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JP2011153199A - ボールペン用インキ - Google Patents

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JP2011153199A
JP2011153199A JP2010014865A JP2010014865A JP2011153199A JP 2011153199 A JP2011153199 A JP 2011153199A JP 2010014865 A JP2010014865 A JP 2010014865A JP 2010014865 A JP2010014865 A JP 2010014865A JP 2011153199 A JP2011153199 A JP 2011153199A
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郁夫 高岸
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綾 森井
Kiyonori Yasuike
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Abstract

【課題】強い筆記圧をかけても極めて軽くて滑らかな書き味のボールペン用インキを提供する。
【解決手段】着色剤と、水及び/もしくは有機溶剤と、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロック共重合体とその誘導体と、モノアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテルリン酸、ジアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンジアルキルエーテルリン酸、トリアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレントリアルキルエーテルリン酸、並びに、これらの中和物や溶液から選ばれる一種もしくは二種以上の混合物とを含有するボールペン用インキ。
【選択図】なし

Description

本発明は、筆記部材としてインキを紙面等の被筆記面に転写するボールと、このボールを先端開口部から一部臨出させて回転自在に抱持するボールホルダーとから少なくともなるボールペンチップをペン先としたボールペンに収容されたボールペン用インキに関する。
従来、軽くて滑らかな書き味のインキを得るために、インキの粘度を調整したり、潤滑性を付与する材料をインキへ添加する試みがなされてきた。
前述のインキの粘度調整では、粘度を下げると、筆記時にボールの回転に対する抵抗が小さくなるので書き味が軽くなる利点がある。しかし、粘度が低下したことでのボールペンチップとのボールとボール受座が容易に接触してしまうので、局部的な摩耗が起こり、インキ流路がボールによって妨げられ、描線濃度にムラが生じるようになる方向性の発生や書き味が重くなるという課題を有している。
一方、樹脂などを添加してインキの粘度を高粘度となして、ボールとボール受座との間に形成されるインキ膜厚を厚くすると、滑らかな書き味は得られるものの、流動性の低いインキによってボールの回転は大きな抵抗を受けるため重い書き味であった。
また、軽い書き味を得るために、インキに剪断減粘性付与剤を用いることでインキの粘度特性を変化させ、筆記時にインキへ付与されるボールの回転による剪断力により粘度を一時的に低下させ、ボールへの回転抵抗を小さくする試み(特許文献1)が試みられてきた。しかし、剪断減粘性付与剤をインキに添加してもインキの潤滑性はさほど向上しないので、ボールとボール受座は容易に接触し、ボール受座に局部的な摩耗が生じ、方向性や書き味が重くなるという課題がある。
さらに、リン酸エステル(特許文献2)や、ジポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸やトリポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸(特許文献3)などのインキに潤滑性を付与する材料をインキに添加すると、筆記時のボールとボール受座との間の摩擦抵抗が低減するので、滑らかな書き味が得られる。このようなインキに潤滑性を付与する材料と増粘剤による粘度調整とを組み合わせる事で、さらに軽くて滑らかな書き味を得るこころみもなされてきた。(特許文献4)しかし、インキへの潤滑性向上や粘度調整だけでは、ボールとボール受座の抵抗の減少が不十分で、重い書き味になるという課題がある。
特開2003−105245号公報 特開2002−201398号公報 特開平10−279876号公報 特開平07−242852号公報
この発明の目的は、このような従来の油性ボールペン用インキが有する欠点を改良し、極めて軽くて滑らかな書き味が得られ、筆記距離に伴いその書き味が劣化しないボールペン用インキを提供するものである。
即ち、本発明は、少なくとも、下記一般式(化1)で示される化合物と、下記一般式(化2)、(化3)、(化4)のいずれかで示される化合物から選ばれる1種もしくは2種以上の混合物と、液媒体とを含有するボールペン用インキを第1の要旨とするものである。
Figure 2011153199
Figure 2011153199
Figure 2011153199
Figure 2011153199
また、前記液媒体全量中の50重量%以上が有機溶剤であり、前記一般式(化1)で示される化合物の(n+n’)/m比が1未満であるものを少なくとも1種含有する請求項1記載のボールペン用インキを第2の要旨とし、前記液媒体全量中の50重量%以上が水であり、前記一般式(化1)で示される化合物の(n+n’)/m比が1以上5未満であるものを少なくとも1種含有する請求項1記載のボールペン用インキを第3の要旨とする。
(化2)、(化3)、(化4)はチップホルダーのボールやボール受座の金属と化学的に結合し、強固な結合を形成するものと推察される。そして、上記(化1)で示される化合物のプロピレンオキサイド基は、ボールやボール受座などの金属表面を覆っている(化2)、(化3)、(化4)のいずれかで示される化合物のアルキル基と、互いに疎水結合する。そして、(化1)で示される化合物のエチレンオキサイド基が、インキ中に存在する有機溶媒と相互作用し、ボールやボール受座などの金属表面にインキの層を形成するものと推察される。また、有機溶剤を主溶剤としたインキでも、積極的にインキへ水を添加したり、有機溶剤等の配合物の吸湿により、0.1〜15.0%程度の水が含有されるが、(化1)の層はエチレンオキサイド基がインキ中に向けた形で存在し、これにより、(化1)のエチレンオキサイド基とインキ中の水が吸着し、水の分子層が形成されるものと推察される。これらのインキや水の層は、金属同士の直接接触を防止するため、ボール受座の摩耗が抑制されると考えられる。更に、金属表面に形成されるインキの層は、筆記圧などの強い力がかかったときにも維持され、高い潤滑性を維持すると共に、ボール受座の摩耗も抑制され、インキの吐出量(流通量)も大きく変化せず、軽くて滑らかな書き味が維持され、カスレなどの問題のない筆跡が維持するものである。
上記一般式(化1)と上記一般式(化2)、(化3)、(化4)のいずれかで示される化合物から選ばれる1種もしくは2種以上の混合物とのインキ中の重量比率が(化1)/(化2)+(化3)+(化4)=0.1以上100以下であることにより、(化2)+(化3)+(化4)に対する(化1)の添加量であることで効果的に相互作用が働き、ボール受座へのインキの濡れ性が保たれるので、極めて軽くて滑らかな書き味が維持される。
インキの液媒体としては、水を主に使用する場合と有機溶剤を主に使用する場合があるが、全液媒体中の50重量%以上が有機溶剤の場合(以下、油性インキと表記する)、(化1)で示される化合物の(n+n’)/m比が1以上の場合、プロピレンオキサイドの割合がエチレンオキサイドよりも低くなり、親水性が高くなりすぎて効果が出にくくなる。(n+n’)/m比が1未満であることによって、(化1)で示される化合物と有機溶剤との親和性が高くなり、より効果が発揮される。また、全液溶媒対中の50重量%以上が水の場合(以下、水性インキと表記する)、(化1)で示される化合物の(n+n’)/m比が1以上5未満であることによって、(化1)で示される化合物と水との親和性が高くなるので、より効果が発揮される。
尚、同じインキ中に複数の(化1)にて示される化合物が含有される場合、そのうちの少なくとも1つの化合物において、(n+n’)/m比が上記の範囲に含まれるものがあれば上記の効果が発揮される。
以下に発明を詳細に説明する。
着色剤としては、従来、ボールペン用インキに用いられている染料、顔料の全てが使用でき、染料、顔料は単独で用いても、併用しても良い。
油溶性の染料としては、具体的には、ローダミンBベース(C.I.45170B、田岡染料製造(株)製)、ソルダンレッド3R(C.I.21260、中外化成(株)製)、メチルバイオレット2Bベース(C.I.42535B、米国、National Aniline Div.製)、ビクトリアブルーF4R(C.I.42563B)、ニグロシンベースLK(C.I.50415)(以上、BASF社製、独国)、バリファーストイエロー#3104(C.I.13900A)、バリファーストイエロー#3105(C.I.18690)、オリエントスピリットブラックAB(C.I.50415)、バリファーストブラック#3804(C.I.12195)、バリファーストイエロー#1109、バリファーストオレンジ#2210、バリファーストレッド#1320、バリファーストブルー#1605、バリファーストバイオレット#1701(以上、オリエント化学工業(株)製)、スピロンブラックGMHスペシャル、スピロンイエローC−2GH、スピロンイエローC−GNH、スピロンレッドC−GH、スピロンレッドC−BH、スピロンブルーBPNH、スピロンブルーC−RH、ああスピロンバイオレットC−RH、S.P.T.オレンジ6、S.P.T.ブルー111(以上、保土ヶ谷化学工業(株)製)や、ネオスーパーブルーC−555(以上、中央合成化学(株)製)等の従来公知の一般的なものが使用できる。
水溶性の染料としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料等のいずれも用いることができる。その一例を挙げれば、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(同19)、ウォーターブラックL−200(同19)、ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、 ダイレクトディープブラックEX(同38)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤラスダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー4)、ダイレクトファストエロー5GL(同26)、アイゼンプリムラエローGCLH(同44)、ダイレクトファストエローR(同50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(同4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(同23)、アイゼンダイレクトローデュリンBH(同31)、ダイレクトスカーレットB(同37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(同39)、アイゼンプリムラピンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンプリムラレッド4BH(同81)、カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトローズFR(同227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(同15)、スミライトスプラブルーBRRコンク(同71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(同86)、ウォーターブルー#3(同86)、カヤラスターコイズブルーGL(同86)、カヤラススプラブルーFF2GL(同106)、カヤラススプラターコイズブルーFBL(同199)等の直接染料や、アシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、スミノールファストブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187−L(同154)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(C.I.アシッドエロー7:1)、カヤシルエローGG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ダイワタートラジン(同23)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)、ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエローO(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターエロー#6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アイゼンエオシンGH(同87)、ウォーターピンク#2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(同129)、スミノオールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(同17)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー#106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー#9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、スプラノールブルーB(同15)、オリエントソルブルブルーOBC(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーB(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/c(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォーターブルー#115(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールブルー2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アシッドブリリアントミリンググリーンB(同9)、ダイワグリーン#70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)等の酸性染料、アイゼンカチロンイエロー3GLH(C.I.ベーシックイエロー11)、アイゼンカチロンブリリアントイエロー5GLH(同13)、スミアクリルイエローE−3RD(同15)、マキシロンイエロー2RL(同19)、アストラゾンイエロー7GLL(同21)、カヤクリルゴールデンイエローGL−ED(同28)、アストラゾンイエロー5GL(同51)、アイゼンカチロンオレンジGLH(C.I.ベーシックオレンジ21)、アイゼンカチロンブラウン3GLH(同30)、ローダミン6GCP(C.I.ベーシックレッド1)、アイゼンアストラフロキシン(同12)、スミアクリルブリリアントレッドE−2B(同15)、アストラゾンレッドGTL(同18)、アイゼンカチロンブリリアントピンクBGH(同27)、マキシロンレッドGRL(同46)、アイゼンメチルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット1)、アイゼンクリスタルバイオレット(同3)、アイゼンローダミンB(同10)、アストラゾンブルーG(C.I.ベーシックブルー1)、アストラゾンブルーBG(同3)、メチレンブルー(同9)、マキシロンブルーGRL(同41)、アイゼンカチロンブルーBRLH(同54)、アイゼンダイヤモンドグリーンGH(C.I.ベーシックグリーン1)、アイゼンマラカイトグリーン(同4)、ビスマルクブラウンG(C.I.ベーシックブラウン1)等の塩基性染料が挙げられる。
これらはインキ中の水もしくは有機溶剤のうち少なくとも一つに可溶でなければならない。
顔料は筆跡堅牢性の向上やインキの流動特性の改良を目的に添加され、一例としては、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサン系顔料、ベリノン、ベリレン系顔料、ジケトピロロピロール顔料、アニリンブラック、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、等の有機顔料や、酸化鉄、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、鉄黒、酸化チタン、硫酸バリウム、カドミウムレッド、弁柄、クロムイエロー、黄土、カドミウムイエロー、バリウム黄、群青、紺青等の無機系顔料及び蛍光顔料、樹脂粒子を染料で着色した顔料で使用樹脂がインキ溶剤に溶解しないものが挙げられ、これらは単独あるいは混合して使用することが出来る。
黒色顔料としては例えば、プリンテックス3、同25、同30、同35、同40、同45、同55、同60、同75、同80、同85、同90、同95、同300、スペシャルブラック4、同5、同100、同250、同550(以上デグサヒュルスジャパン(株)製)。三菱カーボンブラック#2700、同#2650、同#2600、同#2400、同#2350、同#2300、同#2200、同#1000、同#990、同#980、同#970、同#960、同#950、同#900、同#850、同#750、同#650、同#52、同#50、同#47、同#45、同#45L、同#44、同#40、同#33、同#32、同#30、同#25、同#20、同#10、同#5、同#95、同#260、同CF9、同MCF88、同MA600、同MA77、同MA7、同MA11、同MA100、同MA100R、同MA100S、同MA220、同MA230(以上、三菱化学(株)製)、トーカブラック#8500/F、同#8300/F、同#7550SB/F、同#7400、同#7360SB/F、同#7350/F、同#7270SB、同#7100/F、同#7050(以上、東海カーボン(株)製)等のカーボンブラックや、ダイヤモンドブラックN(玉億色材(株)製)などのアニリンブラックや、ボーンブラック(三重カラーテクノ(株)製)や、鉄化ブラックKN−320(日本鉄化(株)製)などの鉄黒が挙げられる。
青色顔料としては例えばC.I.Pigment Blue 2、同9、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同28、同29、同36、同60、同68、同76、同80等が使用できる。
赤色の顔料としてはC.I.Pigment Red 2、同3、同5、同8、同14、同17、同22、同23、同31、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同53:1、同53:2、同57:1、同112、同122、同144、同146、同149、同166、同170、同175、同176、同177、同179、同184、同185、同187、同188、同202、同207、同208、同209、同210、同211、同213、同214、同242、同253、同254、同255、同256、同257、同264、同266、同268、同270、同272等が使用できる。
黄色の顔料としてはC.I.Pigment Yellow 1、同3、同12、同13、同14、同16、同17、同55、同73、同74、同79、同81、同83、同93、同94、同95、同97、同109、同110、同111、同120、同128、同133、同136、同138、同139、同147、同151、同154、同155、同167、同173、同174、同175、同176、同180、同185、同191、同194、同213等が使用できる。
橙色の顔料としてはC.I.Pigment Orange5、同13、同16、同34、同36、同38、同43、同62、同68、同72、同74等がある。
緑色の顔料としてはC.I.Pigment Green7、同36、同37等が使用できる。
紫色の顔料としてはC.I.Pigment Violet19、同23等が使用出来る。
これらの着色剤の使用量は全インキに対し1重量%以上40重量%以下が好適に使用できる。使用量が1重量%より少ないと筆跡が薄すぎて耐光性試験や耐溶剤性試験を行ったときに紙面上に残る着色剤の量が少なくなり筆跡の判読がし難くなる。40重量%より多いと配合時の溶解不足や経時的な沈降による目詰まりによる筆記不能が生じやすくなる。また、これらの着色剤は単独で使用しても2種類以上を併用して使用しても良い。
また、これらの顔料の他に加工顔料も使用可能である。それらの一例を挙げると、Renol Yellow GG−HW30、同HR−HW30、同Orange RL−HW30、同Red HF2B−HW30、同FGR−HW30、同F5RK−HW30、同Carmine FBB−HW30、同Violet RL−HW30、同Blue B2G−HW30、同CF−HW30、同Green GG−HW30、同Brown HFR−HW30、Black R−HW30(以上、クラリアントジャパン(株)製)、UTCO−001エロー、同012エロー、同021オレンジ、同031レッド、同032レッド、同042バイオレット、同051ブルー、同052ブルー、同061グリーン、同591ブラック、同592ブラック(以上、大日精化工業(株)製)、MICROLITH Yellow 4G−A、同MX−A、同2R−A、Brown 5R−A、Scarlet R−A、Red 2C−A、同3R−A、Magenta 2B−A、Violet B−A、Blue 4G−A、Green G−A(以上、チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製)等がある。
更に、水性媒体に分散した水性インキベースを用いることもでき、具体的には、Fuji SP Black8031、同8119、同8167、同8276、同8381、同8406、Fuji SP Red 5096、同5111、同5193、同5220、Fuji SP Bordeaux 5500、Fuji SP Blue 6062、同6133、同6134、同6401、Fuji SP Green 7051、Fuji SP Yellow 4060、同4178、Fuji SP Violet 9011、Fuji SP Pink 9524、同9527、Fuji SP Orange 534、FUji SP Brown 3074、FUJI SP RED 5543、同5544(以上、富士色素(株)製)、Emacol Black CN、Emacol Blue FBB、同FB、同KR、Emacol Green LXB、Emacol Violet BL、Emacol Brown 3101、Emacol Carmmine FB、Emacol Red BS、Emacol Orange R、Emacol Yellow FD、同IRN、同3601、同FGN、同GN、同GG、同F5G、同F7G、同10GN、同10G、Sandye Super Black K、同C、Sandye Super Grey B、Sandye Super Brown SB、同FRL、同RR、SandyeSuper Green L5G、同GXB、Sandye Super Navy Blue HRL、同GLL、同HB、同FBL−H、同FBL−160、同FBB、Sandye Super Violet BL H/C、同BL、Sandye Super Bordeaux FR、Sandye Super Pink FBL、同F5B、Sandye Super Rubine FR、Sandye super Carmmine FB、SandyeSuper Red FFG、同RR、同BS、Sandye Super Orange FL、同R、同BO、Sandye Gold Yellow 5GR、同R、同3R、Sandye Ywllow GG、同F3R、同IRC、同FGN、同GN、同GRS、同GSR−130、同GSN−130、同GSN、同10GN(以上、山陽色素(株)製)、Rio Fast BlackFx 8012、同8313、同8169、Rio Fast Red Fx8209、同8172、Rio Fast Red S Fx 8315、同8316、Rio Fast Blue Fx 8170、Rio Fast Blue FX 8170、Rio Fast Blue S Fx 8312、Rio Fast Green S Fx 8314(以上、東洋インキ(株)製)、NKW−2101、同2102、同2103、同2104、同2105、同2106、同2107、同2108、同2117、同2127、同2137、同2167、同2101P、同2102P、同2103P、同2104P、同2105P、同2106P、同2107P、同2108P、同2117P、同2127P、同2137P、同2167P、NKW−3002、同3003、同3004、同3005、同3007、同3077、同3008、同3402、同3404、同3405、同3407、同3408、同3477、同3602、同3603、同3604、同3605、同3607、同3677、同3608、同3702、同3703、同3704、同3705、同3777、同3708、同6013、同6038、同6559(以上、日本蛍光(株)製)、コスモカラーS1000Fシリーズ(東洋ソーダ(株)製)、ビクトリアエロー G−11、同G−20、ビクトリアオレンジ G−16、同G−21、ビクトリアレッド G−19、同G−22、ビクトリアピンク G−17、同G−23、ビクトリアグリーン G−18、同G−24、ビクトリアブルー G−15、同G−25(以上、御国色素(株)製)、ポルックスPC5T1020、ポルックスブラックPC8T135、ポルックスレッドIT1030等のポルックスシリーズ(以上、住化カラー(株)製)などが挙げられるものであり、これらは1種又は2種以上選択して併用できるものである。
油性インキの主媒体となる有機溶剤は、従来油性インキに使用されるものなら特に限定なく使用でき、グリコールエーテル類、グリコール類、アルコール類が特に好ましい。
例えば、フェニルグリコール、フェニルジグリコール、ベンジルモノグリコール、ベンジルジグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールターシャリブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート等のグリコールエーテル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,3ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等のグリコール類、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシペンタノール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等のアルコール類、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル等のエーテル類、酢酸−2−エチルヘキシル、イソ酪酸イソブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類を挙げることができる。
これらの溶剤は単独あるいは組み合わせて使用でき、その使用量は油性インキ全量に対し10重量%以上90重量%以下が好ましい。
インキの乾燥防止や低温時での凍結防止などの目的で、有機溶媒を添加する事も可能である。具体的には、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブチルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキシレングリコール、2−エチル1,3−ヘキサングリコール、グリセリン、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル等のエーテル、チオジグリコール、N−メチルピロリドン、2−フェノキシエタノールなどが使用出来る。
これらは1種又は2種以上選択して併用できるものである。また、その使用量はインキ全量に対して0.5重量%以上40重量%以下の添加が好ましい。0.5重量%未満では塗布部の乾燥防止効果が弱く使用不能になる恐れがあり、40重量%を超えて添加してもその効果の向上は見られず添加することの意味が見い出せない。
(化1)で示される化合物は、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロック共重合体およびその誘導体である。市販のものとしてニューポール PE61、ニューポール PE62、ニューポール PE64、ニューポール PE68、ニューポール PE71、ニューポール PE74、ニューポール PE78、ニューポール PE108(以上、三洋化成工業(株)製)、エマルゲン PP290(以上、花王(株)製)、プロノン 102、プロノン 104、プロノン 201、プロノン 204、プロノン 208(以上、日本油脂(株)製)、ポリオキシエチレン〔42〕ポリオキシプロピレン〔67〕、ポリオキシエチレン〔54〕ポリオキシプロピレン〔39〕、ポリオキシエチレン〔105〕ポリオキシプロピレン〔5〕、ポリオキシエチレン〔160〕ポリオキシプロピレン〔30〕、ポリオキシエチレン〔196〕ポリオキシプロピレン〔67〕(以上、カネダ(株)製)、プルロニック L―31、プルロニック L―34、プルロニック L―44、プルロニック L―61、プルロニック L―62、プルロニック L―64、プルロニック L―71、プルロニック L―72、プルロニック L―101、プルロニック L―121、プルロニック P―84、プルロニック P―85、プルロニック P―103、プルロニック F―68、プルロニック F―88、プルロニック F―108(以上、(株)ADEKA製)などが挙げられ、これらはインキ全量に対して0.01重量%以上20重量%以下の添加が好ましい。0.01重量%未満では添加効果が十分発揮されず、20重量%以上添加すると、インキ中の水や有機溶媒の含有量が減ってしまい、染料や樹脂などインキ中の固形分の溶解性が不足し、文字掠れが生じやすくなる。これらは単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
(化2)、(化3)、(化4)のいずれかで示される化合物は、モノアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテルリン酸、ジアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンジアルキルエーテルリン酸、トリアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレントリアルキルエーテルリン酸、並びに、これらの中和物や溶液である。市販のものとしては、(化2)にて示される化合物と(化3)にて示される化合物の混合物として、フォスファノールBH−650、SM−172、ED−200、GF−339、RA−600、GF199、ML−200、ML−220、ML−240、RD−510Y、GF−185、RS−410、RS−610、RS−710、RL−210、RL−310、RB−410、RP−710、AK−25、GF702、RS−610NA、SC−6103、RD−720、LP−700、LS−500、LB400(以上、東邦化学工業(株)製)や、プライサーフA208B、A219B、A208S、A212S、A215C(以上、第一工業製薬(株)製)、(化3)にて示される化合物として、NIKKOL DLP−10、DOP−8N、DDP−2、DDP−4、DDP−6、DDP−8、DDP−10(以上、日光ケミカルズ(株)製)、(化4)にて示される化合物として、TLP−4、TCP−5、TOP−0V、TDP−2、TDP−6、TDP−8、TDP−10(以上、日光ケミカルズ(株)製)などが挙げられる。これら(化2)、(化3)、(化4)のいずれかで示される化合物は、合計で20重量%以上添加すると、インキ中の水や有機溶媒の含有量が減ってしまい、染料や樹脂などインキ中の固形分の溶解性が不足し、文字掠れが生じやすくなるので、使用量は油性インキ全量に対し20重量%未満の使用が好ましい。
更に、上記(化2)、(化3)、(化4)のいずれかで示される化合物が、インキ中の他成分と反応することでインキの状態が経時的に変化するようなことが起こらないようにするために、予め中和剤と混合して、リン酸基を中和してからインキに添加することもできる。中和剤としては、アミン化合物、アミド化合物、アミノ酸化合物やこれらの誘導体、両性界面活性剤などが用いられ、具体的には、アミート102、アミート105、アミート302、アミート308、アミート320などのポリオキシエチレンアルキルアミン類や、ファーミンCS、ファーミン08D、ファーミン20D、ファーミン80、ファーミン86T、ファーミンO、ファーミンT、ファーミンなどの脂肪アミン類(以上、花王(株)製)や、ナイミーンL−201、ナイミーンL−202、ナイミーンL207、ナイミーンF−215、ナイミーンS−202、ナイミーンS−204、ナイミーンS−210、ナイミーンS−215、ナイミーンS−220、ナイミーンT2−206、ナイミーンT2−210、ナイミーンT2−230、ナイミーンT2−260、ナイミーンDT−203、ナイミーンDT−208などのアルキルポリエーテルアミン類(以上、日本油脂(株)製)や、NIKKOL TAMNOS−5、TAMNOS−10、TAMNOS−15、TAMNO−5、TAMNO−15などのポリオキシエチレンアルキルアミン類や、TAMDS−4、TAMDS−15、TAMDO−5などのポリオキシエチレン脂肪酸アミド類や、NIKKOL AM−301、AM3130Nなどの両性界面活性剤(以上、日光ケミカルズ(株)製)や、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、ジエチルイソプロパノールアミン、ブチルイソプロピルアミン、ブチルベンジルアミン、ブトキシプロピルアミン(以上、関東化学(株)製)などが挙げられる。
インキの粘度は所望の粘度になるよう増粘剤を適宜調整して使用することで調整できる。これらの具体例を挙げると、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルロース、コラーゲン、HPC−SL、同L、同M、同H(以上、日本曹達(株)製)、アビセルPH−101、同102、同301、同M06、TG−101(以上、旭化成(株)製)等のセルロース類、ケルザン、ケルザンS、ケルザンF、ケルザンAR、ケルザンM、ケルザンD(以上、三晶(株)製)、コージン、コージンF、コージンT、コージンK(以上、(株)興人製)等のキサンタンガム、レオザン(三晶(株)製)等のサクシノグルカン、K1A96(三晶(株)製)等のウエランガム、K1A112、K7C2433(以上、三晶(株)製)等のラムザンガム、ジャガー8111、同8600、同HP−8、同HP−60、CP−13(以上、三晶(株)製)等のグァーガム類、プルラン((株)林原製)等の水溶性多糖類、GX−205、NA−010(昭和電工(株)製)等のN−ビニルアセトアミド重合架橋物等の水溶性合成高分子、スメクトンSA(スメクタイト、クニミネ工業(株)製)、クニピア−F、クニピア−G(モンモリロナイト、クニミネ工業(株)製)、ベンゲルHV、同FW、同15、同23(ベントナイト、(株)豊順洋行製)、エスベン、同C、同W、同N400(4級アンモニウムカチオン変性モンモリロナイト、(株)豊順洋行製)等の無機粘土鉱物が挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
顔料の分散性を良好なものとするために、アニオン、カチオン、ノニオン、両性の界面活性剤や、高分子樹脂を補助的に使用することができる。具体的には、高級脂肪酸、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪酸硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸類、リン酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル類等のアニオン、ノニオン、カチオン性の界面活性剤や、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体樹脂などの顔料分散用の樹脂やオリゴマーなどが挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
また、顔料を分散するには汎用されている一般的な方法を用いることが可能である。例えば、顔料と溶剤と分散剤を混合し、プロペラ撹拌機等で均一に撹拌した後、分散機で顔料を分散する。ロールミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ホモジナイザー等の分散機はインキの水や有機溶媒の量、顔料濃度によって適宜選択する。
その他必要に応じて、天然樹脂、合成樹脂、アニオン、カチオン、ノニオン、両性界面活性剤などの分散剤や、ベンゾトリアゾール、金属塩系、リン酸エステル系化合物などの防錆剤や、イソチアゾロン、オキサゾリジン系化合物などの防腐剤や、シリコン系、鉱物油、フッ素系化合物などの消泡剤や、グリセリン、ソルビタン系、多糖類、尿素、エチレン尿素またはこれらの誘導体などの湿潤剤や、アセチレングリコール、アセチレンアルコールおよびシリコン系界面活性剤などのレベリング性付与剤や、凍結防止剤などの従来公知のインキ用添加剤を併用することも可能である。
インキを製造するには、上記で分散した顔料と他の成分、例えば粘度調整用樹脂や溶剤、潤滑剤、水溶性多糖類等を混合し、ホモミキサー等の撹拌機にて均一になるまで溶解・混合することで得られるが、場合によって混合したインキをさらに分散機にて分散したり、得られたインキを濾過や遠心分離機に掛けて粗大粒子や不溶解成分を除いたりすることは何ら差し支えない。
以下、実施例及び比較例に基づき更に詳細に説明する。尚、各実施例中単に「部」とあるのは「重量部」を表す。
(実施例1)
プリンテックス35(カーボンブラック、デグサヒュルスジャパン(株)製) 5.0部
SPILON VIOLET C−RH(油性染料、保土谷化学工業(株)製)
17.2部
VALIFAST YELLOW C−GNH(油性染料、オリエント化学工業(株))
3.5部
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル 15.0部
ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル 49.9部
ベンジルアルコール 4.0部
エスレックBL−1(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 1.1部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 0.5部
ニューポール PE71((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比0.14、三洋化成工業(株)製) 2.0部
フォスファノールLB400(化2にて示される化合物と化3にて示される化合物との混合物、東邦化学工業(株)製) 1.0部
ナイミーンL201(PEG−1ラウリルアミン、日油(株)製) 0.8部
上記成分のうち、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルとジエチレングリコールモノイソブチルエーテルとベンジルアルコールの全量と、エスレックBL−1の全量を70℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで冷却してからプリンテックス35の全量を加えダイノーミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い、10回通しを行い黒色のペーストを得た。
次いで、このペーストに残りの材料の全量を加え、70℃で3時間攪拌して黒色のボールペン用油性インキを得た。
(実施例2)
SPILON VIOLET C−RH(油性染料、保土谷化学工業(株)製)
18.2部
VALIFAST YELLOW C−GNH(油性染料、オリエント化学工業(株)
8.0部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 35.0部
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル 14.5部
ベンジルグリコール 12.5部
ハイラック110H(ケトン樹脂、日立化成(株)製) 5.2部
PEMULEN TR−2(B.F.Goodrich社製、米国) 2.0部
ニューポール PE62((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比0.33、三洋化成工業(株)製) 1.0部
プロノン 102((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比0.33、日本油脂(株)製) 0.5部
ポリオキシエチレン〔42〕ポリオキシプロピレン〔67〕((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比0.63、カネダ(株)製) 0.5部
プライサーフA219(化2にて示される化合物と化3にて示される化合物との混合物、
第一工業製薬(株)製) 1.5部
ナイミーンL201(PEG−1ラウリルアミン、日油(株)製) 1.1部
上記成分を70℃で3時間攪拌して赤色のボールペン用油性インキを得た。
(実施例3)
NOVOPERM RED F3RK70(C.I.Pigment Red 170、
クラリアントジャパン(株)製) 4.0部
SPILON RED C−GH(油性染料、保土谷化学工業(株)製) 4.5部
SPILON RED C−BH(油性染料、保土谷化学工業(株)製) 22.5部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 30.6部
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル 10.7部
ベンジルアルコール 22.2部
エスレックBL−1(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 1.2部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 0.8部
プロノン 204((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比0.88、日本油脂(株)製) 1.2部
フォスファノール RD720(化2にて示される化合物のNa塩と化3にて示される化合物のNa塩との混合物、東邦化学工業(株)製) 1.5部
フォスファノールLP710(化2にて示される化合物と化3にて示される化合物との混合物、東邦化学工業(株)製) 0.8部
上記成分を70℃で3時間攪拌して赤色のボールペン用油性インキを得た。
(実施例4)
NOVOPERM RED F3RK70(C.I.Pigment Red 170、
クラリアントジャパン(株)製) 4.0部
SPILON RED C−GH(油性染料、保土谷化学工業(株)製) 4.5部
SPILON RED C−BH(油性染料、保土谷化学工業(株)製) 22.5部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 21.5部
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル 10.2部
ベンジルアルコール 15.0部
エスレックBL−1(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 1.2部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 0.8部
プロノン 204((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比0.88、日本油脂(株)製) 19.5部
プライサーフA208(化2にて示される化合物と化3にて示される化合物との混合物、
第一工業製薬(株)製) 0.8部
上記成分を70℃で3時間攪拌して赤色のボールペン用油性インキを得た。
(実施例5)
SPILON RED C−GH(油性染料、保土谷化学工業(株)製) 2.8部
VALIFAST BLUE 1603(C.I.DIRECT BLUE 86とC.I.BASIC BLUE 7との造塩染料、オリエント化学工業(株)製)19.1部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 25.1部
ベンジルアルコール 41.292部
エチレングリコール 8.8部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 2.0部
プロノン 201((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比0.14、日本油脂(株)製) 0.008部
NIKKOL TOP−0V(化4にて示される化合物、東邦化学工業(株)製)
0.9部
上記成分を70℃で3時間攪拌して青色のボールペン用油性インキを得た。
(実施例6)
SPILON RED C−GH(油性染料、保土谷化学工業(株)製) 2.8部
VALIFAST BLUE 1603(C.I.DIRECT BLUE 86とC.I.BASIC BLUE 7との造塩染料、オリエント化学工業(株)製)19.1部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 26.092部
ベンジルアルコール 40.8部
エチレングリコール 8.8部
PEMULEN TR−2(B.F.Goodrich社製、米国) 1.0部
ジョンクリル678(スチレンアクリ酸樹脂、BASFジャパン(株)製) 0.9部
ニューポール PE62((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比0.33、三洋化成工業(株)製) 0.25部
ニューポール PE71((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比0.14、三洋化成工業(株)製) 0.25部
NIKKOL TOP−0V(化4にて示される化合物、東邦化学工業(株)製)
0.004部
NIKKOL DDP−10(化3にて示される化合物、日光ケミカルズ(株)製)
0.004部
上記成分を70℃で3時間攪拌して青色のボールペン用油性インキを得た。
(実施例7)
実施例1において、ニューポールPE71を除して、ニューポール PE―108((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比5.45、三洋化成工業(株)製)に置き換えた以外は同様になして黒色の油性インキを得た。
(実施例8)
FUJI SP BLACK 8922(カーボンブラック20%分散液、富士色素(株)
製) 23.0部
エチレングリコール 2.1部
グリセリン 2.3部
水酸化ナトリウム 0.5部
イオン交換水 50.1部
ペミュレンTR−1(架橋型のアクリル酸とアクリル酸エステル共重合体、B.F.Goodrich社製) 0.2部
プルロニック P−85((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比1.25、(株)
ADEKA製) 20.0部
フォスファノール RD720(化2にて示される化合物のNa塩と化3にて示される化合物のNa塩との混合物、東邦化学工業(株)製) 0.5部
ベンゾトリアゾール 0.5部
プロクセル GXL 0.5部
ハイドロキノンスルホン酸カリウム 0.1部
AKP−20(アルミナ、粒径0.5μm、住友化学工業(株)製) 0.2部
上記成分中、ペミュレンTR−1の全量とイオン交換水10部をラボミキサーにて1時間攪拌してペミュレンTR−1水溶液を調整した。残りの各成分を混合し均一になるまで1時間攪拌した液にペミュレンTR−1水溶液を加えて更に2時間混合攪拌して黒色のボールペン用水性インキを得た。
(実施例9)
Water Red #2(C.I.ACID RED87、オリエント化学工業(株)
製) 5.5部
Water Yellow #6C(C.I.ACID YELLOW23、オリエント化学工業(株)製) 5.0部
エチレングリコール 3.3部
グリセリン 2.8部
水酸化ナトリウム 1.0部
イオン交換水 66.3部
ケルザン AR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.3部
ポリオキシエチレン〔196〕ポリオキシプロピレン〔67〕((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比2.96、カネダ(株)) 11.0部
フォスファノール RD720(化2にて示される化合物のNa塩と化3にて示される化合物のNa塩との混合物、東邦化学工業(株)製) 3.0部
ベンゾトリアゾール 0.5部
プロクセル GXL 0.5部
ハイドロキノンスルホン酸カリウム 0.3部
アスコルビン酸ナトリウム 0.5部
上記成分中、ケルザンARの全量とイオン交換水10部をラボミキサーにて1時間攪拌してケルザンAR水溶液を調整した。残りの各成分を混合し均一になるまで1時間攪拌した液にケルザンAR水溶液を加えて更に2時間混合攪拌して黒色のボールペン用水性インキを得た。
(実施例10)
Water Blue 105S(C.I.ACID BLUE90、オリエント化学工業(株)製) 6.0部
エチレングリコール 1.1部
グリセリン 1.0部
水酸化ナトリウム 0.5部
イオン交換水 59.7部
ケルザン AR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.2部
ポリオキシエチレン〔54〕ポリオキシプロピレン〔39〕((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比1.38、カネダ(株)) 10.6部
フォスファノール RD720(化2にて示される化合物のNa塩と化3にて示される化合物のNa塩との混合物、東邦化学工業(株)製) 19.9部
ベンゾトリアゾール 0.3部
プロクセル GXL 0.3部
ハイドロキノンスルホン酸カリウム 0.1部
AKP−20(アルミナ、粒径0.5μm、住友化学工業(株)製) 0.2部
アスコルビン酸ナトリウム 0.1部
上記成分中、ケルザンARの全量とイオン交換水10部をラボミキサーにて1時間攪拌してケルザンAR水溶液を調整した。残りの各成分を混合し均一になるまで1時間攪拌した液にケルザンAR水溶液を加えて更に2時間混合攪拌して黒色のボールペン用水性インキを得た。
(実施例11)
FUJI SP BLACK 8922(カーボンブラック20%分散液、富士色素(株)
製) 25.0部
エチレングリコール 2.1部
グリセリン 2.3部
水酸化ナトリウム 0.5部
イオン交換水 68.092部
ペミュレンTR−1(架橋型のアクリル酸とアクリル酸エステル共重合体、B.F.Goodrich社製) 0.2部
プルロニック L−44((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比1.00、(株)
ADEKA製) 0.008部
フォスファノール RD720(化2にて示される化合物のNa塩と化3にて示される化合物のNa塩との混合物、東邦化学工業(株)製) 0.5部
ベンゾトリアゾール 0.5部
プロクセル GXL 0.5部
ハイドロキノンスルホン酸カリウム 0.1部
AKP−20(アルミナ、粒径0.5μm、住友化学工業(株)製) 0.2部
上記成分中、ペミュレンTR−1の全量とイオン交換水10部をラボミキサーにて1時間攪拌してペミュレンTR−1水溶液を調整した。残りの各成分を混合し均一になるまで1時間攪拌した液にペミュレンTR−1水溶液を加えて更に2時間混合攪拌して黒色のボールペン用水性インキを得た。
(実施例12)
実施例8において、プルロニック P−85を除して、ニューポール PE62((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比0.33、三洋化成工業(株)製)に置き換えた以外は同様になして黒色の水性インキを得た。
(実施例13)
実施例8において、プルロニック P−85を除して、プルロニック F−108((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比5.50、(株)ADEKA)に置き換えた以外は同様になして黒色の水性インキを得た。
(比較例1)
実施例1において、ニューポール PE71を除して、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルに置き換えた以外は同様になして黒色の油性インキを得た。
(比較例2)
実施例2において、ニューポールPE62とプロノン102とポリオキシエチレン〔42〕ポリオキシプロピレン〔67〕を除して、NIKKOL−BT−5(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、(日光ケミカルズ(株)製)に置き換えた以外は同様になして黒色の油性インキを得た。
(比較例3)
実施例6のNIKKOL TOP−0VとNIKKOL DDP−10を除して、ジエチレングリコールモノメチルエーテルに置き換え、ニューポール PE78を除して、プルロニック L−31((化1)にて示される化合物、(n+n’)/m比0.18、(株)ADEKA)に置き換えた以外は同様になして青色の油性インキを得た。
(比較例4)
実施例8のフォスファノール RD720を除して、イオン交換水に置き換えた以外は
同様になして黒色の水性インキを得た。
(比較例5)
実施例9のポリオキシエチレン〔196〕ポリオキシプロピレン〔67〕を除して、イオン交換水に置き換えた以外は同様になして青色の水性インキを得た。
(比較例6)
実施例10のポリオキシエチレン〔54〕ポリオキシプロピレン〔39〕を除して、NIKKOL BT3に置き換えた以外は同様になして黒色の水性インキを得た。
以上、実施例、比較例で得たインキについて、下記の試験を行った。結果を表1に示す。
(試験用油性ボールペンの作製)
上記実施例1〜6及び比較例1〜3で得たボールペン用油性インキを市販の油性ボールペン(.e―ball、製品符号 BK127、ぺんてる(株)製(ボール径φ0.7))と同構造の筆記具に0.3g充填し、遠心機にて遠心力(1000rpm、5分間)を加えてインキ中の気泡を脱気して、試験用ボールペンを作製した。
(試験用水性ボールペンの作製)
上記実施例7〜10及び比較例4〜6で得たボールペン用水性インキを市販の水性ボールペン(エナージェル、製品符号 BL17、ぺんてる(株)製(ボール径φ0.7))、と同構造の筆記具に1.8g充填し、遠心機にて遠心力(1000rpm、5分間)を加えてインキ中の気泡を脱気して、試験用ボールペンを作製した。
ボール沈み量の測定:上記実施例、比較例のボールペンをn=5本ずつ螺旋筆記試験機(筆記角度70°、荷重150g、筆記速度7cm/sec)にて400m筆記後に、ボールペンチップのボールを抱持するボールホルダーの先端からボール先端までの断面に対する垂直方向の距離を測定し、未筆記の時との差をボール沈み量とした。数値はn=5の平均値を算出した。
インキ吐出量:上記実施例、比較例のボールペンをn=5本ずつ螺旋筆記試験機(筆記角度70°、荷重150g、筆記速度7cm/sec)にて400m筆記し、200m毎にボールペン重量を測定し、減量したインキ重量をインキ吐出量とした。
筆記抵抗値の測定:上記実施例、比較例のインキを収容した試験用のボールペンを、n=5本ずつ(株)トリニティーラボ製のTribo−master(Type:TL201Sa)にて、試験用のボールペン作成後未筆記の状態と、400m螺旋筆記後(螺旋筆記条件:筆記角度70°、荷重150g、筆記速度7cm/sec)とで、それぞれ15cm筆記させた時の筆記抵抗値を測定した。筆記抵抗値を測定した際の筆記角度は、90°と70°との2条件にて筆記させ、その他の条件としては、筆記荷重150g、筆記速度7cm/secとした。
筆記抵抗値の測定については、測定周波数200Hz(1秒間に200プロット測定)にて2秒間測定を行ったデータの各プロットにおける値の総和を総プロット数(400プロット/2秒間)で割って平均値とし、検体に対する平均筆記抵抗値を算出した。更に、5本の検体に対する各平均筆記抵抗値からn=5本の平均値を算出して各実施例、比較例を使用した試験用のボールペンの筆記抵抗値とした。
書き味の官能試験(書き味の軽さ、滑らかさ):モニター20人で手書きによる官能試験をペン作成後未筆記の状態と、400m螺旋筆記後(螺旋筆記条件:筆記角度70°、荷重150g、筆記速度7cm/sec)との2種行い、書き味を評価した。
評価基準は、重いもしくは滑らかでない(1点)、軽いが滑らかでない、もしくは滑らかだが重い(2点)、軽くて滑らか(3点)、非常に軽くて滑らか(4点)、で評価し、20人の平均値を算出した。
筆跡のカスレの有無:上記実施例、比較例のボールペンをn=5本ずつ螺旋筆記試験機(筆記角度70°、荷重150g、筆記速度7cm/sec)にて400m筆記したときの、筆跡のカスレの有無を目視で確認した。5本中に一箇所もカスレが生じなかったものをカスレ「無し」、一箇所でもカスレが生じたものをカスレ「有り」とした。
ボールホルダーの先端の紙面への接触有無:上記実施例、比較例のボールペンをn=5本ずつ螺旋筆記試験機(筆記角度70°、荷重150g、筆記速度7cm/sec)にて筆記した際に、380mから400m筆記時に、ボールペンチップのボールを抱持するボールホルダーの先端が紙面に接触しているかどうかを確認した。5本中の一本でも、少しでも紙面に接触していることが認められた場合は接触「有り」、全く接触しない場合は接触「無し」とした。
Figure 2011153199
表1に示したように、上記(化1)で示される化合物と(化2)、(化3)、(化4)のいずれかで示される化合物とを併用した実施例1〜実施例13までのインキは、インキの吐出量(流通量)では、変化率が比較例の半分以下という結果であり、大きく変化していなく、また、書き味に関する試験結果として、ボールホルダーの先端の紙面への接触もないものであって、筆記抵抗値すべて比較例に勝るという結果であると共に、書き味の官能試験でも比較例よりも高い結果であり、軽くて滑らかな書き味が維持され、潤滑性の高いインキと言える。さらに、カスレなどの問題のない筆跡が維持するものである。
特に、実施例の中において、油性インキの場合、(化1)で示される化合物の、(n+n’)/m比が1未満であるものを使用した実施例1〜実施例6、水性インキの場合、(n+n’)/m比が1以上5未満である実施例8〜実施例11は、ボール紙沈みも少なく、筆記抵抗値も低く、書き味もなめらかであり、より高い潤滑性が得られている。
これに対して、上記(化1)または(化2)、(化3)、(化4)のいずれかで示される化合物を使用しない比較例1〜比較例6のインキは、ボール受座の摩耗が進行し、インキ吐出量も大きく変化し、重い書き味となり、潤滑性の低いインキとなっている。特に、比較例1〜3はボール沈みみが大きく、インキの吐出量の変化が著しい。また、ボールホルダーの紙面への接触があるので、書き味もより重く感じる。比較例4〜6は、ボールホルダーの先端の紙面への接触もないものであっても、筆跡カスレがおこり、また、筆記抵抗値も高いので重い書き味となっている。
以上、詳細に説明したように、本発明のインキは、強い筆記圧をかけても極めて軽くて滑らかな書き味を得る事ができ、かつ筆記距離に伴いその書き味が劣化しない、ボールペン用インキに関するものである。

Claims (3)

  1. 少なくとも、下記一般式(化1)で示される化合物と、下記一般式(化2)、(化3)、(化4)のいずれかで示される化合物から選ばれる1種もしくは2種以上の混合物と、液媒体とを含有するボールペン用インキ。
    Figure 2011153199
    Figure 2011153199
    Figure 2011153199
    Figure 2011153199
  2. 前記液媒体全量中の50重量%以上が有機溶剤であり、前記一般式(化1)で示される化合物の(n+n’)/m比が1未満であるものを少なくとも1種含有する請求項1記載のボールペン用インキ。
  3. 前記液媒体全量中の50重量%以上が水であり、前記一般式(化1)で示される化合物の(n+n’)/m比が1以上5未満であるものを少なくとも1種含有する請求項1記載のボールペン用インキ。
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