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JP2011099772A - 自然循環沸騰水型原子炉およびその起動方法 - Google Patents

自然循環沸騰水型原子炉およびその起動方法 Download PDF

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美幸 秋葉
Shinichi Morooka
慎一 師岡
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Abstract

【課題】自然循環沸騰水型原子炉を安定に起動させる。
【解決手段】自然循環沸騰水型原子炉に、炉心2を収める原子炉圧力容器1と、原子炉圧力容器1の内部に炉心2を囲んで鉛直方向に延びる円筒状のチムニー3と、原子炉圧力容器1内の気液界面33から所定の深さDでの冷却水6温度を求める温度計31と、原子炉圧力容器1内の蒸気ドーム部5の圧力を求める圧力計32と、蒸気ドーム部5の圧力に対応する飽和温度を求めて所定の深さDでの冷却水6温度が蒸気ドーム部5の圧力に対応する飽和温度以上である場合には炉心2の熱出力を低下させる制御装置35とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、自然循環沸騰水型原子炉およびその起動方法に関する。
オランダのドッドワード炉は、既に閉鎖されているが、自然循環沸騰水型原子炉であった。また、大型の自然循環沸騰水型原子炉が開発されている。自然循環沸騰水型原子炉の起動方法は、一般的に、再循環ポンプを有する沸騰水型原子炉とは異なっている。
たとえばドッドワード炉の起動方法は、次のとおりである。まず、起動に先立ち、停止時冷却系(Reactor Shutdown Cooling System)により原子炉冷却水温度を調整し、また、原子炉水位を維持する。原子炉冷却水温度が約95℃に達すると制御棒が引き抜かれ、原子炉は臨界となる。原子炉冷却水の温度は、核加熱により、毎時45−55℃の昇温率で上昇する。この際、タービンとバイパス弁は閉鎖し、主蒸気ラインの小さなベントラインを使用して、原子炉の圧力調整が行われる。原子炉圧力が4気圧に達するとバイパス弁を開放し、原子炉圧力の調整を行う。原子炉圧力が増加してくると原子炉浄化系(Reactor Water Cleanup System)を立ち上げ、原子炉水位が調整される。
最近、自然循環沸騰水型原子炉を模擬した試験で、低圧・低温の起動時における不安定流動現象が観測されている。このような試験によって、低圧時に2つの不安定な流動挙動が発生する可能性があることがわかっている。
一方の不安定流動現象は、Condensation-induced oscillationと呼ばれるものである。この現象は、炉心出口で発生したボイドがサブクール状態のチムニー部で凝縮する結果、冷水が充満することによって炉心流量が振動するガイセリング流量振動である。
炉心でボイドが発生/消滅を繰り返すガイセリング流量振動現象は、ドッドワード炉では22回の起動の際に一度も経験していない。しかし、もしこのようなガイセリング流量振動が発生すると、炉心でボイドが発生・消滅を繰り返すことから、核熱フィードバックを介して大きな流量振動に至る可能性がある。
ガイセリング流量振動現象は、水と蒸気の密度比が大きい低圧の起動時に発生する可能性があるといわれている。しかし、圧力を高くしたり、自然循環流量を多くすると発生が抑制される。たとえば、圧力を3気圧以上、流速を2cm/s以上であれば、ガイセリング振動現象は発生しないといわれている。
もう一方の不安定流動現象は、Flashing-induced oscillationと呼ばれるものである。この現象は、チムニー領域でのボイド発生がチムニー部の水力ヘッドを低下させて炉心流量が増加し、その後、チムニー部のボイドが消滅して炉心流量は再び減少するフラッシング流量振動である。この現象では、凝縮を伴わないだけ、振動は緩慢である。
ドッドワード炉でも起動時に、このようなフラッシング流量振動現象が発生した可能性がある。しかし、このフラッシング流量振動が発生する期間において炉心の流れは単相である。そのため、炉心でボイドの発生・消滅が生じないので、核熱フィードバックが生じない。したがって深刻な問題とはならいと考えられるが、流量振動そのものは可能な限り抑制して安定な起動方法を確立すべきである。
このような自然循環沸騰水型原子炉の起動方法として、冷温停止状態から起動する際に、原子炉内を脱気することにより、炉心入口サブクーリングを原子炉出力と炉心入口サブクーリングで決まる不安定発生条件以下に設定した後に出力上昇を開始する方法がある(たとえば特許文献1参照)。この方法は、強制循環型BWRでも採用している起動時の脱気運転を、自然循環沸騰水型原子炉に適用しただけである。自然循環沸騰水型原子炉の水頭ヘッドを考慮すると、起動時に炉心入口サブクール度は小さくならず、自然循環沸騰水型原子炉の起動時不安定流動現象を抑制する有効な起動方法ではない。
また、特許文献2には、自然循環沸騰水型原子炉に加圧タンクを設ける方法が記載されている。この方法では、給水管に加圧タンクを設置し、圧力容器内の加圧を圧力容器外部から行う。起動時には、まず原子炉圧力を高めて圧力容器内の冷却水を単相流状態から二相流状態に遷移させる。これにより、不安定流動現象の発生を防止している。しかし、この起動方法では加圧タンクを設ける必要があり実際的ではない。
特許文献3には、Condensation-induced oscillationを回避する方法が開示されている。この方法では、チムニー内を常に飽和状態にする。このため、自然循環炉の主たる不安定流動現象であるFlashing-induced oscillationを更に増加させることになる。したがって、自然循環沸騰水型原子炉の起動時不安定流動現象を抑制する有効な起動方法ではない。
特開平5−256991号公報 特開平5−72387号公報 特開平8−94793号公報
自然循環沸騰水型原子炉では、水頭ヘッドが大きいので飽和温度は原子炉圧力容器の上部ほど小さくなる。低温低圧からの起動時において、通常の昇温率の場合、チムニー上部でまず飽和状態になることから、フラッシング流量振動が発生する可能性がある。しがたって、自然循環沸騰水型原子炉において、ガイセリング流量振動は絶対に発生させないようにするためには、チムニー内の大部分の領域で流体温度が飽和温度以上にならないようにする必要がある。
このように自然循環沸騰水型原子炉においては、大気圧から通常の運転圧力に昇圧させる起動の過程において、とくに2〜3気圧の通過時点で、流量が大きく振動する可能性がある。このため、起動時の不安定性が、出力運転中の不安定な反応度制御以上に問題となる可能性がある。
そこで、本発明は、自然循環沸騰水型原子炉を安定に起動させることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、自然循環沸騰水型原子炉において、炉心を収める原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器の内部に前記炉心を囲んで鉛直方向に延びる筒状のチムニーと、前記原子炉圧力容器内の気液界面から所定の深さでの冷却材温度を求める冷却材温度導出手段と、前記原子炉圧力容器内の気相の圧力を求める気相圧力導出手段と、前記気相の圧力に対応する飽和温度を求める飽和温度導出手段と、前記所定の深さでの冷却材温度が前記気相の圧力に対応する飽和温度以上である場合には前記炉心の熱出力を低下させる炉心熱出力制御手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、炉心を収める原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器の内部に前記炉心を囲んで鉛直方向に延びる筒状のチムニーとを備えた自然循環沸騰水型原子炉の起動方法において、前記原子炉圧力容器内の気液界面から所定の深さでの冷却材温度を求める冷却材温度導出工程と、前記原子炉圧力容器内の気相の圧力を求める気相圧力導出工程と、前記気相の圧力に対応する飽和温度を求める飽和温度導出工程と、前記所定の深さでの冷却材温度が前記気相の圧力に対応する飽和温度以上である場合には前記炉心の熱出力を低下させる炉心熱出力制御工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、自然循環沸騰水型原子炉を安定に起動させることができる。
本発明に係る自然循環沸騰水型原子炉の第1の実施の形態を用いた発電プラントの制御システムのブロック図である。 本発明に係る自然循環沸騰水型原子炉の第1の実施の形態を用いた発電プラントのブロック図である。 本発明に係る自然循環沸騰水型原子炉の第1の実施の形態における起動時の原子炉圧力容器内の冷却水の温度分布を模式的に示すグラフである。 本発明に係る自然循環沸騰水型原子炉の第2の実施の形態を用いた発電プラントの制御システムのブロック図である。 本発明に係る自然循環沸騰水型原子炉の第3の実施の形態における炉心出口近傍での平断面図である。 本発明に係る自然循環沸騰水型原子炉の第4の実施の形態を用いた発電プラントの制御システムのブロック図である。
本発明に係る自然循環沸騰水型原子炉の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図2は、本発明に係る自然循環沸騰水型原子炉の第1の実施の形態を用いた発電プラントのブロック図である。
この発電プラントは、原子炉圧力容器1を備えている。原子炉圧力容器1は、鉛直方向に延びる円筒状の部分と、その上下端を覆う半球状の部分とを有している。原子炉圧力容器1の内部には、鉛直方向に延びるチムニー3が設けられている。チムニー3の内部には、炉心2が配置されている。炉心2は、角筒上のチャンネルボックスに収められた燃料集合体を、全体として円柱状になるように配列して形成されている。
チムニー3と原子炉圧力容器1の内面との間には、ダウンカマ4が形成されている。原子炉圧力容器1の内部のチムニー3の上端よりも上方は上部プレナムで、蒸気ドーム部5となっている。原子炉圧力容器1の内部のチムニー3の下端よりも下方は、下部プレナム7と呼ばれる。また、原子炉圧力容器1の内部には、冷却水6が貯えられる。
また、この自然循環沸騰水型原子炉には、下方から炉心2に挿入および引き抜き可能な制御棒24が設けられている。制御棒24を炉心に挿脱することによって、炉心2の熱出力が制御される。
冷却水6は、チムニー3の内部の水と蒸気の浮力による上昇力、および、ダウンカマ4における水頭圧を駆動力として、ダウンカマ4、下部プレナム7、炉心2およびチムニー3の内部を自然循環する。発電運転中において、炉心2で発生した蒸気は、主蒸気管8を通り主蒸気隔離弁9、タービン止め弁10、タービン蒸気加減弁11を流れて、タービン12に送られる。タービン12で仕事をした後の蒸気は、主復水器13で復水後、給水ポンプ14、給水止め弁15を接続した給水管16を流れ、再び冷却水6として原子炉圧力容器1に給水される。
主蒸気隔離弁9の入口側と主復水器13との間には、主蒸気ドレン弁17を有する主蒸気ドレン配管18が接続される。また、タービン止め弁10の入口側と主復水器13との間には、タービンバイパス弁19を有するタービンバイパス管20が接続される。
原子炉圧力容器1の底部には、冷却材浄化系の一部であるドレン配管21が設けられており、このドレン配管21で抽出された冷却水6は、電気ヒータなどで構成される熱交換器22に送られ、ここで加熱された冷却水6は、注水配管23および給水管16からダウンカマ4に戻される。
図1は、本実施の形態における発電プラントの制御システムのブロック図である。
この制御システムは、温度計31と圧力計32と制御装置35とを有している。温度計31は、原子炉圧力容器1内の冷却水6の水面、すなわち気液界面33から所定の深さDにおける冷却水6の温度を測定する。つまり、温度計31は、原子炉圧力容器1内の気液界面33から所定の深さDでの冷却水6温度を求める冷却材温度導出手段である。圧力計32は、原子炉圧力容器1の蒸気ドーム部5の圧力を測定する。つまり、圧力計32は、原子炉圧力容器内の気相の圧力を求める気相圧力導出手段である。温度計31が測定した温度および圧力計32が測定した圧力は、制御装置35に伝達される。
制御装置35は、これらの温度および圧力に基づいて、たとえば制御棒駆動機構30を制御して炉心2に制御棒24を挿抜することによって、炉心2の熱出力を制御する。
本実施の形態の制御装置35は、起動時に、制御棒24を炉心2から引き抜くことなどによって、炉心2を臨界にし、炉心2の熱出力を徐々に増加させる。この際、制御装置35は、圧力計32が測定した蒸気ドーム部5の圧力から、その圧力に対応する飽和温度を算出する。つまり、制御装置35は、原子炉圧力容器1の気相の圧力に対応する飽和温度を求める飽和温度導出手段として機能している。制御装置35は、温度計31が測定した冷却水6の温度が飽和温度以下となるように炉心2の熱出力を制御する。
すなわち、温度計31が測定した冷却水6の温度が飽和温度となったときには、制御棒24の炉心2からの引抜きを停止して炉心2の熱出力の上昇を抑制する。あるいは、ある程度の余裕を持つように、温度計31が測定した冷却水6の温度が飽和温度より低い所定の温度となったときに、制御棒24の炉心2からの引抜きを停止してもよい。さらに、必要に応じて制御棒24の炉心2への挿入量を増加させてもよい。つまり、制御装置35は、気液界面33から所定の深さDでの冷却水6温度が原子炉圧力容器1の気相の圧力に対応する飽和温度以上である場合には炉心2の熱出力を低下させる炉心熱出力制御手段としても機能している。
図3は、本実施の形態における起動時の原子炉圧力容器内の冷却水の温度分布を模式的に示すグラフである。
冷却水6の圧力は、気液界面から低くなるほど、水頭圧分だけ蒸気ドーム部5の圧力よりも高くなる。したがって、冷却水6中の飽和温度は、図3に点線で示すように気液界面33から低くなるほど高くなる。
一方、本実施の形態において、温度計31が測定した冷却水6の温度が飽和温度以下となるように、炉心2の熱出力が制御されている。このため、気液界面33から所定の深さDよりも下方では、図3に実線で示した冷却水6の温度は、飽和温度よりも低くなる。
したがって、本実施の形態では、気液界面33の近傍の所定の深さDの領域で沸騰が生じて、起動時に、蒸気ドーム部5の圧力を高めていくことができる。一方、気液界面33から所定の深さDよりも下方では、冷却水6は沸騰しない。そこで、温度計31が冷却水6の温度を測定する気液界面から所定の深さDを、気液界面から所定の深さDの領域で沸騰が生じても不安定な流動挙動を生じないような深さとしておく。これにより、自然循環沸騰水型原子炉の起動時における不安定な流動挙動の発生を抑制できる。その結果、自然循環沸騰水型原子炉を安定に起動させることができる。
[第2の実施の形態]
図4は、本発明に係る自然循環沸騰水型原子炉の第2の実施の形態を用いた発電プラントの制御システムのブロック図である。
本実施の形態の発電プラントは、第1の実施の形態に、冷却水6の温度を測定する温度計31を1つ以上追加したものである。この温度計31は、チムニー3内の、たとえば炉心2の出口近傍に設けられる。この温度計31が測定した温度は、制御装置35に伝達される。
気液界面33からの深さが異なる位置に設けられた複数の温度計31によって、複数の位置における冷却水6の温度が測定される。制御装置35は、これらの温度に基づいて、チムニー3内のそれぞれの高さ方向位置での水密度をより正確に求めることができる。
チムニー3内のそれぞれの高さ方向位置での圧力は、蒸気ドーム部5の圧力に、水頭圧を加えたものである。水頭圧は、水密度に重力加速度を乗じたものを気液界面33からの距離で積分して求めることができる。よって、チムニー3内のそれぞれの高さ方向位置での水密度をより正確に求めることができると、チムニー3内の飽和温度をより正確に求めることができる。
制御装置35は、チムニー3内のいずれかの位置における冷却水の温度が、その位置における飽和温度以下となるように、炉心2の熱出力を制御する。その結果、チムニー3内での冷却水の沸騰の可能性が抑制される。よって、自然循環沸騰水型原子炉の起動時における不安定な流動挙動の発生を抑制でき、自然循環沸騰水型原子炉を安定に起動させることができる。
[第3の実施の形態]
図5は、本発明に係る自然循環沸騰水型原子炉の第3の実施の形態における炉心出口近傍での平断面図である。
本実施の形態では、炉心2の出口近傍、すなわち、炉心2の上面近傍に、複数の温度計31を設けている。これらの温度計31が測定した冷却水6の温度は、制御装置35(図4参照)に伝達される。
炉心2は、熱出力が異なる多数の燃料集合体が装荷されている。このため、炉心2の出口での冷却水6の温度分布は、一様ではない。本実施の形態では、制御装置35は、炉心2の出口近傍の複数の位置での冷却水6の温度を用いて、炉心2の出口での冷却水6の温度分布を推定する。
ここで得られた炉心2出口での冷却水6の温度分布から、冷却水6温度の最大値が得られる。そこで、この温度の最大値を用いて、第2の実施の形態と同様にチムニー3内の冷却水6の温度分布を求め、チムニー3内のいずれかの位置における冷却水の温度が、その位置における飽和温度以下となるように、炉心2の熱出力を制御する。また、炉心2を構成する燃料集合体のうち、熱出力が最も高くなる燃料集合体が予めわかっているなど、冷却水6の温度が高くなる位置が分かっている場合には、その位置に温度計31を設けて、そこで測定された温度を用いて温度分布を求めてもよい。
これにより、炉心2内に局所的に熱出力が高い領域があっても、その上方で冷却水6が沸騰する可能性を低減することができる。よって、自然循環沸騰水型原子炉の起動時における不安定な流動挙動の発生を抑制でき、自然循環沸騰水型原子炉を安定に起動させることができる。
[第4の実施の形態]
図6は、本発明に係る自然循環沸騰水型原子炉の第4の実施の形態を用いた発電プラントの制御システムのブロック図である。
本実施の形態の発電プラントは、シミュレーション装置36を有している。このシミュレーション装置36は、入力パラメータに基づいた数値計算によって、チムニー3内の冷却水6の温度分布およびチムニー3内の飽和温度分布を推定する。ここで、入力パラメータとは、炉心2や原子炉圧力容器1などの形状や、炉心2を構成する燃料集合体の濃縮度分布などのデータである。推定されたチムニー3内の冷却水6の温度分布およびチムニー3内の飽和温度分布は、制御装置35に伝達される。制御装置35は、推定された温度分布および飽和温度分布に基づいて、少なくとも気液界面33から所定の深さDにおける冷却水6の温度を飽和温度以下となるように炉心2の熱出力を制御する。
このように、冷却水6の温度およびチムニー3内の飽和温度分布を計算で求めた場合であっても、その計算が十分な精度であれば、気液界面33から所定の深さDにおける冷却水6の温度を飽和温度以下となるようにすることができる。したがって、自然循環沸騰水型原子炉の起動時における不安定な流動挙動の発生を抑制できる。その結果、自然循環沸騰水型原子炉を安定に起動させることができる。
ここで、チムニー3内の冷却水6の温度分布およびチムニー3内の飽和温度分布は、すべて計算で求めることとしたが、その一部を実測してもよいし、一部の実測データに基づいて他の値を補正するなどしてもよい。
[他の実施の形態]
上述の各実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
1…原子炉圧力容器、2…炉心、3…チムニー、4…ダウンカマ、5…蒸気ドーム部、6…冷却水、7…下部プレナム、8…主蒸気管、9…主蒸気隔離弁、10…タービン止め弁、11…タービン蒸気加減弁、12…タービン、13…主復水器、14…給水ポンプ、15…給水止め弁、16…給水管、17…主蒸気ドレン弁、18…主蒸気ドレン配管、19…タービンバイパス弁、20…タービンバイパス管、21…ドレン配管、22…熱交換器、23…注水配管、24…制御棒、30…制御棒駆動機構、31…温度計、32…圧力計、33…気液界面、35…制御装置、36…シミュレーション装置

Claims (7)

  1. 炉心を収める原子炉圧力容器と、
    前記原子炉圧力容器の内部に前記炉心を囲んで鉛直方向に延びる筒状のチムニーと、
    前記原子炉圧力容器内の気液界面から所定の深さでの冷却材温度を求める冷却材温度導出手段と、
    前記原子炉圧力容器内の気相の圧力を求める気相圧力導出手段と、
    前記気相の圧力に対応する飽和温度を求める飽和温度導出手段と、
    前記所定の深さでの冷却材温度が前記気相の圧力に対応する飽和温度以上である場合には前記炉心の熱出力を低下させる炉心熱出力制御手段と、
    を有することを特徴とする自然循環沸騰水型原子炉。
  2. 前記冷却材温度導出手段は前記所定の深さに設けられた温度計であることを特徴とする請求項1に記載の自然循環沸騰水型原子炉。
  3. 前記気相圧力導出手段は前記原子炉圧力容器の気相部分に設けられた圧力計であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自然循環沸騰水型原子炉。
  4. 前記炉心熱出力制御手段は、前記チムニー内の冷却材の温度分布を求める冷却材温度分布導出手段と、前記チムニー内の冷却材の飽和温度分布を求める飽和温度分布導出手段と、を備え、前記気液界面からの深さがいずれかの位置で冷却材温度と飽和温度との差が所定の値以下となったときにも前記炉心の熱出力を低下させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の自然循環沸騰水型原子炉。
  5. 前記冷却材温度分布導出手段は前記炉心の出口近傍に設けられた温度計を備え、前記炉心熱出力制御手段は前記炉心の出口近傍に設けられた温度計が測定した温度に基づいて前記炉心の出口での前記冷却材の温度の最高値を推定してその最高値を用いて前記冷却材の温度分布を求めることを特徴とする請求項4に記載の自然循環沸騰水型原子炉。
  6. 前記冷却材温度導出手段および前記気相圧力導出手段の少なくとも一方は、計算によって温度または圧力を求めるものであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の自然循環沸騰水型原子炉。
  7. 炉心を収める原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器の内部に前記炉心を囲んで鉛直方向に延びる筒状のチムニーとを備えた自然循環沸騰水型原子炉の起動方法において、
    前記原子炉圧力容器内の気液界面から所定の深さでの冷却材温度を求める冷却材温度導出工程と、
    前記原子炉圧力容器内の気相の圧力を求める気相圧力導出工程と、
    前記気相の圧力に対応する飽和温度を求める飽和温度導出工程と、
    前記所定の深さでの冷却材温度が前記気相の圧力に対応する飽和温度以上である場合には前記炉心の熱出力を低下させる炉心熱出力制御工程と、
    を有することを特徴とする自然循環沸騰水型原子炉の起動方法。
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