JP2013128163A - スピーカ - Google Patents
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Abstract
【課題】最低共振周波数の上昇を抑えつつローリング現象を低減することができ、簡易に組立て可能なスピーカを提供する。
【解決手段】スピーカ1は、射出成形により形成された外周支持体20を備えている。外周支持体20は、フレーム部10の外周部12に固定される外周部21と、振動板2に固定される内周部22と、外周部21と内周部22とを繋ぎ、振動板2の振幅方向に可撓性を有する複数の架橋部23とを備えている。外周支持体20は、外周支持体20を除くスピーカ1の構成部品をすべて組み込んだ後に、スピーカ1の前面側から取り付けられる。外周支持体20は、その外周部21がフレーム部10の外周部12に設けられた段部13をガイドとして、フレーム部10に取り付けられる。内周部22は、振動板2のうち、エッジ3が取り付けられている外周端縁部2aから離れた位置に取り付けられている。
【選択図】図2
【解決手段】スピーカ1は、射出成形により形成された外周支持体20を備えている。外周支持体20は、フレーム部10の外周部12に固定される外周部21と、振動板2に固定される内周部22と、外周部21と内周部22とを繋ぎ、振動板2の振幅方向に可撓性を有する複数の架橋部23とを備えている。外周支持体20は、外周支持体20を除くスピーカ1の構成部品をすべて組み込んだ後に、スピーカ1の前面側から取り付けられる。外周支持体20は、その外周部21がフレーム部10の外周部12に設けられた段部13をガイドとして、フレーム部10に取り付けられる。内周部22は、振動板2のうち、エッジ3が取り付けられている外周端縁部2aから離れた位置に取り付けられている。
【選択図】図2
Description
この発明は、スピーカに関し、特に、ローリング現象の発生が抑制されたスピーカに関する。
一般に、スピーカのローリング現象が発生する原因としては、例えば、振動板の質量の不均一や、エッジやダンパーの支持部材のかたさの不均一や、磁気回路の磁気空隙(磁気ギャップ)が不均一であることによる磁束の不均一などが挙げられる。スピーカでローリング現象が発生する場合には、スピーカの耐入力性能が低下するばかりでなく、振動板の中央部に接続されたボイスコイルが磁気回路に接触することがある。ボイスコイルが磁気回路に接触すると、異音が発生したり、ボイスコイルが断線してスピーカが機能しなくなったりすることがある。
ローリング現象の発生を抑制することが試みられたスピーカとして、振動板の外周を支持するエッジとして、通常の形状とは異なる形状のエッジを組み合わせたものが知られている。
例えば、下記特許文献1には、細長形状の振動板のうち、直線外周部に接する部分を円筒形断面のエッジで保持し、曲線外周部に接する部分をU字形断面のエッジで保持するスピーカの構造が開示されている。このスピーカでは、エッジ全体のスティフネスの上昇や最低共振周波数の上昇を招くことなく、ローリング現象の抑制が図られている。
下記特許文献2には、ローリング現象の発生を防止するため、細長形状の振動板の外周部の全部を凸形状断面を有する凸エッジで保持し、そのエッジのうち一部に凹形状断面を有する凹エッジを設けたスピーカの構造が開示されている。
下記特許文献3には、ロール型エッジと波形エッジとの2重構造のエッジ部を有するダブルエッジ方式のスピーカの構造が開示されている。このスピーカでは、エッジ部のいずれか一方のエッジに複数の透孔を設けることで、ローリング現象を防止しつつ、スピーカの音圧特性を改善することが図られている。
ところで、上記の特許文献1〜3に記載されているようなスピーカは、振動板を支持するエッジの少なくとも一部を2重構造としたものである。そのため、このようなスピーカでは、スピーカの周波数特性が低下するという問題が発生する可能性がある。また、2重構造部分の上下のエッジの動きが会わずローリング現象を助長したり、エッジ間の空気が共鳴して異音が発生するという問題が発生する可能性がある。
さらに、このような2重構造のエッジを用いる場合において、スピーカの最低共振周波数を低くするためには、双方のエッジを柔らかくすることにより、エッジのスティフネスが高くならないようにすることが必要である。しかしながら、双方のエッジを柔らかくすると、エッジをスピーカに取り付けるまでに、エッジそれ自体がよじれたり曲がったりし、形状が変わりやすくなる。このように、エッジが、形状が安定しているものではない場合には、スピーカの製造が困難になる。また、エッジが2重構造である場合には、振動板の生産工程やスピーカの生産工程において、作業工数が増加し、かつ、高い組立て精度が要求され、スピーカの製造が困難になる。スピーカの製造が困難であると、スピーカの製造コストが高くなり、不良率も高くなりやすくなる。
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、最低共振周波数の上昇を抑えつつローリング現象を低減することができ、簡易に組立て可能なスピーカを提供することを目的としている。
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、スピーカは、フレーム部と、エッジを介してフレーム部に支持された振動板と、振動板に固定されたボイスコイルボビンと、ボイスコイルボビンに取り付けられたボイスコイルと、ボイスコイルに磁束を与えることで振動板を振動させる磁気回路と、振動板の振幅方向前方に配置された外周支持体とを備え、外周支持体は、フレーム部に対して固定された外周部と、振動板のうちその振動板の外周端縁部から離れた部位に固定された内周部と、それぞれ外周部及び内周部とともに一体に成形されており、外周部の一部と内周部の一部とを繋ぐ複数の架橋部とを有し、架橋部は、内周部に繋がる部位が外周部に対して振動板の振幅方向に変位可能に、可撓性を有している。
好ましくは架橋部は、板ばね形状である。
好ましくは架橋部は、外周部及び内周部のそれぞれよりも、振動板の振幅方向の厚みが小さい。
好ましくは外周部及び内周部の少なくとも一方は、略環状に形成されている。
好ましくは架橋部は、外周部に繋がる部位から内周部に繋がる部位に向けて振動板の振幅方向に起伏する波形形状を有している。
好ましくは振動板は、略円形の外周形状を有しており、架橋部は、3つ以上設けられており、それぞれの架橋部は、振動板の中央部を中心とする円周方向に略等間隔に配置されている。
好ましくは振動板は、略楕円形状、略トラック形状、及び略長方形形状のうちいずれか1つの外周形状を有しており、複数の架橋部は、振動板の振幅方向前方から見て、振動板の中央部を通り振動板の長手方向に略平行な直線について略対称となるように配置されている。
好ましくは外周支持体は、熱可塑性樹脂を用いて射出成形により成形されている。
これらの発明に従うと、一体に成形された外周支持体がフレーム部と振動板の前面のうち外周端縁部から離れた部位とに取り付けられており、可撓性を有する架橋部を介してフレーム部と振動板とが接続されている。したがって、最低共振周波数の上昇を抑えつつローリング現象を低減することができ、簡易に組立て可能なスピーカを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態におけるスピーカについて説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるスピーカの正面図である。図2は、図1のA−A線断面図である。図3は、図2の部分拡大図である。
図1に示されるように、スピーカ1は、大まかに、振動板2と、エッジ3と、キャップ4と、外周支持体20とを有している。図2に示されるように、振動板2の背面側(後側;図2において下側)には、フレーム部10と、振動板2に取り付けられたボイスコイル5と、フレーム部10に取り付けられている磁気回路15とが配置されている。スピーカ1は、正面視で全体として略円形に構成されており、振動板2も略円形である。スピーカ1は、振動板2の中央部側にボイスコイル5が取り付けられているコーン型のものであって、薄型のものである。
図2に示されるように、フレーム部10は、皿形状を有している。フレーム部10の中央部には、穴部11が形成されている。穴部11は、正面視で略円形である。フレーム部10の背面の一部には、開口部19が形成されている。
磁気回路15は、ポットヨーク16と、マグネット17と、ポールピース18とを重ねて構成されている。磁気回路15は、内磁型のものである。磁気回路15において、ポットヨーク16とポールピース18との間には、磁気ギャップ15aが構成されている。磁気回路15は、フレーム部10の穴部11にポットヨーク16がはまった状態で、フレーム部10に保持されている。
振動板2は、皿形状を有している。振動板2は、その外周端縁部2aよりも中央部の方が正面側に盛り上がるような形状に形成されている。振動板2の中央部には、略円形の孔部2bが形成されている。振動板2のうち、孔部2bの近傍部位には、筒状のボイスコイル5の前端部が取り付けられている。ボイスコイル5は、振動板2の背面側に突出するように設けられている。孔部2bは、キャップ4により塞がれている。キャップ4は、スピーカ1の正面側から取り付けられている。なお、図1に示されるように、振動板2のうち、孔部2bの周囲には、例えば4つの凹部2hが形成されている。凹部2hは、背方に向けて振動板2の前面から窪むように形成されている。
振動板2は、エッジ3を介して、フレーム部10に支持されている。換言すると、フレーム部10には、振動板2及びエッジ3で構成されるコーン紙部が、正面側から取り付けられている。図3に示されるように、エッジ3は、背面側に窪む凹形状断面を有しており、その内周部が振動板2の外周部に接着されて、振動板2の周囲を囲んでいる。エッジ3は、その外周部が、フレーム部10の外周部12の前端部のうち、内側端縁部14(図3に示す)に接着されて、フレーム部10に取り付けられている。
ボイスコイル5は、筒状のボイスコイルボビン5aと、その下端部に取り付けられた巻線5bとを有している。巻線5bは、磁気ギャップ15aに位置している。なお、ボイスコイル5の巻線5bの引き出し線には、錦糸線(図示せず)が接続されている。巻線5bは、錦糸線を介して、外部から信号が入力される端子(図示せず)に接続されている。
外周支持体20は、振動板2の正面側すなわち振幅方向前方に配置されている。外周支持体20は、円環状の外周部21と、円環状の内周部22と、8つの架橋部23(23a〜23h)とを有している。外周支持体20は、一体に成形されている。外周支持体20は、例えば熱可塑性樹脂を用いて射出成形により成形されたものである。
図1に示されるように、8つの架橋部23は、スピーカ1の前面から見て、振動板2の中心部すなわちスピーカ1の中心部を中心とする円周方向に、略等間隔に配置されている。架橋部23は、スピーカ1の前面から見て、スピーカ1の中心部を中心として、0度、45度、90度、135度、180度、225度、270度、315度の位置にそれぞれ配置されている。各架橋部23は、外周部21の一部と、内周部22の一部とを繋いでいる。すなわち、外周部21と内周部22とは、8つの架橋部23を介して、互いに接続されている。
各架橋部23は、スピーカ1の正面側から見て所定の幅を有している。架橋部23は、外周部21に繋がる部位21aから内周部22に繋がる部位22aにかけて、正面視で架橋部23の長手方向がスピーカ1の中心部を通過する直線と一致するように、形成されている。架橋部23は、幅方向の寸法よりも厚み方向の寸法が小さい、帯状に形成されている。すなわち、架橋部23は、板ばね形状を有しており、可撓性を有している。このように板ばね形状の8つの架橋部23が配置されていることにより、架橋部23は、内周部22に繋がる部位22aが、外周部21に繋がる部位21aに対して、スピーカ1の前後方向(振動板2の振幅方向)に変位可能である。
図3に示されるように、外周支持体20の外周部21は、フレーム部10に対して固定されている。フレーム部10の外周部12の前端部には、外周部12の前端面から一段背方(図において下方)に高さが低くなるように、段部13が形成されている。段部13は、フレーム部10の外周部12の全周にわたり形成されている。外周部21は、段部13に接着されている。外周支持体20は、外周部21が段部13にはめ込まれるようにして、段部13をガイドとして取り付けられる。これにより、外周支持体20は、フレーム部10に対して位置決めされた状態で、フレーム部10に接着されて固定されている。
外周支持体20の内周部22は、振動板2の前面のうち、エッジ3が取り付けられている部位から離れた部位、すなわち振動板2の外周端縁部2aから離れた部位に固定されている。図3に示されるように、内周部22は、外周端縁部2aから距離d1だけ離れた部位に、接着されて固定されている。
なお、内周部22が取り付けられる位置は、振動板2の形状や、エッジ3の形状などに応じて、振動板2がより適正に動作するように種々のバランスを鑑みて、外周端縁部2aから離れた位置に決定されればよい。
本実施の形態において、図3に示されるように、架橋部23の振幅方向(図において上下方向)の厚みt1は、内周部22の振幅方向の厚みt2や、外周部21の振幅方向の厚みt3よりも、小さくなっている(架橋部23は、外周部21や内周部22よりも薄く形成されている)。これにより、振動板2が振幅方向に変位するとき、架橋部23が振幅方向に変位しやすくなり、意図しない部位(外周部21や内周部22など)が変位しにくくなる。外周支持体20の剛性が全体として高くなるので、外周支持体20を製造しやすくなる。また、スピーカ1の組立て工程において外周支持体20を取り扱うことや、外周支持体20を組み付けることを、容易に行うことができる。
また、本実施の形態において、架橋部23は、外周部21に繋がる部位21aから内周部22に繋がる部位22aに向けて、振動板2の振幅方向に起伏する波形形状を有している。これにより、架橋部23が、より振動板2の振幅方向にたわみやすくなる。したがって、スピーカ1の最低共振周波数が高くならないようにすることができる。
なお、架橋部23の数、場所、幅、厚さ、形状などは、スピーカ1の振動系における不均一性が解消するように設定されていることが望ましい。また、これらは、スピーカ1の振動系における不均一性が悪化しないように配慮されて設定されることが望ましい。例えば、架橋部23の厚さは、外周部21や内周部22よりも小さくしつつ、架橋部23の幅寸法は、最低共振周波数などの目標値から決定するようにすればよい。
図4は、外周支持体20の取り付け工程の一例について説明する斜視図である。
図4に示されるように、外周支持体20は、外周支持体20を除くスピーカ1の構成部品をすべて組み立てた後に、スピーカ1の前面側から取り付けられる。このとき、スピーカ1の外周部12と振動板2とに接着材を塗布し、外周支持体20をフレーム部10上及び振動板2上に配置することで、外周支持体20がスピーカ1に貼り付けられる。なお、外周支持体20の取り付け方法については、これに限られるものではなく、振動板2をフレーム部10に接合した後であれば、どのようにして外周支持体20の取り付けを行ってもよい。
なお、本実施の形態のように振動板2とキャップ4とが別体である場合には、ボイスコイル5を位置決めするためにスピーカ1に取り付けた位置出し治具をスピーカ1から取り外す前に、外周支持体20をフレーム部10に取り付けるようにしてもよい。この場合、外周支持体20をスピーカ1に取り付けた後に、ボイスコイル5の位置出し治具をスピーカ1から取り外し、振動板2の孔部2bを塞ぐようにキャップ4を振動板2に貼り付ければよい。
以上説明したように、本実施の形態において、スピーカ1は、外周支持体20を備えている。外周支持体20は、フレーム部10に固定された外周部21と、振動板2のうち外周端縁部2aから離れた部位に固定された内周部22とを繋ぎ、振動板2の振幅方向に可撓性を有する複数の架橋部23とを備えている。外周支持体20は、エッジ3とは独立し、互いの動きが影響することがないように取り付けることができる。したがって、エッジ3のスティフネスを上げないようにしてスピーカ1の最低共振周波数の上昇を抑えつつ、ローリング現象の発生を抑制することができる。外周支持体20において、架橋部23は、部分的にしか設けられていない。したがって、エッジ3との間で密閉空間は設けられないので、従来のものについて見られるエッジ3部分の空気の共鳴などが発生する可能性がない。
エッジ3のかたさをそれほど柔らかくすることなく上記効果を得ることができる。したがって、スピーカ1の製造時において、形状が安定したエッジ3を用いることができ、エッジ3を容易に取り扱うことができる。これにより、振動板2やフレーム部10へのエッジ3の取り付けを容易に行うことができるので、スピーカ1が簡易に組立て可能になる。また、スピーカ1の製造時の不良率も、低下させることができる。
外周支持体20は、その外周部21が段部13をガイドとしてフレーム部10に取り付けられるので、フレーム部10に対する外周支持体20の位置が確実にかつ容易に位置決めされる。したがって、より容易に、スピーカ1を組み立てることができる。また、振動板2をフレーム部10に対して取り付けた後で、外周支持体20の内周部22と振動板2とを接合することができる。したがって、内周部22と振動板2との取り付け位置の精度を容易に向上させることができ、容易に接合を行うことができる。外周支持体20を取り付ける作業は、スピーカ1の前面側から行うことができるので、容易にその作業を行うことができる。
外周支持体20は、熱可塑性樹脂を用いた射出成形により、一体に成形されている。外周支持体20は、スピーカ1の構成要素としてはスティフネスが小さくされており、かつ、それ単体ではある程度の剛性を有しているものである。したがって、スピーカ1の製造工程において、外周支持体20を容易に製造し、取り扱うことができ、スピーカ1を容易に製造することができる。
なお、本実施の形態においては、従来の構造のコーン型スピーカが有するような、フレーム部とボイスコイルとを接続して可動部を支持するダンパーは、設けられていない。したがって、スピーカ1の構成が簡素なものになる。なお、スピーカ1は、ダンパーを有していてもよいし、有していなくてもよい。ダンパーは、外周支持体20を設けることにより得られる、振動板2の支持機能が強化されている程度や、個々のタイプのスピーカ1に求められる性能の程度などに応じて、適宜設けるようにすればよい。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態におけるスピーカの基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第2の実施の形態においては、外周支持体のうち架橋部の数や形状が、第1の実施の形態のそれとは異なっている。
図5は、第2の実施の形態におけるスピーカを示す正面図である。
図5を参照して、スピーカ101は、第1の実施の形態のスピーカ1と比較して、外周支持体20に代えて、外周支持体120を有している点で相違する。外周支持体120は、外周部21と、内周部22と、第1の実施の形態の外周支持体20のものとは形状が異なる4つの架橋部123(123a〜123d)とを有している。
4つの架橋部123は、正面視で、振動板2の中央部を中心とする円周方向に互いに略等間隔に配置されている。すなわち、架橋部123は、正面視で、スピーカ1の中心部を中心として、0度、90度、180度、270度の位置にそれぞれ配置されている。
第2の実施の形態において、各架橋部123は、振動板2の振幅方向にそれほど起伏することなく、波形ではない形状を有している。各架橋部123の中央部分を含む大部分は、正面視で振動板2の中央部を中心とする円弧形状を有している。架橋部123は、円弧形状である部分の両端部で、それぞれ、外周部21と、内周部22とに接続されている。すなわち、各架橋部123について、内周部22へ繋がる部位22aは、内周部22のうち外周部21へ繋がる部位21aに最も近い部位からは離れた位置にある。
このように架橋部123が形成されていることにより、架橋部123の長さは長く確保されており、架橋部123は、振動板2の振幅方向に可撓性を有している。また、4つの架橋部123は、互いに略等間隔に設けられている。これにより、内周部22は、外周部21に対して、振動板2の振幅方向に変位可能である。
第2の実施の形態においては、このように、架橋部123が長さの長い板ばね形状に形成されているので、最低共振周波数を低く維持しつつ、ローリング現象の発生を効果的に抑制することができるなど、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態におけるスピーカの基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第3の実施の形態においては、スピーカが略トラック形状のものである点で、第1の実施の形態とは異なっている。
ここでトラック形状とは、互いに長さが等しい2つの半円弧同士を、互いに長さの等しい2つの線分で接続した形状をいい、それに似た形状も含まれる。線分部分がある程度長い場合、トラック形状の振動板の長手方向は、上記線分に平行な方向となる。
図6は、第3の実施の形態におけるスピーカを示す正面図である。
図6に示されるように、第3の実施の形態において、スピーカ201は、正面視で略トラック形状を有している。すなわち、スピーカ201は、略トラック形状の外周形状を有する振動板202を有している。スピーカ201のエッジ203、フレーム部(図示せず)も振動板202と同様に、略トラック形状に構成されている。図6に示されるスピーカ201において、振動板2の長手方向は、図6において上下方向となる。
スピーカ201は、第1の実施の形態に係るスピーカ1と同様に、外周支持体220を有している。外周支持体220は、スピーカ201の形状と同様の略トラック形状に形成された、環状の外周部221及び内周部222を有している。外周部221と内周部222とは、互いに、16個の架橋部223を介して繋がっている。各架橋部223は、第1の実施の形態における外周支持体20の架橋部23と同一の、波形の板ばね形状を有している。
第3の実施の形態において、16個の架橋部223は、振動板202の振幅方向前方から見て、すなわち正面視で、振動板202の中央部を通り振動板202の長手方向に平行な直線(以下、この直線を長軸と呼ぶことがある)について、略対称となるように配置されている。すなわち、図6において最上部及び最下部となる、長軸上に位置する部位には、それぞれ1つの架橋部223が配置されている。また、長軸に対して対称に、図6において左右それぞれに7つずつの架橋部223が配置されている。
このように外周支持体220が構成されていることで、外周支持体220の内周部222は、外周部221に対して、振動板202の振幅方向に変位可能である。第3の実施の形態においても、スピーカ201がこのような構成を有していることにより、最低共振周波数を低く維持しつつ、ローリング現象の発生を効果的に抑制することができるなど、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。また、16個の架橋部223が、長軸に対して対称に設けられているので、外周支持体220の内周部222は、確実に、振動板202の振幅方向に変位する。したがって、ローリング現象の発生が、より確実に抑制される。
なお、このような構成は、略トラック形状の振動板を有するものに限られず、略楕円形状の振動板を有するスピーカや、略長方形形状の振動板を有するスピーカにおいても、同様に構成することができる。すなわち、例えばこれらのスピーカの外周支持体において、複数の架橋部は、正面視で、その振動板の中央部を通り、振動板の長手方向に略平行な長軸について対称となるように配置されていればよい。これにより、上述と同様に、ローリング現象の発生をより確実に抑制することができる。
[その他]
上記の各実施形態における特徴点を適宜組み合わせてスピーカを構成してもよい。それにより、最低共振周波数の上昇を抑えつつ、効果的にローリング現象の発生を抑制させることができる。
架橋部の数や位置に関しては適宜決定されればよいが、ローリング現象を防ぐという観点から、例えば次のようにすればよい。円形の振動板を有するスピーカについては、架橋部は、3箇所以上で、互いに均一な角度位置すなわち互いに略等間隔で配置されるようにすればよい。また、トラック形状、楕円形状、又は略長方形形状の振動板を有するスピーカについては、架橋部は、振動板の長手方向両側部を支持する位置や、正面視で振動板の中心部を通る振動板の長手方向に伸びる直線について対称となる位置に、複数配置されるようにすればよい。
キャップの形状や材質は適宜選択することができ、特定のものに限定されない。キャップは、振動板と一体に構成されていてもよい。磁気回路は、外磁型であってもよい。
フレーム部の形状は、上述のものに限られることはなく、都度スピーカの用途などに合わせた形状に形成されていればよい。コーン紙すなわちエッジや振動板の形状や材質は、特定のものに限定されない。
外周支持体は、熱可塑性樹脂を用いて成形されたものに限られず、弾性を有する材質を用いて外周支持体自体の形状が安定するように形成されていればよい。
外周支持体は、種々の形状の振動板やフレーム部を有するスピーカについて、その振動板やフレーム部の形状に対応するように構成されていればよい。外周支持体の外周部の形状や、フレーム部への取り付け構造は、適宜選択することができる。外周支持体の内周部は、振動板やエッジの形状に応じて、振動板の振動のバランスが良くなる位置や、振動板を補強できる位置に取り付けられるようにしてもよい。外周部や内周部は、いずれか一方のみが環状に形成されていてもよい。外周部と内周部とのうち少なくとも一方が環状に構成されていることにより、スピーカの製造時において外周支持体が変形しにくくなり、容易にスピーカを組み立てることができる。なお、外周部や内周部は、いずれも環状に形成されていなくてもよい。
また、外周支持体の内周部は、振動板の前面に取り付けられるものに限られない。例えば、外周支持体の内周部は、振動板の背面側から、振動板の背面のうちエッジが取り付けられる振動板の外周端縁部から離れた位置に固定されており、スピーカの正面から隠れるようにしてもよい。この場合であっても、上述と同様に、最低共振周波数の上昇を抑えつつ、効果的にローリング現象の発生を抑制させることができるという効果や、スピーカが容易に組立て可能となるという効果を得ることができる。
スピーカの形式は、上記各実施の形態のような、深さの浅いスピーカユニットに限られない。例えば、外周端縁部から中央部に近づくにつれて奥行きが深くなるような振動板を有する、コーン型のスピーカユニットについても、上記のような外周支持体を有する構成を適用することができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,101,201 スピーカ
2,202 振動板
2a 外周端縁部
3,203 エッジ
4 キャップ
5 ボイスコイル
5b 巻線
10 フレーム部
12 フレーム部の外周部
13 段部
15 磁気回路
20,120,220 外周支持体
21,221 外周部
21a 架橋部の外周部に繋がる部位
22,222 内周部
22a 架橋部の内周部に繋がる部位
23(23a〜23h),123(123a〜123d),223 架橋部
t1 架橋部の振幅方向の厚み
t2 内周部の振幅方向の厚み
t3 外周部の振幅方向の厚み
2,202 振動板
2a 外周端縁部
3,203 エッジ
4 キャップ
5 ボイスコイル
5b 巻線
10 フレーム部
12 フレーム部の外周部
13 段部
15 磁気回路
20,120,220 外周支持体
21,221 外周部
21a 架橋部の外周部に繋がる部位
22,222 内周部
22a 架橋部の内周部に繋がる部位
23(23a〜23h),123(123a〜123d),223 架橋部
t1 架橋部の振幅方向の厚み
t2 内周部の振幅方向の厚み
t3 外周部の振幅方向の厚み
Claims (8)
- フレーム部と、
エッジを介して前記フレーム部に支持された振動板と、
前記振動板に固定されたボイスコイルボビンと、
前記ボイスコイルボビンに取り付けられたボイスコイルと、
前記ボイスコイルに磁束を与えることで前記振動板を振動させる磁気回路と、
前記振動板の振幅方向前方に配置された外周支持体とを備え、
前記外周支持体は、
前記フレーム部に対して固定された外周部と、
前記振動板のうちその振動板の外周端縁部から離れた部位に固定された内周部と、
それぞれ前記外周部及び前記内周部とともに一体に成形されており、前記外周部の一部と前記内周部の一部とを繋ぐ複数の架橋部とを有し、
前記架橋部は、前記内周部に繋がる部位が前記外周部に対して前記振動板の振幅方向に変位可能に、可撓性を有している、スピーカ。 - 前記架橋部は、板ばね形状である、請求項1に記載のスピーカ。
- 前記架橋部は、前記外周部及び前記内周部のそれぞれよりも、前記振動板の振幅方向の厚みが小さい、請求項1又は2に記載のスピーカ。
- 前記外周部及び前記内周部の少なくとも一方は、略環状に形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のスピーカ。
- 前記架橋部は、前記外周部に繋がる部位から前記内周部に繋がる部位に向けて前記振動板の振幅方向に起伏する波形形状を有している、請求項1から4のいずれか1項に記載のスピーカ。
- 前記振動板は、略円形の外周形状を有しており、
前記架橋部は、3つ以上設けられており、それぞれの前記架橋部は、前記振動板の中央部を中心とする円周方向に略等間隔に配置されている、請求項1から5のいずれか1項に記載のスピーカ。 - 前記振動板は、略楕円形状、略トラック形状、及び略長方形形状のうちいずれか1つの外周形状を有しており、
前記複数の架橋部は、前記振動板の振幅方向前方から見て、前記振動板の中央部を通り前記振動板の長手方向に略平行な直線について略対称となるように配置されている、請求項1から5のいずれか1項に記載のスピーカ。 - 前記外周支持体は、熱可塑性樹脂を用いて射出成形により成形されている、請求項1から7のいずれか1項に記載のスピーカ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011276066A JP2013128163A (ja) | 2011-12-16 | 2011-12-16 | スピーカ |
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JP2011276066A JP2013128163A (ja) | 2011-12-16 | 2011-12-16 | スピーカ |
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JP2013128163A true JP2013128163A (ja) | 2013-06-27 |
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JP2011276066A Pending JP2013128163A (ja) | 2011-12-16 | 2011-12-16 | スピーカ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101564896B1 (ko) * | 2015-01-17 | 2015-10-30 | 주식회사 슬리비스 | 진동판 조립체 |
-
2011
- 2011-12-16 JP JP2011276066A patent/JP2013128163A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101564896B1 (ko) * | 2015-01-17 | 2015-10-30 | 주식회사 슬리비스 | 진동판 조립체 |
WO2016114632A1 (ko) * | 2015-01-17 | 2016-07-21 | 주식회사 슬리비스 | 진동판 조립체 |
CN107113502A (zh) * | 2015-01-17 | 2017-08-29 | 思力威斯有限公司 | 隔膜组件 |
CN107113502B (zh) * | 2015-01-17 | 2020-02-21 | 思力威斯有限公司 | 隔膜组件 |
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