JP2012031521A - スパッタリングターゲット及び透明導電膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともインジウム、錫及び亜鉛を含有し、Zn2SnO4で表されるスピネル構造化合物及びIn2O3で表されるビックスバイト構造化合物を含む酸化物の焼結体であることを特徴とするスパッタリングターゲット;その製造方法、透明導電膜及び透明電極。
【選択図】図1
Description
さらに、このターゲットは安定にスパッタリングが行なえるため、成膜条件を調整するなどしてTFT(薄膜トランジスタ)に代表される透明酸化物半導体の成膜にも適用できることを見出した。
[1]少なくともインジウム、錫及び亜鉛を含有し、Zn2SnO4で表されるスピネル構造化合物及びIn2O3で表されるビックスバイト構造化合物を含む酸化物の焼結体であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
[2]In/(In+Sn+Zn)で表わされる原子比が0.25〜0.6の範囲内、Sn/(In+Sn+Zn)で表わされる原子比が0.15〜0.3の範囲内、及びZn/(In+Sn+Zn)で表わされる原子比が0.15〜0.5の範囲内の値であることを特徴とする上記[1]記載のスパッタリングターゲット。
[4]X線回折(XRD)におけるピークについて、
SnO2で表されるルチル構造化合物の最大ピーク強度(I(SnO2))、
Zn2SnO4で表されるスピネル構造化合物の最大ピーク強度(I(Zn2SnO4))、及び
In2O3で表されるビックスバイト構造化合物の最大ピーク強度(I(In2O3))
が下記の関係を満たすことを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれか記載のスパッタリングターゲット。
I(SnO2)<I(Zn2SnO4)
I(SnO2)<I(In2O3)
I(SnO2)<Max.(I(Zn2SnO4)、I(In2O3))÷10
[上記関係式中、(Max.(X,Y)は、XとYのいずれか大きい方を表す。]
ZnOで表されるウルツ鉱形化合物の最大ピーク強度(I(ZnO))、
Zn2SnO4で表されるスピネル構造化合物の最大ピーク強度(I(Zn2SnO4))、及び
In2O3で表されるビックスバイト構造化合物の最大ピーク強度(I(In2O3))
が下記の関係を満たすことを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれか記載のスパッタリングターゲット。
I(ZnO)<I(Zn2SnO4)
I(ZnO)<I(In2O3)
I(ZnO)<Max.(I(Zn2SnO4)、I(In2O3))÷10
[上記関係式中、(Max.(X,Y)は、XとYのいずれか大きい方を表す。]
In2O3(ZnO)m(mは2〜20の整数を表す。)で表される六方晶層状化合物の最大ピーク強度(I(In2O3(ZnO)m))、
Zn2SnO4で表されるスピネル構造化合物の最大ピーク強度(I(Zn2SnO4))、
In2O3で表されるビックスバイト構造化合物の最大ピーク強度(I(In2O3))
が下記の関係を満たすことを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれか記載のスパッタリングターゲット。
I(In2O3(ZnO)m)<I(Zn2SnO4)
I(In2O3(ZnO)m)<I(In2O3)
I(In2O3(ZnO)m)<Max.(I(Zn2SnO4)、I(In2O3))÷10
[上記関係式中、(Max.(X,Y)は、XとYのいずれか大きい方を表す。]
[8]In2O3で表されるビックスバイト構造化合物の結晶粒径が10μm以下であることを特徴とする上記[1]〜[7]のいずれか記載のスパッタリングターゲット。
[9]バルク抵抗が0.3〜100mΩ・cmの範囲内であることを特徴とする上記[1]〜[8]いずれか記載のスパッタリングターゲット。
[10]理論相対密度が90%以上であることを特徴とする上記[1]〜[9]いずれか記載のスパッタリングターゲット。
[11]インジウム化合物の粉末、亜鉛化合物の粉末、及びそれらの粉末の粒子径よりも小さい粒子径の錫化合物粉末を、In/(In+Sn+Zn)で表わされる原子比が0.25〜0.6の範囲内、Sn/(In+Sn+Zn)で表わされる原子比が0.15〜0.3の範囲内、及びZn/(In+Sn+Zn)で表わされる原子比が0.15〜0.5の範囲内の割合で配合した混合物を得る工程と、
該混合物を加圧成形し成形体を作る工程と、
該成形体を焼結する工程と、
を含む上記[1]〜[10]のいずれか記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
[12]上記[1]〜[10]いずれか記載のスパッタリングターゲットをスパッタリング法により成膜してなる透明導電膜。
[13]上記[12]記載の透明導電膜をエッチングして得られる透明電極。
本発明によれば、導電性、エッチング性、耐熱性等に優れ、PAN(リン酸、酢酸、硝酸の混酸)耐性を有する透明導電膜が提供できる。
I.スパッタリングターゲット
本発明のスパッタリングターゲット(以下、本発明のターゲットという)は、少なくともインジウム、錫及び亜鉛を含有し、Zn2SnO4で表されるスピネル構造化合物及びIn2O3で表されるビックスバイト構造化合物を含む酸化物の焼結体であることを特徴とする。
上述したように、Zn2SnO4で表されるスピネル構造化合物及びIn2O3で表されるビックスバイト構造化合物を共に含むことにより、抵抗が低く、理論相対密度が高く、強度の高いターゲットとなる。
「結晶化学」(講談社、中平光興 著、1973)等に開示されている通り、通常AB2X4の型あるいはA2BX4の型をスピネル構造と呼び、このような結晶構造を有する化合物をスピネル構造化合物という。
上記最大ピーク強度の比は、X線回折(XDR)により求めたチャートより、任意の範囲(例えば、2θ=15〜65°の範囲)に存在する最大ピーク強度から計算することによって求めることができる。
SnO2で表されるルチル構造化合物の最大ピーク強度(I(SnO2))、
Zn2SnO4で表されるスピネル構造化合物の最大ピーク強度(I(Zn2SnO4))、及び
In2O3で表されるビックスバイト構造化合物の最大ピーク強度(I(In2O3))
が下記の関係を満たすことが好ましい。
I(SnO2)<I(Zn2SnO4)
I(SnO2)<I(In2O3)
I(SnO2)<Max.(I(Zn2SnO4),I(In2O3))÷10
[上記関係式中、(Max.(X,Y)は、XとYのいずれか大きい方を表す。]
ZnOで表されるウルツ鉱形化合物の最大ピーク強度(I(ZnO))、
Zn2SnO4で表されるスピネル構造化合物の最大ピーク強度(I(Zn2SnO4))、及び
In2O3で表されるビックスバイト構造化合物の最大ピーク強度(I(In2O3))
が下記の関係を満たすことが好ましい。
I(ZnO)<I(Zn2SnO4)
I(ZnO)<I(In2O3)
I(ZnO)<Max.(I(Zn2SnO4),I(In2O3))÷10
[上記関係式中、(Max.(X,Y)は、XとYのいずれか大きい方を表す。]
ウルツ鉱形化合物とは、四配位をとるAX型化合物で、六方充填の型をとる化合物である。本発明でいうウルツ鉱形化合物は、これらの内、ZnOで表される化合物である。
Sn3Zn4O12で表される複酸化物については、「まてりあ」、第34巻、第3号(1995)、344−351等に開示されている。
また、Sn3In4O12で表される複酸化物を含むと、Sn3In4O12のスパッタリングレートが遅いため、ノジュール発生の原因となるおそれがある。
In2O3(ZnO)m(mは2〜20の整数を表す。)で表される六方晶層状化合物の最大ピーク強度(I(In2O3(ZnO)m))、
Zn2SnO4で表されるスピネル構造化合物の最大ピーク強度(I(Zn2SnO4))、
In2O3で表されるビックスバイト構造化合物の最大ピーク強度(I(In2O3))
が下記の関係を満たすことが好ましい。
I(In2O3(ZnO)m)<I(Zn2SnO4)
I(In2O3(ZnO)m)<I(In2O3)
I(In2O3(ZnO)m)<Max.(I(Zn2SnO4),I(In2O3))÷10
[上記関係式中、(Max.(X,Y)は、XとYのいずれか大きい方を表す。]
ここで、六方晶層状化合物とは、L. Dupont et al., Journal of Solid State Chemistry 158, 119-133(2001)、Toshihiro Moriga et al., J. Am. Ceram. Soc., 81(5) 1310-16(1998)等に記載された化合物であり、本発明でいう六方晶層状化合物とは、In2O3(ZnO)m(mは2〜20の整数)あるいはZnkIn2Ok+3(kは整数)で表される化合物である。
ここでリッチ相とはEPMAによる分析で周辺の元素密度より高い(通常1.5〜2倍以上)部分をいう。
In2O3で表されるビックスバイト構造化合物の結晶粒径が10μmより大きいと異常放電やノジュールが発生しやすくなるおそれがある。
ターゲットのバルク抵抗が高かったり、理論相対密度が90%より小さかったりすると放電中にターゲットが割れる原因となるおそれがある。
ここで、ターゲットのバルク抵抗値の測定は、四探針法によって行う。
ZnO、SnO2、In2O3の比重を各々5.66g/cm3、6.95g/cm3、7.12g/cm3として、その量比から密度を計算し、アルキメデス法で測定した密度との比率を計算して理論相対密度とする。
ターゲットの抗折力は、JIS R 1601に準じて測定することができる。
本発明のスパッタリングターゲットの製造方法(以下、本発明の製造方法ということがある)は、
インジウム化合物の粉末、亜鉛化合物の粉末、及びそれらの粉末の粒子径よりも小さい粒子径の錫化合物粉末を、In/(In+Sn+Zn)で表わされる原子比が0.25〜0.6の範囲内、Sn/(In+Sn+Zn)で表わされる原子比が0.15〜0.3の範囲内、及びZn/(In+Sn+Zn)で表わされる原子比が0.15〜0.5の範囲内の割合で配合した混合物を得る工程と、
該混合物を加圧成形し成形体を作る工程と、
該成形体を焼結する工程と、
を含み、上記本発明のスパッタリングターゲットが得られることを特徴とする。
(1)配合工程
配合工程は、金属酸化物などのスパッタリングターゲットの原料を混合する必須の工程である。
原料としては、インジウム化合物の粉末、亜鉛化合物の粉末、及びそれらの粉末の粒径よりも小さい粒径の錫化合物粉末を用いる。錫化合物粉末の粒径が、インジウム化合物の粉末、亜鉛化合物の粉末の粒径と同じか又はそれらより大きいと、SnO2がターゲット中に存在(残存)しターゲットのバルク抵抗を高くするおそれがあるためである。
錫の化合物としては、例えば、酸化錫、水酸化錫等が挙げられる。
亜鉛の化合物としては、例えば、酸化亜鉛、水酸化亜鉛等が挙げられる。
各々の化合物として、焼結のしやすさ、副生成物の残存のし難さから、酸化物が好ましい。
また、原料の純度は、通常2N(99質量%)以上、好ましくは3N(99.9質量%)以上、特に好ましくは4N(99.99質量%)以上である。純度が2Nより低いと耐久性が低下したり、液晶側に不純物が入り、焼き付けが起こるおそれがある。
金属酸化物等のターゲットの製造原料を混合して粉砕する場合、粉砕後の混合物の粒径は、通常10μm以下、好ましくは3μm以下、特に好ましくは1μm以下とすることが好ましい。金属化合物の粒径が大きすぎると、ターゲットの密度が上がり難くなるおそれがある。
ターゲットの原料となる金属化合物の混合物の粉砕後の粒径は、JIS R 1619に記載の方法によって測定することができる。
仮焼工程は、スパッタリングターゲットの原料である化合物の混合物を得た後、この混合物を仮焼する、必要に応じて設けられる工程である。
仮焼を行うと、密度を上げることが容易になり好ましいが、コストアップになるおそれがある。そのため、仮焼を行わずに密度を上げられることがより好ましい。
仮焼物の粒径は、JIS R 1619に記載及び方法によって測定することができる。
成形工程は、金属酸化物の混合物(上記仮焼工程を設けた場合には仮焼物)を加圧成形して成形体とする必須の工程である。この工程により、ターゲットとして好適な形状に成形する。仮焼工程を設けた場合には得られた仮焼物の微粉末を造粒した後、プレス成形により所望の形状に成形することができる。
尚、成形処理に際しては、ポリビニルアルコールやメチルセルロース、ポリワックス、オレイン酸等の成形助剤を用いてもよい。
焼成工程は、上記成形工程で得られた成形体を焼成する必須の工程である。
焼成は、熱間静水圧(HIP)焼成等によって行うことができる。
また、燃焼時間が30分未満であると、ターゲットの密度が上がり難く、360時間より長いと、製造時間がかかり過ぎコストが高くなるため、実用上採用できない。
還元工程は、上記焼成工程で得られた焼結体のバルク抵抗をターゲット全体として均一化するために還元処理を行う、必要に応じて設けられる工程である
本工程で適用することができる還元方法としては、例えば、還元性ガスによる方法や真空焼成又は不活性ガスによる還元等が挙げられる。
加工工程は、上記のようにして焼結して得られた焼結体を、さらにスパッタリング装置への装着に適した形状に切削加工し、またバッキングプレート等の装着用治具を取り付けるための、必要に応じて設けられる工程である。
ここで、ピークのシフト角は、X線回折のチャートを解析することによって測定することができる。
シフト方向がプラス側(広角側)であると、キャリア発生が不十分となりターゲットの抵抗が高くなるおそれがある。これは、Zn2SnO4中への他原子の固溶量(原子数)が不十分でキャリア電子が十分に発生していないためと推測される。
尚、Zn2SnO4粉末のX線回折(XRD)ピーク位置は、JCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)データベースのNo.24−1470に公開されている。
本発明の透明導電膜は、上記本発明のスパッタリングターゲットをスパッタリング法により成膜してなることを特徴とする。
透明導電膜の比抵抗は、四探針法により測定することができる。
また、本発明の透明導電膜の膜厚は、通常1〜500nm、好ましくは10〜240nm、より好ましくは20〜190nm、特に好ましくは30〜140nmの範囲内である。500nmより厚いと、部分的に結晶化したり、成膜時間が長くなるおそれがあり、1nmより薄いと、基板の影響を受け、比抵抗が高くなるおそれがある。透明導電膜の膜厚は、触針法により測定できる。
本発明の透明電極は、上記本発明の透明導電膜をエッチングして得られることを特徴とする。
本発明の透明電極は、上記本発明の透明導電膜から作製されているため、本発明の透明導電膜の上記特性を備えている。
また、エッチングされた端部のテーパー角は、35〜89度が好ましく、40〜87度がより好ましく、45〜85度の範囲内が特に好ましい。テーパー角が35度より小さいと、テーパー部分が広がり過ぎ開口率が下がったり、短絡するおそれがある。89度より大きいと、逆テーパーとなり、耐久性が低下したりパネルが正常に機能しなくなるおそれがある。
電極端部のテーパー角は、断面を電子顕微鏡(SEM)で観察することによって測定することができる。
実施例1
(1)スパッタリングターゲットの製造及び評価
(i)ターゲットの製造
ターゲットの製造原料として、平均粒径3.4μm、純度4Nの酸化インジウム、0.6μm、純度4Nの酸化亜鉛、0.5μm、純度4Nの酸化錫とを、原子比〔In/(In+Sn+Zn)〕が0.53、原子比〔Sn/(In+Sn+Zn)〕が0.17、原子比〔Zn/(In+Sn+Zn)〕が0.30となるように混合して、これを湿式ボールミルに供給し、72時間混合粉砕して、原料微粉末を得た。
得られたターゲットにつき、理論相対密度、バルク抵抗値、X線回折分析、結晶粒径及び各種物性を測定した。得られたX線回折のチャートを図1に示す。
ICP発光分析法で元素分析を行ったところ、In/(In+Sn+Zn)=0.53、Sn/(In+Sn+Zn)=0.17、Zn/(In+Sn+Zn)=0.30であった。
装置:(株)リガク製Ultima−III
X線:Cu−Kα線(波長1.5406Å、グラファイトモノクロメータにて単色化)
2θ−θ反射法、連続スキャン(1.0°/分)
サンプリング間隔:0.02°
スリット DS、SS:2/3°、RS:0.6mm
・加速電圧:15kV
・試料電流:0.05μA
・Beam Size:1μm
・Step Size:0.2×0.2μm
上記条件により測定した結果、焼結体は図5に示すようにインジウム(In)リッチ相と亜鉛(Zn)リッチ相とがはっきりとした海島構造をとり、各々の画像から算出した面積S(In)、S(Zn)の面積比S(Zn)/S(In)は、0.9であった。
(i)透明導電膜の成膜
上記(1)(i)で得られたスパッタリングターゲットを、DCマグネトロンスパッタリング装置に装着し、室温において、ガラス基板上に透明導電膜を成膜した。
このときのスパッタ条件としては、スパッタ圧力1×10−1Pa、到達圧力5×10−4Pa、基板温度200℃、投入電力120W、成膜時間15分間、導入ガスはアルゴンガス100%とした。
この結果、ガラス基板上に、膜厚が約100nmの透明導電性酸化物が形成された透明導電ガラスが得られた。
(1)(i)で得られたスパッタリングターゲットを、DCマグネトロンスパッタリング装置に装着し、アルゴンガスに3%の水素ガスを添加した混合ガスを用いた他は、上記(2)(i)と同一条件下に、240時間連続してスパッタリングを行い異常放電の有無をモニターしたが、異常放電は1度も確認されなかった。
下記表1において、異常放電の有無の表示は、異常放電無しの場合を「○」で表し、異常放電有りの場合を「×」で表す。
上記(1)(i)で得られたターゲットを用い、上記(2)(ii)と同じ条件で8時間連続してスパッタリングを行った。次いで、スパッタリング後のターゲットの表面を実体顕微鏡により30倍に拡大して観察した。ターゲット上の任意の3点で囲まれた視野900mm2中における20μm以上のノジュール発生数をそれぞれ測定し平均値を求めた。
上記(2)(i)で得られた透明導電ガラス上の透明導電膜の導電性について、四探針法により比抵抗を測定したところ、4×10−4Ω・cm(400μΩ・cm)であった。
尚、透明導電膜のX線回折測定(XRD)の測定条件は以下の通りであった。
装置:(株)リガク製Ultima−III
X線:Cu−Kα線(波長1.5406Å、グラファイトモノクロメータにて単色化)
2θ−θ反射法、連続スキャン(1.0°/分)
サンプリング間隔:0.02°
スリット DS、SS:2/3°、RS:0.6mm
原料の金属酸化物の配合比を表1に示す原子比となるように変更した他は実施例1と同様にターゲットを作製・評価し、同様に透明導電膜を作製・評価した。結果を表1に示す。実施例3及び4で得られたターゲットに関するX線回折のチャートを図2及び3に示す。
また、比較例1で得られた焼結体に関し、実施例1と同様に測定した電子線マイクロアナライザー(EPMA)画像を図6に示す。
尚、比較例2、4及び5については、DCスパッタリングでは放電が安定しないおそれがあるため、RFスパッタリングを行った。
また、上記ターゲットを用いて成膜された透明導電膜は、異常放電が生じることがなく、ノジュールの発生もなく、比抵抗が低く、適度な蓚酸エッチング速度を有し、PAN耐性を有することがわかる。
本発明のスパッタリングターゲットを用いることにより、ノジュールの発生がなく、比抵抗が低く、適度な蓚酸エッチング速度を有し、PAN耐性を有する透明導電膜及び透明電極が得られる。
また、本発明のターゲットは安定にスパッタリングが行なえるため、成膜条件を調整するなどしてTFT(薄膜トランジスタ)に代表される透明酸化物半導体の成膜にも適用できる。
Claims (13)
- 少なくともインジウム、錫及び亜鉛を含有し、Zn2SnO4で表されるスピネル構造化合物及びIn2O3で表されるビックスバイト構造化合物を含む酸化物の焼結体であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
- In/(In+Sn+Zn)で表わされる原子比が0.25〜0.6の範囲内、Sn/(In+Sn+Zn)で表わされる原子比が0.15〜0.3の範囲内、及びZn/(In+Sn+Zn)で表わされる原子比が0.15〜0.5の範囲内の値であることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
- X線回折(XRD)におけるピークについて、Zn2SnO4で表されるスピネル構造化合物の最大ピーク強度(I(Zn2SnO4))と、In2O3で表されるビックスバイト構造化合物の最大ピーク強度(I(In2O3))の比(I(Zn2SnO4)/I(In2O3))が、0.05〜20の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2記載のスパッタリングターゲット。
- X線回折(XRD)におけるピークについて、
SnO2で表されるルチル構造化合物の最大ピーク強度(I(SnO2))、
Zn2SnO4で表されるスピネル構造化合物の最大ピーク強度(I(Zn2SnO4))、及び
In2O3で表されるビックスバイト構造化合物の最大ピーク強度(I(In2O3))
が下記の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のスパッタリングターゲット。
I(SnO2)<I(Zn2SnO4)
I(SnO2)<I(In2O3)
I(SnO2)<Max.(I(Zn2SnO4),I(In2O3))÷10
[上記関係式中、(Max.(X,Y)は、XとYのいずれか大きい方を表す。] - X線回折(XRD)におけるピークについて、
ZnOで表されるウルツ鉱形化合物の最大ピーク強度(I(ZnO))、
Zn2SnO4で表されるスピネル構造化合物の最大ピーク強度(I(Zn2SnO4))、及び
In2O3で表されるビックスバイト構造化合物の最大ピーク強度(I(In2O3))
が下記の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のスパッタリングターゲット。
I(ZnO)<I(Zn2SnO4)
I(ZnO)<I(In2O3)
I(ZnO)<Max.(I(Zn2SnO4),I(In2O3))÷10
[上記関係式中、(Max.(X,Y)は、XとYのいずれか大きい方を表す。] - X線回折(XRD)におけるピークについて、
In2O3(ZnO)m(mは2〜20の整数を表す。)で表される六方晶層状化合物の最大ピーク強度(I(In2O3(ZnO)m))、
Zn2SnO4で表されるスピネル構造化合物の最大ピーク強度(I(Zn2SnO4))、
In2O3で表されるビックスバイト構造化合物の最大ピーク強度(I(In2O3))
が下記の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載のスパッタリングターゲット。
I(In2O3(ZnO)m)<I(Zn2SnO4)
I(In2O3(ZnO)m)<I(In2O3)
I(In2O3(ZnO)m)<Max.(I(Zn2SnO4),I(In2O3))÷10
[上記関係式中、(Max.(X,Y)は、XとYのいずれか大きい方を表す。] - 電子線マイクロアナライザー(EPMA)の画像において、インジウムリッチな部分S(In)と鉛リッチな部分S(Zn)とが海島構造を構成し、その面積比S(Zn)/S(In)が0.05〜100の範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載のスパッタリングターゲット。
- In2O3で表されるビックスバイト構造化合物の結晶粒径が10μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載のスパッタリングターゲット。
- バルク抵抗が0.3〜100mΩ・cmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜8いずれか一項記載のスパッタリングターゲット。
- 理論相対密度が90%以上であることを特徴とする請求項1〜9いずれか一項記載のスパッタリングターゲット。
- インジウム化合物の粉末、亜鉛化合物の粉末、及びそれらの粉末の粒子径よりも小さい粒子径の錫化合物粉末を、
In/(In+Sn+Zn)で表わされる原子比が0.25〜0.6の範囲内、Sn/(In+Sn+Zn)で表わされる原子比が0.15〜0.3の範囲内、及びZn/(In+Sn+Zn)で表わされる原子比が0.15〜0.5の範囲内の割合で配合した混合物を得る工程と、
該混合物を加圧成形し成形体を作る工程と、
該成形体を焼結する工程と、
を含む請求項1〜10のいずれか一項記載のスパッタリングターゲットの製造方法。 - 請求項1〜10いずれか一項記載のスパッタリングターゲットをスパッタリング法により成膜してなる透明導電膜。
- 請求項12記載の透明導電膜をエッチングして得られる透明電極。
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- 2011-09-12 JP JP2011198019A patent/JP2012031521A/ja active Pending
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