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JP2011190524A - 耐酸化性、二次加工脆性および溶接部の靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

耐酸化性、二次加工脆性および溶接部の靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼 Download PDF

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JP2011190524A JP2010060162A JP2010060162A JP2011190524A JP 2011190524 A JP2011190524 A JP 2011190524A JP 2010060162 A JP2010060162 A JP 2010060162A JP 2010060162 A JP2010060162 A JP 2010060162A JP 2011190524 A JP2011190524 A JP 2011190524A
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Yoshiyuki Fujimura
佳幸 藤村
Yukihiro Nishida
幸寛 西田
Manabu Oku
学 奥
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Abstract

【課題】耐酸化性、二次加工脆性および溶接部の靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.03%以下,Si:1.2%以下(好ましくは0.3〜1.2%),Mn:1.0%以下,P:0.04%以下,S:0.01%以下,Ni:2%以下,Cr:19〜26%,N:0.03%以下,Al:0.5〜1.5%,Ti:0.3%以下,B:0.0005〜0.003未満であり,必要に応じてNb:0.5%以下,Mo:0.05〜0.5%,Cu:0.05〜0.5%,V:0.05〜0.5%,Zr:0.05〜0.5%,
REM(希土類元素):0.001〜0.05%,Ca:0.001〜0.01%の1種または2種以上,残部Feおよび不可避的不純物からなり、板厚0.5mmの1000℃×800h後の酸化増量が≦5mg/cm,落重試験での遷移温度が≦−50℃、および板厚1.5mmでのTIGなめ付け溶接部のシャルピー衝撃試験における遷移温度が<0℃を満足し、かつ下記(1)式を満たす耐酸化性、二次加工脆性および溶接部の靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
1.5≦Si%+2Al%+100(B%)≦3.0 ・・・・・・(1)
【選択図】なし

Description

本発明は、排ガスセンサーなどの自動車排ガス経路部材や電熱器の発熱体やストーブの燃焼筒、燃料電池の改質器や固体酸化物型燃料電池等の高温環境下で使用される部材に好適な、耐高温酸化性、二次加工脆性および溶接部の靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼に関するものである。
Al、CrおよびSiを含有するフェライト系ステンレス鋼は,優れた耐高温酸化性を特徴とし、排ガスセンサーなどの自動車排ガス経路部材や電熱器の発熱体やストーブの燃焼筒、燃料電池の改質器や固体酸化物型燃料電池等、高温に曝される部位の材料に使用されている。これらのフェライト系ステンレス鋼が優れた耐高温酸化性を示すのは、高温下で材料表面に主にAl系、Cr系およびSi系酸化物が生成するためである。この酸化物は、強固で緻密な酸化皮膜を形成し、これが酸化に対して保護層の役割を果たす。
排ガスセンサーなどの自動車等の排ガス経路部材、電熱器の発熱体やストーブの燃焼筒、燃料電池の改質器や固体酸化物型燃料電池等に用いられる場合、エンジンまたは機器の起動・停止により、加熱・冷却の繰り返しに曝される。この繰返し加熱・冷却によって、材料の表面に形成された酸化皮膜は、金属母材との熱膨張率の違いにより、剥離を起こす。酸化皮膜の剥離が発生すると、剥離した酸化皮膜下の金属母材が直接、外気に曝されるようになり、その部分で酸化が再び進行することになる。温度が高いほど酸化速度が大きく、冷却時に酸化皮膜の剥離が激しいので、材料の酸化が加速される。また、温度が高くなると材料の変形が大きくなり、外観上の見栄えの問題や機能上のトラブル発生の原因となりやすい。これは、高温では一般に材料強度が低下するうえに、酸化皮膜の成長によって材料表面に応力が生じるためである。
また、これらの商品は、製品形状が非常に複雑な場合が多いことから、伸び、張り出し性および二次加工性等に優れることが重要である。しかしながら、熱疲労の抑制やコスト低減の観点から加工難易度の高いフェライト系ステンレス鋼が用いられる場合が多い。フェライト系ステンレス鋼は、オーステナイト系ステンレスよりも伸び、張り出し性、二次加工性等が劣るため、厳しい加工や冬場の低温時に加工が施される場合は割れが発生し易いという問題点がある。
フェライト系ステンレス鋼の二次加工脆性を向上させる元素としてBが知られている。Bを添加して加工性を改善したFe−Cr−Al系フェライト系ステンレス鋼としては、特開2001−316773号公報、特開2004−307918号公報に開示されている。これは、B添加によって二次加工性が改善されると開示されているが、いずれも1次加工でしか評価されておらず検討が不十分と考えられる。自動車の排ガス経路部材や各種燃焼器は、構造が複雑な場合が多く、冬場の低温時の加工でも割れを起こさないことが重要であるため二次加工脆性および溶接部の靭性低下の把握が必要である。また、特開平10−158791号公報は、Bを含有することで耐酸化性の改善が述べられているが、最適なB添加量が40ppm〜200ppmと多いため製造性および溶接部の靭性が問題となる。また、Al添加量が多いため耐酸化性は優れるものの、加工難易度が高くなりユーザーでの加工、溶接割れが発生し易くなる。特開平5−202449号は、Bの添加により耐高温酸化性が改善されているが、非常に高価な元素であるZrおよびLaが必須元素であるため経済性の観点から問題がある。また、B添加による二次加工脆性、溶接性の改善効果については述べられていない。
特開2001−316773号 特開2004−307918号 特開平10−158791号 特開平5−202449号
このように、いずれの上記既知技術も酸化に対して有効な元素を多量添加することで耐酸化性を向上させている。そのため、耐酸化性を向上させる反面、加工性を劣化させる問題点を抱えており、二次加工脆性と耐酸化性を同時に満足させるものではないという共通の問題を抱えている。
本発明は、1000℃程度の排ガスに曝される部位で使用されても異常酸化されにくく、かつ、二次加工脆性および溶接部の靭性に優れるFe−Cr−Al−Si系フェライト系ステンレス鋼を提供することを特徴とする。
Alは非常に緻密なAlを形成し、耐高温酸化性の向上に効果がある。また、異常酸化の発生の抑制や酸化皮膜の剥離防止等の効果のほか、赤熱性の改善にも効果がある。しかしながら、過剰なAlやSiの添加は、素材の靭性を非常に劣化させ製造性および加工性の観点から、劣化が現れない量に限定する必要がある。
本発明では、Bを添加することにより、二次加工脆性を改善するだけでなく、耐酸化性および溶接部の靭性も向上できることを確認した。この理由はまだ明らかにできていないが、BはPやSよりも優先的に粒界に拡散偏析することで、耐酸化性や二次加工性に有害なPやSの粒界への偏析を抑制できるものと推察される。このため二次加工性のみならず、耐酸化性も大幅に改善できる。また、溶接部の靱性もB添加により大幅に改善することを見出した。そのためには0.0005〜0.003%未満である。0.003%以上の添加は粒界にボライドが形成され溶接性、二次加工性が逆に低下する。
本発明の構成は次のとおりである。
請求項1に記載の発明は、質量%で、C:0.03%以下,Si:1.2%以下,Mn:1.0%以下,P:0.04%以下,S:0.01%以下,Ni:2%以下,Cr:19〜26%,N:0.03%以下,Al:0.5〜1.5%,Ti:0.3%以下,B:0.0005〜0.003未満であり,残部Feおよび不可避的不純物からなり、板厚0.5mmの1000℃×800h後の酸化増量が≦5mg/cm,落重試験での遷移温度が≦−50℃、および板厚1.5mmでのTIGなめ付け溶接部のシャルピー衝撃試験における遷移温度が<0℃を満足し、かつ下記(1)式を満たす耐酸化性、二次加工脆性および溶接部の靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼である。ここで、各項は各々の合金元素の含有量(質量%)である。
1.5≦Si%+2Al%+100(B%)≦3.0 ・・・・・・(1)
請求項2に記載の発明は、更に質量でNb:0.5%以下,Mo:0.05〜0.5%,Cu:0.05〜0.5%,V:0.05〜0.5%,Zr:0.05〜0.5%の1種または2種以上を含む、請求項1記載の耐酸化性、二次加工脆性および溶接部の靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼である。
請求項3に記載の発明は、更に、REM(希土類元素):0.001〜0.05%、Ca:0.0005〜0.01%の1種または2種以上を含む、請求項1または2に記載の耐酸化性、二次加工脆性および溶接部の靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼である。
請求項4に記載の発明は、Siの下限が0.3%であることを特徴とする、請求鋼1〜3に記載の耐酸化性、二次加工脆性および溶接部の靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼である。
請求項5に記載の発明は、自動車の排ガスセンサー用であることを特徴とする、請求項1〜4に記載のステンレス鋼である。
本発明に係るフェライト系ステンレス鋼は、1000℃程度の排ガスに曝される部位で使用されても異常酸化されにくく、かつ、二次加工脆性に優れている。
以下に各元素の限定理由を述べる。
C:0.03質量%以下
C含有量が高いと、異常酸化が発生しやすくなる。また、高Al含有フエライト系ステンレス鋼においては、C含有量が高くなると、スラブやホットコイルの靱性が劣化し、製造性が劣化する。したがって、C含有量の上限を0.03%以下に限定する。
Si:1.2質量%以下
Siは、フェライト系ステンレス鋼の赤スケール生成を抑制する効果がある。しかし、過剰の添加は、二次加工性、溶接部の靭性を劣化させる。したがって、Si添加量は1.2%以下に限定する。好ましくは、耐赤スケール性向上のため0.3〜1.2%、さらに好ましくは0.3〜1.0%、さらに好ましくは0.5〜0.8%である。
Mn:1.0質量%以下
Mnは、Mn系酸化物を生成して、緻密なAl酸化物層の形成を阻害し、耐高温酸化特性に悪影響を及ぼす。したがって、耐高温酸化特性を維持するために、Mnの含有量を1.0%以下に限定する。好ましくは、0.5%以下である。
P:0.04質量%以下
Pは、耐高温酸化性および熱延板の靱性に悪影響を及ぼすので、その含有量を0.04%以下に限定する。
S:0.005質量%以下
Sは、鋼中に不可避的に含まれる成分であり、Al皮膜の形成を著しく阻害する。したがって、S含有量は0.005%以下に限定する。
Ni:2質量%以下
Niは、フェライト系ステンレス鋼の熱延板靭性および低温靭性を改善する元素であるが、多量の添加は相の安定性を損ない、また鋼の硬化を伴う。従い上限を2%に設定する。
Cr:19〜26質量%
Crは、耐高温酸化性を向上させる元素として基本的かつ有効な元素である。必要な耐赤スケール性、耐酸化性確保のためにはAlおよび/またはSiの添加が必要であるが、これらの元素は同時に二次加工性や溶接部の靭性を低下させるため、後述するようにAlとSiの添加量は極力必要最小限にする必要がある。その添加量で良好な耐高温酸化性、耐赤スケール性を得るためには19%以上の添加が必要である。しかし、過剰の添加は475℃脆化感受性およびスラブやホットコイルの靱性を劣化させる。したがって、Cr含有量は19〜26%に限定する。好ましくは19.5〜22%、さらに好ましくは20〜21%である。
N:0.03質量%以下
Nは、鋼中のAlと結合してAlNを形成して、異常酸化の起点となる。したがって、耐高温酸化性の向上のため、N含有量は0.03%以下に限定する。
Al:0.5〜1.5質量%
Alは、Crと同様、耐高温酸化性を得るために最も重要な元素である。19%以上のCrを添加した場合、優れた耐高温酸化性は、0.5%以上のAlの添加により鋼の表面に形成される緻密なAl酸化物によって得られるが、Alを過剰に含有させるとスラブやホットコイルの靱性劣化や製品加工時の二次加工脆性温度を上昇させるため、上限を1.5%に限定する。
B:0.0005以上0.003質量%未満
Bは前述のとおり、二次加工脆性を改善するだけでなく、耐酸化性および溶接部の靭性も向上させる重要な元素である。そのためには0.0005〜0.003%未満の添加が必要となる。0.003%以上の添加は粒界にボライドが形成され溶接性、二次加工性が逆に低下する。好ましくは0.0005〜0.002%である。
Ti:0.05超え〜0.3質量%
Tiは、鋼中のCやNと結合して靱性を著しく改善する効果がある。また、Tiを添加すると鋼の高温強度が上がるとともに、酸化皮膜が成長する過程で生じる応力を緩和させ、材料の変形を防止する。これらTi添加の効果を得るためには、0.05%を越えて添加する必要があるが、あまり過剰に添加すると、鋼の靱性低下および475℃脆化感受性が増大するので、上限を0.3%に限定する。
Mo,Cu,V,Zr:0.05〜0.5質量%
これらの元素は0.05%以上の添加により、フェライト系ステンレス鋼の高温強度および耐熱疲労特性を固溶強化または析出強化により向上させる。従い、特に熱疲労特性が考慮される部位においては必要に応じて添加される。しかし、過剰量の添加は鋼材が過度に硬化するので、それぞれの上限を0.5%に設定した。
Nb:0.5質量%以下
Nbは、鋼中の固溶C、Nを炭化物として固定して延性、加工性を向上させる元素である。また、Cr炭化物の粒界析出を抑制し、耐食性を改善する効果も期待できる。これらの効果を得るため、必要に応じNbは0.5%以下で添加してもよい。
希土類元素:0.01〜0.10質量%
耐高温酸化性を改善する重要な元素である。La、Ce等の希土類元素は、表面に形成されるAl酸化皮膜を安定化させ、また、マトリックスと酸化皮膜との密着性を改善することにより、耐高温酸化性を向上させると考えられている。この効果は、希土類元素の一種以上を0.01%以上添加するときに有効に現れる。しかし、過剰に添加すると、熱間加工性や靱性を劣化させたり、異常酸化の起点となる介在物が生成しやすくなって、耐高温酸化性が低下したりする。したがって、添加量上限を0.10%とする。
Ca:0.0005〜0.01質量%
必要に応じて添加される成分であり、Sを固定することでフェライト系ステンレス鋼の耐酸化性を更に向上させる。0.0005%以上で添加効果が顕著になる。しかし、過剰量のCaが含まれると鋼材が過度に硬化し、製造時に表面疵が生じやすくなり製造コストの上昇を招くので、上限を0.01%に設定した。
限定式:1.5≦Si%+2Al%+100(B%)≦3.0 ・・・・・・(1)
この範囲は、19〜22%のCrおよび所定量のAl,Siを添加した鋼で、耐酸化性、耐赤スケール性、二次加工性、溶接部の低温靭性をともに満足する範囲である。なお、各項は各々の合金元素の含有量(質量%)である。
この値が1.5を下回ると耐酸化性および耐赤スケール性を満足できない。一方、この値が3.0を超えると溶接部の靭性が目標を満足できない。なお、好ましくは上限が3.0未満である.
表1に供試材の化学成分値を示す。表1に示す鋼を真空溶解し、熱間圧延を施した板厚3.5mmの熱延板に焼鈍、冷間圧延および酸洗を施し、0.5mmの冷延焼鈍酸洗材を作製した。得られた板材から、25mm×35mmの大きさの試験片を作製し、電気炉にて、炉内加熱1000℃×800hの連続酸化試験を大気雰囲気で、また、耐赤スケールの試験として、600℃の50%水蒸気を含む窒素雰囲気中で300hの連続酸化試験をそれぞれ実施した後、試験片の重量を測定した。酸化増量の測定結果は、試験前の重量と比較し、重量変化が5mg/cm2以下のものを良好(○:以下同様)、5mg/cm2を超える重量変化があったものを不良(×:以下同様)として評価した。耐赤スケール性の評価としては、試験前後の重量変化が0.2mg/cm2以下のものを○、0.2mg/cm2を超える重量変化があったものを×として評価した。また、二次加工脆性用の評価サンプルは、酸化試験片の作製と同様に溶解、熱延を施した後、焼鈍および冷間圧延を繰り返し0.6mm、結晶粒度7.5番の板材を作製した。得られた板材から、ブランクサイズをφ40mmで切り出し、絞り比2.25で絞り加工を施した。その後、その1次絞り品を用いて種々温度を変化させ落重試験を行った。落重試験は、分銅重量を3kg、分銅高さを100mmで各温度n=3で行い、割れが発生した時の材料温度を遷移温度とした。この温度が−50℃以下のものを○、−50℃より高い温度で割れたものを×とした.なお、これらの要求特性は、自動車排ガス部位の高温センサー(温度センサー、酸素センサーまたは空気比センサー)用材料として適用できる必要十分条件である。
Figure 2011190524
溶接部の脆化は、板厚1.5mmの冷延焼鈍酸洗板の中央部に105A,10Vの直流電流,溶接速度300mm/min、電極径φ2.4mm,アルゴンシールはフロント、バックシールとも10L/minの条件でTIGなめ付け溶接を施し、なめ付け溶接部にVノッチ加工を施したシャルピー試験片(板厚を除きJIS
Z2202に準拠)を作成し、JIS Z2242に準拠した方法でシャルピー衝撃試験を材温0℃でn=3にて行い、平均値で20J/cm以上の衝撃値を示したものを良好○、衝撃値の平均値が20J/cm未満であったものを×とした。
表2の試験結果にみられるように、本発明例の鋼種A1〜A16は、いずれも耐酸化性、二次加工性および溶接部の靭性に優れている。また、耐赤スケール性に関しても、A1(Si<0.3%)を除き全て満足している。
Figure 2011190524
比較例の場合では、いずれも耐酸化性と二次加工脆性および溶接部の靭性を両立せず不十分である。耐酸化性に関しては、Al添加量、式(1)のいずれかが未達の場合、二次加工性に関してはB添加量が未達の場合、溶接部の靭性は、Si過剰、式(1)の上限超え、または式(1)が2以上でB添加量が未達の場合である(B1〜B5)。
本発明に係るフェライト系ステンレス鋼は耐高温酸化性、二次加工脆性および溶接部の靭性に優れており、排ガスセンサーなどの自動車排ガス経路部材や電熱器の発熱体やストーブの燃焼筒、燃料電池の改質器や固体酸化物型燃料電池等の高温環境下で使用される部材に好適である。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.03%以下,Si:1.2%以下,Mn:1.0%以下,P:0.04%以下,S:0.01%以下,Ni:2%以下,Cr:19〜26%,N:0.03%以下,Al:0.5〜1.5%,Ti:0.3%以下,B:0.0005以上0.003%未満であり,残部Feおよび不可避的不純物からなり、板厚0.5mmの1000℃×800h後の酸化増量が≦5mg/cm,落重試験での遷移温度が≦−50℃、および板厚1.5mmでのTIGなめ付け溶接部のシャルピー衝撃試験における遷移温度が<0℃を満足し、かつ下記(1)式を満たす耐酸化性、二次加工脆性および溶接部の靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
    1.5≦Si%+2Al%+100(B%)≦3.0 ・・・・・・(1)
    (各項は各々の合金元素の含有量(質量%)である。)
  2. 更に、質量で、Nb:0.5%以下,Mo:0.05〜0.5%,Cu:0.05〜0.5%,V:0.05〜0.5%,Zr:0.05〜0.5%の1種または2種以上を含む、請求項1記載の耐酸化性、二次加工脆性および溶接部の靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
  3. 更に、REM(希土類元素):0.001〜0.05%、Ca:0.0005〜0.01%の1種または2種以上を含む、請求項1または2に記載の耐酸化性、二次加工脆性および溶接部の靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
  4. Siが0.3%以上であることを特徴とする、請求鋼1〜3に記載の耐酸化性、二次加工脆性および溶接部の靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
  5. 自動車の排ガスセンサー用であることを特徴とする請求項1〜4に記載のステンレス鋼。
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