JP2011147347A - 緑色発色を維持した茶加工品並びにその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大量生産に適し、更に安全性が確保された緑色発色を維持した茶加工品並びにその製造方法の提供。
【解決手段】銅イオン水W1と、乾燥茶葉とが混合され、更に加熱されて銅クロロフィル化処理が施された茶加工品であって、このものは、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態の液茶Lであり、且つ、含有されている銅イオン量が把握されたものであることを特徴として成るものである。
【効果】銅クロロフィル化処理が施された液茶Lを市場に供給するにあたり、液茶Lに含まれる銅イオンの量が把握されているため、消費者は一日の所要量あるいは摂取制限量以上に摂取してしまうのを回避することができる。
【選択図】図2
【解決手段】銅イオン水W1と、乾燥茶葉とが混合され、更に加熱されて銅クロロフィル化処理が施された茶加工品であって、このものは、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態の液茶Lであり、且つ、含有されている銅イオン量が把握されたものであることを特徴として成るものである。
【効果】銅クロロフィル化処理が施された液茶Lを市場に供給するにあたり、液茶Lに含まれる銅イオンの量が把握されているため、消費者は一日の所要量あるいは摂取制限量以上に摂取してしまうのを回避することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は生茶葉本来の鮮やかな緑色発色を維持することのできる茶加工品に関するものである。
近時、健康志向の高まりとともに、保健成分(カテキン、ポリフェノール、ビタミンC等)が豊富に含まれる緑茶飲料が幅広い年代に好まれており、ペットボトル入り飲料等の形態で広く普及している。しかしながら現状での製品は、製茶加工された緑茶を原料にしてはいるものの、クロロフィルの変質により緑色ではなく黄緑色、褐色となってしまっているのが実情である。これは緑色を呈するクロロフィルは、光、熱、酸に極めて弱く、更に水が共存した状態ではポリフェノール類の酸化重合等により褐色化してしまうからである。
このため例えばペットボトル入りの茶飲料にあっては、ボトルに緑色のフィルムを外着してあたかも中身が緑色であるかのように装ったり、緑色の着色料、抹茶、玉露粉末等を中身に混入して緑色を補填することが行われている。
このため例えばペットボトル入りの茶飲料にあっては、ボトルに緑色のフィルムを外着してあたかも中身が緑色であるかのように装ったり、緑色の着色料、抹茶、玉露粉末等を中身に混入して緑色を補填することが行われている。
一方、茶葉等の植物成分本来の緑色を保持するための技術として、クロロフィル中のマグネシウムを銅イオンに置換する銅クロロフィル化と呼ばれる手法が知られており、茶の抽出液や葉の緑色を維持した状態で製品として提供することが可能となっている(例えば特許文献1、2参照)。
これら植物本来の緑色を保持するための技術は、茶抽出液や葉を銅製の鍋で煮沸することにより鍋から溶出した銅イオンをクロロフィルに作用させたり、茶抽出液を銅粒が充填されたカラムに流し込んでクロロフィルと銅粒とを接触させる等の手法が採られるものである。
しかしながらこれらの手法にあっては、銅イオンの溶出量の調整が困難であり、更に銅の溶出速度が遅いため、少量生産ではさほど問題は無いが、大量生産には不向きなものであった。
また銅は人間にとって必須の元素ではあるものの、過剰に摂取された場合には中毒を引き起こしてしまうため、銅イオンの溶出量が把握できない従来手法は、安全性が確保されたものとは言えなかった。
特許第3538167号公報
特開平7−112号公報
これら植物本来の緑色を保持するための技術は、茶抽出液や葉を銅製の鍋で煮沸することにより鍋から溶出した銅イオンをクロロフィルに作用させたり、茶抽出液を銅粒が充填されたカラムに流し込んでクロロフィルと銅粒とを接触させる等の手法が採られるものである。
しかしながらこれらの手法にあっては、銅イオンの溶出量の調整が困難であり、更に銅の溶出速度が遅いため、少量生産ではさほど問題は無いが、大量生産には不向きなものであった。
また銅は人間にとって必須の元素ではあるものの、過剰に摂取された場合には中毒を引き起こしてしまうため、銅イオンの溶出量が把握できない従来手法は、安全性が確保されたものとは言えなかった。
本発明はこのような背景を考慮してなされたものであって、大量生産に適し、更に安全性が確保された緑色発色を維持した茶加工品並びにその製造方法の開発を技術課題としたものである。
すなわち請求項1記載の緑色発色を維持した茶加工品は、銅イオン水と、乾燥茶葉とが混合され、更に加熱されて銅クロロフィル化処理が施された茶加工品であって、このものは、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態の液茶であり、且つ、含有されている銅イオン量が把握されたものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、銅クロロフィル化処理が施された液茶を市場に供給するにあたり、液茶に含まれる銅イオンの量が把握されているため、消費者は一日の所要量あるいは摂取制限量以上に摂取してしまうのを回避することができる。
この発明によれば、銅クロロフィル化処理が施された液茶を市場に供給するにあたり、液茶に含まれる銅イオンの量が把握されているため、消費者は一日の所要量あるいは摂取制限量以上に摂取してしまうのを回避することができる。
また請求項2記載の緑色発色を維持した茶加工品は、銅イオン水と、乾燥茶葉とが混合され、更に加熱されて銅クロロフィル化処理が施された茶加工品であって、このものは、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態のものを、そのままあるいは濾過した後に乾燥させた加工茶葉であり、且つ、含有されている銅イオン量が把握されたものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、銅クロロフィル化処理が施された加工茶葉を市場に供給するにあたり、加工茶葉に含まれる銅イオンの量が把握されているため、消費者は一日の所要量あるいは摂取制限量以上に摂取してしまうのを回避することができる。
この発明によれば、銅クロロフィル化処理が施された加工茶葉を市場に供給するにあたり、加工茶葉に含まれる銅イオンの量が把握されているため、消費者は一日の所要量あるいは摂取制限量以上に摂取してしまうのを回避することができる。
更にまた請求項3記載の緑色発色を維持した茶加工品は、前記要件に加え、前記茶葉は25〜600μmの細粒状のもの、または8mm角以下の小片状のもののいずれか一方または双方であることを特徴として成るものである。
この発明によれば、茶加工品を、液茶として、あるいは加工茶葉として、更には液茶中に加工茶葉が分散したものとして製造することができる。
この発明によれば、茶加工品を、液茶として、あるいは加工茶葉として、更には液茶中に加工茶葉が分散したものとして製造することができる。
更にまた請求項4記載の緑色発色を維持した茶加工品は、前記請求項1記載の要件に加え、85〜135℃の温度で、20〜120分加熱した後、更に濾過した状態で、緑色度の指標である、ハンターの色差式によるLab表色系における色調の指数aが−7.00以下であることを特徴として成るものである。
この発明によれば、緑色発色の維持に優れた製品寿命の長い液茶を提供することが可能となり、商品価値を高めることができる。
この発明によれば、緑色発色の維持に優れた製品寿命の長い液茶を提供することが可能となり、商品価値を高めることができる。
更にまた請求項5記載の緑色発色を維持した茶加工品は、前記請求項1記載の要件に加え、pH2.5〜6.5迄の酸性下にあって10日以上経過した後、更に濾過した状態で、緑色度の指標である、ハンターの色差式によるLab表色系における色調の指数aが−7.00以下であることを特徴として成るものである。
この発明によれば、緑色発色の維持に優れた製品寿命の長い液茶を提供することが可能となり、商品価値を高めることができる。
この発明によれば、緑色発色の維持に優れた製品寿命の長い液茶を提供することが可能となり、商品価値を高めることができる。
更にまた請求項6記載の緑色発色を維持した茶加工品は、前記請求項1記載の要件に加え、太陽光を一週間に亘って照射した後、更に濾過した状態で、緑色度の指標である、ハンターの色差式によるLab表色系における色調の指数aが−7.00以下であることを特徴として成るものである。
この発明によれば、緑色発色の維持に優れた製品寿命の長い液茶を提供することが可能となり、商品価値を高めることができる。
この発明によれば、緑色発色の維持に優れた製品寿命の長い液茶を提供することが可能となり、商品価値を高めることができる。
また請求項7記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法は、対向して配された少なくとも一対の銅電極に通電することにより、これら電極間に位置する水に銅イオンを溶出させて銅イオン量が所望量に調製された銅イオン水を得る銅イオン水調製工程と、生茶葉を加熱することにより、酵素を不活化させるとともに含水率を低下させて乾燥茶葉を得る乾燥工程と、前記乾燥茶葉を粉砕して粉砕茶葉を得る粉砕工程と、前記粉砕茶葉と銅イオン水とを混合して原料液を得る原料液調製工程と、前記原料液を密閉空間内で加熱することにより、クロロフィルに銅イオンを作用させる銅クロロフィル化処理工程とを具えたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、銅イオン水を、所望量の銅イオンが含まれたものとして電気的に迅速に得ることができるため、茶葉本来の緑色発色を維持した茶加工品の大量生産が可能となる。
この発明によれば、銅イオン水を、所望量の銅イオンが含まれたものとして電気的に迅速に得ることができるため、茶葉本来の緑色発色を維持した茶加工品の大量生産が可能となる。
更にまた請求項8記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法は、前記請求項7記載の要件に加え、前記銅イオン水調整工程は、別途工程で成されているものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、銅イオン水を貯蔵しておき、このものを用いることにより効率的な生産を行うことができる。
この発明によれば、銅イオン水を貯蔵しておき、このものを用いることにより効率的な生産を行うことができる。
更にまた請求項9記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法は、前記請求項7または8記載の要件に加え、前記銅イオン水調整工程は、水に対して可食性有機酸を添加した後に通電するものであり、酸味あるいはphの調製が必要な場合には、銅イオン水に可食性塩基物を添加して中和することを特徴として成るものである。
この発明によれば、可食性有機酸の作用により銅イオンの溶出速度を高めることができるとともに、可食性塩基物による中和によって可食性有機酸による味、匂いへの影響を除去することができる。
この発明によれば、可食性有機酸の作用により銅イオンの溶出速度を高めることができるとともに、可食性塩基物による中和によって可食性有機酸による味、匂いへの影響を除去することができる。
更にまた請求項10記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法は、前記請求項7、8または9記載の要件に加え、前記粉砕工程は、乾燥茶葉を25〜600μmの細粒状にする工程および乾燥茶葉を8mm角以下の小片に裁断する工程のいずれか一方または双方を有するものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、茶加工品を、液茶として、あるいは加工茶葉として、更には液茶中に加工茶葉が分散したものとして製造することができる。
この発明によれば、茶加工品を、液茶として、あるいは加工茶葉として、更には液茶中に加工茶葉が分散したものとして製造することができる。
更にまた請求項11記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法は、前記請求項7、8、9または10記載の要件に加え、前記銅イオン水調製工程は、銅イオン水に含まれる銅イオン量が、原料液調製工程において用いられる全粉砕茶葉に含まれるクロロフィル1重量部に対して、0.1重量部以上となるように調製するものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、銅イオン水に含まれる銅イオン量が、実際に投入される茶葉に含まれるクロロフィルを銅クロロフィル化処理するために必要な量とすることができ、クロロフィルの未処理が生じない。
この発明によれば、銅イオン水に含まれる銅イオン量が、実際に投入される茶葉に含まれるクロロフィルを銅クロロフィル化処理するために必要な量とすることができ、クロロフィルの未処理が生じない。
更にまた請求項12記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法は、前記請求項7、8、9、10または11記載の要件に加え、前記原料液調製工程は、銅イオン水100重量部に対し、粉砕茶葉を0.05〜45重量部混合するものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、茶加工品を、そのまま飲用することのできる液茶として、あるいは水で希釈して飲用したり、そのまま他の食品に添加する濃縮茶として適宜製品化することができる。
この発明によれば、茶加工品を、そのまま飲用することのできる液茶として、あるいは水で希釈して飲用したり、そのまま他の食品に添加する濃縮茶として適宜製品化することができる。
更にまた請求項13記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法は、前記請求項7、8、9、10、11または12記載の要件に加え、前記銅クロロフィル化処理工程は、85〜135℃の温度で、20〜120分加熱を行うものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、銅イオンをクロロフィルに効果的に作用させて、銅クロロフィル化処理を確実に実行することができる。
この発明によれば、銅イオンをクロロフィルに効果的に作用させて、銅クロロフィル化処理を確実に実行することができる。
更にまた請求項14記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法は、前記請求項7、8、9、10、11、12または13記載の要件に加え、前記銅クロロフィル化処理工程における加熱は、密閉空間内において行われることを特徴として成るものである。
この発明によれば、銅クロロフィル化処理工程において、原料液中の水分が蒸発してしまうのを防ぐことができるため、銅クロロフィル化処理後の加工茶葉(銅イオン水+粉砕茶葉)の銅イオン濃度を把握することができる。
この発明によれば、銅クロロフィル化処理工程において、原料液中の水分が蒸発してしまうのを防ぐことができるため、銅クロロフィル化処理後の加工茶葉(銅イオン水+粉砕茶葉)の銅イオン濃度を把握することができる。
更にまた請求項15記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法は、前記請求項7、8、9、10、11、12、13または14記載の要件に加え、前記茶葉は、芽以外のものであって従来は製品とすることができずに刈り落とされていた茶葉であることを特徴として成るものである。
この発明によれば、従来は商品価値が低いかあるいは商品価値の無かった茶葉を、緑色発色が鮮やかな茶加工品として有効活用することができる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
この発明によれば、従来は商品価値が低いかあるいは商品価値の無かった茶葉を、緑色発色が鮮やかな茶加工品として有効活用することができる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
本発明によれば、生茶葉本来の鮮やかな緑色発色を維持することのできる茶加工品の大量生産が可能となり、更に安全性の確保された製品として市場に提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するものであり、本発明の緑色発色を維持した茶加工品について、本発明の製造方法にしたがって説明を行う。なおこの実施例では、「緑色発色を維持した茶加工品」の一例として液茶L及び加工茶葉Sの双方を示すものとする。
ここで液茶Lとは、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態のものを意味する。
また加工茶葉Sとは、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態のものをそのまま乾燥させたものまたは水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態のものを濾過した後に固形物を乾燥させたものを意味する。
更に、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態のものを濾過して得られる液状物を液茶Lとしたり、このものを乾燥させて加工茶葉Sとすることもできる。
また本発明の「緑色発色を維持した茶加工品」は、飲食用以外にも供することができるものであり、これについては後程言及する。
ここで液茶Lとは、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態のものを意味する。
また加工茶葉Sとは、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態のものをそのまま乾燥させたものまたは水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態のものを濾過した後に固形物を乾燥させたものを意味する。
更に、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態のものを濾過して得られる液状物を液茶Lとしたり、このものを乾燥させて加工茶葉Sとすることもできる。
また本発明の「緑色発色を維持した茶加工品」は、飲食用以外にも供することができるものであり、これについては後程言及する。
本発明の茶加工品は、一例としてやぶきた品種の生茶葉T0を原材料とするものであるが、他の品種更には今後現れる新たな品種を原材料とすることもできる。
また茶葉としては一番芽、二番芽に加え、三番芽、更には四番芽や芽以外のものであって、従来は製品とすることができずに刈り落とされていた茶葉を用いることも可能である。特にペットボトル入り茶飲料として提供される液茶Lの場合には滋味が優れた一番芽、二番芽を用いることが好ましく、一方、そば、天ぷら等に混入されて供される加工茶葉Sの場合には、クロロフィルを多く含み緑色が鮮やかな三番芽、四番芽及び芽以外の茶葉を用いることが好ましい。
また茶葉としては一番芽、二番芽に加え、三番芽、更には四番芽や芽以外のものであって、従来は製品とすることができずに刈り落とされていた茶葉を用いることも可能である。特にペットボトル入り茶飲料として提供される液茶Lの場合には滋味が優れた一番芽、二番芽を用いることが好ましく、一方、そば、天ぷら等に混入されて供される加工茶葉Sの場合には、クロロフィルを多く含み緑色が鮮やかな三番芽、四番芽及び芽以外の茶葉を用いることが好ましい。
そして本発明の「緑色発色を維持した茶加工品」の一態様である液茶Lは、一例として図1に示すような銅イオン水調製工程1、乾燥工程2、粉砕工程3、原料液調製工程4及び銅クロロフィル化処理工程5が順次実行されるフローに従って製造されるものである。
以下これら各工程について図2の概念図を参照しながら説明する。
以下これら各工程について図2の概念図を参照しながら説明する。
(1)銅イオン水調製工程
まず銅イオン水調製工程1は、図2に示すように銅を素材として成る電極11、12を電解槽13内に配して構成された調製装置10を用いて、電極11、12に通電することにより、これらの間に位置する水Wに銅イオンを溶出させて銅イオン水W1を得るための工程である。
なお電解槽13に投入される水Wに、クエン酸等の可食性有機酸をキレート剤として混入することにより、最大溶解度を高めて銅イオンの析出を抑えることができる。
また前記銅イオン水W1に含まれる銅イオンの量は、原料液調製工程4において使用される粉砕茶葉Tに含まれるクロロフィル1重量部に対して、0.1重量部以上となるよう調製されるものである。
一例として粉砕茶葉100gあたり625mg(クロロフィルaが440mg、クロロフィルbが185mg)のクロロフィルが含まれている場合であって、銅イオン水100重量部に対する粉砕茶葉Tの混合量を0.05〜45重量部とした場合には、銅イオン水W1に含まれる銅イオン量が、0.3〜282mg/lとなるように調製される。
なお図2にはバッチ式の調整装置10を示したが、適宜電解槽13に給水口及び排水口を設けるなどして、連続的に銅イオン水W1が得られるように構成してもよい。
まず銅イオン水調製工程1は、図2に示すように銅を素材として成る電極11、12を電解槽13内に配して構成された調製装置10を用いて、電極11、12に通電することにより、これらの間に位置する水Wに銅イオンを溶出させて銅イオン水W1を得るための工程である。
なお電解槽13に投入される水Wに、クエン酸等の可食性有機酸をキレート剤として混入することにより、最大溶解度を高めて銅イオンの析出を抑えることができる。
また前記銅イオン水W1に含まれる銅イオンの量は、原料液調製工程4において使用される粉砕茶葉Tに含まれるクロロフィル1重量部に対して、0.1重量部以上となるよう調製されるものである。
一例として粉砕茶葉100gあたり625mg(クロロフィルaが440mg、クロロフィルbが185mg)のクロロフィルが含まれている場合であって、銅イオン水100重量部に対する粉砕茶葉Tの混合量を0.05〜45重量部とした場合には、銅イオン水W1に含まれる銅イオン量が、0.3〜282mg/lとなるように調製される。
なお図2にはバッチ式の調整装置10を示したが、適宜電解槽13に給水口及び排水口を設けるなどして、連続的に銅イオン水W1が得られるように構成してもよい。
また銅イオン水調整工程1を、他の工程とは独立した別の工程で成されるようにしてもよく、この場合には、銅イオン水W1を貯蔵しておき、このものを用いることにより効率的な生産を行うことが可能となる。
なお前記銅イオン水調整工程1において、銅イオンの析出を防止するために、水に対して可食性有機酸を添加した後に通電した場合、酸味あるいはphの調製が必要であるときには、銅イオン水W1に可食性塩基物(炭酸ソーダ等)を添加して中和するような措置を施す。このような措置を施すことにより、可食性有機酸による味、匂いへの影響を除去することができる。
(2)乾燥工程
一方、乾燥工程2においては生茶葉T0の乾燥が行われるものであり、生茶葉T0を加熱することにより、酵素を失活させるとともに含水率を低下させ、7%程度の含水率の乾燥茶葉が得られるものである。
なおこのような乾燥にあたっては、生茶葉T0に含まれるクロロフィルを破壊しないようにすることが重要であり、生茶葉T0を蒸熱した後、揉まずに乾燥したり(てん茶)、通常の製茶工程における粗揉あるいは中揉までの揉乾処理を行った後、乾燥を行うようにする。
一方、乾燥工程2においては生茶葉T0の乾燥が行われるものであり、生茶葉T0を加熱することにより、酵素を失活させるとともに含水率を低下させ、7%程度の含水率の乾燥茶葉が得られるものである。
なおこのような乾燥にあたっては、生茶葉T0に含まれるクロロフィルを破壊しないようにすることが重要であり、生茶葉T0を蒸熱した後、揉まずに乾燥したり(てん茶)、通常の製茶工程における粗揉あるいは中揉までの揉乾処理を行った後、乾燥を行うようにする。
(3)粉砕工程
次いで茶葉粉砕工程3においては、乾燥茶葉を粒径が20μm〜600μmに粉砕あるいは8mm角以下の小片に加工するものであり、適宜のボールミルやカッターが用いられる。
なおこのように乾燥茶葉を細粒状、小片状とすることにより、クロロフィルが露出した状態となる。
また以下の説明においては、このような細粒状または小片状の乾燥茶葉を、ともに粉砕茶葉Tと呼ぶものとする。
次いで茶葉粉砕工程3においては、乾燥茶葉を粒径が20μm〜600μmに粉砕あるいは8mm角以下の小片に加工するものであり、適宜のボールミルやカッターが用いられる。
なおこのように乾燥茶葉を細粒状、小片状とすることにより、クロロフィルが露出した状態となる。
また以下の説明においては、このような細粒状または小片状の乾燥茶葉を、ともに粉砕茶葉Tと呼ぶものとする。
(4)原料液調製工程
次いで原料液調製工程4においては、銅イオン水W1と粉砕茶葉Tとを混合して原料液L0を調整するものであり、一例として銅イオン水100重量部に対し、粉砕茶葉を0.05〜45重量部混合する。
次いで原料液調製工程4においては、銅イオン水W1と粉砕茶葉Tとを混合して原料液L0を調整するものであり、一例として銅イオン水100重量部に対し、粉砕茶葉を0.05〜45重量部混合する。
(5)銅クロロフィル化処理工程
次に銅クロロフィル化処理工程3においては、前記原料液L0を所定の温度(85〜135℃、好ましくは100〜135℃とすることにより、より確実な殺菌作用も発揮される。)で所定の時間(20〜120分)加熱を行うことにより、クロロフィル中のマグネシウムを銅イオンに置換する銅クロロフィル化処理を施す。
なお銅クロロフィル化処理を行うための装置としては、適宜の加熱機能が具えられた密閉型の耐熱容器が用いられる。ここで密閉型の耐熱容器を用いる理由は、100℃以上の高温状態を得ることに加え、水分の蒸発を防止して銅イオン濃度を一定に保つためである。
またこの銅クロロフィル化処理工程3においては、粉砕茶葉Tの各種成分が水に溶出して液茶Lとなる。
次に銅クロロフィル化処理工程3においては、前記原料液L0を所定の温度(85〜135℃、好ましくは100〜135℃とすることにより、より確実な殺菌作用も発揮される。)で所定の時間(20〜120分)加熱を行うことにより、クロロフィル中のマグネシウムを銅イオンに置換する銅クロロフィル化処理を施す。
なお銅クロロフィル化処理を行うための装置としては、適宜の加熱機能が具えられた密閉型の耐熱容器が用いられる。ここで密閉型の耐熱容器を用いる理由は、100℃以上の高温状態を得ることに加え、水分の蒸発を防止して銅イオン濃度を一定に保つためである。
またこの銅クロロフィル化処理工程3においては、粉砕茶葉Tの各種成分が水に溶出して液茶Lとなる。
(6)包装工程
そして液茶Lは包装工程6においてペットボトル、ポーションカップ、紙パック、アルミパウチ等に充填される。
そして液茶Lは包装工程6においてペットボトル、ポーションカップ、紙パック、アルミパウチ等に充填される。
以上のようにして製造された液茶Lは、原料液調製工程4において、最終製品的な製品形態である液茶Lの銅含有量が決定されて銅イオンの含有量が把握されているため、適宜希釈する等して例えば成人男性の一日の所要量1.8mgあるいは成人女性の一日の所要量1.6mg毎に小分けして包装することにより、消費者は所要量を確実に摂取することができるとともに、一日の許容上限摂取量(9mg)を超えて摂取してしまうようなことが回避される。
なお図1中、仮想線で示したように、包装工程6を前記原料液調製工程4の次段に位置させてもよく、この場合には、原料液L0をペットボトル、ポーションカップ、紙パック、アルミパウチ等に充填した後、このものを湯煎やレトルト釜によって加熱することにより銅クロロフィル化を図るものとする。
また茶加工品として加工茶葉Sを製造する場合には、銅クロロフィル化処理工程5の次段に乾燥・粉末化工程7が追加されるものであり、この工程については後ほど説明する。
また茶加工品として加工茶葉Sを製造する場合には、銅クロロフィル化処理工程5の次段に乾燥・粉末化工程7が追加されるものであり、この工程については後ほど説明する。
次に本発明の実施例を例示する。
(I)液茶としての茶加工品(図2参照)
・原料茶葉として、やぶきた品種四番茶(含有クロロフィル量600mg/100g)を 用いた。
・銅イオン水調製工程1において、銅イオン濃度が600mg/lの銅イオン水W1を得 た。
・乾燥工程2において、生茶葉T0を揉まずに加熱、乾燥して原料茶葉を得た。
・茶葉粉砕工程3において、原料茶葉を粒径20μm程度に粉砕して粉砕茶葉Tを得た。
・原料液調製工程4において、銅イオン水W1を40g、水Wを40g、粉砕茶葉Tを2 0g混合して、粉砕茶葉Tの含有率が20重量%の原料液L0を得た(銅イオン濃度2 4mg/100g)。
・銅クロロフィル化工程5において、原料液L0を116℃の温度下で30分間加熱して 、濃縮状態の液茶Lを得た(銅イオン濃度24mg/100g)。
(I)液茶としての茶加工品(図2参照)
・原料茶葉として、やぶきた品種四番茶(含有クロロフィル量600mg/100g)を 用いた。
・銅イオン水調製工程1において、銅イオン濃度が600mg/lの銅イオン水W1を得 た。
・乾燥工程2において、生茶葉T0を揉まずに加熱、乾燥して原料茶葉を得た。
・茶葉粉砕工程3において、原料茶葉を粒径20μm程度に粉砕して粉砕茶葉Tを得た。
・原料液調製工程4において、銅イオン水W1を40g、水Wを40g、粉砕茶葉Tを2 0g混合して、粉砕茶葉Tの含有率が20重量%の原料液L0を得た(銅イオン濃度2 4mg/100g)。
・銅クロロフィル化工程5において、原料液L0を116℃の温度下で30分間加熱して 、濃縮状態の液茶Lを得た(銅イオン濃度24mg/100g)。
次いで上述のようにして得られた本発明の液茶Lの特長(耐熱性、耐酸性、耐光性)について説明を行う。
すなわち本発明の液茶Lは、生茶葉本来の鮮やかな緑色発色を維持することができるものであり、緑色の指標としてハンターの色差式によるLab表色系における色調の指数a値を測定した(ミノルタ社製、色彩式差計CT−210を用いた。)。
なおハンターの色差式によるLab表色系では、L値が高いほど白く、L=100の場合が完全な白で、L=0の場合が完全な黒を示すものである。
またa値は大きくなるほど赤色が濃く、小さくなるほど緑色が濃くなることを示すものである。
またb値は大きくなるほど黄色が強く、小さくなるほど青色が強くなることを示すものである。
なおこの測定にあたっては、色彩色差計が透過式のものであることから、測定精度を向上させるために、前記粉砕茶葉Tの含有率が20重量%の液茶Lを、粉砕茶葉Tの含有率が1重量%となるまで水または食酢で希釈したものを試料とするようにした(耐熱性試験、耐光性試験では水で希釈し、耐酸性試験では食酢で希釈した。)。
すなわち本発明の液茶Lは、生茶葉本来の鮮やかな緑色発色を維持することができるものであり、緑色の指標としてハンターの色差式によるLab表色系における色調の指数a値を測定した(ミノルタ社製、色彩式差計CT−210を用いた。)。
なおハンターの色差式によるLab表色系では、L値が高いほど白く、L=100の場合が完全な白で、L=0の場合が完全な黒を示すものである。
またa値は大きくなるほど赤色が濃く、小さくなるほど緑色が濃くなることを示すものである。
またb値は大きくなるほど黄色が強く、小さくなるほど青色が強くなることを示すものである。
なおこの測定にあたっては、色彩色差計が透過式のものであることから、測定精度を向上させるために、前記粉砕茶葉Tの含有率が20重量%の液茶Lを、粉砕茶葉Tの含有率が1重量%となるまで水または食酢で希釈したものを試料とするようにした(耐熱性試験、耐光性試験では水で希釈し、耐酸性試験では食酢で希釈した。)。
まず耐熱性試験は、試料を85〜135℃の温度で、20〜120分加熱した後、更に市販のコーヒー用ペーパーフィルター(AVANCE社製)で濾過した状態で、色差計による測定を行った。
また耐酸性試験は、試料をpH2.5〜6.5迄の酸性下において10日以上経過した後、更に市販のコーヒー用ペーパーフィルター(AVANCE社製)で濾過した状態で、色差計による測定を行った。
更にまた耐光性試験は、試料に太陽光を一週間に亘って(一日約12時間)照射した後、更に市販のコーヒー用ペーパーフィルター(AVANCE社製)で濾過した状態で、色差計による測定を行った。
また耐酸性試験は、試料をpH2.5〜6.5迄の酸性下において10日以上経過した後、更に市販のコーヒー用ペーパーフィルター(AVANCE社製)で濾過した状態で、色差計による測定を行った。
更にまた耐光性試験は、試料に太陽光を一週間に亘って(一日約12時間)照射した後、更に市販のコーヒー用ペーパーフィルター(AVANCE社製)で濾過した状態で、色差計による測定を行った。
そして耐熱性試験、耐酸性試験、耐光性試験の何れの結果においても、本発明の茶加工品たる液茶Lは、ハンターの色差式によるLab表色系における色調の指数aが−7以下を示した。また図3(a)、図4(a)、図5(a)に示す濾過前の状態の撮像からわかるように、見た目にも鮮やかな緑色を維持している。なお図中には、丸で囲んだ範囲のウェブ上のカラーチャート(HTMLタグ・カラーチャート、各色256階調で表した数値)のRGB値(平均値)を示してある。またこれらの撮像では比較のため、基本16色を写し込んである。
一方、一般的な煎茶を同様に調製したものを、同様の耐熱性試験、耐酸性試験、耐光性試験にかけた結果は、ハンターの色差式によるLab表色系における色調の指数aの値は−7よりも大きな値を示した。また図3(b)、図4(b)、図5(b)に示す濾過前の状態の撮像からわかるように、見た目にも茶褐色となっており、到底鮮やかな緑色を維持しているとは言えないものであった。なお図中には、丸で囲んだ範囲のウェブ上のカラーチャート(HTMLタグ・カラーチャート、各色256階調で表した数値)のRGB値(平均値)を示してある。またこれらの撮像では比較のため、基本16色を写し込んである。
一方、一般的な煎茶を同様に調製したものを、同様の耐熱性試験、耐酸性試験、耐光性試験にかけた結果は、ハンターの色差式によるLab表色系における色調の指数aの値は−7よりも大きな値を示した。また図3(b)、図4(b)、図5(b)に示す濾過前の状態の撮像からわかるように、見た目にも茶褐色となっており、到底鮮やかな緑色を維持しているとは言えないものであった。なお図中には、丸で囲んだ範囲のウェブ上のカラーチャート(HTMLタグ・カラーチャート、各色256階調で表した数値)のRGB値(平均値)を示してある。またこれらの撮像では比較のため、基本16色を写し込んである。
上記結果から明らかなように、本発明の液茶Lは、通常製法の抽出液と比べ、より鮮やかな緑色を呈するものでありながら、耐熱性、耐酸性、耐光性に優れたものであることが確認された。
(II)加工茶葉としての茶加工品(図3参照)
次に加工茶葉Sとしての茶加工品の実施例について説明する。
加工茶葉Sは図1に示すフローに従って製造されるものであり、ここでは銅クロロフィル化処理工程5の次段に、乾燥・粉末化工程7が追加されたフローに従うものである。
次に加工茶葉Sとしての茶加工品の実施例について説明する。
加工茶葉Sは図1に示すフローに従って製造されるものであり、ここでは銅クロロフィル化処理工程5の次段に、乾燥・粉末化工程7が追加されたフローに従うものである。
・原料茶葉として、やぶきた品種四番茶(含有クロロフィル量600mg/100g)を 用いた。
・銅イオン水調製工程1において、銅イオン濃度が600mmg/lの銅イオン水W1を 得た。
・乾燥工程2において、生茶葉T0を揉まずに加熱、乾燥して原料茶葉を得た。
・茶葉粉砕工程3において、原料茶葉を8m角に裁断して粉砕茶葉Tを得た。
・原料液調製工程4において、銅イオン水W1を40g、水Wを40g、粉砕茶葉T20 gを混合して粉砕茶葉Tの含有率が20重量%の原料液L0を得た(銅イオン濃度が2 4mg/100g)。
・銅クロロフィル化処理工程5において、原料液L0を116℃の温度下で30分間加熱 して中間製品L1を得た。
・乾燥・粉砕化工程7において、中間製品L1を市販のコーヒー用ペーパーフィルター( AVANCE社製)により濾過したのち、分離された固形成分を70℃の温度下で60 分間乾燥し、含水率6%D.Bにまで乾燥させ、更にその後、粒径20μmに粉砕する ことにより加工茶葉Sを得た。
・銅イオン水調製工程1において、銅イオン濃度が600mmg/lの銅イオン水W1を 得た。
・乾燥工程2において、生茶葉T0を揉まずに加熱、乾燥して原料茶葉を得た。
・茶葉粉砕工程3において、原料茶葉を8m角に裁断して粉砕茶葉Tを得た。
・原料液調製工程4において、銅イオン水W1を40g、水Wを40g、粉砕茶葉T20 gを混合して粉砕茶葉Tの含有率が20重量%の原料液L0を得た(銅イオン濃度が2 4mg/100g)。
・銅クロロフィル化処理工程5において、原料液L0を116℃の温度下で30分間加熱 して中間製品L1を得た。
・乾燥・粉砕化工程7において、中間製品L1を市販のコーヒー用ペーパーフィルター( AVANCE社製)により濾過したのち、分離された固形成分を70℃の温度下で60 分間乾燥し、含水率6%D.Bにまで乾燥させ、更にその後、粒径20μmに粉砕する ことにより加工茶葉Sを得た。
このようにして得られた加工茶葉Sは、鮮やかな緑色を呈しており、更に濾過により分離された液体成分に含まれていた銅イオンが除かれているため、銅の含有量が24mg未満として把握されている。
なお乾燥・粉砕化工程7において、中間製品L1を濾過することなく乾燥させて得られる加工茶葉Sは、銅の含有量が24mgとして把握される。
なお乾燥・粉砕化工程7において、中間製品L1を濾過することなく乾燥させて得られる加工茶葉Sは、銅の含有量が24mgとして把握される。
(III)液茶及び加工茶葉の使用例
本発明の「緑色発色を維持した茶加工品」は、液茶Lとしてそのまま飲用とする他、液茶Lや加工茶葉Sをそば、うどん、パン、米飯等に混入することにより、これらに対して鮮明な緑色を付与することができるものである。
一例として図7(a)、図8(a)の写真に示すものは、強力粉300gに対して主たる混入物として液茶L(銅イオン濃度24mg/100g)を15g混入し、更に副次的な混入物として加工茶葉Sを適量混入し、その他適量のイースト菌や調味料(塩5g、砂糖15g)と水200gを加えて焼き上げたパンBである。
そして前述の耐熱性試験、耐酸性試験、耐光性試験の結果を証明するが如く、パン生地に対しては鮮やかな緑色が付与されており、更にこの色は一週間後も維持されていることが確認されている。
因みに図7(b)、図8(b)の写真に示すものは、一般的な煎茶の抽出液を同配分で強力粉に混入して焼き上げたパンB′であるが、生地に対して着色が成されてはいるものの、「茶色」に変色してしまっていることがわかる。
なお図7、8に示したパンにおいては、加工茶葉Sが混入されることにより、生地に対して緑色の粒がマーブル状に分散した状態となっており、視覚的により自然な印象を与えることが可能となっている。もちろん液茶Lのみ、加工茶葉Sのみを混入するようにしてもよい。
本発明の「緑色発色を維持した茶加工品」は、液茶Lとしてそのまま飲用とする他、液茶Lや加工茶葉Sをそば、うどん、パン、米飯等に混入することにより、これらに対して鮮明な緑色を付与することができるものである。
一例として図7(a)、図8(a)の写真に示すものは、強力粉300gに対して主たる混入物として液茶L(銅イオン濃度24mg/100g)を15g混入し、更に副次的な混入物として加工茶葉Sを適量混入し、その他適量のイースト菌や調味料(塩5g、砂糖15g)と水200gを加えて焼き上げたパンBである。
そして前述の耐熱性試験、耐酸性試験、耐光性試験の結果を証明するが如く、パン生地に対しては鮮やかな緑色が付与されており、更にこの色は一週間後も維持されていることが確認されている。
因みに図7(b)、図8(b)の写真に示すものは、一般的な煎茶の抽出液を同配分で強力粉に混入して焼き上げたパンB′であるが、生地に対して着色が成されてはいるものの、「茶色」に変色してしまっていることがわかる。
なお図7、8に示したパンにおいては、加工茶葉Sが混入されることにより、生地に対して緑色の粒がマーブル状に分散した状態となっており、視覚的により自然な印象を与えることが可能となっている。もちろん液茶Lのみ、加工茶葉Sのみを混入するようにしてもよい。
また図9(a)に示すものは、米300gに対して主たる混入物として液茶L(銅イオン濃度24mg/100g)を15g混入し、更に副次的な混入物として加工茶葉Sを適量混入して炊き上げた米飯Rであり、米粒に対して鮮やかな緑色が付与されており、更にこの色は一週間後も維持されていることが確認されている。
一方、図9(b)に示すものは、一般的な煎茶の抽出液を同配分で混入して炊き上げた米飯R′であり、米粒に対して着色がなされてはいるものの、「茶色」に変色してしまっていることがわかる。
一方、図9(b)に示すものは、一般的な煎茶の抽出液を同配分で混入して炊き上げた米飯R′であり、米粒に対して着色がなされてはいるものの、「茶色」に変色してしまっていることがわかる。
なお本発明の「緑色発色を維持した茶加工品」は、飲食用以外にも供することができるものである。
具体的には、化粧品、入浴剤、石鹸等に混入したり、化粧紙、紙おむつ、壁紙等の紙類に混入したり、石膏ボード、壁紙等の建材に混入することにより、緑色の着色や消臭効果を付加することができるものである。この際、本発明の「緑色発色を維持した茶加工品」は大量生産に適したものであるため、低コストでの供給が可能となるものである。
具体的には、化粧品、入浴剤、石鹸等に混入したり、化粧紙、紙おむつ、壁紙等の紙類に混入したり、石膏ボード、壁紙等の建材に混入することにより、緑色の着色や消臭効果を付加することができるものである。この際、本発明の「緑色発色を維持した茶加工品」は大量生産に適したものであるため、低コストでの供給が可能となるものである。
1 銅イオン水調製工程
10 調製装置
11 電極
12 電極
13 電解槽
2 乾燥工程
3 粉砕工程
4 原料液調製工程
5 銅クロロフィル化処理工程
6 包装工程
7 乾燥・粉末化工程
B パン
L 液茶
L0 原料液
L1 中間製品
R 米飯
S 加工茶葉
T 粉砕茶葉
T0 生茶葉
W 水
W1 銅イオン水
10 調製装置
11 電極
12 電極
13 電解槽
2 乾燥工程
3 粉砕工程
4 原料液調製工程
5 銅クロロフィル化処理工程
6 包装工程
7 乾燥・粉末化工程
B パン
L 液茶
L0 原料液
L1 中間製品
R 米飯
S 加工茶葉
T 粉砕茶葉
T0 生茶葉
W 水
W1 銅イオン水
Claims (15)
- 銅イオン水と、乾燥茶葉とが混合され、更に加熱されて銅クロロフィル化処理が施された茶加工品であって、
このものは、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態の液茶であり、
且つ、含有されている銅イオン量が把握されたものであることを特徴とする緑色発色を維持した茶加工品。 - 銅イオン水と、乾燥茶葉とが混合され、更に加熱されて銅クロロフィル化処理が施された茶加工品であって、
このものは、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態のものを、そのままあるいは濾過した後に乾燥させた加工茶葉であり、
且つ、含有されている銅イオン量が把握されたものであることを特徴とする緑色発色を維持した茶加工品。 - 前記茶葉は25〜600μmの細粒状のもの、または8mm角以下の小片状のもののいずれか一方または双方であることを特徴とする請求項1または2記載の緑色発色を維持した茶加工品。
- 85〜135℃の温度で、20〜120分加熱した後、更に濾過した状態で、緑色度の指標である、ハンターの色差式によるLab表色系における色調の指数aが−7.00以下であることを特徴とする請求項1記載の緑色発色を維持した茶加工品。
- pH2.5〜6.5迄の酸性下にあって10日以上経過した後、更に濾過した状態で、緑色度の指標である、ハンターの色差式によるLab表色系における色調の指数aが−7.00以下であることを特徴とする請求項1記載の緑色発色を維持した茶加工品。
- 太陽光を一週間に亘って照射した後、更に濾過した状態で、緑色度の指標である、ハンターの色差式によるLab表色系における色調の指数aが−7.00以下であることを特徴とする請求項1記載の緑色発色を維持した茶加工品。
- 対向して配された少なくとも一対の銅電極に通電することにより、これら電極間に位置する水に銅イオンを溶出させて銅イオン量が所望量に調製された銅イオン水を得る銅イオン水調製工程と、
生茶葉を加熱することにより、酵素を不活化させるとともに含水率を低下させて乾燥茶葉を得る乾燥工程と、
前記乾燥茶葉を粉砕して粉砕茶葉を得る粉砕工程と、
前記粉砕茶葉と銅イオン水とを混合して原料液を得る原料液調製工程と、
前記原料液を加熱することにより、クロロフィルに銅イオンを作用させる銅クロロフィル化処理工程とを具えたことを特徴とする緑色発色を維持した茶加工品の製造方法。 - 前記銅イオン水調製工程は、別途工程でなされているものであることを特徴とする請求項7記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法。
- 前記銅イオン水調整工程は、水に対して可食性有機酸を添加した後に通電するものであり、酸味あるいはphの調製が必要な場合には、銅イオン水に可食性塩基物を添加して中和することを特徴とする請求項7または8記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法。
- 前記粉砕工程は、乾燥茶葉を25〜600μmの細粒状にする工程および乾燥茶葉を8mm角以下の小片に裁断する工程のいずれか一方または双方を有するものであることを特徴とする請求項7、8または9記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法。
- 前記銅イオン水調製工程は、銅イオン水に含まれる銅イオン量が、原料液調製工程において用いられる全粉砕茶葉に含まれるクロロフィル1重量部に対して、0.1重量部以上となるように調製するものであることを特徴とする請求項7、8、9または10記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法。
- 前記原料液調製工程は、銅イオン水100重量部に対し、粉砕茶葉を0.05〜45重量部混合するものであることを特徴とする請求項7、8、9、10または11記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法。
- 前記銅クロロフィル化処理工程は、85〜135℃の温度で、20〜120分加熱を行うものであることを特徴とする請求項7、8、9、10、11または12記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法。
- 前記銅クロロフィル化処理工程における加熱は、密閉空間内において行われることを特徴とする請求項7、8、9、10、11、12または13記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法。
- 前記生茶葉は、芽以外のものであって従来は製品とすることができずに刈り落とされていた茶葉であることを特徴とする請求項7、8、9、10、11、12、13または14記載の緑色発色を維持した茶加工品の製造方法。
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