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JP2013152415A - トナー並びにこれを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

トナー並びにこれを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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裕士 山下
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Abstract

【課題】転写効率を向上させ、各々の転写時に画像欠陥をなくし長期的に再現性の良い画像を出力するトナー、及び前記トナーを用いたフルカラー画像形成方法、プロセスカートリッジを提供すること。
【解決手段】非晶性の結着樹脂と結晶性樹脂とを含むトナー粒子本体と、樹脂微粒子Aから成り前記トナー粒子本体の外側に形成された層Aと、樹脂微粒子Bから成り前記トナー粒子本体と前記層Aの間に形成された層Bと、を備えたことを特徴とするトナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、トナー並びにこれを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
近年、電子写真方式の画像形成技術分野では、高速の画像形成が可能で、しかも画像品位の高いカラー画像形成装置の開発競争が激化している。このため、フルカラー画像を高速で得るために、画像形成方法において複数の電子写真感光体を直列に並べ、それぞれの電子写真感光体において各色成分ごとの画像を形成し、中間転写体上で重ね合わせ記録材上へ一括転写するいわゆるタンデム方式が多く採用されてきている(例えば、特許文献1、特許文献2)。中間転写体を用いた場合には、現像時に電子写真感光体上に地肌汚れが発生したときには、直接紙などの記録材に地肌汚れが転移することを防止する効果はあるが、電子写真感光体から中間転写体への転写工程(一次転写)と、中間転写体から最終画像を得る記録材上への転写工程(二次転写)という2回にわたる転写工程を経るため転写効率が低下する。
一方、上記のような問題に加え、より高画質のフルカラー画像形成が要求されており、高画質化への現像剤設計がなされてきている。高画質化、特にフルカラー画質への要求に対応するために、トナーとしてはますます小粒径化が進み、潜像を忠実に再現することが検討されている。この小粒径化に対しては、トナーを所望のトナー形状及び表面構造に制御することを可能とする手段として、重合法によるトナー製造方法が提案されている。(例えば、特許文献3、特許文献4)。重合法トナーでは、トナー粒子の粒径制御に加えて形状制御も可能である。また、これと併せて粒径を小さくすることにより、ドットや細線の再現性が良くなり、パイルハイト(画像層厚)も低くすることが可能となり、より高画質化が期待できる。
しかしながら、小粒径トナーを用いた場合には、トナー粒子と電子写真感光体、又はトナー粒子と中間転写体との非静電的付着力が増加するため、転写効率がさらに低下し易い。このため、高速のフルカラー画像形成装置において小粒径トナーを使用した場合には、特に二次転写での転写効率の低下が顕著となる。その理由は、トナー小粒径化によりトナー1粒子あたりの中間転写体との非静電的付着力が増加している上に、二次転写では複数色のトナーが重ねあった状態で存在していることと、高速化に伴い二次転写のニップ部においてトナー粒子が転写電界を受ける時間が短くなるため、より転写されにくい条件となるためである。
上記問題点に対処するためには、二次転写の転写電界をさらに強くすることが考えられるが、転写電界を強くしすぎるとかえって転写効率が低下してしまい限界がある。また、二次転写のニップ部の幅を広くすることでトナー粒子が転写電界を受ける時間を長くすることが考えられるが、バイアスローラ等による接触式の電圧印加方式の場合は、ニップ幅を広くするにはバイアスローラの当接圧力を高くするか、あるいは、バイアスローラのローラ径を大きくするかの何れかの方法しかない。当接圧力を高くするのは画像品質との関係から、ローラ径を大きくするのは装置の小型化との関係から、それぞれ限界がある。また、チャージャ等による非接触式の電圧印加方式の場合は、チャージャの数を増やすなどして二次転写のニップ幅を稼がなければならないため、やはり限界がある。そのため、特に高速機では、これ以上の転写効率を得るまでニップ幅を拡げることは実質的には不可能であると言える。
これに対し、トナー粒子と電子写真感光体、又はトナー粒子と中間転写体との非静電的付着力を低減する手段として、添加剤の種類や添加量を調整する(特に粒径の大きい添加剤を添加する)方法が提案されている。(例えば、特許文献5、特許文献6)。この方法により、トナー粒子は非静電的付着力低減効果を得て転写効率を向上させることが可能となるとともに、現像の安定性、クリーニングの向上といった効果も得ることが可能となる。
上述の従来のトナー粒子は、初期的には、画像形成装置の転写効率を向上させることが可能となる。しかしながら、画像形成装置の現像装置内でトナーが長期間攪拌等の機械的ストレスを受けていると、添加剤がトナー母体中に埋没してしまい、添加剤による付着力低減効果が発揮されなくなり、画像形成装置の転写効率が低下してしまう。特に高速機の場合、現像装置内での攪拌が激しいため、この機械的ストレスが大きく、添加剤のトナー母体中への埋没が加速され易い。このため、比較的早い段階で転写効率の低下に繋がることが想定される。
このため、高速機において長期に渡り安定して高い転写効率を維持するためには、機械的ストレスを受けても添加剤がトナー母体中に埋没することなく表面に存在できるようにトナーの表面性(機械強度)を制御する必要がある。この点、上述の重合法トナーにおいて、樹脂微粒子を含む水系媒体中で造粒することで、樹脂微粒子をトナー粒子の表面に形成することが知られているが(例えば、特許文献3)、該樹脂微粒子から成る層を厚くしてトナーの機械強度を向上させるべく樹脂微粒子を増量しても、実際には、樹脂微粒子が増えた分、粒径の小さいトナー粒子が多く形成されるだけであり、良好な粒径等を有するトナーを得ることができなかった。さらに、トナーの表面性(機械強度)を強く(硬く)しすぎると、定着時にトナーの溶融を阻害したり、ワックス等の離型剤が含有されたトナーの場合には、定着時の定着ローラに対する離型剤の染み出しが不十分となり、定着性が悪化してしまうという副作用にも注意が必要である。
本発明の目的は、上記課題を踏まえ、転写効率を向上させ、各々の転写時に画像欠陥をなくし長期的に再現性の良い画像を出力するトナー、及び前記トナーを用いたフルカラー画像形成方法、プロセスカートリッジを提供することである。
上記課題を解決するため本発明者等は、以下の発明を完成した。
(1) 非晶性の結着樹脂と結晶性樹脂とを含むトナー粒子本体と、樹脂微粒子Aから成り前記トナー粒子本体の外側に形成された層Aと、樹脂微粒子Bから成り前記トナー粒子本体と前記層Aの間に形成された層Bと、を備えたことを特徴とするトナー。
(2) 前記結着樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂を含み、結晶性樹脂が結晶性ポリエステル樹脂であり、樹脂微粒子Aが、スチレン/アクリル樹脂微粒子であり、樹脂微粒子Bが、アクリル樹脂微粒子であることを特徴とする前記(1)項に記載のトナー。
(3) 前記スチレン/アクリル樹脂微粒子を構成するスチレン/アクリル樹脂が、未架橋樹脂であることを特徴とする前記(1)項または(2)項に記載のトナー。
(4) 前記アクリル樹脂微粒子を構成するアクリル樹脂が、架橋樹脂であることを特徴とする前記(1)項又は(2)項に記載のトナー。
(5) 少なくとも結着樹脂を含むトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散してトナー材料の溶解又は分散液を作成する工程Aと、前記トナー材料の溶解又は分散液を水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を作成する工程Bと、前記乳化乃至分散液から有機溶媒を除去してトナー粒子を作成する工程Cによって製造されるトナーであって、非晶性の結着樹脂と結晶性樹脂とを含むトナー粒子本体と、樹脂微粒子Aから成り前記トナー粒子本体の外側に形成された層Aと、樹脂微粒子Bから成り前記トナー粒子本体と前記層Aの間に形成された層Bと、を備えたことを特徴とする前記(1)項乃至(4)項のいずれか一項に記載のトナー。
(6) 少なくとも非晶性の結着樹脂と結晶性樹脂を含むトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散してトナー材料の溶解又は分散液を作成する工程と、前記トナー材料の溶解又は分散液を、樹脂微粒子Aと樹脂微粒子Bを含む水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を作成する工程と、前記乳化乃至分散液から有機溶媒を除去してトナー粒子を作成する工程と、前記有機溶媒を除去した乳化乃至分散液を加熱する工程によって製造された前記(1)項に記載のトナー。
(7) 少なくとも非晶性の結着樹脂と結晶性樹脂を含むトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散してトナー材料の溶解又は分散液を作成する工程と、前記トナー材料の溶解又は分散液を樹脂微粒子Aを含む水系媒体中に添加する工程と、前記水系媒体に樹脂微粒子Bを添加する工程と、前記トナー材料の溶解又は分散液を乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を作成する工程と、前記乳化乃至分散液から有機溶媒を除去してトナー粒子を作成する工程と、前記有機溶媒を除去した乳化乃至分散液を加熱する工程によって製造された前記(1)項に記載のトナー。
(8) 電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像剤によりトナー像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写手段と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を記録材上に転写する二次転写手段と、熱及び圧力定着部材を含み前記記録材上に転写されたトナー像を記録材上に定着させる定着手段と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備え、前記現像手段におけるトナーが前記(1)項乃至(7)項のいずれか一項に記載のトナーであることを特徴とするフルカラー画像形成装置。
(9) 前記二次転写手段におけるトナー像の記録材への転写の線速度は100〜1000mm/secであることを特徴とする(8)項に記載のフルカラー画像形成装置。
(10) 電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーによりトナー像とする現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録材上に定着させる定着手段定着工程と、前記転写手段によりトナー像を中間転写体又は記録材上に転写した後の電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置における各手段のうち、少なくとも前記電子写真感光体、及び前記(1)項乃至(5)項のいずれか一項に記載のトナーを備えた現像手段を、一体に支持して画像形成装置本体に着脱自在としたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
(11) 前記二次転写手段のニップ部での転写時間は0.5〜60msecであることを特徴とする(9)項に記載のフルカラー画像形成装置。
本発明によれば、転写効率を向上させ、各々の転写時に画像欠陥をなくし長期的に再現性の良い画像を出力するトナー、及び前記トナーを用いたフルカラー画像形成方法、プロセスカートリッジを提供することができる。
本発明のトナーの構造を示す図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例の概略構成図である。 本発明の画像形成装置の一例の概略構成図である。 本発明の画像形成装置の他の例の概略構成図である。
本発明を実施するための形態を必要に応じて図面を参照にして説明する。なお、いわゆる当業者は上記に示した本発明の態様について適宜変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正は本発明に含まれるものであり、以下の説明はこの発明の好ましい実施形態における例であって、本発明を限定するものではない。
本発明のトナーは、水系媒体中で造粒されたトナー粒子から構成され、例えば、結着樹脂又は結着樹脂前駆体及び着色剤を含むトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散してトナー材料の溶解又は分散液を作成し、前記トナー材料の溶解又は分散液を樹脂微粒子Aを含む水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を作成し、前記乳化乃至分散液から有機溶媒を除去しトナー粒子を形成した後、該トナー粒子をイオン交換水で分散させて分散液を作成し、該分散液を攪拌下で加熱処理して得られることができる。また、前記乳化乃至分散液を作成する工程において、水系媒体中に樹脂微粒子Bを添加する。樹脂微粒子Bの添加は、樹脂微粒子Aや後述するアニオン性界面活性剤を添加する前又は後の水系媒体でもよいし、この水系媒体にさらにトナー材料の溶解又は分散液を添加した後、又はさらにこの水系媒体を攪拌等により乳化しながら若しくは乳化後でもよい。これらのタイミングでは、トナー材料の液滴に有機溶媒が存在しているため、樹脂微粒子Bが、液滴表面に付着した後に液滴表面からある程度進入し、有機溶媒が除去された後にトナー表面に付着固定化される、といった望ましい形態を実現することができる。
樹脂微粒子Aとしては、結着樹脂等を含むトナー材料の液滴を水系媒体中に分散させるものであれば何でもよく、樹脂微粒子Bとしては、結着樹脂等から成るトナー粒子本体と、樹脂微粒子Aから成る層Aとの間に層Bを形成するものであれば何でもよいが、結着樹脂は樹脂微粒子Bと非相溶であることが重要である。
結着樹脂、樹脂微粒子A及び樹脂微粒子Bの各樹脂種の組合せとしては、樹脂微粒子Aの樹脂種がスチレン/アクリル樹脂、樹脂微粒子Bの樹脂種がアクリル樹脂である場合には、結着樹脂の樹脂種はポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂などが好ましい。また、結着樹脂の樹脂種がスチレン/アクリル樹脂である場合には、樹脂微粒子A、樹脂微粒子Bの樹脂種は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂などが好ましく、結着樹脂の樹脂種がポリエステル樹脂である場合には、樹脂微粒子A、樹脂微粒子Bの樹脂種は、スチレン/アクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、SBR樹脂などが好ましい(樹脂微粒子Aの樹脂種と樹脂微粒子Bの樹脂種とは相違する)。
また、造粒性の観点から、それぞれの酸価は、樹脂微粒子A>結着樹脂>樹脂微粒子Bであることが好ましい。
このなかでも、低温定着性に優れている点で、結着樹脂の樹脂種としてはポリエステル樹脂が好ましい。また、比較的硬い樹脂であることから転写効率をより向上させる点で、樹脂微粒子Aの樹脂種としてはスチレン/アクリル樹脂が好ましく、樹脂微粒子Bの樹脂種としてはアクリル樹脂が好ましい。
以下では、これらの樹脂種を用いた場合を例として説明するが、これらの樹脂種に本発明を限定する趣旨ではない。
上記のようにして得られたトナーは、図1に示すように、結着樹脂等をのトナー材料を核としたトナー粒子本体(1)の表面に、アクリル樹脂微粒子(B)が付着して層Bを形成し、その外側にスチレン/アクリル樹脂微粒子(A)が付着して層Aを形成している。
通常、電子写真式の画像形成装置において、小粒径トナーを用いた場合には、トナー粒子と電子写真感光体、又はトナー粒子と中間転写体との非静電的付着力が増加するため、より転写効率が低下する。特に、高速機において小粒径トナーを使用した場合には、トナーの小粒径化により中間転写体との非静電的付着力が増加した上に、高速化に伴い転写のニップ部、特に二次転写のニップ部においてトナー粒子が転写電界を受ける時間が短くなるため、二次転写での転写効率の低下が顕著となることが知られている。しかし、本発明の製造方法で製造されたトナーにおいては、そのトナー粒子本体の表面に、樹脂微粒子Aだけでなく、樹脂微粒子Bが付着していることで、そのスペーサ効果により、トナー粒子の非静電的付着力が低減され、高速機のように転写時間が短くなった場合においても、定着性を阻害することなく十分な転写効率を得ることができる。さらに、これらの樹脂微粒子が十分な硬さを有しているため、高速機のように経時での機械的ストレスの大きい場合においても、トナー表面に付着した樹脂微粒子がトナー中に埋没することなく存在し続けることができるため、長期的にも十分な転写効率を維持することが可能である。同時にトナー表面に付着させる外添剤の埋没も防止することができる。
樹脂微粒子Aは、トナー表面に付着して融着、融合し、比較的硬い表面を形成する。したがって付着固定化された樹脂微粒子Bの機械的ストレスによる埋没や移動を防止する効果がある。また、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含む場合、樹脂微粒子Aとしてのスチレン/アクリル樹脂微粒子は、アニオン性を有することが好ましく、この場合、ポリエステル樹脂を含むトナー材料の液滴に吸着し、液滴同士の合一を抑える効果があり、トナーの粒度分布を制御するのに重要である。さらにトナーの負帯電性を与えることもできる。これらの効果を発揮するために、アニオン性のスチレン/アクリル樹脂微粒子は、樹脂微粒子Bとしてのアクリル樹脂微粒子より小さくし、平均粒子径が5〜50nmとするとよい。
トナーの粒径は、本発明の目的を達成するために、重量平均粒径が1〜10μmとなるように制御されることが好ましい。特にトナーの重量平均粒径が4〜6μmであることがより好ましい。1μmよりも小さい場合には、一次転写及び二次転写においてトナーチリが発生しやすく、逆に10μmよりも大きい場合には、ドット再現性が不十分になり、ハーフトーン部分の粒状性も悪化して高精細な画像が得られなくなってしまう。
樹脂微粒子Bの一次平均粒径は、10〜500nmが好ましく、特に100〜400nmが好ましい。これにより、スペーサ効果によりトナー粒子の非静電的付着力を低減することができるとともに、高速機のように経時での機械的ストレスの大きい場合においても微粒子がトナーの表面に埋没することによる非静電的付着力の増加を抑制することが可能となり、長期に渡り十分な転写効率を維持することができる。特に中間転写方式での一次転写工程と二次転写工程と二度の転写工程を有す場合に本発明の製造方法で製造したトナーは非常に有効である。比較的高速の画像形成プロセス(転写線速300〜1000mm/sec、二次ニップ部での転写時間が0.5〜20msec)において特にその効果が大きく発揮できる。これよりも低速の線速や二次転写時間が短いプロセスでは本発明と表面に樹脂微粒子Bを配置しないトナーとの差は大きくはない。また、これ以上の高速機であると転写効率の低下は防ぎきれない傾向がある。
樹脂微粒子Bの一次平均粒径が10nmよりも小さい場合には、スペーサ効果が十分に得られないためトナー粒子の非静電的付着力を低減することができず、さらに、高速機のように経時での機械的ストレスの大きい場合には、トナーの表面に樹脂微粒子Bや外添剤が埋没しやすくなり、長期に渡り十分な転写効率を維持することができない恐れがある。また、樹脂微粒子Bの一次平均粒径が500nmよりも大きい場合には、トナーの流動性が悪くなり、均一転写性を阻害する場合がある。
一般に、現像機に充填されたトナーは、主に現像機内部での機械的ストレスによってトナー表面の樹脂微粒子はトナーの内部に埋め込まれたりトナー粒子本体の表面の凹部に移動したりして、付着力の低減効果が失われる。また外添剤が同様のストレスにさらされることによってトナー内部に埋没し、トナーの付着力が増大する。
特に、樹脂微粒子Bとしてのアクリル樹脂微粒子が架橋樹脂の微粒子であることが好ましい。このようなアクリル樹脂微粒子は、架橋されていて比較的硬いため、現像器内での機械的ストレスによってトナー粒子表面で変形することなく、スペーサ効果も保つため外添剤の埋没も防止し、上述の付着力維持にはさらに適している。
結着樹脂は、ポリエステル樹脂であることが好ましい。結着樹脂は樹脂微粒子Bと非相溶であることが重要であり、ポリエステル樹脂は、樹脂微粒子Bとしてのアクリル樹脂微粒子と相溶性がないことが通常である。乳化工程において、乳化前又は乳化後に樹脂微粒子Bとしてのアクリル樹脂微粒子が添加された時にトナー材料の液滴に有機溶媒が存在しているためアクリル樹脂微粒子は液滴表面に付着した後に溶解してしまう場合がある。トナーを構成する樹脂成分がポリエステル樹脂である場合、樹脂同士の相溶性が悪いためアクリル樹脂微粒子はトナー材料の液滴と相溶せずに付着した状態で存在する。したがって、液滴表面からある程度進入し、有機溶媒が除去された後にトナー表面に付着固定化されるといった望ましい形態を実現することができる。相溶か非相溶かは未変性な結着樹脂を有機溶媒に対して50%の重量比率で溶解させ、その溶液に各種溶液を加えたときに、二層に分離した場合は非相溶、分離しない場合は相溶であると目視で判断して行う。
後述するように、トナー材料を含む液滴を水系媒体中で分散乃至乳化させるために、アニオン性界面活性剤を用いることが好ましく、この場合、樹脂微粒子Bとしてのアクリル樹脂微粒子はアニオン性界面活性剤を含む水系媒体中で凝集体を生成する性質を有すことが好ましい。本発明の製造方法において、乳化工程で乳化前又は乳化後にアクリル樹脂微粒子が添加された時に、アクリル樹脂微粒子がトナー材料の液滴に付着せずに独立して安定に存在することは好ましくない。アニオン性界面活性剤を含む水系媒体中でアクリル樹脂微粒子が凝集体を作る性質を有すことによって、乳化時、もしくは乳化後に水相側に存在していた樹脂微粒子がトナー材料の液滴表面に移動し、容易にトナー材料の液滴表面に付着することができる。すなわち、アニオン性界面活性剤を含む水系媒体中では、アクリル樹脂微粒子が不安定で、通常であれば凝集してしまうところ、トナー材料の液滴があるとトナー材料の液滴との引力が強い場合異種粒子の複合体が形成される。
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセリールボレイト脂肪酸エステル等が挙げられる。
得られた複合体はそのままでも強固な接着力を示すが、乳化後樹脂微粒子がトナー材料の液滴表面に移動し、トナー材料の液滴表面に付着した後に加熱工程を経ることによってより強固にトナー表面に固定化できる。固定化させる温度はトナーに用いた樹脂のガラス転移点よりも高い温度が好ましい。
結着樹脂は、上述したようにポリエステル樹脂を含むことが好ましいが、この場合、トナー材料は、結着樹脂前駆体として活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。トナー材料の液滴中に活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂が含まれることにより、得られるトナーの機械的強度が高まり樹脂微粒子Bとしてのアクリル樹脂微粒子や外添剤の埋没を抑制することができる。活性水素基含有化合物がカチオン性の極性を有す場合には樹脂微粒子Bとしてのアクリル樹脂微粒子を静電的に引き寄せることもできる。またトナーの加熱定着時の流動性を調節でき定着温度幅を広げることもできる。
樹脂微粒子Bの添加量は、トナー100質量%に対して0.5〜5質量%であることが好ましく、特に1〜4質量%であることが好ましい。添加される割合が0.5質量%よりも少ない場合には、スペーサ効果が十分に得られないためトナー粒子の非静電的付着力を低減することができず、5質量%よりも多い場合には、トナーの流動性が悪くなり、均一転写性を阻害したり、微粒子がトナーに充分固定化できずに離脱しやすくなり、キャリアや感光体などに付着し、感光体などを汚染してしまう恐れがある。
本発明の製造方法によるトナーの平均円形度は、0.950〜0.990であることが好ましく、0.950よりも低い場合には、現像時の画像均一性が悪化したり、電子写真感光体から中間転写体もしくは中間転写体から記録材へのトナー転写効率が低下し均一転写が得られなくなる。また、本発明の製造方法によるトナーは、水系媒体中で乳化処理をして作成されたものであり、特にカラートナーにおける小粒径化や、平均円形度が上記の範囲の形状を得るために効果的である。
本発明の製造方法において製造したトナーにおける重量平均粒径(Dw)と個数平均粒径(Dn)との比(Dw/Dn)としては、例えば、1.30以下が好ましく、1.00〜1.30がより好ましく、1.15以下がより好ましい。二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力の低下や、クリーニング性の悪化につながり易い。一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがある。また、Dw/Dnが1.30を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
また、トナーの重量平均粒径と個数平均粒径との比(Dw/Dn)が、1.00〜1.30であると、保存安定性、低温定着性、及び耐ホットオフセット性のいずれにも優れたトナーとなりやすい。特に、フルカラー複写機に使用した場合に画像の光沢性に優れる。二成分現像剤では長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の攪拌においても良好で安定した現像性が得られ、一成分現像剤ではトナーの収支が行われてもトナーの粒子径の変動が少なくなるとともに、現像ローラへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するブレード等への部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期使用(攪拌)においても良好で安定した現像性が得られ、高画質の画像を得ることが可能となる。
本発明の製造方法によるトナーのBET比表面積は、0.5m/gから4.0m/gであることが好ましく、特に0.5m/gから2.0m/gが好ましい。BET比表面積が0.5m/gよりも小さい場合には、トナー表面全体を密に覆う状態となり、前記樹脂微粒子Aがトナー内部の結着樹脂成分と定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度の上昇が見られる。また、樹脂微粒子Aがワックスの染み出しを阻害し、ワックスの離型性効果が得られず、オフセットの発生が見られる。BET比表面積が4.0m/gよりも大きい場合には、トナー表面上に残存する有機微粒子が凸部として大きく突出したり、粗状態の多重層として樹脂微粒子Aが残存し、やはり樹脂微粒子Aがトナー内部の結着樹脂成分と定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度の上昇が見られる。また、樹脂微粒子Aがワックスの染み出しを阻害し、ワックスの離型性効果が得られず、オフセットの発生が見られる。また、添加剤が浮出し、表面の凹凸により画質に影響が現れやすい。
本発明によって製造されたトナーと共に用いるキャリアの粒径は、重量平均粒径が15〜40μmであることが好ましく、15μmよりも小さい場合には、転写工程においてキャリアも一緒に転写されてしまうキャリア付着が起こりやすくなり、逆に40μmよりも大きい場合には、キャリア付着は起りにくいものの、高画像濃度を得るためにトナー濃度を高くした場合、地汚れが発生しやすくなる恐れがある。また、潜像のドット径が小さい場合、ドット再現性のバラツキが大きくなり、ハイライト部の粒状性が悪くなる恐れもある。
本発明のフルカラー画像形成方法は、電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録材上に転写する二次転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを備えている。そして、現像工程におけるトナーが上述の本発明のトナーである。このフルカラー画像形成方法においては、二次転写工程におけるトナー像の記録材への転写の線速度、所謂印字速度は100〜1000mm/secであり、二次転写手段のニップ部での転写時間は0.5〜60msecであることが好ましい。
さらに、本発明のフルカラー画像形成方法は、電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、一次転写手段、及びクリーニング手段のセットを複数有するタンデム型であることが好ましい。電子写真感光体を複数個配備して、各々の回転時に1色ずつ現像するいわゆるタンデム型では、潜像形成工程と現像・転写工程とが各色毎に行なわれて各色のトナー像が形成されるため、単色の画像形成速度とフルカラーの画像形成速度との差が小さく、高速印字に対応できる利点を有している。しかし、各色のトナー像を別々の電子写真感光体に形成し、各色トナー層の積層(色重ね)を行なうことによりフルカラー画像を形成するため、各色のトナー粒子間での帯電性等が異なるなど、特性にばらつきがあると各色のトナー粒子による現像トナー量に差が生じ、色重ねによる二次色の色相の変化が大きくなり、色再現性が低下する。
タンデム型による画像形成方法に使用されるトナーにおいては、各色のバランスを制御するための現像トナー量を安定化すること(各色のトナー粒子間でばらつきがないこと)、各色のトナー粒子間で電子写真感光体及び記録材に対する付着性が均一であることが必要である。この点に関しては、本発明のトナーは好適である。
帯電手段は、少なくとも交番電圧を重畳した直流電圧を印加するのが好ましい。交番電圧を重畳した直流電圧を印加することにより、直流電圧のみを印加する場合に比べて電子写真感光体の表面電圧を所望の値に安定化させることができるため、より均一帯電させることが可能となる。さらに、帯電手段は、電子写真感光体に帯電部材を接触させ、帯電部材に電圧を印加することによって帯電を行なうのが好ましい。電子写真感光体に帯電部材を接触させ、帯電部材に電圧を印加して帯電を行なうことによって、特に交番電圧を重畳した直流電圧を印加することで得られる均一帯電性の効果をさらに向上させることが可能となる。
定着手段は、磁性金属から構成されて電磁誘導により加熱される加熱ローラと、加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、加熱ローラと定着ローラとに張り渡され、加熱ローラにより加熱されるとともにこれらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体(加熱ベルト)と、加熱ベルトを介して定着ローラに圧接されるとともに、加熱ベルトに対して順方向に回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有することにより、定着ベルトの温度が短時間で上昇し、かつ安定した温度制御が可能となる。また、表面の粗い記録材を使用した場合にも、定着時にある程度転写紙の表面に応じた状態で定着ベルトが作用するため、十分な定着性が得られるようになる。
定着手段は、オイルレスあるいはオイル微量塗布タイプであることが好ましい。これを達成するために、トナー粒子中に離型剤(WAX)を含有し、さらにそれがトナー粒子中に微分散しているものを定着することが好ましい。離型剤がトナー粒子中に微量分散しているトナーにより、定着時に離型剤が浸み出しやすく、オイルレス定着装置において、あるいは微量オイル塗布定着装置でオイル塗布効果が少なくなってきた場合においても、トナーのベルト側への転移を抑制することができる。離型剤がトナー粒子中に分散した状態で存在するためには、離型剤と結着樹脂とは相溶しないことが好ましい。また、離型剤がトナー粒子中に微分散するためには、例えばトナー製造時の混練の剪断力を利用する方法がある。離型剤の分散状態は、トナー粒子の薄膜切片をTEMで観察することにより判断できる。離型剤の分散径は小さい方が好ましいが、小さすぎると定着時の染み出しが不十分な場合がある。従って、倍率1万倍で離型剤が確認できれば、離型剤が分散した状態で存在していると判断する。1万倍で離型剤が確認できない大きさでは、微分散していたとしても、定着時の染み出しが不十分な場合がある。
[トナーの特性測定方法]
<重量平均粒径(Dw)、体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)>
トナーの重量平均粒径(Dw)、体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(BeckmanCoulterMultisizer3Version3.51)にて解析を行なった。具体的にはガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II本多電子社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用いて、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター製)を用いて測定を行なった。測定は装置が示す濃度が8±2%に成るように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
<平均円形度>
トナーの平均円形度は、平均円形度SR=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%で定義される。フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」;シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA-2100DataProcessingProgramforFPIAversion00-10)を用いて解析を行なった。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。前記分散液を前記FPIA−2100を用いて濃度を5000〜15000個/μlが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5000〜15000個/μlにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、すなわち添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分にぬらすことができないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は粒径のより異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3〜7μmの場合、トナー量を0.1〜0.5g添加することにより分散液濃度を5000〜15000個/μlにあわせることが可能となる。
<BET比表面積>
トナーのBET比表面積は、自動比表面積/細孔分布測定装置TriStar3000(島津製作所製)を用いて測定した。トナー1gを専用セルに入れ、TriStar用脱ガス専用ユニット、バキュプレップ061(島津製作所製)を用いて、前記専用セルないの脱気処理を行った。脱気処理は室温下で行い、少なくとも100mtorr以下の減圧条件下で20時間行った。脱気処理を行った専用セルは、TriStar3000を用いて自動でBET比表面積を得ることが出来る。なお、吸着ガスとしてはチッソガスを用いて行った。
<ナノインデンテーション法>
ナノインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さは、HysitronInc.製のTriboIndenterを使用して測定する。詳細条件は、以下に示す通りである。
使用圧子:Berkovich(三角錐形)最大押込み深さ:20nm上記条件にて、トナー1粒子の表面から圧子を押込み、最大圧入時の圧痕の大きさから硬さH[GPa]を測定する。なお、実際の測定では、製品形態のトナー100粒子(1粒子については、測定箇所を変えてN=10にて測定し、平均値化。)について測定し、その平均値をナノインデンテーション法でのトナー1粒子の硬さとした。
以下、本発明のトナーの製造方法例について具体的に説明する。なお、本発明は、ここに例示されるトナーの製造方法に限定されるものではない。
トナー本体表面に樹脂微粒子Bが付着固定化し、その外側に樹脂微粒子Aが付着固定化した構造を取るには、トナー材料を有機溶媒に溶解または分散し、このトナー材料の溶解または分散液を樹脂微粒子Aが含まれる水系媒体中で乳化乃至分散し、有機溶媒を除去した後に加熱処理を施してトナーを製造する際に、有機溶媒を除去前に水系媒体中へ樹脂微粒子Bを添加する。有機溶媒を除去しトナー粒子を形成した後、該トナー粒子を含む水を40〜60℃で加熱処理し、樹脂微粒子Bを付着固定化する。トナー材料の溶解または分散液の水系媒体中での乳化ないし分散においては、必要に応じて、油滴を安定化させ、所望の形状を得つつ粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましく、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いた場合には、アニオン性界面活性剤がより好ましい。
[本発明のトナー製造に用いる原料]
(樹脂微粒子A)
前記のように、樹脂微粒子Aがスチレン/アクリル樹脂微粒子で、樹脂微粒子Bがアクリル樹脂微粒子の組合せは、本発明における好ましい例の1つであるが、樹脂微粒子Aの例として、スチレン/アクリル樹脂微粒子が用いられる場合、このスチレン/アクリル樹脂微粒子は、アニオン性であることが好ましい。先に示したアニオン性界面活性剤とともに用いた際に凝集させないためである。アニオン性のスチレン/アクリル樹脂微粒子は、後に述べる製法でアニオン活性剤を用いたり、樹脂中にカルボン酸基、スルホン酸基などのアニオン性基を導入することによっても作成できる。粒子径としては一次粒子の平均粒子径として5〜50nmが乳化粒子の粒子径と粒子径分布を制御するのに重要であり、さらに好ましくは10〜25nmの粒子径である。なお、粒子径はSEM、TEM、光散乱法などによって測定できる。好ましくはレーザー散乱測定法による堀場製作所製LA−920によって、測定レンジにはいるように適切な濃度に希釈して測定すればよい。粒子径は体積平均径として求められる。
(樹脂微粒子B)
樹脂微粒子Bとして例えばアクリル樹脂微粒子が用いられる場合、このアクリル樹脂微粒子はスチレン/アクリル樹脂微粒子と同様な方法で作成できる。粒子径としては一次粒子の平均粒子径として10〜500nmが乳化粒子の粒子径と粒子径分布を制御するのに重要であり、さらに好ましくは10〜200nmの粒子径である。なお、アクリル樹脂微粒子の粒子径と粒子径分布はスチレン/アクリル樹脂微粒子と同様な方法で測定できる。先にあげたアニオン性界面活性剤溶液と混合されたときに不安定で凝集する性質を持つものの方が、トナー材料の液滴表面に付着しやすくなる。
このアクリル樹脂微粒子は、適度な膨潤性を有することで、造粒工程においてトナー粒子本体に付着したアクリル樹脂微粒子が適度に膜化し、層Bが良好に形成される。アクリル樹脂微粒子の膨潤性の制御方法として、架橋密度や構成モノマーがあるが、構成モノマーはアクリル樹脂微粒子の膨潤性以外の物性をコントロールするために変更する場合があるため、架橋密度で制御するのが好ましい。
(ポリエステル樹脂微粒子)
ポリエステル樹脂微粒子は、凝集により本発明の水性媒体中から造粒されるトナー結着樹脂の母体を構成できる微粒子を、凝集させず分散したものであってよく、粒径が10〜500nmの範囲、分子量Mwが1,000〜200,000の範囲、Tgが10〜80℃の範囲内であることが好ましく、酸価が10〜30mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。
(ポリオール樹脂微粒子)
ポリオール樹脂微粒子は、常法にしたがって、ポリオール例えばビスフエノールA型ポリオール、アルキレンオキシド付加ビスフエノールA型ポリオールや、ポリオキシプロピレンポリオール等のポリオールに、エポキシ樹脂やポリイソシアネート、さらに所望に応じて少量の多塩基性酸を、必要ならば、溶剤に溶かして、必要ならば、テトラメチルアンモニウムクロリドのような触媒(エポキシ樹脂の場合)や、酸又は塩基(ポリイソシアネートの場合)の存在下に、エポキシ基やイソシアネート基の残存量をモニタしながら反応させ、生成物を転相乳化にて水分散体とすることにより得ることができる。
(結着樹脂)
本発明のトナーの製造方法に用いるトナー材料に含まれる結着樹脂としては、特に制限はなく、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等、公知の結着樹脂を用いることができる。
この中でも本発明のトナーの製造方法に用いる結着樹脂としては、定着時にシャープメルトし、画像表面を平滑化できる点で、低分子量化しても十分な可とう性を有しているポリエステル樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂にさらに他の樹脂を組み合せて用いても良い。
本発明で用いるポリエステル樹脂とは、下記一般式(1)で表される1種若しくは2種以上のポリオールと、A−(OH)m・・・一般式(1)[式中、Aは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。mは2〜4の整数を表す。]下記一般式(2)で表される1種若しくは2種以上のポリカルボン酸とをポリエステル化したものである。
B−(COOH)n・・・一般式(2)[式中、Bは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。nは2〜4の整数を表す。]
一般式(1)で表される具体的なポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールA酸化エチレン付加物、ビスフェノールA酸化プロピレン付加物、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA酸化エチレン付加物、水素化ビスフェノールA酸化プロピレン付加物等が挙げられる。
一般式(2)で表される具体的なポリカルボン酸としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(トリメリット酸)等が挙げられる。
本発明の実施例では、結着樹脂成分としては、未変性の結着樹脂及び結着樹脂前駆体(活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な重合体)を用いており、最終的には結着樹脂前駆体が反応したものと未変性の結着樹脂との混合物が結着樹脂となる。
(結晶性ポリエステル樹脂)
前記結晶性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式(1)で表されるものが好適に挙げられる。
Figure 2013152415
前記構造式(1)において、mは、1以上の整数を表し、1〜3が好ましい。nは、重合度を表し、2以上の整数を表す。前記構造式(1)において、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又は炭化水素基を表す。前記炭化水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、などが挙げられる。これらは、置換基で更に置換されていてもよい。前記アルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基、n‐ブチル基、イソブチル基、sec‐ブチル基、n‐ヘキシル基、イソヘキシル基、n‐ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、n-デシル基、イソデシル基等が挙げられる。前記アルケニル基としては、炭素数2〜10のものがより好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基等が挙げられる。前記アリール基としては、炭素数6〜24のものがより好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、スチリル基、メシチル基、シンナミル基、フェネチル基、ベンズヒドリル基等が挙げられる。
前記構造式(1)において、Rは、二価炭化水素基を表し、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、-(CH)p-(ただし、pは、1〜10を表す。)で表されるアルキレン基、などが挙げられる。これらの中でも、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHC(CH)H-、などが特に好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性、分子構造等については、NMR測定、示差走査熱量計(DSC)測定、X線回折測定、GC/MS測定、LC/MS測定、赤外線吸収(IR)スペクトル測定、などにより確認することができる。例えば、前記赤外線吸収(IR)スペクトルにおいて、965±10cm-1及び990±10cm-1の範囲にオレフィンのδch(面外変角振動)に基づく吸収を有することが好ましく、この場合、該吸収を示すものは結晶性であると評価することができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の分子量分布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、シャープであることが好ましく、また、低分子量であるほど低温定着性に優れる点で好ましく、オルトジクロロベンゼンの可溶分のゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)による、横軸がlog(M)を表しかつ縦軸が質量%を表す分子量分布図において、ピーク位置が3.5〜4.0の範囲にありかつピークの半値幅が1.5以下であるのが好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1, 000〜30, 000が好ましく、1,200〜20,000がより好ましい。前記重量平均分子量が、1, 000未満であると、低温定着性が悪化することがあり、30, 000を超えると、シャープメルト性が悪化することがある。前記結晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、500〜6, 000が好ましく、700〜5,500がより好ましい。前記数平均分子量が、500未満であると、低温定着性が悪化することがありことがあり、6, 000を超えると、シャープメルト性が悪化することがある。前記重量平均分子量(Mw)と前記数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2〜8が好ましい。前記分子量分布(Mw/Mn)が、2未満であると、製造が困難で、コストがかかることがあり、8を超えると、シャープメルト性が悪化することがある。
前結晶性ポリエステル樹脂の融解温度(Tm)(「F1/2温度」と称することがある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、示差走査熱量計(DSC)測定で得られたDSC曲線におけるDSC吸熱ピーク温度で、50〜150℃が好ましく、60〜130℃がより好ましい。前記融解温度(Tm)が、50℃未満であると、耐熱保存性が悪化し、現像装置内部の温度でブロッキングが発生し易くなることがあり、150℃を超えると、定着下限温度が高くなるため、低温定着性が得られなくなることがある。
前記結晶性ポリエステル樹脂の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましい。なお、ホットオフセット性を向上させる観点からは、45mgKOH/g以下が好ましい。前記酸価が、5mgKOH/g未満であると、紙と樹脂との親和性及び目的とする低温定着性を達成することができないことがある。前記結晶性ポリエステル樹脂の酸価は、例えば、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールに溶解させ滴定することにより、測定することができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0〜50mgKOH/gが好ましく、5〜50mgKOH/gがより好ましい。前記水酸基価が、50mgKOH/gを超えると、所定の低温定着性を達成し、かつ良好な帯電特性を達成することができなくなることがある。前記結晶性ポリエステル樹脂の水酸基価は、例えば、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールに溶解させ滴定することにより、測定することができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分と酸成分とを重縮合反応させることにより合成することができる。
前記アルコール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール化合物、などが好適に挙げられる。前記ジオール化合物としては、例えば、炭素数2〜8が好ましく、2〜6がより好ましく、例えば、1,4-ブタンジオール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、これらの誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用することができ、2種以上を併用することができる。これらの中でも、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールが好ましい。前記ジオール化合物の使用量としては、前記アルコール成分中において、80モル%以上が好ましく、85〜100モル%がより好ましい。前記ジオール化合物の前記アルコール成分中における含有量が、80モル%未満であると、製造効率が悪くなることがある。
前記酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素二重結合を有するカルボン酸、ジカルボン酸化合物、多価カルボン酸化合物、などが好適に挙げられ、これらの中でもジカルボン酸化合物が好ましい。前記ジカルボン酸化合物としては、例えば、炭素数2〜8のものが好ましく、2〜6のものがより好ましく、例えば、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、これらの酸の無水物、これらの炭素数1〜3のアルキルエステル、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でもフマル酸が好ましい。前記ジカルボン酸化合物の使用量としては、酸成分中において、80モル%以上が好ましく、85〜100モル%がより好ましい。前記ジカルボン酸化合物の前記酸成分中における含有量が、80モル%未満であると、製造効率が悪くなることがある。前記多価カルボン酸化合物としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの酸無水物、これらの酸の炭素数1〜3のアルキルエステル、などが挙げられる。
前記重縮合反応としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性ガス雰囲気下、エステル化触媒、重合禁止剤等を用いて、120〜230℃で反応させることにより、行うことができる。該重縮合反応を行う際、得られる結晶性ポリエステル樹脂の強度を向上させる目的で、全単量体を一括仕込みしたり、低分子量成分を少なくする目的で、2価の単量体を反応させた後で3価以上の単量体を添加して反応させたり、反応を促進させる目的で、重縮合反応の後半に反応系を減圧にしたり、前記結晶性ポリエステル樹脂における結晶性及び軟化点を制御する目的で、重縮合反応時に、前記アルコール成分としてグリセリン等の3価以上の多価アルコールを添加し、前記酸成分として無水トリメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸を添加して非線状ポリエステルを得たり、等してもよい。
ここで、前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法の一例を示すと、以下の通りである。即ち、例えば、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、1,4-ブタンジオール、フマル酸、無水トリメリット酸、及びハイドロキノンを仕込み、160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させた。次いで、8.3kPaの加圧下にて1時間反応させることにより、結晶性ポリエステル樹脂を合成することができる。
(活性水素基含有化合物)
本発明のトナー材料中に活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な重合体が含まれることにより、得られるトナーの機械的強度が高まり、樹脂微粒子Bや外添剤の埋没を抑制することができる。活性水素基含有化合物がカチオン性の極性を有す場合には、樹脂微粒子Bとしてのアクリル樹脂微粒子を静電的に引き寄せることもできる。また、トナーの加熱定着時の流動性を調節でき定着温度幅を広げることも出来る。なお、活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂は、結着樹脂前駆体であるとも言える。
活性水素基含有化合物は、水系媒体中で、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体がイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、アミン類(B)が好適である。
活性水素基としては、活性水素基を有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アミン類(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)、などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物、が特に好ましい。
ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、等が挙げられる。該芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。該脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4'−ジアミノ−3,3'ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。該脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、等が挙げられる。また、アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、等が挙げられる。また、アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、等が挙げられる。また、アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、等が挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、B1からB5のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、等が挙げられる。
活性水素基含有化合物と活性水素基含有化合物と反応可能な重合体との伸長反応、架橋反応等を停止させるには、反応停止剤を用いる。反応停止剤を用いると、接着性基材の分子量等を所望の範囲に制御することができる点で好ましい。該反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、又はこれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)、などを用いることができる。
アミン類(B)と、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)との混合比率としては、イソシアネート基含有プレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3〜3/1であることが好ましく、1/2〜2/1であることがより好ましく、1/1.5〜1.5/1であることが特に好ましい。何故なら、混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがあるからである。
(活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)
活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等を用いることができる。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。なお、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
プレポリマーにおける活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。プレポリマーの中でも、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない場合でも良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)が特に好ましい。
ウレア結合生成基としては、例えば、イソシアネート基、等が挙げられる。ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)における該ウレア結合生成基が該イソシアネート基である場合、該ポリエステル樹脂(RMPE)としては、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)等が特に好適である。イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物であり、かつ活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるもの、等が挙げられる。ポリオール(PO)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(DIO)、3価以上のポリオール(TO)、ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジオール(DIO)単独、又はジオール(DIO)と少量の3価以上のポリオール(TO)との混合物、が好ましい。
ジオール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。また、脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。また、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物としたもの等が挙げられる。また、ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。また、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物としたもの等が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物が特に好ましい。
3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、3価以上の多価脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。また、3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。また、3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノール体(本州化学工業株式会社製のトリスフェノールPAなど)、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。また、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物におけるジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合質量比(DIO:TO)としては、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
ポリカルボン酸(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はジカルボン酸(DIC)と少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
ジカルボン酸(DIC)としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、等が挙げられる。また、アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。また、アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。また、芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
3価以上のポリカルボン酸(TC)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、芳香族ポリカルボン酸、等が挙げられる。また、芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
ポリカルボン酸(PC)としては、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、及び、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いることもできる。低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。
ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物におけるジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)とを重縮合反応させる際の混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリオール(PO)における水酸基[OH]と、ポリカルボン酸(PC)におけるカルボキシル基[COOH]との当量比([OH]/[COOH])が、通常、2/1〜1/1であるのが好ましく、1.5/1〜1/1であるのがより好ましく、1.3/1〜1.02/1であるのが特に好ましい。
ポリオール(PO)のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。何故なら、含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがあるからである。
ポリイソシアネート(PIC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらのフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。また、脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジイソシアナト−3,3'−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。また、イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。これらは、1種単独でも使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート(PIC)と、活性水素基含有ポリエステル樹脂(例えば水酸基含有ポリエステル樹脂)とを反応させる際の混合比率としては、ポリイソシアネート(PIC)におけるイソシアネート基[NCO]と水酸基含有ポリエステル樹脂における水酸基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、通常、5/1〜1/1であるのが好ましく、4/1〜1.2/1でるのがより好ましく、3/1〜1.5/1であるのが特に好ましい。何故なら、イソシアネート基[NCO]が、5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐オフセット性が悪化することがあるからである。
ポリイソシアネート(PIC)のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%がさらに好ましい。何故なら、含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化するからである。
イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)の1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4がより好ましい。何故なら、イソシアネート基の平均数が1未満であると、ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化するからである。
活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の重量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、3,000〜40,000が好ましく、4,000〜30,000がより好ましい。何故なら、重量平均分子量(Mw)が、3,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、40,000を超えると、低温定着性が悪化することがあるからである。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、PressureChemicalCo.又は東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×102、4×102、1.75×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、及び4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
(その他の成分)
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
(着色剤)
本発明に使用するトナー用の着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤のトナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。着色剤の含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレンービニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレンーアクリロニトリルーインデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
マスターバッチは、マスターバッチ用樹脂と、着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練して製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶媒成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。着色剤は各樹脂に対する親和性の差を利用することで、トナー粒子本体(第一の樹脂相)、層B(第二の樹脂相)、層A(第三の樹脂層)のいずれにも任意に含有させることが出来る。着色剤はトナー表面に存在した際にトナーの帯電性能を悪化させることが良く知られている。そのため内層に存在する第一の樹脂相に選択的に着色剤を含有させることで、トナーの帯電性能(環境安定性、電荷保持能、帯電量等)を向上させることができる。
(離型剤)
離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が50〜120℃の低融点の離型剤が好ましい。低融点の離型剤は、前記樹脂と分散されることにより、離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これによりオイルレス(定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好である。
離型剤としては、例えば、ロウ類、ワックス類、等が好適に挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜120℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。融点が、50℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、120℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
離型剤は各樹脂に対する親和性の差を利用することで、トナー粒子本体中の樹脂(第一の樹脂相)、層Bの樹脂(第二の樹脂相)、層Aの樹脂(第三の樹脂相)のいずれにも任意に含有させることが出来る。トナー外層に存在する第二および第三の樹脂相に選択的に含有させることで、離型剤の染み出しが定着時の短い加熱時間でも充分生じるため、充分な離型性を得ることができる。また、離型剤を内層に存在する第一の樹脂相に選択的に含有させることで、感光体、キャリア等の他の部材への離型剤のスペントを抑制させることができる。本発明では、離型剤の配置を比較的自由に設計することがあり、各々の画像形成プロセスに応じて任意の配置を取ることが出来る。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージNEGVP2036、コピーチャージNXVP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、等が挙げられる。
帯電制御剤はトナー粒子本体中の樹脂(第一の樹脂層)と層B(第二の樹脂層)、又は層A(第三の樹脂層)に対する親和性の差を利用することで、トナー粒子本体中の樹脂相(第一の樹脂層)、層B(第二の樹脂層)、層A(第三の樹脂層)、いずれにも任意に含有させることができる。トナー表面に存在する層B(第二の樹脂層)、又は層A(第三の樹脂層)に選択的に含有させることで、より少量の帯電制御剤によって停電に対する効果を得やすくなる。また、帯電制御剤を内層に存在するトナー粒子本体中の樹脂相(第一の樹脂層)に選択的に含有させることで、感光体、キャリア等の他の部材への帯電制御剤のスペントを抑制させることができる。本発明のトナーの製造方法では、帯電制御剤の配置を比較的自由に設計することがあり、各々の画像形成プロセスに応じて任意の配置を取ることが出来る。
帯電制御剤のトナーに対する含有量としては、前記樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。帯電制御剤の含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
(無機微粒子)
無機微粒子は、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として使用する。この無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための無機微粒子としては、80〜500nmの一次平均粒径を有する大粒径の無機微粒子の他にも、小粒径の無機微粒子を好ましく用いることができる。特に、疎水性シリカおよびまたは疎水性酸化チタンが好ましい。この無機微粒子の一次平均粒径は、5〜50nmであることが好ましく、特に10〜30nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、大粒径のもの及び小粒径のものそれぞれがトナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
(流動性向上剤)
流動性向上剤とは、外添剤である無機微粒子の表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止する剤のことであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。シリカ、酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
(クリーニング性向上剤)
クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加される剤のことであり、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
(磁性材料)
磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等を用いることができる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
[本発明のトナーの製造方法]
(トナー材料の溶解ないし分散液)
トナー材料の溶解ないし分散液は、トナー材料を溶媒に溶解ないし分散させて調製する。トナー材料としては、トナーを形成可能である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結着樹脂もしくは活性水素基含有化合物、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)と着色剤を含み、さらに必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等の上記その他の成分を含んでいてもよい。トナー材料の溶解ないし分散液は、トナー材料を有機溶媒に溶解ないし分散させて調製することが好ましい。なお、有機溶媒は、トナーの造粒時ないし造粒後に除去することが好ましい。
(有機溶媒)
トナー材料を溶解ないし分散する有機溶媒としては、トナー材料を溶解ないし分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーの造粒時ないし造粒後の除去の容易性の点で沸点が150℃未満のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を用いることができる。また、エステル系溶剤が好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。有機溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100質量部に対し40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部がさらに好ましい。なお、トナー材料の溶解ないし分散液の調製は、有機溶媒中に、活性水素基含有化合物、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、未変性ポリエステル樹脂、離型剤、着色剤、帯電制御剤、等のトナー材料を、溶解ないし分散させることにより行うことができる。また、トナー材料の中で、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、後述する水系媒体の調製において、水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、トナー材料の溶解ないし分散液を水系媒体に添加する際に、溶解ないし分散液と共に水系媒体に添加してもよい。
(水系媒体)
水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などを用いることができるが、これらの中でも、水が特に好ましい。水と混和可能な溶剤としては、水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ(登録商標)類、低級ケトン類、などを用いることができる。アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。また、低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水系媒体の調製は、例えば、アニオン性界面活性剤の存在下で樹脂微粒子Aを水系媒体に分散させることにより行う。アニオン性界面活性剤と樹脂微粒子Aの水系媒体中への添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、それぞれ0.5〜10質量%が好ましい。樹脂微粒子Bは、その後水系媒体に加えられる。樹脂微粒子Bがアニオン性界面活性剤と凝集性を有す場合は、水系媒体を乳化前に高速せん断分散機にて分散させておくことが好ましい。
(乳化ないし分散)
トナー材料の溶解ないし分散液の水系媒体中への乳化ないし分散は、トナー材料の溶解ないし分散液を水系媒体中で攪拌しながら分散させることが好ましい。分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機などを用いて行うことができる。分散機としては、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機などが挙げられる。このトナーの製造方法においては、乳化ないし分散の際、活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、を伸長反応ないし架橋反応させると、接着性基材が生成する。樹脂微粒子Bは乳化中または乳化後に水系媒体に加えても良い。高速せん断分散機にて分散させながら行うか乳化後低速攪拌に切り替えて添加するか適宜トナーへの樹脂微粒子Bの付着性、固定化状況を見ながら行われる。
(有機溶媒の除去)
乳化ないし分散により得られた乳化スラリーから、有機溶媒を除去する。有機溶媒の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、等が挙げられる。有機溶媒の除去が行われるとトナー粒子が形成される。
(洗浄)
有機溶媒を除去しトナー粒子を形成した後、形成されたトナー粒子に対しイオン交換水で洗浄を行い、所望の伝導度を有する分散液を作成する。
(加熱処理)
前記分散液を加熱処理する。加熱処理は、(1)静止状態で加熱処理する方法、(2)攪拌下で加熱処理する方法、等が挙げられ、加熱処理が行われると表面が平滑なトナー粒子が形成される。また、加熱処理はトナー粒子がイオン交換水で分散されている場合は、洗浄前に実施しても洗浄後に実施しても良い。
(乾燥)
形成されたトナー粒子に対し乾燥等を行い、さらにその後、所望により分級等を行う。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行う。なお、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
こうして得られたトナー粒子を、着色剤、離型剤、帯電制御剤等の粒子と共に混合したり、さらに機械的衝撃力を印加したりすることにより、トナー粒子の表面から離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック株式会社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所株式会社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢、等が挙げられる。
[フルカラー画像形成方法]
本発明のフルカラー画像形成方法は、電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録材上に転写する二次転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを備えている。そして、現像工程において使用するトナーが、上述の本発明のトナーである。本発明のフルカラー画像形成方法は、二次転写工程において、トナー像の記録材への転写の線速度は100〜1000mm/secであり、二次転写手段のニップ部での転写時間は0.5〜60msecとすることが好ましい。また、本発明のフルカラー画像形成方法は、タンデム方式の電子写真画像形成プロセスを採用することが好ましい。
[プロセスカートリッジ]
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーによりトナー像とする現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録材上に定着させる定着手段と、前記転写手段によりトナー像を中間転写体又は記録材上に転写した後の電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置における各手段のうち、少なくとも電子写真感光体、及び現像手段を含む上記手段を一体に支持して画像形成装置本体に着脱自在としたものである。そして、現像手段には、上述の本発明の製造方法によって製造したトナーを備えている。現像手段及び帯電手段としては、上述の現像装置及び帯電装置が好適に使用できる。
本発明のプロセスカートリッジの例を図2に示す。図2に示したプロセスカートリッジ(800)は、感光体(801)、帯電手段(802)、現像手段(803)、クリーニング手段(806)を備えている。このプロセスカートリッジ(800)の動作を説明すると、感光体(801)が所定の周速度で回転駆動される。感光体(801)は回転過程において、帯電手段(802)によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の不図示の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体(801)の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段(802)によりトナー像化され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体(801)と不図示の転写手段との間に感光体(801)の回転と同期されて給送された記録材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた記録材は感光体面から分離されて不図示の像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体(801)の表面は、クリーニング手段(806)によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
(フルカラー画像形成方法)
本発明のフルカラー画像形成方法において使用されるフルカラー画像形成装置としては、例えば図3、図4に示したタンデム方式の画像形成装置(100)を用いることができる。図3において、画像形成装置(100)は電子写真方式によるカラー画像形成を行なうための画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)、画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)、給紙部(140)から主に構成されている。画像信号を元に、画像処理部(図示せず)で画像処理を行ない、画像形成用の黒(Bk),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色信号に変換し、画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)に送信する。画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)は、例えば、レーザ光源、回転多面鏡等の偏向器、走査結像光学系及びミラー群(いずれも図示せず)からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)に各色信号に応じた画像書込を行なう。
画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)は、黒,シアン,マゼンタ,イエロー用の各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)を備え、これらの各色用の感光体(210Bk,210C,210M,210Y)には通常OPC感光体が用いられる。各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)の周囲には、帯電装置(215Bk,215C,215M,215Y)、上記画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)からのレーザ光の露光部、各色用の現像装置(200Bk,200C,200M,200Y)、1次転写装置(230Bk,230C,230M,230Y)、クリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)、除電装置(図示せず)等が配設されている。なお、上記現像装置(200Bk,200C,200M,200Y)には、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。また、中間転写ベルト(220)が各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)と1次転写装置(230Bk,230C,230M,230Y)との間に介在し、この中間転写ベルト(220)に各感光体から各色のトナー像が順次重ね合わせて転写され、各感光体上のトナー像を担持する。
場合によっては、この中間転写ベルト(220)の外側で、最終色の1次転写位置通過後で2次転写位置通過前の位置に転写前帯電手段としてのプレ転写チャージャ(502)が配設されるのが好ましい。このプレ転写チャージャ(502)は、上記1次転写部で感光体(210)に転写された中間転写ベルト(220)上のトナー像を記録材としての転写紙に転写する前に、トナー像をトナー像と同極性に均一に帯電するものである。
各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)から転写された中間転写ベルト(220)上のトナー像は、ハーフトーン部及びベタ部を含んでいたりトナーの重ね合せ量が異なる部分を含んでいたりするため、帯電量がばらついている場合がある。また、中間転写ベルト移動方向における1次転写部の隣接下流側の空隙に発生する剥離放電により、1次転写後の中間転写ベルト(220)上のトナー像内に帯電量のばらつきが発生する場合もある。このような同一トナー像内の帯電量のばらつきは中間転写ベルト(220)上のトナー像を転写紙に転写する2次転写部における転写余裕度を低下させてしまう。そこで、プレ転写チャージャで転写紙へ転写する前のトナー像をトナー像と同極性に均一に帯電することにより、同一トナー像内の帯電量のばらつきを解消し、2次転写部における転写余裕度を向上させている。
以上、この画像形成方法によれば、各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)から転写した中間転写ベルト(220)上のトナー像をプレ転写チャージャ(502)で均一に帯電することにより、中間転写ベルト(220)上のトナー像内に帯電量のばらつきがあっても、2次転写部における転写特性を、中間転写ベルト(220)上のトナー像の各部に渡ってほぼ一定にすることができる。従って、転写紙へ転写する時の転写余裕度の低下を抑え、トナー像を安定して転写できる。
なお、この画像形成方法において、プレ転写チャージャで帯電される帯電量は、帯電対象物である中間転写ベルト(220)の移動速度に依存して変化する。例えば、中間転写ベルト(220)の移動速度が遅ければ、中間転写ベルト(220)上のトナー像の同一部分がプレ転写チャージャによる帯電領域を通過する時間が長くなるので、帯電量が大きくなる。逆に、中間転写ベルト(220)の移動速度が速いと、中間転写ベルト(220)上のトナー像の帯電量が小さくなる。従って、中間転写ベルト(220)上のトナー像がプレ転写チャージャによる帯電位置を通過している途中に中間転写ベルト(220)の移動速度が変化するような場合には、その中間転写ベルト(220)の移動速度に応じて、トナー像に対する帯電量が途中で変化しないようにプレ転写チャージャを制御することが望ましい。
1次転写装置(230Bk,230C,230M,230Y)の間に導電性ローラ(241),(242),(243)が設けられている。そして、転写紙は給紙部(140)から給紙された後、レジストローラ対(160)を介して転写ベルト(500)に担持され、中間転写ベルト(220)と転写ベルト(500)が接触するところで2次転写ローラ(600)により中間転写ベルト(220)上のトナー像が転写紙に転写され、カラー画像形成が行なわれる。
そして、画像形成後の転写紙は2次転写ベルト(180)で定着装置(150)に搬送され、画像が定着されてカラー画像が得られる。転写されずに残った中間転写ベルト(220)上のトナーは、中間転写ベルトクリーニング装置(260)によってベルトから除去される。
転写紙への転写前の中間転写ベルト(220)上のトナー極性は、現像時と同じマイナス極性であるため、2次転写ローラ(170)にはプラスの転写バイアス電圧が印加され、トナーは転写紙上に転写される。この部分でのニップ圧が転写性に影響し、定着性に大きく影響する。また、転写されずに残った中間転写ベルト(220)上のトナーは、転写紙と中間転写ベルト(220)とが離れる瞬間にプラス極性側に放電帯電され、0〜プラス側に帯電される。なお、転写紙のジャム時や非画像域に形成されたトナー像は、2次転写の影響を受けないため、もちろんマイナス極性のままである。
感光体層の厚みを30μmとし、光学系のビームスポット径を50×60μm、光量を0.47mWとしている。感光体(黒)(210Bk)の帯電(露光側)電位V0を−700V、露光後電位VLを−120Vとして現像バイアス電圧を−470Vすなわち現像ポテンシャル350Vとして現像工程が行なわれるものである。感光体(黒)(210Bk)上に形成されたトナー(黒)の顕像はその後、転写(中間転写ベルト及び転写紙)、定着工程を経て画像として完成される。転写は最初、1次転写装置(230Bk,230C,230M,230Y)から中間転写ベルト(220)へ全色転写された後、更に別の2次転写ローラ(170)へのバイアス印加により転写紙へ転写される。
次に、感光体クリーニング装置について詳細に説明する。図3において、各現像装置(200Bk,200C,200M,200Y)と各クリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)とは、各々トナー移送管(250Bk,250C,250M,250Y)で接続されている(図3中の破線)。そして、各トナー移送管(250Bk,250C,250M,250Y)の内部には、スクリュー(図示せず)が入っており、各クリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)で回収されたトナーが、各現像装置(200Bk,200C,200M,200Y)へ移送されるようになっている。
従来の4つの感光体ドラムとベルト搬送との組合せによる直接転写方式では、感光体と転写紙が当接することにより紙粉が付着しトナーを回収すると紙粉が含有しているので、画像形成時にトナー抜け等の画像劣化をきたし使用することができなかった。更に、従来の一つの感光体ドラムと中間転写とを組合せたシステムでは、中間転写体の採用で転写紙転写時の感光体への紙粉付着はなくなったが、感光体への残トナーのリサイクルを行おうした場合、混色したトナーを分離することは実用上不可能である。また、混色トナーを黒トナーとして使用する提案があるが、全色混合しても黒にならず、プリントモードにより色が変化するため1つの感光体の構成ではトナーリサイクルは不可能であった。
これに対して、このフルカラー画像形成装置では、中間転写ベルト(220)を使用するので紙粉の混入が少なく、かつ、紙転写時の中間転写ベルト(220)への紙粉の付着も防止される。各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)が独立した色のトナーを使用するので各感光体クリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)を接離する必要もなく、確実にトナーのみを回収することができる。
上記中間転写ベルト(220)上に残ったプラス帯電されたトナーは、マイナス電圧が印加された導電性ファーブラシ(262)でクリーニングされる。導電性ファーブラシ(262)への電圧印加方法は、導電性ファーブラシ(261)と極性が異なるだけで全く同一である。転写されずに残ったトナーも2つの導電性ファーブラシ(261),(262)でほとんどクリーニングされる。ここで、導電性ファーブラシ(262)でクリーニングされずに残ったトナー、紙粉、タルク等は、導電性ファーブラシ(262)のマイナス電圧により、マイナス帯電される。次の黒色の1次転写は、プラス電圧による転写であり、マイナス帯電したトナー等は中間転写ベルト(220)側に引き寄せられるため、感光体(黒)(210Bk)側への移行は防止できる。
図4は、本発明の画像形成方法において使用される画像形成装置の他の例を示すもので、タンデム型間接転写方式の電子写真式の画像形成装置を備えた複写装置(100)である。図4中、(101)は複写装置本体、(200)はそれを載せる給紙テーブル、(300)は複写装置本体(101)上に取り付けるスキャナ、(400)はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体(101)には、中央に、無端ベルト状の中間転写体(10)を設ける。
そして、図4に示すとおり、この例では3つの支持ローラ(14)、(15)、(16)に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラ(15)の左に、画像転写後に中間転写体(10)上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置(17)を設ける。また、3つのなかで第1の支持ローラ(14)と第2の支持ローラ(15)間に張り渡した中間転写体(10)上には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段(18)を横に並べて配置してタンデム画像形成装置(20)を構成する。
このタンデム画像形成装置(20)の上には、図4に示すように、さらに露光装置(21)を設ける。一方、中間転写体(10)を挟んでタンデム画像形成装置(20)と反対の側には、2次転写装置(22)を備える。2次転写装置(22)は、図示例では、2つのローラ(23)間に、無端ベルトである2次転写ベルト(24)を掛け渡して構成し、中間転写体(10)を介して第3の支持ローラ(16)に押し当てて配置し、中間転写体(10)上の画像をシートに転写する。2次転写装置(22)の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置(25)を設ける。定着装置(25)は、無端ベルトである定着ベルト(26)に加圧ローラ(27)を押し当てて構成する。上述した2次転写装置(22)には、画像転写後のシートをこの定着装置(25)へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置(22)として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合はこのシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。なお、図示例では、このような2次転写装置(22)および定着装置(25)の下に、上述したタンデム画像形成装置(20)と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置(28)を備える。
さて、いまこのカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置(400)の原稿台(30)上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置(400)を開いてスキャナ(300)のコンタクトガラス(32)上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置(400)を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置(400)に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス(32)上へと移動して後、他方コンタクトガラス(32)上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ(300)を駆動し、第1走行体(33)および第2走行体(34)を走行する。そして、第1走行体(33)で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体(34)に向け、第2走行体(34)のミラーで反射して結像レンズ(35)を通して読取りセンサ(36)に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ(14)、(15)、(16)の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体(10)を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段(18)でその感光体(40)を回転して各感光体(40)上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体(10)の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体(10)上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル(200)の給紙ローラ(42)の1つを選択回転し、ペーパーバンク(43)に多段に備える給紙カセット(44)の1つからシートを繰り出し、分離ローラ(45)で1枚ずつ分離して給紙路(46)に入れ、搬送ローラ(47)で搬送して複写機本体(100)内の給紙路(48)に導き、レジストローラ(49)に突き当てて止める。
または、給紙ローラ(50)を回転して手差しトレイ(51)上のシートを繰り出し、分離ローラ(52)で1枚ずつ分離して手差し給紙路(53)に入れ、同じくレジストローラ(49)に突き当てて止める。
そして、中間転写体(10)上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ(49)を回転し、中間転写体(10)と2次転写装置(22)との間にシートを送り込み、2次転写装置(22)で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、2次転写装置(22)で搬送して定着装置(25)へと送り込み、定着装置(25)で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪(55)で切り換えて排出ローラ(56)で排出し、排紙トレイ(57)上にスタックする。または、切換爪(55)で切り換えてシート反転装置(28)に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ(56)で排紙トレイ(57)上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写体(10)は、中間転写体クリーニング装置(17)で、画像転写後に中間転写体(10)上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置(20)による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラ(49)は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
以下、本発明を実施例及び比較例にて更に詳細に説明する。なお、本発明は、ここに例示される実施例及び比較例に限定されるものではない。なお、実施例中の部は、特に記載がなければ質量部を表わす。
(トナーのBET比表面積)
トナーのBET比表面積は、自動比表面積/細孔分布測定装置TriStar3000(島津製作所製)を用いて測定した。トナー1gを専用セルに入れ、TriStar用脱ガス専用ユニット、バキュプレップ061(島津製作所製)を用いて、前記専用セルないの脱気処理を行った。脱気処理は室温下で行い、少なくとも100mtorr以下の減圧条件下で20時間行った。脱気処理を行った専用セルは、TriStar3000を用いて自動でBET比表面積を得ることが出来る。なお、吸着ガスとしてはチッソガスを用いて行った。
[トナーの製造]
評価に用いたトナーの具体的な作成例について説明する。本発明で用いるトナーは、これらの例に限定されるものではない。
(トナー材料の溶解液乃至分散液の調製)
〜未変性ポリエステル(低分子量ポリエステル)の合成〜
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させて、未変性ポリエステルを合成し、転相乳化にて水分散体とした。
得られた未変性ポリエステルは、酸価が17mgKOH/g、粒径が100nm、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が5,600、ガラス転移温度(Tg)が50℃であった。
〜マスターバッチ(MB)の調製〜
水1000質量部、及びカーボンブラック(「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)540質量部、及び前記未変性ポリエステル1200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
〜プレポリマーの合成〜
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
〜結晶性ポリエステルの合成〜
1,6‐ブタンジオール1260g、エチレングリコール120g、フマル酸1400gg、無水トリメリト酸350g、オクチル酸錫3.5g及びハイドロキノン1.5gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットル容量の四つ口フラスコに入れ、160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに8.3kPaにて1時間反応させ、結晶性ポリエステルを得た。
結晶性ポリエステルは融点が89℃であった。
〜トナー材料相の調製〜
ビーカー内に前記未変性ポリエステル100質量部、酢酸エチル130質量部を、攪拌し溶解させた。次いで、カルナウバワックス(分子量=1,800、酸価=2.5、針入度=1.5mm(40℃))10質量部、結晶性ポリエステル10質量部、及び前記マスターバッチ10質量部を仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、前記プレポリマーを40質量部添加し、攪拌した後、[トナー材料の溶解乃至分散液]を調製した。
(微粒子A1(スチレン/アクリル樹脂微粒子)の調製)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)16部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[スチレン/アクリル樹脂微粒子分散液A1]を得た。[スチレン/アクリル樹脂微粒子分散液A1]の体積平均粒径(堀場製作所製LA−920で測定)は14nm、酸価は45mgKOH/g、分子量Mwは300,000、Tgは60℃であった。
(微粒子A2(部分架橋化スチレン/アクリル樹脂微粒子)の調製)
微粒子A1の調製において、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)16部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部に代えて、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)16部、スチレン83部、メタクリル酸82部、アクリル酸ブチル108部、およびエチレングリコールジメタクリレート6部を用いることにより架橋構造を構築した。体積平均粒径(堀場製作所製LA−920で測定)は18nm、酸価は42mgKOH/g、分子量Mwは320,000、Tgは63℃であった。
(微粒子A3(ポリエステル樹脂微粒子)の調製)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させて、未変性ポリエステルを合成し、転相乳化にて水分散体とした(平均粒径48nm)。
(微粒子B1(アクリル樹脂微粒子)の調製)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(カチオンDS、花王製)10部、メタクリル酸メチル144部、アクリル酸ブチル50部、過硫酸アンモニウム1部、エチレングリコールジメタクリレート2部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度65℃まで昇温し10時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(メタクリル酸メチル)の水性分散液[アクリル樹脂微粒子分散液B1]を得た。[アクリル樹脂微粒子B1]の体積平均粒径(堀場製作所製LA−920で測定)は35nm、酸価は2mgKOH/g、分子量Mwは30,000、Tgは63℃であった。
(微粒子B2(アクリル樹脂微粒子)の調製)
同様に、架橋度を調整するために、エチレングリコールジメタクリレート2部の量を1部に変更しアクリル樹脂微粒子分散液B2を作成した。
(微粒子B3(アクリル樹脂微粒子)の調製)
同様に、架橋度を調整するために、エチレングリコールジメタクリレート2部の量を4部に変更しアクリル樹脂微粒子分散液B3を作成した。
(微粒子B4(アクリル樹脂微粒子)の調製)
また、アクリル樹脂微粒子B1の合成時にエチレングリコールジメタクリレート2部を0部に変更し、アクリル樹脂微粒子分散液B4を作成した。
(微粒子B5(ポリオール樹脂微粒子)の調製)
攪拌装置、温度計、窒素導入口、および冷却管を備えた容量500mlのセパラブルフラスコに、低分子ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂[三井化学工業(株)製エポミックR140P、エポキシ当量:188(g/当量)、粘度:13500mPa・s]156.1部、高分子ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂[三井化学工業(株)製エポミックR309R、エポキシ当量:2630(g/当量)]15.0部、ビスフェノールA60.3部、安息香酸23.6部、ビスフェノールA付加プロピレオキシド[三井化学工業(株)KB−280]の無水フタル酸付加物45.0部およびキシレン33.3部を仕込み、窒素雰囲気下で昇温を開始し、内温80℃で反応触媒として50%テトラメチルアンモニウムクロリド水溶液0.12部を添加した。さらに昇温し、内温が160℃に到達したら溶液中で反応を開始した。温度を保持しながら、1時間反応を行い再度触媒の50%テトラメチルアンモニウムクロリド水溶液0.12部を添加し、キシレンの減圧濃縮を開始し、温度を保持しながら約1時間かけて10mmHgまで減圧した。反応混合物の温度を160℃に維持しながら撹拌し、反応させた。
反応中、エポキシ基の残存量を、一定時間毎に測定したところ、約6時間でエポキシ当量が20000(g/当量)以上を示し、エポキシ基が実質的に消失したことが確認された。生成した溶融状態の樹脂をフラスコから抜き出した。次いで、転相乳化にて水分散体とした(平均粒径52nm)。
(樹脂微粒子の膨潤性評価)
膨潤性に差がある種々の樹脂微粒子を、30mlのアズワン社製スクリューバイヤルにメスピペットでそれぞれ底から20mmになるように添加し、酢酸エチルをメスピペットで10ml入れた後、24時間静置したところ、白色を有する樹脂微粒子のエマルションが下側に、酢酸エチルが上側に相分離した。そして、スクリューバイヤルの底からの、白色を有する樹脂微粒子エマルションの高さを観察することで膨潤性の違いを評価した。高い膨潤性を有するものは前記高さが高くなる。膨潤性の程度は下記のように判断した。
本発明における「膨潤する」とは◎、○、△と評価されるものをいう。
◎・・・25mm以上十分に膨潤する
○・・・21mm以上、25mm未満膨潤する
△・・・20mm以上、21mm未満不十分に膨潤する
×・・・20mm未満膨潤しない
樹脂微粒子の膨潤性評価結果、及び結着樹脂(未変性ポリエステル樹脂)との相溶性の評価結果を表1に示す。
Figure 2013152415
[実施例1]
(トナーaの製造)
〜水系媒体相の調製〜
水660質量部、前記スチレン/アクリル樹脂微粒子分散液A125質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%の水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)25質量部、及び酢酸エチル60質量部を混合撹拌し、乳白色の液体(水相)を得た。さらにアクリル樹脂微粒子分散液B1を50重量部加え、水系媒体相を得た。
なお、水系媒体相を光学顕微鏡で観察すると数百μmの凝集体が見られた。本水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8000rpmで攪拌すると該凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。したがってこの後行われるトナー材料の乳化工程においてもアクリル樹脂微粒子B1は分散してトナー材料成分の液滴に付着することが期待できた。このようにアクリル樹脂微粒子B1は凝集を生じるがせん断によってほぐれることがトナー表面に均一に付着させる上で重要である。
〜乳化乃至分散液の調製〜
前記水系媒体相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解乃至分散液100質量部と、伸長剤としてイソホロンジアミンをプレポリマーの遊離イソシアネート含有量に対し1mol%添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
〜有機溶媒の除去〜
脱気用配管、攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、前記乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間減圧下、脱溶剤し脱溶剤スラリーとした。
〜洗浄〜
前記脱溶剤スラリー全量を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行い、再分散したスラリーの伝導度が0.1μS/cm以上且つ10μS/cm以下になったところで洗浄スラリーとした。
〜加熱処理〜
攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、得られた洗浄スラリーを攪拌周速20m/分で攪拌しながら50℃で60分間攪拌下、加熱処理しトナー表面に付着した微粒子B1を固定化処理した後濾過した。
〜乾燥〜
得られた濾過ケーキを順風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子aを得た。
〜外添処理〜
トナー母体粒子aを100質量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を0.8部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナーaを得た。
[実施例2]
〜トナーbの製造〜
アクリル樹脂微粒子B1の代わりに、B2を用いた以外は実施例1と同様にトナーbを作成した。トナーbに用いたアクリル樹脂微粒子B2は、結着樹脂と相溶せず、且つ、架橋構造が少ないため高い膨潤性を示すものである。また、アクリル樹脂微粒子B2を水系媒体相に加え、光学顕微鏡で観察すると数百μmの凝集体が見られた。本水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8000rpmで攪拌すると該凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。したがってこの後行われるトナー材料の乳化工程においてもアクリル樹脂微粒子B2は分散してトナー材料成分の液滴に付着することが期待できた。このアクリル樹脂微粒子B2を用いたトナーbは、転写率においてはトナーaよりも若干劣るが、定着上下限温度双方において課題を十分に達成出来るものであった。
[実施例3]
〜トナーcの製造〜
アクリル樹脂微粒子B1の代わりに、B3を用いた以外は実施例1と同様にトナーcを作成した。トナーcに用いたアクリル樹脂微粒子B3は、結着樹脂と相溶しないが、架橋構造が多いため膨潤性は樹脂微粒子B1よりも劣るものである。また、樹脂微粒子B3を水系媒体相に加え、光学顕微鏡で観察すると数百μmの凝集体が見られた。本水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8000rpmで攪拌すると該凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。したがってこの後行われるトナー材料の乳化工程においても樹脂微粒子B3は分散してトナー材料成分の液滴に付着することが期待できた。この樹脂微粒子B3を用いたトナーcは、転写率及び定着上下限温度双方において課題を十分に達成出来るものであった。
[実施例4]
〜トナーdの製造〜
アクリル樹脂B1の代わりに、B4を用いた以外は実施例1と同様にトナーdを作成した。
トナーdに用いたアクリル樹脂微粒子B4は、結着樹脂と相溶せず、且つ、架橋構造がないため高い膨潤性を示すものである。また、樹脂微粒子B4を水系媒体相に加え、光学顕微鏡で観察すると数百μmの凝集体が見られた。本水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8000rpmで攪拌すると該凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。したがってこの後行われるトナー材料の乳化工程においても樹脂微粒子B4は分散してトナー材料成分の液滴に付着することが期待できた。この樹脂微粒子B4を用いたトナーdは、転写率はトナーa、b、cよりも若干劣るが、定着上下限温度双方において課題を十分に達成出来るものであった。
[実施例5]
〜トナーeの製造〜
前記スチレン・アクリル樹脂微粒子A1の代わりに上記未変性ポリエステル樹脂を微粒子化したポリエステル微粒子A3を用い、アクリル樹脂微粒子B1の代わりに前記ポリオール樹脂微粒子B5を用いた以外は実施例1と同様にしてトナーeを作成した。トナーeに用いた樹脂は、それぞれ相溶しないものである。
[実施例6]
〜トナーfの製造〜
スチレン・アクリル樹脂微粒子A1の代わりに、エチレングリコールジメタクリレートにより架橋構造を構築したスチレン・アクリル樹脂微粒子A2を用いた以外は実施例1と同様にトナーfを作成した。トナーgに用いた樹脂微粒子は、トナー結着樹脂にそれぞれ相溶しないものである。
[実施例7]
〜トナーgの製造〜
スチレン・アクリル樹脂微粒子A1の代わりに、エチレングリコールジメタクリレートにより架橋構造を構築したスチレン・アクリル樹脂微粒子A2を、アクリル樹脂微粒子B1の代わりに、架橋構造を除いたアクリル樹脂微粒子B4用いた以外は実施例1と同様にトナーgを作成した。トナーgに用いた樹脂微粒子は、トナー結着樹脂にそれぞれ相溶しないものである。
[比較例1]
〜トナーa’の製造〜
アクリル樹脂微粒子を用いなかったこと以外は実施例1と同様にトナーa’を作成した。定着上下限温度は課題を十分に達成出来るものであったが、転写率の改善効果が得られなかった。
[比較例2]
〜トナーb’の製造〜
スチレン・アクリル樹脂微粒子A1の添加量を実施例1よりも3倍に増量し、且つ、アクリル樹脂微粒子B1を用いなかった以外は実施例1と同様にしてトナーb’を作成した。このトナーb’は、造粒時に微粉が増え、且つ、転写率および定着上下限温度双方において、実施例1よりも劣り、改善の見込みが無かった。
[比較例3]
結晶性樹脂を用いなかったこと以外は実施例1と同様にトナーc’を作成した。転写率は課題を達成できるものであったが、定着下限温度の改善効果が得られなかった。
粒径:5.2um、円形度:0.966、BET:1.8
Figure 2013152415

(*1);トナー粒子本体に結晶性樹脂を不使用。
[キャリアの作製]
次に、トナーの実機評価に用いたキャリアの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるキャリアは、これらの例に限定されるものではない。〜キャリア〜アクリル樹脂溶液(固形分50wt%)21.0部グアナミン溶液(固形分70wt%)6.4部アルミナ粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)]7.6部シリコーン樹脂溶液65.0部[固形分23wt%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]アミノシラン1.0部[固形分100wt%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]トルエン60部ブチルセロソルブ60部上記キャリア原料をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂の被覆膜形成溶液を得た。芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2348.0:平均粒径;25μm]に上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥し被覆フェライト粉を得た。得られた被覆フェライト粉を電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、キャリアを得た。結着樹脂膜厚測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。こうして、重量平均粒径35μmのキャリアAを得た。
[2成分系現像剤の作製]
上記トナーa〜v’と上記キャリアAを用い、キャリア100質量部に対しトナー7質量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し帯電させて2成分系現像剤a〜v’を作製した。
[トナーの評価]
(転写効率(%))
富士ゼロックス社製のDocuColor8000DigitalPressを改造して、線速162mm/sec及び転写時間を40msecにチューニングした評価機を用い、各現像剤について、A4サイズ、トナー付着量0.6mg/cmのベタパターンをテスト画像として出力するランニング試験を行った。テスト画像の初期、及び100K出力後、一次転写における転写効率を下記式(3)により、二次転写における転写効率を下記式(4)により、それぞれ求めた。なお、評価基準は下記のとおりである。
一次転写効率(%)=(中間転写体上に転写されたトナー量/電子写真感光体上に現像されたトナー量)×100・・・(3)二次転写効率(%)=(中間転写体上に転写されたトナー量−中間転写体上の転写残トナー量/中間転写体上に転写されたトナー量)×100・・・(4)評価基準は、一次転写率と二次転写率の平均値を算出し以下の基準で評価した。
◎:90%以上
○:85%以上90%未満
△:80%以上85%未満
×:80%未満
(定着下限温度)
リコー製フルカラー複合機ImagioNeoC600Proの定着部を改造し、温度及び線速を調整可能にした定着装置を用いて、厚紙の転写紙(株式会社リコー製の複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.85±0.1mg/cm2のトナー付着量で定着評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
評価基準は、
◎:120℃未満
○:140℃未満120℃以上
△:160℃未満140℃以上
×:160℃以上とした。
(定着上限温度)
〜ホットオフセット発生温度〜
リコー製フルカラー複合機ImagioNeoC600Proの定着部を改造し、温度及び線速を調整可能にした定着装置を用いて、前記普通紙(株式会社リコー製のタイプ6000<70W>)に、ベタ画像で、0.85±0.3mg/cmのトナーが現像されるように調整した。得られた画像を加熱ローラの温度を変えて定着し、ホットオフセットの発生する定着温度(オフセット発生温度)を測定した。
評価基準は、
◎:210℃以上
○:210℃未満190℃以上
△:190℃未満170℃以上
×:170℃未満とした。
Figure 2013152415
本発明のトナーは、高速のフルカラー画像形成方法において転写効率を向上させ、転写時に画像欠陥をなくし長期的に再現性の良い画像を出力することを可能にするので、電子写真感光体から中間転写体への転写工程(一次転写)及び中間転写体から最終画像を得る記録材上への転写工程(二次転写)という2回にわたる転写工程を経る電子写真装置において好適に使用できる。
(図1について)
1 トナー粒子
A スチレン/アクリル樹脂微粒子からなる層
B アクリル樹脂微粒子からなる層
(図2〜7について)
500 ローラ式帯電装置
501 帯電ローラ
502 芯金
503 導電ゴム層
505 感光体
510 ブラシ式帯電装置
511 ファーブラシローラ
513 ブラシ部
514 電源
515 感光体
600 現像器
601 現像スリーブ
602 電源
603 現像部
604 感光体
605 トナー
760 誘導加熱手段
710 加熱ローラ
720 定着ローラ
730 無端帯状の定着ベルト
731 基体
732 発熱層
733 中間層
734 離型層
740 加圧ローラ
741 芯金
742 弾性部材
760 誘導加熱手段
761 励磁コイル
762 コイルガイド板
763 励磁コイルコア
764 励磁コイルコア支持部材
770 記録材
800プロセスカートリッジ
801 感光体
802 帯電手段
803 現像手段
804 現像剤
805 現像手段
806 クリーニング手段
(図8について)
100 画像形成装置
120Bk,120C,120M,120Y 画像書込部
130Bk,130C,130M,130Y 画像形成部
140 給紙部
215Bk,215C,215M,215Y 帯電装置
200Bk,200C,200M,200Y 現像装置
230Bk,230C,230M,230Y 1次転写装置
300Bk,300C,300M,300Y クリーニング装置
220 中間転写ベルト
502 プレ転写チャージャ
(図9について)
50 中間転写体
51 ローラ
52 手差しトレイ
53 手差し給紙路
55 切り換え爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
59 帯電器
60 クリーニング装置(クリーニングブレード)
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録紙
100A、100B、100C 画像形成装置
110 ベルト式定着装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142a、142b 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145a、145b 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
特開平07−209952号公報 特開2000−075551号公報 特許第3640918号公報 特開平06−250439号公報 特開2001−066820号公報 特許第3692829号公報

Claims (10)

  1. 非晶性の結着樹脂と結晶性樹脂とを含むトナー粒子本体と、樹脂微粒子Aから成り前記トナー粒子本体の外側に形成された層Aと、樹脂微粒子Bから成り前記トナー粒子本体と前記層Aの間に形成された層Bと、を備えたことを特徴とするトナー。
  2. 前記結着樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂を含み、結晶性樹脂が結晶性ポリエステル樹脂であり、樹脂微粒子Aが、スチレン/アクリル樹脂微粒子であり、樹脂微粒子Bが、アクリル樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記スチレン/アクリル樹脂微粒子を構成するスチレン/アクリル樹脂が、未架橋樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記アクリル樹脂微粒子を構成するアクリル樹脂が、架橋樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  5. 少なくとも結着樹脂を含むトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散してトナー材料の溶解又は分散液を作成する工程Aと、前記トナー材料の溶解又は分散液を水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を作成する工程Bと、前記乳化乃至分散液から有機溶媒を除去してトナー粒子を作成する工程Cによって製造されるトナーであって、非晶性の結着樹脂と結晶性樹脂とを含むトナー粒子本体と、樹脂微粒子Aから成り前記トナー粒子本体の外側に形成された層Aと、樹脂微粒子Bから成り前記トナー粒子本体と前記層Aの間に形成された層Bと、を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 少なくとも非晶性の結着樹脂と結晶性樹脂を含むトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散してトナー材料の溶解又は分散液を作成する工程と、前記トナー材料の溶解又は分散液を、樹脂微粒子Aと樹脂微粒子Bを含む水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を作成する工程と、前記乳化乃至分散液から有機溶媒を除去してトナー粒子を作成する工程と、前記有機溶媒を除去した乳化乃至分散液を加熱する工程によって製造された請求項1に記載のトナー。
  7. 少なくとも非晶性の結着樹脂と結晶性樹脂を含むトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散してトナー材料の溶解又は分散液を作成する工程と、前記トナー材料の溶解又は分散液を樹脂微粒子Aを含む水系媒体中に添加する工程と、前記水系媒体に樹脂微粒子Bを添加する工程と、前記トナー材料の溶解又は分散液を乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を作成する工程と、前記乳化乃至分散液から有機溶媒を除去してトナー粒子を作成する工程と、前記有機溶媒を除去した乳化乃至分散液を加熱する工程によって製造された請求項1に記載のトナー。
  8. 電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像剤によりトナー像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写手段と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を記録材上に転写する二次転写手段と、熱及び圧力定着部材を含み前記記録材上に転写されたトナー像を記録材上に定着させる定着手段と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備え、前記現像手段におけるトナーが請求項1乃至7のいずれか一項に記載のトナーであることを特徴とするフルカラー画像形成装置。
  9. 前記二次転写手段におけるトナー像の記録材への転写の線速度は100〜1000mm/secであることを特徴とする請求項8に記載のフルカラー画像形成装置。
  10. 電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーによりトナー像とする現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録材上に定着させる定着手段定着工程と、前記転写手段によりトナー像を中間転写体又は記録材上に転写した後の電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置における各手段のうち、少なくとも前記電子写真感光体、及び請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトナーを備えた現像手段を、一体に支持して画像形成装置本体に着脱自在としたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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