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JP2012167236A - 無機微粒子分散ペースト - Google Patents

無機微粒子分散ペースト Download PDF

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JP2012167236A
JP2012167236A JP2011031286A JP2011031286A JP2012167236A JP 2012167236 A JP2012167236 A JP 2012167236A JP 2011031286 A JP2011031286 A JP 2011031286A JP 2011031286 A JP2011031286 A JP 2011031286A JP 2012167236 A JP2012167236 A JP 2012167236A
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Japan
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inorganic fine
weight
meth
fine particle
acrylic resin
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Application number
JP2011031286A
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English (en)
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Kenji Yamauchi
健司 山内
Hiroko Miyazaki
寛子 宮崎
Takahiro Aso
隆浩 麻生
Taihei Sugita
大平 杉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】スクリーン印刷工程に用いた場合に厚膜で印刷することができ、かつ、焼結性、貯蔵安定性に優れる無機微粒子分散ペーストを提供する。
【解決手段】エステル置換基にイソプロピル基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを50重量%以上含有する(メタ)アクリル樹脂と、無機微粒子と、有機溶剤とを含有することを特徴とする無機微粒子分散ペースト。
【選択図】なし

Description

本発明は、スクリーン印刷工程に用いた場合に厚膜で印刷することができ、かつ、焼結性、貯蔵安定性に優れる無機微粒子分散ペーストに関する。
近年、様々な形状の焼結体を得るための原料として、導電性粉末、セラミック粉末等の無機微粒子をバインダー樹脂に分散させた無機微粒子分散ペーストが用いられている。
特に、無機微粒子として蛍光体をバインダー樹脂に分散させた蛍光体ペーストや、低融点ガラスを分散させたガラスペーストは、プラズマディスプレイパネル等に用いられている。
また、無機微粒子としてチタン酸バリウムやアルミナをバインダー樹脂に分散させたセラミックペーストや、ニッケルや白金、パラジウムなどの金属粉末を用いた導電ペーストが積層型の電子部品、例えば、セラミック基材や積層セラミックコンデンサに用いられている。
更に、太陽電池パネルの電極は、銀やアルミニウム粉を分散させたペーストをスクリーン印刷等によって塗布し、乾燥した後、焼成することにより形成されている。
これらの無機微粒子分散ペーストのうち、多くのものはスクリーン印刷を用いて印刷され、その後、焼成脱脂されることで、印刷した形状の無機像が形成される。このようなスクリーン印刷用の無機微粒子分散ペーストに使用されるバインダー樹脂としては、エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂が従来用いられてきた。セルロース系樹脂は、分子間での絡み合いの少ない剛直な直鎖状構造を有するため、スクリーン印刷において、スクリーンメッシュに対する透過性(スクリーン透過性)が高く、厚膜での印刷が可能であるとされている。
しかしながら、セルロース系樹脂は、分子間の絡み合いが少ないことに起因して、印刷後から乾燥までの間にダレ広がるという問題があった。
また、セルロース系樹脂は、焼結性が悪く、焼結後に炭素残渣が無機微粒子の表面に残るため、例えば、電気回路等に使用する場合は、電気回路の積層時の位置ずれや抵抗値が悪化する等の問題があった。
更に、無機微粒子として金属粉末を用いた導電ペーストでは、焼結体の厚みをある程度厚くするために、導電ペースト中における金属粉末の組成比を高める必要があるが、金属粉末の組成比を高めると、金属粉末が導電ペースト中で沈降したり、分散性が低下したりするという問題が発生していた。
このような問題に対して、特許文献1には、エチルセルロースに、若干のアクリル樹脂を添加した厚膜導電ペーストが開示されている。このような厚膜導電ペーストでは、エチルセルロースとアクリル樹脂との絡み合いによって、ダレを解決して厚膜が形成できるとしている。
また、特許文献2には、エチルセルロース及びアクリル樹脂に加えて、脂肪酸アマイドワックス等のチキソトロピー剤と呼ばれる添加剤を配合することにより、ダレ広がりを改善する技術が開示されている。
しかしながら、単に、アクリル樹脂を添加するのみでは、焼結性は改善するが、アクリル樹脂の絡み合いに起因する糸曳きによって、素早い版離れが得られず、スクリーン透過性は悪化するという問題が新たに生じていた。
また、アミドワックス等のチキソトロピー剤は、焼結性が非常に悪く、ごく少量の添加でも炭素残渣が多く残ってしまうという問題や、ペースト自体の流動性の悪化を引き起こし、印刷乾燥後の表面平滑性が悪化するという問題もあった。
特開平6−97669号公報 特開2003−132735号公報
本発明は、スクリーン印刷工程に用いた場合に厚膜で印刷することができ、かつ、焼結性、貯蔵安定性に優れる無機微粒子分散ペーストに関する。
本発明は、エステル置換基にイソプロピル基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを50重量%以上含有する(メタ)アクリル樹脂と、無機微粒子と、有機溶剤とを含有する無機微粒子分散ペーストである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、無機微粒子分散ペーストのバインダーに関して、従来から用いられてきたセルロース系樹脂に代えて、エステル置換基にイソプロピル基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを50重量%以上含有する(メタ)アクリル樹脂を用いることにより、スクリーン印刷工程に使用した場合に、厚膜で印刷できるだけでなく、高いスクリーン透過性及び貯蔵安定性を実現できることを見出した。また、該無機微粒子分散ペーストを用いて形成された焼結体は、炭素残渣が従来に比べ少なくなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の無機微粒子分散ペーストは、エステル置換基にイソプロピル基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを50重量%以上含有する(メタ)アクリル樹脂(以下、イソプロピル基含有(メタ)アクリル樹脂ともいう。)を含有する。
上記イソプロピル基含有(メタ)アクリル樹脂は、ガラス転位温度(Tg)が比較的高く、溶剤相溶性にも優れ、貯蔵安定性の高い無機微粒子分散ペーストとすることが可能となる。
特に、一般的に用いられるTgの高い(メタ)アクリル樹脂(メチルメタクリレート等)は、高粘度の有機溶剤との相溶性が乏しく、有機溶剤の分離や、ゲル化と言った問題が発生することがあったが、上記イソプロピル基含有(メタ)アクリル樹脂を用いることで、このような問題を解決することができる。
上記エステル置換基にイソプロピル基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、イソプロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート等が挙げられる。これらのなかでは、イソプロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレートが好ましい。
上記イソプロピル基含有(メタ)アクリル樹脂におけるエステル置換基にイソプロピル基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントの含有量の下限は50重量%である。上記含有量が50重量%未満であると、スクリーン印刷工程に用いた場合に厚膜で印刷することができず、焼結性、貯蔵安定性についても低下する。
上記含有量のより好ましい下限は80重量%、好ましい上限は100重量%である。
上記イソプロピル基含有(メタ)アクリル樹脂のTgの好ましい下限は70℃、好ましい上限は100℃である。上記Tgが70℃未満であると、得られる無機微粒子分散ペーストの粘度が低下して、印刷時に厚膜を形成できないことがあり、100℃を超えると、溶剤選択性が乏しくなり、ペーストの粘度確保に好ましい溶剤に溶解しなくなることがある。
また、上記イソプロピル基含有(メタ)アクリル樹脂は、エステル置換基にイソプロピル基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントに加えて、極性基を有するモノマーに由来するセグメントを有してもよい。
上記極性基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、メタクリル酸、グリシジルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート等が挙げられる。
上記極性基を有するモノマーに由来するセグメントを有する場合、上記極性基を有するモノマーに由来するセグメントの含有量は20重量%以下であることが好ましい。
上記極性基を有するモノマーに由来するセグメントの含有量が20重量%を超えると、低温での熱分解性が損なわれたり、無機微粒子に付着する煤が多くなり、焼結体の残留炭素が多くなったりすることがある。より好ましくは10重量%以下である。
上記イソプロピル基含有(メタ)アクリル樹脂は、分子末端に親水性官能基を有することが好ましい。上記親水性官能基は特に限定されないが、カルボニル基、アミノ基、アミド基類であることが好ましい。
一般に、(メタ)アクリル系モノマーのエステル置換基にカルボニル基、アミノ基、アミド基等の相互作用性の高い官能基を導入した(メタ)アクリル樹脂を用いた場合には、無機微粒子分散ペーストの焼成工程において、該(メタ)アクリル樹脂の解重合が阻害されて熱分解終了温度が高くなり、熱分解性が極めて悪化する。
これに対し、分子末端にカルボニル基、アミノ基、アミド基等を有する(メタ)アクリル樹脂を用いた場合には、該イソプロピル基含有(メタ)アクリル樹脂の解重合が阻害されず、熱分解終了温度にはほとんど影響しない。また、ガラス粉末等の無機微粒子はカルボニル基、アミノ基、アミド基等との相互作用性が高いことから、分子末端にカルボニル基、アミノ基、アミド基等を有する(メタ)アクリル樹脂を用いた場合には、該(メタ)アクリル樹脂の一方の分子末端が無機微粒子表面に吸着し、他方は有機溶剤側へ伸びた形態となり、無機微粒子の再凝集を防ぎ、分散安定性を向上させることができる。
上記イソプロピル基含有(メタ)アクリル樹脂のポリスチレン換算による重量平均分子量の好ましい下限は2万、好ましい上限は20万である。上記重量平均分子量が2万未満であると、無機微粒子分散ペーストは、充分な粘度が得られず、無機微粒子が沈降することがあり、上記重量平均分子量が20万を超えると、ペースト中の樹脂組成を少なくしても、スクリーン透過性が悪くなり、スクリーン印刷性が悪くなることがある。上記重量平均分子量のより好ましい上限は15万であり、更に好ましい上限は10万である。特に、上記(メタ)アクリル樹脂のポリスチレン換算による重量平均分子量が20000〜100000であると、後述する有機溶剤を用いることで少量の樹脂で充分な粘度が確保でき、かつ、厚く印刷出来る無機微粒子分散ペーストが得られるため好ましい。
なお、ポリスチレン換算による重量平均分子量は、カラムとして例えばカラムLF−804(昭和電工社製)を用いてGPC測定を行うことで得ることができる。
上記イソプロピル基含有(メタ)アクリル樹脂を作製する方法は特に限定されず、例えば、カルボニル基、アミノ基、アミド基等を有する重合開始剤のもとで、上述したエステル置換基にイソプロピル基を有する(メタ)アクリルモノマーをフリーラジカル重合法、リビングラジカル重合法、イニファーター重合法、アニオン重合法、リビングアニオン重合法等の従来公知の方法で共重合する方法や、カルボニル基、アミノ基、アミド基等を有する連鎖移動剤のもとで、上述したエステル置換基にイソプロピル基を有する(メタ)アクリルモノマーをフリーラジカル重合法、リビングラジカル重合法、イニファーター重合法、アニオン重合法、リビングアニオン重合法等の従来公知の方法で共重合する方法等が挙げられる。これらの方法は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記イソプロピル基含有(メタ)アクリル樹脂を作製する方法においては、ラジカル重合開始剤としてカルボニル基、アミノ基、アミド基等を有する重合開始剤を用いることにより、より多くの分子末端にカルボニル基、アミノ基、アミド基等を導入することができる。なお、上記イソプロピル基含有(メタ)アクリル樹脂の分子末端のみにカルボニル基、アミノ基、アミド基等が導入されたことは、例えば、13C−NMRにより確認することができる。
本発明の無機微粒子分散ペーストにおける上記イソプロピル基含有(メタ)アクリル樹脂の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は1重量%、好ましい上限は15重量%である。上記イソプロピル基含有(メタ)アクリル樹脂の含有量が1重量%未満であると、得られる無機微粒子分散ペーストは、充分な粘度が得られず、ペーストの貯蔵安定性が悪くなることがあり、無機微粒子の沈降や溶液の分離等が発生することがある。樹脂含有量が15重量%を超えると、得られる無機微粒子分散ペーストは、糸曳きが強く、粘着力が高くなりすぎてメッシュ透過性が少なくなることがある。
本発明の無機微粒子分散ペーストは、有機溶剤を含有する。
上記有機溶剤としては、芳香系又はテルペン系のモノアルコール系溶剤と、分子量が100以上のポリオール系有機化合物との混合溶剤を用いることが好ましい。
ポリオール系有機化合物は、液状もしくは固体で、芳香系又はテルペン系のモノアルコール系溶剤に溶解し、高粘度を発現する。その為、樹脂の分子量が小さく、もしくはペースト中の樹脂量が少ない場合でも粘度確保することが出来、スクリーン印刷時にスクリーン版と基板との張り付きを防止できるという効果がある。しかし、ポリオール系材料はアクリル樹脂との相溶性が悪いという課題がある。これに対して、直鎖状ポリエステル系の溶剤や、ポリエーテル系の溶剤をアクリル樹脂とポリオール系化合物の樹脂溶液に添加しても相溶性を改善させる効果はほとんど見られないが、上記芳香族系又はテルペン系モノアルコールは、樹脂とポリオール系材料との相溶性が高められることから、無機微粒子分散ペースト中のポリオール系材料の組成比を高めることができる。
上記芳香族系又はテルペン系モノアルコール系溶剤のうち、芳香環を有するモノアルコール系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールのモノアリールエーテル等が挙げられる。
また、テルペン系モノアルコール系溶剤としては、例えば、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、リモネンなどが上げられるが、同様の効果が得られる溶剤として、シクロヘキシル環をもった溶剤、特にイソボルニルシクロヘキサノール、ターシャリーブチルシクロヘキサノール、メトキシシクロヘキサノール、エトキシシクロヘキサノール等も好ましく用いることが出来る。
これらの中では、(メタ)アクリル樹脂の溶解性に優れることから、エチレングリコールモノフェニルエーテルとジエチレングリコールモノフェニルエーテル、テルピネオール、ジヒドロテルピネオールが好ましい。
上記芳香族系又はテルペン系モノアルコール系溶剤は、沸点が200℃以上300℃未満であることが好ましい。上記沸点が200℃未満であると、スクリーン印刷に用いた場合、連続印刷中に無機微粒子分散ペーストが版の上で乾いてしまうため好ましくない。300℃以上であると、印刷後、乾燥工程で脱溶剤に時間がかかってしまい好ましくない。より好ましくは、200℃以上、290℃未満である。
本発明では、上記分子量が100以上のポリオール材料を用いることで、無機微粒子分散ペースト中の樹脂の重量平均分子量、及び、(メタ)アクリル樹脂の組成比を下げることができる。分子量が100未満のポリオール材料を用いた場合、多量に添加するとバインダー樹脂との相溶性が低下して、無機微粒子分散ペーストの貯蔵安定性が悪化することがある。
上記ポリオール材料としては、分子量が100以上であることに加えて、例えば、B型粘度計を用いて、20℃における粘度を測定した場合の粘度が高いものか、20℃において固体であるものが好ましい。
このようなグリコール系溶剤としては、例えば、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(分子量118、粘度173cps)、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール(分子量160.3、粘度1650cps)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(分子量146.2、粘度320cps)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(分子量104、粘度253cps)、1,6−ヘキサンジオール(分子量118.17、固体)、1,8−オクタンジオール(分子量146.23、固体)、1,10−デカンジオール(分子量174.28、固体)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(分子量104.15、固体)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(分子量132.2、固体)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(分子量160.25、固体)、トリメチロールプロパン(分子量134.17、固体)等が挙げられる。
これらのグリコール系溶剤を、芳香族又はテルペン系モノアルコール系溶剤と併用して用いることで、(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量が低かったり、樹脂組成比が低かったりする無機微粒子分散ペーストでも充分な粘度が発現することができるとともに、無機微粒子の分散性が向上し、貯蔵安定性についても良好となる。
上記混合溶剤におけるモノアルコール系溶剤とポリオール有機化合物との混合比については特に限定されないが、(モノアルコール系溶剤:ポリオール有機化合物)が、1:2〜10:0.1であることが好ましい。上記1:2よりも、モノアルコール系溶剤が少ないと、ポリオール材料が混ざらなくなることがあり、上記10:0.1よりも、モノアルコール系溶剤が多いと、印刷に必要な粘度が得られなくなることがある。
本発明の無機微粒子分散ペーストにおける上記有機溶剤の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は10重量%、好ましい上限は80重量%である。上記有機溶剤の含有量が10重量%未満であると、得られる無機微粒子分散ペーストの粘度、粘着力が高くなりすぎてスクリーン印刷性が悪くなることがある。上記有機溶剤の含有量が80重量%を超えると、得られる無機微粒子分散ペーストは、充分な粘度が得られず、スクリーン印刷性が悪くなることがある。
また、本発明では、上記有機溶剤に併せて他の有機溶剤を添加してもよい。
上記他の有機溶剤は特に限定されず、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールドデシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールドデシルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノnブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノオレエート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノnブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノオレエートアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジアセタート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートテトラエチレングリコール、テトラエチレングリコールドデシルエーテル、テトラエチレングリコールモノオクチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、ペンタエチレングリコールドデシルエーテル、ヘプタエチレングリコールドデシルエーテル、ヘキサエチレングリコールドデシルエーテル、等が挙げられる。
本発明では、上記他の有機溶剤を併用する場合、全有機溶剤量に対する上記他の有機溶剤の含有量が50重量%以下であることが好ましい。50重量%を超えると、上記有機溶剤に対して多くなりすぎ、本発明の効果が損なわれるおそれがある。
本発明の無機微粒子分散ペーストは、無機微粒子を含有する。
上記無機微粒子は特に限定されず、例えば、ガラス粉末、セラミックス粉末、蛍光体微粒子、珪素酸化物等、金属微粒子等が挙げられる。
上記ガラス粉末は特に限定されず、例えば、酸化ビスマスガラス、ケイ酸塩ガラス、鉛ガラス、亜鉛ガラス、ボロンガラス等のガラス粉末や、CaO−Al−SiO系、MgO−Al−SiO系、LiO−Al−SiO系等の各種ケイ素酸化物のガラス粉末等が挙げられる。
また、上記ガラス粉末として、PbO−B−SiO混合物、BaO−ZnO−B−SiO混合物、ZnO−Bi−B−SiO混合物、Bi−B−BaO−CuO混合物、Bi−ZnO−B−Al−SrO混合物、ZnO−Bi−B混合物、Bi−SiO混合物、P−NaO−CaO−BaO−Al−B混合物、P−SnO混合物、P−SnO−B混合物、P−SnO−SiO混合物、CuO−P−RO混合物、SiO−B−ZnO−NaO−LiO−NaF−V混合物、P−ZnO−SnO−RO−RO混合物、B−SiO−ZnO混合物、B−SiO−Al−ZrO混合物、SiO−B−ZnO−RO−RO混合物、SiO−B−Al−RO−RO混合物、SrO−ZnO−P混合物、SrO−ZnO−P混合物、BaO−ZnO−B−SiO混合物等のガラス粉末も用いることができる。なお、Rは、Zn、Ba、Ca、Mg、Sr、Sn、Ni、Fe及びMnからなる群より選択される元素である。
特に、PbO−B−SiO混合物のガラス粉末や、鉛を含有しないBaO−ZnO−B−SiO混合物又はZnO−Bi−B−SiO混合物等の無鉛ガラス粉末が好ましい。
上記セラミック粉末は特に限定されず、例えば、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、チタン酸バリウム、窒化アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等が挙げられる。
また、透明電極材料に用いられるナノITOや色素増感太陽電池に用いられるナノ酸化チタン等も好適に用いることができる。
上記蛍光体微粒子は特に限定されず、例えば、蛍光体物質としては、ディスプレイ用の蛍光体物質として従来知られている青色蛍光体物質、赤色蛍光体物質、緑色蛍光体物質などが用いられる。青色蛍光体物質としては、例えば、YSiO:Ce系、CaWO:Pb系、BaMgAl1423:Eu系、BaMgAl1627:Eu系、BaMgAl1423:Eu系、BaMgAl1427:Eu系、ZnS:(Ag,Cd)系のものが用いられる。赤色蛍光体物質としては、例えば、Y:Eu系、YSiO:Eu系、YAl12:Eu系、Zn(PO:Mn系、YBO:Eu系、(Y,Gd)BO:Eu系、GdBO:Eu系、ScBO:Eu系、LuBO:Eu系のものが用いられる。緑色蛍光体物質としては、例えば、ZnSiO:Mn系、BaAl1219:Mn系、SrAl1319:Mn系、CaAl1219:Mn系、YBO:Tb系、BaMgAl1423:Mn系、LuBO:Tb系、GdBO:Tb系、ScBO:Tb系、Sr6SiCl:Eu系のものが用いられる。その他、ZnO:Zn系、ZnS:(Cu,Al)系、ZnS:Ag系、YS:Eu系、ZnS:Zn系、(Y,Cd)BO:Eu系、BaMgAl1223:Eu系のものも用いることができる。
上記金属微粒子は特に限定されず、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、金、銀、アルミニウム、タングステンやこれらの合金等からなる粉末等が挙げられる。
また、カルボキシル基、アミノ基、アミド基等との吸着特性が良好で酸化されやすい銅や鉄等の金属も好適に用いることができる。これらの金属粉末は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の無機微粒子分散ペーストにおける上記無機微粒子の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は20重量%、好ましい上限は90重量%である。
上記無機微粒子の含有量が20重量%未満であると、得られる無機微粒子分散ペーストは、充分な粘度が得られず、スクリーン印刷性が悪くなることがあり、上記無機微粒子の含有量が90重量%を超えると、得られる無機微粒子分散ペーストは、粘度が高くなりすぎてスクリーン印刷性が悪くなることがある。
本発明の無機微粒子分散ペーストを作製する方法は特に限定されず、従来公知の攪拌方法が挙げられ、具体的には、例えば、上記(メタ)アクリル樹脂、上記有機溶剤、上記無機微粒子及び必要に応じて添加される他の成分を3本ロール等で攪拌する方法等が挙げられる。
本発明によれば、スクリーン印刷工程に用いた場合に厚膜で印刷することができ、かつ、焼結性、貯蔵安定性に優れる無機微粒子分散ペーストを提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例において、有機溶剤の粘度は20℃でBH型粘度計(TOKI産業社製)を用いて測定したものである。
(重合例1)
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラプルフラスコに、イソプロピルメタクリレート(iPMA)80重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)20重量部、連鎖移動剤としてメルカプトプロパンジオール1.2重量部、有機溶剤として酢酸エチル100重量部を混合し、モノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し攪拌しながら湯槽が沸騰するまで昇温した。重合開始剤としてジアシルパーオキサイド(日油社製;パーロイル355)を酢酸エチルで分散させた溶液を加えた。また、重合中に重合開始剤を含む酢酸エチル溶液を数回添加し、合計で(メタ)アクリルモノマー100重量部に対して2重量部の重合開始剤を添加した。
重合開始から7時間後、反応液を室温まで冷却し重合を終了させた。Poly(iPMA/HEMA)の酢酸エチル溶液を得た。得られた重合体について、カラムとしてカラムLF−804(昭和電工社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は2万であった。
(重合例2)
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラプルフラスコに、イソプロピルメタクリレート(iPMA)50重量部、メチルメタクリレート(MMA)50重量部、有機溶剤として酢酸エチル50重量部とを混合し、モノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し攪拌しながら湯浴が沸騰するまで昇温した。次いで、重合開始剤としてジアシルパーオキサイド(日油社製、「パーロール355」)を加えた。また、重合中に重合開始剤を数回添加した。重合開始剤は(メタ)アクリレートモノマー100重量部に対して全部で2.5重量部添加した。
重合開始から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。これにより、(メタ)アクリル樹脂(Poly(iPMA/MMA))の酢酸エチル溶液を得た。
得られた樹脂について、カラムとしてSHOKO社製カラムLF−804を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は10万であった。
(重合例3)
20段オルダーショウ蒸留塔を備えた還流装置を用い、1L容の側管付き四つ口フラスコに、メチルメタクリレート(MMA)100重量部、イソプロピルアルコール30重量部、テトラメトキシチタン0.7重量部配合し、空気気流下に攪拌して120℃にて3時間エステル交換反応を行った。この間、反応で副生するメタノールはMMAとの共沸で系外に除去した。次に、この反応液を60℃減圧下で3時間蒸留することにより、イソプロピル(メタ)アクリレートを含有する樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液をガスクロマトグラフにて確認したところイソプロピルメタクリレートの含有量は90.0重量%であり、10.0重量%のMMAが未反応であった。
次に攪拌機、冷却器、温度計、湯浴及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラプルフラスコに、得られたイソプロピルメタクリレート/メチルメタクリレート(iPMA/MMA)混合モノマー100重量部、連鎖移動剤としてメルカプトプロパンジオール0.8重量部、有機溶剤として酢酸エチル100重量部を混合し、モノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し攪拌しながら湯槽が沸騰するまで昇温した。重合開始剤として有機化酸化物重合触媒(パーロイル355、日油社製)を合計でモノマー100重量部に対して合計2.0重量部の重合開始剤を添加した。
重合開始から7時間後、反応液を室温まで冷却し重合を終了させた。これにより、(メタ)アクリル樹脂Poly(iPMA/MMA)の酢酸エチル溶液を得た。得られた重合体について、カラムとしてカラムLF−804(昭和電工社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は5万であった。
(重合例4)
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラプルフラスコに、メタクリル酸無水物100重量部、パラトルエンスルホン酸0.1重量部、イソプロピルアルコール50重量部を配合し、80℃で4時間反応させた後、水酸化ナトリウム水溶液及び水で洗浄し、更に80℃、減圧条件下で蒸留することにより樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、イソプロピルメタクリレートの含有量が99.8重量%であることが確認された。
得られたイソプロピルメタクリレート(iPMA)100重量部、有機溶剤として酢酸エチル30重量部を混合し、モノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し攪拌しながら湯槽が沸騰するまで昇温した。重合開始剤として有機化酸化物重合触媒(パーロイル355、日油社製)を、重合中に重合開始剤を数回添加し、合計でモノマー100重量部に対して合計1.5重量部の重合開始剤を添加した。
重合開始から7時間後、反応液を室温まで冷却し重合を終了させた。これにより、ポリイソプロピルメタクリレート(Poly(iPMA))の酢酸エチル溶液を得た。得られた重合体について、カラムとしてカラムLF−804(昭和電工社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は20万であった。
(重合例5)
2Lセパラプルフラスコに仕込む(メタ)アクリルモノマーの組成(合計100重量部)を、iPMA40重量部、MMA60重量部とした以外は重合例2と同様にして(メタ)アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を得た。なお、得られた(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量は10万であった。
(重合例6)
2Lセパラプルフラスコに仕込む(メタ)アクリルモノマーの組成(合計100重量部)を、iPMA40重量部、MMA60重量部とし、連鎖移動剤としてメルカプトプロパンジオール0.8重量部を添加する以外は重合例1と同様にして(メタ)アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を得た。なお、得られた(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量は5万であった。
(重合例7)
2Lセパラプルフラスコに仕込む(メタ)アクリルモノマーの組成(合計100重量部)を、iPMA40重量部、MMA60重量部とし、連鎖移動剤としてメルカプトプロパンジオール1.2重量部を添加する以外は重合例1と同様にして(メタ)アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を得た。なお、得られた(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量は2万であった。
(重合例8)
2Lセパラプルフラスコに仕込む(メタ)アクリルモノマーの組成(合計100重量部)を、iPMA40重量部、MMA60重量部とし、モノマー混合液100重量部に対して、溶媒として酢酸エチル30重量部、触媒(パーロイル355、日油社製)を1.0重量部添加したこと以外は重合例2と同様にして(メタ)アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を得た。なお、得られた(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量は30万であった。
(重合例9)
2Lセパラプルフラスコに仕込む(メタ)アクリルモノマーの組成(合計100重量部)を、MMA100重量部とし、連鎖移動剤としてメルカプトプロパンジオール1.2重量部を添加する以外は重合例1と同様にして(メタ)アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を得た。なお、得られた(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量は2万であった。
(実施例1)
重合例1で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(iPMA/HEMA))の酢酸エチル溶液に、エチレングリコールモノフェニルエーテル(20℃の粘度:30.5mPa・s)を加え、減圧処理を行うことで溶媒置換を行った。樹脂固形分を乾燥重量法により評価した後、分子量が118である3−メチル−1,5−ペンタンジオールと、エチレングリコールモノフェニルエーテルとを、表1に記載された組成比になるよう配合し、ビヒクル組成物を得た。
その後、無機微粒子としてアルミニウム微粒子(平均粒子径5μm)と、ファイヤースルーを可能にする低融点ガラス微粒子(平均粒子径1μm)を表1の組成で添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練した後、アルミニウム微粒子が扁平につぶれないように留意しながら3本ロールミルにて処理を行い、導電性微粒子分散ペーストを調製した。表1に記載した組成で3本ロールミルにて処理を行い、無機微粒子分散ペーストを調製した。
(実施例2)
重合例2で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(iPMA/MMA))の酢酸エチル溶液にジエチレングリコールモノフェニルエーテル(20℃の粘度:44mPa・s)を加え、減圧処理を行い、溶媒置換を行った。次いで、分子量が146.2である2−エチル−1,3−ヘキサンジオールと、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルとを、表1に記載された組成比になるよう配合し、ビヒクル組成物を得た。
その後、導電性粉末として銀粉(平均粒子径1.0μm)と、ファイヤースルーを可能にする低融点ガラス微粒子(平均粒子径1μm)を表1の組成で添加し、高速攪拌機と三本ロールとで混練することにより、無機微粒子分散ペーストを得た。
(実施例3)
重合例3で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(iPMA/MMA))の酢酸エチル溶液に対して、テルピネオールを添加した後、減圧処理を行い、溶媒置換を行った。次いで、分子量が104である3−メチル−1,3−ブタンジオールとテルピネオールとを、表1に記載された組成比になるよう配合し、ビヒクル組成物を得た。
その後、無機微粒子として緑色蛍光体(ZnS;Cu,Al、日亜化学社製)を用い、表1に示した組成比となるように添加した後、高速撹拌装置を用いて充分混練し、3本ロールミルにてなめらかになるまで処理を行い、無機微粒子分散ペーストを作製した。
(実施例4)
重合例4で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(iPMA))の酢酸エチル溶液に対し、ジヒドロテルピネオールを添加した後、減圧処理を行い、溶媒置換を行った。次いで、分子量が160.3である2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールと、ジヒドロテルピネオールとを、表1に記載された組成比になるよう配合し、ビヒクル組成物を得た。
その後、無機微粒子として平均粒子径2.0μmのガラス微粒子(SiOを32.5重量%、Bを20.5重量%、ZnOを18重量%、Alを10重量%、BaOを3.5重量%、LiOを9重量%、NaOを6重量%、SnOを0.5重量%含有)を表1の組成で添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練した後、3本ロールミルにて処理を行い、無機微粒子分散ペーストを調製した。
(比較例1)
重合例5で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(iPMA/MMA)の酢酸エチル溶液に対し、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(20℃の粘度:320mPa・s)を加え、減圧処理を行い、溶媒置換を行った。次いで、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールを、表1に記載された組成比になるようさらに配合し、ビヒクル組成物を得た。
その後、導電性粉末として銀粉(平均粒子径1.0μm)と、ファイヤースルーを可能にする低融点ガラス微粒子(平均粒子径1μm)を表1の組成で添加し、高速攪拌機と三本ロールとで混練することにより、無機微粒子分散ペーストを得た。
(比較例2)
重合例5で得られた(メタ)アクリル樹脂(poly(iPMA/MMA))の酢酸エチル溶液に対し、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルを加え、減圧処理を行い、溶媒置換を行った。次いで、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルを、表1に記載された組成比になるよう配合し、ビヒクル組成物を得た。
その後、導電性粉末として銀粉(平均粒子径1.0μm)と、ファイヤースルーを可能にする低融点ガラス微粒子(平均粒子径1μm)を表1の組成で添加し、高速攪拌機と三本ロールとで混練することにより、無機微粒子分散ペーストを得た。
(比較例3)
重合例6で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(iPMA/MMA))の酢酸エチル溶液に対して、テルピネオールを加え、減圧処理を行い、溶剤置換を行った。次いで、分子量が90.1である1,4−ブタンジオールとテルピネオールとを、表1に記載された組成比になるよう配合し、ビヒクル組成物を得た。
その後、無機微粒子として緑色蛍光体(ZnS;Cu,Al、日亜化学社製)を用い、表1に示した組成比となるように添加した後、高速撹拌装置を用いて充分混練し、3本ロールミルにてなめらかになるまで処理を行い、無機微粒子分散ペーストを作製した。
(比較例4)
重合例7で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(iPMA/MMA))の酢酸エチル溶液に対して、テキサノールを加え、減圧処理を行い、溶剤置換を行った。次いで、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとテキサノールとを、表1に記載された組成比になるよう配合し、ビヒクル組成物を得た。
その後、得られたビヒクル組成物に対して無機微粒子としてアルミニウム微粒子(平均粒子径5μm)と、ファイヤースルーを可能にする低融点ガラス微粒子(平均粒子径1μm)を表1の組成となるように添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練した後、アルミニウム微粒子が扁平につぶれないように留意しながら3本ロールミルにて処理を行い、無機微粒子分散ペーストを調製した。
(比較例5)
重合例8で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(iPMA/MMA))の酢酸エチル溶液にジヒドロテルピネオールを加え、減圧処理を行い、溶剤置換を行った。希釈溶剤としてジヒドロテルピネオールと2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールとを、表1に記載された組成比になるよう配合し、ビヒクル組成物を得た。
無機微粒子として平均粒子径2.0μmのガラス微粒子(SiOを32.5重量%、Bを20.5重量%、ZnOを18重量%、Alを10重量%、BaOを3.5重量%、LiOを9重量%、NaOを6重量%、SnOを0.5重量%含有)を、表1の組成で添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練した後、3本ロールミルにて処理を行い、無機微粒子分散ペーストを調製した。
(比較例6)
重合例9で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(MMA))の酢酸エチル溶液に対して、エチレングリコールモノフェニルエーテルを加えて溶剤置換を行い、表1の配合に従いビヒクル組成物を得た。実施例1と同じ方法で無機微粒子分散ペーストを調製した。
(比較例7)
エチルセルロース(STD45)をブチルカルビトールアセテートに溶解させ、ビヒクル組成物を得た。実施例1と同じ方法で無機微粒子分散ペーストを調製した。
Figure 2012167236
<評価>
実施例及び比較例で得られた無機微粒子分散ペーストについて以下の評価を行った。結果を表2に示した。
(1)焼結性(分解終了温度)(TG・DTA評価)
バインダー樹脂組成物を熱分解装置(TAインスツルメンツ社製simultaneousSDT2960)を用いて空気雰囲気下にて昇温温度10℃/minで600℃まで加熱し、分解重量の減少度を測定した。99%樹脂が分解した温度を分解終了温度とし、400℃以下を○、400℃よりも高い物を×とした。
(2)粘度評価
得られた無機微粒子分散ペースト組成物をB型粘度計(DVII+Pro、BROOK FILED社製)を用いて、温度25℃、回転数10rpmの条件下における、無機微粒子分散ペーストの粘度η(cps)を測定した。
(3)貯蔵安定性
実施例及び比較例で得られたビヒクル組成物について、10℃で12時間養生した後におけるビヒクル組成物の状態を目視にて確認し、状態に変化が見られなかった場合を○、白濁や液分離等を起こした場合を×として評価した。
また、実施例及び比較例で得られた無機微粒子分散ペーストを25℃で1週間養生した後における無機微粒子分散ペーストの状態を確認し、液分離や無機微粒子の沈降を起こした場合を×、状態変化が見られなかった場合を○として評価した。
(4)スクリーン印刷性(レベリング性、連続印刷性)
実施例及び比較例で得られた無機微粒子分散ペーストを、スクリーン印刷機(マイクロテック社製「MT−320TV」)、スクリーン製版(東京プロセスサービス社製「ST200(紗厚80μm)」乳剤20μm、印刷像80mm×80mmベタ、スクリーン枠:320mm×320mm)、印刷ガラス基板(ソーダーガラス:150mm×150mm、厚み:1.5mm)を用いて、温度23℃、湿度50%の環境下にて印刷を行った。
印刷後、ガラス板を120℃×10分の条件下で送風オーブンにて溶媒を乾燥した。
乾燥後の印刷像の厚みを厚みゲージを用いて測定し、印刷像の厚みが30μm以上である場合を○、30μm未満である場合を×として評価した。
また、30枚連続印刷し、印刷像のカスレ状態を確認し、印刷性を下記の基準で評価した。30枚の連続印刷によって変化が見られなかった場合を○、連続印刷によって目詰まりが生じ、カスレが生じた場合を×とした。
Figure 2012167236
表2に示すように、実施例1〜4で得られた無機微粒子分散ペーストは、分散状態が良好で、延糸が無く、印刷性も良好であった。
一方、芳香環又はシクロヘキシル環を有するモノアルコール系溶剤を用いなかった比較例1、4、並びに、分子量が小さいグリコール系溶剤を用いた比較例3はビヒクル組成物、無機微粒子分散ペーストにおける貯蔵安定性が悪かった。
また、グリコール系溶剤を用いなかった比較例2では充分な粘度が得られないため、無機微粒子の沈降や印刷後のダレにより、像が薄くなる現象が見られた。
更に、重量平均分子量が大きい(メタ)アクリル樹脂を用いた比較例5では、印刷時に枚数を重ねる毎にカスレが悪化した。
本発明によれば、スクリーン印刷工程に用いた場合に厚膜で印刷することができ、かつ、焼結性、貯蔵安定性に優れる無機微粒子分散ペーストを提供できる。

Claims (4)

  1. エステル置換基にイソプロピル基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを50重量%以上含有する(メタ)アクリル樹脂と、無機微粒子と、有機溶剤とを含有することを特徴とする無機微粒子分散ペースト。
  2. 有機溶剤は、芳香族系又はテルペン系モノアルコール系溶剤と、分子量が100以上のポリオール系有機化合物との混合溶剤であることを特徴とする請求項1記載の無機微粒子分散ペースト。
  3. ポリオール系有機化合物は、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール及びトリメチロールプロパンからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項2記載の無機微粒子分散ペースト。
  4. (メタ)アクリル樹脂は、重量平均分子量が2万〜20万であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の無機微粒子分散ペースト。
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