JP2011086486A - マイクロ波加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】通常は加熱室内全体の均一加熱を実現しつつ、目的に応じて局所集中加熱をも実現するマイクロ波加熱装置を提供する。
【解決手段】本発明のマイクロ波加熱装置は、マイクロ波を放射するための回転アンテナ38,39と、前記回転アンテナを回転駆動する駆動手段40,41と、原点検出手段36と、前記加熱室内の温度分布を検出する温度分布検出手段10と、操作子を備えた入力手段63と、前記マイクロ波発生手段および前記駆動手段を制御する制御手段411を有し、前記制御手段は、前記入力手段63により、使用者が特に熱くしたい箇所を入力すると、指定した箇所に前記回転アンテナ40,41の放射指向性の強い部分を向け、加熱制御をおこなうが、前記温度分布検出手段10への入力温度が異常に高温であった場合に、食品への加熱を停止する構成としたものである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のマイクロ波加熱装置は、マイクロ波を放射するための回転アンテナ38,39と、前記回転アンテナを回転駆動する駆動手段40,41と、原点検出手段36と、前記加熱室内の温度分布を検出する温度分布検出手段10と、操作子を備えた入力手段63と、前記マイクロ波発生手段および前記駆動手段を制御する制御手段411を有し、前記制御手段は、前記入力手段63により、使用者が特に熱くしたい箇所を入力すると、指定した箇所に前記回転アンテナ40,41の放射指向性の強い部分を向け、加熱制御をおこなうが、前記温度分布検出手段10への入力温度が異常に高温であった場合に、食品への加熱を停止する構成としたものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、被加熱物を誘電加熱するマイクロ波加熱装置に関するものである。
代表的なマイクロ波加熱装置である電子レンジは、代表的な被加熱物である食品を直接的に加熱できるので、なべや釜を準備する必要がない簡便さでもって生活上の不可欠な機器になっている。これまで、電子レンジは、マイクロ波が伝搬する加熱室のうち食品を収納する空間の大きさが、幅方向寸法および奥行き方向寸法がおおよそ300〜400mm前後、高さ方向寸法がおおよそ200mm前後のものが、一般に普及している。
近年においては、食材を収納する空間の底面をフラットにし、さらに幅寸法を400mm以上として奥行き寸法よりも比較的大きくし、食器を複数個並べて加熱できるように利便性を高めた横幅が広い加熱室形状を持った製品が実用化されている。
ところで、電子レンジが使用するマイクロ波の波長は約120mmであり、加熱室内には強弱の電界分布(以下、電波分布と称す)が生じ、さらには被加熱物の形状やその物理特性の影響が相乗されて加熱むらが発生することが知られている。特に、上述した幅方向寸法が大きい加熱室にあっては、複数の食器に載置された食品を同時に加熱するために、加熱の均一性を従来以上に高める必要がある。
従来、この種のマイクロ波加熱装置は、一つの放射アンテナを備えそのアンテナを回転駆動させるものであったが、加熱室の中央部を局所的に加熱することが困難だった。そこで、加熱の均一性を高める方策として、複数の放射アンテナを備えるもの、あるいは複数の高周波攪拌手段を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、庫内が広くても常に大量の食品を加熱するとは限らず、例えばマグカップ一杯の牛乳をあたためる時は、庫内全体を均一に加熱せずとも、牛乳にのみ電波を集中させ加熱する方が効率的であると考えられる。
また、複数の食品を同時に加熱する場合でも、例えば、冷凍食品と室温の食品とを同時に加熱する場合のように、食品の温度に差があれば、低温の食品のみを集中的に加熱したい場合がある。さらに幕の内弁当のようなものであれば、一つの入れ物に加熱したくない食品(漬物、サラダ、デザートなど)が含まれており、加熱すべき食品(ごはん、おかずなど)のみを集中的に加熱したいという場合がある。
このような場合は、全体均一加熱ではなく局所集中加熱できる機能が必要となる。このために、複数の放射アンテナを切り替えるとともに、停止位置を制御するなどして集中加熱するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、局所集中加熱ができる機能がある場合、食品の位置が特定できれば、食品の置かれた位置へ向けて局所集中加熱を行えれば、短時間に所望の温度に食品を加熱したいという場合がある。
このような場合は、食品を予め定められた集中加熱される箇所に置くか、食品の位置を指定できる入力手段等があれば、あるいは食品が置かれた位置を機器が自動的に感知し、食品の位置へ向けて集中的に加熱できるものが提案されている(例えば、特許文献3,4参照)。
局所集中加熱する箇所に放射アンテナを向けて停止させることは、局所加熱するためには、非常に有効である。しかしながら、この局所に存在する被加熱物が少量であった場合、使用者が指定した加熱時間の間高周波加熱がなされると、異常過熱となり、食品から煙が発生したり、最悪の場合、発火したりする可能性がある。あるいは、食品が局所加熱するための所定位置に置かれなかった場合においても、同様の危険がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、通常は加熱室内全体の均一加熱を実現しつつ、目的に応じて局所集中加熱をも実現するマイクロ波加熱装置を提供することを目的とする。
本発明のマイクロ波加熱装置は、マイクロ波発生手段と、前記マイクロ波発生手段からマイクロ波を伝送する導波管と、前記マイクロ波で加熱する被加熱物を収納する加熱室と、前記導波管から前記加熱室に前記マイクロ波を放射するための回転アンテナと、前記回転アンテナを回転駆動する駆動手段と、前記各回転アンテナが所定の原点角度にあることを検出する原点検出手段と、前記加熱室内の温度分布を検出する温度分布検出手段と、操作子を備えた入力手段と、表示手段と、前記マイクロ波発生手段および前記駆動手段を制御する制御手段を有し、前記制御手段は、前記回転アンテナのうち少なくとも一つを、放射指向性の強い部位を、前記入力手段により、使用者が特に熱くしたい箇所を入力すると、指定した箇所に回転アンテナの放射指向性の強い部分を向け、加熱制御を行う構成としたものである。
この構成により、使用者の意思により指定した箇所への局部集中加熱が行われることにより、そのことで不適切な箇所を加熱することがなく、適切に加熱できるマイクロ波加熱装置を提供できる。
本発明によれば、通常は加熱室内全体の均一加熱を実現しつつ、目的に応じて局所集中加熱をも実現するマイクロ波加熱装置を提供することができる。
第1の発明は、マイクロ波発生手段と、前記マイクロ波発生手段からマイクロ波を伝送する導波管と、前記マイクロ波で加熱する被加熱物を収納する加熱室と、前記導波管から前記加熱室に前記マイクロ波を放射するための回転アンテナと、前記回転アンテナを回転駆動する駆動手段と、前記各回転アンテナが所定の原点角度にあることを検出する原点検出手段と、前記加熱室内の温度分布を検出する温度分布検出手段と、操作子を備えた入力手段と、表示手段と、前記マイクロ波発生手段および前記駆動手段を制御する制御手段を有し、前記制御手段は、前記回転アンテナのうち少なくとも一つを、放射指向性の強い部位を、前記入力手段により、使用者が特に熱くしたい箇所を入力すると、指定した箇所に回転アンテナの放射指向性の強い部分を向け、加熱制御を行う構成としたものである。
この構成により、使用者の意思により指定した箇所への局部集中加熱が行われることにより、そのことで不適切な箇所を加熱することがなく、適切に加熱できるマイクロ波加熱装置を提供できる。
また、第2の発明は、制御手段は、入力手段により使用者が指定した箇所に回転アンテナの放射指向性の強い部分を向ける際に、所定時間以上経過すれば、アンテナを再度回転させる制御を行う構成としたものである。
この構成により、マイクロ波が局部に集中加熱される時間が長時間にならないようにできるので、回転アンテナの一部にマイクロ波が集中することによる過剰加熱を防止するマイクロ波加熱装置を提供できる。
また、第3の発明は、制御手段は、温度分布検出手段が検出した各検出領域の温度のうち高温箇所があれば、加熱出力を停止させる構成としたものである。
この構成により、使用者が指定した加熱時間の間に、食品温度が過剰に温度上昇した場合に、異常高温になる前に加熱を停止することが可能となるため、食品への過加熱、あるいは発煙、発火が抑制できるマイクロ波加熱装置を提供できる。
あるいは、使用者が指定した局所加熱用の領域外に食品が置かれていても、食品の異常温度上昇が検出でき、高い温度の領域を感知できるので、異常高温になる前に加熱を停止することが可能となるため、この場合においても食品への過加熱、あるいは発煙、発火が抑制できるマイクロ波加熱装置を提供できる。
また、第4の発明は、温度分布検出手段は、入力手段により使用者が指定した箇所に回転アンテナの放射指向性の強い部分を向ける際に、入力手段により使用者が指定した箇所の温度測定サンプリング時間の頻度を高め、他の領域の温度測定サンプリング時間の頻度を下げる構成としたものである。この構成により、使用者が食品を置く位置として指定されている領域の温度測定の頻度を高めることで、使用者による加熱完了の目安を食品温度で指定できるようにした場合、より早く、精度良く最適温度にて加熱を停止できるようにできる。また使用者が食品を置く位置として指定されている領域以外の部分温度測定のサ
ンプリングも行うので、異常高温になる前に加熱を停止する能力も兼ね備えたマイクロ波加熱装置を提供できる。
ンプリングも行うので、異常高温になる前に加熱を停止する能力も兼ね備えたマイクロ波加熱装置を提供できる。
また、第5の発明は、表示手段は、加熱室内の温度分布を表示する構成としたものである。これにより加熱室内の食品の温度の上がり具合が、適時認知できるようになり、使い勝手を向上できるマイクロ波加熱装置を提供できる。
また、第6の発明は、表示手段により、加熱室内の温度分布を表示できることにより、使用者が熱くしたい箇所を、入力手段により切替ることにより、任意の箇所に適時切り替えることができる構成としたものである。これにより加熱室内の食品の温度の上がり具合を、表示手段で確認しながら、冷たい部分に回転アンテナの放射指向性の強い部分を向けることができ、加熱ムラなどを緩和することのできる、使い勝手のよいマイクロ波加熱装置を提供できる。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1から図3は、本発明に係る代表的なマイクロ波加熱装置である電子レンジの構成を示し、図1は正面から見た断面を示す構成図、図2は図1のA−A’断面図、図3は図1のB−B’断面図である。
図1から図3は、本発明に係る代表的なマイクロ波加熱装置である電子レンジの構成を示し、図1は正面から見た断面を示す構成図、図2は図1のA−A’断面図、図3は図1のB−B’断面図である。
図1に示すように、電子レンジ31は、代表的なマイクロ波発生手段であるマグネトロン32から放射されたマイクロ波を伝送する導波管33と、導波管33の上部に接続され幅方向寸法(約410mm)が奥行き方向寸法(約315mm)より大きい形状の加熱室34と、代表的な被加熱物である食品(図示せず)を載置するため加熱室34内に固定され、セラミックやガラスなどの低損失誘電材料からなるためにマイクロ波が容易に透過できる性質の載置台35と、加熱室34内の載置台35より下方に形成されるアンテナ空間37と、導波管33内のマイクロ波を加熱室34内に放射するため、導波管33からアンテナ空間37にわたり、加熱室34の幅方向に対して対称位置に取り付けられた二つの回転アンテナ38、39と、回転アンテナ38、39を回転駆動できる代表的な駆動手段としてのモータ40、41と、モータ40、41を制御して回転アンテナ38、39の向きを制御する制御手段411と、各回転アンテナ38、39の回転の原点を検出する原点検出機構を構成するフォトインタラプタ36と、加熱室34内の温度分布を検出する温度分布検出手段である赤外線センサ10とを有する。
また、電子レンジ31は、図2に示すようにドア64を備えている。そして、ドア64の下部に設定手段63が配置されている。設定手段63は、使用者が、食品や調理内容に応じて様々な調理メニューを選択できるものである。この選択結果に基づき、制御手段411はマグネトロン32やモータ40、41を制御することができる。
回転アンテナ38、39は、放射指向性を有する構成である。本実施の形態1の電子レンジ31は、回転アンテナ38、39のうちの少なくとも一方の放射指向性の強い部位を所定の向きに制御して特定の食品を集中加熱する構成としている。具体的にどのように制御しているかについては後述する。
また、回転アンテナ38、39は、導波管33と加熱室底面42との境界面に設けられた直径約30mmで略円形の結合孔43、44を貫通する直径約18mmで略円筒状の導電性材料から成る結合部45、46と、結合部45、46の上端にかしめや溶接などで電気的に接続されて一体化され、概ね垂直方向よりも水平方向に広い面積を有する導電性材
料から成る放射部47、48とを備える。
料から成る放射部47、48とを備える。
また、回転アンテナ38,39は、結合部43、44の中心が回転駆動の中心となるようにモータ40、41のシャフト49、50に嵌合された構成としている。放射部47、48は、回転の方向に対して形状が一定ではないために、放射指向性がある構成としている。
回転アンテナ38、39の回転の中心は、加熱室34内の中心から略等距離に配置する。この構成により、アンテナが一つの構成では通常は加熱しにくい加熱室34内の中央付近を、回転アンテナ38、39の放射指向性の強い部分を中央付近に向けることにより加熱可能とするものである。
導波管33は、図3のように上から見てT字型を成し、左右対称な形状であるため、マグネトロン32から結合部45、46までの距離が等しく、かつ結合部45、46は加熱室34の幅方向に対しても対称位置に取り付けられているので、マグネトロン32から放射されるマイクロ波は導波管33、回転アンテナ38、39を介して加熱室34内にほぼ均等に分配される。
放射部47、48は同一の形状で、放射部上面51、52が略四辺形にRを有する形状で、そのうち対向する2辺には加熱室底面42側に曲げられた放射部曲げ部53、54を有し、その2辺の外側へのマイクロ波の放射を制限する構成としてある。加熱室底面42と放射部上面51、52までの距離は約10mm程度とし、放射部曲げ部53、54は、それよりも約5mm程度低い位置に引き下げられている。
そして,残る2辺は結合部45、46から端部までの水平方向の長さが異なり、結合部の中心からの長さが75mm程度の端部55、56、結合部の中心からの長さが55mm程度の端部57、58を構成している。また端部の幅方向の寸法はいずれも80mm以上としている。この構成において回転アンテナ38、39は、結合部45、46から端部57、58の方向への放射指向性を強くすることができる。
この構成において、一般的な食品を均一に加熱する場合は、従来の電子レンジと同様、特に置き場所にこだわる必要はなく、回転アンテナ38、39も従来同様に一定回転させてよい。
一方、集中加熱する場合は、加熱室34内の中央付近を加熱する場合、制御手段411は、図4に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58を、加熱室34の幅方向の略中央かつ奥行き方向の略中央という所定の向きに向けるように制御する。回転アンテナ38、39の端部57、58が加熱室34の幅方向の略中央かつ奥行き方向の略中央を向くとき、端部57、58の方向への放射指向性が強いので、特に端部57、58の方向からマイクロ波が放射され、その方向に位置する食品を集中的に加熱することができる。
また、加熱室34内の左側付近を加熱する場合、制御手段411は、図5に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58を、左向き(加熱室34をドア64側から見て左側)に向けるように制御する。回転アンテナ38、39の端部57、58が、両方とも、加熱室34をドア64側から見て左側を向くとき、各アンテナは端部57、58の方向への放射指向性が強いので、特に端部57、58の方向からマイクロ波が放射され、その方向に位置する食品を集中的に加熱することができる。
同様に、加熱室34内の右側付近を加熱する場合、制御手段411は、図6に示すよう
に、回転アンテナ38、39の端部57、58を、右向き(加熱室34をドア64側から見て右側)に向けるように制御する。回転アンテナ38、39の端部57、58が両方とも、加熱室34をドア64側から見て右側を向くとき、各アンテナは端部57、58の方向への放射指向性が強いので、特に端部57、58の方向からマイクロ波が放射され、その方向に位置する食品を集中的に加熱することができる。
に、回転アンテナ38、39の端部57、58を、右向き(加熱室34をドア64側から見て右側)に向けるように制御する。回転アンテナ38、39の端部57、58が両方とも、加熱室34をドア64側から見て右側を向くとき、各アンテナは端部57、58の方向への放射指向性が強いので、特に端部57、58の方向からマイクロ波が放射され、その方向に位置する食品を集中的に加熱することができる。
また、加熱室34内の前方中央付近を加熱する場合、制御手段411は、図7に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58を、加熱室34の幅方向の略中央かつ奥行き方向の前方(加熱室34内の中央前方付近)に向けるように制御する。図7に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58が、加熱室34内の中央前方付近を向くとき、各アンテナは端部57、58の方向への放射指向性が強いので、特に端部57、58の方向からマイクロ波が放射され、その方向に位置する食品を集中的に加熱することができる。
また、加熱室34内の後方中央付近を加熱する場合、制御手段411は、図8に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58を、加熱室34の幅方向の略中央かつ奥行き方向の後方(加熱室34内の中央後方付近)に向けるように制御する。図8に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58が、加熱室34内の中央後方付近を向くとき、各アンテナは端部57、58の方向への放射指向性が強いので、特に端部57、58の方向からマイクロ波が放射され、その方向に位置する食品を集中的に加熱することができる。
なお、本実施の形態では、制御手段411は回転アンテナ38、39の両方の向きを制御するようにしているが、いずれかひとつであっても良いものである。
以上のように、本実施の形態1の電子レンジ31は、局所的に加熱したい場所に応じて回転アンテナの向きを制御するものであり、回転アンテナ38、39を所定の向きに向けるためには、モータ40、41としてステッピングモータを用いるとか、あるいは一定回転のモータであっても基準位置を検出して通電時間を制御するなどの手段が考えられる。
本実施の形態1の電子レンジ31では、モータ40、41としてステッピングモータを用いており、各モータのシャフト40、41にそれぞれ原点検出機構を設けている。図9は図1のD−D’断面図であり、この原点検出機構は、図9に示すように、シャフトを中心軸とする円板36aと、フォトインタラプタ36とにより構成される。円板36aには、矩形状のスリット36bが設けられている。
円板36aは、回転アンテナ38、39を回転させるモータのシャフト49、50の軸にそれぞれ共通に取り付けられていて、発光素子と受光素子とを備えたフォトインタラプタ36の光路を遮るように回転するものである。
この構成により、スリット36bがフォトインタラプタ36の光路を通過するときは、前記光路を遮るものが無いので、スリットの通過時点を検出することができる。従って、スリット36bの位置を回転アンテナ38、39の原点と設定しておくことで、各モータに取り付けられたフォトインタラプタ36により回転アンテナの原点を検出することができるものである。
また、制御手段411は、原点検出機構で検出できる原点を基準として、回転アンテナ38、39の指向性の強い部分を局所加熱箇所に集中させるときの回転アンテナ38、39の角度(停止位置)を予め記憶しているアンテナ角度記憶部を有している。回転アンテナ38、39の動作を制御して局所加熱を実行する際には、アンテナ角度記憶部の情報が
参照される。
参照される。
なお、ここまで、回転アンテナが二つの場合について説明してきたが、回転アンテナの数はこれに限られず、一個でも、二個以上の複数個でも良く、例えば、図10に示すように、三つの回転アンテナを有する構成としても良い。図10に示す状態では、各回転アンテナの端部が、加熱室内の中央付近を向いており、その中央付近に位置する食品を集中的に加熱することができる。
次に、図11を参照して、本実施の形態1の電子レンジ31が備える温度検出手段について説明する。この温度検出手段は、基板19上に一列に並んで設けられた複数の赤外線検出素子13と、基板19全体を収納するケース18と、ケース18を赤外線検出素子13が並んでいる方向と垂直に交わる方向に移動させるステッピングモータ11と、を備えるものである。
基板19上には、赤外線検出素子13を封入する金属製のカン15と、赤外線検出素子の動作を処理する電子回路20とが設けられている。また、カン15には赤外線が通過するレンズ14が設けられている。また、ケース18には、赤外線を通過させる赤外線通過孔16と、電子回路20からのリード線を通過させる孔17とが設けられている。
この構成により、ステッピングモータ11が回転運動することで、ケース18を、赤外線検出素子13が一列に並んでいる方向とは垂直方向に移動させることができる。
図12は、図1中のC−C’断面における赤外線温度検出スポットを説明する図である。図に示すように、本実施の形態1の電子レンジ31は、温度検出手段のステッピングモータ11が往復回転動作することにより、加熱室34内のほぼ全ての領域の温度分布を検出することができるものである。
具体的には、例えば、まず図12中のA1〜A4の領域の温度分布を、温度検出手段が有する一列に並んだ温度検出素子13(例えば、赤外線センサ)が同時に検出する。次に、ステッピングモータ11が回転動作しケース18が移動するとき、温度検出素子13がB1〜B4の領域の温度分布を検出する。さらに、ステッピングモータ11が回転動作してケース18が移動するとき、温度検出素子13がC1〜C4の領域の温度分布を検出し、同様に、D1〜D4の領域の温度分布が検出される。
また、上述の動作に続けて、ステッピングモータ11が逆回転することで、D1〜D4の領域側から、C1〜C4、B1〜B4、A1〜A4の順に、温度分布を検出する。温度分布検出手段は、以上の動作を繰り返すことで、加熱室34内の全体の温度分布を検出することができる。
また、電波制御モード411aは、使用者が指定した局所加熱すべき領域に応じて、温度検出手段の動作を制御するものであるが、定期的にステッピンモータ11を回転動作させると、局所加熱されている領域の温度計測が例えば数秒に一度の周期でなされることとなり、局所加熱されている領域の食品温度が急激に上昇するため、例えば加熱終了条件として食品の仕上がり温度を指定するようにした場合、その温度からかけ離れた温度で終了することとなる恐れがある。
この点を鑑みて、ステッピンモータ11の回転動作を、使用者が指定した局所加熱すべき領域の温度測定中は、回転動作を所定時間停止し、その領域の温度分布測定を他の領域より長く採取できるようにすることで、使用者が指定した領域に置かれるであろう、食品の仕上がり温度に限りなく近い温度で加熱を完了させることができるようになる。
次に、図13を参照して、制御手段411の概略構成を説明する。制御手段411は、電波制御モード411aと原点検出モード411bよりなる。そして電波制御モード411aは、回転アンテナ38、39の動作を制御するアンテナ制御部101と、加熱処理全体の終了を判定する加熱終了判定部102とを有する構成である。
加熱終了判定部102は、例えば、被加熱物の温度分布のうち最高温度が予め設定された実験的に求めた、異常高温となる温度を超えるときに加熱処理を終了すると判定する加熱処理終了判定条件108や、また、使用者が指定した加熱時間の計時が満了するときに加熱処理を終了する加熱処理終了判定条件109の構成等により、加熱処理の終了を判定するものである。
アンテナ制御部101は、加熱室内を均一加熱させるべく回転アンテナ38、39の動作を制御する分散加熱モード制御部105と、使用者が指定した局所加熱すべき領域を加熱すべく回転アンテナ38、39の動作を制御する局所加熱(スポット加熱)モード制御部106とを有する構成である。
分散加熱モード制御部105は、例えば、マイクロ波発振中に所定の位置で停止させることで局所的な加熱のできる二つの回転アンテナ38、39を、また、その停止位置を刻々と変化させることで分散加熱を実現したり、回転アンテナ38、39を連続的に回転させることで分散加熱を実現したり、さらにまた、回転アンテナ38、39の停止位置をランダムに変えることで分散加熱を実現する構成である。
局所加熱モード制御部106は、使用者が指定した局所加熱すべき領域に向け、局所加熱すべく回転アンテナ38、39の向きを制御する構成である。例えば、使用者が指定した局所加熱すべき領域が、図12中のB2、B3、C2、C3のいずれかであれば、回転アンテナ38、39が中央を加熱する向き、すなわち図4に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させる。
また、使用者が指定した局所加熱すべき領域が、図12中のB1、C1のいずれかであれば、回転アンテナ38,39が左方向を加熱する向き、すなわち図5に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させる。また、使用者が指定した局所加熱すべき領域が、図12中のB4、C4のいずれかであれば、回転アンテナ38,39が右方向を加熱する向き、すなわち図6に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させる。
また、使用者が指定した局所加熱すべき領域が、図12中のA2、A3のいずれかであれば、回転アンテナ38,39が前方を加熱する向き、すなわち図7に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させる。また、使用者が指定した局所加熱すべき領域が、図12中のD2、D3のいずれかであれば、回転アンテナ38,39が後方を加熱する向き、すなわち図8に示した向きに回転アンテナ38、39を停止させる。
使用者が指定した局所加熱すべき領域がA1であれば、回転アンテナ38、39が左前方向を加熱する向きに回転アンテナ38、39を停止させる。使用者が指定した局所加熱すべき領域がA4であれば、回転アンテナ38、39が右前方向を加熱する向きに回転アンテナ38、39を停止させる。使用者が指定した局所加熱すべき領域がD1であれば、回転アンテナ38、39が左後方向を加熱する向きに回転アンテナ38、39を停止させる。使用者が指定した局所加熱すべき領域がD4であれば、回転アンテナ38、39が右後方向を加熱する向きに回転アンテナ38、39を停止させる。
また、電波制御モード411aは、使用者が指定した局所加熱すべき領域に応じて、回
転アンテナ38、39の停止位置を制御するものであるが、このとき、回転アンテナが所定の位置に停止したまま加熱室内にマイクロ波を放射しつづけると、回転アンテナ自体が昇温し過ぎて融解する恐れがある。
転アンテナ38、39の停止位置を制御するものであるが、このとき、回転アンテナが所定の位置に停止したまま加熱室内にマイクロ波を放射しつづけると、回転アンテナ自体が昇温し過ぎて融解する恐れがある。
この点を鑑みて、電波制御モード411aの局所加熱モード制御部106は、上述の局所加熱モード時に、回転アンテナ38、39が停止することを許容する上限時間を予め記憶する停止上限時間記憶部と、回転アンテナが停止している時間をカウントする停止時間計時部と、を有しており、回転アンテナが停止している時間がアンテナ停止上限時間になると、強制的に局所加熱モードを解除し、一時的に分散加熱モードに移行する、とする。その後所定時間経過すると、再び局所加熱モードに移行することとする。
操作部63には、LCDやLED、蛍光表示管などの表示素子を配置する。それらを用いて、回転アンテナをどの加熱室内の領域を局所加熱するかの指定を、図示したような表示を示すものとする。例えば図12におけるA1〜A4、B1〜B4、C1〜C4、D1〜D4などで指定される領域を図示し、使用者が局所加熱したい領域を目立たす表示を行うなどとする。なお、表示する内容や形状は、上記の目的を達成できるものであれば、特定しないものとする。
また、操作部63内に配置したスイッチ、エンコーダなどの入力装置を用い、表示部に表示される加熱室内の領域のうちの少なくとも一つを選択して加熱を行うと、加熱室に配置された回転アンテナの放射指向性の強い部位を指定した領域に制御して特定の被加熱物を集中加熱することができる。このことより例えば、おにぎりなどの少量の食品を加熱室内に置き、その位置を指定して加熱すると、短時間に熱く仕上げることができる。また、例えば弁当の特に熱くしたい箇所を指定して加熱すると、その箇所を特に熱く仕上げることができる。また、熱くしたくない箇所を選択から外すと、その箇所の食品はさほど加熱されることはない。このような構成にすれば、様々な食材を同時に加熱する際に、食材に応じて加熱する・加熱しないを指定できる、使い勝手の良い加熱装置を提供することができる。
加えて、使用者による回転アンテナをどの加熱室内の領域を局所加熱するかの指定は、加熱前でも、加熱開始後でも、指定可能としてもよい。その際、加熱途中に加熱室34内の各領域の現在温度を表示素子に表示し続ける構成としてもよい。このことより例えば、加熱前に指定した局所加熱位置を誤って指定した場合に、加熱設定を始めからやり直さなくとも訂正が可能とできる。あるいは加熱途中に局所加熱中の領域、その他の領域の現在温度を表示素子にリアルタイムに表示されると、食品の温度の低い箇所が認知でき、使用者の意図で任意の箇所を指定しなおせば、局所加熱位置を変えることが可能となり、使い勝手が向上するものである。
一方、原点検出モード411bは、フォトインタラプタ36からの信号により原点を検出するモードであり、モータ40、41を回転させながらフォトインタラプタ36からの信号を受信して、受光の入力が確認できた角度を原点として記憶するものである。
原点検出は、電源投入から1回行えばよいようなものであるが、モータのすべりなどで少しずつ角度がずれていく場合があるので、制御手段411は、原点検出をアンテナ回転動作中は都度行い、原点の検出位置を適時補正するものとする。これにより、加熱処理ごとに原点を合わせ直すことができ、また加熱処理を開始する前に原点検出のための待機時間が発生するのを防ぐことできる。ただし、電源投入後の1回目の加熱処理のときはその前に原点検出されていないので、電源投入後にはまず原点検出を行うようにして、1回目の加熱前にも原点を検出した状態で非加熱時に待機するようにして、加熱処理を開始する前に原点検出のための待機時間が発生するのを防ぐことできる。
なお、原点が検出できない場合は、回転アンテナ38、39を駆動するモータ40、41が故障している場合もあり、その状態のまま回転アンテナ38、39を動作させることは危険であるので、回転アンテナ38、39の動作は停止させるものである。
次に、本実施の形態1の電子レンジ31の動作について説明する。まず、電源投入から加熱初期段階時の動作について、図14を参照して説明する。
まず、電源が投入される(S100)と、原点検出を行う。原点検出が終了すればモータを原点の状態にして待機する。このとき例えばモータを1回転以上回しても原点が検出できなければ原点検出でエラーが発生したものとして記憶しておく(S101)。次に使用者がボタンを押すなどで加熱開始の指示をしたかどうかを判定する(S102)。加熱開始の指示がなければ、加熱開始の指示があるまでS102の判定を繰り返す。加熱開始の指示があればS103に進む。S103においては、S101での判定で原点検出エラーが記憶されていた場合には(S103−Yes)、S104に進み、使用者にエラーを報知して、S101に戻る。
なお回転アンテナのうち、最低一つでも原点検出エラーでないものがあれば、加熱を許可できるようにしてもよい。
S103の判定で、エラーがなければ(S103−No)、次にS105において、S102の加熱開始の指示がなされるまえに、使用者がボタンを押すなどで局所加熱箇所の指定をしたかどうかを判定する(S105)。局所加熱箇所の指定がなければ(S105−No)、回転アンテナを分散加熱モードとして加熱を開始する(S106)。このとき、電波制御モード411aは、分散加熱を実現するために、例えば、回転アンテナ38、39を一定速度で回転させる(S306)。そしてマグネトロン32がマイクロ波を発生させ、そのマイクロ波が導波菅を介して加熱室34内に伝送するなどして、加熱を行う。
その後、後に図15を用いて説明する終了判定(S107)を経て、終了判定の結果がYesであれば(S107−Yes)、加熱を終了し、図14に示すS101に進み、原点検出モード411bにより原点検出処理を行い、原点検出状態で加熱開始指示を待機する。終了判定の結果がNoであれば(S107−No)、再びS106以降のステップを繰り返す。
また、S105の判定で、使用者からの設定操作で局所加熱モードの指定がなされていれば(S105−Yes)、回転アンテナを局所加熱モードとし、加熱を開始する(S108)。このとき、局所加熱中での動作時間すなわちアンテナ停止時間の初期化を行い(S109)、続いて図16で後に述べる局所加熱を実施する(S110)。そして局所加熱中での動作時間すなわちアンテナ停止時間を計時し(S111)、アンテナ停止時間がその上限時間に到達するまでは(S112−No)局所加熱を継続実施し、その後、後に図15を用いて説明する終了判定(S113)を経て、終了判定の結果がYesであれば(S113−Yes)、加熱を終了し、図14に示すS101に進み、原点検出モード411bにより原点検出処理を行い、原点検出状態で加熱開始指示を待機する。終了判定の結果がNoであれば(S113−No)、再びS110以降のステップを繰り返す。
S112の判定でアンテナ停止時間がその上限時間に到達した場合(S112−Yes)、局部加熱モードを一旦中断し、ステップS114に移行し、回転アンテナは分散加熱モードに移行する。このときの分散加熱モードは分散加熱モードの上限時間までの所定時間のみの動作とし、所定時間経過後は再び、局所加熱モードに移行するものである。そのためを実施する時間を計測するため、アンテナ回転時間を初期化する(S115)。続い
てアンテナ回転時間を計時し(S116)、アンテナ回転時間が上限時間に到達すれば(S117−Yes)、再び局所加熱モードでの加熱ステップ(S108)に戻るものである。
てアンテナ回転時間を計時し(S116)、アンテナ回転時間が上限時間に到達すれば(S117−Yes)、再び局所加熱モードでの加熱ステップ(S108)に戻るものである。
また、アンテナ回転時間が上限時間未満である場合は(S117−No)、続いて後に図15を用いて説明する終了判定(S118)を経て、終了判定の結果がYesであれば(S118−Yes)、加熱を終了し、図14に示すS101に進み、原点検出モード411bにより原点検出処理を行い、原点検出状態で加熱開始指示を待機する。終了判定の結果がNoであれば(S118−No)、再びS116以降のステップを繰り返す。
次に、図15を用いて、前記S107、S113、S118で行う終了判定について、説明する。まず温度分布検出手段は、加熱初期時点での加熱室34内の温度分布を検出し、電波制御モード411aは温度分布の検出結果を記憶する(S300)。そして、例えば、加熱室34内の温度分布のうち最高温度が予め設定された実験的に求めた、異常高温となる温度を超えるときに加熱処理を終了すると判定する加熱処理終了判定条件(S301)や、使用者が指定した加熱時間の計時が満了するときに加熱処理を終了すると判定する加熱処理終了判定条件を満たしているか否かを判定する。
次に、図16を参照して、局所加熱モードの動作について説明する。まず、使用者が加熱前に指定した局所加熱すべき領域に変化がある場合(S200)、アンテナ停止時間を初期化し(S201)、電波制御モード411aは、回転アンテナ38、39が加熱3室34内の指定の位置を向けて加熱する位置に停止するように動作制御を実行する(S202)。ただし、加熱開始時点では、S200における判定を、必ず指定箇所に変化あり(S200―Yes)となるよう、加熱開始以前あるいは直後に指定箇所の情報を初期化する必要があるものとする。
S202での分岐判定では、使用者が加熱前に指定した局所加熱すべき領域が図12中のA1の領域であった場合は、電波制御モード411aは、回転アンテナ38、39が加熱室34内の左前方向を加熱する向きに回転アンテナ38、39を停止させるように動作制御を実行する(S203)。
使用者が加熱前に指定した局所加熱すべき領域が図12中のA2、A3、のいずれかの領域であった場合は、電波制御モード411aは、回転アンテナ38、39が加熱室34内の前方向を加熱する向き、すなわち図7に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させるように動作制御を実行する(S204)。
使用者が加熱前に指定した局所加熱すべき領域が図12中のA4の領域であった場合は、電波制御モード411aは、回転アンテナ38、39が加熱室34内の右前方向を加熱する向きに回転アンテナ38、39を停止させるように動作制御を実行する(S205)。
使用者が加熱前に指定した局所加熱すべき領域が、図12中のB1、C1のいずれかの領域であれば、電波制御モード411aは、回転アンテナ38、39が加熱3室34内の左方向を加熱する向き、すなわち図5に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させるように動作制御を実行する(S206)。
使用者が加熱前に指定した局所加熱すべき領域が、図12中のB2、B3、C2、C3のいずれかの領域であれば、電波制御モード411aは、回転アンテナ38、39が加熱3室34内の中央を加熱する向き、すなわち図4に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させるように動作制御を実行する(S207)。
使用者が加熱前に指定した局所加熱すべき領域が、図12中のB4、C4、のいずれかの領域であった場合は、電波制御モード411aは、回転アンテナ38、39が加熱室34内の右方向を加熱する向き、すなわち図6に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させるように動作制御を実行する(S208)。
使用者が加熱前に指定した局所加熱すべき領域が、図12中のD1の領域であった場合は、電波制御モード411aは、回転アンテナ38、39が加熱室34内の左後方向を加熱する向きに回転アンテナ38、39を停止させるように動作制御を実行する(S209)。
使用者が加熱前に指定した局所加熱すべき領域が、図12中のD2、D3、のいずれかの領域であった場合は、電波制御モード411aは、回転アンテナ38、39が加熱室34内の後方向を加熱する向き、すなわち図8に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させるように動作制御を実行する(S210)。
使用者が加熱前に指定した局所加熱すべき領域が、図12中のD4の領域であった場合は、電波制御モード411aは、回転アンテナ38、39が加熱室34内の右後方向を加熱する向きに回転アンテナ38、39を停止させるように動作制御を実行する(S211)。
電波制御モード411aは、S203からS211のいずれかのステップを実行した後に、図14に示すS111に移るものとする。
以上のように、本実施の形態1の電子レンジ31は、一つもしくは二つ以上の回転アンテナにより加熱室34内の特定の箇所を集中的に加熱することができるものであり、加熱処理中に被加熱物である食品の温度分布を検出し、その食品の最低温度箇所にスポットを当てて局所的に加熱することができるので、食品をムラなく加熱処理することができる。
また、局所的加熱と分散加熱とを食品の温度分布に応じて切り換えることができ、すなわち必要な箇所にマイクロ波を集中させることができるので、効率よく短時間で食品を加熱することができる。
そして、回転アンテナの駆動の基準となる原点を検出する処理は、電源投入後と加熱終了後に実施しているので使用者が加熱指示をするときには、原点で待機していて、待ち時間なくすぐに加熱開始できる。
以上本発明の一実施の形態につき説明したが、発明の主旨を逸脱しない範囲でさらに種々の変更を加えて実施することが可能である。
以上のように、本発明は、加熱室に配置された回転アンテナの放射指向性の強い部位を所定の向きに制御して特定の被加熱物を集中加熱することができるので、食品などの各種誘電体の加熱、解凍、陶芸加熱、乾燥、焼結、或いは生体化学反応等の用途にも適用することができるものである。
10 温度センサ(温度検出手段)
31 電子レンジ(マイクロ波加熱装置)
32 マグネトロン(マイクロ波発生手段)
33 導波管
34 加熱室
35 載置台
36 原点検出手段
37 アンテナ空間
38、39、 回転アンテナ
40、41 モータ(駆動手段)
63 入力手段
411 制御手段
31 電子レンジ(マイクロ波加熱装置)
32 マグネトロン(マイクロ波発生手段)
33 導波管
34 加熱室
35 載置台
36 原点検出手段
37 アンテナ空間
38、39、 回転アンテナ
40、41 モータ(駆動手段)
63 入力手段
411 制御手段
Claims (6)
- マイクロ波発生手段と、前記マイクロ波発生手段からマイクロ波を伝送する導波管と、前記マイクロ波で加熱する被加熱物を収納する加熱室と、前記導波管から前記加熱室に前記マイクロ波を放射するための回転アンテナと、前記回転アンテナを回転駆動する駆動手段と、前記各回転アンテナが所定の原点角度にあることを検出する原点検出手段と、前記加熱室内の温度分布を検出する温度分布検出手段と、操作子を備えた入力手段と、表示手段と、前記マイクロ波発生手段および前記駆動手段を制御する制御手段を有し、
前記制御手段は、前記回転アンテナのうち少なくとも一つを、放射指向性の強い部位を、前記入力手段により、使用者が特に熱くしたい箇所を入力すると、指定した箇所に回転アンテナの放射指向性の強い部分を向け、加熱制御をおこなうことを特徴としたマイクロ波加熱装置。 - 制御手段は、入力手段により使用者が指定した箇所に回転アンテナの放射指向性の強い部分を向ける際に、所定時間以上経過すれば、アンテナを再度回転させる制御を行う請求項1記載のマイクロ波加熱装置。
- 制御手段は、温度分布検出手段が検出した各検出領域の温度のうち高温箇所があれば、加熱出力を停止させることを特徴する請求項1または2記載のマイクロ波加熱装置。
- 温度分布検出手段は、入力手段により使用者が指定した箇所に回転アンテナの放射指向性の強い部分を向ける際に、入力手段により使用者が指定した箇所の温度測定の頻度を高め、他の領域の温度測定の頻度を下げることを特徴とした請求項1〜3のいずれか1項記載のマイクロ波加熱装置。
- 表示手段は、加熱室内の温度分布を表示するようにした請求項1〜4のいずれか1項記載のマイクロ波加熱装置。
- 制御手段は、入力手段により加熱中においても使用者が指定した箇所に回転アンテナの放射指向性の強い部分を適時向けることのできる請求項5記載のマイクロ波加熱装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009238067A JP2011086486A (ja) | 2009-10-15 | 2009-10-15 | マイクロ波加熱装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017053533A (ja) * | 2015-09-09 | 2017-03-16 | 日立アプライアンス株式会社 | 加熱調理器 |
JPWO2017164290A1 (ja) * | 2016-03-25 | 2019-01-31 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | マイクロ波加熱装置 |
-
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- 2009-10-15 JP JP2009238067A patent/JP2011086486A/ja active Pending
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