JP2013094193A - ヘアケア装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 オゾンは殺菌作用があるが、独特の匂いがするためヘアドライヤとして用いることは難しかった。
【解決手段】 筐体2内にファン6、ヒータ11、及びイオン発生器5を備え、イオン発生器5により水素イオンを主成分とするプラスイオンと酸素イオンを主成分とするマイナスイオンを発生させる。両イオンにより髪に水分を与え、髪、頭皮の臭い、汚れを軽減する。
【選択図】図1
【解決手段】 筐体2内にファン6、ヒータ11、及びイオン発生器5を備え、イオン発生器5により水素イオンを主成分とするプラスイオンと酸素イオンを主成分とするマイナスイオンを発生させる。両イオンにより髪に水分を与え、髪、頭皮の臭い、汚れを軽減する。
【選択図】図1
Description
本発明は、髪の乾燥やセットを行うと共に、イオンにより髪のトリートメントを行うことができるヘアドライヤ、カールブラシ、ヘアアイロン等のヘアケア装置に関するものである。
従来より、ヘアケア装置として、温風を吐出して髪の乾燥やセットを行うだけでなく、イオンを含んだ風を送風することにより髪のトリートメントも行うことができるヘアドライヤが用いられている。
例えば、特許文献1にはハウジング内に送風用のファン、イオンを発生するイオン発生部、ヒータ等を備えたヘアドライヤが示されている。ヘアドライヤは、ファンから送風された空気をヒータにより温めて、温まった空気をハウジングの空気吐出口より外部へ送り出し髪を乾かす。その際、ブラッシングなどにより髪が帯電することがある。そのため、イオン発生器によりマイナスイオンを発生させて髪に当てて静電気の発生を防止していた。
また、特許文献2では、放電電極によりプラスイオンとマイナスイオンとを発生させ、ニクロム線で温められた空気と共に髪に送風され静電気の発生を防止する技術が開示されている。
さらに、特許文献3では、オゾン発生放電管によりオゾンを発生し、カラーリングの安定化、頭皮の健全化を図った技術が開示されている。
従来のヘアケア装置の一種であるヘアドライヤはイオンにより髪やブラシの帯電を防止していた。また、オゾンの殺菌作用を利用しているものもあった。しかし、オゾンを用いた殺菌は独特のオゾン臭がするためあまり好まれておらず、特にヘアドライヤは鼻の近くで使用するためわずかな匂いでも敬遠される。
本発明は、上記の点に鑑みてなされてものであり、イオン発生器によりプラスイオンとマイナスイオンとを発生させ、イオンとOHラジカルの作用により除菌と汚れ・臭いの分解を行い、ヘアケアを行うことを目的とする。
本発明に係るヘアケア装置は、筐体と、前記筐体内にヒータ、及びイオン発生器とを備え、前記イオン発生器は、発生するイオンが水素イオンを主成分とするプラスイオンと酸素イオンを主成分とするマイナスイオンであることを特徴とする。
また、前記イオン発生器は、針電極と誘導電極とを備え、両電極間に印加される実効電圧の絶対値が1.5kVから6.0kVであってもよい。
また、前記筐体内にファンをさらに備え、前記イオン発生器は、前記ファンよりも上流に配置されていてもよい。
本発明係る別のヘアケア装置は、筐体と、前記筐体内にヒータ、及びイオン発生器とを備え、前記イオン発生器で発生するイオンが水素イオンを主成分とするプラスイオンと酸素イオンを主成分とするマイナスイオンであり、前記両イオンにより生成されるOHラジカルの酸化分解作用により、髪及び頭皮の除菌と汚れを軽減することを特徴とする。
本発明係るさらに別のヘアケア装置は、筐体と、前記筐体内にヒータ、及びイオン発生器とを備え、前記イオン発生器で発生するイオンが水素イオンを主成分とするプラスイオンと酸素イオンを主成分とするマイナスイオンであり、前記両イオンの少なくとも一部は水分子と結合しており、前記両イオンにより髪の除電と、髪に水分を与えて保湿を行うことを特徴とする。
本発明に係るヘアドライヤによれば、イオン発生器で水素イオンと酸素イオンとを発生させ、両イオンによりOHラジカルを発生させ髪や頭皮の汚れ、臭いを軽減することができる。また、イオンは水分子と結合しているため、髪に水分を与えることができる。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
(ドライヤの構成)
図1は本発明の実施例1に係るヘアドライヤの内部構成を示す側面透視図であり、図2は背面透視図である。
図1は本発明の実施例1に係るヘアドライヤの内部構成を示す側面透視図であり、図2は背面透視図である。
ヘアドライヤ1は、筐体2と、筐体2の空気の吸い込み側にある吸気フィルタ3、筐体2に取り付けられたハンドル4と、空気の吐出口側にあるノズル13から外装が構成されている。なお、筐体2、吸気フィルタ3、ハンドル4及びノズル13は一体形成されていてもよい。
筐体2の内部には、イオンを発生させるイオン発生器5、空気を送風するファン6、ファン6を駆動するための図示しないモーターや配線、空気流路7、ヒータ11等が設けられている。
ここで、筐体2内でファン6よりも吸気フィルタ3側(図1の右側)を上流側、ファン6よりも吐出口12側(図1の左側)を本明細書では下流側と呼ぶことがある。なお、本明細書ではある部分を基準として、その位置よりも風の流れが上流に位置するときに上流に位置するなどと呼ぶことがある。例えば、ファン6は空気流路7の上流に位置している、と表示する。
筐体2はプラスチック製である。筐体2は、内部が空洞になっており、空気が流れるようになっている。筐体2は、筐体2の一方端は空気の流入口で吸気フィルタ3が取り付けられ、もう一方端は空気が吐き出される吐出口12となっており、その間に空気流路7がある。空気流路7は、筐体2にマイカフィルムが貼り付けられ耐熱性が高められている。吐出口12には金属製のフィルタがつけられている。
吸気フィルタ3は金属又はプラスチック製であり、網目状や格子状に孔が開いている。吸気フィルタ3は、ほこりなど大きな異物が入らないように、また動作中に誤って指などがファン6に触れないように保護する役割を果たしている。ここでは、吸気フィルタ3は筐体2から着脱できるように筐体2に取り付けられている。
ハンドル4は、プラスチック製であり、スイッチ14が設けられている。ハンドル4にあるスイッチ14を操作しヘアドライヤ1を動作状態にすると、イオン発生器5、ファン6、ヒータ11が動作する。スイッチ14の操作により、例えば髪を乾かすのに適した強温風モード、スタイリングに適した弱温風モード、風のみを送風する送風モードなど用途に応じたモードに切り替えることができる。送風モード時にはヒータ11は動作しない。
イオン発生器5は筐体2の上流側に配置され、具体的には吸気フィルタ3とファン6の間に配置されている。また、イオン発生器5はファン6の中心線よりも上方に配置されている。イオン発生器5は、イオンを発生させている。発生されるイオンは、イオン単体の場合やイオンと水分子が結合している状態のイオンを発生させる場合もある。イオンやイオンに結合している水分子により髪の除電や髪をしっとりとさせる効果を発揮する。
ファン6は、ポリプロピレン製である。ファン6は、空気を吸気フィルタ3を介して筐体2内に取り込み、筐体2の吐出口12から外へ送りだす。ファン6から送風された空気は、空気流路7を通る。空気流路7は、吐出口12まで延びるマイカ製の仕切板10により上空気流路8と下空気流路9に分かれている。上空気流路8にはヒータが設けられておらず、上空気流路8を通る空気は、ファン6から送風された空気がそのまま送りだされる。下空気流路9を通る空気は、ヒータ11により温められ温風として外へ送りだされる。
このように、温風と通常の空気(冷風)が入り混じって送風されることにより、温風の熱により髪の水素の結合が切れくせ毛を伸ばすことができ、その直後に冷風を当てると再び髪の水素の結合が起こるためくせ毛が伸びた状態で固定させることができ、髪のスタイリング性を向上させることができる。
イオン発生器は空気清浄機で用いられているが、空気清浄機では部屋中に行き渡らせるために発生したイオンを拡散するように送風する。しかし、ヘアドライヤ1で同じように送風すると筐体2内の狭い空間でイオンが拡散することになるためイオンが中和されヘアドライヤ1の外へ出るイオンの数が少なくなるという問題がある。そのため、本実施例では、ファン6の上流にイオン発生器5を配置することにより、平行な風でイオンを送風しプラスとマイナスに分離した状態でファン6に入り、ファン6を出た後に旋回風になっても中和する量を減らすことができた。
イオン発生器5は下空気流路9とファン6を介してほぼ平行に設けられている。これによりイオン発生器5で発生したイオンの多くが下空気流路9を通り送風されることになる。これによりヘアドライヤ1の外へより多くのイオンを送風することができるため効果的である。
ノズル13は、プラスチック製で、断面形状が台形状になっており吐き出し口側が広く他端が狭くなっている。ノズル13は、吐出口12から吐き出される空気が広がらないように整流する。
なお、本実施例のように、吸気フィルタ3の吸気面積が空気流路7の内寸よりも大きいことが望ましい。これにより、より速い風をヘアドライヤ1の外部へ送風することができる。
また、本実施例のようにイオン発生器5をヒータ11から遠い位置に配置することにより、イオン発生器5がヒータ11の熱により誤動作、故障することを防止することができる。
(イオン発生器)
次に、イオン発生器5について詳細に説明する。
(イオン発生器)
次に、イオン発生器5について詳細に説明する。
図3は、イオン発生器5の斜視図である。イオン発生器5は、針電極15と誘導電極16からなるイオン発生部を2つ有している。各イオン発生部は左右に並ぶように配置されている。針電極15は先端が尖った針形状であり、その周囲を囲むように円形の誘電電極16が配置され、両電極間の間隔は8mmになっている。
例えば、針電極15に実効電圧+2kV以上の電圧と0Vが切り替わる60Hzの交流を印加し、誘電電極16に0Vの直流を印加することによりイオンが発生する。針電極15に実効電圧+2kV以上が印加されているときに誘電電極16との間の電位差によりコロナ放電が起こり、針電極15の先端部近傍で空気中の水分子が電離して水素イオン(H+)が生成する。この水素イオンが空気中の水分子と群状態で結合(クラスタリング)し、図4(a)に模式図を示すようなH+(H2O)m(mは任意の自然数)から成る正イオンが発生する。
また、針電極15に実効電圧−2kV以下の電圧と0Vが切り替わる60Hzの交流を印加し、誘電電極16に0Vの直流を印加することによりマイナスイオンが発生する。このマイナスイオンは、空気中の酸素分子又は水分子が電離して酸素イオンO2 −が生成する。この酸素イオンが空気中の水分子と結合(クラスタリング)して、図4(b)に模式図を示すようなO2 −(H2O)n(nは任意の自然数)から成る負イオンが発生する。
このようにイオンは水分子と群状態で結合することにより水分子がイオンを保護する役割を果たし、イオンを確実に頭皮へ届けることができるだけでなく、水分子が髪や頭皮へ水分を与える役割を果たす。この水分子はミストのような粒の大きなものではなく分子レベルの大きさであり、髪や頭皮に確実に浸透し、べたついた感じにならない。また、髪が乾いた状態で使用しても髪に適度な潤いを与えぱさついた感じにならない。
本発明で用いるイオン発生器5は、コロナ放電を利用し、水素イオンと酸素イオンが主成分のイオンを発生させる。本実施例のイオン発生器5では、発生イオンとして水素イオンと酸素イオンのみが検出された。他のイオンも発生している可能性もあるが検出限界以下である。本実施例のように窒素と酸素のみが発生することが好ましく、窒素イオン(プラスイオン)が発生していないことが望ましい。空気中の主成分は窒素であり、高電圧をかけてイオンを発生させると窒素イオンがプラスイオンとして発生するが、プラスの窒素イオンとマイナスの酸素イオンが中和すると窒素酸化物(NOx)となり有害な物質になる。そのため、窒素イオンがなるべく発生しないようにし、窒素酸化物が0.01ppm以下となるように、水素イオンの方が窒素イオンよりも多い条件、つまり水素がプラスイオンの主成分となるような条件でイオンを発生させる。本発明で用いるイオン発生器5は、NOxについて限界検出以下であった。
また、オゾンもなるべく発生させないことが望ましく0.1ppmを超えると異臭が発生するため好ましくなく、匂いを感じ始める0.05ppm以下、更に望ましくは0.01ppm以下であり、このレベルであればほぼ無臭でありヘアドライヤとして好ましいレベルとなる。本発明で用いるイオン発生器5は、臭いを感じ始めるレベルである0.05ppmの1/5以下のレベルであった。
電極は針電極15と針電極15の周囲を囲むような形状の誘導電極16を用いることが好ましい。平行平板電極に比べ低い電圧でイオンが発生し、低い電圧であればオゾンの発生量が少ないためオゾン臭を防止できるからである。電極構造により発生電圧は多少異なるが、針電極とその周囲を囲む誘導電極を用いる場合は、概ね実効電圧の絶対値が1.5kVから6kVの交流電圧を印加すると水素イオンと酸素イオンが主成分のイオンが発生する。電圧が低すぎるとイオンが発生せず、高い電圧を用いると水素イオンと酸素イオン以外のイオン、特に窒素を主成分とするイオンが発生するようになり、体に有害な窒素化合物などが発生するようになる。また、電圧を高くするとイオンも多く発生するが同時にオゾンも発生し、オゾン臭がするようになるため好ましくない。好ましくは、2kVから5kVの実効電圧を用いてイオンを発生させると高濃度の水素イオン及び酸素イオンを主成分とするイオン濃度と、オゾン臭がしない状態を両立できる。
ここでは、イオン発生器5はイオン発生部を2つ有しており、各イオン発生部はプラスイオン発生部とマイナスイオン発生部となっている。そのため、プラスイオンとマイナスイオンが同時に放出され、ファン6により作りだされる空気の気流に乗って下流へと流れる。
イオン発生器5は図3に示すようにイオン発生部が左右に並ぶように配置されている。各イオン発生部はプラスイオン発生部とマイナスイオン発生部となっている。各イオン発生部によって作り出されたイオンは、ファン6により作りだされる空気の気流に乗って下流へと流れる。
図5はイオン発生器の配置図である。
イオン発生器を図5(a)から(c)までの3種類に配置し、ヘアドライヤ1の吐出口12から送風されたイオン量を測定した結果が表1である。ここでは、通常の送風量のときと(NORMAL)、送風量が多い(送風が速い)状態(TURBO)の2つの状態で実験を行った。
図5(a)では、イオン発生器5を風の向きに対して、イオン発生部である電極を直交する方向に配置した。この配置では、表1に示すように95万個/ccから120万個/ccのイオンが測定された。実験によれば、3種類のイオン発生器5の配置の中で測定されたイオン量が一番多い、つまりイオン濃度が一番高かった。
図5(b)では、風の向きに対し風下の方に電極を配置した。この場合でも、90万個/ccから110万個/ccのイオンが出ており実用上問題のないレベルのイオン量が測定された。
図5(c)では、風の向きに対し風上の方に電極を配置した。この場合でも、95万個/ccから105万個/ccのイオンが出ており実用上問題のないレベルのイオン量が測定された。
送風されるプラスイオンとマイナスイオンはほぼ同数、若しくはマイナスイオンの方が若干多いことが望ましい。プラスイオンとマイナスイオンの数のバランスが取れていた方がると髪OHラジカルが発生する確率が高くなる。バランスしていない場合は、髪はプラスに帯電しているためマイナスイオンが多い方が髪のきしみや傷みを防止することができるため好ましい。
上述したように、従来のイオン発生器が搭載されているヘアドライヤでは、特許文献1のようにイオン発生器は専用通路に設けられ、専用通路は空気の送付量が制限されるような細い通路になっており、風量が弱く髪に届きにくいという欠点があった。これは、特許文献1で用いているイオン発生器はペルチェ素子などを用いて水の膜を作り、その水をミスト状にして利用するため強い風を当てると水の膜が乾燥してできなくなるからである。しかし、本発明のイオン発生器5を用いると分子レベルでイオンと結合しているため上記のような問題は発生しない。
また、特許文献1のような構成ではドライヤの本来の風が熱く風量が強いため、イオン専用通路から出る弱い風が本当に髪に当たっているか気がついていないことが多く、実際には髪に当たっていないことも多かった。しかし、本発明のようにすると、イオン専用風ではなく髪を乾かす風と同じ風を用いているため使用者が髪にイオン風が当たっているかどうか分かりやすくなり髪や頭皮に適切に当てながら使用することができるためイオンによる効果を発揮しやすい。
その上、表1を見れば明らかなように本発明のイオン発生器5によれば風量が多くなるほど発生したイオンを効果的にヘアドライヤ1の外に出すことができる。そのため、サロンのような強い風を使って髪を乾かしたときにより効果が発揮されることになり、しっとりとしたきしみや傷みのないサロンのブローをしたような効果を家庭でも得られるようになる。濡れた髪は傷みやすく、特に熱ダメージに弱い。しかし、風量が多いドライヤ1を用いれば早く髪を乾燥させることができるため、ダメージを減らすことができる。
本発明のイオン発生器5は、プラスイオンとマイナスイオンを発生する。そこで、プラスイオンとマイナスイオンとを利用した場合と、マイナスイオンのみを利用した場合について、髪とブラシの帯電量を調べた結果を表2に示す。なお、温風を使っても送風のみ(冷風)を使っても傾向に大差はなかった。
(1)ブラッシング直後(表2上段)
長さ60cmの人毛束のサンプル(髪と表に記載、以下髪と呼ぶ)をポリプロピレン製のブラシで10回ブラッシングした直後の髪の帯電量とブラシの帯電量をまず測定した。測定は60cmの髪の上部を縛ってつるし、上から10cmの部分の帯電量(表に上部と記載)、中央部分の帯電量(表に中央と記載)、下から10cmの部分の帯電量(表に下部と記載)を測定し、その平均を求めた(表に平均と記載)。また、ブラシの帯電量もあわせて測定した。
(2)マイナスイオン(表2中段)
上記ブラッシング直後に帯電量を調べた後、髪とブラシに図1に示すようなヘアドライヤ1にマイナスイオンを発生するイオン発生器を搭載したドライヤ1で30秒間送風した後、ブラッシング直後と同じように帯電量を測定した。なお、吐出口12(ノズル13)からのイオン量を調べるとマイナスイオンが210万個/cc測定された。
(3)プラスイオン、マイナスイオン(表2下段)
上記ブラッシング直後に帯電量を調べた後、髪とブラシに図1に示すようなヘアドライヤ1に上述したプラスイオン、マイナスイオンを発生するイオン発生器5を搭載したドライヤ1で30秒間送風した後、ブラッシング直後と同じように帯電量を測定した。なお、吐出口12(ノズル13)からのイオン量を調べるとプラスイオン、マイナスイオン共に100万個/cc、つまり総量200万個/ccのイオンが測定された。
髪はプラスに帯電しやすく、ブラシの素材であるポリプロピレンはマイナスに帯電しやすい性質を持っており、表2上段に示すようにブラッシング直後は、髪は大きくプラスに帯電し、ブラシはマイナスに帯電している。髪がプラスに帯電していることにより、髪同士が反発しあい髪にまとまりがなく広がった状態となる。また、ブラシはマイナスに帯電しており、プラスに帯電した髪と引きつけ合うことによりブラシと髪がからまる、摩擦がおきやすくなりまとわりつきが起こるという問題がある。このように帯電した状態でブラッシングを続けると髪にまとまりがなくなり、摩擦によるキューティクルダメージが発生し髪のつやが減少し、枝毛、切毛といった傷みが生じる。
表2中段に示すように、マイナスイオン単独の場合は髪の帯電量が減少している。しかし、髪の帯電は30秒の送風でもプラス帯電から弱マイナス帯電に変化している。弱マイナスイオンで安定するとドライヤから送風されるマイナスイオンと反発するようになる。そのため、マイナスイオンを含む水分子が髪へ供給されなくなる。つまり、マイナスイオン単独のイオン発生器を用いたドライヤでは髪の帯電防止には効果があっても水分を与えることによるしっとり感を得ることは難しいことが分かる。また、弱マイナスに帯電しているため髪同士が反発し、イオンを与えない状態よりはよいが多少髪の広がりが生じ、その上、マイナスに帯電しているブラシには除電の効果はないため摩擦によるキューティクルダメージが発生し髪のつやが減少し、枝毛、切毛といった傷みには対処できない。
それに対し、本発明のようにプラスイオンとマイナスイオンとを髪に与えると、髪はほぼ帯電していない状態になり、髪の広がり、摩擦によるキューティクルダメージが発生することによる髪のつや減少、枝毛・切毛といった傷みの発生が防止できる。また、髪がほぼ帯電していない状態であるためプラスイオン、マイナスイオンの両イオンが髪に供給され続けるため水分子と結合したイオンにより多くの水分が髪に供給されることになる。また、仮に髪がプラス、マイナスに若干帯電したとしてもプラスイオンにより水分子が供給されるため、問題とならない。
このように、イオン総量がほぼ同じ場合であってもプラスイオンとマイナスイオンを供給した方が静電気により生じる様々な問題に対し有利な効果が得られることが判明した。マイナスイオンをあたえることでは実現できないブラシの除電もできるため、ブラッシング時の静電気の発生を抑えることができ髪のダメージを軽減することができる。
また、本発明のイオン発生器5は水分子と結合したイオンを供給している。そのため、髪の表面を水分子が覆い髪の表面にあるキューティクルを引き締める。そして、上述したようにプラスイオンとマイナスイオンにより水分子を連続的に供給できるため水分が髪に浸透し、髪にうるおいを与え、よい保湿効果を得ることができる。これにより、髪のキューティクルを引き締めダメージから髪を守り、髪が保湿され、うねりを抑えてなめらかな髪を得ることができ、ハリコシといった弾力あるしなやかな髪を得ることができる。これに対し、マイナスイオンしか与えない場合は、髪がマイナスに帯電し水分の補給ができなくなるため本発明のイオン発生器5ほど効果を得られない。また、本発明のイオン発生器5は空気中の水素、酸素、水を用いて髪に水分を与えるため、液体の水を発生させてその水を帯電して送る静電霧化方式よりも早い段階から髪に水分を与えることができる。
本発明のイオン発生器5を用いるとプラスイオンとマイナスイオンが髪や頭皮近辺で反応、または髪や頭皮に付着し両者が反応しOHラジカルを作る。OHラジカルおよび両イオンの作用により、シャンプー時に髪に残ったアニオン系界面活性剤を中和分解して髪のごわつきを解消させ、リンス時に髪に付着したカチオン系界面活性剤を中和分解してキューティクルの開きを抑えてしなやかな髪に仕上げることができる。OHラジカルは、育毛のさまたげになっている頭皮に残っている汚れにも作用する。頭皮に付着したシャンプーやリンスの残りかすを中和分解し頭皮の汚れを軽減する。これにより育毛に最適な頭皮な作る手助けをすることができる。また、OHラジカルは除菌消臭効果もある。OHラジカルにより頭皮の汚れの軽減、および頭皮に存在する菌の脂肪酸分解による不快臭の発生を軽減することができる。
なお、OHラジカルは不安定であるためナノ秒単位でしか存在することができない。そのためOHラジカルをイオン発生器5で作りだしても頭皮に届く前に消滅してしまう。しかし、本実施例のようにプラスイオンとマイナスイオンをイオン発生部で作りだし、髪や頭皮近辺で両者を反応させることにより効果的にOHラジカルを作り出すことができる。OHラジカルは水素イオンと酸素イオンを主成分とするイオンを発生させることにより効果的に作り出すことができる。また、イオンも不安定な状態であるが水分子に囲まれて保護されている。
イオン発生器5により発生したイオンは同時にファン6や内部のマイカの帯電を軽減することもできる。これにより部品にほこりが付着するのを軽減することができる。本発明ではプラスイオンとマイナスイオンを用いているため、例えばマイカはプラスに帯電しやすい、ポリプロピレンはマイナスに帯電しやすい等部品により異なる帯電に対応することができる。
マイナスイオンあるいはプラスイオンだけ用いた場合は吐出口12に設けてあるフィルタが帯電してイオンが出にくくなることがあるが、プラスとマイナスのイオンによりそのような現象が防止できる。
イオン発生器5のプラスイオンとマイナスイオンのイオン発生部をファンの直径の1/2程度離れて配置することが望ましい。特に、プラスイオンとマイナスイオンのイオン発生部を風の向きに対して直交する方向に約20mm以上離すとよい。これにより、イオン発生直後にプラスイオンとマイナスイオンが中和を減少することができる。
空気中の水分子を利用するイオン発生器を用いるので、特許文献1のように狭い空気流路に置くよりも、大量の空気を吸気する吸気側(上流側)に設けることにより、効果的に空気中の水分子を利用することができ、イオンや水分子に結合したイオンを多く発生させることができる。そのため、ファン6などの静電気の発生防止、髪の静電気の発生防止の効果が上がる。
図6は本発明の実施例2に係るヘアドライヤの正面図である。
本実施例2では、空気流路7を仕切板10により上空気流路8と下空気流路9とに分けただけでなく、下空気流路9を左下空気流路9aと右下空気流路9bとに分離した。その他は実施例1と同じである。このように、仕切板10の形状を変えるだけでイオン発生器5で発生したプラスイオンとマイナスイオンが空気流路7で混ざることが少なくなりヘアドライヤ1の外へ出るイオンの量を多くすることができる。なお、仕切り板10は上下と左右を分ける部材を一体形成してもよく、別々の部材で形成してもよい。
図7は本発明の実施例3に係るヘアドライヤの内部構成を示す側面透視図であり、図8はファンの一例を示す斜視図である。
実施例1から3と本実施例との違いは、空気流路7が上下に分かれておらず一つの空気流路が形成されていることである。なお、ヒータ11はこれまでの実施例と同様に空気流路の下部分のみに設けられている。図8(a)に吹出側、同(b)に吸込側を示すように、ファン6は吹出側に整流板がついた羽6aを有する。
このような構成でも、イオン発生器5により発生したイオンの多くは平行風に乗って、空気流路7の上側を通り、ヒータ11により熱せられることなくイオンを含んだ風が吐出口12から送風される。そのため、イオン及びイオンと結合した水分子が熱せられることによる問題を軽減することが可能となる。また、プラスイオンとマイナスイオンを発生させた場合、両者が中和するのを防止することができる。
なお、本実施例のファン6を実施例1及び2のように仕切板10を設けると、空気流路7内でヒータ11の熱を遮断できること及び空気流路7内でプラスイオンとマイナスイオンが混合し中和することが防げられるためさらに効果的である。
図9は本発明の実施例4に係るヘアドライヤの内部構成を示す側面透視図である。
本実施例では実施例1などと異なり上空気流路8にヒータ11を配置し、下空気流路9にはヒータ11がなくファン6から送風された空気がそのまま通る構成となっている。それに合わせてイオン発生器5も下側に配置している。このように配置するとイオン発生器5の電源回路など電気回路をハンドル周辺にまとめて配置することが可能となり好都合である。
また、使用者は熱風を髪に当てるため、実施例1のように下空気流路9を熱風が通るようにすると上空気流路8を通ったイオン風が髪以外のところにあたっていることがあった。しかし、熱風が通る空気流路を上側の上空気流路8とすると下空気流路9を通ったイオン風が髪にあたっている時間が多くなり好ましい。
図10は本発明の実施例5に係るヘアドライヤの斜視図である。
本実施例6では、イオン発生器5のメンテナンスのために吸気フィルタ3を筺体2から取り外すための具体的な構成を示した。
まず、図10(a)に示すように、吸気フィルタ3を筐体2から取り外す。吸気フィルタ3と筺体2は、爪により取り付けられていてもよいし、磁石を用いて取り付けられていてもよいし、回転させて取り外しができるようにしてもよく、具体的な構成は特に問わない。
次に、図10(b)に示すように、イオン発生器5を筐体2から取り外す。本実施例では、イオン発生器5をスライドさせることにより筺体2から容易に取り外せるようにした。イオン発生器5の電源は電極側の下にコネクタをつけて、抜き差しするだけで電源とつなぐことができる。なお、スライド機構以外に、ネジ止め、バネを用いたプッシュ機構など様々な形態を用いることができる。
吸気フィルタ3を筺体2から取り外すことにより、イオン発生器5のメンテナンス、交換が容易に行えるようになる。イオン発生器5の針電極15及び誘導電極16、特に針電極15はイオンを発生させていくと徐々に表面に異物が付着し性能を発揮しなくなる。特にシリコン含むヘアスプレを用いると、空気中にその成分が残り、その空気をファンが取り込むことにより電極の表面に異物が付着しやすくなり、比較的早い段階で性能を発揮しなくなる場合がある。そのため、定期的に電極のメンテナンスを行うか、イオン発生器5の交換を行うことが望ましい。
このようにイオン発生器5をファン6の上流に配置することにより容易にイオン発生器5をメンテナンスすることができるようになる。
図11は本発明の実施例6に係るヘアドライヤの内部構成を示す側面透視図である。
本実施例では、これまでの実施例と異なり吸気フィルタ3をイオン発生器5とファン6との間に配置した。イオン発生器5はこれまでと同様に筐体2内の上流側、つまりファン6の上流に配置されている。
空気は、吸気フィルタ3から入りファン6へ吸い込まれ、ファン6から空気流路7を通って吐出口12、ノズル13を介してヘアドライヤ1の外へ送風される。イオンは、イオン発生器5で発生し吸気フィルタ3からファン6への風の流れにのって下流へ送風される。従って、イオンによりファン6の帯電を防止すなど、これまで説明した実施例と同様な効果が得られる。
また、本実施例ではイオン発生器5をメンテナンスする場合、実施例6のように吸気フィルタ3を取り外してメンテナンスをするのではなく、裏蓋15を取り外し可能な構造とし、メンテナンスを行えるようにした。裏蓋15は筐体2と外観上の一体感を損なわないように同じ材料を使うことが好ましい。
図12は本発明の実施例7に係るヘアドライヤの内部構成を示す側面透視図である。
本実施例では、これまでの実施例と異なりイオン発生器5をファン6の下流に配置した。
このようにファンよりも下流にイオン発生器5を設ける場合、プラスイオンとマイナスイオンを発生させているため、プラスイオンとマイナスイオンが風により混ざり中和することによりイオンがヘアドライヤの外へ出ないことがある。このような問題点に対応するため、以下のような方法をとることが望ましい。なお、以下の方法は適宜組み合わせて同時に実施してもよい。
(a)実施例2(図6)のように空気流路8を左上空気流路8aと右上空気流路8bに分離し、各空気流路にプラスイオン発生部とマイナスイオン発生部とを分けて配置する。これにより、イオンが発生した直後に混合し中和するのを防止することができる。
(b)実施例3(図8)のように吹出側に整流板がついた羽6aを有するファン6を用いる。整流板を用いることで旋回風ではなく平行風をイオン発生部に送ることができプラスイオンとマイナスイオンが中和するのを少なくすることができる。
(c)速い風をイオン発生部に送るようにする。風速10m/秒以上の風を送ることが望ましい。前述のように風速が上がるほど本発明のイオン発生器5はヘアドライヤ1の外部に出るイオン個数(濃度)が高くなる。これは、イオンは針電極15の先端付近で発生するが一部は誘導電極16により中和されてしまう。そのため、針電極15で発生した直後に誘導電極16から遠ざければ多くのイオンをヘアドライヤ1の外へ送ることができる。そこで、本実施例では通常の髪を乾かすモードで風速10m/秒以上の風を送風することができる大型ファン6を用いて多くのイオンがヘアドライヤ1の外へ出るようにした。風量をあげるターボモードでは11.5m/秒である。なお、本実施例で用いたファン6を他の実施例に用いればよりよい効果が得られる。
イオン発生器5は熱に弱い。そのためヒータ11の近くに置くと熱により故障する可能性があるため、本実施例のようにヒータ11がない空気流路をヒータ11とイオン発生器5との間に配置するとよい。
図13、図14は本発明の実施例8に係るイオン発生器を示す外観図である。本イオン発生器5は実施例1から7に示したヘアドライヤに搭載可能である。
本実施例で用いたイオン発生器5は、まず図14に示すように針電極15が誘導電極16よりも10mm突出している。誘導電極16はプリント基板19に設けられている。針電極15は、プリント基板19の下の図示しないプリント基板に設けられ、プリント基板19の誘導電極16の内側に設けられた穴20を貫通して誘導電極16よりも10mm突出している。このように、針電極15と誘導電極16のプリント基板を別にすることにより、誘導電極16に針電極15に印加する高電圧のノイズが乗りにくくなる。
図13に示すように、カバー18をプリント基板19の前に取り付け、針電極15のみが見える状態にする。このようにすることにより、針電極15と誘導電極16との間にほこりが付着することがなくなり、ほこりによって両電極間にリークが起こりイオンが発生しなくなることを防止することができる。また、イオンが多く発生するのは針電極15の先端部分であり、その部分を誘導電極などで邪魔することがなくなり、効率的に針電極15の先端に風を当てることができより多くのイオンを外部へ送ることができる。
本実施例のイオン発生器を実施例1の図5(b)で説明したヘアドライヤに取り付けて実験したところ、プラスイオンが162万個、マイナスイオンが158万個と1.6倍増加した。
ここまで実施例としてヘアドライヤを用いて説明を行ってきたが、本実施例ではヘアアイロンを用いて説明を行う。
図15は本発明の実施例9に係るヘアアイロンを示す側面透視図である。
ヘアアイロン21は、筐体22内にイオン発生器25、ファン26、イオン発生器25などを動作させる基板30を有している。ヘアアイロン21の先端には髪をセットする一対のアイロン29がある。ヘアアイロン21は持手24を有する。
筐体22には、ファン26の後方から側面にかけて吸気口23がある。イオン発生器25の電極は下側にあり、空気流路27へ向かってイオンが放出される。発生したイオンは、ファン26からの送風により空気流路27を通って、筐体22の側面にあるイオン吐出口28から送風される。イオン吐出口28は左右の側面にある。イオン発生器25は、これまでの実施例と同じくプラスイオンとマイナスイオンを発生させる。
図16はヘアアイロンの実験を示す図であり、図17はヘアアイロンの実験結果を示す図である。
ここでは、ヘアアイロン21を用いてくせ毛のまとまり具合を測定している。本実験は、以下のようにくせ毛のまとまり具合を測定した。
(1)イオンなし(図16中段)
まず、長さ30cmのパーマ処理した人毛束のサンプル(以下、髪と呼ぶ)の髪の長さ方向の中央部の幅を測定する(初期幅W0)。次に、ヘアアイロン21で髪を5秒走査処理し、髪の長さ方向の中央部の幅を測定する(幅W)。そして以下に定義するまとまり度を求めた。
(1)イオンなし(図16中段)
まず、長さ30cmのパーマ処理した人毛束のサンプル(以下、髪と呼ぶ)の髪の長さ方向の中央部の幅を測定する(初期幅W0)。次に、ヘアアイロン21で髪を5秒走査処理し、髪の長さ方向の中央部の幅を測定する(幅W)。そして以下に定義するまとまり度を求めた。
まとまり度=幅W/初期幅W0
まとまり度は、初期の広がった状態の髪から、広がりが少ないストレート状態の髪への変化を表し、数値が小さいほどよい。
まとまり度は、初期の広がった状態の髪から、広がりが少ないストレート状態の髪への変化を表し、数値が小さいほどよい。
ヘアアイロン21はアイロン29により熱を加え、イオン発生器25およびファン26は動作させていない。ヘアアイロン21で髪を5秒走査処理する作業を10回行い、その都度髪の長さ方向の中央部の幅を測定した。その結果が、図16の中段に示す写真及び図17の四角で示すグラフである。なお、4回目以降はあまり変化がないことから写真は省略する。
(2)マイナスイオン(図16下段)
ここではヘアアイロン21のイオン発生器25からマイナスイオンを発生させ、上記イオンなしと同様に髪の初期値の幅を測定し、ヘアアイロン21で髪を5秒走査処理した後に髪の幅を測定し、その走査処理を10回繰り返した。その結果が、図16の下段に示す写真及び図17の三角で示すグラフである。なお、イオンは左側面から300万個/cc、右側面から400万個/cc測定された。
(3)プラスイオン、マイナスイオン(図16上段)
ここではヘアアイロン21のイオン発生器25からプラスイオンとマイナスイオンを発生させ、上記イオンなしと同様に髪の初期値の幅を測定し、ヘアアイロン21で髪を5秒走査処理した後に髪の幅を測定し、その走査処理を10回繰り返した。その結果が、図16の上段に示す写真及び図17の丸で示すグラフである。なお、イオンは左側面、右側面共にプラスイオンとマイナスイオンの総量が各々100万個/cc、つまり計200万個/cc測定された。
(2)マイナスイオン(図16下段)
ここではヘアアイロン21のイオン発生器25からマイナスイオンを発生させ、上記イオンなしと同様に髪の初期値の幅を測定し、ヘアアイロン21で髪を5秒走査処理した後に髪の幅を測定し、その走査処理を10回繰り返した。その結果が、図16の下段に示す写真及び図17の三角で示すグラフである。なお、イオンは左側面から300万個/cc、右側面から400万個/cc測定された。
(3)プラスイオン、マイナスイオン(図16上段)
ここではヘアアイロン21のイオン発生器25からプラスイオンとマイナスイオンを発生させ、上記イオンなしと同様に髪の初期値の幅を測定し、ヘアアイロン21で髪を5秒走査処理した後に髪の幅を測定し、その走査処理を10回繰り返した。その結果が、図16の上段に示す写真及び図17の丸で示すグラフである。なお、イオンは左側面、右側面共にプラスイオンとマイナスイオンの総量が各々100万個/cc、つまり計200万個/cc測定された。
図16の下段写真や図17のグラフから明らかなように、イオンを与えない状態ではあまり髪がまとまらない。これは、ヘアアイロン21はアイロン29により過熱してスタイリングを行うが、髪の水素結合が切断され髪が伸びた状態、つまりストレートヘアになるが、アイロン29で挟みながら走査するため帯電により髪の毛の束が膨らんだ状態、つまり髪のまとまりがない状態になる(写真参照)。
図16の下段写真や図17のグラフからわかるように、マイナスイオンを与えることにより帯電による影響は少なくなり髪のまとまりはイオンを与えない状態よりよくなっているが後述するプラスイオン、マイナスイオンを与えた状態よりもやや悪い。これは、実施例1でも説明したようにマイナスイオンを与え続けると髪が弱マイナスに帯電しヘアアイロン21から与えられるマイナスイオンが反発することによりマイナスイオンを含む水分子が髪へ供給されなくなることが原因と考えられる。イオンの総量はプラスイオン、マイナスイオンを与えた状態よりも多いがイオンが髪のまとまりにうまく作用していないことが分かった。
図16の上段写真や図17のグラフからわかるように、プラスイオン、マイナスイオンを与えることにより一番髪のまとまりがよくなっている。これは、実施例1で説明したようにプラスイオンとマイナスイオンとを髪に与えると、髪はほぼ帯電していない状態になり、きしみや傷みの発生が防止できるだけでなく、髪がほぼ帯電していない状態であるためプラスイオン、マイナスイオンの両イオンが髪に供給され続け水分子と結合したイオンにより多くの水分が髪に供給されるからである。そのため、例えイオンの総量がマイナスイオン単独で与える場合よりも少ない場合でも十分な効果を発揮することができ、非常に有効に作用することが判明した。
その結果、髪の水素結合を一旦切って髪の形を整えた後、ヘアアイロンの熱で加熱させることにより再び水素結合させてくせ毛を確実に伸ばしてまとまり、しっとりとしなやかに髪を整えることができ、スタイリング性能およびその持続性を向上させることができる。イオン発生器5による除電、水分の供給効果は実施例1で詳細に説明した通りであり、髪や頭皮の除菌消臭効果なども同様に得ることができる。
以上、本発明の実施例について説明を行ったが、これ以外にも様々な変更を行うことができる。例えば、ヘアケア装置としてカールブラシタイプを用いることもできる。また、イオン発生器5として格子状の電極のものを用いることもできるし、プラスイオンとマイナスイオンを交互に発生させることもできる。さらに、ファン6としてプロペラファンだけでなくシロッコファンを用いることも可能である。
本発明は、イオン発生器を搭載したヘアドライヤ、カールブラシ、ヘアアイロン等のヘアケア装置に関するものである。
1 ヘアドライヤ
2 筐体
3 吸気フィルタ
4 ハンドル
5 イオン発生器
6 ファン
7 空気流路
8 上空気流路
9 下空気流路
10 仕切板
11 ヒータ
12 吐出口
13 ノズル
14 スイッチ
15 針電極
16 誘導電極
17 裏蓋
18 カバー
19 プリント基板
20 穴
21 ヘアアイロン
22 筐体
23 吸気口
24 持手
25 イオン発生器
26 ファン
27 空気流路
28 イオン吐出口
29 アイロン
30 基板
2 筐体
3 吸気フィルタ
4 ハンドル
5 イオン発生器
6 ファン
7 空気流路
8 上空気流路
9 下空気流路
10 仕切板
11 ヒータ
12 吐出口
13 ノズル
14 スイッチ
15 針電極
16 誘導電極
17 裏蓋
18 カバー
19 プリント基板
20 穴
21 ヘアアイロン
22 筐体
23 吸気口
24 持手
25 イオン発生器
26 ファン
27 空気流路
28 イオン吐出口
29 アイロン
30 基板
Claims (5)
- 筐体と、前記筐体内にヒータ、及びイオン発生器とを備え、
前記イオン発生器は、発生するイオンが水素イオンを主成分とするプラスイオンと酸素イオンを主成分とするマイナスイオンであることを特徴とするヘアケア装置。 - 前記イオン発生器は、針電極と誘導電極とを備え、両電極間に印加される実効電圧の絶対値が1.5kVから6.0kVであることを特徴とする請求項1に記載のヘアケア装置。
- 前記筐体内にファンをさらに備え、前記イオン発生器は、前記ファンよりも上流に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のヘアケア装置。
- 筐体と、前記筐体内にヒータ、及びイオン発生器とを備え、
前記イオン発生器で発生するイオンが水素イオンを主成分とするプラスイオンと酸素イオンを主成分とするマイナスイオンであり、前記両イオンにより生成されるOHラジカルの酸化分解作用により、髪及び頭皮の除菌と汚れを軽減することを特徴とするヘアケア装置。 - 筐体と、前記筐体内にヒータ、及びイオン発生器とを備え、
前記イオン発生器で発生するイオンが水素イオンを主成分とするプラスイオンと酸素イオンを主成分とするマイナスイオンであり、前記両イオンの少なくとも一部は水分子と結合しており、前記両イオンにより髪の除電と、髪に水分を与えて保湿を行うことを特徴とするヘアケア装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011236701A JP2013094193A (ja) | 2011-10-28 | 2011-10-28 | ヘアケア装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2011236701A JP2013094193A (ja) | 2011-10-28 | 2011-10-28 | ヘアケア装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2011
- 2011-10-28 JP JP2011236701A patent/JP2013094193A/ja active Pending
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