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JP2013247815A - 電動モータ - Google Patents

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JP2013247815A JP2012121340A JP2012121340A JP2013247815A JP 2013247815 A JP2013247815 A JP 2013247815A JP 2012121340 A JP2012121340 A JP 2012121340A JP 2012121340 A JP2012121340 A JP 2012121340A JP 2013247815 A JP2013247815 A JP 2013247815A
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Shigehachiro Oka
茂八郎 岡
Masato Ezono
正人 榎園
Takashi Todaka
孝 戸高
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Abstract

【課題】ステータコアの鉄損を低減可能な電動モータを提供する。
【解決手段】フレームの内周面のうち、ステータコアの外周面との対向領域に、フレームの周方向の全域にわたり、フレームの軸線方向の中間部から両端部に向かって徐々に深さが増す円環状の鉄損低減用溝を形成した。よって、しめ代はその中間部から両端部に向かって徐々に小さくなり、ステータコアのフレームとの面接触領域に作用する圧縮応力が、その中間部から両端部に向かって徐々に減少する。これにより、従来よりステータコアの両端部の外周部分の圧縮応力が緩和され、各ティース部の中間部の内面部分での圧縮応力も低下する。その結果、ステータコアの鉄損を低減できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、電動モータ、詳しくはステータコアの外周面に円筒形状のフレームが、フレームの締め付け力により保持されてステータコアの内部空間でロータが回転する電動モータに関する。
インナーロータ型の電動モータ(電動回転機)は、円筒形状のフレームと、フレームの内部空間に挿入され、かつ外周面をフレームの内周面と面接触させてフレームの締め付け力により保持されるステータコアと、ステータコアの内部空間で回転するロータとを備えている。ステータコアをフレームに固定する方法は各種存在するが、小型の電動モータの場合には、しめ代をもってステータコアをフレームに嵌め合う「焼きバメ」が一般的である。焼きバメには、ステータコアの外径より内径が小さいフレームを使用し、嵌め合う直前にフレームを加熱してこれを熱膨張により拡径し、この状態でフレームの内部空間にステータコアを挿入後、フレームを冷やす。こうして縮径したフレームには、ステータコアとの面接触領域に引張応力が作用し、フレームからの圧縮応力がステータコアに発生して、両部材は締りバメ状態となる。
しかしながら、この焼きバメによりステータコアに発生する圧縮応力が、ステータコアの特性を劣化させて鉄損を増加し、電動モータの効率を低下させていた。特にステータコアの外周面のフレームと嵌り合う部分のうち、ステータコアの軸線方向の両端部(以下、単に両端部という場合がある)に発生する圧縮応力は、ステータコアの半径方向にも大きな応力であるばかりでなく、ステータコアの両端部の外周面側からステータコアの中心部へ向かう押し曲げ応力も発生していた。これは、フレームの収縮力がステータコア両端部では、ステータコアの中心部に向かう力が発生するためである。
そこで、これを解消する従来技術として、例えば、特許文献1の「回転機」などが知られている。具体的には、特許文献1では、フレームの内周面のステータコアとの面接触領域のうち、フレームの両端部にフレームの周方向に沿った切り欠き部をそれぞれ設け、ステータコアに発生する圧縮応力を緩和させ、ステータコアの鉄損を減少させる。この切り欠き部は、その軸線方向(長さ方向)の全域にわたって深さが一定の溝である。
特開2010−119157号公報
このように、特許文献1の回転機においては、ステータコアの両端部に発生する圧縮応力を緩和するため、フレームの内周面のステータコアとの面接触領域のうち、フレームの両端部に、周方向に沿って環状の切り欠き部をそれぞれ形成していた。これにより、あたかもその目的が達成されたかのように見える。しかしながら、切り欠き部は、その軸線方向の全域にわたり深さが一定の溝であるため、実際は、互いの接触面の面積が縮小しただけで、ステータコアの外周面のフレームとの面接触部分のうち、ステータコアの両端部には、従前と同様の圧縮応力が集中し、高い鉄損が発生して回転機の効率を低下させていた。
また、特許文献1の回転機の場合、上述したステータコアの両端部のフレームとの面接触領域に作用する応力集中を原因として、各ティース部においても、ステータコアの両端部の外周面側からの押し曲げ力が作用し、各ティース部のうち、その長さ方向(ステータコアの軸線方向)の中間部の内面部分で圧縮応力が高まっていた。その結果、ステータコアの鉄損がさらに増大していた。
そこで、発明者らは、鋭意研究の結果、フレームの内周面のうち、少なくともステータコアの外周面との対向領域のうち、フレームの軸線方向の両端部分に、フレームの周方向の全域にわたって、その(鉄損低減用溝の)軸線方向の中間部からその軸線方向の対応する端部へ向かって徐々に深さが増大する円環状の鉄損低減用溝を形成すればよいことに想到した。すなわち、この構成を採用すれば、フレームとステータコアとのしめ代が、その軸線方向の中間部に比べて、その両端部の方が徐々に小さくなる。これにより、ステータコアの軸線方向の両端部の応力集中が緩和され、その結果、上述した問題が全て解消されることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、フレームとステータコアとの嵌め合いを原因としたステータコアの軸線方向の両端部の外周部分に作用する圧縮応力、および、各ティース部のうち、その長さ方向の中間部の内面部分に発生する圧縮応力をそれぞれ緩和し、これによりステータコアの軸線方向およびその周方向の鉄損を低減することができる電動モータを提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、円筒形状のフレームと、該フレームの内部空間に挿入され、かつ外周面を該フレームの内周面と面接触させて該フレームの締め付け力により保持されるステータコアと、該ステータコアの内部空間で回転するロータとを備えた電動モータにおいて、前記フレームの内周面のうち、前記ステータコアの外周面との対向領域には、前記フレームの周方向の全域にわたり円環状の鉄損低減用溝が形成され、該鉄損低減用溝は、該鉄損低減用溝の軸線方向の中間部から該鉄損低減用溝の両端部に向かって徐々に深さが増大する電動モータである。
従来の電動モータの場合、フレームの内周面のステータコアとの対向領域が、その軸線方向の全長にわたって平面(完全な円筒面)であったため、フレームとステータコアとの嵌め合い時(締りバメ時)において、ステータコアの両端部のフレームとの接触部分に応力集中が発生し、これを原因として、その接触部分の圧縮応力が高まるとともに、各ティース部においても、ステータコアの両端部の外周面側からの押し曲げ力が作用して、各ティース部のうち、その長さ方向の中間部の内面部分で圧縮応力が高まっていた。
これを解消するため、本発明では、フレームの内周面のうち、ステータコアの外周面との対向領域に、フレームの周方向の全域にわたり、鉄損低減用溝の軸線方向(以下、溝軸方向という場合がある)の中間部から溝軸方向の両端部に向かって徐々に深さが増大する円環状の鉄損低減用溝を形成した。
これにより、嵌め合い時、フレームとステータコアとのしめ代は、ステータコアの軸線方向の中間部からその両端部に向かって徐々に小さくなる。その結果、嵌め合いによりステータコアのフレームとの面接触領域に作用する圧縮応力が、ステータコアの軸線方向の中間部から両端部に向かって徐々に減少し、このステータコアの両端部の外周部分に作用する圧縮応力が従来に比べて緩和される。これに伴い、各ティース部においても、ステータコアの両端部の外周面側からの押し曲げ力が減少し、各ティース部のうち、その長さ方向の中間部の内面部分に作用する圧縮応力も従来に比べて緩和される。これらにより、ステータコアの軸線方向およびその周方向の鉄損を低減することができる。
電動モータは、インナーロータ型のものである。電動モータは、ステータコアの外周面のフレームの内周面との対向領域のうち、ステータコアの軸線方向の少なくとも中間部が、ステータコアの周方向の全域にわたってフレームと面接触するように構成されている。
ここでいう「ステータコアの外周面のフレームの内周面との対向領域のうち、ステータコアの軸線方向の少なくとも中間部」とは、フレームとの面接触領域が、例えばステータコアの外周面のフレームの内周面との対向領域のうち、ステータコアの軸線方向の中間部のみでもよいし、ステータコアの外周面のフレームの内周面との対向領域の全部でもよいことを意味する。別の見方で言えば、鉄損低減用溝のフレームの軸線方向の両端の深さ(最大深さ)は、しめ代より大きくても、小さくてもよい。
なお、上記ステータコアの軸線方向の中間部のみが、ステータコアの周方向の全域にわたってフレームと面接触(面接触領域)している場合、この中間部のみでも、ステータコアをフレームに固定する役割は十分に果たせる。よって、本発明のようにフレームの内周面に鉄損低減用溝を加工しさえすれば、ステータコアの固定の目的と、フレームからステータコアに圧縮応力が緩和されることよる鉄損低減の効果が得られる。
フレームの素材としては、例えば、各種のアルミニウム合金を採用することができる。
フレームの内径は、締りバメを行うしめ代の分だけ、ステータコアの外径より小さい。これは、フレームを高温に加熱してステータコアに組み付ける焼きバメ、ステータコアを冷やしてフレームに組み付ける冷やしバメ、若干のしめ代によりフレームにステータコアを固定する圧入れなどの嵌め合いを行い、フレームをステータコアに所定の締め付け力により保持するためである。フレームの厚さは電動モータの大きさにより適宜異なる。
ステータコアの素材としては、電磁鋼板を積層したものを採用することができる。
ステータコアの種類としては、例えば、薄肉な電磁鋼板を多数枚重ね合わせた積層電磁鋼板型のものを採用することができる。ステータコアの内周部には、コイルを巻回する多数のティース部が、ステータコアの周方向に所定ピッチで、かつステータコアの軸線方向にその長さ方向を揃えて配設されている。
ステータコアとフレームとの(軸線方向の)長さ関係は、フレームの方がステータコアより長い。なお、フレームとステータコアとの長さが同一の場合でも、本発明の効果は発現される。
「鉄損低減用溝」としては、フレームを、その軸線を含む垂直面で(縦に)2分割した断面において(それぞれがフレームの軸線と平行で、かつ180°間隔で対向した2つの分割線に沿って半分割した断面において)、背面(奥面、底面、巾面)の溝軸方向の中間部が外方へ突出した凸型の円弧溝、または、背面の溝軸方向の中間を頂上(山頂)とし、かつ背面の溝軸方向の両側部にそれぞれ斜面部を有した山形溝などを採用することができる。このうち、鉄損低減用溝の背面が断面円弧状の鉄損低減溝の場合には、ステータコアの軸線方向の応力分布が両端部に向かうほど徐々に緩和され、接触部が段階的に変化することによる応力集中も発生しない。
また、前記背面の断面円弧の曲率半径は、フレームの内径の5〜35倍である。5倍を下回れば、フレームとステータコアの固定が十分にできない。また、35倍を超えれば、従来のステータコアの場合とフレームのしめ代はほとんど変わらず、ステータコアの両端部で鉄損が増加する。鉄損低減用溝の背面の好ましい曲率半径は7〜15倍である。この範囲であれば、ステータコアのバックヨークの両端部およびティース部においても、ステータコアを固定するには十分で、さらに応力分布が均一でかつ小さくなって、鉄損が低減する。
鉄損低減用溝の背面が断面山形の場合、背面の鉄損低減用溝の軸線方向の中間部には、鉄損低減用溝の軸線方向の全長にわたって内径が一定となる平面部を形成してもよい。その際、この背面の前記断面形状は台形となる。
また、鉄損低減用溝は、互いに一致するフレームおよびステータコアの軸線から、鉄損低減用溝の背面の軸線方向の中間点(鉄損低減用溝の最内周縁)までの最短距離が、これら軸線からフレームの内周面(鉄損低減用溝を除く)までの最短距離と同一でも、それより短くてもよい。
ロータとしては、例えば、一般的なインナーロータを採用することができる。
請求項2に記載の発明は、前記鉄損低減用溝の最大深さは、前記フレームと前記ステータコアとのしめ代の最大値の0.1〜1倍である請求項1に記載の電動モータである。
請求項2に記載の発明によれば、鉄損低減用溝の最大深さを、嵌め合わせる前のフレームとステータコアとのしめ代の最大値以下としたため、ステータコアの軸端部では、圧縮応力やステータコアの中心部へ向かう応力が小さくなり、全体として鉄損が低減される。
鉄損低減用溝の最大深さ(鉄損低減用溝のうち、フレームの軸線方向の両端の深さ)の値は、フレームとステータコアとのしめ代の最大値と同一(1倍)からそれより小さい0.1倍までである。この範囲であれば、ステータコアの軸端部では圧縮応力やステータコアの中心部へ向かう応力が小さくなり、鉄損が低減される。また、鉄損低減用溝の最大深さをしめ代の最大値と同一にした場合には、嵌め合い時、ステータコアの軸端部では、ステータコアの外径とフレームの内径が同一(中間バメの状態)となり、圧縮応力やステータコアの中心部へ向かう応力が発生せず、全体として鉄損が低減する。
ここで、フレームとステータコアとのしめ代が最大値となるのは、鉄損低減用溝の軸線方向の中間部に該当する、フレームとステータコアとの対向部分(ステータコアの軸線方向の中間部)である。
請求項1に記載の発明によれば、フレームの内周面のうち、ステータコアの外周面との対向領域に、フレームの周方向の全域にわたって、鉄損低減用溝の軸線方向の中間部からその両端部に向かって徐々に深さが増大する円環状の鉄損低減用溝を形成する構成を採用した。これにより、ステータコアとフレームとの嵌め合い時、フレームとステータコアとのしめ代は、ステータコアの軸線方向の中間部からその両端部に向かって徐々に小さくなる。その結果、ステータコアのフレームとの面接触領域に作用する圧縮応力が、ステータコアの軸線方向の中間部から両端部に向かって徐々に減少し、従来に比べてステータコアの両端部の外周部分に作用する圧縮応力が緩和される。しかも、これに伴い、各ティース部では、ステータコアの両端部の外周面側からの押し曲げ力が小さくなって、各ティース部の中間部の内面部分での圧縮応力が従来より低下する。以上のことから、ステータコアの軸線方向およびその周方向の鉄損を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、鉄損低減用溝の最大深さをフレームとステータコアとのしめ代の最大値の0.1〜1倍としている。この範囲であれば、ステータコアの軸端部では、圧縮応力やステータコアの中心部へ向かう応力が従来より小さくなり、全体として鉄損が低減する。
この発明の実施例1に係る電動モータの一部を構成するフレームとステータコアとの嵌め合い状態を示す要部拡大縦断面図である。 この発明の実施例1に係る電動モータの一部を構成する冷却前のフレームとステータコアとの嵌め合い状態を示す縦断面図である。 この発明の実施例1に係る電動モータの一部を構成するフレームとステータコアとの嵌め合い状態でのステータコアの鉄損低減用溝の形成壁およびティース部の応力分布を示す要部拡大縦断面図である。 この発明の実施例1に係る電動モータの一部を構成するステータコアおよび従来の電動モータの一部を構成するステータコアにおいて、電磁鋼板の積層後と、本発明の焼きバメ後と、従来の焼きバメ後とにおけるステータコアの軸線方向での鉄損の変移を示すグラフである。 (a)は、従来手段に係る電動モータの一部を構成するフレームの上半分とステータコアの上半分との嵌め合い状態での応力分布を示す要部斜視断面図である。(b)は、この発明の実施例1に係る電動モータの一部を構成するフレームの上半分とステータコアの上半分との嵌め合い状態での応力分布を示す要部斜視断面図である。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。ここでは、フレームとステータコアとが、焼きバメ法の締りバメにより嵌め合わされた電動モータを例にとる。
図1および図2において、10はこの発明の実施例1に係る電動モータ(以下、回転機)である。この回転機10は、円筒形状のフレーム11と、フレーム11の内部空間に挿入され、かつ外周面をフレーム11の内周面と面接触させてフレーム11の焼きバメによる締め付け力によって保持されるステータコア12と、ステータコア12の内部空間で回転する図示しないロータとを備えている。
以下、これらの構成体を具体的に説明する。
回転機10は出力数kW程度のものである。
フレーム11は、アルミニウム合金(A2027)からなり、内径Ra、外径Rb(厚さt)、軸線方向の長さがLfの円筒体である。
ステータコア12は、薄肉で円環形状の電磁鋼板を軸線方向に多数枚重ね合わせた積層式円筒体である。ステータコア12の内周部の全域には、ステータコア12の軸線に向かってそれぞれ放射状に突出した多数のティース部13が、ステータコア12の周方向に所定ピッチで配設されている。ステータコア12のティース部13を除く本体部分の内径はRc、本体部分の外径はRa+0.6mm、本体部分の厚さT、本体部分の軸線方向の長さはLsである。これにより、フレーム11とステータコア12との(焼きバメ前の)しめ代aは、後述する鉄損低減用溝14の背面14aの形状の影響により、ステータコア12の軸線方向の長さの中間位置が最大(一例として0.6mm)となるとともに、ステータコア12の軸端部のしめ代aは、例えば0.1mm、0.2mmのように、焼きバメの条件に応じて適宜小さくなる。
ステータコア12の内部空間には、図示しないロータが、その軸線回りに回転自在に収納されている。ロータとしては、汎用品のインナーロータが使用されている。
次に、図1を参照して、前記フレーム11を詳細に説明する。
フレーム11には、その内周面のうち、ステータコア12の外周面との対向領域に、フレーム11の周方向の全域にわたって、フレーム11の軸線方向の中間部からフレーム11の両端部に向かって徐々に深さが増大する円環状の鉄損低減用溝14が形成されている。ここでいう「ステータコア12の外周面との対向領域」とは、フレーム11の内周面のうち、フレーム11の軸線方向の両端部を除く部分である。嵌め合い(焼きバメ)時、フレーム11とステータコア12とは、互いに一致した軸線上で、それぞれの軸線方向の長さの中間点が重なり合っている。
鉄損低減用溝14は、フレーム11を、その軸線を含む垂直面で2分割した断面において、溝軸方向の中間部が外方へ突出した凸型円弧状の背面14aを有するものである(焼きバメ前の状態)。背面14aの軸線方向の中間点は、フレーム11の軸線と直交する断面において、フレーム11の内周面と同心円上に配置されている。鉄損低減用溝14は、その軸線方向の長さが、ステータコア12の軸線方向の長さより0.2mm(上下に0.1mmずつ)長く、かつ焼きバメ前において、鉄損低減用溝14の軸線方向の両端の深さが、鉄損低減用溝14の最大深さbとなる。最大溝深さbは、しめ代aの最大値の0.5倍の0.3mm、焼きバメ後の最大深さcは0.6mmである。
なお、例えば鉄損低減用溝14の最大深さbを、しめ代aの最大値と同一の0.6mmとしてもよい。この場合、鉄損低減用溝14の背面14aの断面円弧の曲率半径は、フレーム11の内径の5.6倍である。このとき、ステータコア12の軸端部ではしめ代が存在しない。
このように構成される回転機10の製造時には、焼きバメによりフレーム11とステータコア12とが嵌め合わされる。このとき、フレーム11の内周面のうち、ステータコア12の外周面との対向領域およびそれより上下に0.1mmずつの領域に、鉄損低減用溝14が形成され、かつこの鉄損低減用溝14は、上述したようにフレーム11の周方向の全域にわたって、軸線方向の中間部から両端部に向かって徐々に深さが増大し、最大深さbが0.3mmとなっている。そのため、焼きバメ時、ステータコア12の外周面のフレーム11の内周面との対向領域のうち、ステータコア12の軸線方向の中間部が最もしめ代aが大きくなり(しめ代aの最大値)、ステータコア12の上下端に進むにしたがってしめ代aが徐々に小さくなる。また、焼きバメ後のフレーム11とステータコア12とのしめ代cは、フレーム11の内周面とステータコア12の外周面との対向領域の全域にわたって、0.6mmとなる(図1)。このとき、フレーム11の内周面とステータコア12の外周面との面接触領域は、この対向領域と同一となる。
このように、しめ代aがステータコア12の軸線方向の中間部からその両端部に向かって徐々に小さくなるため、ステータコア12のフレーム11との面接触領域に作用する圧縮応力は、この面接触領域付近のステータコア12の上下端部を含めて、ステータコア12の軸線方向の中間部から両端部に向かって徐々に減少する(図3)。そのため、フレーム11とステータコア12との焼きバメ時にステータコア12の両端部の外周部分に作用する圧縮応力は、従来の回転機に比べて緩和される(図4のグラフ)。しかも、これに伴って各ティース部13では、ステータコア12の両端部の外周面側からの押し曲げ力が小さくなり、各ティース部13の長さ方向の中間部の内面部分において、圧縮応力も従来より小さくなる(図3)。
なお、例えば鉄損低減用溝14の最大深さbを、しめ代aの最大値と同一の0.6mmとした場合、ステータコア12の軸端部ではしめ代がない中間バメ状態となる。これにより、ステータコア12の軸端部では、圧縮応力やステータコア12の中心部へ向かう応力が発生せず、全体として鉄損が低減される。仮に、鉄損低減用溝14の最大深さbを、しめ代aの最大値より大きくした場合には、ステータコア12の軸端部ではフレーム11の内周面との間に隙間が現出し、フレーム11の内周面とステータコア12の外周面との面接触領域は前記対向領域より小さくなる。この場合でも、しめ代aはステータコア12の軸線方向の中間部からその両端部に向かって徐々に小さくなっているため、ステータコア12の軸端部での鉄損の低減が図れる。
ここで、図5を参照して、実際に、本発明(実施例1)の電動モータおよび従来の電動モータにおける、フレームとステータコアとの嵌め合い部分の応力解析を実施した結果を報告する。なお、本発明の電動モータと従来の電動モータとの構造上の違いは、フレームの内周面に鉄損低減用溝を有するか否かのみである。
図5(a)に示すように、従来の電動モータの場合には、焼きバメ時に発生するステータコアの両端部の外周部分に作用する圧縮応力、および、各ティース部の長さ方向の中間部の内面部分にそれぞれ作用する圧縮応力が大きかった。
これに対して、図5(b)に示すように、本発明では、フレーム11とステータコア12とのしめ代aが、ステータコア12の軸線方向の中間部からその両端部に向かって徐々に小さくなった。その結果、焼きバメ時に発生するステータコア12の両端部の外周部分に作用する圧縮応力が緩和した。これに伴い、各ティース部13の長さ方向における中間部の内面部分にそれぞれ作用する圧縮応力も緩和した。よって、ステータコア12の軸線方向およびその周方向の鉄損を、従来機の場合に比べて低減することができた。
この発明は、電動モータのステータコアの鉄損低減として有用な技術である。
10 電動モータ、
11 フレーム、
12 ステータコア、
14 鉄損低減用溝、
a しめ代。

Claims (2)

  1. 円筒形状のフレームと、
    該フレームの内部空間に挿入され、かつ外周面を該フレームの内周面と面接触させて該フレームの締め付け力により保持されるステータコアと、
    該ステータコアの内部空間で回転するロータとを備えた電動モータにおいて、
    前記フレームの内周面のうち、前記ステータコアの外周面との対向領域には、前記フレームの周方向の全域にわたり円環状の鉄損低減用溝が形成され、
    該鉄損低減用溝は、該鉄損低減用溝の軸線方向の中間部から該鉄損低減用溝の両端部に向かって徐々に深さが増大する電動モータ。
  2. 前記鉄損低減用溝の最大深さは、前記フレームと前記ステータコアとのしめ代の最大値の0.1〜1倍である請求項1に記載の電動モータ。
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