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JP2011199187A - 窒化ガリウム系半導体ダイオード - Google Patents

窒化ガリウム系半導体ダイオード Download PDF

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JP2011199187A JP2010066803A JP2010066803A JP2011199187A JP 2011199187 A JP2011199187 A JP 2011199187A JP 2010066803 A JP2010066803 A JP 2010066803A JP 2010066803 A JP2010066803 A JP 2010066803A JP 2011199187 A JP2011199187 A JP 2011199187A
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Naoki Kaneda
直樹 金田
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Abstract

【課題】面内の抵抗率が不均一である窒化ガリウム基板上に形成したダイオード構造の耐圧を向上させることができる窒化ガリウム系半導体ダイオードを提供する。
【解決手段】半導体ダイオード1は、主面がC面である窒化ガリウム自立基板10と、pn接合16a又はショットキー接合16を含む接合領域と、窒化ガリウム自立基板と接合領域との間に設けられ、窒化ガリウム自立基板表面の基板面内での最小抵抗率より低い抵抗率を有し、窒化ガリウム自立基板の導電型と同一の導電型の半導体層14とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、窒化ガリウム系半導体ダイオードに関する。特に、本発明は、耐圧を向上させた窒化ガリウム系半導体ダイオードに関する。
従来、窒化ガリウム基板であって、基板表面において、基板面を貫通して伸びる多数の欠陥の集合した芯を内部に含み結晶粒界により区別される閉じた領域である閉鎖欠陥集合領域と、閉鎖欠陥集合領域に随伴しその周囲に形成された単結晶低転位随伴領域と、単結晶低転位随伴領域の外部に存在し同一の結晶方位を有する単結晶低転位余領域とを有する単結晶窒化ガリウム基板が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、III族窒化物半導体からなる下地層と、下地層の上に形成された空隙形成阻止層と、空隙形成阻止層の上に形成された多孔質III族窒化物半導体層と、多孔質III族窒化物半導体層の上に形成された多孔質金属層とを有するエピタキシャル成長用多孔質基板が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特許文献1に記載の単結晶窒化ガリウム基板によれば、ファセット面からなるピット中央の転位集合部の面状欠陥を消滅させること等ができる。また、特許文献2に記載のエピタキシャル成長用多孔質基板によれば、低転位密度のエピタキシャル結晶成長を実現することができる。
特開2003−165799号公報 特開2004−319711号公報
現在、入手可能な窒化ガリウム基板は転位密度が比較的高く、その上、転位密度が基板面内に不均一に分布している。更に、当該窒化ガリウム基板は、導電性基板であるにもかかわらず、基板面内で導電率がやや不均一である。
本発明者が特許文献1に記載されている方法を参考に塩化物気相成長法(HVPE法)によって窒化ガリウム基板を作製したところ、C面成長している箇所と、C面成長していない箇所(ファセットを形成しながら成長している箇所)とでは、結晶中の不純物濃度が大きく異なることを発見した。一般に、成長面が異なることで不純物濃度の取り込み効率は大きく異なることが知られている。そして、HVPE法で成長した窒化ガリウムの場合は、特に酸素(O)の取り込みの効率に大きな差異が認められた。中でもC面成長していない箇所では酸素(O)濃度は約0.1〜1E19cm−3になっていることが測定された。この箇所の電気的特性を測定したところ、この箇所はn型導電性を示し、抵抗率は約0.02〜0.003Ω・cmであった。
一方、C面成長している箇所での酸素濃度は約1E17cm−3以下であり、ゲルマニウム(Ge)やシリコン(Si)等の他のドナー不純物濃度が低い場合には、この箇所の抵抗率は約0.1Ω・cm以上に達する場合もあることが測定された。GeやSi等のドナー不純物濃度を上昇させて抵抗を下げようとした場合、ファセット成長している箇所の成長モードの制御が難しく、また欠陥密度が増加するので、ファセット面を維持しつつ窒化ガリウム基板を成長する方法においては、基板面内で抵抗率が不均一になることは避けられなかった。
一方、本発明者が特許文献2に記載の方法を参考に窒化ガリウム基板を作製した場合においては、意図的にファセット面を形成しながらの成長ではないため、酸素(O)濃度は低くなった。しかしながら、ごく一部ではあるが、一部の領域に抵抗率が不均一である箇所が認められ、基板面内において部分的に抵抗率が異なる領域が混在した。本発明者の検討によれば、この一部領域での酸素(O)濃度は約5E18cm−3であり、抵抗率は約0.005Ω・cmであった。また、他の領域の酸素濃度は約1E17cm−3以下であったものの、他のドナー不純物であるゲルマニウム(Ge)やシリコン(Si)濃度を制御することにより、大部分の場所の抵抗率を約0.005〜0.02Ω・cmにすることができた。しかしながら、微細に観察すれば抵抗率が基板面内においてやや不均一な領域が存在しており、抵抗率の不均一性の改善には余地がある。
すなわち、上記のように特許文献1及び特許文献2に記載のn型の導電型を有する窒化ガリウム基板は、基板面内において抵抗率が不均一であることが認められた。このため、窒化ガリウム基板上に高電圧・大電流で駆動させるダイオード構造で、しかも面積が大きいデバイスを作製した場合、基板面内での抵抗率が不均一である影響でダイオード内部での電界分布に予期せぬ偏りが生じ、その結果として絶縁破壊を誘発し、十分なデバイス耐圧が得られない場合があり、材料物性的に期待される値(数百ボルト以上)よりも大幅に低下してしまう場合がある。
したがって、本発明の目的は、面内の抵抗率が不均一である窒化ガリウム基板上に形成したダイオード構造の耐圧を向上させることができる窒化ガリウム系半導体ダイオードを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、主面がC面である窒化ガリウム自立基板と、pn接合又はショットキー接合を含む接合領域と、窒化ガリウム自立基板と接合領域との間に設けられ、窒化ガリウム自立基板表面の基板面内での最小抵抗率より低い抵抗率を有し、窒化ガリウム自立基板の導電型と同一の導電型の半導体層とを備える窒化ガリウム系半導体ダイオードが提供される。
また、上記窒化ガリウム系半導体ダイオードにおいて、半導体層が、超格子構造からなることが好ましい。
また、上記窒化ガリウム系半導体ダイオードにおいて、窒化ガリウム自立基板が、主面の反対側の表面にオーミック電極を有することができる。
本発明に係る窒化ガリウム系半導体ダイオードによれば、面内の抵抗率が不均一である窒化ガリウム基板上に形成したダイオード構造の耐圧を向上させることができる窒化ガリウム系半導体ダイオードを提供できる。
本発明の第1の実施の形態に係る半導体ダイオードの断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体ダイオードの断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る半導体ダイオードの断面図である。
[発明者が得た知見]
本発明者は、鋭意検討した結果、抵抗率が面内で均一ではない窒化ガリウム基板を成長用基板として用いた場合であっても、窒化ガリウム自立基板上の最も抵抗率の低い領域よりも抵抗率の低いn型の導電型の層(すなわち、窒化ガリウム自立基板表面の基板面内での最小抵抗率より低い抵抗率を有する半導体層)を、pn接合又はショットキー接合と、窒化ガリウム基板上との間に設けることにより、半導体ダイオードの耐圧を向上させることができることを見出した。
半導体ダイオードの耐圧は、抵抗率が均一な半導体で形成された理想的な半導体ダイオードの場合においては、逆方向バイアス電圧を上昇させたときに降伏現象が開始するときの電圧(降伏電圧)で決定される。しかしながら、現実の半導体ダイオードの場合、半導体の層が完全には均一でないことに起因して、半導体ダイオードの一部に大きな電界が印加される。これにより、例えば、転位がやや集中している領域等の電流が流れやすい経路に電界が集中する。すると、材料物性から期待される降伏電圧以下で逆方向電流が急激に増加してしまうことがある。つまり、均一な半導体層を得ること、あるいは部分的に電界が集中しない素子構造にすることが半導体ダイオードの耐圧を向上させる方策となる。
本発明者は、窒化ガリウム自立基板のすべての箇所に比べ、十分に抵抗率が小さい層を窒化ガリウム自立基板とpn接合又はショットキー接合を含む接合領域との間に挿入することで、窒化ガリウム自立基板の抵抗率の不均一性に起因する電界集中を抑制できること、及び窒化ガリウム自立基板上に形成されたダイオード構造の耐圧を高めることができることを見出した。なお、pn接合の代わりにpin接合又はnpn接合等を設けた場合であって、窒化ガリウム自立基板側にn型層を有するダイオード構造又はトランジスタ構造であれば、同様に電界集中を抑制とダイオード構造の耐圧の向上とを実現することができる。
ここで、窒化ガリウム自立基板のすべての箇所に比べて十分に抵抗率が小さい層は、ゲルマニウム又はシリコン等のドナー不純物を十分に添加したGaN層が最も簡単な層として考えられる。また、例えば、ドナー不純物を十分に添加することで低抵抗化した超格子構造を、窒化ガリウム自立基板のすべての箇所に比べ十分に抵抗率が小さい層にすることが好ましい。超格子構造にすることが好ましい理由は、当該層を設ける目的が、窒化ガリウム自立基板と接合領域との間に抵抗が十分に低い層を挿入することによって、窒化ガリウム自立基板の抵抗率の不均一性に起因する電界集中を抑制するためだからである。
また、超格子構造を形成する場合、超格子構造は、窒化ガリウム基板からpn接合又はショットキー接合側に延伸している貫通転位の少なくとも一部を、成長方向の外へ(すなわち、窒化ガリウム自立基板の表面に平行な方向に沿った方向に向けて)曲げる効果と、成長面内での電流分散を促進させる効果とを発揮することができる。したがって、十分抵抗が低く、しかも適度な層数を有する超格子構造を設けることがより好ましい。
[実施の形態の要約]
主面がC面である窒化ガリウム自立基板と、pn接合又はショットキー接合を含む接合領域とを備える窒化ガリウム系半導体ダイオードにおいて、前記窒化ガリウム自立基板と前記接合領域との間に設けられ、前記窒化ガリウム自立基板表面の基板面内での最小抵抗率より低い抵抗率を有し、前記窒化ガリウム自立基板の導電型と同一の導電型の半導体層とを備える窒化ガリウム系半導体ダイオードが提供される。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体ダイオードの断面の概要を示す。
第1の実施の形態に係る窒化ガリウム(GaN)系半導体ダイオードとしての半導体ダイオード1は、基板10と、基板10上に設けられる半導体層12と、半導体層12上に設けられるドリフト層14とを備える。更に、半導体ダイオード1は、基板10の半導体層12の反対側の表面に設けられ、基板10にオーミック接合するオーミック電極20と、ドリフト層14の半導体層12の反対側の表面に設けられるショットキー電極22とを備える。
半導体ダイオード1は、例えば、以下のように製造される。まず、有機金属気相成長(MOVPE)法等により基板10上に半導体層12及びドリフト層14をエピタキシャル成長させることによりエピタキシャル基板を製造する。次に、フォトリソグラフィー法、真空蒸着法等を利用してエピタキシャル基板の一方の面にオーミック電極20を形成すると共に、他方の面にショットキー電極22を形成する。これにより、半導体ダイオード1を製造することができる。なお、半導体ダイオード1は、半導体層12等の成長方向へ電流を流す縦型のダイオード構造を有する。
本実施の形態では、主面がC面である窒化ガリウム自立基板を基板10として用いることができる。したがって、主面上に半導体層12が形成され、主面の反対側の表面にオーミック電極20が形成されることになる。基板10は、ドナーとしての所定の不純物を所定量含むことにより、n型の導電型を有する。
また、半導体層12及びドリフト層14は、基板10と同一の導電型を有する半導体から形成される。半導体層12及びドリフト層14は、例えば、窒化ガリウムから形成される。そして、ショットキー電極22は、ドリフト層14とショットキー電極22との界面14aにおいてドリフト層14にショットキー接合する。本実施の形態では、ドリフト層14と当該ショットキー接合とを含む領域を接合領域16と称する。なお、接合領域16は、半導体からなる一つの層、又は半導体からなる複数の層と、当該一つの層若しくは当該複数の層の最表面に設けられるショットキー電極とを含んで形成することができる。
ここで、半導体層12は、基板10と接合領域16との間に設けられる。そして、半導体層12は、基板10表面の基板面内での最小抵抗率より低い抵抗率を有する。具体的に、半導体層12は、基板10の表面(すなわち、接合領域16と対向する面)において基板面内で最も抵抗率の低い領域の抵抗率より低い抵抗率を層全体にわたり有する。すなわち、半導体層12に添加する不純物の量等を制御することにより、半導体層12の抵抗率を、基板10の表面のいずれの領域における抵抗率よりも低く調整する。
なお、ショットキー電極22の平面視における形状を真円形にすることにより、半導体ダイオード1のダイオード構造の一部の領域への電界集中を更に抑制できる。また、ショットキー電極22の周辺部に水素等のイオンを打ち込むことにより、当該周辺部の抵抗を高め、電界集中を緩和させることもできる。更に、ショットキー電極22の周辺部の下部の領域に絶縁膜を挟み込むフィールドプレート構造を構成することにより電界集中を緩和させることもできる。
(第1の実施の形態の効果)
本発明の第1実施の形態に係る半導体ダイオード1は、基板10とドリフト層14との間に基板10の最も抵抗率の低い領域より低い抵抗率を有する半導体層12(すなわち、基板10表面の基板面内での最小抵抗率より低い抵抗率を有する半導体層12)を設けたので、基板10の抵抗率の不均一性に起因する電界集中を抑制することができ、ショットキーダイオードとしての半導体ダイオード1の耐圧を向上させることができる。
[第2の実施の形態]
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体ダイオードの断面の概要を示す。
第2の実施の形態に係る半導体ダイオード2は、第1の実施の形態に係る半導体ダイオード1に比べ、半導体層12aが超格子構造を有している点を除き、半導体ダイオード1と同一の構成、機能を有する。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
半導体ダイオード2が備える半導体層12aは、超格子構造を有して形成される。具体的に、半導体層12aは、n型の導電型のドナーを所定の濃度添加された複数の窒化物系化合物半導体層からなる超格子低抵抗多層膜である。より具体的に、半導体層12aは、第1の半導体膜と、第1の半導体膜とは異なる第2の半導体膜とのペアからなるペア層が複数、積層されて形成される。この場合において、第1の半導体膜及び第2の半導体膜のいずれか一方、又は双方に、所定量の所定のドナー不純物が添加される。
(第2の実施の形態の効果)
本発明の第2実施の形態に係る半導体ダイオード2は、基板10とドリフト層14との間に基板10の最も抵抗率の低い領域より低い抵抗率を有する超格子構造の半導体層12aを設けたので、基板10の抵抗率の不均一性に起因する電界集中を抑制することができ、ショットキーダイオードとしての半導体ダイオード1の耐圧を向上させることができる。
[第3の実施の形態]
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体ダイオードの断面の概要を示す。
第3の実施の形態に係る半導体ダイオード3は、第1の実施の形態に係る半導体ダイオード1に比べ、接合領域16aがpn接合を有している点を除き、半導体ダイオード1とほぼ同一の構成、機能を有する。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
半導体ダイオード3は、基板10と、基板10上に設けられる半導体層12と、半導体層12上に設けられるドリフト層14と、ドリフト層14上に設けられ、ドリフト層14の導電型とは異なる導電型の半導体層18とを備える。更に、半導体ダイオード3は、基板10の半導体層12の反対側の表面に設けられ、基板10にオーミック接合するオーミック電極20と、半導体層18のドリフト層14の反対側の表面に設けられるオーミック電極24とを備える。なお、半導体層12は、第2の実施の形態と同様に、超格子構造を有する半導体層12aにすることもできる。
(第3の実施の形態の効果)
本発明の第3実施の形態に係る半導体ダイオード3は、基板10とドリフト層14との間に基板10の最も抵抗率の低い領域より低い抵抗率を有する半導体層12を設けたので、基板10の抵抗率の不均一性に起因する電界集中を抑制することができ、pnダイオードとしての半導体ダイオード3の耐圧を向上させることができる。
実施例1に係る半導体ダイオードとして、第1の実施の形態に係る半導体ダイオード1の構造を備える半導体ダイオードを製造した。
具体的に、まず、有機金属気相成長(MOVPE)法により、C面の窒化ガリウム(GaN)基板上に、成長面内で均一な抵抗を有すると共に厚さが1μmのn型導電型のGaN層を成長した。実施例1に用いたGaN基板の最も抵抗率が低い箇所の抵抗率は、約0.005Ω・cmであった。なお、GaN層の成長は、基板温度を1100℃に設定して実施すると共に、ドナー不純物としてゲルマニウム又はシリコンを添加した。また、GaN層の抵抗率がGaN基板の抵抗率より小さくなるように、ドナー不純物の添加量を調整した。具体的に、GaN層の成長中にドナー濃度を調整することでGaN層の抵抗率を0.001Ω・cm以上0.004Ω・cm以下の範囲に調整した。
なお、当該GaN基板の抵抗率が面内で均一でないことは、当該GaN基板に紫外線を照射したときのルミネッセンス光の強度分布で間接的に確認した。また、GaN基板表面の基板面内での最小抵抗率の測定は、当該GaN基板の微小領域(具体的には、被測定対象物の体積として0.005〜0.05mmの領域)をイオンミリングによって切り出し、ルミネッセンス光強度分布から抵抗率の異なる領域の体積の概略値を求め、当該微小領域の抵抗値の測定値からその体積分を計算で補正することによって求めた。ほぼ同等の品質を有する複数のGaN基板を用い、多数の箇所で測定することで、GaN基板の最も抵抗率が低い箇所の抵抗率は概ね0.005Ω・cm付近であることを確認した。
更に、比較のため、GaN層のドナー濃度を下げ、GaN層の抵抗率が0.005Ω・cm以上0.1Ω・cm以下になる試料(比較例)も作製した。なお、GaN層の抵抗率は、実施例1及び比較例1共に、サファイア基板上に実施例1又は比較例1と同一の条件で成長した試料(ただし、厚さは1000nmである)について四探針法を用いて測定した。
続いて、成長温度を1100℃に設定したまま、ドナー不純物の固相濃度が約2E16cm−3になるようにドナー不純物の供給量を抑え、10μmの厚さを有するn型GaNからなるドリフト層をGaN層の上に成長した。半導体ダイオードの動作原理上、n型GaNからなるドリフト層の膜厚を厚くすることで半導体ダイオードの耐圧を大きくすることができるので、n型GaNからなるドリフト層の膜厚を10μm以上にすることもできる。また、成長温度は1100℃に限定されない(なお、他の成長条件も限定されない。)。
n型GaNからなるドリフト層の上に、平面視にて真円形を有し、直径が100μm以上800μm以下のショットキー電極を形成した。ショットキー電極は、ニッケル及びアルミニウムを含む金属から形成した。なお、ショットキー電極の材質は、ドリフト層との間で良好なショットキー接触が得られるその他の材質を用いることもできる。また、ショットキー電極の周辺領域に水素(H)等のイオンを注入することで、高電圧印加時にショットキー電極の周辺部に電界が集中することを抑制した。GaN基板の裏面(すなわち、−C面)のオーミック電極は、アルミ及び金を含む材料から形成した。オーミック電極の材質は、GaN基板との間で良好なオーミック接触が得られる限り、他の材質を用いることもできる。
このようにして作製した実施例1に係るGaN基板上のショットキーダイオードの電流電圧(IV)特性を測定した。そして、逆方向電流が急激に増加する電圧(耐圧)を調べたところ、GaN層の抵抗率が0.1Ω・cmのときの耐圧は約540V、抵抗率が0.01Ω・cmのときの耐圧は約540Vであった。
一方、抵抗率が0.004Ω・cmのときの耐圧は約720Vであり、0.002Ω・cmのときの耐圧は約760Vであった。したがって、GaN層の抵抗率が、GaN基板の最も抵抗率が低い箇所よりも小さい場合には耐圧が大きくなることが確認された。GaN基板の最も抵抗率が低い箇所が0.01Ω・cmである基板を使用した場合においても、傾向に変化は認められなかった。
つまり、GaN基板のすべての箇所に比べて十分に抵抗率が小さい層を挿入することで、基板の抵抗率の不均一性に起因する電界集中を抑制することができ、GaN基板上に形成されたショットキーダイオードの耐圧を高めることができることが示された。
実施例2に係る半導体ダイオードとして、第2の実施の形態に係る半導体ダイオード2の構造を備える半導体ダイオードを製造した。
実施例2においては、実施例1に係る半導体ダイオードのGaN層の代わりに、n型の導電型を有する超格子低抵抗多層膜をGaN基板上に形成した。具体的に、アルミ組成が約10%のAlGaN層とGaN層とからなるペアをペア層にし、20〜100ペアのペア層を含む多層膜をGaN基板上に形成することにより超格子低抵抗多層膜を形成した。その他の構成は実施例1に係る半導体ダイオードと同一である。
また、AlGaN層及びGaN層それぞれの膜厚は2.0nm〜3.5nmにした。実施例2においては、GaN層にドナー不純物を添加することで超格子低抵抗多層膜の抵抗率を制御した。なお、ドナーの添加方法は実施例2の例に限定されず、AlGaN層にドナー不純物を添加すること、あるいはGaN層及びAlGaN層の双方に均一にドナー不純物を添加することもできる。
実施例2に係る半導体ダイオードの耐圧を測定したところ、超格子低抵抗多層膜の抵抗率が0.1Ω・cmのときの耐圧は約580Vであり、抵抗率が0.01Ω・cmのときの耐圧は約590Vであった。一方、超格子低抵抗多層膜の抵抗率が0.004Ω・cmのときの耐圧は約810V、抵抗率が0.002Ω・cmのときの耐圧は約820Vであった。以上のことから、GaN基板の最も抵抗率が低い箇所よりも小さい抵抗率を有する超格子低抵抗多層膜を用いる場合には、半導体ダイオードの耐圧が大きくなることが示された。なお、最も抵抗率が低い箇所が0.01Ω・cmであるGaN基板を用いた場合においても、この傾向に変化は見られなかった。
つまり、GaN基板のすべての箇所と比べて十分に抵抗率が小さい層を挿入することで、基板の抵抗率の不均一性に起因する電界集中を抑制することができ、GaN基板上に形成されたショットキーダイオードの耐圧を高めることができることが示された。
実施例3に係る半導体ダイオードとして、第3の実施の形態に係る半導体ダイオード3の構造を備える半導体ダイオードを製造した。
実施例3においては、実施例1及び実施例2においてn型GaNからなるドリフト層の上に、500nmの厚さを有し、Mg等のアクセプタを添加したp型の導電型のGaN層を成長した。また、p型のGaN層の上に、パラジウム系の材料からなるオーミック電極を形成した。これにより、実施例3に係る半導体ダイオードを製造した。
そして、実施例1及び実施例2と同様に、電流電圧(IV)特性から、逆方向電流が急激に増加する電圧(耐圧)を測定した。その結果、GaN層又は超格子低抵抗多層膜の抵抗率が、GaN基板の最も抵抗率が低い箇所よりも大きい場合は耐圧が720〜790Vであり、GaN基板の最も抵抗率が低い箇所よりも小さい場合は耐圧が830〜1040Vであった。つまりpnダイオード構造の場合においても、GaN層又は超格子低抵抗多層膜の抵抗率が、GaN基板の最も抵抗率が低い箇所よりも小さい場合には、半導体ダイオードの耐圧が大きくなることが示された。
つまり、GaN基板のすべての箇所と比べて十分に抵抗率が小さい層を挿入することで、基板の抵抗率の不均一性に起因する電界集中を抑制することができ、GaN基板上に形成されたpnダイオードの耐圧を高めることができることが示された。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1、2、3 半導体ダイオード
10 基板
12、12a 半導体層
14 ドリフト層
14a 界面
16、16a 接合領域
18 半導体層
20、24 オーミック電極
22 ショットキー電極

Claims (3)

  1. 主面がC面である窒化ガリウム自立基板と、
    pn接合又はショットキー接合を含む接合領域と、
    前記窒化ガリウム自立基板と前記接合領域との間に設けられ、前記窒化ガリウム自立基板表面の基板面内での最小抵抗率より低い抵抗率を有し、前記窒化ガリウム自立基板の導電型と同一の導電型の半導体層と
    を備える窒化ガリウム系半導体ダイオード。
  2. 前記半導体層が、超格子構造からなる請求項1に記載の窒化ガリウム系半導体ダイオード。
  3. 前記窒化ガリウム自立基板が、前記主面の反対側の表面にオーミック電極を有する請求項2に記載の窒化ガリウム系半導体ダイオード。
JP2010066803A 2010-03-23 2010-03-23 窒化ガリウム系半導体ダイオード Pending JP2011199187A (ja)

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