基含有オルガノポリシロキサン、熱伝導性充填剤、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び白金族金属触媒を含有するシリコーン組成物に、脂肪族不飽和炭化水素基を有するシリコーンレジンを配合すること、及び熱伝導性充填剤をアルミニウム粉末と酸化亜鉛粉末を特定の比率で含む充填剤とすることにより、熱伝導性充填剤を多量に含有しても良好な接着性を有するシリコーングリースを提供できることを見出し、本発明を成すに至った。
即ち本発明は、
(A)1分子中に少なくとも2個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度60〜100,000mm/sを有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有するシリコーンレジン:(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して2〜50質量部、
(C)アルミニウム粉末と酸化亜鉛粉末を含み、酸化亜鉛粉末の重量に対するアルミニウム粉末の重量比が1〜10である充填剤:(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して500〜2,000質量部、
(D)1分子中に2個以上の、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分および(B)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対する(D)成分中のSiH基の個数が0.5〜5となる量、及び
(E)白金族金属触媒:有効量
を含有するシリコーン組成物、及び該シリコーン組成物からなるグリースを提供する。
本発明のシリコーン組成物は、熱伝導性充填剤を多量に含有しても良好な接着性を有することができるため、高い熱伝導率を有し且つ接着性が良好であるシリコーングリースを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)成分
(A)成分は、1分子中に少なくとも2個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度60〜100,000mm/sを有するオルガノポリシロキサンである。脂肪族不飽和炭化水素基は、好ましくは、脂肪族不飽和結合を有する、炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜6の1価炭化水素基であり、より好ましくはアルケニル基である。例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、及びオクテニル基等のアルケニル基が挙げられる。特に好ましくはビニル基である。脂肪族不飽和炭化水素基は、分子鎖末端のケイ素原子、分子鎖途中のケイ素原子のいずれに結合していてもよく、両者に結合していてもよい。特には、得られる硬化物の柔軟性を良好にするために、分子鎖末端のケイ素原子にのみ結合して存在するのがよい。
該オルガノポリシロキサンは25℃での動粘度60〜100,000mm/s、好ましくは600〜100,000mm/sを有するのがよい。該動粘度が上記下限値未満では組成物の物理的特性が低下するおそれがあり、上記上限値超では組成物の伸展性が乏しいものとなるおそれがある。本発明において、動粘度は、ウベローデ型オストワルド粘度計により測定した25℃における値である。
該オルガノポリシロキサンは、上記性質を有するものであればその分子構造は特に限定されず、直鎖状、分岐鎖状、一部分岐または環状構造を有する直鎖状等が挙げられる。特には、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状構造を有するのがよい。該直鎖状構造を有するオルガノポリシロキサンは、部分的に分岐状構造、又は環状構造を有していてもよい。
該オルガノポリシロキサンは1分子中に少なくとも2個の脂肪族不飽和炭化水素基を有する。好ましくは、脂肪族不飽和炭化水素基の量は、該オルガノポリシロキサン中に2.0×10−5〜1.0×10−3mol/g、特に2.0×10−5〜7.0×10−4mol/gであるのがよい。脂肪族不飽和炭化水素基の量が上記下限値未満では、得られる組成物は伸展性の乏しいものとなるおそれがあり、また上記上限値より多いと組成物の物理的特性が低下するおそれがある。該オルガノポリシロキサンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記オルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する、脂肪族不飽和炭化水素基以外の有機基は、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは1〜8の、非置換又は置換の1価炭化水素基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、又は、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。特にはメチル基であることが好ましい。
該オルガノポリシロキサンは下記平均組成式(1)で表すことができる。
SiO(4−a)/2 (1)
上記式中、Rは、互いに独立に、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基である。該Rとしては、上述した脂肪族不飽和炭化水素基及び脂肪族不飽和炭化水素基以外の有機基が挙げられる。特には、全Rの90モル%以上がメチル基であることが好ましい。但し、Rのうち少なくとも2個は脂肪族不飽和炭化水素基であり、好ましくはアルケニル基である。aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の正数である。但し、該オルガノポリシロキサンの25℃での動粘度は60〜100,000mm/s、好ましくは600〜100,000mm/sである。該オルガノポリシロキサンの構造は特に制限されるものでなく、直鎖状、分岐鎖状、一部分岐または環状構造を有する直鎖状であってよい。
上記オルガノポリシロキサンとしては、例えば、両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端メチルジビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等が挙げられる。
(B)成分
(B)成分はシリコーンレジンである。本発明は該シリコーンレジンが1分子中に少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有する事を特徴とする。本発明のシリコーン組成物が該シリコーンレジンを含有することにより、得られる硬化物の接着強度を顕著に向上することができる。本発明において(B)成分は、好ましくはSiO4/2単位(Q単位)及びRSiO1/2単位(M単位)を含むシリコーンレジンである。前記式中、Rは、互いに独立に、炭素数1〜18、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基である。Rは脂肪族不飽和結合を有しない1価の炭化水素基(下記においてRで示す基)及び脂肪族不飽和炭化水素基(下記においてRで示す基)を含む。但し、該シリコーンレジンは1分子中に少なくとも1個、好ましくは1×10−5〜1×10−2mol/g、更に好ましくは1×10−4〜2×10−3mol/gの脂肪族不飽和炭化水素基を有する。
SiO4/2単位(Q単位)とRSiO1/2単位(M単位)とのモル比は、(M単位)/(Q単位)が0.1〜3.0を満たす数、さらには(M単位)/(Q単位)が0.3〜2.5を満たす数であることが好ましく、特には(M単位)/(Q単位)が0.5〜2.0を満たす数であることが好ましい。M単位とQ単位のモル比が上記範囲内であると、良好な接着性及び強度を有するグリースを提供することができる。尚、本発明のシリコーンレジンは、分子中にRSiO2/2単位(D単位)及びRSiO3/2単位(T単位)を、本発明の組成物の性質を損なわない程度に含んでいてよい(式中、Rは上記と同じ)。
本発明においてシリコーンレジンは室温で固体又は粘稠な液体である。該シリコーンレジンの平均分子量は特に限定されないが、該シリコーンレジンをキシレンに溶解して50質量%溶液とした時の動粘度が、0.5〜10mm/s、好ましくは1.0〜5.0mm/sとなるのがよい。上記動粘度はウベローデ型オストワルド粘度計を用いて25℃にて測定した値である。シリコーンレジンの粘度が上記範囲内にあることにより組成物の物理的特性が低下しないため好ましい。
好ましくは(B)成分は、SiO4/2単位、R SiO1/2単位、及びR SiO1/2単位(式中、Rは、互いに独立に、脂肪族不飽和結合を有しない1価の炭化水素基であり、Rは脂肪族不飽和炭化水素基である)を含むシリコーンレジンである。特には、該(B)成分は下記平均組成式(2)で表される。
(SiO4/2(R SiO1/2(R SiO1/2 (2)
上記式中、b、c、及びdはそれぞれ正数であり、(c+d)/bが0.1〜3.0を満たす数、さらには(c+d)/bが0.3〜2.5を満たす数であることが好ましく、特には(c+d)/bが0.5〜2.0を満たす数であることが好ましい。
は脂肪族不飽和炭化水素基であり、好ましくは、脂肪族不飽和結合を有する、炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜6の1価炭化水素基であり、より好ましくはアルケニル基である。例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、及びオクテニル基等のアルケニル基が挙げられる。特に好ましくはビニル基である。
は、好ましくは、脂肪族不飽和結合を有しない、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは1〜8の、非置換又は置換の1価炭化水素基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。特に好ましくはメチル基である。
(B)シリコーンレジンの量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し2〜50質量部、好ましくは10〜40質量部である。(B)成分の量が上記下限値より少ないと接着性を発現するには不十分となるおそれがあり、上記上限値より多いと伸展性の乏しいものとなるおそれがある。
(C)成分
(C)成分は熱伝導性の充填剤である。本発明は、該充填剤がアルミニウム粉末と酸化亜鉛粉末を含み、酸化亜鉛粉末の重量に対するアルミニウム粉末の重量比が1〜10、好ましくは2〜8であることを特徴とする。これにより、良好な粘度及び保存安定性を有するグリースを提供することができる。尚、アルミニウム粉末の熱伝導率は約237W/mKであり、酸化亜鉛粉末の熱伝導率は約20W/mKである為、高い熱伝導率を得るためにはアルミニウム粉末を単独でまたは高比率で配合することが検討される。しかし、アルミニウム粉末を単独でまたは上記上限値を超えて配合すると、グリースを得ることができない、あるいは経時でグリース中にオイル分離が起こり易くなりグリースの保存安定性が悪くなるという問題が生じるため好ましくない。また、アルミニウム粉末の配合比率が上記下限値より小さいと得られる組成物の熱伝導率が乏しいものとなるため好ましくない。
本発明においてアルミニウム粉末の形状は特に制限されるものでなく、例えば球状、不定形状等が挙げられる。アルミニウム粉末は事前に表面を処理した粉末であってもよい。
好ましくは、アルミニウム粉末は平均粒径0.1〜100μm、さらに好ましくは1〜40μmを有するのがよい。アルミニウム粉末の平均粒径が上記下限値未満では得られる組成物の粘度が高くなりすぎ、伸展性の乏しいものとなるおそれがあり、上記上限値超では得られる組成物が不均一となるおそれがある。本発明においてアルミニウム粉末は、大きい平均粒径を有するアルミニウム粉末、あるいは小さい平均粒径を有するアルミニウム粉末を夫々単独で使用してもよいが、好ましくは、大きい平均粒径(例えば、5μm以上100μm以下、好ましくは10μm以上100μm以下、さらに好ましくは10μm以上40μm以下)を有するアルミニウム粉末と、小さい平均粒径(例えば、0.1μm以上5μm未満、好ましくは0.1μm以上3μm以下、さらに好ましくは1μm以上3μm以下)を有するアルミニウム粉末とを混合して使用するのが好ましい。混合することにより良好な粘度を有するグリースを得ることができる。混合比率は所望とするグリースの粘度に応じて調整すればよいが、特には、小さい平均粒径を有するアルミニウム粉末に対する大きい平均粒径を有するアルミニウム粉末の質量比が0.5〜9.0、好ましくは1.0〜5.0となるのがよい。
本発明において酸化亜鉛粉末の形状は特に制限されるものでなく、例えば球状、不定形状等が挙げられる。好ましくは、酸化亜鉛粉末は平均粒径0.1〜10μm、さらに好ましくは1〜4μmを有するのがよい。酸化亜鉛粉末の平均粒径が上記下限値未満では得られる組成物の粘度が高くなりすぎ、伸展性の乏しいものとなるおそれがあり、また上記上限値超では得られる組成物が不均一となるおそれがある。
本発明において「平均粒径」は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。レーザー回折・散乱法による測定は、例えば、マイクロトラック粒度分析計MT3300EX(日機装(株)社製)により行えばよい。
本発明において(C)充填剤は、上記アルミニウム粉末及び酸化亜鉛粉末以外に、さらに、酸化チタン粉末、アルミナ粉末、窒化ホウ素粉末、窒化アルミニウム粉末、ダイヤモンド粉末、金粉末、銀粉末、銅粉末、カーボン粉末、ニッケル粉末、インジウム粉末、ガリウム粉末、金属ケイ素粉末、シリカ粉末等の従来公知の熱伝導性充填剤を、本発明の効果を損ねない範囲で含有してもよい。
(C)充填剤の量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し、500〜2,000質量部、好ましくは800〜1,200質量部である。充填剤の量が上記下限値未満では、得られる組成物の熱伝導率が乏しくなるおそれがあり、上記上限値超では伸展性の乏しい組成物となるおそれがある。
(D)成分
(D)成分は、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を1分子中に2個以上、好ましくは3個以上、特には3〜100個、更には3〜20個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中のSiH基が、上述した(A)成分及び(B)成分、あるいは後述する(G)成分が有する脂肪族不飽和炭化水素基と後述する白金族金属触媒の存在下に付加反応し、架橋構造を形成できるものであればよい。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、上記性質を有するものであればその分子構造は特に限定されず、直鎖状、分岐鎖状、環状、一部分岐または環状構造を有する直鎖状等が挙げられる。好ましくは直鎖状、環状である。
該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは25℃の動粘度1.0〜1,000mm/s、好ましくは10〜100mm/sを有するのがよい。該動粘度が上記下限値未満では組成物の物理的特性が低下する場合があり、上記上限値超では組成物の伸展性が乏しいものとなる場合がある。本発明において、動粘度は、ウベローデ型オストワルド粘度計により測定した25℃における値である。
該オルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子に結合した有機基としては、脂肪族不飽和炭化水素基以外の1価炭化水素基が挙げられる。特には、炭素数1〜12、好ましくは1〜10の、非置換又は置換の1価炭化水素基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等のアラルキル基、これらの水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等、及び、2−グリシドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基等のエポキシ環含有有機基(グリシジル基又はグリシジルオキシ基置換アルキル基)が挙げられる。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種単独でも、2種以上を混合して使用してもよい。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、例えば、下記平均組成式(3)で表される。
SiO(4−e−f)/2 (3)
式中、Rは、互いに独立に、脂肪族不飽和炭化水素基でない、炭素数1〜12、好ましくは1〜10の、非置換又は置換の1価炭化水素基であり、上述した有機基が挙げられる。eは0.7〜2.1、好ましくは0.8〜2.05の正数であり、fは0.001〜1.0、好ましくは0.005〜1.0の正数であり、かつe+fが0.8〜3.0、好ましくは1.0〜2.5を満たす数である。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンの重量平均分子量は好ましくは100〜30,000、さらに好ましくは500〜10,000である。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造は特に制限されるものでなく、直鎖状、分岐鎖状、環状、一部分岐または環状構造を有する直鎖状であってよい。
(D)オルガノハイドロジェンポリシロキサンの量は、(A)成分および(B)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対する(D)成分中のSiH基の個数が0.5〜5、好ましくは1〜3となる量が好ましく、より好ましくは1.3〜2.7となる量である。(D)成分の量が上記下限値未満では十分な接着性能を発揮できず、基材との密着性が悪くなるおそれがある。また、上記上限値超では、未反応のSiH基が余剰の架橋反応を引き起こし、硬化物の硬度が上昇するおそれがある。
(E)成分
(E)成分は白金族金属触媒であり、上述した付加反応を促進するために機能する。白金族金属触媒は、付加反応に用いられる従来公知のものを使用することができる。例えば白金系、パラジウム系、ロジウム系の触媒が挙げられるが、中でも比較的入手しやすい白金または白金化合物が好ましい。例えば、白金の単体、白金黒、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、白金配位化合物等が挙げられる。白金系触媒は1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(E)成分の配合量は触媒としての有効量、即ち、付加反応を促進して本発明の組成物を硬化させるために必要な有効量であればよい。特には、(A)成分および(B)成分の合計質量に対し、白金族金属原子に換算した質量基準で0.1〜500ppm、より好ましくは1〜200ppmである。触媒の量が上記下限値より小さいと触媒としての効果が得られないおそれがある。また上記上限値を超えても触媒効果が増大することはなく不経済であるため好ましくない。
(F)成分
本発明のシリコーン組成物はさらに下記式(4)で示される加水分解性メチルポリシロキサンを含有することができる。
Figure 2014080546
上記式(4)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。gは5〜100の整数、好ましくは10〜60の整数である。gの値が上記下限値より小さいと、シリコーン組成物由来のオイルブリードがひどくなり信頼性が悪くなるおそれがある。また、gの値が上記上限値より大きいと、充填剤との濡れ性が充分でなくなるおそれがある。
(F)成分の量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して1〜50質量部となる量であり、好ましくは10〜30質量部となる量である。(F)成分の量が上記下限値より少ないと十分な濡れ性を発揮できないおそれがある。また、(F)成分の量が上記下限値より多いと組成物からのブリードが激しくなるおそれがある。
(G)成分
本発明のシリコーン組成物はさらに(G)接着助剤を含有してもよい。該接着助剤は1分子中にトリアジン環、及び少なくとも1個の、酸素原子を有してよい脂肪族不飽和炭化水素基を有する化合物であり、組成物の接着性能を向上することができる。
該(G)成分は下記一般式(5)で表されることができる。
Figure 2014080546
式(5)中、R6は、酸素原子を有してよい脂肪族不飽和炭化水素基又は−(CH−Si(ORで示される基である(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜6の1価炭化水素基であり、vは1〜6、特には1〜4の整数である)。但し、Rの少なくとも1は脂肪族不飽和炭化水素基である。Rとしては、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜6の、直鎖状又は分岐を有するアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基、及び2−メチルプロペニル基、又は(メタ)アクリル基等が挙げられる。中でも、コストの観点からアリル基が好ましい。
上記(G)成分としては、トリアリルイソシアヌレート、トリメタクリルイソシアヌレート、及びトリアリルイソシアヌレートの1〜2個のアリル基に1〜2個のトリメトキシシリル基等のアルコキシシリル基が付加したアルコキシシリル置換・トリアリルイソシアヌレート、及びその加水分解縮合物であるシロキサン変性物(誘導体)等が挙げられる。
(G)成分の量は(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し、0.05〜0.5質量部、好ましくは0.05〜0.3質量部であるのがよい。上記下限値未満では組成物が十分な接着性能を示さなくなるおそれがあり、上記上限値超では、付加反応が十分に進行せず、接着性能を発現することができないおそれがある。尚、シリコーン組成物が(G)成分を含有する場合、上述した(D)オルガノハイドロジェンポリシロキサンの量は、(A)成分、(B)成分及び(G)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対する(D)成分中のSiH基の数が0.5〜5、好ましくは1〜3、より好ましくは1.3〜2.7となる量である。
(H)成分
本発明のシリコーン組成物はさらに(H)制御剤を含有してもよい。制御剤は、室温でのヒドロシリル化反応の進行を抑え、シェルフライフ、ポットライフを延長させる為に機能する。該制御剤は、付加硬化型シリコーン組成物に使用される従来公知の制御剤を使用することができる。例えば、アセチレンアルコール類(例えば、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール)等のアセチレン化合物、トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の各種窒素化合物、トリフェニルホスフィン等の有機リン化合物、オキシム化合物、有機クロロ化合物等が挙げられる。
(H)成分の量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し、0.05〜0.6質量部、好ましくは0.1〜0.5質量部である。制御剤の量が上記下限値未満では、所望とする十分なシェルフライフ、ポットライフが得られないおそれがあり、また、上記上限値超ではシリコーン組成物の硬化性が低下するおそれがある。制御剤は、シリコーン組成物への分散性を良くするために、トルエン等で希釈して使用してもよい。
また、本発明のシリコーン組成物は、組成物の劣化を防ぐために、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の、従来公知の酸化防止剤を必要に応じて含有してもよい。更に、染料、顔料、難燃剤、沈降防止剤、又はチクソ性向上剤等を、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて配合することができる。
本発明のシリコーン組成物の製造方法は従来のシリコーングリース組成物の製造方法に従えばよく、特に制限されるものでない。例えば、上記(A)〜(H)成分、及び必要に応じてその他の成分をトリミックス、ツウィンミックス、プラネタリミキサー(いずれも井上製作所(株)製混合機の登録商標)、ウルトラミキサー(みずほ工業(株)製混合機の登録商標)、ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製混合機の登録商標)等の混合機にて混合する方法により製造することができる。
本発明のシリコーン組成物は、好ましくは、25℃にて測定される粘度10〜1,000Pa・s、より好ましくは50〜1,000Pa・sを有する。粘度が上記上限値より高いと作業性が悪くなるため好ましくない。該粘度は、上述した各成分の配合を調整することにより得ることができる。本発明において、粘度はマルコム粘度計により測定した25℃の値である(ロータAで10rpm、ズリ速度6[1/s])。
本発明のシリコーン組成物は、LSI等の電子部品その他の発熱部材と冷却部材との間に介在させて発熱部材からの熱を冷却部材に伝熱して放熱するために好適に用いることができ、従来の熱伝導性シリコーングリースと同様の方法で使用することができる。例えば、本発明のシリコーン組成物は、電子部品等の発熱部材からの発熱によって硬化することができる。また、本発明のシリコーン組成物を塗布した後、積極的に加熱硬化させてもよい。これにより、本発明のシリコーン組成物の硬化物を発熱部材と冷却部材との間に介在させた半導体装置を提供することができる。本発明のシリコーン組成物を加熱硬化する場合の硬化条件は、特に制限されるものでないが、通常80〜200℃、好ましくは100〜180℃で、30分〜4時間、好ましくは30分〜2時間である。本発明のシリコーン組成物は、高い熱伝導率を有し、かつ接着性が良好であるため、高品位機種の半導体装置等に対する放熱グリースとして特に好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。下記において動粘度はウベローデ型オストワルド粘度計(柴田科学社製)により25℃で測定した値である。
実施例及び比較例で使用した各成分を以下に記載する。
(A)成分
A−1:両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、25℃における動粘度が600mm/sのジメチルポリシロキサン
A−2:両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、25℃における動粘度が5,000mm/sのジメチルポリシロキサン
(B)成分
B−1:下記平均組成式で示されるシリコーンレジン:キシレン溶媒中50質量%溶液とした時の動粘度3.0mm/s
(SiO4/21.0((CH=CH)(CHSiO1/20.12((CHSiO1/20.75
B−2:下記平均組成式で示されるシリコーンレジン:キシレン溶媒中50質量%溶液とした時の動粘度1.5mm/s
(SiO4/21.0((CH=CH)(CHSiO1/20.25((CHSiO1/21.5
比較例8にて以下のシリコーンレジンを使用した。
B−3:下記平均組成式で示されるシリコーンレジン:キシレン溶媒中50質量%溶液とした時の動粘度2.8mm/s
(SiO4/21.0((CHSiO1/20.87
(C)成分
C−1:平均粒径2.0μmのアルミニウム粉末(熱伝導率:237W/m・℃)
C−2:平均粒径20.0μmのアルミニウム粉末(熱伝導率:237W/m・℃)
C−3:平均粒径1.0μmの酸化亜鉛粉末(熱伝導率:25W/m・℃)
(D)成分
D−1:
Figure 2014080546
D−2:
Figure 2014080546
(E)成分
E−1:白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を上記A−1と同じジメチルポリシロキサンに溶解した溶液(白金原子含有量:1質量%)
(F)成分
F−1:
Figure 2014080546
(G)成分
G−1:
Figure 2014080546
(H)成分
H−1:1−エチニル−1−シクロヘキサノール
[実施例1〜8、比較例1〜8]
シリコーン組成物の調製
上記(A)〜(H)成分を、下記表1、表2に示す配合量に従い、下記に示す方法で配合してシリコーン組成物を調製した。尚、表1において(E)成分の質量は、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体をジメチルポリシロキサンに溶解した溶液(白金原子含有量:1質量%)の質量である。また、SiH/SiVi(個数比)は(A)成分、(B)成分、及び(G)成分中のアルケニル基の個数の合計に対する(D)成分中のSiH基の個数の比である。
5リットルのプラネタリーミキサー(井上製作所(株)製)に(A)、(B)、(C)、及び(F)成分を加え、170℃で1時間混合した。常温になるまで冷却し、次に(D)、(E)、(G)、及び(H)成分を加えて均一になるように混合し、シリコーン組成物を調製した。
上記方法で得られた各組成物について、下記の方法に従い、粘度、熱伝導率、切断時伸び及び接着強度を測定した。結果を表1及び表2に示す。
[粘度]
各組成物の絶対粘度を、マルコム粘度計(タイプPC−1T)を用いて25℃で測定した。
[熱伝導率]
各組成物をキッチンラップで包み、熱伝導率を京都電子工業(株)製TPA−501で測定した。
[切断時伸び]
各組成物を150℃にて90分間加熱し硬化して2mm厚シートを作製したのち、JIS K6251に準拠して2号ダンベルの形状を作製し、切断時伸びを測定した。
[接着強度]
各組成物を1mm×1mmのシリコンウェハとニッケルプレートの間に挟み込み、1.8kgfのクリップによって加圧しながら150℃にて60分間加熱した。その後、Dage series−4000PXY(Dage Deutchland GmbH製)を用いて接着強度を測定した。
Figure 2014080546
Figure 2014080546
表2に示す通り、シリコーンレジンを含有しない比較例1の組成物は接着強度が弱い。シリコーンレジンの配合量が多すぎる比較例2及び3の組成物はグリースにならない。充填剤の含有量が少なすぎる比較例4の組成物は熱伝導率が低い。充填剤の配合量が多すぎる比較例5の組成物はグリースにならない。酸化亜鉛粉末に対しアルミニウム粉末の配合比率が多すぎる比較例6の組成物はグリースにならない。酸化亜鉛粉末に対しアルミニウム粉末の配合比率が少なすぎる比較例7の組成物は熱伝導率が低い。また、シリコーンレジンが脂肪族不飽和炭化水素基を有さない比較例8の組成物は、接着強度が弱く、また粘度及び切断時伸びが低い。これに対し、表1に示す通り、本発明のシリコーン組成物は熱伝導率が高く、且つ良好な接着性を有する。
本発明のシリコーン組成物は、高い熱伝導率を有し、かつ良好な接着性を有するため、半導体装置等に対する放熱グリースとして好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. (A)1分子中に少なくとも2個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度60〜100,000mm/sを有するオルガノポリシロキサン、
    (B)1分子中に少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有するシリコーンレジン:(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して2〜50質量部、
    (C)アルミニウム粉末と酸化亜鉛粉末を含み、酸化亜鉛粉末の重量に対するアルミニウム粉末の重量比が1〜10である充填剤:(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して500〜2,000質量部、
    (D)1分子中に2個以上の、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分および(B)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対する(D)成分中のSiH基の個数が0.5〜5となる量、及び
    (E)白金族金属触媒:有効量
    を含有するシリコーン組成物。
  2. (B)シリコーンレジンが、SiO4/2単位(Q単位)及びRSiO1/2単位(M単位)(式中Rは、互いに独立に、炭素数1〜18の、非置換又は置換の1価炭化水素基である)を含み、但し該シリコーンレジンは少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、Q単位とM単位とのモル比(M単位)/(Q単位)が0.1〜3.0である、請求項1記載のシリコーン組成物。
  3. (F)下記一般式(4)
    Figure 2014080546
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、gは5〜100の整数である)
    で表される加水分解性メチルポリシロキサンを、上記(A)成分と上記(B)成分の合計100質量部に対して1〜50質量部となる量でさらに含有する、請求項1または2記載のシリコーン組成物。
  4. (G)1分子中にトリアジン環、及び少なくとも1個の、酸素原子を有してよい脂肪族不飽和炭化水素基を有する接着助剤を、上記(A)成分と上記(B)成分の合計100質量部に対して0.05〜0.5質量部となる量でさらに含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載のシリコーン組成物。
  5. (H)アセチレン化合物、窒素化合物、有機リン化合物、オキシム化合物および有機クロロ化合物からなる群より選択される1以上の制御剤を、上記(A)成分と上記(B)成分の合計100質量部に対して0.05〜0.6質量部となる量でさらに含有する、請求項1〜4のいずれか1項記載のシリコーン組成物。
  6. (B)シリコーンレジンが、SiO4/2単位、R SiO1/2単位、及びR SiO1/2単位(式中、Rは、互いに独立に、脂肪族不飽和結合を有しない1価の炭化水素基であり、Rは脂肪族不飽和炭化水素基である)からなる、請求項2〜5のいずれか1項記載のシリコーン組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載のシリコーン組成物からなるグリース。
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