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JP2011102069A - タイヤ - Google Patents

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JP2011102069A
JP2011102069A JP2009257195A JP2009257195A JP2011102069A JP 2011102069 A JP2011102069 A JP 2011102069A JP 2009257195 A JP2009257195 A JP 2009257195A JP 2009257195 A JP2009257195 A JP 2009257195A JP 2011102069 A JP2011102069 A JP 2011102069A
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JP2009257195A
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Keiichi Hasegawa
圭一 長谷川
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Bridgestone Corp
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Abstract

【課題】タイヤ赤道線に対して非対称構造である場合において、初期応答性と限界特性とを高いレベルで両立できるタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤ1は、ベルト層40とトレッド50とを備える。ベルト層40は、ベルト層40のトレッド幅方向TWにおける外側端を含むベルト端領域に位置するベルト端補強層60を有する。トレッド50は、タイヤ赤道線CLよりも車両装着時内側INに位置するブロック70と、タイヤ赤道線CLよりも車両装着時外側OUTに位置するブロック70とを有する。タイヤ周方向TCに沿った外側ブロックの長さは、タイヤ周方向TCに沿った内側ブロックの長さよりも長い。車両装着時内側INにおけるベルト層40の剛性は、車両装着時外側OUTにおけるベルト層40の剛性よりも高い。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤの骨格となるカーカス層のタイヤ径方向外側に配設されたベルト層と、複数の溝によって形成される陸部を複数有するトレッドとを備えるタイヤに関する。
従来、自動車などの車両に装着される空気入りタイヤ(以下、タイヤと適宜省略する)では、操縦安定性を向上させるため、タイヤ赤道線に対して非対称構造が広く用いられている。
例えば、車両装着時内側におけるベルト層の端部のみを包み込むように、ベルト層のタイヤ径方向内側からタイヤ径方向外側に折り返されるベルト端補強層が設けられたタイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。このタイヤによれば、車両装着時外側の剛性が低くなるため、車両装着時外側において接地面積を確保でき、操縦安定性が向上する。
特開2007−246052号公報(第2頁−第3頁、第1図)
上述した従来のタイヤでは、車両装着時外側の剛性が低いため、車両装着時外側において接地面積を確保でき、初期応答性の向上を期待できる。しかし、車両装着時外側の剛性が低いことに伴い、コーナリング時における使用限界条件での特性、いわゆる、グリップ力や唐突な挙動変化に対する追従性などの限界特性が低下してしまうという問題があった。この初期応答性と限界特性とは、二律背反の関係にあり、高いレベルで両立することが難しかった。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、タイヤ赤道線に対して非対称構造である場合において、特に、初期応答性と限界特性とを高いレベルで両立できるタイヤの提供を目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、タイヤ(空気入りタイヤ1)の骨格となるカーカス層(カーカス層20)のタイヤ径方向(タイヤ径方向TR)外側に配設されたベルト層(ベルト層40)と、複数の溝(例えば、周方向溝51A及び幅方向溝51B)によって形成される陸部(陸部70)を複数有するトレッド(トレッド50)とを備え、前記ベルト層は、前記ベルト層のトレッド幅方向(トレッド幅方向TW)における外側端(外側端41)を含むベルト端領域(ベルト端領域40T)に位置するベルト端補強層(ベルト端補強層60)を有し、前記トレッドは、前記陸部のうち、タイヤ赤道線(タイヤ赤道線CL)よりも車両装着時内側(車両装着時内側IN)に位置する内側ブロック(ブロック71A及びブロック72A)と、前記陸部のうち、前記タイヤ赤道線よりも車両装着時外側(車両装着時外側OUT)に位置する外側ブロック(ブロック74A)とを有するタイヤであって、タイヤ周方向に沿った前記外側ブロックの長さ(長さL74)は、タイヤ周方向(タイヤ周方向TC)に沿った前記内側ブロックの長さ(長さL71や長さL72)よりも長く、車両装着時内側における前記ベルト層の剛性は、車両装着時外側における前記ベルト層の剛性よりも高いことを要旨とする。
かかる特徴によれば、車両装着時内側におけるベルト層の剛性は、車両装着時外側におけるベルト層の剛性よりも高い。これによれば、通常走行時において、車両装着時外側におけるトレッドと路面との接地面積が増大するため、初期応答性を向上できる。
また、タイヤ周方向に沿った外側ブロックの長さは、タイヤ周方向に沿った内側ブロックの長さよりも長い。これによれば、車両装着時外側におけるタイヤの剛性が低くなる分、外側ブロックにより車両装着時外側の剛性を確保できる。このため、コーナリング時における使用限界条件での特性、いわゆる、グリップ力や唐突な挙動変化に対する追従性などの限界特性の低下を確実に抑制できる。
このように、タイヤ赤道線に対して非対称構造である場合において、初期応答性と限界特性とを高いレベルで両立できる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、タイヤ周方向に配列される前記外側ブロックの個数は、タイヤ周方向に配列される前記内側ブロックの個数の2/3以下であることを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第1または2の特徴に係り、タイヤ周方向に配列される前記外側ブロックの個数は、タイヤ周方向に配列される前記内側ブロックの個数の1/3以上であることを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、本発明の第1乃至3の特徴に係り、トレッド幅方向に沿った前記外側ブロックの幅(幅W74)は、トレッド幅方向に沿った内側ブロックの幅(幅W71や幅W72)よりも大きいことを要旨とする。
本発明の第5の特徴は、本発明の第1乃至4の特徴に係り、前記ベルト端領域は、20mm以上であることを要旨とする。
本発明の第6の特徴は、本発明の第1乃至5の特徴に係り、前記ベルト端補強層は、前記複数の溝によって形成されるブロックのうち最もトレッド幅方向外側に位置するショルダーブロックのタイヤ径方向内側に位置することを要旨とする。
本発明の第7の特徴は、本発明の第1乃至6の特徴に係り、前記ベルト端補強層は、車両装着時内側にのみ配設されることを要旨とする。
本発明の特徴によれば、タイヤ赤道線に対して非対称構造である場合において、操縦安定性を確保しつつ、特に、初期応答性と限界特性とを高いレベルで両立できるタイヤを提供することができる。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の一部を示す斜視図である。 図2は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の一部を示すトレッド幅方向断面図である。 図3は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッドパターンを示す一部展開図である。 図4は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1と路面との接地面積を示す図である。
次に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)空気入りタイヤの構成、(2)ベルト端補強層の構成、(3)陸部の構成、(4)比較評価、(5)作用・効果、(6)その他の実施形態について説明する。
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
(1)空気入りタイヤの構成
まず、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の一部を示す斜視図である。なお、空気入りタイヤ1には、空気ではなく、窒素ガスなどの不活性ガスが充填されてもよい。
ここで、本実施形態では、空気入りタイヤ1は、車両装着時において、空気入りタイヤ1の上方が下方(路面側)よりも車両装着時内側INに傾くネガティブキャンバーに設定された車両に装着される。また、空気入りタイヤ1は、車両の後輪に装着される。
図1に示すように、空気入りタイヤ1は、ビード部10と、カーカス層20と、インナーライナー30と、ベルト層40と、トレッド50とを備える。
ビード部10は、リム(不図示)に固定される際に当該リムと接する。ビード部10は、ビードコア11と、ビードフィラー13とを少なくとも有する。ビードコア11は、ビード部10の芯となる。ビードフィラー13は、ビードコア11を折り返したカーカス層20間に設けられ、ビード部10の変形を抑制する。
カーカス層20は、空気入りタイヤ1の骨格を形成する。カーカス層20は、ビードコア11を折り返し、一方のビードコア11からトレッド50のタイヤ径方向TR内側を経由して、他方のビードコア11にかけて設けられる。カーカス層20は、カーカスコード及びゴムによって構成される。
インナーライナー30は、チューブの役割となる気密性の高いゴム層によって形成される。インナーライナー30は、カーカス層20の内側に設けられる。
ベルト層40は、空気入りタイヤ1の形状を保持するとともに、トレッド50を補強する。ベルト層40は、カーカス層20のタイヤ径方向TR外側に設けられる。ベルト層40は、複数(実施形態では、2層)設けられ、それぞれのベルト層40は、タイヤ周方向TCに沿った帯状をなしている。
ここで、車両装着時内側INにおけるベルト層40の剛性は、車両装着時外側OUTにおけるベルト層40の剛性よりも高い。具体的には、ベルト層40は、ベルト層40のタイヤ径方向TR外側に設けられる2層のベルト端補強層60を有する。なお、ベルト端補強層60の詳細については、後述する。
トレッド50は、路面と接する。トレッド50は、ベルト層40のタイヤ径方向TR外側に設けられる。トレッド50には、トレッドパターンが形成される。具体的には、トレッド50は、複数の溝51(例えば、周方向溝51Aや幅方向溝51B)によって形成される陸部70を複数有する。なお、陸部70の詳細については、後述する。
(2)ベルト端補強層の構成
次に、上述したベルト端補強層60の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の一部を示すトレッド幅方向断面図である。
図2に示すように、ベルト端補強層60は、車両装着時内側INにのみ配設されている。ベルト端補強層60は、ベルト層40のトレッド幅方向TWにおける外側端41を含むベルト端領域40Tに位置している。なお、トレッド幅方向TWに対するベルト端補強層60の幅W60は、20mm以上であることが好ましい。
また、ベルト端補強層60は、複数の陸部70のうち最もトレッド幅方向TW外側に位置するショルダーブロック(後述するブロック71A)のタイヤ径方向TR内側に位置している。つまり、ベルト端補強層60の幅W60は、20mm以上であり、かつ、ベルト端補強層60は、ショルダーブロック(後述するブロック71A)内に収まる大きさである。
(3)陸部の構成
次に、上述したトレッド50に形成される陸部70の構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッドパターンを示す一部展開図である。
図3に示すように、陸部70には、図3の左から右にかけて、第1陸部列71、第2陸部列72、第3陸部列73、第4陸部列74が含まれる。
第1陸部列71は、最も車両装着時内側INに位置する。第1陸部列71は、タイヤ周方向TCに隣接する複数のブロック71Aと、周方向細溝52により当該ブロック71Aのトレッド幅方向TW外側にリブ状陸部71Bとによって構成される。なお、ブロック71Aは、タイヤ赤道線CLよりも車両装着時内側INに位置する内側ブロックを構成する。
第2陸部列72は、タイヤ赤道線CLよりも車両装着時内側で、かつ第1陸部列71と第3陸部列73との間に位置する。第2陸部列72は、複数のブロック72Aがタイヤ周方向TCに隣接することによって構成される。なお、ブロック72Aは、タイヤ赤道線CLよりも車両装着時内側INに位置する内側ブロックを構成する。
第3陸部列73は、タイヤ赤道線CL上に位置するとともに、第2陸部列72と第4陸部列74との間に位置する。第3陸部列73は、タイヤ周方向TCに連続するリブ状に形成される。
第4陸部列74は、最も車両装着時外側OUTに位置する。第4陸部列74は、複数のブロック74Aがタイヤ周方向TCに隣接することによって構成される。なお、ブロック74Aは、タイヤ赤道線CLよりも車両装着時外側OUTに位置する外側ブロックを構成する。
ここで、タイヤ周方向TCに沿ったブロック74Aの長さL74は、タイヤ周方向TCに沿ったブロック71Aの長さL71、及び、タイヤ周方向TCに沿ったブロック72Aの長さL72よりも長い。本実施形態では、ブロック71Aの長さL71は、ブロック72Aの長さL72とほぼ同一である。
また、タイヤ周方向TCに配列されるブロック74Aの個数は、タイヤ周方向TCに配列されるブロック71Aの個数及びブロック72Aの個数の2/3以下である。さらに、ブロック74Aの個数は、ブロック71Aの個数及びブロック72Aの個数の1/3以上である。
トレッド幅方向TWに沿ったブロック74Aの幅W74は、トレッド幅方向TWに沿ったブロック71Aの幅W71及びブロック72Aの幅W72よりも大きい。本実施形態では、ブロック71Aの幅W71は、ブロック72Aの幅W72よりも大きい。また、ブロック72Aの幅W72は、トレッド幅方向TWに沿った第3陸部列73の幅W73とほぼ同一である。
タイヤ径方向TRに沿ったブロック74Aの厚さD74は、タイヤ径方向TRに沿ったブロック71Aの厚さD71及びブロック72Aの厚さD72よりも厚い(図2参照)。特に、ブロック74Aの厚さD74は、ベルト端補強層60の厚み分、ブロック71Aの厚さD71及びブロック72Aの厚さD72よりも厚いことが好ましい。
タイヤ赤道線CLに対して車両装着時内側INのネガティブ率と、タイヤ赤道線CLに対して車両装着時外側OUTのネガティブ率との差は、10%以下であることが好ましい。なお、ネガティブ率とは、空気入りタイヤ1の全接地面積(溝51面積を含む)で溝51面積を割った値に100を乗じた値を示す。
(4)比較評価
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の比較例及び実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。具体的には、(4.1)各空気入りタイヤの構成、(4.2)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(4.1)各空気入りタイヤの構成
まず、比較例1〜3及び実施例1〜4に係る空気入りタイヤについて、簡単に説明する。なお、各空気入りタイヤに関するデータは、以下に示す条件において測定された。
・ タイヤサイズ : 225/50R17
・ リムサイズ : 17×17J
・ 内圧条件 : 230kPa
・ 荷重条件 : フロント→4.94kN/輪、リア→3.46kN/輪
Figure 2011102069
表1に示すように、比較例1に係る空気入りタイヤでは、ベルト端補強層が車両装着時内側IN及び車両装着時外側OUTに設けられ、トレッドパターンがタイヤ赤道線CLに対して対称である。比較例2に係る空気入りタイヤでは、ベルト端補強層が車両装着時外側OUTにのみ設けられ、外側ブロックが内側ブロックよりも大きい。比較例3に係る空気入りタイヤでは、ベルト端補強層が車両装着時内側INにのみ設けられ、トレッドパターンがタイヤ赤道線CLに対して対称である。
実施例1〜4に係る空気入りタイヤは、上述した実施形態と同様であり、それぞれ陸部70の大きさやベルト端補強層60の幅W60が異なる。なお、各空気入りタイヤが装着される車両のアライメントについては、表2に示す通りである。
Figure 2011102069
(4.2)評価結果
上述した比較例1〜3及び実施例1〜4に係る空気入りタイヤを用いた評価結果(初期応答性、限界特性、制動距離)について、表1を参照しながら説明する。
(4.2.1)初期応答性
各空気入りタイヤを装着した車両でテストコースを走行し、比較例1に係る空気入りタイヤが装着された車両の初期応答性を基準値(6)として、その他の空気入りタイヤが装着された車両の初期応答性をプロドライバーによりフィーリング評価した。
ここで、初期応答性には、「遅れ」と、「ゲイン」と、「リニアリティ」とが含まれる。「遅れ」とは、ハンドル操舵時に車両がハンドル操作に反応するまでの遅れを示す。つまり、遅れが大きいと反応が鈍く、ハンドル操舵時から車両がハンドル操作に反応するまで時間が掛かる。
また、「ゲイン」とは、ハンドル操舵量に対応する車両の反応の大きさを示す。つまり、ゲインが小さいと操舵のわりに車両の反動が鈍く、ゲインが大きいと僅かな操舵でも車両が反応する。また、「リニアリティ」とは、ハンドル操舵量を増やした場合に、車両がハンドル操舵量に応じて反動するか否かを示す。つまり、リニアリティが悪いとハンドルを切っていくと、ある地点から急激に反動が大きくなる。
表3に示すように、実施例1〜4に係る空気入りタイヤが装着された車両は、比較例1,2に係る空気入りタイヤが装着された車両と比べ、初期応答性に優れていることが判明した。
(4.2.2)限界特性
各空気入りタイヤを装着した車両でテストコースを走行し、比較例1に係る空気入りタイヤが装着された車両の限界特性を基準値(6)として、その他の空気入りタイヤが装着された車両の限界特性をプロドライバーによりフィーリング評価した。
ここで、限界特性には、「グリップ感(グリップ力)」と、「挙動(追従性)」とが含まれる。「グリップ感」とは、コーナリングにおける限界走行時の接地感や、ハンドル保持力の抜け感を示す。また、「挙動」とは、予知性を含めた限界位置での車両のコントロールの良好度合いを示す。
表3に示すように、実施例1〜5に係る空気入りタイヤが装着された車両は、比較例1,2に係る空気入りタイヤが装着された車両と比べ、限界特性の値が同等以上であることが判明した。
(4.2.3)制動距離
各空気入りタイヤを装着した車両でテストコース(水深2mm)を走行し、フルブレーキを欠けてから停止するまでの制動距離(比較例1に係る空気入りタイヤが装着された車両の制動距離を‘100’として、その他の空気入りタイヤが装着された車両の制動距離の比較値)を測定した。なお、制動距離(比較値)が小さいほど、制動性能に優れている。
表3に示すように、実施例1〜5に係る空気入りタイヤが装着された車両は、比較例3に係る空気入りタイヤが装着された車両と比べ、ウエット路面での制動性能に優れていることが判明した。
(5)作用・効果
以上説明した実施形態では、車両装着時内側INにおけるベルト層40の剛性は、車両装着時外側OUTにおけるベルト層40の剛性よりも高い。これによれば、図4に示すように、通常走行時において、車両装着時外側OUTにおけるトレッド50と路面との接地面積が増大するため、上述した「遅れ」、「ゲイン」、「リニアリティ」を含む初期応答性を向上できる。なお、図4の二点鎖線については、上述した比較例1に係る空気入りタイヤの接地面積を示している。
また、ブロック74Aの長さL74は、ブロック71Aの長さL71及びブロック72Aの長さL72よりも長い。これによれば、車両装着時外側OUTにおける空気入りタイヤ1の剛性が低くなる分、ブロック74A(第4陸部列74)により車両装着時外側OUTの剛性を確保できる。このため、コーナリング時における使用限界条件での特性、いわゆる、グリップ力や唐突な挙動変化に対する追従性などの限界特性の低下を確実に抑制できる。
このように、タイヤ赤道線CLに対して非対称構造である場合において、初期応答性と限界特性とを高いレベルで両立できる。
実施形態では、ブロック74Aの個数は、ブロック71Aの個数及びブロック72Aの個数の2/3以下である。なお、ブロック74Aの個数がブロック71Aの個数及びブロック72Aの個数の2/3よりも多いと、ブロック74Aにより車両装着時外側OUTの剛性を確保しにくく、限界特性の低下を抑制しにくくなってしまう。
実施形態では、ブロック74Aの個数は、ブロック71Aの個数及びブロック72Aの個数の1/3以上である。なお、ブロック74Aの個数がブロック71Aの個数及びブロック72Aの個数の1/3よりも少ないと、第4陸部列74に形成される幅方向溝51Bの本数が少なくなり過ぎてしまう。このため、排水性が低下してしまい、ウエット路面での制動性能が低下する場合がある。
実施形態では、ブロック74Aの幅W74は、ブロック71Aの幅W71及びブロック72Aの幅W72よりも大きい。これによれば、ブロック74A(第4陸部列74)により車両装着時外側OUTの剛性をより確実に確保できるため、限界特性の低下をさらに抑制できる。
実施形態では、ベルト端補強層60の幅W60は、20mm以上であり、かつ、ベルト端補強層60は、ショルダーブロック(ブロック71A)内に収まる大きさである。なお、ベルト端補強層60の幅W60が20mmよりも小さいと、製造作業が難しく、空気入りタイヤ1の製造不良が生じる場合がある。また、車両装着時内側INの剛性と車両装着時外側OUTの剛性との差が小さく、車両装着時外側OUTの剛性低下の効果が得られない場合がある。一方、ベルト端補強層60がブロック71A内に収まらないと、ベルト端補強層60を分割してベルト層40に巻き付けられなく、生産性に悪影響を及ぼしてしまう場合がある。また、センターブロック(ブロック72Aなど)の剛性も向上してしまい、操縦安定性が低下してしまう場合がある。
実施形態では、ベルト端補強層60は、車両装着時内側INにのみ配設される。これによれば、車両装着時外側OUTの剛性を確実に低くでき、車両装着時外側OUTするため、操縦安定性、特に、初期応答性がさらに向上する。
実施形態では、空気入りタイヤ1は、ネガティブキャンバーに設定された車両の後輪に装着される。これによれば、初期応答性と限界特性との両立がより効果的となる。
実施形態では、ブロック74Aの厚さD74は、タイヤ径方向TRに沿ったブロック71Aの厚さD71及びブロック72Aの厚さD72よりも厚い。これによれば、ブロック74Aにより車両装着時外側OUTの剛性をより確実に確保できるため、限界特性の低下をさらに抑制できる。
実施形態では、タイヤ赤道線CLに対して車両装着時内側INのネガティブ率と、タイヤ赤道線CLに対して車両装着時外側OUTのネガティブ率との差は、10%以下であることが好ましい。これによれば、トレッド50と路面との接地面積が車両装着時内側INと車両装着時外側OUTとで差が大きくなり過ぎず、偏摩耗を抑制できる。
(6)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。具体的には、タイヤとして、空気や窒素ガスなどが充填される空気入りタイヤ1であるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、ソリッドタイヤ(ノーパンクタイヤ)でもあってもよい。
また、空気入りタイヤ1は、必ずしもネガティブキャンバーに設定された車両に装着される必要はない。また、空気入りタイヤ1は、必ずしも車両の後輪に装着される必要もない。
また、空気入りタイヤ1のトレッドパターンについては、実施形態で説明したものに限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定できることは勿論である。例えば、溝51(周方向溝51A及び幅方向溝51B)の本数や形状については、目的に応じて適宜設定できることは勿論である。つまり、陸部列の本数や形状についても、目的に応じて適宜設定できる。
また、ベルト端補強層60は、車両装着時内側INにのみ2層配設されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、車両装着時内側INにのみ1層や複数層配設されていてもよく、車両装着時内側INに2層、車両装着時外側OUTに1層配設されていてもよく、車両装着時内側INに位置するベルト端補強層60の厚さが、車両装着時外側OUTに位置するベルト端補強層60の厚さよりも厚くてもよい。
つまり、車両装着時内側INにおけるベルト層40の剛性は、車両装着時外側OUTにおけるベルト層40の剛性よりも大きければよい。なお、車両装着時内側INにおけるベルト層40の剛性は、必ずしもベルト端補強層60により大きくする必要はなく、例えば、ベルトコードの本数やゴム材の剛性などによって調整してもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
1…空気入りタイヤ、10…ビード部、11…ビードコア、13…ビードフィラー、20…カーカス層、30…インナーライナー、40…ベルト層、40T…ベルト端領域、41…外側端、50…トレッド、51…溝、51A…周方向溝、51B…幅方向溝、52…周方向細溝、60…ベルト端補強層、70…陸部、71…第1陸部列、71A…ブロック(内側ブロック)、71B…リブ状陸部、72…第2陸部列(内側ブロック)、72A…ブロック、73…第3陸部列、74…第4陸部列、74A…ブロック(外側ブロック)

Claims (7)

  1. タイヤの骨格となるカーカス層のタイヤ径方向外側に配設されたベルト層と、複数の溝によって形成される陸部を複数有するトレッドとを備え、
    前記ベルト層は、前記ベルト層のトレッド幅方向における外側端を含むベルト端領域に位置するベルト端補強層を有し、
    前記トレッドは、
    前記陸部のうち、タイヤ赤道線よりも車両装着時内側に位置する内側ブロックと、
    前記陸部のうち、前記タイヤ赤道線よりも車両装着時外側に位置する外側ブロックとを有するタイヤであって、
    タイヤ周方向に沿った前記外側ブロックの長さは、タイヤ周方向に沿った前記内側ブロックの長さよりも長く、
    車両装着時内側における前記ベルト層の剛性は、車両装着時外側における前記ベルト層の剛性よりも高いタイヤ。
  2. タイヤ周方向に配列される前記外側ブロックの個数は、タイヤ周方向に配列される前記内側ブロックの個数の2/3以下である請求項1に記載のタイヤ。
  3. タイヤ周方向に配列される前記外側ブロックの個数は、タイヤ周方向に配列される前記内側ブロックの個数の1/3以上である請求項1または2に記載のタイヤ。
  4. トレッド幅方向に沿った前記外側ブロックの幅は、トレッド幅方向に沿った内側ブロックの幅よりも大きい請求項1乃至3の何れか一項に記載のタイヤ。
  5. 前記ベルト端領域は、20mm以上である請求項1乃至4の何れか一項に記載のタイヤ。
  6. 前記ベルト端補強層は、前記複数の溝によって形成されるブロックのうち最もトレッド幅方向外側に位置するショルダーブロックのタイヤ径方向内側に位置する請求項1乃至5の何れか一項に記載のタイヤ。
  7. 前記ベルト端補強層は、車両装着時内側にのみ配設される請求項1乃至6の何れか一項に記載のタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014189038A (ja) * 2013-03-26 2014-10-06 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2021079938A (ja) * 2019-11-18 2021-05-27 住友ゴム工業株式会社 タイヤ
WO2022270097A1 (ja) * 2021-06-21 2022-12-29 株式会社ブリヂストン タイヤ

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