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JP2011121821A - 焼結体、焼結体を用いた切削工具および焼結体の製造方法 - Google Patents

焼結体、焼結体を用いた切削工具および焼結体の製造方法 Download PDF

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JP2011121821A JP2009281489A JP2009281489A JP2011121821A JP 2011121821 A JP2011121821 A JP 2011121821A JP 2009281489 A JP2009281489 A JP 2009281489A JP 2009281489 A JP2009281489 A JP 2009281489A JP 2011121821 A JP2011121821 A JP 2011121821A
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Katsuto Yoshida
克仁 吉田
Rinko Matsukawa
倫子 松川
Kenichi Wataya
研一 綿谷
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Abstract

【課題】優れた硬度を有する焼結体、およびその製造方法、ならびに耐摩耗性に優れた切削工具を提供する。
【解決手段】立方晶の結晶構造を有する立方晶型サイアロンを含む焼結体に関し、立方晶型サイアロンに加えて、シリコン、マグネシウム、アルミニウム、および第3族元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、前記元素の窒化物、および前記元素の酸窒化物のいずれか1種以上を含む。シリコン、マグネシウム、アルミニウム、および第3族元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、前記元素の窒化物、および前記元素の酸窒化物は、焼結体中で結合相として存在し、これらを含む焼結体は、優れた硬度および靭性を有している。
【選択図】なし

Description

本発明は、焼結体、焼結体を用いた切削工具および焼結体の製造方法に関し、より特定的には、立方晶型サイアロンを含む焼結体、焼結体を用いた切削工具および焼結体の製造方法に関する。
サイアロン(以下、SiAlONともいう)は、窒化ケイ素にアルミニウムと酸素が固溶した構造を有しており、六方晶系に属するα型とβ型の2種類の結晶形がある(以下、それぞれα型サイアロン、β型サイアロンともいう)。サイアロンを用いた焼結体は、被加工材との反応性が低いという特性を有するため、切削工具用材料としての研究が進められている。
たとえば、特許文献1(特開昭53−14714号公報)には、β’−サイアロン主成分素材に、窒化珪素粉および窒化アルミニウム粉のうちいずれか1種以上を混合して、得られた混合素材粉を成形および焼成することを特徴とする緻密質β’−サイアロン焼結体の製造方法が開示されている。
上記のサイアロンセラミックスは、被加工材との反応性は低いが、立方晶型窒化硼素と比べると硬度が低く、切削工具材料として用いた場合に耐摩耗性が不十分である。
したがって、硬度および被加工材との反応性の観点から、切削工具の材料として用いた場合に、優れた耐摩耗性を有すると同時に、優れた耐欠損性を備える切削工具を得ることのできる焼結体が求められている。
特開昭53−14714号公報
本発明は、高い硬度を有する焼結体、およびその製造方法、ならびに耐摩耗性に優れた切削工具を提供することを目的とする。
本発明の焼結体は、立方晶の結晶構造を有する立方晶型サイアロンを含む。
本発明の焼結体によれば、立方晶型サイアロンを含むことで、低反応性というサイアロンの特徴を維持したまま、硬度と靭性を向上させることができる。
本発明の焼結体において好ましくは、立方晶型サイアロンに加えて、シリコン、マグネシウム、アルミニウム、および第3族元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、前記元素の窒化物、および前記元素の酸窒化物のいずれか1種以上を含む。
シリコン、マグネシウム、アルミニウム、および第3族元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、前記元素の窒化物、および前記元素の酸窒化物は、焼結体中で結合相として存在し、これらを含む焼結体は、優れた硬度および靭性を有している。
本発明の焼結体において好ましくは、立方晶型サイアロンは粒子として存在し、粒子の平均粒径が0.01μm以上5μm以下である。
立方晶型サイアロン粒子の平均粒径が上記の範囲であると、焼結体の硬度および靭性を向上させることができる。
本発明の切削工具は、上記の焼結体よりなっている。
上記の焼結体は優れた硬度および靭性を有しているため、切削工具に用いた場合、耐摩耗性に優れた切削工具を得ることができる。
本発明の焼結体の製造方法は、以下の工程を備える。β型の結晶構造を有するβ型サイアロン粒子を準備する。β型サイアロン粒子を衝撃圧縮法で処理することにより、立方晶の結晶構造を有する立方晶型サイアロン粒子を得る。立方晶型サイアロン粒子を焼結する。
立方晶型サイアロン粒子を焼結することにより、優れた硬度および靭性を有する焼結体を得ることができる。
本発明の焼結体の製造方法において好ましくは、立方晶型サイアロン粒子を得る工程の後であって、立方晶型サイアロン粒子を焼結する工程の前に、シリコン、マグネシウム、アルミニウム、および第3族元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、前記元素の窒化物、および前記元素の酸窒化物のいずれか1種以上を含む焼結助剤を立方晶型サイアロン粒子に添加する工程をさらに備えている。
本発明の焼結体の製造方法において好ましくは、焼結助剤を添加する工程において、立方晶型サイアロン粒子100質量部に対して、焼結助剤を0.5質量部以上5質量部以下の割合で添加する。
上記の焼結助剤を上記の量で添加することで、焼結体の硬度および靭性を向上させることができる。
本発明の焼結体は、上記の焼結体の製造方法により得られる。得られた焼結体は優れた硬度および靭性を有することができる。
本発明の焼結体、焼結体を用いた切削工具および焼結体の製造方法によれば、優れた硬度および靭性を有する焼結体、および耐摩耗性に優れた切削工具を得ることができる。
本発明者らは、高い硬度と高い靭性の両方の特性を兼ね備えた切削工具材料を得るべく研究開発を行った結果、立方晶の結晶構造を有するサイアロン(以下、立方晶型サイアロンまたはc-SiAlONともいう)を用いて焼結体を作製することで、低反応性というサイアロンの特徴を維持したまま、焼結体の硬度および靭性を向上させることができることを見出した。
<焼結体>
本発明の一実施の形態において、焼結体は立方晶の結晶構造を有する立方晶型サイアロンを含む。
立方晶型サイアロンは、窒化ケイ素(Si34)にアルミニウム原子(Al)と酸素原子(O)が固溶した構造を有するサイアロンのうち、立方晶の結晶構造を有するものである。立方晶型サイアロンを含む焼結体は、低反応性というサイアロンの特徴を維持したまま、硬度と靭性を向上させることができる。
立方晶型サイアロンは、焼結体中で粒子として存在し、前記粒子の平均粒径は、焼結性の観点から0.01μm以上5μm以下が好ましく、さらに0.01μm以上0.1μm以下が好ましい。
焼結体は立方晶型サイアロンに加えて、シリコン、マグネシウム、アルミニウム、および第3族元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、前記元素の窒化物、および前記元素の酸窒化物のいずれか1種以上を含むことが好ましい。
シリコン、マグネシウム、アルミニウム、および第3族元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、前記元素の窒化物、および前記元素の酸窒化物は、焼結体中で結合相として存在し、これらを含む焼結体は、優れた硬度および靭性を有している。
<焼結体の製造方法>
[実施の形態1]
本発明の一実施の形態における焼結体の製造方法は、以下の工程を備える。初めに、β型の結晶構造を有するβ型サイアロン粒子を準備する。次に、前記β型サイアロン粒子を衝撃圧縮法で処理することにより、立方晶の結晶構造を有する立方晶型サイアロン粒子を得る。次に、前記立方晶型サイアロン粒子を焼結する。
(β型サイアロン粒子を準備する工程)
初めに、β型サイアロン粒子を準備する。β型サイアロン粒子は平均粒径が0.1〜10μmのものを用いることが好ましい。
(立方晶型サイアロン粒子を得る工程)
次に、β型サイアロン粒子を衝撃圧縮法で処理することにより、立方晶の結晶構造を有する立方晶型サイアロン粒子を得る。
立方晶型サイアロンの生成には、極めて高い圧力が必要である。たとえば、β型サイアロン粒子に、衝撃圧縮法を用いて50GPaの衝撃圧力を加えることで立方晶型サイアロン粒子を生成できたと報告されている(T. Sekine, H. He, T. Kobayashi, M. Tansho, K. kimoto; Chemical Physics Letters 344 (2001)395-399)。
衝撃圧縮法は、2000℃以上4000℃以下かつ40GPa以上50GPa以下の雰囲気にて行われることが好ましい。この条件で処理することで、β型サイアロン粒子の30〜50%を、立方晶型サイアロン粒子に変換することができる。
なお、衝撃圧縮法で処理することにより得られた立方晶型サイアロン粒子は、精製することが好ましい。β型サイアロン粒子を衝撃圧縮法で処理することにより、β型サイアロン粒子の30〜50%を、立方晶型サイアロン粒子に変換することができる。したがって、衝撃圧縮処理後の粉末には、立方晶型サイアロン粒子とともに、β型サイアロン粒子、およびわずかな非晶質物質が含まれている。したがって、処理後の粉末から立方晶型サイアロン粒子を精製することで、立方晶型サイアロン粒子の含有量が高い粉末を得ることができる。
立方晶型サイアロン粒子の精製は、たとえば以下の方法で行うことができる。初めに、衝撃圧縮法で処理後の粉末を、フッ酸で洗浄する。非晶質物質はフッ酸に溶解するため、前記粉末をフッ酸で洗浄すると、非晶質物質を除去することができる。次に、洗浄後の立方晶型サイアロン粒子とβ型サイアロン粒子とを含む粉末を、立方晶型サイアロン粒子とβ型サイアロン粒子の比重差を利用して分離する。立方晶型サイアロン粒子の密度は4.0g/cm3であり、β型サイアロン粒子の密度は3.14g/cm3と異なるため、遠心分離することで、立方晶型サイアロン粒子を精製することができる。このようにして得られた立方晶型サイアロン粒子の平均粒径は0.01μm〜5μm程度である。
(立方晶型サイアロン粒子を焼結する工程)
次に、得られた立方晶型サイアロン粒子を焼結して焼結体を得る。
焼結は、立方晶型サイアロン粒子を加圧成形した後に行うことができる。また、加圧成形と焼結とを同時に行うこともできる。たとえば、ホットプレスのように加圧成形しながら焼結すると、焼結が促進される。
加圧成形の圧力は1MPa〜5GPaが好ましく、10MPa〜30MPaがより好ましい。また、焼結温度は1400℃〜2000℃が好ましく、1400〜1600℃がより好ましい。
このようにして作製された立方晶型サイアロンを含む焼結体のヌープ硬度は2200〜2500である。これは、β型サイアロンからなる焼結体のヌープ硬度1500と比較して、1.5倍程度の硬度である。
[実施の形態2]
本発明の一実施の形態における焼結体の製造方法は、以下の工程を含む。初めに、β型の結晶構造を有するβ型サイアロン粒子を準備する。次に、前記β型サイアロン粒子を衝撃圧縮法で処理することにより、立方晶の結晶構造を有する立方晶型サイアロン粒子を得る。次に、シリコン、マグネシウム、アルミニウム、および第3族元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、前記元素の窒化物、および前記元素の酸窒化物のいずれか1種以上を含む焼結助剤を前記立方晶型サイアロン粒子に添加する。次に、前記立方晶型サイアロン粒子を焼結する。
初めに、実施の形態1と同様に、β型の結晶構造を有するβ型サイアロン粒子を準備する。次に、実施の形態1と同様に、前記β型サイアロン粒子を衝撃圧縮法で処理することにより、立方晶の結晶構造を有する立方晶型サイアロン粒子を得る。
次に、立方晶型サイアロン粒子に焼結助剤を添加する。焼結助剤は、シリコン、マグネシウム、アルミニウム、および第3族元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、前記元素の窒化物、および前記元素の酸窒化物のいずれか1種以上を含むことが好ましい。具体的には、焼結助剤は、Al23、MgO、およびY23のいずれか1種以上を含むことが好ましい。
焼結助剤は、焼結の際に、立方晶型サイアロンの結晶粒成長を抑え、立方晶型サイアロン粒子間の空孔の消滅を容易にし、焼結体の高密度化を促進することができる。したがって、焼結助剤を用いて作製された焼結体は、優れた硬度および靭性を有することができる。
焼結助剤の平均粒径は、0.05μm〜1μmが好ましく、0.05μm〜0.1μmがより好ましい。焼結助剤の添加量は、立方晶型サイアロン粒子100質量部に対して、0.5質量部以上5質量部以下の割合であることが好ましく、1質量部以上3質量部以下がより好ましい。
焼結助剤は分散性が悪いため、焼結体中に残存して異物となったり、焼結体中に空隙を形成したりする。また、焼結助剤の分散が均一でないと、焼結の進行にむらが生じるため、反りや変形が発生しやすい。そこで、予め立方晶型サイアロン粒子と焼結助剤を、エタノールなどの有機溶媒中で超音波分散するか又はボールミル中で混合し、得られたスラリーをドライヤーなどで乾燥しておくことが好ましい。この方法により、立方晶型サイアロンと焼結助剤との混合物中で、焼結剤が凝集することを防ぐことができる。
次に、焼結助剤の添加された立方晶型サイアロン粒子を、実施例1と同様に焼結して焼結体を得る。
<実施例1〜11>
β型サイアロン粒子30gをステンレス製容器に充填し、爆薬の爆発による衝撃圧縮法により、約40GPaの圧力および2000℃〜3000℃の温度で処理した。処理後の容器を硝酸に溶解し、粉末を回収した。回収した粉末をX線回折で分析すると、立方晶型サイアロン、β型サイアロンおよび非晶質物質が含まれていた。
回収した粉末をフッ酸溶液で洗浄して非晶質物質を除去したのち、粉砕機で粉砕して、粉末の粒径を約0.05〜0.2μmに揃えた。次に、粒径を揃えた粉末を比重差を利用して立方晶型サイアロン粒子とβ型サイアロン粒子を分離した。この結果、立方晶型サイアロン粒子12.8gを得た。
次に、得られた立方晶型サイアロン粒子10gと、表1に示す種類および重量(g)の焼結助剤とをセラミックス製ボールミル容器に入れた後、セラミックスボールとエタノール100mlを容器内に添加し、ボールミル混合を2時間行った。ボールミル混合後、スラリー状になった混合物を100℃に保持した乾燥機に入れてエタノールを蒸発させ、立方晶型サイアロン粒子と焼結助剤の混合粉末を得た。
次に前記混合粉末4gを、型押しプレス機で15MPaの圧力を加えて直方体に成形した後、焼成炉に入れて、窒素雰囲気下で1800℃で1時間焼結した。
得られた焼結体をISO型番SNGN120408形状の切削工具形状に加工し、以下の条件で、時効処理後のインコネル718(登録商標)の切削試験を行い、切削距離が600mの時の工具刃先のVb摩耗幅を調べた。
切削速度:300m/min
切り込み深さ:0.2mm
送り速度:0.15mm/rev
湿式条件
<比較例1〜3>
比較例1〜3は、β型サイアロン粒子をそのまま用いて焼結体を作製した例である。初めに、実施例1と同様の方法で、β型サイアロン粒子10gと、表1に示す種類および重量(g)の焼結助剤との混合粉末を作製した。次に、得られた混合粉末を実施例1と同様の方法で焼結した。得られた焼結体について、実施例1と同様の切削試験を行った。
結果を表1に示す。
Figure 2011121821
<評価結果>
実施例1〜11は、立方晶型サイアロン粒子を原料とした焼結体である。実施例1〜11のVb摩耗幅は、β型サイアロン粒子を原料とした比較例1〜3に比べて、優位な差で低減した。
<実施例12〜22>
実施例1と同様の方法で、β型サイアロン粒子から立方晶型サイアロン粒子を作製し、実施例1と同様の方法で、β型サイアロン粒子10gと、表2に示す種類および重量(g)の焼結助剤との混合粉末を作製した。
次に、得られた混合粉末4gを、ホットプレス機で20MPaの圧力を加えて、1800℃で1時間焼結した。
得られた焼結体をISO型番SNGN120408形状の切削工具形状に加工し、以下の条件で、時効処理後のインコネル718(登録商標)の切削試験を行い、切削距離が600mの時の工具刃先のVb摩耗幅を調べた。
切削速度:300m/min
切り込み深さ:0.2mm
送り速度:0.15mm/rev
湿式条件
<比較例4〜6>
比較例4〜6は、β型サイアロン粒子をそのまま用いて焼結体を作製した例である。初めに、実施例12と同様の方法で、β型サイアロン粒子10gと、表2に示す種類および重量(g)の焼結助剤との混合粉末を作製した。次に、得られた混合粉末を実施例12と同様の方法で焼結した。得られた焼結体について、実施例12と同様の切削試験を行った。
結果を表2に示す。
Figure 2011121821
<評価結果>
実施例12〜22は、立方晶型サイアロン粒子を原料とした焼結体である。実施例12〜22のVb摩耗幅は、β型サイアロン粒子を原料とした比較例4〜6に比べて、優位な差で低減した。
<実施例23〜33>
実施例1と同様の方法で、β型サイアロン粉末から立方晶型サイアロンの粉末を作製し、実施例1と同様の方法で、β型サイアロン粉末10gと、表3に示す種類および重量(g)の焼結助剤との混合粉末を作製した。
次に、内径30mmのタンタル(Ta)製カプセル中に、直径29.5mm、厚さ2mmの超硬合金(WC−6%Co)製の円板を配し、円板上に前記混合粉末4gを充填した。その上に、直径29.5mm、厚さ3mmの超硬合金製円板でふたをし、10MPa程度の圧力で加圧した。このカプセルを5.5GPaの圧力および1800℃の温度で1時間処理して、超工合金製円板に挟まれた焼結体を得た。
得られた焼結体の片側の超硬合金を平面研削盤で研削することで所定の厚みに仕上げた後、SNGN120408形状超工合金製の台金にロー付けして工具を作製した。得られた工具を用いて、以下の条件で、時効処理後のインコネル718(登録商標)の切削試験を行い、切削距離が600mの時の工具刃先のVb摩耗幅を調べた。
切削速度:300m/min
切り込み深さ:0.2mm
送り速度:0.15mm/rev
湿式条件
<比較例7〜9>
比較例7〜9は、β型サイアロン粒子をそのまま用いて焼結体を作製した例である。初めに、実施例23と同様の方法で、β型サイアロン粒子10gと、表3に示す種類および重量(g)の焼結助剤との混合粉末を作製した。次に、得られた混合粉末を実施例23と同様の方法で焼結した。得られた焼結体について、実施例23と同様の切削試験を行った。
結果を表3に示す。
Figure 2011121821
<評価結果>
実施例23〜33は、立方晶型サイアロン粒子を原料とした焼結体である。実施例23〜33のVb摩耗幅は、β型サイアロン粒子を原料とした比較例7〜9に比べて、優位な差で低減した。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (8)

  1. 立方晶の結晶構造を有する立方晶型サイアロンを含む焼結体。
  2. 前記立方晶型サイアロンに加えて、シリコン、マグネシウム、アルミニウム、および第3族元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、前記元素の窒化物、および前記元素の酸窒化物のいずれか1種以上を含む、請求項1に記載の焼結体。
  3. 前記立方晶型サイアロンは粒子として存在し、前記粒子の平均粒径が0.01μm以上5μm以下である、請求項1または2に記載の焼結体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼結体よりなる切削工具。
  5. β型の結晶構造を有するβ型サイアロン粒子を準備する工程と、
    前記β型サイアロン粒子を衝撃圧縮法で処理することにより、立方晶の結晶構造を有する立方晶型サイアロン粒子を得る工程と、
    前記立方晶型サイアロン粒子を焼結する工程とを備えた、焼結体の製造方法。
  6. 前記立方晶型サイアロン粒子を得る工程の後であって、前記立方晶型サイアロン粒子を焼結する工程の前に、シリコン、マグネシウム、アルミニウム、および第3族元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、前記元素の窒化物、および前記元素の酸窒化物のいずれか1種以上を含む焼結助剤を前記立方晶型サイアロン粒子に添加する工程をさらに備える、請求項5に記載の焼結体の製造方法。
  7. 前記焼結助剤を添加する工程において、前記立方晶型サイアロン粒子100質量部に対して、前記焼結助剤を0.5質量部以上5質量部以下の割合で添加する、請求項6に記載の焼結体の製造方法。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の製造方法により製造された焼結体。
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