JP2012218561A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 氷雪上性能を確保しつつ、ヒール&トゥ摩耗を抑制することが可能なタイヤを提供する。
【解決手段】
縦溝と、横溝と、縦溝と横溝とによって形成されるブロック部を有し、ブロック部は、接地面と、ブロック踏込端と、ブロック蹴出端とを備え、接地面には、トレッド幅方向に延びるサイプが形成されるタイヤであって、サイプとして、奇数番目に形成される奇数サイプと、偶数番目に形成される偶数サイプとが形成されており、奇数サイプと偶数サイプとは、サイプの延びる方向が互いに異なり、奇数サイプの深さは、奇数サイプの延びる方向に沿って、タイヤ径方向に一定あり、偶数サイプの深さは、偶数サイプの延びる方向に沿って、タイヤ径方向に傾斜しており、偶数サイプの最浅部の深さは、タイヤ回転方向前方に形成される奇数サイプの深さと等しく、偶数サイプの最深部の深さは、タイヤ回転方向後方に形成される奇数サイプの深さと等しい。
【選択図】図2
【解決手段】
縦溝と、横溝と、縦溝と横溝とによって形成されるブロック部を有し、ブロック部は、接地面と、ブロック踏込端と、ブロック蹴出端とを備え、接地面には、トレッド幅方向に延びるサイプが形成されるタイヤであって、サイプとして、奇数番目に形成される奇数サイプと、偶数番目に形成される偶数サイプとが形成されており、奇数サイプと偶数サイプとは、サイプの延びる方向が互いに異なり、奇数サイプの深さは、奇数サイプの延びる方向に沿って、タイヤ径方向に一定あり、偶数サイプの深さは、偶数サイプの延びる方向に沿って、タイヤ径方向に傾斜しており、偶数サイプの最浅部の深さは、タイヤ回転方向前方に形成される奇数サイプの深さと等しく、偶数サイプの最深部の深さは、タイヤ回転方向後方に形成される奇数サイプの深さと等しい。
【選択図】図2
Description
本発明は、縦溝と、横溝と、縦溝と横溝とによって区画されることによって形成されるブロック部を有し、ブロック部の接地面には、トレッド幅方向に延びるサイプが形成されるタイヤに関する。
従来、スタッドレスタイヤと呼ばれる空気入りタイヤ(以下、タイヤ)では、トレッド部に形成されるブロック部にトレッド幅方向に延びるサイプを設けて、サイプによって形成される端部の引っ掻き効果(エッジ効果)によって氷雪上性能の向上を図っている。
ここで、上述したタイヤでは、ブロック部にサイプを数多く形成するほど、引っ掻き効果を高められる。しかし、サイプを数多く形成するほど、ブロック部の剛性が低下して、ブロック部全体が倒れ込みやすくなるため、接地性の低下により氷雪上性能が向上しにくくなる。
このような問題を解決するため、近年では、サイプの延びる方向が異なる2つのサイプを、タイヤ周方向に間隔を設けて交互に形成(いわゆる、ハの字状に形成)することで、ブロック部の倒れ込みを抑えて、ブロック部全体の剛性低下を抑制するタイヤも提案されている(例えば、特許文献1)。
このようなタイヤによれば、サイプを数多く形成しても、ブロック部全体の剛性低下を抑制できるので、氷雪上性能を向上させることができる。
ここで、上述した構成のタイヤでは、隣接する2つのサイプ間に、サイプ間領域が形成される。かかるサイプ間領域は、タイヤ回転方向前方のサイプによって形成されるサイプ踏込端と、タイヤ回転方向後方のサイプによって形成されるサイプ蹴出端とを有する。また、かかるサイプ間領域において、サイプ踏込端の摩擦エネルギーよりも、サイプ蹴出端の摩擦エネルギーの方が大きくなるため、サイプ蹴出端にヒール&トー摩耗が発生する。
特に、上述した構成のタイヤのように、サイプの延びる方向が異なる2つのサイプを交互に形成する場合、サイプ間領域には、タイヤ周方向の間隔が狭い部分と、広い部分とが形成される。このような場合、サイプ間領域では、タイヤ周方向の間隔の狭い部分ほど、サイプ蹴出端とサイプ踏込端との間における摩耗エネルギーの差が大きくなるため、ヒール&トゥ摩耗による摩耗量が大きくなる。
このように、従来技術に係るタイヤでは、ブロック部の接地面に、サイプの延びる方向が異なる2つのサイプを交互に形成した場合、氷雪上性能を確保できるものの、サイプ間領域にヒール&トー摩耗が発生するため、当該ヒール&トー摩耗に対する対策が望まれていた。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、氷雪上性能を確保しつつ、ヒール&トゥ摩耗を抑制することが可能なタイヤを提供することを目的とする。
上述した問題を解決するにあたって、発明者等は、まず、従来のタイヤにおいて、サイプ間に形成されるサイプ間領域に発生するヒール&トー摩耗について検討した。
サイプ間領域は、タイヤ回転方向前方のサイプによって形成されるサイプ踏込端と、タイヤ回転方向後方のサイプによって形成されるサイプ蹴出端を有する。また、サイプ間領域に発生するヒール&トー摩耗は、サイプ踏込端にかかる摩耗エネルギーよりも、サイプ蹴出端にかかる摩耗エネルギーの方が大きいために発生する。
ここで、タイヤのゴム特性として、剛性の高い部分の摩耗エネルギーは、剛性の低い部分の摩耗エネルギーよりも大きくなるという特性を有する。また、サイプ間領域において、サイプ踏込端の剛性は、タイヤ回転方向前方のサイプの深さによって調整することが可能であり、サイプ蹴出端の剛性は、タイヤ回転方向後方のサイプの深さによって調整することが可能である。
かかる知見を踏まえ、発明者等は、サイプ間領域において、タイヤ回転方向後方に形成されるサイプを、タイヤ回転方向前方に形成されるサイプよりも深く形成することによって、サイプ蹴出端の剛性を低くすれば、サイプ蹴出端に与えられる摩耗エネルギーを小さくできるので、ヒール&トー摩耗を効果的に抑制できることに着目したのである。
そこで、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、タイヤ周方向に延びる縦溝と、トレッド幅方向に延びる横溝と、前記縦溝と前記横溝とによって区画されることによって形成されるブロック部を有し、前記ブロック部は、路面に接地する接地面と、タイヤ回転方向前方に形成されるブロック踏込端と、タイヤ回転方向後方に形成されるブロック蹴出端とを備え、前記接地面には、トレッド幅方向に延びるサイプが形成されるタイヤであって、前記サイプとして、前記ブロック踏込端から前記ブロック蹴出端に向かって、奇数番目に形成される奇数サイプと、偶数番目に形成される偶数サイプとが、前記タイヤ周方向に間隔を設けて交互に形成されており、前記奇数サイプと前記偶数サイプとは、サイプの延びる方向が互いに異なり、前記奇数サイプの深さは、前記奇数サイプの延びる方向に沿って、タイヤ径方向に一定であり、前記偶数サイプの深さは、前記偶数サイプの延びる方向に沿って、前記タイヤ径方向に傾斜しており、前記偶数サイプの最浅部の深さは、タイヤ回転方向前方に形成される奇数サイプの深さと等しく、前記偶数サイプの最深部の深さは、タイヤ回転方向後方に形成される奇数サイプの深さと等しいことを要旨とする。
このようなタイヤによれば、ブロック部の接地面にサイプの延びる方向が互いに異なる奇数サイプと偶数サイプとが交互に形成されている。奇数サイプの深さは、サイプの延びる方向に沿って、タイヤ径方向に一定であり、偶数サイプの深さは、サイプの延びる方向に沿って、タイヤ径方向に傾斜している。また、偶数サイプの最浅部は、タイヤ回転方向前方に形成される奇数サイプの深さと等しく、偶数サイプの最深部は、タイヤ回転方向後方に形成される奇数サイプの深さと等しい。
つまり、隣接する奇数サイプと偶数サイプの2つのサイプでは、トレッド幅方向の同じ位置における深さを比較すると、タイヤ回転方向後方に形成されるサイプの深さが、タイヤ回転方向前方に形成されるサイプの深さ以上になるように構成されている。よって、サイプ間に形成されるサイプ間領域では、タイヤ回転方向後方に形成されるサイプ蹴出端に、タイヤ回転方向前方に形成されるサイプ踏込端よりも剛性が低い部分を形成することができる。
ここで、サイプ間領域におけるヒール&トー摩耗は、サイプ踏込端の摩耗エネルギーに比べて、サイプ蹴出端の摩耗エネルギーが大きいために発生する。また、サイプ踏込端の摩耗エネルギーとサイプ蹴出端の摩耗エネルギーとの差を小さくすれば、ヒール&トー摩耗を抑制することができる。
上述した構成のタイヤでは、サイプ間領域のサイプ蹴出端において、サイプ踏込端の剛性よりも剛性が低い部分を形成することができるので、サイプ蹴出端の摩耗エネルギーを抑制することができる。つまり、上述したタイヤによれば、サイプ踏込端の摩耗エネルギーとサイプ蹴出端の摩耗エネルギーとの差を抑制し、サイプ間領域におけるヒール&トゥ摩耗を抑制することができる。
また、上述したタイヤでは、ブロック部において、上述した構成の奇数サイプと偶数サイプとが交互に形成されることで、ブロック部に形成されるサイプが、ブロック踏込端からブロック蹴出端に向かうにつれて、段階的に深くなるように構成されている。
このような構成のタイヤによれば、サイプの深さは、ブロック蹴出端に近いサイプほど、深くなるように形成されているので、ブロック部全体としても、ブロック踏込端からブロック蹴出端に向かって、剛性を低くすることができる。従って、かかるタイヤでは、全てのサイプの深さが同じものと比べて、ブロック蹴出端にかかる摩耗エネルギーを小さくすることができるので、ブロック踏込端とブロック蹴出端との間における摩耗エネルギーの差を抑制して、ブロック部全体におけるヒール&トー摩耗を抑制できる。
このように、本発明によれば、サイプの延びる方向が異なる奇数サイプと偶数サイプとを設けて、氷雪上性能を確保するとともに、ヒール&トゥ摩耗を抑制させることができる。
本発明の第2の特徴は、第1の特徴に係り、前記偶数サイプは、前記タイヤ回転方向前方に形成される奇数サイプとのタイヤ周方向の間隔が最も狭い部分に前記最深部を有し、前記タイヤ回転方向後方に形成される奇数サイプとのタイヤ周方向の間隔が最も狭い部分に前記最浅部を有することを要旨とする。
このようなタイヤによれば、偶数サイプは、タイヤ回転方向前方に形成される奇数サイプとのタイヤ周方向における間隔が最も狭い部分において、最も深い最深部を有するように形成されている。更に、タイヤ回転方向後方に形成される奇数サイプとのタイヤ周方向における間隔が最も狭い部分で、最も浅い最浅部を有するように形成されている。
つまり、タイヤ回転方向において、奇数サイプの次に偶数サイプが形成される場合、タイヤ回転方向後方に形成される偶数サイプは、タイヤ回転方向前方に形成される奇数サイプとの間隔が最も狭い部分で、奇数サイプと比べて最も深くなるように形成されている。
一方、タイヤ回転方向において、偶数サイプの次に奇数サイプが形成される場合、タイヤ回転方向後方に形成される奇数サイプは、タイヤ回転方向前方に形成される偶数サイプとの間隔が最も狭い部分で、偶数サイプと比べて最も深くなるように形成されている。
このような構成のタイヤによれば、サイプ間領域では、サイプ踏込端とサイプ蹴出端とのタイヤ周方向の間隔の最も狭い部分において、サイプ蹴出端の剛性を低下させることができる。つまり、サイプ踏込端の摩耗エネルギーとサイプ蹴出端の摩耗エネルギーとの差が最も大きくなるタイヤ周方向の間隔の狭い部分において、摩耗エネルギーの差を抑制して、サイプ間領域におけるヒール&トー摩耗を効果的に抑制することができる。
本発明の第3の特徴は、第1又は3の特徴に係り、前記サイプは、前記接地面内に開口部の両端を有するクローズドサイプであることを要旨とする。このようなタイヤによれば、サイプがクローズドサイプによって形成されているため、ブロック部の倒れ込みを抑制して、氷雪上性能を向上させることができる。
本発明の第4の特徴は、第1乃至3のいずれかの特徴に係り、前記奇数サイプと前記偶数サイプとの内、一方のサイプの延びる方向と前記トレッド幅方向とのなす角度は、−4度〜−5度の範囲内であり、他方のサイプの延びる方向と前記トレッド幅方向とのなす角度は、+4度〜+5度の範囲内であることを要旨とする。
本発明の第5の特徴は、第1乃至4のいずれかの特徴に係り、前記接地面には、前記奇数サイプと前記偶数サイプとの間に、サイプ間領域が形成されており、前記サイプ間領域は、前記タイヤ回転方向前方に形成されるサイプ踏込端と、前記タイヤ回転方向後方に形成されるサイプ蹴出端とを有し、前記サイプ踏込端と前記サイプ蹴出端との前記タイヤ周方向における間隔が最も狭い部分において、前記サイプ踏込端の剛性と前記サイプ蹴出端の剛性との比が、1:1.8以上、1:2.2以下の範囲内であることを要旨とする。
本発明の特徴によれば、氷雪上性能を確保しつつ、ヒール&トゥ摩耗を抑制することが可能なタイヤを提供することができる。
次に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的に、(1)空気入りタイヤの全体構成、(2)サイプの構成、(3)作用・効果、(4)比較評価、(5)その他の実施形態について説明する。
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
(1)空気入りタイヤの全体構成
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド面の一部展開図である。空気入りタイヤ1は、スタッドレスタイヤと呼ばれる空気入りタイヤである。なお、リムホイール(不図示)に組み付けられた空気入りタイヤ1には、空気ではなく、窒素ガスなどの不活性ガスを充填してもよい。空気入りタイヤ1は、タイヤ回転方向Trを指定するパターンを備えている。例えば、空気入りタイヤ1には、車両が前進する際のタイヤ回転方向Trが矢印としてトレッドに刻印されている。なお、本実施形態に係る空気入りタイヤ1が指定するタイヤ回転方向Trとは、図1におけるタイヤ周方向Tcに沿った矢印の方向(図1の上方向)である。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド面の一部展開図である。空気入りタイヤ1は、スタッドレスタイヤと呼ばれる空気入りタイヤである。なお、リムホイール(不図示)に組み付けられた空気入りタイヤ1には、空気ではなく、窒素ガスなどの不活性ガスを充填してもよい。空気入りタイヤ1は、タイヤ回転方向Trを指定するパターンを備えている。例えば、空気入りタイヤ1には、車両が前進する際のタイヤ回転方向Trが矢印としてトレッドに刻印されている。なお、本実施形態に係る空気入りタイヤ1が指定するタイヤ回転方向Trとは、図1におけるタイヤ周方向Tcに沿った矢印の方向(図1の上方向)である。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、トレッド面において、タイヤ周方向Tcに沿って形成される縦溝10と、縦溝10に交差する方向に形成される横溝20と、縦溝10及び横溝20によって区画されることにより形成されるブロック部40とを有する。なお、本実施形態において、タイヤ周方向Tcは、タイヤ赤道線CLの延びる方向と平行である。
横溝20は、縦溝10と交差する方向に形成され、横溝20の端部は、縦溝10に連通するように形成されている。つまり、横溝20の端部は、縦溝10に開口する。
ブロック部40は、路面に接地する接地面41と、タイヤ回転方向Tr前方に形成されるブロック踏込端42と、タイヤ回転方向Tr後方に形成されるブロック蹴出端43とを備える。
また、本実施形態に係るブロック部40において、接地面41には、トレッド幅方向Twに延びるサイプ50がタイヤ周方向Tcに間隔をおいて形成されている。本実施形態では、接地面41に5つのサイプ50a乃至50eが形成されていることとする。ここで、本実施形態において、「トレッド幅方向に延びるサイプ」とは、トレッド幅方向Twと同一の方向に延びるサイプや、トレッド幅方向Twに対して所定角度だけ異なる方向に延びるサイプなど、タイヤ周方向Tcと交差する方向に延びるサイプを示す。また、サイプ50は、接地面41内に開口部の両端を有するクローズドサイプである。なお、サイプ50の構成については、詳細を後述する。
(2)サイプの構成
次に、図2乃至図7を参照して、本実施形態に係るサイプ50の構成について説明する。図2は、空気入りタイヤ1のトレッド面の一部拡大図である。図3乃至7は、空気入りタイヤ1のブロック部40に形成されるサイプ50の断面図である。なお、いずれの断面図においても、ブロック部40の接地面41から縦溝10の溝底までの深さD0は同一である。
次に、図2乃至図7を参照して、本実施形態に係るサイプ50の構成について説明する。図2は、空気入りタイヤ1のトレッド面の一部拡大図である。図3乃至7は、空気入りタイヤ1のブロック部40に形成されるサイプ50の断面図である。なお、いずれの断面図においても、ブロック部40の接地面41から縦溝10の溝底までの深さD0は同一である。
本実施形態では、サイプ50として、サイプの延びる方向が互いに異なる奇数サイプと偶数サイプとが、タイヤ周方向Tcに間隔を設けて交互に形成されている。つまり、サイプの延びる方向が異なる2種類のサイプが交互に形成されている。
奇数サイプは、ブロック踏込端42からブロック蹴出端43に向かって、奇数番目に形成されるサイプである。本実施形態では、奇数サイプは、1番目に形成されるサイプ50aと、3番目に形成されるサイプ50cと、5番目に形成されるサイプ50eとが該当し、それぞれのサイプの延びる方向は平行である。また、本実施形態に係る奇数サイプは、ブロックパターンを基調として形成されており、奇数サイプの延びる方向は、ブロック踏込端42及びブロック蹴出端43の延びる方向と平行である。
偶数サイプは、ブロック踏込端42からブロック蹴出端43に向かって、偶数番目に形成されるサイプである。本実施形態では、2番目に形成されるサイプ50bと、4番目に形成されるサイプ50dとが該当し、それぞれのサイプの延びる方向は平行である。
また、本実施形態において、奇数サイプと偶数サイプの内、一方のサイプの延びる方向に対するトレッド幅方向Twの角度が−4度〜−5度の範囲内であり、他方のサイプの延びる方向に対するトレッド幅方向Twの角度が+4度〜+5度の範囲内であることが好ましい。また、偶数サイプと奇数サイプとは、トレッド幅方向に対して、それぞれが逆傾斜となる角度を有することが好ましい。
例えば、図2に示すように、偶数サイプをサイプ50dとし、奇数サイプであるサイプ50eとした場合、サイプ50dの延びる方向に対するトレッド幅方向Twの角度θ1が+5度である場合、サイプ50eの延びる方向に対するトレッド幅方向Twの角度θ2が−5度であることが好ましい。なお、偶数サイプの角度θ1と奇数サイプの角度θ2とは、入れかえて形成してもよい。
また、接地面41には、奇数サイプと偶数サイプとの間に、サイプ間領域100が形成されている。具体的に、図2に示すように、サイプ50aとサイプ50bとの間に、サイプ間領域100が形成されている。サイプ間領域100は、タイヤ回転方向Tr前方のサイプ50aによって形成されるサイプ踏込端101と、タイヤ回転方向Tr後方のサイプ50bによって形成されるサイプ蹴出端102とを有する。
なお、上述の例では、奇数サイプをサイプ50aとするとともに、偶数サイプをサイプ50bとして、サイプ間領域100が形成される例を説明したが、サイプ50bとサイプ50cのように、隣接する2つのサイプ50のいずれによっても、サイプ間領域が形成される。
次に、奇数サイプ50a、50c、50eと、偶数サイプ50b、50dとのそれぞれの深さについて説明する。まず、奇数番目に形成される奇数サイプの深さについて、図3、5、7を参照して説明する。ここで、図3、5、7には、奇数サイプの延びる方向に沿って、ブロック部40を切断した際の断面図が示されている。具体的に、図3には、図2におけるサイプ50aのA−A断面図が示されている。図5には、図2におけるサイプ50cのC−C断面図が示されている。図7には、図2におけるサイプ50eのE−E断面図が示されている。
図3、5、7に示すように、奇数サイプの深さは、奇数サイプの延びる方向に沿って、タイヤ径方向に一定の深さである。つまり、奇数サイプの溝底は、接地面41と平行である。
具体的には、図3に示すように、奇数サイプであるサイプ50aの深さは、サイプ50aの延びる方向に沿って、深さD1のまま一定である。同様に、図5に示すように、サイプ50cは、サイプ50cの延びる方向に沿って、深さD2のまま一定であり、図7に示すように、サイプ50eは、サイプ50eの延びる方向に沿って、深さD3のまま一定である。なお、深さD1と、深さD2と、深さD3とは、D1<D2<D3の関係を有する。
次に、偶数番目に形成される偶数サイプの深さについて、図4、6を参照して説明する。ここで、図4、6には、偶数サイプの延びる方向に沿って、ブロック部40を切断した際の断面図が示されている。具体的に、図4には、図2におけるサイプ50bのB−B断面図が示されており、図6には、図2におけるサイプ50dのD−D断面図が示されている。
図4、6に示すように、偶数番目に形成される偶数サイプの深さは、偶数サイプの延びる方向に沿って、タイヤ径方向Tdに傾斜している。つまり、偶数サイプ50の溝底は、接地面41に対して平行でなく、タイヤ径方向Tdに傾斜している。
具体的には、図4に示すように、偶数サイプであるサイプ50bの深さは、サイプ50bの延びる方向に沿って、深さD1から深さD2に傾斜している。同様に、図6に示すように、サイプ50dは、サイプ50dの延びる方向に沿って、深さD2から深さD3に傾斜している。
次に、奇数サイプの深さと偶数サイプの深さとの関係について説明する。本実施形態において、偶数サイプの最浅部Dminの深さは、タイヤ回転方向前方に形成される奇数サイプの深さと等しく、偶数サイプの最深部Dmaxの深さは、タイヤ回転方向後方に形成される奇数サイプの深さと等しい。また、偶数サイプは、タイヤ回転方向Tr前方に形成される奇数サイプとのタイヤ周方向Tcの間隔が最も狭い部分210に最深部Dmaxを有し、タイヤ回転方向Tr後方に形成される奇数サイプとのタイヤ周方向Tcの間隔が最も狭い部分220に最浅部Dminを有する。なお、最浅部Dminと、最深部Dmaxとは、最浅部Dminの深さ<最深部Dmaxの深さという関係を有する。
具体的に、偶数サイプをサイプ50bとし、タイヤ回転方向Tr前方に形成される奇数サイプをサイプ50aとし、タイヤ回転方向Tr後方に形成される奇数サイプをサイプ50cとして説明する。ここで、図2に示すように、サイプ50aは、開口部の端として、一方の端部111と、他方の端部112とを有する。サイプ50bは、開口部の端として、一方の端部121と、他方の端部122とを有する。サイプ50cは、開口部の端として、一方の端部131と、他方の端部132とを有する。なお、サイプ50aの端部111と、サイプ50bの端部121と、サイプ50cの端部131とは、トレッド幅方向Twにおいて、同位置に配置され、サイプ50aの端部112と、サイプ50bの端部122と、サイプ50cの端部132とは、トレッド幅方向Twにおいて、同位置に配置されている。
サイプ50aとサイプ50bとのタイヤ周方向Tcにおける間隔は、サイプ50aの端部111とサイプ50bとの端部121との間における間隔L1が最も広く、サイプ50aの端部112とサイプ50bの端部122との間における間隔L2が最も狭い。すなわち、サイプ50aの端部112とサイプ50bの端部122との間に、タイヤ周方向Tcの間隔が最も狭い部分210が形成される。
ここで、図3に示すサイプ50aの断面図と、図4に示すサイプ50bの断面図とを比較すると、サイプ50bの端部121の深さD1は、サイプ50aの端部111の深さD1と等しい。つまり、サイプ50bの最浅部Dminの深さD1は、サイプ50aの深さD1と等しい。
また、サイプ50bの端部122の深さD2は、サイプ50aの端部112の深さD1よりも、深くなるように形成されている。つまり、サイプ50bは、サイプ50aとの間隔が広い端部121から、サイプ50aとの間隔が狭い端部122に近づくにつれて、サイプ50aよりも深くなるように形成されている。すなわち、サイプ50bは、サイプ50aとのトレッド幅方向Twの同位置における深さが、サイプ50aよりも深くなるように形成されている。
一方、サイプ50bとサイプ50cとのタイヤ周方向Tcにおける間隔は、サイプ50bの端部122とサイプ50cの端部133との間における間隔L1が最も広く、サイプ50bの端部121とサイプ50cとの端部131との間における間隔L2が最も狭い。すなわち、サイプ50bの端部121とサイプ50cとの端部131との間に、タイヤ周方向Tcの間隔が最も狭い部分220が形成される。
ここで、図5に示すサイプ50cの断面図と、図4に示すサイプ50bの断面図とを比較すると、サイプ50cの端部132の深さD2は、サイプ50bの端部122の深さD2と等しい。つまり、サイプ50bの最深部Dmaxの深さD2は、サイプ50cの深さD2と等しい。
また、サイプ50cの端部131の深さD2は、サイプ50bの端部131の深さD1よりも、深くなるように形成されている。つまり、サイプ50cは、サイプ50bとの間隔が広い端部132から、サイプ50bとの間隔が狭い端部131に近づくにつれて、サイプ50bよりも深くなるように形成されている。すなわち、サイプ50cは、サイプ50bとのトレッド幅方向Twの同位置における深さが、サイプ50bよりも深くなるように形成されている。
このように、本実施形態では、トレッド幅方向Twの同じ位置において、隣接する2つのサイプの深さを比較した場合、タイヤ回転方向Tr後方に形成されるサイプは、タイヤ回転方向Tr前方に形成されるサイプとのタイヤ周方向Tcにおける間隔が狭いところほど、前方サイプの深さよりも深くなるように形成されている。また、ブロック踏込端42からブロック蹴出端43に近い位置に形成されるサイプほど、段階的に深くなるように形成されている。
また、上述する構成の奇数サイプ及び偶数サイプを形成する場合、サイプ間領域において、サイプ踏込端101とサイプ蹴出端102との間隔が最も狭い部分210、220では、サイプ踏込端101とサイプ蹴出端102との剛性比が、1:1.8以上、1:2.2以下の範囲内であることが好ましい。例えば、サイプ50aと、サイプ50bとによって形成されるサイプ間領域100では、最も狭い部分210において、サイプ踏込端101の端部111側の剛性と、サイプ蹴出端102の端部122側の剛性との剛性比は、1:1.8以上、1:2.2以下の範囲内であることが好ましい。なお、当該剛性比は、1:2であることがより好ましい。
(3)作用・効果
次に本実施形態に係る空気入りタイヤ1の作用並びに効果について説明する。
次に本実施形態に係る空気入りタイヤ1の作用並びに効果について説明する。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、奇数サイプ50a、50c、50eの深さは、サイプの延びる方向に沿って、タイヤ径方向Tdに一定であり、偶数サイプ50b、50dの深さは、サイプの延びる方向に沿って、タイヤ径方向Tdに傾斜している。また、例えば、偶数サイプ50bの最浅部Dminの深さD1は、タイヤ回転方向前方に形成される奇数サイプ50aの深さD1と等しく、偶数サイプの最深部Dmaxの深さD2は、タイヤ回転方向後方に形成される奇数サイプ50cの深さD2と等しい。
つまり、隣接する奇数サイプ50aと偶数サイプ50bとに着目すると、タイヤ回転方向後方に形成されるサイプ50bは、トレッド幅方向Twの同位置において、タイヤ回転方向前方に形成されるサイプ50aの深さよりも、深い部分を有するように構成されている。
よって、サイプ50aとサイプ50bとの間に形成されるサイプ間領域100では、タイヤ回転方向後方に形成されるサイプ蹴出端102に、タイヤ回転方向前方に形成されるサイプ踏込端101よりも剛性が低い部分を形成することができる。
ここで、タイヤのゴム特性として、剛性の高い部分の摩耗エネルギーは、剛性の低い部分の摩耗エネルギーよりも大きくなるという特性を有する。また、ヒール&トー摩耗は、サイプ踏込端101の摩耗エネルギーに比べて、サイプ蹴出端102の摩耗エネルギーが大きいために発生するので、踏込端の摩耗エネルギーと蹴出端の摩耗エネルギーとの差を小さくすれば、ヒール&トー摩耗を抑制することができる。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、サイプ間領域100のサイプ蹴出端102に、サイプ踏込端101の剛性よりも剛性の低い部分を形成することができるので、サイプ蹴出端102の摩耗エネルギーを小さくすることができる。つまり、上述したタイヤによれば、サイプ踏込端101の摩耗エネルギーとサイプ蹴出端102の摩耗エネルギーとの差を抑制し、サイプ間領域100におけるヒール&トゥ摩耗を抑制できる。
また、かかる空気入りタイヤ1では、サイプ間領域100において、タイヤ周方向Tcの間隔が狭いところほど、タイヤ回転方向後方のサイプ50bの深さが、タイヤ回転方向前方のサイプ50aの深さよりも、深くなるように形成されている。よって、サイプ間領域100において、タイヤ周方向Tcの間隔が狭い部分210、220において摩耗量が大きくなるヒール&トー摩耗を抑制することができる。
また、本実施形態に係るタイヤでは、深さが一定の奇数サイプと、深さが傾斜する偶数サイプとを交互に形成することで、ブロック踏込端42からブロック蹴出端43に向かうにつれて、サイプの深さが段階的に深くなるように構成されている。つまり、かかる空気入りタイヤ1では、ブロック部40全体としても、ブロック踏込端42からブロック蹴出端43に向かって、剛性を低くすることができる。よって、かかる空気入りタイヤでは、全てのサイプの深さが同じものと比べて、ブロック蹴出端にかかる摩耗エネルギーを小さくすることができるので、ブロック踏込端42とブロック蹴出端43との間における摩耗エネルギーの差を抑制して、ブロック部40全体におけるヒール&トー摩耗も抑制できる。
このように、本実施形態に係る空気入りタイヤによれば、サイプの延びる方向が異なる奇数サイプと偶数サイプとを備えることによって、氷雪上性能を確保するとともに、ヒール&トゥ摩耗を抑制させることができる。なお、本実施形態に係る空気入りタイヤでは、ブロック部40の接地面41に形成されるサイプ50の数や間隔については、従来技術に係る空気入りタイヤと比べて変更していないので、従来技術に係る空気入りタイヤと同等の氷雪上性能を確保しつつ、ヒール&トー摩耗を抑制できる。
(4)比較評価
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。具体的には、(4.1)比較例及び実施例の説明、(4.2)評価方法、(4.3)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。具体的には、(4.1)比較例及び実施例の説明、(4.2)評価方法、(4.3)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(4.1)比較例及び実施例の説明
摩耗エネルギーの評価を対象として、次の比較例及び実施例を用意した。以下に、それぞれの構成について説明する。
摩耗エネルギーの評価を対象として、次の比較例及び実施例を用意した。以下に、それぞれの構成について説明する。
なお、比較例に係る空気入りタイヤと、実施例に係る空気入りタイヤとは、いずれも、ブロック部40のタイヤ周方向Tcにおける長さL0が“24.1mm”であり、ブロック部の接地面から縦溝の溝底までの深さD0が、“12.9mm”であるものを用いた。また、いずれの空気入りタイヤも、隣接するサイプ50とサイプ50bとのタイヤ周方向Tcにおける間隔は、最も広い間隔L1において“5.15mm”、最も狭い間隔L2において“4.12mm”であるものを用いた。また、いずれの空気入りタイヤも、ブロック部の接地面に5つのサイプが形成されているものを用いた。
まず、比較例に係る空気入りタイヤについて説明する。比較例に係る空気入りタイヤは、従来から知られているタイヤを用いた。具体的に、比較例に係る空気入りタイヤは、図2に示すように、ブロック部の接地面において、サイプの延びる方向が互いに異なる2つのサイプを交互に形成したものを用いた。また、図8に示すように、ブロック部の接地面に形成されるサイプの深さは、全て、サイプの延びる方向に沿って、深さD4で一定であるものを用いた。なお、サイプの深さD4は、“7.1mm”とした。
次に、実施例に係る空気入りタイヤについて説明する。実施例に係る空気入りタイヤは、上述した実施形態に示される空気入りタイヤを用いた。具体的に、実施例に係る空気入りタイヤは、図2に示すように、ブロック部において、サイプの延びる方向が互いに異なる2つのサイプを交互に形成したものを用いた。また、かかるサイプとして、図3乃至7に示すように、深さが一定の奇数サイプと、深さが傾斜する偶数サイプとが形成されているものを用いた。
奇数サイプであるサイプ50a、50c、50dの深さは、タイヤ径方向Tdに一定であるものを用いた。具体的に、サイプ50aの深さD1は“4.95mm”とし、サイプ50cの深さD2は“6.8mm”とし、サイプ50eの深さD3は、“9.25mm”とした。
一方、偶数サイプであるサイプ50b、50dの深さは、タイヤ径方向Tdに向かって傾斜しているものを用いた。サイプ50bは、最浅部Dminの深さD1を“4.95mm”とし、最深部Dmaxの深さD2を“6.8mm”とした。また、サイプ50dは、最浅部Dminの深さD2を“6.8mm”とし、最深部Dmaxの深さD3を“9.25mm”とした。
(4.2)評価方法
比較例、実施例の空気入りタイヤを用いて、以下の条件において、評価を行った。
比較例、実施例の空気入りタイヤを用いて、以下の条件において、評価を行った。
・ タイヤサイズ :195/85R16
・ 内圧条件 :600kPa
・ 荷重条件 :9.8kN
・ 使用した測定装置 :踏面観察機
・ 摩耗エネルギー評価方法:サイプ間領域において、サイプ間隔が最も狭い部分におけるサイプ踏込端の摩耗エネルギーとサイプ蹴出端の摩耗エネルギーとを測定するとともに、その差を評価した。
・ 内圧条件 :600kPa
・ 荷重条件 :9.8kN
・ 使用した測定装置 :踏面観察機
・ 摩耗エネルギー評価方法:サイプ間領域において、サイプ間隔が最も狭い部分におけるサイプ踏込端の摩耗エネルギーとサイプ蹴出端の摩耗エネルギーとを測定するとともに、その差を評価した。
(4.3)評価結果
各空気入りタイヤの評価結果について、表1を参照しながら説明する。なお、表1において、「摩耗エネルギー差」は、サイプ間領域100において、サイプ踏込端101とサイプ蹴出端102との摩耗エネルギーの差を示している。具体的には、「摩耗エネルギー差」は、サイプ間領域100のタイヤ周方向Tcにおける間隔が最も狭い部分210、すなわち、サイプ踏込端101の端部112側の端と、サイプ蹴出端102の端部122側の端との間における摩耗エネルギーの差を示している。
各空気入りタイヤの評価結果について、表1を参照しながら説明する。なお、表1において、「摩耗エネルギー差」は、サイプ間領域100において、サイプ踏込端101とサイプ蹴出端102との摩耗エネルギーの差を示している。具体的には、「摩耗エネルギー差」は、サイプ間領域100のタイヤ周方向Tcにおける間隔が最も狭い部分210、すなわち、サイプ踏込端101の端部112側の端と、サイプ蹴出端102の端部122側の端との間における摩耗エネルギーの差を示している。
表1に示されるように、実施例に係る空気入りタイヤは、比較例に係る空気入りタイヤと比較した場合、サイプ間領域100において、サイプ踏込端とサイプ蹴出端とのタイヤ周方向Tcに最も狭い部分における摩耗エネルギーの差を抑制させる効果があることが証明された。従って、実施例に係る空気入りタイヤは、サイプの延びる方向が互いに異なる2つのサイプを交互に形成することで、氷雪上性能を確保しつつ、サイプ間領域100におけるヒール&トー摩耗の発生を抑制できることがわかった。
(5)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、上述の実施形態では、偶数サイプの最浅部Dminの深さは、タイヤ回転方向前方に形成される奇数サイプの深さと等しい場合を例に挙げて説明したが、タイヤ回転方向前方に形成される奇数サイプの深さ以上としてもよい。また、偶数サイプの最深部Dmaxの深さは、タイヤ回転方向後方に形成される奇数サイプの深さと等しい場合を例に挙げて説明したが、タイヤ回転方向後方に形成される奇数サイプの深さ以上としてもよい。
また、タイヤとして、空気や窒素ガスなどが充填される空気入りタイヤであってもよく、空気や窒素ガスなどが充填されないソリッドタイヤでもあってもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
CL…タイヤ赤道線、Tc…タイヤ周方向、Td…タイヤ径方向、Tr…タイヤ回転方向、Tw…トレッド幅方向、1…空気入りタイヤ、10…縦溝、20…横溝、40…ブロック部、41…接地面、42…ブロック踏込端、43…ブロック蹴出端、50…サイプ、Dmax…最深部、Dmin…最浅部、100…サイプ間領域、101…サイプ踏込端、102…サイプ蹴出端
Claims (5)
- タイヤ周方向に延びる縦溝と、トレッド幅方向に延びる横溝と、前記縦溝と前記横溝とによって区画されることによって形成されるブロック部を有し、前記ブロック部は、路面に接地する接地面と、タイヤ回転方向前方に形成されるブロック踏込端と、タイヤ回転方向後方に形成されるブロック蹴出端とを備え、前記接地面には、トレッド幅方向に延びるサイプが形成されるタイヤであって、
前記サイプとして、前記ブロック踏込端から前記ブロック蹴出端に向かって、奇数番目に形成される奇数サイプと、偶数番目に形成される偶数サイプとが、前記タイヤ周方向に間隔を設けて交互に形成されており、
前記奇数サイプと前記偶数サイプとは、サイプの延びる方向が互いに異なり、
前記奇数サイプの深さは、前記奇数サイプの延びる方向に沿って、タイヤ径方向に一定あり、
前記偶数サイプの深さは、前記偶数サイプの延びる方向に沿って、前記タイヤ径方向に傾斜しており、
前記偶数サイプの最浅部の深さは、タイヤ回転方向前方に形成される奇数サイプの深さと等しく、前記偶数サイプの最深部の深さは、タイヤ回転方向後方に形成される奇数サイプの深さと等しい
ことを特徴とするタイヤ。 - 前記偶数サイプは、前記タイヤ回転方向前方に形成される奇数サイプとのタイヤ周方向の間隔が最も狭い部分に前記最深部を有し、前記タイヤ回転方向後方に形成される奇数サイプとのタイヤ周方向の間隔が最も狭い部分に前記最浅部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。 - 前記サイプは、前記接地面内に開口部の両端を有するクローズドサイプである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ。 - 前記奇数サイプと前記偶数サイプとの内、一方のサイプの延びる方向と前記トレッド幅方向とのなす角度は、−4度〜−5度の範囲内であり、他方のサイプの延びる方向と前記トレッド幅方向とのなす角度は、+4度〜+5度の範囲内である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のタイヤ。 - 前記接地面には、前記奇数サイプと前記偶数サイプとの間に、サイプ間領域が形成されており、
前記サイプ間領域は、前記タイヤ回転方向前方に形成されるサイプ踏込端と、前記タイヤ回転方向後方に形成されるサイプ蹴出端とを有し、
前記サイプ踏込端と前記サイプ蹴出端との前記タイヤ周方向における間隔が最も狭い部分において、前記サイプ踏込端の剛性と前記サイプ蹴出端の剛性との比が、1:1.8以上、1:2.2以下の範囲内である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のタイヤ。
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JP2019182341A (ja) * | 2018-04-16 | 2019-10-24 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
-
2011
- 2011-04-07 JP JP2011085620A patent/JP2012218561A/ja not_active Withdrawn
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JP7095374B2 (ja) | 2018-04-16 | 2022-07-05 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
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