[go: up one dir, main page]

JP2013187262A - 太陽光発電装置用の反射板及びその作製方法 - Google Patents

太陽光発電装置用の反射板及びその作製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013187262A
JP2013187262A JP2012049699A JP2012049699A JP2013187262A JP 2013187262 A JP2013187262 A JP 2013187262A JP 2012049699 A JP2012049699 A JP 2012049699A JP 2012049699 A JP2012049699 A JP 2012049699A JP 2013187262 A JP2013187262 A JP 2013187262A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
reflector
refractory metal
light
reflective film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012049699A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Takei
日出夫 竹井
Takeshi Momono
健 桃野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ulvac Inc filed Critical Ulvac Inc
Priority to JP2012049699A priority Critical patent/JP2013187262A/ja
Publication of JP2013187262A publication Critical patent/JP2013187262A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/52PV systems with concentrators

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】優れた耐候性と高い反射率を併せもつ太陽光発電装置用の反射板及び反射板作製方法を提供する。
【解決手段】基材1表面に、Ag、Al、Auの中から選択される少なくとも1種を含む金属で構成される反射膜2と、誘電体からなる増反射膜4とを備える。これら反射膜2と増反射膜4の間に、Ti、Cr、W、Mo、Taの中から選択される少なくとも1種を含む高融点金属で構成される高融点金属膜3を介在させる。増反射膜4表面に、フッ素系樹脂又はグラフェンで構成される、表面に凹凸形状を付与した防汚層5を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光発電装置用の反射板及びその作製方法に関する。
近年、化石燃料の大量消費に起因するエネルギ枯渇問題及び地球環境問題の深刻化に伴い、太陽光エネルギを電力に変換(光電変換)する太陽光発電装置が注目されている。この種の太陽光発電装置は、光電変換を行うパネル状の太陽電池モジュールを、住宅等の建物の屋根の上に固定して設置することが一般的である。太陽電池モジュールに対する太陽光の入射角度は一定ではなく、太陽電池モジュールに対して直交する方向から太陽光が入射したときには、入射光強度が高くなって高い光電変換効率が得られるものの、太陽光の入射角度が変化するのに従い、入射光強度が低くなって光電変換効率が低下する。太陽電池モジュールに対する太陽光の入射角度が一定になるように太陽電池モジュールを追尾させる機構を備える太陽光発電装置が知られているが(例えば、特許文献1参照)、これでは、太陽光発電装置の構造が複雑化してコスト高を招来する。
他方、太陽電池モジュールの周囲に反射板を配置し、この反射板により太陽光を反射させて太陽電池モジュールに入射させることで、太陽光の入射角度とは無関係に入射光強度を高めることができる。この場合、入射光強度をより一層高めるために、反射率の高い増反射型の反射板を用いることが考えられるが、太陽光発電装置用の増反射型反射板として有効なものは殆ど開発されていない。
そこで、液晶表示装置に用いられる増反射型の反射膜を、太陽光発電装置用の反射板に応用することが考えられる(例えば特許文献2参照)。この液晶表示装置用のものでは、Ag等の金属で構成される反射膜表面にITO等の誘電体で構成される増反射膜を形成することで、400〜700nmの波長領域で高い増反射効果を得ている。
ところで、反射板は屋外に常設されるため、反射板の表面を保護する必要がある。反射板の表面に保護層としてガラス板を貼り付けることが考えられるが、ガラス板の表面の撥水性は其程高くないため、反射板の耐候性が不十分であるという問題があった。
また、上記液晶表示装置用のものでは、反射膜表面に増反射膜たる誘電体膜を直接形成するため、増反射膜を形成する際に、反射膜表面が酸化されて反射率が低下し、反射板の反射率を高くすることができないというも問題があった。
特開2002−289896号公報 特開2007−7982号公報
本発明は、以上の点に鑑み、優れた耐候性と高い反射率を併せもつ太陽光発電装置用の反射板及び反射板作製方法を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、基材表面に、Ag、Al、Auの中から選択される少なくとも1種を含む金属で構成される反射膜と、誘電体からなる増反射膜とを備え、前記反射膜と前記増反射膜の間に、Ti、Cr、W、Mo、Taの中から選択される少なくとも1種を含む高融点金属で構成される高融点金属膜を介在させ、増反射膜表面に、フッ素系樹脂又はグラフェンで構成される、表面に凹凸形状を付与した防汚層を設けたことを特徴とする。
尚、本発明において、「Ag、Al、Auの中から選択される少なくとも1種を含む金属」には、Ag、Al、Auの中から選択された1種の金属あるいは2種以上の金属からなる合金だけでなく、反射率に影響しない微量の不純物を含有するものも含む。また、本発明において、「Ti、Cr、W、Mo、Taの中から選択される少なくとも1種を含む高融点金属」には、Ti、Cr、W、Mo、Taの中から選択される少なくとも1種の金属あるいは2種以上の金属からなる合金だけでなく、透光率に影響しない微量の不純物を含有するものも含む。
本発明によれば、増反射膜表面に、フッ素系樹脂又はグラフェンで構成される、表面に凹凸形状を付与した撥水性の高い防汚層を設けたので、耐候性に優れた反射板を得ることができる。さらに、反射膜と増反射膜との間に高融点金属膜を介在させることで、増反射膜を形成する際に反射膜の表面が酸化されてその反射率が低下することを防止できるため、反射率の高い反射板を得ることができる。
本発明において、前記増反射膜は、防汚層が形成される面側を上とし、前記高融点金属膜上に形成される、前記高融点金属の酸化物で構成される第1透光層と、この第1透光層上に形成される、シリコン酸化物又はシリコン酸窒化物で構成される第2透光層と、この第2透光層上に形成される、前記高融点金属の酸化物で構成される第3透光層とを有することが好ましい。これらの第1〜第3透光層で増反射膜を構成することで、350nm〜1200nmの波長範囲を有する太陽光に対して優れた増反射効果を達成することができる。
本発明は、基材表面に、Ag、Al、Auの中から選択される少なくとも1種を含む金属で構成される反射膜を形成する工程と、前記反射膜の表面にTi、Cr、W、Mo、Taの中からなる選択される少なくとも1種を含む高融点金属で構成される高融点金属膜を形成する工程と、前記高融点金属膜の表面に誘電体からなる増反射膜を形成する工程と、前記増反射膜の表面に防汚層を形成する工程とを含み、前記防汚層を形成する工程は、前記増反射膜表面に接触させる基体の表面に形成された凹凸形状の各凹部に、フッ素系樹脂又はグラフェンを充填する工程と、前記フッ素系樹脂又はグラフェンを充填した後、前記基体の表面を前記増反射膜表面に接触させ、前記基体を加熱することによって、前記フッ素系樹脂又はグラフェンを前記増反射膜表面に転写する工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、増反射膜の形成に先立ち高融点金属膜を形成しているので、増反射膜を形成する際に反射膜の表面が酸化されて反射率が低下することがない。さらに、基体表面の各凹部にフッ素系樹脂又はグラフェンを充填した後、この基体表面を増反射膜表面に接触させた状態でその基体を加熱するという簡単な工程を経るだけで、増反射膜表面に、凹凸形状が表面に付与された防汚層を形成できる。このため、高い反射率と優れた耐候性を併せもつ反射板を簡単に製造することができる。しかも、防汚層に凹凸形状を付与するためのエッチングを行わないので、防汚層の表面がダメージを受けて反射率が低下することがない。
本発明において、前記基体は、アルミニウム製の板材の片面にアルマイト処理を施して微細な凹凸形状が付与されたものであることが好ましい。これによれば、防汚層を形成するための基体を簡単に得ることができる。
本発明の実施形態の反射板の構造を説明する断面図。 (a)及び(b)は、反射板の作製方法を説明するための図。 本発明の実施例で作製された反射板を示すSEM写真。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の反射板について、太陽光発電装置に用いられるものを例に説明する。尚、本実施形態では、反射板の太陽光受光面側を上として説明する。
図1を参照して、本実施形態の反射板RPは、樹脂やガラス製の基材1と、この基材1上に形成された反射膜2と、この反射膜2上に形成された高融点金属膜3と、この高融点金属膜3上に形成された増反射膜4と、この増反射膜4の受光面上に形成された防汚層5とで構成される。
基材1としては、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂やガラスで構成されるものを用いることができる。
反射膜2は、Ag、Al、Auの中から選択される少なくとも1種を含む金属で構成される。この金属は、Ag等の中から選択される1種の金属あるいは2種以上の金属の合金をいい、反射率に影響しない微量の不純物を含有するものも含む。反射膜2は、例えば、スパッタリング(以下「スパッタ」という)法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の公知の方法により形成される。反射率を考慮すると、反射膜2をAgで構成することが好適である。反射膜2の膜厚は、例えば、100nm〜300nmの範囲に設定することができる。100nmより薄いと、基材1の表面モフォロジーの影響や異物の凹凸の影響を受けて膜厚が薄い部分が生じ、その部分で光が透過して反射機能が弱まるという不具合があり、300nmより厚いと、スパッタ時間が長くなってターゲット消費量が多くなり製造コストがかさむため、製品コストが高くなるという不具合がある。
高融点金属膜3は、Ti、Cr、W、Mo、Taの中から選択される少なくとも1種を含む、融点が例えば1500℃以上である高融点金属で構成される。この高融点金属とは、Ti等の中から選択される少なくとも1種の金属あるいは2種以上の金属の合金をいい、透光率に影響しない微量の不純物を含有するものも含む。高融点金属膜3は、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の公知の方法により形成される。高融点金属膜3の膜厚は、例えば、15Å〜300Åの範囲に設定することができる。15Åより薄いと、後述する第1透光層を形成するときに反射板2の表面が酸化して、この反射膜2の反射率が低下するという不具合があり、300Åより厚いと、光の透過率が低下して反射板2に達しないという不具合がある。
増反射膜4は、透光性を有する誘電体で構成される透光層を複数(本実施形態では3つの透光層)積層してなる。具体的には、増反射膜4は、高融点金属膜3上に形成された第1透光層41と、その第1透光層41上に形成された第2透光層42と、この第2透光層42上に形成された第3透光層43とで構成される。第1及び第3透光層41,43は、上記高融点金属の酸化物で構成され、第2透光層42は、シリコン酸化物又はシリコン酸窒化物で構成される。これにより、第1及び第3透光層41,43の屈折率が第2透光層42の屈折率よりも高く設定される。増反射効果を考慮すると、第1及び第3透光層41,43として屈折率が1.7以上であるTiO膜を用い、第2透光層42として屈折率が1.5以下であるSiO膜を用いることが好ましい。これら第1〜第3透光層41,42,43の夫々の厚さは、増反射膜4の増反射効果を考慮して適宜設定することができる。例えば、第1及び第3透光層41,43の厚さは、10Å〜1500Åの範囲に設定することができ、第2透光層42の厚さは、例えば、50Å〜1000Åの範囲に設定することができる。
防汚層5は、フッ素系樹脂又はグラフェンで構成され、表面に凹凸形状(即ち、フレクタル構造)が付与されている。この凹凸形状により、防汚層5の表面は高い撥水性を有するため、反射板RPは優れた耐光性を有する。凸部の径は、例えば、10nm〜300nmの範囲内で設定できる。フッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)等を用いることができる。加工性とコストを考慮すると、ポリテトラフルオロエチレンが好適に用いられる。以下、上記反射板RPの作製方法について、基材1として樹脂基板を用い、この樹脂基板上にスパッタ法により反射膜2たるAg膜、高融点金属膜3たるTi膜及び増反射膜4たるTiO膜/SiO膜/TiO膜を形成した後、フッ素系樹脂からなる防汚層5を形成する場合を例に説明する。
図2(a)を参照して、先ず、樹脂基板1上に、スパッタ法によりAg膜2を100nm〜300nmの膜厚で成膜する。次いで、Ag膜2上に、スパッタ法によりTi膜3を15Å〜300Åの膜厚で成膜する。その後、Ti膜3の成膜を行った成膜室に酸素を導入し、スパッタ(反応性スパッタ)法によりTiO膜41を10Å〜1500Åの膜厚で形成する。次いで、TiO膜41上に、スパッタ法によりSiO膜42を50Å〜1000Åの膜厚で形成した後、スパッタ法によりSiO膜42上にTiO膜43を10Å〜1500Åの膜厚で形成する。これらのAg膜2、Ti膜3、TiO膜41、SiO膜42及びTiO膜43の成膜は、大気に曝すことなく真空中で連続して行われるようにする。各膜の成膜条件は、公知のものを用いることができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
最後に、TiO膜43上に、表面に凹凸形状を有するフッ素系樹脂からなる防汚層5を形成する。この防汚層5の形成には、図2(b)に示す防汚層形成装置Mが用いられる。この防汚層形成装置Mは、基材(樹脂基板)1を保持する固定プレート6と、固定プレート6に対向配置される金属製の加熱プレート7と、加熱プレート7の上面に接続された駆動軸8を上下方向に駆動する駆動手段9と、加熱プレート7の下面に保持される基体10とを備える。基体10は、基材1の輪郭と一致またはそれより大きい輪郭を有するアルミニウム製の板材11と、この板材11の片面(TiO膜43との接触面)に形成された陽極酸化皮膜12とで構成される。陽極酸化皮膜12は、アルマイト処理(陽極酸化処理)により形成された多孔質酸化アルミニウム膜であり、この酸化皮膜12表面の全体に亘って凹凸形状が形成されている。アルマイト処理に用いる酸性電解液としては、例えば、濃度が0.7M以下の硫酸やシュウ酸が挙げられる。酸性電解液の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて、酸化皮膜12の表面に荒れが生じ、雨に対する耐久性が低下する虞がある。また、アルマイト処理時の電圧は30〜60Vの範囲内に設定でき、浴温は30℃以下に設定できる。このような条件で板材11のアルマイト処理を行うことで、酸化皮膜12内に、例えば、径が20〜300nmの凹部12aがハニカム状に複数形成される。
上記防汚層形成装置Mの固定プレート6上に、TiO膜43までの成膜が行われた樹脂基板1を載置する。そして、酸化皮膜12の凹部12aに、防汚層5の材料であるフッ素系樹脂50を充填する。この場合、当該フッ素系樹脂50の溶液を酸化皮膜12表面に塗布した後、加熱乾燥や紫外線照射を行う。フッ素系樹脂50が充填された酸化皮膜12を下側に向けて基体10を加熱プレート7により保持し、加熱プレート7に接続された駆動軸8を駆動手段9により下方に駆動して、酸化皮膜12をTiO膜43に対して略均等な押圧力で押圧する。この状態で加熱プレート7を加熱すれば、酸化皮膜12の凹部12aに充填されたフッ素系樹脂50が溶解してTiO膜43の表面(受光面)に転写される。フッ素系樹脂50がポリテトラフルオロエチレンである場合、加熱プレート7を、例えば、200℃〜300℃の温度で加熱すればよい。所定時間(例えば、15分)経過後、加熱プレート7を上方に駆動して冷却すれば、図1に示すように、TiO膜43上に表面に凹凸形状(フラクタル構造)を有する防汚層5が形成される。尚、酸化皮膜12の凹部12aにグラフェンを充填する場合、加熱プレート7を、例えば、250℃〜300℃の温度で加熱することで、透明な防汚層5が得られる。
上記によれば、増反射膜4上に凹凸形状(フラクタル構造)を表面に付与した優れた撥水性を有する防汚層5を形成したため、反射板RPの耐候性を飛躍的に向上させることができる。ここで、表面に凹凸形状を有する防汚層を形成する方法として、フッ素系樹脂を塗布した後に、この塗布したフッ素系樹脂の上にマスクを形成してエッチングを施して凹凸形状を付与することも考えられるが、これでは工程数が増えてコストアップを招来するという不具合を招くだけでなく、エッチング時にフッ素系樹脂がダメージを受けて反射板の反射率が低下するという問題が生じる。それに対して、本実施形態では、基体10表面の凹部にフッ素系樹脂50を充填して、この基体10表面を増反射膜4の表面(受光面)に接触させた状態で加熱するだけでよいため、防汚層5を簡単にかつ低コストで形成でき、しかも、エッチングを行わないので、反射板RPの反射率の低下を招かない。
さらに、反射膜2と増反射膜4との間に透光性を有する高融点金属膜3を介在させたため、増反射膜4の第1透光層(TiO膜)41を形成する際に反射膜2表面が酸化することを防止でき、反射膜2の反射率、ひいては反射板RPの反射率が低下することを防止できるため、優れた反射率を有する反射板RPが得られる。また、増反射膜4を第1〜第3透光層41,42,43で構成することで、上記反射膜2表面が酸化されないことと相俟って、350nm〜1500nmの範囲の波長の光に対して優れた反射率を達成することができる。
以上の効果を確認するため、次の実験を行った。実験1では、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂製の樹脂基板1上にスパッタ法によりAg膜2を100nmの膜厚で成膜し、このAg膜2上にスパッタ法によりTi膜3を20Åの膜厚で成膜し、Ti膜3上に反応性スパッタ法によりTiO膜41/SiO膜42/TiO膜43をそれぞれ10Å/120Å/10Åの膜厚で成膜した。その後、図2(b)に示す防汚層形成装置Mを用いて、TiO膜43上にポリテトラフルオロエチレンからなる防汚層5を形成することで、反射板RPを得た。このようにして得た反射板RPの350nm〜1500nmの波長範囲の太陽光に対する反射率を分光光度計を用いて測定した結果、平均98%という高い反射率が得られた。また、反射板RPを屋外に設置し、3万時間経過後に同様の方法で反射率を測定した結果、反射率の低下は僅か2%に留まり、優れた耐候性が得られることが確認された。尚、反射板RPを太陽電池モジュールの周囲に配置し、太陽光発電装置として約1万時間の加速試験を行った結果、光電変換効率の平均値は32%であり、反射板PRを配置しない場合に比べて光電変換効率が14%上昇することが確認された。
実験2では、グラフェンからなる防汚層5を形成する点以外は、上記実験1と同様にして反射板を得た。得られた反射板の350nm〜1500nmの波長範囲の太陽光に対する反射率を分光光度計を用いて測定した結果、上記実験1よりも更に高い平均99.5%という反射率が得られた。また、上記実験1と同様に屋外での耐久性試験を行ったところ、本実験2で得られた反射板についても、3万時間経過後の反射率の低下は僅か2%に抑えることができ、優れた耐候性が得られることが確認された。
なお、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、増反射膜4構成するTiO膜41、SiO膜42及びTiO膜43を反応性スパッタ法により成膜しているが、酸化物ターゲットを用いてスパッタ法により成膜してもよい。
RP…反射板、1…樹脂基板(基材)、2…Ag膜(反射膜)、3…Ti膜(高融点金属膜)、4…増反射膜、41…TiO膜(第1透光層)、42…SiO膜(第2透光層)、43…TiO膜(第3透光層)、5…防汚層、50…フッ素系樹脂、10…基体、11…板材、12a…凹部。

Claims (4)

  1. 基材表面に、Ag、Al、Auの中から選択される少なくとも1種を含む金属で構成される反射膜と、誘電体からなる増反射膜とを備え、
    前記反射膜と前記増反射膜の間に、Ti、Cr、W、Mo、Taの中から選択される少なくとも1種を含む高融点金属で構成される高融点金属膜を介在させ、
    増反射膜表面に、フッ素系樹脂又はグラフェンで構成される、表面に凹凸形状を付与した防汚層を設けたことを特徴とする太陽光発電装置用の反射板。
  2. 前記増反射膜は、防汚層が形成される面側を上とし、前記高融点金属膜上に形成される、前記高融点金属の酸化物で構成される第1透光層と、この第1透光層上に形成される、シリコン酸化物又はシリコン酸窒化物で構成される第2透光層と、この第2透光層上に形成される、前記高融点金属の酸化物で構成される第3透光層とを有することを特徴とする請求項1記載の太陽光発電装置用の反射板。
  3. 基材表面に、Ag、Al、Auの中から選択される少なくとも1種を含む金属で構成される反射膜を形成する工程と、
    前記反射膜の表面にTi、Cr、W、Mo、Taの中からなる選択される少なくとも1種を含む高融点金属で構成される高融点金属膜を形成する工程と、
    前記高融点金属膜の表面に誘電体からなる増反射膜を形成する工程と、
    前記増反射膜の表面に防汚層を形成する工程とを含み、
    前記防汚層を形成する工程は、
    前記増反射膜表面に接触させる基体の表面に形成された凹凸形状の各凹部に、フッ素系樹脂又はグラフェンを充填する工程と、
    前記フッ素系樹脂又はグラフェンを充填した後、前記基体の表面を前記増反射膜表面に接触させ、前記基体を加熱することによって、前記フッ素系樹脂又はグラフェンを前記増反射膜表面に転写する工程とを含むことを特徴とする反射板の作製方法。
  4. 前記基体は、アルミニウム製の板材の片面にアルマイト処理を施して微細な凹凸形状が付与されたものであることを特徴とする請求項3記載の反射板の作製方法。
JP2012049699A 2012-03-06 2012-03-06 太陽光発電装置用の反射板及びその作製方法 Pending JP2013187262A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012049699A JP2013187262A (ja) 2012-03-06 2012-03-06 太陽光発電装置用の反射板及びその作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012049699A JP2013187262A (ja) 2012-03-06 2012-03-06 太陽光発電装置用の反射板及びその作製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013187262A true JP2013187262A (ja) 2013-09-19

Family

ID=49388476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012049699A Pending JP2013187262A (ja) 2012-03-06 2012-03-06 太陽光発電装置用の反射板及びその作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013187262A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105514188B (zh) 一种减反射自清洁薄膜及其制备方法
CN101681937A (zh) 提供有改进的电极层的透明基底
CN100391011C (zh) 用于太阳能电池的防护玻璃罩
JP5332088B2 (ja) 光電変換素子およびその製造方法
JP5127218B2 (ja) 太陽電池の基体の製造方法
EP2645442A2 (en) Multiple light management textures
WO2014180019A1 (zh) 太阳能模块
JP2000124485A (ja) 光電変換装置とその製造方法
CN101521236A (zh) 一种用于薄膜太阳电池的陷光结构
JP5582488B2 (ja) 薄膜太陽電池用基板およびそれを用いた薄膜太陽電池
JPH11135817A (ja) 光電変換素子およびその製造方法
JPWO2009005083A1 (ja) 型フィルム一体型集光フィルム、太陽電池セル及び太陽電池モジュール
JP6200712B2 (ja) 太陽電池モジュール及びその製造方法
WO2015009592A1 (en) Solar concentrator with microreflectors
JP2010123719A (ja) 太陽電池裏面シート及び太陽電池モジュール
JP2013187262A (ja) 太陽光発電装置用の反射板及びその作製方法
JP5729086B2 (ja) 太陽電池モジュール
JP2010123720A (ja) 太陽電池裏面シート及び太陽電池モジュール
US20120017982A1 (en) Thin Film Silicon Solar Cell and Manufacturing Method Thereof
JP2014078583A (ja) 光透過型太陽電池モジュール及びその製造方法
JP2011222589A (ja) 光起電力装置およびその製造方法
JP2012204460A (ja) 太陽電池裏面シート及びこれを用いた太陽電池モジュール
JP2013115216A (ja) 太陽電池裏面シート及び太陽電池モジュール
CN106129163A (zh) 一种太阳能电池组件玻璃
JP2008053273A (ja) 太陽電池およびその製造方法