JP2011173954A - 水性ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂分散液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】活性水素を有しない(メタ)アクリル系モノマー(A)中で、ポリイソシアネート(a)、水酸基及びアミノ基から選ばれる官能基を2つ以上と、酸性官能基を1つ以上有する化合物(b)、酸性官能基を有しないポリオール(c)、グリシジル基及び重合性不飽和基を有する化合物(d)を反応させ、重合性不飽和基及び酸性官能基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)を製造し、プレポリマー(B)中の酸性官能基を中和し水希釈して乳化させた後、プレポリマー(B)の鎖延長反応と、モノマー(A)及びプレポリマー(B)のラジカル重合反応とを行う水性ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂分散液の製造方法。
【選択図】なし
Description
アクリル樹脂は、耐候性、光沢、耐アルカリ性などの性能に優れているが、塗膜にした際の硬さと軟さの両立が困難であり、耐屈曲性、耐衝撃性、耐摩耗性などが不十分であった。
一方、ウレタン系樹脂は、機械的物性、密着性、耐磨耗性、柔軟性等に優れているが、耐候性、耐アルカリ性、耐熱性などが不良であり、かつ高価であった。
そこで、両方の樹脂の欠点を補うため、アクリル樹脂とウレタン樹脂を複合化した水性樹脂が提案されている。
また、ウレタンプレポリマーの乳化後に添加する(メタ)アクリル系モノマーは活性水素(水酸基)を有するため、得られる水性樹脂全体の親水性が高くなりやすく、塗膜の耐水性が低下しやすかった。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートの両方を示し、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸の両方を示すものとする。
モノマー(A)は、分子内に活性水素を有しないアクリル系モノマーである。ここで「活性水素を有しない」とは、カルボキシル基、水酸基、メチロール基、シラノール基、1級アミノ基、2級アミノ基を含有しない、ということである。
このようなモノマー(A)としては、例えば(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニルメタクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、炭素数12〜13のアルキルを有するメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、メトキシエトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、プロポキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエトキシエチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミド基を有する不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート等の三級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル;N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素不飽和単量体;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル等の芳香族不飽和単量体;ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の含珪素不飽和単量体;オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の含フッ素不飽和単量体;イソシアネート基をブロックした不飽和単量体等の不飽和基を一つ有する単量体類などが挙げられる。
また、モノマー(A)として、活性水素を有しない不飽和基を2つ有する不飽和単量体(例えばジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)を用いてもよい。
ウレタンプレポリマーは、ポリイソシアネート(a)(以下、「(a)成分」という。)と、分子内に、水酸基及びアミノ基から選ばれる官能基を2つ以上含み、かつ酸性官能基を1つ以上有する化合物(b)(以下、「(b)成分」という。)と、酸性官能基を有しないポリオール(c)(以下、「(c)成分」という。)と、分子内にグリシジル基及び重合性不飽和基を有する化合物(d)(以下、「(d)成分」という。)との反応により生成される。
(a)成分は、ポリイソシアネートである。
(a)成分としては、分子内にイソシアネート基を2個以上有する化合物が好ましい。このような(a)成分としては、例えば脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートおよびその誘導体などが挙げられる。具体的には、キシリレンジイソシアネート、ポリフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどのジイソシアネートおよびこれらの重合物が挙げられる。
また、(a)成分として、例えば上記の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物と、アロファネート結合、イソシアヌレート結合、カルボジイミド結合などを有する化合物との縮合物を用いてもよい。
(b)成分は、分子内に、水酸基及びアミノ基から選ばれる官能基を2つ以上含み、かつ酸性官能基を1つ以上有する化合物であり、ウレタンプレポリマー中に酸性官能基を導入するために用いられる。
水酸基及びアミノ基は、(a)成分のイソシアネート基と反応し得る官能基である。
また、酸性官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基などが挙げられる。
一方、酸性官能基としてスルホン酸基を有する場合、例えばメタニル酸、2−アミノナフタレン−1−スルホン酸、4−アミノナノフタレン−1−スルホン酸、7−アミノー1,3−ナフタレンジスルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸等のアミノ基を有する化合物;5−スルホイソフタル酸のエチレングリコール付加物などが挙げられる。
(c)成分は、酸性官能基を有しないポリオールである。
(c)成分としては、分子内に水酸基を2個以上有する化合物が好ましい。このような(c)成分としては、低分子量ポリオール、高分子量ポリオールなどが挙げられる。
低分子量ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価のアルコール;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の3価以上のアルコールなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、ジオールと二塩基酸の重縮合物とからなるポリエステルが挙げられる。ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル1,5−ペンタンジオールなどが挙げられる。二塩基酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。また、上述したポリエステル以外にも、例えばポリカプロラクトン、ポリβ−メチル−δ−バレロラクトン等のラクトン系開環重合体ポリオール、ポリカーボネートジオールなどを用いてもよい。
アクリルポリオールとしては、水酸基を有するモノマーの共重合体が挙げられる。水酸基含有モノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ジヒドロキシアクリレート等が挙げられる。
エポキシポリオールとしては、アミン変性エポキシ樹脂等がある。
これら(c)成分は1種単独または2種以上を混合して使用することができるが、被塗装物への密着性、塗装性、あるいは塗膜物性等のバランスをとるためには、化学構造の異なる2種類以上を混合して使用することが好ましい。また、分子量を適宜選択することによっても達成できる。
(d)成分は、分子内にグリシジル基及び重合性不飽和基を有する化合物(ただし、前記(メタ)アクリル系モノマー(A)を除く。)である。
(d)成分としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。中でもウレタンプレポリマーを製造する際の反応性の面から、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
上述したように、水性樹脂分散液は、モノマー(A)中でウレタンプレポリマーを製造し、その後に、ウレタンプレポリマーとモノマー(A)を含む混合物をラジカル重合することで得られる。
ここで、水性樹脂分散液の製造について、具体的に説明する。水性樹脂分散液は、以下に示す製造方法(i)または製造方法(ii)により製造される。
製造方法(i)は、重合性不飽和基及び酸性官能基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)(以下、「プレポリマー(B)」という。)を経由して水性樹脂分散液を製造する方法である。
まず、モノマー(A)中でプレポリマー(B)を製造する。プレポリマー(B)は、以下に示す製造方法(i−1)〜(i−3)により製造される。
製造方法(i−1)では、まず、モノマー(A)中で、(a)成分と(b)成分と(c)成分とを反応(ウレタン化反応)させて、(b)成分由来の酸性官能基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(C)(以下、「プレポリマー(C)という。」を製造する(第一工程)。
ついで、反応系内に(d)成分を添加して、プレポリマー(C)中の酸性官能基と(d)成分中のグリシジル基とを付加反応させ、プレポリマー(B)を得る(第二工程)。
製造方法(i−2)では、まず、モノマー(A)中に、(b)成分と(c)成分と(d)成分とを仕込み、(b)成分中の酸性官能基と(d)成分中のグリシジル基とを付加反応させて、(b)成分由来の酸性官能基と(d)成分由来の重合性不飽和基を有するポリオール(D)(以下、ポリオール(D)という。)を製造する(第一工程)。
ついで、反応系内に(a)成分を添加して、(a)成分とポリオール(D)と(c)成分とをウレタン化反応させ、プレポリマー(B)を得る(第二工程)。
製造方法(i−3)では、モノマー(A)中に、(a)成分と(b)成分と(c)成分と(d)成分とを仕込み、(a)成分と(b)成分と(c)成分とによるウレタン化反応と、(b)成分中の酸性官能基と(d)成分中のグリシジル基とによる付加反応とを同時に行い、プレポリマー(B)を得る。
鎖延長反応とラジカル重合反応は同時に行ってもよいし、鎖延長反応を行った後にラジカル重合反応を行ってもよい。
なお、鎖延長反応を行う際には、鎖延長剤として詳しくは後述するが、水やポリアミン等を用いる。鎖延長剤として水を用いる場合には、製造工程の簡略化や工程時間の短縮の面で、鎖延長反応とラジカル重合反応を同時に行うのが好ましい。
一方、鎖延長剤として水以外(ポリアミンなど)を用いる場合には、反応熱緩和の面で、鎖延長反応を行った後にラジカル重合反応を行うのが好ましい。
製造方法(ii)は、プレポリマー(C)を経由して水性樹脂分散液を製造する方法である。
まず、モノマー(A)中でプレポリマー(C)を製造する。プレポリマー(C)は、前記製造方法(i−1)と同様にして製造される。
プレポリマー(C)とモノマー(A)とを含む混合物に(d)成分を添加するタイミングは、混合物に中和剤と水を添加する前でもよいし、後でもよい。
また、鎖延長反応とラジカル重合反応と付加反応は同時に行ってもよいし、鎖延長反応を行った後にラジカル重合反応と付加反応を行ってもよい。後者の場合、ラジカル重合反応と付加反応は同時であってもよいし、付加反応を行った後にラジカル重合反応を行ってもよいし、ラジカル重合反応を行った後に付加反応を行ってもよい。
鎖延長剤として水を用いる場合には、製造工程の簡略化や工程時間の短縮の面で、鎖延長反応とラジカル重合反応と付加反応を同時に行うのが好ましい。
一方、鎖延長剤として水以外(ポリアミンなど)を用いる場合には、反応熱緩和の面で、鎖延長反応を行った後にラジカル重合反応と付加反応を行うのが好ましい。
上述した製造方法(i)、(ii)においては、ウレタン樹脂とアクリル樹脂の比率が、質量比でウレタン樹脂:アクリル樹脂=1:9〜9:1となるように、各成分を配合するのが好ましい。より好ましくはウレタン樹脂:アクリル樹脂=3:7〜7:3であり、この範囲内で各成分を配合すれば、水性樹脂分散液をより安定して製造することができる。
なお、ウレタン樹脂が上述した比率より少ないと、モノマー(A)の分散安定性が低下し、ラジカル重合時にゲル化したり凝集物が発生したりしやすく、製造時の安定性が著しく下がる傾向にある。一方、ウレタン樹脂が上述した比率より多くなると、ウレタン化反応時の粘度が高くなることにより、攪拌効率が低下する傾向にある。
なお、グリシジル基が上述した比率より少ないと、ウレタンプレポリマー中に導入できる重合性不飽和基量が少なくなり、その結果、ウレタン樹脂−アクリル樹脂間の結合数が減少し、水性樹脂分散液の溶液安定性に劣る傾向がある。一方、グリシジル基が上述した比率より多くなると、ウレタンプレポリマー中の重合性不飽和基量が過剰となる。その結果、製造方法(i)におけるプレポリマー(B)とモノマー(A)とのラジカル重合時、または製造方法(ii)におけるプレポリマー(C)とモノマー(A)とのラジカル重合時に、高粘度化やゲル化したり、凝集物が発生したりし、製造時の安定性が低下する傾向にある。
(ウレタン化反応)
モノマー(A)中で行われるウレタン化反応は、通常、反応系内の温度50〜100℃、反応時間3〜10時間の条件で行うことが好ましい。特に反応時間が短すぎると未反応物質が残る可能性があり、水性樹脂分散液より得られる塗膜の物性が低下しやすくなる。
触媒としては、例えばジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、スタナスオクトエート等の有機スズ化合物;トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン化合物などが挙げられる。
プレポリマー(C)と(d)成分の付加反応には、以下に示す方法があるが、付加反応効率の点から、(1)が特に好ましい。
(1)製造方法(i‐1):モノマー(A)中で、プレポリマー(C)と(d)成分を付加反応させる方法。
(2)製造方法(ii):プレポリマー(C)を中和・水希釈する前に、(d)成分を反応系内に添加し、プレポリマー(C)を乳化した後、水中でプレポリマー(C)と(d)成分を付加反応させる方法。
(3)製造方法(ii):プレポリマー(C)を中和・水希釈した後に、(d)成分を反応系内に添加し、プレポリマー(C)を乳化した後、水中でプレポリマー(C)と(d)成分を付加反応させる方法。
触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジルコニウムオクトエート、亜鉛ナフテネート等が挙げられる。
ウレタンプレポリマーとモノマー(A)とを含む混合物に中和剤と水を添加して、ウレタンプレポリマーの酸性官能基を中和し、水希釈して乳化させる方法には、以下に示す方法があるが、中和熱が抑制され、さらに乳化が容易になることから、(4)、(6)が特に好ましい。
(4)製造方法(i):プレポリマー(B)とモノマー(A)とを含む混合物に、中和剤と水を混合した溶液を徐々に滴下して乳化させる方法。
(5)製造方法(i):プレポリマー(B)とモノマー(A)とを含む混合物に、中和剤を添加した後に、水を添加して乳化させる方法。
(6)製造方法(ii):プレポリマー(C)とモノマー(A)とを含む混合物に、中和剤と水を混合した溶液を徐々に滴下して乳化させる方法。
(7)製造方法(ii):プレポリマー(C)とモノマー(A)とを含む混合物に、中和剤を添加した後に、水を添加して乳化させる方法。
有機アミン類としては、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、モルホリンなどが挙げられる。
無機類としては、例えばリチウム、カリウム、ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどが挙げられる。
これらの中でも、塗膜にした後に揮発性を有する点で有機アミン類とアンモニアが好ましく、特にトリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンが好ましい。
乳化剤の種類としては、乾燥塗膜の耐水性・耐候性等を考慮し、後述する反応性乳化剤を用いるのが好ましい。
製造方法(i)において乳化されたプレポリマー(B)、および製造方法(ii)において乳化されたプレポリマー(C)の鎖延長反応は、反応系内に存在する水がそのまま鎖延長剤として使われるが、ウレタン樹脂をより高分子量化するには、鎖延長剤としてポリアミン類を使用するのが好ましい。
ポリアミン類を使用するとウレタン樹脂中にウレア結合が形成され、ポリウレタン−ウレア樹脂が得られ、ウレタン樹脂部分の高分子量化が図れる。特に、3官能以上のポリアミン類は架橋剤としても作用するので、塗膜の耐溶剤性もより向上する。
ポリアミンとしては、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ピペラジン、ジフェニルジアミン等の脂肪族系、脂環式系、芳香族系のジアミン、トリアミンなどが挙げられる。
さらに、単官能のモノアミンを併用すれば鎖延長反応の停止が起こるため、分子量の調整も容易である。
特に、ポリアミンを鎖延長剤として用いて鎖延長反応を行う場合は、ポリアミンとイソシアネートの反応性が高いことから、反応系内の温度を20〜80℃にするのが好ましい。温度の上限値は60℃以下が好ましい。また、水に溶解するポリアミンを用いた場合、ポリアミンを適量の水に混合し、その溶液を反応系内に滴下しながら徐々に導入する方法が、反応熱の緩和とウレタン樹脂のゲル化抑制の点から好ましい。
製造方法(i)におけるプレポリマー(B)とモノマー(A)とのラジカル重合反応、および製造方法(ii)におけるモノマー(A)と(d)成分とのラジカル重合反応には、以下に示す方法があるが、製造工程の簡略化、工程時間の短縮の面で、(8)、(10)が特に好ましい。
(8)製造方法(i):モノマー(A)の全量をウレタン化反応時の溶媒として用い、プレポリマー(B)を乳化した後に、モノマー(A)の全量をそのまま反応器内でラジカル重合させる方法。
(9)製造方法(i):モノマー(A)の一部をウレタン化反応時の溶媒として用い、プレポリマー(B)を乳化した後に、残りのモノマー(A)を反応系内に滴下して添加し、ラジカル重合させる方法。
(10)製造方法(ii):モノマー(A)の全量をウレタン化反応時の溶媒として用い、プレポリマー(C)を乳化した後に、モノマー(A)の全量をそのまま反応器内でラジカル重合させる方法。
(11)製造方法(ii):モノマー(A)の一部をウレタン化反応時の溶媒として用い、プレポリマー(C)を乳化した後に、残りのモノマー(A)を反応系内に滴下して添加し、ラジカル重合させる方法。
重合開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソブチルバレロニトリル等のアゾ化合物;過酸化ベンゾイル、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、クミルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、ラウリルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジンカーボネイト等の有機過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の無機パーオキサイド化合物などが挙げられる。
有機または無機パーオキサイド化合物は、還元剤と組み合わせてレドックス系開始剤として使用することも可能である。この場合に用いられる還元剤としては、L−アスコルビン酸、L−ソルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、ロンガリットなどが挙げられる。
重合開始剤は、モノマー(A)100質量部に対して0.05〜5.00質量部の範囲内で使用するのが好ましい。
また、ラジカル重合反応は、通常、40〜100℃の温度で行うことが好ましいが、70℃以下での比較的低温での重合や、重合速度を促進させたい場合は、L−アスコルビン酸、L−ソルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、ロンガリット等の還元剤と、過酸化物系の重合開始剤とを組み合わせたレドックス系を用いてもよい。
一方、重合開始剤として水溶性重合開始剤を用いる場合は、ウレタンプレポリマーとモノマー(A)を含む混合物を水で希釈した後に、重合開始剤を添加するのが好ましい。重合開始剤を添加する際は、一度に重合開始剤の全量を添加する方法、重合開始剤の全量を時間かけて滴下する方法、始めに重合開始剤の一部を添加し残りを後から添加する方法のいずれの方法で行ってもよい。
そこで、このような場合には、ラジカル重合反応時に乳化剤を添加するのが好ましく、これにより凝集物・カレットの発生を低減することができる。
ラジカル重合反応時に添加する乳化剤としては、乾燥塗膜の耐水性や耐候性等を考慮し、反応性乳化剤を用いることが好ましい。例えば、反応部位としてアリル基を分子内に有する反応性乳化剤を用いることができる。具体的には、株式会社ADEKA製の「アデカリアソープSR−10」、「ER−10」、「ER−30」等が挙げられる。
また、反応性乳化剤としては、反応部位としてアリル基以外の反応基を持つアニオン性反応性乳化剤を使用することもでき、具体的には花王株式会社製の「ラテムルPD−104」等が挙げられる。
従って、本発明により得られる水性樹脂分散液は、耐溶剤性および耐水性が良好な塗膜を形成できる。
なお、水性樹脂分散液をそのままコーティング剤、塗料、インキなどして使用する場合、樹脂固形分については特に限定されないが、通常、3〜50質量%である。樹脂固形分が高すぎる場合は、所望の値になるように、水性樹脂分散液に水や有機溶剤を配合し、希釈して使用してもよい。
各種測定方法、評価方法は以下の通りである。
(樹脂固形分の測定)
予め水性樹脂分散液の質量を測定した。ついで、水性樹脂分散液を105±5℃で2時間乾燥させ、残分の質量を測定し、下記式より樹脂固形分を求めた。
樹脂固形分(質量%)=残分の質量(g)/乾燥前の水性樹脂分散液の質量(g)×100
水性樹脂分散液を25±1℃で2時間放置した後、B型粘度計(東機産業株式会社製、「TV−22形粘度計 スピンドルタイプ」)を用いて、水性樹脂分散液の粘度を測定した。
水性樹脂分散液を25±1℃で2時間放置した後、pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、「Gシリーズ HM−30G」)を用いて、水性樹脂分散液のpHを測定した。
(耐アルコールショック性の評価)
水性樹脂分散液/イソプロピルアルコール=1/1(質量比)、または水性樹脂散液/メタノール=1/1(質量比)で配合し、それぞれを攪拌して水性樹脂水分散液のアルコール配合溶液を作製した。
ついで、得られたアルコール配合液を25℃で2時間放置した後、B型粘度計を用いて、アルコール配合液の粘度を測定した。そして、アルコール配合前の水性樹脂分散液の粘度に対する、アルコール配合後の粘度の上昇率を求め、さらに凝集物の発生の有無について目視にて観察し、以下の評価基準に基づき耐アルコールショック性の評価を行った。
5:粘度上昇率が50%未満であり、凝集物が発生していない。
4:粘度上昇率が50%以上200%未満であり、凝集物が発生していない。
3:粘度上昇率が200%以上500%未満であり、凝集物が発生していない。
2:粘度上昇率が500%以上であり、凝集物が発生していない。
1:ゲル化あるいは凝集物が発生し、使用が不可能である。
水性樹脂分散液を0℃の条件下において完全に凍結させた後、50℃の温水中で2時間放置し溶解させた。本操作を5回繰り返し、水性樹脂水分散液の凍結融解サイクル後溶液を作製した。
ついで、得られた凍結融解サイクル後溶液を25℃で2時間放置した後、B型粘度計を用いて、凍結融解サイクル後溶液の粘度を測定した。そして、凍結融解サイクル前の水性樹脂分散液の粘度に対する、凍結融解サイクル後の粘度の上昇率を求め、さらに凝集物の発生の有無について目視にて観察し、以下の評価基準に基づき耐アルコールショック性の評価を行った。
5:粘度上昇率が10%未満であり、凝集物が発生していない。
4:粘度上昇率が10%以上30%未満であり、凝集物が発生していない。
3:粘度上昇率が30%以上50%未満であり、凝集物が発生していない。
2:粘度上昇率が50%以上であり、凝集物が発生していない。
1:ゲル化あるいは凝集物が発生し、使用が不可能である。
水性樹脂分散液を50℃下で30日間放置した。放置後の水性樹脂分散液を25℃で2時間放置した後、B型粘度計を用いて、放置後の水性樹脂分散液の粘度を測定した。そして、放置前の水性樹脂分散液の粘度に対する、放置後の粘度の上昇率を求め、さらに凝集物の発生の有無について目視にて観察し、以下の評価基準に基づき耐アルコールショック性の評価を行った。
5:粘度上昇率が10%未満であり、凝集物が発生していない。
4:粘度上昇率が10%以上30%未満であり、凝集物が発生していない。
3:粘度上昇率が30%以上50%未満であり、凝集物が発生していない。
2:粘度上昇率が50%以上であり、凝集物が発生していない。
1:ゲル化あるいは凝集物が発生し、使用が不可能である。
(耐溶剤性の評価)
水性樹脂分散液100部に対し、ブチルセロソルブを15部配合して、クリヤー塗料を作製した。
ついで、表面をメタノールで拭いた処理済PETシートに、バーコーターを用いて乾燥膜厚が20μmになるようにクリヤー塗料を塗装し、70℃×40分間乾燥させ、評価用塗膜を得た。
トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、イソプロピルアルコールのいずれかの溶剤をしみ込ませたガーゼを、評価用塗膜上に50回ラビングした後、塗膜の外観変化を目視にて観察し、以下の評価基準に基づき耐溶剤性を評価した。
5:曇りや白化が全く無い。
4:曇りや白化がごくわずかにあるが、問題ない。
3:曇り、白化が認められる。
2:かなり白化している。
1:塗膜のキズ、白化が激しい。
耐溶剤性の評価と同様にして、評価用塗膜を得た。
脱イオン水をしみ込ませたガーゼを、評価用塗膜上に荷重1kgをかけた状態で100回ラビングした後、塗膜の外観変化を目視にて観察し、以下の評価基準に基づき耐溶剤性を評価した。
5:曇りや白化が全く無い。
4:曇りや白化がごくわずかにあるが、問題ない。
3:曇り、白化が認められる。
2:かなり白化している。
1:塗膜のキズ、白化が激しい。
製造方法(i−1)を採用し、以下のようにして水性樹脂分散液を得た。
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた四つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネートを11部、ジメチロールブタン酸を5部、ポリオールA(3−メチル−1,5−ペンタンジオールとセバシン酸から得られる数平均分子量1000のポリエステルジオール)を7部、ポリオールB(数平均分子量1000のポリエーテルジオール)を7部、メチルメタクリレートを52部、2−エチルヘキシルアクリレートを17部仕込んだ。この混合物を攪拌しながら80℃に加熱して3時間保持し、ウレタン化反応を行い、酸性官能基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(プレポリマー(C))の(メタ)アクリル系モノマー溶液を得た。
ついで、反応器内にグリシジルメタクリレートを0.65部、ジメチルアミノエチルメタクリレートを0.35部添加し、80℃で2時間反応させ、重合性不飽和基及び酸性官能基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(プレポリマー(B))の(メタ)アクリル系モノマー溶液を得た。
ついで、内温が50℃以下になるまで冷却し、トリエチルアミン3.4部と脱イオン水223部を混合した溶液を、30分間かけて系内に滴下した。溶液が均一に乳化された後、脱イオン水3部に過硫酸カリウム0.15部を溶解させた溶液を系内に添加し、徐々に昇温した。発熱を確認後、75℃で制御して1時間保持しラジカル重合を行った。その後脱イオン水3部に過硫酸カリウム0.15部を溶解させた溶液をさらに追加し、1.5時間ラジカル重合を行い、水性樹脂分散液(P−1)を得た。
得られた水性樹脂分散液(P−1)について物性を測定した。結果を表1に示す。また、水性樹脂分散液(P−1)の溶液安定性試験、および塗膜試験を行った。結果を表3に示す。
表1に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様にして水性樹脂分散液(P−2)を得た。
得られた水性樹脂分散液(P−2)について物性を測定した。結果を表1に示す。また、水性樹脂分散液(P−2)の溶液安定性試験、および塗膜試験を行った。結果を表3に示す。
製造方法(i−1)を採用し、以下のようにして水性樹脂分散液を得た。
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた四つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネートを17部、ジメチロールブタン酸を7.5部、ポリオールAを8.5部、メチルメタクリレートを50部、ノルマルブチルメタクリレートを14.15部仕込んだ。この混合物を攪拌しながら80℃に加熱して3時間保持し、ウレタン化反応を行い、プレポリマー(C)の(メタ)アクリル系モノマー溶液を得た。
ついで、反応器内にグリシジルメタクリレートを2.5部、ジメチルアミノエチルメタクリレートを0.35部添加し、80℃で2時間反応させ、プレポリマー(B)の(メタ)アクリル系モノマー溶液を得た。
ついで、内温が50℃以下になるまで冷却し、トリエチルアミン5.2部と脱イオン水151部を混合した溶液を30分間かけて系内に滴下した。溶液が均一に乳化された後、脱イオン水25部にエチレンジアミン0.5部を溶解させた水溶液を30分間かけて系内に滴下し、内温50℃で制御して30分間保持した。
ついで、脱イオン水3部に過硫酸カリウム0.15部を溶解させた溶液を系内に添加し徐々に昇温した。発熱を確認後、75℃で制御して1時間保持しラジカル重合を行った。その後、脱イオン水3部に過硫酸カリウム0.15部を溶解させた溶液をさらに追加し、1.5時間ラジカル重合を行い、水性樹脂分散液(P−3)を得た。
得られた水性樹脂分散液(P−3)について物性を測定した。結果を表1に示す。また、水性樹脂分散液(P−3)の溶液安定性試験、および塗膜試験を行った。結果を表3に示す。
表1に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様にして水性樹脂分散液(P−4)〜(P−6)を得た。
得られた水性樹脂分散液(P−4)〜(P−6)について物性を測定した。結果を表1に示す。また、水性樹脂分散液(P−4)〜(P−6)の溶液安定性試験、および塗膜試験を行った。結果を表3に示す。
製造方法(i−2)を採用し、以下のようにして水性樹脂分散液を得た。
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた四つ口フラスコに、ジメチロールブタン酸を5部、ポリオールAを7部、ポリオールBを7部、メチルメタクリレートを52部、2−エチルヘキシルアクリレートを17部、グリシジルメタクリレートを0.65部、ジメチルアミノエチルメタクリレートを0.35部仕込んだ。この混合物系を攪拌しながら80℃に加熱して2時間保持し、付加反応を行い、酸性官能基と重合性不飽和基を有するポリオール(ポリオール(D))を得た。
ついで、反応器内にイソホロンジイソシアネートを11部添加し、80℃で3時間ウレタン化反応を行い、プレポリマー(B)の(メタ)アクリル系モノマー溶液を得た。
ついで、内温が50℃以下になるまで冷却し、トリエチルアミン3.4部と脱イオン水223部を混合した溶液を30分間かけて系内に滴下した。溶液が均一に乳化された後、脱イオン水3部に過硫酸カリウム0.15部を溶解させた溶液を系内に添加し徐々に昇温した。発熱を確認後、75℃で制御して1時間保持しラジカル重合を行った。その後、脱イオン水3部に過硫酸カリウム0.15部を溶解させた溶液をさらに追加し、1.5時間ラジカル重合を行い、水性樹脂分散液(P−7)を得た。
得られた水性樹脂分散液(P−7)について物性を測定した。結果を表1に示す。また、水性樹脂分散液(P−7)の溶液安定性試験、および塗膜試験を行った。結果を表3に示す。
製造方法(i−3)を採用し、以下のようにして水性樹脂分散液を得た。
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた四つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネートを11部、ジメチロールブタン酸を5部、ポリオールAを7部、ポリオールBを7部、メチルメタクリレートを52部、2−エチルヘキシルアクリレートを17部、グリシジルメタクリレートを0.65部、ジメチルアミノエチルメタクリレートを0.35部仕込んだ。この混合物系を攪拌しながら80℃に加熱して5時間保持し、ウレタン化反応と付加反応を同時に行い、プレポリマー(B)の(メタ)アクリル系モノマー溶液を得た。
ついで、内温が50℃以下になるまで冷却し、トリエチルアミン3.4部と脱イオン水223部を混合した溶液を30分間かけて系内に滴下した。溶液が均一に乳化された後、脱イオン水3部に過硫酸カリウム0.15部を溶解させた溶液を系内に添加し徐々に昇温した。発熱を確認後、75℃で制御して1時間保持しラジカル重合を行った。その後、脱イオン水3部に過硫酸カリウム0.15部を溶解させた溶液をさらに追加し、1.5時間ラジカル重合を行い、水性樹脂分散液(P−8)を得た。
得られた水性樹脂分散液(P−8)について物性を測定した。結果を表1に示す。また、水性樹脂分散液(P−8)の溶液安定性試験、および塗膜試験を行った。結果を表4に示す。
製造方法(ii)を採用し、以下のようにして水性樹脂分散液を得た。
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた四つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネートを12部、ジメチロールブタン酸を5部、ポリオールAを16部、メチルメタクリレートを50部、ノルマルブチルメタクリレートを14.65部仕込んだ。この混合物系を攪拌しながら80℃に加熱して5時間保持し、ウレタン化反応を行い、プレポリマー(C)の(メタ)アクリル系モノマー溶液を得た。
ついで、反応器内にグリシジルメタクリレートを2部、ジメチルアミノエチルメタクリレートを0.35部添加し、均一に混合した。内温が50℃以下になるまで冷却し、トリエチルアミン3.4部と脱イオン水176部を混合した溶液を30分間かけて系内に滴下した。溶液が均一に乳化された後、脱イオン水3部に過硫酸カリウム0.15部を溶解させた溶液を系内に添加し徐々に昇温した。発熱を確認後、75℃で制御して1時間保持しラジカル重合を行った。その後、脱イオン水3部に過硫酸カリウム0.15部を溶解させた溶液をさらに追加し、1.5時間ラジカル重合を行い、水性樹脂分散液(P−9)を得た。
得られた水性樹脂分散液(P−9)について物性を測定した。結果を表1に示す。また、水性樹脂分散液(P−9)の溶液安定性試験、および塗膜試験を行った。結果を表4に示す。
グリシジルメタクリレートの添加のタイミングを、トリエチルアミンによる中和の後に変更した以外は、実施例9と同様にして水性樹脂分散液(P−10)を得た。
得られた水性樹脂分散液(P−10)について物性を測定した。結果を表1に示す。また、水性樹脂分散液(P−10)の溶液安定性試験、および塗膜試験を行った。結果を表4に示す。
表2に示す組成に変更し、(d)成分を用いなかった以外は、実施例1と同様にして水性樹脂分散液(P−11)を得た。
得られた水性樹脂分散液(P−11)について物性を測定した。結果を表2に示す。また、水性樹脂分散液(P−11)の溶液安定性試験、および塗膜試験を行った。結果を表4に示す。
表2に示す組成に変更し、グリシジルメタクリレートの代わりに、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを1.9部用いた以外は、実施例1と同様にして水性樹脂分散液(P−12)を得た。
得られた水性樹脂分散液(P−12)について物性を測定した。結果を表2に示す。また、水性樹脂分散液(P−12)の溶液安定性試験、および塗膜試験を行った。結果を表4に示す。
表2に示す組成に変更し、グリシジルメタクリレートの代わりに、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを1.9部用いた以外は、実施例8と同様にして水性樹脂分散液(P−13)を得た。
得られた水性樹脂分散液(P−13)について物性を測定した。結果を表2に示す。また、水性樹脂分散液(P−13)の溶液安定性試験、および塗膜試験を行った。結果を表4に示す。
表2に示す組成に変更し、グリシジルメタクリレートの代わりに、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを1.9部用いた以外は、実施例9と同様にして水性樹脂分散液(P−14)を得た。
得られた水性樹脂分散液(P−14)について物性を測定した。結果を表2に示す。また、水性樹脂分散液(P−14)の溶液安定性試験、および塗膜試験を行った。結果を表4に示す。
なお、実施例2は、実施例1よりも(d)成分を増量した例であり、水性樹脂分散液のイソプロピルアルコールに対するショック性が特に向上した。
実施例3は、鎖延長剤としてエチレンジアミンを使用した例であり、塗膜の耐溶剤性および耐水性がより向上した。
実施例4は、ウレタン樹脂の比率を多くした例であり、比率の少ないものと同様に水性樹脂分散液の溶液安定性が良好であった。
実施例5、6は、(d)成分の種類を変更した例であり、グリシジルメタクリレートを使用したものと同様に、水性樹脂分散液の液安定が良好であった。
実施例7〜10は、(d)成分の添加方法を変更した例であり、いずれも水性樹脂分散液の溶液安定性が良好であった。
比較例2〜4は、(d)成分の代わりに活性水素を有する(メタ)アクリル系モノマーを用い、さらに添加方法を変更した例であり、水性樹脂分散液の溶液安定性が低下する傾向にあった。また、塗膜の耐溶剤性および耐水性が著しく低下した。
Claims (2)
- 活性水素を有しない(メタ)アクリル系モノマー(A)中で、ポリイソシアネート(a)と、分子内に、水酸基及びアミノ基から選ばれる官能基を2つ以上含み、かつ酸性官能基を1つ以上有する化合物(b)と、酸性官能基を有しないポリオール(c)と、分子内にグリシジル基及び重合性不飽和基を有する化合物(d)(ただし、前記(メタ)アクリル系モノマー(A)を除く。)とを反応させて、重合性不飽和基及び酸性官能基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)を製造し、
ついで、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)中の酸性官能基を中和し、水希釈して乳化させた後、
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)の鎖延長反応と、前記(メタ)アクリル系モノマー(A)およびイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)のラジカル重合反応とを行う、水性ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂分散液の製造方法。 - 活性水素を有しない(メタ)アクリル系モノマー(A)中で、ポリイソシアネート(a)と、分子内に、水酸基及びアミノ基から選ばれる官能基を2つ以上含み、かつ酸性官能基を1つ以上有する化合物(b)と、酸性官能基を有しないポリオール(c)とを反応させて、酸性官能基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(C)を製造し、
ついで、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(C)中の酸性官能基を中和し、水希釈して乳化させた後、
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(C)の鎖延長反応と、前記(メタ)アクリル系モノマー(A)および分子内にグリシジル基及び重合性不飽和基を有する化合物(d)(ただし、前記(メタ)アクリル系モノマー(A)を除く。)のラジカル重合反応と、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(C)および前記化合物(d)の付加反応とを行う、水性ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂分散液の製造方法。
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