JP2013142817A - 反射防止フィルム、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた反射防止特性を有し、かつ優れた耐擦傷性を有する反射防止フィルム、ならびにこれを用いた偏光板、及び画像表示装置を提供すること。
【解決手段】透明基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを順に有し、該高屈折率層が高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成され、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%である反射防止フィルム、ならびにこれを用いた偏光板、及び画像表示装置である。
【選択図】図1
【解決手段】透明基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを順に有し、該高屈折率層が高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成され、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%である反射防止フィルム、ならびにこれを用いた偏光板、及び画像表示装置である。
【選択図】図1
Description
本発明は反射防止フィルム、偏光板及び画像表示装置に関する。
従来、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、陰極管表示装置(CRT)などのディスプレイの表面には、高い表面硬度、あるいは白熱灯、蛍光灯などの外部光源から照射された光線による反射を防止する反射防止特性を付与するために反射防止フィルムが設けられている。通常、反射防止フィルムは、透明基材上にハードコート層と屈折率制御層とが積層した構成を有するものであり、該屈折率制御層は、反射防止に寄与するためには、より低屈折率であることが好ましい。低屈折率を達成するための方法としては、例えば、低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層などの屈折率の異なる層を薄膜にして積層して屈折率制御層を形成する方法が知られている。例えば特許文献1には、屈折率制御層に特定の微粒子を含有させた反射防止フィルムが開示されている。
ところで、反射防止フィルムに要求される性能として、低屈折率であることのほか、ディスプレイの表面の耐擦傷性や鉛筆硬度、あるいは防汚性などの表面特性が挙げられる。これらの表面特性の向上を図る場合、最表面に設けられる層の構成を検討することが一般的である。特許文献1には、反射防止フィルムに耐擦傷性を付与する手法として、該フィルムの最表面となる低屈折率層に含フッ素化合物を用いる手法が開示されている(例えば特許文献1)。しかし、特許文献1で用いられる含フッ素化合物としては、白濁に起因する性能低下などを抑制するため、低屈折率層を形成するバインダー樹脂との相溶性が向上する、重合性不飽和基を有し、かつ重量平均分子量5000未満と低分子量である特定の含フッ素化合物を用いる必要があり、またそのような含フッ素化合物を用いたとしても、より厳しい条件における耐擦傷性や鉛筆硬度は優れたものであるとはいえなかった。
また、低屈折率を得るためには、上記の屈折率制御層において微粒子を用いることが一般的である。しかし、微粒子を多く用いるほど低屈折率を達成できるが、多く用いすぎると屈折率制御層の強度や密着性が低下し、結果として耐擦傷性が低下するという問題が生じてしまう。すなわち低屈折率と耐擦傷性とは相反する性能であるといえるが、特許文献1においては、相反する性能を同時に優れたものとする点についての詳細な検討は行われていないため、とりわけ耐擦傷性が優れているとはいえなかった。
本発明は、このような状況下で、優れた反射防止特性を有し、かつ優れた耐擦傷性を有する反射防止フィルム、ならびにこれを用いた偏光板、及び画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の構成を有する反射防止フィルムが、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
〔1〕透明基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを順に有し、該高屈折率層が高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成され、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%である反射防止フィルム、
〔2〕偏光膜の少なくとも片面に反射防止フィルムを有し、該反射防止フィルムが透明基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを順に有し、該高屈折率層が高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成され、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%である偏光板、及び
〔3〕反射防止フィルム、又は偏光膜の少なくとも片面に反射防止フィルムを有する偏光板をディスプレイの最表面に有し、該反射防止フィルムが透明基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを順に有し、該高屈折率層が高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成され、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%である画像表示装置、
を提供するものである。
〔1〕透明基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを順に有し、該高屈折率層が高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成され、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%である反射防止フィルム、
〔2〕偏光膜の少なくとも片面に反射防止フィルムを有し、該反射防止フィルムが透明基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを順に有し、該高屈折率層が高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成され、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%である偏光板、及び
〔3〕反射防止フィルム、又は偏光膜の少なくとも片面に反射防止フィルムを有する偏光板をディスプレイの最表面に有し、該反射防止フィルムが透明基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを順に有し、該高屈折率層が高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成され、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%である画像表示装置、
を提供するものである。
本発明によれば、優れた反射防止特性を有し、かつ優れた耐擦傷性を有する反射防止フィルム、ならびにこれを用いた偏光板、及び画像表示装置を得ることができる。
本発明の反射防止フィルムは、透明基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを順に有し、該高屈折率層が高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成され、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%であることを特徴とするものである。本発明の反射防止フィルムについて、図1〜3を用いて説明する。
図1は、本発明の反射防止フィルムの断面を示した模式図であり、図2及び3は、本発明の反射防止フィルムの好ましい層構成を例にとって、その断面を示した模式図である。図1に示される反射防止フィルム1は、透明基材2上に高屈折率層3と低屈折率層4とを順に有するフィルムである。図2に示される反射防止フィルム1は、透明基材2上に、ハードコート層5、高屈折率層3、及び低屈折率層4を順に有しており、また図3に示される反射防止フィルム1は、透明基材2上に、ハードコート層5、中屈折率層6、高屈折率層3、及び低屈折率層4を順に有している。本発明の反射防止フィルム1の層構成は、透明基材2上にハードコート層5、高屈折率層3、及び低屈折率層4を順に有していれば特に制限されることはなく、例えば、透明基材/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層、透明基材/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、透明基材/ハードコート層/高屈折率層/中屈折率層/低屈折率層などの層構成が好ましく挙げられる。
以下、透明基材2から順に説明する。
以下、透明基材2から順に説明する。
[透明基材2]
本発明で用いられる透明基材は、一般的に反射防止フィルムの基材として用いられる透明なものであれば特に限定されないが、好ましくはプラスチックフィルム、プラスチックシートなどを用途に応じて適宜選択することができる。
本発明で用いられる透明基材は、一般的に反射防止フィルムの基材として用いられる透明なものであれば特に限定されないが、好ましくはプラスチックフィルム、プラスチックシートなどを用途に応じて適宜選択することができる。
このようなプラスチックフィルム又はプラスチックシートとしては、各種の合成樹脂からなるものが挙げられる。合成樹脂としては、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、セロファンなどのセルロース樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどのポリエステル樹脂;低密度ポリエチレン樹脂(線状低密度ポリエチレン樹脂を含む)、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、エチレンαオレフィン共重合体、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリブテン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマーあるいは、これらの混合物などのポリオレフィン樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸メチル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エチル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル樹脂などのアクリル樹脂;ナイロン6又はナイロン66などで代表されるポリアミド樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアリレート樹脂;又はポリイミド樹脂などが好ましく挙げられる。
透明基材としては、上記したプラスチックフィルム、プラスチックシートのなかから単独で、又は2種以上を選んで混合物として用いることができるが、柔軟性、強靭性、透明性などの観点から、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂がより好ましく、なかでもトリアセチルセルロース樹脂(TAC)、ポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
透明基材の厚さについては特に制限はないが、通常20〜100μm程度であり、耐久性やハンドリング性などを考慮すると、40〜80μmが好ましい。
透明基材の厚さについては特に制限はないが、通常20〜100μm程度であり、耐久性やハンドリング性などを考慮すると、40〜80μmが好ましい。
[高屈折率層3]
本発明の反射防止フィルムは、優れた耐擦傷性を得ると同時に反射防止性能を向上させる目的で、高屈折率層を有する。上記のように、耐擦傷性などの表面特性を向上させるためには、最表面に設けられる層の性能を向上させることで解決することが一般的であるが、そのような手法だけではより厳しい条件における耐擦傷性は十分とはいえない場合があった。本発明は、最表面に設けられる層ではない高屈折率層を、所定の高屈折率層形成用樹脂組成物の硬化物により形成することで、耐擦傷性が向上することを見出し、かかる知見に基づいて完成したものである。
本発明の反射防止フィルムは、優れた耐擦傷性を得ると同時に反射防止性能を向上させる目的で、高屈折率層を有する。上記のように、耐擦傷性などの表面特性を向上させるためには、最表面に設けられる層の性能を向上させることで解決することが一般的であるが、そのような手法だけではより厳しい条件における耐擦傷性は十分とはいえない場合があった。本発明は、最表面に設けられる層ではない高屈折率層を、所定の高屈折率層形成用樹脂組成物の硬化物により形成することで、耐擦傷性が向上することを見出し、かかる知見に基づいて完成したものである。
本発明においては、高屈折率層、低屈折率層、必要に応じて中屈折率層を有するが、各屈折率層の屈折率は相対的なものである、すなわち「高屈折率層の屈折率>中屈折率層の屈折率>低屈折率層の屈折率」となっていればその絶対値に制限はない。
本発明において、優れた反射防止性能を得る観点から、高屈折率層の屈折率は、1.5〜2.0の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1.6〜2.0である。ここで、本発明において、屈折率は波長550nmにおける屈折率を示す。
本発明において、優れた反射防止性能を得る観点から、高屈折率層の屈折率は、1.5〜2.0の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1.6〜2.0である。ここで、本発明において、屈折率は波長550nmにおける屈折率を示す。
高屈折率層の厚さは、10〜300nmの範囲が好ましく、より好ましくは30〜200nmの範囲であり、さらに好ましくは100〜200nmである。厚さが上記範囲内であると、優れた耐擦傷性が得られると同時に優れた反射防止性能も得られる。
高屈折率層は、高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物(以下、高屈折率層形成用樹脂組成物と称することがある。)の硬化物により形成される層であり、該高屈折率形成用樹脂組成物は、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%であることを特徴とするものである。
高屈折率粒子(かっこ内は屈折率を示す)としては、酸化亜鉛(ZnO;1.90)、酸化チタン(TiO2;2.3〜2.7)、酸化セリウム(CeO2;1.95)、酸化インジウム錫(略称;ITO;1.95)、アンチモンドープ酸化錫(略称ATO;1.80)、酸化イットリウム(Y2O3;1.87)、酸化ジルコニウム(ZrO2;2.0)、五酸化アンチモン(Sb2O5;1.79)が好ましく挙げられ、用途に応じて適宜選択することができる。これらのなかでも、特に高屈折率を得ようとする場合には、酸化ジルコニウム(ZrO2;2.0)を採用することが好ましい。また、導電性と高屈折率とをバランスよく得る場合には、アンチモンドープ酸化錫(略称ATO;1.80)を採用することが好ましい。
高屈折率粒子の一次粒子の平均粒径は、5〜200nmが好ましく、5〜100nmがより好ましく、10〜80nmがさらに好ましい。微粒子の平均粒径が上記範囲内にあれば、高屈折率層の透明性を損なうことがなく、良好な微粒子の分散状態が得られ、また良好な屈折率が得られる。また、本発明においては、平均粒径が上記範囲内にあれば、微粒子が鎖状に連なって形成されていてもよい。
また、高屈折率粒子は、表面処理されているものも好ましく用いられる。表面処理は、無機化合物及び/又は有機化合物の表面処理剤を用いて該微粒子表面の改質を行うものであり、微粒子に表面処理を施すことにより、後述するバインダー樹脂との親和性が向上し、微粒子の分散が均一となり、微粒子同士の凝集が生じにくくなるので、大粒子化による高屈折率層の透明化の低下や、高屈折率層形成用樹脂組成物の塗布性、該組成物の塗膜強度の低下を抑制することができる。
微粒子表面の改質を行いうる無機化合物としては、ケイ素含有化合物(SiO2など)、アルミニウム含有化合物(Al2O3、Al(OH)3など)、コバルト含有化合物(CoO2、Co2O3、Co3O4など)、ジルコニウム含有化合物(ZrO2、Zr(OH)4など)、鉄含有化合物(Fe2O3など)などが好ましく挙げられる。
また、有機化合物としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリアクリレートなどのポリオール化合物;、エチレンジアミンEO付加体(5モル)などのアルカノールアミン;ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などの長鎖脂肪族カルボン酸;シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤などのカップリング化合物、などが好ましく挙げられる。これらの表面処理剤は、2種類以上を併用することもできる。
また、有機化合物としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリアクリレートなどのポリオール化合物;、エチレンジアミンEO付加体(5モル)などのアルカノールアミン;ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などの長鎖脂肪族カルボン酸;シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤などのカップリング化合物、などが好ましく挙げられる。これらの表面処理剤は、2種類以上を併用することもできる。
高屈折率層形成用樹脂組成物において、高屈折率粒子の含有量は、該高屈折率粒子の質量(P)とバインダー樹脂の質量(V)との比率(P/V比)で、40〜400であることを要する。P/V比が40未満であると、高屈折率を発現する機能が十分ではなくなるため反射防止特性が十分ではなくなり、400を超えると層としての強度が不足し、また優れた耐擦傷性も得られない。このような観点から、P/V比は50〜350が好ましく、100〜300がより好ましく、150〜250がさらに好ましい。
アニオン性基含有モノマーは、高屈折率粒子の分散剤としての機能を有しており、スルホン酸基、スルフィン酸基、カルボキシル基、カルボニル基、リン酸基、及びこれらの塩の群から選択される少なくとも一種のアニオン性基含有モノマーが好ましく挙げられ、なかでもスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、及びこれらの塩の群から選択されるアニオン性基含有モノマーであることが好ましい。
カルボキシ基を含有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸などが好ましく挙げられる。
スルホン酸基を含有するモノマーとしては、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、3−スルホプロピル(メタ)アクリレートなどが好ましく挙げられる。
リン酸基を含有するビニルモノマーとしては、ビニルホスフェート、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイドの付加物とリン酸とのエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとリン酸とのエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとカプロラクトン重合体とリン酸とのエステルなどが好ましく挙げられる。より具体的には、リン酸(2−メタクリロキシエチル)、リン酸ビス(2−メタクリロキシエチル)、リン酸トリ(2−メタクリロキシエチル)、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェートなどが好ましく挙げられる。
スルホン酸基を含有するモノマーとしては、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、3−スルホプロピル(メタ)アクリレートなどが好ましく挙げられる。
リン酸基を含有するビニルモノマーとしては、ビニルホスフェート、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイドの付加物とリン酸とのエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとリン酸とのエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとカプロラクトン重合体とリン酸とのエステルなどが好ましく挙げられる。より具体的には、リン酸(2−メタクリロキシエチル)、リン酸ビス(2−メタクリロキシエチル)、リン酸トリ(2−メタクリロキシエチル)、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェートなどが好ましく挙げられる。
高屈折率層形成用樹脂組成物中のアニオン性基含有モノマーの含有量は、0.4〜0.55質量%であることを要する。含有量が0.4質量%未満であると、優れた耐擦傷性が得られず、また高屈折率粒子の分散不良が起こり、ゲル化する場合がある。また含有量が0.55質量%を超えると、優れた耐擦傷性が得られず、また反射防止特性が十分ではなくなってしまう。優れた耐擦傷性が得られ、分散不良が生じることがなく、良好な反射防止特性を得る観点から、該モノマーの含有量は、0.425〜0.525質量%が好ましく、6.5〜7質量%0.45〜0.5質量%がより好ましい。
バインダー樹脂は、成膜性や膜強度などの観点から、用いられるものであり、加熱あるいは紫外線、電子線などの電離放射線を照射することにより硬化することで固定化できる樹脂が好ましく挙げられる。より具体的には、バインダー樹脂としては、例えば、メラミン系、ユリア系、エポキシ系、ケトン系、ジアリルフタレート系、不飽和ポリエステル系、及びフェノール系などの熱硬化性樹脂、あるいは電離放射線硬化性樹脂が好ましく挙げられ、なかでも、電離放射線硬化性樹脂が好ましい。
電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより硬化する性質を有する樹脂である。ここで、電離放射線は、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものであり、例えば、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるほか、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂としては、従来電離放射線硬化性の樹脂として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマー(ないしはプレポリマー)の中から適宜選択して用いることができる。
重合性モノマーとしては、優れた耐擦傷性が得られ、かつ高屈折率を得て優れた反射防止特性が得られる観点から、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート単量体が好適であり、なかでも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートモノマーであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどのトリ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの4官能以上の(メタ)アクリレート;上記した多官能性(メタ)アクリレートモノマーのエチレンオキシド変性品、カプロラクトン変性品、プロピオン酸変性品などが好ましく挙げられる。これらのなかでも、優れた耐擦傷性が得られ、また均一一様な高屈折率層が得られる観点から、4官能以上の(メタ)アクリレートが好ましく、なかでもジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。これらの多官能性(メタ)アクリレートモノマーは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートモノマーであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどのトリ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの4官能以上の(メタ)アクリレート;上記した多官能性(メタ)アクリレートモノマーのエチレンオキシド変性品、カプロラクトン変性品、プロピオン酸変性品などが好ましく挙げられる。これらのなかでも、優れた耐擦傷性が得られ、また均一一様な高屈折率層が得られる観点から、4官能以上の(メタ)アクリレートが好ましく、なかでもジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。これらの多官能性(メタ)アクリレートモノマーは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、上記した多官能性(メタ)アクリレートモノマーとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートモノマーを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。
次に、重合性オリゴマーとしては、優れた耐擦傷性が得られ、かつ高屈折率を得て優れた反射防止特性が得られる観点から、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマーのオリゴマーなどの(メタ)アクリレートオリゴマー、なかでも官能基数が2以上の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく挙げられる。また、これらのなかでもウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。
ここで、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
ここで、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
重合性オリゴマーの官能基数は2以上であれば特に制限はないが、優れた耐擦傷性が得られ、かつ高屈折率を得て優れた反射防止特性が得られる観点から、2〜8が好ましく、より好ましくは2〜6である。
また、重合性オリゴマーの数平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算の数平均分子量)は、1000〜20000であることが好ましく、1000〜10000であることがより好ましい。上記の数平均分子量を有する重合性オリゴマーを用いると、その粘度を低下させて塗布適性を向上させることができる。
また、重合性オリゴマーの数平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算の数平均分子量)は、1000〜20000であることが好ましく、1000〜10000であることがより好ましい。上記の数平均分子量を有する重合性オリゴマーを用いると、その粘度を低下させて塗布適性を向上させることができる。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂を好ましく用いることができる。光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られることから電子線硬化性樹脂がより好ましいが、紫外線硬化性樹脂も後述する光重合開始剤との併用により何らの支障なく用いられる。
電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、光重合開始剤を、高屈折率層形成用組成物100質量部に対して、0.5〜10質量部程度添加することが好ましく、1〜5質量部の添加がより好ましい。光重合開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、などの光重合開始剤が挙げられる。これらは、いずれか一方を単独で、又は、両方を組み合わせて用いることができる。
高屈折率層形成用樹脂組成物は、該樹脂組成物の塗布性を向上させる目的で、溶剤を好ましく含む。溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)などのアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類、あるいはこれらの混合物が好ましく挙げられる。これらのなかでも、高屈折率層形成用樹脂組成物の塗布性が向上し、該組成物の塗布後における溶剤の蒸発速度が適度であるため乾燥むらが生じにくく、均一一様な大面積塗膜を容易に得る観点から、ケトン類、グリコールエーテル類が好ましい。
溶剤の量は、各成分を均一に溶解、分散することができ、高屈折率層形成用樹脂組成物の塗布性を良好なものとし、また該樹脂組成物の調製後の保存時に凝集しないように、かつ塗付時に希薄すぎないような濃度となるように適宜調整する。該樹脂組成物中の溶剤の含有量は、50〜99質量%が好ましく、60〜97質量%とすることが好ましい。なお、高屈折率層形成用樹脂組成物に用いられる溶剤は、該樹脂組成物を塗付した後になされる乾燥により蒸発するので、高屈折率層中には存在しない。
高屈折率層には、所望される物性に応じて、各種添加剤が配合される。添加剤としては、例えば耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤などが挙げられる。これらの添加剤は、上記の高屈折率層形成用樹脂組成物に添加して、用いればよい。
また、各種添加剤として、分散助剤が好ましく挙げられる。分散助剤としては、
ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテートなどのアルキルアミン塩;アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩;ラウリルベタイン、ステアリルベタインなどのアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキサイドなどのアルキルアミンオキサイドなどのカチオン性界面活性剤が好ましく挙げられ、なかでもアルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩が好ましい。
分散助剤の使用量は、高屈折率層形成用樹脂組成物中の含有量として0.5〜10質量%が好ましく、より好ましくは2〜6質量%である。
ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテートなどのアルキルアミン塩;アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩;ラウリルベタイン、ステアリルベタインなどのアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキサイドなどのアルキルアミンオキサイドなどのカチオン性界面活性剤が好ましく挙げられ、なかでもアルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩が好ましい。
分散助剤の使用量は、高屈折率層形成用樹脂組成物中の含有量として0.5〜10質量%が好ましく、より好ましくは2〜6質量%である。
高屈折率層の形成について、その好ましい形成方法の一例を、以下説明する。
まず、高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、バインダー樹脂、溶媒、及び好ましく用いられる各種添加剤などを、所定の割合で均質に混合して、高屈折率層形成用組成物を調製する。該高屈折率形成用組成物は、生産性を考慮すると溶剤に溶解させた液状であることが好ましい。液状の高屈折率層形成用組成物の粘度は、後述の塗工方式により、未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよく、特に制限はない。
ここで、混合は分散機、例えば2本ロール、3本ロールなどのロールミル、ボールミル、振動ボールミルなどのボールミル、ペイントシェーカー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミルなどのビーズミルなどを用いて行う。使用するビーズ径は、0.03mm〜2.0mmが好ましく、より好ましくは0.1mm〜1.0mmである。
まず、高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、バインダー樹脂、溶媒、及び好ましく用いられる各種添加剤などを、所定の割合で均質に混合して、高屈折率層形成用組成物を調製する。該高屈折率形成用組成物は、生産性を考慮すると溶剤に溶解させた液状であることが好ましい。液状の高屈折率層形成用組成物の粘度は、後述の塗工方式により、未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよく、特に制限はない。
ここで、混合は分散機、例えば2本ロール、3本ロールなどのロールミル、ボールミル、振動ボールミルなどのボールミル、ペイントシェーカー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミルなどのビーズミルなどを用いて行う。使用するビーズ径は、0.03mm〜2.0mmが好ましく、より好ましくは0.1mm〜1.0mmである。
このようにして調製された高屈折率層形成用組成物を、透明基材の表面、あるいは後述するハードコート層の表面に、硬化後の厚さが所定の厚さとなるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。
このようにして形成された未硬化樹脂層に、溶媒などを蒸発させる目的で乾燥を行い、次いで加熱又は電子線、紫外線などの電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させて、高屈折率層を得る。
このようにして形成された未硬化樹脂層に、溶媒などを蒸発させる目的で乾燥を行い、次いで加熱又は電子線、紫外線などの電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させて、高屈折率層を得る。
上記未硬化樹脂層を硬化させる際に、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと未硬化樹脂層の厚みとが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと未硬化樹脂層の厚みとが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
照射線量は、バインダー樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈などが用いられる
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈などが用いられる
また、高屈折率層形成用組成物に含まれる溶媒などを蒸発させる目的で行う乾燥の温度条件は、室温〜55℃の範囲が好ましく、室温〜50℃であることがより好ましく、乾燥時間は10〜120秒間が好ましく、30〜90秒間がより好ましい。なお、室温は通常20℃程度である。
[低屈折率層4]
低屈折率層は、反射防止性能を向上させる目的で設けられる層であり、その屈折率は上記の高屈折率層の屈折率よりも相対的に低いことを特徴とする層である。また、最表面に設けられる層であるため、上記の高屈折率層との組み合わせにより優れた耐擦傷性をも有する層である。
低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.5以下であり、屈折率は低ければ低いほど好ましいが、反射防止特性と表面硬度とのバランスを考慮すると、1.25〜1.45がより好ましく、1.25〜1.35がさらに好ましい。この屈折率は、微粒子の種類、及びその含有量などによって、容易に制御が可能である。
低屈折率層は、反射防止性能を向上させる目的で設けられる層であり、その屈折率は上記の高屈折率層の屈折率よりも相対的に低いことを特徴とする層である。また、最表面に設けられる層であるため、上記の高屈折率層との組み合わせにより優れた耐擦傷性をも有する層である。
低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.5以下であり、屈折率は低ければ低いほど好ましいが、反射防止特性と表面硬度とのバランスを考慮すると、1.25〜1.45がより好ましく、1.25〜1.35がさらに好ましい。この屈折率は、微粒子の種類、及びその含有量などによって、容易に制御が可能である。
低屈折率層の厚さは、その所望する屈折率により異なるが、可視光領域における反射率を低減する観点から80〜120nm程度が好ましく、より好ましくは100〜120nmである。また、上記の厚さであれば、優れた耐擦傷性も得られる。
低屈折率層は、(i)シリカやフッ化マグネシウムなどの低屈折率粒子とバインダー樹脂とを含む低屈折率層形成用樹脂組成物、(ii)それ自体が低屈折率である含フッ素ポリマー単体、(iii)該低屈折率粒子とバインダー樹脂として含フッ素ポリマーとを含む低屈折率用樹脂組成物、(iv)化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法(PVD)などの蒸着法により形成したシリカやフッ化マグネシウムなどの薄膜、などにより形成される。本発明においては、低屈折率層の形成のし易さや、優れた反射防止性能と耐擦傷性とを得る観点から、好ましくは低屈折率粒子及びバインダー樹脂を含む低屈折率層形成用樹脂組成物(上記の(i)、(iii))により形成される。
低屈折率粒子は、その屈折率を低下させるため、すなわち反射防止特性を向上させる目的で、好ましく用いられる。低屈折率粒子としては、シリカやフッ化マグネシウムなどの無機系、有機系のいずれであっても制限なく用いることができるが、反射防止特性をより向上させ、かつ良好な表面硬度を確保する観点から、それ自身が空隙を有する粒子が好ましく用いられる。
それ自身が空隙を有する粒子は、微細な空隙を外部や内部に有しており、例えば屈折率1.0の空気などの気体が充填されているので、それ自身の屈折率が低いという特徴を有している。このような空隙を有する粒子としては、無機系あるいは有機系の多孔質粒子、中空粒子などが挙げられ、例えば多孔質シリカ、中空シリカ粒子や、アクリル樹脂などが用いられた多孔質ポリマー粒子や中空ポリマー粒子が挙げられる。無機系の粒子としては、特開2001−233611号公報で開示される技術を用いて調製した空隙を有するシリカ粒子が、有機系の粒子としては、特開2002−80503号公報で開示される技術を用いて調製した中空ポリマー粒子などが好ましい一例として挙げられる。上記のような空隙を有するシリカ、あるいは多孔質シリカは、その屈折率が1.20〜1.44程度であり、屈折率が1.45程度である一般的なシリカ粒子よりも屈折率が低いため、低屈折率層の低屈折率化の観点から好ましい。
また、低屈折率粒子としては、その形態、構造、凝集状態、膜内部での分散状態により、内部及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な粒子も好ましく挙げられる。
このような粒子としては、上記したシリカの粒子や、比表面積を大きくすることを目的として製造され、充填用カラム及び表面の多孔質部に各種化学物質を吸収させる除放材、触媒固定用に使用される多孔質粒子、又は断熱材や低誘電材に用いられることを目的とする中空粒子の分散体や凝集体などが挙げられる。具体例としては、例えば「Nipsil(商品名)」、「Nipgel(商品名)」:日本シリカ工業株式会社製や、「コロイダルシリカUPシリーズ(商品名)」:日産化学工業株式会社などが挙げられる。
このような粒子としては、上記したシリカの粒子や、比表面積を大きくすることを目的として製造され、充填用カラム及び表面の多孔質部に各種化学物質を吸収させる除放材、触媒固定用に使用される多孔質粒子、又は断熱材や低誘電材に用いられることを目的とする中空粒子の分散体や凝集体などが挙げられる。具体例としては、例えば「Nipsil(商品名)」、「Nipgel(商品名)」:日本シリカ工業株式会社製や、「コロイダルシリカUPシリーズ(商品名)」:日産化学工業株式会社などが挙げられる。
低屈折率粒子の一次粒子の平均粒径は、5〜200nmが好ましく、5〜100nmがより好ましく、10〜80nmがさらに好ましい。粒子の平均粒径が上記範囲内にあれば、低屈折率層4の透明性を損なうことがなく、良好な粒子の分散状態が得られる。また、本発明においては、平均粒径が上記範囲内にあれば、粒子が鎖状に連なって形成されていてもよい。
本発明で用いられる低屈折率粒子は、表面処理されたものが好ましい。表面処理としては、上記の高屈折率粒子に施す表面処理として例示したものが好ましく挙げられる。低屈折率粒子の表面処理としては、シランカップリング剤を用いた表面処理がより好ましく、なかでも(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤を用いた表面処理が好ましい。低屈折率粒子に表面処理を施すことにより、後述するバインダー樹脂との親和性が向上し、微粒子の分散が均一となり、微粒子同士の凝集が生じにくくなるので、大粒子化による低屈折率層の透明化の低下や、低屈折率層形成用組成物の塗布性、該組成物の塗膜強度の低下が抑制される。
また、シランカップリング剤が(メタ)アクリロイル基を有した場合、該シランカップリング剤は電離放射線硬化性を有するため、後述するバインダー樹脂と容易に反応するので、低屈折率層形成用組成物の塗膜中において、低屈折率粒子がバインダー樹脂に良好に固定される。すなわち、低屈折率粒子がバインダー樹脂中で架橋剤としての機能を有することになる。これにより、該塗膜全体の引き締め効果が得られ、バインダー樹脂が本来有する柔軟性を残したまま、低屈折率層に優れた表面硬度を付与することが可能となる。従って、低屈折率層がそれ自体の柔軟性をいかして変形することにより、外部衝撃に対する吸収力や、復元力を有するため、傷の発生が抑制されて、耐擦傷性に優れた高い表面硬度を有するものとなる。
低屈折率粒子の表面処理において好ましく用いられるシランカップリング剤としては、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどを例示することができる。
低屈折率粒子としては、それ自身が空隙を有する粒子と表面処理された粒子とを組み合わせて用いることが好ましく、該表面処理された粒子は空隙を有していないことが好ましい。このような組み合わせとすることで、優れた反射防止特性、及び表面硬度が得られる同時に、均一一様な低屈折率層が得られ、かつ防汚性も良好となる。この場合のそれ自身が空隙を有する粒子と表面処理された粒子との配合比(質量比)は、1:9〜9:1が好ましく、5:5〜9:1がより好ましく、6:4〜9:1がさらに好ましく、特に好ましくは7:3〜9:1である。
低屈折率層4における低屈折率粒子の含有量は、10〜95質量%が好ましく、20〜90質量%がより好ましく、30〜90質量%がさらに好ましい。微粒子の含有量が上記範囲内にあれば、良好な反射防止特性と表面硬度とが得られる。
低屈折率層形成用樹脂組成物に含まれるバインダー樹脂としては、上記の高屈折率層の形成に用いられるバインダー樹脂として例示したものが好ましく挙げられる。また、低屈折率層は屈折率を低下させる観点から、バインダー樹脂としてそれ自体が低屈折率性を示す含フッ素ポリマーが好ましく用いられる。含フッ素ポリマーは、少なくとも分子中にフッ素原子を含む重合性化合物の重合体である。
含フッ素ポリマーとしては、フッ素のほかにケイ素を含むものが好ましく、例えば、共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体が好ましく挙げられる。この場合のシリコーン成分としては、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサンや、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。なかでも、ジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
また、上記したほか、分子中に少なくとも1個のイソシアナト基、及びフッ素を有する化合物と、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基などのイソシアナト基と反応する官能基を分子中に少なくとも1個有する化合物とを反応させて得られる化合物;含フッ素ポリエーテルポリオール、含フッ素アルキルポリオール、含フッ素ポリエステルポリオール、含フッ素ε−カプロラクトン変性ポリオールなどの含フッ素ポリオールと、イソシアナト基を有する化合物とを反応させて得られる化合物なども、含フッ素ポリマーとして用いることができる。
このような含フッ素ポリマーは、市販品として容易に入手可能であり、例えば、JSR社製のオプスターTU2181−6、オプスターTU2181−7、オプスターTU2202、オプスターJN35、オプスターTU2224、ダイキン工業社製のオプツールAR110、オプツールAR100、オプツールDACなどが好ましく挙げられる。
また、低屈折率層4を形成する低屈折率層形成用組成物は、屈折率を低下させる観点から、含フッ素モノマーを含むこともできる。含フッ素モノマーは、効率よく硬化して低屈折率層を形成し、かつ優れた硬度が得られる観点から、1分子中に反応性官能基を2以上有することが好ましい。このような含フッ素モノマーとしては、ペンタエリスリトール骨格を有する含フッ素モノマー、ジペンタエリスリトール骨格を有する含フッ素モノマー、トリメチロールプロパン骨格を有する含フッ素モノマー、シクロヘキシル骨格を有する含フッ素モノマー、直鎖状骨格を有する含フッ素モノマーなどが好ましく挙げられる。これらのなかでも、ペンタエリスリトール骨格を有する化合物であることが好ましい。
含フッ素モノマーは、屈折率が1.35〜1.5であることが好ましく、より好ましくは1.37〜1.45である。上記範囲内であると、汎用の溶剤に溶解しやすく、低屈折率層の屈折率を所望の範囲にまで低減化することができるので好ましい。
また、低屈折率層4を形成する低屈折率層形成用組成物は、屈折率を低下させる観点から、含フッ素モノマーを含むこともできる。含フッ素モノマーは、効率よく硬化して低屈折率層を形成し、かつ優れた硬度が得られる観点から、1分子中に反応性官能基を2以上有することが好ましい。このような含フッ素モノマーとしては、ペンタエリスリトール骨格を有する含フッ素モノマー、ジペンタエリスリトール骨格を有する含フッ素モノマー、トリメチロールプロパン骨格を有する含フッ素モノマー、シクロヘキシル骨格を有する含フッ素モノマー、直鎖状骨格を有する含フッ素モノマーなどが好ましく挙げられる。これらのなかでも、ペンタエリスリトール骨格を有する化合物であることが好ましい。
含フッ素モノマーは、屈折率が1.35〜1.5であることが好ましく、より好ましくは1.37〜1.45である。上記範囲内であると、汎用の溶剤に溶解しやすく、低屈折率層の屈折率を所望の範囲にまで低減化することができるので好ましい。
このような含フッ素モノマーは、市販品として容易に入手可能であり、例えば、共栄社化学株式会社製のペンタエリスリトール骨格を有するLINC3A、シクロヘキシル骨格を有するLINC102AなどのLINCシリーズのほか、ソルベイソレクシス社製のFluorolinkシリーズなどが好ましく挙げられる。
低屈折率層形成用樹脂組成物には、必要に応じて主鎖や側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する数平均分子量が20,000以上の反応性ポリマー、あるいは主鎖や側鎖にパーフルオロポリエーテルなどのフッ素成分を含む(メタ)アクリレート基を有する反応性ポリマーなども好ましく使用することができる。このような数平均分子量が大きい反応性ポリマーを用いることで、複雑な形状に追従しうるなどの成膜性が向上し、バインダー樹脂の硬化時に反射防止フィルムのカールや反りなどの発生を抑制することが可能となる。
このような反応性ポリマーは、例えばメタクリル酸メチルとグリシジルメタクリレートとをあらかじめ重合し共重合体を得て、次いで該共重合体のグリシジル基とメタクリル酸やアクリル酸のカルボキシル基とを縮合させることで得ることができる。また、反応性ポリマーは市販品として容易に入手可能であり、市販品としては例えば「マクロモノマー(商品名)」:東亞合成株式会社製などが挙げられる。
このような反応性ポリマーは、例えばメタクリル酸メチルとグリシジルメタクリレートとをあらかじめ重合し共重合体を得て、次いで該共重合体のグリシジル基とメタクリル酸やアクリル酸のカルボキシル基とを縮合させることで得ることができる。また、反応性ポリマーは市販品として容易に入手可能であり、市販品としては例えば「マクロモノマー(商品名)」:東亞合成株式会社製などが挙げられる。
低屈折率層には、所望される物性に応じて、各種添加剤が配合される。添加剤としては、上記の高屈折率層に用いうる各種添加剤と同様のものが例示される。これらの添加剤は、上記の低屈折率層形成用樹脂組成物に添加して、用いればよい。
低屈折率層の形成は、低屈折率層形成用樹脂組成物を用いる場合は、上記の高屈折率層形成用樹脂組成物を用いた高屈折率層の形成と同様の手法により形成することができる。
また、本発明においては、その最表面に各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有するハードコート機能のほか、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能などを付与することもできる。
[ハードコート層5]
本発明の反射防止フィルムは、耐擦傷性に加えて鉛筆硬度といった表面特性を向上させる目的で、ハードコート層を好ましく有することができる。ここで、ハードコートとは、JIS5600−5−4:1999で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示す性能のことをいう。
ハードコート層は、電離放射線硬化性樹脂を架橋硬化させて得られるものが好ましい。ハードコート層を形成する電離放射線硬化性樹脂は、上記した高屈折率層形成用樹脂組成物中のバインダー樹脂に用いられる電離放射線硬化性樹脂のなかから適宜選択して用いられる。電離放射線硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂の場合に用いられる光重合開始剤も、先に例示したものの中から適宜選定して用いられる。上記した高屈折率層形成用樹脂組成物に用いられる各種添加剤も、同様に使用可能である。また、ハードコート層の形成も、高屈折率層の形成と同様に行うことができる。
本発明の反射防止フィルムは、耐擦傷性に加えて鉛筆硬度といった表面特性を向上させる目的で、ハードコート層を好ましく有することができる。ここで、ハードコートとは、JIS5600−5−4:1999で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示す性能のことをいう。
ハードコート層は、電離放射線硬化性樹脂を架橋硬化させて得られるものが好ましい。ハードコート層を形成する電離放射線硬化性樹脂は、上記した高屈折率層形成用樹脂組成物中のバインダー樹脂に用いられる電離放射線硬化性樹脂のなかから適宜選択して用いられる。電離放射線硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂の場合に用いられる光重合開始剤も、先に例示したものの中から適宜選定して用いられる。上記した高屈折率層形成用樹脂組成物に用いられる各種添加剤も、同様に使用可能である。また、ハードコート層の形成も、高屈折率層の形成と同様に行うことができる。
ハードコート層の厚さは、0.1〜100μmの範囲にあることが好ましく、0.8〜20μmの範囲がより好ましい。ハードコート層の厚さが上記範囲内にあれば、充分なハードコート性能が得られ、外部からの衝撃に対して割れにくくなる。
また、ハードコート層は、後述する中屈折率層としての機能を有していることが好ましい。ハードコート層が中屈折率層としての機能を有することで、本発明の反射防止フィルムは優れた反射防止性能を有することができ、また画像の色合いも自然なものとなる。
[中屈折率層6]
本発明の反射防止フィルムは、優れた反射防止性能と自然な画像の色合いを得る観点から、中屈折率層を好ましく有することができる。中屈折率層は、その屈折率が低屈折率層の屈折率より大きく、かつ高屈折率層の屈折率より小さい層であり、1.5〜2.0の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1.5〜1.8の範囲内である。
中屈折率層を形成する材料は、所定の屈折率を有するように、上記の高屈折率層を形成する材料のなかから適宜選択すればよく、層の形成は高屈折率層と同様にして形成することができる。
また、中屈折率層の厚さは、10〜300nmの範囲が好ましく、より好ましくは30〜200nmの範囲であり、さらに好ましくは100〜200nmである。厚さが上記範囲内であると、優れた耐擦傷性が得られると同時に優れた反射防止性能も得られる。
本発明の反射防止フィルムは、優れた反射防止性能と自然な画像の色合いを得る観点から、中屈折率層を好ましく有することができる。中屈折率層は、その屈折率が低屈折率層の屈折率より大きく、かつ高屈折率層の屈折率より小さい層であり、1.5〜2.0の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1.5〜1.8の範囲内である。
中屈折率層を形成する材料は、所定の屈折率を有するように、上記の高屈折率層を形成する材料のなかから適宜選択すればよく、層の形成は高屈折率層と同様にして形成することができる。
また、中屈折率層の厚さは、10〜300nmの範囲が好ましく、より好ましくは30〜200nmの範囲であり、さらに好ましくは100〜200nmである。厚さが上記範囲内であると、優れた耐擦傷性が得られると同時に優れた反射防止性能も得られる。
[帯電防止層]
本発明の反射防止フィルムは、帯電防止効果により、ホコリの付着防止、あるいは本発明のフィルムをCRTに用いた場合の電磁波シールド効果を得る観点から、帯電防止層を好ましく有することができる。帯電防止層は、高屈折率層と低屈折率層との間に設けることが好ましい。また、上記のハードコート層や高屈折率層を形成する樹脂組成物に下記の帯電防止剤を添加し、これらの層に帯電性を付与する場合は、帯電防止層を設けなくてもよい。
本発明の反射防止フィルムは、帯電防止効果により、ホコリの付着防止、あるいは本発明のフィルムをCRTに用いた場合の電磁波シールド効果を得る観点から、帯電防止層を好ましく有することができる。帯電防止層は、高屈折率層と低屈折率層との間に設けることが好ましい。また、上記のハードコート層や高屈折率層を形成する樹脂組成物に下記の帯電防止剤を添加し、これらの層に帯電性を付与する場合は、帯電防止層を設けなくてもよい。
帯電防止層としては特に限定されず、例えば、バインダー樹脂と帯電防止剤とを含有する帯電防止層用組成物により形成されてなるものが好ましく挙げられる。
帯電防止剤としては特に限定されず、一般的な帯電防止剤、例えば、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基などのカチオン性化合物;スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性化合物;アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性化合物;アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性化合物;スズ及びチタンのアルコキシドのような有機金属化合物;該有機金属化合物のアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物;芳香族共役系のポリ(パラフェニレン)、複素環式共役系のポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性ポリマー;ZnO、Sb2O2、SnO2、CeO2、酸化インジウム錫、In2O3、Al2O3、アンチモンドープ酸化錫(略称ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(略称AZO)などの導電性金属酸化物微粒子などが好ましく挙げられる。
帯電防止剤としては特に限定されず、一般的な帯電防止剤、例えば、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基などのカチオン性化合物;スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性化合物;アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性化合物;アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性化合物;スズ及びチタンのアルコキシドのような有機金属化合物;該有機金属化合物のアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物;芳香族共役系のポリ(パラフェニレン)、複素環式共役系のポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性ポリマー;ZnO、Sb2O2、SnO2、CeO2、酸化インジウム錫、In2O3、Al2O3、アンチモンドープ酸化錫(略称ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(略称AZO)などの導電性金属酸化物微粒子などが好ましく挙げられる。
帯電防止層用組成物中の帯電防止剤の含有量としては、上記帯電防止剤を含有することの効果を充分に享有できるとともに、上述した本発明により製造される光学積層体に得られる効果を阻害しない範囲で、適宜配合されることが好ましい。
帯電防止層におけるバインダー樹脂、すなわち帯電防止層用組成物に用いられるバインダー樹脂としては特に限定されず、例えば、上記の高屈折率層形成用樹脂組成物に含まれるバインダー樹脂、あるいは熱硬化性樹脂などが挙げられる。
帯電防止層は、上述した各材料を用いて調製した帯電防止層用組成物を、高屈折率層上に塗布して形成した塗膜を、必要に応じて乾燥し、電離放射線照射又は加熱などにより硬化させることで形成することができる。
帯電防止層におけるバインダー樹脂、すなわち帯電防止層用組成物に用いられるバインダー樹脂としては特に限定されず、例えば、上記の高屈折率層形成用樹脂組成物に含まれるバインダー樹脂、あるいは熱硬化性樹脂などが挙げられる。
帯電防止層は、上述した各材料を用いて調製した帯電防止層用組成物を、高屈折率層上に塗布して形成した塗膜を、必要に応じて乾燥し、電離放射線照射又は加熱などにより硬化させることで形成することができる。
[偏光板]
本発明の偏光板は、偏光膜の少なくとも片面に反射防止フィルムを有し、該反射防止フィルムが透明基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを順に有し、該高屈折率層が高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成され、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%である、すなわち本発明の反射防止フィルムであることを特徴とするものである。このような構成とすることで、本発明の偏光板は、物理的強度に優れ、耐光性に優れた反射防止機能を有するものとなり、また大幅なコスト削減、表示装置の薄手化が可能となる。
本発明の偏光板は、偏光膜の少なくとも片面に反射防止フィルムを有し、該反射防止フィルムが透明基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを順に有し、該高屈折率層が高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成され、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%である、すなわち本発明の反射防止フィルムであることを特徴とするものである。このような構成とすることで、本発明の偏光板は、物理的強度に優れ、耐光性に優れた反射防止機能を有するものとなり、また大幅なコスト削減、表示装置の薄手化が可能となる。
通常、偏光板は偏光膜の両面に保護フィルムを設けるが、本発明の偏光板は、その少なくとも一方に、本発明の反射防止フィルムを設けるものである。本発明においては、偏光膜の一方の面だけでなく、両方の面に本発明の反射防止フィルムを設けることができる。一方の面に設ける場合は、液晶表示画面の視野角特性を改良する観点から、他方の面には光学異方層を含む光学補償層を有する光学補償フィルム(位相差フィルム)であることが好ましい。
本発明の反射防止フィルムを保護フィルムとして用いる場合は、透明支持体として、トリアセチルセルロースフィルムを用いることが特に好ましい。この場合、反射防止フィルムを用いた保護フィルムの透明支持体は、必要に応じてポリビニルアルコールからなる接着剤層などを介して偏光膜に接着していることが好ましい。また、上記したように該偏光膜のもう一方の側にも保護フィルム、好ましく上記した光学補償フィルム(位相差フィルム)を有する構成が好ましい。もう一方の保護フィルムの偏光膜と反対側の面には粘着剤層を有していてもよい。このような構成とすることで、本発明の偏光板は、液晶表示装置の明室でのコントラスト、上下左右の視野角を改善することができる。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、反射防止フィルム、又は偏光膜の少なくとも片面に反射防止フィルムを有する偏光板をディスプレイの最表面に有し、該反射防止フィルムが透明基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを順に有し、該高屈折率層が高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成され、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%である、すなわち本発明の反射防止フィルム、あるいは偏光板をディスプレイの最表面に有することを特徴とするものである。
本発明の画像表示装置は、反射防止フィルム、又は偏光膜の少なくとも片面に反射防止フィルムを有する偏光板をディスプレイの最表面に有し、該反射防止フィルムが透明基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを順に有し、該高屈折率層が高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成され、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%である、すなわち本発明の反射防止フィルム、あるいは偏光板をディスプレイの最表面に有することを特徴とするものである。
ディスプレイとしては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、陰極管表示装置(CRT)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、背面投写型ディスプレイ、蛍光表示管(VFD)などのディスプレイなどが好ましく挙げられる。また、画像表示装置としては、これらのディスプレイを備えた装置、例えば、パソコン、携帯情報端末、ゲーム機、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどが好ましく挙げられる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
1.高屈折率層の屈折率の測定
各実施例及び比較例で用いた高屈折率層形成用樹脂組成物を、透明基材上にバーコーティングし、照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い硬化させて、厚さ約160nmの硬化樹脂層を形成した。この硬化樹脂層の屈折率を、25℃の雰囲気下、ナトリウムD線を照射してアッベ屈折率計にて測定した。
2.耐擦傷性の評価
各実施例及び比較例で得られた反射防止フィルムについて、その表面をスチールウール(#0000)荷重をかけて10往復摩擦して、その表面を目視して傷がほとんど認められない最大の荷重を測定した。当該荷重が大きければ大きいほど、優れた耐擦傷性を有することを示す。
1.高屈折率層の屈折率の測定
各実施例及び比較例で用いた高屈折率層形成用樹脂組成物を、透明基材上にバーコーティングし、照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い硬化させて、厚さ約160nmの硬化樹脂層を形成した。この硬化樹脂層の屈折率を、25℃の雰囲気下、ナトリウムD線を照射してアッベ屈折率計にて測定した。
2.耐擦傷性の評価
各実施例及び比較例で得られた反射防止フィルムについて、その表面をスチールウール(#0000)荷重をかけて10往復摩擦して、その表面を目視して傷がほとんど認められない最大の荷重を測定した。当該荷重が大きければ大きいほど、優れた耐擦傷性を有することを示す。
調製例1:高屈折率層形成用組成物の調製例
下記の成分を下記の質量比で混合し、P/V比が150であり、分散剤(アニオン性基含有モノマー)の含有量が0.42質量%の高屈折率層形成用樹脂組成物を得た。
高屈折率層形成用樹脂組成物;
ジルコニア粒子分散液*1:7質量部
バインダー樹脂(6官能アクリレートモノマー)*2:1質量部
光重合開始剤*3:0.1質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル:91.9質量部
*1,「LIODURAS TYZ(商品名)」,東洋インキ株式会社,ジルコニア粒子の一次粒径:10〜20nm,ジルコニア粒子分散液中の分散剤含有量:6質量%(高屈折率層形成用樹脂組成物中の含有量は0.42質量%)
*2,「KAYARAD DPHA(商品名)」,日本化薬株式会社製,ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
*3,「イルガキュア127(商品名)」,BASFジャパン株式会社製
下記の成分を下記の質量比で混合し、P/V比が150であり、分散剤(アニオン性基含有モノマー)の含有量が0.42質量%の高屈折率層形成用樹脂組成物を得た。
高屈折率層形成用樹脂組成物;
ジルコニア粒子分散液*1:7質量部
バインダー樹脂(6官能アクリレートモノマー)*2:1質量部
光重合開始剤*3:0.1質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル:91.9質量部
*1,「LIODURAS TYZ(商品名)」,東洋インキ株式会社,ジルコニア粒子の一次粒径:10〜20nm,ジルコニア粒子分散液中の分散剤含有量:6質量%(高屈折率層形成用樹脂組成物中の含有量は0.42質量%)
*2,「KAYARAD DPHA(商品名)」,日本化薬株式会社製,ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
*3,「イルガキュア127(商品名)」,BASFジャパン株式会社製
調製例2:低屈折率層形成用樹脂組成物の調製
下記の成分を下記の質量比で混合し、低屈折率層形成用樹脂組成物を得た。
低屈折率層形成用樹脂組成物;
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA):0.10質量部
中空シリカ粒子分散液*4:6.69質量部
中実シリカ粒子分散液*5:0.74質量部
含フッ素ポリマー*6:2.79質量部
含フッ素モノマー*7:2.23質量部
光重合開始剤*8:0.08質量部
メチルイソブチルケトン:57.03質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:29.1質量部
*4,分散液中の中空シリカ粒子含有量は20質量%であり、溶剤(メチルイソブチルケトン)含有量は80質量%である。また、中空シリカ粒子の平均粒径は60nmであり、表面処理により光硬化性反応基を有している。
*5,「MIBK−SD(商品名)」,平均一次粒径:12nm,固形分:30質量%,溶剤:メチルイソブチルケトン,シリカ粒子含有反応性官能基:メタクリロイル基
*6,「オプスターTU2224(商品名)」,JSR社製,20質量%溶液(溶剤:メチルイソブチルケトン)
*7,「LINC3A(商品名)」:共栄社化学株式会社製,ペンタエリスリトール骨格を有する含フッ素モノマー,20質量%溶液(溶剤:メチルイソブチルケトン)
*8,「イルガキュア127(商品名)」:BASFジャパン株式会社製
下記の成分を下記の質量比で混合し、低屈折率層形成用樹脂組成物を得た。
低屈折率層形成用樹脂組成物;
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA):0.10質量部
中空シリカ粒子分散液*4:6.69質量部
中実シリカ粒子分散液*5:0.74質量部
含フッ素ポリマー*6:2.79質量部
含フッ素モノマー*7:2.23質量部
光重合開始剤*8:0.08質量部
メチルイソブチルケトン:57.03質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:29.1質量部
*4,分散液中の中空シリカ粒子含有量は20質量%であり、溶剤(メチルイソブチルケトン)含有量は80質量%である。また、中空シリカ粒子の平均粒径は60nmであり、表面処理により光硬化性反応基を有している。
*5,「MIBK−SD(商品名)」,平均一次粒径:12nm,固形分:30質量%,溶剤:メチルイソブチルケトン,シリカ粒子含有反応性官能基:メタクリロイル基
*6,「オプスターTU2224(商品名)」,JSR社製,20質量%溶液(溶剤:メチルイソブチルケトン)
*7,「LINC3A(商品名)」:共栄社化学株式会社製,ペンタエリスリトール骨格を有する含フッ素モノマー,20質量%溶液(溶剤:メチルイソブチルケトン)
*8,「イルガキュア127(商品名)」:BASFジャパン株式会社製
調製例3:ハードコート層形成用樹脂組成物の調製
下記の成分を下記の質量比で混合し、ハードコート層形成用樹脂組成物を得た。
ハードコート層形成用樹脂組成物;
ウレタンアクリレート*9:15質量部
イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート*10:15質量部
重合開始剤*11:2質量部
メチルエチルケトン:70質量部
*9,「UV1700B(商品名)」,日本合成化学株式会社製
*10,「M315(商品名)」,東亞合成株式会社製
*11,「イルガキュア184(商品名)」:BASFジャパン株式会社製
下記の成分を下記の質量比で混合し、ハードコート層形成用樹脂組成物を得た。
ハードコート層形成用樹脂組成物;
ウレタンアクリレート*9:15質量部
イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート*10:15質量部
重合開始剤*11:2質量部
メチルエチルケトン:70質量部
*9,「UV1700B(商品名)」,日本合成化学株式会社製
*10,「M315(商品名)」,東亞合成株式会社製
*11,「イルガキュア184(商品名)」:BASFジャパン株式会社製
実施例1
厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム上に、調製例3で得られた上記のハードコート層形成用樹脂組成物をバーコーティングし、50℃、1分の乾燥を行い、溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン株式会社製 光源Hバルブ)を用いて、照射線量30mJ/cm2で紫外線照射を行い硬化させて、厚さ約10μmのハードコート層を得た。
得られたハードコート層上に、調製例1で得られた上記の高屈折率層形成用樹脂組成物(分散剤の含有量:0.42質量%)をバーコーティングし、照射線量40mJ/cm2で紫外線照射を行い硬化させて、厚さ約160nmの高屈折率層を形成し、次いで、調製例2で得られた上記の低屈折率層形成用樹脂組成物をバーコーティングし、50℃、1分の乾燥を行い、溶剤を除去した後、照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い硬化させて、厚さ約100nmの低屈折率層を形成し、透明基材/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層を有する反射防止フィルムを得た。得られた反射防止フィルムについて、上記の評価方法により評価した結果を第1表に示す。
厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム上に、調製例3で得られた上記のハードコート層形成用樹脂組成物をバーコーティングし、50℃、1分の乾燥を行い、溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン株式会社製 光源Hバルブ)を用いて、照射線量30mJ/cm2で紫外線照射を行い硬化させて、厚さ約10μmのハードコート層を得た。
得られたハードコート層上に、調製例1で得られた上記の高屈折率層形成用樹脂組成物(分散剤の含有量:0.42質量%)をバーコーティングし、照射線量40mJ/cm2で紫外線照射を行い硬化させて、厚さ約160nmの高屈折率層を形成し、次いで、調製例2で得られた上記の低屈折率層形成用樹脂組成物をバーコーティングし、50℃、1分の乾燥を行い、溶剤を除去した後、照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い硬化させて、厚さ約100nmの低屈折率層を形成し、透明基材/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層を有する反射防止フィルムを得た。得られた反射防止フィルムについて、上記の評価方法により評価した結果を第1表に示す。
実施例2〜4
実施例1において、P/V比を第1表に示されるものとした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。得られた反射防止フィルムについて、上記の評価方法により評価した結果を第1表に示す。
実施例1において、P/V比を第1表に示されるものとした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。得られた反射防止フィルムについて、上記の評価方法により評価した結果を第1表に示す。
実施例5〜10
実施例1において、ジルコニア粒子分散液中の分散剤の含有量が6.75質量%であるものを用いて高屈折率層形成用樹脂組成物中の分散剤の含有量を0.47質量%とし、P/V比を第1表に示されるものとした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。得られた反射防止フィルムについて、上記の評価方法により評価した結果を第1表に示す。
実施例1において、ジルコニア粒子分散液中の分散剤の含有量が6.75質量%であるものを用いて高屈折率層形成用樹脂組成物中の分散剤の含有量を0.47質量%とし、P/V比を第1表に示されるものとした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。得られた反射防止フィルムについて、上記の評価方法により評価した結果を第1表に示す。
実施例11及び12
実施例1において、ジルコニア粒子分散液中の分散剤の含有量が7.5質量%であるものを用いて高屈折率層形成用樹脂組成物中の分散剤の含有量を0.53質量%とし、P/V比を第1表に示されるものとした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。得られた反射防止フィルムについて、上記の評価方法により評価した結果を第1表に示す。
実施例1において、ジルコニア粒子分散液中の分散剤の含有量が7.5質量%であるものを用いて高屈折率層形成用樹脂組成物中の分散剤の含有量を0.53質量%とし、P/V比を第1表に示されるものとした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。得られた反射防止フィルムについて、上記の評価方法により評価した結果を第1表に示す。
比較例1〜4
実施例1において、高屈折率層形成用樹脂組成物の分散剤の含有量、P/V比を第1表に示されるものとした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。得られた反射防止フィルムについて、上記の評価方法により評価した結果を第1表に示す。
実施例1において、高屈折率層形成用樹脂組成物の分散剤の含有量、P/V比を第1表に示されるものとした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。得られた反射防止フィルムについて、上記の評価方法により評価した結果を第1表に示す。
本発明によれば、優れた反射防止特性を有し、かつ優れた耐擦傷性を有する反射防止フィルムを得ることができる。本発明の反射防止フィルムは、偏光板、画像表示装置に好適に設けられる。
1.反射防止フィルム
2.透明基材
3.高屈折率層
4.低屈折率層
5.ハードコート層
6.中屈折率層
2.透明基材
3.高屈折率層
4.低屈折率層
5.ハードコート層
6.中屈折率層
Claims (8)
- 透明基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを順に有し、該高屈折率層が高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成され、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%である反射防止フィルム。
- アニオン性基含有モノマーが、スルホン酸基、スルフィン酸基、カルボキシル基、カルボニル基、リン酸基、及びこれらの塩の群から選択される少なくとも一種である請求項1に記載の反射防止フィルム。
- 高屈折率粒子が、酸化ジルコニウムである請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
- 高屈折率粒子が、表面処理されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- バインダー樹脂が、多官能性(メタ)アクリレートモノマー、及びウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーから選ばれる少なくとも一種である請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 透明基材と高屈折率層との間にハードコート層を有する請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 偏光膜の少なくとも片面に反射防止フィルムを有し、該反射防止フィルムが透明基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを順に有し、該高屈折率層が高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成され、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%である偏光板。
- 反射防止フィルム、又は偏光膜の少なくとも片面に反射防止フィルムを有する偏光板をディスプレイの最表面に有し、該反射防止フィルムが透明基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを順に有し、該高屈折率層が高屈折率粒子、アニオン性基含有モノマー、及びバインダー樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成され、該高屈折率粒子と該バインダー樹脂との質量比(P/V比)が40〜400であり、該アニオン性基含有モノマーの樹脂組成物に対する含有量が0.4〜0.55質量%である画像表示装置。
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