以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る印刷システム全体の基本構成の一例を示すブロック図である。本実施形態では図1に示すように、印刷システムは、MFP(Multifunction peripheral)100、クライアントPC200、プリントサーバ300を含み、それぞれがネットワーク400に接続されている。
MFP100は、スキャン、プリント、コピー機能等の様々な機能を有する。クライアントPC200は、入力されたアプリケーションファイルの編集、印刷指示、或いは、プリントレディファイルの投入の役割と、プリントサーバ内で管理されているデバイスやジョブの監視や制御の補佐する役割を持っている。クライアントPC200で生成した印刷ジョブは、直接MFP100に転送する方法と、プリントサーバ300を介してMFP100に転送する方法が存在する。
プリントサーバ300は、2つの役割を持っている。1つ目はMFP100とクライアントPC200間の情報の送受を行う役割である。クライアントPC200から入稿される印刷ジョブの画像情報や設定情報等は、まずプリントサーバ300に入力され、その印刷ジョブが終了するとステータス等の情報をクライアントPC200に知らせる役割を持っている。もう1つはMFP100の管理制御である。クライアントPC200から入力された印刷ジョブ及びMFP100の内部で発生した印刷ジョブは、プリントサーバ300で一元管理されている。そして、MFP100にて保持されている全ての印刷ジョブの状況が監視できる。また、印刷ジョブの一時停止、設定変更、印刷再開、或いは、印刷ジョブの複製、移動、削除等の制御が行えるようになっている。
図2は、図1に示すMFP100の細部構成について示す断面図である。本実施形態で示されるMFP100は、カラー印刷が可能なMFPであり、スキャナ部101、レーザ露光部102、感光ドラム103、作像部104、定着部105、給紙/搬送部106、及びこれらを制御する不図示のプリンタ制御部から構成される。
スキャナ部101は、原稿台に置かれた原稿に対して、照明を当てて原稿画像を光学的に読み取り、その像を電気信号に変換して画像データを作成する工程を行う。レーザ露光部102は、前記画像データに応じて変調されたレーザ光等の光線を等角速度で回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)に入射させ、反射走査光として感光ドラム103に照射する。
作像部104は、感光ドラム103を回転駆動し、帯電器によって帯電させ、レーザ露光部102によって感光ドラム103上に形成された潜像をトナーによって現像化する。そして、そのトナー像をシートに転写し、その際に、転写されずに感光ドラム103上に残った微小トナーを回収するといった一連の電子写真プロセスを実行して作像する。尚、シートが転写ベルトの所定位置に巻きつき、4回転する間に、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のトナーを持つそれぞれの現像ユニット(現像ステーション)が入れ替わりで順次前述の電子写真プロセスを繰り返し実行する。そして、4回転の後、4色のフルカラートナー像を転写されたシートは、転写ドラムを離れ、定着部105へ搬送される。
定着部105は、ローラやベルトの組み合わせによって構成され、ハロゲンヒータ等の熱源を内蔵し、前記作像部によってトナー像が転写されたシート上のトナーを、熱と圧力によって溶解、定着させる。
給紙/搬送部106は、シートカセットやペーパーデッキに代表されるシート収納庫を一つ以上持っており、不図示のプリンタ制御部の指示に応じてシート収納庫107に収納された複数のシートの中から一枚分離し、作像部104や定着部105へ搬送する。シートは作像部104の転写ドラムに巻きつけられ、4回転した後に定着部105へ搬送される。4回転する間に、前述のYMCK各色のトナー像がシートに転写される。また、シートの両面に印刷処理する場合は、定着部105を通過したシートを再度作像部104へ搬送する搬送経路を通るように制御する。
プリンタ制御部は、MFP100全体を制御するMFP制御部と通信して、その指示に応じて制御を実行する。また、これと共に、前述のスキャナ部101、レーザ露光部102、作像部104、定着部105、給紙/搬送部106の各部の状態を管理しながら、全体が調和を保って円滑に動作できるよう指示を行う。
図3は、図2に示すMFP100の制御を行うMFP制御部108周辺の細部構成を示すブロック図である。MFP100は、自装置内部に複数のジョブのデータを記憶可能なハードディスク等のメモリを具備し、スキャナから出力されたジョブデータに対して、メモリを介してプリンタ部でプリント可能にするコピー機能を具備する。また、MFP100は、クライアントPC200から入力された印刷ジョブに対して、メモリを介してプリント部でプリント可能にするプリント機能等の複数の機能も具備する。
MFP100には、フルカラー機器とモノクロ機器があり、色処理や内部データ等を除いて、基本的な部分において、フルカラー機器がモノクロ機器の構成を包含することが多い。そこで、本実施形態では主にフルカラー機器として説明し、必要に応じて随時モノクロ機器の説明を加えることとする。
尚、本印刷システムの構成に関しては、複数の機能を具備した複合機能型の印刷装置や、印刷機能のみを具備した単一機能型の印刷装置等のSFP(Single Function Printer)を具備する構成であっても良い。また、いずれか一方のタイプの印刷装置のみを具備する構成でも良い。さらに、何れのタイプの印刷装置を複数台具備する構成であっても良い。いずれにしても、本実施形態に係る制御が実現可能な構成であればよい。
図3に示すように、MFP制御部108は、紙原稿等の画像を読み取り、読み取られた画像データを画像処理する入力画像処理部109と、ファクシミリ等に代表される電話回線を利用した画像の送受信を行うFAX部110に接続する。また、MFP制御部108は、ネットワークを利用して画像データや装置情報をやりとりするNIC(Network Interface Card)部111と、外部装置と画像データ等の情報交換を行う専用インタフェース部112に接続する。さらに、MFP制御部108は、リムーバブルメディアの一種であるUSB(Universal Serial Bus)メモリに代表されるUSB機器と画像データ等を送受するUSBインタフェース部113に接続する。
そして、MFP制御部108では、MFP100の用途に応じて画像データを一時保存したり、経路を決定したりといった交通整理の役割を担っている。次に、文書管理部114は、複数の画像データを格納可能なハードディスク等のメモリを具備する。そして、例えば、MFP100が具備する制御部(例えば、MFP制御部108のCPU等)が主体となって、複数種類の画像データをメモリに複数格納可能に制御する。これらの画像データには、入力画像処理部109からの画像データや、FAX部110を介して入力されたファクシミリジョブの画像データがある。また、NIC部111を介して入力されたクライアントPC200からの印刷ジョブや、専用I/F部112やUSB I/F部113を介して入力された様々な印刷ジョブがある。そして、制御部は、ハードディスク等のメモリに格納された印刷ジョブを適宜読み出して、プリンタ部118に転送して、印刷処理を実行する。さらに、制御部は、オペレータからの指示によりメモリから読み出した画像データを、クライアントPCや他の印刷装置等に転送する。
印刷ジョブを文書管理部114に記憶する際には、必要に応じて、印刷ジョブに含まれる画像データを圧縮して格納する。また、逆に圧縮して格納された画像データを読み出す際に元の画像データに伸張して戻したりする等の処理に対して圧縮伸張部115を介して行っている。また、画像データがネットワークを経由する際には、JPEG、JBIG、ZIP等圧縮データを使用することも一般知られており、画像データがMFP100に入力された後、この圧縮伸張部115で解凍(伸張)される。
また、リソース管理部116は、フォント、カラープロファイル、ガンマテーブル等の共通に扱われる各種パラメータテーブル等が格納されており、必要に応じて呼び出すことができる。さらに、リソース管理部116は、新しいパラメータテーブルを格納したり、修正して更新したりすることができる。
次に、MFP制御部108では、印刷ジョブとしてPDLデータが入力された場合には、RIP部117でRIP(Raster Image Processor)処理を施したり、必要に応じて出力画像処理部132で印刷処理のための画像処理を行う。さらに、その際に作られる画像データの中間データやプリントレディデータ(プリントのためのビットマップデータやそれを圧縮したデータ)を必要に応じて、文書管理部114で再度格納することもできる。
そして、印刷処理を行うプリンタ部118に送られる。プリンタ部118で印刷処理されたシート(紙)は後処理部119へ送り込まれ、シートの仕分け処理やシートの仕上げ処理が行われる。
ここで、MFP制御部108は、円滑に印刷ジョブを流す役割を担っており、MFP100の使い方に応じて、以下のようにパス切り替えが行われている。ただし、中間データとして画像データを必要に応じて格納することは一般に知られているが、ここでは文書管理部114が始点、終点になる以外のアクセスは表記しない。また、必要に応じて利用される圧縮伸張部115と後処理部119、或いは、全体のコアとなるMFP制御部108等の処理は省略して、おおよそのフローがわかるように記載する。
A)複写機能 :入力画像処理部→出力画像処理部→プリンタ部
B)FAX送信機能 :入力画像処理部→FAX部
C)FAX受信機能 :FAX部→出力画像処理部→プリンタ部
D)ネットワークスキャン :入力画像処理部→NIC部
E)ネットワークプリント :NIC部→RIP部→出力画像処理部→プリンタ部
F)外部装置へのスキャン :入力画像処理部→専用I/F部
G)外部装置からのプリント :専用I/F部→出力画像処理部→プリンタ部
H)外部メモリへのスキャン :入力画像処理部→USB I/F部
I)外部メモリからのプリント:USB I/F部→RIP部→出力画像処理部→プリンタ部
J)ボックススキャン機能 :入力画像処理部→出力画像処理部→文書管理部
K)ボックスプリント機能 :文書管理部→プリンタ部
L)ボックス受信機能 :NIC部→RIP部→出力画像処理部→文書管理部
M)ボックス送信機能 :文書管理部→NIC部
N)プレビュー機能 :文書管理部→操作部
上記以外にも、E−mailサービスやWebサーバ機能を始めとして様々な機能との組み合わせが考えられる。
また、ボックススキャン、ボックスプリント、ボックス受信、或いは、ボックス送信とは、文書管理部114を利用したデータの書き込みや読み出しを伴うMFP100の処理機能である。さらに、これらは、ジョブ毎やユーザ毎に文書管理部内のメモリを分割して一次的にデータを保存して、ユーザIDやパスワードを組み合わせてデータの入出力を行う機能である。
さらに、操作部120は、ユーザが上記の様々なフローや機能を選択したり操作指示したりするためのものである。尚、操作部120に使用される表示装置の高解像度化に伴い、操作部120は、文書管理部114にある画像データをプレビューし、確認後OKならばプリントするといったこともできる。
図4は、第1の実施形態に係るMFP制御部108のファームウェアの構造を示すブロック図である。図4において、ネットワークインタフェース制御部121はインタフェースケーブルを介してネットワークと接続されている。ネットワークインタフェース制御部121は、クライアントPC200やプリントサーバ300との通信を司る部分である。ネットワークインタフェース制御部121は、クライアントPC200やプリントサーバ300から印刷ジョブを受信し、受信した印刷ジョブをジョブチケット解析部122に転送する。ジョブチケット解析部122は、印刷ジョブに含まれるジョブチケットを解析して印刷ジョブの印刷処理条件をジョブ管理部に伝達する。そして、ジョブチケット解析部122は、受信した印刷ジョブを受信バッファ123に格納する。
受信バッファ123に印刷ジョブ(PDLデータ)が格納されると、PDLデータ解析部124が処理を開始する。PDLデータ解析部124は、受信バッファ123に格納されているPDLデータを読み込み、PDLデータを解析して各コマンドに対応するオブジェクト(中間コード)を生成して中間バッファ125に格納する。本実施形態では、プリンタがサポートしているコマンドをPDL(Page Description Language)とするが、PDLだけでなく、ページ毎に印刷を行うことが可能なデータはすべて同様である。尚、中間データはページ毎に管理される。
中間バッファ125にデータが格納されると描画処理部126が動作する。描画処理部126は中間バッファ125から中間データをページ毎に読み出し、1ページ分の印刷イメージデータを生成し、イメージバッファ127に格納する。1ページ分の印刷イメージデータが生成されると、出力制御部128が動作する。ここで、ホールド指定がされているジョブの場合は、イメージデータをホールドキュー129に格納する。その場合、出力制御部128はすぐに起動させず、UI制御部130からホールド解除(印刷)の指示があった場合に出力制御部128が起動し、当該ジョブの印刷を行う。
ここで、ホールドとは印刷ジョブをすぐに実行せず、一旦文書管理部114に印刷ジョブを格納し、ユーザからの指示によって印刷を開始する機能のことである。この機能は、例えば、試し印刷を行い、印刷結果が問題なければ、本印刷(複数部数)を行う際等に使用される。これによって、本印刷の際に印刷ジョブをクライアントPC200から送信し直すことなく行うことができる。
出力制御部128は、イメージバッファ127からイメージデータを読み出し、ビデオ信号に変換してエンジンに転送するビデオ信号をプリンタ部118に転送することによって実際の印刷が行われる。
UI制御部130は、UI(User Interface)を制御する部分であり、表示部と操作部から構成される。表示部には液晶ディスプレイ等が使用される。また、操作部にはキーが配置されている。タッチパネル式のディスプレイの場合、表示部が操作部を兼ねる場合がある。UI制御部130は、ユーザの操作に応じた文字列の表示、画面の切り替え、設定値を他のモジュールに伝達する等の制御を行っている。
一方、ジョブ制御部131は、機器内のジョブを管理する部分であり、ジョブの生成と消去、ジョブの状態、ジョブ処理順番等を制御する。
図5は、プリンタドライバの設定画面構成の一例を示す図である。印刷アプリケーションからMFP等のプリントデバイスにプルーフ出力したり、最終成果物を出力したりするための一手段として、プリンタドライバが使用される。図5に示すようなプリンタドライバの設定画面は、作業者がMFP100にジョブを送信する場合に、一般的に印刷アプリケーションの印刷メニューを選択することにより表示される画面である。
まず作業者は、この設定画面の「プリンタ名」プルダウンリストボックス501により、使用するプリントデバイスを選択する。これにより、その下の「状態」にプリントデバイスの状態が、「種類」にプリンタドライバの種類が、「場所」にプリントデバイスの設置場所情報が、「コメント」にプリントデバイス管理者からのコメント情報が表示される。印刷ジョブをMFP100等の印刷装置に送信せずにファイルに出力したい場合は、「ファイルへ出力」チェックボックス502を選択状態にする。
「印刷範囲」503では、「全て」、「現在のページ」、「選択したページ」、「ページ指定」のいずれかをラジオボタンで選択することにより、印刷したいページを指定する。そして、「ページ指定」を選択した場合は、エディットボックスに印刷したいページ番号を入力する。
さらに「印刷対象」プルダウンリストボックス504により、印刷対象となる文書の印刷処理条件を選択し、「印刷指定」プルダウンリストボックス505により、全てのページを印刷するのか、奇数或いは偶数ページだけを印刷するのかを指定する。
「印刷部数」506では、「部数」スピンボックスに印刷したい部数を入力するとともに、複数部数をページ単位ではなく部単位で印刷する場合は、「部単位で印刷」チェックボックスを選択状態にする。
「拡大/縮小」507では、「1枚あたりのページ数」プルダウンリストボックスにより、N−up印刷(1つの印刷面に複数ページをレイアウトする印刷)を指定する。また、「用紙サイズの指定」プルダウンリストボックスにより、原稿サイズに対する用紙サイズを選択する。
さらに、「プロパティ」ボタン508を押下することにより、さらに詳細な印刷処理条件を設定することができる。
作業者がプリンタドライバの設定画面の設定を終了したならば、「OK」ボタン509を押下することにより、印刷ジョブをMFP100等の印刷装置に送信したり、ファイルに出力したりすることができる。印刷処理やファイル出力を止める場合は、「キャンセル」ボタン510を押下すればよい。
図6は、プリンタドライバのページ設定処理に関連したプロパティ設定画面構成の一例を示す図である。
図6に示すプリンタドライバのプロパティ設定画面は、プリンタドライバの設定画面のプロパティボタン508を押下したときのデフォルト画面である。或いは、プリンタドライバのプロパティ設定画面の「ページ設定」タブを選択することにより表示される画面である。
「お気に入り」プルダウンリストボックス601では、予め決められたページ設定モードの中から最適なページ設定を選択する。その隣に位置する2つのボタン602により、お気に入りの選択項目を追加したり編集したりすることができる。
また、「設定確認」ボタン603を押下することにより、プロパティ設定画面で設定した内容を一覧表示することができ、プロパティ設定画面で設定した内容は、その上に表示されているページイメージに反映される。
「出力方法」プルダウンリストボックス604では、MFP100等の印刷装置に通常印刷をするのか、印刷装置のホールドキュー(ハードディスク)に保存するのかといったような出力方法を指定する。ホールドキューを指定した場合、一旦プリントデバイスのホールドキューにジョブが格納され、シートへの印刷は行われない。この場合は、ユーザからの印刷指示(解除指示)によって紙への印刷処理が開始される。
「原稿サイズ」、「出力用紙サイズ」プルダウンリストボックス605、606では、印刷対象となる原稿サイズと印刷装置における印刷処理で用いる用紙サイズを選択する。「部数」スピンボックス607では、印刷したい部数を入力し、「印刷の向き」ラジオボタン608では、「縦」や「横」といったような印刷装置におけるシートの印刷方向を選択する。
「ページレイアウト」プルダウンリストボックス609では、N−up印刷(1つの印刷面に複数ページ(Nページ)をレイアウトする印刷)を指定する。そして、「倍率を指定する」チェックボックス610を選択状態にした場合は、「倍率」スピンボックス611に拡大/縮小の倍率を%単位で入力する。
また、「スタンプ」チェックボックス612を選択状態にした場合は、プルダウンリストボックスで予め決められたスタンプの種類を選択する。そして、「スタンプ編集」ボタン613を押下することにより、スタンプの種類を追加したり編集したりすることができる。
「ユーザ定義用紙」ボタン614を押下することにより、ユーザ定義用紙を定義したり、「ページオプション」ボタン615を押下することにより、さらに詳細なページオプションを設定したりすることができる。また、「標準に戻す」ボタン616を押下することにより、これらの設定をデフォルトに戻すことができる。
そして、作業者がプリンタドライバのプロパティ設定画面の設定を終了したならば、「OK」ボタン617を押下することにより、これらの印刷印刷処理条件を実際の印刷に反映することができる。プロパティ設定画面の設定を止める場合は、「キャンセル」ボタン618を押下すればよい。「ヘルプ」ボタン619は、プロパティ設定画面のヘルプ画面を表示するものである。
図7は、設定の適用範囲をページ単位に定義し、適用範囲毎に設定を行うプロパティ設定画面構成の一例を示す図である。ジョブ全体に対するプロパティの設定は他のプロパティ設定画面で行われる。本画面は部分的に(ある開始ページからある終了ページまでの範囲)プロパティの設定値を設定したい場合に使用される。尚、本画面で指定されないページ(ページ範囲)については、全体設定(他のプロパティ画面からの設定)に従う。
図7において、新規作成ボタン701を押下すると、「例外設定の適用範囲設定」のポップアップ画面702(左下)が現れる。そして、を当該「例外設定の適用範囲設定」画面で開始ページと終了ページを指定し、OKボタンを押下すると、ポップアップ画面が消滅して「例外リスト」703に設定した範囲が表示される。例外リスト703に登録される範囲が、プロパティ(印刷処理条件)の設定単位となる。
次に「例外リスト」703の中から設定を行いたい範囲を選択し、各プロパティの設定を行う。
「出力用紙サイズ」プルダウンリストボックス704では、出力用紙サイズを選択する。「用紙の向き」チェックボックス705では、画像に対して用紙の向きが縦向きか、横向きかを指定する。「印刷方法」プルダウンリストボックス706では、「片面印刷」、「両面印刷」、「製本印刷」といったような印刷方法を選択する。
「用紙の指定方法」チェックボックス707では、用紙の指定方法が、給紙段による指定か、用紙タイプによる指定かを選択する。給紙段による指定の場合、「給紙段」プルダウンリストボックスが表示され、給紙段(カセット1、カセット2、カセット3、自動、等)が選択できる。用紙タイプによる指定の場合は、「用紙タイプ」プルダウンリストボックスが表示され、用紙タイプ(普通紙、厚紙、薄紙、光沢紙、OHP等)が選択できる。
「カラーモード」プルダウンリストボックス708では、カラー、モノクロ、自動を選択する。また、「色の設定を行う」チェックボックス709では、色の設定を行うかを選択する。チェックボックスがチェックされた場合は、不図示の色設定画面で設定された設定に従う。「色設定」ボタン710を押下すると色設定画面に遷移する。
そして、「OK」ボタン711を押下すると設定が確定し、図6に示すプリンタドライバの設定画面に戻る。また、図6に示すプリンタドライバの設定画面で「OKボタン」617を押下すると、各プロパティ設定に応じたジョブチケットと、PDLデータをから成るジョブデータを生成し、プリントサーバ300又はMFP100に送信する。
図8は、プリンタドライバが生成する印刷ジョブの構造を示す図である。印刷ジョブは印刷処理条件情報(ジョブチケット)とPDLデータから構成されている。
印刷処理条件情報には、全体設定と例外設定の2種類がある。印刷処理条件情報(全体設定)には、「ジョブ名」、「部数」、「出力用紙サイズ」、「用紙タイプ」、「印刷方法」、「用紙の向き」、「カラーモード」等の印刷処理条件が格納されている。
また、印刷処理条件情報(例外設定)には、「適用範囲」として「開始ページ」、「終了ページ」情報が格納されている。さらに、印刷処理条件情報(例外設定)には、「ジョブ名」、「部数」、「出力用紙サイズ」、「用紙タイプ」、「印刷方法」、「用紙の向き」、「カラーモード」、等の印刷処理条件が格納されている。図8に示す例では、30ページのジョブを例に記載している。30ページの内、11〜20の範囲と、21〜30ページの範囲が適用範囲として定義されている。例外として定義されていない残りの1〜10ページは、全体設定に従うものとみなされる。
図9は、タッチパネル部(ホールドリスト)の模式図であり、本実施形態で示される印刷装置の表示部に表示される画面の内、ユーザの操作により「ホールドリスト」が選択された場合に表示される画面を示している。プリンタドライバからホールド指定された印刷ジョブは、MFP100のホールドキューに格納される。「ホールドリスト」901は、ホールドキューに格納されているジョブのリストである。「ホールドリスト」901としては、各ジョブの印刷処理条件(ジョブ名、ユーザ名、ページ数、ジョブが格納された日付日時等)が表示される。ここで表示される印刷処理条件の内容はプリンタドライバが生成したジョブチケット情報に従う。ユーザはホールドジョブのリストからジョブを1個又は複数選択して画面下の操作ボタンを押下することにより以下の操作を行うことができる。
「プレビュー」ボタン902を押下すると選択されたジョブのプレビュー画像を表示する。プレビュー画面からページを選択し任意のページをプレビューすることも可能である。「消去」ボタン903を押下することによってジョブをホールドキューから消去することが可能である。「プリント」ボタン904を押下することによってジョブを印刷することが可能である。本実施形態では、印刷完了後、当該ジョブはホールドキューから消去される。
「試しプリント」ボタン905を押下することによってジョブを1部のみ印刷することが可能である。本実施形態では、試し印刷完了後、当該ジョブはホールドキューから削除されない。また、試し印刷によりジョブに設定されている部数から減算されることもない。
「移動/複製」ボタン906を押下することにより、当該ジョブを他のキュー(不図示)に移動したり、ジョブの複製を作成することが可能である。「編集」ボタン907を押下することにより各印刷処理条件を変更することが可能である。本実施形態では、「編集」ボタン907の押下により、図10に示すタッチパネル部(適用範囲リスト)の模式図で示される画面に遷移する。
図10は、印刷ジョブに対する印刷処理条件の適用範囲のリストを表示するタッチパネル部(適用範囲リスト)の模式図である。プリンタドライバが生成した印刷ジョブの印刷処理条件情報(ジョブチケット情報)にしたがってリストを生成する。また、本画面では各範囲毎に印刷処理条件の設定値を表示する。表示する印刷処理条件は、「開始ページ/終了ページ」、「用紙サイズ」、「用紙の向き」、「片面/両面」、「用紙タイプ」等印刷処理条件である。
ユーザは、適用範囲をリストの中から1個又は複数選択し、画面下の「編集」ボタン1001を押下することにより、適用範囲毎に印刷処理条件値の変更を行うことが可能である。本実施形態では、「適応範囲」を選択して「編集」ボタンを押下すると、図12に示すタッチパネル部(編集画面)の模式図で示される画面に遷移する。
また、部数等のように適用範囲はジョブ全体でしかないもの(範囲を分割して設定できない印刷処理条件)は、本画面に表示して、変更するものとする。
プリンタドライバから例外設定がされていない印刷ジョブの場合は、図11のタッチパネル部(適用範囲リスト)の模式図で示されるような画面を表示する。適用範囲は1個のみ表示する。開始ページは1、終了ページは「最終」等のように表示を行う。用紙サイズ、用紙の向き、両面/片面、用紙タイプ等の印刷処理条件は、ジョブデータのジョブチケットに全体設定にしたがって表示を行う。
図12は、各印刷処理条件を変更するための画面であるタッチパネル部(編集画面)の模式図である。用紙サイズ、用紙タイプ、両面/片面、用紙の向き、カラーモード等の印刷処理条件、不図示の画像シフト印刷処理条件等が変更可能である。各印刷処理条件の設定画面(不図示)にて設定を変更し、OKボタンを押下することによって、ホールドキュー内の印刷ジョブの印刷処理条件が変更される。
出力用紙サイズを変更するためのボタン1201を押下した場合は、出力用紙サイズの設定画面が表示される。その画面にて出力用紙サイズで“A4”を選択すると、出力用紙サイズが“A3”から“A4”に変更される。また、用紙タイプを変更するためのボタン1202を押下した場合は、用紙タイプの設定画面が表示される。その画面にて用紙タイプで“厚紙”を選択すると、用紙タイプが“普通紙”から“厚紙”に変更される。また、両面/片面を変更するためのボタン1203を押下した場合は、両面/片面の設定画面が表示される。その画面にて“両面”を選択すると、両面/片面の設定が“片面”から“両面”に変更される。また、用紙の向きを変更するためのボタン1204を押下した場合は、用紙の向きの設定画面が表示される。その画面にて用紙の向きで“横”を選択すると、用紙の向きが“縦”から“横”に変更される。また、カラーモードを変更するためのボタン1205を押下した場合は、カラーモードの設定画面が表示される。その画面にてカラーモードで“カラー”を選択すると、カラーモードが“自動”から“カラー”に変更される。
尚、図12における印刷処理条件の変更は、図10にて選択されたページ群に対して反映される。なお、図10では1つの印刷ジョブが3つのページ群(1〜10、11〜20、21〜30)で構成されている。図10にて第1のページ群(1〜10)のみが選択された場合は、図12における印刷処理条件の変更が、第1のページ群に対して反映される。また、図10にて第1〜第3のページ群(1〜10、11〜20、21〜30)の全てが選択された場合は、図12における印刷処理条件の変更が、すべてのページ群に対して一括して反映される。
また、開始ページ、終了ページを変更できる形式であってもよい。その際、設定を変更した適用範囲と隣接する適用範囲の開始ページ、終了ページも同時に変更する。例えば、図10では1つの印刷ジョブが3つのページ群から構成されているが、第1のページ群(1〜10)を選択し、第1のページ群の終了ページを15ページ目とする変更ができるようにしても良い。この場合、第2のページ群は11ページ目から始まるものであるが、第1のページ群の終了ページを変更したのに伴って変更されるようにすれば良い。具体的には、第2のページ群は16ページ目を開始ページとするように変更すれば良い。
また、上記の説明では、印刷ジョブに対して予め印刷処理条件が設定されており、図12の画面にて予め設定された印刷処理条件を変更するものであったが他の形態であっても良い。具体的には、印刷ジョブに対しては予め印刷処理条件が設定しておかず、図12の画面にて新たに印刷処理条件を設定するようにしても良い。
図13は、印刷装置内でホールドホールドキューに記憶されているジョブを管理するためのテーブルであるホールドジョブ管理テーブルを示す図である。ホールドジョブ管理テーブルは、No.、ジョブID、続映情報管理テーブルへのポインタ、例外設定の有無、例外設定テーブルへのポインタから構成されている。
印刷処理条件管理テーブルには、ジョブの各印刷処理条件が記憶されている。印刷処理条件は、印刷処理条件IDと印刷処理条件値から構成されている。例外設定テーブルには、例外設定の情報が記憶されている。例外設定の情報は、適用範囲、印刷処理条件ID,設定値から構成されている。
図14は、第1の実施形態で示される印刷装置のメイン処理の手順を説明するためのフローチャートである。
電源投入後、ステップS100の印刷ジョブの入力待ちループに入る。ネットワークで接続されたホストコンピュータから印刷ジョブの入力が行われると、ステップS100の印刷ジョブの入力待ちループから抜けてステップS101へ移行する。
ステップS101では、印刷ジョブの入力処理を行う。入力した印刷ジョブは、ジョブチケット解析部122に渡される。ステップS102では、ジョブチケットの解析処理が行われる。ジョブチケットを解析した後、印刷ジョブ(本実施形態ではPDLデータとする)を受信バッファ123に記憶する。ジョブチケットに記述されている内容はホールドジョブ管理テーブルに記憶され、印刷ジョブの印刷処理条件情報はジョブ毎に管理される。
ステップS103では、受信バッファ123に記憶されているPDLデータを解析する。尚、PDLデータ解析処理の詳細は後述する。
ステップS104では、コマンドがページクローズ命令である場合(又は1ページ分の終了を示す命令である場合)(Yes)は、ステップS105に進んで、ここまで生成した中間コードを1ページ分のデータとして認識する処理を行う。中間コードは前述のようにページ毎に管理される。一方、ステップS104において、コマンドがページクローズ命令以外である場合(No)はステップS106に進み、各コマンドに応じて内部処理に適した形式の中間コードを生成する。
ステップS107では、解析すべきデータが受信バッファ123に存在するかをチェックする。その結果、解析すべきデータが存在する場合(Yes)はステップS103へ戻り、PDLデータ解析処理を繰り返す。一方、解析すべきデータが受信バッファ123に無い場合(No)は、ステップS108へ進む。
ステップS108では、1ページ分以上の中間コードが存在するかをチェックする。その結果、1ページ分以上の中間コードが存在する場合(Yes)は、ステップS109へ進んで、1ページ分の中間コードを中間バッファから読み出し、中間コードからイメージデータ(ビットマップ)を生成する。
また、ステップS110においては、印刷ジョブがホールド指定された印刷ジョブであるか判断する。ホールド指定されている印刷ジョブである場合(Yes)は、生成したイメージデータをホールドキュー129に格納する。一方、ホールド指定されていない印刷ジョブであれば(No)、イメージデータをイメージバッファ127に格納する。
ステップS112では、1ページ分のイメージデータをイメージバッファ127より読み出し、ビデオ信号に変換しプリンタ部(エンジン)118に転送する。ビデオ信号をプリンタ部118に転送することによって実際にシートに印刷処理が行われ、シートが排紙されるようになっている。シートを排紙完了した後、ステップS108へ戻る。また、ステップS108で1ページ分の中間コードが完成していない場合(No)は、ステップS101へ戻って続きの入力データを待つ。
図15は、ステップS111のホールド格納処理の詳細を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS201では、印刷ジョブのデータを格納するために充分な空き容量があるかを判断する。その結果、充分な空き容量がある場合(Yes)は、ステップS204へ進む。一方、充分な空き容量がない場合(No)は、ステップS202において既にホールドキュー129に格納されて印刷ジョブの中で格納時間が最も古い印刷ジョブを削除する。そして、ホールドリストからも削除する(ステップS203)。そして、削除した後は、再度ステップS201へ戻り、充分な空き容量があるかを判断する。これらの処理は、充分な空き容量ができるまで繰り返す。
ステップS201で充分な空き容量があると判断された場合(Yes)は、ステップS204で、ホールドキュー129に印刷ジョブのデータを格納し、ステップS205でホールドリストへ当該ジョブを登録する。
図16は、ステップS111でホールドキュー129に格納されたデータを印刷するためのホールド解除処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
図16において、ステップS301はユーザからのホールド解除の指示待ちのループである。図9のタッチパネル部(ホールドリスト)の模式図で示される画面操作によって、ユーザからの指示(「プリント」ボタン押下、「試しプリント」ボタン押下)によってループから抜ける。ステップS302では、ホールド解除指示が「試しプリント」指示によるものであればステップS303へ進み、本印刷での印刷部数を1に設定する(印刷ジョブの印刷処理条件自体は変更しない)。一方、ステップS302で「試しプリント」指示でなければ、ステップS304へ進む。
ステップS304では、ホールドキュー129からイメージデータを読み込み、設定された部数分印刷する。印刷完了後、ステップS305で試しプリント、又は「残す」指定(不図示)がされているジョブの場合は、当該ジョブのデータを削除しない。一方、そうでない場合は、ステップS306において、当該ジョブのデータを削除する。
なお、ステップS304にて印刷処理する印刷ジョブが、複数のページ群からなり、各々のページ群で印刷処理条件が異なる場合は、下記のような動作になる。例えば、図10に示した3つのページ群からなる印刷ジョブを印刷処理する場合、第1のページ群(1〜10)は用紙サイズをA4、用紙タイプを普通紙、用紙の向きを横として、片面印刷処理を行う。また、第2のページ群(11〜20)は用紙サイズをA3、用紙タイプを普通紙、用紙の向きを横として、片面印刷処理を行う。また、第3のページ群(21〜30)は用紙サイズをA4、用紙タイプを光沢紙、用紙の向きを縦として、両面印刷処理を行う。つまり、MFP制御部108は、複数のページ群からなる印刷ジョブを印刷処理する場合、各ページ群に設定された印刷処理条件にもとづいてプリンタ部118に印刷処理を実行させる。
図17は、図9のタッチパネル部(ホールドリスト)の模式図で示される画面を制御することによるホールドリストの表示処理を説明するためのフローチャートである。
まず、ホールドジョブ管理テーブルの情報にしたがって、ホールドキュー129に記憶されているホールドジョブのリストを表示する(ステップS401)。次に、ステップS402でジョブを選択する。ユーザは、表示されたリストの中から1個又は複数のジョブを選択することが可能である。初期状態では、先頭のリストジョブが表示されているものとする。
ステップS403ではキー入力待ちを行う。その結果、キー入力がある場合(Yes)はステップS404へ進む。ステップS404では、「戻る」ボタンが押下されたかどうかをチェックする。そして、「戻る」ボタンが押下された場合(Yes)は、ステップS405に進んで、前の画面に戻る。一方、「戻る」ボタンが押下されなかった場合(No)はステップS406で、「削除」ボタンが押下されたかどうかをチェックする。そして、「削除」ボタンが押下された場合(Yes)は、当該ジョブを削除する(ステップS407)。ステップS407の処理は、ホールドジョブ管理テーブルから情報を削除すると共に、ホールドキュー129内のイメージデータを消去する。
ステップS406で「削除」ボタンが押下されなかった場合(No)は、ステップS408で「プリント」又は「試しプリント」ボタンが押されたかどうかをチェックする。そして、「プリント」又は「試しプリント」ボタンが押された場合(Yes)は、図16のホールド解除処理のフローチャートで説明した手順にしたがって処理する(ステップS409)。
次いで、ステップS410では、「移動/複製」ボタンが押下されたかどうかをチェックする。その結果、「移動/複製」ボタンが押された場合(Yes)は、「移動/複製」画面を表示する(ステップS413)。一方、押されなかった場合(No)は、ステップS412に進んで、「編集」ボタンが押下されたかどうかをチェックする。そして、「編集」ボタンが押下された場合(Yes)は、図10のタッチパネル部(適用範囲リスト)の模式図で示される画面を表示する。
ステップS414では、「プレビュー」ボタンが押下されたかどうかをチェックする。その結果、「プレビュー」ボタンが押下された場合(Yes)は、プレビュー用の画面を表示する(ステップS415)。
図18は、図10又は図11のタッチパネル部(適用範囲リスト)の模式図で示される画面を制御することによる適用範囲リストの表示処理を説明するためのフローチャートである。
まず、ジョブに複数の適用範囲が定義されているかどうかを調べる(ステップS501)。この処理では、ホールドジョブ管理テーブルの「例外設定の有無」情報を参照する。その結果、例外設定がある場合(Yes)はステップS502へ進み、例外設定がない場合(No)はステップS503へ進む。
ステップS502では、複数の範囲のリストを表示する(図10のタッチパネル部(適用範囲リスト)模式図を参照)。一方、ステップS503では、範囲が1個だけの適用範囲リストを表示する(図11のタッチパネル部(適用範囲リスト)模式図を参照)。
次いで、ステップS504で適用範囲リスト画面でキー入力があったかどうかを判断し、キー入力があった場合(Yes)はステップS505へ進み、「編集」ボタンが押下されたかどうかをチェックする。その結果、「編集」ボタンが押下された場合(Yes)は、ステップS508へ進む。一方、「編集」ボタンが押下されていない場合(No)は、ステップS506へ進む。
ステップS508では、複数のジョブが図9に示すタッチパネル部(ホールドリスト)の模式図の画面で複数の印刷ジョブが選択されているかどうかを調べる。その結果、複数の印刷ジョブが選択されている場合(Yes)はステップS509へ進み、共通部分のみ(印刷処理条件の値が同じである印刷処理条件のみ)編集可能である編集画面を表示する。一方、複数の印刷ジョブが選択されていない場合(No)は、全ての印刷処理条件が変更可能である編集画面を表示する(ステップS510)。
ステップS506では、「閉じる」ボタンが押下されたかどうかが判断される。その結果、「閉じる」ボタンが押下された場合(Yes)はステップS507へ進み、前の画面に戻る。一方、押下されていない場合(No)は、ステップS504へ戻る。
<第2の実施形態>
上述した第1の実施形態では、印刷ジョブをクライアントPC200又はプリントサーバ300から入力する場合について説明したが、第2の実施形態では、スキャナユニットを用いて印刷ジョブを入力する。
スキャナユニットは、ADF(Auto Document Feeder)を用いたケースについて説明するが、プラテンから1枚1枚入力する場合も同様である。
図19及び図20は、第2の実施形態で使用する自動原稿搬送装置(ADF)の構成を示す斜視図及び断面図である。
両図において、原稿積載部2001は、原稿トレイ1901の積載面に原稿をセットするものである。原稿がセットされたことは、原稿検知センサによって検知される。原稿検知センサは、後述するピックアップローラ2002と給紙ローラ2003の間に配置されている。
給紙部2004は、摩擦分離方式により原稿束の最上紙を1枚ずつ分離し、レジストローラ2005まで原稿を搬送してゆくものである。原稿を給紙する際には、ピックアップローラ2002が原稿束の上に下降し、中板が上昇して原稿束を給紙ローラ2003に押圧して給紙予備動作に入る。その後、モータを駆動源として給紙ローラ2003とピックアップローラ2002がCW(Clock Wise:時計回り方向)に回転し、原稿を搬送する。最上紙につれて送られようとする2枚目以降の原稿は、摩擦片により静止し、原稿積載部2001に留まる。原稿が分離されたことは、給紙ローラ2003の下流に配置された分離センサによって検知される。
その後、原稿はガイド板間を通り、レジストローラ対に導かれる。レジストローラ対は、原稿先端の到達時には停止しており、給紙ローラ2003による搬送でループ形成して斜行補正をした後、搬送部2006に搬送される。
搬送部2006は、搬送ベルト2007を駆動ローラ2008、従動ローラ2009で張架し、押圧コロ2010にて搬送ベルト2007をプラテン(原稿台)に押圧することにより搬送ベルト2007を回動させる。原稿は、搬送ベルト2007とプラテンの間に進入すると、搬送ベルト2007の摩擦力によりプラテンの上を搬送される。
給紙部2004から搬送部2006に進入した原稿は、搬送ベルト2007によりプラテンの所定位置まで搬送されると、図示しない駆動モータの停止に伴い停止し、原稿読取部により読取られる。読み取り終了後、駆動モータの再駆動により原稿は、図中右方向へ搬送され、反転排紙部2011へ導入される。
ここで、後続原稿がある場合、後続原稿は、搬送ベルト2007の回動により、先行原稿と同様にして所定位置まで搬送された後に、駆動モータの停止に伴って読み取り位置に停止し、原稿読取部により読み取られる。この読み取り動作実行中に先行原稿が、独立して動作する反転排紙部2011で表裏反転され、原稿排紙積載部2012まで搬送される動作が継続実行される。
以下では、この反転排紙動作について説明する。反転排紙部2011は、搬送手段として反転ローラ2013、搬送ローラ対2014を持ち、この駆動源として図示しないモータを持つ。このモータは、正転、逆転可能な構成をとっている。こうして、別途のモータで駆動される搬送部2006と独立して駆動することが可能なように構成している。
次に、反転排紙部2011による原稿の排紙動作について説明する。
搬送ベルト2007により原稿が反転排紙部2011に入る場合、その入口付近で紙の進行経路を規制する反転フラッパ2015は図示しないソレノイドの制御により図中の姿勢をとり、原稿は反転ローラ2013へと導入される。さらに、CCW(Counter
Clock Wise:逆時計回り方向)に回転する反転ローラ2013とこれに対向する反転コロ2016により鋏持され、搬送ローラ対2014へ搬送されていく。
そして、原稿後端が排紙フラッパ2017を抜けた地点まで到達すると、排紙フラッパ2017がCWに回動するとともに、反転ローラ2013は逆転してCWに回転し、原稿のスイッチバック搬送を開始する。こうして原稿は反転ローラ2013の図中左下に導入され、原稿排紙積載部2012の原稿排紙トレイへ排出される。
例えば、原稿が複数の用紙サイズの用紙で構成されている場合、用紙サイズ毎に原稿束をADFにセットするケースが多い。また、原稿の枚数が多く、1度に読み取れない場合、章毎に分けて原稿束をADFにセットするケースもある。このような場合、本実施形態に係る印刷装置では、原稿束毎に(1回にADFにセットする単位で)印刷処理条件適用範囲を自動的に設定するモードを持つものとする。
図22は、ADFから複数の原稿束に分割された原稿束を連続して読み込み、ホールドキューに1つの印刷ジョブとして格納する処理を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS601はユーザが行う操作であり、操作部から連続読み込みで原稿束を読み込んでその印刷ジョブをホールドキューに登録するモードを選択する。そして、ステップS602で印刷ジョブの登録を開始する。まず、印刷ジョブをホールドキューリストに登録する。この時、ホールドジョブリストに記憶されるジョブの印刷処理条件は操作部の設定に従う。
ステップS603はユーザの操作であり、原稿束をADFにセットする。ステップS604はキー入力待ちループであり、スタートキーが押下されるのを待つ。そして、スタートキーが押下された場合(Yes)はステップS605へ進む。
ステップS605では、ADFによって原稿束の各ページの画像を画像データとして読み込む。読み込んだ画像データはホールドキューに記憶する。この時、読み込まれた原稿束のページ数がカウントされる。また、原稿サイズが自動検知される。尚、原稿束毎に操作部から用紙タイプ等の印刷処理条件を設定する形式であってもよい。
ステップS606は、ステップS605で読み込んだ原稿束の単位で、印刷処理条件設定の適用範囲をホールドジョブリストに登録する。そして、ステップS607では、「終了」ボタンが押下されたかどうかを検知する。その結果、「終了」ボタンが押下された場合(Yes)はステップS608へ進んでジョブを終了する。一方、「終了」ボタンが押下されない場合(No)は、ステップS603へ戻って、次の原稿束をセットする。
例えば、ステップS603〜S607を3回繰り返して3つの原稿束を読み込んだ場合、3つのページ群からなる印刷ジョブが入力されることとなる。
また、用紙のサイズは同じであっても、読み込んだ後に用紙のタイプを変更したい場合がある。例えば、原稿を全て読み込んだ後に、表紙だけは本文と異なる用紙タイプ(例えば、厚紙)で印刷したいケースがある。このような場合、原稿束毎に適用範囲を設定する上記のモードとは別のモードを使用する。すなわち、全ての原稿を適用範囲が1個で読み込んでおいて、後から適用範囲を設定する方法である。
図21は、第2の実施形態に係る印刷装置において表示されるタッチパネル部(適用範囲リスト)の模式図の一画面例である。本実施形態では、図21に示す画面から印刷処理条件の適用範囲を新規に追加することができる。すなわち、図21のタッチパネル部(適用範囲リスト)の模式図の「新規設定」ボタンを押下すると、適用範囲(開始ページ、終了ページ)を設定するポップアップ画面が表示され、開始ページと終了ページを入力する。OKボタンを押下すると、適用範囲リストに適用範囲が追加される。初期状態の各印刷処理条件の値は全体設定と同じである。この状態から適用範囲を選択して各印刷処理条件を変更することが可能である。
例えば、30ページからなる原稿束を読み込んで図21に示す画面を表示させた後に、適用範囲の開始ページを1、終了ページを10とすると、1〜10ページの第1ページ群と、11〜30ページの第2ページ群とに分割される。また、第2ページ群をさらに図21の画面にて選択し、適用範囲の開始ページを11、終了ページを20とすると、11〜20の第2ページ群と21〜30の第3ページ群とに分割される。以上のように、30ページからなる原稿束を一括して読み込み、その後に複数のページ群に分割して1つの印刷ジョブを生成することができる。
<第3の実施形態>
第1の実施形態では、図9〜図12を用いた印刷処理条件の変更の方法について説明したが、第3の実施形態では印刷処理条件の他の変更方法を説明する。
図23は、図9の画面の変形例である。図23は印刷装置の操作部120に表示される画面の内、ユーザの操作により「ホールドリスト」2020が選択された場合に表示される画面を示している。プリンタドライバからホールド指定された印刷ジョブは、MFP100の文書管理部114の記憶領域の一部であるホールドキューに格納される。「ホールドジョブリスト」2021は、ホールドキューに格納されているジョブのリストである。「ホールドジョブリスト」2021としては、各印刷ジョブの印刷処理条件(ジョブ名、ユーザ名、ページ数、ジョブが格納された日付日時等)が表示される。ここで表示される印刷処理条件の内容はプリンタドライバが生成したジョブチケット情報に従う。
一方、図23の表示画面の下段には、プリントジョブリスト2022が表示されており、ホールドジョブがプリント処理される際に、その印刷ジョブのプリント状況を確認することができる。
また、図23の上下スクロールキー2023及び、2024は、印刷ジョブがホールドジョブリストやプリントジョブリストに表示しきれない場合に、画面をスクロールさせて、全てのジョブを確認するためのキーある。
図23の画面を操作部120に表示させた状態で、Job−Aをクリックすると図24の画面に切り替わり、Job−A(2025)が選択された状態となる。この動作は、トグル動作になっていて、Job−A(2025)が再度クリックされると、Job−Aが選択されていない状態となる。
更に、Job−A(2025)が選択された状態で、Job−B(2026)をクリックすると、図25の画面に切り替わり、Jobを選択した順序にそれぞれ、“1”、“2”という表示がされて、2つのジョブが選択された状態となる。
また、図24のユーザ選択キー2032は、現在選択されているジョブ(図24におけるJob−A)のユーザと一致するジョブだけを表示するためのキーである。図24の画面でユーザ選択キー2032キーがクリックされると、図26の画面に切り替わり、User−1の投入した印刷ジョブだけが表示される。図26の画面で再びユーザ選択キー2032をクリックすると、図24の画面に戻る。
図24のジョブ選択キー2034は、印刷ジョブが選択されていない場合にクリックされると、全ての印刷ジョブを選択する全選択キーとして動作する。一方で、ジョブ選択キー2034は、印刷ジョブが1つ以上選択されている場合にクリックされると、選択されているジョブを解除する選択解除キーの役割を果たす。
図24のプリント後消去キー2035は、選択された印刷ジョブに基づくプリント処理を実行する際に、プリント処理後に印刷ジョブをハードディスクから消去したい場合に予め設定しておくキーである。プリント後消去キー2035が選択された状態で印刷が指示されると、印刷指示がされた印刷ジョブがプリント処理後にホールドジョブリストからなくなる。逆に、プリント後消去キー2035が選択されていない状態で印刷が指示されると、印刷指示がされた印刷ジョブはプリント処理後に再びホールドキューに入り、再びホールドジョブリストに表示される。
また、プリント開始キー2036は、選択されたホールドジョブリスト2021内の印刷ジョブに対して、プリント処理の実行を指示するためのキーである。
図24の状態から、プリント開始キー2036が押されると、画面は図27に切り替わり、選択されたジョブ2025に基づくプリント処理が指示されて2037のようなプリント待ち状態になる。そして、プリンタ部118がプリント処理が可能な状態となるとプリント処理が開始される。
また、図24の画面で表示切替キー2031をクリックすると図28の画面に切り替わり、ホールドジョブリスト2021のみが表示される。なお、図28の画面で、プリントジョブリストキー2038をクリックすると、図29の画面に切り替わり、プリントジョブリスト2022のみが表示される。なお、図29の画面で詳細情報キーをクリックすると、図30の画面に切り替わり、プリント処理中の印刷ジョブに関する詳細情報を確認することできる。
また、図24の画面で詳細/変更キー2033をクリックすると図31の画面に切り替わり、ポップアップ画面2041が現れる。ポッアップ画面2041には、選択された印刷ジョブの印刷処理条件情報(ジョブチケット)を変更するためのジョブチケット編集キー2042が表示される。また、選択された印刷ジョブの試し刷りを行う試しプリントキー2042、選択された印刷ジョブの詳細情報を表示するための詳細情報キー2044が用意されている。また、ポッアップ画面2041には、選択された印刷ジョブのサムネール画像を表示するためのプレビューキー2045が表示される。また、選択されたジョブをボックスに移動したり、複製したりする移動/複製キー2046、選択されたジョブを消去するための消去キー2047、及び、前の画面に戻るリターンキー2048が用意されている。
図31の画面で、Job−Aを選択して、ジョブチケット編集キー2042をクリックすると、パーティション(同一の印刷処理条件が設定されたページ範囲)が複数存在する場合は、図32の画面が表示される。また、パーティションで区切られていない印刷ジョブの場合には、図33の画面が表示される。
図32は、印刷ジョブに対する印刷処理条件の適用範囲(パーティション)のリストを表示する画面である。選択したジョブの印刷処理条件の全体設定を表示している全体設定部2051と、ページ範囲ごとの設定を表示しているページ範囲設定部2052からなっている。更に、上下スクロールキー2055及び、2056は、ジョブの全体設定部2051とページ範囲設定部2052に印刷処理条件情報が表示しきれない場合に、印刷処理条件情報をスクロールして、全ての印刷処理条件情報を見ることができるものである。
全体設定部2051を編集する場合には、編集キー2058を押下する。画面は、図34に遷移して、Job−Aの部数、仕上げ処理、あるいは、ページ印字の有無などジョブ全体に関する印刷処理条件情報を変更することができる。
例えば、部数変更をする場合は、部数変更キー2058、仕上げを変えたい場合は仕上げキー2059、全体設定として、ページ印字を行いたい場合はページ印字キー2060を選択すればよい。また、部数印字を行いたい場合は、部数印字キー2061、表紙や合紙を設定したい場合は表紙/合紙キー2062、あるいは、製本処理したい場合は製本キー2063を選択すればよい。
ここで、仕上げを変更する場合を示す。仕上げキー2059を押すと、図36に遷移する。印刷装置に接続される後処理装置によって異なるが、いまフィニッシャが接続されている場合を考える。フィニッシャの設定2064をクリックすると、フィニッシャ設定のポップアップ画面が現れる。このとき、ジョブの出力形態をソート2066、グループ2067、あるいは、ステープルソート2068から選ぶことができる。いま、ソートを選らばれており、ソートの背景色が変わっている。
次に、図32において、ページ範囲(パーティション)ごとの設定から1つのページ範囲を選択すると、図37に切り替わり、左側のチェックボックスにチェックマークが入る。このとき、ページ範囲ごとの設定の編集キー2074が現れて、これをクリックすると、画面は図38に遷移する。
図38の画面は、ページ範囲ごとの印刷処理条件情報の編集画面を表している。例えば、選択したページ範囲の用紙のサイズ又は、タイプを変更したい場合には、用紙選択2076の右側のキーをクリックする。ページ範囲ごとの中間調2077を解像度優先、階調優先、誤差拡散など選択することができるといった具合である。
また、図32の画面において、ページ範囲を二つ以上選択する場合には、図39の画面に切り替わる。図39では、上の2つのページ範囲が選択されている。2つのページ範囲が選択された状態で編集キー2074をクリックすると、図40の画面に切り替わる。即ち、それぞれのページ範囲の設定をそれぞれ表記することができないため、それぞれの設定項目は「ページ範囲ごとの設定に従う」と表記されている。しかし、内部的にはそれぞれページ単位で印刷処理条件情報が文書管理部114に管理されている。
このとき、1つの印刷処理条件情報を書き換えると、選ばれた複数のページ範囲の印刷処理条件情報は一斉に書き換わることになる。ただし、選ばれていない印刷処理条件情報は、それぞれのページ範囲ごとに設定された印刷処理条件情報のまま、文書管理部114に保持されている。
ここで、図40の画面で用紙選択2076の設定変更キーがクリックされた場合を考える。画面は図41に遷移する。図41の画面は、選ばれたページ範囲の用紙を変更する画面である。このとき、「給紙箇所で指定」キー2085か、「用紙種類で指定」キー2086をクリックして、いずれかの選択方法で用紙を変更することができる。
「給紙箇所で指定キー」2085が選ばれている場合、図41の給紙箇所選択キー2087の中から所望の給紙箇所を選択することで、その選択された給紙箇所に対応する用紙が選択される。一方、「用紙種類で指定キー」2086が選ばれた場合、画面は図42に遷移する。ここでは、用紙のタイプを選択することで、自動用紙選択により用紙の給紙箇所を決定する。
図42の画面で、閉じるキーをクリックすると、画面は図38又は、図40に戻る。そのほか、カラーモード選択キー2082や片面/両面プリントの切り替えキー2083(図43)などを行って、OKキー2084をクリックすると、図44のように新たな設定が保存される流れとなる。逆に設定を保存したくない場合には、図43の画面でキャンセルキーをクリックする。
また、図31の画面で試しプリントキー2043をクリックすると、画面は図45に遷移する。ここでは、試し刷りの設定ができる。 設定は、試し刷りの部数の他に、試し刷りを行うページ範囲の指定も可能である。
本実施形態では、試し印刷完了後、印刷ジョブはホールドキューから削除されない。また、試し印刷によりジョブに設定されている部数から減算されることもない。
また、図31の画面で詳細情報キー2044をクリックすると、画面は図46に遷移する。ここでは、ジョブの詳細情報が見られるほかに、ジョブ名を変更することもできる。変更したい場合は、2089を押下する。すると、画面は図47に遷移して、ジョブの名称をコンピュータのキーボード操作と同じ感覚で入力することができる。
また、図31の画面でプレビューキー2045を押下すると、画面は図48に遷移して、選択された印刷ジョブのプレビュー画像を表示する。プレビュー画面からページを選択し任意のページをプレビューすることも可能である。
また、図31の画面で移動/複製キー2046を押下すると、画面は図49に遷移して、印刷ジョブを他のキュー(任意のボックス)に移動したり、印刷ジョブの複製を作成したりすることが可能である。
また、図31の画面で消去キー2047を押下することにより、印刷ジョブをホールドキューから消去することが可能である。印刷ジョブをホールドキューから消去する場合は、誤操作を防止するために、ユーザに対して、消去の是非を確認する図50のような画面が表示される。
<第4の実施形態>
第1の実施形態では、図9〜図12を用いた印刷処理条件の変更の方法について説明したが、第4の実施形態では印刷処理条件の他の変更方法を説明する。
第4の実施形態では、図51のような30ページからなる印刷ジョブをクライアントPC200から文書管理部114のホールドキューに投入することを想定する。MFP100のユーザは、操作部120を介して印刷ジョブの印刷処理条件情報を編集し、その印刷ジョブを試しプリントしてから、50部のプリント処理を開始するものとする。
クライアントPC200は、クライアントPCのユーザの指示に基づいて、プリンタドライバを利用して生成した印刷ジョブを、MFP100に送信する。クライアントPC200上で動作するプリンタドライバは、図5〜図7の画面を介してユーザが設定した印刷処理条件に基づいて印刷ジョブを生成する。なお、第4実施形態は、印刷ジョブを文書管理部114のホールドキューに投入することを想定しているので、図6の画面において、出力方法604として「ホールド」を指定するものとする。
また、クライアントPC200のユーザは、図6の画面において、例外設定タブをクリックして、図7の画面を表示させる。図7の画面で新規作成ボタンをクリックすると、例外設定の適用範囲を設定するための画面702がポップアップする。ここで、画面702の開始ページを11に、終了ページを20に設定して、11ページから20ページを例外設定の適用範囲とする。クライアントPC200のユーザは更に、図7の画面で、用紙の指定方法707を用紙タイプでの指定にして、用紙タイプを普通紙(80〜105g/m2)に設定する。また、クライアントPC200のユーザは、用紙サイズをA3、印刷方法を片面印刷に設定した後、OKボタンをクリックする。例外リスト703には、11〜20ページの例外設定が表記される。
同様にして、21〜30ページについても、新規作成ボタンを再びクリックして例外設定の適用範囲を設定する。今度は、ページ範囲が21〜30、用紙の指定方法が用紙タイプで指定、用紙タイプを両面コート紙 (151〜180g/m2)、出力用紙サイズがA4、印刷方法が両面印刷に設定変更した後、OKボタンをクリックする。
すると、例外リスト703に11〜20ページと21〜30ページの例外設定が表示される。クライアントPC200のユーザは、設定された内容を確認して、OKボタンをクリックすると、図5に戻るので、ここでも更にOKボタンをクリックする。
このとき、クライアントPC200のプリンタドライバは、PDLデータに図5の画面を介して設定した印刷処理条件を記述したジョブチケットを付加して印刷ジョブを生成する。そして、クライアントPC200は、印刷ジョブをMFP100に送信する。
一方、MFP100は、印刷ジョブを受信して、出力指定先である文書管理部114のホールドキューに印刷ジョブを記憶する。MFP100が印刷ジョブを受信すると、図23のホールドジョブリスト2021に印刷ジョブが表示される。仮に、送信したジョブがJob−Aならば、Job−Aが新たに表示されて、ジョブ名、ユーザ名、日付/時刻が見えるようになる。
Job−Aが完全にホールドキューに格納された後、このJob−Aを選択すると、ジョブ名の左側のチェックマークに数字が現れて、図24の画面が表示される。ここで、MFP100のユーザが、詳細/変更キー2033をクリックすると、図31のポップアップウィンドウ2041を操作部120に表示させる。
MFP100のユーザが図31の画面のジョブチケット編集キー2042をクリックすると、画面は図32に遷移する。ここで、MFP100のユーザは、印刷ジョブの全体に対する印刷処理条件の設定2051を変更する。印刷ジョブの全体に対する印刷処理条件の設定2051のうち仕上げ設定は、図51と図52に示すとおり、ソートからステープルソートに変更される。
MFP100のユーザが編集キー2058をクリックすると、図34の画面が表示される。図34の画面を介して、MFP100のユーザは、部数変更キー2058をクリックして、図35のような画面を表示させ、印刷部数を設定する。ここでは、部数を1部から50部に変更するものとする。次に、MFP100のユーザは、図34の画面で仕上げキー2059をクリックして図36の画面を操作部120に表示させる。クライアントPC200から受信した印刷ジョブの印刷処理条件としてソート2066が予め設定されているのに対し、MFP100のユーザはステープルソートキー2068を選択して、OKキーをクリックすることで印刷処理条件を変更する。このとき、図44のように、「設定を保存しました。」のポップアップ画面が現れて、ここまでの設定変更を一旦保存する。そして、画面は図32に戻り、印刷ジョブの全体に対する印刷処理条件の設定2051がソートからステープルソートに変更される。
次に、ページ範囲(パーティション)ごとの設定2052を変更する例を説明する。MFP100のユーザは、図32のページ範囲の中から変更が必要なページ範囲を選択する。いま、1〜10ページの部分をページ範囲2071、11〜20ページの部分をページ範囲2072、21〜30ページの部分をページ範囲2073と呼ぶことにする。そして、MFP100のユーザは、ページ範囲2072を選択する。MFP100のユーザにより選択されたページ範囲にはチェックマークが付けられる。この状態で、MFP100のユーザが編集キー2074をクリックすると、画面は図38に遷移する。ここで、MFP100のユーザは、用紙選択キー2076をクリックして、図41の画面を表示させる。次に、MFP100のユーザは、用紙種類で指定2086をクリックして、図42のような用紙タイプリストを表示する。更に、MFP100のユーザは、印刷処理条件を普通紙(80〜105g/m2)から両面コート紙(151〜180g/m2)に変更して、閉じるキーをクリックする。ここで、MFP100のユーザが図38のOKキー2084をクリックすると、「設定を保存しました。」のポップアップ画面を含む図44の画面を表示させ、設定変更が文書管理部114に保存される。
この時点では、ページ範囲2072の用紙種類は、普通紙(80〜105g/m2)から両面コート紙(151〜180g/m2)に変更されている。
次に、図39に示すように、MFP100のユーザが、ページ範囲2071とページ範囲2073の2つのページ範囲を選択した例について説明する。MFP100のユーザが編集キー2074をクリックすると、図40の画面が操作部120に表示される。
ここで、図43に示すように、MFP100のユーザは、両面プリント2083に関する印刷処理条件の設定を、ページ範囲ごとの設定から長辺とじの設定に変更して、再びOKボタン2084をクリックする。そうすると、図44のように、「設定を保存しました。」のポップアップ画面が現れて、ここまでの設定変更が、文書管理部114に保存される。
以上のような設定変更を経ると、図51に示すような印刷処理条件でクライアントPC200から送信された印刷ジョブは、図52で示す印刷処理条件に変更される。そこで、図24から再び詳細/変更ボタン2033をクリックして、詳細/変更ポップアップ画面を呼び出し。試しプリントキー2043をクリックする。すると、画面は図45に遷移する。ここで、印刷ジョブの印刷処理条件として印刷部数及び、プリント範囲(プリント処理するページ範囲)を設定する。図45の画面でプリント開始キーをクリックすると、試しプリントが開始される。試しプリントでの印刷結果に問題ないならば、実際にプリントを開始する。プリント処理は、図24の画面でプリント開始キー2036をクリックすることでスタートする。図52に示す印刷ジョブは、印刷ジョブの全体設定で部数を50部に変更しているため、30ページ分の印刷物が50部について連続してプリント処理される。
MFP制御部108が実行する前述の動作について、図53のフローチャートを用いて説明する。MFP制御部108は、第1の実施形態における図17のステップS401と同様にホールドジョブのリストを表示し、図17のステップS402と同様に印刷ジョブを選択する。この状態で、MFP制御部108は、図53の動作を開始する。ステップS701でMFP制御部108は、図31の画面を介してジョブチケット編集キー2042がクリックされたかを判断し、クリックされていればステップS702へ進み、そうでなければステップS715へ進む。
ステップS702で、MFP制御部108は、ユーザが印刷ジョブのどの部分のジョブチケットを編集する選択をしたかを判断する。既に説明したようにジョブチケット編集の編集方法として下記の3つの方法があり、ユーザは、いずれかの編集方法を選択する。
(第1の編集方法)印刷ジョブの全体に対する印刷処理条件の設定
(第2の編集方法)ユーザが選択した1つのパーティションに対する印刷処理条件の設定
(第3の編集方法)ユーザが選択した複数のパーティションに対する印刷処理条件の設定。
第1の編集方法の場合はS702からS703へ進む。ユーザは、編集キー2058をクリックし(S703)、図34の画面で印刷ジョブの全体に対する印刷処理条件の設定を行って(S704)、OKキーをクリックする(S705)。
第2の編集方法の場合はS702からS706へ進む。ユーザは、ページ範囲ごとの設定2052の中からパーティションを1つ選択し(S706)、編集キー2074をクリックし(S707)、図38の画面を介してページごとの印刷処理条件の設定を行って(S708)、OKキーをクリックする(S709)。
第3の編集方法の場合はS702からS710へ進む。ユーザは、ページ範囲ごとの設定2052の中から複数のパーティションを選択し(S710)、編集キー2074をクリックし(S711)、図40の画面を介してページごとの印刷処理条件の設定を行って(S712)、OKキーをクリックする(S713)。
いずれの編集方法であっても、OKキーをクリックした後にホールドキューに保存されている印刷処理条件情報(ジョブチケット情報)は文書管理部114に上書き保存される(S714)。ただし、文書管理部114のメモリ容量に十分余裕があるならば、従前のジョブチケット情報を保存しつつ、新たなジョブチケット情報を保存するようにしてもよい。
MFP制御部108は、ステップS701〜ステップS714の動作を繰り返し、ジョブチケット編集が終了した時点で(ステップS701でNO)、ジョブチケット編集を終了する(S715)。
ここで、MFP制御部108が図53の動作を実行する前後において、文書管理部114が保持する印刷処理条件情報(ジョブチケット情報)の一例を図54に示す。まず、印刷ジョブの全体に対する印刷処理条件の設定は、部数が1部から50部に、仕上げがソートからステープルソートに変更されている。また、ページ範囲ごとの設定は、パーティション2071が両面プリントをしない印刷処理条件から長辺とじをする印刷処理条件に変更されている。また、パーティション2072が用紙タイプを普通紙(80〜105g/m2)とする印刷処理条件から両面コート紙(151〜180g/m2)とする印刷処理条件に変更されている。更に、パーティション2071が両面プリントを短辺とじで行う印刷処理条件から両面プリントを長辺とじで行う印刷処理条件に変更されている。
次に、前述した3つのジョブチケットの編集方法において設定可能な印刷処理条件について説明する。
印刷処理条件には様々な条件があるが、3つのジョブチケット編集方法のそれぞれで、同様の印刷処理条件が設定できるようにするのが良いとは限らない。
例えば、印刷ジョブにつけるジョブ名称は、印刷ジョブに対して1つだけ存在させるべきであり、これをパーティションごとに設定する必要はない。また、中綴じ製本やくるみ製本といった製本設定は、印刷ジョブの全体に対する印刷処理条件として設定しなければ意味がない。更に、印刷部数の設定は、パーティションごとに設定するのではなく印刷ジョブの全体に対する印刷処理条件として設定するのが望ましい。また、用紙のサイズやタイプといった印刷処理条件は、ページ単位で異なる設定とすることができるようにすべきである。
また、印刷処理条件の設定を、複数のパーティションに対して一括して設定したほうが望ましい印刷処理条件もある。例えば、図54に示したようにパーティション2071に対する印刷処理条件が両面プリントをしない条件に設定され、パーティション2073に対する印刷処理条件が両面プリントを短辺とじにて行う条件に設定されている場合を考える。この場合、パーティション2071とパーティション2073に対する印刷処理条件を、一括して設定できるようにするのが望ましい。
特に、POD市場では、印刷ジョブを構成するページ数が多いことがあり、また、印刷ジョブに対して複数のパーティションが設定されることも多い。
以上説明したように、3つのジョブチケットの編集方法に対して、各編集方法にて設定できた方が望ましい印刷処理条件と、そうでない印刷処理条件がある。そして、印刷処理条件の種類としては、下記に分類される。
(第1の印刷処理条件) 第1の編集方法で設定可能な印刷処理条件
(第2の印刷処理条件) 第2の編集方法で設定可能な印刷処理条件
(第3の印刷処理条件) 第3の編集方法で設定可能な印刷処理条件
第1の印刷処理条件に該当する印刷処理条件は、図34及び図36で設定する印刷処理条件である。具体的には、印刷部数、排紙先の指定、フィニッシャによるフィニッシングの指定(ソート、グループ、ステープル)、ページ印字をするか否か、部数印字をするか否か、表紙/合紙の設定である。
また、第2及び第3の印刷処理条件に該当する印刷処理条件は、図38及び図40で設定する印刷処理条件である。具体的には、用紙サイズ、トナー濃度調整、グラデーション/スムージング、とじしろ、印字領域の移動、両面プリントをするか否か、フィニッシャによるフィニッシングの指定、排紙先の指定等である。
ここで、第1の印刷処理条件、第2の印刷処理条件及び第3の印刷処理条件のいずれでも設定できる印刷処理条件としては、フィニッシャによるフィニッシングの指定(ソート、グループ、ステープル)がある。ただし、印刷ジョブの全体に対してフィニッシングの指定をした場合は、各パーティションでフィニッシングの指定をする必要がなくなる。したがって、印刷ジョブの全体に対してフィニッシングの指定をした場合は図38及び図40の画面で排紙方法(フィニッシングの指定)ができないようにすれば良い。
なお、図38及び図40の例では示していないが、ページ印字は、第1の印刷処理条件、第2の印刷処理条件及び第3の印刷処理条件のいずれにも該当する印刷処理条件としても良い。例えば、印刷ジョブ全体におけるページ番号の印字と、パーティションにおけるページ番号の印字をするようにし、それぞれのページ番号の印字位置をずらすようにすれば良い。
なお、ある印刷処理条件を、第1の印刷処理条件、第2の印刷処理条件及び第3の印刷処理条件のいずれに当てはまるかを、クライアントPC200が送信する印刷ジョブに含まれるジョブチケットに記述しておくようにしてもよい。このようにすれば、印刷ジョブに対して変更されるべきでない印刷処理条件の変更ができないようにすることができる。
また、いままで説明してきた印刷処理条件を含むジョブチケットは、JDF(Job Definition Format)によっても記述可能である。JDFでは、印刷処理全体に係わるジョブチケット及び、パーティション単位でのジョブチケットをそれぞれ記述可能になっている。
<その他の実施形態>
尚、上述した実施形態において、印刷装置で受信した印刷ジョブについてページ群単位での印刷処理条件の変更が禁止されている場合には、画面上に適用範囲リスト(一覧表)の表示を禁止するように制御してもよい。
また、印刷ジョブの印刷処理条件が複数のページ群(ページ範囲)に分けて設定されている場合には、複数のページ群で分けた適用範囲リストで表示する。この一方で、印刷ジョブの全体に対して一つの印刷処理条件が設定されている場合には、印刷処理条件を一つだけ表示する。或いは、印刷ジョブの全体に対して一つの印刷処理条件が設定されている場合には、印刷処理条件を変更するための設定画面を表示するようにしてもよい。
さらに、印刷ジョブの印刷処理条件の設定変更を行う範囲をページ群単位で選択するに際して複数のページ群を選択し、選択された複数のページ群についての印刷処理条件を一括変更するようにしてもよい。さらにまた、複数のページ群の選択、及び複数のページ群の印刷処理条件の変更が、印刷装置とネットワークを介して接続された外部装置からの指示に基づいて行うようにしてもよい。
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、以下のようなものがある。フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページからハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。すなわち、ホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをダウンロードする。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布する。そして、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他にも、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後にも前述した実施形態の機能が実現される。すなわち、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行うことによっても前述した実施形態の機能が実現される。