JP2013237874A - 表面処理鋼板とそれに用いる水系表面処理液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】最外層の表面処理皮膜が(A)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂から選んだTg: -10℃以上の樹脂、(B)コロイド状シリカ、(C)ジルコニウム化合物、および(D)トリアゾール類およびテトラゾール類から選んだ化合物、場合によりさらに(E)固体潤滑剤、(F)バナジウム化合物および(G)平均粒径0.1μm以上、吸油量50 mL/100 g以上のシリカを下記割合で含有する: B/A:0.080〜0.25、C/A:0.050〜0.20、D/(A+B+C+D):0.003〜0.13、E/(A+B+C+D):0.030〜0.23、F/(A+B+C+D):0.005〜0.10以、G/(A+B+C+D):0.010〜0.29。
【選択図】 なし
Description
(1)亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の少なくとも片面に1層以上のクロムを含まない表面処理皮膜を備えるクロムフリー表面処理鋼板であって、前記1層以上の表面処理皮膜のうち最外層の表面処理皮膜は、
(A)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる、ガラス転移温度が−10℃以上の1種または2種以上の樹脂、
(B)コロイド状シリカ、
(C)ジルコニウム化合物、および
(D)トリアゾール類およびテトラゾール類からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物、
を含有し、前記皮膜中におけるそれぞれ成分(A)、(B)、(C)及び(D)の固形分含有量であるA、B、C、D(ただし、Cは成分(C)のZrO2換算含有量)は、質量比で以下の関係式を満足することを特徴とする、クロムフリー表面処理鋼板:
B/A:0.080以上0.25以下、
C/A:0.050以上0.20以下、
D/(A+B+C+D):0.003以上0.13以下。
(E)固体潤滑剤、
(F)バナジウム化合物、および
(G)平均粒径が0.1μm以上かつ吸油量が50mg/L以上のシリカ、
からなる群から選ばれる1種または2種以上の成分をさらに含有し、前記皮膜中におけるそれぞれ成分(E)、(F)および(G)の含有量であるE、F、G(ただし、Fは成分(F)のV2O5換算含有量)が質量比で以下の関係式を満足する、上記(1)のクロムフリー表面処理鋼板:
E/(A+B+C+D):0.03以上0.23以下、
F/(A+B+C+D):0.005以上0.10以下、
G/(A+B+C+D):0.01以上0.29以下。
(6)前記表面処理皮膜が2層以上の表面処理皮膜からなり、前記最外層の表面処理皮膜を除く少なくとも1層の表面処理皮膜は、(H)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる、Tgが−10℃以上の1種もしくは2種以上の樹脂を含有する、片面あたりの皮膜付着量が0.3g/m2以上1.5g/m2未満の皮膜である上記(1)〜(5)のクロムフリー表面処理鋼板。
(A)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる、ガラス転移温度が−10℃以上の、1種または2種以上の水溶性または水分散性樹脂、
(B)コロイド状シリカ、
(C)ジルコニウム化合物、および
(D)トリアゾール類およびテトラゾール類からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物、
を含有し、それぞれ成分(A)、(B)、(C)及び(D)の固形分含有量であるA、B、C、D(ただし、Cは成分(C)のZrO2換算含有量)が、質量比で以下の関係式を満足することを特徴とする、水系表面処理液:
B/A:0.080以上0.25以下、
C/A:0.050以上0.20以下、
D/(A+B+C+D):0.003以上0.13以下。
E/(A+B+C+D):0.030以上0.23以下、
F/(A+B+C+D):0.005以上0.10以下、
G/(A+B+C+D):0.010以上0.29以下。
<表面処理皮膜>
本発明の表面処理鋼板は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板を基材とし、この基材の少なくとも片面に1層以上のクロムを含まない表面処理皮膜を備えるクロムフリー表面処理鋼板である。本発明では、前記1層以上の表面処理皮膜のうち最外層の表面処理皮膜は、(A)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上の樹脂、(B)コロイド状シリカ、(C)ジルコニウム化合物、および(D)トリアゾール類およびテトラゾール類からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合を必須成分として含み、さらに任意成分として、(E)固体潤滑剤、(F)バナジウム化合物、および(G)平均粒径0.1μm以上、吸油量50mL/100g以上のシリカ、から選ばれた1種または2種以上の成分を含有しうる。
最外層の表面処理皮膜のベース成分(A)は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、およびウレタン系樹脂から選んだ1種または2種以上とする。環境面では、表面処理液が水系処理液であることが好ましい。水系処理液とするために、ベース樹脂は、水溶性樹脂または水分散性樹脂(エマルジョン樹脂)であることが好ましい。
シリカ変性アクリル系エマルジョン樹脂としては一般にシリカ成分が樹脂固形分の10〜50%程度のものが使用される。本発明では、シリカ変性アクリル系エマルジョン樹脂を使用する場合でも、便宜上、この樹脂の全量をアクリル系エマルジョン樹脂とみなす。
コロイド状シリカ(B)は、表面処理鋼板の耐ブロッキング性を大きく改善する作用があり、さらに皮膜の耐食性を向上させる作用を示す。シリカとしては、皮膜の安定性と透明性を確保するために、コロイド粒径(平均一次粒子径が5〜100nm)のものが適している。使用するコロイド状シリカはコロイダルシリカ(湿式シリカ)と気相シリカ(乾式シリカ)のいずれでもよい。
ジルコニウム化合物(C)は、主として樹脂成分(A)の末端官能基(カルボキシル基)に作用して、皮膜形成過程で分散質をなす樹脂粒子同士を架橋するための架橋剤として機能し、皮膜性能を向上させると考えられる。ジルコニウム化合物の具体例としては、炭酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム等があげられる。
成分(D)のトリアゾール類、テトラゾール類は、表面処理鋼板の耐銅食性を大きく改善する作用があり、さらに皮膜の耐食性を向上させる作用も場合により示す。これらの作用は、トリアゾール類、テトラゾール類が近傍の銅部材から供給される銅イオンを捕捉して沈殿させることにより達成される。
本発明の表面処理鋼板における最外層の皮膜は、加工性(摺動性)を高めるために固体潤滑剤(E)をさらに含有することが好ましい。ただし、加工性をあまり必要としない用途に適用される場合には、固体潤滑剤を含有させる必要はない。固体潤滑剤としては、ワックス、フッ素樹脂粒子、金属石鹸等が挙げられるが、代表的なものはポリオレフィンワックスをはじめとするワックスである。固体潤滑剤の含有量や粒径は、用途、特に採用される成形条件に応じて、適切に選択されることが好ましい。たとえば次の通りである。
(F)バナジウム化合物
本発明の皮膜は、さらにバナジウム化合物(F)を含有するのが好ましい。皮膜に含有させるのに適したバナジウム化合物の例としてバナジン酸アンモニウムが挙げられる。皮膜がバナジウム化合物を含有することによって表面処理鋼板の耐食性が向上する。この効果を得るには、バナジウム化合物(F)の含有量(V2O5換算量)を、成分(A)〜成分(D)の固形分質量の合計に対する成分(F)の質量比、すなわち、F/(A+B+C+D)の質量比が0.005以上となる量にすることが好ましい。
本発明の皮膜は、さらに平均粒径0.1μm以上かつ吸油量が50mL/100g以上のシリカ(G)を含有するのが好ましい。このような吸油量(JIS K5421に規定)を有するシリカは多孔質であるので、以下では成分(G)のシリカを多孔質シリカと称する。皮膜が多孔質シリカ成分(G)を含有することで、結露水や雨水のような低電気伝導度の水が、表面処理鋼板の切断により形成された端面(表面処理皮膜で被覆されていない)に付着した際に発生する赤錆を抑制することが可能とある。
内層皮膜のベース樹脂成分(H)は、最外層の表面処理皮膜のベース樹脂と同様に、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、およびウレタン系樹脂から選ばれた1種または2種以上とする。最外層皮膜との密着性を考慮すると、最外層皮膜のベース樹脂(成分(A))と同じ樹脂種とするのが好ましい。
成分(I)のジルコニウム化合物とシランカップリング剤は、上述したジルコニウム化合物(C)と同様に、樹脂成分(H)の末端官能基(カルボキシル基)と作用することで、皮膜形成過程で分散状態にある樹脂粒子同士を架橋する作用を示す。ジルコニウム化合物としては、成分(C)について例示した化合物を使用することができる。シランカップリング剤は任意のものを使用できるが、中でも好ましいのは、樹脂(H)との反応性の官能基、例えばアミノ基、グリシドキシ基、メルカプト基、などを含有するシランカップリング剤である。
前述した最外層の表面処理皮膜を形成するには、各成分を処理液中の全固形分に対して所定の範囲内の固形分割合となる量で含有させた水系の表面処理液を調製し、必要により内層皮膜が形成されている基材鋼板の少なくとも片面に塗布し、乾燥すればよい。この水系の表面処理液は、当然ながら、クロムを含有しないクロムフリーのものである。なお、本発明において「クロムフリー」または「クロムを含有しない」とは、無水クロム酸(CrO3)としての含有量(塗布液の場合には塗布液中の全固形分に対する割合)が0.1%未満であることを意味する。この含有量は、より望ましくは0%である。
本発明の表面処理鋼板の基材は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板である。ここで、亜鉛系めっき鋼板とは、純亜鉛めっき鋼板と、亜鉛が主成分である亜鉛合金めっき皮膜を有する鋼板との総称である。同様に、アルミニウム系めっき鋼板も純アルミニウムめっき鋼板とアルミニウムが主成分であるアルミニウム合金めっき皮膜を有する鋼板との総称である。
鋼板の厚さは、用途によって決定されるものではあるが、あまり厚いと、端面から赤錆が発生しやすいと考えられる。塗装鋼板として通常用いられる2.0mm以下程度の厚みであれば問題はない。
本発明の水系表面処理液の基材めっき鋼板への塗布は、通常の手段(連続塗装ラインの場合には、ロールコータでの塗布やまたは塗布液をスプレー後にリンガーロールで絞ることによる塗布)で行うことができる。浸漬塗布も可能である。このようにして乾燥後に所定付着量の表面処理皮膜が形成されるように表面処理液を塗布した後、オーブンで乾燥(焼付け)を行えばよい。
皮膜の付着量(片面当たり)は、求められる性能(主として耐銅食性および耐食性)に応じて調整すればよい。最外層の付着量は、通常の用途であれば0.5g/m2以上、より耐食性が必要な場合は1.5g/m2以上とするのが好ましい。上限も、主として求められる性能とコストとの関係により決定されるが、付着量が厚すぎると、加工時に皮膜が剥がれやすくなり、耐ブロッキング性の面で不利になりやすい。そこで特に強加工を考慮すれば、付着量は5.0g/m2以下とし、好ましくは4.0g/m2以下である。
下記に示す(A)樹脂、(B)コロイダルシリカ、(C)ジルコニウム化合物、(D)トリアゾール類および/またはテトラゾール類、(E)固体潤滑剤、(F)バナジウム化合物、(G)多孔質シリカを表1に示す量で配合して、最外層用の水系塗布液を調製した。別に下記に示す(H)樹脂、(I)ジルコニウム化合物および/またはシランカップリング剤を表2に示す量で配合して、内層用の水系塗布液を調製した。なお、使用した樹脂はいずれも水分散性(エマルジョン)樹脂であった。
A1:アクリル樹脂(日本合成化学工業製モビニール、Tg:30℃)、
A2:シリカ変性アクリル系樹脂 (中央理化工業製リカボンド、SiO2:20%、Tg:34℃)、
U1:ウレタン樹脂(第一工業製薬製スーパーフレックス、Tg:−10℃)、
U2:ウレタン樹脂(第一工業製薬製スーパーフレックス、Tg:−31℃)、
P1:ポリエステル樹脂(東洋紡績製バイロナール、Tg:20℃)。
SK:コロイダルシリカ(日産化学工業製スノーテックスN、平均粒径10〜20nm)。
ZA:炭酸ジルコニウムアンモニウム(一般試薬)。
(D)トリアゾール類および/またはテトラゾール類
BTA:ベンゾトリアゾール(一般試薬)、
ATA:3−アミノトリアゾール(一般試薬)、
TTA:トリルトリアゾール(5−メチルベンゾトリアゾール)(一般試薬)。
(E)固体潤滑材
WA:ポリプロピレンワックス(軟化点142℃、平均粒径1.5μm)。
VA:バナジン酸アンモニウム(一般試薬)。
(G)多孔質シリカ
ST:多孔質シリカ、(富士シリシア化学製サイロマスク02番、平均粒径0.2〜0.3μm、吸油量100mL/100g)。
A1:アクリル樹脂(日本合成化学工業製モビニール、Tg:30℃)、
A3:アクリル樹脂(日本合成化学工業製モビニール、Tg:62℃)、
U1:ウレタン樹脂(第一工業製薬製スーパーフレックス、Tg:−10℃)、
U2:ウレタン樹脂(第一工業製薬製スーパーフレックス、Tg:−31℃)、
P1:ポリエステル樹脂(東洋紡績製バイロナール、Tg:20℃)。
ZA:炭酸ジルコニウムアンモニウム(一般試薬)。
SC:グリシドキシ基含有シランカップリング剤(チッソ製サイラエースS510)。
基材として、下記のいずれかのめっき鋼板を150mm×300mmの大きさに切り出し、アルカリ脱脂液(日本パーカライジング製FCL4480)でスプレー脱脂し、その後水洗、乾燥したものを使用した:
AZ:0.6mm厚の溶融55%Al−Zn合金めっき鋼板(めっき付着量:片面あたり75g/m2)、
MZ:0.6mm厚の溶融3%Mg−3%Al−Zn合金めっき鋼板(めっき付着量:片面あたり75g/m2)。
耐銅食性:
銅化合物(塩基性炭酸銅II)の水溶液を銅化合物として5.0g/m2になる量で試験片の評価面に塗布した状態でJASO−M609に規定する複合サイクル腐食試験(35℃塩水噴霧2時間→60℃乾燥4時間→50℃湿潤(RH95%超)2時間の繰り返し)に120サイクル付し、赤錆発生までのサイクル数により下記基準で評価した:
◎:120サイクルまで赤錆なし、
○:90サイクル以上、120サイクル未満
△:45サイクル以上、90サイクル未満
×:45サイクル未満で赤錆発生。
JIS−K5621に規定する塩水噴霧試験240時間後における試験片表面の白錆面積率により下記基準で評価した:
◎:1%以下、○:1%超5%以下、△:5%超20%以下、×:20%超。
湿潤試験(温度50℃、RH95%超)240時間後における試験片表面の変化の有無により下記基準で評価した:
○:目視変化なし、△:軽度に黒変または白変、×:黒変または白変。
評価面が外曲げとなるような曲げ試験(JIS−G331212.2.2に準拠)を行った後、曲げ部に対してポリエステルテープで剥離試験を行い、剥離の起こらない最小の曲げ厚み(板厚(T)の倍数)により下記基準で評価した:
◎:1T以下、○:2T〜3T、△:4T〜5T、×:6T以上。
2枚の表面処理鋼板の試験片の評価面(表面処理面)同士を重ね合わせたものに2kgf/mm2の荷重をかけ、圧力をかける金型の温度を70℃に設定して18時間保持した。その後、鋼板同士の融着状態を以下の基準で評価した。◎が望ましい:
◎:融着せず、
○:軽度に融着するが、分離後の評価面に剥離痕が認められない、
△:融着し、分離後の評価面に剥離痕が認められる、
×:融着し、鋼板同士を簡単に分離することができない。
特開2003−136151号公報に記載のピンオンディスク試験法(回転ディスク上に被試験材を載置し、この被試験材に金属製のピン状試験具を押し付けながら被試験材をディスクと共に回転させて、ピンを1方向に摺動させる摺動摩擦試験法)に従って、防錆油を塗布した表面処理鋼板の摩擦係数を以下の条件で測定し、摩擦係数が0.2を超えるまでの周回数により下記基準で評価した。
押し付け荷重:3kgf
試験具先端形状:球
試験具先端形状曲率:2.5mmR
試験具先端材質:SKD鋼
摺動速度:6300mm/min(100rpm)
摩擦係数μ:0.1秒毎計測した摩擦係数6個の測定値から算出した平均値の最大値
◎:500周以上、○:300〜499周、△:100〜299周、×:99周以下。
イオン交換水を用いた浸漬試験240時間後における試験片と水の赤錆発生状態により下記基準で評価した。
試験溶液:イオン交換水、試験温度:40℃
◎:赤錆なし、○:軽微な赤錆、△:液に軽微な濁りあり、×:液に濁りあり。
調合した最外層用の塗布液(表面処理液)200mlを密閉容器に入れて40℃に保持し、固化(ゲル化)の状況を1日毎(初期は数時間毎)に観察し、固化までの期間により下記基準で評価した:
◎:7日超、○:3〜7日、△:2〜3日、×:2日未満。
表3に示すように、発明例の表面処理鋼板は、耐銅食性が良好で、耐食性・耐水性・密着性・ブロッキング性にも問題なかった。ワックスを含む実施例は、さらに摺動性にも優れていた。多孔質シリカを含む実施例は、さらに耐端面赤錆性にも優れていた。
Claims (10)
- 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の少なくとも片面に1層以上のクロムを含まない表面処理皮膜を備えるクロムフリー表面処理鋼板であって、前記1層以上の表面処理皮膜のうち最外層の表面処理皮膜は、
(A)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる、ガラス転移温度が−10℃以上の1種または2種以上の樹脂、
(B)コロイド状シリカ、
(C)ジルコニウム化合物、および
(D)トリアゾール類およびテトラゾール類からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物、
を含有し、前記皮膜中におけるそれぞれ成分(A)、(B)、(C)及び(D)の含有量であるA、B、C、D(ただし、Cは成分(C)のZrO2換算含有量)は、質量比で以下の関係式を満足することを特徴とする、クロムフリー表面処理鋼板:
B/A:0.080以上0.25以下、
C/A:0.050以上0.20以下、
D/(A+B+C+D):0.003以上0.13以下。 - 前記最外層の表面処理皮膜が、
(E)固体潤滑剤、
(F)バナジウム化合物、および
(G)平均粒径が0.1μm以上かつ吸油量が50mg/L以上のシリカ、
からなる群から選ばれる1種または2種以上の成分をさらに含有し、前記皮膜中におけるそれぞれ成分(E)、(F)および(G)の含有量であるE、F、G(ただし、Fは成分(F)のV2O5換算含有量)は、質量比で以下の関係式を満足する、請求項1記載のクロムフリー表面処理鋼板:
E/(A+B+C+D):0.030以上0.23以下、
F/(A+B+C+D):0.005以上0.10以下、
G/(A+B+C+D):0.010以上0.29以下。 - 成分(A)の一部または全部がアクリル系樹脂であり、そのアクリル系樹脂の少なくとも一部が、水分散性アクリル系樹脂の乳化重合時にコロイド状シリカを添加して得られるシリカ変性水分散性アクリル系樹脂である、請求項1または2に記載のクロムフリー表面処理鋼板。
- 成分(D)が、ベンゾトリアゾール、3−アミノトリアゾール、トリルトリアゾール、およびアミノテトラゾールからなる群から選ばれる、請求項1〜3のいずれかに記載のクロムフリー表面処理鋼板。
- 前記クロムフリー表面処理皮膜の片面あたりの皮膜付着量が0.5g/m2以上5.0g/m2以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のクロムフリー表面処理鋼板。
- 前記表面処理皮膜が2層以上の表面処理皮膜からなり、前記最外層の表面処理皮膜を除く少なくとも1層の表面処理皮膜は、
(H)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる、Tgが−10℃以上の1種もしくは2種以上の樹脂、
を含有する、片面あたりの皮膜付着量が0.3g/m2以上1.5g/m2未満の皮膜である、請求項1〜5のいずれかに記載のクロムフリー表面処理鋼板。 - 前記最外層の表面処理皮膜を除く少なくとも1層の表面処理皮膜は、さらに
(I)ジルコニウム化合物および/またはシランカップリング剤、
を含有する、請求項6に記載のクロムフリー表面処理鋼板。 - 銅製品に近接する製品に使用するための請求項1〜7のいずれかに記載のクロムフリー表面処理鋼板であって、前記最外層の表面処理皮膜が当該銅製品に向けられて使用されるクロムフリー表面処理鋼板。
- 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の少なくとも片面に最外層のクロムフリー表面処理皮膜を形成するための水系表面処理液であって、
(A)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる、ガラス転移温度が−10℃以上の1種または2種以上の水溶性又は水分散性樹脂、
(B)コロイド状シリカ、
(C)ジルコニウム化合物、および
(D)トリアゾール類およびテトラゾール類からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物、
を含有し、それぞれ成分(A)、(B)、(C)及び(D)の固形分含有量であるA、B、C、D(ただし、Cは成分(C)のZrO2換算含有量)が、質量比で以下の関係式を満足することを特徴とする、水系表面処理液:
B/A:0.080以上0.25以下、
C/A:0.050以上0.20以下、
D/(A+B+C+D):0.003以上0.13以下。 - (E)固体潤滑剤、
(F)バナジウム化合物、および
(G)平均粒径が0.1μm以上かつ吸油量が50mg/L以上のシリカ、
からなる群から選ばれる1種または2種以上の成分をさらに含有し、処理液中のそれぞれ成分(E)、(F)および(G)の固形分含有量であるE、F、G(ただし、Fは成分(F)のV2O5換算含有量)は、質量比で以下の関係式を満足する、請求項9に記載の水系表面処理液:
E/(A+B+C+D):0.030以上0.23以下、
F/(A+B+C+D):0.005以上0.10以下、
G/(A+B+C+D):0.010以上0.29以下。
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JP (1) | JP2013237874A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106148934A (zh) * | 2016-08-27 | 2016-11-23 | 合肥普庆新材料科技有限公司 | 一种铜材钝化剂及其制备、应用 |
JP2017190512A (ja) * | 2016-04-15 | 2017-10-19 | 信越化学工業株式会社 | 金属表面処理剤 |
JP2018505959A (ja) * | 2014-12-11 | 2018-03-01 | 宝山鋼鉄股▲分▼有限公司 | 溶融アルミニウム亜鉛めっき鋼板用表面処理剤、溶融アルミニウム亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 |
KR20240132348A (ko) | 2022-03-04 | 2024-09-03 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 용융 Al-Zn계 도금 강판, 그의 제조 방법, 표면 처리 강판 및 도장 강판 |
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2012
- 2012-05-11 JP JP2012109374A patent/JP2013237874A/ja active Pending
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