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JP2013237874A - 表面処理鋼板とそれに用いる水系表面処理液 - Google Patents

表面処理鋼板とそれに用いる水系表面処理液 Download PDF

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JP2013237874A JP2012109374A JP2012109374A JP2013237874A JP 2013237874 A JP2013237874 A JP 2013237874A JP 2012109374 A JP2012109374 A JP 2012109374A JP 2012109374 A JP2012109374 A JP 2012109374A JP 2013237874 A JP2013237874 A JP 2013237874A
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Yasuyuki Masutani
康之 益谷
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Abstract

【課題】亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板にクロムフリー表面処理を施した表面処理鋼板が銅部材と近接した場合にみられる早期の赤錆発生を防止する。
【解決手段】最外層の表面処理皮膜が(A)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂から選んだTg: -10℃以上の樹脂、(B)コロイド状シリカ、(C)ジルコニウム化合物、および(D)トリアゾール類およびテトラゾール類から選んだ化合物、場合によりさらに(E)固体潤滑剤、(F)バナジウム化合物および(G)平均粒径0.1μm以上、吸油量50 mL/100 g以上のシリカを下記割合で含有する: B/A:0.080〜0.25、C/A:0.050〜0.20、D/(A+B+C+D):0.003〜0.13、E/(A+B+C+D):0.030〜0.23、F/(A+B+C+D):0.005〜0.10以、G/(A+B+C+D):0.010〜0.29。
【選択図】 なし

Description

本発明は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板を基材とするクロムフリー表面処理鋼板とその製造に用いる水系表面処理液に関する。本発明の表面処理鋼板は、特に銅部材の近傍に使用されたときに優れた耐食性を示すので、例えば、銅配管の下に配置されるエアコン室外機の底板などの用途に適している。
近年、建築用、家電用材料としての表面処理鋼板の需要が拡大すると共に、そのニーズも多様化してきている。表面処理を施す基材鋼板としては、一般に屋内用途向け、特に家電向けには電気亜鉛めっき鋼板が主に用いられ、屋外用途向けには溶融亜鉛めっき鋼板が主として用いられている。屋外用途でも、特に耐食性の厳しい環境(設置されている使用環境または使用部位)においては、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板や亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっき鋼板の需要が拡大している。
現在実用化されている亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板は、Al含有量が約5wt%程度のものと約55wt%程度のものとに大別される。その中でZn−55wt%Al合金めっき鋼板は、Alのもつ高耐食性とZnのもつ犠牲防食性により、溶融亜鉛めっき鋼板の3〜6倍という高耐食性を示す。このZn−55wt%Al合金めっき鋼板は、塗装鋼板の下地として広く用いられる一方で、めっき表面が銀白色で美麗であり、高耐食性を有することから、工程省略およびコストカットを目的として、表面に防錆力のある薄い皮膜を形成した表面処理鋼板を裸使用する場合にも広く用いられている。
同様に、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっき鋼板は、特許3567430号公報(特許文献1)または特許3924261号公報(特許文献2)などに開示されているように、Zn、Al、Zn2Mgの緻密な三元共晶組織により、高耐食性と切断端面の耐食性に優れ、主に建材用として用いられている。
ところで、表面処理皮膜は、従来は防錆成分として6価クロムを含有するのが普通であった。しかし、昨今の環境負荷低減への観点から、家電業界を中心に6価クロムを含まない表面処理品の開発が求められている。
特開2006−176845号公報(特許文献3)には、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第1層として水性樹脂とリン酸化合物とシランカップリング剤とを含有する皮膜を有し、その上部に形成された第2層が、皮膜形成有機樹脂と一部または全部の化合物が活性水素を有するヒドラジン誘導体からなる活性水素含有化合物との反応生成物(X)と、(a)リン酸塩、(b)Caイオン交換シリカ、(c)モリブデン酸塩、(d)酸化ケイ素、ならびに(e)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の1種以上の有機化合物の群から選ばれる1種以上の防錆添加成分(Y)とを含み、該防錆添加成分(Y)の合計含有量が前記反応生成物(X)100質量部(固形分)に対して1〜100質量部(固形分)となる皮膜であり、前記第1層と前記第2層の合計膜厚が0.1〜5μmであることを特徴とする、耐食性および耐黒変性に優れた表面処理鋼板が提案されている。
特開平4−234463号公報(特許文献4)では、耐食性に優れた、金属表面被覆用配合物が提案されている。この配合物は、熱可塑性または熱硬化性アクリルポリマーの水性エマルション約30〜約90重量%と、炭酸アンモニウムジルコニウムまたは酸化ジルコニウムのアルカノールアミンのキレートから選ばれる水溶性のブロックされたジルコニウム触媒約1〜5重量%と、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、グリコールエーテル、n−メチルピロリドンおよびそれらの組合せから選ばれる揮発性有機溶媒と水との混合物であり、水が配合物の約8〜55重量%を、溶媒が約3〜20重量%を構成し、さらに(2−メルカプトベンゾチアゾール、ナトリウム2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ナトリウム2−メルカプトベンゾイミダゾール、およびトリルトリアゾールから選ばれる腐食防止添加剤約0.3〜3.0重量%を含んでいる。
特許3547414号公報(特許文献5)では、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっきの上に固形分として水性樹脂100質量部、シランカップリング剤0.1〜3000質量部を含有する皮膜層を下地処理層として有し、さらにその上にビスフェノール型骨格、エステル骨格及びカルボキシル基を有するエーテル・エステル型ウレタン樹脂とエポキシ樹脂の総和が全固形分に対して50〜85質量%、ポリオレフィンワックスを3〜30質量%、粒径3〜30nmのシリカを10〜40質量%含有する水性潤滑塗料を塗布・焼き付けて得られる膜厚0.2〜5μmの被膜を設けたことを特徴とする、加工部の耐食性に優れ、環境負荷の小さい非脱膜型潤滑めっき鋼板が提案されている。
特許4420305号公報(特許文献6)では、アクリル系エマルション樹脂、シリカ、ジルコニウム化合物を含むクリアコートを設けた、ブロッキングを起こしにくく、かつ耐食性や加工性に優れた鋼板が提案されている。
特許3567430号公報 特許3924261号公報 特開2006−176845号公報 特開平4−234463号公報 特許3547414号公報 特許4424305号公報 特開平8−158074号公報 特開平2003−293192号公報
ところが、このような表面処理鋼板をエアコン室外機の底板に適用したとき、実際の使用環境において、部分的に短期間で赤錆が発生するという現象が往々にして認められてきた。亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板を基材とする表面処理鋼板は、通常は15年以上の使用に耐えるが、この例では部分的に5年前後で赤錆が発生し、10年前後で厚さ1mm前後の鋼板に穴が開くものもある、といった状況であった。
調査の結果、赤錆が著しく発生した個所は、室外機内の銅配管の直下であった。このような現象は、銅配管と近接する他の事例でも認められ、銅配管が何らかの腐食促進効果を及ぼしていると考えられた。この現象の推定原因としては、銅配管から銅イオンを含んだ結露水が底板上に落下し、これにより、表面処理鋼板の腐食を促進させたと考えられた。以後、上記現象を「銅食」と呼ぶ。
銅食の対策として、一つは、銅配管を被覆し、銅イオンを含んだ結露水が発生しないようにする方法が考えられる。銅の防食としては、回路基板材料として使用される銅箔の防錆処理を目的とする技術が、例えば特開平8−158074号公報(特許文献7)、Cuめっきを有する電磁波シールド用めっき鋼板の防食を目的とする技術が、例えば特開2003−293192号公報(特許文献8)に開示されている。これらの技術を応用することも考えられるが、銅配管を処理する場合の方法・工数・コストなどに課題が残る。
対策のもう一つは、銅配管から銅イオンを含んだ結露水が底板上に落下しても、鋼板の腐食に与える影響を最小限にするような皮膜を設計することである。しかし、これまでにこのような目的で検討が行われた例はない。厚膜の後塗装により、上記結露水の影響を抑制できるが、工程省略・コストカットの観点からは、薄い表面処理皮膜の形成による対策が望ましい。
本発明は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、クロメートを含まない表面処理皮膜を形成した表面処理鋼板であって、銅部材近傍に使用されたとき、特にエアコン室外機部材として使用されたときに、銅配管直下の底板部から赤錆が発生しにくい、良好な耐銅食性を有し、さらに好ましくは良好な耐食性・耐水性・密着性・耐ブロッキング性・摺動性・耐端面赤錆性・塗布液安定性を有する表面処理鋼板を提供することを課題とする。
本発明者らは、特定の水系樹脂と、コロイド状シリカと、ジルコニウム化合物とトリアゾール/テトラゾール類とを特定の比率で含有する処理液から形成した皮膜により上記課題を解決することができることを知見した。
本発明は以下の通りである。
(1)亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の少なくとも片面に1層以上のクロムを含まない表面処理皮膜を備えるクロムフリー表面処理鋼板であって、前記1層以上の表面処理皮膜のうち最外層の表面処理皮膜は、
(A)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる、ガラス転移温度が−10℃以上の1種または2種以上の樹脂、
(B)コロイド状シリカ、
(C)ジルコニウム化合物、および
(D)トリアゾール類およびテトラゾール類からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物、
を含有し、前記皮膜中におけるそれぞれ成分(A)、(B)、(C)及び(D)の固形分含有量であるA、B、C、D(ただし、Cは成分(C)のZrO2換算含有量)は、質量比で以下の関係式を満足することを特徴とする、クロムフリー表面処理鋼板:
B/A:0.080以上0.25以下、
C/A:0.050以上0.20以下、
D/(A+B+C+D):0.003以上0.13以下。
(2)前記最外層の表面処理皮膜が、
(E)固体潤滑剤、
(F)バナジウム化合物、および
(G)平均粒径が0.1μm以上かつ吸油量が50mg/L以上のシリカ、
からなる群から選ばれる1種または2種以上の成分をさらに含有し、前記皮膜中におけるそれぞれ成分(E)、(F)および(G)の含有量であるE、F、G(ただし、Fは成分(F)のV25換算含有量)が質量比で以下の関係式を満足する、上記(1)のクロムフリー表面処理鋼板:
E/(A+B+C+D):0.03以上0.23以下、
F/(A+B+C+D):0.005以上0.10以下、
G/(A+B+C+D):0.01以上0.29以下。
(3)成分(A)の一部または全部がアクリル系樹脂であり、そのアクリル系樹脂の少なくとも一部が、水分散性アクリル系樹脂の乳化重合時にコロイダルシリカを添加して得られるシリカ変性水分散性アクリル系樹脂である上記(1)または(2)のクロムフリー表面処理鋼板。
(4)成分(D)が、ベンゾトリアゾール、3−アミノトリアゾール、トリルトリアゾール、およびアミノテトラゾールからなる群から選ばれる上記(1)〜(3)のクロムフリー表面処理鋼板。
(5)前記クロムフリー表面処理皮膜の片面あたりの皮膜付着量が0.5g/m2以上5.0g/m2以下である上記(1)〜(4)のクロムフリー表面処理鋼板。
(6)前記表面処理皮膜が2層以上の表面処理皮膜からなり、前記最外層の表面処理皮膜を除く少なくとも1層の表面処理皮膜は、(H)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる、Tgが−10℃以上の1種もしくは2種以上の樹脂を含有する、片面あたりの皮膜付着量が0.3g/m2以上1.5g/m2未満の皮膜である上記(1)〜(5)のクロムフリー表面処理鋼板。
(7)前前記最外層の表面処理皮膜を除く少なくとも1層の表面処理皮膜は、さらに、(I)ジルコニウム化合物および/またはシランカップリング剤を含有する、上記(7)のクロムフリー表面処理鋼板。
(8)銅製品に近接する製品に使用するための上記(1)〜(7)のクロムフリー表面処理鋼板であって、前記最外層の表面処理皮膜が当該銅製品に向けられて使用されるクロムフリー表面処理鋼板。
(9)亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の少なくとも片面に最外層のクロムフリー表面処理皮膜を形成するための水系表面処理液であって、
(A)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる、ガラス転移温度が−10℃以上の、1種または2種以上の水溶性または水分散性樹脂、
(B)コロイド状シリカ、
(C)ジルコニウム化合物、および
(D)トリアゾール類およびテトラゾール類からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物、
を含有し、それぞれ成分(A)、(B)、(C)及び(D)の固形分含有量であるA、B、C、D(ただし、Cは成分(C)のZrO2換算含有量)が、質量比で以下の関係式を満足することを特徴とする、水系表面処理液:
B/A:0.080以上0.25以下、
C/A:0.050以上0.20以下、
D/(A+B+C+D):0.003以上0.13以下。
(10)処理液が、(E)固体潤滑剤、(F)バナジウム化合物、および(G)平均粒径が0.1μm以上かつ吸油量が50mg/L以上のシリカ、からなる群から選ばれる1種または2種以上の成分をさらに含有し、処理液中のそれぞれ成分(E)、(F)および(G)の固形分含有量であるE、F、G(ただし、Fは成分(F)のV25換算含有量)は、質量比で以下の関係式を満足する、前記(9)に記載の水系表面処理液:
E/(A+B+C+D):0.030以上0.23以下、
F/(A+B+C+D):0.005以上0.10以下、
G/(A+B+C+D):0.010以上0.29以下。
本発明の表面処理鋼板は、表面処理鋼板に求められる、耐食性・耐水性・密着性・耐ブロッキング性・摺動性・耐端面赤錆性・塗布液(表面処理液)安定性の点でも十分な性能を示す上、特に耐銅食性に優れるという特徴を有する。そのため、この表面処理鋼板は、屋外で使用されるエアコン室外機などの家電製品や屋根壁などの建材用途、特に、例えば、エアコン室外機、コージェネレーションユニット、自動販売機などの底板部材に適用した場合のように、銅配管といった銅を用いた部材の近傍に使用されたときに、良好な耐食性を維持して、赤錆発生を著しく抑制することができる。
本発明を以下により詳しく説明する。以下の説明において、%は特に指定しない限り質量%である。
<表面処理皮膜>
本発明の表面処理鋼板は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板を基材とし、この基材の少なくとも片面に1層以上のクロムを含まない表面処理皮膜を備えるクロムフリー表面処理鋼板である。本発明では、前記1層以上の表面処理皮膜のうち最外層の表面処理皮膜は、(A)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上の樹脂、(B)コロイド状シリカ、(C)ジルコニウム化合物、および(D)トリアゾール類およびテトラゾール類からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合を必須成分として含み、さらに任意成分として、(E)固体潤滑剤、(F)バナジウム化合物、および(G)平均粒径0.1μm以上、吸油量50mL/100g以上のシリカ、から選ばれた1種または2種以上の成分を含有しうる。
最外層の皮膜を規定するのは、表面に露出する最外層の皮膜が、銅に近接した時に、銅イオンを含む結露水と接触して銅食が起こるからである。最外層の皮膜が銅食に耐えれば、その下の皮膜は健全に保持される。
以下、上記各成分について順に説明する。以下の説明において、含有量の説明におけるA〜Gの各記号は、それぞれ成分(A)〜(G)の皮膜中での含有量(これは表面処理液中での全固形分に対する固形分含有量に相当する)を意味する。
(A)樹脂
最外層の表面処理皮膜のベース成分(A)は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、およびウレタン系樹脂から選んだ1種または2種以上とする。環境面では、表面処理液が水系処理液であることが好ましい。水系処理液とするために、ベース樹脂は、水溶性樹脂または水分散性樹脂(エマルジョン樹脂)であることが好ましい。
ベース樹脂の選定は、表面処理皮膜が用いられる用途により大きく左右される。一般に、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板や、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっき鋼板のような、めっき皮膜自体が固く、絞り等の成形を伴う場合や、屋外で耐候性が要求される用途では、アクリル樹脂系、またはアクリル樹脂にポリエステル樹脂および/もしくはウレタン樹脂をブレンドした系が好ましい。逆に、比較的めっきが軟らかい純亜鉛系めっきや、高加工用途で使用される場合では、ウレタン樹脂、またはウレタン樹脂にポリエステル樹脂および/もしくはアクリル樹脂をブレンドした系が好ましい。
これら樹脂のガラス転移点温度(Tg)としては、諸性能の観点から−10℃以上とする。Tgは好ましくは10℃以上であり、上限としては100℃以下、好ましくは60℃以下である。成分(A)が2種以上の樹脂の混合物である場合のTgは、各樹脂のTgのそれらの量的割合を加味した加重平均値とする。
樹脂のTgが−10℃未満であると、加工性に優れる代わりに、樹脂自体の水蒸気透過性が高く、耐食性に劣る傾向があり、かつ、実機ラインで塗装しコイル化した際に、塗膜同士が癒着するブロッキング現象が発生しやすくなる。樹脂のTgが100℃を超えると、形成された皮膜が固くなり、加工時に皮膜が割れやすく、かつ加工後の皮膜密着性が低下する傾向がある。
前述のようにアクリル系樹脂をベース樹脂の一部又は全部として使用する場合、そのアクリル系樹脂の一部または全部として、エマルジョン樹脂(水分散性樹脂)の乳化重合時にコロイド状シリカを添加して得られるシリカ変性アクリル系エマルジョン樹脂を使用することができる。コロイド状シリカをそのまま樹脂に添加するのではなく、重合時にコロイド状シリカを添加したシリカ変性アクリル系エマルジョン樹脂とすることにより、皮膜中のシリカ含有量が少量であっても(従って成形性や耐アルカリ性や塗布液安定性を低下させずに)、耐ブロッキング性を向上させることができる。
シリカ変性アクリル系樹脂の量は、より好ましくはアクリル系樹脂の全体の3質量%以上20質量%以下、特に好ましくは3質量%以上15質量%以下である。
シリカ変性アクリル系エマルジョン樹脂としては一般にシリカ成分が樹脂固形分の10〜50%程度のものが使用される。本発明では、シリカ変性アクリル系エマルジョン樹脂を使用する場合でも、便宜上、この樹脂の全量をアクリル系エマルジョン樹脂とみなす。
(B)コロイド状シリカ
コロイド状シリカ(B)は、表面処理鋼板の耐ブロッキング性を大きく改善する作用があり、さらに皮膜の耐食性を向上させる作用を示す。シリカとしては、皮膜の安定性と透明性を確保するために、コロイド粒径(平均一次粒子径が5〜100nm)のものが適している。使用するコロイド状シリカはコロイダルシリカ(湿式シリカ)と気相シリカ(乾式シリカ)のいずれでもよい。
なお、ベース樹脂成分(A)が上述したシリカ変性エマルジョン樹脂を含む場合には、この樹脂からコロイド状シリカが供給されるが、良好な耐ブロッキング性確保のために、樹脂成分から供給されるコロイド状シリカの量では不足するので、その場合であってもコロイド状シリカをさらに含有させる。
コロイド状シリカ(B)の含有量は、樹脂成分(A)に対する質量比(B/A)で0.080以上0.25以下とする。この比が0.080未満であると十分な効果が得られず、0.25以上であると、本発明に係る最外層の表面処理皮膜を形成するための表面処理液(以下、塗布液ともいう)の安定性が低下する。この質量比は好ましくは0.10以上0.20以下である。
(C)ジルコニウム化合物
ジルコニウム化合物(C)は、主として樹脂成分(A)の末端官能基(カルボキシル基)に作用して、皮膜形成過程で分散質をなす樹脂粒子同士を架橋するための架橋剤として機能し、皮膜性能を向上させると考えられる。ジルコニウム化合物の具体例としては、炭酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム等があげられる。
ジルコニウム化合物(C)の含有量は、樹脂成分(A)に対する質量比(C/A)で0.050以上0.20以下とする。ここで、ジルコニウム化合物の含有量はZrO換算量である。この比が0.050未満であると、樹脂成分(A)の樹脂分散質同士の架橋が不十分となり、良好な耐食性を有する表面処理皮膜が得られないとともに、表面処理鋼板の摺動性が低下する。この観点からより好ましいジルコニウム化合物(C)の含有量は、C/Aが0.10以上となる量である。逆にジルコニウム化合物(C)の含有量が、C/A比で0.20以上であると、表面処理皮膜の加工性が低下する。さらに、皮膜を形成するための塗布液の安定性も低下する。
(D)トリアゾール類、テトラゾール類
成分(D)のトリアゾール類、テトラゾール類は、表面処理鋼板の耐銅食性を大きく改善する作用があり、さらに皮膜の耐食性を向上させる作用も場合により示す。これらの作用は、トリアゾール類、テトラゾール類が近傍の銅部材から供給される銅イオンを捕捉して沈殿させることにより達成される。
成分(D)のトリアゾール類、テトラゾール類の具体例としては、1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール(慣用名:トリルトリアゾール)、4−メチルベンゾトリアゾール、1−メチルベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−5−カルボン酸、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチルトリアゾール、3−アミノ−5−エチルトリアゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、1−メチル−5−アミノテトラゾール、1−エチル−5−アミノテトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、1−(アミノエチル)テトラゾールなどが挙げられ、1種または2種以上を使用することができる。
耐銅食性改善に特に効果的なトリアゾール類、テトラゾール類としては、1,2,3−ベンゾトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、トリルトリアゾール、5−アミノ−1H−テトラゾールなどが挙げられる。
成分(D)の皮膜中における含有量は、成分(A)〜成分(D)の固形分質量の合計に対する成分(D)の質量比、すなわち、D/(A+B+C+D)の質量比が0.003以上0.13以下となる量とする。この質量比が0.003未満であると十分な効果が得られず、0.13以上であると本発明の皮膜を形成するための塗布液の安定性が低下し、皮膜密着性が劣化することもある。この質量比は好ましくは0.020以上0.11以下である。
(E)固体潤滑剤
本発明の表面処理鋼板における最外層の皮膜は、加工性(摺動性)を高めるために固体潤滑剤(E)をさらに含有することが好ましい。ただし、加工性をあまり必要としない用途に適用される場合には、固体潤滑剤を含有させる必要はない。固体潤滑剤としては、ワックス、フッ素樹脂粒子、金属石鹸等が挙げられるが、代表的なものはポリオレフィンワックスをはじめとするワックスである。固体潤滑剤の含有量や粒径は、用途、特に採用される成形条件に応じて、適切に選択されることが好ましい。たとえば次の通りである。
家電等の分野で行われるように、潤滑油塗布を省略してプレス成形する用途に表面処理鋼板を適用する場合には、成形条件が過酷なため、十分な潤滑性を確保するために、皮膜中の固体潤滑剤(E)の含有量は、固体潤滑剤がワックスの場合で、成分(A)〜成分(D)の固形分質量の合計に対する成分(E)の質量比、すなわち、E/(A+B+C+D)の質量比が0.03〜0.23となる量とすることが好ましく、この質量比はより好ましくは0.08〜0.23である。この場合、ワックスの粒径は、表面処理皮膜厚みに対して1/4程度以上と大きめであることが、プレス金型との摺動による型カジリが小さくなることから好ましい。
成形が主にロール成形により行われる用途に適用する場合には、E/(A+B+C+D)の質量比が0.03〜0.08の範囲となる比較的少なめの量で、固体潤滑剤(E)としてワックスを皮膜に含有させることによって、形成された表面処理皮膜が適度な潤滑性を持ち、たとえば、表面処理皮膜とその下のめっき層がロールに擦りとられて黒い筋状の外観を呈することが防止できる。この場合のワックスの粒径は、上記より小さくてもよい。
ワックスは、多すぎると本発明の皮膜を形成するための塗布液の安定性が低下し、また、耐候性が求められる場合に悪影響を及ぼす恐れがある。したがって、ワックス(より広義には固体潤滑剤)(E)の量は、各々用いる樹脂系あるいは膜厚において十分な摺動性が得られる範囲で少なめの添加量とすることが好ましい
(F)バナジウム化合物
本発明の皮膜は、さらにバナジウム化合物(F)を含有するのが好ましい。皮膜に含有させるのに適したバナジウム化合物の例としてバナジン酸アンモニウムが挙げられる。皮膜がバナジウム化合物を含有することによって表面処理鋼板の耐食性が向上する。この効果を得るには、バナジウム化合物(F)の含有量(V25換算量)を、成分(A)〜成分(D)の固形分質量の合計に対する成分(F)の質量比、すなわち、F/(A+B+C+D)の質量比が0.005以上となる量にすることが好ましい。
本発明の皮膜を形成するための水系塗布液中でのバナジウム化合物の水溶性は、クロム酸に比べると小さいため、その含有量が多すぎる塗布液安定性が低下する。そのため、バナジウム化合物(F)の含有量は、F/(A+B+C+D)の質量比が0.10以下、好ましくは0.06以下となる量にする。皮膜中のバナジウム化合物の含有量は、要求される耐食性および加工部の密着性に応じて決定すればよい。
(G)シリカ(平均粒径0.1μm以上かつ吸油量50mL/100g以上)
本発明の皮膜は、さらに平均粒径0.1μm以上かつ吸油量が50mL/100g以上のシリカ(G)を含有するのが好ましい。このような吸油量(JIS K5421に規定)を有するシリカは多孔質であるので、以下では成分(G)のシリカを多孔質シリカと称する。皮膜が多孔質シリカ成分(G)を含有することで、結露水や雨水のような低電気伝導度の水が、表面処理鋼板の切断により形成された端面(表面処理皮膜で被覆されていない)に付着した際に発生する赤錆を抑制することが可能とある。
この多孔質シリカが赤錆を抑制する現象について、詳細なメカニズムは不明だが、以下のメカニズムによって端面からの赤錆発生を抑制していると推定される。まず、端面付近に低電気伝導度の水が付着した際に、皮膜中のシリカがSiO3 2-の形で溶出する。溶出したSiO3 2-が鋼板表面と反応し、鋼板表面上でFeSiO3複合物を形成することで、赤錆の発生を抑制する。
理由は明確になっていないが、端面赤錆の防止効果は、平均粒径が0.1μm以上で、吸油量が50mL/100g以上、特に好ましくは吸油量が100mL/100g以上のシリカを皮膜に含有させた場合に顕著に認められる。
皮膜中の多孔質シリカの含有量は、成分(A)〜成分(D)の固形分質量の合計に対する成分(G)の質量比、すなわちG/(A+B+C+D)の質量比が、0.010以上0.29以下となる量とすることが好ましい。0.010未満であると十分な赤錆抑制効果が得られず、0.29以上になると皮膜自体の加工性、透明性が損なわれる。この質量比のより好ましい範囲は0.05以上0.15以下である。
最外層の表面処理皮膜には、前述した成分に加えて、表面処理鋼板の耐食性をさらに向上させる目的で、公知の防錆添加剤をさらに含有させてもよい。そのような防錆添加剤の例としては、リン酸(ポリリン酸塩を含み、またそれらの塩を含む)、メルカプト基を有する含窒素複素環化合物(例えば、メルカプトベンゾチアゾール、2,5−ジメルカプトチアジアゾール)等が挙げられる。含有量はこの種の成分に対する通常の範囲内とすることができる。
本発明の表面処理鋼板は、さらに好ましくは、表面処理皮膜を2層以上とし、最外層塗膜を除く少なくとも1層の表面処理皮膜を、必須成分として(H)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる、Tgが−10℃以上の1種もしくは2種以上の樹脂を含有し、任意成分として(I)ジルコニウム化合物および/またはおよびシランカップリング剤を含有する、片面あたりの皮膜付着量が0.3g/m2以上1.5g/m2未満の皮膜とする。典型的には、2層の表面処理皮膜を備え、内側の表面処理皮膜を前記の構造とする。このような2層(以上)の皮膜構造とすることで、耐銅食性をはじめとする各性能が向上する。この最外層以外の表面処理皮膜(以下では、内層皮膜と略記する)の成分について次に説明する。
(H)樹脂
内層皮膜のベース樹脂成分(H)は、最外層の表面処理皮膜のベース樹脂と同様に、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、およびウレタン系樹脂から選ばれた1種または2種以上とする。最外層皮膜との密着性を考慮すると、最外層皮膜のベース樹脂(成分(A))と同じ樹脂種とするのが好ましい。
(I)ジルコニウム化合物、シランカップリング剤
成分(I)のジルコニウム化合物とシランカップリング剤は、上述したジルコニウム化合物(C)と同様に、樹脂成分(H)の末端官能基(カルボキシル基)と作用することで、皮膜形成過程で分散状態にある樹脂粒子同士を架橋する作用を示す。ジルコニウム化合物としては、成分(C)について例示した化合物を使用することができる。シランカップリング剤は任意のものを使用できるが、中でも好ましいのは、樹脂(H)との反応性の官能基、例えばアミノ基、グリシドキシ基、メルカプト基、などを含有するシランカップリング剤である。
内層皮膜中の成分(I)の好ましい含有量は、樹脂(H)に対して5%以上20%以下である。この範囲とすることで、耐食性を確保できるとともに、皮膜成分が適度に架橋して、皮膜にクラックの生じにくい良好な加工性が得られる。
<表面処理液>
前述した最外層の表面処理皮膜を形成するには、各成分を処理液中の全固形分に対して所定の範囲内の固形分割合となる量で含有させた水系の表面処理液を調製し、必要により内層皮膜が形成されている基材鋼板の少なくとも片面に塗布し、乾燥すればよい。この水系の表面処理液は、当然ながら、クロムを含有しないクロムフリーのものである。なお、本発明において「クロムフリー」または「クロムを含有しない」とは、無水クロム酸(CrO3)としての含有量(塗布液の場合には塗布液中の全固形分に対する割合)が0.1%未満であることを意味する。この含有量は、より望ましくは0%である。
水系の表面処理液であることから、ベース樹脂成分(A)としては、水溶性または水分散性(エマルジョン)樹脂を用いる。好ましいのはエマルジョン樹脂である。以下に述べる樹脂成分(A)の量は固形分としての量である。
表面処理液は界面活性剤を含有していてもよい。表面処理皮膜にピンホールと呼ばれる微細な欠陥があると、耐食性の劣化を招くが、界面活性剤はピンホールの発生を防止するのに有効となることがある。界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤の量は、樹脂成分(A)100質量部に対して0.1〜5.0質量部の範囲が好ましい。
表面処理液は、上記成分以外に、樹脂塗料に使用可能な他の添加剤を含有することもできる。たとえば、着色顔料、染料なども、めっき表面の外観を損なわない程度に、場合によって添加することができる。また、皮膜の形成を促進させるための造膜助剤を含有してもよい。
表面処理皮膜の形成を連続めっきライン内の後処理工程として実施する場合には、乾燥/焼付け温度が最終到達板温(PMT)で70〜120℃という比較的低温に制限されることが多い。その場合、造膜助剤を含有するほうが、本発明の表面処理鋼板の性能発現に有効であると考えられる。造膜助剤としては、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等の親水性エーテル類、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル等の二塩基酸エステル類などが使用可能である。その配合量は、樹脂成分(A)100質量部に対して1〜10質量部の範囲が好ましい。
表面処理液は、エマルション状態または水溶液状態の樹脂成分(A)に残りの成分を、必要に応じて溶媒の水と共に添加し、混合することにより調製することができる。溶媒は通常は水だけであるが、少量の水混和性有機溶媒を併用することもできる。塗布液中の成分の合計固形分濃度は10〜35質量%程度が適当である。
<基材>
本発明の表面処理鋼板の基材は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板である。ここで、亜鉛系めっき鋼板とは、純亜鉛めっき鋼板と、亜鉛が主成分である亜鉛合金めっき皮膜を有する鋼板との総称である。同様に、アルミニウム系めっき鋼板も純アルミニウムめっき鋼板とアルミニウムが主成分であるアルミニウム合金めっき皮膜を有する鋼板との総称である。
亜鉛系めっき鋼板は、電気めっき、溶融めっき、気相めっきのいずれで製造したものでもよい。亜鉛系めっき鋼板の例としては、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、溶融5%Al−Zn合金めっき鋼板、溶融3%Mg−3%Al−Zn合金めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気Zn−Ni合金めっき鋼板などが挙げられる。
亜鉛系めっき鋼板のめっき付着量も特に限定されず、一般的な範囲内でよい。好ましくは、片面平均付着量で100g/m2以下である。この付着量は、より具体的には、電気めっきの場合には3〜50g/m2、溶融めっきの場合には20〜100g/m2とすることがより好ましい。めっき付着量が少なすぎると耐食性が低下し、多すぎると加工性が劣化する。
アルミニウム系めっき鋼板は一般に溶融めっきにより製造される。アルミニウム系めっき鋼板の例としては、溶融アルミニウムめっき鋼板および溶融55%Al−Zn合金めっき鋼板が例示される。めっき付着量は亜鉛の溶融めっきの場合と同様である。
めっき種の選定は、実際に使用する環境や、外面にみえる場合や意匠として使用する場合にはめっき外観を考慮して決定することが可能である。
鋼板の厚さは、用途によって決定されるものではあるが、あまり厚いと、端面から赤錆が発生しやすいと考えられる。塗装鋼板として通常用いられる2.0mm以下程度の厚みであれば問題はない。
<塗装方法>
本発明の水系表面処理液の基材めっき鋼板への塗布は、通常の手段(連続塗装ラインの場合には、ロールコータでの塗布やまたは塗布液をスプレー後にリンガーロールで絞ることによる塗布)で行うことができる。浸漬塗布も可能である。このようにして乾燥後に所定付着量の表面処理皮膜が形成されるように表面処理液を塗布した後、オーブンで乾燥(焼付け)を行えばよい。
<皮膜付着量>
皮膜の付着量(片面当たり)は、求められる性能(主として耐銅食性および耐食性)に応じて調整すればよい。最外層の付着量は、通常の用途であれば0.5g/m2以上、より耐食性が必要な場合は1.5g/m2以上とするのが好ましい。上限も、主として求められる性能とコストとの関係により決定されるが、付着量が厚すぎると、加工時に皮膜が剥がれやすくなり、耐ブロッキング性の面で不利になりやすい。そこで特に強加工を考慮すれば、付着量は5.0g/m2以下とし、好ましくは4.0g/m2以下である。
表面処理皮膜が2層以上である場合の内層の付着量は、1層当たり、0.3g/m2以上1.5g/m2未満とするのが好ましい。0.3g/m2未満では銅食抑制効果および耐食性向上効果が十分でなく、1.5g/m2以上であると加工時に皮膜が剥がれやすくなり、耐ブロッキング性の面でも不利になりやすい。
本発明では、基材めっき鋼板の片面または両面に前述した最外層の表面処理皮膜と、場合によりその前に少なくとも一層の内層の表面処理皮膜を形成する。通常は両面に同じ構成の表面処理皮膜を形成するが、組成または付着量が本発明の範囲内で互いに異なる構成の表面処理皮膜としてもよい。基材めっき鋼板の片面だけに本発明にしたがって表面処理皮膜を形成する場合、他面の表面処理については特に制限はない。一般的な亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき用の化成処理のみを施してもよく、あるいは本発明とは異なる少なくとも一層の表面処理皮膜を形成してもよい。
(塗布液の調製)
下記に示す(A)樹脂、(B)コロイダルシリカ、(C)ジルコニウム化合物、(D)トリアゾール類および/またはテトラゾール類、(E)固体潤滑剤、(F)バナジウム化合物、(G)多孔質シリカを表1に示す量で配合して、最外層用の水系塗布液を調製した。別に下記に示す(H)樹脂、(I)ジルコニウム化合物および/またはシランカップリング剤を表2に示す量で配合して、内層用の水系塗布液を調製した。なお、使用した樹脂はいずれも水分散性(エマルジョン)樹脂であった。
表1および表2において、樹脂成分(A)および(H)、ならびにコロイダルシリカ(B)における「部」はいずれも固形分としての質量部を意味する。成分(C)および(I)のジルコニウム化合物の量はZrO2換算量であり、成分(F)のバナジウム化合物の量はV25換算量である。また、各表において下線を引いた記号または数値は本発明の範囲外であることを意味する。
(A)最外層用の樹脂
A1:アクリル樹脂(日本合成化学工業製モビニール、Tg:30℃)、
A2:シリカ変性アクリル系樹脂 (中央理化工業製リカボンド、SiO2:20%、Tg:34℃)、
U1:ウレタン樹脂(第一工業製薬製スーパーフレックス、Tg:−10℃)、
U2:ウレタン樹脂(第一工業製薬製スーパーフレックス、Tg:−31℃)、
P1:ポリエステル樹脂(東洋紡績製バイロナール、Tg:20℃)。
(B)コロイダルシリカ
SK:コロイダルシリカ(日産化学工業製スノーテックスN、平均粒径10〜20nm)。
(C)ジルコニウム化合物
ZA:炭酸ジルコニウムアンモニウム(一般試薬)。
(D)トリアゾール類および/またはテトラゾール類
BTA:ベンゾトリアゾール(一般試薬)、
ATA:3−アミノトリアゾール(一般試薬)、
TTA:トリルトリアゾール(5−メチルベンゾトリアゾール)(一般試薬)。
ATE:アミノテトラゾール(一般試薬)。
(E)固体潤滑材
WA:ポリプロピレンワックス(軟化点142℃、平均粒径1.5μm)。
(F)バナジウム化合物
VA:バナジン酸アンモニウム(一般試薬)。
(G)多孔質シリカ
ST:多孔質シリカ、(富士シリシア化学製サイロマスク02番、平均粒径0.2〜0.3μm、吸油量100mL/100g)。
(H)内層用の樹脂
A1:アクリル樹脂(日本合成化学工業製モビニール、Tg:30℃)、
A3:アクリル樹脂(日本合成化学工業製モビニール、Tg:62℃)、
U1:ウレタン樹脂(第一工業製薬製スーパーフレックス、Tg:−10℃)、
U2:ウレタン樹脂(第一工業製薬製スーパーフレックス、Tg:−31℃)、
P1:ポリエステル樹脂(東洋紡績製バイロナール、Tg:20℃)。
(I)ジルコニウム化合物および/またはシランカップリング剤
ZA:炭酸ジルコニウムアンモニウム(一般試薬)。
SC:グリシドキシ基含有シランカップリング剤(チッソ製サイラエースS510)。
各水系塗布液の固形分濃度は、表1に示す最外層の塗布液が30質量%、表2に示す内層用塗布液が15質量%であった。ジルコニウム化合物(C)として用いた炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびバナジウム化合物(F)としてバナジン酸アンモニウムは、水にとかした水溶液として塗布液に添加した。成分(C)および(F)の量は、それぞれZrO2換算含有量およびV25換算含有量である。多孔質シリカ(G)はビーズミルにて水に分散させた水分散液として塗布液に添加した。塗布液の調合はマグネットスターラーで攪拌することにより行った。
(表面処理鋼板の作成)
基材として、下記のいずれかのめっき鋼板を150mm×300mmの大きさに切り出し、アルカリ脱脂液(日本パーカライジング製FCL4480)でスプレー脱脂し、その後水洗、乾燥したものを使用した:
AZ:0.6mm厚の溶融55%Al−Zn合金めっき鋼板(めっき付着量:片面あたり75g/m2)、
MZ:0.6mm厚の溶融3%Mg−3%Al−Zn合金めっき鋼板(めっき付着量:片面あたり75g/m2)。
この基材めっき鋼板の両面に試験用の各塗布液をバーコート法により塗布した。皮膜付着量はバーの番手により調整した。一部の例で形成した内層皮膜は、炉温250℃の熱風オーブンで7秒間焼き付けた。このときの鋼板の最高到達温度は約80℃であった。最外層皮膜は、炉温250℃の熱風オーブンで11秒間焼き付けた。このときの鋼板の最高到達温度は約100℃であった。焼き付け後に室温まで放冷して、最外層または内層+最外層の表面処理皮膜が両面に形成された表面処理鋼板を得た。
得られた各表面処理鋼板の試験片を用いて、下記に述べる方法で性能評価のための試験を実施した。試験結果を、皮膜構成(最外層と場合により用いた内層の形成に用いた塗布液記号とその付着量)とともに、表3にまとめて示す。耐銅食性は○以上、耐食性、耐水性、密着性、耐ブロッキング性、摺動性、塗布液安定性は△以上であれば合格である。
(性能評価)
耐銅食性:
銅化合物(塩基性炭酸銅II)の水溶液を銅化合物として5.0g/m2になる量で試験片の評価面に塗布した状態でJASO−M609に規定する複合サイクル腐食試験(35℃塩水噴霧2時間→60℃乾燥4時間→50℃湿潤(RH95%超)2時間の繰り返し)に120サイクル付し、赤錆発生までのサイクル数により下記基準で評価した:
◎:120サイクルまで赤錆なし、
○:90サイクル以上、120サイクル未満
△:45サイクル以上、90サイクル未満
×:45サイクル未満で赤錆発生。
耐食性:
JIS−K5621に規定する塩水噴霧試験240時間後における試験片表面の白錆面積率により下記基準で評価した:
◎:1%以下、○:1%超5%以下、△:5%超20%以下、×:20%超。
耐水性:
湿潤試験(温度50℃、RH95%超)240時間後における試験片表面の変化の有無により下記基準で評価した:
○:目視変化なし、△:軽度に黒変または白変、×:黒変または白変。
密着性:
評価面が外曲げとなるような曲げ試験(JIS−G331212.2.2に準拠)を行った後、曲げ部に対してポリエステルテープで剥離試験を行い、剥離の起こらない最小の曲げ厚み(板厚(T)の倍数)により下記基準で評価した:
◎:1T以下、○:2T〜3T、△:4T〜5T、×:6T以上。
耐ブロッキング性:
2枚の表面処理鋼板の試験片の評価面(表面処理面)同士を重ね合わせたものに2kgf/mm2の荷重をかけ、圧力をかける金型の温度を70℃に設定して18時間保持した。その後、鋼板同士の融着状態を以下の基準で評価した。◎が望ましい:
◎:融着せず、
○:軽度に融着するが、分離後の評価面に剥離痕が認められない、
△:融着し、分離後の評価面に剥離痕が認められる、
×:融着し、鋼板同士を簡単に分離することができない。
摺動性:
特開2003−136151号公報に記載のピンオンディスク試験法(回転ディスク上に被試験材を載置し、この被試験材に金属製のピン状試験具を押し付けながら被試験材をディスクと共に回転させて、ピンを1方向に摺動させる摺動摩擦試験法)に従って、防錆油を塗布した表面処理鋼板の摩擦係数を以下の条件で測定し、摩擦係数が0.2を超えるまでの周回数により下記基準で評価した。
試験条件
押し付け荷重:3kgf
試験具先端形状:球
試験具先端形状曲率:2.5mmR
試験具先端材質:SKD鋼
摺動速度:6300mm/min(100rpm)
摩擦係数μ:0.1秒毎計測した摩擦係数6個の測定値から算出した平均値の最大値
◎:500周以上、○:300〜499周、△:100〜299周、×:99周以下。
耐端面赤錆性:
イオン交換水を用いた浸漬試験240時間後における試験片と水の赤錆発生状態により下記基準で評価した。
試験片:40mm×10mm×10枚
試験溶液:イオン交換水、試験温度:40℃
◎:赤錆なし、○:軽微な赤錆、△:液に軽微な濁りあり、×:液に濁りあり。
塗布液安定性:
調合した最外層用の塗布液(表面処理液)200mlを密閉容器に入れて40℃に保持し、固化(ゲル化)の状況を1日毎(初期は数時間毎)に観察し、固化までの期間により下記基準で評価した:
◎:7日超、○:3〜7日、△:2〜3日、×:2日未満。
Figure 2013237874
Figure 2013237874
Figure 2013237874
表1〜表3において、下線は本発明の範囲外であることを示す。
表3に示すように、発明例の表面処理鋼板は、耐銅食性が良好で、耐食性・耐水性・密着性・ブロッキング性にも問題なかった。ワックスを含む実施例は、さらに摺動性にも優れていた。多孔質シリカを含む実施例は、さらに耐端面赤錆性にも優れていた。

Claims (10)

  1. 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の少なくとも片面に1層以上のクロムを含まない表面処理皮膜を備えるクロムフリー表面処理鋼板であって、前記1層以上の表面処理皮膜のうち最外層の表面処理皮膜は、
    (A)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる、ガラス転移温度が−10℃以上の1種または2種以上の樹脂、
    (B)コロイド状シリカ、
    (C)ジルコニウム化合物、および
    (D)トリアゾール類およびテトラゾール類からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物、
    を含有し、前記皮膜中におけるそれぞれ成分(A)、(B)、(C)及び(D)の含有量であるA、B、C、D(ただし、Cは成分(C)のZrO2換算含有量)は、質量比で以下の関係式を満足することを特徴とする、クロムフリー表面処理鋼板:
    B/A:0.080以上0.25以下、
    C/A:0.050以上0.20以下、
    D/(A+B+C+D):0.003以上0.13以下。
  2. 前記最外層の表面処理皮膜が、
    (E)固体潤滑剤、
    (F)バナジウム化合物、および
    (G)平均粒径が0.1μm以上かつ吸油量が50mg/L以上のシリカ、
    からなる群から選ばれる1種または2種以上の成分をさらに含有し、前記皮膜中におけるそれぞれ成分(E)、(F)および(G)の含有量であるE、F、G(ただし、Fは成分(F)のV25換算含有量)は、質量比で以下の関係式を満足する、請求項1記載のクロムフリー表面処理鋼板:
    E/(A+B+C+D):0.030以上0.23以下、
    F/(A+B+C+D):0.005以上0.10以下、
    G/(A+B+C+D):0.010以上0.29以下。
  3. 成分(A)の一部または全部がアクリル系樹脂であり、そのアクリル系樹脂の少なくとも一部が、水分散性アクリル系樹脂の乳化重合時にコロイド状シリカを添加して得られるシリカ変性水分散性アクリル系樹脂である、請求項1または2に記載のクロムフリー表面処理鋼板。
  4. 成分(D)が、ベンゾトリアゾール、3−アミノトリアゾール、トリルトリアゾール、およびアミノテトラゾールからなる群から選ばれる、請求項1〜3のいずれかに記載のクロムフリー表面処理鋼板。
  5. 前記クロムフリー表面処理皮膜の片面あたりの皮膜付着量が0.5g/m2以上5.0g/m2以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のクロムフリー表面処理鋼板。
  6. 前記表面処理皮膜が2層以上の表面処理皮膜からなり、前記最外層の表面処理皮膜を除く少なくとも1層の表面処理皮膜は、
    (H)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる、Tgが−10℃以上の1種もしくは2種以上の樹脂、
    を含有する、片面あたりの皮膜付着量が0.3g/m2以上1.5g/m2未満の皮膜である、請求項1〜5のいずれかに記載のクロムフリー表面処理鋼板。
  7. 前記最外層の表面処理皮膜を除く少なくとも1層の表面処理皮膜は、さらに
    (I)ジルコニウム化合物および/またはシランカップリング剤、
    を含有する、請求項6に記載のクロムフリー表面処理鋼板。
  8. 銅製品に近接する製品に使用するための請求項1〜7のいずれかに記載のクロムフリー表面処理鋼板であって、前記最外層の表面処理皮膜が当該銅製品に向けられて使用されるクロムフリー表面処理鋼板。
  9. 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の少なくとも片面に最外層のクロムフリー表面処理皮膜を形成するための水系表面処理液であって、
    (A)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群から選ばれる、ガラス転移温度が−10℃以上の1種または2種以上の水溶性又は水分散性樹脂、
    (B)コロイド状シリカ、
    (C)ジルコニウム化合物、および
    (D)トリアゾール類およびテトラゾール類からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物、
    を含有し、それぞれ成分(A)、(B)、(C)及び(D)の固形分含有量であるA、B、C、D(ただし、Cは成分(C)のZrO2換算含有量)が、質量比で以下の関係式を満足することを特徴とする、水系表面処理液:
    B/A:0.080以上0.25以下、
    C/A:0.050以上0.20以下、
    D/(A+B+C+D):0.003以上0.13以下。
  10. (E)固体潤滑剤、
    (F)バナジウム化合物、および
    (G)平均粒径が0.1μm以上かつ吸油量が50mg/L以上のシリカ、
    からなる群から選ばれる1種または2種以上の成分をさらに含有し、処理液中のそれぞれ成分(E)、(F)および(G)の固形分含有量であるE、F、G(ただし、Fは成分(F)のV25換算含有量)は、質量比で以下の関係式を満足する、請求項9に記載の水系表面処理液:
    E/(A+B+C+D):0.030以上0.23以下、
    F/(A+B+C+D):0.005以上0.10以下、
    G/(A+B+C+D):0.010以上0.29以下。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106148934A (zh) * 2016-08-27 2016-11-23 合肥普庆新材料科技有限公司 一种铜材钝化剂及其制备、应用
JP2017190512A (ja) * 2016-04-15 2017-10-19 信越化学工業株式会社 金属表面処理剤
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KR20240132348A (ko) 2022-03-04 2024-09-03 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 용융 Al-Zn계 도금 강판, 그의 제조 방법, 표면 처리 강판 및 도장 강판

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