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JP2008125602A - 吸収体及びそれを用いた吸収性物品 - Google Patents

吸収体及びそれを用いた吸収性物品 Download PDF

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JP2008125602A JP2006311471A JP2006311471A JP2008125602A JP 2008125602 A JP2008125602 A JP 2008125602A JP 2006311471 A JP2006311471 A JP 2006311471A JP 2006311471 A JP2006311471 A JP 2006311471A JP 2008125602 A JP2008125602 A JP 2008125602A
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Rumiko Kasahara
瑠美子 笠原
Takao Kasai
孝夫 笠井
Tadashi Wada
正 和田
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Abstract

【課題】スポット吸収性に優れると共に、多量の液が供給されたり多量の液が吸収されたりした場合であっても、液の拡散の制御により漏れを効果的に防止することができ、更に強度に優れ、防漏性の低下やヨレが生じにくい吸収体、及びそれを用いた吸収性物品を提供すること。
【解決手段】本発明の吸収体10は、互いに結合した短繊維122を含み且つ長繊維121を含む繊維集合体12を含み、繊維集合体12中に、塊状の粒子13又は吸収性ポリマーの粒子を含む。本発明の吸収性物品は、着用時に着用者の排泄部に対向配置される部位に、前記吸収体10の短繊維が存在する部分が位置するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品に好ましく用いられる吸収体及びその吸収体を用いた吸収性物品に関する。
連続フィラメントの開繊トウを用いた吸収性物品の吸収体が知られている。例えば、捲縮性アセテート繊維のトウ層と、この層の片面に積層した粉砕パルプ層とからなる吸収体であって、該吸収体の厚さ方向に両層をプレスで一体化したものが知られている(特許文献1参照)。この吸収体によれば、体液の拡散性が向上するとされている。しかし、アセテート繊維はパルプよりも吸水能力が劣るので、この吸収体の吸収容量を高めるためには、多量の粉砕パルプを使用しなければならない。その結果、吸収体が厚くなり、柔軟性が低下し吸収性物品の着用感が低下してしまう。
ところで、使い捨ておむつにおける横漏れを防止する技術として、例えば、吸収体の両側部に着用者の肌側に向かって突出する凸条部を形成することが知られている。しかし、凸条部を形成するために、製造工程が複雑化したり、製造コストが上昇したりする。
これらの技術とは別に、本出願人は先に、パルプ繊維、高吸水性ポリマー、及び該パルプ繊維より繊維長の長い親水性繊維よりなる多数の小塊より形成された吸収体を有する吸収性物品を提案している(特許文献2参照)。
特開昭57−160457号公報 特開平07−024003号公報
本発明の目的は、スポット吸収性に優れると共に、多量の液が供給されたり多量の液が吸収されたりした場合であっても、液の拡散の制御により漏れを効果的に防止することができ、更に強度に優れ、防漏性の低下やヨレが生じにくい吸収体、及びそれを用いた吸収性物品を提供することにある。
本発明は、互いに結合した短繊維を含み且つ長繊維を含む繊維集合体と、該繊維集合体中に含まれる塊状の粒子とを有する吸収体を提供することにより、前記目的を達成したものである。
また本発明は、互いに結合した短繊維を含み且つ長繊維を含む繊維集合体と、該繊維集合体中に含まれる吸収性ポリマーの粒子とを有する吸収体を提供することにより、前記目的を達成したものである。
また、本発明は、前記吸収体を具備する吸収性物品であって、着用時に着用者の排泄部に対向配置される部位に、前記短繊維が存在する吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収体は、スポット吸収性に優れると共に、多量の液が供給されたり多量の液が吸収されたりした場合であっても、液の拡散の制御により漏れを効果的に防止することができ、更に強度に優れ、防漏性の低下やヨレが生じにくい。
本発明の吸収性物品は、排泄部に対向配置される部位が、短繊維を含んでおり、スポット吸収性に優れると共に、多量の液が供給されたり多量の液が吸収されたりした場合であっても、液の拡散の制御により漏れを効果的に防止することができ、更に吸収体が強度に優れ、使用中における防漏性の低下やヨレが生じにくい。
以下、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の一実施形態である吸収体10は、図1及び図2に示すように、互いに結合した短繊維122を含み且つ長繊維121を含む繊維集合体12と、該繊維集合体12中に含まれる塊状の吸収性ポリマー13(塊状の粒子)とからなる吸収性コア11と、該吸収性コア11を被覆するラップシート14とからなる。
繊維集合体12は不織布でもよい。不織布を用いることで、繊維集合体全体に強度を持たせることができ、あるいは折り加工を加えることで吸収体の構造を大きく変化させうことができる。繊維集合体12を構成する繊維は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリオレフィン(改質をして低融点化したものを含む)、レーヨンやアセテート等の半合成繊維、ナイロンやアクリル等、任意の材料を選ぶことができるが、熱や超音波による繊維同士の接着性と、繊維表面の親疎水性の制御が容易な点で、好ましくはポリオレフィンや半合成繊維である。これらは単独で用いても複合して用いてもよい。複合して用いる場合は、芯鞘構造(同芯、偏芯)やサイドバイサイド型を用いることができる。
吸収体10は、平面視して長方形状であり、吸収性物品に組み込まれた状態においては、該吸収体の長手方向と、着用時における着用者の前後方向とが一致する。
本実施形態の吸収体10には、図1及び図2に示すように、熱エンボス加工により、短繊維122同士が接合された多数の接合部15が形成されている。
多数の接合部15は、平面方向に分散した状態に形成されており、吸収体10の長手方向及び幅方向それぞれにおいて相互に離間している。より具体的には、吸収体10の長手方向に複数の接合部15が等間隔に直列に配置されており、その長手方向に直列した複数の接合部からなる接合部の列が、横方向に等間隔に複数列形成されている。隣接する列と列は、接合部のピッチが半ピッチずれており、接合部15は全体として千鳥状をなしている。
各接合部15においては、繊維集合体12が厚み方向に加圧されると共に加熱されており、複数本の短繊維122同士が熱融着している。
接合部15は、ドット状や線状など、規則性を持ったパターンを採用する場合は、スポット吸収性の維持及び強度の向上の観点から、一つ当たりの面積が0.1〜1.2cm2であることが好ましく、0.07〜0.8cm2であることがより好ましい。また、接合部15は、2cm2当たりの数が、1〜9個が好ましく、1〜4個がより好ましい。接合部15は、動物柄や花柄など、意匠性を考慮したパターンを用いてもよい。
本実施形態における接合部15は、熱エンボスにより形成されたものであるが、これに代えて、超音波エンボス、高周波エンボス等により形成することもできる。熱エンボス、超音波エンボス又は高周波エンボスの場合、短繊維は熱融着している。また、ホットメルトや低融点の熱可塑性樹脂、アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョンなどの各種バインダー、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩やポリビニルアルコールなどの水溶性バインダー等と組み合わせて用いることもできる。
上記接合部15の面積は、吸収性物品前面にわたって一様の分布をなしている必要はなく、また、意匠性を重視して絵柄等を付加する場合は、吸収性能やその他目的に応じて変更可能であり、上記範囲に限定されない。
本発明において長繊維とは、繊維長をJIS L1015の平均繊維長測定方法(C法)で測定した場合、好ましくは70mm以上、更に好ましくは80mm以上、一層好ましくは100mm以上である繊維のことをいう。
本発明で用いられる長繊維は一般に連続フィラメントと呼ばれるものである。また、連続フィラメントの束は一般にトウと呼ばれている。従って、本発明における長繊維とは、連続フィラメントを含む概念のものである。
また、本発明において短繊維とは、長繊維と同様の測定方法によりに測定した繊維長が70mm未満、より好ましくは5〜70mm、更に好ましくは10〜50mmである繊維のことをいう。ただし、測定対象とする繊維集合体(ウエブ)12の全長L(図1参照)が100mm未満である場合には、当該繊維集合体中の繊維の繊維長が繊維集合体の全長の好ましくは50%未満、更に好ましくは30%未満である場合に、当該繊維は短繊維であるとする。
吸収体10においては、長繊維121と短繊維122は、吸収体の平面方向における異なる部位に偏在している。具体的には、短繊維122は、吸収体10の幅方向中央の所定幅の領域M(以下、中央領域Mともいう)に偏在している。短繊維122は、前記中央領域Mに、略一様に分布している一方、該中央領域Mの両外方の側部領域S,Sには実質的に存在していない。他方、長繊維121は、側部領域S,Sに偏在し、該側部領域S,Sに略一様に分布している一方、前記中央領域Mには、該側部領域S,Sに比して少量の長繊維しか存在していない。
吸収体10における、短繊維122が偏在する部分(本実施形態においては中央領域M)は、繊維集合体12の構成繊維中、繊維長70mm未満の短繊維の割合が、重量基準で20〜100%であることが好ましく、より好ましくは50〜90%、更に好ましくは60〜90%である。また、吸収体10における、長繊維122が偏在する部分(本実施形態においては側部領域S,S)は、繊維集合体12の構成繊維中、繊維長70mm以上の長繊維の割合が、重量基準で20〜100%であることが好ましく、より好ましくは40〜100%、更に好ましくは60〜100%である。
本実施形態の吸収体10が含んでいる短繊維122は、長繊維121と同一の長繊維が切断されて生じたものである。即ち、短繊維122は、元々は、長繊維121と同一の長繊維であったが、吸収体10の製造工程において切断されて短繊維となったものである。これに対し、側部領域S,Sに位置する長繊維121は、長繊維の形態を維持しており、吸収体10の長手方向に配向している。
本実施形態の吸収体10においては、前記中央領域Mに、短繊維となった繊維の他に、長繊維の形態を維持したものが残っており、該中央領域Mには、長繊維と短繊維とが混在している。長繊維と短繊維とが混在している場合には、短繊維からなる層と長繊維からなる層とが積層され短繊維からなる層を構成する何本かの短繊維の長さ方向の一部が長繊維からなる層内に入り込んでいる程度は含めない。長繊維と短繊維とが混在している状態は、短繊維の長さ方向の一部が長繊維に絡んだ状態となっていることが好ましい。
本実施形態の吸収体10の接合部15においては、短繊維同士のみならず、長繊維と短繊維との間も熱融着している。
本実施形態における接合部15は、吸収体10の中央領域Mのみに形成されているが、側部領域S,Sにも同様の加工を施し、長繊維同士が互いに熱融着した接合部を形成しても良い。例えば、側部領域S,Sにも、熱エンボス加工を施し、中央領域Mと同様のパターンの接合部を側部領域S,Sに形成しても良い。
吸収体10中に含まれる長繊維は、捲縮していることが好ましい。長繊維の捲縮率(JIS L0208)は好ましくは10〜90%であり、より好ましくは10〜60%であり、更に好ましくは10〜50%である。長繊維が捲縮していることで、吸収体10が全体的に柔軟に変形しやすいものとなり、吸収性物品に組み込まれたときの、着用者に対するフィット性や、凹形状に変形させて防漏性を向上させる場合の凹形状への変形性を高めることができる。
また、吸収体10は、長繊維が切断されて生じた短繊維122(以下、長繊維由来の短繊維ともいう)として、捲縮した短繊維を含むことが好ましい。捲縮した短繊維は、上述した捲縮した長繊維と同程度の捲縮率を有していることが好ましい。短繊維が捲縮していることによって、繊維集合体中に吸収性ポリマーがより安定に保持され、吸収性ポリマーが該繊維集合体内を移動したり、該繊維集合体から脱落したりすることが抑制される。
長繊維及び短繊維の前記捲縮は、二次元的でも三次元的でもよい。また、長繊維の捲縮率は、長繊維を引き伸ばしたときの長さAと、元の長繊維の長さBとの差の、伸ばしたときの長さAに対する百分率で定義され、以下の式から算出される。
捲縮率=((A−B)/A) × 100 (%)
元の長繊維の長さとは、長繊維が自然状態において、長繊維の両端部を直線で結んだ長さをいう。自然状態とは、長繊維の一方の端部を水平な板に固定し、繊維の自重で下方に垂らした状態をいう。長繊維を引き伸ばした時の長さとは、長繊維の捲縮がなくなるまで伸ばした時の最小荷重時の長さをいう。長繊維の捲縮率は前述の通りであり、捲縮数は1cm当たり2〜25個、特に4〜20個、とりわけ10〜20個であることが好ましい。短繊維の捲縮率も同様にして測定される。
長繊維(長繊維由来の短繊維も同様)は、親水性であることが好ましい。親水性の繊維には、本来的に親水性を有する繊維、及び本来的には親水性を有さないが、親水化処理が施されることによって親水性が付与された繊維の双方が包含される。好ましくは本来的に親水性を有する繊維であり、より好ましくはアセテートやレーヨンからなる繊維であり、とりわけアセテートは繊維集合体が湿潤しても嵩高性が保持されるので好ましい。アセテートとしては、セルローストリアセテート及び/又はセルロースジアセテートを用いることが好ましい。
長繊維(長繊維由来の短繊維も同様)として、ナイロン等の他の合成繊維や半合成繊維を用いることもできる。
親水性の長繊維(長繊維由来の短繊維も同様)は、その水分率が10%未満、特に1〜8%であることが、通液性を確保する観点、即ち吸水しても可塑化されないために柔軟化せず、あるいは繊維が膨潤しないために目詰まりを起こさない観点から好ましい。また、水分率が高い繊維は繊維が吸湿して、あるいは繊維自体の親水性が強いために、繊維−繊維間や同一繊維の異なる部位間において水素結合によって、特に吸収性物品の製造工程において厚みを制御するために圧縮する際、あるいはまた、パック内などにおいて吸収性物品が長期圧縮された状態に置かれたときになどに、製品が硬くなり装着感の低下やこすれ等による身体トラブルを起こす可能性がある。
水分率は、特許文献2の段落〔0025〕に記載の方法で測定する。
本実施形態における長繊維は、吸収体の製造時に、長繊維のウエブの一部を、塊状の粒子(塊状の吸収性ポリマー等)の存在下に加圧圧縮して切断する観点から、繊維強度が、3g/d以下であることが好ましく、0.5〜2.5g/dであることが好ましい。
繊維強度は、以下のようにして測定する。
〔繊維強度の測定方法〕
JIS L1015化学繊維ステープル試験法引張り強さの項に準拠して行った。すなわち、コピー用紙に、繊維1本を、該繊維の固定されていない部分の長さ(空間距離)が20mm(繊維が短い場合は10mm)となるように貼り付けた。具体的には、貼り付けテープ間の距離が20mm(繊維が短い場合は10mm)となるように、繊維の両端部それぞれを幅18mmの貼り付けテープ〔ニチバン株式会社のスコッチテープ(商品名)〕を用いてコピー用紙に固定した。
この試料を、引張り試験機のチャックに取り付け、上下の貼り付けテープ部近傍で紙を切断し、引張り試験に供した。
装置は、ORIENTEC RTC−1150A型テンシロン引張り試験機を用いた。フルスケール5kgのロードセルを用いて適宜測定レンジを切り替えて行った。引張り速度は、300mm/minであった。測定は10点行い、その平均値を測定値とした。平均値に対して20%以上値が振れた測定値は除き、測定を追加した。
尚、長繊維の繊度は1.0〜10dtex、特に1.5〜8dtexであることが好ましい。
長繊維由来の短繊維は、良好なスポット吸収性を得る観点から、個々の短繊維の長手方向両端(切断端部)の位置が、吸収体の長手方向においてランダムに位置していることが好ましい。
吸収体10における吸収性ポリマー13は、吸収体10の平面方向の一部に偏在している。具体的には、図1及び図2に示すように、吸収体10平面方向における前記中央領域Mに偏在している。吸収性ポリマー13は、前記中央領域Mに略一様に分布している一方、該中央領域Mの両外方の側部領域S,Sに位置する部分には実質的に存在していない。
本発明においては、塊状の粒子を用いることが好ましい。塊状の粒子としては、本実施形態におけるように塊状の吸収性ポリマーが好ましい。塊状の吸収性ポリマーとは、水溶液重合法により重合した吸収性ポリマー含水ゲルを板状にキャストし乾燥後に粉砕したものや、逆相けん濁重合法で界面活性剤の種類や攪拌力を制御することにより不定形粒子が凝集してできたものである。これに対して、球状や複数の球状の凝集体や繊維状、鱗片状のものがある。
塊状の吸収性ポリマー(吸収性ポリマー以外の塊状の粒子も同様)の平均粒径は、150〜600μm、特に200〜500μmであることが好ましい。平均粒径は次のようにして求めた。
(平均粒径の求め方):吸収性ポリマーの場合で例示。
吸収ポリマー50gを振とう機(レッチェ社製、AS200型)を用いてふるい分けを行った。使用したふるいはJIS Z 8801で規定された東京スクリーン社製の標準ふるいであり、目開き850、600、500、355、300、250、150のものを用いた。振とうの条件は、50Hz、振幅0.5mm、10分間で行った。測定は3回行い、平均値をふるい上重量とした。得られた各ふるい上重量を50で除して相対頻度を求め、粒度累積曲線を描いた。累積曲線の中央累積値(50%)に相当する粒子径を平均粒径とした。
吸収性ポリマーの材料としては、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収体に従来使用されている各種公知のポリマー材料を用いることができ、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウム等が挙げられる。
吸収性ポリマーは、自重の20倍以上の水又は生理食塩水を吸収し保持し得る性能を有するものが好ましい。
塊状の粒子としては、塊状の吸収性ポリマーの他に、例えば、セルロースパウダーや活性炭、シリカ、アルミナ各種粘土鉱物(ゼオライト、セピオライト、ベントナイト、カンクリナイト等)等の有機、無機粒子(消臭剤や抗菌剤)が挙げられる。無機粒子は一部金属サイトを置換したものを用いることができる。これらは凝集体として用いても良いし、別の担体と複合化して用いてもよい。凝集体あるいは担体との複合体の平均径は、150〜600μm、特に200〜500μmであることが好ましい。これら塊状の粒子は、2種以上を併用することもできる。これら成分の働きの一例として、吸収体に吸収された排泄物のにおいや素材由来のにおいを抑制することが挙げられる。
吸収性ポリマーとして、塊状のポリマーと非塊状のポリマーとを併用することもできる。また、塊状の粒子を用いずに長繊維を切断する場合等には、非塊状のポリマーのみを用いることもできる。
非塊状のポリマーとしては、モノマーと重合開始剤、架橋剤等を混合したものと噴霧乾燥する方法、逆相けん濁重合法で溶媒の種類や界面活性剤の種類を調整する方法(おおむね、ポリマーと溶媒のsp値の差を小さくすることにより、表面のでこぼこがない球状のポリマーを得ることができる)等によって得られた球状の粒子等を用いることができる。
本実施形態の吸収体のように、ロール等によって吸収性ポリマーを圧縮し、長繊維の一部を切断して短繊維とする場合、吸収性ポリマーの一部が破砕され、粒径が細かくなる可能性を含む。粒径の細かい吸収性ポリマーは、粒径が大きい吸収性ポリマーに比べて最密充填されやすいため、ゲルブロッキングや吸収体への液の取り込み速度の低下を起こす可能性がある。また、表面架橋を施した吸収性ポリマーを用いた場合、粉砕によって内部の架橋の弱い部分が露出することになり、同様にゲルブロッキングの危険性をはらむ。ゲルブロッキングは表面の液残りや液戻りにつながる。
よって、このような万一の状態に備えて、本発明の吸収体では吸収体に排泄物が吸収された場合に緩衝系が成り立つように、各種緩衝剤を含ませることができる。すなわち、各種有機、無機緩衝剤、即ち、酢酸、リン酸、クエン酸、コハク酸、アジピン酸、リンゴ酸、乳酸又はこれらの塩を単独あるいは組み合わせて用いたり、各種アミノ酸を用いることができる。また、各種有機、無機緩衝剤は、排泄物、例えば尿の分解による発生するアンモニアを中和し、おむつを中性〜弱酸性に保つ効果があり、それによって、万一おむつから肌への排泄物の液戻りがあっても、肌への影響を少なくすることができる。更に、各種有機、無機緩衝剤は、アンモニア等のアルカリを中和する働きがあるので、ウエブ12を構成する長繊維としてアセテート繊維のような分子構造内にエステル結合を有する繊維を用いた場合には、アルカリによるエステル結合の分解に起因する繊維の損傷が防止される効果も期待できる。
また、本発明の効果であるスポット吸収性を高めるため、また、液保持性と吸収速度の向上、ドライの向上を目的に、親水性の微粉又は短繊維をウエブ中に共存させることができる。親水性の微粉又は短繊維としては、フィブリル化されているか又はフィブリル化されていないセルロースパウダー、カルボキシメチルセルロース及びその金属塩、カルボキシエチルセルロース及びその金属塩、ヒドロキシエチルセルロース及びその誘導体、シルクパウダー、ナイロンパウダー、レーヨン、コットン、羊毛などの短繊維が挙げられる。これらのうち、セルロースパウダーを用いると、前記の効果を最大限向上させ得るので好ましい。親水性の微粉又は短繊維は、吸収性ポリマーの散布前にウエブに散布してもよく、或いは高吸収ポリマーと混合しておき、両者を同時にウエブに散布してもよい。
さらに液のスポット吸収性を高めるために、さらにまた、ウエブの形態保持性を向上させるために、ウエブの上及び/又は下に、或いはこれに加えて又はこれに代えて、ウエブの側部に、紙や不織布などのシート材料を一枚又は複数枚重ね合わせるか又は覆い、ウエブとシート材料とを該シートに塗られた接着剤によって接合するか、又は熱融着する方法が挙げられる。この方法によれば、一対のシート材料間にウエブが挟持固定されてなるシート状の吸収体が得られる。そのようなシート状の吸収体は、シート材料との接合及びシート材料そのものの剛性に起因して剛性が高くなり、それによってハンドリング性が良好になるので、それ単独で容易に搬送させることができる。また、このシート状の吸収体は、所望の形状に容易に裁断あるいはくり抜くことができるので、吸収性物品の形状に応じた吸収体を容易に製造できる。
前記のシート材料とウエブとを接着剤によって接合して、ウエブの保形性を高める場合には、ウエブの透水性、柔らかさ、通気性を損なわないように接着剤を塗布することが好ましい。そのためには、接着剤をできるだけ細い繊維状にして且つ断続的に(例えばスパイラル状、線状、連続したΩ形状に)塗布することが有利である。それによってウエブの特性を損なわずに繊維どうしを多数の接合点で接合することが可能になるからである。例えばホットメルト塗布装置の一種であるUFDファイバー(商品名)を用いることで、これを達成することができる。接着剤の種類に特に制限はなく、親水性接着剤及び疎水性接着剤の何れも用いることができる。特に好ましいものは親水性の接着剤である。親水性の接着剤としては例えば親水性ホットメルト粘着剤であるcycloflex(米国デラウエア州、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社の登録商標)が挙げられる。
なお、シート材料とウエブの接着は主に互いの表面同士が接着されるが、一部の接着剤はウエブ中にもぐりこみ、ウエブの厚み方向内部の繊維同士を接着する場合を含む。
前記のシート材料をウエブの上及び/又は下に重ねることは、吸収体の吸収性能を高める点からも有利である。吸収体の吸収性能を高めるためには、該シート材料として、各種繊維シートや繊維ウエブを用いることが好ましい。その例としては、エアスルー不織布、エアレイド不織布、乾式パルプ不織布、架橋パルプおよび架橋パルプを含む紙、及びそれらの複合体などが挙げられる。これらのシート材料は、1枚で用いてもよく、或いは複数枚を重ねて用いてもよい。これらのシート材料を構成する繊維は、その繊維径が1.7〜12dtex、特に2.2〜7.8dtex、とりわけ3.3〜5.6dtexであることが好ましい。坪量は15〜200g/m2 、特に20〜150g/m2 、とりわけ25〜120g/m2 であることが好ましい。特に、液の取り込み速度を向上させたい場合、液戻りを防止したい場合、シート材料中での液拡散を促進させたい場合には、坪量を15〜100g/m2 、特に20〜80g/m2 、とりわけ25〜50g/m2 とすることが好ましい。一方、吸収体のクッション性を高めたい場合、吸収体のヨレを起こりにくくしたい場合、吸収体に圧縮回復性を付与したい場合、吸収体からの水蒸気の蒸散を抑制したい場合には、坪量を25〜200g/m2 、特に30〜150g/m2 、とりわけ40〜120g/m2 とすることが好ましい。
本実施形態の吸収体10によれば、図3に示すように、短繊維が生じている中央領域Mが、着用者の液排泄部に対向する部位Pに位置するようにして、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に組み込んで使用することにより、液排泄部から排泄された液(尿や経血等)が、短繊維による優れたスポット吸収性により、吸収体10の狭い範囲から吸収体10内にスムーズに吸収される。そして、吸収体10に吸収された液は、その部位に偏在する吸収性ポリマー13により吸収され、吸収体10内に安定に保持される。
吸収体10上に短時間に多量の液が供給されたり、長時間の使用等により多量の液が吸収体10に吸収されたりした場合には、液が、側部領域S,Sまで拡散することがある。しかし、側部領域S,Sそれぞれには長繊維がその形態を維持したまま存在し、それらは吸収体の長手方向に配向しているため、側部領域S,Sに達した液は、吸収体10の長手方向(着用者の前後方向)に良好に拡散し、側部領域S,Sを横切る方向への拡散は抑制される。これにより、吸収体10の両側縁からの液の漏れ出しが効果的に防止されると共に、吸収体の広い範囲が有効に活用される。
また、吸収体10は、短繊維122同士が接合された接合部15を有しているため、短繊維122が偏在する中央領域Mにおいても、繊維集合体12、延いては吸収体10が強度に優れており、防漏性の低下やヨレが生じにくい。即ち、着用者の動きによって吸収体10に圧縮や曲げといった力が加わっても、短繊維122同士が接合部15を介して力を分散しあうため、繊維集合体12、延いては吸収体10に破壊・偏りが生じづらく、よって該繊維集合体12中に含まれる塊状の吸収性ポリマー13も偏りづらいため防漏性の低下が生じにくい。
更に、本実施形態においては、接合部15において、短繊維と長繊維も熱融着しているため、吸収体10にかかる力がより広範囲にわたって分散され、上記効果が更に期待できる。
また、接合部15が吸収体10の表面に凹形状を形成するため、液が流れ込みやすくなり、スポット吸収性が向上する。
本実施形態の吸収体10における吸収性ポリマー13及び長繊維由来の短繊維122は、何れも、吸収体10の前記中央領域Mに存在しており、吸収性ポリマー(粒子)13が分布する範囲と短繊維122が生じている範囲とが一致している。
吸収性物品に組み込まれて使用されるときの側部漏れを防止する観点から、吸収体10の幅方向における、短繊維13が生じている範囲の幅(中央領域Mの幅に同じ)W1(図1参照)は、吸収体10の全幅W(図1参照)の20〜95%、特に50〜85%であることが好ましく、短繊維が実質的に存在しない範囲の幅(側部領域Sの幅に同じ)W2(図1参照)は、吸収体10の全幅Wの5〜80%、特に15〜50%であることが好ましい。
尚、ラップシート14としては、ティッシュペーパー等のパルプシートや透水性の不織布等の透水性のシート材が好ましく用いられる。ただし、吸収性ポリマー13および短繊維122が実質的に含まれていないW2の部分はラップシートで覆われていなくても良い。
本発明の好ましい実施形態で用いられる吸収性ポリマーは、その遠心脱水法による生理食塩水の吸水量が30g/g以上、特に30〜50g/gであることが、ポリマーの使用量の点や、液吸収後のゲル感が低下することを防止する点から好ましい。吸収性ポリマーの遠心脱水法による吸収量の測定は以下のようにして行う。すなわち、吸収性ポリマー1gを生理食塩水150mlで30分間膨潤させた後、250メッシュのナイロンメッシュ袋に入れ、遠心分離機にて143G(800rpm)で10分間脱水し、脱水後の全体重量を測定する。ついで、以下の式に従って遠心脱水法による吸水量(g/g)を算出する。
遠心脱水法による吸水量=(脱水後の全体重量−ナイロンメッシュ袋重量−乾燥時吸収性ポリマー重量−ナイロンメッシュ袋液残り重量)/乾燥時吸収性ポリマー重量
次に、吸収体10の好ましい製造方法(本発明の吸収体の製造方法の一実施形態)について、図4を参照して説明する。
図4に示す吸収体の製造装置は、長繊維からなるトウ12aを、連続搬送しつつ長手方向に伸長させて開繊させ、長繊維のウエブ12を得る開繊機構2、開繊機構2により開繊されたウエブ12を、張力を緩和した状態として、ポリマー13の供給位置まで搬送する張力緩和機構3、長繊維のウエブ12の片面にラップシート14を供給するラップシート供給機構4、ラップシート14上のウエブ12に、ラップシート14側とは反対側の面側から吸収性ポリマー13を供給する吸収性ポリマー供給機構6、ラップシート14の、ウエブ12の両側縁より延出した部分14a,14aを折り返して、ウエブ12の両面を該ラップシート14で被覆する折り返し機構7、両面をラップシートで被覆されたウエブ12をラップシートと共に厚み方向に加圧して圧縮し、該ウエブ12の一部における長繊維を切断する長繊維切断機構8、一部における長繊維を切断されたウエブ12における短繊維が生じている部分に熱エンボス加工を施し、短繊維同士が互いに結合した接合部15を形成する熱エンボス装置5を具備している。
開繊機構2は、折り畳まれて圧縮された状態の原反から帯状のトウ12aを連続的に引き出し、そのトウ12aを搬送途中で順次開繊するように構成されている。開繊機構2は、開繊機(バンディングジェット)21〜23を備えている。また、開繊機21と22との間には、トウ11を一旦上方に送った後に降下させるためのガイド24を備え、開繊機22、23の間には、プレテンショニングロール25及びブルミングロール26を備えている。開繊機21〜23は、エアーを吹き付けて搬送中のトウを開繊させてその幅を拡げる装置である。プレテンショニングロール25は、開繊機21で開繊されたトウ12aをニップして所定の速度で繰り出す一対のロール250,251を備えている。ブルミングロール26は、周方向に延びる多数の溝及び凸条部を備えた金属製の溝ロール260と、周面がゴムで形成されたアンビルロール261とを備えており、プレテンショニングロール25との間に速度差を設け、溝ロール260の凸条部が押圧して張力を与える部分と溝ロール260の溝部に位置して張力を与えない部分とを生じさせることで、トウ12aを開繊させる。
張力緩和機構3は、開繊機23の下流に配されたフィードロール31及びバキュームコンベア32を備えている。フィードロール31は、ブルミングロール26の周速度V2よりも遅い周速度で回転駆動される一対のロール310,311を備えている。フィードロール31は、開繊機構2によりトウ12aを開繊して得られた長繊維のウエブ12を、プレテンショニングロール25とブルミングロール26との間で伸長され張力を高められた状態のトウないしウエブよりも、張力を緩和した状態として、バキュームコンベア32上に供給されたラップシート14上に供給する。バキュームコンベア32は、フィードロール31の送り速度V3(一対のロール310,311の周速度)よりも更に遅い搬送速度V4で駆動される通気性の無端ベルト320と、バキュームボックス321とを備えている。バキュームコンベア32上のラップシート14上に供給されたウエブ12は、張力を緩和された状態のまま、無端ベルト320によって更に搬送され、ポリマーの供給位置まで搬送される。
ラップシート供給機構4は、ラップシート14を、長繊維のウエブ12の片面側に供給する。ラップシート供給機構4は、ラップシート14の巻出手段と、巻き出されたラップシート14をバキュームコンベア32に案内する案内ロール(図示せず)とからなり、巻出手段は、ラップシート14が巻回されたロール41と該ロール41を駆動させる駆動装置(図示せず)とを備えている。
吸収性ポリマー供給機構6は、長繊維のウエブ12の上面側(ラップシート14側とは反対側の面側)に配されたポリマー供給口から吸収性ポリマー13を散布する。無端ベルト320を挟んで、前記ポリマー供給口の反対側には、バキュームボックス321が位置しており、バキュームボックス321によりウエブ12の裏面側から吸引した状態下に吸収性ポリマーの散布も行うことができる。ポリマー供給口は、ウエブ12の搬送方向(長手方向)に直交する方向の幅がウエブの幅よりも狭くなっており、ウエブ12の幅方向中央の所定幅の領域にのみポリマー13を散布するようになされている。
折り返し機構7は、流れ方向の両側に折曲用のガイド71を備えている。ラップシート14は、長繊維切断機構8を構成する一対のロール80,81により引っ張られて、連続的に搬送されながら、該ラップシート14の、ウエブ12の両側縁より外方に延出した部分14a,14aが、それぞれ、ガイド71によってウエブ12の上面側に折り返される。この折り返しにより、ウエブ12の上面側もラップシート14で被覆され、その結果、ウエブ12の上下両面がラップシート14により被覆された状態となる。
長繊維切断機構8は、両面をラップシートで被覆された長繊維のウエブ12(以下、ポリマーが散布された長繊維のウエブ12及び該ウエブを被覆するラップシート14からなる複合体を吸収体連続体100ともいう)を挟んで厚み方向に加圧圧縮する一対のロール80,81を備えている。
一方のロール80は、軸長方向の中央の所定幅の部分の外周面80Mが、ゴム、シリコン等の弾性素材からなり、軸長方向における該中央領域の両側に位置する部分の外周面80Sがスチール等の金属等の硬質素材(非弾性素材)からなる。ロール80における、弾性素材からなる外周面80Mの、ウエブ12に直交する方向の幅は、ポリマー供給口の同方向の幅と略同じである。
熱エンボス装置5は、外周面に多数の凸部51を有するエンボスロール50と、該ロール50に対向配置された、平滑な外周面を有するプレスロール52とを備えている。エンボスロール50は、加熱可能になされている。エンボスロール50の凸部51の配置は、吸収体10に形成する接合部15の配置に対応している。エンボスロール50は、軸長方向の中央の、前記ロール80の外周面80Mと略同じ幅の領域に凸部51を有している。
熱エンボス装置5の下流には、吸収体連続体の切断機構60を備えている。吸収体連続体の切断機構60は、軸長方向に延びる切断刃61aを備えたカッターロール61とアンビルロール62とを備え、吸収体連続体100を、吸収性物品に組み込まれる個々の吸収体の長さに切断する。
上述した製造装置を使用して吸収体10を製造するには、図4に示すように、開繊機構2によって、原反から帯状のトウ12aを連続的に引き出し、開繊機21〜23の圧搾空気によるトウ12aの幅の拡幅及びプレテンショニングロール25とブルミングロール26の周速度差によるトウ12aの延伸によって、該トウ12aを開繊し、長繊維からなるウエブ12を得る。
そして、得られたウエブ12を、フィードロール31を介して、バキュームコンベア32上に供給されたラップシート14上に供給する。
そして、ウエブ12を、バキュームコンベア32によって、ラップシート14と共に搬送しながら、そのウエブ12に対して、吸収性ポリマー供給機構6により吸収性ポリマー13を散布する。
本実施形態においては、吸収性ポリマー13を、ウエブ12の幅方向中央の所定幅の領域のみに散布している。また、吸収性ポリマー13を、ウエブ12の長手方向に連続的に散布している。吸収性ポリマー13の散布量は、後述する長繊維の切断において、長繊維が良好に切断されるようにする観点から、ウエブ12の坪量と同等以上であることが好ましく、より好ましくは2倍以上、更に好ましくは3倍以上である。例えば、ウエブ12の坪量が30g/m2 であった場合、吸収性ポリマー13の散布量は、30〜400g/m2 、特に60〜300g/m2 とすることが好ましい。
本実施形態においては、トウ12aを開繊して得たウエブ12を、トウ12aを開繊させた際の最大伸長状態よりも収縮させた状態で、ラップシート14上に積層している。より具体的には、ブルミングロール26の周速度V2をプレテンショニングロール25の周速度V1よりも速くして、トウ12aを開繊させる一方、ブルミングロール26の周速度V2よりも、ラップシート14の搬送速度V4(バキュームコンベア32の無端ベルト320の搬送速度に同じ)を遅くすることによって、バキュームコンベア32上でのウエブ12の張力を緩めて捲縮性を発現させている。これにより、上述した長繊維及び短繊維の好ましい捲縮率を効率よく発現させることができる。本実施形態において、トウ12aを開繊させる際の最大伸長状態は、プレテンショニングロール25とブルミングロール26との間の伸長状態である。
本実施形態においては、ラップシート14として、ウエブ12の上下両面を被覆するに充分な幅を有するラップシート14を用いている。ラップシート14は、図4に示すように、吸収性ポリマー13がウエブ12に供給された後、該ウエブ12の両側縁より延出した部分14a,14aが、折り返し機構7によって該ウエブ12の上面側に折り返され該上面側もラップシートによって被覆される。ラップシート14としては、従来、吸収性コアを包み込むときに用いられている各種の材料を特に制限なく用いることができる。
次いで、吸収体連続体100に対して、上述した長繊維切断機構8による加圧圧縮及びそれによる長繊維の切断が行われる。この加圧圧縮及びそれによる長繊維の切断は、吸収体連続体100を、一対のロール80,81に挿通し、ウエブ12における、吸収性ポリマー13を散布した範囲の全域又は一部を厚み方向に加圧して行う。
長繊維の切断は、吸収性ポリマー13が散布されている範囲であって、しかも一方のロール80の弾性素材からなる外周面80Mと、他方のロール81の硬質素材からなる外周面との間に挟まれて加圧された部分に生じる。この長繊維の切断は、図5に示すように、長繊維121が、塊状の吸収性ポリマー13に押し当てられることにより生じる。
そして、長繊維の一部が切断された吸収体連続体100は、熱エンボス装置5のエンボスロール50とプレスロール52との間に導入され、多数の凸部52による部分的な加圧及び加熱が行われる。これにより、吸収体連続体100に多数の接合部15が形成される。
そして、接合部15が形成された吸収体連続体100は、吸収体連続体の切断機構5によって、それが組み込まれる吸収性物品の種類や寸法等に応じた所望の寸法に切断されて、吸収体10とされる。
本実施形態の製造方法によれば、このようにして、上述した形態の吸収体10を効率よく連続生産することができる。
本発明における吸収体が組み込まれる吸収性物品としては、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等が挙げられる。吸収性物品は、一般には、液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート、及びこれらの両シート間に介在された吸収体を具備している。
本実施形態の吸収体10の製造方法によれば、塊状の吸収性ポリマーを散布する範囲と、加圧圧縮により長繊維を切断する範囲とを適宜に調節することで、所望の部位にスポット吸収性に優れた領域を有する吸収体を効率よく製造することができる。
上述した吸収体の製造法では、長繊維のウエブと吸収性ポリマーを複合化した後に、圧縮ロールによって長繊維を切断したが、予め切断した繊維上に吸収性ポリマーを散布し複合化しても同様の効果が得られる。繊維の切断方法は例えば多数のスリットが刻まれた複数のロールにかみこませて切断する方法や、カッター刃による方法、その他、水流やレーザーを使うなど、公知の方法を使うことができる。
図6は、本発明の他の実施形態の吸収体を模式的に示す図である。図6においては、右下がりの実線の斜線を付した領域RAが、吸収性ポリマーを散布した範囲(吸収性ポリマーが分布する範囲に同じ)であり、左下がりの点線の斜線を付した領域RBが、ウエブ12を加圧圧縮して、長繊維由来の短繊維を生じさせた範囲である。
図6(a)に示す吸収体は、吸収性ポリマーが分布する範囲RAに、短繊維が生じている範囲RBが含まれている。具体的には、吸収体の長手方向及び幅方向の何れの方向においても、吸収性ポリマーが分布する範囲RAに比べて短繊維が生じている範囲RBが狭い。
図6(a)に示す吸収体は、上述した吸収体の製造方法において、上述したロール80として、外周面の周方向に、弾性素材からなる切断部と金属等の硬質素材(非弾性素材)からなる非切断部とが交互に形成されており且つ該切断部のウエブ12に直交する方向の幅がポリマー供給口の同方向の幅より狭いロールを用いることにより製造することができる。この場合、ロール80の弾性素材からなる切断部とロール81の硬質素材からなる外周面との間で加圧圧縮された箇所の長繊維が切断される。金属からなる非切断部に代えて、切断部間に凹部を形成し、該凹部を、長繊維を切断させない非切断部とすることもできる。
図6(b)に示す吸収体も、吸収性ポリマーが分布する範囲RAに短繊維が生じている範囲RBが含まれている。具体的には、吸収体の幅方向においては、吸収性ポリマーが分布する範囲RAより短繊維が生じている範囲RBの幅が狭く、吸収体の長手方向においては、吸収性ポリマーが分布する範囲RAと短繊維が生じている範囲RBの長さが同じである。
図6(b)に示す吸収体は、上述した吸収体の製造方法において、上述したロール80として、弾性素材からなる外周面80Mのウエブ12に直交する方向の幅が、ポリマー供給口の同方向の幅より狭いロールを用いることにより製造することができる。
図6(c)に示す吸収体は、吸収性ポリマーが分布する範囲RAと短繊維が生じている範囲RBとが一致している。図6(c)に示す吸収体は、上述した吸収体の製造方法において、吸収性ポリマーを間欠的に散布すると共に、上記ロール80として、外周面の周方向に、弾性素材からなる切断部と、硬質素材(非弾性素材)からなる非切断部又は凹部である非切断部とが交互に形成されており且つ該切断部のウエブ12に直交する方向の幅がポリマー供給口の同方向の幅と同じロールを用いることにより製造することができる。
本発明の吸収体は、例えば、図6(a)及び図6(c)に示す吸収体のように、吸収体の長手方向の前後端部それぞれに長繊維からなる部分を有する一方、それらの間に長繊維由来の多数の短繊維が存在する部分を有しているものであっても良い。その場合、図6(a)及び図6(c)に示す吸収体のように、吸収体の左右両側部にも長繊維からなる部分を有し、全体として、長繊維からなる部分が、短繊維が生じている範囲を囲んでいることが好ましいが、吸収体の左右両側部に長繊維からなる部分を有しないものであっても良い。
また、図6(a)〜図6(c)に示す吸収体においも、短繊維同士が接合された接合部(図示略)が形成されている。短繊維同士が接合された接合部の分布範囲は、吸収体の幅方向においては、短繊維が生じている範囲RBと重なる範囲であり、長手方向においては吸収体の全長に亘る範囲である。
図6(a)〜図6(c)に示す吸収体においても、短繊維が生じている範囲RBが優れたスポット吸収性を示すので、該範囲RBを、着用者の液排泄部に対向する部位に位置するようにして、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に組み込んで使用することにより、液排泄部から排泄された液(尿や経血等)が、吸収体10の狭い範囲からスムーズに吸収され、その部分に存在する吸収性ポリマーに安定的に保持される。また、多量の液が供給されたり、多量の液が吸収体に吸収されたりした場合に、液が吸収体の長手方向両側部に達すると、吸収体の長手方向に配向している長繊維により、液は吸収体の長手方向(着用者の前後方向)に良好に拡散して吸収体の広い範囲が有効に利用される一方、吸収体の幅方向への拡散は抑制される。また、短繊維が生じている部分に接合部が形成され、各接合部においては短繊維同士が熱融着されているため、吸収体10は、強度に優れ、防漏性の低下やヨレが生じにくい。
尚、本発明の吸収体においては、短繊維が生じている範囲と短繊維同士が結合した接合部が形成されている範囲とが略一致していても良いし、前者が後者より狭く、前者が後者に完全に含まれていても良い。更に、前者と後者とが一部のみ重複していても良い。例えば、図6(a)〜図6(b)に示す各吸収体の幅方向の全域に、短繊維同士が結合した接合部が分布していても良い。また、図6(a)及び図6(b)に示す各吸収体における長手方向の全域に、エンボス加工を施し、短繊維同士が結合した接合部を形成しても良い。更に、図6(b)に示す吸収体の長手方向における、範囲RBのみ、あるいは更に狭い範囲のみにエンボス加工を施しても良い。
図7は、本発明の更に他の実施形態の吸収体を示す図である。
図7に示す吸収体10Aにおいては、吸収体の厚み方向の一部、即ち上下両面の内の一方の面側に塊状の吸収性ポリマー13が偏在している。ウエブ12の平面方向における、吸収性ポリマー13が分布する範囲の略全域に、長繊維が切断されて多数の短繊維122が生じている。そして、その短繊維122が生じている部分に、短繊維122同士が結合された接合部15が形成されている。
吸収体10Aは、該吸収体10Aの幅の略2倍の幅を有する帯状の長繊維ウエブの幅方向の中央領域に吸収性ポリマー13を散布し、該中央領域を、弾性材料と金属との間に挟んで加圧圧縮して該中央領域の長繊維を切断して短繊維122とし、次いで、その短繊維122が生じた中央領域にエンボス加工を施して接合部15を形成した後、該中央領域の両外方に位置する部分それぞれを、該中央領域上に折り返して積層させることにより得られる。
吸収体10Aは、上下両面の内の塊状の吸収性ポリマー13が偏在している面側が、着用者の肌側に位置するようにして、吸収性物品に組み込むことが好ましい。
図8〜12は、本発明の更に他の実施形態である吸収体を示す図である。図8〜図12に示す各吸収体10B〜10Fは、各図において斜線を付した部分に短繊維を含んでいる。
図8に示す吸収体10Bは、短繊維を主体として構成される上部繊維層91と、長繊維を主体として構成される下部繊維層92とが積層された2層構造の繊維集合体からなる吸収性コア9と、該吸収性コア9を被覆するラップシート(図示略)とからなる。ラップシートは、図1及び図2に示す吸収体10と同様に、吸収性コア9の上下面及び長手方向両側部を被覆している。
吸収体10Bにおける短繊維は、吸収性物品に組み込まれたときに着用者の肌側に配置される上部繊維層91に偏在し、長繊維は、吸収性物品に組み込まれたときに着用者の肌側とは反対側に配置される下部繊維層92に偏在している。即ち、長繊維と短繊維は、吸収体の厚み方向における異なる部位に偏在している。
本実施形態の吸収体10Bにおいては、上部繊維層91に、熱エンボス加工による接合部15が形成されており、各接合部15においては、短繊維同士が熱融着している。
図8に示す吸収体10Bによれば、短繊維を含む上部繊維層91が優れたスポット吸収性を示すので、上部繊維層91を、着用者の液排泄部に対向する部位に位置するようにして、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に組み込むことにより、液排泄部から排泄された液(尿や経血等)を、狭い範囲からスムーズに吸収体に吸収させることができる。また、多量の液が供給されたり、多量の液が吸収体に吸収されたりした場合に、液が吸収体の長手方向両側部、あるいは上部繊維層91の非肌当接面側に配された部分に達すると、吸収体の長手方向に配向している長繊維により、液が吸収体の長手方向(着用者の前後方向)に良好に拡散して吸収体の広い範囲が有効に利用される一方、吸収体の幅方向への拡散は抑制されて優れた横漏れ防止性能が得られる。
尚、吸収体10Bにおいては、上部繊維層91の幅が下部繊維層92の幅より狭くなっているが、上部繊維層91の幅を下部繊維層92の幅と略同じにすることもできる。また、上部繊維層91の長手方向の長さが下部繊維層92の長さと同じとなっているが、上部繊維層91の長さを、下部繊維層92の長さより短くすることもできる。
図9〜図12に示す各吸収体10C〜10Fは、単層の繊維集合体93からなる吸収性コア9と、該吸収性コア9を被覆するラップシート(図示略)とからなる。ラップシートは、吸収性コア9の上下面を被覆している。ラップシートは、吸収性コア9の少なくとも短繊維が偏在している部分9Sにおける上下面を被覆していることが好ましい。
図9〜図12に示す各吸収体10C〜10Fにおいては、各図において斜線を付した部分に短繊維が偏在しており、斜線を付していない部分に長繊維が偏在している。即ち、長繊維と短繊維は、各吸収体の平面方向における異なる部位に偏在している。また、各吸収体10C〜10Fにおいては、ラップシートに挟まれた状態の繊維集合体93に熱エンボス加工が施され、繊維同士が接合された接合部15,15Aが形成されている。接合部15,15Aは、各吸収体の略全域に分散配置されている。
そして、斜線を付した部分に位置する接合部15においては、短繊維同士が熱融着している。斜線を付していない部分に位置する各接合部15Aにおいては、長繊維同士が熱融着している。
図9に示す吸収体10Cは、繊維集合体93からなる吸収性コア9の長手方向の一端側に、短繊維が偏在する部分9Sを有し、長手方向の他端側に、長繊維が偏在する部分9Lを有する。短繊維が偏在する部分9Sを、使い捨ておむつの股下部から腹側部にかけて配置し、長繊維が偏在する部分9Lをおむつの背側部に配置することで、おむつの股下部に優れたスポット吸収性が得られると共に、いわゆる前漏れ(腹側部側からの漏れ)を効果的に防止することができる。他方、吸収体の前後を逆にして配置すれば、いわゆる後漏れを効果的に防止することができる。
図10に示す吸収体10Dは、繊維集合体93からなる吸収性コア9の長手方向の一端側に、短繊維が偏在する馬蹄形状の部分9Sを有し、長手方向の他端側に、長繊維が偏在する部分9Lを有する。この吸収体10Dにおいては、その長手方向における前記部分9L側に吸収性ポリマーが偏在している。この吸収体10Dは、長手方向における該部分9L側を、着用者の後側(背側)に向けておむつに組み込むことで、腹側において優れたスポット吸収性が得られるとともに、就寝時、あおむけの状態で多量に排尿されても、尿を効果的に拡散し、多くの吸収性ポリマーに保持させるため、漏れを効果的に防止することができる。
また、吸収体の前側が優先的に膨らみ段差を形成することで、背側の排泄物(例えば便)が身体の前側に流れるのを防ぐ堰の役割を担う。
図11に示す吸収体10Eは、繊維集合体93からなる吸収性コア9の幅方向中央部に、短繊維が偏在した部分9Sを有し、該部分9Sの両側に、長繊維が偏在した部分9Lを有している。
図11に示す吸収体10Eによれば、上述した図1及び図2に示す吸収体10と同様の効果が奏される。また、その長手方向をおむつの前後方向に一致させておむつ等に組み込まれたときに、その両側部又はその近傍に配した弾性部材により、その両側部を着用者の肌側に向かって立ち上げ易く、横漏れ防止壁を容易に形成可能である。吸収体10Eの両側部を起立させるための弾性部材は、該吸収体10Eの肌当接面側、非肌当接面側、該吸収体10Eの側縁部近傍、該吸収体10の内部等を挙げることができる。
図12に示す吸収体10Fは、繊維集合体93からなる吸収性コア9中に、短繊維が存在する部分9Sが分散して配置されている。短繊維を含む複数の部分がランダム又は規則的パターンで存在することによって、短繊維を含む部分が素早く吸収して膨潤し、その膨潤により生じた隆起が形成され、隆起しない部分の作用により、肌とおむつとの間の通気性が良好に維持される。さらに、肌とおむつの接触面積が低下するため、こすれ等の肌への負担が低減される。
上記の吸収体10B〜10Fにおける短繊維は、何れも合成又は半合成繊維であることが好ましい。吸収体には、従来、パルプ繊維が汎用されているが、パルプ繊維ではない短繊維を用いることで、繊維自体が吸水しづらく、へたりにくいため、吸収体の嵩高性が維持されて吸収性ポリマーが膨潤しやすい環境が維持できる。
短繊維として用い得る合成繊維としては、ポリエチレン・ポリプロピレンに代表されるポリオレフィン、ポリエチレンテレフタラートに代表されるポリエステル、アクリルに代表されるポリアクリロニトリル、ナイロンに代表されるポリアミド、ビニロンに代表されるポリビニルアルコール、ポリウレタン等が挙げられる。
短繊維として用い得る半合成繊維ととしては、レーヨン、キュプラ、アセテート等が挙げられる。
合成及び半合成繊維は、それぞれ、上述のもの等を1種単独で又は2以上を組み合わせて使用することができる。また、合成又は半合成繊維という表現には、合成繊維と半合成繊維との併用も含まれる。
本発明における短繊維は、パルプ繊維であっても良い。短繊維がパルプ繊維である場合、パルプ繊維として、叩解度の低いものを用い、パルプ繊維同士が結合された接合部を、加圧エンボスや水流交絡、化学反応によって形成することができる。
吸収体10B〜10Fは、それぞれに含まれる短繊維が、長繊維を塊状の粒子で切断して生じさせたものでない点で、上述した第1実施形態の吸収体10と異なっている。
図8に示す吸収体10Bにおける上部繊維層91は、カード機を用いて製造したカードウエブ、ガーネット機を用いて製造したガーネットウエブ、風で飛ばして積層したエアレイドウエブ等から構成することができる。カードウエブを構成する繊維は、カード機に供給する原綿の段階で既に短繊維である。
他方、吸収体10Bにおける下部繊維層92は、上述した吸収体の製造方法と同様にトウを開繊して得たウエブから構成することができる。また、溶融した樹脂を直接紡糸するスパンボンド法で得られたウエブから構成することもできる。該ウエブは親水化処理や2次加工により捲縮を付与しても良い。
図13(a)は、吸収体10Bの製造方法の一例を示す図である。
図13(a)に示す方法においては、ホッパ94で計量した短繊維122Aを、カード機95に供給して帯状のカードウエブ91Aを得、該ウエブ91Aを、エンボスロール50とアンビルロール52との間に導入して熱エンボス加工を施し、短繊維122A,122A同士が接合された接合部15を形成する。
そして、接合部15形成したウエブ91A上に非塊状の吸収性ポリマー13を散布した後、該ウエブ91Aのポリマー散布面上に、トウを開繊して得た長繊維のウエブ12を重ね、ついで、その積層体を一対のローラー96,96間に挿通して厚み方向に加圧する。一対のローラー96,96による加圧は、前記積層体の厚みが減少して保形性が向上する一方、長繊維の切断が実質的に起こらない条件にて行う。一対のローラー96,96による加圧後、図示しないラップシート供給機構によりラップシートを供給して積層体を被覆し、次いで、吸収体一枚分の長さに順次切断することにより、上述した吸収体10Bが多数連続的に得られる。
この実施形態の製造方法においては、吸収性ポリマー13を、カードウエブ91Aと長繊維のウエブ12との間に挟まれるように供給しており、得られた吸収体10Bにおいては、吸収体の厚み方向における、上部吸収層91と下部吸収層92との境界部付近に吸収性ポリマーが偏在している。
図13(b)は、吸収体10C〜10Fの製造方法の一例を示す図である。
図13(b)に示す方法においては、トウを開繊して得た長繊維のウエブ12を連続的に搬送し、該ウエブ12を、伸長可能なシート14aに重ねた状態で、該ウエブ12上に非塊状の吸収性ポリマー13を散布する。そして、吸収性ポリマー13を散布したウエブ12を、一対のローラー97,97間に通し、該ウエブ12内に吸収性ポリマー13を押し込む。次いで、ウエブ12における、ポリマーの散布面(シート14a側とは反対側の面)とは反対側にも伸長可能なシート14bを重ね、両シート14a,14bに挟まれた状態のウエブ12を、長繊維の切断装置98に通して、該ウエブ12における長繊維を部分的に切断する。そして、そのウエブ12を、エンボスロール50とアンビルロール52との間に導入して熱エンボス加工を施し、短繊維同士が接合された接合部15を形成する。そして、図示しない切断機構により、吸収体一枚分の長さに切断する。
長繊維の切断装置98は、塊状の粒子の有無に拘わらずに長繊維を切断可能なものであり、例えば、周面又は表面に切断用突起を備えた加圧部を備え、該加圧部を、シート14a,14bに挟んだ状態のウエブ12に押し当てたとき、切断用突起に加圧された部分の長繊維を切断するように構成されたものを用いることができる。長繊維の切断装置98は、伸長するシート14a,14bについては、該切断用突起で加圧しても、該シートに孔を開けにくいものが好ましい。
図14は、図11に示す吸収体10Eを製造する場合の、切断装置98の切断用突起の配置の例を示すものであり、加圧ロールの周面(加圧部の表面)に形成された切断用突起の配置を、該ロールを展開して示してある。図14に示す通り、ウエブ12の幅方向中央部に対応する部分98Mには、切断用突起が千鳥配置に形成されており、該部分98Mでウエブ12を加圧することにより、該ウエブ12の中央領域に多数の短繊維を生じさせることができる。他方、ウエブ12の両側部に対応する部分98S,98Sには、切断用突起が形成されておらず、該ウエブ12左右の側部領域には実質的に短繊維が生じない。吸収体10C,10D及び10Fは、加圧部の表面に形成する切断用突起の配置を代える以外は同様にして製造することができる。
また、本発明の吸収体の更に他の実施形態として、図4に示す製造方法における塊状の粒子の散布パターンを変更し、図9〜図12に示す吸収体の各図中の斜線部の範囲に長繊維由来の短繊維を生じさせた吸収体が挙げられる。
図15は、本発明の更に他の実施形態の吸収体の製造する方法を示す図である。
図15に示す方法においては、トウを開繊して得た長繊維のウエブ12を、長繊維の切断装置99に供給し、該切断装置99によりその長繊維を部分的に切断して、長繊維由来の短繊維を部分的に生じさせた後、その短繊維と、切断されなかった長繊維とからなるウエブを、一対のロール310,311による引っ張りにより延伸させる。次いで、そのウエブの伸長状態を、一対のロール310,311とバキュームコンベア32との間で緩和し、その緩和状態のウエブ上に、バキュームコンベア32で反対側から吸引しつつ、吸水性ポリマー13を供給する。そして、図示しないラップシート供給機構によりラップシートを供給して積層体を被覆した後、図示しない熱エンボス装置により接合部を形成し、次いで、吸収体一枚分の長さに切断する。
この製造方法によれば、長繊維と長繊維由来の短繊維を含む繊維集合体からなり、長繊維と短繊維とが混在している吸収体が得られる。この吸収体においては、短繊維同士が接合された接合部において短繊維と長繊維とも接合されている。
本発明における繊維集合体に不織布を用いる場合、該繊維集合体は、その全体が不織布であっても、不織布と不織布でない繊維の組み合わせであっても良い。
短繊維を主体として構成される不織布と、長繊維を主体として構成される、不織布ではない繊維層との組み合わせが、吸収性ポリマーの担持性、すなわち吸収体の薄型化や吸収体の強度、液の拡散性等の点で好ましい。
図16は、短繊維からなる不織布(上部繊維層)91を長繊維121からなる下部繊維層92の肌側に積層した例であり、短繊維は熱融着により不織布化されているとともに、エンボス処理が施されている。短繊維がエンボス処理された部分15は繊維が圧密化し、液の引き込み性を向上させる。
図17は、図16における不織布(上部繊維層)91を、帯状にして配した例である。長繊維121からなる下部繊維層92中の吸収性ポリマー13は主に不織布91の存在する部分に配置されている。
図16及び図17の下部繊維層92は、何れも不織布化されていない繊維ウエブからなる。図16及び図17においては、各図の左右方向が、長繊維の繊維の配向方向(繊維集合体の長手方向)に直交する方向である。図16及び図17の実施形態の何れも、短繊維存在部にスポット吸収性を発現し、長繊維部で液を拡散する効果が期待できる。これによって、吸収体全体を効率的に使うとともに、短繊維部分が液を着用者の肌から遠ざける効果が期待できる。また、短繊維は不織布化されているので、吸収体全体の強度を高め、よれや吸収体の破壊が起こるのを防ぐ効果がある。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は適宜変更可能である。
例えば、互いに結合した短繊維を含み且つ長繊維を含む繊維集合体は、フラッフパルプを含む積繊物と積層されていても良い。例えば、図1,2に示す吸収体や図6に示す吸収体における繊維集合体12を、フラッフパルプを含む積繊物に積層し、これらの全体をラップシートで被覆して吸収体とすることもできる。そのような吸収体は、短繊維及び長繊維を含む繊維集合体12が、着用者の肌側に位置するように、吸収性物品に組み込んで使用することが好ましい。
フラッフパルプを含む積繊物としては、フラップパルプのみの積繊物、フラッフパルプと吸収性ポリマーの粒子との混合積繊物、フラッフパルプと熱融着性合成繊維を混合し熱処理により一体化した混合積繊物、フラッフパルプ、吸収性ポリマーの粒子と熱融着性合成繊維を混合し熱処理により一体化した混合積繊物、エンボス処理を施したフラッフパルプの積繊物、エンボス処理を施したフラッフパルプと吸収性ポリマーの粒子との混合積繊物、水散布処理を施したフラッフパルプと吸収性ポリマーの粒子との混合積繊物等を用いることができる。フラッフパルプを含む積繊物中のフラップパルプの含有量は、例えば30〜100質量%とすることができる。
また、図7に示す吸収体10Aのように、幅広のウエブの両側部を折り返して2層構造のウエブとするのに代えて、一部を切断して短繊維化した長繊維のウエブと、短繊維化していない長繊維のウエブとを積層して2層構造の吸収体とすることもできる。
また、本発明における短繊維同士の結合は、上述した熱エンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等に代えて、他の結合手段により短繊維同士を結合させたものであっても良い。例えば、短繊維を含む繊維集合体にエアスルー法による熱風処理を施すことにより短繊維同士を熱融着させても良い。具体的には、例えば、図13に示す製造方法におけるエンボス装置5の配置位置に、エンボス装置5に代えてエアスルー方式の熱風処理機を配置し、それを用いた熱風処理により短繊維同士を熱融着させることもできる。
また、上述したホットメルトや低融点の熱可塑性樹脂、各種バインダー等を用いて結合させることもできる。
本発明の吸収体は、液透過性の表面シートと、防漏性(液透過性ないし撥水性)の裏面シートとの間に配して、使い捨ておむつ等の吸収性物品の吸収体として用いることが好ましい。また、本発明の吸収体は、従来の使い捨ておむつ等における一般的な構成の吸収体と表面シートとの間に配し、いわゆるサブレイヤーないしセカンドシートとして使用するものであっても良い。
また、エンボス加工により形成する接合部の平面視形状は、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、星型等の任意の形状とすることができる。また、多数の接合部15の配置は、千鳥状に限られず、例えば、図18に示すような配置であっても良い。 図18に、接合部の平面視形状及び配置について幾つかの例を示した。図18中、X方向が長繊維の配向方向である。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
〔実施例1〕
先ず、捲縮したアセテート長繊維のトウを用意した。この長繊維の繊維径は2.1dtex、トウの全繊維量は2.5万dtexであった。このトウを、伸長下に空気開繊装置を用いて開繊して開繊ウエブを得た。更に、多数の円盤が軸周りに所定間隔おきに組み込まれたロールと、平滑な受けロールとの間に開繊ウエブを通して、該ウエブを梳いた。その後、ウエブを幅100mmに調節し、その搬送速度を減速した状態でバキュームコンベア上に転写し、当該バキュームコンベア上でのウエブの張力を緩めて捲縮を発現させた。ウエブの捲縮率は30%、1cm当たりの捲縮数は15個であった。ウエブ上に吸収性ポリマー130g/m2を幅方向中央の70mm幅の領域に散布し、該ポリマーの粒子が開繊ウエブ中に埋設担持された第1ウエブp1を得た。吸収性ポリマーは、サンダイヤポリマー(株)の塊状のもの(IM930)を用いた。
以後、この操作と同様の操作をもう一度繰り返して、吸収性ポリマーの粒子が埋没担持されたウエブからなる第2ウエブp2を得た。このようにして得られた第1ウエブp1と第2ウエブp2の間に、坪量50g/m2のフラッフパルプ層を挟み、更に、第2ウエブp2の下に坪量100g/m2のフラッフパルプ層を配した。第2ウエブ及び2つのフラップパルプ層それぞれの幅は、第1ウエブと同じ100mmとした。
これら全体を、ホットメルト粘着剤5g/m2をスプレー塗工した坪量16g/m2のティッシュペーパーで包み、吸収体p3を得た。吸収体においては、肌から最も遠い面側に、坪量100g/m2のフラッフパルプ層が位置している。吸収体全体の坪量は390g/m2、厚さは2.2mmであった。また各開繊ウエブの坪量は13g/m2であった。一方が弾性素材、もう一方が硬質素材からなる一対の平滑ロールの間に、該吸収体p3を通し、幅方向中央の70mm幅の部分のみ長繊維トウを切断した。その後、外周面に多数の凸部を有する加熱されたエンボスロールと平滑な受けロールとの間を通して熱エンボス加工を施し、切断されて生じた短繊維同士を互いに結合させた。各エンボスの形状は円形で直径0.5cm、千鳥状に0.5cmのピッチでエンボスを施した。
吸収体は、ウエブの配向方向が、おむつの長手方向に一致するように想定して評価を行った。
〔実施例2〕
吸収性ポリマーの散布坪量を110g/m2とした以外は実施例1と同様に吸収性ポリマーの粒子が開繊ウエブ中に埋没担持されたウエブp1を得た。次に、開繊したフラッフパルプ100重量部と吸収性ポリマー100重量部を気流中で均一混合し、合計坪量300g/m2の混合体mを得た。混合体におけるフラッフパルプ及び高吸収ポリマーの坪量はそれぞれ150g/m2であった。ウエブp1に混合体mを重ね、これらを親水化処理した坪量16g/m2のスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布(SMS)を用いて包み込み、吸収体を得た。吸収体全体の坪量は362g/m2、厚さは2mmであった。それ以外は実施例1と同様にして吸収体を得た。
〔実施例3〕
実施例2において、長繊維の繊維径を6.7dtex、トウの全繊維量を1.7万dtex、ウエブ中の長繊維の捲縮率を24%、1cm当たりの捲縮数を10個にし、ウエブの平均坪量を30g/m2とした以外は実施例2と同様にして積層体を得た。それ以外は実施例2と同様にして吸収体を得た。
〔比較例1〕
開繊したフラッフパルプ100重量部と吸収性ポリマー100重量部を気流中で均一混合し、合計坪量520g/m2の積繊体を得た。フラッフパルプ及び高吸収ポリマーの坪量はそれぞれ260g/m2であった。得られた積繊体を坪量16g/m2のティッシュペーパーで包み吸収体を得た。積繊体とティッシュペーパーの間に、ホットメルト粘着剤5g/m2をスプレー塗工し、両者を接着した。これら以外は実施例1と同様にして吸収体を得た。
〔比較例2〕
比較例1と同様に、開繊したフラッフパルプ100重量部と吸収性ポリマー100重量部を気流中で均一混合し、合計坪量300g/m2の積繊体を得た。フラッフパルプ及び高吸収ポリマーの坪量はそれぞれ150g/m2であった。それ以外は比較例1と同様にして吸収体を得た。これら以外は実施例1と同様にして吸収体を得た。
〔比較例3〕
実施例1において、ロールでの圧縮、すなわち、繊維の切断を行わなかった以外は、実施例1と同様に吸収体を作成した。
〔性能評価〕
実施例及び比較例で得られた吸収体について以下の方法で吸収容量を測定し、また構造安定性及び柔軟性を評価した。それらの結果を以下の表1に示す。
〔吸収容量〕
得られた吸収体を45°の傾斜版に固定し、吸収体の上方側の端部から200mmの位置に生理食塩水を一定量、一定間隔ごとに繰り返し注入し、吸収体の下方側の端部からもれだすまでの注入量を比較した。比較例1の吸収容量を1.0とした時の相対値を以下の計算式を用いて算出した。
吸収容量(相対値)=(サンプルの吸収容量)/(比較例1の吸収容量)
〔構造安定性〕
(1)ドライ時
100×200mmに作製した吸収体の中央部を切断し、100×100mmの吸収体を得た。切断面を真下にして、振幅5cmで1回/1秒の速度で20回振動を与えたとき、切断面からの落下したポリマーの量を測定した。以下の判断基準に従って高吸収ポリマーの埋没担持性を評価した。
混合した高吸収ポリマーのうち、
○:脱落した高吸収ポリマーの割合が10%以下である。
△:脱落した高吸収ポリマーの量が10%を超え、25%以下である。
×:脱落した高吸収ポリマーの量が25%を超える。
(2)ウエット時
100×200mmに切断した吸収体全面に、生理食塩水200gをほぼ均等に吸収させた後、静かに吸収体を持ち上げたとき、吸収体が破壊しないかどうかを目視判定した。また、脱落した吸収性ポリマーの重量を測定し、別途測定しておいた脱落した吸収性ポリマー単位重量あたりの遠心保持量で除することで脱落した吸収性ポリマーのドライ時の重量を算出する。さらに、吸収性ポリマーの配合量との関係から脱落した吸収性ポリマーの割合を算出する。なお、吸収性ポリマーの配合量は、あらかじめ重量を測定しておいた分析対象の吸収体をアスコルビン酸の水溶液に浸漬させ、十分な時間日光暴露をして、吸収性ポリマーを完全に分解させる。水洗と分解を繰り返し、吸収性ポリマーが完全に溶解した後乾燥させ、前記分解前の吸収体重量の差から吸収性ポリマーの配合量を見積もることができる。
○:脱落した高吸収ポリマーの割合が10%以下であり、吸収体の破壊がない。
△:脱落した高吸収ポリマーの割合が10%を超え、25%以下であり、吸収体の破壊がない。
×:脱落した高吸収ポリマーの割合が25%を超える、あるいは吸収体が破壊する。
(3)吸収体の破壊強度(ウエット時)
吸収体を長手方向×幅方向=100mm×70mmに切断し、生理食塩水を1.0g/cm2の割合で吸収させる。吸収性ポリマーにより吸収が完了した後、(概ね表面が白色化した後)、両端をクリップで挟んで、テンシロン(オリエンテック、RTC−1150A型)にて引張り速度300mm/minで破断強度を測定した。測定は5点行い、その平均値を測定値とした。このとき、台紙はカッター等で切断しておき、台紙の強度が測定値に反映されないようにする。
〔表面の拡散性〕
表面材を配した吸収体を平面に置いて、吸収体中央部より液を注入したときの表面材表面の拡散の形状を評価した。液の注入は、所定の量(40g/回、5g/sec)を注入し、吸収終了後5分後に拡散の状態を透明シートに写し取り、画像解析処理を行うことで拡散面積を測定した。
また、肌当接面と吸収体内部あるいは、吸収体中央部と吸収体短部など、吸収体の部分部分で拡散性が異なる場合は肌当接面の値を測定した。
得られた測定値を、比較例1の吸収体の拡散面積で除して、すなわち、比較例1の値を1.0としたときの値の相対値で表した。
1.0よりも大きな値となった場合は拡散面積がより広くなったものとする。下記基準に基づき判定を行った。
○:拡散面積が比較例1の値に対して0.8以下である
△:拡散面積が比較例1の値に対して0.8を超え、1.0未満である
×:拡散面積が比較例1の値に対して1.0以上である(同等以上の拡散性を有する)
Figure 2008125602
以上のように、実施例の吸収体は拡散異方性を有し、あるいはまた、それぞれ拡散性が異なる部分を有する吸収体であることが判る。
本発明の吸収体の一実施形態を一部破断して示す斜視図である。 図1の吸収体のII−II線断面を示す模式断面図である。 図1の吸収体の効果を説明する説明図(模式平面図)である。 本発明の吸収体の製造方法の一実施形態による工程を装置とともに模式的に示す斜視図である。 長繊維が吸収性ポリマーにより切断される様子を示す概念図である。 本発明の吸収体の他の実施形態を示す模式平面図である。 本発明の吸収体の更に他の実施形態を示す断面図(図2相当図)である。 本発明の吸収体の更に他の実施形態を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のIV−IV線断面図である。 本発明の吸収体の更に他の実施形態を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のV−V線断面図である。 本発明の吸収体の更に他の実施形態を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のVI−VI線断面図である。 本発明の吸収体の更に他の実施形態を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のVII−VII線断面図である。 本発明の吸収体の更に他の実施形態を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のVIII−VIII線断面図である。 本発明の吸収体の製造方法の更の例を示す図である。 図13(b)に示す製造方法に用いた切断用突起の配置の例を示す加圧ロールの展開平面図である。 本発明の他の実施形態の吸収体の製造方法を示す図である。 本発明の吸収体の更に他の実施形態を示す断面図である。 本発明の吸収体の更に他の実施形態を示す断面図である。 接合部の配置の例を示す吸収体の平面図である。
符号の説明
10,10A〜10F 吸収体
11 吸収性コア
12 繊維集合体
121 長繊維
122 長繊維由来の短繊維
13 吸収性ポリマー(塊状の粒子)
14 ラップシート
15 短繊維同士が結合した接合部

Claims (11)

  1. 互いに結合した短繊維を含み且つ長繊維を含む繊維集合体と、該繊維集合体中に含まれる塊状の粒子とを有する吸収体。
  2. 互いに結合した短繊維を含み且つ長繊維を含む繊維集合体と、該繊維集合体中に含まれる吸収性ポリマーの粒子とを有する吸収体。
  3. 前記長繊維と前記短繊維とが混在している請求項1又は2記載の吸収体。
  4. 前記長繊維と前記短繊維は、前記吸収体の平面方向又は厚み方向における異なる部位に偏在している請求項1〜3の何れか記載の吸収体。
  5. 前記長繊維と前記短繊維は、前記吸収体の平面方向又は厚み方向における異なる部位に存在している請求項1〜3の何れか記載の吸収体。
  6. 前記粒子は、前記吸収体の平面方向又は厚み方向の一部に偏在している請求項1〜5の何れか記載の吸収体。
  7. 前記短繊維は、前記長繊維と同一の長繊維が切断されて生じたものである請求項1〜6の何れか記載の吸収体。
  8. 前記粒子が、吸収性ポリマーである請求項1,3〜7の何れか記載の吸収体。
  9. 前記長繊維と前記短繊維とが互いに結合している部分を有する請求項1〜8の何れか記載の吸収体。
  10. 前記吸収体の平面方向において、前記粒子が分布する範囲と前記短繊維が分布する範囲とが一致しているか、又は該粒子が分布する範囲に前記短繊維が分布する範囲が含まれている、請求項1〜9の何れか記載の吸収体。
  11. 請求項1〜10の何れかに記載の吸収体を具備する吸収性物品であって、
    着用時に着用者の排泄部に対向配置される部位に、前記短繊維が存在する吸収性物品。
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