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JP2013189244A - 蓋材 - Google Patents

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Abstract

【課題】湯切り孔形成時における上記のような剥離エラーが生じ難く、輸送時における蓋材端面の浮きが発生し難い蓋材を提供する。
【解決手段】容器本体に剥離可能にシールされる蓋材1は、紙層と樹脂フィルム層とを有する上シート6と、シーラント層を下面に有する下シート5とを備えた積層体からなり、蓋本体2と、開封用プルタブ3と、湯切り用プルタブ4とを有し、湯切り用プルタブの根本部分を横断する2点10a、10bを結ぶように形成されたプルタブ用ハーフカット10と、湯切り孔用ハーフカット12とを有し、湯切り用プルタブから見て点10aよりも点11aを起点とし、点10bよりも遠い点11bを終点として、湯切り孔用ハーフカットを取り囲むように形成された部分剥離用ハーフカット11と、プルタブ用ハーフカットとによって囲まれた剥離領域Aが形成され、剥離領域を含むように、樹脂フィルム層の下面に剥離層が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、物品を収納した容器の開口部を密封するための蓋材に関し、特に、使用時に内部に注入した水や湯などを外部に排出するための湯切り孔を形成する機構を備えた蓋材に関する。
従来、即席用の焼きそばやスパゲティ等の食品を収納する容器において、喫食するに際して、熱湯を注いで所定の時間が経過した後に排湯(湯切り)処理を行い、然る後に喫食することを可能とした即席食品用容器が知られている。
即席食品用容器の湯切り機能を有する蓋材としては、上シートを外面側にして、その内面側(食品側)に下シートを重ね合わせて積層したシート状の蓋であり、その蓋の外周円弧部分からその内側にかけて一部領域の前記下シートと上シートとの重ね合わせ内面の全面または湯切り部局所に、接着強度を調整し剥離可能とした易剥離領域を設けており、この易剥離領域内の下シートに複数個の湯切り孔が穿設されている構造の蓋材が知られている。この場合、実用上衛生面等を考慮して湯切り孔周辺をハーフカットとしておき、使用時に湯切り孔を開口させる場合が多い。
上記のような構造の即席食品容器の湯切り孔付蓋材は、即席食品を収納した容器の上端開口部にあるフランジ部に接着シールすることにより、即席食品を密封包装した即席食品容器を形成する。
このようにして即席食品を密封包装した容器は、接着領域側の蓋材外周にある開封用プルタブを引っ張り上げて、容器のフランジ部から蓋材を部分的に剥がして開口し、その開口部より熱湯を注入した後、蓋材外周にある開封用プルタブを再度フランジ部の外側に折込むようにして施蓋し、数分開放置して容器の中にある即席食品を柔らかくほぐす。
その後、易剥離領域側の湯切り用プルタブを引っ張り上げて上シートに施されたミシン目若しくはハーフカットに沿って易剥離領域の上シートを下シートから剥離し、下シートに穿設された湯切り孔を露出させる。そうして容器を傾けながら、中にある不要な湯だけを湯切り孔から排出することができるようになっている。
このような湯切り蓋材において、上シートに紙を用いて、紙の裏面に剥離界面を設けた構成では、積層の簡素化によりコスト低減が出来る一方で、蓋材を容器フランジ部に熱シールする際に、シール領域において紙層に含まれる水分が瞬間的に蒸発して、積層中最も強度の弱い剥離剤を設けた箇所でシール強度の低下や極端な場合は蓋材の浮きが発生することがある。
特に剥離領域の上シートを蓋本体から切り離すために、剥離領域外周の上シートにハーフカットを設ける場合、この部分剥離用ハーフカットと、湯切り用プルタブの付け根に設けるプルタブ用ハーフカットとが蓋材内において交差すると、剥離エラーが発生するため、この両者は交差しないように離して設置しなければならないが、それぞれのハーフカット線が蓋材の外縁に交差する点と点の間は、蓋材の外縁に剥離剤塗布端面が露出することになる。
この剥離剤が塗布された露出端面は、先に説明したように、シール強度の低下や蓋材の浮きが発生しやすい部分でもあるため、製品の輸送・流通過程において、浮きが発生して大きな問題となる場合があった。
特許文献1に記載された即席食品容器の湯切孔付き蓋は、剥離領域を形成する易剥離層を網点パターンや網目パターンで形成することにより、剥離領域における剥離強度を全面的に強化し、蓋の製造加工工程において予定外の不規則な剥離が発生しないようにしたものである。
特許第4090608号公報
特許文献1に記載された湯切孔付き蓋は、剥離領域における剥離強度を全面に亘って上げてしまうものであるため、しばしば実使用時における剥離適性が損われることがあった。特に紙の裏面に剥離界面を設けている場合、剥離強度が上がることにより紙層破壊が発生し、下シート上面に紙層が残留することから、湯切り孔が完全に露出しないなどの機能性エラーが発生することがあった。
特に表裏面のハーフカット箇所では、ハーフカット加工時の刃の潜り込みにより、上シート側からのハーフカッ卜部周縁では上シートが下シートに潜り込み、下シート側からのハーフカット部周縁では下シートが上シートに潜り込むため、層間の剥離強度を上げることによってハーフカット周縁における前記紙層破壊による剥離エラーが発生しやすかった。
本発明の目的は、湯切り孔形成時における上記のような剥離エラーが生じ難く、しかも製品輸送・流通時における蓋材端面の浮きが発生し難い蓋材を提供することである。
上記の課題を解決するための手段としての本発明は、容器本体の開口部の縁に沿って形成されたフランジ部に剥離可能にシールして被せる蓋材であって、上面が蓋材の表面を形成し紙層とポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム層を有する上シートと、該上シートの前記ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム層面にポリエチレン樹脂層を介して積層され、前記容器本体のフランジ部にシールするためのシーラント層を下面に有する下シートとを備えた積層体からなり、前記フランジ部の外形と略同等の大きさを有し、前記開口部およびフランジ部を一体に覆う蓋本体と、前記フランジ部の外側に位置するように蓋本体に一体に延設され、蓋本体を前記開口部から分離する時に使用する開封用プルタブと、前記蓋本体に一体に延設され容器本体から液体を排出させる複数の湯切り孔を蓋本体に出現させるときに使用する湯切り用プルタブとを有し、該湯切り用プルタブの根本部分を横断し、蓋材の両側の外縁上の2点を結び、前記下シートの下面から下シートを貫通するプルタブ用ハーフカットを有し、該プルタブ用ハーフカットに隣接して、前記湯切り孔に対応した所望形状を有する、下シートの下面から下シートを貫通する湯切り孔用ハーフカットが所望の配列に従って複数形成され、前記湯切り用プルタブから見て前記2点の一方よりも遠い外縁上の点を起点とし、前記2点の他方よりも遠い外縁上の点を終点として、前記複数の湯切り孔用ハーフカットを取り囲むように形成されて上シートの上面から上シートを貫通する部分剥離用ハーフカットと、前記プルタブ用ハーフカットとによって囲まれた剥離領域が形成されており、該剥離領域を含むように、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの下面に剥離層が形成されていることを特徴とする蓋材である。
本発明に係る蓋材は、従来紙の裏面に直接剥離界面を設けていたことにより、バブリングによる浮きや、界面剥離時の紙層破壊が発生しやすかった点に着目し、紙層に隣接して接着強度の弱い剥離界面を設置せず、紙層裏面に接着剤層を介してポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムを強固に積層したことにより、浮きの発生を回避し、輸送途中における浮きの問題も解消する。
また、従来紙裏面に剥離界面を設置した場合は、紙の裏面である未塗工面は天然繊維がむき出しとなっており、また湿度の影響などで紙の表面状態が変異することから、紙層破壊などの不具合が発生し、剥離品質が不安定となるところを、紙の裏面にPETフィルムを積層することで、剥離品質を安定化することが出来る。
また、PETフィルムとPE樹脂層の界面に剥離面を設ける場合、適度な剥離適性を安定して発揮させる為には、PETフィルムの表面状態を厳密に管理する必要があるが、実際上は、PET樹脂組成や、製膜条件等により表面物性が大きく影響を受ける為、剥離品質を安定化させることが難しかった。これに対し、本発明に係る蓋材は、剥離性を有するコーティング層である第1の剥離層を剥離界面として設置することにより、PETフィルム表面物性の影響を大きく受けることなく、剥離品質を安定化させることが出来る。
前記剥離層は、前記剥離領域のうちプルタブ用ハーフカットを合む領域に設けられた第2の剥離層と、前記剥離領域の少なくとも一部に設けられた第1の剥離層とを有してもよい。
この場合、PET樹脂フィルムの下面に、プルタブ用ハーフカットの近傍を含むように第2の剥離層が形成されているため、第1の剥離層と第2の剥離層の剥離強度を調節することにより、使い勝手の良い剥離適性を実現することが容易に可能となる。
また、前記第1の剥離層がウレタン樹脂を含む第1の剥離剤で形成され、前記第2の剥離層がポリアミド樹脂を70重量%以上含む第2の剥離剤で形成されてもよい。
また、前記第2の剥離層の一部は、前記第1の剥離層上であって前記部分剥離用ハーフカットの一部を除く領域に、単位面積あたりの着肉面積が40%以上90%以下となるように前記第2の剥離剤を塗布して形成されてもよい。
さらに、前記剥離領域内の前記湯切り孔用ハーフカットで囲まれた領域内に、前記第1の剥離層が存在しない部分を設けてもよい。
本発明に係る蓋材によれば、ユーザは、容器本体からの液体の排出時に液体排出孔(湯切り孔など)を簡単な操作で確実に出現させることができ、容器に予め用意されている液体排出機構を損なうことも大幅に減少する。このため、使い勝手がよく、かつ、信頼性の高い液体排出孔付き容器の蓋材を提供することができる。
本発明に係る蓋材は、上シートと下シートの2層からなり、特に上シートの紙層と剥離界面の問にPETフィルムを配置することにより、浮きの防止と、剥離エラーの発生を共に防止し得るという効果を発揮する。
また、さらに剥離界面に、第1の剥離層を設けたので、使用するPETフィルムの表面状態が多少ばらついたとしても、安定した剥離適性を発揮することができる。
本発明の蓋材において、PET樹脂フィルムの下面に、プルタブ用ハーフカットの近傍を含むように第2の剥離層が形成されている場合、第1の剥離層と第2の剥離層の剥離強度を調節することにより、例えば剥離の初期においては、剥離しやすく、その後は適度の剥離重さを発揮するといった使い勝手の良い剥離適性を実現することが可能となる。
本発明の蓋材において、第1の剥離層が、ウレタン樹脂を20重量%以上含み、第2の剥離肩が、ポリアミド樹脂を70重量%以上含むものである場合、ウレタン樹脂を主とした第1の剥離層を用いることにより、剥離層の凝集力を適正に保持することができるため、充填シールによる熱影響、カール発生時の蓋製品の扱き応力にも耐え、これら実使用耐性と剥離適性の両立をすることが出来る。また、プルタブ用ハーフカットの近傍を含む限定された領域において、ポリアミド樹脂を70重量%以上含有する第2の剥離層を積層したことにより、ウレタン樹脂を主とした剥離層では、剥離層の凝集力により、特にプルタブ用ハーフカッ卜部における剥離界面の開き適性がやや劣るのに対して、樹脂の凝集力が弱いポリアミド樹脂を主成分とした第2の剥離層を、プルタブ用ハーフカッ卜部周辺に単層もしくは重ね塗りすることにより、プルタブ用ハーフカッ卜部における剥離界面の開き適性を改善できる。
図1は、本発明に係る蓋材およびこれを用いた包装体の一実施態様を示した平面模式図である。 図2は、図1のX−X’断面を示した断面模式図である。 図3は、図2の上シートを剥離除去した状態を示した断面模式図である。 図4は、本発明に係る蓋材の他の実施態様を示した平面模式図である。 図5は、本発明に係る蓋材の他の実施態様を示した平面模式図である。 図6は、本発明に係る蓋材の一実施態様を示した断面模式図である。 図7は、本発明に係る蓋材の他の実施態様を示した断面模式図である。 本発明に変形例の蓋材における剥離領域周辺を示す図である。
以下図面を参照しながら、本発明に係る蓋材について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る蓋材(1)およびこれを用いた包装体の一実施態様を示した平面模式図である。図2は、図1のX-X’断面を示した断面模式図である。図3は、図2の上シートを剥離除去した状態を示した断面模式図である。また図4、5は、本発明に係る蓋材の一実施態様を示した断面模式図である。
図1に示す容器(CT)は、焼きそばやスパゲッティなどのように、湯熱による調理をした後、湯切りをする即席食品のためのプラスチック製の容器である。この容器(CT)は、略四角形の面を有するボックス形を成しており、事前に焼きそばやスパゲッティなどの食品を乾燥状態で収めた容器本体(BD)と、この容器本体(BD)の上面を成す開口部(OP)のフランジ部(FL)に剥離可能に接着させた蓋材(1)とを備えている。
本発明に係る蓋材(1)は、容器本体(BD)の開口部(OP)の縁に沿って形成されたフランジ部(FL)に剥離可能にシールして披せる蓋材である。なお図1では、容器(CT)に接着させた蓋材(1)の一部を除去して内部あるいは下層が見えるようにしてある。
図1に示すように、容器本体(BD)の開口部(OP)を周回するフランジ部(FL)は、外縁(a)と内縁(b)とを有する。蓋材(1)は、容器本体(BD)の開口部(OP)のフランジ部(FL)の外縁(a)とほぼ同じ外形を有する蓋本体(2)と、その端縁に延設され、蓋本体(2)を開口部(OP)から分離する時に使用する1つ又は複数の開封用プルタブ(3)と、蓋本体(2)に一体に延設され容器本体(BD)から液体を排出させる複数の湯切り孔(e)を蓋本体(2)に出現させるときに使用する湯切り用プルタブ(4)を有する。図1に示した実施態様では、1つの開封用プルタブ(3)と、1つの湯切り用プルタブ(4)とが設けられている。
蓋材(1)は、上面が蓋材(1)の表面を形成し紙層(22)とPET樹脂フィルム層 (24a)を有する上シート(6)と、上シート(6)のPET樹脂フィルム層(24a)面にポリエチレン樹脂層(7)を介して積層され、容器本体(BD)のフランジ部(FL)にシールするためのシーラント層(27)を下面に有する下シート(5)とを備えた積層体からなる。
蓋材(1)には、湯切り用プルタブ(4)の根本部分を横断し、蓋材(1)の両側の外縁上の2点(10a)、(10b)を結び、下シート(5)の下面から下シート(5)を貫通するプルタブ用ハーフカット(10)が設けられている。
このプルタブ用ハーフカット(10)は、本実施態様では直線であって、フランジ部(FL)の外縁(a)に接する接線として形成されている。しかしながら、これに限らずに、このプルタブ用ハーフカット(10)は外縁(a)に対して、その当接位置から若干前後した直線であってもよいし、また外縁(a)の九みに沿った湾曲した曲線状であってもよい。
プルタブ用ハーフカット(10)に隣接して、湯切り孔(e)に対応した所望形状を有し、下シート(5)の下面から下シート(5)を貫通する湯切り孔用ハーフカット(12)が所望の配列に従って複数形成されている。
蓋材(1)の平面視(蓋本体を紙層22側から見た状態)において、湯切り用プルタブ(4)から見て点(10a)よりも遠い外縁上の点(11a)を起点とし、点(10b)よりも遠い外縁上の点(11b)を終点として、前記複数の湯切り孔用ハーフカット(12)を取り囲むように、上シート(6)の上面から上シート(6)を貫通する部分剥離用ハーフカット(11)が形成されており、この部分剥離用ハーフカット(11)と前記プルタブ用ハーフカット(10)とによって囲まれた領域が、湯切り時に上シート(6)が剥離される剥離領域(A)とされている。
そして剥離領域(A)を含むように、上シート(6)における前記PET樹脂フィルム(24a)の下面に第1の剥離層(剥離層)(8)が形成されている。
剥離領域(A)は、プルタブ用ハーフカット(10)を含み、蓋本体(2)の平面視内方に向って延びる部分的な領域において、上シート(6)の下面に印刷形成した第1の剥離層(8)を剥離界面として、上シート(6)と下シート(5)を剥離可能に積層した領域である。
第1の剥離層(8)は、図1の例では、網掛けされた領域に形成されており、この領域は剥離領域(A)を含んでいる。この剥離領域(A)はそれ以外の非剥離領域(B)に面上で隣接し且つ非剥離領域(B)に囲まれるように位置している。
蓋材(1)の平面視において、その長方形の一方の対角線に湯切り用プルタブ(4)の角部を2分するように延びる2分線(PG)が交わる交点(以下、中心点)(O)が存在する。この蓋材(1)の形が正方形であれば、この中心点(O)は2つの対角線の交点となる。また、蓋材(1)が円形であれば、その円の中心が中心点(O)となる。そこで、第1の剥離層(8)はこの中心点(O)と湯切り用プルタブ(4)との間の範囲に収まる略矩形に形成された部分剥離用ハーフカット(11)を含む範囲に形成されている。加えて、この第1の剥離層(8)は1つの2分線(PG)に対して線対称に形成されている。
上シート(6)の上面から上シート(6)を貫通する部分剥離用ハーフカット(11)と、前記プルタブ用ハーフカット(10)とによって囲まれた領域が剥離領域(A)となり、この領域は湯切り操作を行う際に上シート(6)が剥離除去されて、湯切り孔(e)を現出させる。
剥離領域(A)内には、湯切り孔(e)に対応した所望形状を有する、下シート(5)の下面から下シート(5)を貫通する湯切り孔用ハーフカット(12)が所望の配列に従って複数形成されている。図1に示した実施態様では、この複数の湯切り孔用ハーフカット(12)の形状は平面視において矩形状を成している。
さらに、図1から分かるように、蓋材(1)の平面視において、矩形状の複数の湯切り孔用ハーフカット(12)は、湯切り用プルタブ(4)の中心と蓋材(1)の上面(表面)の仮想的な中心点(O)とを結ぶ2分線(PG)に対し、左右対称に配置されている。
以上のことから、本実施形態に係る蓋材(1)では、その主要な構成として、湯切り用プルタブ(4)の根本部分を横断する両側のそれぞれに位置する、下シート(5)の外縁上の2点10a、10bを結ぶように下シート(5)の下面からプルタブ用ハーフカット(10)が形成される。
また、湯切り用プルタブ(4)の根本部分の両側において当該根本部分からそれぞれ等距離のフランジの外縁(a)の上の2つの位置であって、前記2点(10a)、(10b)よりも湯切り用プルタブ(10)から離れた2つの起点(11a)、(11b)からそれぞれ蓋本体(2)の面上の内方に向かって延びて相互に合流して部分的な領域を当該蓋本体(2)に画成するように上シート(6)の上面から部分剥離用ハーフカット(11)が形成される。
さらに、部分剥離用ハーフカット(11)で画成された部分的な領域において下シート (5)の下面から下シート(5)を貫通するように、複数の湯切り孔(e)にそれぞれ対応した形状を有し且つ当該領域内で所望の配列を有する複数の湯切り孔用ハーフカット(12)が形成される。
このため、湯切り用プルタブ(4)の引き剥がし動作により、湯切り孔用ハーフカット (12)が付された下シート(5)の部分を上シート(6)に付着させた状態で、上シート(6)のプルタブ用ハーフカット(10)、フランジ部(FL)の外縁上の2点(10a)、(10b)それぞれから2つの起点(11a)、(11b)のそれぞれに至る当該外縁の一部、及び、部分剥離用ハーフカット(11)で囲まれる閉領域の部分が湯切り用プルタブ(4)と共に下シート(5)から部分的に剥離可能になっている。
そこで、図3に示すように、湯切り時にユーザは湯切り用プルタブ(4)をめくるように引き上げる。この引き上げ動作により、プルタブ用ハーフカット(10)の部分で湯切り用プルタブ(4)および上シート片(SH)が蓋材(1)から分離可能になっている。
そこで、ユーザはそのまま湯切り用プルタブ(4)を持ってそれを蓋本体(2)の面の内方に向けて剥がすと、この湯切り用プルタブ(4)と一緒にそれ以降の上シート(6)が下シート(5)から捲れ上がって剥離される。この捲れ上がる部分は、部分剥離用ハーフカット(11)が形成されているため、この部分剥離用ハーフカット(11)で囲まれている領域に限られる。
従って、この湯切りに伴うプルタブ引き上げ動作により、最終的に、図3に示すように、湯切り用プルタブ(4)を頂点としてこれに一体に連なる略長方形状の上シート片(SH)が蓋材(1)から分離される。この分離された上シート片(SH)には各湯切り孔用ハーフカット(12)で囲まれた下シートの一部も一体に付着している。つまり、下シート(5)の剥離領域(A)において、この付着により抜けた孔が湯切り孔(e)として残される。これにより、湯切り用プルタブ(4)の引き上げから上シート(6)の剥離領域(A)の部分の捲り上げまで一気に進めることで、蓋材(1)の下シート(5)が露出した剥離領域(A)に複数の湯切り孔(e)が出現することになる。したがって、ユーザは、この湯切り孔(e)を使って従来と同様に湯熱による内容物の調理後の残湯を排出させることができる。
図4に示した実施態様では、プルタブ用ハーフカット(10)と部分剥離用ハーフカット(11)とによって囲まれた剥離領域(A)を含む、ほぼ全ての領域には第1の剥離層(8)が、またプルタブ用ハーフカット(10)周辺には、第2の剥離層(9)が設けられている。両者は重ね刷りしても良いし、単層ずつ領域を分けて塗工しても良い。
また、図4に示した実施態様においては、湯切り孔用ハーフカット(12)で囲まれた領域内に、第1の剥離層(8)が存在しない部分、すなわち細かい矩形状の非剥離領域(C)が設けられている。
湯切り孔ハーフカット(12)内に非剥離領域(C)が設けられていることにより、湯切り孔部分の下シートが確実に上シートに付着して除去されるので、湯切り孔の開口不良が発生し難くなる。
また図5に示した実施態様では、第1の剥離層(8)が、部分剥離用ハーフカット(11)とプルタブ用ハーフカット(10)に囲まれた剥離領域(A)を含む幅で、印刷流れ方向に対して平行な縦筋状に塗工されている。
このように、第1の剥離層を形成する第1の剥離剤の塗工領域を、流れ方向でエンドレスに設置することで、表面絵柄との印刷位置合わせ操作を簡単に出来ることから、剥離層に見当合わせ用の着色をする必要が無くなり、万一剥離界面に剥離層が残留したような場合であっても、痕跡を目立たなくすることが出来る。
前記効果を得る為に、第1の剥離層(8)を製品全面に設けても良いが、コスト面では上述のように、幅方向の一部において、印刷流れ方向にエンドレス配置にする方が望ましい。
また、第2の剥離層(9)形成する第2の剥離剤を塗工する領域については、印刷加工およびハーフカット加工の見当精度を考慮して、プルタブ用ハーフカット(10)を含むように塗工範囲を設計する。その際、上シートの浮きが発生しやすくなるため、部分剥離用ハーフカット(11)には掛からないようにすることが望ましい。本発明に係る蓋材(1)では、部分剥離用ハーフカット(11)の基点(11a)と終点 (11b)をプルタブ用ハーフカットが外縁と交わる点である(10a)、(10b)と離して設置してあるので、第2の剥離層(9)が部分剥離用ハーフカット(11)に接触しないように設置することが容易であり、浮きの問題が生じない。
図6は、本発明に係る蓋材の一実施態様を示した断面模式図である。本実施形態に係る蓋材(1)の製造方法は、例えば以下の通りである。
まず、紙層(22)として後に説明する所定の紙の裏面に、接着剤層(25a)を塗布して、ドライラミネーション法によって、PET樹脂フィルム(24a)を積層する。この時用いるPET樹脂フィルムは両面コロナ処理加工を施しているものが望ましい。
次に、上記積層フィルムの表裏面に印刷加工を施し、紙層表面には絵柄印刷層(21)を形成し、裏面のPET樹脂フィルム面には第1の剥離剤および第2の剥離剤を所定パターンで印刷し第1の剥離層(8)、第2の剥離層(9)を形成する。剥離剤は、第1の剥離剤を少なくとも部分剥離用ハーフカット(11)とプルタブ用ハーフカット(10)とその間の蓋材(1)の外縁で囲まれた範囲(すなわち剥離領域A)に、第2の剥離剤はプルタブ用ハーフカット(10)の周辺に塗布するもので、これら剥離層(8)、(9)は積層しても領域を分けてそれぞれ単層となるように塗工してもよい。図6に示した実施態様では、第1の剥離層(8)の上に(図では下)第2の剥離層(9)が積層されている。
次に、別途PET樹脂フィルム(24b)を用意し、このPET樹脂フィルム(24b)のコロナ処理面に、接着剤層(25b)を塗布して、ドライラミネーション法によって、アルミニウム箔(26)を積層する。次に先に印刷を施した積層フィルムのPET樹脂フィルム(24a)面に、コロナ放電処理を施した後、Tダイ方式押出しラミネート機を用い、ポリエチレン樹脂層(7)を押し出して、別途積層したPET樹脂フィルムとアルミニウム箔の積層体のPET樹脂フィルム面を、サンドイッチラミネーション法により積層する。次に、この積層体のアルミニウム箔面にシーラント層(27)を設ける。
このようにして、PET樹脂フィルム(24b)とアルミニウム箔(26)、シーラント層(27)からなる下シート(5)と、これを被覆する、絵柄印刷層(21)と紙層(22)、PET樹脂フィルム層(24a)からなる上シート(6)が、各剥離層(8)、(9)や、接着層となるポリエチレン樹脂層(7)を介して積層され、蓋材(1)の積層体ができる。なお、ポリエチレン樹脂層(7)は、下シート(5)に含めるものとする。
次に、ロータリーダイカッターにより積層体を切断して、表面側のハーフカットは上シートを貫通してポリエチレン樹脂層(7)まで、また、裏面側のハーフカットは下シートを貫通してPET樹脂フィルム(24a)の途中までのハーフカット加工を行い、プルタブ用ハーフカット(10)と湯切り孔用ハーフカット(12)と部分剥離用ハーフカット(11)を設ける。次に、蓋材(1)の外形に打ち抜いて、枚葉の蓋材(1)が得られる。尚、ハーフカット加工と、外形の打ち抜きは同時に行ってもよい。
本発明に係る蓋材(1)の製造に用いられる紙層(22)の材料としては、坪量50g/m〜150g/mの紙が好ましく用いられる。紙の種類は、絵柄印刷(21)を施すために表面が白色で多色印刷適性を有するものが好ましく、印刷用下地コート層が積層された、両アート紙、片アート紙、あるいは、両コート紙、片コート紙などを好適に使用することができる。また、純白ロールなども用いることができる。
坪量が50g/m未満の場合は、剛性や機械的強度がやや不足し、150g/mを超える場合は、剛性は既に充分であり、それ以上の必要性がなく、ヒートシールに時間を要し、紙の層間強度の低下、開封時の紙の折れ易さの低下などもあるため好ましくない。
上シート(6)を構成するPET樹脂フィルム(24a)としては、厚さが6μmから25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを好適に使用できる。二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、特にコスト面、表面物性の安定性、耐熱特性、加工適性面において、優れている。
紙層(22)とPET樹脂フィルム層(24a)、およびアルミニウム箔(26)とPET樹脂フィルム層(24b)を貼り合せる接着剤層(25a)、(25b)としては、公知のドライラミネート用接着剤を使用することができる。
絵柄印刷層(21)の印刷には、紙用のグラビアインキ、フレキソインキ、オフセットインキなどを用いて、それぞれの印刷方式で設けることができる。また、箔押しなどで金属光沢部分を設けてもよい。また、絵柄印刷層(21)を保護するために、保護ニスを表面に塗布したり、PET樹脂フィルムなどの延伸フィルムを表面に積層したりしてもよい。
次に剥離層について説明する。第1の剥離層(8)を形成する第1の剥離剤の材質としては、例えばウレタン系樹脂を主成分とする混合樹脂を用いる。他に添加する成分としては、ニトロセルロース系樹脂、ワックス、もしくは、塩酢ビ樹脂などの熱可塑性樹脂を使用できる。
ウレタン系樹脂を第1の剥離剤の主成分とすることで、凝集力が強く、微粘着性のある第1の剥離層を得ることが出来、剥離界面が安定し、外部からの応力による不用意な剥離への耐性を付与することが出来る。また、PET樹脂フィルム(24a)への密着適性も良好で、ブロッキングなどの不具合を発生することもなく、加工適性が良好である。
第1の剥離剤におけるウレタン樹脂の含有量としては、固形分比で20重量%以上であることが望ましい。20重量%以上であれば十分な凝集力が得られ、安定した剥離適性を実現できる。
第2の剥離層(9)を形成する第2の剥離剤の材質としては、例えばポリアミド系樹脂を主成分とする混合樹脂を用いる。他に添加する成分としては、ニトロセルロース系樹脂、ワックス、もしくは、塩酢ビ樹脂などの熱可塑性樹脂を使用できる。
ポリアミド系樹脂を第2の剥離剤の主成分とすることで、形成された樹脂層を硬く脆くすることが出来、その凝集破壊強度が弱いことを利用し、好適な剥離適性を第2の剥離層に付与することが出来る。また、ブロッキングなどの不具合を発生することもなく、加工適性が良好である。
第2の剥離剤におけるポリアミド樹脂の含有量としては、固形分比で70重量%以上であることが望ましい。70重量%以上であれば、安定した剥離適性を実現できる。
下シート(5)を構成する層としては、厚さが6μmから25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムおよび軟質アルミニウム箔を好適に使用できる。この二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムおよびアルミニウム箔の厚さが6μm未満の場合、そのラミネート加工での取り扱いが難しく、下シート(5)を容器本体から剥がすときに、剥がし残りが発生する。逆に25μmを超えると、出来上がった蓋材の腰が強くなり過ぎ、コストも過剰になる。また、両者とも6μm未満であっても、25μmを超える場合であっても、ハーフカット加工適性が得られ難い。
下シート(5)と上シート(6)を接着する接着層として用いるポリエチレン(PE)樹脂層(7)としては、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)の他、PE樹脂にエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレンと酸のコポリマー樹脂、合成ゴム等を添加した熱可塑性樹脂を用いることができる。
シーラント層(27)は、単層でも多層でもよいが、シーラント層(27)の最内面は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレンーメタクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂などの酸コポリマー樹脂を主成分としたイージーピールシーラント樹脂層であることが好ましい。これらのシーラント層の素材は、いずれにしても被着体容器の少なくとも開口周縁部の接合面側の素材に応じて選択される。
図7に示した実施態様は、シーラント層を多層にした例であり、接着樹脂層(28)とイージーピールシーラント層(29)の2層でシーラント層が形成されている。なお図7に示した実施態様では、第1の剥離層(8)と第2の剥離層(9)とが積層されておらず、それぞれPET樹脂フィルム層(24a)の下面に区分されて形成されている。
本発明に係る蓋材(1)は、以上のような構成であるので、湯切り用プルタブ(4)を持って、湯切り孔(e)を現すために上シート(6)を剥がすときに、下シート(5)を切ってしまい、剥離領域(A)の下シート(5)を容器本体から剥がしてしまうことがない。以下実施例に基づき、本発明に係る蓋材について具体的に説明する。
図7に示したような断面構成を持った積層体を作成した。
PET樹脂フィルム層(24a)として両面にコロナ処理を施した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)を用意し、この二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、接着剤層(25a)を塗布して、ドライラミネーション法によって、紙層(22)として片アート紙(坪量79.1g/m、厚さ70μm)を積層した。
その積層体の紙表面に多色グラビア印刷機を用いて文字、絵柄、光沢ニス等の絵柄印刷層(21)を施し、続いて、PET樹脂フィルム面に第1の剥離層(8)と第2の剥離層(9)を、図4の部分剥離用ハーフカット(11)とプルタブ用ハーフカット(10)で囲まれた範囲および夫々のハーフカット外周付近に、表面の絵柄印刷と見当を合せて、図4のパターン版でグラビア印刷法により塗布した。なお第1の剥離層(8)と第2の剥離層(9)は図7のように、領域を分けて重ならないように単層で塗工した。
第1の剥離剤としては、ウレタン樹脂を固形分比で40重量%含み、ニトロセルロース樹脂を固形分比で60重量%含む混合液に更にポリエチレンワックスを0.2%添加したものを用いた。また第2の剥離剤としては、ポリアミド樹脂を固形分比で80重量%含み、ニトロセルロース樹脂を固形分比で20重量%含む混合液に、更にポリエチレンワックスを8%添加したものを用いた。
別途、PET樹脂フィルム層(24b)として二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)を用意し、この二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、接着剤層(25b)を塗布して、ドライラミネーション法によって、厚さ9μmの軟質アルミニウム箔(26)を積層した。
印刷を施した積層フィルムの裏面に、コロナ放電処理を施しTダイ方式押出しラミネート機を用い、接着層として低密度ポリエチレン樹脂(厚さ20μm)を押し出し、先に積層した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムとアルミニウム箔の積層体の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面にアンカー剤なしでサンドイッチラミネーション法により積層し積層体を得た。
次に、この積層体のアルミニウム箔の面に、Tダイ方式押出しラミネート機を用い、接着樹脂層(28)に相当するエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(厚さ10μm)と、最内面にエチレン−メタクリル酸共重合体系のイージーピールシーラント樹脂(29) (厚さ10μm)の2層を共押出して、総厚が20μmのシーラント層を設け積層体を得た。
この積層体を、ロータリーダイカッターにより、シーラント層側から、片アート紙まであるいは片アート紙の途中まで、刃が入るようにハーフカット加工を行い、図1の湯切り孔用ハーフカット(12)とプルタブ用ハーフカット(10)を設けた。
さらに、ロータリーダイカッターにより、片アート紙の絵柄印刷側から、接着層の低密度ポリエチレン樹脂層(7)まであるいは低密度ポリエチレン樹脂層の途中まで、刃が入るようにハーフカット加工を行い、図1の部分剥離用ハーフカット(11)を設けた。
次に、図1の蓋材(1)の外形に打ち抜いて、実施例1の蓋材を得た。
第1の剥離剤を塗布する版の網点領域を図5の形状とし、図6のように、第2の剥離層の下引き層として第1の剥離剤を積層している以外は、実施例1と同様にして実施例2の蓋材を得た。
実施例1において第2の剥離層を塗布した部分に、第1の剥離剤を用いて第1の剥離層を設け、第2の剥離層を備えないものとした以外は、実施例1と同様にして実施例3の蓋材を得た。
実施例1において第1の剥離層を塗布した部分に、第1の剥離剤を用いて第2の剥離層を設け、第1の剥離層を備えないものとした以外は、実施例1と同様にして実施例4の蓋材を得た。
<比較例1>
上シートとして、紙の坪量を104.7g/mとし、PET樹脂フィルムを用いなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1の蓋材を得た。
<比較例2>
実施例1において、剥離層を全く形成しなかった点以外は、実施例1と同様にして、比較例2の蓋材を得た。
各蓋材を100枚ずつ用意し、容器本体となる発泡ポリスチレンカップに内容物を充填後、開口部に、カップシーラーを用いてシールし、以下の評価を実施した。
1.輸送評価
充填サンプルをシュリンク包装した後、段ボール箱に詰め、これをJIS Z0200に準拠し、振動回数毎分1/2オクターブ以下で対数掃引振動を実施し、湯切り部の状態を確認した。蓋材湯切り部周縁に設けた部分剥離用ハーフカット、プルタブ用ハーフカット周辺で上下シート材間が大きく剥離し、湯切り部の下シートが露出したものを×とした。
2.剥離評価
湯切り用プルタブ(4)を持って剥離領域(A)の上シート(6)を剥がし、湯切り孔(e)を露出させた。このとき、問題なく上シート(6)を剥がせるかどうかを剥離適性として評価した。剥離適性は、湯切り孔内部の上下シート間接着強度不足により、下シートが湯切り孔内に残る「孔残り」、上下シート間の接着強度過剰により、上シートが破れて紙層が露出する「紙破れ」のいずれかが生じたものを×とし、実用に耐えるものを△または○とした。また、剥離後の剥離層の外観について、ニスの凝集破壊痕跡や紙層破壊などで表面が均一でない場合を×とし、実用に耐えるものを△または○とした。表1に、実施例と比較例との比較結果を示す。
Figure 2013189244
表1に示すように、いずれの実施例も実用上問題ない輸送性、剥離適性、および剥離外観を示し、第1の剥離層および第2の剥離層を備える実施例1および2ではより良好な結果が得られた。
これに対し、比較例では、輸送段階で湯切り部の浮き、湯切り部剥離時の剥離適性不良が発生した。
以上のことから、本発明に係る蓋材(1)は、簡単に且つ安定して湯切り孔(e)を出現させることができる良好な剥離適性を損なうことなく、輸送耐性を改善し、容器としての密封性を安定的に確保できることが分った。
以上の実施形態及びその変形形態に係る蓋材は、即席食品などの食品容器の蓋材として説明してきた。しかしながら、本発明に係る蓋材は必ずしもこれに限定されるものではなく、容器本体に水や湯、或いは、触媒などの様々な溶液を注入し、それらの液体により内容物を処理した後、その液体だけを、本発明に係る蓋材に出現させた排出孔を介して排出させる構造であればよく、液体の種類や温度、更には内容物に対する処理の態様などに限定されるものではない。
また、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成要素の組み合わせを変えたり、各構成要素に種々の変更を加えたり、削除したりすることが可能である。
例えば、第2の剥離層は、プルタブ用ハーフカットを含む領域であれば、その周辺に限られる必要はなく、より広い領域に設けられてもよい。図8に示した変形例では、剥離領域(A)のうち、湯切り孔用ハーフカット(12)内の一部と、部分剥離用ハーフカット(11)のうち、湯切り時の剥離方向D1と略平行な部分とを除く領域において、第1の剥離層(8)上に第2の剥離剤を網点ドット状に印刷塗布することにより、第2の剥離層(9A)が形成されている。これにより、剥離動作をより容易にすることができる。また、部分剥離用ハーフカット(11)の一部に第2の剥離層(9A)を設けないことで、剥離される上シートの一部が剥離前に浮くことが好適に防止される。一方、部分剥離用ハーフカット(11)のうち最後に剥離される部分(11c)には第2の剥離層(9A)を設けることで、剥離時の最後の抵抗を軽くすることができる。
第2の剥離層を形成する際の印刷において、第2の剥離剤の単位面積あたりの着肉面積を40%以上90%以下の範囲で適宜調整することにより、剥離強度を調節することができる。調整方法としては、ドット状に印刷してもよいし、ドット状の抜きを設けて印刷してもよい。
1・・蓋材
2・・蓋本体
3・・開封用プルタブ
4・・湯切り用プルタブ
5・・下シート
6・・上シート
7・・ポリエチレン樹脂層
8・・第1の剥離層(剥離層)
9、9A・・第2の剥離層
10・・プルタブ用ハーフカット
10a、10b・・外縁上の点
11・・部分剥離用ハーフカット
11a、11b・・外縁上の点
12・・湯切り孔用ハーフカット
20・・剥離界面
21・・絵柄印刷層
22・・紙層
24a、24b・・PET樹脂フィルム層
25a、25b・・接着剤層
26・・アルミニウム箔
27・・シーラント層
28・・接着樹脂層
29・・イージーピールシーラント層
CT・・容器
BD・・容器本体
OP・・開口部
FL・・フランジ部
a・・外縁
b・・内縁
A・・剥離領域
B・・非剥離領域
c・・細かい矩形状の非剥離領域
e・・湯切り孔
O・・中心点
PG・・二分線
SH・・上シート片

Claims (5)

  1. 容器本体の開口部の縁に沿って形成されたフランジ部に剥離可能にシールして披せる蓋材であって、
    上面が蓋材の表面を形成し紙層とポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム層を有する上シートと、該上シートの前記ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム層面にポリエチレン樹脂層を介して積層され、前記容器本体のフランジ部にシールするためのシーラント層を下面に有する下シートとを備えた積層体からなり、
    前記フランジ部の外形と略同等の大きさを有し、前記開口部およびフランジ部を一体に覆う蓋本体と、前記フランジ部の外側に位置するように蓋本体に一体に延設され、蓋本体を前記開口部から分離する時に使用する開封用プルタブと、前記蓋本体に一体に延設され容器本体から液体を排出させる複数の湯切り孔を蓋本体に出現させるときに使用する湯切り用プルタブとを有し、
    該湯切り用プルタブの根本部分を横断し、蓋材の両側の外縁上の2点10a、10bを結び、前記下シートの下面から下シートを貫通するプルタブ用ハーフカットを有し、
    該プルタブ用ハーフカットに隣接して、前記湯切り孔に対応した所望形状を有する、下シートの下面から下シートを貫通する湯切り孔用ハーフカットが所望の配列に従って複数形成され、
    前記湯切り用プルタブから見て点10aよりも遠い外縁上の点11aを起点とし、点10bよりも遠い外縁上の点11bを終点として、前記複数の湯切り孔用ハーフカットを取り囲むように形成されて上シートの上面から上シートを貫通する部分剥離用ハーフカットと、前記プルタブ用ハーフカットとによって囲まれた剥離領域が形成されており、
    該剥離領域を含むように、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの下面に剥離層が形成されていることを特徴とする蓋材。
  2. 前記剥離層が、前記剥離領域のうちプルタブ用ハーフカットを含む領域に設けられた第2の剥離層と、前記剥離領域の少なくとも一部に設けられ、前記第2の剥離層と異なる材料で形成された第1の剥離層とを有することを特徴とする請求項1に記載の蓋材。
  3. 前記第1の剥離層がウレタン樹脂を含む第1の剥離剤で形成され、前記第2の剥離層がポリアミド樹脂を70重量%以上含む第2の剥離剤で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の蓋材。
  4. 前記第2の剥離層の一部は、前記第1の剥離層上であって前記部分剥離用ハーフカットの一部を除く領域に、単位面積あたりの着肉面積が40%以上90%以下となるように前記第2の剥離剤を塗布して形成されていることを特徴とする請求項3に記載の蓋材。
  5. 前記剥離領域内の前記湯切り孔用ハーフカットで囲まれた領域内に、前記第1の剥離層が存在しない部分を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の蓋材。

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