JP2013191637A - 窒化物系化合物半導体素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】二次元ホールガスのホールの排出を効果的に行わせることができる、窒化物系化合物半導体素子を提供する。
【解決手段】2DHG層を有する、アンドープキャップ層22及びp型キャップ層24にエッチングによって部分的にリセス構造(開口部40)をつくりこみ、ベース電極34とオーミックコンタクトがとりやすくなるように構成されている。当該構成により、2DHGのホールを効果的に排出できるようになる。また、チャネル層18をアンドープ層とすることで、順方向特性や逆方向特性を維持しながら電流コラプスを抑制し、短絡耐量を維持できる。
【選択図】図1
【解決手段】2DHG層を有する、アンドープキャップ層22及びp型キャップ層24にエッチングによって部分的にリセス構造(開口部40)をつくりこみ、ベース電極34とオーミックコンタクトがとりやすくなるように構成されている。当該構成により、2DHGのホールを効果的に排出できるようになる。また、チャネル層18をアンドープ層とすることで、順方向特性や逆方向特性を維持しながら電流コラプスを抑制し、短絡耐量を維持できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、窒化物系化合物半導体素子、特に二次元電子ガス層及び二次元ホールガス層を有する窒化物系化合物半導体素子に関するものである。
窒化物系半導体であるGaN系電子デバイスは、GaAs系の材料に比べてそのバンドギャップエネルギーが大きく、しかも耐熱度が高く高温動作に優れている。そのため、これらの材料、特にGaN/AlGaN系半導体を用いたヘテロ接合電界効果トランジスタ(Hetero-structure Field Effect Transistor:HFET)の開発が進められている。近年、HFET構造エピ層を有効に活用し、ゲート付近のみをエッチングして絶縁膜を形成し、ノーマリオフ型にする構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この構造は、ハイブリッドMOSHFET構造と呼ばれている。
一方、近年、AlGaN/GaNの分極接合(PJ:Polarization Junction)の界面に形成される二次元ホールガスを利用した窒化物系半導体素子が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このような窒化物系半導体素子の構造の一例を図11に示す。図11に示した従来の窒化物系半導体素子は、主面と並行に電流が流れるいわゆる横型素子構造をとっている。当該構造によれば、基板112側からチャネル層118(GaN)/バリア層120(AlGaN)/キャップ層122(GaN)/p型キャップ層124(GaN)において、従来のチャネル層118/バリア層120のチャネル層118側に形成される二次元電子ガス層に加えて、バリア層120のAl組成比や膜厚をあげることによって、キャップ層122側に二次元ホールガスが形成される。これらを利用することで、破壊電圧の向上、電流コラプスの改善ができるとの発表がされている。(例えば、非特許文献1参照)
Nakajima et al., in Proc. ISPSD, 2011, pp.280-283.
しかしながら、上記図11に例示した窒化物系半導体素子の構造には問題があった。すなわち、p型層は活性化率が低いことに起因して、特に微細なp型電極を用いて成長面上にオーミックコンタクトをとることが難しい構成であることに起因し、2次元ホールガスの排出が効果的に行えないため問題が発生した。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、二次元ホールガスのホールの排出を効果的に行わせることができる、窒化物系化合物半導体素子を提供することを目的とする。
請求項1に記載の窒化物系化合物半導体素子は、電子走行層と、電子供給層と、該電子走行層と該電子供給層との界面に形成される二次元電子ガス層を有する第1窒化物系半導体層と、前記第1窒化物系半導体層上に形成されており、分極接合の界面に形成される二次元ホールガス層を有する第2窒化物系半導体層と、前記第2窒化物系半導体層に接して形成されており、少なくとも1箇所のエピタキシャル成長面と異なる方位をもつ面が露出された前記二次元ホールガス層に電気的に接触しているベース電極と、を備える。
請求項2に記載の窒化物系化合物半導体素子は、請求項1に記載の窒化物系化合物半導体素子において、前記第2窒化物系半導体層が、前記二次元ホールガス層に接触する開口部を有している。
請求項3に記載の窒化物系化合物半導体素子は求項2に記載の窒化物系化合物半導体素子において、前記開口部が、前記第1窒化物系半導体層の前記電子供給層の表面に至っている。
請求項4に記載の窒化物系化合物半導体素子は、請求項2または請求項3に記載の窒化物系化合物半導体素子において、前記開口部の側面と、底面とのなす角度が45°以上、175°以下であり、前記ベース電極が前記開口部を覆うように形成されている。
請求項5に記載の窒化物系化合物半導体素子は、請求項2または請求項3に記載の窒化物系化合物半導体素子において前記開口部の側面と、底面とのなす角度が90°以上、150°以下であり、前記ベース電極が前記開口部を覆うように形成されている。
請求項6に記載の窒化物系化合物半導体素子は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の窒化物系化合物半導体素子において、ゲート電極と、ドレイン電極と、ソース電極と、前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間の領域に前記第2窒化物系半導体層を含む電界緩和層と、を備え、ノーマリオフ動作をする電界効果トランジスタである。
請求項7に記載の窒化物系化合物半導体素子は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の窒化物系化合物半導体素子において、ゲート電極と、ドレイン電極と、ソース電極と、前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間の領域に前記第2窒化物系半導体層を含む電界緩和層と、を備え、ノーマリオン動作をする電界効果トランジスタである。
請求項8に記載の窒化物系化合物半導体素子は、請求項6または請求項7に記載の窒化物系化合物半導体素子において、前記電界緩和層における前記二次元ホールガス層の平均濃度が、前記ゲート電極から前記ドレイン電極に向かって減少していくものである。
請求項9に記載の窒化物系化合物半導体素子は、請求項8に記載の窒化物系化合物半導体素子において、前記電界緩和層が、p型キャリアを有する窒化物系半導体層を有しており、前記ゲート電極から前記ドレイン電極に向かって前記第1窒化物系半導体層に接する面積を低減させていくよう配置されている。
請求項10に記載の窒化物系化合物半導体素子は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の窒化物系化合物半導体素子において、アノード電極と、カソード電極と、前記アノード電極と前記カソード電極との間の領域に前記第2窒化物系半導体層を含む電界緩和層と、を備えたダイオードである。
請求項11に記載の窒化物系化合物半導体素子は、請求項10に記載の窒化物系化合物半導体素子において、前記電界緩和層が、p型キャリアを有する窒化物系半導体層を有しており、前記アノード電極から前記カソード電極に向かって前記第1窒化物系半導体層に接する面積を低減させていくよう配置されている。
請求項12に記載の窒化物系化合物半導体素子は、請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の窒化物系化合物半導体素子において、前記ソース電極または前記ゲート電極と、前記ベース電極と、が同一の電位をもつ。
請求項13に記載の窒化物系化合物半導体素子は、請求項10または請求項11に記載の窒化物系化合物半導体素子において、前記アノード電極と、前記ベース電極と、が同一の電位をもつ。
請求項14に記載の窒化物系化合物半導体素子は、請求項12に記載の窒化物系化合物半導体素子において、前記ゲート電極が、前記ベース電極の少なくとも一部を覆うように形成されている。
請求項15に記載の窒化物系化合物半導体素子は、請求項13に記載の窒化物系化合物半導体素子において、前記アノード電極が、前記ベース電極の少なくとも一部を覆うように形成されている。
本発明の窒化物系化合物半導体素子によれば、二次元ホールガスのホールの排出を効果的に行わせることができる、という効果を奏する。
図面を参照して本実施の形態の窒化物系化合物半導体素子について詳細に説明する。なお、本実施の形態は本発明の窒化物系化合物半導体素子の一例であり、本実施の形態により本発明が限定されるものではない。
[第1の実施例]
第1の実施例として、本発明の窒化物系化合物半導体素子をノーマリオフ型の電界効果トランジスタとして構成した場合について説明する。
第1の実施例として、本発明の窒化物系化合物半導体素子をノーマリオフ型の電界効果トランジスタとして構成した場合について説明する。
まず、電界効果トランジスタの構成について説明する。本実施例の電界効果トランジスタの概略構成の一例を示す概略構成図を図1に示す。図1(A)は、上面から見た概略の平面図であり、(B)は、(A)図のB−B線断面図であり、(C)は(A)図のC−C線断面図である。
図1に示した電界効果トランジスタ10は、ノーマリオフ型GaN系電界効果トランジスタである。電界効果トランジスタ10は、基板12、バッファ層14、高抵抗層16、チャネル層18、バリア層20、アンドープキャップ層22、p型キャップ層24、誘電体膜26、ソース電極30、ドレイン電極32、ベース電極34、及びゲート電極36を備えている。
基板12は、(111)面を主表面とするシリコン(Si)からなる基板である。基板12上に形成されたバッファ層14は、例えばAlN層とGaN層との積層構造からなるバッファ層である。バッファ層14上に形成された高抵抗層16は、チャネル層18よりも電気抵抗が高く、例えば、Cが添加されたGaN層(GaN:C層)である。
高抵抗層16上に形成されたチャネル層18は、電界効果トランジスタの電子走行層として機能する、アンドープGaN(uid−GaN)層である。また、チャネル層18上に形成されたバリア層20は、電子供給層として機能する、アンドープAlGaN層(バリア層)である。ここで、チャネルの長さLに相当するチャネル層(アンドープGaN層)18の表面には、バリア層(アンドープAlGaN層)20がヘテロ接合しているため、接合している部分の界面には2次元電子ガス(2DEG)が発生し、2DEG層を形成する。ゲート電極36下部にはMOSのゲート絶縁膜である誘電体膜26が形成され、その下をエッチングによってバリア層20を部分的に除去し、チャネルを形成した構造になっている。また、2次元電子ガスがアクセス抵抗を低減する役割をするため、低オン抵抗を示すようになる。
さらに、電界緩和層として機能する、アンドープキャップ層22及びp型キャップ層24がゲート電極36とドレイン電極32との間に配置されている。アンドープキャップ層22は、アンドープInXGa1−XN (0≦X<1)層からなり、p型キャップ層24は、Mgなどの不純物をドーピングしたp−InXGa1−XN(0≦X<1)層からなる。アンドープキャップ層22とp型キャップ層24とは、分極接合しているため、接合している部分の界面には、2次元ホールガス(2DHG)が発生し、2DHG層を形成する。また、本実施例のアンドープキャップ層22及びp型キャップ層24は、開口部40(詳細後述)を有している。
ベース電極34は、p型キャップ層24上に、開口部40を覆うように形成されている。また、ソース電極30およびドレイン電極32はバリア層20に最も近接した領域からTi、AlとSiの合金、及びWの順に形成されてなる。
次に、本実施例の電界効果トランジスタ10の製造方法の一例について説明する。なお、電界効果トランジスタ10の製造にあたり、成長装置はMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置を用い、基板12はシリコン(111)を用いた。
1)エピタキシャル基板を製造する第1工程について図2を参照して説明する。
まず、シリコン(111)基板12をMOCVD装置内に導入し、ターボポンプでMOCVD装置内の真空度を1×10−6hPa以下になるまで真空引きした後、真空度を100hPaとし基板12を1050℃に昇温する。温度が安定したところで、基板12を900rpmで回転させ、原料となるトリメチルアルミニウム(TMA)を100cm3/min、アンモニアを12リットル/minの流量で基板12の表面に導入し、バッファ層14の一部であるAlN層をエピタキシャル成長させる。成長時間は、4minで当該AlN層2の膜厚は50nm程度である。
その後、当該AlN層上に、例えば、膜厚が5〜100nmのGaN層と、膜厚が1〜10nmのAlN層とよりなる積層膜を、20〜80層重ねて、バッファ層を形成する。なお、バッファ層14は、この構成に限定されず、チャネル層18などの材料や、その他の条件によって種々変形されてよい。さらに、バッファ層14上に、TMGを原料として、高抵抗層16をエピタキシャル成長させ、Cをドープさせる。
次に、トリメチルガリウム(TMG)を300cm3/min、アンモニアを12リットル/minの流量で高抵抗層16の上に導入して電子走行層として機能する、GaN層からなるチャネル層18をエピタキシャル成長させる。成長時間は200secで、チャネル層18の膜厚は300nmであった。
次に、TMAを50cm3/min、TMGを100cm3/min、アンモニアを12リットル/minの流量で導入し、電子供給層として機能するAl0.3Ga0.7N層からなるバリア層20のエピタキシャル成長を行った。成長時間は40secで、バリア層20の膜厚は30nmである。
次に、TMGを300cm3/min、アンモニアを12リットル/minの流量でバリア層20の上に導入してGaN層からなるアンドープキャップ層22をエピタキシャル成長させる。成長時間は40secで、アンドープキャップ層22の膜厚は30nmである。
さらに、TMGを300cm3/min、アンモニアを12リットル/min、ビスシクロペンタジエニルマグネシウムを300cm3/minの流量で導入してp−GaN層からなるp型キャップ層24をエピタキシャル成長させる。成長時間は40secで、p型キャップ層24の膜厚は20nmである。p層の活性化アニールをするため、窒素雰囲気、800℃で5分程度アニールを実施する。
2)第2工程について図3を参照して説明する。
次に、塩素ガスなどを用いて素子分離のためのアイソレーションメサ形成を実施する。その後、p型キャップ層24及びアンドープキャップ層22をレジストなどでマスクし、バリア層20の表面が露出するまで塩素ガスなどを用いて、ドライエッチングを行う。このとき、フッ素系のガスを混合する、あるいは酸素系のガスを混合するなどして、選択的にエッチングを行うことで、良好な再現性・歩留まりの素子形成が実現できる。その際に、ベース電極34を形成するための層として島状に残した部分の内側にp型キャップ層24及びアンドープキャップ層22を電流の流れる方向(横方向)と並行にストライプ状の開口部40を同時に形成しておき、将来的にベース電極34と接触するリセスエッチング部を形成する。なお、図3では説明の便宜上、開口部40を図示している。
リセスエッチング部は少なくともp型キャップ層24がエッチング除去されていれば良く、望ましくはアンドープキャップ層22を除去し、さらに望ましくは少なくともバリア層20の表面までエッチング除去されていることが求められる。また、仮にバリア層20の表面よりもエッチングが進んでいてもキャップ層22(2DHG層)が露出されることによって、より低接触比抵抗が得られるため、望ましい。なお、バリア層20を完全に除去してしまうと後に形成するベース電極34とチャネル層18(2DEG層)とが接触することになるため、接触しない場合と比べると、良好な電気特性が得られなくなってしまう。よって、バリア層20は完全に除去しないことが望ましい。
またストライプ状の開口部40の開口幅Wは少なくとも0.1μm以上あればよく、また少なくとも1箇所でも開口部40があれば、本発明の効果が発揮される。
3)ソース電極30及びドレイン電極32を形成する第3工程について図4を参照して説明する。
次に、塩素ガスなどを用いてゲート電極36を形成する領域のみバリア層20をエッチングにより除去する。その後、ゲート絶縁膜である誘電体膜26としてSiO2を40nm形成する。SiO2の誘電体膜26は、SiH4ガスとN2Oガスを用いてPCVDなどにより形成する。手法はPECVDでもよいし、APCVDでもよい。その後、レジストなどを用いてソース電極30とドレイン電極32を形成すべき領域を開口してバリア層20の表面を表出させ、表出させた領域に、Ti、AlとSiの合金膜、Wを順次蒸着してソース電極30とドレイン電極32をリフトオフ法などにより、形成する。
4)ベース電極34を形成する第4工程について図5を参照して説明する。
次にレジストなどによりパターニングを行って、ベース電極34を形成すべき領域に、レジストなどを用いて開口を設けたパターニングをし、Ni/Au(60nm/40nm)を蒸着してベース電極34を形成した。酸素雰囲気あるいは、酸素−窒素混合雰囲気において、500℃〜600℃でアニールし、形成する。
ベース電極34は、開口部40を覆うように形成される。開口部40の側面では、2DHG層のエピタキシャル成長面と異なる面が露出されているため、このようにベース電極34を形成することによりベース電極34と2DHG層とが電気的に接続される。
ここで、開口部40(アンドープキャップ層22及びp型キャップ層24のリセスエッチング部)の形状と、ベース電極34との関係について図6を参照して説明する。開口部40の側面40Aと、底面40Bとの角度をθとして、説明する。なお、図6では、開口部40を覆うように形成されたベース電極34上に角度θを図示しているが、略同様であるため問題は生じない。
図6(A)に示すように、角度θが90°程度の場合、ベース電極34の密着性が良好になる、一方、図6(B)に示すように、角度θが90°よりも小さい場合、側面40Aでは、形成されるベース電極34が他に比べて薄くなることがある。そのため、角度θが90°よりも大幅に小さい場合等、側面40Aでは、ベース電極34が途切れてしまう懸念が生じる。また、図6(C)に示すように、角度θが90°よりも大きい場合、ベース電極34の密着性は良好になるが、2DHGが薄まる懸念が生じる。このような観点から、開口部40の角度θは、45°以上、かつ175°以下が好ましく、より好ましくは、90°以上、かつ150°以下である。
5)ゲート電極36を形成する第5工程について説明する。
レジストなどによりパターニングを行って、ゲート電極36を形成すべき領域に、レジストなどを用いて開口部を設けたパターニングをし、NiあるいはTiなどを蒸着してゲート電極36を形成した。なお、ゲート電極36はポリシリコンなどを用いてもよい。その結果、図1に示した電界効果トランジスタ10が製造される。
[第2の実施例]
本実施例の概略構成の一例を示す概略構成図を図7に示す。図7(A)は、上面から見た概略の平面図であり、(B)は、(A)図のB−B線断面図であり、(C)は(A)図のC−C線断面図である。なお、第2の実施例は、第1の実施例と略同様の構成、工程を有するため、略同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
[第2の実施例]
本実施例の概略構成の一例を示す概略構成図を図7に示す。図7(A)は、上面から見た概略の平面図であり、(B)は、(A)図のB−B線断面図であり、(C)は(A)図のC−C線断面図である。なお、第2の実施例は、第1の実施例と略同様の構成、工程を有するため、略同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施例の電界効果トランジスタ10と、第1の実施例の電界効果トランジスタ10とでは、図7(A)に示すように、p型キャップ層24及びアンドープキャップ層22の形状(上面からみた形状)が異なっている。
本実施例の電界効果トランジスタ10では、アンドープキャップ層22及びp型キャップ層24がゲート電極36側からドレイン電極32側に向けて、バリア層20と接する面積が小さくなるように形成されている。p型キャップ層24を残す部分(面積が小さくなった先端部)は、ドレイン電極32と0.1μm以上隔絶されていればよく、望ましくはゲート電極36−ドレイン電極32間の1/3以上の間隔が空いていることが望ましい。例えば、ゲート電極36−ドレイン電極32間隔が12μmであれば、少なくとも4μm程度であればよい。
次に、本実施例の電界効果トランジスタ10の製造方法の一例について説明する。
まず、第1の実施例の第1工程の要領でエピ基板(基板12、バッファ層14、高抵抗層層16、チャネル層18、バリア層20、キャップ層22、及びキャップ層24が積層された基板)を準備する。
その後、本実施例の第2工程として、塩素ガスなどを用いて素子分離のためのアイソレーションメサ形成を実施する。その後、ベース電極34部分をレジストなどでマスクし、バリア層20の表面が露出するまで塩素ガスなどを用いて、ドライエッチングを行う。このとき、フッ素系のガスを混合する、あるいは酸素系のガスを混合するなどして、選択的にエッチングを行うことで、良好な再現性・歩留まりの素子形成が実現できる。その際に、ベース電極34を形成するための層として島状に残した部分の内側にゲート電極36からドレイン電極32側に向かって、エッチングする面積が相対的に大きくなるようなパターン(上記参照)にしておき、将来的にベース電極34と接触するリセスエッチング部(開口部40)を形成する。
ここで、p型キャップ層24を残す部分は、ドレイン電極32と0.1μm以上隔絶されていればよく、望ましくはゲート電極36−ドレイン電極32間の1/3以上の間隔が空いていることが望ましい。例えば、ゲート電極36−ドレイン電極32間隔が12μmであれば、少なくとも4μm程度であればよい。
その後、第1の実施例の第3工程〜第5工程までの要領で、それぞれゲートリセスエッチング、ソース電極30、ドレイン電極32、ベース電極34、及びゲート電極36を形成することにより、図7に示した電界効果トランジスタ10が製造される。
ゲート電極36からドレイン電極32側に向かって、徐々にp型キャップ層24及びアンドープキャップ層22の面積を低減させることで、平均的な二次元ホールガスの濃度を少しずつ低減させられる。このことにより、p型キャップ層24及びアンドープキャップ層22のドレイン電極32側端部への電界集中を抑えることができるため、以下の第3の実施例に比べて、よりリーク電流や耐圧を改善できる。また、電流コラプスについても効果的に抑制が可能である。
[第3の実施例]
本実施例の概略構成の一例を示す概略構成図を図8に示す。図8(A)は、上面から見た概略の平面図であり、(B)は、(A)図のB−B線断面図であり、(C)は(A)図のC−C線断面図である。なお、第3の実施例は、第1の実施例と略同様の構成、工程を有するため、略同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
[第3の実施例]
本実施例の概略構成の一例を示す概略構成図を図8に示す。図8(A)は、上面から見た概略の平面図であり、(B)は、(A)図のB−B線断面図であり、(C)は(A)図のC−C線断面図である。なお、第3の実施例は、第1の実施例と略同様の構成、工程を有するため、略同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施例の電界効果トランジスタ10は、第1の実施例の電界効果トランジスタ10と異なり、図8(B)に示すように、ベース電極34とゲート電極36とが同電位になるように、すなわち短絡するように形成されている。
このようにベース電極34とゲート電極36とを短絡させることで、オン特性としては、第1の実施例と同様のオン抵抗が得られる。また、ドレイン電流については、p型層を通してホール注入されることによって、電導度変調が起きるため、第1の実施例に比べて20%程度大きなドレイン電流が得られる。また、オフ特性としては、第1の実施例と同じく電界緩和効果が得られるため、同程度の耐圧とリーク電流を得ることができる。作製上は、ベース電極34とゲート電極36とを短絡させられれば、一つの電極として振る舞うため、電気的な制御はソース、ゲート、及びドレインの3端子で行える。ベース電極という端子を取る必要がなくなるため、素子サイズをよりコンパクトにできる。
本実施例の電界効果トランジスタ10の製造方法の一例について説明する。
まず、第1の実施例の第1工程の要領でエピ基板(基板12、バッファ層14、高抵抗層層16、チャネル層18、バリア層20、キャップ層22、及びキャップ層24が積層された基板)を準備する。
その後、本実施例の第2工程として、塩素ガスなどを用いて素子分離のためのアイソレーションメサ形成を実施する。その後、ベース電極34部分をレジストなどでマスクし、バリア層20の表面が露出するまで塩素ガスなどを用いて、ドライエッチングを行う。このとき、フッ素系のガスを混合する、あるいは酸素系のガスを混合するなどして、選択的にエッチングを行うことで、良好な再現性・歩留まりの素子形成が実現できる。その際に、ベース電極34を形成するための層として島状に残した部分の内側にp型キャップ層24およびアンドープキャップ層22を電流の流れる方向と並行にストライプ状の開口部40を同時に形成しておき、将来的にベース電極34と接触するリセスエッチング部を形成する。
その後、第1の実施例の第3工程、及び第4工程までの要領で、それぞれゲートリセスエッチング、ソース電極30、ドレイン電極32、及びベース電極34を形成する。
その後、本実施例の第5工程として、ベース電極34をまたぐようにゲート電極36をパターニングによって形成することにより、図8に示した電界効果トランジスタ10が製造される。
[第4の実施例]
本実施例の概略構成の一例を示す概略構成図を図9に示す。図9(A)は、上面から見た概略の平面図であり、(B)は、(A)図のB−B線断面図であり、(C)は(A)図のC−C線断面図である。なお、第4の実施例は、第1の実施例と略同様の構成、工程を有するため、略同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
[第4の実施例]
本実施例の概略構成の一例を示す概略構成図を図9に示す。図9(A)は、上面から見た概略の平面図であり、(B)は、(A)図のB−B線断面図であり、(C)は(A)図のC−C線断面図である。なお、第4の実施例は、第1の実施例と略同様の構成、工程を有するため、略同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施例の窒化物系化合物半導体素子は、第1の実施例のソース電極30、ドレイン電極32、及びゲート電極36に替わり、カソード電極62及びアノード電極64を備えたダイオード60として構成されている。
本実施例のダイオード60の製造方法の一例について説明する。
まず、第1の実施例の第1工程の要領でエピ基板(基板12、バッファ層14、高抵抗層層16、チャネル層18、バリア層20、キャップ層22、及びキャップ層24が積層された基板)を準備する。
その後、本実施例の第2工程として、塩素ガスなどを用いて素子分離のためのアイソレーションメサ形成を実施する。その後、ベース電極34部分をレジストなどでマスクし、バリア層20の表面が露出するまで塩素ガスなどを用いて、ドライエッチングを行う。このとき、フッ素系のガスを混合する、あるいは酸素系のガスを混合するなどして、選択的にエッチングを行うことで、良好な再現性・歩留まりの素子形成が実現できる。その際に、ベース電極34を形成するための層として島状に残した部分の内側にp型キャップ24層およびアンドープキャップ層22を電流の流れる方向と並行にストライプ状の開口部40を同時に形成しておき、将来的にベース電極34と接触するリセスエッチング部を形成する。
その後、本実施例の第3工程として、レジストなどを用いてカソード電極62を形成すべき領域を開口してバリア層20の表面を表出させ、そこに、Ti、AlとSiの合金膜、Wを順次蒸着してカソード電極62をリフトオフ法などにより、形成する。
次に、ベース電極34を形成するための本実施例の第4工程として、レジストなどによりパターニングを行って、ベース電極34を形成すべき領域に、レジストなどを用いて開口部を設けたパターニングをし、Ni/Au(60nm/40nm)を蒸着してベース電極34を形成する。酸素雰囲気あるいは、酸素−窒素混合雰囲気で500℃〜600℃でアニールし、形成する。
その後、本実施例の第5工程として、レジストなどによりパターニングを行って、アノード電極64を形成すべき領域に、レジストなどを用いて開口部を設けたパターニングをし、NiあるいはPdなどを蒸着してアノード電極Aを形成する。なお、アノード電極64はポリシリコンなどを用いてもよい。その結果、図9に示したダイオードが製造される。
[第5の実施例]
本実施例の概略構成の一例を示す概略構成図を図10に示す。図10(A)は、上面から見た概略の平面図であり、(B)は、(A)図のB−B線断面図であり、(C)は(A)図のC−C線断面図である。なお、第5の実施例は、第1の実施例と略同様の構成、工程を有するため、略同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施例の概略構成の一例を示す概略構成図を図10に示す。図10(A)は、上面から見た概略の平面図であり、(B)は、(A)図のB−B線断面図であり、(C)は(A)図のC−C線断面図である。なお、第5の実施例は、第1の実施例と略同様の構成、工程を有するため、略同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施例では、第1の実施例の電界効果トランジスタ10と異なり、本発明の窒化物系化合物半導体素子をノーマリオン型の電界効果トランジスタとして構成した場合について説明する。
本実施例の電界効果トランジスタ70の製造方法の一例について説明する。
まず、第1の実施例の第1工程の要領でエピ基板(基板12、バッファ層14、高抵抗層層16、チャネル層18、バリア層20、キャップ層22、及びキャップ層24が積層された基板)を準備する。
その後、本実施例の第2工程として、塩素ガスなどを用いて素子分離のためのアイソレーションメサ形成を実施する。その後、ベース電極34を形成するための領域をレジストなどでマスクし、バリア層20の表面が露出するまで塩素ガスなどを用いて、ドライエッチングを行う。このとき、フッ素系のガスを混合する、あるいは酸素系のガスを混合するなどして、選択的にエッチングを行うことで、良好な再現性・歩留まりの素子形成が実現できる。その際に、ベース電極34を形成するための層として島状に残した部分の内側にp型キャップ層24およびアンドープキャップ層22を電流の流れる方向と並行にストライプ状の開口部40を同時に形成しておき、将来的にベース電極34と接触するリセスエッチング部を形成する。
次に、第1の実施例の第3工程の要領で、ソース電極30及びドレイン電極32を形成する。なお、本実施例の電界効果トランジスタ70は、ノーマリオンであるため、第1の実施例と異なり、ゲートリセス部は形成しない。
次に、ベース電極34を形成する本実施例の第4工程として、レジストなどによりパターニングを行って、ベース電極34を形成すべき箇所に、レジストなどを用いて開口部を設けたパターニングをし、Ni/Au(60nm/40nm)を蒸着してベース電極34を形成する。酸素雰囲気あるいは、酸素−窒素混合雰囲気において、500℃〜600℃でアニールし、形成する。
さらに、レジストなどによりパターニングを行って、ゲート電極36を形成すべき領域に、レジストなどを用いて開口部を設けたパターニングをし、NiあるいはTiなどを蒸着してゲート電極36を形成する。なお、ゲート電極36はポリシリコンなどを用いてもよい。また、ゲート電極36の形成される領域の一部の誘電体膜26を除去して、ショットキー接合するゲート部も形成することができる。その結果、図10に示した電界効果トランジスタ70が製造される。
以上、上述の各実施例で説明したように、本発明による窒化物系化合物半導体素子では、2DHG層を有する、アンドープキャップ層22及びp型キャップ層24にエッチングによって部分的にリセス構造(開口部40)をつくりこみ、2DHG層のエピタキシャル成長面と異なる面が露出された開口部40を覆うようにベース電極34が形成されているため、ベース電極34とオーミックコンタクトがとりやすくなる構成されている。当該構成により、2DHGのホールを効果的に排出できるようになる。また、チャネル層18をアンドープ層とすることで、順方向特性や逆方向特性を維持しながら電流コラプスを抑制し、短絡耐量を維持できる。
例えば、電界効果トランジスタ10では、図11に示した従来の窒化物系化合物半導体素子ではオン抵抗が5mΩcm2の素子において、電流コラプスとしてオン抵抗の増大率が600Vで1.5倍以上に悪化してしまったものが、1.1倍以下まで改善することが確認できた。また、ホールの排出を改善できたことで、負荷短絡耐量も向上し、図11に示した従来の窒化物系化合物半導体素子では、ほとんど耐量がなかったものが、100A/cm2、600Vでの耐量が700mJまで改善できた。
また、ノーマリオフ型の素子としては、ハイブリッドMOSHFET構造が望ましい。この構造では、ゲート電極36のリセスエッチングによってゲート電極36下の2DEGキャリアを除去することができるが、このエッチングおよび設計条件は2DHGの設計パラメータに影響を与えずに独立に設計することが出来るという効果がある。もちろん、バリア層20を完全除去せずに、数nm残してゲート絶縁膜である誘電体膜26を形成する方式にも適用できることはいうまでもないことである。
そのため、高耐圧のインバータやコンバータなどへの応用が可能になる。以上のことより、高耐圧で、かつ高い信頼性をもつGaN系電界効果トランジスタの実現が可能である。
なお、上記各実施例で示した開口部40の形状等は具体的一例であり、これに限定されるものではない。上述したように、少なくとも1箇所でも開口部を備えていれば、備えていない場合に比べて、オーミックコンタクトがとりやすくなるため、ホールを効果的に排出することができるという効果が得られる。例えば、ストライプ状ではなく、円形状等の他の形状であってもよい。また第2の実施例では、ゲート電極36側からドレイン電極32側に向けてアンドープキャップ層22およびp型キャップ層24の面積が小さくなるように開口部40を形成しているが、これに限らず、例えば、ドレイン側に向けて当該面積が同じ(アルファベットの「E」形状)ように形成してもよい。また、アンドープキャップ層22及びp型キャップ層24を複数、間隔(開口部40に相当)を開けてストライプ状に形成してもよい。本発明の主旨を逸脱しない限り、このように、種々の変形が可能であることはいうまでもない。
なお、上記各実施例では、基板12をシリコン基板とした場合について例示したが、シリコン基板以外のSiC基板、サファイア基板、GaN基板、MgO基板、及びZnO基板上など、GaNが結晶成長可能なあらゆる基板上の素子についても成り立つことは言うまでも無い。
また、上述の各実施の形態で説明した窒化物系化合物半導体素子の構成、及び製造方法などは一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることはいうまでもない。
10、70 電界効果トランジスタ
14 バッファ層
18 チャネル層
20 バリア層
22 アンドープキャップ層
24 p型キャップ層
30 ソース電極
32 ドレイン電極
34 ベース電極
36 ゲート電極
40 開口部
60 ダイオード
62 カソード電極
64 アノード電極
14 バッファ層
18 チャネル層
20 バリア層
22 アンドープキャップ層
24 p型キャップ層
30 ソース電極
32 ドレイン電極
34 ベース電極
36 ゲート電極
40 開口部
60 ダイオード
62 カソード電極
64 アノード電極
Claims (15)
- 電子走行層と、電子供給層と、該電子走行層と該電子供給層との界面に形成される二次元電子ガス層を有する第1窒化物系半導体層と、
前記第1窒化物系半導体層上に形成されており、分極接合の界面に形成される二次元ホールガス層を有する第2窒化物系半導体層と、
前記第2窒化物系半導体層に接して形成されており、少なくとも1箇所のエピタキシャル成長面と異なる方位をもつ面が露出された前記二次元ホールガス層に電気的に接触しているベース電極と、
を備えた窒化物系化合物半導体素子。 - 前記第2窒化物系半導体層は、前記二次元ホールガス層に接触する開口部を有している、請求項1に記載の窒化物系化合物半導体素子。
- 前記開口部は、前記第1窒化物系半導体層の前記電子供給層の表面に至る、請求項2に記載の窒化物系化合物半導体素子。
- 前記開口部の側面と、底面とのなす角度が45°以上、175°以下であり、前記ベース電極が前記開口部を覆うように形成されている。請求項2または請求項3に記載の窒化物系化合物半導体素子。
- 前記開口部の側面と、底面とのなす角度が90°以上、150°以下であり、前記ベース電極が前記開口部を覆うように形成されている。請求項2または請求項3に記載の窒化物系化合物半導体素子。
- ゲート電極と、
ドレイン電極と、
ソース電極と、
前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間の領域に前記第2窒化物系半導体層を含む電界緩和層と、
を備え、ノーマリオフ動作をする電界効果トランジスタである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の窒化物系化合物半導体素子。 - ゲート電極と、
ドレイン電極と、
ソース電極と、
前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間の領域に前記第2窒化物系半導体層を含む電界緩和層と、
を備え、ノーマリオン動作をする電界効果トランジスタである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の窒化物系化合物半導体素子。 - 前記電界緩和層における前記二次元ホールガス層の平均濃度が、前記ゲート電極から前記ドレイン電極に向かって減少していく、請求項6または請求項7に記載の窒化物系化合物半導体素子。
- 前記電界緩和層が、p型キャリアを有する窒化物系半導体層を有しており、前記ゲート電極から前記ドレイン電極に向かって前記第1窒化物系半導体層に接する面積を低減させていくよう配置された、請求項8に記載の窒化物系化合物半導体素子。
- アノード電極と、
カソード電極と、
前記アノード電極と前記カソード電極との間の領域に前記第2窒化物系半導体層を含む電界緩和層と、
を備えたダイオードである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の窒化物系化合物半導体素子。 - 前記電界緩和層が、p型キャリアを有する窒化物系半導体層を有しており、前記アノード電極から前記カソード電極に向かって前記第1窒化物系半導体層に接する面積を低減させていくよう配置された、請求項10に記載の窒化物系化合物半導体素子。
- 前記ソース電極または前記ゲート電極と、前記ベース電極と、が同一の電位をもつ、請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の窒化物系化合物半導体素子。
- 前記アノード電極と、前記ベース電極と、が同一の電位をもつ、請求項10または請求項11に記載の窒化物系化合物半導体素子。
- 前記ゲート電極が、前記ベース電極の少なくとも一部を覆うように形成されている、請求項12に記載の窒化物系化合物半導体素子。
- 前記アノード電極が、前記ベース電極の少なくとも一部を覆うように形成されている、請求項13に記載の窒化物系化合物半導体素子。
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