JP2013237264A - ガスバリア性フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、高いガスバリア性、かつ後加工工程におけるガスバリア性の低下が少ないガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】
高分子基材の少なくとも片面に、以下の[A]層と[B]層と[C]層が順次積層されたガスバリア性フィルム。
[A]層:鉛筆硬度がH以上かつ表面自由エネルギーが45mN/m以下である第1の架橋樹脂層
[B]層:厚みが10〜1000nmの含ケイ素無機層
[C]層:鉛筆硬度がH以上かつ厚みが0.05〜10μmである第2の架橋樹脂層
【選択図】図1
本発明は、高いガスバリア性、かつ後加工工程におけるガスバリア性の低下が少ないガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】
高分子基材の少なくとも片面に、以下の[A]層と[B]層と[C]層が順次積層されたガスバリア性フィルム。
[A]層:鉛筆硬度がH以上かつ表面自由エネルギーが45mN/m以下である第1の架橋樹脂層
[B]層:厚みが10〜1000nmの含ケイ素無機層
[C]層:鉛筆硬度がH以上かつ厚みが0.05〜10μmである第2の架橋樹脂層
【選択図】図1
Description
本発明は、食品、医薬品などの包装用途や太陽電池、電子ペーパー、有機ELディスプレイ・照明などの電子デバイス用部材に使用されるガスバリア性フィルムに関するものである。
高分子基材の表面に、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法(PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(CVD法)等を利用して、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム等の無機物(無機酸化物を含む)を形成してなるガスバリア性フィルムは、水蒸気や酸素などの遮断を必要とする食品や医薬品などの包装材料、および太陽電池、電子ペーパー、有機ELディスプレイ・照明などの電子デバイス用部材として用いられている。
ガスバリア性向上技術としては、例えば、有機ケイ素化合物の蒸気と酸素を含有するガスを用いてプラズマCVD法により基材上に、ケイ素酸化物を主体とし、炭素、水素、ケイ素及び酸素を少なくとも1種類含有した化合物を形成することによって、透明性を維持しつつガスバリア性を向上させる方法が用いられている(特許文献1)。
一方、ガスバリア性フィルムを用いた後加工において、フィルム搬送や印刷、他部材との積層加工の際にガスバリア層にクラックや傷が発生することによりガスバリア性の低下が問題になる場合がある。この問題を改善する技術として、例えば、基材上に真空蒸着法により酸化アルミニウム、酸化ケイ素などの無機酸化物層を形成し、さらにその上にアクリレート基、メタクリレート基、ビニル基の少なくとも一つを含有するシランカップリング剤モノマーと、アクリレート基、メタクリレート基、ビニル基の少なくとも一つと水酸基を含有するモノマーを重合させたものからなるオーバーコート層を積層することにより後加工時のガスバリア性低下を抑制する方法が用いられている。(特許文献2)。
本発明は、従来技術では困難であった電子ペーパー、有機ELディスプレイ・照明用途などの使用に耐えうる高いガスバリア性と後加工時の搬送や積層加工などによるガスバリア性低下の抑制を両立させることを目的とする。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、
(1)高分子基材の少なくとも片面に、以下の[A]層と[B]層と[C]層がこの順で積層されたガスバリア性フィルム。
[A]層:鉛筆硬度がH以上かつ表面自由エネルギーが45mN/m以下である第1の架橋樹脂層
[B]層:厚みが10〜1000nmの含ケイ素無機層
[C]層:鉛筆硬度がH以上かつ厚みが0.05〜10μmである第2の架橋樹脂層
(2)前記[C]層の厚みが1〜5μmである前記(1)に記載のガスバリア性フィルム。
(3)前記[B]層が、亜鉛化合物とケイ素酸化物とを含む組成により構成されたものである前記(1)または(2)に記載のガスバリア性フィルム。
(4)前記[B]層が、以下の[B1]層と[B2]層のいずれかである前記(3)に記載のガスバリア性フィルム。
[B1]層:酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの共存相からなる層
[B2]層:硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相からなる層
(5)前記[B]層が[B1]層であり、該[B1]層が、ICP発光分光分析法により測定される亜鉛(Zn)原子濃度が20〜40atom%、ケイ素(Si)原子濃度が5〜20atom%、アルミニウム(Al)原子濃度が0.5〜5atom%、酸素(O)原子濃度が35〜70atom%である組成により構成されたものである前記(4)に記載のガスバリア性フィルム。
(6)前記[B]層が[B2]層であり、該[B2]層は、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の合計に対する硫化亜鉛のモル分率が0.7〜0.9である組成により構成されたものである前記(4)に記載のガスバリア性フィルム。
(7)前記[A]層の平均表面粗さRaが1.5nm以下であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載のガスバリア性フィルムを有する太陽電池。
(9)前記(1)〜(7)のいずれかに記載のガスバリア性フィルムを有する表示体素子。
(1)高分子基材の少なくとも片面に、以下の[A]層と[B]層と[C]層がこの順で積層されたガスバリア性フィルム。
[A]層:鉛筆硬度がH以上かつ表面自由エネルギーが45mN/m以下である第1の架橋樹脂層
[B]層:厚みが10〜1000nmの含ケイ素無機層
[C]層:鉛筆硬度がH以上かつ厚みが0.05〜10μmである第2の架橋樹脂層
(2)前記[C]層の厚みが1〜5μmである前記(1)に記載のガスバリア性フィルム。
(3)前記[B]層が、亜鉛化合物とケイ素酸化物とを含む組成により構成されたものである前記(1)または(2)に記載のガスバリア性フィルム。
(4)前記[B]層が、以下の[B1]層と[B2]層のいずれかである前記(3)に記載のガスバリア性フィルム。
[B1]層:酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの共存相からなる層
[B2]層:硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相からなる層
(5)前記[B]層が[B1]層であり、該[B1]層が、ICP発光分光分析法により測定される亜鉛(Zn)原子濃度が20〜40atom%、ケイ素(Si)原子濃度が5〜20atom%、アルミニウム(Al)原子濃度が0.5〜5atom%、酸素(O)原子濃度が35〜70atom%である組成により構成されたものである前記(4)に記載のガスバリア性フィルム。
(6)前記[B]層が[B2]層であり、該[B2]層は、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の合計に対する硫化亜鉛のモル分率が0.7〜0.9である組成により構成されたものである前記(4)に記載のガスバリア性フィルム。
(7)前記[A]層の平均表面粗さRaが1.5nm以下であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載のガスバリア性フィルムを有する太陽電池。
(9)前記(1)〜(7)のいずれかに記載のガスバリア性フィルムを有する表示体素子。
水蒸気、酸素などに対する高いガスバリア性と搬送、他部材との積層などの後加工によるガスバリア性低下の小さいガスバリア性フィルムを提供することができる。
本発明者らは、電子ペーパー、有機ELディスプレイ・照明用途などの使用に耐えうる高いガスバリア性と後加工時のフィルム搬送や他部材との積層加工などによるガスバリア性低下の抑制を両立させることを目的として鋭意検討を重ね、高分子基材の少なくとも片面に、特定の鉛筆硬度と表面自由エネルギーを有する第1の架橋樹脂層と特定の厚みの含ケイ素無機層、さらに特定の鉛筆硬度と厚みを有する第2の架橋樹脂層をこの順で配置することにより、前記課題を一挙に解決することを究明したものである。
図1は、本発明のガスバリア性フィルムの一例を示す断面図である。本例は、高分子基材1の片面に、[A]層2として鉛筆硬度がH以上かつ表面自由エネルギーが45mN/m以下である第1の架橋樹脂層と[B]層3として厚み10〜1000nmの含ケイ素無機層と[C]層4として鉛筆硬度がH以上かつ厚みが0.05〜10μmである第2の架橋樹脂層をこの順で積層したものであるが、[A]層2から[C]層4を同様の順序でもう一方の面に配してもよい。
[高分子基材]
本発明に用いられる高分子基材は、フィルム形態を有していれば素材は特に限定されないが、ガスバリア性フィルムに必要な柔軟性を有することから、有機高分子であることが好ましい。本発明に好適に用いることができる有機高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール等の各種ポリマーなどを挙げることができる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートを含むことが好ましい。また、前記有機高分子は、単独重合体、共重合体のいずれでもよいし、1種類の有機高分子を用いてもよいし、複数種類の有機高分子をブレンドして用いてもよい。
本発明に用いられる高分子基材は、フィルム形態を有していれば素材は特に限定されないが、ガスバリア性フィルムに必要な柔軟性を有することから、有機高分子であることが好ましい。本発明に好適に用いることができる有機高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール等の各種ポリマーなどを挙げることができる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートを含むことが好ましい。また、前記有機高分子は、単独重合体、共重合体のいずれでもよいし、1種類の有機高分子を用いてもよいし、複数種類の有機高分子をブレンドして用いてもよい。
高分子基材の形態としてはとして、単層フィルム、あるいは、2層以上の、例えば、共押し出し法で製膜したフィルムであってもよい。フィルムの種類としては、一軸方向あるいは二軸方向に延伸されたフィルム等を使用してもよい。第1の架橋樹脂層を形成する高分子基材表面には、密着性を良くするために、コロナ処理、イオンボンバード処理、溶剤処理、粗面化処理、および、有機物または無機物あるいはそれらの混合物で構成されるアンカーコート層の形成処理、といった前処理が施されていても構わない。また、[A]層から[C]層を高分子基材の片面に配した構成の場合には、高分子基材の[A]層から[C]層を形成する側の反対側の面には、フィルムの巻き取り時の滑り性の向上を目的として、有機物や無機物あるいはこれらの混合物のコーティング層が配されていても構わない。
本発明に使用する高分子基材の厚さは特に限定されないが、柔軟性を確保する観点から500μm以下が好ましく、引張りや衝撃に対する強度を確保する観点から5μm以上が好ましい。さらに、フィルムの加工やハンドリングの容易性から下限は10μm以上が、上限は200μm以下がより好ましい。
[A]層
鉛筆硬度がH以上かつ表面自由エネルギーが45mN/m以下である第1の架橋樹脂層(以降、「[A]層」と記す場合もある)について詳細を説明する。
鉛筆硬度がH以上かつ表面自由エネルギーが45mN/m以下である第1の架橋樹脂層(以降、「[A]層」と記す場合もある)について詳細を説明する。
高分子基材の少なくとも片面に、[A]層を形成し、[A]層の上に含ケイ素無機層である[B]層を積層することにより、飛躍的なガスバリア性の向上並びに安定したガスバリア性の発現が可能となることを見出した。
本発明に用いる[A]層の厚みは、0.5μm以上、10μm以下が好ましい。層の厚みが0.5μmより薄くなると、高分子基材の凹凸の影響を受けて、[B]層の膜質が均一にならないため、ガスバリア性が低下する場合がある。層の厚みが10μmより厚くなると、[A]層の層内に残留する応力が大きくなることによって高分子基材が反り、[B]層にクラックが発生するため、ガスバリア性が低下する場合がある。さらに、フレキシブル性を確保する観点から1μm以上、5μm以下がより好ましい。
[A]層の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察画像から測定することが可能である。
本発明において[A]層の鉛筆硬度が、安定したガスバリア性の発現に対して寄与するメカニズムは、明らかではないが、[A]層の鉛筆硬度を特定の硬度以上とすることによって、高分子基材に耐熱性及び寸法安定性を付与することができるため、含ケイ素無機層を形成する際、プラズマの発光熱やイオン、ラジカルの衝突による損傷を防止することができ、結果としてガスバリア性の再現性が安定することにあると推測している。かかる効果を奏する[A]層の鉛筆硬度はH以上であり、2H以上であることが好ましい。一方、[A]層の鉛筆硬度が、5Hを超えると、柔軟性が低下するため、含ケイ素無機層形成後のハンドリングや後加工において、クラックによるガスバリア性の低下の原因となるとなる場合があるので、5H以下であることが好ましい。(鉛筆硬度は、(軟)10B〜B、HB、F、H〜9H(硬)であり、前記序列のより右側のものが硬度が高いことを示している)。
[A]層の鉛筆硬度試験は、JIS K5600(1999)に準じて実施する。異なる硬度の鉛筆を用い、0.5kg荷重下で試験を実施し、傷の有無によって判定する。
また、本発明において[A]層の表面自由エネルギーが、ガスバリア性を向上させることに対する寄与するメカニズムは、明らかではないが、表面自由エネルギーを特定値以下とすることによって、[B]層を形成する際の含ケイ素無機化合物の初期成長過程において、膜の成長核となる原子や粒子が表面移動、拡散し易くなるため、[B]層付近の膜質か緻密化し、結果として、層全体が緻密な構造に改善され、水蒸気および酸素の透過が抑制されることにあると推測している。かかる効果を奏する[A]層の表面自由エネルギーは、45mN/m以下であり、40mN/m以下であることが好ましい。
本発明における[A]層の表面自由エネルギーは、各成分(分散力、極性力、水素結合力)が既知の4種類の測定液(水、ホルムアミド、エチレングリコール、ヨウ化メチレン)を用いて、各測定液の接触角を測定し、拡張Fowkes式とYoungの式より導入される下記式(1)を用いて各成分を計算できる。
なお、[A]層表面に[B]層、および[C]層が積層されている場合は、[B]層、および[C]層をイオンエッチングや薬液処理等により除去した後、上述した測定方法を行うことで鉛筆硬度や表面自由エネルギーを評価することができる。
本発明における[A]層の表面(ガスバリア性フィルムにおいては[B]層との境界面)の平均表面粗さRaを1.5nm以下にすると積層する[B]層のピンホールやクラックの発生をより低減できるので、ガスバリア性の繰り返し再現性が向上するため好ましい。[A]層の表面の平均表面粗さRaが1.5nmより大きくなると、凸部においては、[B]層の積層後にピンホールが発生し易くなり、さらに凹凸が多い部分ではクラックが発生するため、ガスバリア性の繰り返し再現性が低下する原因となる場合がある。折り曲げ時のマイクロクラックなどの微細な欠陥の発生を抑制し、柔軟性を向上させる観点から[A]層の表面の平均表面粗さRaを1nm以下にすることがさらに好ましい。
本発明における[A]層の平均表面粗さRaは、原子間力顕微鏡を用いて測定することができる。なお、[A]層表面に無機層や樹脂層が積層されている場合、X線反射率法(「X線反射率入門」(桜井健次編集)講談社p.51〜78、2009年)を使用して得られた値を[A]層の平均表面粗さRaとする。
本発明に用いられる[A]層の材料としては、鉛筆硬度がH以上かつ表面自由エネルギーが45mN/m以下となるものであれば、特に限定されず種々の架橋樹脂を使用することができる。ここでいう架橋樹脂とは、架橋点を数平均分子量20000あたりに1点以上有するものと定義する。本発明における第1の架橋樹脂層に適用できる架橋樹脂の例としては、アクリル系、ウレタン系、有機シリケート化合物、シリコーン系などの架橋樹脂が挙げられる。これらの中でも、プラズマ熱の耐久性および鉛筆硬度の観点から、熱硬化型のアクリル系樹脂および/または活性線硬化型のアクリル系樹脂を架橋樹脂として用いることが好ましい。
熱硬化型のアクリル系樹脂および/または活性線硬化型のアクリル系樹脂とは、多官能アクリレートとアクリルオリゴマーおよび/または反応性希釈剤を含むものであり、その他必要に応じて光開始剤、光増感剤、熱重合開始剤あるいは改質剤などが添加されていてもよい。
上述したアクリル系樹脂に好適に用いられる多官能アクリレートとは1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物をいう。かかる化合物の例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能アクリレートは、1種または2種以上を混合して使用することができる。また、本発明において、多官能アクリレートには、多官能アクリレートの変性ポリマーも含むものとする。
アクリルオリゴマーとは、数平均分子量が、100〜5000であって、分子内に少なくとも1つの反応性のアクリル基が結合されたものである。骨格としてはポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエポキシ系樹脂、ポリエーテル系樹脂などが挙げられる。また、前記の骨格にはメラミンやイソシアヌール酸などの剛直な骨格のものであってもよい。
反応性希釈剤とは、塗布剤の媒体として塗布工程での溶剤の機能を担うと共に、それ自体が一官能性あるいは多官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となるものである。
また、特に、紫外線による架橋の場合には、光エネルギーが小さいため、光エネルギーの変換や反応の促進のため、光重合開始剤および/または光増感剤を添加することが好ましい。光重合開始剤、光増感剤の詳細は後述する。
本発明に用いられる[A]層の材料の配合における多官能アクリレートの使用割合は、鉛筆硬度をH以上とする観点から、[A]層の総量に対して20〜90質量%が好ましく、より好ましくは40〜70質量%である。かかる割合が90質量%より大きくなると、硬化収縮が大きく高分子基材が反る場合があり、そのような場合には含ケイ素無機層にクラックが発生し、ガスバリア性が低下するなどの問題が生じる場合がある。また、単量体の割合が20質量%より小さくなると、基材と[A]層との密着強度が低下し、剥離するなどの問題が発生する場合がある。
本発明における[A]層を架橋させる方法として、光による硬化を適用する場合、光重合開始剤を加えることが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2, 2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物などが挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、重合性組成物100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、重合時の未反応物として残存し、ガスバリア性に影響が少ない範囲として、0.05〜5質量部が好ましい。
本発明に用いられる[A]層の第1の架橋樹脂層を形成する樹脂を含有する塗液(以降「[A]層形成塗液」と記すこともある)には、塗工時の作業性の向上、塗工膜厚の制御を目的として、本発明の効果が損なわれない範囲において、有機溶剤を配合することが好ましい。有機溶剤を配合する好ましい範囲としては10質量%以上、90質量%以下、より好ましくは20質量%以上、80質量%以下である。
有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、トルエンなどの芳香族系溶剤などを用いることができる。これらの溶剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明に用いられる[A]層を形成する樹脂を含有する塗液には、[B]層との密着性の向上を目的として、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛等の無機粒子を配合することが好ましい。これらの中でも含ケイ素無機層と強く密着するシリカ系無機粒子が好ましく、シラン化合物などで加水分解して得られるシリカ系無機粒子がさらに好ましい。無機粒子を配合する好ましい範囲としては、0.1質量%以上30質量%以下、より好ましくは、0.5質量%以上、10質量%以下である。
[A]層形成塗液には、本発明の効果が損なわれない範囲で、各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤、帯電防止剤などを用いることができる。
本発明に用いられる[A]層の表面自由エネルギーを45mN/m以下とする方法としては、[A]層と[B]層との密着性やガスバリア性が低下しない範囲で、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどの表面張力が低いシリコーンを添加したり、親油性であるnーステアリルアクリレートなどの長鎖のアルキル基をもつモノマーを添加する方法が挙げられる。
[A]層を形成する樹脂からなる塗液の塗布手段としては、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法などを用いることができる。中でも、[A]層の好ましい厚みである0.5μm以上、10μm以下の塗工に好適な手法として、グラビアコート法が好ましい。
[A]層を構成する架橋樹脂として活性線硬化型のアクリル樹脂を用いる場合、架橋させる際に用いられる活性線としては、紫外線、電子線、放射線(α線、β線、γ線)などが挙げられるが、実用上簡便に用いることができることから紫外線が好ましい。また、[A]層を構成する架橋樹脂として熱硬化型のアクリル樹脂を用いる場合架橋させる際に用いられる熱源としては、スチームヒーター、電気ヒーター、赤外線ヒーターなどがあるが、温度制御の安定性の観点から赤外線ヒーターが好ましい。
[B]層
厚みが10〜1000nmの含ケイ素無機層(以降「[B]層」と記すこともある)について詳細を説明する。含ケイ素無機層は、いわゆるガスバリア性の層として知られているものである。本発明において[B]層は、[A]層である鉛筆硬度がH以上かつ表面自由エネルギーが45mN/m以下である第1の架橋樹脂層の上に配置される。[A]層の上に[B]層を積層することにより、飛躍的にガスバリア性を向上させることが可能であることを見出した。
厚みが10〜1000nmの含ケイ素無機層(以降「[B]層」と記すこともある)について詳細を説明する。含ケイ素無機層は、いわゆるガスバリア性の層として知られているものである。本発明において[B]層は、[A]層である鉛筆硬度がH以上かつ表面自由エネルギーが45mN/m以下である第1の架橋樹脂層の上に配置される。[A]層の上に[B]層を積層することにより、飛躍的にガスバリア性を向上させることが可能であることを見出した。
本発明において[B]層に好適に用いられる材料としては、膜質が非晶質かつ緻密に形成でき、優れたガスバリア性を有する二酸化ケイ素が好ましい。なお、「二酸化ケイ素」を「SiO2」と記すこともある。また、二酸化ケイ素(SiO2)は、生成時の条件によって、前記組成式のケイ素と酸素の組成比率から若干ずれたもの(SiO〜SiO2)が生成することがあるが、本明細書においては二酸化ケイ素あるいはSiO2と表記することとする。
前記[A]層の上に[B]層を積層することにより、本発明の効果が得られる理由としては次のように考えている。すなわち、[A]層は鉛筆硬度がH以上である第1の架橋樹脂層であるため、高分子基材の耐熱性および熱寸法性が向上する。そして、かかる[A]層の上に二酸化ケイ素の層を形成することにより、高分子基材の上に直接二酸化ケイ素の層を形成するのに比較して、二酸化ケイ素の層を形成する際のプラズマのイオンおよびラジカルによる高分子基材の損傷を防止できるので、安定して緻密な二酸化ケイ素層を形成できる。さらに、[A]層の表面自由エネルギーが45mN/m以下の範囲であるため、高分子基材表面における二酸化ケイ素層のスパッタ粒子が表面拡散し易くなり、従来よりも高分子基材表面付近の膜質が微細化し緻密になるため、ガスバリア性を向上できるものと推測している。
[B]層は、ケイ素酸化物を含んでいれば、Zn、Al、Ti、Zr、Sn、In、Nb、Mo、Ta等の元素の酸化物、窒化物、硫化物、または、それらの混合物を含んでいてもよい。中でも、亜鉛化合物とケイ素酸化物とを含む組成により構成されたものであることが好ましい。かかる組成により構成されるもののうち、とりわけ高いガスバリア性が得られるものとして、酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層(以降「[B1]層」と記すこともある)または[B2]硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相からなる層(以降「[B2]層」と記すこともある)が好適に用いられる。(なお、[B1]層と[B2]層のそれぞれの詳細説明は後述する。)
本発明に使用する[B]層の厚みは、ガスバリア性を発現する層の厚みとして10nm以上、1000nm以下である。層の厚みが10nmより薄くなると、十分にガスバリア性が確保できない箇所が発生し、高分子基材面内でガスバリア性がばらつくなどの問題が生じる場合がある。また、層の厚みが1000nmより厚くなると、層内に残留する応力が大きくなるため、曲げや外部からの衝撃によって[B]層にクラックが発生しやすくなり、使用に伴いガスバリア性が低下する場合がある。柔軟性を確保する観点から100nm以上、500nm以下が好ましい。[B]層の厚みは、通常は透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定することが可能である。
本発明に使用する[B]層の厚みは、ガスバリア性を発現する層の厚みとして10nm以上、1000nm以下である。層の厚みが10nmより薄くなると、十分にガスバリア性が確保できない箇所が発生し、高分子基材面内でガスバリア性がばらつくなどの問題が生じる場合がある。また、層の厚みが1000nmより厚くなると、層内に残留する応力が大きくなるため、曲げや外部からの衝撃によって[B]層にクラックが発生しやすくなり、使用に伴いガスバリア性が低下する場合がある。柔軟性を確保する観点から100nm以上、500nm以下が好ましい。[B]層の厚みは、通常は透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定することが可能である。
[B]層を形成する方法は特に限定されず、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法等によって形成することができる。これらの方法の中でも、簡便かつ安価に[B]層を形成可能な方法として、スパッタリング法が好ましい。
[B1]層
次に、本発明における含ケイ素無機層として好適に用いられる[B1]層として、酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層について詳細を説明する。なお、「酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相」を「ZnO−SiO2−Al2O3」と記すこともある。また、二酸化ケイ素(SiO2)ついてケイ素と酸素の組成比率からの若干のずれにかかわらず二酸化ケイ素あるいはSiO2と表記することとする旨先に述べたが、酸化亜鉛、酸化アルミニウムについてもかかる組成比の化学式からのずれに関しては、同様の扱いとする。すなわち、それぞれ、本明細書においては、生成時の条件に依存する組成比のずれに関わらず、酸化亜鉛またはZnO、酸化アルミニウムまたはAl2O3と表記することとする。
次に、本発明における含ケイ素無機層として好適に用いられる[B1]層として、酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層について詳細を説明する。なお、「酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相」を「ZnO−SiO2−Al2O3」と記すこともある。また、二酸化ケイ素(SiO2)ついてケイ素と酸素の組成比率からの若干のずれにかかわらず二酸化ケイ素あるいはSiO2と表記することとする旨先に述べたが、酸化亜鉛、酸化アルミニウムについてもかかる組成比の化学式からのずれに関しては、同様の扱いとする。すなわち、それぞれ、本明細書においては、生成時の条件に依存する組成比のずれに関わらず、酸化亜鉛またはZnO、酸化アルミニウムまたはAl2O3と表記することとする。
本発明のガスバリア性フィルムにおいて[B1]層を適用することによりガスバリア性が良好となる理由は、酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相においては酸化亜鉛に含まれる結晶質成分と二酸化ケイ素の非晶質成分とを共存させることによって、微結晶を生成しやすい酸化亜鉛の結晶成長が抑制され粒子径が小さくなるため層が緻密化し、酸素および水蒸気の透過が抑制されるためと推測している。
また、酸化アルミニウムを共存させることによって、酸化亜鉛と二酸化ケイ素を共存させる場合に比べて、より結晶成長を抑制することができるため、クラックの生成に起因するガスバリア性低下が抑制できるものと考えられる。
[B1]層の組成は、後述するようにICP発光分光分析法により測定することができる。ICP発光分光分析法により測定されるZn原子濃度は20〜40atom%、Si原子濃度は5〜20atom%、Al原子濃度は0.5〜5atom%、O原子濃度は35〜70atom%であることが好ましい。Zn原子濃度が40atom%より大きくなる、またはSi原子濃度が5atom%より小さくなると、酸化亜鉛の結晶成長を抑制する酸化物が不足するため、空隙部分や欠陥部分が増加し、十分なガスバリア性が得られない場合がある。Zn原子濃度が20atom%より小さくなる、またはSi原子濃度が20atom%より大きくなると、層内部の二酸化ケイ素の非晶質成分が増加して層の柔軟性が低下する場合がある。また、Al原子濃度が5atom%より大きくなると、酸化亜鉛と二酸化ケイ素の親和性が過剰に高くなるため膜の鉛筆硬度が上昇し、熱や外部からの応力に対してクラックが生じやすくなる場合がある。Al原子濃度が0.5atom%より小さくなると、酸化亜鉛と二酸化ケイ素の親和性が不十分となり、層を形成する粒子間の結合力が向上できずに柔軟性が低下する場合がある。また、O原子濃度が70atom%より大きくなると、[A]層内の欠陥量が増加するため、所定のガスバリア性が得られない場合がある。O原子濃度が35atom%より小さくなると、亜鉛、ケイ素、アルミニウムの酸化状態が不十分となり、結晶成長が抑制できず粒子径が大きくなるため、ガスバリア性が低下する場合がある。かかる観点から、Zn原子濃度が25〜35atom%、Si原子濃度が10〜15atom%、Al原子濃度が1〜3atom%、O原子濃度が50〜64atom%であることがより好ましい。
[B1]層に含まれる成分は酸化亜鉛および二酸化ケイ素および酸化アルミニウムが上記組成の範囲でかつ主成分であれば特に限定されず、例えば、Al、Ti、Zr、Sn、In、Nb、Mo、Ta、Pd等から形成された金属酸化物を含んでも構わない。ここで主成分とは、[B1]層の組成の60質量%以上であることを意味し、80質量%以上であれば好ましい。
[B1]層の組成は、層の形成時に使用した混合焼結材料と同等の組成で形成されるため、目的とする層の組成に合わせた組成の混合焼結材料を使用することで[B1]層の組成を調整することが可能である。
[B1]層の組成分析は、ICP発光分光分析法を使用して、亜鉛、ケイ素、アルミニウムの各元素を定量分析し、酸化亜鉛と二酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよび含有する無機酸化物の組成比を知ることができる。なお、酸素原子は亜鉛原子、ケイ素原子、アルミニウム原子が、それぞれ酸化亜鉛(ZnO)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)として存在すると仮定して算出する。ICP発光分光分析は、試料をアルゴンガスとともにプラズマ光源部に導入した際に発生する発光スペクトルから、多元素の同時計測が可能な分析手法であり、組成分析に適用することができる。
なお、[B1]層表面に[C]層が積層されている場合は、イオンエッチングや薬液処理により[C]層を除去した後、ICP発光分光分析することができる。
高分子基材上に[B1]層を形成する方法は特に限定されず、酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの混合焼結材料を使用して、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって形成することができる。酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの単体材料を使用する場合は、酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムをそれぞれ別の蒸着源またはスパッタ電極から同時に成膜し、所望の組成となるように混合させて形成することができる。これらの方法の中でも、本発明に使用する[B1]層の形成方法は、ガスバリア性と形成した層の組成再現性の観点から、混合焼結材料を使用したスパッタリング法がより好ましい。
[B2]層
次に、[B2]層として、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相からなる層について詳細を説明する。なお、「硫化亜鉛−二酸化ケイ素共存相」を、「ZnS−SiO2」と記すこともある。また、二酸化ケイ素(SiO2)ついてケイ素と酸素の組成比率からの若干のずれにかかわらず二酸化ケイ素あるいはSiO2と表記することとする旨先に述べたが、硫化亜鉛についてもかかる組成比の化学式からのずれに関しては、同様の扱いとする。すなわち、本明細書においては、生成時の条件に依存する組成比のずれに関わらず、硫化亜鉛またはZnSと表記することとする。
次に、[B2]層として、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相からなる層について詳細を説明する。なお、「硫化亜鉛−二酸化ケイ素共存相」を、「ZnS−SiO2」と記すこともある。また、二酸化ケイ素(SiO2)ついてケイ素と酸素の組成比率からの若干のずれにかかわらず二酸化ケイ素あるいはSiO2と表記することとする旨先に述べたが、硫化亜鉛についてもかかる組成比の化学式からのずれに関しては、同様の扱いとする。すなわち、本明細書においては、生成時の条件に依存する組成比のずれに関わらず、硫化亜鉛またはZnSと表記することとする。
本発明のガスバリア性フィルムにおいて[B2]層を適用することによりガスバリア性が良好となる理由は、硫化亜鉛−二酸化ケイ素共存相においては硫化亜鉛に含まれる結晶質成分と二酸化ケイ素の非晶質成分とを共存させることによって、微結晶を生成しやすい硫化亜鉛の結晶成長が抑制され粒子径が小さくなるため層が緻密化し、酸素および水蒸気の透過が抑制されるためと推測している。また、結晶成長が抑制された硫化亜鉛を含む硫化亜鉛−二酸化ケイ素共存相は、無機酸化物または金属酸化物だけで形成された層よりも柔軟性が優れることにより、熱や外部からの応力に対してクラックが生じにくいため、かかる[B2]層を適用することによりクラックの生成に起因するガスバリア性低下が抑制できたものと考えられる。
[B2]層の組成は、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の合計に対する硫化亜鉛のモル分率が0.7〜0.9であることが好ましい。硫化亜鉛と二酸化ケイ素の合計に対する硫化亜鉛のモル分率が0.9より大きくなると、硫化亜鉛の結晶成長を抑制する酸化物が不足するため、空隙部分や欠陥部分が増加し、所定のガスバリア性が得られない場合がある。また、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の合計に対する硫化亜鉛のモル分率が0.7より小さくなると、[B2]層内部の二酸化ケイ素の非晶質成分が増加して層の柔軟性が低下するため、機械的な曲げに対するガスバリア性フィルムの柔軟性が低下する場合がある。さらに好ましくは0.75〜0.85の範囲である。
[B2]層に含まれる成分は硫化亜鉛および二酸化ケイ素が上記組成の範囲でかつ主成分であれば特に限定されず、例えば、Al、Ti、Zr、Sn、In、Nb、Mo、Ta、Pd等の金属酸化物を含んでも構わない。ここで主成分とは、[B2]層の組成の60質量%以上であることを意味し、80質量%以上であれば好ましい。
[B2]層の組成は、層の形成時に使用した混合焼結材料と同等の組成で形成されるため、目的に合わせた組成の混合焼結材料を使用することで[B2]層の組成を調整することが可能である。
[B2]層の組成分析は、ICP発光分光分析により、まず亜鉛及びケイ素の組成比を求め、この値を基にラザフォード後方散乱法を使用して、各元素を定量分析し硫化亜鉛と二酸化ケイ素および含有する他の無機酸化物の組成比を知ることができる。ICP発光分光分析は、試料をアルゴンガスとともにプラズマ光源部に導入した際に発生する発光スペクトルから、多元素の同時計測が可能な分析手法であり、組成分析に適用することができる。また、ラザフォード後方散乱法は高電圧で加速させた荷電粒子を試料に照射し、そこから跳ね返る荷電粒子の数、エネルギーから元素の特定、定量を行い、各元素の組成比を知ることができる。なお、[B2]層は硫化物と酸化物の複合層であるため、硫黄と酸素の組成比分析が可能なラザフォード後方散乱法による分析を実施する。
なお、[B2]層表面に[C]層が積層されている場合は、イオンエッチングや薬液処理により[C]層を除去した後、ICP発光分光分析、およびラザフォード後方散乱法にて分析することができる。
透明高分子基材上に[B2]層を形成する方法は特に限定されず、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の混合焼結材料を使用して、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって形成することができる。硫化亜鉛と二酸化ケイ素の単体材料を使用する場合は、硫化亜鉛と二酸化ケイ素をそれぞれ別の蒸着源またはスパッタ電極から同時に成膜し、所望の組成となるように混合させて形成することができる。これらの方法の中でも、本発明に使用する[B2]層の形成方法は、ガスバリア性と形成した層の組成再現性の観点から、混合焼結材料を使用したスパッタリング法がより好ましい。
[C]層
鉛筆硬度がH以上かつ厚みが0.05〜10μmである第2の架橋樹脂層(以降、「[C]層」と記す場合もある)について詳細を説明する。[C]層を[B]層上に配することにより、後加工時における搬送や他部材との積層加工等によるガスバリア性の低下を抑制するとともに、後述する耐屈曲性試験のようなガスバリア性フィルムに対し繰り返しの曲げ動作を行った場合においても、ガスバリア性の低下を抑制できる効果を見い出した。具体的には、[B]層の表面保護層として機能するとともに、耐屈曲性などの試験においては、含ケイ素無機層[B]が高分子基材と[C]層に挟まれた構造にすることにより、ガスバリア性フィルムを曲げた際の引っ張り応力と圧縮応力をバランスさせることができ、結果として[B]層にかかる応力を低減できる効果によるものと推測している。
鉛筆硬度がH以上かつ厚みが0.05〜10μmである第2の架橋樹脂層(以降、「[C]層」と記す場合もある)について詳細を説明する。[C]層を[B]層上に配することにより、後加工時における搬送や他部材との積層加工等によるガスバリア性の低下を抑制するとともに、後述する耐屈曲性試験のようなガスバリア性フィルムに対し繰り返しの曲げ動作を行った場合においても、ガスバリア性の低下を抑制できる効果を見い出した。具体的には、[B]層の表面保護層として機能するとともに、耐屈曲性などの試験においては、含ケイ素無機層[B]が高分子基材と[C]層に挟まれた構造にすることにより、ガスバリア性フィルムを曲げた際の引っ張り応力と圧縮応力をバランスさせることができ、結果として[B]層にかかる応力を低減できる効果によるものと推測している。
[C]層の厚みは、0.05μm以上、10μm以下である。層の厚みが0.05μmより薄くなると、後加工によって受ける各種応力により、[B]層にクラックやキズが生じることにより、ガスバリア性が低下する場合がある。層の厚みが10μmより厚くなると、[A]層の層内に残留する応力が大きくなることによって高分子基材が反り、[B]層にクラックが発生するため、ガスバリア性が低下する場合がある。また、これらに伴い生産効率が低下する場合がある。フレキシブル性を確保する観点から[C]層の厚みは、1μm以上、5μm以下がより好ましい。[C]層の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察画像から測定することが可能である。
本発明において、安定したガスバリア性の発現が可能となる効果に対する[C]層の鉛筆硬度の寄与は、[C]層の鉛筆硬度をH以上とすることによって、後加工時に受ける各種応力に対する耐性が向上するものと推測している。従って、かかる[C]層の鉛筆硬度はH以上であり、2H以上が好ましい。一方、[C]層の鉛筆硬度は、5Hを超えると、柔軟性が低下するため、含ケイ素無機層形成後のハンドリングや後加工において、クラックによるガスバリア性の低下の原因となるとなる場合があるので、5H以下であることが好ましい。
[C]層の鉛筆硬度試験は、JIS K5600(1999)に準じて実施する。異なる硬度の鉛筆を用い、0.5kg荷重下で試験を実施し、傷の有無によって判定する。
本発明に用いられる[C]層の材料としては、鉛筆硬度がH以上かつ厚みが0.05μm〜10μmとなるものであれば、特に限定されず種々の架橋樹脂を使用することができる。具体的には[A]層と同様の架橋樹脂、および塗布手段を使用することができる。
[用途]
本発明のガスバリア性フィルムは、水蒸気や酸素などのガスバリア性に優れていることから、太陽電池や、有機ELディスプレイなどの表示体素子に用いることができる。例えば、有機薄膜太陽電池においては、発光層を片面、あるいは両面から本発明のガスバリア性フィルムで挟み込む構成にすることにより、発電性能の低下が小さい有機薄膜太陽電池を提供することができる。また、有機ELディスプレイにおいては、発光層を片面、あるいは両面から本発明のガスバリア性フィルムで挟み込む構成にすることにより発光特性の低下が小さい有機ELディスプレイを提供することができる。
本発明のガスバリア性フィルムは、水蒸気や酸素などのガスバリア性に優れていることから、太陽電池や、有機ELディスプレイなどの表示体素子に用いることができる。例えば、有機薄膜太陽電池においては、発光層を片面、あるいは両面から本発明のガスバリア性フィルムで挟み込む構成にすることにより、発電性能の低下が小さい有機薄膜太陽電池を提供することができる。また、有機ELディスプレイにおいては、発光層を片面、あるいは両面から本発明のガスバリア性フィルムで挟み込む構成にすることにより発光特性の低下が小さい有機ELディスプレイを提供することができる。
以下、本発明を実施例に基づき、具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
まず、各実施例および比較例における評価方法を説明する。評価n数は、特に断らない限り、n=5とし平均値を求めた。
まず、各実施例および比較例における評価方法を説明する。評価n数は、特に断らない限り、n=5とし平均値を求めた。
(1)層の厚み
断面観察用サンプルをマイクロサンプリングシステム(日立製FB−2000A)を使用してFIB法により(具体的には「高分子表面加工学」(岩森暁著)p.118〜119に記載の方法に基づいて)作製した。透過型電子顕微鏡(日立製H−9000UHRII)により、加速電圧300kVとして、観察用サンプルの断面を観察し、[A]層または[A’]層(以降、「第1層」と記す)、[B]層または[B’]層(以降、「第2層」と記す)、[C]層または[C’]層(以降、「第3層」と記す)の厚みを測定した。基材および第1層、第1層および第2層、第2層および第3層の界面は、透過型電子顕微鏡による断面観察写真によって判断した。
断面観察用サンプルをマイクロサンプリングシステム(日立製FB−2000A)を使用してFIB法により(具体的には「高分子表面加工学」(岩森暁著)p.118〜119に記載の方法に基づいて)作製した。透過型電子顕微鏡(日立製H−9000UHRII)により、加速電圧300kVとして、観察用サンプルの断面を観察し、[A]層または[A’]層(以降、「第1層」と記す)、[B]層または[B’]層(以降、「第2層」と記す)、[C]層または[C’]層(以降、「第3層」と記す)の厚みを測定した。基材および第1層、第1層および第2層、第2層および第3層の界面は、透過型電子顕微鏡による断面観察写真によって判断した。
(2)鉛筆硬度試験
第1層、および、第3層の表面の鉛筆硬度を、鉛筆硬度試験機HEIDON−14(新東科学(株))を用いて、JIS K5600−5−4(1999)に従い、n=1にて、鉛筆硬度を測定した。
第1層、および、第3層の表面の鉛筆硬度を、鉛筆硬度試験機HEIDON−14(新東科学(株))を用いて、JIS K5600−5−4(1999)に従い、n=1にて、鉛筆硬度を測定した。
(3)表面自由エネルギー
第1層の表面について、表面自由エネルギーおよびその各成分(分散力、極性力、水素結合力)が既知の4種類の測定液(水、ホルムアミド、エチレングリコール、ヨウ化メチレン)を用い、23℃の温度、相対湿度65%の条件下で接触角計CA−D型(協和界面科学(株)製)にて、各液体の積層膜上での接触角を測定した。測定には、5個の平均値を用いた。この値を、拡張Fowkes式とYoungの式より導入される下記式(1)を用いて各成分を計算した。
第1層の表面について、表面自由エネルギーおよびその各成分(分散力、極性力、水素結合力)が既知の4種類の測定液(水、ホルムアミド、エチレングリコール、ヨウ化メチレン)を用い、23℃の温度、相対湿度65%の条件下で接触角計CA−D型(協和界面科学(株)製)にて、各液体の積層膜上での接触角を測定した。測定には、5個の平均値を用いた。この値を、拡張Fowkes式とYoungの式より導入される下記式(1)を用いて各成分を計算した。
(4)平均表面粗さRa
原子間力顕微鏡を用いて、以下の条件で、第1層の表面について測定した。
システム:NanoScopeIII/MMAFM(デジタルインスツルメンツ社製)
スキャナ:AS−130(J−Scanner)
プローブ:NCH−W型、単結晶シリコン(ナノワールド社製)
走査モ−ド:タッピングモ−ド
走査範囲:10μm×10μm
走査速度:0.5Hz
測定環境:温度23℃、相対湿度65%、大気中。
原子間力顕微鏡を用いて、以下の条件で、第1層の表面について測定した。
システム:NanoScopeIII/MMAFM(デジタルインスツルメンツ社製)
スキャナ:AS−130(J−Scanner)
プローブ:NCH−W型、単結晶シリコン(ナノワールド社製)
走査モ−ド:タッピングモ−ド
走査範囲:10μm×10μm
走査速度:0.5Hz
測定環境:温度23℃、相対湿度65%、大気中。
(5)水蒸気透過率(g/(m2・24h))
温度40℃、相対湿度90%、測定面積50cm2の条件で、英国、テクノロックス(Technolox)社製の水蒸気透過率測定装置(機種名:DELTAPERM(登録商標) )を使用して測定した。サンプル数は水準当たり2検体とし、測定回数は各検体について5回とし、得られた10点の平均値を水蒸気透過率(g/(m2・24h))とした。
(6)耐屈曲性
図3に示すとおり、ガスバリア性フィルムを100mm×140mmにサンプリングし、このサンプルの第1層から第3層(一部の層が省略されている場合も含む)が形成された面20の側の中央部に直径5mmの金属円柱19を固定し、この円柱に沿って、円柱の抱き角0°(サンプルが平面の状態)から、円柱への抱き角が180°(円柱で折り返した状態)となる範囲で、100回折り曲げ動作を行った後、(5)に示す方法で水蒸気透過率評価を行った。測定回数は各検体について5回とし、得られた10点の平均値を耐屈曲性試験後の水蒸気透過率とした。
温度40℃、相対湿度90%、測定面積50cm2の条件で、英国、テクノロックス(Technolox)社製の水蒸気透過率測定装置(機種名:DELTAPERM(登録商標) )を使用して測定した。サンプル数は水準当たり2検体とし、測定回数は各検体について5回とし、得られた10点の平均値を水蒸気透過率(g/(m2・24h))とした。
(6)耐屈曲性
図3に示すとおり、ガスバリア性フィルムを100mm×140mmにサンプリングし、このサンプルの第1層から第3層(一部の層が省略されている場合も含む)が形成された面20の側の中央部に直径5mmの金属円柱19を固定し、この円柱に沿って、円柱の抱き角0°(サンプルが平面の状態)から、円柱への抱き角が180°(円柱で折り返した状態)となる範囲で、100回折り曲げ動作を行った後、(5)に示す方法で水蒸気透過率評価を行った。測定回数は各検体について5回とし、得られた10点の平均値を耐屈曲性試験後の水蒸気透過率とした。
(7)[B1]層の組成
後述する[B1]層の組成の分析はICP発光分光分析(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、SPS4000)により行った。試料を、硝酸および硫酸で加熱分解し、希硝酸で加温溶解してろ別した。不溶解分は加熱灰化したのち、炭酸ナトリウムで融解し、希硝酸で溶解して、先のろ液とあわせて定容とした。この溶液について、亜鉛原子、ケイ素原子、アルミニウム原子の含有量を測定し、原子数比に換算した。なお、酸素原子は亜鉛原子、ケイ素原子、アルミニウム原子が、それぞれ酸化亜鉛(ZnO)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)として存在すると仮定して求めた計算値とした。
後述する[B1]層の組成の分析はICP発光分光分析(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、SPS4000)により行った。試料を、硝酸および硫酸で加熱分解し、希硝酸で加温溶解してろ別した。不溶解分は加熱灰化したのち、炭酸ナトリウムで融解し、希硝酸で溶解して、先のろ液とあわせて定容とした。この溶液について、亜鉛原子、ケイ素原子、アルミニウム原子の含有量を測定し、原子数比に換算した。なお、酸素原子は亜鉛原子、ケイ素原子、アルミニウム原子が、それぞれ酸化亜鉛(ZnO)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)として存在すると仮定して求めた計算値とした。
(8)[B2]層の組成
後述する[B2]層の組成の分析はICP発光分光分析(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、SPS4000)およびラザフォード後方散乱法(日新ハイボルテージ(株)製AN−2500)により行った。試料を、硝酸および硫酸で加熱分解し、希硝酸で加温溶解してろ別した。不溶解分は加熱灰化したのち、炭酸ナトリウムで融解し、希硝酸で溶解して、先のろ液とあわせて定容とした。この溶液について、亜鉛原子、ケイ素原子の含有量を測定した。次に、この値をもとにさらにラザフォード後方散乱法(日新ハイボルテージ(株)製AN−2500)を使用して、亜鉛原子、ケイ素原子、硫黄原子、酸素原子を定量分析し硫化亜鉛と二酸化ケイ素の組成比を求めた。
後述する[B2]層の組成の分析はICP発光分光分析(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、SPS4000)およびラザフォード後方散乱法(日新ハイボルテージ(株)製AN−2500)により行った。試料を、硝酸および硫酸で加熱分解し、希硝酸で加温溶解してろ別した。不溶解分は加熱灰化したのち、炭酸ナトリウムで融解し、希硝酸で溶解して、先のろ液とあわせて定容とした。この溶液について、亜鉛原子、ケイ素原子の含有量を測定した。次に、この値をもとにさらにラザフォード後方散乱法(日新ハイボルテージ(株)製AN−2500)を使用して、亜鉛原子、ケイ素原子、硫黄原子、酸素原子を定量分析し硫化亜鉛と二酸化ケイ素の組成比を求めた。
(9)[B’3]層の組成
X線光電子分光法(XPS法)を用いることにより、アルミニウム原子に対する酸素原子の原子数比(O/Al比率)を測定した。測定条件は下記の通りとした。
・装置:Quantera SXM (PHI社製)
・励起X線:monochromatic AlKα1,2
・X線径100μm ・光電子脱出角度:10°。
X線光電子分光法(XPS法)を用いることにより、アルミニウム原子に対する酸素原子の原子数比(O/Al比率)を測定した。測定条件は下記の通りとした。
・装置:Quantera SXM (PHI社製)
・励起X線:monochromatic AlKα1,2
・X線径100μm ・光電子脱出角度:10°。
[第2層の形成]
([B1]層)
図2に示す構造の巻き取り式のスパッタリング装置を使用し、酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムで形成された混合焼結材であるスパッタターゲットをスパッタ電極13に設置してアルゴンガスおよび酸素ガスによるスパッタリングを実施し、高分子基材5のスパッタ電極13側の面上(第1層が形成されている場合は第1層上、または、第1層を形成していない場合には高分子基材上)に[B1]層を設けた。([B1]層の材料を「B1」と記す)。
([B1]層)
図2に示す構造の巻き取り式のスパッタリング装置を使用し、酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムで形成された混合焼結材であるスパッタターゲットをスパッタ電極13に設置してアルゴンガスおよび酸素ガスによるスパッタリングを実施し、高分子基材5のスパッタ電極13側の面上(第1層が形成されている場合は第1層上、または、第1層を形成していない場合には高分子基材上)に[B1]層を設けた。([B1]層の材料を「B1」と記す)。
具体的な操作は以下のとおりである。まず、スパッタ電極13に酸化亜鉛/二酸化ケイ素/酸化アルミニウムの組成質量比が77/20/3で焼結されたスパッタターゲットを設置した巻き取り式スパッタリング装置6の巻き取り室7の中で、巻き出しロール8に前記高分子基材5を[B1]層を設ける側の面がスパッタ電極13に対向するようにセットし巻き出し、巻き出し側ガイドロール9,10,11を介して、クーリングドラム12に通した。減圧度2×10−1Paとなるように酸素ガス分圧10%としてアルゴンガスおよび酸素ガスを導入し、直流電源により投入電力4000Wを印加することにより、アルゴン・酸素ガスプラズマを発生させ、スパッタリングにより前記高分子基材5の表面上に[B1]層を形成した。厚みは、フィルム搬送速度により調整した。その後、巻き取り側ガイドロール14,15,16を介して巻き取りロール17に巻き取った。
([B2]層)
図2に示す構造の巻き取り式のスパッタリング装置を使用し、酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムで形成された混合焼結材であるスパッタターゲットをスパッタ電極13に設置してアルゴンガスおよび酸素ガスによるスパッタリングを実施し、高分子基材5のスパッタ電極13側の面上(第1層が形成されている場合は第1層上、または、第1層を形成していない場合には高分子基材上)に[B2]層を設けた。(本例にて設けた[B2]層の材料を「B2」と記す)。
図2に示す構造の巻き取り式のスパッタリング装置を使用し、酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムで形成された混合焼結材であるスパッタターゲットをスパッタ電極13に設置してアルゴンガスおよび酸素ガスによるスパッタリングを実施し、高分子基材5のスパッタ電極13側の面上(第1層が形成されている場合は第1層上、または、第1層を形成していない場合には高分子基材上)に[B2]層を設けた。(本例にて設けた[B2]層の材料を「B2」と記す)。
具体的な操作は以下のとおりである。まず、スパッタ電極13に硫化亜鉛/二酸化ケイ素のモル組成比が80/20で焼結されたスパッタターゲットを設置した巻き取り式スパッタリング装置6の巻き取り室7の中で、巻き出しロール8に前記高分子基材5を[B2]層を設ける側の面がスパッタ電極13に対向するようにセットし巻き出し、巻き出し側ガイドロール9,10,11を介して、クーリングドラム12に通した。減圧度2×10−1Paとなるようにアルゴンガスを導入し、高周波電源により投入電力500Wを印加することにより、アルゴンガスプラズマを発生させ、スパッタリングにより前記高分子基材5の表面上に[B2]層を形成した。厚みは、フィルム搬送速度により調整した。その後、巻き取り側ガイドロール14,15,16を介して巻き取りロール17に巻き取った。
([B’3]層:[B]層ではない第2層)
図2に示す構造の巻き取り式のスパッタリング装置を使用し、酸化アルミニウムの焼結材であるスパッタターゲットをスパッタ電極13に設置してアルゴンガスおよび酸素ガスによるスパッタリングを実施し、高分子基材5のスパッタ電極13側の面上(第1層が形成されている場合は第1層上、または、第1層を形成していない場合には高分子基材上)に、[B3]層([B]層ではない第2層)を設けた。(本例にて設けた[B’3]層の材料を「B’3」と記す)。
図2に示す構造の巻き取り式のスパッタリング装置を使用し、酸化アルミニウムの焼結材であるスパッタターゲットをスパッタ電極13に設置してアルゴンガスおよび酸素ガスによるスパッタリングを実施し、高分子基材5のスパッタ電極13側の面上(第1層が形成されている場合は第1層上、または、第1層を形成していない場合には高分子基材上)に、[B3]層([B]層ではない第2層)を設けた。(本例にて設けた[B’3]層の材料を「B’3」と記す)。
具体的な操作は以下のとおりである。まず、スパッタ電極13にアルミニウム原子に対する酸素原子の原子数比(O/Al比率)が、1.5で焼結されたスパッタターゲットを設置した巻き取り式スパッタリング装置6の巻き取り室7の中で、巻き出しロール8に前記高分子基材5をセットし巻き出し、巻き出し側ガイドロール9,10,11を介して、クーリングドラム12に通した。減圧度2×10−1Paとなるようにアルゴンガスを導入し、高周波電源により投入電力500Wを印加することにより、アルゴンガスプラズマを発生させ、スパッタリングにより前記高分子基材5の表面上に[B’3]層を形成した。厚みは、フィルム搬送速度により調整した。その後、巻き取り側ガイドロール14,15,16を介して巻き取りロール17に巻き取った。
(実施例1)
高分子基材として厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)U48)を使用した。
高分子基材として厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)U48)を使用した。
第1層として、[A]層を形成した。[A]層形成用の塗工液として、ウレタンアクリレート(中国塗料(株)製フォルシード420C)100質量部をトルエン70質量部で希釈した塗工液1を調製した。次いで、塗工液1を前記高分子基材の片面にマイクログラビアコーター(グラビア線番200UR、グラビア回転比100%)で塗布、60℃で1分間乾燥後、紫外線を1J/cm2照射、硬化させ、厚み3μmの[A]層を設けた(本例にて設けた[A]層の材料を「A1」と記す)。
[A]層を形成したフィルムから縦100mm、横100mmの試験片を切り出し、[A]層の鉛筆硬度試験、表面自由エネルギー、平均表面粗さの評価を実施した。結果を表1に示す。
次に、[A]層上に[B1]層を100nmの厚みで形成した。[B1]層の組成は、Zn原子濃度が27.5atom%、Si原子濃度が13.1atom%、Al原子濃度が2.3atom%、O原子濃度が57.1atom%であった。
[B1]層上に次に示す手順で[C]層を設けた。ウレタンアクリレート(中国塗料(株)製フォルシード420C)100質量部をトルエン70質量部で希釈した塗工液1を調製した。次いで、塗工液1を前記高分子基材の片面にマイクログラビアコーター(グラビア線番300UR、グラビア回転比100%)で塗布、60℃で1分間乾燥後、紫外線を1J/cm2照射、硬化させ、厚み1μmの[C]層を設けた。(本例にて設けた[C]層の材料を「C1」と記す)。
得られたガスバリア性フィルムから縦100mm、横100mmの試験片を切り出し、鉛筆硬度試験、水蒸気透過率の評価を実施した。結果を表1に示す。
(実施例2)
第1層として、[A]層を形成した。[A]層形成用の塗工液として、ポリエステルアクリレート(日本化薬(株)製FOP−1740)100質量部にシリコーンオイル(東レ・ダウコーニング(株)製SH190)0.2質量部を添加し、トルエン50質量部、MEK50質量部で希釈した塗工液2を調製し、塗工液2をマイクログラビアコーター(グラビア線番300UR、グラビア回転比100%)で塗布、60℃で1分間乾燥後、紫外線を1J/cm2照射、硬化させ、厚み3μmの[A]層を設け(本例にて設けた[A]層の材料を「A2」と記す)、以降[C]層を厚み3μmとした以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
第1層として、[A]層を形成した。[A]層形成用の塗工液として、ポリエステルアクリレート(日本化薬(株)製FOP−1740)100質量部にシリコーンオイル(東レ・ダウコーニング(株)製SH190)0.2質量部を添加し、トルエン50質量部、MEK50質量部で希釈した塗工液2を調製し、塗工液2をマイクログラビアコーター(グラビア線番300UR、グラビア回転比100%)で塗布、60℃で1分間乾燥後、紫外線を1J/cm2照射、硬化させ、厚み3μmの[A]層を設け(本例にて設けた[A]層の材料を「A2」と記す)、以降[C]層を厚み3μmとした以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(実施例3)
実施例1と同様にして、[A]層を設けた。次いで[B1]層に代えて[B2]層を厚み200nmとなるよう設けた。[B2]層の組成は、硫化亜鉛のモル分率が0.80であった。
実施例1と同様にして、[A]層を設けた。次いで[B1]層に代えて[B2]層を厚み200nmとなるよう設けた。[B2]層の組成は、硫化亜鉛のモル分率が0.80であった。
[B2]層上に次に示す手順で[C]層を設けた。ポリエステルアクリレート(日本化薬(株)製FOP−1740)100質量部にシリコーンオイル(東レ・ダウコーニング(株)製SH190)0.2質量部を添加し、トルエン100質量部、MEK100質量部で希釈した塗工液2を調製し、塗工液2をマイクログラビアコーター(グラビア線番300UR、グラビア回転比100%)で塗布、60℃で1分間乾燥後、紫外線を1J/cm2照射、硬化させ、厚み1μmの[C]層を設けた。(本例にて設けた[C]層の材料を「C2」と記す)。
(実施例4)
[A]層の材料としてA2を用い、[C]層厚みを3μmとした以外は、実施例3と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
[A]層の材料としてA2を用い、[C]層厚みを3μmとした以外は、実施例3と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例1)
[C]層を形成しないこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
[C]層を形成しないこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例2)
[B1]層上に次に示す手順で第3層を設けた以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂を水に分散させたコート剤である住友精化株式会社製“セポルジョン”(登録商標)VH100,10質量部(固形分濃度:15質量%)を量り取り、希釈溶剤として水1.9質量部およびイソプロパノール0.6質量部を添加し、30分間攪拌することにより固形分濃度12質量%の塗工液3を調整した。次にワイヤーバーを用いて塗布し、120℃の温度で40秒間乾燥させ、厚み1μmの第3層を設けた。(本例にて設けた第3層の材料を「C’3」と記す)。
[B1]層上に次に示す手順で第3層を設けた以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂を水に分散させたコート剤である住友精化株式会社製“セポルジョン”(登録商標)VH100,10質量部(固形分濃度:15質量%)を量り取り、希釈溶剤として水1.9質量部およびイソプロパノール0.6質量部を添加し、30分間攪拌することにより固形分濃度12質量%の塗工液3を調整した。次にワイヤーバーを用いて塗布し、120℃の温度で40秒間乾燥させ、厚み1μmの第3層を設けた。(本例にて設けた第3層の材料を「C’3」と記す)。
(比較例3)
[A]層を形成しないこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
[A]層を形成しないこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例4)
次に示す手順で第1層を設けた以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂を水に分散させたコート剤である住友精化株式会社製“セポルジョン”(登録商標)VH100を10質量部(固形分濃度:15質量%)を量り取り、希釈溶剤として水1.9質量部およびイソプロパノール0.6質量部を添加し、30分間攪拌することにより固形分濃度12質量%の塗工液3を調整した。次にワイヤーバーを用いて塗布し、120℃の温度で40秒間乾燥させ、厚み3μmの第1層を設けた。(本例にて設けた第1層の材料を「A’3」と記す)。
(比較例5)
第2層の厚みを1200nmとした以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例6)
第2層の厚みを1200nmとした以外は、実施例3と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例7)
第2層として、厚み100nmの[B’3]層を設けた以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。Al2O3層の組成は、アルミニウム原子に対する酸素原子の原子数比(O/Al比率)が、1.65であった。
次に示す手順で第1層を設けた以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂を水に分散させたコート剤である住友精化株式会社製“セポルジョン”(登録商標)VH100を10質量部(固形分濃度:15質量%)を量り取り、希釈溶剤として水1.9質量部およびイソプロパノール0.6質量部を添加し、30分間攪拌することにより固形分濃度12質量%の塗工液3を調整した。次にワイヤーバーを用いて塗布し、120℃の温度で40秒間乾燥させ、厚み3μmの第1層を設けた。(本例にて設けた第1層の材料を「A’3」と記す)。
(比較例5)
第2層の厚みを1200nmとした以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例6)
第2層の厚みを1200nmとした以外は、実施例3と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例7)
第2層として、厚み100nmの[B’3]層を設けた以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。Al2O3層の組成は、アルミニウム原子に対する酸素原子の原子数比(O/Al比率)が、1.65であった。
本発明のガスバリア性フィルムは、水蒸気や酸素などのガスを遮断するガスバリア性に優れているので、例えば、食品、医薬品などの包装材および太陽電池、電子ペーパー、有機ELディスプレイ・照明などの電子デバイス部材として有用に用いることができるが、用途がこれらに限定されるものではない。
1 高分子基材
2 [A]層
3 [B]層
4 [C]層
5 高分子基材
6 巻き取り式スパッタリング装置
7 巻き取り室
8 巻き出しロール
9、10、11 巻き出し側ガイドロール
12 クーリングドラム
13 スパッタ電極
14、15、16 巻き取り側ガイドロール
17 巻き取りロール
18 ガスバリア性フィルム
19 金属円柱
20 第1層から第3層が形成された面
2 [A]層
3 [B]層
4 [C]層
5 高分子基材
6 巻き取り式スパッタリング装置
7 巻き取り室
8 巻き出しロール
9、10、11 巻き出し側ガイドロール
12 クーリングドラム
13 スパッタ電極
14、15、16 巻き取り側ガイドロール
17 巻き取りロール
18 ガスバリア性フィルム
19 金属円柱
20 第1層から第3層が形成された面
Claims (9)
- 高分子基材の少なくとも片面に、以下の[A]層と[B]層と[C]層がこの順で積層されたガスバリア性フィルム。
[A]層:鉛筆硬度がH以上かつ表面自由エネルギーが45mN/m以下である第1の架橋樹脂層
[B]層:厚みが10〜1000nmの含ケイ素無機層
[C]層:鉛筆硬度がH以上かつ厚みが0.05〜10μmである第2の架橋樹脂層 - 前記[C]層の厚みが1〜5μmである請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記[B]層が、亜鉛化合物とケイ素酸化物とを含む組成により構成されたものである請求項1または2に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記[B]層が、以下の[B1]層と[B2]層のいずれかである請求項3に記載のガスバリア性フィルム。
[B1]層:酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの共存相からなる層
[B2]層:硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相からなる層 - 前記[B]層が[B1]層であり、該[B1]層が、ICP発光分光分析法により測定される亜鉛(Zn)原子濃度が20〜40atom%、ケイ素(Si)原子濃度が5〜20atom%、アルミニウム(Al)原子濃度が0.5〜5atom%、酸素(O)原子濃度が35〜70atom%である組成により構成されたものである請求項4に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記[B]層が[B2]層であり、該[B2]層は、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の合計に対する硫化亜鉛のモル分率が0.7〜0.9である組成により構成されたものである請求項4に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記[A]層の平均表面粗さRaが1.5nm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のガスバリア性フィルムを有する太陽電池。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のガスバリア性フィルムを有する表示体素子。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014163062A1 (ja) * | 2013-04-02 | 2014-10-09 | コニカミノルタ株式会社 | ガスバリアー性フィルムの製造方法、ガスバリアー性フィルム及び電子デバイス |
JP2015157411A (ja) * | 2014-02-24 | 2015-09-03 | 大日本印刷株式会社 | ガスバリアフィルム及びその製造方法 |
WO2018100963A1 (ja) * | 2016-11-30 | 2018-06-07 | 富士フイルム株式会社 | ガスバリアフィルムおよびガスバリアフィルムの製造方法 |
CN109690805A (zh) * | 2016-12-09 | 2019-04-26 | 株式会社Lg化学 | 封装组合物 |
-
2013
- 2013-04-05 JP JP2013079190A patent/JP2013237264A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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