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JP2012214588A - 撥水撥油性樹脂組成物及び塗装品 - Google Patents

撥水撥油性樹脂組成物及び塗装品 Download PDF

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JP2012214588A
JP2012214588A JP2011080058A JP2011080058A JP2012214588A JP 2012214588 A JP2012214588 A JP 2012214588A JP 2011080058 A JP2011080058 A JP 2011080058A JP 2011080058 A JP2011080058 A JP 2011080058A JP 2012214588 A JP2012214588 A JP 2012214588A
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Shinjiro Noma
真二郎 野間
Daigo Yamashina
大悟 山科
Shinichiro Miki
慎一郎 三木
Takeshi Ueda
剛士 植田
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Abstract

【課題】低温で優れた硬化性と撥水撥油性能と高硬度を発揮し、光触媒を添加した際も透明性が高い塗膜を形成する樹脂組成物を提供する。
【解決手段】撥水撥油性樹脂組成物は、成分(A):下記式(1)で表されるジメチルシロキサン基を骨格中に有し、架橋基としてアルコキシ基及び水酸基を有するポリオール樹脂と、成分(B):前記(A)の固形分100質量部に対して有効成分量として20〜150質量部の、加水分解性アルコキシシラン及びその部分加水分解縮合物の少なくとも1種と、成分(C):前記(A)の固形分と前記(B)の有効成分量との合計100質量部に対して5〜50質量部の、アミノ基を有するシラン化合物と、を含有する。
Figure 2012214588

【選択図】なし

Description

本発明は、硬化した際に撥水性及び撥油性を発現する樹脂組成物及び塗装品に関する。
従来、常温付近の低温で硬化して形成された樹脂(硬化樹脂)の一つとして、主剤となるポリオール樹脂と硬化剤となるイソシアネートを架橋させたウレタン樹脂が知られている。この技術では、主剤のポリオールにフッ素成分を含有させたり、撥水撥油基を結合させたりすることによって、低温で撥水撥油性能を有する樹脂組成物を形成することができる。
特許第2945949号公報
しかしながら、上記の樹脂においては、十分な撥水撥油性能を低温で発現させるためには、樹脂の硬化にかなりの時間がかかる。また、硬化された樹脂の硬さは鉛筆硬度で2H程度までしか上がらず、十分な硬度の塗膜が得られるとは言い難い。そこで、低温で優れた架橋性を得る手法として、フッ素樹脂にアルコキシシランと有機酸を混合して硬化させる手法が提案されている(特許文献1)。
しかし、特許文献1に示す手法では、低温での硬化性は得られるものの、撥水撥油性能は不十分である。
さらに、光触媒との複合化を考えると、いわゆるポリオール樹脂と光触媒との相溶性が悪く、白濁した外観や物性が劣る塗膜しかできないといった課題が見つけられた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、低温で優れた硬化性と撥水撥油性能と高硬度を発揮し、光触媒を添加した際も透明性が高い塗膜を形成する樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明に係る撥水撥油性樹脂組成物は、下記(A)、(B)及び(C)の成分を含有するものである。
(A):下記式(1)で表されるジメチルシロキサン基を骨格中に有し、架橋基としてアルコキシ基及び水酸基を有するポリオール樹脂;
Figure 2012214588
(B):前記(A)の固形分100質量部に対して有効成分量として20〜150質量部の、加水分解性アルコキシシラン及びその部分加水分解縮合物の少なくとも1種;
(C):前記(A)の固形分と前記(B)の有効成分量との合計100質量部に対して5〜50質量部の、アミノ基を有するシラン化合物。
本発明では、さらに、下記(D)の成分を含有することが好ましい。
(D):前記(A)の固形分100質量部に対して50〜150質量部の、光触媒。
本発明に係る塗装品は、上記の撥水撥油性樹脂組成物を基材に塗布し、常温以上120℃以下の温度で硬化させてなるものである。
本発明によれば、低温で優れた硬化性を発揮し、撥水撥油性能に優れるとともに高硬度で、光触媒を添加した際も透明性が高い塗膜を得ることができる。
本発明の撥水撥油性樹脂組成物は、以下に説明する(A)、(B)及び(C)の成分を含有するものである。
成分(A)は、下記式(1)で表されるジメチルシロキサン基を骨格中に有し、架橋基としてアルコキシ基及び水酸基を有するポリオール樹脂である。
Figure 2012214588
このポリオール樹脂は、樹脂の分子骨格に上記の式(1)で表されるジメチルシロキサン基をグラフト鎖として有し、架橋基としてアルコキシ基及び水酸基を有している分子構造を有する。
ジメチルシロキサン基は、ポリオール樹脂(側鎖も含む)中に10〜90質量%の範囲で含有されているのが好ましい。ポリオール樹脂中のこのジメチルシロキサン基の含有量が多すぎると、基材に対する塗膜の密着性が低下する傾向があり、含有量が少なすぎると、撥水撥油性能が十分に発現しなくなるおそれがある。このジメチルシロキサン基はポリオール樹脂の分子骨格と直接結合しているため、容易に脱落せず、長期的にも安定に低表面自由エネルギーを維持する塗膜を得ることができるものである。
またアルコキシ基は、ポリオール樹脂(側鎖も含む)中に1〜30質量%の範囲で含有されているのが好ましい。ポリオール樹脂中のアルコキシ基の含有量が少なすぎると、架橋密度が小さくなって塗膜硬度が低くなる傾向があり、含有量が多すぎると、硬い塗膜を得ることができるが、クラックが入り易くなる傾向がある。アルコキシ基は次の式(2)〜(4)の構造式で表されるものが好ましい。
−(Si)(OR (2)
−(Si)(R)(OR (3)
−(Si)(R(OR) (4)
式(2)〜(4)において、R、Rは、それぞれ独立して炭化水素基を表す。
上記の式(2)〜(4)の構造式において、(R)(R)は炭化水素基を表すものであり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基等の置換炭化水素基等を例示することができる。このアルコキシ基が光触媒(分散体)との相溶性を向上させ高い透明性を発現させる。一方、いわゆる水酸基しか樹脂骨格中に持たないポリオール樹脂では相溶性が悪く、白濁した塗膜となる。
また、ポリオール樹脂の水酸基価は、50〜200mgKOH/gの範囲が好ましく、更に好ましくは100〜180mgKOH/gの範囲である。水酸基価が低すぎると、得られる塗膜の架橋密度が低下して、硬度が低い塗膜になる傾向がある。逆に水酸基価が高すぎると、硬い塗膜が得られるが、ポリオール樹脂と溶剤との相溶性が低下し、樹脂安定性が劣ることになる傾向がある。
ポリオール樹脂には、撥水性の耐久性を高めるために、その樹脂骨格中に含フッ素基を含有させることができる。含フッ素基としては、下記の式(5)〜(8)で示すフルオロアルキレン基が挙げられる。これらのフッ素基は、アクリル樹脂の合成時にアクリル樹脂骨格に結合させて導入することができる。フルオロアルキレン基の量が多くなればなるほど、得られる塗膜の撥水性能の持続性は向上していくが、アクリル樹脂の溶剤や他の樹脂との相溶性は低下していく傾向になる。このため、フルオロアルキレン基の含有量は、アクリル樹脂(側鎖を含む)中、1〜70質量%の範囲に調整するのが好ましい。
−(CF−CF)− (5)
−(CF−CFH)− (6)
−(CF−CH)− (7)
−(CFH−CH)− (8)
上記のポリオール樹脂は、重量平均分子量(Mw)が20000〜400000のものが好適に用いられる。分子量が高すぎると、溶剤や他の架橋剤との相溶性が悪くなる傾向があり、分子量が低すぎると、得られる塗膜の物性が低下する傾向がある。
ポリオール樹脂において、水酸基とアルコキシ基は架橋反応部位であり、アルコキシシランと反応をする部位となる。従来技術(例えば特許文献1)では水酸基のみで常温硬化性を得ているが、油性ペン(マジックインキ)を始めとする厳しい汚れを弾いて除去するためには、さらなる架橋性が必要である。例えば、水酸基のみを有するジメチルシロキサン基含有ポリオールでは十分な撥水撥油性は発現しない。アルコキシ基が存在することによって水酸基−アルコキシシラン−水酸基だけの反応ではなく、水酸基−アルコキシ基、アルコキシ基−アルコキシ基の反応が加わり、高い架橋密度、高い撥水撥油性を実現できる。
成分(B)は、加水分解性アルコキシシラン及びその部分加水分解縮合物の少なくとも1種である。加水分解性アルコキシシランと、加水分解性アルコキシシランの部分加水分解縮合物とは、一方が含まれていてもよいし、両方が含まれていてもよい。成分(B)は架橋剤として機能するものであり、要するに加水分解性があればよいのである。成分(B)は、通常、加水分解性を有するアルコキシシランモノマーから誘導される。以下、本明細書では、適宜、成分(B)をアルコキシシランと呼ぶ場合がある。
アルコキシシランモノマーとしては、テトラメトキシシランやテトラエトキシシランやメチルトリメトキシシランを好適に用いることができる。塗膜に高い強度などを付与するためには、これらのモノマーを重合したオリゴマー化したものを用いることが好ましい。例えば、2〜10量体のオリゴマーである。具体的なこのオリゴマー材料としては、エチルシリケート40(多摩化学株式会社製、テトラエトキシシランの5量体)やメチルシリケート51(三菱化学株式会社製、テトラメトキシシランの5量体)などを用いることができる。これらをそのまま添加しても良いが、適当な溶剤で希釈し、硬化剤としての水および必要に応じて触媒(例えばアンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを必要量添加し、必要に応じて例えば40〜100℃で加温し、加水分解および重縮合反応を行わせてプレポリマー化させることにより、アルコキシシラン加水分解物を調製してから用いることもできる。その際、得られるアルコキシシラン部分加水分解物(加水分解重縮合物)の重量平均分子量(Mw)がポリスチレン換算で900以上、好ましくは1000以上になるように調整するのが望ましい。アルコキシシラン加水分解物の分子量分布(重量平均分子量(Mw))が900より小さいときは、縮重合の際の硬化収縮が大きくなり、塗膜が硬化した後にクラックが発生し易くなる傾向がある。アルコキシシラン部分加水分解物の重量平均分子量(Mw)の上限は、特に制限がないが、他の成分との混合性の観点から、例えばポリスチレン換算で5000以下にすることができる。
アルコキシシラン加水分解物は、加水分解重縮合時に末端のアルコキシ基が加水分解されてシラノール基を生じるものであり、このシラノール基は、塗膜形成時には、ポリオール樹脂の架橋基である水酸基と反応し、水酸基−アルコキシシラン−水酸基という構造体を形成して、硬くて緻密な膜を形成することができるものである。これにより、高い架橋密度、高い撥水撥油性を実現できる。
成分(B)の配合量は、ポリオール樹脂(A)の固形分100質量部に対して、有効性分量が20〜150質量部となる量である。成分(B)における有効成分量とは、塗膜を形成した際に樹脂マトリックス内に残る量である。成分(B)のアルコキシシランは、塗膜を形成する際に加水分解されてO−Si−Oの架橋が形成されるものであり、樹脂マトリクス内に残るのは加水分解により脱離した成分を除いた成分となる。この成分量が有効成分量となる。4官能のアルコキシシランの場合は、特に、酸化物であるシリカ(SiO)として計算したものと同程度の量と考えられる。3官能及び2官能の場合も、実質的にシリカと同程度の量と考えてもよい。このように樹脂組成物においては、成分(B)の有効成分量が、成分(A)の固形分に対して所定の範囲になるようにするのである。成分(B)の配合量が多すぎると、塗膜硬度が高い膜が得られるものの、塗膜が硬すぎて剛直すぎる為に基材との密着性が悪くなる。一方、成分(B)の配合量が少なすぎる場合は、塗膜の架橋が不十分なために硬度が低くなり、また十分な撥水撥油性が得られない。この観点から、成分(B)の配合量は、有効成分量として、ポリオール樹脂(側鎖を含む)である成分Aの樹脂固形分に対して20〜100質量%の範囲に設定するのが好ましい。
成分(C)は、アミノ基を有するシラン化合物である。アミノ基を有するシラン化合物が含まれていると、加水分解性アルコキシシランの加水分解・重縮合、およびポリオールと加水分解性アルコキシシランの反応を促進することができる。また、シラン化合物がアルコキシ基を有していると、このアルコキシ基の加水分解反応によって他の成分との架橋構造が形成され得る。アミノ基を有するシラン化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が好ましく使用される。アミノシランは塩基として触媒作用が強く、アルコキシシランの分子量促進のための無機酸添加だけでは得られない高架橋な樹脂組成物が得られる。
成分(C)の配合量は、ポリオール樹脂(A)の固形分とアルコキシシラン(B)の有効成分量との合計100質量部に対して5〜50質量部である。アミノ基を有するシラン化合物が多すぎると、硬化収縮が大きくなり、基材への密着が確保できなくなる。逆に少なすぎると架橋が不十分になって、高い撥水撥油性能が得られない。この観点から、成分(C)の配合量は、ポリオール樹脂(A)の固形分とアルコキシシラン(B)の有効成分量との合計100質量部に対して10〜40質量部であることが好ましい。
樹脂組成物においては、さらに、成分(D)として光触媒を含有することが好ましい。成分(D)の光触媒を配合すると、コーティング層に光触媒活性を与えることができる。光触媒活性により更なる防汚性を付与することが可能になる。光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギーの光を照射したときに、価電子帯中の電子の励起が生じて、伝導電子と正孔を生成しうる物質を意味する。光半導体の性質をもつ物質と考えてもよい。
成分(D)は、通常の光触媒機能を有する成分であれば特に限定されないが、光半導体粒子が挙げられ、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ロジウム、酸化レニウム、および、これらの単独または2種以上の混合物や金属、色素を担持したものが挙げられる。光触媒は分散液の状態で添加されてもよい。
光触媒粒子の粒径は特には限定されないが、分散性や光触媒機能付与の面を考えると2〜200nmの範囲内であることが好ましく、5〜100nmの範囲内であることがより好ましい。
成分(D)を配合する場合、成分(D)の配合量は、ポリオール樹脂(A)の固形分100質量部に対して50〜150質量部であるようにすることが好ましい。成分(D)の配合量がこの範囲になることにより、光触媒活性と透明性とを両立することがより容易となる。この観点から、成分(D)の配合量は、ポリオール樹脂(側鎖を含む)である成分Aの固形分100質量部に対して80〜120質量%の範囲に設定するのがより好ましい。
樹脂組成物は、上記の(A)、(B)及び(C)の成分、さらに必要に応じ(D)の成分、及びその他の添加剤が混合されて調製される。その際、樹脂組成物を適宜の溶剤で希釈して、樹脂組成物溶液(塗工液)にしてもよい。樹脂組成物を溶液で希釈した場合、粘度を調整することができ、塗装が容易となり、簡単に塗膜を形成することができる。溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトンなどが挙げられる。なお、溶剤は必須ではなく、溶剤を含まない状態で塗膜の形成が可能であれば、添加しなくてもよい。また、成分(D)の混合は、光触媒がより均一に分散されるようにするために、成分(A)、(B)及び(C)を混合した後に行うことが好ましい。
上記の撥水撥油性樹脂組成物を基材に塗布し、塗膜を硬化させることにより塗装品が得られる。
基材は特に制限されることなく任意のものを用いることができる。特に適用して好ましい基材としては、ステンレス、アルミ、亜鉛めっき鋼板、鉄などの金属、タイル、ホウロウなどのセラミック、ガラスなどを挙げることができる。これらの基材は表面に酸化物による水酸基を保持しており、上記の撥水撥油性樹脂組成物中に含有されているシリケート加水分解物中のシラノール基が水酸基と反応し、基材に強固に密着した塗膜を形成することが可能になるものである。また、透明な基材を用いれば、透明な塗装品を得ることが可能になる。
樹脂組成物の塗布方法としては特に限定されるものではなく、スプレーコ−ティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法が好適に利用できる。また、塗布することだけに限定されるものではなく、シート状に成型あるいは金型等に吹き付け積層したり、あるいは不織布等に含浸し、プレス等で成型したりする方法が挙げられる。
塗膜の膜厚については、特に制限はなく、通常、硬化後の膜厚が0.1μm〜50μm程度であればよい。
硬化方法としては、常温以上120℃以下の温度で硬化するようにする。常温とは、20±15℃の範囲である。すなわち、常温は5〜35℃の範囲であり、硬化温度を例えば5℃以上又は10℃以上あるいは20℃以上もしくは30℃以上さらには35℃以上のいずれかとすることができる。温度が常温より低くなると、十分な硬化が得られなくなるおそれがあり、温度が高くなりすぎると、撥水撥油性能が低下するおそれがある。この観点から、より好ましくは、10℃以上120℃以下で硬化させる。
その他の硬化条件は、特に限定されるものではなく、所望される硬化被膜性能や基材の耐熱温度や生産性に応じて適宜設定することができる。
このように塗装品は、低温での硬化性に優れた樹脂組成物によって形成される。そして、塗膜は、優れた撥水撥油性能と高い硬度を発揮し、光触媒を添加した際も透明性が高いものである。
本発明を実施例によって具体的に説明する。以下、特に記載がない限り、「%」は質量%を表す。
(実施例1)
成分(A)としてジメチルシロキサン基を骨格中に有し、架橋基としてアルコキシ基と水酸基とを有するポリオール樹脂(富士化成工業株式会社製 ZX−022H 固形分45%)22質量部と、成分(B)としてメチルシリケート(三菱化学製 メチルシリケート51 有効成分51%)10質量部と、成分(C)として3−アミノプロピルトリエトキシシラン(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製 TSL8331 有効成分100%)3質量部と、希釈溶剤としてn−ブタノールを30質量部とを混合し、5分間攪拌し、樹脂組成物溶液を調製した。
基材としてスライドガラス(松浪ガラス製 S9111)を用い、この基材に対して乾燥後の塗装膜厚が1μmになるようにスプレー塗装にて樹脂組成物溶液を塗布し、100℃で20分加熱して、塗装板を得た。
(実施例2)
成分(B)としてメチルシリケート(三菱化学製 メチルシリケート51 有効成分51%)の配合量を25質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で、塗装板を得た。
(実施例3)
成分(B)としてメチルシリケート(三菱化学製 メチルシリケート51 有効成分51%)の配合量を5質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で、塗装板を得た。
(実施例4)
成分(C)として3−アミノプロピルトリエトキシシラン(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製 TSL8331 有効成分100%)の配合量を7質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で、塗装板を得た。
(実施例5)
成分(C)として3−アミノプロピルトリエトキシシラン(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製 TSL8331 有効成分100%)の配合量を1質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で、本発明の塗装板を得た。
(実施例6)
成分(A)としてジメチルシロキサン基を骨格中に有し、架橋基としてアルコキシ基と水酸基とを有するポリオール樹脂(富士化成工業株式会社製 ZX−022H 固形分45%)22質量部と、成分(B)としてメチルシリケート(三菱化学製 メチルシリケート51 有効成分51%)10質量部と、成分(C)として3−アミノプロピルトリエトキシシラン(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製 TSL8331 有効成分100%)3質量部と、希釈溶剤としてn−ブタノールを30質量部とを混合し、5分間攪拌した。その後、さらに成分(D)として酸化チタンのIPA分散体(テイカ製 TKD−701 固形分17%)を60質量部添加し、5分間攪拌し、樹脂組成物溶液を調製した。
基材としてスライドガラス(松浪ガラス製 S9111)を用い、この基材に対して乾燥後の塗装膜厚が1μmになるようにスプレー塗装にて樹脂組成物溶液を塗布し、100℃で20分加熱して、塗装板を得た。
(実施例7)
成分(D)として酸化チタンのIPA分散体(テイカ製 TKD−701 固形分17%)の配合量を80質量部とした以外は、実施例6と同様の方法で、塗装板を得た。
(実施例8)
成分(D)として酸化チタンのIPA分散体(テイカ製 TKD−701 固形分17%)の配合量を30質量部とした以外は、実施例6と同様の方法で、塗装板を得た。
(比較例1)
成分(B)としてメチルシリケート(三菱化学製 メチルシリケート51 有効成分51%)の配合量を30質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で、塗装板を得た。
(比較例2)
成分(B)としてメチルシリケート(三菱化学製 メチルシリケート51 有効成分51%)の配合量を3質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で、塗装板を得た。
(比較例3)
成分(C)として3−アミノプロピルトリエトキシシラン(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製 TSL8331 有効成分100%)の配合量を10質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で、塗装板を得た。
(比較例4)
成分(C)として3−アミノプロピルトリエトキシシラン(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製 TSL8331 有効成分100%)の配合量を0.5質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で、塗装板を得た。
(比較例5)
成分(A)の代わりに、ジメチルシロキサン基を骨格中に有し、架橋基として水酸基のみを有するポリオール樹脂(富士化成工業株式会社製 ZX−022 固形分45%)22質量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、塗装板を得た。
(比較例6)
成分(A)の代わりに、ジメチルシロキサン基を骨格中に有し、架橋基として水酸基のみを有するポリオール樹脂(富士化成工業株式会社製 ZX−022 固形分45%)22質量部を用いた以外は、実施例6と同様の方法で、塗装板を得た。
(評価)
実施例1〜8、比較例1〜6で作製した塗装板の塗膜について、下記の項目の評価を行った。
(1)製膜性
塗膜について外観の評価を目視により行った。
(判定基準)
クラック、ヨリ、ハガレがなく透明な連続膜が作製されていれば「○」とした。
クラック、ヨリ、ハガレのいずれか1つでも発生していれば「×」とした。
(2)温水密着性(温水碁盤目密着試験)
ステンレス製の20Lの容器内で80℃に保温された水道水中に24時間浸漬した後に、1mm間隔で縦横に各11本カッターナイフで刻みを入れた後、セロテ−プで剥離し、塗膜の剥がれを確認した。
(判定基準)
100マス中の剥がれのあったマスの個数について、
100/100 :○
90〜99/100:△
0〜89/100 :×
にて判定した。
(3)撥水性(水接触角)
接触角測定装置(協和界面科学社製、型式:DM500)でイオン交換水の接触角を測定し、撥水性の指標とした。
(判定基準)
90°以上:○
90°未満:×
にて判定した。
(4)鉛筆硬度
JIS K−5600−5−4に準じて塗膜表面の硬度を測定した。
(判定基準)
3H以上:○
H以上3H未満:△
H未満:×
にて判定した。
(5)初期の透過率(透明性)、油性ペン付着後の透過率(撥油性)
分光光度計(日立ハイテク製 U−4100)で555nmの光透過率を測定した。また、塗膜表面を油性マジック(油性ペン:ゼブラ社製、ハイマッキー、太)で多数の線を塗り潰すように書き、書いた後に同様に555nmの光透過率を測定した。
(判定基準)
80%以上:○
80%未満:×
にて判定した。
(6)ヘイズ
日本電色工業製のヘーズメーターにてヘイズを測定した。
(判定基準)
5%以下:○
5より大きい:×
にて判定した。
(7)メチレンブルー分解試験(セルフクリーニング性)
JIS R 1703−2に準じてメチレンブルーを用いた湿式分解によるセルフクリーニング性能試験を実施した。なお、表1に数値を示す実施例、比較例について試験を行った。
(判定基準)
グリーニング性
5以上:○
5より小さい:×
にて判定した。
(結果)
結果を表1に示す。
各実施例の塗膜は、製膜性、温水密着性、撥水性、鉛筆硬度、透明性(透過率及びヘイズ)、撥油性、セルフクリーニング性、について良好な結果が得られた。
Figure 2012214588

Claims (3)

  1. 下記(A)、(B)及び(C)の成分を含有する、撥水撥油性樹脂組成物。
    (A):下記式(1)で表されるジメチルシロキサン基を骨格中に有し、架橋基としてアルコキシ基及び水酸基を有するポリオール樹脂;
    Figure 2012214588
    (B):前記(A)の固形分100質量部に対して有効成分量として20〜150質量部の、加水分解性アルコキシシラン及びその部分加水分解縮合物の少なくとも1種;
    (C):前記(A)の固形分と前記(B)の有効成分量との合計100質量部に対して5〜50質量部の、アミノ基を有するシラン化合物。
  2. さらに、下記(D)の成分を含有する、請求項1に記載の撥水撥油性樹脂組成物。
    (D):前記(A)の固形分100質量部に対して50〜150質量部の、光触媒。
  3. 請求項1又は2に記載の撥水撥油性樹脂組成物を基材に塗布し、常温以上120℃以下の温度で硬化させてなる塗装品。
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