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JP2013039804A - Sapシート - Google Patents

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JP2013039804A JP2011179773A JP2011179773A JP2013039804A JP 2013039804 A JP2013039804 A JP 2013039804A JP 2011179773 A JP2011179773 A JP 2011179773A JP 2011179773 A JP2011179773 A JP 2011179773A JP 2013039804 A JP2013039804 A JP 2013039804A
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Abstract

【課題】SAPの膨潤を妨げず、十分な吸収性能を発揮することができるSAPシートを提供する。
【解決手段】SAP層4の支持体となる支持シート6と、支持シート6の表面に形成された、繊維状材料からなるSAP受容層8と、SAP受容層8の表面に形成された、少なくともSAP粒子2を含むSAP粒子組成物からなるSAP層4と、SAP層4の表面を被覆するように載置された、親水性材料からなる被覆シート10と、が積層された積層体が構成され、SAP層4は、SAP受容層8を介して支持シート6に対して固定され、SAP粒子2の担持量が100〜400g/mで、かつ、SAP粒子2を構成するSAP分子同士の水素結合によって、SAP粒子2同士が相互に固着され、板状化された層であり、被覆シート10が、紙によって構成され、かつ、900〜100,000個/mの密度で、湿潤状態における脆弱部(貫通部12)が形成されているSAPシート1。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸収性物品を構成する吸収体等に用いられるSAPシートに関するものである。
使い捨ておむつ、尿パッド、生理用品等の吸収性物品においては、尿や体液を吸収する吸収材として、パルプや高吸水性重合体(Super Absorbent Polymer:SAP)が用いられている。
通常、これらの吸収材は薄いシート状、マット状等の形状に成形された吸収体として、吸収性物品の肌当接面側に配置される。例えば、パルプマット中に、SAP粒子が分散配置された吸収体や、複数のパルプマットの層間に、前記SAP粒子が層状に配置された吸収体が知られている。
ところで、近年では、吸収性物品には排泄物の吸収性に優れ、漏れがないといった基本的な機能に加えて、着用感や装着時における外観の向上が求められている。そこで、吸収性物品の構成部材の中で比較的嵩高い吸収体を薄型化することが提案されている。
吸収体を薄型化することで、吸収性物品が着用者の身体に対してフィットし易くなり、吸収性物品が着用者の衣服内にすっきり収まるようになる。従って、着用感が向上する。また、吸収性物品が着用者の衣服内にすっきり収まることによって、衣服外から見た際に吸収性物品が目立たなくなる。従って、装着時の外観も向上する。
しかし、従来構造のまま吸収体を薄型化すると吸収材の絶対量は減少することになる。従って、尿や体液を十分に吸収することができなくなるおそれがある。そこで、尿や体液の吸収量を維持しつつ吸収体を薄型化するために、吸収材全体に占めるパルプの比率を減らし、SAPの比率を増やす方法が考えられている。
前記方法によればSAPに比して嵩高いパルプを減量することができる。従って、吸収体を薄型化することができる。また、単位体積当たりの吸収量が大きいSAPの比率を増やすことにより、吸収材全体の吸収量を維持することもできる。従って、吸収体を薄型化しても吸収体全体の吸収量を維持することができる。
そのような薄型の吸収体としては、不織布基材等に、熱可塑性樹脂等の結合剤を用いてSAPを固着(担持)させることによって、SAPの比率を増やした吸水性複合体等が開発されている(特許文献1,2参照)。
特許第3196933号公報 特開2000−24033号公報
前記吸水性複合体等においては、不織布基材等にSAPを固着させることに加えて、粒状、粉末状のSAPが吸収性物品の外部に漏れることを防止する目的で、ティシュや不織布シート等のシート材によってSAP層を被包することが一般的である。
しかし、SAPは排泄物を吸収するとその体積が50倍程度にまで膨潤するという特性がある。従って、前記のような形態は、SAP層を被包するシート材によって、吸水時におけるSAPの膨潤が妨げられ、SAPの吸収性能を十分に発揮させ難いという課題があった。この課題は吸収体の薄型化が進行し、SAPの量及び比率が増加すると更に顕在化することが予想される。
本発明は、前記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。即ち、本発明は、SAPの膨潤を妨げず、十分な吸収性能を発揮することができるSAPシートを提供するものである。
本発明者は、前記のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、SAP層を被覆する被覆シートを裂け易い材料である紙で構成するとともに、その被覆シートに、所定の密度で、湿潤状態における脆弱部(他の部分より機械的強度が低い部分。例えば、貫通部やエンボス部)を形成する構成を採用し、SAPが吸水し、膨潤した際に、前記脆弱部を起点として被覆シートが破断されるようにすることで、前記課題が解決されることに想到して、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下のSAPシートが提供される。
[1]高吸水性重合体(SAP)粒子を含むSAP層を有するSAPシートであって、前記SAP層の支持体となる支持シートと、前記支持シートの表面に形成された、繊維状材料からなるSAP受容層と、前記SAP受容層の表面に形成された、繊維状材料を含まず、かつ、少なくとも前記SAP粒子を含むSAP粒子組成物からなるSAP層と、前記SAP層の表面を被覆するように載置された、親水性材料からなる被覆シートと、が積層された積層体が構成され、前記SAP層は、前記SAP受容層を介して前記支持シートに対して固定され、前記SAP粒子の担持量が100〜400g/mで、かつ、前記SAP粒子を構成するSAP分子同士の水素結合によって、前記SAP粒子同士が相互に固着され、板状化された層であり、前記被覆シートが、紙によって構成され、かつ、900〜100,000個/mの密度で、湿潤状態における脆弱部が形成されているSAPシート。
[2]前記被覆シートを構成する紙がティシュ又は吸収紙である前記[1]に記載のSAPシート。
[3] 前記被覆シートに含まれるセルロース分子と、前記SAP層に含まれるSAP分子との水素結合によって、前記被覆シートと前記SAP層が相互に固着されている前記[1]又は[2]に記載のSAPシート。
[4]前記支持シートが、紙によって構成され、かつ、900〜100,000個/mの密度で、湿潤状態における脆弱部が形成され、前記SAP受容層がパルプ短繊維によって構成され、前記支持シートに含まれるセルロース分子と前記SAP受容層に含まれるセルロース分子の水素結合によって、前記支持シートと前記SAP受容層が相互に固着されている前記[1]〜[3]のいずれか一に記載のSAPシート。
[5]前記支持シートを構成する紙がティシュ又は吸収紙である前記[4]に記載のSAPシート。
[6]前記SAP受容層に含まれるセルロース分子と前記SAP層に含まれるSAP分子の水素結合によって、前記SAP受容層と前記SAP層が相互に固着されている前記[4]又は[5]に記載のSAPシート。
[7]前記SAP粒子組成物が、繊維状材料を含まず、かつ、前記SAP粒子組成物全体の質量に占める前記SAP粒子の質量が70〜100質量%のSAP粒子組成物である前記[1]〜[6]のいずれか一に記載のSAPシート。
[8]前記脆弱部が形成されたシート及び前記SAP層に保湿剤を添加した前記[1]〜[7]のいずれか一に記載のSAPシート。
本発明のSAPシートは、SAPの膨潤を妨げず、十分な吸収性能を発揮することができる。
本発明のSAPシートを厚さ方向に切断した切断端面を模式的に示す概略端面図である。 図1に示すSAPシートが吸水しSAP粒子が膨潤した状態を示す概略端面図である。
以下、本発明のSAPシートを実施するための形態について具体的に説明する。
[1]SAPシート:
本発明のSAPシートは、図1に示すSAPシート1のように、高吸水性重合体粒子(SAP粒子2)を含むSAP層4を有する。そして、本発明のSAPシートにおいては、図1に示すSAPシート1のように、支持シート6、SAP受容層8、SAP層4及び被覆シート10が積層された積層体が構成されている。そして、被覆シート10が、紙によって構成され、かつ、900〜100,000個/mの密度で、湿潤状態における脆弱部(図示の例では貫通部12)が形成されているものである。
[1−1]被覆シート:
「被覆シート」は、SAP層の被覆材となる親水性シートである。被覆シートはSAP層の表面を被覆するように載置される。通常は、被覆シートを着用者の肌と対向する面側に配置して用いる。被覆シートは支持シートと共にSAPの脱落を防止する役割を果たす。
被覆シートは紙によって構成される。本明細書において「紙」とは、セルロース系繊維を絡み合わせることにより形成されたシート又はウェブを意味するものとする。紙は親水性材料であるため、尿等の排泄物を透過させ、SAPに前記排泄物を吸収させることが可能となる。また、前記脆弱部が形成された紙は、SAPが膨潤した際に前記脆弱部を起点として裂け易い。従って、被覆シートによってSAPの膨潤が妨げられ難く、SAPシートが十分な吸収性能を発揮することができる。
紙を構成するセルロース系繊維としては、例えば針葉樹や広葉樹の木材パルプ、古紙パルプ、麻や綿等の非木材パルプ、化学合成パルプ、コットン等由来のセルロース繊維の他、レーヨン(再生セルロース繊維)、リヨセル(精製セルロース繊維)等のセルロース系合成繊維も含まれる。2種以上のセルロース系繊維同士、或いはセルロース系繊維と非セルロース系合成繊維(PP、PET等の繊維)との混合繊維を用いることもできる。
前記のように、被覆シートによってSAPの膨潤が妨げられず、SAPシートに十分な吸収性能を発揮させるためには、被覆シートを構成する紙がティシュ又は吸収紙であることが好ましい。ティシュや吸収紙は他の紙に比して貫通部等を起点として裂け易いという性質において優れる。従って、本発明のSAPシートにおいて被覆シートの素材として好適に用いることができる。
本発明のSAPシートは、図1に示すSAPシート1のように、少なくとも被覆シート10に、900〜100,000個/mの密度で、湿潤状態における脆弱部(図示の例では貫通部12)が形成されている。このような構成では、図2に示すように吸水し、膨潤したSAP粒子2によって脆弱部(貫通部12)が押し広げられ、被覆シート10が破断される。従って、被覆シート10によってSAP粒子2の膨潤が妨げられるのを防止することができる。このような構成は、後述するゲルブロッキングの問題の解消にも資する。そして、SAP粒子2の担持量が多い場合でも、その量に応じて吸収性能を増大させることが可能となる。
「湿潤状態における脆弱部」は、被覆シートに形成された、他の部分より機械的強度が低い部分である。「湿潤状態」とは、尿等の排泄物によってシートが濡れている状態を指す。前記脆弱部としては、例えば貫通部やエンボス部を挙げることができる。「貫通部」とは、シートを貫通する開口部である。例えば、裂け目、スリット、孔等を挙げることができる。「エンボス部」とは、エンボス加工又はこれに類する方法で、貫通部は形成されていないがシートの一部が加圧変形され、紙層に損傷を与えられた部分を意味するものとする。被覆シートの破断が進展し易いように、前記脆弱部は線状に形成されていることが好ましい。例えば裂け目やスリット等が好ましい。前記脆弱部はシート自体の製造時に予め形成されていたものであってもよいし、SAPシートの形成時に事後的に形成されたものであってもよい。
線状の脆弱部の場合、その長さは0.5〜10mmであることが好ましい。0.5mm以上とすることでSAPが膨潤した際に被覆シートを破断する起点として機能させることができる。10mm未満とすることでSAPが吸水する前に前記脆弱部を通じてSAP粒子が脱落することを防止することができる。前記効果を確実に得るためには、前記脆弱部の長さを1〜5mmとすることが更に好ましい。
前記脆弱部(図示の例では貫通部12)は、900〜100,000個/mの密度で、被覆シート10に形成されている。前記密度を900個/m以上とすることで、被覆シートを確実に破断させることができる。一方、100,000個/m以下とすることで、SAP粒子が膨潤する前の状態における被覆シートの強度を確保することができる。
本発明においては、被覆シートに前記脆弱部が形成されている。従って、使用前の乾燥状態においては、SAP層に対して被覆シートを固着させ、被覆シートとSAP層を一体化させておくことが好ましい。被覆シートとSAP層を一体化させておくことで、前記脆弱部の形成による被覆シートの強度低下を補うことができる。
SAP層に対して被覆シートを固着する方法としては、接着剤による接着や熱融着等を利用することができる。例えばSAP層と被覆シートの層間に熱融着繊維や熱融着粒子を散布し、加熱することによりSAP層に対して被覆シートを固着させることができる。熱融着繊維としては、例えば芯部よりも鞘部の融点(又は軟化点)が低い芯鞘繊維等を用いることができる。前記芯鞘繊維としては、芯部がポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレンからなり、鞘部がポリエチレンからなる芯鞘繊維が好ましい。
但し、本発明においては被覆シートが紙で構成されているため、水素結合を利用した固着方法を採用することが好ましい。具体的には、被覆シートに含まれるセルロース分子と、SAP層に含まれるSAP分子との水素結合によって、被覆シートとSAP層が相互に固着されていることが好ましい。水素結合による固着方法は接着剤や熱融着繊維等を必要とせず、被覆シートとSAP層を強固に固着可能である点で好ましい。
また、前記水素結合は、乾燥状態においては被覆シートとSAP層を強固に固着して両者を一体化し、前記脆弱部(裂け目、スリット、エンボス部等)による被覆シートの強度低下を補っている。しかし、SAPが膨潤するような湿潤条件においては水素結合は解離する。従って、被覆シートとSAP層との結合がSAPの膨潤を妨げることがないという利点がある。
また、湿潤状態においては被覆シートとSAP層が離間し、前記脆弱部によって被覆シートの強度が低下する。即ち、被覆シートとSAP層が離間した状態でSAPが膨潤すると、膨潤したSAPの膨張力によって前記脆弱部が押し広げられ、前記脆弱部を起点としてSAP層を拘束していた被覆シートが破断される。そして、被覆シートに一旦、破断部が形成されると、更にSAPが膨潤した場合でも破断部が延伸され、SAP層に対する被覆シートの拘束力はより一層低下する。従って、SAPの担持量が多い場合でもSAPの膨潤は妨げられず、SAPの吸収力が阻害されることが少ない。このように、水素結合によって、被覆シートとSAP層が相互に固着する形態は、本発明の効果を更に向上させることができる点で好ましい。
前記のように被覆シートとSAP層の固着は水素結合による固着が好ましい。但し、水素結合と接着剤による接着や熱融着等とを併用してもよい。この場合、接着剤や熱融着繊維等の使用は必要最小限に留め、SAPの膨潤を阻害しないようにすることが好ましい。
[1−2]支持シート:
「支持シート」とは、SAP層の支持体となるシートを指す。即ち、支持シートはSAP粒子を担持する担体となる部材である。通常、SAPシートは支持シートを着用者の肌と背向する面側に配置して用いる。支持シートは被覆シートと共にSAPの脱落を防止する被覆材としての役割も果たす。
支持シートは可撓性材料で構成されていることが好ましい。支持シートを可撓性材料で構成することで、製造時(エンボス加工でロールに沿わせる場合等)や使用時(着用者の動作に追従して変形する場合等)にシートが屈曲させられても、SAP粒子が支持シートに対して固着(担持)された状態を維持することができる。可撓性材料としては、後述するプラスチックフィルム、紙、不織布等を挙げることができる。
支持シートは、被覆シートとは異なり、必ずしも親水性材料で構成されている必要はない。例えば液不透過性材料や撥水性材料によって構成されていてもよい。前記液不透過性材料としては、プラスチックフィルム等を挙げることができる。前記撥水性材料としては、ポリプロピレン(PP)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維等の合成繊維からなる不織布等を挙げることができる。
なお、本明細書において「不織布」とは、非セルロース系合成繊維からなる短繊維やフィラメントを接着ないし交絡させることにより形成されたシート又はウェブを意味するものとする。
但し、支持シートは親水性材料によって構成されていることが好ましい。前記構成においては支持シート側の面からも排泄物を吸収させることが可能となる。従って、SAPを有効に活用することができ、SAPシート全体の吸収効率を向上させることができる。また、支持シートを着用者の肌と対向する面側に配置してSAPシートを用いることも可能となる。
前記親水性材料としては、親水性の不織布等を挙げることができる。例えばポリプロピレン(PP)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維等の非セルロース系合成繊維の原綿に界面活性剤を塗布、スプレー、含浸させる等の親水化処理を行った後、不織布としたものを用いることができる。
不織布の製法は特に限定されない。不織布の製造は、繊維のフリースを形成する工程と前記フリースを結合する工程の2工程からなる。従って、フリース形成の方法及びフリース結合の方法を適宜選択して、不織布を製造すればよい。フリース形成の方法としては、乾式法(カード法、エアレイド法等)、湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法等を挙げることができる。フリース結合の方法としては、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法(水流交絡法)、ステッチボンド法等を挙げることができる。中でも、エアレイド法でフリース形成し、サーマルボンド法でフリース結合することにより得られた不織布が好ましい。
不織布の坪量は、10〜100g/mであることが好ましい。10g/m以上とすることで、支持シートの強度を確保することができる。一方、100g/m以下とすることで、支持シートの柔軟性、可撓性を確保することができる。また、SAPシート全体を薄型化することが可能となる。前記効果をより確実に得るためには、坪量が20〜40g/mであることが更に好ましい。
但し、前記親水性材料としては、前記不織布よりも紙であることが好ましい。支持シートを紙で構成することにより、支持シートにも被覆シートと同様の構成を適用することが可能となる。即ち、支持シートにも湿潤状態における脆弱部を形成し、膨潤したSAP粒子によって支持シートを破断させるように構成することができる。前記構成によれば、被覆シートに加えて支持シートによってSAPの膨潤が妨げられることも少なくなる。従って、SAPシートが一層良好な吸収性能を発揮することができる。
支持シートにおいても900〜100,000個/mの密度で、前記脆弱部を形成することが望ましい。また、支持シートに構成する紙としてはティシュ又は吸収紙であることが好ましい。紙を構成するセルロース系繊維の種類、脆弱部(貫通部やエンボス部)の形状及び密度、線状の脆弱部の好ましい長さについては、被覆シートの項で記載した構成を採用することが好ましい。
[1−3]SAP受容層:
「SAP受容層」とは、支持シートの表面に形成された、繊維状材料からなる層である。この層はSAP粒子の受け皿としての機能を有する層である。支持シートの表面に繊維状材料(パルプ短繊維等)を積層して綿状の薄い層を構成することで、比較的平滑な支持シートの表面にSAP粒子を充填した場合と比較してSAP粒子の充填が容易となる。従って、SAP粒子を安定的に充填することができ、また、SAP粒子の充填量を増やすことができる。
SAP受容層を構成する繊維状材料の材質は特に限定されない。但し、支持シートが紙で構成されている等、セルロース系繊維で構成されている場合は、SAP受容層を構成する繊維状材料もセルロース系繊維とすることが好ましい。
そして、支持シートに含まれるセルロース分子とSAP受容層に含まれるセルロース分子の水素結合によって、支持シートとSAP受容層が相互に固着されていることが好ましい。更には、SAP受容層に含まれるセルロース分子とSAP層に含まれるSAP分子の水素結合によって、SAP受容層とSAP層が相互に固着されていることが特に好ましい。水素結合による固着方法は接着剤や熱融着繊維等を必要とせず、支持シートとSAP受容層、SAP層とSAP受容層を強固に固着可能である。また、前記水素結合はSAPが膨潤するような湿潤条件では解離し、支持シートとSAP受容層との結合、SAP受容層とSAP層との結合がSAPの膨潤を妨げることがないからである。
SAP受容層を構成するセルロース系繊維としては、パルプ由来のパルプ短繊維を用いることが好ましい。「短繊維」とは、その繊維長が0.01〜10mmの繊維を意味する。パルプの種類は、既に例示した木材パルプ、古紙パルプ、非木材パルプ、化学合成パルプのいずれであってもよい。
支持シートがセルロース系繊維で構成されていない場合には水素結合による固着方法を採用することができない。その場合には、必ずしもSAP受容層をセルロース系繊維で構成する必要はない。例えばPP繊維、PET繊維等の一般的な熱可塑性繊維によってSAP受容層を構成してもよい。また、前記熱融着繊維のような芯鞘構造を有する熱可塑性繊維によってSAP受容層を構成してもよい。これらの熱可塑性を有する繊維を用いた場合は熱融着により支持シートに対してSAP受容層を固定することができる。更には、熱可塑性を有しない繊維を前記繊維状材料として用いることもできる。この場合は接着剤を用いる等、熱融着以外の方法で、支持シートに対してSAP受容層を固定する。
SAP受容層には繊維状材料の他、熱可塑性バインダーが含まれていてもよい。熱可塑性バインダーは、支持シートと繊維状材料(即ちSAP受容層)又は繊維状材料同士を相互に結着させることができる。熱可塑性バインダーの使用は、繊維状材料として非セルロース系合成繊維を用いる場合のみならず、セルロース系繊維を用いる場合にも有効である。熱可塑性バインダーにより前記水素結合を補強することができる。即ち、セルロース系繊維と熱可塑性バインダーが相俟って支持シートとSAP層の結着力を向上させる。また、支持シートが非セルロース系繊維からなる場合であっても、SAP受容層を当該支持シートに対して固定することが可能となる。
「熱可塑性バインダー」とは、加熱により溶融し、温度が低下すると固化して結合力を発揮する熱可塑性物質である。例えば、ホットメルト接着剤等を挙げることができる。また、PP、PET、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の一般的な熱可塑性樹脂又は前記熱融着繊維を短繊維状、粉末状等の形状に加工したものを用いることもできる。「短繊維」の定義はパルプ短繊維の場合と同義である。中でも、繊維長が0.8〜1.5mmで、融点が約131℃の高密度ポリエチレン繊維が好ましい。
熱可塑性バインダーは、支持シートの表面にバインダー層を形成し、前記バインダー層の表面にSAP受容層を形成する形態で使用してもよいし、繊維状材料と熱可塑性バインダーを混合し、その混合物によってSAP受容層を形成する形態で使用してもよい。
バインダー層を形成する形態では、繊維状材料の総質量に対する熱可塑性バインダーの量を0.1〜30質量部とすることが好ましい。0.1質量部以上とすることで、結着力を発揮させることが可能となり、SAP受容層を安定的に固定することができる。一方、30質量部以下とすることで、SAPシートの柔軟性低下を抑制することができる。前記効果をより確実に得るためには、1〜15質量部とすることが更に好ましい。
繊維状材料と熱可塑性バインダーの混合物によってSAP受容層を形成する形態では、繊維状材料同士を十分に結着させるため、バインダー層を形成する形態よりもバインダー量を増やすことが好ましい。具体的には、繊維状材料の総質量に対する熱可塑性バインダーの量を0.1〜50質量部とすることが(好ましく、1〜50質量部とすることが更に)好ましい。
本発明はパルプ等の繊維状材料の量を減じ、SAPを主体とする吸収性物品を構成することを目的としている。従って、SAP受容層を構成する繊維状材料の量を80g/m以下とすることが好ましい。SAP受容層の効果を確実に発揮させるため、繊維状材料の量を10〜80g/mとすることが更に好ましく、20〜80g/mとすることが特に好ましい。
[1−4]SAP層:
「SAP層」とは、高吸水性重合体(SAP)粒子を含む層である。より具体的には、SAP受容層の表面に形成され、繊維状材料を含まず、かつ、少なくとも前記SAP粒子を含むSAP粒子組成物からなる層である。
[1−4−1]高吸水性重合体(SAP):
「高吸水性重合体(Super Absorbent Polymer:SAP)」とは、自重の20〜30倍の生理食塩水(食塩濃度0.9質量%)を吸収し得る性能を有する重合体を指す。
前記のような性質を有する重合体である限り、SAPの化学的構造等については特に制限はない。例えば、以下に掲げる構造のSAPを挙げることができる。以下のSAPの中では、(1)〜(4)のSAPが好ましく、(1)、(2)、(4)のSAPが更に好ましく、(2)、(4)のSAPが特に好ましい。なお、(15)のSAPは生分解性を有するSAPである。また、(17)のSAPは生物学的な手法により得られるSAPである。
(1)デンプン−アクリル酸(塩)グラフト架橋共重合体(特公昭53−46199号公報等)、
(2)水溶液重合(断熱重合、薄膜重合又は噴霧重合等)により得られる架橋ポリアクリル酸(塩)(特開昭55−133413号公報等)、
(3)逆相懸濁重合により得られる架橋ポリアクリル酸(塩)(特公昭54−30710号公報等)、
(4)その他の架橋ポリアクリル酸(塩)(特開2003−052742号公報等)、
(5)ビニルエステルと不飽和カルボン酸又はその誘導体との共重合体のケン化物(特開昭52−14689号公報等)、
(6)アクリル酸(塩)とスルホ(スルホネート)基含有モノマーとの共重合体(特開昭58−2312号公報等)、
(7)イソブチレン−無水マレイン酸共重合架橋体のケン化物(米国特許第4389513号等)、
(8)デンプン−アクリロニトリル共重合体の加水分解物(特開昭46−43995号公報等)、
(9)架橋カルボキシメチルセルロース(米国特許第4650716号等)、
(10)ポリアルキレングリコール架橋体(「高分子ゲルの最新動向」<シーエムシー出版、2004年発行>等)、
(11)ポリビニルアルコール架橋体(前掲「高分子ゲルの最新動向」等)、
(12)デンプン放射線架橋体(特開2003−48997号公報等)、
(13)カルボキシル基含有架橋セルロース(特開平9−85080号公報等)、
(14)ポリアミノ酸放射線架橋体(特開平10−251402号公報等)、
(15)架橋ポリアスパラギン酸(特開2002−179770号公報等)、
(16)多糖類の多価金属イオン架橋体(特開2001−120992号公報等)、
(17)アルカリゲネス属ラタス(Alcaligenes Latus)からの培養生成物。
[1−4−2]SAP粒子:
「SAP粒子」とは、SAPを含む樹脂組成物を粒状としたものを指す。
「SAPを含む樹脂組成物」とは、(a)SAPのみからなる組成物、(b)SAPを主成分とし、これに吸水性に悪影響を及ぼさない程度に他の物質が含まれた組成物、の双方を包含する概念である。「他の物質」としては、添加剤(粒子表面を疎水化する目的で添加される表面改質剤等)、SAPの合成時に残存した未反応のモノマー等を挙げることができる。
組成物全体の質量に占めるSAPの質量は90質量%以上であることが好ましい。90質量%以上とすることで、SAP本来の特性である吸水性を発揮させることができる。前記効果をより確実に得るためには、SAPの質量が95質量%以上であることが更に好ましく、97質量%以上であることが特に好ましい。上限は特に限定されず、組成物がSAPのみから構成されていてもよい。但し、SAPの質量を99質量%以下として、前記表面改質剤を添加することが好ましい。
「粒状」には、例えば粒状、顆粒状等の形状が含まれる。これらの形状とすると、SAP粒子を散布した際に均一なSAP層を形成することができる。
SAP粒子の粒径や粒度分布について特に制限はない。SAPに要求される吸収特性を発揮させることができ、散布した際に均一なSAP層を形成し得る粒径、粒度分布のものを適宜選択して用いればよい。但し、本発明においては、SAP粒子の質量平均粒子径を300〜400μmとすることが好ましい。300μm以上とすることで、SAP粒子を積層し易くなり、SAP層を形成する際に歩留まりが低し難い。また、SAP層の通液性も低下し難い。一方、400μm以上とすることで、SAP粒子の比表面積が小さくなることを防ぎ、吸収速度が低下する不具合を抑制することができる。
なお、本発明における「質量平均粒子径」は以下の篩い分け法により測定した質量平均粒子径を意味するものとする。
<質量平均粒子径>
ロータップ試験篩振とう機及び標準ふるい(JIS Z8801−1:2000)を用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグローヒル・ブック・カンバニー、1984、21頁)に記載の方法で測定する。具体的には、以下の方法により測定する。
(1)目開きが1000μm、850μm、710μm、500μmのJIS標準ふるいを用意する。そして、ロータップ試験篩振とう機に、目開き1000μmのふるいを最上段に、下に向かって目開きが小さくなるように前記ふるいを順に配置し、最下段に受け皿を配置する。
(2)最上段に位置する1000μmふるいにSAP粒子50gを入れ、ロータップ試験篩振とう機を5分間振とうさせる。そして、各ふるい及び受け皿上のSAP粒子の質量を秤量する。
(3)秤量したSAP粒子の合計量に占める各ふるい及び受け皿上のSAP粒子の質量分率を求める。そして、対数確率紙の横軸を篩の目開き、縦軸を前記質量分率としてプロットした後、各点を結ぶ線を引き、質量分率50質量%に対応する粒子径を質量平均粒子径とする。
SAP層を構成するSAP粒子としては、前記のようなSAP粒子の中でも、水溶性ビニル単量体(a1)及び架橋性単量体(a2)に由来するSAP(A)と、前記SAP(A)からなり、その表面が疎水性物質からなる表面改質剤(C)で処理されたSAP粒子(B)とを複合化させてなる複合SAP粒子(D)が好ましい(特開2009−35657号公報参照)。
SAP(A)は、水溶性ビニル単量体(a1)及び架橋性単量体(a2)に由来する重合体である(特開2005−075982号公報参照)。「水溶性ビニル単量体(a1)」とは、重合性二重結合(ビニル骨格)を有する水溶性の単量体である。ここで「水溶性」とは、水(25℃)100gに少なくとも100g溶解する性質を意味する。例えば、カルボキシ基、スルホ基、ホスホノ基、水酸基、カルバモイル基、アミノ基及びアンモニオ基からなる群より選択される少なくとも1種の親水基を有するビニル単量体を挙げることができる(特開2005−075982号公報参照)。具体的な化合物としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の塩、(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
本明細書の「水溶性ビニル単量体(a1)」には、加水分解により水溶性ビニル単量体(a1)となる単量体も含むものとする。ここで「加水分解により水溶性ビニル単量体(a1)となる」とは、50℃の水及び必要により触媒(酸又は塩基等)の作用により加水分解され水溶性ビニル単量体(a1)となることを意味する。
「加水分解により水溶性ビニル単量体(a1)となる単量体」としては、少なくとも1個の加水分解性基を有するビニル単量体を挙げることができる。「加水分解性基」としては、例えば1,3−オキソ−2−オキサプロピレン(−CO−O−CO−)基、アシル基、シアノ基等を挙げることができる。具体的な化合物としては、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリロニトリル等を挙げることができる。
「架橋性単量体(a2)」とは、2以上の反応性官能基を有する単量体である(特開2005−075982号公報参照)。「反応性官能基」としては、ビニル基、アリル基、水酸基等を挙げることができる。ジビニルベンゼン、フタル酸ジアリル、(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
SAP(A)は、水溶性ビニル単量体(a1)、架橋性単量体(a2)以外の単量体(a3)に由来する繰り返し単位を有していてもよい。例えば、芳香族ビニル単量体(スチレン等)、炭素数2〜20の脂肪族ビニル単量体モノマー(エチレン、ブタジエン等)、炭素数5〜15の脂環式ビニル単量体(ピネン、シクロペンタジエン等)等に由来する繰り返し単位を挙げることができる。
SAP(A)において、全繰り返し単位に占める架橋性単量体(a2)に由来する繰り返し単位の質量は0.001〜20質量%であることが好ましい。前記効果を確実に得るためには、0.005〜10質量%とすることが更に好ましく、0.01〜5質量%とすることが特に好ましい。
SAP(A)において、全繰り返し単位に占める単量体(a3)に由来する繰り返し単位の質量は0.01〜50質量%であることが好ましい。前記効果を確実に得るためには、0.02〜25質量%とすることが更に好ましく、0.05〜10質量%とすることが特に好ましい。
SAP粒子(B)は、前記SAP(A)からなり、その表面が疎水性物質からなる表面改質剤(C)で処理されたものである。本明細書に言う「表面改質剤(C)」は、SAP粒子の表面に疎水性を付与し得る物質であればよい。例えば、疎水性の重合体であることが好ましく、炭化水素基を有する重合体(ポリプロピレン等)、ポリシロキサン構造を有する重合体(シリコーン、アミノ変性ポリシロキサン等)であることが更に好ましい。
「処理」とは、SAP粒子(B)の表面に表面改質剤(C)がコーティングされ、又はSAP粒子(B)に表面改質剤(C)が含浸されていることを意味する。例えば表面改質剤(C)を溶媒に溶解させる、分散媒に乳化・分散させる、加熱溶融させる等の方法で液状とし、SAP粒子(B)に液状の表面改質剤(C)を噴霧する、或いはSAP粒子(B)を液状の表面改質剤(C)にディッピングする等の方法で付着させればよい。噴霧やディッピングは、ナウターミキサー、タービュライザー等の装置を用いて行うことができる。
複合SAP粒子(D)に占める表面改質剤(C)の質量は0.0001〜10質量%であることが好ましい。0.0001質量%以上とすることで、SAP粒子表面に疎水性を付与することができ、SAP層におけるSAP粒子の充填量を増やしてもSAP層の透水性を確保することができる。10質量%以下とすることでSAP粒子の吸水性が必要以上に阻害されることを防止することができる。前記効果を確実に得るためには、0.05〜5質量%とすることが更に好ましく、0.07〜3質量%とすることが特に好ましい。
複合SAP粒子(D)は、SAP(A)と、表面改質剤(C)で処理されたSAP粒子(B)とを複合化させたものである。
「複合化」とは、SAP(A)と、表面改質剤(C)で処理されたSAP粒子(B)とが混合されていることを意味する。例えばSAP(A)と、表面改質剤(C)で処理されたSAP粒子(B)とを混合・混練して複合化した形態、表面改質剤(C)で処理されたSAP粒子(B)の存在下で水溶性ビニル単量体(a1)及び架橋性単量体(a2)を重合させ、SAP(A)を合成し、重合液中で複合化した形態等を挙げることができる。混合・混練はベックスミル、ラバーチョッパー等の装置を用いて行うことができる。重合液中での複合化は、ホモミキサー、バイオミキサー等の装置を用いて行うことができる。
複合化の際、SAP(A)100質量部に対し、SAP粒子(B)を構成するSAP(A)は1〜60質量部添加することが好ましい。前記効果を確実に得るためには、10〜50質量部とすることが更に好ましく、20〜40質量部とすることが特に好ましい。
前記SAP粒子は、質量平均粒子径が300〜400μmであることに加えて、下記式(1)により算出されるゲル通液速度vが1〜10ml/秒、下記式(2)により算出される吸湿ブロッキング率rが10〜100%のSAP粒子であることが好ましい。
<ゲル通液速度v>
(1)質量平均粒子径300〜400μmに調整した前記SAP粒子0.32gを、生理食塩水(0.9質量%食塩水)150mlに30分間浸漬し、前記SAP粒子を含水ゲルとする。
(2)底部に直径25mm、目開き150μmのフィルタを備えた、内径25.4mmの円筒状容器に前記含水ゲルと前記生理食塩水の混合物を充填する。
(3)直径25mm、目開き150μmの金網を介して前記含水ゲルに対し、2.1kPa(0.3psi)の荷重をかけた状態で、前記フィルタから前記生理食塩水を流出させる。
(4)一定量a(ml)が流出する時間t(秒)を測定し、下記式(1)によりゲル通液速度v(1秒間当たりの流出量(ml/秒))を算出する。
v=a/t :(1)
「ゲル通液速度v」は、SAP粒子の吸水・膨潤時におけるSAP層の透水性に関する指標である。ゲル通液速度vが1ml/秒以上のSAP粒子を用いることで、SAP層におけるSAP粒子の充填率を上げてもそれら全体を水素結合で固定することが可能となる。即ち、高充填率のSAP層を形成することができる。水素結合による固定はSAP層に散水後、加熱することで行われる。ゲル通液速度を所定値以上とすることにより、SAP層の透水性が良くなり、SAP層全体に水が行き渡るためである。一方、ゲル通液速度vが10ml/秒以下のSAP粒子を用いることでSAPの吸水性が一定以上のレベルに保たれる。
<吸湿ブロッキング率r>
(1)質量平均粒子径300〜400μmに調整したSAP粒子10gに、生理食塩水(0.9質量%食塩水)0.8gを加え、SAP粒子を吸湿させる。
(2)吸湿させたSAP粒子の上部に、100mm×100mm、厚さ4mmのアクリル板を載せて50gの荷重をかけ、1分間放置する。
(3)放置後のSAP粒子を、目開き1.40mm、直径80mmの小型標準JISふるいに載せ、手で10回振盪させる。
(4)ふるい上に残ったSAP粒子の質量W1(g)と、ふるい下に落ちたSAP粒子の質量W2(g)を測定し、下記式(2)により吸湿ブロッキング率r(%)を算出する。
r={W1/(W1+W2)}×100 :(2)
「吸湿ブロッキング率r」は、SAP粒子に吸水・膨潤時における凝集のし易さ(水素結合の容易さ)の指標である。吸湿ブロッキング率rが10%以上のSAP粒子を用いることでSAP粒子同士を水素結合により強固に固定することができる。一方、吸湿ブロッキング率rが100%以下のSAP粒子を用いることでSAP粒子が必要以上に凝集せず、SAP層の透水性が阻害され難い。
[1−4−3]組成、配置、その他:
SAP層は、SAP受容層の表面に形成される。そして、SAP層は、SAP受容層を介して支持シートに対して固定されている。
また、SAP層は、SAP粒子の担持量が100〜400g/mで、かつ、SAP粒子を構成するSAP分子同士の水素結合によって、SAP粒子同士が相互に固着され、板状化された層である。
本発明の構成は、前記のようなSAP担持量が多いSAPシートに有効である。SAP粒子の担持量が100g/m以上となると、吸水時にSAPの膨潤が妨げられ吸収量が低下し易いためである。一方、SAP粒子の担持量が400g/m以上のSAPシートは本発明の構成を採用してもなお、吸収量低下の問題を十分に解決することができないおそれがある。前記効果を確実に得るためには、SAP粒子の担持量を100〜350g/mとすることが好ましい。
SAP層は、繊維状材料を含まず、かつ、少なくともSAP粒子を含むSAP粒子組成物から構成されている。
「SAP粒子組成物」は、SAP粒子のみからなるもの、SAP粒子と後述する微細セルロース繊維(ミクロフィブリル化セルロース:Microfibrillated Cellulose。以下、「MFC」と略記する場合がある。)との混合物の双方を含む概念である。そして、「SAP粒子組成物」は、MFC以外の繊維状材料(パルプ、合成繊維、或いはこれらの混合物等)を含まない。「パルプ」としては、支持シートの項でセルロース繊維として例示したパルプを挙げることができる。「合成繊維」としては、例えば、ポリオレフィン(PE、PP等)、ポリエステル(PET等)、レーヨン等を挙げることができる。
MFCはセルロース繊維を微細に開繊することにより得られる短繊維である。そして、MFCは構成分子間の水素結合によって結合力を発揮する。従って、SAP粒子間の水素結合を補強する性質がある。
SAP粒子組成物は、組成物全体の質量に占めるSAP粒子の質量が70〜100質量%のSAP粒子組成物であることが好ましい。SAP粒子の含有量を70質量%以上とすることで、高い吸収性能を付与することができ、薄型でかつ吸収性能に優れたSAPシートを構成することが可能となる。但し、MFCの結合力を利用してSAP粒子の脱落を防止したい場合には、70〜90質量%とすることが好ましい。
本発明のSAPシートにおいて、SAP層はSAP粒子を構成するSAP分子同士の水素結合によって、SAP粒子同士が相互に固着され、板状化されている。このような構成はSAP粒子が密に配置された構造を採る。従って、パルプマットの層間にSAP粒子が分散配置されたSAPシートとは根本的に構造が異なるものである。このような構成では尿等の排泄物が接触してSAP層が濡れるとSAP粒子同士の水素結合が解離し、SAP粒子間の固着状態が解かれる。即ち、SAP層の板状構造が破壊されるため、ゲルブロッキングが発生し難くなる。
SAP層においてはSAP粒子を構成するSAP分子間の水素結合の一部を予め破壊しておくことが好ましい。
この「破壊」とは、SAP粒子同士が相互に結合されて形成される、板状化されたSAP層の水素結合の破壊を意味し、SAP層自体の破壊を意味するものではない。即ち、本明細書にいう「破壊」とは、SAP粒子が親水性シートに対して固着された状態をほぼ維持したまま、SAP粒子間の水素結合のうち、主としてSAP層の面方向(水平方向)への水素結合が破壊されている状態を意味するものである。この「破壊」により、SAP層は、その厚さ方向(鉛直方向)に多数の亀裂(空隙)が形成されたような状態となる。この空隙によって、SAP層の剛性を低下させることができ、剛直なSAP層に柔軟性を付与することができる。また、SAP層に空隙が形成されることによって、SAPが吸水した際にSAPが膨潤するスペースが形成されるため、ゲルブロッキングの問題も解消される。従って、SAP層に担持したSAP粒子の量に応じた吸収性能を発揮させることが可能となる。
なお、「破壊」には、SAP層にSAP粒子の大半が保持されている限り、SAP粒子が親水性シートに対して固着された状態を維持していない状態やSAP層の厚さ方向(鉛直方向)への水素結合が破壊されている状態も含まれる。
[1−5]積層体:
本発明のSAPシートにおいては、少なくとも支持シート、SAP受容層、SAP層、被覆シートが積層された積層体が構成されている。
この積層体の厚さについて特に制限はない。但し、0.5〜5.0mmとすることが好ましく、0.5〜2.0mmとすることが更に好ましい。厚さを0.5mm以上とすることで、SAP粒子の含有量を増加させることができ、必要な吸水性能を確保することができる。また、5.0mm以下とすることにより、吸収量が大きく、かつ、薄型の吸収性材料を構成することができ、吸収性物品(使い捨ておむつ等)への適用が容易となる。
本発明においては、前記脆弱部が形成されたシート及びSAP層に水分を添加したものであることが好ましい。具体的には、積層体全体の乾燥質量100質量部に対して5〜10質量部の水分を添加したものであることが好ましい。5質量部以上とすることにより、SAP層の水素結合を緩ませ、SAP層を柔軟化させることができる。一方、10質量部以下とすることにより、経時変化によりSAPが黄変してしまうことを防止することができる。前記効果をより確実に発揮させるためには7〜10質量部の水分を添加したものであることが好ましい。
「前記脆弱部が形成されたシート」とは、少なくとも被覆シートであり、支持シートにも前記脆弱部を形成した場合には、被覆シート及び支持シートである。本発明においては、前記脆弱部が形成されたシート及びSAP層に保湿剤を添加したものであることが好ましい。
保湿剤は、SAP層の柔軟性を維持する効果がある。また、保湿剤はSAPよりも水を吸収する速度が速いため、まず、保湿剤が水を吸収して水を捕捉し、保湿剤に捕捉された水をSAPに吸収させることが可能となる。このような構成は、一度に大量の水と接触したときでも、その水を逃すことなく吸収することが可能となる点において好ましい。更に、保湿剤は、水を吸収した後にもその水を放出し難く、水を保持する効果が高いため、SAP層の乾燥による硬化を防ぎ、柔軟性を維持するという効果を付与することもできる。従って、使い捨ておむつ等の着用者の肌に直接接触する吸収性物品に適用した場合でも、心地よいフィット感、装着感を与えることができる。
保湿剤としては、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール(グリコール系保湿剤)が好ましく、グリセリンが更に好ましい。
「保湿剤」は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。保湿剤の量は、積層体全体の質量を100質量部とすると、0.01〜10質量部添加したものであることが好ましい。0.01質量部以上とすることにより、前記の保湿剤の効果を発揮させることができる。一方、10質量部以下とすることにより、保湿剤が尿等に溶出して吸収体、ひいては着用者の肌がべたつくのを防止することができる。前記効果をより確実に発揮させるためには0.1〜5質量部添加したものであることが好ましい。なお、保湿剤は水溶液等の状態で市販されていることもあるが、ここにいう保湿剤の量は、保湿剤の有効成分の量を意味するものとする。
[2]製造方法:
本発明のSAPシートは、例えば支持シート上にSAP受容層を形成し、SAP受容層の表面にSAP層を形成し、SAP層の表面に被覆シートを配置し、SAP粒子同士を水素結合により結合して板状化し、被覆シートに脆弱部(貫通部、エンボス部等)を形成する等の方法により製造することができる。以下、前記方法を中心に、本発明のSAPシートの製造方法を説明する。
[2−1]SAP受容層の形成:
まず、SAP層の支持体となる支持シートの表面に、繊維状材料を積層し、SAP受容層を形成する。SAP受容層の構成材料としてパルプ短繊維を使用する場合には、パルプシートを粉砕する等の方法によりパルプ短繊維を形成する。パルプ短繊維はマットフォーマーにより支持シート上に積層し、マット状に成形することで、比較的容易に均一な厚さのSAP受容層を形成することができる。SAP受容層の形成に際し、熱可塑性バインダーからなるバインダー層を形成する場合には、粉体フィーダー等を用いてバインダーを散布した後、SAP受容層を形成すればよい。
[2−2]SAP層の形成:
次に、前記SAP受容層の表面に、繊維状材料を含まず、かつ、少なくともSAP粒子を含むSAP粒子組成物を積層し、SAP粒子の担持量が100〜400g/mのSAP層を形成する。例えば前記のように形成されたSAP受容層の表面に、粉体フィーダー等を用いて所定量のSAP粒子組成物を散布することにより、SAP層を形成する。
[2−3]積層体の形成:
更に、SAP層の表面に、SAP層の被覆材となる被覆シートを載置し、支持シート、SAP受容層、SAP層及び被覆シートが積層された積層体を形成する。
SAP受容層の形成に際し熱可塑性バインダーを使用している場合には、前記積層体を加熱し、熱可塑性バインダーを一旦溶融させ、冷却固化させることで、SAP受容層及びSAP層を支持シートに対して固定する。例えば支持シートが載置されたワイヤーの下面側から積層体を減圧吸引し、その状態で赤外線ドライヤーを用いて積層体を加熱し、熱可塑性バインダーを溶融させ、冷却固化させることで、SAP層を支持シートに対して固定する。
[2−4]SAP層の板状化:
更にまた、SAP層に水を付着させた後、前記積層体を加熱下で押圧し、SAP粒子を構成するSAP分子同士の水素結合によって、SAP粒子同士を相互に固着させ、SAP層を板状化する。例えば前記積層体に水をスプレーし、熱加圧ロールで加熱押圧することにより、水分の除去及び乾燥を行い、SAP分子同士を水素結合させる。これによりSAP層が板状化される。支持シート、SAP受容層、被覆シートがセルロース系繊維である場合は、SAP層とこれらの部材、層との間も水素結合によって結着される。
水に代えて、例えばグリセリン水溶液等の保湿剤水溶液を付着させると、水の付着と保湿剤の付着を同時に行えるため好ましい。
[2−5]脆弱部の形成:
被覆シートに予め脆弱部が形成されていない場合には、前記板状化を行った後に、被覆シート(場合により被覆シート及び支持シート)に前記脆弱部を形成する。例えば、被覆シートをエンボス加工と同様の方法で処理することで前記脆弱部を形成することができる。前記脆弱部の形状、配置密度はエンボスロールの凸模様の形状、配置密度で制御することができる。
この際、被覆シート等及びSAP層に水(好ましくは水と保湿剤)を付着させた後、前記処理を行うことが好ましい。こうすることにより被覆シート等が過度に破断される不具合が抑制される。この方法は、前記脆弱部として貫通部ではなくエンボス部を形成する場合にも有効である。なお、前記脆弱部の形成時にSAP層の破壊を併せて行うこともできる。
本発明のSAPシートについて、図面を参照しながら更に具体的に説明する。但し、本発明のSAPシートは、その発明特定事項を備えたSAPシートを全て包含するものであり、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1に示すように、支持シート6、SAP受容層8、SAP層4及び被覆シート10が積層された4層構造のSAPシート1を製造した。
[1]SAP受容層の形成:
ワイヤー上に送り出した支持シートの表面に、粉体フィーダーを用いて粉状の熱可塑性樹脂を均一な厚さとなるように散布することにより、バインダー層を形成した。支持シートとしては、坪量14g/mのティシュを用いた。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂の粉末(PEパウダー)と、繊維長5mm、繊度1.7dtexのPE/PP芯鞘繊維を用いた。PEパウダーについては8g/m、前記芯鞘繊維については8g/mを積層した。
バインダー層の表面に、マットフォーマーでパルプ短繊維を積層してSAP受容層を形成した。パルプ短繊維としては、繊維長0.05〜5mmのパルプ繊維(商品名:NBKP、王子製紙社製)を用いた。パルプ短繊維は35g/mを積層した。
[2]SAP層の形成:
前記のように形成されたSAP受容層の表面に、粉体フィーダーを用いてSAP粒子組成物を散布することにより、SAP層を形成した。SAP粒子としては、質量平均粒子径が375μm、ゲル通液速度vが190ml/分、吸湿ブロッキング率rが95.1%のSAP粒子を用いた。SAP粒子組成物としては、前記SAP粒子が100質量%で、MFCを含まないものを用いた。このSAP粒子組成物をSAP粒子の担持量が390g/mとなるように積層してSAP層を形成した。
[3]積層体の形成:
SAP層の表面に、SAP層の被覆材となる被覆シートを載置し、支持シート、バインダー層、SAP層及び被覆シートが積層された積層体を形成した。被覆シートとしては、坪量14g/mのティシュを用いた。
支持シートが載置されたワイヤーの下面側から積層体を減圧吸引し、その状態で赤外線ドライヤーを用いて積層体を加熱し、バインダー層を構成する熱可塑性樹脂を溶融させ、SAP受容層を支持シートに対して固定した。
[4]SAP層の板状化:
前記積層体の支持シート側及び被覆シート側から、前記積層体(支持シート、SAP層、被覆シート等)に対し3質量%グリセリン水溶液をスプレーした。次いで、熱加圧ロールで加熱押圧することにより、水分の除去及び乾燥を行い、SAP分子同士を水素結合させた。これによりSAP層を板状化させた。
[5]貫通部の形成:
前記積層体の支持シート側及び被覆シート側から、前記積層体(支持シート、SAP層、被覆シート等)に対し3質量%グリセリン水溶液を付着させた後、被覆シートの側から、積層体に対しエンボスロールを押し当てて、前記積層体にエンボス加工類似の処理を施し、被覆シートに微細な貫通部を形成した。
エンボスロールのエンボスパターンは、81632個/mの密度で、3.5mmφの円柱状のピンが、3.5mmピッチで配置された列を、更に3.5mmピッチで多数列配置された千鳥配置のものを用いた。処理後、被覆シートには3.5mmφの円形の貫通部が81632個/mの密度で形成され、本発明のSAPシートが得られた。処理後における積層体(SAPシート)の水分及びグリセリンの付着量は、積層体全体の乾燥質量を100質量部とした場合に水分が12質量部、グリセリンが0.5質量部であった。
本発明のSAPシートは、パンツ型使い捨ておむつ、テープ型使い捨ておむつ、尿パッド、生理用品等の吸収性物品として利用することができる。
1:SAPシート、2:SAP粒子、4:SAP層、6:支持シート、8:SAP受容層、10:被覆シート、12:貫通部。

Claims (8)

  1. 高吸水性重合体(SAP)粒子を含むSAP層を有するSAPシートであって、
    前記SAP層の支持体となる支持シートと、
    前記支持シートの表面に形成された、繊維状材料からなるSAP受容層と、
    前記SAP受容層の表面に形成された、繊維状材料を含まず、かつ、少なくとも前記SAP粒子を含むSAP粒子組成物からなるSAP層と、
    前記SAP層の表面を被覆するように載置された、親水性材料からなる被覆シートと、が積層された積層体が構成され、
    前記SAP層は、前記SAP受容層を介して前記支持シートに対して固定され、前記SAP粒子の担持量が100〜400g/mで、かつ、前記SAP粒子を構成するSAP分子同士の水素結合によって、前記SAP粒子同士が相互に固着され、板状化された層であり、
    前記被覆シートが、紙によって構成され、かつ、900〜100,000個/mの密度で、湿潤状態における脆弱部が形成されているSAPシート。
  2. 前記被覆シートを構成する紙がティシュ又は吸収紙である請求項1に記載のSAPシート。
  3. 前記被覆シートに含まれるセルロース分子と、前記SAP層に含まれるSAP分子との水素結合によって、前記被覆シートと前記SAP層が相互に固着されている請求項1又は2に記載のSAPシート。
  4. 前記支持シートが、紙によって構成され、かつ、900〜100,000個/mの密度で、湿潤状態における脆弱部が形成され、
    前記SAP受容層がパルプ短繊維によって構成され、
    前記支持シートに含まれるセルロース分子と前記SAP受容層に含まれるセルロース分子の水素結合によって、前記支持シートと前記SAP受容層が相互に固着されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のSAPシート。
  5. 前記支持シートを構成する紙がティシュ又は吸収紙である請求項4に記載のSAPシート。
  6. 前記SAP受容層に含まれるセルロース分子と前記SAP層に含まれるSAP分子の水素結合によって、前記SAP受容層と前記SAP層が相互に固着されている請求項4又は5に記載のSAPシート。
  7. 前記SAP粒子組成物が、繊維状材料を含まず、かつ、前記SAP粒子組成物全体の質量に占める前記SAP粒子の質量が70〜100質量%のSAP粒子組成物である請求項1〜6のいずれか一項に記載のSAPシート。
  8. 前記脆弱部が形成されたシート及び前記SAP層に保湿剤を添加した請求項1〜7のいずれか一項に記載のSAPシート。
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