JP2013198658A - 薬剤吐出具および薬剤混合装置 - Google Patents
薬剤吐出具および薬剤混合装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013198658A JP2013198658A JP2012069721A JP2012069721A JP2013198658A JP 2013198658 A JP2013198658 A JP 2013198658A JP 2012069721 A JP2012069721 A JP 2012069721A JP 2012069721 A JP2012069721 A JP 2012069721A JP 2013198658 A JP2013198658 A JP 2013198658A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- medicine
- piston
- cylinder
- stirring rod
- tip
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
- Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)
Abstract
【課題】複数の薬剤を十分に混合することができる薬剤吐出具および薬剤混合装置を提供すること。
【解決手段】先端に吐出口を有したシリンダ40と、シリンダ40の内部にスライド移動可能かつ相対回転可能に挿入され、第1の薬剤が収納される収納空間57を内部に有するピストン50と、収納空間57に封入された第1の薬剤をシリンダ40の内部に封入された第2の薬剤に供給する場合に、ピストン50の先端面からシリンダ40の先端に向かって突出する態様で配置され、ピストン50の回転に伴ってピストン50と一体的に回転する攪拌ロッド56とを備えた薬剤吐出具20である。
【選択図】図1−1
【解決手段】先端に吐出口を有したシリンダ40と、シリンダ40の内部にスライド移動可能かつ相対回転可能に挿入され、第1の薬剤が収納される収納空間57を内部に有するピストン50と、収納空間57に封入された第1の薬剤をシリンダ40の内部に封入された第2の薬剤に供給する場合に、ピストン50の先端面からシリンダ40の先端に向かって突出する態様で配置され、ピストン50の回転に伴ってピストン50と一体的に回転する攪拌ロッド56とを備えた薬剤吐出具20である。
【選択図】図1−1
Description
本発明は、薬剤吐出具および薬剤混合装置に関する。
従来、内部に封入された複数の薬剤を混合して吐出する薬剤吐出具が知られている。この薬剤吐出具は、シリンダと、ピストンとを備えている。シリンダは先端に吐出口が形成してあり、基端が開口している。吐出口はキャップによって閉塞されている。シリンダの内部には2つの可動壁によって2種類の薬剤が区分されて収容してあり、シリンダにおいて前側可動壁より先端側の側面にはバイパス溝が形成してある。ピストンはシリンダの基端開口からシリンダ内に挿入されるとともに、シリンダ内をスライド移動可能に構成してある。
このような薬剤吐出具では、ピストンに押圧力を付与すると可動壁がシリンダの先端側に移動し、バイパス溝を介して2種類の薬剤が混合される。キャップを取外した状態で更にピストンに押圧力を付与すると、混合された薬剤がシリンダの吐出口から吐出される(例えば、特許文献1)。
しかしながら、上述した薬剤吐出具では、2種類の薬剤を接触させて混合させているだけであるため、親和性の低い薬剤や粘性の高い薬剤の場合には十分に混合させることが困難であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の薬剤を十分に混合することができる薬剤吐出具および薬剤混合装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に係る薬剤吐出具は、先端に吐出口を有したシリンダと、前記シリンダの内部にスライド移動可能かつ相対回転可能に挿入され、第1の薬剤が収納される収納空間を内部に有するピストンと、前記収納空間に封入された第1の薬剤を前記シリンダの内部に封入された第2の薬剤に供給する場合に、前記ピストンの先端面から前記シリンダの先端に向かって突出する態様で配置され、前記ピストンの回転に伴って該ピストンと一体的に回転する攪拌ロッドとを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る薬剤吐出具は、上述した請求項1において、前記攪拌ロッドは、前記ピストンの先端から基端に亘って形成された挿通孔にスライド移動可能に挿通して設けてあり、前記収納空間は、前記ピストンの先端から基端に亘って形成された収納孔と、該収納孔の先端開口を閉塞するシール部材と、該収納孔の内部にスライド移動可能に配設された可動壁とによって画成されてなり、自身が押圧操作された場合に、前記攪拌ロッドを押圧して該攪拌ロッドを前記ピストンの先端面から突出させるとともに、該攪拌ロッドを介して前記シール部材を前記先端開口から離脱させ、かつ前記可動壁を押圧して該可動壁を前記先端開口へ移動させて前記第1の薬剤を前記第2の薬剤に供給するプッシャを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る薬剤吐出具は、上述した請求項2において、前記シール部材は、前記攪拌ロッドの先端部に取り付けてあることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る薬剤吐出具は、上述した請求項1〜3において、前記攪拌ロッドを複数備えることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項5に係る薬剤混合装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の薬剤吐出具と、モータの駆動力を前記ピストンに回転力として付与する回転力付与機構とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る薬剤吐出具は、上述した請求項5において、前記モータの駆動力を前記ピストンに押圧力として付与する押圧力付与機構と、前記モータの駆動力を前記回転力付与機構及び前記押圧力付与機構のいずれかに伝達させる切替機構とを備えたことを特徴とする。
本発明にかかる薬剤吐出具によれば、収納空間に封入された第1薬剤をシリンダの内部に封入された第2薬剤に供給する場合に、ピストンの先端面からシリンダの先端に向かって突出する態様で配置される攪拌ロッドを備えたものであり、攪拌ロッドがピストンの回転に伴って該ピストンと一体的に回転するものであるため、ピストンを回転させることにより、シリンダ内の複数の薬剤を攪拌ロッドによって十分に攪拌混合することができる。
また、本発明にかかる薬剤混合装置によれば、回転力付与機構によって薬剤吐出具のピストンに回転力を付与することにより、攪拌ロッドを一体的に回転させて攪拌精度を向上することができる。
以下に、本発明にかかる薬剤吐出具の実施の形態を詳細に説明する。尚、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1−1及び図2−1は、本発明の実施の形態である薬剤吐出具を示す斜視図であり、図1−2及び図2−2は、本発明の実施の形態である薬剤吐出具の断面図である。薬剤吐出具20は、シリンダ40と、ピストン50と、プッシャ60とを備えている。
シリンダ40は樹脂材等によって形成されており、シリンダ本体41と、縮径部44とを備えている。シリンダ本体41はシリンダ40の胴部を成す略円筒形の部位であり、基端が開口している。縮径部44はシリンダ40の先端部を構成し、シリンダ本体41の内径よりも小径となる円筒状に形成してある。この縮径部44の先端開口が吐出口42を構成している。吐出口42は薬剤を吐出する両頭針46が設けられた閉塞栓45によって閉塞してある。閉塞栓45は図示していない保護キャップによって覆われており、両頭針46の先端開口が閉塞されている。シリンダ本体41の基端にはフランジ43が設けてある。
ピストン50は、樹脂材等によって形成された筒状の部材である。ピストン50の径はシリンダ40の内径より僅かに小さく形成してあり、先端部には第1ゴムリング51が装着してある。ピストン50はシリンダ40の内部に挿入してあって、シリンダ40の先端側に移動する進出移動と、シリンダ40の基端側に移動する退行移動とが可能であり、かつシリンダ40に対して相対回転可能に構成してある。ピストン50の基端部にはピストン部フランジ52が設けてある。ピストン50には収納孔53と、挿通孔54とが形成してある。収納孔53は、ピストン50の先端から基端に亘ってピストン50の中央を貫通する孔である。挿通孔54はピストン50の先端から後端に亘って貫通する孔であって、収納孔53の周囲に形成してある。挿通孔54はピストン50に複数形成してあり、本実施の形態では収納孔53を挟む態様で2つの挿通孔54が形成してある。本実施の形態では収納孔53の内径は挿通孔54の内径よりも大きく形成してあるが、収納孔53の内部に画成される後述する収納空間57に封入される薬剤の量によっては、収納孔53の内径が挿通孔54の内径よりも小さく形成されることもある。収納孔53の内部には可動壁55が配設してあり、挿通孔54の内部には攪拌ロッド56が挿通してある。
可動壁55は、樹脂材等によって形成された円柱状の部材であり、先端部に第2ゴムリング551が装着してある。可動壁55は自身の外周面によって収納孔53を閉塞するとともに、収納孔53の内部をスライド移動可能に構成してある。図1−2に示すように薬剤吐出具20の内部に2種類の薬剤が区分して封入される初期状態では、可動壁55は収納孔53の内部に配置されている。この初期状態では、ピストン50の内部に収納孔53と、可動壁55と、後述するシール部材58とによって画成された収納空間57が構成されている。
攪拌ロッド56は、挿通孔54と略同一の径に形成されたロッド状の部材である。攪拌ロッド56は挿通孔54内をスライド移動可能に挿通してあり、初期状態において、自身の先端がピストン50の先端面から僅かに突出し、後端が挿通孔54内に収容される態様で挿通孔54に挿通してある。挿通孔54と攪拌ロッド56との間には、攪拌ロッド56を基端側に向けて付勢するバネ561が設けてある。攪拌ロッド56は各々の挿通孔54に挿通される態様でピストン50に複数設けてあり、本実施の形態では2つの攪拌ロッド56が設けてある。攪拌ロッド56には第3ゴムリング562が取り付けてある。第3ゴムリング562は攪拌ロッド56の中間部に取り付けてあり、具体的には、図2−2に示すようにプッシャ60によって攪拌ロッド56が押圧された場合に、第3ゴムリング562が挿通孔54内に留まる位置に設けてある。攪拌ロッド56の先端部にはシール部材58が取り付けてある。
シール部材58は、ピストン50の先端面に形成された収納孔53の開口を閉塞可能な大きさを有する板状の部材である。シール部材58の基端側の面には、収納孔53に挿入されて収納孔53の先端開口を閉塞する閉塞突部581が形成してある。閉塞突部581には第4ゴムリング582が装着してある。本実施の形態においてシール部材58は長尺状に形成されており、両端部が各々の攪拌ロッド56の先端部に固定されている。
尚、図1−1〜図2−2には記載していないが、ピストン50の外周面には図3に示すようにストッパ70が装着されている。ストッパ70は略半円筒形を成す部材であり、ピストン部フランジ52とシリンダ40のフランジ43とによって挟持される態様でピストン50に着脱可能に装着されている。これにより、ピストン50がシリンダ40に対して進出移動することを防止している。
プッシャ60は、樹脂材等によって形成され、基部61と、押圧ロッド62と、可動壁押圧ロッド63とを有している。基部61は押圧ロッド62及び可動壁押圧ロッド63が配設される基台となる部位であり、円柱状に形成されている。基部61の基端側の面には後述する動力伝達装置30の係合突部36と係合する係合凹部64が形成してある。押圧ロッド62及び可動壁押圧ロッド63は、基部61の先端面から突出する態様で設けてある。
押圧ロッド62は、挿通孔54に進入可能な径を有するロッド状の部位である。押圧ロッド62は攪拌ロッド56に対応して複数設けてあり、先端部が攪拌ロッド62の基端部を押圧可能となるように構成してある。可動壁押圧ロッド63は、収納孔53に進入可能な径を有するロッド状の部位であり、先端部が可動壁55の基端面を押圧可能となるように構成してある。本実施の形態において可動壁押圧ロッド63は押圧ロッド62よりも大きな径を有している。押圧ロッド62及び可動壁押圧ロッド63は基部61の先端面において、それぞれ挿通孔54及び収納孔53に対応する位置に配設してある。
押圧ロッド62の長さはピストン50の先端から基端までの長さよりも短く形成してある。具体的には、攪拌ロッド56の基端と押圧ロッド62の先端とを当接させた場合に、攪拌ロッド56の先端から押圧ロッド62の基端までの長さが、ピストン50の先端から基端までの長さよりも長く、かつシリンダ本体41の先端からピストン50の基端までの長さよりも短くなるように形成してある。可動壁押圧ロッド63の長さはピストン50の先端から基端までの長さよりも短く形成してあり、可動壁55と可動壁押圧ロッド63とを当接させた場合に、可動壁55の先端から可動壁押圧ロッド63の基端までの長さが、ピストン50の先端から基端までの長さよりも長くなるように形成してある。図2−2に示すように本実施の形態では、可動壁55と可動壁押圧ロッド63とを当接させた場合に、可動壁55の先端から可動壁押圧ロッド63の基端までの長さが、ピストン50の先端から基端までの長さとほぼ等しくなるように形成してある。
上述した薬剤吐出具20は以下のようにして薬剤の混合が行われる。前提として、収納空間57の内部に第1の薬剤(以下、A剤という)が封入されており、シリンダ40の内部に第2の薬剤(以下、B剤という)が封入されているものとする。収納空間57は先端がシール部材58によって閉塞されており、A剤とB剤とは接触することなく区分されて収容されている。
図1−1及び図1−2に示すように、プッシャ60の押圧ロッド62及び可動壁押圧ロッド63を挿通孔54及び収納孔53にそれぞれ挿入させた状態とし、その後、図2−1及び図2−2に示すようにピストン部フランジ52とプッシャ60の基部61とが当接するまでプッシャ60を押圧操作する。すると、押圧ロッド62によって攪拌ロッド56が進出移動してピストン50の先端面から突出した状態となる。攪拌ロッド56が突出することによりシール部材58がシリンダ40の先端側に進出し、収納孔53の先端開口から離脱した状態となる。また、可動壁押圧ロッド63に押圧されて可動壁55が収納孔53の先端開口まで移動し、これにより収納空間57に封入されていたA剤がすべてシリンダ40内に供給されることとなる。
シリンダ40の内部でA剤とB剤とが接触し、攪拌ロッド56がピストン50から突出した状態において、ピストン50をシリンダ40に対して相対回転させる。すると、攪拌ロッド56がピストン50と一体的に回転し、これによりシリンダ40の内部のA剤及びB剤を攪拌混合することができる。また、攪拌ロッド56に取り付けてあるシール部材58も同時にシリンダ40の内部で回転し、攪拌ロッド56の攪拌と相俟って攪拌効果をより向上させることができる。
薬剤吐出具から薬剤を吐出する場合、ピストン50からプッシャ60を引き抜く。上述したように攪拌ロッド56はバネ561によってピストン50の基端側へ付勢されているから、図4−1及び図4−2に示すように、攪拌ロッド56は挿通孔54に収容され、同時にシール部材58がシリンダ40の基端側に退行移動することとなる。シール部材58が退行移動すると、閉塞突部581によって可動壁55の先端面が押圧され、可動壁55が収納孔53内を退行移動することとなる。
その後、閉塞栓45に装着された保護キャップを取外し、ピストン50に装着されたストッパ70を取り外す。この状態でピストン50に押圧力を付与すると、ピストン50はシリンダ40に対して進出移動し、吐出口42から混合された薬剤が吐出されることとなる。この際、ピストン50がシリンダ本体41の内部を摺動することになるがピストン50の先端部に第1ゴムリング51が取り付けてあるので、シリンダ40の内部の気密性を確保することができる。
上述した薬剤吐出具20では、収納空間57に封入されたA剤をシリンダ40の内部に封入されたB剤に供給する場合に、ピストン50の先端面からシリンダ40の先端に向かって突出する態様で配置される攪拌ロッド56を備えたものであり、攪拌ロッド56がピストン50の回転に伴ってピストン50と一体的に回転するものであるため、ピストン50を回転させることにより、シリンダ40内の複数の薬剤を攪拌ロッド56によって十分に攪拌混合することができる。
また、攪拌ロッド56にシール部材58を取り付けた構成としたことで、シリンダ40に対して攪拌ロッド56とシール部材58とを同時に移動させることができ、攪拌ロッド56とシール部材58とを別々に移動させる必要がないため、操作利便性を向上させることができる。更に、攪拌ロッド56の退行移動に伴って収納孔53の先端開口から離脱したシール部材58を先端開口を閉塞する位置に戻すことができる。そのため、攪拌混合した薬剤を吐出する際に、シリンダ40の内部に残留したシール部材58によって吐出が阻害されることがなく、シリンダ40内の薬剤を十分に使い切ることができる。
次に、本発明における薬剤混合装置の実施の形態を説明する。図5に示すように、薬剤混合装置10は、薬剤吐出具20と、動力伝達装置30とを備えて構成してある。ここで、薬剤吐吐出具20は、上述した実施の形態における薬剤吐出具20と同様の構成を有するものであり、ここではその説明を省略する。
図6及び図7に示すように、動力伝達装置30は装置本体31と、回転力付与機構32とを備えている。装置本体31は、回転力付与機構32を支持するものであり、正面及び側面の一部が開口した箱型に形成してある。装置本体31の内部にはモータ80が配設してある。装置本体31の正面には、シリンダ40のフランジ43を保持する保持枠31aが設けてある。保持枠31aにはフランジ43の回転移動を規制するロック片31bが形成してある。また、装置本体31にはモータ80の駆動電源をON/OFFするスイッチ37が設けてある。
回転力付与機構32は、モータ80の駆動力を薬剤吐出具20のピストン50に回転力として付与するものであり、攪拌シャフト33と、カプラ34とを備えている。
攪拌シャフト33は、自身の軸心回りに回転可能となる態様で減速機構35を介してモータ80の出力軸(図示せず)に取り付けてある。カプラ34は、薬剤吐出具20のプッシャ60を保持するもので、自身の軸心回りに回転可能となる態様で軸受(図示せず)を介して装置本体31に取り付けてあり、基端部が攪拌シャフト33の先端部と連結している。カプラ34にはプッシャ60の係合凹部64と係合する係合突部36が設けてある。
上述した薬剤混合装置10では、次のようにして薬剤(A剤及びB剤)の混合を行う。前提として、図1−1及び図1−2に示す初期状態において、収納空間57の内部にA剤が封入されており、シリンダ40の内部にB剤が封入されているものとする。
まず、このような初期状態にある薬剤吐出具20を図5に示すように動力伝達装置30に装着する。より詳細に説明すると、シリンダ40のフランジ43を保持枠31aに係止させて固定し、プッシャ60の係合凹部64とカプラ34の係合突部36とを係合してプッシャ60をカプラ34に保持させることで、薬剤吐出具20を動力伝達装置30に装着する。これにより、プッシャ60が自身の基部61がピストン部フランジ52と当接するまで押圧され、押圧ロッド62によって攪拌ロッド56が進出移動してピストン50の先端面から突出した状態となる。攪拌ロッド56が突出することによりシール部材58がシリンダ40の先端側に進出し、収納孔53の先端開口から離脱した状態となる。また、可動壁押圧ロッド63に押圧されて可動壁55が収納孔53の先端開口まで移動し、これにより収納空間57に封入されていたA剤がすべてシリンダ40内に供給され、シリンダ40の内部でA剤とB剤とが接触する。
その後、スイッチ37をON操作すると、モータ80の駆動力が減速機構35を介して攪拌シャフト33に伝達され、攪拌シャフト33が回転する。この攪拌シャフト33の回転によりカプラ34が回転し、これによりカプラ34に保持されているプッシャ60に回転力が付与される。つまり、モータ80の駆動力が回転力として薬剤吐出具20に伝達される。
プッシャ60に伝達された回転力はピストン50に伝達され、ピストン50は、自身の中心軸回りに回転する。この際、ピストン50がシリンダ本体41の内部を摺動することになるがピストン50の先端部に第1ゴムリング51が取り付けてあるので、シリンダ40の内部の気密性を確保することができる。
そして、ピストン50の回転により、攪拌ロッド56がピストン50と一体的に回転し、これによりシリンダ40の内部のA剤及びB剤を攪拌することができ、2種類の薬剤を十分に混合させることができる。また、攪拌ロッド56に取り付けてあるシール部材58も同時にシリンダ40の内部で回転し、攪拌ロッド56の攪拌と相俟って攪拌効果をより向上させることができる。
薬剤吐出具20から薬剤を吐出する場合、スイッチ37を操作してOFF状態とし、動力伝達装置30から薬剤吐出具20を取り外す。その後、ピストン50からプッシャ60を引き抜く。すると、図4−1及び図4−2に示すように、攪拌ロッド56は挿通孔54に収容され、同時にシール部材58がシリンダ40の基部側に退行移動することとなる。シール部材58が退行移動すると、閉塞突部581によって可動壁55の先端面が押圧され、可動壁55が収納孔53内を退行移動することとなる。
その後、閉塞栓45に装着された保護キャップを取外し、ピストン50に装着されたストッパ70を取り外す。この状態でピストン50に押圧力を付与すると、ピストン50はシリンダ40に対して進出移動し、吐出口42から混合された薬剤が吐出されることとなる。この際、ピストン50がシリンダ本体41の内部を摺動することになるがピストン50の先端部に第1ゴムリング51が取り付けてあるので、シリンダ40の内部の気密性を確保することができる。
上述した薬剤混合装置10では、回転力付与機構32によって薬剤吐出具20のピストン50に回転力を付与することにより、ピストン50を高速回転させて攪拌精度を向上することができる。
次に、上述した薬剤混合装置10の変形例について説明する。図8〜図12に示すように変形例における薬剤混合装置11は、動力伝達装置30に替えて、動力伝達装置300を備えている。動力伝達装置300は、装置枠310と、回転力付与機構320と、押圧力付与機構330と、切替機構340とを備えている。尚、図10及び図12に示す断面図ではシリンダ40及びピストン50の内部を破線で示している。
装置枠310は回転力付与機構320と、押圧力付与機構330と、切替機構340とを支持する枠部材である。回転力付与機構320は、モータ81の駆動力をプッシャ60を介してピストン50に回転力として付与するものであり、攪拌シャフト321とカプラ322とを備えている。
攪拌シャフト321は、自身の軸心回りに回転可能となる態様で軸受(図示せず)を介して装置枠310に配設してあり、基端部に攪拌シャフトギア323が設けられ、先端部に第1攪拌ギア324が設けてある。
カプラ322は、プッシャ60及びピストン50を保持するもので、自身の軸心回りに回転可能となる態様で軸受(図示せず)を介して装置枠310に取り付けてある。カプラ322の基端部には、第2攪拌ギア325が設けてある。この第2攪拌ギア325は、第1攪拌ギア324と噛合っている。
押圧力付与機構330は、モータ81の駆動力をピストン50に押圧力として付与するものであり、すべりねじ331と、ナット332と、プランジャ333とを備えている。
すべりねじ331は、自身の軸心回りに回転可能となるように軸受334を介して装置枠310に設けてある。すべりねじ331の基端部には、すべりねじギア335が設けてある。すべりねじ331の先端部は、カプラ322の貫通孔326を貫通しており、先端がカプラ322の保持部形成面327から僅かに突出している。
ナット332は、すべりねじ331と螺合しており、すべりねじ331と平行に設けられた支持ロッド336が自身の支持孔(図示せず)を貫通する態様で設けてある。ナット332は、すべりねじ331が自身の軸心回りに回転する場合に、すべりねじ331に沿って直線移動する。
プランジャ333は、基端部がナット332に結合しており、すべりねじ331の先端部を覆う態様で設けてある。プランジャ333の先端部は、カプラ322の貫通孔326を貫通しており、先端がカプラ322の保持部形成面327から僅かに突出している。プランジャ333とカプラ322との間には、カプラ322の回転を許容し、かつプランジャ333の直線移動を許容する軸受(図示せず)が介在させてある。
切替機構340は、切替ギア341と切替スイッチ342とを備えている。切替ギア341は、攪拌シャフト321に貫通される態様で設けてあり、モータ81に設けられたピニオン343と常時噛合うように設けてある。切替スイッチ342は、自身に与えられる操作入力に応じて、切替ギア341を攪拌シャフトギア323及びすべりねじギア335のいずれかと噛合わせるものである。
上述した薬剤混合装置11では、次のようにして薬剤(A剤及びB剤)の混合及び吐出を行う。まず薬剤吐出具20の装着について説明する。図4−1及び図4−2に示すように、シリンダ40の内部でA剤及びB剤が接触し、攪拌ロッド56がピストン50から突出した状態において、図8に示すように、シリンダ40のフランジ43を装置枠310に係止させて固定し、プッシャ60の基部61をカプラ322に保持させる。これにより薬剤吐出具20が動力伝達装置300に装着される。
次に薬剤の混合について説明する。図9及び図10に示すように、切替スイッチ342が操作されることにより、切替ギア341がピニオン343及び攪拌シャフトギア323と噛合う状態にさせる。この状態においてモータ81を駆動すると、ピニオン343が回転し、この回転が切替ギア341を介して攪拌シャフトギア323に伝達され、攪拌シャフトギア323の回転により攪拌シャフト321及び第1攪拌ギア324が回転する。これにより第1攪拌ギア324と噛合う第2攪拌ギア325が回転する。この第2攪拌ギア325の回転によりカプラ322が回転し、これによりカプラ322に保持されているプッシャ60に回転力が付与される。つまり、モータ81の駆動力が回転力として薬剤吐出具20に伝達される。
プッシャ60に伝達された回転力はピストン50に伝達され、ピストン50は、自身の中心軸回りに回転する。この際、ピストン50がシリンダ本体41の内部を摺動することになるがピストン50の先端部に第1ゴムリング51が取り付けてあるので、シリンダ40の内部の気密性を確保することができる。
そして、ピストン50の回転により、攪拌ロッド56がピストン50と一体的に回転し、これによりシリンダ40の内部のA剤及びB剤を攪拌することができ、2種類の薬剤を十分に混合させることができる。また、攪拌ロッド56に取り付けてあるシール部材58も同時にシリンダ40の内部で回転し、攪拌ロッド56の攪拌と相俟って攪拌効果をより向上させることができる。
次に薬剤の吐出について説明する。まず、薬剤吐出具20を動力伝達装置300から取り外し、プッシャ60をピストン50から引き抜き、同時にピストン50に装着されたストッパ70を取り外す。この状態において、ピストン部フランジ52をカプラ322に保持させて薬剤吐出具20を動力伝達装置300に再度装着する。図11及び図12に示すように、切替スイッチ342が操作されることにより、切替ギア341がピニオン343及びすべりねじギア335と噛合う状態にさせる。この状態においてモータ81を駆動すると、ピニオン343が回転し、この回転が切替ギア341を介してすべりねじギア335に伝達され、すべりねじギア335の回転によりすべりねじ331が回転する。すべりねじ331の回転によりこれと螺合するナット332がすべりねじ331の先端に向けて直線移動し、ナット332に結合するプランジャ333もカプラ322から突出する方向に直線移動する。これによりピストン50に押圧力が付与される。つまり、モータ81の駆動力が押圧力として薬剤吐出具20に伝達される。
ピストン50はシリンダ40の先端部に向けて進出移動する。この際、ピストン50がシリンダ本体41の内部を摺動することになるがピストン50の先端部に第1ゴムリング51が取り付けてあるので、シリンダ40の内部の気密性を確保することができる。
このピストン50の進出移動により、シリンダ40の内部の薬剤を吐出口42より吐出させることができる。吐出量は、ピストン50の進出移動量に応じて決められる。よって、十分に高い吐出精度で薬剤を連続的に吐出することができる。
上述した変形例における薬剤混合装置11によれば、薬剤を十分に混合することができるとともに、十分に高い吐出精度を有しながら薬剤を連続吐出することができる。しかも、吐出を連続的に行うことができるので、ポットライフの短い高反応性の薬剤を用いることができる。更に、同一の駆動源(モータ81)で攪拌混合と吐出とを行えるので、部品点数を削減して、コストの低減化を図ることができる。
尚、上述した薬剤吐出具20では、シール部材58を攪拌ロッド56に取り付けて、攪拌ロッド56と一体的に移動する構成としているが、本発明に係る薬剤吐出具20では、シール部材58を攪拌ロッド56に取り付けることなく、攪拌ロッド56がシール部材58を押圧してシール部材58を収納孔53の先端開口から離脱させる構成としてもよい。また、シール部材58を攪拌ロッド56に取り付けることなく、シール部材58を可動壁55の進出移動による圧力によって収納孔53の先端開口から離脱させる構成としてもよい。
また、上述した薬剤吐出具20では、プッシャ60によって攪拌ロッド56をピストンの先端面から突出させる構成としているが、本発明に係る薬剤吐出具20では、2種類の薬剤が区分して封入される初期状態において、攪拌ロッド56がピストン50の先端面から突出している構成としてもよい。この場合、プッシャ60に押圧ロッド62を設ける必要がなく、押圧力付与機構330により押圧力を付与する場合に、プッシャ60をピストン50に挿入した状態のままプッシャ60を介してピストン50に押圧力を付与することができる。
尚、上述した変形例では、プッシャ60を押圧してピストン50に対して進出移動させ、シリンダ40の内部で2種類の薬剤を接触させてから薬剤吐出具20を装着しているが、本発明に係る薬剤混合装置では、2種類の薬剤を接触させる前の状態で薬剤吐出具20を動力伝達装置300に装着させ、押圧力付与機構330により押圧力を付与することでプッシャ60を押圧して進出移動させ、収容空間57の内部に封入されたA剤をシリンダ40内に供給する構成としてもよい。
10,11 薬剤混合装置
20 薬剤吐出具
30,300 動力伝達装置
32,320 回転力付与機構
40 シリンダ
50 ピストン
53 収納孔
54 挿通孔
55 可動壁
56 攪拌ロッド
57 収納空間
58 シール部材
60 プッシャ
62 押圧ロッド
63 可動壁押圧ロッド
80,81 モータ
330 押圧力付与機構
340 切替機構
20 薬剤吐出具
30,300 動力伝達装置
32,320 回転力付与機構
40 シリンダ
50 ピストン
53 収納孔
54 挿通孔
55 可動壁
56 攪拌ロッド
57 収納空間
58 シール部材
60 プッシャ
62 押圧ロッド
63 可動壁押圧ロッド
80,81 モータ
330 押圧力付与機構
340 切替機構
Claims (6)
- 先端に吐出口を有したシリンダと、
前記シリンダの内部にスライド移動可能かつ相対回転可能に挿入され、第1の薬剤が収納される収納空間を内部に有するピストンと、
前記収納空間に封入された第1の薬剤を前記シリンダの内部に封入された第2の薬剤に供給する場合に、前記ピストンの先端面から前記シリンダの先端に向かって突出する態様で配置され、前記ピストンの回転に伴って該ピストンと一体的に回転する攪拌ロッドと
を備えたことを特徴とする薬剤吐出具。 - 前記攪拌ロッドは、前記ピストンの先端から基端に亘って形成された挿通孔にスライド移動可能に挿通して設けてあり、
前記収納空間は、前記ピストンの先端から基端に亘って形成された収納孔と、該収納孔の先端開口を閉塞するシール部材と、該収納孔の内部にスライド移動可能に配設された可動壁とによって画成されてなり、
自身が押圧操作された場合に、前記攪拌ロッドを押圧して該攪拌ロッドを前記ピストンの先端面から突出させるとともに、該攪拌ロッドを介して前記シール部材を前記先端開口から離脱させ、かつ前記可動壁を押圧して該可動壁を前記先端開口へ移動させて前記第1の薬剤を前記第2の薬剤に供給するプッシャを備えたことを特徴とする請求項1に記載の薬剤吐出具。 - 前記シール部材は、前記攪拌ロッドの先端部に取り付けてあることを特徴とする請求項2に記載の薬剤吐出具。
- 前記攪拌ロッドを複数備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の薬剤吐出具。
- 請求項1〜4のいずれか一つに記載の薬剤吐出具と、
モータの駆動力を前記ピストンに回転力として付与する回転力付与機構とを備えたことを特徴とする薬剤混合装置。 - 前記モータの駆動力を前記プランジャに押圧力として付与する押圧力付与機構と、
前記モータの駆動力を前記回転力付与機構及び前記押圧力付与機構のいずれかに伝達させる切替機構とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の薬剤混合装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012069721A JP2013198658A (ja) | 2012-03-26 | 2012-03-26 | 薬剤吐出具および薬剤混合装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012069721A JP2013198658A (ja) | 2012-03-26 | 2012-03-26 | 薬剤吐出具および薬剤混合装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013198658A true JP2013198658A (ja) | 2013-10-03 |
Family
ID=49519359
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012069721A Pending JP2013198658A (ja) | 2012-03-26 | 2012-03-26 | 薬剤吐出具および薬剤混合装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013198658A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110613614A (zh) * | 2017-05-09 | 2019-12-27 | 葛云龙 | 易配药注射器及其工作方法 |
USD880692S1 (en) * | 2015-09-30 | 2020-04-07 | Kaken Pharmaceutical Co., Ltd. | Medicine mixing device |
CN113975577A (zh) * | 2021-11-08 | 2022-01-28 | 李扬 | 一种儿科用免疫系统疾病用治疗面罩 |
-
2012
- 2012-03-26 JP JP2012069721A patent/JP2013198658A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
USD880692S1 (en) * | 2015-09-30 | 2020-04-07 | Kaken Pharmaceutical Co., Ltd. | Medicine mixing device |
CN110613614A (zh) * | 2017-05-09 | 2019-12-27 | 葛云龙 | 易配药注射器及其工作方法 |
CN113975577A (zh) * | 2021-11-08 | 2022-01-28 | 李扬 | 一种儿科用免疫系统疾病用治疗面罩 |
CN113975577B (zh) * | 2021-11-08 | 2023-08-04 | 于亚楠 | 一种儿科用免疫系统疾病用治疗面罩 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2614685C2 (ru) | Приводное устройство дозирующего смесительного аппарата | |
EP2605708B1 (en) | Device, system and method for dispensing a fixed dose of fluid | |
US8641669B2 (en) | Electromechanical injection apparatus | |
JP5307891B2 (ja) | 線形歯科用電動注射器 | |
JP6185495B2 (ja) | 骨セメントの貯蔵および混合装置 | |
US6582405B2 (en) | Electrically-driven dental injector | |
US9242784B2 (en) | Metering and mixing device for multi-component substances | |
JP2013198658A (ja) | 薬剤吐出具および薬剤混合装置 | |
EP2803411A1 (en) | Dispensing apparatus | |
CN105688736A (zh) | 手持式双联混合驱动装置及配药装置和配药方法 | |
JP2009225825A (ja) | 注射針取外し装置及び注射針廃棄容器 | |
JP2004016707A (ja) | 注射器型薬剤カプセル | |
RU2013150687A (ru) | Устройство для перемещения поршня внутри картриджа | |
WO2015025850A1 (ja) | 直動装置 | |
JP2013184117A (ja) | コーキングガン | |
US9981233B2 (en) | Portable mixer and dispenser for multi-component substances | |
JP4382115B2 (ja) | カートリッジ式液体注入器 | |
CN109549700A (zh) | 骨水泥搅拌器及其搅拌机构 | |
CN209499879U (zh) | 骨水泥搅拌器及其搅拌机构 | |
JP2012081418A (ja) | 混合吐出装置 | |
CN211997058U (zh) | 螺旋式粘稠液体助推器 | |
JP5794505B2 (ja) | 二種類の歯科用麻酔液入りカートリッジ兼用電動注射器 | |
CN115551573A (zh) | 用于多腔室药筒的具有重构功能的自动注射器装置 | |
US20200030843A1 (en) | Mixing device and applicator for sealants | |
JP5596476B2 (ja) | 無針注射器の駆動装置及び無針注射器の駆動装置の駆動方法 |