JP2011162762A - 11糖シアリルオリゴ糖ペプチドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鳥類卵脱脂卵黄を水又は塩溶液で抽出して糖ペプチドの抽出液を得る抽出工程、前記抽出液を水溶性有機溶媒に添加して糖ペプチドを沈殿させる沈殿工程、及び沈殿物を脱塩する脱塩工程を含む、11糖シアリルオリゴ糖ペプチドの製造方法。
【選択図】なし
Description
膜タンパク質や細胞外などに存在する糖鎖は、細胞間の認識及び相互作用に関わる働きを有すると考えられている。そして、細胞間の認識や相互作用における変化が、癌、慢性疾患、感染症、及び老化などを引き起こす原因であると考えられている。
例えば、癌化した細胞においては、糖鎖に構造変化が起こっていることが知られている。また、インフルエンザウイルスなどの病原性ウイルスなどは、特定の糖鎖を認識し結合することにより、細胞に侵入し感染することが知られている。
生体内における糖鎖は多様な構造を有するだけでなく、存在量も微量であり、タンパク質などと結合して存在することも多いことから、一般にその精製は数多くの工程を経る必要があることが多く、糖鎖の抽出・精製操作は難しいことが知られている。
例えば、酵母に発現させたエリスロポエチンの酵母型糖鎖をヒト型糖鎖に置換することにより、ヒト型糖鎖を持つエリスロポエチンを製造することができることになる。
斯かる方法により、これまでの動物細胞を用いた方法による製造コストと比較すれば、ヒト型糖鎖を持つエリスロポエチンを安価で大量供給することができる。また、糖鎖構造が均一であることから、医薬品としての品質が保持されることになる。上述のように、抗体医薬や生理活性タンパク質を製造する上で、ヒト型糖鎖を供給し、酵母に発現させた糖タンパク質の酵母型糖鎖をヒト型糖鎖に置換する方法は、非常に有効な方法であると考えられている。
近年、ヒト型糖鎖の供給源として卵黄が注目されている。卵黄には主にヒト型糖鎖と同じ、2本鎖の複合型糖鎖が含まれているため、当該糖鎖を効率よく大量に抽出することができれば、卵黄を供給源としてヒト型糖鎖を供給することができる。
また、非特許文献1には、鶏卵の可溶画分より抽出される糖鎖ペプチド(SGP:シアリルグリコペプチド)が得られることが開示されている。このSGPは、ヒト型糖鎖である、11個の糖残基からなる複合型糖鎖の還元末端に、アミノ酸6残基からなるペプチド鎖のペプチド残基が結合した化合物である。
さらに、特許文献2には、シアル酸類含有オリゴ糖を、鳥類卵脱脂卵黄から水もしくは塩溶液で抽出することにより製造する方法が開示されている。
さらに、特許文献2に開示された方法は、限外ろ過を用いたシアル酸含有オリゴ糖を工業的に製造する方法であり、当該方法において、酵素処理により、シアル酸が1残基以上オリゴ糖に共有結合しかつアミノ酸を含まない低分子性のオリゴ糖鎖を遊離させている。
[1]
鳥類卵脱脂卵黄を水又は塩溶液で抽出して糖ペプチドの抽出液を得る抽出工程、前記抽出液を水溶性有機溶媒に添加して糖ペプチドを沈殿させる沈殿工程、及び沈殿物を脱塩する脱塩工程を含む、11糖シアリルオリゴ糖ペプチドの製造方法。
[2]
前記水溶性有機溶媒が、炭素数1〜5からなる、アルコール、エーテル、ニトリル、ケトン、アミド、及びスルホキシドからなる群から選択される少なくとも1種を含有する、[1]に記載の製造方法。
[3]
前記水溶性有機溶媒が、炭素数1〜5からなるアルコールを含有する、[1]に記載の製造方法。
[4]
前記アルコールが、メタノール、エタノール、及び2−プロパノールからなる群から選択される、[2]又は[3]に記載の製造方法。
[5]
前記脱塩工程が、前記沈殿物を樹脂へ保持し、次いで、水により洗浄する工程である、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
前記樹脂が、逆相分配クロマトグラフィー充填用樹脂である、[5]に記載の製造方法。
[7]
前記逆相分配クロマトグラフィー充填用樹脂が、化学結合型シリカゲル樹脂である、[6]に記載の製造方法。
[8]
前記化学結合型シリカゲル樹脂が、ジメチルオクタデシル、オクタデシル、ジメチルオクチル、オクチル、ブチル、エチル、メチル、フェニル、シアノプロピル、アミノプロピル基からなる群から選択される基と化学結合しているシリカで構成される樹脂である、[7]に記載の製造方法。
[9]
前記脱塩工程が、さらに有機溶媒水溶液により11糖シアリルオリゴ糖ペプチドを溶出する工程を含む、[1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]
前記有機溶媒水溶液が、アセトニトリル、メタノール、及びエタノールからなる群から選択される少なくとも1種を含有する、[9]に記載の製造方法。
[11]
前記有機溶媒水溶液の濃度が0.1〜20%(v/v)である、[9]又は[10]に記載の製造方法。
[12]
鳥類卵脱脂卵黄を水で抽出して糖ペプチドの抽出液を得る抽出工程、前記抽出液をエタノールに添加して糖ペプチドを沈殿させる沈殿工程、及び沈殿物をODS樹脂で脱塩する脱塩工程を含む、11糖シアリルオリゴ糖ペプチドの製造方法。
[13]
鳥類卵脱脂卵黄を水で抽出して糖ペプチドの抽出液を得る抽出工程、前記抽出液をエタノールに添加して糖ペプチドを沈殿させる沈殿工程、及び沈殿物をODS樹脂へ保持し、水により洗浄し、次いで、有機溶媒水溶液で溶出する工程を含む、11糖シアリルオリゴ糖ペプチドの製造方法。
[14]
前記11糖シアリルオリゴ糖ペプチドが下記式1で表される糖ペプチドである、[1]〜[13]のいずれかに記載の製造方法。
式1:
11糖シアリルオリゴ糖ペプチドの11糖残基部分は、非還元末端に2つのシアリル基を有する糖部分である。
11糖シアリルオリゴ糖ペプチドとしては、下記式1で表される糖ペプチドが挙げられる。
本実施の形態において、Lys、Val、Ala、Asn、及びThrは、アミノ酸の3文字表記であり、それぞれ、リジン、バリン、アラニン、アスパラギン、及びスレオニンを意味する。
アミノ酸としては、L−アミノ酸であっても、D−アミノ酸であってもよく、ラセミ体などを含め、L−アミノ酸とD−アミノ酸の任意の比率の混合物であってもよいが、L−アミノ酸であることが好ましい。また、各アミノ酸は、各アミノ酸と等価な誘導体であってもよい。
また、本実施の形態の好ましい態様において、11糖シアリルオリゴ糖ペプチドを、工業的規模で簡便な工程により、93%以上の高純度で、かつ収率よく製造することができる。
鳥類卵脱脂卵黄としては、特に限定されるものではないが、例えば、市販の脱脂卵黄や、鳥類卵から調製した脱脂卵黄が挙げられる。
鳥類卵としては、特に限定されるものではないが、例えば、ニワトリ、ウズラ、アヒル、カモ、ダチョウ、及びハトなどの卵が挙げられ、卵黄内に含まれる糖ペプチドの量が多いので、ニワトリの卵である鶏卵などが好ましい。
鳥類卵脱脂卵黄は、鳥類卵の全卵又は卵黄を、有機溶媒により脱脂処理することにより得ることができる。
鳥類卵としては、生の卵であってもよく、乾燥して得られる卵の乾燥粉末であってもよく、鶏卵卵黄及び鶏卵卵黄粉末などを用いることが好ましい。
脱脂処理に用いられる有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、アセトン、メタノール、エタノール、及び2−プロパノールなどが挙げられ、有機溶媒として、1種の溶媒を用いてもよく、2種の溶媒の混合溶媒を用いてもよい。
脱脂処理において、鳥類卵に添加する有機溶媒の量として、特に限定されるものではないが、鳥類卵に対して、質量で、1〜5倍の有機溶媒を用いることにより脱脂処理を行うことができる。
脱脂処理は、特に限定されるものではないが、0〜25℃の温度で行うことができる。
有機溶媒と沈殿物とを分離する方法としては、特に限定されるものではないが、2,000〜10,000rpmで5〜30分遠心分離してもよい。
有機溶媒を用いた脱脂処理は、特に限定されるものではないが、2〜6回行うことが好ましい。
塩溶液の濃度としては、特に限定されるものではないが、0.0001〜2.0%(w/v)である。鳥類卵脱脂卵黄に添加する水又は塩溶液の量として、特に限定されるものではないが、鳥類卵脱脂卵黄に対して、質量で、0.1〜50倍の水又は塩溶液を用いることにより糖ペプチドの抽出を行うことができる。
糖ペプチドの抽出は、特に限定されるものではないが、4〜25℃の温度で行うことができる。
水又は塩溶液で抽出した糖ペプチドを含有する抽出液と、鳥類卵脱脂卵黄とを分離する方法としては、特に限定されるものではないが、2,000〜10,000rpmで5〜30分遠心分離してもよい。
水又は塩溶液を用いた抽出処理は、特に限定されるものではないが、2〜6回行うことが好ましく、2〜4回行うことがより好ましい。
抽出工程は、水を用いて行うことが好ましい。
本実施の形態において、水溶性有機溶媒とは、水と相溶性を有する有機溶媒であれば特に限定されないが、例えば、水と相溶性を有する炭素数1〜5からなる有機溶媒などが挙げられる。
炭素数1〜5からなるとは、溶媒分子中の炭素数が1〜5であることを意味する。
該溶媒として、特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール系、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル系、アセトニトリル等のニトリル系、アセトン等のケトン系、ジメチルホルムアミド等のアミド系、及びジメチルスルホキシド等のスルホキシド系からなる群から選択される溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒として、1種の溶媒を用いてもよく、2種以上の溶媒の混合溶媒を用いてもよい。
水溶性有機溶媒としては、炭素数1〜5からなるアルコールであることが好ましく、沈殿工程において、水溶性有機溶媒がアルコールである場合、該沈殿工程は、糖ペプチドの抽出液をアルコールに添加して糖ペプチドを沈殿させる工程(以下、「アルコール沈殿工程」と記載する場合がある。)であり、抽出工程で得られた、糖ペプチドを含有する抽出液をアルコールに添加することにより、糖ペプチドの抽出液を濃縮するだけでなく精製度の向上した糖ペプチドを沈殿物として得るアルコール沈殿工程である。
本実施の形態において、アルコール沈殿工程において用いるアルコールとしては、1種のアルコールを用いてもよく、2種以上のアルコールの混合溶媒を用いてもよく、アルコールと他の溶媒との混合溶媒を用いてもよい。
アルコール溶媒が混合物である場合、例えば、メタノール又は2−プロパノールをエタノールに対し0.01〜50%添加した混合溶媒を用いてもよい。また、エタノールに対しアセトン、アセトニトリル又はジエチルエーテルを0.01〜50%添加した混合溶媒を用いてもよい。
得られた糖ペプチドを、水又は塩溶液に溶解し、再度アルコール沈殿工程を行うことにより、より精製された糖ペプチドを得ることができる。アルコールに対し糖ペプチドは溶解しないので、アルコール沈殿工程は不純物除去のために必要に応じて繰り返すことができる。アルコール沈殿工程を繰り返し行うことにより、より精製された糖ペプチドを得ることができ、糖ペプチドの沈殿は、特に限定されるものではないが、2〜6回行うことが好ましく、2〜4回行うことがより好ましい。
脱塩工程としては、脱塩方法として知られた種々の公知の方法で行うことができ特に限定されるものではない。脱塩工程は、特に限定されるものではないが、イオン交換樹脂、イオン交換膜、ゲルろ過、透析膜、限外ろ過膜又は逆浸透膜などを用いて脱塩することが可能である。脱塩工程としては、例えば、沈殿工程で得られた沈殿物を樹脂へ保持させ、次いで、水により洗浄することにより脱塩することもできる。
また、本実施の形態においては、上述した抽出工程と沈殿工程を行うことにより得られる沈殿物を脱塩することにより、工業的規模で簡便に11糖シアリルオリゴ糖を製造することができる。
特許文献1に記載されるような従来の方法においては、鶏卵由来脱脂卵黄(粉末)から水で抽出、逆浸透膜により濃縮、陰イオン交換樹脂に吸着させた後、脱塩してNaCl水溶液による溶出を行い、濃縮し、再度、脱塩工程を行う必要があり、工業的規模で行うには簡便な方法であるとは言えない。
樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、逆相分配クロマトグラフィー充填用樹脂等が挙げられ、逆相分配クロマトグラフィー充填用樹脂とは、シリカゲル系、ポリマー系を代表とする樹脂を意味し、特に限定されるものではないが、例えば、ポリ(スチレン/ジビニルベンゼン)ポリマーゲル樹脂、ポリスチレン−ジビニルベンゼン樹脂、ポリヒドロキシメタクリレート樹脂、スチレンビニルベンゼン共重合体樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、化学結合型シリカゲル樹脂などが挙げられる。
化学結合型シリカゲル樹脂とは、特に限定されるものではないが、例えば、多孔性シリカゲルにジメチルオクタデシルクロロシランの様なシランカップリング剤を反応させて製造する樹脂などが挙げられ、シリカゲルに対し、同様の手法で異なるシリル化剤を用いることで、ジメチルオクタデシル、オクタデシル(C18)、トリメチルオクタデシル、ジメチルオクチル、オクチル(C8)、ブチル、エチル、メチル、フェニル、シアノプロピル、アミノプロピル基からなる群から選択される基を化学結合することで得られる樹脂等が挙げられる。あるいは炭素数22のドコシル(C20)基及び炭素数30のトリアコンチル(C30)基を結合して得られる樹脂であってもよい。
本実施の形態において、好ましい化学結合型シリカゲル樹脂として、シリカゲルを基材として、オクタデシル基が担持された、オクタデシル基結合シリカゲル樹脂(ODS樹脂)が挙げられる。
溶出工程に用いる有機溶媒は、例えば、アセトニトリル、メタノール、及びエタノールからなる群から選択される少なくとも1種を含有し、有機溶媒水溶液の濃度が、有機溶媒の水溶液中での濃度として、0.1〜20%(v/v)であることが好ましい。
斯かる脱塩工程としては、例えば、限外ろ過膜又は逆浸透膜を用いることで沈殿物の脱塩を行うことができる。
脱塩工程に用いる膜としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン、芳香族ポリアミド、酢酸セルロース、ポリビニルアルコールを構成基材とする平膜又は中空糸膜、スパイラル膜又はチューブラー膜等が挙げられる。該膜として、さらにはイオン交換樹脂、イオン交換膜、ゲルろ過、透析膜、限外ろ過膜あるいは逆浸透膜で脱塩することも可能である。
糖ペプチドを添加して保持させたシリカゲル樹脂に対し、質量で、1〜50倍の水を用いて樹脂を洗浄することにより糖ペプチドの脱塩を行うことができる。
糖ペプチドを添加して、糖ペプチドを保持させたODS樹脂などのシリカゲル樹脂に対し、質量で、樹脂の1〜50倍の有機溶媒水溶液を用いて樹脂から溶出させることにより糖ペプチドを得ることができる。
有機溶媒水溶液としてはアセトニトリルが好ましく、特にアセトニトリル水溶液で溶出工程を実施することで、不純物の1つである末端シアル酸が部分的に切断された糖ペプチドと、所望の糖ペプチドとの溶出工程における分離の純度向上が著しく、93%以上の純度で糖ペプチドを得ることができる。
有機溶媒水溶液の濃度は0.1〜20%(v/v)であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20%(v/v)であり、さらに好ましくは10%(v/v)以下、よりさらに好ましくは5%(v/v)以下である。有機溶媒水溶液の濃度は、0.5〜3%(v/v)が好ましい。
有機溶媒水溶液により糖ペプチドを溶出する工程においては、水から徐々に、溶出液としての有機溶媒水溶液にグラジエントをかけて溶出を行ってもよい。
本実施の形態において、得られた糖ペプチドは、再度アルコール沈殿工程を行ってさらに精製してもよい。また、ODS樹脂などのシリカゲル樹脂に対し、再度糖ペプチドを吸着させ、質量で、樹脂の1〜50倍の有機溶媒水溶液を用いて再度樹脂から溶出させることにより、より高純度(98%以上)の糖ペプチドを得ることができる。
カラム(Cadenza CD−C18 (Imtakt、150×2mm)を備えたGLサイエンス製HPLC GL−7400システムを用いて、以下の測定条件によりHPLC分析を行った。
測定条件:
グラジエント;2%→17%(15min)、CH3CN in 0.1%TFA solution
流速;0.3mL/min
UV;214nm
D2O 0.4mLに試料 2mgを溶解して、JEOL製JNM−600(600MHz)で1H−NMRを測定した。
以下の測定条件でLC/MS測定を行った。用いたLC及びMSのシステムは以下のとおりである。
LC:アジレント製1100シリーズ
カラム:Cadenza CD−C18 (Imtakt、150×2mm)
カラム温度:40℃
流速;0.2mL/min
UV:262nm
グラジエント;40%→100%(30min)、CH3CN in 0.05%Formic acid solution
MS:サーモエレクトロン製LCQ
イオン化:ESI
モード:Positive
鶏卵卵黄10個にエタノール350mLを添加し、よく撹拌した。8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで沈殿物を得た。得られた沈殿物にエタノール300mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を除去する操作を3回繰り返して、沈殿物として脱脂卵黄150gを得た。
得られた上記脱脂卵黄150gに水200mLを添加し、よく撹拌した。8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を得た。デカンテーションにより得られた沈殿物に水100mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を回収する操作を3回繰り返した。回収した上清をグラスフィルターにて濾過後、100mLまで減圧濃縮した。その後、得られた濃縮溶液をエタノール700mLに注加し、生じた沈殿物を、8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで回収した。得られた沈殿物を水に溶解し、再度エタノールに注加した。この操作を3回繰り返した。ここで生じた沈殿物を回収することで粗精製糖ペプチド1.58gを得た。
ODS樹脂としてシリカゲル樹脂Wakogel(100C18)25gを用い、該樹脂をメタノールで洗浄後、水で置換した。粗精製糖ペプチド1.5gを水5mLに溶解し水で置換後の樹脂に添加した。粗精製糖ペプチドを添加した樹脂を水100mLで洗浄後、2%アセトニトリル水溶液で糖ペプチドを溶出した。溶出液を凍結乾燥することで117mgの糖ペプチドを得た。
得られた糖ペプチドのHPLC及び1H−NMRによる測定結果をそれぞれ図1及び2に示す。HPLCによる純度では95%であった。得られた糖ペプチドは標品(東京化成製)との比較により上記式1で表される構造であることが分かった。
得られた糖ペプチド10mgを1mM重曹水−アセトン(2/3:体積比)1.5mL溶媒中でFmoc−OSu(N−(9−Fluorenylmethoxycarbonyloxy)succinimide(ペプチド研究所製)と反応することでFmoc基を導入した反応生成物10mgを得た。反応生成物についてLC/MS測定を行った。その結果、糖ペプチドの3個のアミノ基に3個のFmoc基が導入された推定分子量3530.6の化合物が生成していることが確認され、糖ペプチドが上記式1であることが分かった。
鶏卵卵黄50個にアセトン1.1Lを添加し、よく撹拌した。8,000rpmで15分遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで沈殿物を得た。得られた沈殿物にエタノール700mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を除去する操作を2回繰り返して、沈殿物として脱脂卵黄500gを得た。
得られた上記脱脂卵黄500gに水600mLを添加し、よく撹拌した。8,000rpmで15分遠心分離し、デカンテーションにより上清を得た。デカンテーションにより得られた沈殿物に水400mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を回収する操作を3回繰り返した。回収した上清をグラスフィルターにて濾過後、400mLまで減圧濃縮した。その後、得られた濃縮溶液をエタノール2Lに注加し、生じた沈殿物を、8,000rpmで15分遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで回収した。得られた沈殿物を水に溶解し、エタノールに注加した。この操作を3回繰り返した。ここで生じた沈殿物を回収することで粗精製糖ペプチド9.0gを得た。
ODS樹脂としてシリカゲル樹脂Wakogel(100C18)50gをガラスカラムに充填し、該樹脂をメタノールで洗浄後、水で置換した。粗精製糖ペプチド9.0gを水80mLに溶解し水で置換後の樹脂に添加した。粗精製糖ペプチドを添加した樹脂を水200mLで洗浄後、2%アセトニトリル水溶液で糖ペプチドを溶出した。溶出液を凍結乾燥することで389mgの糖ペプチドを得た。
得られた糖ペプチドのHPLCによる測定結果を図4に示す。HPLCによる純度は96%であった。得られた糖ペプチドは標品(東京化成製)との比較により上記式1で表される構造であることが分かった。
鶏卵卵黄粉末(キューピータマゴ製)30gにアセトン100mLを添加し、よく撹拌後、デカンテーションにより上清を除去した。再度アセトン50mLを添加し、よく撹拌後、デカンテーションにより上清を除去する操作を2度繰り返した。
アセトン洗浄後、エタノール50mLを添加し、よく撹拌した。8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで沈殿物を得た。得られた上記沈殿物にエタノール50mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を除去することで、沈殿物として脱脂卵黄40gを得た。
得られた上記脱脂卵黄40gに水200mLを添加し、よく撹拌した。8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を得た。デカンテーションにより得られた沈殿物に水100mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を回収する操作を3回繰り返した。回収した上清をグラスフィルターにて濾過後、50mLまで減圧濃縮した。その後、得られた濃縮溶液をエタノール300mLに注加し、生じた沈殿物を遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで回収した。ここで生じた沈殿物を水に溶解し、再度エタノールに注加し、遠心分離して粗精製糖ペプチド297mgを得た。
ODS樹脂としてシリカゲル樹脂Wakogel(100C18)25gを用い、該樹脂をメタノールで洗浄後、水で置換した。粗精製糖ペプチド297mgを水2mLに溶解し水で置換後の樹脂に添加した。粗精製糖ペプチドを添加した樹脂を水100mLで洗浄後、2%アセトニトリル水溶液で糖ペプチドを溶出した。溶出液を凍結乾燥することで10mgの糖ペプチドを得た。
得られた糖ペプチドは標品(東京化成製)との比較により上記式1で表される構造であることが分かった。
鶏卵卵黄30個にメタノール800mLを添加し、よく撹拌した。8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで沈殿物を得た。得られた沈殿物にメタノール600mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を除去する操作を3回繰り返して、沈殿物として脱脂卵黄450gを得た。
得られた上記脱脂卵黄450gに水500mLを添加し、よく撹拌した。8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を得た。デカンテーションにより得られた沈殿物に水500mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を回収する操作を3回繰り返した。回収した上清をグラスフィルターにて濾過後、300mLまで減圧濃縮した。その後、得られた濃縮溶液を変性アルコール(メタノール変性エタノール、1%メタノール含有エタノール)2Lに注加し、生じた沈殿物を、8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで回収した。得られた沈殿物を水に溶解し、再度メタノール変性エタノールに注加した。この操作を3回繰り返した。ここで生じた沈殿物を回収することで粗精製糖ペプチド4.5gを得た。
ODS樹脂としてシリカゲル樹脂Wakogel(100C18)50gを用い、該樹脂をメタノールで洗浄後、水で置換した。粗精製糖ペプチド4.5gを水20mLに溶解し水で置換後の樹脂に添加した。粗精製糖ペプチドを添加した樹脂を水100mLで洗浄後、2%アセトニトリル水溶液で糖ペプチドを溶出した。溶出液を凍結乾燥することで285mgの糖ペプチドを得た。
得られた糖ペプチドのHPLCによる測定結果を図5に示す。HPLCによる純度は93%であった。得られた糖ペプチドは標品(東京化成製)との比較により上記式1で表される構造であることが分かった。
鶏卵卵黄20個にイソプロパノール550mLを添加し、よく撹拌した。8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで沈殿物を得た。得られた沈殿物にイソプロパノール300mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を除去する操作を3回繰り返して、沈殿物として脱脂卵黄300gを得た。
得られた上記脱脂卵黄300gに水300mLを添加し、よく撹拌した。8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を得た。デカンテーションにより得られた沈殿物に水300mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を回収する操作を3回繰り返した。回収した上清をグラスフィルターにて濾過後、700mLまで減圧濃縮した。その後、得られた濃縮溶液を変性アルコール(メタノール変性エタノール、1%メタノール含有エタノール)3Lに注加し、生じた沈殿物を、8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで回収した。得られた沈殿物を水に溶解し、メタノール−エタノール混合液(メタノール:エタノール=3:7、体積比)に注加した。この操作を3回繰り返した。ここで生じた沈殿物を回収することで粗精製糖ペプチド3.3gを得た。
ODS樹脂としてシリカゲル樹脂Wakogel(100C18)50gを用い、該樹脂をメタノールで洗浄後、水で置換した。粗精製糖ペプチド3.3gを水20mLに溶解し水で置換後の樹脂に添加した。粗精製糖ペプチドを添加した樹脂を水100mLで洗浄後、2%アセトニトリル水溶液で糖ペプチドを溶出した。溶出液を凍結乾燥することで186mgの糖ペプチドを得た。
得られた糖ペプチドのHPLCによる測定結果を図6に示す。HPLCによる純度は94%であった。得られた糖ペプチドは標品(東京化成製)との比較により上記式1で表される構造であることが分かった。
鶏卵卵黄20個にアセトン500mLを添加し、よく撹拌した。8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで沈殿物を得た。得られた沈殿物にアセトン300mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を除去する操作を3回繰り返して、沈殿物として脱脂卵黄300gを得た。
得られた上記脱脂卵黄300gに水300mLを添加し、よく撹拌した。8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を得た。デカンテーションにより得られた沈殿物に水300mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を回収する操作を3回繰り返した。回収した上清をグラスフィルターにて濾過後、500mLまで減圧濃縮した。その後、得られた濃縮溶液を変性アルコール(2−プロパノール変性エタノール、1%2−プロパノール含有エタノール)2Lに注加し、生じた沈殿物を、8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで回収した。得られた沈殿物を水に溶解し、メタノール変性エタノールに注加した。この操作を3回繰り返した。ここで生じた沈殿物を回収することで粗精製糖ペプチド3.1gを得た。
化学結合型シリカゲル樹脂としてLicroprep RP−8(メルク製)25gを用い、該樹脂をメタノールで洗浄後、水で置換した。粗精製糖ペプチド1.5gを水20mLに溶解し水で置換後の樹脂に添加した。粗精製糖ペプチドを添加した樹脂をそのまま水で溶出した。塩に続く溶出液を凍結乾燥することで80mgの糖ペプチドを得た。
得られた糖ペプチドのHPLCによる測定結果を図7に示す。HPLCによる純度は94%であった。得られた糖ペプチドは東京化成製の標品との比較により上記式1で表される構造であることが分かった。
脱脂卵黄粉(キューピー製)400gに水1Lを添加し、よく撹拌した。6,500rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を得た。デカンテーションにより得られた沈殿物に水400mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を回収する操作を3回繰り返した。回収した全ての上清をグラスフィルター(Whatman製、GF/B)にて濾過後、500mLまで減圧濃縮した。その後、得られた濃縮溶液をエタノール2.5Lに注加し、生じた沈殿物を、6,500rpmで20分遠心分離することで回収した。得られた沈殿物を水500mLに溶解し、エタノール2.5Lに注加した。この操作を3回繰り返した。ここで生じた最終沈殿物を回収することで粗精製糖ペプチド3.2gを得た。
ODS樹脂としてシリカゲル樹脂Wakogel(100C18)150gを用い、該樹脂をメタノールで洗浄後、水で置換した。粗精製糖ペプチド3.2gを水100mLに溶解し水で置換後の樹脂に添加した。粗精製糖ペプチドを添加した樹脂を水400mLで洗浄後、2%アセトニトリル水溶液で糖ペプチドを溶出した。溶出液を凍結乾燥することで424mgの糖ペプチドを得た。
得られた糖ペプチドのHPLCによる測定結果を図8に示す。HPLCによる純度は96%であった。HPLC条件は、カラム(Cadenza CD−C18 (Imtakt、150×2mm))を備えたGLサイエンス製HPLC GL−7400システムを用いて、以下の測定条件によりHPLC分析を行った。グラジエント;2%→17%(15min)→90%(20min)、CH3CN in 0.1%TFA溶液、流速;0.3mL/min、検出UV;214nm。得られた糖ペプチドは標品(東京化成製)との比較により上記式1で表される構造であることが分かった。
鶏卵卵黄10個にエタノール350mLを添加し、よく撹拌した。8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで沈殿物を得た。得られた沈殿物にエタノール300mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を除去する操作を3回繰り返して、沈殿物として脱脂卵黄160gを得た。
得られた上記脱脂卵黄160gに水200mLを添加し、よく撹拌した。8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を得た。デカンテーションにより得られた沈殿物に水100mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を回収する操作を3回繰り返した。回収した上清をグラスフィルター(Whatman製、GF/B)にて濾過後、150mLまで減圧濃縮した。その後、得られた濃縮溶液をエタノール750mLに注加し、生じた沈殿物を、8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで回収した。得られた沈殿物を水100mLに溶解し、再度エタノール700mLに注加した。この操作を3回繰り返した。ここで生じた沈殿物を回収することで粗精製糖ペプチド1.7gを得た。
ODS樹脂としてシリカゲル樹脂Wakogel(100C18)50gを用い、該樹脂をメタノールで洗浄後、水で置換した。粗精製糖ペプチド1.7gを水10mLに溶解し水で置換後の樹脂に添加した。粗精製糖ペプチドを添加した樹脂を水100mLで洗浄後、4%アセトニトリル水溶液で糖ペプチドを溶出した。溶出液を凍結乾燥することで120mgの糖ペプチドを得た。
得られた糖ペプチドのHPLCによる測定結果を図9に示す。HPLC分析において、標品(東京化成製)と溶出時間の一致するピークの純度は91%であった。
Claims (14)
- 鳥類卵脱脂卵黄を水又は塩溶液で抽出して糖ペプチドの抽出液を得る抽出工程、前記抽出液を水溶性有機溶媒に添加して糖ペプチドを沈殿させる沈殿工程、及び沈殿物を脱塩する脱塩工程を含む、11糖シアリルオリゴ糖ペプチドの製造方法。
- 前記水溶性有機溶媒が、炭素数1〜5からなる、アルコール、エーテル、ニトリル、ケトン、アミド、及びスルホキシドからなる群から選択される少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の製造方法。
- 前記水溶性有機溶媒が、炭素数1〜5からなるアルコールを含有する、請求項1に記載の製造方法。
- 前記アルコールが、メタノール、エタノール、及び2−プロパノールからなる群から選択される、請求項2又は3に記載の製造方法。
- 前記脱塩工程が、前記沈殿物を樹脂へ保持し、次いで、水により洗浄する工程である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 前記樹脂が、逆相分配クロマトグラフィー充填用樹脂である、請求項5に記載の製造方法。
- 前記逆相分配クロマトグラフィー充填用樹脂が、化学結合型シリカゲル樹脂である、請求項6に記載の製造方法。
- 前記化学結合型シリカゲル樹脂が、ジメチルオクタデシル、オクタデシル、ジメチルオクチル、オクチル、ブチル、エチル、メチル、フェニル、シアノプロピル、アミノプロピル基からなる群から選択される基と化学結合しているシリカで構成される樹脂である、請求項7に記載の製造方法。
- 前記脱塩工程が、さらに有機溶媒水溶液により11糖シアリルオリゴ糖ペプチドを溶出する工程を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
- 前記有機溶媒水溶液が、アセトニトリル、メタノール、及びエタノールからなる群から選択される少なくとも1種を含有する、請求項9に記載の製造方法。
- 前記有機溶媒水溶液の濃度が0.1〜20%(v/v)である、請求項9又は10に記載の製造方法。
- 鳥類卵脱脂卵黄を水で抽出して糖ペプチドの抽出液を得る抽出工程、前記抽出液をエタノールに添加して糖ペプチドを沈殿させる沈殿工程、及び沈殿物をODS樹脂で脱塩する脱塩工程を含む、11糖シアリルオリゴ糖ペプチドの製造方法。
- 鳥類卵脱脂卵黄を水で抽出して糖ペプチドの抽出液を得る抽出工程、前記抽出液をエタノールに添加して糖ペプチドを沈殿させる沈殿工程、及び沈殿物をODS樹脂へ保持し、水により洗浄し、次いで、有機溶媒水溶液で溶出する工程を含む、11糖シアリルオリゴ糖ペプチドの製造方法。
- 前記11糖シアリルオリゴ糖ペプチドが下記式1で表される糖ペプチドである、請求項1〜13のいずれかに記載の製造方法。
式1:
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