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JP2012071997A - セメント分散剤用単量体 - Google Patents

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JP2012071997A
JP2012071997A JP2010216482A JP2010216482A JP2012071997A JP 2012071997 A JP2012071997 A JP 2012071997A JP 2010216482 A JP2010216482 A JP 2010216482A JP 2010216482 A JP2010216482 A JP 2010216482A JP 2012071997 A JP2012071997 A JP 2012071997A
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cement
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cement dispersant
acid
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JP2010216482A
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Tomokazu Shimizu
倫和 清水
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

【課題】本発明の目的は、初期流動性に優れ、かつ経時的にも流動性が低下しにくい共重合ポリマーを得ることができるセメント分散剤用単量体を提供することにある。
【解決手段】下記一般式(1)で表され、不飽和カルボン酸系化合物(B)との共重合体からなるセメント分散剤用の単量体(A)であって、(A)の(TU)/(OH)比が0.90〜1.10であるセメント分散剤用単量体。
RO−[(AO)]−H (1)
[一般式(1)中、Rは不飽和結合を含む炭素数2〜5の炭化水素基。AOはオキシエチレン及び/またはオキシプロピレンを表し、nはオキシエチレン及び/またはオキシプロピレンの付加モル数を表し1〜200の整数である。]
分子量(OH)=56100/水酸基価 (2)
分子量(TU)=1000/不飽和度 (3)
【選択図】なし

Description

本発明はセメント用分散剤に用いる単量体に関する。
近年、建築物の超高層化技術等の発展に伴い、コンクリートの高強度化の必要性から、様々なセメント用添加剤の開発が行われてきた。これらの内、コンクリート中の水分を低減することでコンクリートの高強度化を図る添加剤として、末端水酸基を有したポリオキシアルキレン誘導体と不飽和カルボン酸系化合物の共重合ポリマーからなるセメント分散剤の提案がなされている(特許文献1および2)。
特開平10−194808号公報 特開平11−106247号公報
しかし、この共重合体はリグニン系等の従来の分散剤に比べて、セメント組成物の流動性が経時的に低下しにくいものではあるが、現場への運搬や打設等に要する時間と照らし合わせると、決して十分なものではなく、また初期流動性も従来の分散剤と比較して高いとは言い難いものであった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、初期流動性に優れ、かつ経時的にも流動性が低下しにくい共重合ポリマーを得ることができるセメント分散剤用単量体を提供することにある。
末端水酸基を有するポリオキシアルキレン誘導体を必須単量体とするセメント分散剤の性能は本単量体成分の品質に大きく影響されるものであるが、従来技術ではこの点に留意がされておらずセメント分散剤としての性能が十分発揮しているとは言いがたいものであった。
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表され、不飽和カルボン酸系化合物(B)との共重合体からなるセメント分散剤用のポリアルキレングリコールエーテル系単量体(A)であって、(A)の水酸基価を用いて下記数式(2)により算出される分子量(OH)と(A)の不飽和度を用いて下記数式(3)により算出される分子量(TU)との比である(TU)/(OH)比が0.90〜1.10であるセメント分散剤用単量体である。
RO−[(AO)]−H (1)
[一般式(1)中、Rは不飽和結合を含む炭素数2〜5の炭化水素基。AOはオキシエチレン及び/またはオキシプロピレンを表し、nはオキシエチレン及び/またはオキシプロピレンの付加モル数を表し1〜200の整数である。]
分子量(OH)=56100/水酸基価 (2)
分子量(TU)=1000/不飽和度 (3)
本発明の単量体を用いた共重合ポリマーは、高いセメント分散性を発揮することから、得られるコンクリートの初期流動性を高くすることができる。また、経時的にも流動性が低下しにくいことから優れた作業性が確保できる。
本発明のセメント分散剤用単量体は、下記一般式(1)で表される、ポリアルキレングリコールエーテル系単量体(A)であって、(A)の水酸基価を用いて下記数式(2)により算出される分子量(OH)と(A)の不飽和度を用いて下記数式(3)により算出される分子量(TU)との比である(TU)/(OH)比が0.90〜1.10であることを特徴とする。
RO−[(AO)]−H (1)
[一般式(1)中、Rは不飽和結合を含む炭素数2〜5の炭化水素基。AOはオキシエチレン及び/またはオキシプロピレンを表し、nはオキシエチレン及び/またはオキシプロピレンの付加モル数を表し1〜200の整数である。]
分子量(OH)=56100/水酸基価 (2)
分子量(TU)=1000/不飽和度 (3)
ポリアルキレングリコールエーテル系単量体(A)の水酸基価とは、(A)1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmgのことであり、JIS K 0070「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価および不けん化物の試験法」に記載されている測定法に準拠して測定することができる。
また、(A)の不飽和度とは、(A)1gに含まれる不飽和基の個数のことであり、JIS K 1557−3「プラスチック−ポリウレタン原料ポリオール試験方法−第3部:不飽和度の求め方」に記載されている測定法に準拠して測定することができる。
不飽和度から算出される(TU)と水酸基価から算出される(OH)の比率である(TU)/(OH)比は(A)の純度の指標になる数値となる。
(TU)/(OH)比は0.90〜1.10であり、単量体(A)からなる共重合体のセメント分散性能を確保するという観点から好ましくは0.95〜1.08、より好ましくは1.00〜1.06である。
(TU)/(OH)比は0.90未満では、分子内に複数の不飽和基を含む不純物含量が多くなり、(A)と(B)の共重合体としたとき共重合体中に架橋構造を生じることから、セメント分散剤としての性能が低下する。また、(TU)/(OH)比は1.10を超えると目的より大きな分子量の不純物含量が多くなることから、(A)と(B)の共重合体の共重合比が目標から乖離し、セメント分散剤としての性能が低下する。
本発明のポリアルキレングリコールエーテル系単量体(A)を表す一般式(1)において、AOはオキシエチレン基、1,2−または1,3−オキシプロピレン基が挙げられる。これらの内、セメント分散性の観点から好ましいのはオキシエチレン基と1,2−オキシプロピレン基であり、特に好ましいのはオキシエチレン基である。
nはAOの平均付加モル数を表し、通常1〜200の数であり、セメント組成物の流動性と流動保持性の観点から、好ましくは1〜100、さらに好ましくは2〜50、特に好ましくは3〜40、とりわけ好ましくは5〜30である。また、nが2以上の場合、n個のAOは同一でも異なっていてもよく、異なる場合は−(AO)n−はランダム付加、ブロック付加または交互付加のいずれの付加形式でもよい。
単量体(A)中、ROの具体例としてはビニルアルコール、1−プロペニルアルコール、アリルアルコール、ヒドロキシブチルビニルエーテル、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オールの残基が挙げられる。
ポリアルキレングリコールエーテル系単量体(A)の具体例としては、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ1−プロペニルエーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノ1−プロペニルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコール(n=1〜5)モノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノヒドロキシブチルビニルエーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノヒドロキシブチルビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノメタリルエーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノメタリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ3−メチル−3−ブテニルエーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノ3−メチル−3−ブテニルエーテル等が挙げられる。
セメント組成物の流動性と流動保持性の観点から好ましいのは、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、特に好ましいのはポリエチレングリコールモノアリルエーテルである。
単量体(A)は、炭素数2〜5の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを通常の方法で付加させることにより製造できる。具体的には、不飽和アルコールを加圧反応容器に仕込み、無触媒で又は触媒の存在下(特に付加反応の後半の段階で)にアルキレンオキサイドを吹き込み、常圧又は加圧下に1段階又は多段階で反応を行なう。触媒としては、アルカリ触媒[アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム及びセシウム等)そのもの、アルカリ金属とメチル、エチル、プロピル、ブチル等、炭素数1〜20のアルコールとで形成されるアルコラート、アルカリ金属の水酸化物等]、酸[過ハロゲン酸(過塩素酸、過臭素酸及び過ヨウ素酸)、硫酸、燐酸及び硝酸等(好ましくは過塩素酸)等]並びにこれらの塩[好ましくは 2価又は3価の金属(Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Co、Ni、Cu及びAl等)の塩]等が挙げられる。反応温度は通常50〜180℃、反応時間は通常2〜20時間である。AO付加反応終了後は、必要により触媒を中和し吸着剤で処理して触媒を除去・精製することができる。
(A)の(TU)/(OH)比を0.90〜1.10の範囲にするためには、(A)製造時において反応副生物の生成を抑制する必要があり、そのためには不飽和アルコールの純度は99.50%以上であることが好ましく、更に好ましくは99.90%以上である。触媒としては、アルカリ金属と炭素数1〜6の低級アルコールとで形成されるアルコラートが好ましい。また、反応温度は120℃以下が好ましく、更に好ましくは100℃以下、最も好ましくは80℃以下である。
(A)の(TU)/(OH)比を0.90より大きくするには、反応温度を低くすることが有効である。
(A)の(TU)/(OH)比を1.10より小さくするには、不飽和アルコールの純度を高くすることが有効である。
本発明のセメント分散剤用の単量体(A)と共重合される不飽和カルボン酸系化合物(B)としては、以下の(B1)〜(B4)が挙げられる。
(B1)モノカルボン酸(塩):
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等およびそれらモノカルボン酸の中和塩。塩を形成するカチオンとしてはナトリウムカチオン、カリウムカチオン等のアルカリ金属カチオン、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン等のアルカリ土類金属カチオン、有機アミンカチオンが挙げられる。
(B2)モノカルボン酸エステル
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノアルキル(炭素数1〜12)若しくはアルケニルエステル。(アルコキシ)(ポリ)エチレングリコールエステル、(アルコキシ)(ポリ)プロピレングリコールエステル等。
(B3)ジカルボン酸(塩):
マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸及びフマル酸等およびそれらモノカルボン酸の中和塩。塩を形成するカチオンとしてはナトリウムカチオン、カリウムカチオン等のアルカリ金属カチオン、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン等のアルカリ土類金属カチオン、有機アミンカチオンが挙げられる。
(B4)ジカルボン酸のモノ及びジエステル:
マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸及びフマル酸等のモノアルキル(炭素数1〜12)若しくはアルケニルエステル。(アルコキシ)(ポリ)エチレングリコールエステル、(アルコキシ)(ポリ)プロピレングリコールエステル等。
これらのうち、セメント組成物の流動性と流動保持性の観点から好ましいのはモノカルボン酸(塩)およびジカルボン酸(塩)であり、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸またはその塩であり、特に好ましくは(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩である。
本発明における単量体(A)と不飽和カルボン酸系化合物(B)とを共重合させ共重合体を得る場合、その共重合比(A)/(B)(モル比)はセメント組成物の流動性の観点から25/75〜75/25が好ましく、さらに好ましくは30/70〜70/30であり、特に好ましくは35/65〜65/35である。
更に本発明における単量体(A)と不飽和カルボン酸系化合物(B)とを共重合させて得られる共重合体には(A)、(B)以外の構成単量体として単量体(C)をさらに含んでいてもよい。
このような単量体(C)としては、(A)、不飽和カルボン酸系化合物(B)と共重合しうるビニル単量体であって、共重合して得られる共重合体が水溶性となる単量体であればその種類は特に限定されない。
このような単量体(C)としては、例えば以下のアニオン性親水性単量体(C1)、カチオン性親水性単量体(C2)、非イオン性親水性単量体(C3)及び疎水性単量体(C4)が挙げられる。
(A)と(B)の合計重量に対する(C)の比率は、好ましくは0〜50%さらに好ましくは0〜20%である。
アニオン性親水性単量体(C1)としては、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルの硫酸エステル等のスルホン酸系単量体、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのリン酸エステル等のリン酸系単量体、およびこれらの塩が挙げられる。
塩を構成するカチオンとしては、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン等のアルカリ金属カチオン、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン等のアルカリ土類金属カチオン、有機アミンカチオンが挙げられる。
カチオン性親水性単量体(C2)としては、トリメチル(メタ)アクリロイロキシエチルアンモニウムクロライド、ジメチル(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩基含有単量体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
非イオン性親水性単量体(C3)としては(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
疎水性単量体(C4)としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビシクロペンタジエン、リデンノルボルネンおよび酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、オクタン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等が挙げられる。
本発明における単量体(A)と単量体(B)とを共重合させて得られる共重合体の重量平均分子量(以下、Mwと略記)は、セメント組成物の流動性と流動保持性の観点から、通常5,000〜300,000であり、好ましくは10,000〜200,000、特に好ましくは30,000〜100,000である。なお、本発明におけるMwはゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリエチレングリコールを基準とする方法で測定したものである。
本発明における単量体(A)と単量体(B)とを共重合させて得られる共重合体は公知の製造方法で製造することができ、例えば、溶媒中で単量体を重合開始剤の存在下に重合させる方法(特開昭62−119147号公報等に記載の重合法等)で製造できる。
重合溶媒としては、水及び有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒としては、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール及びイソプロピルアルコール等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン及びエチルトルエン等)、脂肪族炭化水素類(シクロヘキサン、n−ヘキサン、ヘプタン、オクタン及びデカリン等)、エステル類(酢酸エチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)等が挙げられる。
特に水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール及びこれらの混合溶媒が好ましい。
重合開始剤としては、アゾ系[2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレート等]並びに過酸化物系[t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペート、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキサイド及びラウリルパーオキサイド等]等の有機系重合開始剤;過硫酸のアンモニウム塩又ははアルカリ金属塩及び過酸化水素等の無機系重合開始剤;が挙げられる。
これらの内好ましいのは無機系重合開始剤、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレートである。
また、重合促進剤及び/又は連鎖移動剤を併用することも可能である。
重合促進剤としては亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられ、連鎖移動剤としてはメルカプト化合物(ラウリルメルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、1−メルカプトグリセリン及びメルカプトコハク酸等)等が挙げられる。
重合温度は、通常30〜150℃、好ましくは50〜120℃である。また、上記の溶液重合の他に、塊状重合により得ることもできる。
さらに、共重合の様式としては、ランダム付加重合、交互共重合、グラフト共重合、ブロック共重合のいずれでもよい。
本発明における単量体(A)と不飽和カルボン酸系化合物(B)とを共重合させて得られる共重合体であるセメント分散剤の使用方法は、普通一般に行われているセメント用混和材料の場合と同様でよく、例えば、予め混練水に溶解しておいて、その後、セメント、骨材とミキサーで混合することもできるし、セメント、骨材とともに一括でミキサーに投入して、混合してもよい。 使用されるセメントとしては、通常の水硬性セメント[普通ポルトランドセメント、特殊ポルトランドセメント(早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント及びビーライトセメント)並びに混合セメント(高炉セメント、フライアッシュセメント及びシリカセメント)等]等が挙げられる。混練水としては、海水、河川水、湖沼水、水道水、工業用水及び脱イオン水等が挙げられる。
また、骨材としては、JIS A5308:1998の付属書1(規定)レディ−ミクストコンクリート用骨材に準拠される、川砂、陸砂、山砂、海砂及び砕砂等と、JIS A5308:1998の付属書1(規定)レディーミクストコンクリート用骨材に準拠される、川砂利、陸砂利、山砂利及び砕石等が挙げられる。
さらに合わせて使用されるセメント用添加剤として、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム及び膨張材等、公知のセメント用混和材、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤及び流動化剤、空気連行剤(AE剤)、起泡剤(発泡剤)、消泡剤(抑泡剤及び破泡剤)、硬化促進剤(急結剤)、硬化遅延剤、防錆剤、増粘剤、ポリマーセメントコンクリート又はポリマーモルタル用のポリマーディスパージヨン等、公知のセメント混和剤が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
なお、以下において特記しない限り部は重量部を表す。
実施例1
<単量体(A−1)の製造>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、アリルアルコール(純度は99.9%)102部及びカリウムt−ブトキシド5部を仕込み、容器内を十分に窒素置換した後、密閉し、80℃に昇温した。 80℃でエチレンオキシド385部(アリルアルコール1モルに対して5モル)、引き続きプロピレンオキシド508部(アリルアルコール1モルに対して5モル)を反応した。さらに80℃で4時間熟成した後、25℃に冷却して、反応物にキョウワード600(協和化学工業株式会社製)を20部、水20部を投入し、80℃にて触媒を吸着処理後、ろ過により本発明の単量体(A−1)を得た。(A−1)の不飽和度は1.76meq./g、水酸基価は99.4、(TU)/(OH)比は1.01であった。
実施例2〜5
表1に記載の部数(重量部)で製造例1と同様に反応させて、本発明の単量体(A−2)〜(A−5)を製造した。尚、実施例2〜5の合成に使用したアリルアルコールの純度は99.9%であった。
比較例1
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、アリルアルコール102部及びカリウムt−ブトキシド5部を仕込み、容器内を十分に窒素置換した後、密閉し、180℃に昇温した。 180℃でエチレンオキシド385部(アリルアルコールに対して5モル)、引き続きプロピレンオキシド508部(アリルアルコールに対して5モル)を反応した。さらに180℃で4時間熟成した後、25℃に冷却して、反応物にキョウワード600(協和化学工業株式会社製)を20部、水20部を投入し、80℃にて触媒を吸着処理後、ろ過により比較の単量体(A‘−1)を得た。(A’−1)の不飽和度は2.05meq./g、水酸価は102.3、(TU)/(OH)比は0.89であった。
尚、比較例1の合成に使用したアリルアルコールの純度は99.9%であった
比較例2
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、アリルアルコール62部及び水酸化ナトリウム5部を仕込み、容器内を十分に窒素置換した後、密閉し、80℃に昇温した。 80℃でエチレンオキシド933部(アリルアルコールに対して20モル)を反応した。さらに80℃で4時間熟成した後、25℃に冷却して、反応物にキョウワード600(協和化学工業株式会社製)を20部、水20部を投入し、80℃にて触媒を吸着処理後、ろ過により比較の単量体(A‘−2)を得た。(A’−1)の不飽和度は1.09meq./g、水酸価は67.9、(TU)/(OH)比は1.11であった。
尚、比較例2の合成に使用したアリルアルコールの純度は99.5%であった
Figure 2012071997
製造例1<セメント分散剤(X−1)の製造>
(A−1)331.4部を、攪拌機、窒素導入管、温度計、還流管、滴下ロートを備えたガラス製反応容器に仕込み、さらに水400部を加えて均一に溶解し、雰囲気を窒素置換しながら80℃まで加熱した。ここへ20重量%過硫酸ナトリウム水溶液15部とメタクリル酸(B−1)50.2部、水100部、メルカプトエタノール1部を予め混合した単量体溶液とをそれぞれ別の滴下ロートから2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに20重量%過硫酸ナトリウム水溶液5部を30分かけて滴下し、その後80℃で1時間保持して熟成を行った。40℃まで冷却後、30%水酸化ナトリウム水溶液77.8g、および濃度を40重量%に調整するための水20gを投入し、ビニル共重合体の40重量%水溶液(X−1)を得た。
製造例2〜5,比較製造例1〜2
表2に記載の部数(重量部)で製造例と同様に反応させて、ビニル共重合体の40重量%水溶液(X−2)〜(X−5)および(X‘−1)〜(X’−2)を製造した。
Figure 2012071997
得られたビニル共重合体の重量平均分子量(Mw)の値も表2に示す。
なお、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により以下の条件で測定した。
測定機器:Waters社製 GPCシステム[ポンプ;Model510、検出器:waters410]
溶離液:種類 水/メタノール[70/30(体積比)]+酢酸ナトリウム[5g/リットル(対水/メタノール)]
流速:1.0(ml/min)
カラム:TSKgel G3000(7.8mmID.×30cm)PWXL+TSKGel G6000PWXL(7.8mmID.×30cm )
カラム温度:40℃
標準物質:ポリエチレングリコール[重量平均分子量:2.4×10、5.0×10、1.0
7×10、2.5×10、5.4×10及び9.0×10(東ソー株式会社製 TSK標準ポリエチレンオキシド SE−2、SE−5、SE−8、SE−30、SE−70及びSE−150)]。
上記で得られた本発明の単量体からなるセメント分散剤(X−1)〜(X−4)、並びに比較の単量体からなるセメント分散剤(X’−1)〜(X’−2)について、以下の方法で流動性を評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2012071997
<流動性の評価(フロー試験)>
(1)評価用モルタルの調製
表3に示す配合処方で、JIS R5201−1997の「10.4.3練り混ぜ方法」に準拠して、評価用モルタルを調製した。
まず、セメント用添加剤の固形分換算として、実施例では0.20重量%、比較例では0.20重量%および0.30重量%に該当する表2に記載の量の調整用の水に、セメント混和剤を溶解希釈させ、さらにモルタルの空気量を2〜3重量%に調整するために、普通ポルトランドセメントに対して0.09部(0.02重量%)の消泡剤[SNデフォーマー398:サンノプコ(株)製]をこれに加えて攪拌して分散させた。
次に、この水溶液を予め混合していた普通ポルトラントセメントとJIS標準砂に添加し、モルタルミキサーにて十分攪拌した。
なお、セメント混和剤はモルタル処方の水の一部とみなし、セメント混和剤と調整用の水との合計重量部は普通ポルトランドセメント450重量部の35%に相当する157.5重量部に統一した。
(2)フロー試験(流動性)
JIS R5201−1997「11.フロー試験」に準拠したフロー試験によりフロー値(mm)を測定した。但し、フローコーンを取り去った後に落下運動は加えない。
さらに、練混ぜ開始から30分、60分及び90分経過した時点について高速で30秒間 混練した後にフロー値を測定した。フロー値は、数値が大きい程、流動性が良好であることを意味する。
以下の判定基準で評価した。
○:練混ぜ直後のフロー値が250mm以上
×:練混ぜ直後のフロー値が250mm未満
固形分としてセメントに対して0.20重量%添加した場合、表3から、本発明の単量体からなるセメント分散剤(X−1)〜(X−4)は、比較の単量体からなるセメント分散剤(X’−1)〜(X’−2)に比べ、初期(練混ぜ直後)の流動性が高く、さらに経時での流動性の低下率が小さいことから流動保持性にも優れる。
一般に流動性が低い添加剤も添加量を増加すれば流動性を向上させることができる。(TU)/(OH)比が本発明の範囲より低い単量体からなるセメント分散剤を用いた比較例1、(TU)/(OH)比が本発明の範囲より高い単量体からなるセメント分散剤を用いた比較例2について、添加量を固形分としてセメントに対して0.20重量%から0.30重量%に増加してフローを測定したとところ、全ての比較例で練混ぜ直後のフロー値が目標とする250mmをクリアーすることができた。しかしながら、添加量を多く必要とすることから経済性に問題がある。
本発明の単量体を用いた共重合ポリマーは、高いセメント分散性を発揮することから、得られるコンクリートの初期流動性を高くすることができる。また、経時的にも流動性が低下しにくいことから優れた作業性が確保できる。従って、本発明の単量体を用いた共重合ポリマーを使用したモルタルやコンクリートは作業性に優れているため、本発明のセメント混和剤は、モルタル、無筋コンクリート、鉄筋コンクリート及びプレストレストコンクリート等に好適である。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表され、不飽和カルボン酸系化合物(B)との共重合体からなるセメント分散剤用のポリアルキレングリコールエーテル系単量体(A)であって、(A)の水酸基価を用いて下記数式(2)により算出される分子量(OH)と(A)の不飽和度を用いて下記数式(3)により算出される分子量(TU)との比である(TU)/(OH)比が0.90〜1.10であるセメント分散剤用単量体。
    RO−[(AO)]−H (1)
    [一般式(1)中、Rは不飽和結合を含む炭素数2〜5の炭化水素基。AOはオキシエチレン及び/またはオキシプロピレンを表し、nはオキシエチレン及び/またはオキシプロピレンの付加モル数を表し1〜200の整数である。]
    分子量(OH)=56100/水酸基価 (2)
    分子量(TU)=1000/不飽和度 (3)
  2. 一般式(1)において、Rがアリル基である請求項1に記載のセメント分散剤用単量体。
  3. 分子量(OH)が100〜5000である請求項1又は2に記載のセメント分散剤用単量体。
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