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JP2014022321A - 捕捉剤を含む非水電解質二次電池 - Google Patents

捕捉剤を含む非水電解質二次電池 Download PDF

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JP2014022321A JP2012162889A JP2012162889A JP2014022321A JP 2014022321 A JP2014022321 A JP 2014022321A JP 2012162889 A JP2012162889 A JP 2012162889A JP 2012162889 A JP2012162889 A JP 2012162889A JP 2014022321 A JP2014022321 A JP 2014022321A
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Mitsuyasu Imazaki
充康 今▲崎▼
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Abstract

【課題】負極、正極、及び負極と正極との間に介在された非水電解質を備える非水電解質二次電池において、充放電サイクル特性に優れる電池を提供する。
【解決手段】前記負極は、リチウム金属の酸化還元電位基準で0.3V以上2.0V以下で作動する材料を主成分とする負極活物質を含み、還元性を有する特定の有機化合物からなる捕捉剤を非水電解質二次電池内に存在させている。
【効果】電池内部の不純物を捕捉することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池のサイクル安定性の改良に関するものである。
リチウムイオン二次電池はモバイル機器用電源として現在幅広く使用されている。リチウムイオン二次電池は、既存のニッケル−カドミウム二次電池やニッケル−水素二次電池と比較して高エネルギー密度であるために、電気自動車や電力貯蔵などの大型電源用途としても期待されている。
現在、リチウムイオン二次電池の負極材料としては、黒鉛系炭素材料が最も一般的に使用されている。炭素材料は、リチウム基準で電圧が約0.2 Vと低く、電池を高電圧化できるが、寿命などの信頼性に関しては、炭素材料を負極とした電池では、例えば60 ℃以上の高温環境下で長時間使用すると充放電サイクルにより容量が低下するという傾向がある。
そこで、例えば特許文献1では、高温充放電サイクル特性の劣化を抑制するため、電池内部で発生したリチウムイオン以外の陽イオンやフッ化物イオンからなる不純物イオンを捕捉する捕捉物質を、セパレータの表面、正極又は負極の表面又は内部に保持させることによって、電池劣化をもたらす陽イオン又はフッ化物イオンが負極活物質粒子へ付着することを抑制するようにしている。その捕捉物質の例として、比表面積が1000m/gあるいは細孔容積が0.1cc/g以上の活性炭が挙げられており、アルカリ土類金属の酸化物も挙げられている。
また特許文献2では、リチウムの炭酸塩または/及びシュウ酸塩を正極、負極または非水電解質に添加することによりサイクル特性を向上させている。特許文献3,4も特定の物質を電池内に添加する発明を開示している。
特開2000−77103号公報 特開2004−14472号公報 特開平11−54149号公報 特開2011−165343号公報
しかし、特許文献1記載のように比表面積の大きな活性炭を使用すれば、電極活物質、活性炭、溶媒を含む混練物を集電体に塗布する際に、活性炭の溶媒吸収量の増大に伴って混練物の粘度が上昇しやすくなり塗布作業性が低下する。アルカリ土類金属の酸化物を負極に担持させる場合は、酸化物は絶縁体であるので負極活物質の導電性能を低下させ、電極の単位重量あたりの電池容量が低下するおそれがある。
さらに特許文献1〜4の構造では、負極活物質の材料として炭素系の材料を選んでいるが、負極活物質にリチウム基準で炭素材料よりも高い電圧を発現する物質を用いた非水電解質二次電池では、電極劣化をもたらす物質が炭素負極材料とは異なるため、電池内に公知の捕捉剤を混合させて使用しても、同じような効果が得られるかどうか解明されていない。
本発明は、リチウム金属の酸化還元電位基準で0.3V以上2.0V以下で作動する材料を主成分とする負極活物質を使用した非水電解質二次電池において、優れたサイクル安定性を発現する電池を提供することを目的とする。
前述の事情に鑑み、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、有機化合物からなる捕捉剤を電池中に存在させることによって、充放電サイクル特性に優れる非水電解質二次電池が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の非水電解質二次電池は、負極、正極、及び負極と正極との間に介在された非水電解質を備える非水電解質二次電池であって、前記負極は、リチウム金属の酸化還元電位基準で0.3V以上2.0V以下で作動する材料を主成分とする負極活物質を含み、電池内部に有機化合物からなる捕捉剤が存在するものである。
この構造によれば、電池内に発生する不純物が捕捉剤に捕捉され、充放電サイクルを繰り返しても電池特性の劣化を低減することができる非水電解質二次電池を得ることができる。
捕捉剤に含まれる有機化合物として、還元性を有する有機化合物を選定することが好ましく、グルコース、セルロース、エチレングリコール、ギ酸、シュウ酸、アスコルビン酸、ユビキノンから選ばれる一種以上を含有することが好ましい。
リチウム金属の酸化還元電位基準で0.3V以上2V以下で作動する負極活物質の例として、リチウムチタン酸化物又はチタン酸化物があげられる。
また正極を構成する正極活物質にはリチウムマンガン酸化物又はリチウムマンガン酸化物のマンガンの一部を異種物質で置換した材料を用いることが好ましい。
捕捉剤を非水電解質二次電池の中に配置する形態として、非水電解質溶液の中に添加させてもよい。また、正極、負極、セパレータの内部および/又は表面に存在させてもよい。いずれの場合も、捕捉剤によって電池内に発生する不純物を効率よく捕捉することができ充放電サイクル特性を向上させることができる。
前記非水電解質はゲル状であってもよい。
本発明の非水電解質二次電池は、電池内部に捕捉剤を含有させることにより、捕捉剤を含有しない非水電解質二次電池と比べて、サイクル安定性に優れる、という優れた効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。
<捕捉剤>
本発明の捕捉剤を非水電解質二次電池の内部に備えるための構造は限定されないが、例えば捕捉剤を非水電解質にそのまま添加しても良い。非水電解質に添加する場合、その濃度は0.01重量パーセント(wt%)以上3wt%以下であることが好ましい。この範囲を上回ると捕捉剤の溶解が困難になる場合がある。この範囲を下回ると不純物を捕捉する機能が低下することとなりいずれも好ましくない。
捕捉剤に含まれる有機化合物として、還元性を有する有機化合物を選定することが好ましく、グルコース、セルロース、エチレングリコール、ギ酸、シュウ酸、アスコルビン酸、ユビキノンから選ばれる一種以上が好ましい。
また、捕捉剤を正極、負極の表面および/または内部に存在させても良い。電極の内部に存在させる場合には、電極活物質と導電助材とバインダーとを混合して電極活物質混合物(スラリー)を作製する際に捕捉剤を加えることが捕捉剤を効率よく分散させる観点から好ましい。捕捉剤は電極表面に存在してもよい。このためには、電極作製後に、捕捉剤を溶解させた溶液中に電極を浸漬し乾燥させることが分散の観点から好ましい。また、捕捉剤を含む高分子膜を作製し、電極表面に接着させても良い。
また捕捉剤を、セパレータの表面および/または内部に存在させても良い。セパレータとして多孔質膜を用いる場合、高分子膜によってセパレータを作製する際に捕捉剤をモノマー溶液に添加しておくとセパレータの内部に存在させることができる。また、通常の製法で作製したセパレータを、捕捉剤を溶解させた溶液中に浸漬し乾燥させることで表面に存在させても良い。
セパレータとして不織布を用いる場合、繊維を作製する際に捕捉剤をモノマー溶液に添加しておくことが好ましい。また、多孔質膜セパレータ同様、通常の製法で作製した不織布セパレータを、捕捉剤を溶解させた溶液中に浸漬し乾燥させることで表面および内部に存在させることもできる。
セパレータにおける捕捉剤の効果を長期間持続させたい場合、高分子に捕捉剤を内包させ、徐々に放出させることが好ましい。この高分子の膜または繊維を用いてセパレータを作製しても良いし、この高分子の膜または繊維を単純に電池内に存在させても、捕捉剤の効果を長期間持続させることができる。
なお、本発明の実施の形態に係る非水電解質二次電池の構造の変更例として、正極・負極間が直接接触していなければ、必ずしも独立したセパレータを使用する必要は無い。すなわちセパレータの無い構造も考えられる。この場合、非水電解質として、正極、負極の接触を防止するためゲル状のものを使用すればよい。ゲル状のものを使用する場合は、非水電解質が正極および負極に含浸していてもよく、正極・負極間のみにある状態でも良い。このようにゲル状の非水電解質を使用する場合は、捕捉剤はゲル状の非水電解質の内部に分散配置させてもよい。
<負極>
本発明の非水電解質二次電池に用いられる負極は、少なくとも負極活物質または負極活物質と集電体とで構成され、必要に応じて導電助材およびバインダーを含んでよい。
負極活物質としては、リチウム金属の酸化還元電位基準で0.3V以上2.0V以下で作動する材料を使用することが好ましい。例えば、負極活物質の材料として、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化マンガン、リチウムマンガン酸化物、チタン酸化物、リチウムチタン酸化物などの遷移金属含有酸化物、窒化ニッケル、窒化マンガン、窒化鉄などの遷移金属窒化物、硫化ニッケル、硫化マンガンなどの遷移金属硫化物、リン化ニッケル、リン化マンガン、リン化鉄などのリン化物およびリン単体、フッ化鉄、フッ化ニッケルなどフッ化物、アルカリ金属または/およびアルカリ土類金属と合金を作る金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
従来のように炭素系材料で負極活物質を構成した場合、充放電サイクルを繰り返すとリチウムの挿入・脱離に伴う体積変化により負極が劣化し、電池の容量が低下するという問題があるため、負極材料としてリチウムの挿入・脱離による体積変化のほとんどない堅牢な材料であるチタン酸化物や、リチウムチタン酸化物を用いることが特に好ましい。
リチウムチタン酸化物は、分子式としてLi4Ti512で表されるものが好ましい。この中でスピネル構造のものを採用すれば、リチウムイオンの挿入・脱離の反応における活物質の膨張収縮が小さいので、特に好ましい。なおリチウムチタン酸化物には、たとえばNbなどのリチウム、チタン以外の元素が微量含まれていてもよい。
リチウムチタン酸化物は、リチウム化合物、チタン化合物を500℃以上1500℃以下で加熱処理することによって得ることができる。500℃未満、又は1500℃より高いと、所望の構造をしたリチウムチタン酸化物を得ることができにくい傾向がある。またリチウムチタン酸化物の結晶性を向上させるため、加熱処理後、再び500℃以上1500℃以下で再加熱処理してもよい。再加熱処理の温度は、最初に加熱処理を行った温度と同じでもよいし、違っていてもよい。加熱処理は、空気存在下でもよいし、窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガスの存在下で行ってもよい。加熱処理炉の構造は、特に限定されないが、例えば、箱型炉、管状炉、トンネル炉、ロータリーキルン等を用いることができる。
リチウム化合物としては、例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、シュウ酸リチウム、ハロゲン化リチウムなどを用いることができる。これらリチウム化合物は、1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
チタン化合物としては、例えば、二酸化チタン、一酸化チタンなどのチタン酸化物を用いることができる。
リチウム化合物、及びチタン化合物の配合比は、原料の性状や加熱条件によってリチウム及びチタンの原子比、Ti/Li=1.25前後で多少の幅をもたせてもよい。
リチウムチタン酸化物の粒子径は、0.5μm以上50μm以下であることが好ましく、1μm以上30μm以下であることが、取り扱いの観点からさらに好ましい。前記粒子径はSEM、TEM像から各粒子の大きさを測定し、平均粒子径を算出した値である。
リチウムチタン酸化物の比表面積は、0.1m2/g以上50m2/g以下であることが所望の出力密度を得やすいことから好ましい。前記比表面積は、水銀ポロシメータ、BET法での測定により算出することができる。
リチウムチタン酸化物の嵩密度は、0.2g/cm3以上1.5g/cm3以下であることが好ましい。0.2g/cm3未満の場合では後述のスラリー作製時に多量の溶媒が必要となるため経済的に不利となる傾向があり、1.5g/cm3より大きいと後述の導電助材、バインダーとの混合が困難となる傾向がある。
チタン酸化物は、分子式としてTiO2で表されるものが好ましい。結晶構造として、アナターゼ型、ラムズデライト型、ブロンズ型、ホランダイト型が好ましく、電位平坦性及び電位平坦部の回数の観点から、アナターゼ型又はブロンズ型(TiO2(B))が特に好ましい。なお、チタン酸化物には、リチウムチタン酸化物と同様、Nbなどのチタン以外の元素が微量に含まれていても良い。
アナターゼ型TiO2は塩化チタンを高温処理する方法や硫酸チタンを加水分解した後に焼成する方法等によって得ることができる。TiO2(B)は、 TiO2を水酸化ナトリウム溶液中で170℃で水熱合成することによって得ることができる。また、 TiO2とアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属化合物を用いた固相合成によりA2Ti49又はBTi49(A:アルカリ金属、B:アルカリ土類金属)を合成した後、塩酸水溶液中でイオン交換し、400〜900 ℃で加熱脱水することにより得ることも可能である。水熱合成、固相合成ともに、原料 TiO2はアナターゼ型 TiO2が好ましい。加熱処理は、空気存在下でもよいし、窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガスの存在下で行っても良い。加熱処理炉の構造は特に限定されないが、例えば箱型炉、管状炉、トンネル炉、ロータリーキルン等を用いることができる。
アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、水酸塩、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩などを用いることができる。これらの化合物は、1種類でもよいし、2種類以上用いても良い。
チタン酸化物の粒子径及び比表面積は、リチウムチタン酸化物と同様の数値範囲であることが好ましい。
負極にはバインダー(結着材)を使用してよい。バインダーは、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミドおよびそれらの誘導体からなる群からえらばれる少なくとも1種を用いることができる。
バインダーは負極の作製しやすさから、非水溶媒または水に、溶解または分散されていることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、およびテトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
本発明において、負極に含まれるバインダーの量は、負極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは1重量部以上15重量部以下である。上記範囲であれば、負極活物質と導電助材との接着性が維持され、集電体との接着性を十分に得ることができる。
本発明の負極には必要に応じて導電助材を含有してもよい。導電助材としては、特に限定されないが、炭素材料または/および金属微粒子が好ましい。炭素材料として、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、およびファーネスブラックなどが挙げられる。金属微粒子として、例えば、銅、アルミニウム、ニッケルおよびこれら少なくとも1種を含む合金が挙げられる。また、無機材料の微粒子にめっきを施したものでもよい。これら炭素材料および金属微粒子は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
本発明において、負極に含まれる導電助材の量は、負極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは1重量部以上15重量部以下である。上記範囲であれば、負極の導電性が確保される。
本発明の非水電解質二次電池の負極に用いられる集電体は、例えば、銅、アルミニウム、ニッケルおよびこれら少なくとも1種を含む合金または導電性を有する高分子が挙げられる。形状としては、例えば、箔状、メッシュ状、パンチング状、エキスパンド状、または発泡構造体が挙げられる。
ここで、メッシュ状とは、金属または導電性高分子の繊維を織布あるいは不職布にしたものである。繊維の太さは50μm以上2000μm以下であることが好ましい。50μm未満の場合は集電体の強度が弱いために、活物質混合物を集電体に担持させた際、集電体が破壊されやすい傾向がある。一方、2000μmより太い繊維を用いた場合、後述の空隙度とするには目開きが大きくなりすぎ、メッシュによる活物質混合物の保持が困難になる傾向がある。
パンチング状とは、板に円形、四角形、または六角形などの穴を開けたものであり、金属板からなるものがパンチングメタルである。空隙度は、開孔率に対応し、開孔率は穴径と骨の比率、穴の形状、および穴の配列によって決定される。穴の形状は特に限定されないが、開孔率上昇の観点から、丸穴60°千鳥型、角穴千鳥・並列型が好ましい。
エキスパンド状とは、板に千鳥状の切れ目を入れ、引き伸ばして網目状にしたもので、金属からなるものがエキスパンドメタルである。空隙度は開孔率に対応し、開孔率は穴径と骨の比率、穴の形状、および穴の配列によって決定される。
発泡構造体とは、骨格がスポンジのように3次元の網目状になっているもので、その孔は連続している。構造は孔径および気孔率で決定される。連続孔の形状や孔径は特に限定されないが、高比表面積を有する構造が好ましい。
本発明の集電体に用いられる金属は、負極作動電圧間で安定であればよく、負極作動電位がリチウム基準で0.6V以下では、銅およびその合金が好ましく、0.6V以上ではアルミニウムおよびその合金が好ましい。
本発明の負極は、例えば、負極活物質、導電助材、およびバインダーからなる負極混合物を集電体に担持させることによって作製されるが、作製方法の容易さから、負極活物質、導電助材、バインダーおよび溶媒でスラリーを作製し、得られたスラリーを集電体の空孔部およびその外面に充填および塗布した後に、溶媒を除去することによって負極を作製する方法が好ましい。また、負極活物質、導電助材およびバインダーの混合物を溶媒に分散させず、そのまま集電体に担持させても良い。
スラリーを作製する場合は、特に限定されないが、負極活物質、導電助材、バインダー、および溶媒を均一に混合できることから、ボールミル、プラネタリミキサ、ジェットミル、薄膜旋回型ミキサーを用いることが好ましい。スラリーの作製は、特に限定されないが、負極活物質、導電助材、およびバインダーを混合した後に溶媒を加えて作製してもよいし、負極活物質、導電助材、バインダー、および溶媒を一緒に混合して作製してもよい。
また、前述したように、捕捉剤を負極活物質の内部に存在させる場合には、負極活物質と導電助材とバインダーとを混合する際に捕捉剤を加える。
スラリーの固形分濃度は、30wt%以上80wt%以下であることが好ましい。30wt%未満の場合、スラリーの粘度が低すぎる傾向があり、一方、80wt%より高い場合は、スラリーの粘度が高すぎる傾向があるため、後述の電極の形成が困難となる場合がある。
スラリーに用いられる溶媒は、非水溶媒、あるいは水であることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、およびテトラヒドロフランなどを挙げることができる。また、これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
集電体上への負極混合物の担持方法は、特に限定されないが、例えば上記スラリーをドクターブレード、ダイコータ、コンマコータ等により塗布した後に溶媒を除去する方法、スプレーにより集電体に付着させた後に溶媒を除去する方法、スラリーに集電体を含浸させた後に溶媒を除去する方法が好ましい。溶媒を除去する方法は、オーブンや真空オーブンを用いた乾燥が簡単であり好ましい。雰囲気としては室温、あるいは高温とした空気、不活性ガス、真空状態などが挙げられる。負極の形成は、後述の正極を形成する前でも、後でもよい。負極活物質、導電助材およびバインダーの混合物を溶媒に分散させない場合は、負極活物質、導電助材、およびバインダーを均一に混合できることから、ボールミル、プラネタリミキサ、ジェットミル、薄膜旋回型ミキサーを用いて混合物を作製したのちに、集電体に担持することが好ましい。前記混合物を集電体に担持する方法としては、特に限定されず、混合物を集電体につめた後にプレスする方法が好ましい。前記プレスは、加熱させても良い。また、負極作製後、ロールプレス機などを用いて負極を圧縮させてもよい。前記電極の圧縮は、前述の正極を形成する前でも、後でもよい。
<正極>
本発明の非水電解質二次電池に用いられる正極は、少なくとも正極混合物と集電体とで構成される。正極混合物は、少なくとも、正極活物質およびバインダーを含み、必要に応じて導電助材を含む。
正極活物質は、特に限定されないが、作動電位がリチウム基準で2.8V以上5.2V以下のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含有する複合酸化物、複合窒化物、複合フッ化物、複合硫化物、複合セレン化物等からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
正極活物質としては、リチウム遷移金属化合物であることが特に好ましく、リチウムコバルト化合物、リチウムニッケル化合物、リチウムマンガン化合物、リチウム鉄化合物などが例示される。また、遷移金属は1種類に限定されず、2種類以上であってもよく、例えば、リチウムコバルトニッケルマンガン化合物、リチウムニッケルマンガン化合物などが例示される。また、リチウム遷移金属化合物の安定性を向上する効果が高いことから、例えばアルミニウム、マグネシウム、チタン、クロム、鉄などの元素が微量含まれていてもよい。
正極にはバインダーを使用してよく、前述した負極に使用されるバインダーで例示されたものを同様に適用できる。バインダーは正極の作製しやすさから、非水溶媒または水に、溶解または分散されていることが好ましい。非水溶媒は、前述した非水溶媒で例示されたものを同様に適用できる。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
本発明の正極には必要に応じて導電助材を含有させてもよく、導電助材としては、特に限定されないが、炭素材料もしくは金属微粒子が好ましい。炭素材料としては、前述の負極に含有され得る炭素材料と同一のものが例示される。金属微粒子として、例えば、アルミニウムおよびアルミニウム合金が挙げられる。また、無機材料の微粒子にめっきを施したものでもよい。これら炭素材料および金属微粒子は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
本発明において、正極に含まれる導電助材の量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは1重量部以上15重量部以下である。上記範囲であれば、正極の導電性が確保される。また、バインダーとの接着性が維持され、集電体との接着性が十分に得ることができる。一方、30重量部よりも多量の導電助材を使用した場合、導電助材の占める体積が増大し、エネルギー密度が低下する傾向がある。
本発明の非水電解質二次電池の正極に用いられる集電体は前述した負極に使用される集電体で例示されたものを同様に適用できる。集電体の素材は、アルミニウムまたはその合金が、重量の観点から好ましい。
本発明の正極は、正極活物質、導電助材、およびバインダーの正極活物質層を集電体に担持させることによって作製されるが、作製方法の容易さから、正極活物質、導電助材、バインダーおよび溶媒でスラリーを作製し、得られたスラリーを集電体の空孔部およびその外面に充填および塗布した後に、溶媒を除去することによって正極を作製する方法が好ましい。また、正極活物質、導電助材およびバインダーの混合物を溶媒に分散させず、そのまま集電体に担持させても良い。また、前述したように、捕捉剤を正極活物質の内部に存在させる場合には、正極活物質と導電助材とバインダーとを混合する際に捕捉剤を加える。
前述した負極の作製において説明したスラリーの作製法、スラリーの固形分濃度、スラリーに用いる溶媒、集電体上への活物質層の担持方法、電極の圧縮は、正極の作製においても同様に適用できる。
<負極と正極の容量比および面積比>
本発明の非水電解質二次電池における正極の電気容量と負極の電気容量との比は、下記式(1)を満たすことが好ましい。
0.7≦B/A≦1.3 (1)
但し、上記式(1)中、Aは正極1cmあたりの電気容量を示し、Bは負極1cmあたりの電気容量を示す。
B/Aが0.7未満である場合は、過充電時に負極の電位がアルカリ金属または/およびアルカリ土類金属の析出電位になる場合があり、一方、B/Aが1.3より大きい場合は電池反応に関与しない負極活物質多いために副反応が起こる場合がある。
本発明の非水電解質二次電池における正極と負極との面積比は、下記式(2)を満たすことが好ましい。
1≦D/C≦1.2 (2)
(但し、Cは正極の面積、Dは負極の面積を示す。)
D/Cが1未満である場合は、例えば先述のB/A=1の場合、負極の容量が正極よりも小さくなるため、過充電時に負極の電位がアルカリ金属または/およびアルカリ土類金属の析出電位になる恐れがある。一方、D/Cが1.2より大きい場合は、正極と接していない部分の負極が大きいため、電池反応に関与しない負極活物質が副反応を起こす場合がある。正極および負極の面積の制御は特に限定されないが、例えば、スラリー塗工の際、塗工幅を制御することによって行うことができる。
<セパレータ>
本発明の非水電解質二次電池に用いるセパレータとしては、多孔質材料または不織布等が挙げられる。セパレータの材質としては、非水電解質を構成する有機溶媒に対して溶解しないものが好ましく、具体的にはポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル系ポリマー、セルロース、ガラスのような無機材料が挙げられる。
セパレータの厚みは1〜500μmが好ましい。1μm未満であるとセパレータの機械的強度の不足により破断し、内部短絡する傾向がある。一方、500μmより厚い場合、電池の内部抵抗と、正極負極の電極間距離が増大することにより、電池の負荷特性が低下する傾向がある。より好ましい厚みは、10〜50μmである。
本発明の非水電解質二次電池に用いるセパレータと負極との面積比は特に限定されないが、下記式(3)を満たすことが好ましい。
1≦F/E≦1.5 (3)
(但し、Eは負極の面積、Fはセパレータの面積を示す。)
F/Eが1未満である場合は、正極と負極とが接触し、1.5より大きい場合は外装に要する体積が大きくなり、電池の出力密度が低下する場合がある。
また前述したように、捕捉剤を、セパレータの表面および/または内部に存在させることができる。
<非水電解質>
本発明の非水電解質二次電池に用いる非水電解質は、特に限定されないが、非水溶媒に溶質を溶解させた非水電解質、非水溶媒に溶質を溶解させた非水電解質を高分子に含浸させたゲル非水電解質などを用いることができる。
非水溶媒としては、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒を含むことが好ましい。環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、環状スルホン及び環状エーテルなどが例示される。鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル及び鎖状エーテルなどが例示される。また、上記に加えアセトニトリルなどの一般的に非水電解質の溶媒として用いられる溶媒を用いても良い。より具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジオキソラン、プロピオン酸メチルなどを用いることができる。これら溶媒は1種類で用いてもよいし、2種類以上混合しても用いてもよいが、後述の溶質を溶解させやすさ、リチウムイオンの伝導性の高さから、2種類以上混合した溶媒を用いることが好ましい。また、高分子に非水電解質をしみこませたゲル状非水電解質も用いることができる。
溶質は、特に限定されないが、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCFSO、LiBOB(Lithium Bis (Oxalato) Borate)、LiN(SOCFなどのリチウム塩、NaClO、NaBF、NaPFなどのナトリウム塩は溶媒に溶解しやすいことから好ましい。非水電解質に含まれる溶質の濃度は、0.5mol/L以上2.0mol/L以下であることが好ましい。0.5mol/L未満では所望のイオン伝導性が発現しない場合があり、一方、2.0mol/Lより高いと、溶質がそれ以上溶解しない場合があり、また、粘度が増大し負荷特性が低下する。非水電解質には、難燃剤、安定化剤などが微量含まれてもよい。
なお、前述したように、本発明の捕捉剤を非水電解質に添加することが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池に用いる非水電解質の量は、特に限定されないが、電池容量1Ahあたり、0.1mL以上であることが好ましい。0.1mL未満の場合、電極反応に伴うリチウムイオンの伝導が追いつかず、所望の電池性能が発現しない場合がある。非水電解質は、あらかじめ正極、負極およびセパレータに含ませてもよいし、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを倦回、あるいは積層した後に添加してもよい。
なお、前述したように、非水電解質として、正極、負極の接触を防止することができれば非水電解質溶液に限定されるものではない。ゲル状の非水電解質を使用してもよい。ゲル状の非水電解質を使用する場合は、モノマーを含浸させた後ゲル状にしても、予めゲル状にした後に正極と負極の間に配置してもよい。非水電解質が正極および負極に含浸していてもよく、正極。負極間のみにある状態でもよい。
<非水電解質二次電池の構造>
本発明の非水電解質二次電池の正極および負極は、集電体の両面に同じ電極を形成させた形態であってもよく、集電体の片面に正極、一方の面に負極を形成させた形態、すなわち、バイポーラ電極であってもよいが、バイポーラ型とする場合、集電体を介した正極と負極の液絡を防止するため、導電材料および/または絶縁材料が正極と負極間に配置されている。また、バイポーラ電極である場合は、隣り合うバイポーラ電極の正極側と負極側との間にセパレータを配置し、各正極側と負極側とが対向した層内は、他の部位への液絡を防止するため正極および負極の周辺部に絶縁材料が配置されている。
本発明の非水電解質二次電池は、上記積層体を倦回、あるいは複数積層した後にラミネートフィルムで外装してもよいし、角形、楕円形、円筒形、コイン形、ボタン形、シート形の金属缶で外装してもよい。外装には発生したガス等を放出するための機構が備わっていてもよい。また、劣化した当該非水電解質二次電池の機能を回復させるための捕捉剤を電池外部から注入する機構が備わっていてもよい。積層体の積層数は、所望の電池容量を発現するまで積層させることができる。
本発明の非水電解質二次電池は、複数接続することによって組電池とすることができる。本発明の組電池は、所望の大きさ、容量、電圧によって適宜直列、並列に接続することによって作製することができる。また、各電池の充電状態の確認、安全性向上のため、前記組電池に制御回路が付属されていることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
(負極の製造)
負極活物質のLiTi12 を、文献("Zero-Strain Insertion Material of Li [Li1/3Ti5/3] O4 for Rechargeable Lithium Cells" J. Electrochem. Soc., Volume 142, Issue 5, pp. 1431-1435 (1995))に記載されている方法で作製した。
すなわち、まず二酸化チタンと水酸化リチウムを、チタンとリチウムとのモル比を5:4となるように混合し、次にこの混合物を窒素雰囲気下800℃で12時間加熱することによって負極活物質を作製した。
この負極活物質を100重量部、導電助材(アセチレンブラック)を3.2重量部、およびPVdFバインダー(KF7305、クレハ化学社製)(固形分濃度5wt%、NMP溶液)を固形分3.2重量部混合してスラリーを作製した。このスラリーをアルミニウムエキスパンドメタル(LW×SW=8×4)に塗工した後に、150℃で真空乾燥することによって負極を作製した。
(正極の製造)
正極活物質のLi1.1Al0.1Mn1.8を、文献("Lithium Aluminum Manganese Oxide Having Spinel-Framework Structure for Long-Life Lithium-Ion Batteries" Electrochemical and Solid-State Letters Volume9, Issue12, Pages A557 (2006))に記載されている方法で作製した。
すなわち、二酸化マンガン、炭酸リチウム、水酸化アルミニウム、およびホウ酸の水分散液を調製し、スプレードライ法で混合粉末を作製した。このとき、二酸化マンガン、炭酸リチウムおよび水酸化アルミニウムの量は、リチウム、アルミニウムおよびマンガンのモル比が1.1:0.1:1.8となるように調製した。次に、この混合粉末を空気雰囲気下900℃で12時間加熱した後、再度650℃で24時間加熱した。最後に、この粉末を95℃の水で洗浄後、乾燥させることによって正極活物質を作製した。
この正極活物質を100重量部、導電助材(アセチレンブラック)を3.2重量部、およびPVdFバインダー(KF7305、クレハ化学社製)(固形分濃度5wt%、NMP溶液)を固形分3.2重量部混合してスラリーを作製した。このスラリーをアルミニウムエキスパンドメタル(LW×SW=8×4)に塗工した後に、150℃で真空乾燥することによって正極を作製した。
(負極および正極の容量測定)
作製された正極及び負極の各容量を以下のとおり測定した。
作製された負極および正極を、それぞれ16mmΦに打ち抜き作用極とした。対極として、リチウム金属の板状のものを作用極と同じ面積に打ち抜いた。これらを作用極/セパレータ(Celgard#2500、Celgard社製)/対極の順にラミネートセル内に積層し、エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=3/7vol%の非水溶媒中に、LiPFを1mol/L溶解させたものを0.5mL入れ、それぞれ正極の半電池及び負極の半電池を作製した。この半電池を25℃で一日放置した後、充放電試験装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続した。これらの半電池に対して、25℃、1mAで定電流放電を5回繰り返し、5回目の結果を負極または正極の容量とした。
(非水電解質二次電池の製造)
非水電解質二次電池(実施例、比較例)を次のとおりに作製した。
<実施例1>
前記作製した正極、負極及びセパレータを正極/セパレータ/負極の順に積層した。セパレータには、ポリプロピレン不織布(25μm、55cm)を2枚用いた。両端の正極および負極に、引き出し電極としてアルミニウムタブを振動溶着させた後に、袋状のアルミラミネートシートに入れた。非水電解質(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=3/7vol%、LiPF 1mol/L)に捕捉剤としてグルコースを0.5wt%添加したものを4mL入れた後に、減圧しながら封止することによって非水電解質二次電池(LiTi12/Li1.1Al0.1Mn1.8電池)を作製した。
<実施例2〜4>
捕捉剤としてグルコースの代わりにエチレングリコール、アスコルビン酸、ユビキノン1wt%を用いたものをそれぞれ実施例2〜4として、実施例1と同様に非水二次電池(LiTi12/Li1.1Al0.1Mn1.8電池)を作製した。
<実施例5,6>
実施例1においてグルコースの濃度を1wt%、3wt%としたものをそれぞれ実施例5、6として、実施例1と同様に非水二次電池(LiTi12/Li1.1Al0.1Mn1.8電池)を作製した。
<比較例1〜3>
実施例1において捕捉剤無添加、またはグルコースの濃度を0.005wt%、5wt%としたものをそれぞれ比較例1〜3として、実施例1と同様に非水二次電池(LiTi12/Li1.1Al0.1Mn1.8電池)を作製した。
<実施例7>
捕捉剤としてセルロース不織布をセパレータ間に存在させた以外は実施例1と同様に非水二次電池(LiTi12/Li1.1Al0.1Mn1.8電池)を作製した。
<実施例8>
正極材料をLiNi0.5Mn1.5(LiNiMO)とした以外は実施例1と同様に非水二次電池(LiTi12/LiNi0.5Mn1.5電池)を作製した。LiNi0.5Mn1.5は文献("Topotactic Two-Phase Reactions of Li [Ni1/2Mn3/2] O4 (P4332) in Nonaqueous Lithium Cells" J. Electrochem. Soc., Volume 151, Issue 2, pp. A296-A303 (2004))に記載されている方法で作製した。
<比較例4>
実施例8において捕捉剤を添加しなかった以外は実施例8と同様に非水二次電池(LiTi12/LiNi0.5Mn1.5電池)を作製した。
<実施例9>
実施例1において負極活物質としてチタン酸化物TiO(B)を使用した以外は、実施例1と同様に非水二次電池(TiO(B)/Li1.1Al0.1Mn1.8電池)を作製した。負極材料のTiO(B)は、文献(Material Research Bulletin Vol. 15, pp.1129-1133(1980))に記載されている方法で作製した。
<比較例5>
実施例9において捕捉剤を添加しなかった以外は実施例9と同様に非水二次電池(TiO(B)/Li1.1Al0.1Mn1.8電池)を作製した。
<実施例10>
正極活物質としてNaNi0.5Mn0.5、ナトリウムイオン含有非水電解質(PC、NaPF、1.0mol/L)を使用した以外は、実施例1と同様に非水電解質電池(LiTi12/NaNi0.5Mn0.5電池)を作製した。正極材料のNaNi0.5Mn0.5は、文献(S. Komaba et al., Ecs Transactions, 16, pp. 43-55(2009))に記載されている方法で作製した。

<比較例6>
捕捉剤を添加しなかった以外は実施例10と同様に非水電解質電池(LiTi12/NaNi0.5Mn0.5電池)を作製した。
(サイクル特性の測定)
実施例1〜10および比較例1〜6について、充放電試験装置(HJ1005SD8;北斗電工社製)を用いて充放電を繰り返した後に電池容量維持率を測定した。測定条件は、温度45℃、電流値は1時間率で行った。
実施例1〜7,9および比較例1〜3,5の電圧範囲は1〜3V、実施例8,10および比較例4,6の電圧範囲は1V〜3.2Vとした。
実施例1〜9および比較例1〜5のサイクル回数は500回、実施例10および比較例6のサイクル回数は100回とした。測定した電池容量維持率を表1に示す。
Figure 2014022321
表1から明らかなとおり、捕捉剤を添加しない、あるいは捕捉剤の濃度が極めて薄い比較例1,2の非水電解質二次電池の電池容量維持率は85%であるのに対して、捕捉剤をそれぞれ添加した本発明の実施例1〜7の非水電解質二次電池は87〜92%であり、本発明の実施例1〜7の非水電解質二次電池は、比較例1,2の非水電解質二次電池よりもサイクル安定性が向上していることがわかる。なお、比較例3のように、捕捉剤(グルコース)を過剰に添加すれば電池容量維持率は大きくなったが、分散は不良であった。
また、捕捉剤を添加しない 比較例4の非水電解質二次電池の電池容量維持率が80%であるのに対して、捕捉剤(グルコース)を添加した本発明の実施例8の非水電解質二次電池は83%であり、比較例4の非水電解質二次電池よりもサイクル安定性が向上していることがわかる。
また、捕捉剤を添加しない比較例5の非水電解質二次電池の電池容量維持率が70%であるのに対して、捕捉剤(グルコース)を添加した本発明の実施例9の非水電解質二次電池は77%であり、比較例5の非水電解質二次電池よりもサイクル安定性が向上していることがわかる。
また、捕捉剤を添加しない比較例6の非水電解質二次電池の電池容量維持率が61%であるのに対して、捕捉剤(グルコース)を添加した本発明の実施例10の非水電解質二次電池は65%であり、比較例6の非水電解質二次電池よりもサイクル安定性が向上していることがわかる。
以上の結果から、還元性のある物質を捕捉剤として電池内に存在させることによりサイクル安定性が向上していることが分かる。

Claims (9)

  1. 負極、正極、及び負極と正極との間に介在された非水電解質を備える非水電解質二次電池であって、前記負極は、リチウム金属の酸化還元電位基準で0.3V以上2.0V以下で作動する材料を主成分とする負極活物質を含み、電池内部に有機化合物からなる捕捉剤を介在させた、非水電解質二次電池。
  2. 前記捕捉剤がグルコース、セルロース、エチレングリコール、ギ酸、シュウ酸、アスコルビン酸、ユビキノンから選ばれる一種以上を含有する、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記負極を構成する負極活物質に、リチウムチタン酸化物またはチタン酸化物を用いた、請求項1または請求項2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記正極を構成する正極活物質に、リチウムマンガン酸化物またはリチウムマンガン酸化物の一部を異種金属もしくは異種物質で置換した材料を用いた、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記有機物が、前記非水電解質中に添加されている、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記負極と前記正極との間にセパレータとなる多孔質膜が介在され、
    前記有機物が、前記セパレータの多孔質膜上または内部に存在する、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記有機物が、前記正極、前記負極の何れかまたは双方の内部または表面に存在する、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の非水電解質二次電池。
  8. 前記非水電解質がゲル状である、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の非水電解質二次電池。
  9. 請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の非水電解質二次電池を複数個接続してからなる組電池。
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