JP2013253155A - 接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】プライマー組成物を塗布することなく安定して優れた接着性を有する接着剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、分子内に複数のイソシアネート基を有するプレポリマーを含有する主剤と、ポリオール化合物とジアミノジフェニルスルホンとトリポリリン酸二水素アルミニウムとを含有する硬化剤、を有し、前記ジアミノジフェニルスルホンの含有量は、前記ポリオール化合物100質量部に対して1質量部以上10質量部以下である共に、前記トリポリリン酸二水素アルミニウムの含有量は、硬化剤の総量に対して10質量%以上40質量%以下であり、前記ジアミノジフェニルスルホン及びトリポリリン酸二水素アルミニウムを、ジアミノジフェニルスルホンとトリポリリン酸二水素アルミニウムとの比が1対10〜1対20の範囲内で含有することを特徴とする接着剤組成物である。
である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、分子内に複数のイソシアネート基を有するプレポリマーを含有する主剤と、ポリオール化合物とジアミノジフェニルスルホンとトリポリリン酸二水素アルミニウムとを含有する硬化剤、を有し、前記ジアミノジフェニルスルホンの含有量は、前記ポリオール化合物100質量部に対して1質量部以上10質量部以下である共に、前記トリポリリン酸二水素アルミニウムの含有量は、硬化剤の総量に対して10質量%以上40質量%以下であり、前記ジアミノジフェニルスルホン及びトリポリリン酸二水素アルミニウムを、ジアミノジフェニルスルホンとトリポリリン酸二水素アルミニウムとの比が1対10〜1対20の範囲内で含有することを特徴とする接着剤組成物である。
である。
【選択図】なし
Description
本発明は、接着剤組成物に関する。
自動車のボディ、フロントドア、リヤドア、バックドア、フロントバンパー、リアバンパー、ロッカーモールなど自動車の内外装部品には、一般に鋼板が使用されているが、自動車の軽量化を図る観点から、自動車の内外装部品に、プラスチックや、オレフィン系樹脂などのポリプロピレン樹脂などの材料が一部使用されることが増えている。
自動車の組立作業において、自動車の内外装部品として、プラスチックやポリプロピレン樹脂などが使用される場合、内外装部品を接着剤単独で接着させても十分な接着性が得られない場合が多い。
そのため、自動車の内外装部品同士の接着強度を向上させる目的で、自動車の内外装部品の接着面に対して、予めコロナ処理、プラズマ処理、イトロ処理、フレーム処理などの表面処理を施した後、通常、プライマー組成物を塗布し、その上に接着剤等を塗布して十分な接着性を確保することが行われている。
自動車の内外装部品の接着面に接着剤を塗布する前に用いられるプライマー組成物として、例えば、特許文献1、2のようなプライマー組成物が提案されている。
特許文献1では、接着面と接着性ポリエチレンとの間にトリポリリン酸二水素アルミニウム及び酸化亜鉛を含む熱硬化性エポキシプライマー層を設けることが記載されている。また、特許文献2では、イソシアネート成分と、トリポリリン酸二水素アルミニウムを含むリン酸塩を含有し、ポリオレフィンやハイソリッドペイント等の難接着性材料でも十分な接着力を有するプライマー組成物が記載されている。
しかしながら、プラスチックやポリプロピレン樹脂などの材料を用いて形成された自動車の内外装部品同士の接着にプライマー組成物を用いた場合でも十分な接着性を確保できない場合がある。
特に、オレフィン樹脂との接着においては、接着性を向上させるため、接着面に一般的にコロナ処理、プラズマ処理、イトロ処理、フレーム処理などの表面処理を施したのち、プライマーを塗布後、接着剤が塗布させる。すなわち接着剤を塗布する前に2回の処理を施す必要があった。そのため、施工の手間を少しでも省ける接着方法が求められている。
本発明は、前記問題に鑑み、プライマー組成物を塗布することなく安定して優れた接着性を有する接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、次に示す(1)である。
(1) 分子内に複数のイソシアネート基を有するプレポリマーを含有する主剤と、
ポリオール化合物とジアミノジフェニルスルホンとトリポリリン酸二水素アルミニウムとを含有する硬化剤、
を有し、
前記ジアミノジフェニルスルホンの含有量は、前記ポリオール化合物100質量部に対して1質量部以上10質量部以下である共に、
前記トリポリリン酸二水素アルミニウムの含有量は、硬化剤の総量に対して10質量%以上40質量%以下であり、
前記ジアミノジフェニルスルホン及びトリポリリン酸二水素アルミニウムを、ジアミノジフェニルスルホンとトリポリリン酸二水素アルミニウムとの比が1対10〜1対20の範囲内で含有することを特徴とする接着剤組成物。
(1) 分子内に複数のイソシアネート基を有するプレポリマーを含有する主剤と、
ポリオール化合物とジアミノジフェニルスルホンとトリポリリン酸二水素アルミニウムとを含有する硬化剤、
を有し、
前記ジアミノジフェニルスルホンの含有量は、前記ポリオール化合物100質量部に対して1質量部以上10質量部以下である共に、
前記トリポリリン酸二水素アルミニウムの含有量は、硬化剤の総量に対して10質量%以上40質量%以下であり、
前記ジアミノジフェニルスルホン及びトリポリリン酸二水素アルミニウムを、ジアミノジフェニルスルホンとトリポリリン酸二水素アルミニウムとの比が1対10〜1対20の範囲内で含有することを特徴とする接着剤組成物。
本発明によれば、プライマー組成物を塗布することなく安定して優れた接着性を有することができる。
以下、この発明について詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
本実施形態に係る接着剤組成物(以下、「本実施形態の組成物」という。)は、ポリイソシアネート化合物を含有する主剤と、ポリオール化合物とジアミノジフェニルスルホン(DDS)を架橋剤とし、トリポリリン酸二水素アルミニウムを接着補助剤としてこれらを含む硬化剤とするウレタン系2成分接着剤組成物である。
<主剤>
本実施形態の組成物に含まれる主剤は、分子内に複数のイソシアネート基を有するプレポリマーを含む。
本実施形態の組成物に含まれる主剤は、分子内に複数のイソシアネート基を有するプレポリマーを含む。
(プレポリマー)
本実施形態の組成物の主剤に含有されるプレポリマー(以下、「ウレタンプレポリマー」という)は、分子内に複数のイソシアネート基を分子末端に含有するプレポリマーである。ウレタンプレポリマーは、取り扱いの観点から室温で液状であるものが好ましい。ウレタンプレポリマーの作製方法は、特に制限されるものではなく、従来より公知の方法が挙げられる。ウレタンプレポリマーは、例えば、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを、イソシアネート基(NCO基)がヒドロキシ基(OH基)に対して過剰となるように反応させることにより得られる反応生成物である。ウレタンプレポリマーは、一般に、0.5質量%以上10質量%以下のNCO基を分子末端に含有するものである。このイソシアネート基は、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素のいずれに結合していてもよい。
本実施形態の組成物の主剤に含有されるプレポリマー(以下、「ウレタンプレポリマー」という)は、分子内に複数のイソシアネート基を分子末端に含有するプレポリマーである。ウレタンプレポリマーは、取り扱いの観点から室温で液状であるものが好ましい。ウレタンプレポリマーの作製方法は、特に制限されるものではなく、従来より公知の方法が挙げられる。ウレタンプレポリマーは、例えば、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを、イソシアネート基(NCO基)がヒドロキシ基(OH基)に対して過剰となるように反応させることにより得られる反応生成物である。ウレタンプレポリマーは、一般に、0.5質量%以上10質量%以下のNCO基を分子末端に含有するものである。このイソシアネート基は、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素のいずれに結合していてもよい。
ウレタンプレポリマーを作製する際に使用されるポリイソシアネート化合物は、分子内にイソシアネート基を2個以上有するものであれば特に限定されない。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)のような脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)のような脂環式ポリイソシアネート;ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物;これらのイソシアネート化合物のカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;これらのイソシアネート化合物と後述するポリオール化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマー;などが挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ウレタンプレポリマーを作製する際に使用されるポリオール化合物は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、その他のポリオールのいずれであってもよい。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールの1種または2種以上に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキシドの1種または2種以上を付加して得られるポリエーテルポリオール;テトラヒドロフラン等の開環重合によって得られるポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン等の低分子ポリオールの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン等のラクトンの開環重合体等が挙げられる。
上記アクリルポリオールとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、β−ヒドロキシエチルメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種から得られるアクリルポリオール等が挙げられる。
上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA等のジオール類の1種または2種以上と、ジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネートおよびホスゲンのうちの少なくとも1種とを反応させることにより得られるもの等が挙げられる。
その他のポリオールとしては、例えば、ポリマーポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールが挙げられる。
上述したポリオールは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記ポリオールとして、数平均分子量300以上15000以下が好ましく、400以上6000以下のポリエーテルポリオールがより好ましい。ポリエーテルポリオールの数平均分子量が上述の範囲であるとコストと物性(接着強度および柔軟性)との両面のバランスで優れる。
上記ウレタンプレポリマーを作製する際のポリオールとポリイソシアネートの量比は、例えば、ポリオール中のヒドロキシ基に対するポリイソシアネート中のイソシアネート基の当量比(NCO基/OH基)が、1.2〜2.2であるのが好ましく、1.5〜1.8であるのがより好ましい。
本実施形態の組成物の主剤としては、イソシアネート化合物を含有する1成分湿気硬化型ウレタン接着剤等を使用することができる。具体的には、例えば、横浜ゴム株式会社製、WS−222等を使用することができる。上記WS−222は、上記ウレタンプレポリマーに補強剤としてカーボンブラック、充填剤として炭酸カルシウムおよび触媒などを加え、自動車の内外装部品同士の接着をさせる目的で自動車の内外装部品の接着面に対して使用される、1成分系湿気硬化型のウレタン接着剤である。しかし、WS−222を使用するには接着面に予め専用プライマーを塗布する必要がある。
<硬化剤>
本実施形態の組成物に含まれる硬化剤は、ポリオール化合物とジアミノジフェニルスルホン(DDS)とトリポリリン酸二水素アルミニウムとを含有するものである。
本実施形態の組成物に含まれる硬化剤は、ポリオール化合物とジアミノジフェニルスルホン(DDS)とトリポリリン酸二水素アルミニウムとを含有するものである。
(ポリオール化合物)
本実施形態の組成物の硬化剤に含有されるポリオール化合物は、特に限定されるものではなく、上述と同様のものが用いられる。
本実施形態の組成物の硬化剤に含有されるポリオール化合物は、特に限定されるものではなく、上述と同様のものが用いられる。
(ジアミノジフェニルスルホン(DDS))
本実施形態の組成物の硬化剤に含有されるジアミノジフェニルスルホン(DDS)は、芳香環に少なくとも2つのアミノ基を有する芳香族ポリアミン系硬化剤である。これらの構造をもつジアミノジフェニルスルホンには、2,2’−ジアミノジフェニルスルホン(2,2’−DDS)、2,3’−ジアミノジフェニルスルホン(2,3’−DDS)、2,4’−ジアミノジフェニルスルホン(2,4’−DDS)、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(3,3’−DDS)、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン(3,4’−DDS)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(4,4’−DDS)などがあるが一般的に工業用途として入手し易いものは下記式(1)の4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(4,4’−DDS)と下記式(2)の3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(3,3’−DDS)である。
本実施形態の組成物の硬化剤に含有されるジアミノジフェニルスルホン(DDS)は、芳香環に少なくとも2つのアミノ基を有する芳香族ポリアミン系硬化剤である。これらの構造をもつジアミノジフェニルスルホンには、2,2’−ジアミノジフェニルスルホン(2,2’−DDS)、2,3’−ジアミノジフェニルスルホン(2,3’−DDS)、2,4’−ジアミノジフェニルスルホン(2,4’−DDS)、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(3,3’−DDS)、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン(3,4’−DDS)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(4,4’−DDS)などがあるが一般的に工業用途として入手し易いものは下記式(1)の4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(4,4’−DDS)と下記式(2)の3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(3,3’−DDS)である。
ジアミノジフェニルスルホンの含有量は、ポリオール化合物100質量部に対して、1質量部10質量部であるのが好ましく、2質量部以上5質量部以下であるのがより好ましい。ジアミノジフェニルスルホンの含有量が上記範囲内の場合には、ポリオール化合物との反応性、接着剤組成物中での分散性、耐水性に優れる。
(トリポリリン酸二水素アルミニウム)
本実施形態の組成物の硬化剤に含有されるトリポリリン酸二水素アルミニウムは、リン酸塩として用いられる。リン酸塩としては、例えば、リン酸アルミニウム、メタリン酸アルミニウム、トリポリリン酸二水素アルミニウム、オルトリン酸水素チタニウム、ピロリン酸チタニウム、オルトリン酸水素ジルコニウム、オルトリン酸水素セリウム、リン酸亜鉛、これらを酸化亜鉛または酸化マグネシウムと湿式混合して変性したものなどが挙げられる。リン酸塩の中でも、接着性に優れ、接着剤組成物中での分散性に優れ、入手しやすいという観点から、本実施形態においては、トリポリリン酸二水素アルミニウムが用いられる。
本実施形態の組成物の硬化剤に含有されるトリポリリン酸二水素アルミニウムは、リン酸塩として用いられる。リン酸塩としては、例えば、リン酸アルミニウム、メタリン酸アルミニウム、トリポリリン酸二水素アルミニウム、オルトリン酸水素チタニウム、ピロリン酸チタニウム、オルトリン酸水素ジルコニウム、オルトリン酸水素セリウム、リン酸亜鉛、これらを酸化亜鉛または酸化マグネシウムと湿式混合して変性したものなどが挙げられる。リン酸塩の中でも、接着性に優れ、接着剤組成物中での分散性に優れ、入手しやすいという観点から、本実施形態においては、トリポリリン酸二水素アルミニウムが用いられる。
トリポリリン酸二水素アルミニウムは、AlH2P3O10で表される化合物であり、下記一般式(3)で表される化合物である。トリポリリン酸二水素アルミニウムは特に制限されず、例えば、AlH2P3O10、AlH2P3O10・2H2Oが挙げられる。トリポリリン酸二水素アルミニウムは、微粉砕されたものを使用するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。微粉砕されたトリポリリン酸二水素アルミニウムは市販されており、このような市販品としては、例えば、テイカ社製K−WHITE#105が挙げられる。
トリポリリン酸二水素アルミニウムの含有量は、硬化剤の総量に対して、10%質量部〜40%質量部であるのが好ましく、15%〜35%質量部であるのがより好ましい。トリポリリン酸二水素アルミニウムの含有量が上記範囲内の場合には、塗装板もしくはオレフィン樹脂との接着性、耐水性に優れる。
硬化剤は、ジアミノジフェニルスルホン及びトリポリリン酸二水素アルミニウムを、ジアミノジフェニルスルホンとトリポリリン酸二水素アルミニウムとのモル比で1対10〜1対20の範囲内で含有することが好ましい。アミノジフェニルスルホン及びトリポリリン酸二水素アルミニウムが上記の範囲内の場合には、本実施形態の組成物は、接着性及び耐水性に優れる。
本実施形態の組成物は、硬化剤にジアミノジフェニルスルホンとトリポリリン酸二水素アルミニウムとを含むことにより、被着体に対してプライマー組成物を用いることなく安定して優れた接着性を有する。特に、本実施形態の組成物は、オレフィン系樹脂などのポリプロピレン樹脂などの材料からなる被着体に対して優れた接着性を有する。すなわち、接着剤組成物の被着体に対する接着性を高めるためには、主剤及び硬化剤の分子同士、即ち主剤及び硬化剤の分子の極性基同士が近づくことが必要である。主剤と硬化剤とを近づけてウレタン結合を進行させるためには、硬化剤に極性を有する分子を入れることが好ましい。これにより、主剤と硬化剤とを近づけてウレタン結合の反応を促進することができる。オレフィン系樹脂などのポリプロピレン樹脂などの材料からなる被着体を乾式処理すると、その表面にはカルボニル基、水酸基、カルボキシル基のいずれかができて極性を有する。ジアミノジフェニルスルホン及びトリポリリン酸二水素アルミニウムは共に極性を有するため、乾式処理した被着体には主剤及び硬化剤の分子が近づき易くなる。この結果、オレフィン系樹脂などポリプロピレン樹脂からなる被着体を乾式処理した後、その表面には主剤及び硬化剤の分子が近づきやすくなるため、本実施形態の組成物は被着体に対して予めプライマー組成物を塗布しなくても安定して優れた接着性を有することができることになる。
また、本実施形態の組成物は、長期間温水にさらされたのちも高い接着性を有し、耐水接着性も優れる。特に、本実施形態の組成物は、オレフィン系樹脂などのポリプロピレン樹脂などの材料からなる被着体に対して優れた耐水接着性を有する。これは、本実施形態の組成物に含有されるトリポリリン酸二水素アルミニウムの作用によって、水が接着剤と被着体との界面に浸入しにくくなりうること、水が接着剤中に入り込んでも被着体と接着剤組成物との間の結合が切れにくくなりうることによるものと考えられる。
(充填剤)
本実施形態の組成物は、充填剤を含有するようにしてもよい。硬化剤に含有される充填剤は、特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、カーボンブラック、ホワイトカーボン、シリカ、ガラス、カオリン、タルク(ケイ酸マグネシウム)、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、クレー、焼成クレー、ガラス、ベントナイト、ガラス繊維、石綿、ガラスフィラメント、粉砕石英、ケイソウ土、ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、あるいはこれらの表面処理品等の無機質充填剤;カーボネート類、有機ベントナイト、ハイスチレン樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノール樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、変性メラミン樹脂、環化ゴム、リグニン、エボナイト粉末、セラック、コルク粉末、骨粉、木粉、セルローズパウダー、ココナッツ椰子がら、木材パルプ等の有機質充填剤;ランプブラック、チタンホワイト、ベンガラ、チタンイエロー、亜鉛華、鉛丹、コバルトブルー、鉄黒、アルミ粉等の無機顔料およびネオザボンブラックRE、ネオブラックRE、オラゾールブラックCN、オラゾールブラックBa(いずれもチバ・ガイギー社製)、スピロンブルー2BH(保土ヶ谷化学社製)等の有機顔料等が挙げられる。中でも、所望の特性を付与するために、カーボンブラックと炭酸カルシウムを用いることが好ましい。これらのカーボンブラックおよび炭酸カルシウムとしては、特に限定されず、通常市販されているものを用いることができる。例えば、カーボンブラックは、米国材料試験協会規格における、N110、N220、N330、N550、N770等あるいはこれらの混合物が挙げられ、炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの充填剤は、1種単独でも2種以上を併用しても使用することができる。
本実施形態の組成物は、充填剤を含有するようにしてもよい。硬化剤に含有される充填剤は、特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、カーボンブラック、ホワイトカーボン、シリカ、ガラス、カオリン、タルク(ケイ酸マグネシウム)、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、クレー、焼成クレー、ガラス、ベントナイト、ガラス繊維、石綿、ガラスフィラメント、粉砕石英、ケイソウ土、ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、あるいはこれらの表面処理品等の無機質充填剤;カーボネート類、有機ベントナイト、ハイスチレン樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノール樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、変性メラミン樹脂、環化ゴム、リグニン、エボナイト粉末、セラック、コルク粉末、骨粉、木粉、セルローズパウダー、ココナッツ椰子がら、木材パルプ等の有機質充填剤;ランプブラック、チタンホワイト、ベンガラ、チタンイエロー、亜鉛華、鉛丹、コバルトブルー、鉄黒、アルミ粉等の無機顔料およびネオザボンブラックRE、ネオブラックRE、オラゾールブラックCN、オラゾールブラックBa(いずれもチバ・ガイギー社製)、スピロンブルー2BH(保土ヶ谷化学社製)等の有機顔料等が挙げられる。中でも、所望の特性を付与するために、カーボンブラックと炭酸カルシウムを用いることが好ましい。これらのカーボンブラックおよび炭酸カルシウムとしては、特に限定されず、通常市販されているものを用いることができる。例えば、カーボンブラックは、米国材料試験協会規格における、N110、N220、N330、N550、N770等あるいはこれらの混合物が挙げられ、炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの充填剤は、1種単独でも2種以上を併用しても使用することができる。
本実施形態に係る組成物は、上記各必須成分を混合することにより得ることができる。本実施形態の組成物は、上記各必須成分の他に、混合時において適した可使時間を確保できるものであれば、必要に応じて、添加剤を含むことができる。添加剤としては、例えば、硬化剤、可塑剤、充填剤、反応性希釈剤、硬化促進剤(触媒)、チクソトロピー性付与剤、シランカップリング剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、乾性油、接着性付与剤、分散剤、脱水剤、紫外線吸収剤、溶剤等が挙げられる。これらの中の2種類以上を含有してもよい。添加剤等は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本実施形態の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本実施形態の組成物の作製方法は、特に限定されるものではない。例えば、上記の主剤と硬化剤と任意成分とをロータリー式ミキサー、スタティックミキサー等を用いて十分に混合する方法を用いることができる。
このように、本実施形態の組成物は、主剤と硬化剤とを含み、硬化剤はジアミノジフェニルスルホンとトリポリリン酸二水素アルミニウムとを含有する接着剤組成物である。硬化剤がジアミノジフェニルスルホンとトリポリリン酸二水素アルミニウムとを含有することで、被着体の表面にプライマー組成物を塗布していなくても安定して優れた接着性及び耐水接着性を有することができる。また、本実施形態の組成物は、被着体にコロナ処理、プラズマ処理、イトロ処理、フレーム処理などの表面処理を施した場合であっても、同様に、被着体の表面にプライマー組成物を塗布していなくても安定して優れた接着性及び耐水接着性を有することができる。
本実施形態の組成物の使用方法は、特に限定されるものではない。例えば、上記の主剤と硬化剤とをロータリー式ミキサー、スタティックミキサー等を用いて十分に混合した後、被着体に塗布後、非被着体と貼り合わせ、両被着体を圧着し、接着構造物を形成する。
本実施形態の組成物は、主に自動車のボディ、フロントドア、リヤドア、バックドア、フロントバンパー、リアバンパー、ロッカーモールなど自動車の内外装部品などの接着対象物に塗布される接着剤組成物として用いることができる。本実施形態の組成物は、特に、コロナ処理、プラズマ処理、イトロ処理、フレーム処理などの表面処理を施したプラスチックやオレフィン樹脂などのようなポリプロピレン樹脂などの材料を用いて形成された接着対象物に対して好適に用いることができる。接着対象物へ接着剤組成物を塗布する方法は、特に限定されない。例えば、接着対象物に接着剤組成物を、刷毛等によって塗布する方法、又は、ガンによって塗布する方法を適宜選択することができる。
本実施形態の組成物は、ガラス、プラスチック、金属等の各種基材に対して良好な接着性を発現し、硬化後は温水に長期間さらされたのちも高い接着性を有し、耐水接着性に優れる。本実施形態の組成物は、このような特性を有することから、自動車や車両(新幹線、電車)、船舶、航空機、建築・土木、エレクトロニクス、宇宙産業分野その他の工業製品の接着剤として用いることができ、特に自動車や車両(新幹線、電車)などの内外装部品の接着剤として好適に用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<硬化剤の作製>
表1に示す各成分を、同表に示す配合量(質量%)で、配合しこれらを均一に混合して、表1に示される各硬化剤を作製した。各々の各硬化剤における各成分の配合量(質量%)を表1に示す。
表1に示す各成分を、同表に示す配合量(質量%)で、配合しこれらを均一に混合して、表1に示される各硬化剤を作製した。各々の各硬化剤における各成分の配合量(質量%)を表1に示す。
<接着剤組成物の作製>
主剤と硬化剤とを配合比(主剤:硬化剤)100:10で均一に混合して、表1に示される各組成物を作製した。実施例1〜6、比較例1〜5における各成分の配合量(質量%)を表1に示す。
主剤と硬化剤とを配合比(主剤:硬化剤)100:10で均一に混合して、表1に示される各組成物を作製した。実施例1〜6、比較例1〜5における各成分の配合量(質量%)を表1に示す。
<評価>
上記で得られた各実施例および比較例の各組成物について、以下に示す方法で、硬化後の初期接着性、耐水接着性、破壊形態の評価を行った。
上記で得られた各実施例および比較例の各組成物について、以下に示す方法で、硬化後の初期接着性、耐水接着性、破壊形態の評価を行った。
[試験体の作製]
図1は、本実施例及び比較例で用いた一対の試験体を示す図である。図1に示すように、被着材として電着塗装板11と予めコロナ処理したオレフィン樹脂12とを準備し、電着塗装板11と予めコロナ処理したオレフィン樹脂12との間に、接着剤組成物の厚さを5mm程度になるように調整するため、スペーサ(25×100×5mm)13を設けた。次いで、電着塗装板11と予めコロナ処理したオレフィン樹脂12との間の対向面側の接合部(25×10mm)14に、表1に示す実施例1〜5及び比較例1〜6の各接着剤組成物15をそれぞれ塗布し、電着塗装板11及び予めコロナ処理したオレフィン樹脂12を圧着し、接着構造物を形成し、20℃、60%RHで7日間養生して硬化させ、試験体16を作製した。
図1は、本実施例及び比較例で用いた一対の試験体を示す図である。図1に示すように、被着材として電着塗装板11と予めコロナ処理したオレフィン樹脂12とを準備し、電着塗装板11と予めコロナ処理したオレフィン樹脂12との間に、接着剤組成物の厚さを5mm程度になるように調整するため、スペーサ(25×100×5mm)13を設けた。次いで、電着塗装板11と予めコロナ処理したオレフィン樹脂12との間の対向面側の接合部(25×10mm)14に、表1に示す実施例1〜5及び比較例1〜6の各接着剤組成物15をそれぞれ塗布し、電着塗装板11及び予めコロナ処理したオレフィン樹脂12を圧着し、接着構造物を形成し、20℃、60%RHで7日間養生して硬化させ、試験体16を作製した。
[初期接着性]
初期接着性の評価は、試験体16を用いて剪断強度を測定した。また、剪断試験における破壊形態を目視で観察した。評価結果を下記表1に示す。
初期接着性の評価は、試験体16を用いて剪断強度を測定した。また、剪断試験における破壊形態を目視で観察した。評価結果を下記表1に示す。
[耐水接着性]
耐水接着性の評価は、初期接着性で作製した20℃、60%RHで7日間養生した試験体16を、40℃の温水中に14日間浸漬した後、取り出した試験体16を20℃で2時間以上放置した後に剪断強度を測定した。評価結果を下記表1に示す。
耐水接着性の評価は、初期接着性で作製した20℃、60%RHで7日間養生した試験体16を、40℃の温水中に14日間浸漬した後、取り出した試験体16を20℃で2時間以上放置した後に剪断強度を測定した。評価結果を下記表1に示す。
(剪断強度)
剪断強度は、JIS K6850−1999に準じて、引張速度50mm/分で各接着剤組成物15の剪断強度を測定した。表1に測定結果を示す。
剪断強度は、JIS K6850−1999に準じて、引張速度50mm/分で各接着剤組成物15の剪断強度を測定した。表1に測定結果を示す。
(破壊形態)
破壊形態の評価は、剪断強度の試験において電着塗装板11及び予めコロナ処理したオレフィン樹脂12を剪断した後の各接着剤組成物15の破壊形態を目視で観察した。破壊形態の評価は、接着面積に対する接着剤組成物の凝集破壊(CF)面積の割合(%)CFの割合が高いほど接着性に優れると評価した。例えば、接着面の面積に対して接着剤組成物の凝集破壊の面積の割合が100%であった場合を「CF100」と表記した。また接着剤組成物とプライマーとの間で界面剥離したものを「AF」と表記した。AFの割合が高いほど接着性に劣ると評価した。例えば、接着剤組成物−プライマー間の接着面積に対する界面剥離(AF)面積の割合(%)が100%であった場合を「AF100」と表記した。破壊形態の評価結果を下記表1に示す。
破壊形態の評価は、剪断強度の試験において電着塗装板11及び予めコロナ処理したオレフィン樹脂12を剪断した後の各接着剤組成物15の破壊形態を目視で観察した。破壊形態の評価は、接着面積に対する接着剤組成物の凝集破壊(CF)面積の割合(%)CFの割合が高いほど接着性に優れると評価した。例えば、接着面の面積に対して接着剤組成物の凝集破壊の面積の割合が100%であった場合を「CF100」と表記した。また接着剤組成物とプライマーとの間で界面剥離したものを「AF」と表記した。AFの割合が高いほど接着性に劣ると評価した。例えば、接着剤組成物−プライマー間の接着面積に対する界面剥離(AF)面積の割合(%)が100%であった場合を「AF100」と表記した。破壊形態の評価結果を下記表1に示す。
上記表に示される各成分は、以下のとおりである。
・主剤(イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー、ポリマー配合量40%):商品名「WS−222」、横浜ゴム株式会社製
・ポリオール化合物(3官能PPG):商品名「EXENOL5030」、数平均分子量5000、旭硝子株式会社製
・ジアミン硬化剤1:4,4’−DDS、商品名「4,4’DAS」、三井ファイン株式会社製
・ジアミン硬化剤2:3,3’−DDS、商品名「3,3’DAS」、三井ファイン株式会社製
・ジアミン硬化剤3:ジエチルトルエンジアミン、商品名「ETHACUR100」、アルベマール浅野社製
・ジアミン硬化剤4:ジメチルチオトルエンジアミン、商品名「ETHACUR300」、アルベマール浅野社製
・トリポリリン酸二水素アルミニウム1:商品名「K−ホワイト105」、テイカ株式会社製
・トリポリリン酸二水素アルミニウム2:商品名「K−ホワイト84s」、テイカ株式会社製
・重質炭酸カルシウム:商品名「スーパー#1500」、丸尾カルシウム株式会社製
・沈降性炭酸カルシウム:商品名「カルファイン200」、丸尾カルシウム株式会社製
・シリカ:商品名「レオシールQS102S」、(株)トクヤマ製
・主剤(イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー、ポリマー配合量40%):商品名「WS−222」、横浜ゴム株式会社製
・ポリオール化合物(3官能PPG):商品名「EXENOL5030」、数平均分子量5000、旭硝子株式会社製
・ジアミン硬化剤1:4,4’−DDS、商品名「4,4’DAS」、三井ファイン株式会社製
・ジアミン硬化剤2:3,3’−DDS、商品名「3,3’DAS」、三井ファイン株式会社製
・ジアミン硬化剤3:ジエチルトルエンジアミン、商品名「ETHACUR100」、アルベマール浅野社製
・ジアミン硬化剤4:ジメチルチオトルエンジアミン、商品名「ETHACUR300」、アルベマール浅野社製
・トリポリリン酸二水素アルミニウム1:商品名「K−ホワイト105」、テイカ株式会社製
・トリポリリン酸二水素アルミニウム2:商品名「K−ホワイト84s」、テイカ株式会社製
・重質炭酸カルシウム:商品名「スーパー#1500」、丸尾カルシウム株式会社製
・沈降性炭酸カルシウム:商品名「カルファイン200」、丸尾カルシウム株式会社製
・シリカ:商品名「レオシールQS102S」、(株)トクヤマ製
表1に示す結果から、実施例1〜5の各接着剤組成物を用いて得られた試験体16の接着剤は、何れも20℃、60%RHで7日間養生した後の剪断強度が4.0MPa以上であり、40℃の温水中に14日間浸漬した後の試験体16の接着剤の剪断強度が3.7MPa以上であった。また、接着剤の破壊形態は何れも凝集破壊CF100であった。よって、実施例1〜5の接着剤組成物を用いて得られる接着剤は何れも初期接着性および耐水接着性に優れることが確認された。
これに対して、比較例1〜6の各接着剤組成物を用いて得られた試験体16の接着剤は、何れも20℃、60%RHで7日間養生した後の剪断強度が2.6MPa以下であり、接着剤の破壊形態はAF60〜AF100であった。また、試験体16を40℃の温水中に14日間浸漬した後の接着剤の剪断強度は1.6MPa以下であり、接着剤の破壊形態はほとんどが電着塗装板11及び予めコロナ処理したオレフィン樹脂12と接着剤組成物との間で界面剥離(AF)した。よって、比較例1〜6の各接着剤組成物を用いて得られた接着剤は何れも初期接着性、耐水接着性に劣ることが確認された。
よって、実施例1〜5の各接着剤組成物の接着剤組成物の方が、比較例1〜6の各接着剤組成物と比べて、硬化物の強度も高く、接着性及び耐水接着性に優れることが判明した。
本実施形態の組成物は、実施例1〜5のように、主剤と硬化剤とを含み、硬化剤は、ジアミノジフェニルスルホンとトリポリリン酸二水素アルミニウムとを含有する接着剤組成物である。これにより、得られる接着剤組成物は、初期接着性及び耐水接着性を向上させることができ、接着面に表面処理を施した場合であっても、接着面にはプライマー組成物を塗布することなく安定して優れた接着性を有するといえる。よって、本実施形態の組成物は、自動車のボディとバックドア等のように自動車の内外装部品の接着剤として信頼性の高い接着剤組成物を得ることができることが判明した。
以上のように、本発明に係る接着剤組成物は、優れた接着性及び耐水接着性を有するため、自動車、船舶、航空機、建築・土木、その他の工業製品に用いることができ、特に自動車の内外装部品の接着用の接着剤組成物として用いるのに適している。
11 電着塗装板
12 コロナ処理したオレフィン樹脂
13 スペーサ
14 接合部
15 接着剤組成物
16 試験体
12 コロナ処理したオレフィン樹脂
13 スペーサ
14 接合部
15 接着剤組成物
16 試験体
Claims (1)
- 分子内に複数のイソシアネート基を有するプレポリマーを含有する主剤と、
ポリオール化合物とジアミノジフェニルスルホンとトリポリリン酸二水素アルミニウムとを含有する硬化剤、
を有し、
前記ジアミノジフェニルスルホンの含有量は、前記ポリオール化合物100質量部に対して1質量部以上10質量部以下である共に、
前記トリポリリン酸二水素アルミニウムの含有量は、硬化剤の総量に対して10質量%以上40質量%以下であり、
前記ジアミノジフェニルスルホン及びトリポリリン酸二水素アルミニウムを、ジアミノジフェニルスルホンとトリポリリン酸二水素アルミニウムとの比が1対10〜1対20の範囲内で含有することを特徴とする接着剤組成物。
Priority Applications (1)
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JP2012129198A JP2013253155A (ja) | 2012-06-06 | 2012-06-06 | 接着剤組成物 |
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Cited By (1)
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JP2017128683A (ja) * | 2016-01-21 | 2017-07-27 | 横浜ゴム株式会社 | 部材の表面処理方法、及び、積層部材の製造方法 |
-
2012
- 2012-06-06 JP JP2012129198A patent/JP2013253155A/ja active Pending
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US10737406B2 (en) | 2016-01-21 | 2020-08-11 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Member surface treatment method and method for producing multilayer member |
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