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JP2013083934A - スペーサ形成用感光性樹脂組成物、スペーサ、表示装置、及びスペーサの形成方法 - Google Patents

スペーサ形成用感光性樹脂組成物、スペーサ、表示装置、及びスペーサの形成方法 Download PDF

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JP2013083934A JP2012174279A JP2012174279A JP2013083934A JP 2013083934 A JP2013083934 A JP 2013083934A JP 2012174279 A JP2012174279 A JP 2012174279A JP 2012174279 A JP2012174279 A JP 2012174279A JP 2013083934 A JP2013083934 A JP 2013083934A
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Abstract

【課題】プロキシミティ露光装置を用いてスペーサを形成する場合でも、小径のスペーサを形成しやすいスペーサ形成用感光性樹脂組成物、当該感光性樹脂組成物から形成されたスペーサ、当該スペーサを備える表示装置、及び当該感光性樹脂組成物を用いるスペーサの形成方法を提供すること。
【解決手段】アルカリ可溶性樹脂(A)、光重合性モノマー(B)、及び光重合開始剤(C)、及び下記式(1)で表される化合物を含有する、スペーサ形成用感光性樹脂組成物を用いる。式中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は有機基を示すが、少なくとも一方は有機基を示す。R及びRは、それらが結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。Rは、単結合又は有機基を示す。R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、有機基等を示すが、R及びRが水酸基となることはない。R10は、水素原子又は有機基を示す。
Figure 2013083934

【選択図】なし

Description

本発明は、スペーサ形成用感光性樹脂組成物、スペーサ、表示装置、及びスペーサの形成方法に関する。
液晶表示装置、有機EL方式の表示装置等の表示装置では、種々の目的で、2枚の基板間に所定の高さの空間を形成するためのスペーサが利用されている。例えば、液晶パネルにおいては、液晶材料を2枚のガラス基板等の透明な基板でサンドイッチする構造を採るため、液晶材料を充填できるように、2枚の基板間にスペーサを形成することが必要である。
従来、スペーサを形成するには、基板の全面にスペーサとなるビーズ粒子を散布する方法が採られていた。しかし、この方法では高い位置精度でスペーサを形成することが困難であり、画素表示部分にもビーズが付着するため、画像のコントラストや表示画質が低下する問題があった。そこで近年では、このスペーサを感光性樹脂組成物により形成する方法が種々提案されている(特許文献1,2等を参照)。この方法は、感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、所定のマスクを介して露光した後、現像して、ドット状等のスペーサを形成するものであり、画素表示部分以外の所定の部分にのみスペーサを形成することができる。
特開2006−184841号公報 特開2006−308961号公報
液晶表示装置等の表示装置は、年々、高精細な画像を得るために表示画素数が増加しており、それに伴い基板上に形成するスペーサの直径も小径化する必要がある。しかし、従来、スペーサ形成用に用いられている感光性樹脂組成物では、小径のスペーサを形成しにくい問題がある。
また、近年、各種の表示装置について低価格化が望まれており、表示装置の多岐に渡る製造工程においてコストダウンが強く望まれている。
コストダウンの観点からは、感光性樹脂組成物を用いてスペーサを形成する工程では、露光装置としてプロキシミティ露光装置を用いるのが好ましい。プロキシミティ露光装置は安価であり、設備投資額を減らすことができるためである。しかし、プロキシミティ露光装置を用いる場合、フォトマスクと基板との間に露光ギャップが生じるため、特に小径のスペーサを形成しにくい問題がある。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、露光装置として、プロキシミティ露光装置を用いてスペーサを形成する場合でも、小径のスペーサを形成しやすいスペーサ形成用感光性樹脂組成物、当該感光性樹脂組成物から形成されたスペーサ、当該スペーサを備える表示装置、及び当該感光性樹脂組成物を用いるスペーサの形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その結果、アルカリ可溶性樹脂(A)、光重合性モノマー(B)、及び光重合開始剤(C)を含むスペーサ形成用感光性樹脂組成物に、特定の構造の化合物を配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第一の態様は、アルカリ可溶性樹脂(A)、光重合性モノマー(B)、光重合開始剤(C)、及び下記式(1)で表される化合物を含有する、スペーサ形成用感光性樹脂組成物である。
Figure 2013083934
(式中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は有機基を示す。ただし、R及びRの少なくとも一方は有機基を示す。R及びRは、それらが結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。Rは、単結合又は有機基を示す。R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、又は有機基を示す。R、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基を示す。ただし、R及びRが水酸基となることはない。R、R、R、及びRは、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。R10は、水素原子又は有機基を示す。)
本発明の第二の態様は、第一の態様のスペーサ形成用感光性樹脂組成物から形成されたスペーサである。
本発明の第三の態様は、第二の態様のスペーサを備える表示装置である。
本発明の第四の態様は、第一の態様のスペーサ形成用感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、感光性樹脂層を形成する塗布工程と、
感光性樹脂層を所定のスペーサのパターンに応じて露光する露光工程と、
露光された感光性樹脂層を現像して、スペーサのパターンを形成する現像工程と、を含む、スペーサの形成方法である。
本発明によれば、露光装置として、プロキシミティ露光装置を用いてスペーサを形成する場合でも、小径のスペーサを形成しやすいスペーサ形成用感光性樹脂組成物、当該感光性樹脂組成物から形成されたスペーサ、当該スペーサを備える表示装置、及び当該感光性樹脂組成物を用いるスペーサの形成方法を提供することができる。
≪スペーサ形成用感光性樹脂組成物≫
本発明に係るスペーサ形成用感光性樹脂組成物(以下、「感光性樹脂組成物」ともいう。)は、アルカリ可溶性樹脂(A)、光重合性モノマー(B)、光重合開始剤(C)、及び上述の式(1)で表される化合物を少なくとも含有している。以下、本発明に係るスペーサ形成用感光性樹脂組成物に含有される各成分について説明する。
<アルカリ可溶性樹脂(A)>
アルカリ可溶性樹脂とは、樹脂濃度20質量%の樹脂溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)により、膜厚1μmの樹脂膜を基板上に形成し、濃度0.05質量%のKOH水溶液に1分間浸漬した際に、膜厚0.01μm以上溶解するものをいう。
アルカリ可溶性樹脂(A)としては、従来からスペーサ形成用感光性樹脂組成物に使用されていた樹脂であれば特に制限されず、適宜選択して使用することができる。好適なアルカリ可溶性樹脂(A)としては、破壊強度や基板への密着性に優れるスペーサを得やすいことから、不飽和カルボン酸(a1)と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(a2)とを少なくとも重合させた共重合体(A1)を含むものが挙げられる。
不飽和カルボン酸(a1)としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸;これらジカルボン酸の無水物;等が挙げられる。これらの中でも、共重合反応性、得られる樹脂のアルカリ溶解性、入手の容易性等の点から、(メタ)アクリル酸及び無水マレイン酸が好ましい。これらの不飽和カルボン酸(a1)は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(a2)としては、脂環式エポキシ基を有する不飽和化合物であれば特に限定されない。脂環式エポキシ基を構成する脂環式基は、単環であっても多環であってもよい。単環の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、多環の脂環式基としては、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等が挙げられる。これらの脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(a2)は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的に、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(a2)としては、例えば下記式(a2−1)〜(a2−16)で表される化合物が挙げられる。これらの中でも、現像性を適度なものするためには、下記式(a2−1)〜(a2−6)で表される化合物が好ましく、下記式(a2−1)〜(a2−4)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2013083934
Figure 2013083934
Figure 2013083934
上記式中、R11は水素原子又はメチル基を示し、R12は炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、R13は炭素数1〜10の2価の炭化水素基を示し、nは0〜10の整数を示す。R12としては、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。R13としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、フェニレン基、シクロヘキシレン基、−CH−Ph−CH−(Phはフェニレン基を示す)が好ましい。
共重合体(A1)は、上記不飽和カルボン酸(a1)及び上記脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(a2)とともに、エポキシ基を有さない脂環式基含有不飽和化合物(a3)を重合させたものであってもよい。
脂環式基含有不飽和化合物(a3)としては、脂環式基を有する不飽和化合物であれば特に限定されない。脂環式基は、単環であっても多環であってもよい。単環の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、多環の脂環式基としては、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等が挙げられる。これらの脂環式基含有不飽和化合物(a3)は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的に、脂環式基含有不飽和化合物(a3)としては、例えば下記式(a3−1)〜(a3−7)で表される化合物が挙げられる。これらの中でも、現像性を適度なものするためには、下記式(a3−3)〜(a3−8)で表される化合物が好ましく、下記式(a3−3),(a3−4)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2013083934
Figure 2013083934
上記式中、R21は水素原子又はメチル基を示し、R22は単結合又は炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、R23は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。R22としては、単結合、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。R23としては、例えばメチル基、エチル基が好ましい。
また、共重合体(A1)は、上記不飽和カルボン酸(a1)及び上記脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(a2)、さらには上記脂環式基含有不飽和化合物(a3)とともに、脂環式基を有さないエポキシ基含有不飽和化合物(a4)を重合させたものであってもよい。
エポキシ基含有不飽和化合物(a4)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エポキシアルキルエステル類;α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸6,7−エポキシヘプチル等のα−アルキルアクリル酸エポキシアルキルエステル類;等が挙げられる。これらの中でも、共重合反応性、硬化後の樹脂の強度等の点から、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、及び6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレートが好ましい。これらのエポキシ基含有不飽和化合物(a4)は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、共重合体(A1)は、上記以外の他の化合物をさらに重合させたものであってもよい。このような他の化合物としては、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類等が挙げられる。これらの化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(メタ)アクリレート;クロロエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N−アリール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−アリール(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アリル化合物としては、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等のアリルエステル類;アリルオキシエタノール;等が挙げられる。
ビニルエーテル類としては、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテル等のビニルアリールエーテル;等が挙げられる。
ビニルエステル類としては、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフエニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロル安息香酸ビニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニル等が挙げられる。
スチレン類としては、スチレン;メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン等のアルキルスチレン;メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン等のアルコキシスチレン;クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルスチレン、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレン等のハロスチレン;等が挙げられる。
共重合体(A1)に占める上記不飽和カルボン酸(a1)由来の構成単位の割合は、1〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
また、共重合体(A1)に占める上記脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(a2)由来の構成単位の割合と上記エポキシ基含有不飽和化合物(a4)由来の構成単位の割合との合計は、71質量%以上であることが好ましく、71〜95質量%であることがより好ましく、75〜90質量%であることがさらに好ましい。特に、共重合体(A1)に占める上記脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(a2)由来の構成単位の割合が単独で71質量%以上であることが好ましく、71〜80質量%であることがより好ましい。上記脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(a2)由来の構成単位の割合を上記の範囲にすることにより、感光性樹脂組成物の経時安定性をより向上させることができる。
また、共重合体(A1)に占める上記脂環式基含有不飽和化合物(a3)由来の構成単位の割合は、1〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
共重合体(A1)の質量平均分子量(Mw:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のスチレン換算による測定値。本明細書において同じ。)は、2000〜200000であることが好ましく、5000〜30000であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、感光性樹脂組成物の膜形成能、露光後の現像性のバランスがとりやすい傾向がある。
共重合体(A1)が上記不飽和カルボン酸(a1)、上記脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(a2)、上記エポキシ基含有不飽和化合物(a4)以外の化合物を重合させたものである場合、共重合体(A1)は公知のラジカル重合法により製造することができる。すなわち、各化合物、並びに公知のラジカル重合開始剤を重合溶媒に溶解した後、加熱撹拌することにより製造することができる。
一方、共重合体(A1)が上記不飽和カルボン酸(a1)、上記脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(a2)、上記エポキシ基含有不飽和化合物(a4)以外の化合物を重合させたものではない場合、通常のラジカル重合法では不飽和カルボン酸(a1)のカルボキシル基と上記脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(a2)又は上記エポキシ基含有不飽和化合物(a4)のエポキシ基とが反応し、ゲル化してしまうことがある。
そこで、このような場合には、まず、不飽和カルボン酸と特定の反応性化合物とを反応させて反応混合物を得て(反応工程)、次いで、この反応混合物と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物やエポキシ基含有不飽和化合物とを共重合させる(重合工程)ことにより共重合体(A1)を製造する。必要に応じて最後に精製・洗浄を行ってもよい(精製工程)。
まず、反応工程では、不飽和カルボン酸と、下記式(i)〜(iii)で表される化合物(反応性化合物)から選ばれる少なくとも1種の化合物とを、フラスコ等の適当な反応容器に仕込み、加熱撹拌することにより、反応混合物を得る。
Figure 2013083934
(式(i)中、R31及びR32はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を示し、R33は酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を示す。)
Figure 2013083934
(式(ii)中、R34及びR35はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
Figure 2013083934
(式(iii)中、R36及びR37はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を示し、R38は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
上記式(i)で表される化合物としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジプロポキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエトキシメタン、ジプロポキシメタン、ジブトキシメタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジエトキシプロパン、1,1−ジプロポキシプロパン、1,1−ジブトキシプロパン、2,2−ジメトキシプロパン、2,2−ジエトキシプロパン、2,2−ジプロポキシプロパン、2,2−ジブトキシプロパン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等が挙げられる。
上記式(ii)で表される化合物としては、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン、2,5−ジエトキシテトラヒドロフラン、2,5−ジプロポキシテトラヒドロフラン、2,5−ジブトキシテトラヒドロフラン等が挙げられる。
上記式(iii)で表される化合物としては、3,4−ジメトキシトルエン、3,4−ジエトキシトルエン、3,4−ジプロポキシトルエン、3,4−ジブトキシトルエン、1,2−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシベンゼン、1,2−ジプロポキシベンゼン、1,2−ジブトキシベンゼン等が挙げられる。
これらの反応性化合物の中でも、不飽和カルボン酸との反応性の点から、ジエトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン、1,1−ジエトキシプロパン、及び2,2−ジエトキシプロパンが好ましい。これらの反応性化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
不飽和カルボン酸と反応性化合物とのモル比は特に限定されないが、1:0.5〜1:3が好ましく、1:0.8〜1:2がより好ましい。また、反応温度は60〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。反応時間は10分間〜10時間が好ましく、30分間〜5時間がより好ましい。
次いで、重合工程では、反応工程で得られた反応混合物と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物やエポキシ基含有不飽和化合物とを公知のラジカル重合開始剤とともに重合溶媒に溶解した後、加熱撹拌することにより、共重合体を得る。
最後に、精製工程では、例えば貧溶媒等を用いて洗浄することにより残物を取り除く。
また、アルカリ可溶性樹脂(A)としては、上記不飽和カルボン酸(a1)に由来する構成単位と、後述する光重合性モノマー(B)との重合可能部位を有する構成単位とを少なくとも有する共重合体(A2)、又は上記不飽和カルボン酸(a1)に由来する構成単位と、上記エポキシ基含有不飽和化合物(a4)に由来する構成単位と、後述する光重合性モノマー(B)との重合可能部位を有する構成単位とを少なくとも有する共重合体(A3)を含む樹脂も好適に使用できる。アルカリ可溶性樹脂(A)が共重合体(A2)、又は(A3)を含む場合、感光性樹脂組成物の基板への密着性、感光性樹脂組成物の硬化後の破壊強度を高めることができる。
共重合体(A2)、及び共重合体(A3)は、共重合体(A1)について他の化合物として記載される、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類等をさらに共重合させたものであってもよい。
光重合性モノマー(B)との重合可能部位を有する構成単位は、光重合性モノマー(B)との重合可能部位としてエチレン性不飽和基を有するものが好ましい。このような構成単位を有する共重合体化は、共重合体(A2)については、上記不飽和カルボン酸(a1)の単独重合体に含まれるカルボキシル基の一部と、上記脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(a2)及び、エポキシ基を有さない脂環式基含有不飽和化合物(a3)から選択されるエポキシ基含有不飽和化合物とを反応させることにより、調製することができる。また、共重合体(A3)は、上記不飽和カルボン酸(a1)に由来する構成単位と、上記エポキシ基含有不飽和化合物(a4)に由来する構成単位とを有する共重合体におけるエポキシ基の一部と、不飽和カルボン酸(a1)とを反応させることにより、調製することができる。
共重合体(A2)、及び共重合体(A3)の質量平均分子量は、2000〜50000であることが好ましく、5000〜30000であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、感光性樹脂組成物の膜形成能、露光後の現像性のバランスがとりやすい傾向がある。
なお、アルカリ可溶性樹脂(A)としては、共重合体(A1)、(A2)、及び(A3)から選択される樹脂以外に、従来公知の他のアルカリ可溶性樹脂を含んでいてもよい。ただし、アルカリ可溶性樹脂(A)に占める、共重合体(A1)、(A2)、及び(A3)から選択される樹脂の割合は80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂(A)の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分に対して40〜85質量%であることが好ましく、45〜75質量%であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、現像性のバランスをとりやすい傾向がある。
<光重合性モノマー(B)>
本発明に係るスペーサ形成用感光性樹脂組成物に含有される光重合性モノマー(B)(以下、「(B)成分」ともいう。)としては、エチレン性不飽和基を有するモノマーを好ましく用いることができる。このエチレン性不飽和基を有するモノマーには、単官能モノマーと多官能モノマーとがある。
単官能モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能モノマーは、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
一方、多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート(すなわち、トリレンジイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネート等と2−ビドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドメチレンエーテル、多価アルコールとN−メチロール(メタ)アクリルアミドとの縮合物等の多官能モノマーや、トリアクリルホルマール等が挙げられる。これらの多官能モノマーは、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーの中でも、スペーサ形成用感光性樹脂組成物の基板への密着性、感光性樹脂組成物の硬化後の破壊強度を高める点から、3官能以上の多官能モノマーが好ましく、6官能以上の多官能モノマーがより好ましい。
(B)成分の含有量は、スペーサ形成用感光性樹脂組成物の固形分に対して5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、感度、現像性、解像性のバランスがとりやすい傾向がある。
<光重合開始剤(C)>
本発明に係るスペーサ形成用感光性樹脂組成物に含有される光重合開始剤(C)(以下、「(C)成分」ともいう。)としては、特に限定されず、従来公知の光重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤として具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾル−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ−2−エチルヘキシル安息香酸、4−ジメチルアミノ−2−イソアミル安息香酸、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、ベンジルジメチルケタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、チオキサンテン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2−イソプロピルチオキサンテン、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド、2−メルカプトベンゾイミダール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス−(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス−(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス−(9−アクリジニル)プロパン、p−メトキシトリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、オキシム系の光重合開始剤を用いることが、感度の面で特に好ましい。オキシム系の光重合開始剤の中で、特に好ましいものとしては、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾル−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)、及び1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]が挙げられる。
(C)成分の含有量は、スペーサ形成用感光性樹脂組成物の固形分に対して0.5〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、十分な耐熱性、耐薬品性を得ることができ、また塗膜形成能を向上させ、硬化不良を抑制することができる。
また、この(C)成分に、光開始助剤を組み合わせてもよい。光開始助剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸メチル、ペンタエリストールテトラメルカプトアセテート、3−メルカプトプロピオネート等のチオール化合物等が挙げられる。これらの光開始助剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
<式(1)で表される化合物>
本発明に係るスペーサ形成用感光性樹脂組成物は、下記式(1)で表される化合物を含有する。スペーサ形成用感光性樹脂組成物にこの化合物を含有させる場合、露光装置として、プロキシミティ露光装置を用いてスペーサを形成する場合でも、小径のスペーサを形成しやすくなる。また、式(1)で表される化合物は、感光性樹脂組成物のハーフトーン特性、及び感度や、得られるスペーサの破壊強度に悪影響を与えにくく、本発明に係るスペーサ形成用感光性樹脂組成物は、これらの特性について、式(1)で表される化合物を含まない従来の感光性樹脂組成物と遜色のない特性を備える。
Figure 2013083934
上記式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は有機基を示すが、R及びRの少なくとも一方は有機基を示す。
及びRにおける有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。この有機基は、該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。この有機基は、通常は1価であるが、環状構造を形成する場合等には、2価以上の有機基となり得る。
及びRは、それらが結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合をさらに含んでいてもよい。環状構造としては、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基等が挙げられ、縮合環であってもよい。
及びRの有機基中の炭化水素基以外の結合としては、本発明の効果が損なわれない限り特に限定されず、酸素原子、窒素原子、珪素原子等のヘテロ原子を含む結合が挙げられる。具体例としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:Rは水素原子又は有機基を示す)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合、アゾ結合等が挙げられる。
耐熱性の観点から、R及びRの有機基中の炭化水素基以外の結合としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:Rは水素原子又は1価の有機基を示す)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合が好ましい。
及びRの有機基中の炭化水素基以外の置換基としては、本発明の効果が損なわれない限り特に限定されず、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ヒドロキシイミノ基、アルキルエーテル基、アルケニルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アルケニルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アミノ基(−NH、−NHR、−NRR’:R及びR’はそれぞれ独立に炭化水素基を示す)等が挙げられる。上記置換基に含まれる水素原子は、炭化水素基によって置換されていてもよい。また、上記置換基に含まれる炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれでもよい。
及びRの有機基中の炭化水素基以外の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ヒドロキシイミノ基、アルキルエーテル基、アルケニルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アルケニルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基が好ましい。
以上の中でも、R及びRとしては、少なくとも一方が炭素数1〜12のアルキル基若しくは炭素数1〜12のアリール基であるか、互いに結合して炭素数2〜20のヘテロシクロアルキル基若しくはヘテロアリール基を形成するものであることが好ましい。ヘテロシクロアルキル基としては、ピペリジノ基、モルホリノ基等が挙げられ、ヘテロアリール基としては、イミダゾリル基、ピラゾリル基等が挙げられる。
上記式(1)中、Rは、単結合又は有機基を示す。
における有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基等から1個の水素原子を除いた基が挙げられる。この有機基は、該有機基中に置換基を含んでいてもよい。置換基としては、R及びRにおいて例示したものが挙げられる。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。
以上の中でも、Rとしては、単結合、又は炭素数1〜12のアルキル基若しくは炭素数1〜12のアリール基から1個の水素原子を除いた基であることが好ましい。
上記式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、又は有機基を示す。
及びRにおける有機基としては、R及びRにおいて例示したものが挙げられる。この有機基は、R及びRの場合と同様に、該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
以上の中でも、R及びRとしては、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数4〜13のシクロアルキル基、炭素数4〜13のシクロアルケニル基、炭素数7〜16のアリールオキシアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、シアノ基を有する炭素数2〜11のアルキル基、水酸基を有する炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜11のアミド基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数1〜10のアシル基、炭素数2〜11のエステル基(−COOR、−OCOR:Rは炭化水素基を示す)、炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換した炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換したベンジル基、シアノ基、メチルチオ基であることが好ましい。より好ましくは、R及びRの両方が水素原子であるか、又はRがメチル基であり、Rが水素原子である。
上記式(1)中、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基を示す。
、R、R、及びRにおける有機基としては、R及びRにおいて例示したものが挙げられる。この有機基は、R及びRの場合と同様に、該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
なお、上記式(1)中、R及びRが水酸基となることはない。
、R、R、及びRは、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。環状構造としては、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基等が挙げられ、縮合環であってもよい。例えば、R、R、R、及びRは、それらの2つ以上が結合して、R、R、R、及びRが結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インデン等の縮合環を形成してもよい。
以上の中でも、R、R、R、及びRとしては、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数4〜13のシクロアルキル基、炭素数4〜13のシクロアルケニル基、炭素数7〜16のアリールオキシアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、シアノ基を有する炭素数2〜11のアルキル基、水酸基を有する炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜11のアミド基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数1〜10のアシル基、炭素数2〜11のエステル基、炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換した炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換したベンジル基、シアノ基、メチルチオ基、ニトロ基であることが好ましい。
また、R、R、R、及びRとしては、それらの2つ以上が結合して、R、R、R、及びRが結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インデン等の縮合環を形成している場合も、吸収波長が長波長化する点から好ましい。
より好ましくは、R、R、R、及びRの全てが水素原子であるか、又はR、R、R、及びRのいずれか1つがニトロ基であり、残り3つが水素原子である。
上記式(1)中、R10は、水素原子又は有機基を示す。
10における有機基としては、R及びRにおいて例示したものが挙げられる。この有機基は、R及びRの場合と同様に、該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
上記式(1)で表される化合物は、ベンゼン環のパラ位に−OR10基を有するため、溶媒への溶解性が良好である。
以上の中でも、R10としては、水素原子、又は炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
上記式(1)で表される化合物のうち、特に好ましい具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013083934
Figure 2013083934
Figure 2013083934
上記式(1)で表される化合物の合成方法は特に限定されないが、後述する実施例に記載される方法に従って合成することが可能である。
スペーサ形成用感光性樹脂組成物における、上記式(1)で表される化合物の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。上記式(1)で表される化合物の含有量は、典型的には、アルカリ可溶性樹脂(A)と光重合性モノマー(B)との合計量100質量部に対して、0.01〜2.5質量部が好ましく、0.01〜0.5質量部がより好ましい。スペーサ形成用感光性樹脂組成物における、上記式(1)で表される化合物の含有量をかかる範囲とする場合、基板に対する密着性に優れるスペーサを形成しやすい。
<着色剤(D)>
本発明に係るスペーサ形成用感光性樹脂組成物は、さらに着色剤(D)を含んでもよい。特に、スペーサ形成用感光性樹脂組成物が着色剤として遮光剤を含む場合、ブラックスペーサの形成用に好適に用いられる。ブラックスペーサによれば、表示装置におけるスペーサ部分からの光抜けを抑制することができ、コントラストの高い好適な画像を表示可能な表示装置を製造できる。
本発明に係るスペーサ形成用感光性樹脂組成物に含有される着色剤(D)としては、特に限定されないが、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists社発行)において、ピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを用いるのが好ましい。
好適に使用できる黄色顔料の例としては、C.I.ピグメントイエロー1(以下、「C.I.ピグメントイエロー」は同様であり、番号のみを記載する。)、3、11、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、55、60、61、65、71、73,74、81、83、86、93、95、97、98、99、100、101、104、106、108、109、110、113、114、116、117、119、120、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、166、167、168、175、180、及び185が挙げられる。
好適に使用できる橙色顔料の例としては、C.I.ピグメントオレンジ1(以下、「C.I.ピグメントオレンジ」は同様であり、番号のみを記載する。)、5、13、14、16、17、24、34、36、38、40、43、46、49、51、55、59、61、63、64、71、及び73が挙げられる。
好適に使用できる紫色顔料の例としては、C.I.ピグメントバイオレット1(以下、「C.I.ピグメントバイオレット」は同様であり、番号のみを記載する。)、19、23、29、30、32、36、37、38、39、40、及び50が挙げられる。
好適に使用できる赤色顔料の例としては、C.I.ピグメントレッド1(以下、「C.I.ピグメントレッド」は同様であり、番号のみを記載する。)2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、50:1、52:1、53:1、57、57:1、57:2、58:2、58:4、60:1、63:1、63:2、64:1、81:1、83、88、90:1、97、101、102、104、105、106、108、112、113、114、122、123、144、146、149、150、151、155、166、168、170、171、172、174、175、176、177、178、179、180、185、187、188、190、192、193、194、202、206、207、208、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、243、245、254、255、264、及び265が挙げられる。
好適に使用できる青色顔料の例としては、C.I.ピグメントブルー1(以下、「C.I.ピグメントブルー」は同様であり、番号のみを記載する。)、2、15、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、及び66が挙げられる。
好適に使用できる、上記の他の色相の顔料の例としては、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン37等の緑色顔料、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラウン26、C.I.ピグメントブラウン28等の茶色顔料、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7等の黒色顔料が挙げられる。
また、着色剤を遮光剤とする場合、遮光剤としては黒色顔料を用いることが好ましい。黒色顔料としては、カーボンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、銅、鉄、マンガン、コバルト、クロム、ニッケル、亜鉛、カルシウム、銀等の金属酸化物、複合酸化物、金属硫化物、金属硫酸塩又は金属炭酸塩等、有機物、無機物を問わず各種の顔料を挙げることができる。これらの中でも、高い遮光性を有するカーボンブラックを用いることが好ましい。
カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、ランプブラック等の公知のカーボンブラックを用いることができるが、遮光性に優れるチャンネルブラックを用いることが好ましい。また、樹脂被覆カーボンブラックを使用してもよい。
また、カーボンブラックの色調を調整するために、補助顔料として上記の有機顔料を適宜添加してもよい。
上記の着色剤をスペーサ形成用感光性樹脂組成物において均一に分散させるために、さらに分散剤を使用してもよい。このような分散剤としては、ポリエチレンイミン系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系の高分子分散剤を用いることが好ましい。特に、着色剤として、カーボンブラックを用いる場合には、分散剤としてアクリル樹脂系の分散剤を用いることが好ましい。
また、無機顔料と有機顔料はそれぞれ単独又は2種以上併用してもよいが、併用する場合には、無機顔料と有機顔料との総量100質量部に対して、有機顔料を10〜80質量部の範囲で用いることが好ましく、20〜40質量部の範囲で用いることがより好ましい。
スペーサ形成用感光性樹脂組成物における着色剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で適宜選択でき、典型的には、スペーサ形成用感光性樹脂組成物の固形分の合計100質量部に対して、5〜70質量部が好ましく、25〜60質量部がより好ましい。上記の範囲とすることにより、所望の形状のスペーサを形成しやすい。
特に、スペーサ形成用感光性樹脂組成物を使用してブラックスペーサを形成する場合には、ブラックスペーサの被膜1μm当たりのOD値が0.5以上となるようにスペーサ形成用感光性樹脂組成物における遮光剤の量を調整することが好ましい。ブラックスペーサにおける被膜1μm当たりのOD値が0.5以上あれば、表示装置のスペーサ部分からの光抜けを良好に抑制しやすく、十分な表示コントラストを得ることができる。
着色剤は、分散剤を用いて適当な濃度で分散させた分散液とした後、スペーサ形成用感光性樹脂組成物に添加することが好ましい。
<光吸収剤(E)>
本発明に係るスペーサ形成用感光性樹脂組成物は、必要に応じ光吸収剤(E)(以下、「(E)成分」ともいう。)を含んでいてもよい。光吸収剤(E)としては、特に限定されず、露光光を吸収することができるものを用いることができるが、特に、200〜450nmの波長領域の光を吸収するものが好ましい。例えばナフタレン化合物、ジナフタレン化合物、アントラセン化合物、フェナントロリン化合物、染料等が挙げられる。
具体的には、α−ナフトール、β−ナフトール、α−ナフトールメチルエーテル、α−ナフトールエチルエーテル、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、アントラセン、9,10−ジヒドロキシアントラセン等のナフタレン誘導体又はアントラセン若しくはその誘導体;アゾ系染料、ベンゾフェノン系染料、アミノケトン系染料、キノリン系染料、アントラキノン系染料、ジフェニルシアノアクリレート系染料、トリアジン系染料、p−アミノ安息香酸系染料等の染料;等が挙げられる。これらの中でも、ナフタレン誘導体を用いることが好ましく、水酸基を有するナフタレン誘導体が特に好ましい。これらの光吸収剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(D)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.05〜7質量部であることがより好ましく、0.1〜5質量部であることがさらに好ましい。上記の範囲とすることにより、硬化後の破壊強度を良好に保ちながら、露光量を変化させたときの樹脂パターンの膜厚変化の割合を大きくすることができる。
<有機溶剤(S)>
本発明に係るスペーサ形成用感光性樹脂組成物は、塗布性の改善、粘度調整のため、有機溶剤(S)(以下、「(S)成分」ともいう。)を含むことが好ましい。
有機溶剤として具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、蟻酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;等が挙げられる。これらの中でも、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、上述した他のエーテル類、乳酸アルキルエステル類、上述した他のエステル類が好ましく、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、上述した他のエーテル類、上述した他のエステル類がより好ましい。これらの溶剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(S)成分の含有量は、特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。感光性樹脂組成物の粘度は5〜500cpであることが好ましく、10〜50cpであることがより好ましく、20〜30cpであることがさらに好ましい。また、固形分濃度は5〜100質量%であることが好ましく、20〜50質量%であることがより好ましい。
<その他の成分>
本発明に係る感光性樹脂組成物には、必要に応じて、界面活性剤、密着性向上剤、熱重合禁止剤、消泡剤等の添加剤を含有させることができる。いずれの添加剤も、従来公知のものを用いることができる。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の化合物が挙げられ、密着性向上剤としては、従来公知のシランカップリング剤が挙げられ、熱重合禁止剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノエチルエーテル等が挙げられ、消泡剤としては、シリコーン系、フッ素系化合物等が挙げられる。
<感光性樹脂組成物の調製方法>
本発明に係る感光性樹脂組成物は、上記各成分を3本ロールミル、ボールミル、サンドミル等の撹拌機で混合(分散・混練)し、必要に応じて5μmメンブランフィルタ等のフィルタで濾過して調製することができる。
≪スペーサ、及び表示装置≫
本発明に係るスペーサは、上述のスペーサ形成用感光性樹脂組成物を用いることの他は、感光性樹脂組成物を用いて形成された従来のスペーサと同様である。また、本発明に係る表示装置は、上述のスペーサ形成用感光性樹脂組成物により形成されたスペーサを備えることの他は、従来の表示装置と同様である。以下ではスペーサの形成方法についてのみ説明する。
上述のスペーサ形成用感光性樹脂組成物を用いて、スペーサを形成する方法は特に制限されず、従来より採用されている表示装置用のスペーサの形成方法から適宜選択できる。好適なスペーサの形成方法としては、上述のスペーサ形成用感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、感光性樹脂層を形成する塗布工程と、感光性樹脂層を所定のスペーサのパターンに応じて露光する露光工程と、露光された感光性樹脂層を現像して、スペーサのパターンを形成する現像工程と、を含む方法が挙げられる。
まず、塗布工程では、スペーサが形成されるべき基板上に、ロールコーター、リバースコーター、バーコーター等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコーター等の非接触型塗布装置を用いて本発明に係る感光性樹脂組成物を塗布し、必要に応じて、乾燥により溶媒を除去して、感光性樹脂層を形成する。
表示装置におけるスペーサは、対向して配置される2種の基板間に所定の高さの空間を形成するために用いられるが、感光性樹脂層は2種の基板のいずれの表面に形成されてもよい。具体的には、例えば、表示装置がTFT液晶パネルを用いた物である場合、感光性樹脂層は、TFT基板上に形成されても、カラーフィルター基板上に形成されてもよい。
次いで、表面に感光性樹脂層が形成された基板は、露光工程に供される。露光工程では、ネガ型のマスクを介して、感光性樹脂層に紫外線、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線を照射し、感光性樹脂層を所定のスペーサのパターンに応じて部分的に露光する。露光には、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク灯等の紫外線を発する光源を用いることができる。露光量は感光性樹脂組成物の組成によっても異なるが、例えば10〜600mJ/cm程度が好ましい。
露光工程で用いる露光装置は特に限定されず、ミラープロジェクション方式の露光装置や、プロキシミティ露光装置等を使用することができる。ミラープロジェクション方式の露光装置の具体例としてはMPA−7800CF(キヤノン株式会社製)等が挙げられる。ミラープロジェクション方式の露光装置によれば、フォトマスクと基板との間の露光ギャップが無いため、微小な径のスペーサを形成しやすい。プロキシミティ露光装置の具体例としては、TME−150RTO(株式会社トプコン製)等が挙げられる。プロキシミティ露光装置は、安価であるため表示装置の製造コストを下げることができる一方で、露光時にフォトマスクと基板との間に露光ギャップが生じるため、スペーサの径が大きくなりやすい傾向がある。しかし、上述のスペーサ形成用感光性樹脂組成物を用いれば、プロキシミティ露光装置を用いて露光を行う場合であっても、小径のスペーサを形成しやすい。
基板がTFT基板等の、基板上に素子が形成されたものである場合、素子上又は、素子が形成された基板と対になる基板の素子と対向する個所にスペーサを形成する必要がある場合がある。かかる場合、素子の高さを考慮して、素子が形成された個所と、その他の個所とで、スペーサの高さを変える必要があるため、ハーフトーンマスクを介して露光を行うのが好ましい。上述のスペーサ形成用感光性樹脂組成物を用いれば、ハーフトーンマスクを介して露光を行うことにより、高さの異なるスペーサを容易に形成できる。
現像工程では、露光後の感光性樹脂層を現像液で現像することにより、スペーサを形成する。現像方法は特に限定されず、浸漬法、スプレー法等を用いることができる。現像液の具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機系のものや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、4級アンモニウム塩等の水溶液が挙げられる。本発明に係る感光性樹脂組成物は適度な現像性を示すため、適正な現像が可能である。
そして、必要に応じ、現像後のスペーサにポストベークを施して加熱硬化する。ポストベークの温度は150〜250℃が好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜15、比較例1〜5>
下記表1に示す各成分を混合し、固形分含有量が37質量%となるように溶剤に溶解して感光性樹脂組成物を調製した。なお、溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PM)10質量%とジエチレングリコールメチルエーテル(MEDG)90質量%とからなる混合溶剤を用いた。
Figure 2013083934
表1中、各略号はそれぞれ以下のものを示し、括弧内の数値は配合量(質量部)である。
(アルカリ可溶性樹脂(A))
A:メタクリル酸:2,3−エポキシシクロへキサン−1−イルメチルメタクリレート:トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート=12:71:17(質量比)の樹脂(質量平均分子量12000)
B:メタクリル酸:2,3−エポキシシクロへキサン−1−イルメチルメタクリレート:トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート=14:71:15(質量比)の樹脂(質量平均分子量8000)
(光重合性モノマー(B))
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(光重合開始剤(C))
OXE01:1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASF社製「IRGACURE OXE01」)
OXE02:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾル−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)(BASF社製「IRGACURE OXE02」)
C−1:3−メルカプトプロピオン酸(光開始助剤)
(添加剤化合物)
実施例、及び比較例において、実施例で用いた式(1)で表される化合物、及び比較例で用いた式(1)で表される化合物に類似の構造の化合物を「添加剤化合物」と称する。
実施例、及び比較例では、添加剤化合物として以下の化合物を用いた。添加剤化合物のうち、式(1)で表される化合物である、MCIMA、及びMCDEAの合成方法について以下に記す。
Figure 2013083934
[MCIMAの合成法]
3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸クロリド5.90g(30mmol)を50mlの乾燥したエーテルに溶解し、トリエチルアミン4.59ml(当量比1.1)、イミダゾール2.25ml(当量比1.1)を加え、室温にて1時間撹拌した。水50ml、飽和NaHCO水溶液50ml、及び1N塩酸で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。ヘキサン−酢酸エチルを展開溶媒とし、シリカゲルを支持担体としてカラムクロマトグラフィにより精製を行い、MCIMA(3.41g,15mmol)を得た。アクリル酸クロリド基準の収率は50%であった。
[MCDEAの合成法]
3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸クロリド5.90g(30mmol)を50mlの乾燥したエーテルに溶解し、トリエチルアミン4.59ml(当量比1.1)、ジエチルアミン2.41ml(当量比1.1)を加え、室温にて1時間撹拌した。水50ml、飽和NaHCO水溶液50ml、及び1N塩酸で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。ヘキサン−酢酸エチルを展開溶媒とし、シリカゲルを支持担体としてカラムクロマトグラフィにより精製を行い、MCDEA(4.65g,20mmol)を得た。アクリル酸クロリド基準の収率は67%であった。
(光吸収剤(E))
1,5DON:1,5−ジヒドロキシナフタレン
<評価>
[現像性評価]
6インチのガラス基板(ダウ・コーニング社製、1737ガラス)上に、上記各実施例及び比較例で調製した感光性樹脂組成物を塗布した後、80℃で5分間乾燥して、3.8μmの膜厚を有する感光性樹脂層を得た。次いで、プロキシミティ露光装置(製品名:TME−150RTO(株式会社トプコン製))を用いて、この感光性樹脂層にマスクサイズ9μmのネガマスクを介して紫外線を選択的に照射し、現像液として濃度0.05質量%のKOH水溶液を用いて23℃でスプレー現像することにより、ドット状のパターンを形成した。そして、未露光部が完全に溶解されるまでの時間(BP:ブレイクポイント)を計測することにより、現像性を評価した。結果を下記表2に示す。
6インチのガラス基板(ダウ・コーニング社製、1737ガラス)上に、上記各実施例及び比較例で調製した感光性樹脂組成物を塗布した後、80℃で5分間乾燥して、3.8μmの膜厚を有する感光性樹脂層を得た。次いで、プロキシミティ露光装置(製品名:TME−150RTO(株式会社トプコン製))を用いて、マスクサイズ9μmのネガマスクを介して、露光量50mJ/cmで紫外線を選択的に照射し、現像液として濃度0.05質量%のKOH水溶液を用いて23℃でスプレー現像することにより、ドット状のパターンを形成した。その後、100℃、10分間、次いで220℃、40分間の条件でホットプレート上でポストベークを施し、ポストベーク後に形成されたスペーサの径を測定した。
そして、以下の評価基準にて、密着して残った最小スペーサ径を評価した。結果を下記表2に示す。
○:スペーサ径が10μm未満。
×:スペーサ径が10μm以上。
[細ドット密着性評価]
上記「現像性評価」と同様にしてドット状のパターンを形成した。現像時間は、上記のブレイクポイント(BP)を基準として、BPの約1.5倍とした。その後、純水で洗浄し、形成されたパターンに対して100℃で10分間、次いで220℃で40分間ポストベークを施すことにより、ドット状パターンを形成した。
そして、露光量50mJ/cmにて、現像可能なドット状パターン寸法を調べ、密着性の評価を行った。密着性の判定基準は以下の通りである。結果を下記表2に示す。
◎:密着していた最小マスク寸法が5μm以下である。
○:密着していた最小マスク寸法が7μm以下である。
△:密着していた最小マスク寸法が10μm以下である。
×:密着していた最小マスク寸法が15μm以下である。
[ハーフトーン(HT)特性の評価]
6インチのガラス基板(ダウ・コーニング社製、1737ガラス)上に、上記各実施例及び比較例で調製した感光性樹脂組成物を塗布した後、100℃で2分間乾燥して、3.8μmの膜厚を有する感光性樹脂層を得た。次いで、プロキシミティ露光装置(製品名:TME−150RTO、株式会社トプコン製))を用いて、ghi混合光源にてこの感光性樹脂層を露光した。露光量は10,20,30,40,50mJ/cmとした。次いで、現像液として濃度0.05質量%のKOH水溶液を用いて23℃で60秒間、パドル現像を行った。その後、100℃、10分間、次いで220℃、40分間の条件でホットプレート上でポストベークを施し、ポストベーク後の膜厚を測定した。
そして、以下の評価基準にて、感光性樹脂組成物のハーフトーン特性(HT特性)を評価した。結果を下記表2に示す。
○:露光量10mJ/cmの場合と50mJ/cmの場合とで、ポストベーク後の膜厚差が0.5μm以上。
×:露光量10mJ/cmの場合と50mJ/cmの場合とで、ポストベーク後の膜厚差が0.5μm未満。
[破壊強度評価]
15μm径のマスクを介して露光量50mJ/cmで感光性樹脂層を露光したほかは、上記「ハーフトーン(HT)特性の評価」と同様にしてドット状の樹脂パターンを形成した。
そして、14.2mN/秒の付加速度で加圧し、パターンが破壊されるまでに必要な力を調べ、以下の評価基準にて樹脂パターンの破壊強度を評価した。結果を下記表2に示す。
○:破壊されるまでに必要な力が150mN以上。
×:破壊されるまでに必要な力が150mN未満。
Figure 2013083934
実施例1〜15によれば、アルカリ可溶性樹脂(A)、光重合性モノマー(B)、光重合開始剤(C)、及び式(1)で表される化合物を含有する、スペーサ形成用感光性樹脂組成物であれば、プロキシミティ露光装置を用いる場合であっても小径のスペーサを形成しやすいことが分かる。他方、比較例1〜4によれば、スペーサ形成用感光性樹脂組成物が式(1)で表される化合物を含まない場合、小径のスペーサを形成しにくいことが分かる。また、比較例5によれば、スペーサ形成用感光性樹脂組成物が式(1)で表される化合物に類似する構造の化合物を含んでいても、やはり、小径のスペーサを形成しにくいことが分かる。
さらに、実施例1〜15と、比較例1〜4との比較によれば、スペーサ形成用感光性樹脂組成物に式(1)で表される化合物を配合しても、ハーフトーン特定、破壊強度等の特性は、式(1)で表される化合物を含まないスペーサ形成用感光性樹脂組成物のこれらの特性と遜色ないことが分かる。
また、実施例1〜11によれば、スペーサ形成用感光性樹脂組成物における、式(1)で表される化合物の含有量は、スペーサの基板への密着性が優れることから、アルカリ可溶性樹脂(A)と光重合性モノマー(B)との合計量100質量部に対して、0.01〜2.5質量部が好ましく、0.01〜0.5質量部がより好ましいことが分かる。

Claims (7)

  1. アルカリ可溶性樹脂(A)、光重合性モノマー(B)、光重合開始剤(C)、及び下記式(1)で表される化合物を含有する、スペーサ形成用感光性樹脂組成物。
    Figure 2013083934
    (式中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は有機基を示す。ただし、R及びRの少なくとも一方は有機基を示す。R及びRは、それらが結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。Rは、単結合又は有機基を示す。R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、又は有機基を示す。R、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基を示す。ただし、R及びRが水酸基となることはない。R、R、R、及びRは、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。R10は、水素原子又は有機基を示す。)
  2. さらに、着色剤(D)を含有する、請求項1記載のスペーサ形成用感光性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載のスペーサ形成用感光性樹脂組成物から形成されたスペーサ。
  4. 請求項3記載のスペーサを備える表示装置。
  5. 請求項1又は2記載のスペーサ形成用感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、感光性樹脂層を形成する塗布工程と、
    前記感光性樹脂層を所定のスペーサのパターンに応じて露光する露光工程と、
    前記露光された感光性樹脂層を現像して、スペーサのパターンを形成する現像工程と、を含む、スペーサの形成方法。
  6. 前記露光工程における露光が、プロキシミティ露光装置により行われる、請求項5記載のスペーサの形成方法。
  7. 前記露光工程において、ハーフトーンマスクを介して露光が行われる、請求項5又は6記載のスペーサの形成方法。
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