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JP2011198201A - 動力源スイッチの誤操作防止システム及び誤操作防止方法 - Google Patents

動力源スイッチの誤操作防止システム及び誤操作防止方法 Download PDF

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Akihiko Haraguchi
昭彦 原口
Hitoshi Kaneko
均 金子
Tsugio Egoshi
次雄 江越
Minoru Hiraizumi
実 平泉
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Abstract

【課題】動力源の供給範囲内の設備に関わる複数の作業を行うにあたり、比較的単純な構成でありながら動力源のスイッチ誤操作を防止し得るシステム及び方法を提供する。
【解決手段】 動力源のスイッチの識別情報が記録されたスイッチ情報記録部と、動力源の禁止手段として機能するとともに自らの識別情報が記録された記録部を備える第1記録手段と、自らの識別情報が記録された記録部を備える下層側記録手段と、スイッチ情報記録部、第1記録手段及び下層側記録手段の識別情報を階層毎に関連付けたデータベースと、スイッチ情報記録部、第1記録手段及び下層側記録手段の識別情報を入力可能とされた端末と、端末に入力された識別情報とデータベースとを照合する照合手段と、照合手段による照合に基づいてデータベース内へと照合データを記録するデータベース記録手段と、を有するシステムとし、これを用いた方法とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラント等の保全作業において、動力源スイッチの誤操作を防止可能とするシステム及び方法に関する。
製鉄所の熱間圧延ラインのような大規模なプラントの保全作業は、当然ながら、保全作業が行われる範囲すべての動力源を遮断してから作業にかかり、作業終了後、全ての作業者が退避した後に当該動力源を投入する必要がある。
プラント内の動力源は主に電動モータと油圧・空圧電磁弁であり、これらは通常、個々にスイッチをもつ。つまり、モータの台数と電磁弁の数だけスイッチがある。さらに、その上流にはそれらをブロック単位でまとめた動力源スイッチが設置され、さらにその上流にも複層的に動力源スイッチが配置されており、スイッチの総数は膨大な数に上る(例えば、大規模製鉄プラントでは1000個程度)。また、通常、当該プラントに関わる複数の保全作業が同時並行的に行われる。このために、動力源スイッチの操作責任者は、数あるスイッチの中から不必要な又は無関係なスイッチを誤って操作することなく、動力源を確実に遮断する必要がある。
一方、遮断された動力源を保全作業終了前に誤って投入することがないようにしなければならない。ここで、ある一つの保全作業は、その作業が機械、計装、電気等に分化されてそれぞれ担当の作業者がその作業を扱うことが多い。したがって、この保全作業の動力源の操作責任者は、その動力源に関わる作業が全て完了したことを確認してから動力源を投入する必要があり、この確認が確実になされなければならない。
動力源の誤投入を防止する一般的な手法として、いわゆる禁止札とこれに紐づいた作業許可証としての札が用いられる。使用態様の具体例について、図1を用いて説明する。
作業開始時:保全作業開始にあたって、当該保全作業の動力源スイッチの操作責任者Aは、作業範囲をカバーする動力源を遮断するとともに、禁止札である親札aを遮断した動力源に表示する。次に、操作責任者Aは、各作業主体の作業管理者Biに、それぞれ作業許可証に相当する子札bを1枚配布する。作業管理者Biは、自ら管理する各作業者Ci−jに対し、孫札cを配布する。各作業者Ci−jは、孫札cの配布を受けて各自の作業を開始する。
作業中:作業管理者Biおよび各作業者Ci−jは、各自の作業中は子札b、孫札cを携帯し紛失しないようにする。
作業終了時:各作業者Ci−jは、自らの作業終了後、自らに配布された孫札cを作業管理者Biに返却する。作業管理者Biは、配布した孫札cが全数返却されたことを確認して、自らに配布された子札bを操作責任者Aに返却する。操作責任者Aは、子札bが全数返却されたことを確認して、動力源について親札aを回収してスイッチを投入する。
従来は、これらの配布・返却に関する確認が人的に行われることが通常であり、万が一、確認が不完全である場合は、作業中にもかかわらず動力源が投入される虞があった。例えば、大規模プラントになると、1回の作業日における子札、孫札の総発行枚数が数百枚に及ぶこともある。すなわち、作業管理者一人が管理する孫札は50枚以上に上ることもあり、これまでの人的管理では、孫札が全数返却されないまま、誤って子札を返却してしまう懸念があった。
また、この方法では、操作責任者Aが操作しようとするスイッチが遮断・投入すべき動力源のものかについて、必ずしも紐づけされておらず、操作すべき動力源スイッチとは異なるスイッチについて、遮断・投入してしまう懸念もあった。
そこで、このような動力源の誤操作を防止するため、作業完了を電子的に確認できる方法が求められた。例えば、特許文献1に、機器札、表示札及び携帯端末を備えるシステムであって、個別の機器に設置され、該機器を識別する機器番号が表示され且つ該機器番号を電子的に記録した素子を含む機器札と、前記機器に対する作業時に該操作を行う機器に一時的に設置され、該機器の機器番号及び該機器に対する操作内容が表示され且つ該機器番号を電子的に出力するRFIDタグを含む表示札、前記機器札及び表示札のRFIDタグから機器番号を電子的に読み取る携帯端末を備え、該携帯端末で読み取った機器番号を比較することによって、表示札の設置の確認及び電力所監視室等との情報の共有を行ってプラント等の機器の誤操作を防止する設備誤操作防止システムが開示されている。また、特許文献1には、プラント等の機器の誤操作を防止する設備誤操作防止システムであって、個別の機器に設置され、該機器を識別する機器番号が表示され且つ該機器番号を電子的に記録した素子を含む機器札と、前記機器に対する作業時に該操作を行う機器に一時的に設置され、該機器の機器番号及び該機器に対する操作内容が表示され且つ該機器番号を電子的に記録した素子を含む親札と、前記作業に関連して操作を行う機器の状況を監視する制御盤上の、前記作業に関連対応して操作を行う位置に一時的に設置され、該機器の機器番号と該機器に対する操作を表示し且つ前記機器番号を電子的に記録した素子を含む子札と、前記機器札と該親札と子札の各素子から機器番号を電子的に取得する制御手段を備えることを特徴とするプラント等の設備誤操作防止システム(請求項8)や、制御手段が、機器より回収した親札のRFIDタグから読み出した機器番号と、制御盤より回収した子札のRFIDタグから読み出した機器番号と、データベースに登録した機器番号とを比較することにより、親札及び子札の全数回収を判定することを特徴とする設備誤操作防止システム(請求項13)も開示されている。
特開2006−146749号公報
特許文献1に開示されたシステムは、作業対象となる機器の機器番号を元とし、作業情報を機器番号と紐づけて作業状況を把握・管理するものである。そのため、例えば動力源の遮断時には、機器札に記録された機器番号と表示札(親札)に記録された機器番号が照合されて、誤遮断が防止される。また、それに加え作業状況のリアルタイムでの管理ができる等の優れた意義をもつものである。
しかしながら、一方で動力源の誤操作防止という点でいえば、作業対象の各機器の細かな(例えばリアルタイムでの)作業進捗の把握は必要ない。またこのシステムでは、かえって以下のような問題も生じ得る。
特許文献1に係るシステムにおいては、機器札や表示札(親札)や子札は、RFIDタグを備える。これにより各札相互及びデータベースとの間で機器番号を照合して、作業進捗状況や札の回収状況を電子的に確認する。しかしながら、RFIDの発する電波は反射・回折するため、近接して配置されたスイッチに取り付けた機器札について携帯端末を使って読みだすと、複数の札を同時に読み取ってしまう。このような場合、誤って、本来、操作しなければならないスイッチではなく、異なるスイッチを操作して別の動力源を遮断してしまう可能性がある(このとき、遮断すべき動力源よりもさらに上流の動力源を遮断したのであれば、目的の保全作業には問題はないものの、別の作業に支障をきたす。)。すなわち、RFIDの利点である輻輳機能が、特定の機器を識別する際には却って誤認識を与える虞がある。また、動力源スイッチ類は通常、鉄製の筐体に取り付けられており、RFIDの電磁誘導方式では、読み取り端末の発した電波(磁束)が筐体にシールドされてしまい、読み取りが不安定となる虞もある。
また、特許文献1における子札は、機器や作業板に一時的に設置されるものであり、前述の禁止札の例で説明したような階層化された作業許可証とは意味合いが異なる。動力源の誤操作(誤投入)防止の観点では、前述したように、禁止札である親札は機器に表示するが、子札や孫札は作業許可証の意味があるので、本来、作業者自らが作業中に常時携帯すべきものである(そうでないと紛失したり他人が誤って着脱・返却する虞がある。)。その場合、子札や孫札は、作業中は常に作業者が胸ポケットやズボンのポケットに入れて携帯し作業を行うため、常に汗にまみれ、あるいは窮屈な場所での作業時には折り曲げの力がかかり、また、作業終了後には、回収箱に回収され乱雑に扱われると衝撃を受ける。
保護のために強度のあるガードを取り付けると携帯性が低下する。また、RFIDのアンテナは比較的大きく、これを札に取り付けると札自体も大きくなり、やはり携帯性が低下する。また、RFIDのタグはICチップと無線通信用の銅線やアルミニウムなどのアンテナを組み合わせたものであり、紙に印刷したコードを使うバーコードに比較し、はるかに高価である。さらに、金属対応のRFIDなど、特殊な素材を使うものはさらにコストが高くなり、本願の対象とするような大規模プラントシステムには適していない。
このように、子札や孫札を携帯しながら保全作業を行う態様においては、特許文献1に記載のシステムを用いることができず、階層化した指示系統において動力源の誤操作を防止可能な新たなシステムが必要とされていた。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、例えば保全作業のように、ある動力源の動力供給範囲内の設備に関わる複数の作業を行うにあたり、比較的単純な構成でありながら動力源のスイッチ誤操作を防止し得るシステム及び方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成をとる。すなわち、
第1の本発明は、第1階層において動力源の遮断・投入を行い、第n階層(nは2以上の整数)において動力源よりも下流側の作業を行うものとされた、少なくともn階層の指示系統を備え、当該指示系統の第1階層における動力源の誤遮断・誤投入を防止するシステムであって、動力源のスイッチの識別情報がバーコードまたはQRコードで記録された、スイッチ情報記録部と、第1階層に備えられ、動力源の禁止手段として機能するとともに、自らの識別情報がバーコードまたはQRコードで記録された記録部を備える、第1記録手段と、第2乃至第nの階層毎に備えられ、自らの識別情報がバーコードまたはQRコードで記録された記録部を備える、下層側記録手段と、スイッチ情報記録部、第1記録手段及び下層側記録手段の識別情報を上記の階層に関連付けた、データベースと、スイッチ情報記録部、第1記録手段及び下層側記録手段の識別情報を入力可能とされた、端末と、端末に入力された識別情報とデータベースとを照合する、照合手段と、照合手段による照合に基づいて、データベース内へと照合データを記録する、データベース記録手段と、を有するシステムである。
第1の本発明において、「第n階層(nは2以上の整数)において動力源よりも下流側の作業を行う」とは、例えば、n=3の場合、第1階層において動力源の遮断・投入が行われ、第2階層及び第3階層で、動力源よりも下流側の作業が行われることを意味する。この場合、例えば、第3階層を第2階層よりも下流側の階層とすることができる。「少なくともn階層の指示系統」とは、例えば、n=3の場合、第1階層、第2階層及び第3階層の3階層を有する指示系統を意味する。尚、「指示系統」とは、一の階層と他の階層との間及び同一階層内で、所定の情報のやり取り等がなされ得る指示系統をいう。「スイッチ情報記録部」とは、動力源のスイッチの識別情報が記録された記録部であれば特に限定されるものではないが、例えば、札等に設けられたバーコード等の記録部分をスイッチ情報記録部とすることができる。「第2乃至第nの階層毎に備えられた下層側記録手段」とは、例えば、n=3の時、第2階層に第2記録手段(下層側記録手段)が備えられ、第3階層に第3記録手段(下層側記録手段)が備えられることを意味する。「第1記録手段及び下層側記録手段」とは、例えば、n=3の場合、第1記録手段と、下層側記録手段としての第2記録手段及び第3記録手段と、の3つの記録手段を意味する。これら記録手段は、自らの識別情報が記録可能とされ、ここから当該識別情報を端末に入力・読み取り可能とされたものであれば特に限定されるものではない。例えば、札等に記録部が設けられたものを用いることが好ましい。「データベース」とは、スイッチ情報記録部、第1記録手段及び下層側記録手段の識別情報を上記の階層に関連付けたものであり、具体的には、保全作業の指示系統と同様に、記録手段等の各識別情報を階層毎にデータベース化してなるものである。「端末」とは、スイッチ情報記録部、第1記録手段及び下層側記録手段の識別情報を入力可能とされたものであり、具体的には、記録手段の記録部から識別情報を読み取り可能とされたものが好ましい。「照合手段」とは、端末に入力された識別情報と、データベースにおける識別情報(データベース化された識別情報)とを照合する手段であれば特に限定されるものではない。「データベース記録手段」とは、照合手段により得られた照合データを、データベース内へと記録する手段であれば特に限定されるものではない。具体的には、照合手段による照合をもとに、各記録手段の返却状況に係るデータをデータベース内へと記録する手段とすることができる。
第1の本発明において、データベース記録手段によってデータベースへと記録されたデータに基づいて、動力源の投入がロックされるロック手段を備えることが好ましい。例えば、データベース記録手段からデータベースへと記録されたデータにより、保全作業に係る指示系統において、未だ動力源を投入するに相応しくない状況と判断された場合に、動力源のロックを行うことで、動力源の誤投入をより適切に防止することができるためである。
第1の本発明において、動力源又は動力源のスイッチが複数存在し、動力源毎又は動力源のスイッチ毎に、上記指示系統が備えられる形態であってもよい。保全作業においては動力源(或いは、動力源のスイッチ)が、一つだけ備えられる形態に限られず、例えば、一つの事業所、建屋、ライン内で複数の動力源を遮断して保全作業が行われることも少なくない。このような場合であっても、当該動力源毎(或いはスイッチ毎)に本発明に係る指示系統を設け、その他構成を備えたシステムとすることにより、比較的単純なシステム構成でありながら、遮断すべき複数のスイッチを電子的に特定できるとともに、保全作業終了時には各作業者の作業許可証回収を電子的に確認して動力源の誤投入を防止することが可能となる。
第2の本発明は、第1の本発明に係るシステムを用いて、動力源の誤操作を防止する方法である。
本発明によれば、例えば大規模プラントの保全作業において、比較的単純なシステム構成でありながら、遮断すべきスイッチを電子的に特定できるとともに、保全作業終了時には各作業者の作業許可証回収を電子的に確認して動力源の誤投入を防止することが可能なシステム及び方法を提供することができる。
動力源の誤投入を防止するため従来用いられていた手法であって、禁止札(親札)とこれに紐づいた作業許可証としての札(子札、孫札)が用いられた手法を説明するための概略図である。 一実施形態に係る本発明のシステムを概略的に示す図である。 一実施形態に係る本発明のシステムを用いた保全作業の流れを示す、フローチャートである。 実施例にて採用した評価手法を説明するための概略図である。
図2に、本発明に係るシステムの一例を示す。図2に示されるように、実施形態に係るシステム100は、動力源1、指示系統5、端末20、照合手段30、データベース記録手段40、及びデータベース50を備えている。図2においては、システムにおける指示系統を3階層(n=3)からなるものとしている。指示系統5は、動力源1のスイッチの情報が記録されたスイッチ情報記録部10と、第1階層に備えられ、動力源1の禁止手段として機能するとともに、自らの識別情報が記録された記録部を備える第1記録手段11と、第2階層に備えられるとともに、自らの識別情報が記録された記録部を備える第2記録手段(下層側記録手段)12、12、…と、第3階層に備えられるとともに、自らの識別情報が記録された記録部を備える第3記録手段(下層側記録手段)13、13、…と、を有するものとされている。以下、システム100に備えられる各構成を説明した後、当該システム100を用いた保全作業について説明する。
動力源1は、従来公知の動力源である。例えば、システム100がプラントに適用される場合、動力源1として、電動モータ或いは油圧・空圧電磁弁が一般的である。動力源1にはスイッチが備えられており、当該スイッチを操作することで、動力源1の遮断・投入が行われる。
指示系統5において用いられるスイッチ情報記録部10は、動力源1のスイッチの識別情報が記録された記録部である。スイッチ情報記録部10は、動力源1のスイッチに係る識別情報を記録可能なものを特に限定されることなく用いることができる。特に、QRコード又はバーコードのいずれかを用いることが好ましい。図2では、動力源1がただ一つのみ用いられる形態について説明しているが、後述するように、例えば、保全作業において投入・遮断の対象となる動力源1(或いは動力源1のスイッチ)が複数存在することによって、各スイッチ情報記録部10、10、…同士が隣接して備えられていた場合に、スイッチ情報記録部10に、RFIDのような回折・拡散機能を有するものを用いると、各記録部10、10、…を個別に識別することができずに(すなわち、各記録部10、10、…をまとめて読み取ってしまい)、スイッチの情報が誤って伝達される虞がある。この点、記録部10としてQRコード又はバーコードを用いれば、記録部10が隣接して複数備えられている場合でも、一つ一つを適切に識別することができる。また、大規模プラントのように動力源1(或いは、動力源1のスイッチ)が膨大な量となる場合、スイッチ情報記録部10、10、…にかかるコストが増大する。この点、QRコード又はバーコードを用いることで、RFIDを用いた場合よりもコストを抑えることができる。スイッチ情報記録部10は、システム100において、作業者が動力源1のスイッチに係る記録部であることを認識可能な場所に設けられていればよく、例えば、動力源1のスイッチの傍らに設けることが好ましい。
指示系統5において用いられる第1記録手段11は、指示系統5の第1階層に備えられ、動力源1の禁止手段として機能するとともに、自らの識別情報が記録された記録部を備えるものである。第1記録手段11の大きさ、材質等、具体的な形態については、作業者が適切に認識可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、記録部を有する札(親札)を第1記録手段11として用いることができる。或いは、棒状の部材等としてもよいが、禁止手段として視認しやすい物とする観点からは札とすることが好ましい。第1記録手段11として札を用いる場合、大きさが、6.5×20cm、厚み2mm程度で、材質がアクリル樹脂からなる札に、記録部を設けたものを用いることができる。第1記録手段11に備えられる記録部は、自らの識別情報を記録し得るものであれば特に限定されるものではないが、QRコード又はバーコードを用いることが好ましい。第1記録手段11は作業中、スイッチ自体或いはスイッチの傍らに表示されるものであるが、前述したように動力源1のスイッチが複数となる場合において、当該複数のスイッチが近接して備えられる場合に、記録部をQRコード又はバーコードとすることで、個々の第1記録手段11の情報を、読み取り誤差なく、一つ一つ適切に識別することができる。また、上述のようにコストの観点からもQRコード又はバーコードを用いることが好ましい。第1記録手段11の記録部に記録される識別情報については、後述する。
指示系統5において用いられる第2記録手段12、12、…は、第2階層に備えられるとともに、自らの識別情報が記録された記録部を備える下層側記録手段である。指示系統5において、第1階層と第2階層とは互いに関連する階層とされており、具体的には第1階層を基幹としてその下流側の作業が第2階層にて行われるような指示系統とされている。すなわち、図2に示すように、第1記録手段11に複数の第2記録手段12、12、…が紐付けられた関係にある。第2記録手段12の大きさ、材質等、具体的な形態については、作業者が携帯しやすく適切に認識可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、記録部を有する札(子札)を複数用意し、これらを第2記録手段12、12、…として用いることができる。或いは、棒状の部材等としてもよい。第2記録手段12として札を用いる場合、大きさが6.5×10cm、厚み2mm程度で、材質がアクリル樹脂からなる札に、記録部を設けたものを用いることが好ましい。第2記録手段12に備えられる記録部は、自らの識別情報を記録し得るものであれば特に限定されるものではないが、第1記録手段11と同様、QRコード又はバーコードを用いることが好ましい。第2記録手段12の記録部に記録される識別情報については、後述する。
指示系統5において用いられる第3記録手段13、13、…は、第3階層に備えられるとともに、自らの識別情報が記録された記録部を備える下層側記録手段である。指示系統5において、第2階層と第3階層とは互いに関連する階層とされており、具体的には第2階層を基幹としてその下流側の作業が第3階層にて行われるような指示系統とされている。すなわち、図2に示すように、第2記録手段12に複数の第3記録手段13、13、…が、互いに紐付けられた関係にある。第3記録手段13の大きさ、材質等、具体的な形態については、作業者が適切に認識可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、記録部を有する札(孫札)を複数用意し、これらを第3記録手段13、13、…として用いることができる。第3記録手段の形状・材質は、第2記録手段と同様である。第3記録手段13の記録部に記録される識別情報については、後述する。
尚、各記録手段11、12、13は、識別情報に基づく区別だけでなく、それぞれが外観上区別可能とされていることが好ましい。例えば、識別情報が文字として記入されているものや、特定の記号等を用いたものとすることで、各記録手段11、12、13を外観上区別することができる。
スイッチ情報記録部10及び第1〜第3記録手段11、12、13の記録部に記録された各識別情報や、指示系統5における各階層の形態について、さらに詳述する。図2に示すように、指示系統5においては、動力源1のスイッチ、スイッチ情報記録部10、第1記録手段11(親札)、第2記録手段12、12、…(複数の子札)、及び第3記録手段13、13、…(複数の孫札)が、以下のように階層化されている。すなわち、第1階層において、動力源1のスイッチ、スイッチ情報記録部10及び第1記録手段(親札)11が用いられ、親札の記録部には、動力源1のスイッチの禁止札であることの情報(100)が記録されている(以下、この親札を親札(100)と呼ぶ。)。第2階層において、親札に関連付けられた複数の第2記録手段(子札)12、12、…が用いられ、各子札の記録部には、親札(100)に紐づくi番目の子札であることの情報(1i0)が記録されている(以下、この子札を子札(1i0)と呼ぶ。)。第3階層において、複数の子札のいずれかに関連付けられた複数の第3記録手段(孫札)13、13、…が用いられ、各孫札の記録部には、子札(1i0)に紐づくj番目の孫札であることの情報(1ij)が記録されている(以下、この孫札を孫札(1ij)と呼ぶ。)。すなわち、指示系統5においては、第1記録手段11として親札(100)が用いられ、第2記録手段12、12、…として子札(110)、(120)、…、(1i0)、…が用いられ、第3記録手段13、13、…として孫札(1i1)、(1i2)、…、(1ij)、…が用いられている。
端末20は、第1記録手段11、第2記録手段12、及び第3記録手段13の各記録部に記録された識別情報や、スイッチ情報記録部10に記録された識別情報を入力(読み取り)可能とされたものである。例えば、各記録部がバーコードである場合、端末20は、バーコードを読み取り可能なものを用いる。特に、バーコード及びQRコードを双方読み取り可能とされた端末20を用いることが好ましい。また、端末20は、使用者が容易に持ち運び可能である観点から、携帯端末であることが好ましい。尚、図2においては、システム100に、端末20が一つのみ備えられるものとして記載しているが、端末20は、データベース50等を共有させ、階層数或いは使用者(責任者)数に基づいて複数備えられることが好ましい。これにより、各階層毎、或いは、各階層における使用者毎に端末20を用いることができ、各記録手段(札)11、12、13の返却状況を確認する際、作業性を向上させることができる。また、端末20は、後述する照合手段30やデータベース記録手段40によって照合・記録された各記録手段11、12、13等の識別情報を表示可能とされたものであってもよい。具体的には、各記録手段11、12、13等の返却状況等に係る情報を表示可能とすることが好ましい。端末20に表示される具体的な情報についてはさらに後述する。
照合手段30は、端末20に入力された各識別情報と後述するデータベース50とを照合する手段である。図2において、照合手段30は、端末20から独立したものとされているが、端末20内或いはデータベース50を構築するためのデータベース管理システム内に照合手段30を組み込んでもよい。照合手段30としては、公知の記録処理装置等を用いることができる。
データベース記録手段40は、照合手段30による照合に基づいて、データベース50内へと照合データを記録する手段である。図2において、データベース記録手段40は、端末20から独立したものとされているが、端末20内或いはデータベース50を構築するためのデータベース管理システム内にデータベース記録手段40を組み込んでもよい。データベース記録手段40としては、公知の記録処理装置を用いることができる。データベース記録手段40により、記録されたデータは端末20に表示される。具体的には、例えば、各記録手段(札)11、12、13の返却の際、端末20によって入力・読み取られた識別情報に基づいて、札の返却状況に係るデータが、データベース記録手段40によってデータベース50へと記録され、当該記録情報が端末20に表示されるものとすることができる。また、返却された札が適切でない場合、その旨が端末20に表示され、端末20の使用者が、返却された札が適切であるか否かを容易に判断可能とされることが好ましい。
データベース50は、第1記録手段11、第2記録手段12、及び第3記録手段13の各記録部に記録された識別情報を、階層毎に関連付けたものである。すなわち、データベース50は、指示系統5と同様の階層情報をデータベース化したものとすることができる。データベース50は、例えば、公知のデータベース管理システムによって構築することができる。
システム100には、各記録手段11、12、13等の返却時、端末20に入力・読み取られた各識別情報に係るデータに基づいて、データベース50へと記録された記録手段11、12、13等の返却状況が、全数返却となっていないと判断された場合において、動力源1の投入をロックする、ロック手段(不図示)が備えられていることが好ましい。ロック手段は、データベース記録手段40によってデータベース50へと記録された照合データに基づいて、動力源1のロックの実行・解除が行われるものであれば特に限定されるものではない。例えば、動力源1のスイッチの操作をロック可能な公知のロック手段を用いることができる。尚、返却状況に係る照合データは、端末20、照合手段30、データベース記録手段40や、データベース50を管理する管理システムのいずれかからロック手段へと送られればよい。
本発明に係るシステム100は、上述のような構成を備えている。このようなシステム100を例えば以下のように使用し、各構成間で情報のやり取りを行うことで、プラント等の保全作業時において、第1階層において動力源1のスイッチの誤操作を防止することができる。以下、図2及び図3を参照しながら、保全作業前、保全作業開始時、作業中、及び作業終了時の各段階における、システム100の操作・動作について具体的に説明するとともに、システム100を用いた動力源1の誤操作防止方法について説明する。
1.作業前(工程S1、工程S2)
図2及び図3に示すように、動力源1の操作責任者Aは、保全作業開始前に、その保全作業のために遮断が必要な動力源1のスイッチとそれに掛ける禁止札(親札、すなわち第1記録手段11)、保全作業に関わる作業実施グループ及びその作業グループを統括する作業管理者(○○電気設備担当、△△機械設備担当など)と彼らに配布する作業許可札(子札や孫札、すなわち第2記録手段12、12、…や第3記録手段13、13、…)を関連づけて、データベース化する。
動力源1のスイッチの傍らには当該スイッチの識別番号が記録されたスイッチ情報記録部10(バーコード)が表示され、親札、子札および孫札は、自らの識別番号を記録したバーコードラベルを備えている。各バーコード読み取り端末20で読み取ることでデータベース50と照合することができる。
データベース50は、上述したように、以下のように階層化されている。すなわち、図2に示すように、親札のデータとして、スイッチの禁止札であることの情報(100)が記録されている。各子札は、親札(100)に紐づくi番目の子札であることの情報(1i0)が記録されている。各孫札は、子札(1i0)に紐づくj番目の孫札であることの情報(1ij)が記録されている。
2.保全作業開始時(工程S3、工程S4)
2−1 動力源の遮断(工程S3)
作業開始にあたって、動力源1の操作責任者Aは、端末20を携帯して操作しようとするスイッチ1に出向き、端末20でスイッチのバーコードと、禁止札(親札)のバーコードを読み取る。端末20では、読み取ったバーコードから、端末20にダウンロードされたデータベース50と照合しスイッチと禁止札とが一致するか(すなわち、当該スイッチが動力源1のスイッチであるか否か及び当該禁止札が親札(100)であるか否か)を判定する。一致した場合にはOK、一致しない場合にはNGを表示する(N1)。動力源1の操作責任者Aは、OKが表示されると(Y1)、スイッチを操作して動力源を遮断するとともに、親札(100)をスイッチに表示する。
2−2 子札、孫札の配布(工程S4)
動力源1の操作責任者Aは、動力源1の遮断後、各作業の作業管理者Biに、それぞれ子札(1i0)を1枚配布する。作業管理者Biは、当該作業管理者Biの指揮下で作業する作業者のための孫札を必要数配布する(たとえば作業者がn人なら、孫札(1i1)〜(1in)を配布する。)。すなわち、作業管理者Biは、作業者Ci−jに、孫札(1ij)を配布する。作業者Ci−jは孫札(1ij)を配布されてから、作業を開始する。
3.保全作業中(工程S5)
作業管理者Biおよび各作業者Ci−jは、それぞれ自らの子札、孫札を紛失したり誤って返却されたりしないよう常時携帯しながら、各担当の作業を行う。
4.保全作業終了時(工程S6〜工程S11)
4−1 子札、孫札の回収(工程S6〜工程S9)
作業者Ci−jは、自らの作業終了後、自らの孫札(1ij)を作業管理者Biに返却する。作業管理者Biは、自らの子札(1i0)及び返却された孫札のバーコードを端末20で読み取り、データベース50と照合する。返却された孫札が孫札(1ij)であるときは、データベース50に孫札(1ij)が返却された旨のデータが記録され、その旨が端末20に表示される。万一、返却された孫札が子札(1i0)と紐づかないもの等であるとき(N2)、その旨が端末20を通じて表示され、或いは警告音等によって警告され、作業管理者Biは当該孫札を返却した作業者に通知するよう促されるとともに、孫札の取り違え原因の調査等適切な措置を講じることができる。作業管理者Biは、管理する作業者の全ての孫札について、同様に処理する。端末20には、各孫札の返却状況が表示され、作業管理者Biは、この状況を都度確認することができる。作業者や作業名等が孫札とデータベースで紐づけされ、孫札がその紐づけに沿って配布されていると、各作業の完了状況を把握することもできる。
データベース50に作業管理者Biが管理する孫札全数の返却が入力されたら(Y2)、その旨が端末20を通じて表示される。作業管理者Biはこれにより孫札全数の返却を確認したのち、自らの子札「1i0」と孫札全数を動力源1の操作責任者Aに返却する。
操作責任者Aは、返却された子札のバーコードを端末20で読み取り、データベース50と照合する。返却された子札が子札(1i0)であるときは、データベース50に子札(1i0)が返却された旨のデータが記録され、その旨が端末20に表示される。ただし、子札(1i0)に紐づく孫札が全数返却されていないとき(N3)は、その旨が端末20を通じて表示され、子札(1i0)に紐付く孫札がすべて回収されていないことが警告される。これによって、操作責任者Aは、当該子札を返却した作業管理者Biにその旨を通知することを促されるとともに、返却漏れの調査等適切な措置を講じることができる。また、返却された子札が親札(100)と紐づかないものであるとき(N3)も、同様とし、札の取り違えの調査等の措置を講じる。
操作責任者Aは、親札「100」に紐づく全ての子札について、同様に処理する。端末20には、各子札の返却状況が表示され、操作責任者Aは、この状況を都度確認することができる。データべース50に自らの管理する子札全数の返却が記録されたら(Y3)、その旨が端末20を通じて表示される。操作責任者Aは、これにより子札全数の返却を確認する。
4−2 動力源の投入(工程S10、工程S11)
動力源1の操作責任者Aは、操作すべきスイッチに出向き、端末20で当該スイッチのバーコード及び当該スイッチに表示された親札のバーコードを読み取る。
読み取られたバーコードは、データベース50と照合され、当該スイッチ及び親札が動力源1に係るスイッチ及び親札100であれば、端末20に、スイッチの操作が可能(すなわち、動力源1を投入可能)である旨が表示される(Y4)。この表示によって、操作責任者Aは、親札(100)を回収して、スイッチを操作し動力源1を投入することができる。
一方、各バーコードを読み取った結果、親札(100)に紐づく子札及び孫札が全数回収されていないとき、或いは、読み取ったバーコードが動力源1のスイッチ又は親札(100)のいずれかでない、或いは両方でないとき(N4)は、スイッチの操作が不可である旨が端末20に表示され、或いは警告音等によって警告される。これによって、操作責任者Aにスイッチの投入を行わせないようにすることができ、操作責任者Aに、札の回収状況や取り違え等の状況を調査するよう促すことができる。このとき、設備的に若干大がかりにはなるが、ロック手段によってスイッチの操作(すなわち動力源1の投入)にロックがかかるようになっていてもよい。
このように、本発明によれば、例えば大規模プラントの保全作業において、比較的単純なシステム構成でありながら、遮断すべきスイッチを電子的に特定できるとともに、保全作業終了時には各作業者の作業許可証回収を電子的に確認して動力源の誤投入を防止することが可能なシステム100を提供することができる。また、本発明によれば、システム100を用いて、遮断すべきスイッチを電子的に特定できるとともに、保全作業終了時には各作業者の作業許可証回収を電子的に確認して動力源の誤投入を防止することが可能な方法を提供することができる。
次に、別の態様や好適態様について説明する。上記説明では、動力源1(或いは、動力源1のスイッチ)が一つだけ備えられる形態について説明したが、例えば、一つの事業所、建屋、ライン内で複数の動力源1a、1b、…を遮断して保全作業が行われることも少なくない(さらにこのような場合、一人の動力源の操作責任者が並行して複数の保全作業の動力源の操作を担当することもある)。この場合は、遮断すべき全ての動力源1a、1b、…について、上述のようなシステムを用いる。すなわち、動力源毎にシステム100と同様のシステムが構築され、各動力源の誤操作が防止される。例えば、ある動力源1のスイッチaには親札(a00)、別の動力源のスイッチbには親札(b00)を紐づけ、以下、これに紐づく子札、孫札を前述と同様に階層化した指示系統、データベース等を用いることで、各動力源1a、1b、…の誤操作を防止することができる。このようなシステムにおいては、例えば、第1階層において、一人又は複数人の動力源操作責任者が、それぞれ、1又は複数の動力源1a、1b、…を操作するものとし、動力源(或いはスイッチ)の数だけ備えられた指示系統5a、5b、…において、動力源(或いはスイッチ)の数だけ親札(a00)、(b00)、…が用いられ、且つ、第2階層以下において、作業者が、各動力源1a、1b、…に表示する親札(a00)、(b00)、…と紐づけられた子札以下のうち、自らの作業に関連する動力源(親札)に紐づく1枚または複数枚の子札以下を保有しながら作業を行えばよい。そして、作業完了後、作業者は、自らの作業に関連する動力源(親札)に紐づくように、保有していた札を上流側階層の各担当者に返却していけばよい。そして、動力源1a、1b、…の各動力源操作責任者は、自らが担当する親札(a00)、(b00)、…に紐づく子札以下の全数返却を確認したのち、動力源1a、1b、…のスイッチを投入することができる。
また、図2の例では、階層を3段階として親(札)−子(札)−孫(札)(第1〜第3記録手段11、12、13)との用語で説明したが、階層が増加しても同様に理解できる。なお、親−子の2階層とすることもできる。すなわち、システム100に備えられる指示系統5に係る階層は、少なくともn層(nは2以上の整数)とすればよく、第1階層において動力源1の操作が行われるとともに、第1記録手段が備えられ、以下、第n階層において、第n−1階層よりも下流側の作業が行われるとともに、下層側記録手段として第n記録手段が備えられるようなシステムとすることができる。
スイッチ及び各札の識別情報が記録された記録部(ラベル、タグ)としては、前述のバーコードの他にQRコードであってもよい。ただし、スイッチ情報記録部10については、RFIDタグのように自ら電波を発信するものは避けることが好ましい。実際の態様においては、例えば、複数の動力源のスイッチA、A’、A’’が一つの操作盤(分電盤)にあることも少なくない。このような場合、RFIDタグを用いると近接するスイッチ(あるいはそこに表示される親札)の情報を誤認識する虞がある。
以下、実施例に基づいて、本発明についてさらに詳述する。実施例においては、端末を用いた読み取りについて、バーコードによる読み取りと、RFIDによる読み取りとを比較した。
材質:アクリル樹脂からなる札(6.5×16cm、厚み2mm)の表面に、識別情報に係るバーコード(0.8×5cm)又は識別情報に係るRFID(5.5×8.5cm)を貼り付け(以下、バーコードやRFIDを貼り付けてなる札を「タグ」という場合がある。)、評価用のタグを複数作製した。また、各タグを読み取る端末としては、サムスン社製携帯用RFIDリーダ URP-SJ110を用いた。
1.指向性
図4に示すように、作製した複数のタグを壁面に並べて取り付けた。タグとタグとの間の距離を水平距離Yとし、端末とタグとの距離を垂直距離Xとした。評価の際は、図4に示すように、端末の読み取り面の中心に一枚のタグが対向するようにして、タグの読み取りを行った。具体的には、バーコードを貼り付けた札を3枚並べて、各々端末での読み取りを行った場合における、読み取り精度と、RFIDを貼り付けた札を3枚並べて、各々端末での読み取りを行った場合における、読み取り精度とを比較した。そして、RFIDの回折・拡散機能が、読み取りに与える影響を調べ、バーコードとの比較を行った。結果を表1〜4に示す。表1がバーコードを用いた場合の結果、表2〜4がRFIDを用いた場合の結果である。尚、表2〜4については、端末の電波強度を変化させた以外は、同様の方法で評価を行った(表2:電波強度1dB、表3:電波強度10dB、表4:電波強度15dB)。表中の○、△、×に係る各評価は、下記を意味する。
○:干渉せずに読み取ることができた場合(すなわち、一つのタグのみ読み取ることができた場合)
△:干渉して読み取った場合(すなわち、複数のタグを読み取った場合)
×:読み取りできなかった場合
結果から明らかなように、RFIDを用いた場合、タグの間隔(水平距離Y)を数cmまで狭めた場合、個々のタグを識別することが出来なくなった。また、仮に識別できる場合でも、端末の操作の少々のぶれによって、隣接するタグまで読み取ることとなってしまった。一方、バーコードを用いた場合は、タグの間隔を0にしても、隣接するタグを誤って読み取ることはなかった。
2.材質
金属製の制御盤に、バーコード或いはRFIDを直接貼り付け、それぞれについて、端末を用いて読み取り試験を行った。その結果、金属製の制御盤に貼り付ける場合、RFIDを用いると、電波が金属に吸収(シールド)されてしまい、電波の出力を上げないと読み取りができなかった。一方、バーコードは、レーザの反射光を読み取るため、貼り付ける対象の材質に関わらず、適切に読み取りが可能であった。
3.操作性
RFIDを用いた場合、端末による読み取りの際、端末がどのタグを読み取っているのか外観上確認できない。一方、バーコードを用いた場合、端末から照射される赤いレーザ光をバーコードに当てて読み取るため、どの札に係るバーコードを読み取っているのか外観上容易に確認することができた。
以上より、複数のスイッチが互いに隣接し、それによって、各スイッチのタグが隣接して備えられるような場合には、各タグについて個別に読み取り可能とするため、タグとしてバーコードを用いることが好適であることがわかった。
本発明は、製鉄設備等のプラントの保全作業を行う場合に利用することができ、比較的単純な構成で動力源のスイッチ誤操作を防止しながら、動力源の供給範囲内の設備に関わる複数の作業を行うことができる。
1 動力源
5 指示系統
10 スイッチ情報記録部
11 第1記録手段(親札)
12 第2記録手段(子札)
13 第3記録手段(孫札)
20 端末
30 照合手段
40 データベース記録手段
50 データベース
100 システム

Claims (4)

  1. 第1階層において動力源の遮断・投入を行い、第n階層(nは2以上の整数)において前記動力源よりも下流側の作業を行うものとされた、少なくともn階層の指示系統を備え、
    前記指示系統の前記第1階層における前記動力源の誤遮断・誤投入を防止するシステムであって、
    前記動力源のスイッチの識別情報がバーコードまたはQRコードで記録された、スイッチ情報記録部と、
    前記第1階層に備えられ、前記動力源の禁止手段として機能するとともに、自らの識別情報がバーコードまたはQRコードで記録された記録部を備える、第1記録手段と、
    第2乃至第nの前記階層毎に備えられ、自らの識別情報がバーコードまたはQRコードで記録された記録部を備える、下層側記録手段と、
    前記スイッチ情報記録部、前記第1記録手段及び前記下層側記録手段の前記識別情報を前記階層に関連付けた、データベースと、
    前記スイッチ情報記録部、前記第1記録手段及び前記下層側記録手段の前記識別情報を入力可能とされた、端末と、
    前記端末に入力された識別情報と前記データベースとを照合する、照合手段と、
    前記照合手段による照合に基づいて、前記データベース内へと照合データを記録する、データベース記録手段と、
    を有するシステム。
  2. 前記データベース記録手段によって前記データベースへと記録された前記照合データに基づいて、前記動力源の投入がロックされるロック手段を備える、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記動力源又は前記動力源のスイッチが複数存在し、前記動力源毎又は前記動力源のスイッチ毎に、前記指示系統が備えられる、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のシステムを用いて、動力源の誤操作を防止する方法。
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CSNH200800120002; 中村 達明: '北陸電力原子力発電所の保守業務システムの構築' FUJITSU 第59巻 第5号, 20080910, pp.490-498, 富士通株式会社 *
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