JP2013180637A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエット性能とドライ性能と摩耗性能をバランス良く改善することを可能にした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】車両装着時におけるタイヤ表裏の装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝10を設け、一対の主溝10に挟まれつつタイヤ周方向に連続的に延在する少なくとも1列の連続陸部11〜13を区画し、連続陸部に一端が主溝10に開口して他端が該連続陸部内で終端する複数本のラグ溝を設け、連続陸部の幅方向の中心位置Cを境界として該連続陸部を車両内側領域と車両外側領域とに区分し、連続陸部の車両内側領域での溝面積比率Sinを該連続陸部の車両外側領域での溝面積比率Soutよりも大きくする共に、連続陸部を中央側の第1ゴム層R1と両端側の第2ゴム層R2とから構成し、第2ゴム層R2の20℃での硬度を第1ゴム層R1の20℃での硬度よりも高くする。
【選択図】図3
【解決手段】車両装着時におけるタイヤ表裏の装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝10を設け、一対の主溝10に挟まれつつタイヤ周方向に連続的に延在する少なくとも1列の連続陸部11〜13を区画し、連続陸部に一端が主溝10に開口して他端が該連続陸部内で終端する複数本のラグ溝を設け、連続陸部の幅方向の中心位置Cを境界として該連続陸部を車両内側領域と車両外側領域とに区分し、連続陸部の車両内側領域での溝面積比率Sinを該連続陸部の車両外側領域での溝面積比率Soutよりも大きくする共に、連続陸部を中央側の第1ゴム層R1と両端側の第2ゴム層R2とから構成し、第2ゴム層R2の20℃での硬度を第1ゴム層R1の20℃での硬度よりも高くする。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両装着時におけるタイヤ表裏の装着方向が指定された空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、ウエット性能とドライ性能と摩耗性能をバランス良く改善することを可能にした空気入りタイヤに関する。
近年、車両の高性能化に伴い、空気入りタイヤにおいて、高速レーンチェンジ性やドライ制動性能を含むドライ性能と、ウエット路面での操縦安定性やウエット制動性能を含むウエット性能とを高次元でバランス良く改善することが強く求められている。
従来、空気入りタイヤにおいては、トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝を設け、これら主溝によりタイヤ周方向に延在する陸部を区画し、その陸部に対してタイヤ幅方向に延びるラグ溝やサイプを設けるようにしている(例えば、特許文献1参照)。このような空気入りタイヤにおいて、ウエット性能の更なる向上を図るにはラグ溝やサイプを増やすことが必要である。
しかしながら、トレッド部においてラグ溝やサイプを増やすことは陸部剛性の低下や同一陸部内での剛性の不均一化を招き、その結果として、空気入りタイヤのドライ性能や摩耗性能が悪化するという問題がある。
本発明の目的は、ウエット性能とドライ性能と摩耗性能をバランス良く改善することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、車両装着時におけるタイヤ表裏の装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝を設け、一対の主溝に挟まれつつタイヤ周方向に連続的に延在する少なくとも1列の連続陸部を区画し、該連続陸部に一端が主溝に開口して他端が該連続陸部内で終端する複数本のラグ溝を設け、前記連続陸部の幅方向の中心位置を境界として該連続陸部を車両内側領域と車両外側領域とに区分し、前記連続陸部の車両内側領域での溝面積比率Sinを該連続陸部の車両外側領域での溝面積比率Sout よりも大きくする共に、前記連続陸部を接地面にて幅方向の中央側に配置された第1ゴム層と接地面にて幅方向の両端側に配置された第2ゴム層とから構成し、前記第2ゴム層の20℃での硬度を前記第1ゴム層の20℃での硬度よりも高くしたことを特徴とするものである。
本発明では、車両装着時におけるタイヤ表裏の装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、トレッド部に少なくとも1列の連続陸部を区画し、その連続陸部に一端が主溝に開口して他端が該連続陸部内で終端する複数本のラグ溝を設け、連続陸部の車両内側領域での溝面積比率Sinを該連続陸部の車両外側領域での溝面積比率Sout よりも大きくすることにより、ウエット性能とドライ性能とを両立させている。ここで、ウエット性能を更に改善するにはラグ溝の本数を増やすことが必要であるが、そうすると、陸部剛性の低下によりドライ性能が悪化し、陸部剛性の不均一化により摩耗性能が悪化する恐れがある。これに対して、連続陸部を接地面にて幅方向の中央側に配置された第1ゴム層と接地面にて幅方向の両端側に配置された第2ゴム層とから構成し、第2ゴム層の20℃での硬度を第1ゴム層の20℃での硬度よりも高くすることにより、陸部剛性の低下や陸部剛性の不均一化を抑制し、ドライ性能及び摩耗性能の悪化を回避することができる。そのため、上記構成によれば、ウエット性能とドライ性能と摩耗性能をバランス良く改善することが可能になる。
本発明において、連続陸部の車両内側領域における第2ゴム層の接地面での幅Winは連続陸部の車両外側領域における第2ゴム層の接地面での幅Wout よりも大きくすることが好ましい。つまり、溝面積比率Sinが相対的に高い連続陸部の車両内側領域における第2ゴム層の幅Winを相対的に大きくし、溝面積比率Sout が相対的に低い連続陸部の車両外側領域における第2ゴム層の幅Wout を相対的に小さくことにより、陸部剛性の均一化が促進されるので、ドライ性能と摩耗性能を向上することができる。
連続陸部の接地面での幅Wに対して、連続陸部の車両内側領域における第2ゴム層の接地面での幅Winは0.15×W〜0.35×Wの範囲に設定し、連続陸部の車両外側領域における第2ゴム層の接地面での幅Wout は0.05×W〜0.25×Wの範囲に設定することが好ましい。これにより、陸部剛性の均一化が促進されるので、ドライ性能と摩耗性能を向上することができる。
また、連続陸部の車両内側領域に配置されたラグ溝のタイヤ幅方向の長さLinに対して、連続陸部の車両内側領域における第2ゴム層の接地面での幅Winは0.5×Lin〜1.0×Linの範囲に設定し、連続陸部の車両外側領域に配置されたラグ溝のタイヤ幅方向の長さLout に対して、連続陸部の車両外側領域における第2ゴム層の接地面での幅Wout は0.5×Lout 〜1.0×Lout の範囲に設定することが好ましい。これにより、陸部剛性の均一化が促進されるので、ドライ性能と摩耗性能を向上することができる。
本発明においては、トレッド部に複数列の連続陸部を区画し、各連続陸部について算出される車両内側領域での溝面積比率Sinと車両外側領域での溝面積比率Sout との差ΔSを複数列の連続陸部において互いに異ならせ、各連続陸部について算出される車両内側領域における第2ゴム層の接地面での幅Winと車両外側領域における第2ゴム層の接地面での幅Wout との比Win/Wout を複数列の連続陸部において互いに異ならせ、複数列の連続陸部における差ΔSの大小関係と比Win/Wout の大小関係とを一致させることが好ましい。これにより、溝面積比率Sinと溝面積比率Sout との差ΔSを複数列の連続陸部において互いに異ならせた場合であっても、陸部剛性の均一化が適切に行われるので、ドライ性能と摩耗性能を向上することができる。
本発明において、各寸法はタイヤが基づく規格で定められたタイヤ静的負荷半径の測定条件において測定されるものである。溝面積比率とは、連続陸部の各領域の総面積(陸部及び溝部を含む)に対する各領域内の溝部の総面積の比率(%)である。また、20℃での硬度とは、JIS−K6253に規定されるAタイプデュロメータを用いて測定されるデュロメータ硬さである。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図3は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。この空気入りタイヤは、車両装着時におけるタイヤ表裏の装着方向が指定されたタイヤである。図1〜図3において、INは車両装着時の車両内側であり、OUTは車両装着時の車両外側である。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2,2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3,3とを備えている。
一対のビード部3,3間には2層のカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層8が配置されている。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
なお、上述したタイヤ内部構造は空気入りタイヤにおける代表的な例を示すものであるが、これに限定されるものではない。
図2に示すように、トレッド部1には、タイヤ周方向に延びる4本の主溝10が形成され、これら主溝10によりトレッド部1の中央領域には3列の連続陸部(リブ)11〜13が区画されている。連続陸部11〜13の各々は一対の主溝10,10に挟まれつつタイヤ周方向に連続的に延在している。これら連続陸部11〜13の各々には、一端が主溝10に開口して他端が該連続陸部11〜13内で終端する複数本のラグ溝14がタイヤ周方向に間隔をおいて形成されている。ラグ溝14の溝幅及び溝深さは特に限定されるものではなく、例えば、溝幅が1mm以下となるような細溝を包含するものである。
連続陸部11〜13について、幅方向の中心位置Cを境界として該連続陸部11〜13を車両内側領域と車両外側領域とに区分したとき、連続陸部11〜13の車両内側領域での溝面積比率Sinは該連続陸部11〜13の車両外側領域での溝面積比率Sout よりも大きくなっている。図2においては、中心位置Cよりも車両内側に位置するラグ溝14を相対的に大きくすることでSin>Sout の関係を満足するようにしている。溝面積比率Sinは5%〜20%の範囲に設定し、溝面積比率Sout は0%〜10%の範囲に設定することが好ましく、両者の差ΔS(Sin−Sout )は3%〜10%の範囲に設定することが好ましい。なお、連続陸部11〜13においては中心位置Cの両側にラグ溝14を配置することが好ましいが、図4のように車両内側領域にのみラグ溝14を配置しても良い。
一方、トレッド部1の車両外側のショルダー領域には陸部21が配置され、この陸部21にはタイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝22がタイヤ周方向に間隔をおいて形成されている。ラグ溝22は陸部21を横断している。そのため、これらラグ溝22により陸部21が複数のブロック23に区画されている。トレッド部1の車両内側のショルダー領域には陸部31が配置され、この陸部31にはタイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝32がタイヤ周方向に間隔をおいて形成されている。ラグ溝32は陸部31を横断していない。つまり、ラグ溝32は主溝10に対して非連通である。
上記空気入りタイヤにおいて、図3に示すように、連続陸部11〜13の各々は、接地面にて幅方向の中央側に配置されたゴム層R1(第1ゴム層)と接地面にて幅方向の両端側に配置されたゴム層R2(第2ゴム層)とから構成されている。そして、ゴム層R2の20℃での硬度はゴム層R1の20℃での硬度よりも高くなっている。例えば、ゴム層R1の20℃での硬度は60〜68の範囲に設定され、ゴム層R2の20℃での硬度は70〜75の範囲に設定されている。なお、上述した硬度関係に加えて、ゴム層R2の20℃での破断強度をゴム層R1の20℃での破断強度よりも高くすることが望ましい。
図3においては、ゴム層R1をマトリックスとし、ゴム層R2は主溝10の溝壁に沿って局部的に配置されている。このような配置形態は、未加硫タイヤの主溝形成位置にゴム層R2を局部的に配置し、金型内でゴム層R2に対して主溝成形骨が押し込まれるようにすることで容易に形成することができる。
上述のように車両装着時におけるタイヤ表裏の装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、トレッド部1に少なくとも1列の連続陸部11〜13を区画し、その連続陸部11〜13に一端が主溝10に開口して他端が該連続陸部11〜13内で終端する複数本のラグ溝14を設け、連続陸部11〜13の車両内側領域での溝面積比率Sinを該連続陸部の車両外側領域での溝面積比率Sout よりも大きくすることにより、ウエット路面での操縦安定性やウエット制動性能に代表されるウエット性能と、高速レーンチェンジ性やドライ制動性能に代表されるドライ性能とを両立させることができる。つまり、車両内側領域での溝面積比率Sinを相対的に大きくすることでウエット性能を改善する一方で、車両外側領域での溝面積比率Sout を相対的に小さくすることでドライ性能を改善することができる。
ここで、ウエット性能を更に改善するにはラグ溝14の本数を増やしたりラグ溝14の寸法を大きくすることが必要であるが、そうすると、連続陸部11〜13の剛性が低下してドライ性能が悪化し、また、連続陸部11〜13の剛性が不均一化して摩耗性能が悪化する恐れがある。これに対して、連続陸部11〜13を接地面にて幅方向の中央側に配置されたゴム層R1と接地面にて幅方向の両端側に配置されたゴム層R2とから構成し、ゴム層R2の20℃での硬度をゴム層R1の20℃での硬度よりも高くすることにより、連続陸部11〜13の剛性の低下や不均一化を抑制し、ドライ性能及び摩耗性能の悪化を回避することができる。これにより、ウエット性能とドライ性能と摩耗性能をバランス良く改善することが可能になる。
上記空気入りタイヤにおいて、連続陸部11〜13の車両内側領域におけるゴム層R2の接地面での幅Win(W1in,W2in,W3in)は連続陸部11〜13の車両外側領域におけるゴム層R2の接地面での幅Wout (W1out ,W2out ,W3out )よりも大きくなるように設定されている。つまり、連続陸部11〜13は溝面積比率Sin,Sout に比例して剛性が低下するため、溝面積比率Sinが相対的に高い連続陸部11〜13の車両内側領域におけるゴム層R2の幅Winを相対的に大きくし、溝面積比率Sout が相対的に低い連続陸部11〜13の車両外側領域におけるゴム層R2の幅Wout を相対的に小さくことにより、連続陸部11〜13の剛性をより適切に均一化し、ドライ性能と摩耗性能を向上することができる。
より具体的には、連続陸部11〜13の接地面での幅W(W1,W2,W3)に対して、連続陸部11〜13の車両内側領域におけるゴム層R2の接地面での幅Win(W1in,W2in,W3in)は0.15×W〜0.35×Wの範囲に設定され、連続陸部11〜13の車両外側領域におけるゴム層R2の接地面での幅Wout (W1out ,W2out ,W3out )は0.05×W〜0.25×Wの範囲に設定されることが好ましい。これにより、連続陸部11〜13の剛性の均一化が促進されるので、ドライ性能と摩耗性能を向上することができる。
ここで、比Win/Wが0.15未満であると剛性低下を補う効果が不十分になり、逆に0.35を超えると連続陸部の車両内側端部の剛性過多となり、連続陸部の中央部との剛性バランスが崩れ、ドライ性能及び摩耗性能の改善効果が不十分になる。また、比Wout /Wが0.05未満であると剛性低下を補う効果が不十分になり、逆に0.25を超えると連続陸部の車両外側端部の剛性過多となり、連続陸部の中央部との剛性バランスが崩れ、ドライ性能及び摩耗性能の改善効果が不十分になる。
また、連続陸部11〜13の車両内側領域に配置されたラグ溝14のタイヤ幅方向の長さLin(L1in,L2in,L3in)に対して、連続陸部11〜13の車両内側領域におけるゴム層R2の接地面での幅Win(W1in,W2in,W3in)は0.5×Lin〜1.0×Linの範囲に設定され、連続陸部11〜13の車両外側領域に配置されたラグ溝14のタイヤ幅方向の長さLout (L1out ,L2out ,L3out )に対して、連続陸部11〜13の車両外側領域におけるゴム層R2の接地面での幅Wout (W1out ,W2out ,W3out )は0.5×Lout 〜1.0×Lout の範囲に設定されることが好ましい。これにより、連続陸部11〜13の剛性の均一化が促進されるので、ドライ性能と摩耗性能を向上することができる。
ここで、比Win/Linが0.5未満であると剛性低下を補う効果が不十分になり、逆に1.0を超えると剛性低下を補う効果が過剰となり、連続陸部の中央部との剛性バランスが崩れ、ドライ性能及び摩耗性能の改善効果が不十分になる恐れがある。また、比Wout /Lout が0.5未満であると剛性低下を補う効果が不十分になり、逆に1.0を超えると剛性低下を補う効果が過剰となり、連続陸部の中央部との剛性バランスが崩れ、ドライ性能及び摩耗性能の改善効果が不十分になる恐れがある。
上記空気入りタイヤにおいては、連続陸部11〜13の各々について算出される車両内側領域での溝面積比率Sin(S1in,S2in,S3in)と車両外側領域での溝面積比率Sout (S1out ,S2out ,S3out )との差ΔSを複数列の連続陸部11〜13において互いに異ならせることができる。つまり、連続陸部11の差ΔS1はΔS1=S1in−S1out の式から算出され、連続陸部12の差ΔS2はΔS2=S2in−S2out の式から算出され、連続陸部13の差ΔS3はΔS3=S3in−S3out の式から算出されるが、これら差ΔS1〜ΔS3をトレッド部1の要求特性に応じて互いに異なる値に設定することができる。
このような場合、連続陸部11〜13の各々について算出される車両内側領域におけるゴム層R2の接地面での幅Winと車両外側領域におけるゴム層R2の接地面での幅Wout との比Win/Wout (W1in/W1out W2in/W2out W3in/W3out )を複数列の連続陸部11〜13において互いに異ならせ、複数列の連続陸部11〜13における差ΔSの大小関係と比Win/Wout の大小関係とを一致させると良い。これにより、溝面積比率Sinと溝面積比率Sout との差ΔSを複数列の連続陸部11〜13において互いに異ならせた場合であっても、これら連続陸部11〜13の剛性の均一化が適切に行われるので、ドライ性能と摩耗性能を向上することができる。
上述した実施形態では、複数列の連続陸部を備えた空気入りタイヤにおいて、全ての連続陸部に対して溝面積比率Sinを溝面積比率Sout よりも大きくすると共に低硬度の第1ゴム層と高硬度の第2ゴム層とを組み合わせた構成を適用しているが、このような構成は少なくとも1列の連続陸部に適用すれば良い。勿論、全ての連続陸部に対して上記構成を適用した場合には顕著な作用効果を得ることができる。
タイヤサイズ205/55R16で、車両装着時におけるタイヤ表裏の装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、図1〜図3に示すように、トレッド部にタイヤ周方向に延びる4本の主溝を設け、一対の主溝に挟まれつつタイヤ周方向に連続的に延在する3列の連続陸部を区画し、該連続陸部に一端が主溝に開口して他端が該連続陸部内で終端する複数本のラグ溝を設け、連続陸部の幅方向の中心位置を境界として該連続陸部を車両内側領域と車両外側領域とに区分し、連続陸部の車両内側領域での溝面積比率Sin(S1in,S2in,S3in)を該連続陸部の車両外側領域での溝面積比率Sout (S1out ,S2out ,S3out )よりも大きくする共に、連続陸部を接地面にて幅方向の中央側に配置された第1ゴム層と接地面にて幅方向の両端側に配置された第2ゴム層とから構成し、第2ゴム層の20℃での硬度を第1ゴム層の20℃での硬度よりも高くし、第1ゴム層及び第2ゴム層の硬度、各連続陸部の溝面積比率の差ΔS(ΔS1,ΔS2,ΔS3)、第2ゴム層の幅の比Win/Wout (W1in/W1out W2in/W2out W3in/W3out )を表1のように設定した実施例1〜4のタイヤをそれぞれ製作した。
また、比較のため、連続陸部を単一種類のゴム層で構成したこと以外は実施例1〜4と同じ構成を有する比較例1のタイヤを用意した。
実施例1〜4及び比較例1において、各連続陸部の幅W(W1,W2,W3)は30mmとし、各連続陸部の車両内側領域に配置されたラグ溝のタイヤ幅方向の長さLin(L1in,L2in,L3in)は10mmとし、各連続陸部の車両外側領域に配置されたラグ溝のタイヤ幅方向の長さLout (L1out ,L2out ,L3out )は7.5mmとした。
これら試験タイヤについて、下記試験方法により、操縦安定性、ウエット制動性能、摩耗性能を評価し、その結果を表1に併せて示した。
操縦安定性:
試験タイヤをリムサイズ16×7JJのホイールに組み付けて試験車両に装着し、空気圧250kPaの条件で、テストドライバーによるドライ路面での走行試験を実施し、操縦安定性について官能評価を行った。評価結果は、比較例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れていることを意味する。
試験タイヤをリムサイズ16×7JJのホイールに組み付けて試験車両に装着し、空気圧250kPaの条件で、テストドライバーによるドライ路面での走行試験を実施し、操縦安定性について官能評価を行った。評価結果は、比較例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れていることを意味する。
ウエット制動性能:
試験タイヤをリムサイズ16×7JJのホイールに組み付けて試験車両に装着し、空気圧250kPaの条件で、テストドライバーによるウエット路面での制動試験を実施した。具体的には、速度100km/hの走行状態からブレーキを掛け、その制動距離を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、比較例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどウエット制動性能が優れていることを意味する。
試験タイヤをリムサイズ16×7JJのホイールに組み付けて試験車両に装着し、空気圧250kPaの条件で、テストドライバーによるウエット路面での制動試験を実施した。具体的には、速度100km/hの走行状態からブレーキを掛け、その制動距離を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、比較例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどウエット制動性能が優れていることを意味する。
摩耗性能:
試験タイヤをリムサイズ16×7JJのホイールに組み付けて試験車両に装着し、空気圧250kPaの条件で2万km走行した時のトレッド部における摩耗量を測定し、その摩耗量に基づいて摩耗寿命(距離)を推定した。評価結果は、比較例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど摩耗性能が優れていることを意味する。
試験タイヤをリムサイズ16×7JJのホイールに組み付けて試験車両に装着し、空気圧250kPaの条件で2万km走行した時のトレッド部における摩耗量を測定し、その摩耗量に基づいて摩耗寿命(距離)を推定した。評価結果は、比較例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど摩耗性能が優れていることを意味する。
この表1に示すように、実施例1〜4のタイヤは、比較例1との対比において、ウエット制動性能を良好に維持しながら、ドライ路面での操縦安定性と摩耗性能を向上することができた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルトカバー層
10 主溝
11,12,13 連続陸部
14 ラグ溝
R1 第1ゴム層
R2 第2ゴム層
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルトカバー層
10 主溝
11,12,13 連続陸部
14 ラグ溝
R1 第1ゴム層
R2 第2ゴム層
Claims (5)
- 車両装着時におけるタイヤ表裏の装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝を設け、一対の主溝に挟まれつつタイヤ周方向に連続的に延在する少なくとも1列の連続陸部を区画し、該連続陸部に一端が主溝に開口して他端が該連続陸部内で終端する複数本のラグ溝を設け、前記連続陸部の幅方向の中心位置を境界として該連続陸部を車両内側領域と車両外側領域とに区分し、前記連続陸部の車両内側領域での溝面積比率Sinを該連続陸部の車両外側領域での溝面積比率Sout よりも大きくする共に、前記連続陸部を接地面にて幅方向の中央側に配置された第1ゴム層と接地面にて幅方向の両端側に配置された第2ゴム層とから構成し、前記第2ゴム層の20℃での硬度を前記第1ゴム層の20℃での硬度よりも高くしたことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 前記連続陸部の車両内側領域における前記第2ゴム層の接地面での幅Winを前記連続陸部の車両外側領域における前記第2ゴム層の接地面での幅Wout よりも大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記連続陸部の接地面での幅Wに対して、前記連続陸部の車両内側領域における前記第2ゴム層の接地面での幅Winを0.15×W〜0.35×Wの範囲に設定し、前記連続陸部の車両外側領域における前記第2ゴム層の接地面での幅Wout を0.05×W〜0.25×Wの範囲に設定したことを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記連続陸部の車両内側領域に配置されたラグ溝のタイヤ幅方向の長さLinに対して、前記連続陸部の車両内側領域における前記第2ゴム層の接地面での幅Winを0.5×Lin〜1.0×Linの範囲に設定し、前記連続陸部の車両外側領域に配置されたラグ溝のタイヤ幅方向の長さLout に対して、前記連続陸部の車両外側領域における前記第2ゴム層の接地面での幅Wout を0.5×Lout 〜1.0×Lout の範囲に設定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッド部に複数列の前記連続陸部を区画し、各連続陸部について算出される車両内側領域での溝面積比率Sinと車両外側領域での溝面積比率Sout との差ΔSを複数列の連続陸部において互いに異ならせ、各連続陸部について算出される車両内側領域における前記第2ゴム層の接地面での幅Winと車両外側領域における前記第2ゴム層の接地面での幅Wout との比Win/Wout を複数列の連続陸部において互いに異ならせ、複数列の連続陸部における差ΔSの大小関係と比Win/Wout の大小関係とを一致させたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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