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JP2014065665A - 不飽和ポリアルキレングリコール誘導体、その製造方法及び中間体 - Google Patents

不飽和ポリアルキレングリコール誘導体、その製造方法及び中間体 Download PDF

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JP2014065665A
JP2014065665A JP2012209987A JP2012209987A JP2014065665A JP 2014065665 A JP2014065665 A JP 2014065665A JP 2012209987 A JP2012209987 A JP 2012209987A JP 2012209987 A JP2012209987 A JP 2012209987A JP 2014065665 A JP2014065665 A JP 2014065665A
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周 斎藤
Hirokatsu Kawakami
宏克 川上
Masahiro Sato
雅浩 佐藤
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Abstract

【課題】各種性能、特に早期強度発現性及び分散性に著しく優れ、分散剤やセメント混和剤等の各種用途に有用な成分を与え得る不飽和ポリアルキレングリコール誘導体及びその製造方法、並びに、不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の中間体を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール誘導体。
【化1】
Figure 2014065665

【選択図】なし

Description

本発明は、不飽和ポリアルキレングリコール誘導体、その製造方法及び中間体に関する。より詳しくは、ポリアルキレングリコール鎖を有する不飽和化合物である不飽和ポリアルキレングリコール誘導体及びその製造方法、並びに、不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の中間体に関する。
ポリアルキレングリコール鎖を有する不飽和化合物は、その鎖長や構成するアルキレンオキシドを適宜調整することによって親水性や疎水性、立体反発等の特性を付与することができるため、例えば、重合体を形成する単量体成分として、接着剤やシーリング剤用途、分散剤、柔軟性付与成分用途、洗剤ビルダー用途等の様々な用途で広く用いられている。そして近年では、セメントに水を添加したセメントペースト、セメントペーストに細骨材を混合したモルタル、モルタルに粗骨材を混合させたコンクリート等のセメント組成物に添加されるセメント混和剤用途が検討されている。セメント混和剤は、通常、減水剤等として用いられ、セメント組成物の流動性を高めてセメント組成物を減水させることにより、硬化物の強度や耐久性等を向上させる作用を発揮させることを目的として使用されている。
このようなセメント混和剤としては、近年、セメント組成物に対する減水性能(分散性能)に加えて、硬化遅延を改善し早期に強度を発現することを可能にするものが望まれている。例えば、コンクリート2次製品(プレキャスト)は、工場で型枠にコンクリートを流し込んで作られた後、それを現場に運び組み立てることになるが、生産性の向上や作業の効率化及び省力化を図るため、早期に型枠から脱型できるようにすることが求められている。また、生コンクリートの分野でも、コンクリートを打設後、速く硬化すれば次の工程に速やかに移ることができるため、早期に強度が発現するようなセメント混和剤の開発が望まれている。
従来のポリアルキレングリコール鎖を有する不飽和化合物に関し、例えば、特許文献1〜2には、分岐ポリアルキレングリコール鎖を有する不飽和ポリエーテル単量体由来の構造単位と、不飽和カルボン酸単量体を有する構造単位とを含むポリカルボン酸系分散剤が開示されている。また、特許文献3には、分岐ポリエチレングリコール鎖を有する不飽和ポリエーテルが開示されており、特許文献4には、分岐ポリアルキレングリコール鎖を有するポリオキシエチレンエーテルが開示されている。更に、特許文献5には、分岐ポリヒドロキシ官能性アリルポリエーテルをSi−H官能性アルキルポリシロキサンに付加して得られるポリヒドロキシ官能性ポリシロキサン類が開示されており、特許文献6には、ポリエーテル官能性有機ポリシロキサンを製造するのに用いる分岐ポリグリコールが開示されている。
中国特許出願公開第102060465号明細書 中国特許出願公開第102030496号明細書 中国特許出願公開第101955585号明細書 中国特許出願公開第102140167号明細書 特表2011−527351号公報 特表2009−521574号公報
上述したように種々のポリアルキレングリコール鎖を有する不飽和化合物が検討されており、特許文献1〜6には、分岐ポリアルキレングリコール鎖を有する不飽和化合物が開示されている。しかしながら、これらの不飽和化合物を用いて重合体を得た場合、その重合体は、側鎖に直鎖ポリアルキレングリコール鎖を有する重合体に比較して分散性は同等以下で、早期強度に関しても向上が見られなかった。このような観点から、分散剤やセメント混和剤等の各種用途で優れた早期強度発現性及び分散性を発揮できるような有用な成分を与え得る化合物とするための工夫の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、各種性能、特に早期強度発現性及び分散性に著しく優れ、分散剤やセメント混和剤等の各種用途に有用な成分を与え得る不飽和ポリアルキレングリコール誘導体及びその製造方法、並びに、不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の中間体を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、ポリアルキレングリコール鎖を有する重合体について種々検討するうち、重合体の側鎖に分岐構造のポリアルキレングリコール鎖(分岐ポリアルキレングリコール鎖)を有するものとすると、当該分岐側鎖に起因する分散性を維持したまま主鎖を短くすることができる、すなわち無機物又は有機物への吸着面積(重合体被覆面積)を減らして水和面積を増加させることができると考え、これによって凝結遅延が抑制され、早期強度の向上を期待できると考えた。しかし、単量体成分として、特許文献1〜6に開示された化合物のようにポリアルキレングリコール鎖を単に分岐させた化合物を用いただけでは、得られる重合体の分散性は、側鎖に直鎖ポリアルキレングリコール鎖を有する重合体に比較して同等以下で、早期強度に関しても顕著な向上が見られないことを見いだした。そこで、単量体成分として、不飽和結合(炭素炭素二重結合)と分岐ポリアルキレングリコール鎖とが、別のポリアルキレングリコール鎖を介して結合してなる構造の不飽和ポリアルキレングリコール誘導体を用いると、得られる重合体が分散性(減水性又は流動性とも称す)及び早期強度発現性のいずれにも著しく優れるものとなることを見いだした。これは、間に介在するポリアルキレングリコール鎖の存在に起因して、不飽和結合から形成される重合体主鎖と、分岐ポリアルキレングリコール鎖から形成される重合体側鎖との間隔(長さ)が充分なものとなり、よって、主鎖を短く、かつ側鎖をより嵩高くすることができる、すなわち無機物又は有機物への吸着面積(重合体被覆面積)を減らして水和面積を増加させることができることによるものと推測される。
またこのような構造を有する不飽和ポリアルキレングリコール誘導体が、これまでにない新規な化合物であることも見いだした。更に、このような不飽和ポリアルキレングリコール誘導体を得る方法として、不飽和結合とポリアルキレングリコール鎖とを有する特定構造の不飽和ポリアルキレングリコール化合物に、エポキシアルコール及び/又は多価アルコールを反応させる工程を含む製造方法を採用すれば、不飽和ポリアルキレングリコール誘導体を簡便で効率よく得ることができることを見いだした。また、不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の中間体として、不飽和結合(炭素炭素二重結合)と活性基を2個以上有する化合物残基との間にポリアルキレングリコール鎖を有する特定構造を有する化合物が有用であることを見いだし、この化合物に更にポリアルキレングリコール鎖を導入することで、優れた性能を発揮する本発明の不飽和ポリアルキレングリコール誘導体が好適に得られることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール誘導体である。
Figure 2014065665
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。AOは、同一又は異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。Yは、活性基を2個以上有する化合物の残基を表す。Zは、同一又は異なって、−(AO)−Rを表す。AOは、同一又は異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。nは、AOで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、同一又は異なって、2〜300の数である。pは、0、1又は2である。qは、0又は1である。tは、AOで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜300の数である。mは、2以上の整数であり、Yで表される活性基を2個以上有する化合物の活性基数に依存して最大数が決まる数である。)
本発明はまた、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体を製造する方法であって、該製造方法は、下記一般式(3)で表される不飽和ポリアルキレングリコール化合物に、エポキシアルコール及び/又は多価アルコールを反応させる工程1を含む不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の製造方法でもある。
Figure 2014065665
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。AOは、同一又は異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。pは、0、1又は2である。qは、0又は1である。tは、AOで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜300の数である。)
本発明は更に、下記一般式(4)で表される不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の中間体でもある。
Figure 2014065665
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。AOは、同一又は異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。Y’は、−(C−を表す。rは、Cで表されるグリセリル基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。(C)で表されるグリセリル基は、同一又は異なって、下記式:
Figure 2014065665
で表される構造からなる。pは、0、1又は2である。qは、0又は1である。tは、AOで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜300の数である。mは、2以上の整数であり、Y’で表される−(C−の活性基数に依存して最大数が決まる数である。)
以下に本発明を詳述する。以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態である。
なお、本明細書中、(ポリ)グリシドールとは、ポリグリシドール又はグリシドールを意味し、また、(ポリ)アルキレングリコールとは、ポリアルキレングリコール又はアルキレングリコールを意味する。
〔不飽和ポリアルキレングリコール誘導体〕
本発明の不飽和ポリアルキレングリコール誘導体は、上記一般式(1)で表される化合物である。
上記一般式(1)中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表し、pは、0、1又は2である。したがって、(R)(R)C=C(R)−(CH−で表されるアルケニル基は、炭素数2〜7のアルケニル基に相当するが、このアルケニルの炭素数として好ましくは、3〜5である。
また上記一般式(1)において、qは、0又は1を表すが、q=0の場合、当該一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール誘導体はエーテル構造を有する単量体(エーテル系単量体)となり、q=1の場合はエステル構造を有する単量体(エステル系単量体)となる。中でも、q=0である、すなわち上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体はエーテル系単量体であることが好ましい。
上記一般式(1)中、Yは、活性基を2個以上有する化合物の残基を表す。活性基を有する化合物の残基とは、活性基を有する化合物から活性基を構成する活性水素を除いた構造からなる基を意味し、該活性水素とは、アルキレンオキシドが付加できる水素を意味する。このような活性基を2個以上有する化合物の残基は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
上記活性基を有する化合物の活性基数(すなわち活性水素数)は、分散性及び早期強度発現性等の観点から、2個以上であることが適当である。また、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体を用いて重合を行う際の重合性を考慮すると、50個以下であることが好適である。上記活性基数(活性水素数)は、好ましくは3個以上、より好ましくは4個以上、更に好ましくは5個以上である。また、上限値は、より好ましくは20個以下、更に好ましくは10個以下である。
上記活性基を2個以上有する化合物の残基として具体的には、例えば、エポキシアルコール又は多価アルコールの水酸基から活性水素を除いた構造を有する多価アルコール残基;多価アミンのアミノ基から活性水素を除いた構造を有する多価アミン残基;多価イミンのイミノ基から活性水素を除いた構造を有する多価イミン残基;多価アミド化合物のアミド基から活性水素を除いた構造を有する多価アミド残基;等が好適である。中でも、多価アミン残基、多価イミン残基及び多価アルコール残基が好ましい。すなわち、上記活性水素を2個以上有する化合物の残基は、多価アミン残基、多価イミン残基及び多価アルコール残基からなる群より選択される少なくとも1種の多価化合物残基であることが好適である。これによって、分散剤やセメント混和剤等の各種用途により好適な化合物とすることが可能となる。
なお、活性基を有する化合物残基の形態としては、鎖状、分岐状、三次元状に架橋された構造のいずれであってもよいが、分岐状であることが好適である。
上記活性基を2個以上有する化合物の残基に関し、多価アルコール残基を構成するエポキシアルコール及び/又は多価アルコールとしては、1分子中に平均2個以上の水酸基を含有する化合物であればよいが、炭素、水素及び酸素の3つの元素から構成される化合物であることが好適である。
なお、エポキシアルコールとは、エポキシ基を有するアルコールを意味し、エポキシ基には、グリシジル基(グリシジルエーテル基及びグリシジルエステル基を含む)を含むものとする。
上記エポキシアルコール及び多価アルコールとして具体的には、例えば、(ポリ)グリシドール、(ポリ)グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−ペンタトリオール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等が好適である。また、糖類として、グルコース、フルクトース、マンノース、インド−ス、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガラクトース、アロース、プシコース、アルトロース等のヘキソース類の糖類;アラビノース、リブロース、リボース、キシロース、キシルロース、リキソース等のペントース類の糖類;トレオース、エリトルロース、エリトロース等のテトロース類の糖類;ラムノース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、シュウクロース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレジトース等のその他糖類;これらの糖アルコール、糖酸(糖類;グルコース、糖アルコール;グルシット、糖酸;グルコン酸)等も好適である。更に、これら例示化合物の部分エーテル化物や部分エステル化物等の誘導体も好適である。これらの中でも、本発明の不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の製造方法において、反応の容易さの観点から、(ポリ)グリシドールが好適である。
上記エポキシアルコール及び/又は多価アルコールにより、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の多価アルコール残基が形成されることになる。
上記多価アミン残基を構成する多価アミン(ポリアミン)としては、1分子中に平均2個以上のアミノ基を有する化合物であればよく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、2−エチルブチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジプロピルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、シクロブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ラウリルアミン等のアルキルアミン;アリルアミン等のアルキレンアミン;アニリン、ジフェニルアミン等の芳香族アミン;アンモニア、尿素、チオ尿素等の窒素化合物等のモノアミン化合物の1種又は2種以上を常法により重合して得られる単独重合体や共重合体等が好適である。更に、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラプロピレンペンタミン等であってもよく、これらのポリアミンでは、通常、構造中に第3級アミノ基の他、活性水素原子をもつ第1級アミノ基や第2級アミノ基(イミノ基)を有することになる。これらの中でも、ポリアルキルアミンを用いることが好ましく、ポリアルキルアミンを構成するアルキルアミンとしては、ラウリルアミン等の炭素数8〜18のアルキルアミンが好適である。
上記多価アミンにより、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の多価アミン残基が形成されることになる。
上記多価イミン残基を構成する多価イミン(ポリイミン)としては、1分子中に平均2個以上のイミノ基を有する化合物であればよく、例えば、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン等の炭素数2〜8のアルキレンイミンの1種又は2種以上を常法により重合して得られる単独重合体や共重合体等が好適である。すなわち、ポリアルキレンイミンを用いることが好ましい。
上記多価イミンにより、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の多価イミン残基が形成されることになる。
なお、ポリイミンは重合により三次元に架橋され、通常、構造中に第3級アミノ基の他、活性水素原子を持つ第1級アミノ基や第2級アミノ基(イミノ基)を有することになる。
上記ポリアルキレンイミンの中でも、エチレンイミンが主体を占めるポリアルキレンイミンであることがより好適である。
この場合の「主体」とは、ポリアルキレンイミンが2種以上のアルキレンイミンにより形成されるときに、全アルキレンイミンの存在数において、大半を占めるものであることを意味する。本発明においては、ポリアルキレンイミン鎖を形成するアルキレンイミンにおいて、大半を占めるものがエチレンイミンであることにより、上記ポリアルキレングリコール鎖含有チオール化合物の親水性が向上し、多くの用途に好適なものとなるという作用効果が充分に発揮されることから、上記作用効果が充分に発揮される程度に、ポリアルキレンイミン鎖(ポリアルキレンイミン残基)を形成するアルキレンイミンとしてエチレンイミンを用いることをもって、上記にいう「大半を占める」こととなる。「大半を占める」ことを全アルキレンイミン100モル%中のエチレンイミンのモル%で表すと、50〜100モル%であることが好ましい。50モル%未満であると、ポリアルキレンイミン鎖の親水性が充分とはならないおそれがある。より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは70モル%以上、特に好ましくは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上である。
上記ポリアルキレンイミン鎖1つあたりのアルキレンイミンの平均重合数としては、2〜300であることが好ましい。このような範囲とすることによって、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の構造に起因した作用効果をより充分に発揮することが可能となり、例えば、重合体とした際に、セメント分散性能を発揮してセメント混和剤等の用途に好適なものとすることができる。下限値としてより好ましくは3以上、更に好ましくは5以上、特に好ましくは10以上である。また、上限値としてより好ましくは200以下であり、更に好ましくは100以下、特に好ましくは75以下、最も好ましくは50以下である。
なお、ジエチレントリアミンの平均重合数は2、トリエチレンテトラミンの平均重合数は3となる。
上記多価アミン及び多価イミンの数平均分子量としては、100〜50000が好ましく、より好ましくは200〜10000、更に好ましくは300〜5000、特に好ましくは400〜1000である。
上記活性基を2個以上有する化合物の残基の中でも特に好ましくは、多価アルコール残基であり、最も好ましくは、上述したように(ポリ)グリシドール残基((ポリ)グリセリル基とも称す)である。この場合、上記一般式(1)中のYは、下記一般式(2)で表されることが好適である。
−(C− (2)
(式中、rは、Cで表されるグリセリル基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。(C)で表されるグリセリル基は、同一又は異なって、下記式:
Figure 2014065665
で表される構造からなる。)
上記一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール誘導体が、Yとして上記一般式(2)で表される構造を有することで、本発明の作用効果をより充分に発揮することが可能となる。このように上記一般式(1)中のYが、上記一般式(2)で表される形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記一般式(2)において、rは、1〜300の数であるが、rが300以下であることで、製造上の不具合がより解消され、本発明の不飽和ポリアルキレングリコール誘導体をより好適に得ることが可能になる。製造上の観点から、好ましくは2〜200、より好ましくは2〜100、更に好ましくは2〜50、特に好ましくは2〜25である。
上記一般式(1)において、活性基を2個以上有する化合物の残基(Y)は、m個のポリアルキレングリコール鎖含有基(Z;−(AO)−R)に結合することになる。このYが結合するポリアルキレングリコール鎖−(AO)−の数、すなわちmは、2以上であることが適当であるが、好ましくは3以上である。3以上であると、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体は、放射線状に枝分かれした構造、つまり、活性基を2個以上有する化合物の残基を基点として、そこから−(AO)−で表されるポリアルキレングリコール鎖が放射線状に伸びた構造となるが、このような構造を有することによって、極めて高い分散性能を発揮し、かつ早期強度にもより優れた分散剤及びセメント混和剤を与えることが可能となる。より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上である。また、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体を用いて重合を行う際の重合性を考慮すると、mは50以下であることが好ましく、より好ましくは20以下、更に好ましくは10以下である。
上記mはまた、上記活性基を2個以上有する化合物中の活性基数に等しいことが好ましい。すなわち上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体は、上記活性基を2個以上有する化合物中の活性基(より具体的には、活性基を構成する活性水素原子)の全てに、ポリアルキレングリコール鎖−(AO)−が結合した構造を有することが好適である。これによって、更に優れた分散性能及び早期強度を発揮し得る分散剤及びセメント混和剤を与えることが可能となるため、様々な用途に有用な化合物とすることができる。
上記−(AO)−で表されるポリアルキレングリコール鎖としては、1種又は2種以上の炭素数2〜18のアルキレンオキシドから構成される鎖であればよいが、好ましくは、炭素数2〜8のアルキレンオキシドであり、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、トリメチルエチレンオキシド、テトラメチレンオキシド、テトラメチルエチレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、オクチレンオキシド等が挙げられる。また、ジペンタンエチレンオキシド、ジヘキサンエチレンオキシド等の脂肪族エポキシド;トリメチレンオキシド、テトラメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、オクチレンオキシド等の脂環エポキシド;スチレンオキシド、1,1−ジフェニルエチレンオキシド等の芳香族エポキシド等を用いることもできる。
上記ポリアルキレングリコール鎖を構成するアルキレンオキシドは、本発明の不飽和ポリアルキレングリコール誘導体に求められる用途等に応じて適宜選択することが好ましく、例えば、セメント混和剤成分の製造のために用いる場合には、セメント粒子との親和性の観点から、炭素数2〜8程度の比較的短鎖のアルキレンオキシド(オキシアルキレン基)が主体であることが好適である。より好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数2〜4のアルキレンオキシドが主体であることであり、更に好ましくは、エチレンオキシドが主体であることである。
ここでいう「主体」とは、ポリアルキレングリコール鎖−(AO)−が2種以上のアルキレンオキシドにより構成されるときに、全アルキレンオキシドの存在数において、大半を占めるものであることを意味する。「大半を占める」ことを全アルキレンオキシド100モル%中のエチレンオキシドのモル%で表すと、50〜100モル%が好ましい。これにより、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体がより高い親水性を有することとなる。より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは70モル%以上、特に好ましくは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上である。
上記ポリアルキレングリコール鎖が2種以上のアルキレンオキシドにより構成される場合は、2種以上のアルキレンオキシドがランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの形態で付加したものであってもよく、また、m個のポリアルキレングリコール鎖は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記ポリアルキレングリコール鎖においては、例えばセメント混和剤に配合してセメント組成物を製造した場合に、その粘性やこわばり感を低減できる等の観点から、該鎖中に炭素数3以上のオキシアルキレン基を導入することが好適である。これにより、上記ポリアルキレングリコール鎖にある程度の疎水性が付与され、セメント粒子に若干の構造(ネットワーク)をもたらすことが可能となる。
この場合、炭素数3以上のオキシアルキレン基の含有割合は、ポリアルキレングリコール鎖を構成する全オキシアルキレン基(アルキレングリコール単位)100モル%に対し、1モル%以上であることが好ましく、より好ましくは3モル%以上、更に好ましくは5モル%以上、特に好ましくは7モル%以上である。また、炭素数3以上のオキシアルキレン基を導入しすぎると、得られる単量体やそれを用いてなる重合体の疎水性が高くなりすぎ、例えば、セメント粒子の分散性能をより充分に高めることができないおそれがあるため、50モル%以下であることが好ましく、より好ましくは30モル%以下、更に好ましくは20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下である。
上記炭素数3以上のオキシアルキレン基としては、導入の容易さ、セメント粒子との親和性等の観点から、炭素数3〜18のオキシアルキレン基が好適である。中でも、炭素数3〜8のオキシアルキレン基が好ましく、より好ましくは、炭素数3のオキシプロピレン基や炭素数4のオキシブチレン基等である。
また上記炭素数3以上のオキシアルキレン基は、ブロック状に導入されていてもよく、ランダム状に導入されていてもよいが、(炭素数2以上のオキシアルキレン基からなる(ポリ)アルキレングリコール鎖)−(炭素数3以上のオキシアルキレン基からなる(ポリ)アルキレングリコール鎖)−(炭素数2以上のオキシアルキレン基からなる(ポリ)アルキレングリコール鎖)のようにブロック状に導入されることが好ましい。これにより、より高い分散性を発揮することが可能になる。
上記ポリアルキレングリコール鎖におけるアルキレンオキシドの平均繰り返し数、すなわちオキシアルキレン基の平均付加モル数(n)は、2〜300の数であることが適当である。nが2以上であると、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体にポリアルキレングリコール鎖に基づく性能を充分に発揮させることが可能となり、また、nが300以下であることで、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の粘性や反応性が適切なものとなり、これを取り扱う際の作業性の点で好適なものとなる。下限値として好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは8以上、特に好ましくは10以上、最も好ましくは20以上である。また、上限値として好ましくは200以下、より好ましくは150以下、更に好ましくは100以下である。
なお、上記オキシアルキレン基の平均付加モル数とは、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体が有する分岐ポリアルキレングリコール鎖1モル中において付加しているアルキレンオキシドのモル数の平均値を意味する。
上記一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の末端基、すなわちポリアルキレングリコール鎖含有基(Z;−(AO)−R)を構成するRは、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。分散性向上の観点からは、疎水性が強くなりすぎないことが好ましいため、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であることが好適である。より好ましくは水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基、更に好ましくは水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基である。
なお、上記Rが炭化水素基を表す場合、飽和アルキル基又は不飽和アルキル基であることが好ましく、また、直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよい。
上記一般式(1)において、−Y−(Z)で表される分岐ポリアルキレングリコール鎖含有基は、−(AO)−で表されるポリアルキレングリコール鎖と結合することになる。このように不飽和結合(炭素炭素二重結合)と分岐ポリアルキレングリコール鎖含有基とが、ポリアルキレングリコール鎖を介して結合してなる構造とすることで、不飽和ポリアルキレングリコール誘導体に充分な親水性を付与することができるとともに、不飽和結合と分岐ポリアルキレングリコール鎖含有基(−Y−(Z))との間の長さ(間隔)を充分なものとすることができるため、不飽和ポリアルキレングリコール誘導体を用いて得られる重合体の分散性及び早期強度を顕著に向上させることが可能になる。また、このような不飽和ポリアルキレングリコール誘導体を用いて得られる重合体は、当該重合体と同等の分子量を有し、かつ側鎖に直鎖ポリアルキレングリコール鎖を有する重合体に比較して、際立って優れた分散性及び早期強度を発現できることになる。
上記−(AO)−で表されるポリアルキレングリコール鎖の好適な構成・形態等については、上述した−(AO)−で表されるポリアルキレングリコール鎖のそれと同様である。なお、tは、2〜300の数であるが、不飽和ポリアルキレングリコール誘導体を用いて得られる重合体の分散性及び早期強度発現性能の向上の観点から、好ましくは5〜200、より好ましくは10〜100である。
上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の分子量は、重量平均分子量で200〜100000であることが好適である。また、これを用いて重合を行う際の重合反応性等を考慮すると、より好ましくは500〜70000、更に好ましくは1000〜50000である。また、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の数平均分子量は、200〜50000であることが好適である。より好ましくは500〜30000、更に好ましくは700〜20000である。
上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の重量平均分子量及び数平均分子量は、例えば、下記の条件の下、光散乱検出器付きのゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による絶対分子量として求めることができる。
<GPC測定条件>
使用カラム:東ソー社製、TSKguardcolumn α+TSKgel α−5000+TSKgel α−4000+TSKgel α−3000各1本づつ連結。
使用溶離液:リン酸二水素ナトリウム・2H2O:124.8g、リン酸水素二ナトリウム・12H2O:286.5gをイオン交換水:15588.7gに溶解させた溶液に、アセトニトリル:4000gを混合した溶液を用いる。
検出器:Viscotek社製トリプル検出器Model302
光散乱検出器:直角光散乱:90°散乱角度、低角度光散乱:7°散乱角度、セル容量:18μL、波長:670nm
標準試料:東ソー社製ポリエチレングリコールSE−8(Mwl07000)を用い、そのdn/dCを0.135ml/g、使用溶離液の屈折率を1.333として装置定数を決定する。
打込み量:標準試料:測定対象物の濃度が0.2vol%(体積%)になるように上記溶離液で溶解させた溶液を250μL注入、サンプル:測定対象物の濃度が1.0vol%になるように上記溶離液で溶解させた溶液を250μL注入
流速:0.8ml/min
カラム温度:40℃
〔不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の製造方法〕
本発明の不飽和ポリアルキレングリコール誘導体は、例えば、下記一般式(3)で表される不飽和ポリアルキレングリコール化合物に、エポキシアルコール及び/又は多価アルコールを反応させる工程1を含む製造方法により得ることができる。このように、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体を製造する方法であって、下記一般式(3)で表される不飽和ポリアルキレングリコール化合物に、エポキシアルコール及び/又は多価アルコールを反応させる工程1を含む不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の製造方法もまた、本発明の1つである。上記製造方法は、更に必要に応じて、他の工程を1又は2以上含んでもよい。
Figure 2014065665
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。AOは、同一又は異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。pは、0、1又は2である。qは、0又は1である。tは、AOで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜300の数である。)
なお、上記工程1に使用される原料(不飽和ポリアルキレングリコール化合物、並びに、エポキシアルコール及び/又は多価アルコール)は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
上記工程1において、上記不飽和ポリアルキレングリコール化合物は、上記一般式(3)で表される化合物であればよく、上記一般式(3)中のR、R、R、p、q、AO及びtは、上記一般式(1)中の各記号とそれぞれ同様である。
このような不飽和ポリアルキレングリコール化合物としては、例えば、ビニルアルコールアルキレンオキシド付加物、(メタ)アリルアルコールアルキレンオキシド付加物、3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、イソプレンアルコール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)アルキレンオキシド付加物、3−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−2−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。
また上記エポキシアルコール又は多価アルコールは、炭素、水素及び酸素の3つの元素から構成される化合物が好適である。具体的には、上述した化合物等が好適であり、中でも(ポリ)グリシドールが好ましく、より好ましくはグリシドールである。また、必要に応じて、エポキシアルコールと多価アルコールとを併用してもよい。
上記工程1において、不飽和ポリアルキレングリコール化合物と、エポキシアルコール及び/又は多価アルコールとの反応比(モル比;不飽和ポリアルキレングリコール化合物/エポキシアルコールと多価アルコールとの総量)は、1/1〜1/100とすることが好適である。より好ましくは1/1〜1/50である。
上記工程1はまた、触媒の存在下で行うことが好適である。触媒としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物;ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム等の有機金属化合物;三フッ化ホウ素、四塩化チタン等のルイス酸;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド等の金属アルコキシド;等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記工程1の反応条件に関し、反応温度は、例えば、50〜200℃とすることが好ましく、より好ましくは70〜160℃、更に好ましくは80〜130℃である。反応時間は、例えば、0.5〜24時間とすることが好ましく、より好ましくは1〜10時間である。反応圧力は、減圧下、常圧、加圧下のいずれでも構わないが、常圧での反応で充分である。
上記製造方法ではまた、上記工程1により得られる多価アルコール誘導体に、アルキレンオキシドを反応させる工程2を行うことが好ましい。すなわち上記製造方法は、更に、 上記工程1により得られる多価アルコール誘導体に、アルキレンオキシドを反応させる工程2を含むことが好適である。
上記工程2に使用される原料(多価アルコール誘導体及びアルキレンオキシド)は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
上記工程2で使用されるアルキレンオキシドとしては、炭素数2〜18のアルキレンオキシドが好適であり、より好ましくは、炭素数2〜8のアルキレンオキシドである。アルキレンオキシドの好適な具体例については、上述したとおりである。
上記工程2において、上記工程1により得られる多価アルコール誘導体(好ましくは(ポリ)グリシドール誘導体)と、アルキレンオキシドとの反応比は、アルキレンオキシドの平均付加モル数が2〜300となるように設定することが好適である。ここでいうアルキレンオキシドの平均付加モル数とは、上記工程2により得られる化合物中の末端ポリアルキレングリコール鎖1モル中において付加しているアルキレンオキシドのモル数の平均値を意味する。上記アルキレンオキシドの平均付加モル数の下限値として好ましくは2以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは8以上、特に好ましくは10以上、最も好ましくは20以上である。また、上限値として好ましくは200以下、より好ましくは150以下、更に好ましくは100以下である。
上記工程2はまた、触媒の存在下で行うことが好適である。触媒としては、例えば、上記工程1で挙げた触媒と同様のものを1種又は2種以上使用することができる。
上記工程2の反応条件に関し、反応温度は、例えば、60〜200℃とすることが好ましく、より好ましくは80〜150℃、更に好ましくは90〜130℃である。反応時間は、例えば、50時間以内にすることが好ましく、より好ましくは40時間以内であり、更に好ましくは30時間以内である。反応圧力は、例えば、0.01〜0.5MPaとすることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.3MPa、更に好ましくは0.1〜0.2MPaである。
本発明の不飽和ポリアルキレングリコール誘導体はまた、下記の工程1’、工程2’及び工程3’を含む製造方法によっても製造することができる。このように、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体を製造する方法であって、下記工程1’、工程2’及び工程3’を含む不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の製造方法もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。なお、必要に応じて、更に他の工程の1又は2以上を含んでもよい。
工程1’:炭素数1〜30のアルコールのアルキレンオキシド付加物にエポキシアルコール及び/又は多価アルコールを反応させる工程。
工程2’:工程1’により得られる化合物にアルキレンオキシドを反応させる工程。
工程3’:工程2’により得られる化合物に下記一般式(5):
Figure 2014065665
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。pは、0、1又は2である。qは、0又は1である。)で表される基を有する化合物を反応させる工程。
なお、各工程に使用される原料は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
上記工程1’において、炭素数1〜30のアルコールのアルキレンオキシド付加物としては、炭素数1〜30のアルコールの1種又は2種以上に、通常の手法にて、アルキレンオキシドの1種又は2種以上を付加させて得られる化合物であればよい。
なお、上記アルコール及びアルキレンオキシドの反応比は、アルキレンオキシドの平均付加モル数が2〜300となるように設定することが好適である。ここでいうアルキレンオキシドの平均付加モル数とは、炭素数1〜30のアルコールのアルキレンオキシド付加物中のポリアルキレングリコール鎖1モル中において付加しているアルキレンオキシドのモル数の平均値を意味する。上記アルキレンオキシドの平均付加モル数の下限値として好ましくは2以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは8以上、特に好ましくは10以上、最も好ましくは20以上である。また、上限値として好ましくは300以下、より好ましくは200以下、更に好ましくは100以下である。
上記炭素数1〜30のアルコールとしては特に限定されないが、中でも、炭素数1〜10のアルコールが好適である。より好ましくは炭素数1〜5のアルコール、更に好ましくは炭素数1〜3のアルコールである。また、上記炭素数1〜30のアルコールは、飽和アルコールであってもよいし、不飽和アルコールであってもよい。また、アルコール中の炭化水素基は、直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよい。
なお、上記アルキレンオキシドとしては、上記工程2において使用されるアルキレンオキシドと同様のものが好適である。
また上記エポキシアルコール及び/又は多価アルコールとしては、上記工程1において使用されるものと同様のものが好適である。
上記工程1’において、炭素数1〜30のアルコールのアルキレンオキシド付加物と、エポキシアルコール及び/又は多価アルコールとの反応比(モル比;付加物/エポキシアルコールと、多価アルコールとの総量)は、1/1〜1/100とすることが好適である。より好ましくは1/1〜1/50である。
上記工程1’はまた、触媒の存在下で行うことが好適である。触媒としては、例えば、上記工程1で挙げた触媒と同様のものを1種又は2種以上使用することができる。
上記工程1’の反応条件に関し、反応温度は、例えば、50〜200℃とすることが好ましく、より好ましくは70〜160℃である。反応時間は、例えば、0.5〜24時間とすることが好ましく、より好ましくは1〜10時間である。反応圧力は、減圧下、常圧、加圧下のいずれでも構わないが、常圧での反応で充分である。
上記工程2’で使用されるアルキレンオキシドとしては、上記工程2において使用されるアルキレンオキシドと同様のものが好適である。
上記工程2’において、上記工程1’により得られる化合物とアルキレンオキシドとの反応比は、当該アルキレンオキシドの平均付加モル数が2〜300となるように設定することが好適である。ここでいうアルキレンオキシドの平均付加モル数とは、上記工程2’により得られる化合物中の、工程2’により形成されるポリアルキレングリコール鎖1モル中において付加しているアルキレンオキシドのモル数の平均値を意味する。上記アルキレンオキシドの平均付加モル数の下限値として好ましくは2以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは8以上、特に好ましくは10以上、最も好ましくは20以上である。また、上限値として好ましくは300以下、より好ましくは200以下、更に好ましくは100以下である。
上記工程2’はまた、触媒の存在下で行うことが好適である。触媒としては、例えば、上記工程1で挙げた触媒と同様のものを1種又は2種以上使用することができる。
上記工程2’の反応条件に関し、反応温度は、例えば、60〜200℃とすることが好ましく、より好ましくは80〜150℃である。反応時間は、例えば、50時間以内とすることが好ましく、より好ましくは40時間以内であり、更に好ましくは30時間以内である。反応圧力は、例えば、0.01〜0.5MPaとすることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.3MPaであり、更に好ましくは0.1〜0.2MPaである。
上記工程3’において、上記一般式(5)で表される基を有する化合物としては、例えば、当該基に、水酸基(−OH)又はハロゲン元素(−Q)が結合した構造を有する化合物等が挙げられる。なお、上記一般式(5)中のR、R、R、p及びqは、上記一般式(1)中のそれぞれの記号と同様である。
上記一般式(5)で表される基を有する化合物として具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アリルアルコール、アリルクロライド、アリルブロマイド、アリルヨーダイド、メタリルアルコール、メタリルクロライド、メタリルブロマイド、メタリルヨーダイド、イソプレノール、イソプレニルクロライド、イソプレニルブロマイド、イソプレニルヨーダイド等が挙げられる。
上記工程3’において、上記工程2’により得られる化合物と上記一般式(5)で表される基を有する化合物との反応比(モル比;工程2’により得られる化合物/上記一般式(5)で表される基を有する化合物)は、1/1〜1/2とすることが好適である。より好ましくは1/1〜1/1.2である。
上記工程3’はまた、触媒の存在下で行うことが好適である。触媒としては、例えば、硫酸やパラトルエンスルホン酸等の酸触媒;水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウムのようなアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;アルカリ土類金属の炭酸塩、トリエチルアミンやエタノールアミンのような有機アミン;等が挙げられる。
上記工程3’の反応条件に関し、反応温度は、例えば、30〜150℃とすることが好ましく、より好ましくは50〜130℃である。反応時間は、反応温度、反応溶媒、触媒種、触媒量等の反応条件により適宜定められる。
〔中間体〕
本発明はまた、下記一般式(4)で表される不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の中間体でもある。
Figure 2014065665
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。AOは、同一又は異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。Y’は、−(C−を表す。rは、Cで表されるグリセリル基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。(C)で表されるグリセリル基は、同一又は異なって、下記式:
Figure 2014065665
で表される構造からなる。pは、0、1又は2である。qは、0又は1である。tは、AOで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜300の数である。mは、2以上の整数であり、Y’で表される−(C−の活性基数に依存して最大数が決まる数である。)
上記一般式(4)中、R、R、R、R、AO、p、q、t及びmは、上記一般式(1)中の各記号とそれぞれ同様である。
上記中間体は、本発明の不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の中間体として非常に有用である。このような中間体を得るには、例えば、上述した不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の製造方法のうち、上記一般式(3)で表される不飽和ポリアルキレングリコール化合物にエポキシアルコール及び/又は多価アルコールを反応させる工程1において、エポキシアルコール及び/又は多価アルコールとして(ポリ)グリシドールを用いることにより、得ることができる。
上記中間体の分子量は、重量平均分子量で200〜100000であることが好適である。また、製造上の取り扱い等を考慮すると、より好ましくは200〜50000であり、更に好ましくは200〜30000である。
中間体の分子量は、上述した不飽和ポリアルキレングリコール誘導体と同様にして求めることができる。
〔用途〕
本発明の不飽和ポリアルキレングリコール誘導体は、各種性能、特に早期強度発現性能及び分散性能に著しく優れる成分を与えることができるため、水に難溶性の無機物又は有機物の分散剤用途に好適に適用することができる。中でも特に、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体を含む単量体成分を用いて得た重合体、すなわち上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体由来の構成単位を有する重合体(ポリアルキレングリコール系重合体とも称す)は、分散剤用重合体として好適である。ポリアルキレングリコール系重合体の中でも、不飽和カルボン酸系単量体由来の構成単位を更に有するポリカルボン酸系共重合体は、早期強度発現性能及び分散性能により一層優れるため、極めて有用である。
上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体や、それを用いたポリアルキレングリコール系重合体が適用される用途として具体的には、紙コーティングに用いられる重質又は軽質炭酸カルシウム、クレイ等の無機顔料の分散剤;セメント、石炭等の水スラリー用分散剤;等が挙げられる。その他にも、例えば、セメント混和剤;冷却水系、ボイラー水系、海水淡水化装置、パルプ蒸解釜、黒液濃縮釜でのスケール防止の水処理剤;スケール防止剤;染色助剤や繊維の帯電防止助剤等の繊維処理剤;接着剤;シーリング剤;各種重合体への柔軟性付与成分;洗剤ビルダー等にも好適に使用することができる。更に、シャンプー、リンス、ボディーソープ等の身体用洗剤、繊維加工、建材加工、塗料、窯業等の分野において幅広く応用することが可能である。中でも、セメント混和剤用途に用いることが好適であり、この場合、より低コストで、従来品と同等又はそれ以上のセメント分散性能を発揮しながら、早期強度発現性に特に優れるセメント混和剤を提供できる。なお、コンクリート2次製品(プレキャスト)用のセメント混和剤に特に有用である。このように上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体を用いてなる分散剤又はセメント混和剤、上記ポリアルキレングリコール系重合体を含む分散剤又はセメント混和剤、及び、上記不飽和ポリアルキレングリコール誘導体が分散剤用化合物又はセメント混和剤用化合物である形態もまた、本発明の好適な実施形態である。
本発明の不飽和ポリアルキレングリコール誘導体は、上述のような構成であるので、各種性能、特に早期強度発現性能及び分散性能に著しく優れる成分を与えることができるものである。特に、このような不飽和ポリアルキレングリコール誘導体を含む単量体成分を重合して得られる重合体、中でも特に、更に不飽和カルボン酸系単量体を含む単量体成分を重合して得られるポリカルボン酸系共重合体は、極めて高度の早期強度発現性能及び分散性能を有するため、分散剤やセメント混和剤に特に有用なものであり、それを取り扱う分野において生産性や作業性をより向上することができる。したがって、これを含むセメント混和剤は、コンクリートを取り扱う土木・建設分野等で多大の貢献をなすものである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
なお、下記の合成例において、重量平均分子量の測定条件(GPC測定法)は、上述したとおりとした。
合成例1
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、メタリルアルコールのエチレンオキシド8モル付加物を145.2g、付加反応触媒として水酸化カリウム6.6gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で3時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして常圧下で95℃を保持したままグリシドール76.2gを反応器内に2時間かけて導入した。更に95℃で2時間保持し反応を完結させた。
得られた反応生成物(A−1)の重量平均分子量は860、数平均分子量710であった。
合成例2
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、合成例1で得られた反応生成物(A−1)154.3g(水酸化カリウム4.5gを含む)を仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして安全圧下で95℃を保持したままエチレンオキシド845.7gを反応器内に導入(滴下時間は362分)し、アルキレンオキシド付加反応が完結するまでその温度を保持して反応を終了した(熟成時間は60分)。
得られた反応生成物(A−2)の重量平均分子量は7400、数平均分子量4500であった。
合成例3
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、合成例2で得られた反応生成物(A−2)475g(水酸化カリウム2.1gを含む)を仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして安全圧下で95℃を保持したままエチレンオキシド402.1gを反応器内に導入(滴下時間は157分)し、アルキレンオキシド付加反応が完結するまでその温度を保持して反応を終了した(熟成時間は60分)。
得られた反応生成物(A−3)は、重量平均分子量は13600、数平均分子量7700であった。
合成例4
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、メタリルアルコールのエチレンオキシド8モル付加物を167.4g、付加反応触媒として水酸化カリウム7.6gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で3時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして常圧下で95℃を保持したままグリシドール210.4gを反応器内に4時間かけて導入した。更に95℃で2時間保持し反応を完結させた。
得られた反応生成物(A−4)の重量平均分子量は1400、数平均分子量900であった。
合成例5
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、合成例4で得られた反応生成物(A−4)93.7g(水酸化カリウム1.8gを含む)を仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で120℃まで昇温した。そして安全圧下で120℃を保持したままエチレンオキシド706.3gを反応器内に導入(滴下時間は265分)し、アルキレンオキシド付加反応が完結するまでその温度を保持して反応を終了した(熟成時間は60分)。
得られた反応生成物(A−5)の重量平均分子量は16200、数平均分子量8100であった。
合成例6
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、合成例5で得られた反応生成物(A−5)424.8g(水酸化カリウム1.0gを含む)を仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で120℃まで昇温した。そして安全圧下で120℃を保持したままエチレンオキシド375.2gを反応器内に導入(滴下時間は196分)し、アルキレンオキシド付加反応が完結するまでその温度を保持して反応を終了した(熟成時間は60分)。
得られた反応生成物(A−6)の重量平均分子量は30400、数平均分子量11200であった。
合成例7
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、メタリルアルコールのエチレンオキシド20モル付加物を243.2g、付加反応触媒として水酸化カリウム8.9gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で3時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして常圧下で95℃を保持したままグリシドール56.8gを反応器内に2時間かけて導入した。更に95℃で2時間保持し反応を完結させた。
得られた反応生成物(A−7)の重量平均分子量は1500、数平均分子量1200であった。
合成例8
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、合成例7で得られた反応生成物(A−7)174.6g(水酸化カリウム5.0gを含む)を仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして安全圧下で95℃を保持したままエチレンオキシド525.4gを反応器内に導入(滴下時間は238分)し、アルキレンオキシド付加反応が完結するまでその温度を保持して反応を終了した(熟成時間は60分)。
得られた反応生成物(A−8)の重量平均分子量は9100、数平均分子量4800であった。
合成例9
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、合成例8で得られた反応生成物(A−8)523.2g(水酸化カリウム3.8gを含む)を仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして安全圧下で95℃を保持したままエチレンオキシド376.8gを反応器内に導入(滴下時間は192分)し、アルキレンオキシド付加反応が完結するまでその温度を保持して反応を終了した(熟成時間は60分)。
得られた反応生成物(A−9)の重量平均分子量は16300、数平均分子量8100であった。
合成例10
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、メタリルアルコールのエチレンオキシド20モル付加物を194.2g、付加反応触媒として水酸化カリウム7.1gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で3時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして常圧下で95℃を保持したままグリシドール105.8gを反応器内に4時間かけて導入した。更に95℃で2時間保持し反応を完結させた。
得られた反応生成物(A−10)の重量平均分子量は1900、数平均分子量1300であった。
合成例11
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、メタリルアルコールのエチレンオキシド50モル付加物を371.8g、付加反応触媒として水酸化カリウム8.0gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で3時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして常圧下で95℃を保持したままグリシドール36.4gを反応器内に2時間かけて導入した。更に95℃で2時間保持し反応を完結させた。
得られた反応生成物(A−11)の重量平均分子量は3200、数平均分子量2900であった。
合成例12
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、合成例11で得られた反応生成物(A−11)209.0g(水酸化カリウム4.0gを含む)を仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして安全圧下で95℃を保持したままエチレンオキシド591.0gを反応器内に導入(滴下時間は191分)し、アルキレンオキシド付加反応が完結するまでその温度を保持して反応を終了した(熟成時間は60分)。
得られた反応生成物(A−12)の重量平均分子量は16400、数平均分子量9800であった。
合成例13
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、メタリルアルコールのエチレンオキシド50モル付加物を261.7g、付加反応触媒として水酸化カリウム5.0gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で3時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして常圧下で95℃を保持したままグリシドール59.7gを反応器内に4時間かけて導入した。更に95℃で2時間保持し反応を完結させた。
得られた反応生成物(A−13)の重量平均分子量は3500、数平均分子量3200であった。
合成例14
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、合成例13で得られた反応生成物(A−13)140.2g(水酸化カリウム2.2gを含む)を仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして安全圧下で95℃を保持したままエチレンオキシド709.8gを反応器内に導入(滴下時間は344分)し、アルキレンオキシド付加反応が完結するまでその温度を保持して反応を終了した(熟成時間は60分)。
得られた反応生成物(A−14)の重量平均分子量は31700、数平均分子量13700であった。
合成例15
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、メタリルアルコールのエチレンオキシド50モル付加物を201.4g、付加反応触媒として水酸化カリウム5.0gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で3時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして常圧下で95℃を保持したままグリシドール98.5gを反応器内に4時間かけて導入した。更に95℃で2時間保持し反応を完結させた。
得られた反応生成物(A−15)の重量平均分子量は4600、数平均分子量3600であった。
合成例1〜15を表1にまとめた。
Figure 2014065665
<ポリカルボン酸共重合体>
製造例1
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水285.3g、合成例3で得られた反応生成物(A−3)280.7g、アクリル酸3.9g、酢酸0.72gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。反応容器内を80℃に維持した状態で、イオン交換水116.0gにアクリル酸14.7gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水149.5gに3−メルカプトプロピオン酸0.48gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水145.3gに過硫酸アンモニウム3.5gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で、水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を用いてpH6.0になるよう調整し、重量平均分子量が110000、Mw/Mn3.65の共重合体(1)の水溶液を得た。
製造例2
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水288.8g、合成例12で得られた反応生成物(A−12)284.3g、アクリル酸3.1g、酢酸1.42gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。反応容器内を80℃に維持した状態で、イオン交換水119.5gにアクリル酸11.2gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水149.4gに3−メルカプトプロピオン酸0.61gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水138.8gに過硫酸アンモニウム2.8gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で、水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を用いてpH6.0になるよう調整し、重量平均分子量が125000、Mw/Mn3.87の共重合体(2)の水溶液を得た。
製造例3
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水167.7g、合成例14で得られた反応生成物(A−14)387.9g、アクリル酸2.4g、酢酸1.10gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。反応容器内を80℃に維持した状態で、イオン交換水136.5gにアクリル酸8.6gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水149.8gに3−メルカプトプロピオン酸0.20gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水143.6gに過硫酸アンモニウム2.2gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で、水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を用いてpH6.0になるよう調整し、重量平均分子量が100000、Mw/Mn3.17の共重合体(3)の水溶液を得た。
比較製造例1
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水278.4g、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド50モル付加物(IPN50とも称す)272.8g、アクリル酸5.4g、酢酸0.21gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。反応容器内を80℃に維持した状態で、イオン交換水129.8gにアクリル酸21.6gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水148.7gに3−メルカプトプロピオン酸1.27gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水136.1gに過硫酸アンモニウム5.7gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で、水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を用いてpH6.0になるよう調整し、重量平均分子量が103000、Mw/Mnが4.69の共重合体(4)の水溶液を得た。
製造例1〜3及び比較製造例1を表2にまとめた。
Figure 2014065665
<実施例1〜3及び比較例1>
製造例1〜3及び比較製造例1で得た共重合体(1)〜(4)の各々を下記に示す配合で混合し、セメント分散剤としてモルタルフロー値及びモルタル圧縮強度を評価した。結果を表3に示す。
<モルタル評価方法>
モルタル試験は、温度が20℃±1℃、相対湿度が60%±10%の環境下で行った。
モルタル配合は、C/S/W=600/1350/210(g)とした。ただし、
C:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
S:セメント強さ試験用標準砂(セメント協会製)
W:重合体(共重合体)、及び、消泡剤のイオン交換水溶液
Wとして、表3に示した添加量の重合体水溶液を量り採り、消泡剤MA−404(ポゾリス物産製)を有姿で重合体固形分に対して15質量%加え、更にイオン交換水を加えて所定量とし、充分に均一溶解させた。表3において重合体の添加量は、セメント質量に対する重合体固形分の質量%で表されている。
ホバート型モルタルミキサー(型番N−50;ホバート社製)にステンレス製ビーター(撹拌羽根)を取り付け、C、Wを投入し、1速で30秒間混練した。更に1速で混練しながら、Sを30秒かけて投入した。S投入終了後、2連で30秒間混練した後、ミキサーを停止し、15秒間モルタルの掻き落としを行い、その後、75秒間静置した。75秒間静置後、更に60秒間2速で混練を行い、モルタルを調製した。
モルタルを混練容器からポリエチレン製1L容器に移し、スパチュラで20回撹拌した後、直ちにフローテーブル(JIS R5201−1997に記載)に置かれたフローコーン(JIS R5201−1997に記載)に半量詰めて15回つき棒で突き、更にモルタルをフローコーンのすりきりいっぱいまで詰めて15回つき棒で突き、最後に不足分を補い、フローコーンの表面をならした。その後、直ちにフローコーンを垂直に引き上げ、広がったモルタルの直径(最も長い部分の直径(長径)及び前記長径に対して90度をなす部分の直径)を2箇所測定し、その平均値を0打フロー値とした。0打フロー値を測定後、直ちに15秒間に15回の落下運動を与え、広がったモルタルの直径(最も長い部分の直径(長径)及び前記長径に対して90度をなす部分の直径)を2箇所測定し、その平均値を15打フロー値とした。モルタル調製直後(初期)における15打フロー値を表3に示す。
<圧縮強度の測定>
上記方法により調製したモルタルを、水平なテーブルに置いた円筒形型枠(直径5cm、高さ10cm)に型枠容量の3分の1まで詰め、突き棒を使って20回突いた後、型枠容器に振動を加え、粗い気泡を抜いた。更に型枠のすりきりいっぱいまでモルタルを詰め、突き棒を使って20回突いた後、型枠容器に振動を加えた。乾燥を防ぐため、上面をPETフィルムで覆い、室温20℃の環境にて12時間及び24時間養生を行ったもの、恒温恒湿器に60℃の環境にて3時間及び4時間養生を行ったものを供試体とした。
上記方法により作製した供試体を用いて、コンクリート試験の圧縮強度測定方法(JIS A1108;2006年)に準じて圧縮強度を測定した。供試体の圧縮強度の測定結果を表3に示す。
Figure 2014065665

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする不飽和ポリアルキレングリコール誘導体。
    Figure 2014065665
    (式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。AOは、同一又は異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。Yは、活性基を2個以上有する化合物の残基を表す。Zは、同一又は異なって、−(AO)−Rを表す。AOは、同一又は異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。nは、AOで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、同一又は異なって、2〜300の数である。pは、0、1又は2である。qは、0又は1である。tは、AOで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜300の数である。mは、2以上の整数であり、Yで表される活性基を2個以上有する化合物の活性基数に依存して最大数が決まる数である。)
  2. 前記一般式(1)中のYは、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1に記載の不飽和ポリアルキレングリコール誘導体。
    −(C− (2)
    (式中、rは、Cで表されるグリセリル基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。(C)で表されるグリセリル基は、同一又は異なって、下記式:
    Figure 2014065665
    で表される構造からなる。)
  3. 請求項1又は2に記載の不飽和ポリアルキレングリコール誘導体を製造する方法であって、
    該製造方法は、下記一般式(3)で表される不飽和ポリアルキレングリコール化合物に、エポキシアルコール及び/又は多価アルコールを反応させる工程1を含むことを特徴とする不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の製造方法。
    Figure 2014065665
    (式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。AOは、同一又は異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。pは、0、1又は2である。qは、0又は1である。tは、AOで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜300の数である。)
  4. 前記製造方法は、更に、前記工程1により得られる多価アルコール誘導体に、アルキレンオキシドを反応させる工程2を含むことを特徴とする請求項3に記載の不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の製造方法。
  5. 下記一般式(4)で表されることを特徴とする不飽和ポリアルキレングリコール誘導体の中間体。
    Figure 2014065665
    (式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。AOは、同一又は異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。Y’は、−(C−を表す。rは、Cで表されるグリセリル基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。(C)で表されるグリセリル基は、同一又は異なって、下記式:
    Figure 2014065665
    で表される構造からなる。pは、0、1又は2である。qは、0又は1である。tは、AOで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜300の数である。mは、2以上の整数であり、Y’で表される−(C−の活性基数に依存して最大数が決まる数である。)
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