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JP2011203306A - 電子写真感光体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ Download PDF

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JP2011203306A
JP2011203306A JP2010067891A JP2010067891A JP2011203306A JP 2011203306 A JP2011203306 A JP 2011203306A JP 2010067891 A JP2010067891 A JP 2010067891A JP 2010067891 A JP2010067891 A JP 2010067891A JP 2011203306 A JP2011203306 A JP 2011203306A
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Takanori Suga
孝紀 須賀
Noriyuki Yamashita
敬之 山下
Hiroichi Sakashita
博一 坂下
Keiko Matsuki
敬子 松木
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

【課題】接触帯電方式において生じる放電生成物の付着による画像流れおよび画質欠陥の抑制。
【解決手段】導電性基体と、中間層と、感光層と、反応性の置換基を有しイオン化ポテンシャルの異なる2種以上の電荷輸送材料を全固形分に対し90質量%以上含有し、前記2種以上の電荷輸送材料の全量に対する各電荷輸送材料の含有比率Xが式(1),式(2)を満たす表面層と、を有する接触帯電方式用の電子写真感光体。
X(n)≧X(n−1) (1)
X(L)>X(H) (2)
〔X(n)はn番目にイオン化ポテンシャルが高い電荷輸送材料の含有比、X(n−1)はn−1番目にイオン化ポテンシャルが高い電荷輸送材料の含有比、nは2以上且つ表面層の電荷輸送材料の種類の数以下の整数、X(L)は最もイオン化ポテンシャルが低い電荷輸送材料の含有比、X(H)は最もイオン化ポテンシャルが高い電荷輸送材料の含有比を表す。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジに関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる電子写真感光体の構成としては、電荷発生材料および電荷輸送材料の双方を含有する層を備える単層型感光体や、電荷発生材料を含有する層(電荷発生層)と電荷輸送材料を含有する層(電荷輸送層)とがそれぞれ別個に設けられた機能分離型感光体がある。さらに、最表面の保護を目的とした表面層を設けた感光体が提案されている。
表面層の組成としては、導電粉をフェノール樹脂に分散したもの(例えば、特許文献1参照)、有機−無機ハイブリッド材料によるもの(例えば、特許文献2参照)、連鎖重合性材料によるもの(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。また、その他にもアクリル系材料によるもの(例えば、特許文献4参照)、アルコール可溶性電荷輸送材料とフェノール樹脂によるもの(例えば、特許文献5参照)が提案されている。
また、アルキルエーテル化ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂と、電子受容性カルボン酸、または電子受容性ポリカルボン酸無水物の硬化膜が提案されている(例えば、特許文献6参照)。更に、ベンゾグアナミン樹脂にヨウ素、有機スルホン酸化合物、または塩化第二鉄などをドーピングした硬化膜(例えば、特許文献7参照)や、特定の添加剤とフェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シロキサン樹脂、またはウレタン樹脂との硬化膜(例えば、特許文献8参照)等が提案されている。
また、表面層の電荷輸送材料のイオン化ポテンシャルが電荷輸送層の電荷輸送材料のイオン化ポテンシャルより小さい感光体が提案されている(例えば特許文献9参照)。
更に、表面層の電荷輸送材料と電荷輸送層の電荷輸送材料のイオン化ポテンシャルの差が0.4eVである感光体が提案されている(例えば、特許文献10参照)。
また更に、表面層と電荷輸送層のイオン化ポテンシャルの差が−0.2eV以上0.1eV以下である感光体が提案されている(例えば、特許文献11参照)。
特許第3287678号公報 特開平12−019749号公報 特開2005−234546号公報 特開2000−66424号公報 特開2002−82469号公報 特開昭62−251757号公報 特開平7−146564号公報 特開2006−84711公報 特開2000−292959号公報 特開2001−255685号公報 特開2003−186222号公報
本発明は、式(1)および式(2)を満たさない場合に比べ、接触帯電方式において生じる放電生成物の付着による画像流れおよび画質欠陥の発生を抑制した電子写真感光体を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
即ち、請求項1に係る発明は、
電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触する最外層を基材上に有し且つ電圧が印加された状態で前記電子写真感光体に接触して前記電子写真感光体を帯電させる帯電部材を有する帯電装置と、帯電された前記電子写真感光体の表面を露光し静電潜像を形成する露光装置と、前記電子写真感光体の表面に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置と、を備える画像形成装置に用いられ、
導電性基体と、
中間層と、
感光層と、
反応性の置換基を有しイオン化ポテンシャルの異なる2種以上の電荷輸送材料を全固形分に対し90質量%以上含有し、前記2種以上の電荷輸送材料の全量に対する各電荷輸送材料の含有比率Xが下記式(1)および下記式(2)を満たす表面層と、
をこの順に有する接触帯電方式用の電子写真感光体である。
X(n)≧X(n−1) 式(1)
X(L)>X(H) 式(2)
〔前記式(1)中、X(n)は前記2種以上の電荷輸送材料のうちn番目にイオン化ポテンシャルが高い電荷輸送材料の電荷輸送材料全量に対する含有比率(質量%)を、X(n−1)は前記2種以上の電荷輸送材料のうちn−1番目にイオン化ポテンシャルが高い電荷輸送材料の電荷輸送材料全量に対する含有比率(質量%)を表し、nは2以上であり且つ前記表面層に含有される電荷輸送材料の種類の数以下の整数を表す変数である。前記式(2)中、X(L)は前記2種以上の電荷輸送材料のうち最もイオン化ポテンシャルが低い電荷輸送材料の電荷輸送材料全量に対する含有比率(質量%)を、X(H)は前記2種以上の電荷輸送材料のうち最もイオン化ポテンシャルが高い電荷輸送材料の電荷輸送材料全量に対する含有比率(質量%)を表す。〕
請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の電子写真感光体と、
該電子写真感光体に接触する最外層を基材上に有し且つ電圧が印加された状態で前記電子写真感光体に接触して前記電子写真感光体を帯電させる帯電部材を有する帯電装置と、
帯電された前記電子写真感光体の表面を露光し静電潜像を形成する露光装置と、
前記電子写真感光体の表面に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、
前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置と、
を備える画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、
電子写真感光体に接触する最外層を基材上に有する帯電部材に、電圧を印加した状態で前記電子写真感光体に接触させて前記電子写真感光体を帯電させる接触帯電方式の画像形成装置に対して着脱自在であり、
請求項1に記載の電子写真感光体と、
前記帯電部材を有する帯電装置、帯電された前記電子写真感光体の表面を露光し静電潜像を形成する露光装置、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置、前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置および前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置の群から選ばれる少なくとも1種と、
を備えるプロセスカートリッジである。
請求項1に係る発明によれば、式(1)および式(2)を満たさない場合に比べ、接触帯電方式において生じる放電生成物の付着による画像流れおよび画質欠陥の発生を抑制した電子写真感光体が提供される。
請求項2に係る発明によれば、式(1)および式(2)を満たさない場合に比べ、接触帯電方式において生じる放電生成物の付着による画像流れおよび画質欠陥の発生を抑制した画像形成装置が提供される。
請求項3に係る発明によれば、式(1)および式(2)を満たさない場合に比べ、接触帯電方式において生じる放電生成物の付着による画像流れおよび画質欠陥の発生を抑制したプロセスカートリッジが提供される。
本実施形態に係る感光体の一例における層構造を示す模式断面図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に用いられる帯電部材の層構成の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に用いられる帯電部材の層構成の別の一例を示す模式断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<電子写真感光体>
本実施形態に係る電子写真感光体(以下単に「感光体」と称す場合がある)は、導電性基体と、中間層と、感光層と、反応性の置換基を有しイオン化ポテンシャルの異なる2種以上の電荷輸送材料を全固形分に対し90質量%以上含有し、前記2種以上の電荷輸送材料の全量に対する各電荷輸送材料の含有比率Xが下記式(1)および下記式(2)を満たす表面層と、をこの順に有することを特徴とする。
X(n)≧X(n−1) 式(1)
X(L)>X(H) 式(2)
〔前記式(1)中、X(n)は前記2種以上の電荷輸送材料のうちn番目にイオン化ポテンシャルが高い電荷輸送材料の電荷輸送材料全量に対する含有比率(質量%)を、X(n−1)は前記2種以上の電荷輸送材料のうちn−1番目にイオン化ポテンシャルが高い電荷輸送材料の電荷輸送材料全量に対する含有比率(質量%)を表し、nは2以上であり且つ前記表面層に含有される電荷輸送材料の種類の数以下の整数を表す変数である。前記式(2)中、X(L)は前記2種以上の電荷輸送材料のうち最もイオン化ポテンシャルが低い電荷輸送材料の電荷輸送材料全量に対する含有比率(質量%)を、X(H)は前記2種以上の電荷輸送材料のうち最もイオン化ポテンシャルが高い電荷輸送材料の電荷輸送材料全量に対する含有比率(質量%)を表す。〕
尚、上記本実施形態に係る感光体は、該感光体と、該感光体に接触する最外層を基材上に有し且つ電圧が印加された状態で前記感光体に接触して前記感光体を帯電させる帯電部材を有する帯電装置と、帯電された前記感光体の表面を露光し静電潜像を形成する露光装置と、前記感光体の表面に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記感光体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、前記感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置と、を備える画像形成装置に用いられる接触帯電方式用の感光体である。
ここで、上記式(1)および上記式(2)について説明する。
本実施形態に係る感光体は、表面層に反応性の置換基を有しイオン化ポテンシャルの異なる2種以上の電荷輸送材料を含有し、前記2種以上の電荷輸送材料の全量に対する各電荷輸送材料の含有比率Xが上記式(1)および上記式(2)を満たす。即ち、
・2種の電荷輸送材料を含有する場合であれば
X(2)>X(1) 式(1−2)
・3種の電荷輸送材料を含有する場合であれば
X(3)≧X(2)≧X(1) 式(1−3)
且つ X(3)>X(1) 式(2−3)
・x種(x≧4)の電荷輸送材料を含有する場合であれば
X(x)≧・・・X(3)≧X(2)≧X(1) 式(1−x)
且つ X(x)>X(1) 式(2−x)
の各式を満たす。
〔前記式(1−2),式(1−3),式(1−x),式(2−3),式(2−x)中、X(1)は前記2種以上の電荷輸送材料のうち1番目に、X(2)は2番目に、X(3)は3番目に、X(x)はx番目にイオン化ポテンシャルが高い電荷輸送材料の含有比率(質量%)を表す。〕
即ち、本実施形態においては、x種(x≧4)の電荷輸送材料を含有する場合であれば、イオン化ポテンシャルが1番低い電荷輸送材料の含有量が2番目に低い電荷輸送材料の含有量以上であり、2番目に低い電荷輸送材料の含有量が3番目に低い電荷輸送材料の含有量以上であり、x−1番目に低い電荷輸送材料の含有量がx番目に低い(即ちイオン化ポテンシャルが1番高い)電荷輸送材料の含有量以上である。また、イオン化ポテンシャルが1番低い電荷輸送材料の含有量はx番目に低い(即ちイオン化ポテンシャルが1番高い)電荷輸送材料の含有量よりも多い。
画像形成装置の像保持体として感光体を用いた場合、帯電装置からのオゾン、NOx等の放電生成物が感光体の表面に付着することがある。ここで、帯電装置として基材上にゴム層等の最外層(感光体に接触する層)を設けた接触帯電方式の帯電部材を使用した場合、感光体にかかるストレスが強くなるため、クリーニング部材を接触させる圧力を減少させる場合があり、感光体表面に付着する放電生成物が除去しづらくなることがあった。また、特に架橋構造を有する表面層を備える等により耐久性が向上した感光体では、表面がリフレッシュされにくいことから、画像形成装置が停止した後に帯電装置に蓄積した放電生成物が再放出されて感光体表面に付着し、この放電生成物によって画像流れが発生することがあった。
また、長期間に渡って連続プリントを行う等によって感光体の最外層が摩耗するために偏摩耗が生じることがあり、その結果色筋、色点などの画質欠陥が生じることがあった。
これに対し、本実施形態に係る感光体では、前述の通り、複数種の電荷輸送材料の含有量をそのイオン化ポテンシャルに応じて制御することにより、放電生成物の付着による画像流れおよび画質欠陥の発生が抑制される。
−イオン化ポテンシャルの測定−
上記電荷輸送材料のイオン化ポテンシャルの測定は、理研計器社製大気中光電子分光装置AC−2を用いて行われる。本明細書に記載の数値は、該方法により行われたものである。
ついで、本実施形態に係る感光体を、図面を用いて詳細に説明する。尚、以下においては、本実施形態に係る感光体の一例として、電荷発生層と電荷輸送層とを有する機能分離型の感光層を備えた感光体について説明する。
図1は本実施形態に係る感光体の断面を示す模式図である。図1においては導電性支持体21上に中間層22が設けられ、その上に電荷発生層23、電荷輸送層24が設けられており、さらに感光層(電荷発生層23および電荷輸送層24)上に表面層25が設けられている。
・導電性支持体
導電性支持体21としては、例えばアルミニウム製のものが好適に用いられ、ドラム状、シート状、プレート状等の形状のものとして使用されるが、これらに限定されるものではない。また、陽極酸化処理や、ベーマイト処理、ホーニング処理などを行ってもよい。
・中間層
中間層22に用いられる材料としては、例えば、有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物のほか、その他有機金属化合物、とくに有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は好ましく使用される。
また中間層22には、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレノキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の公知の結着樹脂が用いられる。
また、中間層22中には電子輸送性顔料を混合/分散して使用してもよい。電子輸送性顔料としては、ペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機顔料が挙げられる。また、これらの顔料の表面は、分散性、電荷輸送性を制御する目的で上記カップリング剤や、バインダーなどで表面処理しても良い。
・電荷発生層
次に電荷発生層23について説明する。電荷発生層23は電荷発生材料および結着樹脂を含んで構成される。電荷発生材料は、赤外領域に光感度を持ち、高感度であるフタロシアニン系が好ましく、特にCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2)において、少なくとも7.5,9.9,12.5,16.3,18.6,25.1,28.1の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、あるいはCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2)において、少なくとも7.6,18.3,23.2,24.2,27.3の位置に回折ピークを有するチタニルフタロシアニンが好ましい。
結着樹脂は、広範な絶縁性樹脂から選択され、また有機光導電性ポリマーから選択してもよい。例えば、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコン−アルキド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾールなどが挙げられる。結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いられる。
・電荷輸送層
次に電荷輸送層24について説明する。電荷輸送層24は、電荷輸送材料および結着樹脂を含んで構成されるものである。電荷輸送材料は、公知の電荷輸送材料が用いられる。また、電荷輸送材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電荷輸送層24の結着樹脂は特に制限されないが、公知のフィルムを形成し得る電気絶縁性の樹脂が好ましい。中でもポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂は好ましく用いられる。これらの結着樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、感光層(電荷発生層23、電荷輸送層24)中に酸化防止剤・光安定剤・熱安定剤等の添加剤を添加してもよい。
・表面層
次に表面層25について説明する。表面層は本実施形態に係る感光体において最表面を構成する層であり、最表面の磨耗、傷などに対する耐性を持たせるために設けられる層である。
表面層25は、反応性の置換基を有しイオン化ポテンシャルの異なる電荷輸送材料を2種以上且つ全固形分に対し90質量%以上含有し、前記2種以上の電荷輸送材料の全量に対する各電荷輸送材料の含有比率Xが前記式(1)および前記式(2)を満たす。
また、表面層25の膜厚が5μm以上10μm以下であることが好ましい。
(電荷輸送材料)
表面層25に用いる電荷輸送材料は、反応性の置換基を有している。尚、本実施形態において上記「反応性の置換基」とは、熱や光等の外部からの刺激によって置換基同士が反応して結合する置換基を表す。該反応性の置換基の具体例としては、例えば、−OH、−OCH、−NH、−SH、または−COOH等が挙げられる。
上記置換基を1つ以上有する電荷輸送材料が好適に用いられ、特に下記式(I)で示される構造を有する化合物が好ましい。
F−((−R12−X)n1(R13n3−Y)n2 (I)
[式中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R12、R13はそれぞれ独立に炭素数1以上5以下の分岐してもよいアルキレン基、n1は0または1を示し、n2は1以上4以下の整数を示し、n3は0または1を示す。Xは酸素、NHまたは硫黄を示し、Yは−OH、−OCH、−NH、−SH、または−COOHを示す。]
一般式(I)で示される化合物の具体例としては、以下に示す化合物が挙げられる。







(その他の材料)
保護層25は、前述の電荷輸送材料と、下記一般式(A)および一般式(B)で示されるグアナミン化合物およびメラミン化合物の少なくとも1種と、を架橋してなる硬化性の架橋膜であることが望ましい。

[式中Rは、炭素数1以上10以下の分岐してもよいアルキル基、炭素数6以上10以下の置換あるいは未置換のフェニル基を示し、R乃至Rはそれぞれ独立に、水素、−CH−OH、−CH−O−R14を、R14は炭素数1以上5以下の分岐してもよいアルキル基を示す。]

[式中R乃至R11はそれぞれ独立に、水素、−CH−OH、−CH−O−R15を、R15は炭素数1以上5以下の分岐してもよいアルキル基を示す。]
また、表面層25は、さらに他のカップリング剤、フッ素化合物を混合して用いても良い。この化合物として、各種シランカップリング剤、および市販のシリコーン系ハードコート剤が用いられる。
また、表面層25にはアルコールに溶解する樹脂を加えてもよい。
また、表面層25は触媒を使用してもよい。硬化触媒として酸系の触媒が好ましく用いられる。酸系の触媒としては、酢酸、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、乳酸などの脂肪族カルボン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの芳香族カルボン酸、メタンスルホン酸、ドデシルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、などの脂肪族、および芳香族スルホン酸類などが用いられるが、含硫黄系材料を用いることが好ましい。触媒の配合量は固形分に対して、0.01%以上5%以下であることが好ましい。
尚、上記においては、電荷発生層と電荷輸送層とを有する機能分離型の感光層を例に説明したが、本実施形態に係る感光体はこれに限定されるものではなく、電荷発生材料および電荷輸送材料の双方を含有する層を備える単層型の感光体であってもよい。
<画像形成装置およびプロセスカートリッジ>
次に、本実施形態に係る画像形成装置およびプロセスカートリッジについて説明する。
尚、本実施形態に係る画像形成装置は、前述の本実施形態に係る感光体と、該感光体に接触する最外層を基材上に有し且つ電圧が印加された状態で前記感光体に接触して前記感光体を帯電させる帯電部材を有する帯電装置と、帯電された前記感光体の表面を露光し静電潜像を形成する露光装置と、前記感光体の表面に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記感光体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、前記感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置と、を備えることを特徴とする。
また、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、感光体に接触する最外層を基材上に有する帯電部材に、電圧を印加した状態で前記感光体に接触させて前記感光体を帯電させる接触帯電方式の画像形成装置に対して着脱自在であり、前述の本実施形態に係る感光体と、前記帯電部材を有する帯電装置、帯電された前記感光体の表面を露光し静電潜像を形成する露光装置、前記感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置、前記感光体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置および前記感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置の群から選ばれる少なくとも1種と、を備えることを特徴とする。
ついで、本実施形態に係る画像形成装置およびプロセスカートリッジを、図面を用いて詳細に説明する。
次に、本実施形態のプロセスカートリッジの構成の一例について説明する。図2は本実施形態のプロセスカートリッジの好適な一実施形態を概略的に示す断面図である。プロセスカートリッジ300は、電子写真感光体207とともに、帯電装置208、現像装置211、クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部218、および、除電露光のための開口部217を取り付けレール216を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
このプロセスカートリッジ300は、現像装置211により形成されたトナー像を被転写体(画像出力媒体)500に転写する転写装置212と、定着装置215と、図示しない他の構成部分とを有する画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
プロセスカートリッジ300が備える各部材(現像装置211、クリーニング装置213、など)については、後述の画像形成装置200の説明中で詳しく述べる。
次に、本実施形態の画像形成装置について説明する。以下、本実施形態の画像形成装置の一例について、図3を参照して説明する。
図3は、第1実施形態に係る画像形成装置の基本構成を概略的に示す断面図である。
図3に示す画像形成装置200は、電子写真感光体207と、電子写真感光体207に接触して該電子写真感光体207を帯電させる帯電部材を有する帯電装置208と、帯電装置208に接続された電源209と、帯電装置208により帯電される電子写真感光体207を露光して潜像を形成する露光装置206と、露光装置206により形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置211と、現像装置211により形成されたトナー像を被転写体(記録媒体)500に転写する転写装置212と、クリーニング装置213と、除電器214と、定着装置215とを備える。なお、この場合には、除電器214が設けられていないものもある。
図3中の帯電装置208は、電子写真感光体207に接触する最外層を基材上に有し且つ電圧が印加された状態で前記電子写真感光体207に接触して前記電子写真感光体207を帯電させる方式(接触帯電方式)のものである(帯電装置については、後に詳述する)。
露光装置206としては、例えば、電子写真感光体表面に、半導体レーザー、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光する光学系装置等を用いる。
現像装置211にはトナーが収容される。本実施形態で用いられるトナーは、例えば結着樹脂と着色剤とを含んで構成される。結着樹脂としては、スチレン類、モノオレフィン類、ビニルエステル類、α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類等の単独重合体および共重合体が例示され、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等も挙げられる。
着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等が代表的なものとして挙げられる。
トナーには、帯電制御剤、離型剤、無機粒子等の公知の添加剤を内添加処理や外添加処理してもよい。
離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等が代表的なものとして挙げられる。
帯電制御剤としては、公知のものが使用されるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプ等の帯電制御剤を用いてもよい。
無機粒子としては、平均1次粒径が40nm以下の小径無機粒子を用い、更に必要に応じて、それより大径の無機あるいは有機粒子を併用してもよい。これらの無機粒子は公知のものが使用される。
また、小径無機粒子については表面処理を施してもよい。
本実施形態で用いられるトナーの製造方法としては、乳化重合凝集法や溶解懸濁法等などの重合法が好ましく用いられる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。外添剤を添加する場合、トナーおよび外添剤をヘンシェルミキサーあるいはVブレンダー等で混合することによって製造する。また、トナーを湿式にて製造する場合は、湿式にて外添してもよい。
転写装置212としては、電子写真感光体207上に形成されたトナー像を被転写体500に転写する際に、電子写真感光体に向けて予め定めた電流密度の電流を供給するものであることが好ましい。
クリーニング装置213は、転写工程後の電子写真感光体の表面に付着する残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニング装置としては、クリーニングブレードの他、例えば、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等を用いるが、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
また、本実施形態の画像形成装置は、図3に示したように、イレース光照射装置(除電器)214をさらに備えていてもよい。
・帯電装置
本実施形態に用いられる接触帯電方式の帯電装置は、感光体に接触して該感光体表面を帯電させるものである。
該帯電装置における帯電部材としては、電子写真感光体207に接触する最外層を基材上に有するロール形状のもの(以下、「帯電ロール」ともいう)が用いられる。
帯電ロールの構成は、特に制限されるものではないが、少なくとも、導電性の基材上に導電性弾性層が設けられたものであればよく、この導電性弾性層上に抵抗層や表面層などの他の層が形成されたものであってもよい。また、必要に応じて、層間に接着剤を用いてもかまわない。
なお、本実施形態において「導電性」とは、体積抵抗率が1013Ω・cm未満である性質を指し、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ω・cm以上である性質を指す。
図4および図5に、本実施形態における帯電ロールの層構成の一例を示す。
図4は、基材31表面に導電性の弾性層32および表面層33が順次形成された帯電ロールの断面図を示す。但し、表面層33は省略されていてもよい。
また、図5は基材31表面に導電性の弾性層32、抵抗層34および表面層33が順次形成された帯電ロールの断面図を示す。尚、各層間に接着剤を用いてもよい。
以下、前記帯電ロールを構成する、基材、導電性弾性層、抵抗層、および表面層について詳細に説明する。
基材は、帯電ロールの電極および支持部材として機能するもので、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属または合金;クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄;導電性の樹脂;などの導電性の材質で構成される。
導電性弾性層および抵抗層は、例えば、ゴム材中に導電剤を分散させることによって形成される。ゴム材としては、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴム等、およびこれらのブレンドゴムが挙げられる。これらの中でも、ポリウレタン、シリコーンゴム、EPDM、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、NBRおよびこれらのブレンドゴムが好ましく用いられる。
特に、導電性弾性層では、これらのゴム材は発泡したものであっても無発泡のものであってもよい。
上記のゴム材に分散させる導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が用いられる。 電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの粉末が挙げられる。また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;が挙げられる。
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、その添加量は特に制限はないが、上記電子導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲であることが好ましく、5質量部以上25質量部以下の範囲であることがより好ましい。一方、上記イオン導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下の範囲であることがより好ましい。
導電性弾性層の形成に際しては、この層を構成する導電剤、ゴム材、その他の成分(加硫剤や必要に応じて添加される発泡剤等)の各成分の混合方法や混合順序は特に限定されないが、一般的な方法としては、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等により混合し、押出成形やプレス成形、射出成形等によって成形する方法が挙げられる。
表面層は高分子材料を用いて構成される。高分子材料としては、特に制限されないが、ポリアミド、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、メラミン樹脂、フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
これらの高分子材料は単独で用いてもよく、2種以上を混合或いは共重合して用いてもよい。また、高分子材料の数平均分子量は、1,000以上100,000以下の範囲であることが好ましく、10,000以上50,000以下の範囲であることがより好ましい。
表面層は、上記高分子材料の他に、導電剤として前述した導電性弾性層に用いた導電剤や各種粒子を用いて構成されることが好ましい。これらの添加量は特に制限はないが、高分子材料100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下の範囲であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下の範囲であることがより好ましい。
表面層に用いられる粒子としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム等の金属酸化物および複合金属酸化物、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン等の高分子微粉体が、単独または混合して用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
表面層の形成に際しては、導電性弾性層表面に表面層を構成する材料を含む塗布液を浸漬塗布等の公知の塗布法を利用して塗膜を形成し、この塗膜を加熱乾燥させる方法が用いられる。また、予めチューブ状に形成した表面層を導電性弾性層表面にかぶせて、形成してもよい。
なお、表面層は接着剤を用いて導電性弾性層表面と接着固定してもよい。
チューブにおいては、基材および導電性弾性層を有するロールの外径よりも、内径が若干小さいチューブ状の表面層を用いる場合は、チューブ状の表面層の内周側に空気等の流体を注入した状態とし、この状態で表面層内周側にロールを挿入し、その後、流体の注入を停止させることで導電性弾性層表面に表面層を固定してもよい。
以下本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
<感光体の作製>
−中間層の形成−
酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ社製試作品)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.5質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、150℃で2時間焼き付けを行った。
前記表面処理を施した酸化亜鉛60質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート、スミジュール3175:住友バイエルンウレタン社製)15質量部と、ブチラール樹脂BM−1(積水化学社製)15質量部と、をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い、中間層分散液を得た。得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部を添加し、中間層塗布液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて直径84mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム基体上に塗布し、160℃、100分の乾燥硬化を行い厚さ20μmの中間層を得た。
−電荷発生層の形成−
次に、電荷発生材料として、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを用い、その15質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10質量部およびn−ブチルアルコール300質量部からなる混合物をサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液を、上記中間層上に浸漬塗布し、100℃、10分乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
−電荷輸送層の形成−
次に電荷輸送層として、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン45部と、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(TS2050:粘度平均分子量50,000:帝人化成社製)55質量部とをテトロヒドロフラン300質量部およびモノクロロベンゼン100質量部に十分に溶解混合した塗布液を、電荷発生層まで形成したアルミニウム基体上に浸漬塗布し、125℃、60分で乾燥することにより、膜厚19μmの電荷輸送層を形成した。
−表面層の形成−
次に表面層として、前述の化合物例I−8に表される電荷輸送材料30質量部、化合物例I−30に表される電荷輸送材料60質量部、以下に示す構造のメラミン10質量部を、t−BuOH200質量部に溶解させた。得られた塗布液を電荷輸送層まで形成したアルミニウム基体上に浸漬塗布し、150℃、40分で乾燥することにより、膜厚5μmの表面層を形成した。

〔評価〕
(画質試験)
得られた感光体を、画像形成装置(富士ゼロックス社製、Docu Centre Color 500)に搭載して、更に帯電ロールを感光体に接触させて取り付け、高温高湿下(28℃85%RH)において1日1万枚の画像をプリントする操作を10日間繰り返し、その後マゼンタ全面ハーフトーン30%の画像をプリントし、画像流れの発生有無および画質欠陥の発生有無を確認した。
尚、「画像流れ」とは、接触帯電方式による帯電で発生する表面層の酸化および/またはイオン種の付着により、解像度低下や画像ボケが生じる現象である。また、「画質欠陥」とは、長期サイクルによって繰り返し使用された結果、最表面層が摩耗していくことによって生じる膜厚ムラにより、色点や色筋を生じる現象である。
それぞれの判定については、以下の基準で判定した。
A:発生無し
B:軽微な発生(実使用上問題無いレベルである)
C:軽微な発生(実使用上問題になることがあるレベルである)
D:発生(実使用上問題あるレベルである)
<帯電ロールの作製>
尚、上記画像形成装置に取り付けた前記帯電ロールは、以下の手順で作製した。
−接着剤層の形成−
接着剤(ポリオレフィン系接着剤、XJ150ロードファーイースト社製)と導電剤(ケッチェンブラックEC:ライオン社製)2質量部を遊星型ボールミルで分散し、その後、キシレン40質量部で希釈して接着剤を作製した。
上記接着剤をSUM材に無電界ニッケルメッキを施した直径8mmの導電性芯金の外側に、乾燥後の接着剤厚みが20μmになるよう塗布した。これを170℃、10分加熱乾燥させ、導電性芯金Aを得た。
−弾性層の形成−
下記混合物をオープンロールで混練りし、前記導電性芯金Aを使用して、プレス成形機にて直径15mmのロールを形成し、その後研磨により直径14mmの弾性ロールAを得た。
・ゴム材 ・・・・100質量部
(エピクロルヒドリン・エチレンオキシド・アリルグリシジルエーテル
共重合ゴム、Gechron3106:日本ゼオン社製)
・導電剤(カーボンブラック、アサヒサーマル:旭カーボン社製)・・・・12質量部
・イオン導電剤(過塩素酸リチウム) ・・・・・1質量部
・加硫剤(硫黄、200メッシュ:鶴見化学工業社製) ・・・・・1質量部
・加硫促進剤(ノクセラーDM:大内新興化学工業社製) ・・・2.0質量部
・加硫促進剤(ノクセラーTT:大内新興化学工業社製) ・・・0.5質量部
・ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛 ・・・・・5質量部
(ノクセラーPZ:正同化学工業社製)
・ステアリン酸 ・・・1.5質量部
−表面層の形成−
下記混合物をビーズミルにて分散し得られた分散液Aを、MEK(メチルエチルケトン)で希釈し、前記弾性ロールAの表面に浸漬塗布した後、180℃で30分間加熱乾燥し、厚さ7μmの表面層を形成し、帯電ロール1を得た。
・高分子材料 ・・・・100質量部
(飽和共重合ポリエステル樹脂溶液、バイロン30SS:東洋紡績社製)
・硬化剤 ・・・26.3質量部
(アミノ樹脂溶液、スーパーベッカミンG821 60:大日本インキ化学工業社製)
・導電剤 ・・・10質量部
(カーボンブラック、MONARCH1000:キャボット社製)
また、上記帯電ロール1による帯電条件は、電子写真感光体に帯電ロール1を接触させた状態で1mAの直流電流が流れるように定電流制御設定したものとする。
(実施例2乃至5、比較例1乃至2)
中間層、電荷発生層、電荷輸送層を実施例1に記載の方法により形成した。
次に表面層として、表1に示す電荷輸送材料を用い、且つ電荷輸送材料およびメラミンの含有量を表1に記載の数値に変更した以外は実施例1に記載の方法により表面層を形成した。


21 導電性基体、22 中間層、23 電荷発生層、24 電荷輸送層、25 表面層、31 導電性支持体、32 弾性層、33 表面層、34 抵抗層、207 電子写真感光体、208 帯電装置、206 露光装置、211 現像装置、212 転写装置、213 クリーニング装置、200 画像形成装置、209 電源、216 レール、217、218 開口部、300 プロセスカートリッジ、500 記録媒体

Claims (3)

  1. 電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触する最外層を基材上に有し且つ電圧が印加された状態で前記電子写真感光体に接触して前記電子写真感光体を帯電させる帯電部材を有する帯電装置と、帯電された前記電子写真感光体の表面を露光し静電潜像を形成する露光装置と、前記電子写真感光体の表面に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置と、を備える画像形成装置に用いられ、
    導電性基体と、
    中間層と、
    感光層と、
    反応性の置換基を有しイオン化ポテンシャルの異なる2種以上の電荷輸送材料を全固形分に対し90質量%以上含有し、前記2種以上の電荷輸送材料の全量に対する各電荷輸送材料の含有比率Xが下記式(1)および下記式(2)を満たす表面層と、
    をこの順に有する接触帯電方式用の電子写真感光体。
    X(n)≧X(n−1) 式(1)
    X(L)>X(H) 式(2)
    〔前記式(1)中、X(n)は前記2種以上の電荷輸送材料のうちn番目にイオン化ポテンシャルが高い電荷輸送材料の電荷輸送材料全量に対する含有比率(質量%)を、X(n−1)は前記2種以上の電荷輸送材料のうちn−1番目にイオン化ポテンシャルが高い電荷輸送材料の電荷輸送材料全量に対する含有比率(質量%)を表し、nは2以上であり且つ前記表面層に含有される電荷輸送材料の種類の数以下の整数を表す変数である。前記式(2)中、X(L)は前記2種以上の電荷輸送材料のうち最もイオン化ポテンシャルが低い電荷輸送材料の電荷輸送材料全量に対する含有比率(質量%)を、X(H)は前記2種以上の電荷輸送材料のうち最もイオン化ポテンシャルが高い電荷輸送材料の電荷輸送材料全量に対する含有比率(質量%)を表す。〕
  2. 請求項1に記載の電子写真感光体と、
    該電子写真感光体に接触する最外層を基材上に有し且つ電圧が印加された状態で前記電子写真感光体に接触して前記電子写真感光体を帯電させる帯電部材を有する帯電装置と、
    帯電された前記電子写真感光体の表面を露光し静電潜像を形成する露光装置と、
    前記電子写真感光体の表面に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、
    前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置と、
    を備える画像形成装置。
  3. 電子写真感光体に接触する最外層を基材上に有する帯電部材に、電圧を印加した状態で前記電子写真感光体に接触させて前記電子写真感光体を帯電させる接触帯電方式の画像形成装置に対して着脱自在であり、
    請求項1に記載の電子写真感光体と、
    前記帯電部材を有する帯電装置、帯電された前記電子写真感光体の表面を露光し静電潜像を形成する露光装置、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置、前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置および前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置の群から選ばれる少なくとも1種と、
    を備えるプロセスカートリッジ。
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