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JP2011063500A - 熱線遮蔽積層膜 - Google Patents

熱線遮蔽積層膜 Download PDF

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Abstract

【課題】ZnO膜等の金属膜の成膜を行う際、ターゲットに生じるノジュールや屑の堆積等の問題を改善した熱線遮蔽積層膜を提供すること。
【解決手段】基体上に蒸着プロセスを経て形成される熱線遮蔽積層膜であり、該熱線遮蔽積層膜は、基体上に、少なくとも透明酸化物膜層、貴金属膜層、貴金属保護膜層、が順次積層されて成り、上記透明酸化物膜層はZnSn膜(x、y、zは正の有理数)を有し、該ZnSn膜は該膜に含まれるSnとZnとのSn/(Zn+Sn)で表される値が5〜20wt%であり、上記貴金属膜層はAg膜もしくはAgを主成分とする膜から成ることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は主に複層ガラスや合わせガラスに用いられる熱線遮蔽積層膜に関する。
熱線遮蔽積層膜(以下、Low‐E膜と記載することもある)は、熱線を反射する機能を有する積層膜であり、車両用や建築用等の窓ガラスに用いられることで、窓ガラスを通じて車内や室内に照射される太陽光の特定の波長部分を遮蔽し、車内や室内の温度上昇を抑制して、冷房機器の負荷を低減させる。上記のLow−E膜が形成されたガラスはLow−Eガラスと呼ばれており、通常使用されているフロートガラスの窓ガラスと比べ、紫外線透過率が低くなり、室内の家具の日焼け等の低減に効果がある。
一般的に、Low−E膜は、基体上に、誘電体膜、金属膜、誘電体膜を順次積層した構成の薄膜積層体が広く用いられている。優れた熱線遮蔽膜の金属膜として、Ag膜を使用したものよく知られており、例えば、基体上に、ZnO膜、Ag膜、と順次積層した薄膜積層体が広く用いられている。
基材上にLow−E膜を形成する方法として、生産性の観点からスパッタリング法が広く採用されており、ZnO膜等の金属酸化物膜の生産性を向上させるために、様々な検討がなされている。例えば、特許文献1では、ターゲットに間接的な電力を周期的に供給することで、ターゲット表面上でのノジュールの発生や異常放電を制御して生産性を向上させる方法が挙げられている。また、特許文献2では、成膜速度を向上させるために、相対密度が80%以上であるZnOターゲットを用い、かつ該ターゲットに3価以上の陽性元素を添加して得た薄膜が開示されている。また、本出願人においても、特許文献3によって、膜形成時の真空チャンバー内を混合ガス雰囲気として、成膜速度を向上させたZnO膜を開示している。
特開平8−53761号公報 特開2009−62618号公報 特表2004−323941号公報
ZnO膜等の金属膜の成膜を行う場合、ターゲット表面に黒色や茶褐色の微小突起物(以下ノジュールと記載することもある)が発生して安定放電が出来なくなる、あるいは、ターゲットの非エロージョン部やターゲット隣接部に粒子状や薄片状の屑が堆積される、という問題が生じることがあり、上記の問題が生じると、製品欠陥を引き起こし、結果的に生産性を低下させる原因となる。
また、ZnO膜に特定の異種金属を添加すると、急激に紫外線透過率が高くなることがあった。
そこで本発明は、上記の問題を改善し、なおかつ、紫外線透過率が低い熱線遮蔽積層膜を提供することを目的とする。
本出願人は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、透明酸化物膜として異種金属を添加したZnO膜を用いることで、前述したノジュールや堆積屑等の欠陥が改善されることを見出した。また、さらに検討を重ねた結果、ZnO膜にAlを添加すると、急激に紫外線透過率が高くなることが示され、添加する異種金属をSnとすることで上記課題を解決し、かつ、紫外線透過率を損なわず、金属層のAg層の耐湿性においても優れた熱線遮蔽積層膜を得られることが明らかとなった。
すなわち、本発明は、基体上に真空成膜プロセスを経て形成される熱線遮蔽積層膜であり、該熱線遮蔽積層膜は、基体上に、少なくとも透明酸化物膜層、貴金属膜層、貴金属保護膜層、が順次積層されて成り、上記透明酸化物膜層はZnSn膜(x、y、zは正の有理数)を有し、該ZnSn膜は該膜に含まれるSnとZnとのSn/(Zn+Sn)で表される値が5〜20wt%であり、上記貴金属膜層はAg膜もしくはAgを主成分とする膜から成ることを特徴とする熱線遮蔽積層膜である。
本発明において、上記のZnSn膜は、該膜に含まれるSnとZnとのSn/(Zn+Sn)で表される値が5〜20wt%であり、5wt%未満であると、ノジュールや堆積屑等の欠陥を改善することが出来ず、20wt%を超えると、紫外線透過率が高くなる。なお、より好ましくは10〜18wt%としても良い。
また、本発明の熱線遮蔽積層膜において、前記貴金属保護膜層は、Alが添加されたZn膜を有するものであり、耐湿性向上の観点から、該膜に含まれるAlとZnとのAl/(Zn+Al)で表される値が1〜10wt%であることを特徴とするものである。
また、本発明の熱線遮蔽積層膜において、基体から見て最も遠い貴金属保護膜層の基体と反対側に、SnO膜を有することを特徴とするものである。
また、本発明の熱線遮蔽積層膜を製造する際、ZnとSnとを含むZn−Sn合金ターゲットを用いてZnSn膜を形成する工程、を製造工程含むことを特徴とする。
前記Zn−Sn合金スパッタリングターゲットは、該ターゲットに含まれるSnとZnとのSn/(Zn+Sn)で表される値が5〜20wt%であり、好ましくは10〜18wt%としてもよい。上記の値が5wt%未満であると、ノジュールや堆積屑等の欠陥を改善することが出来ず、20wt%を超えると、形成された熱線遮蔽積層膜の紫外線透過率が高くなる。
本発明は、透明酸化物膜層としてZnSn膜を採用する事で、成膜時のノジュールや堆積屑等の欠陥の発生を改善せしめることが可能となった。また、本発明の熱線遮蔽積層膜は、高い可視光透過率と低い紫外線透過率を両立するものであり、Low−E膜等として使用する際、優れた遮熱性を発揮する。さらに、本発明の熱線遮蔽積層膜は、Ag層の耐湿性に優れた膜であることが明らかとなった。
スパッタリング装置の概略を示した平面図である。 熱線遮蔽積層膜の概略を示す断面図である。
基体としては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスなどの各種板ガラス(例えばフロート板ガラス)、ブロンズ、グレー、ブルー、グリーン等の着色ガラス(例えばフロート着色ガラス)、またはポリメチルメタアクリレート、ポリカーボネイトのような透明樹脂基板より選ばれ、また、曲げガラスや強化ガラスや強度アップガラス、あるいは下地膜層等膜付きガラス、または網入りガラス等市販の各種ガラスを採用でき、さらに場合によっては半透明状のガラスも採用しうる。
また、本発明は、図2に示すように、基体上に、少なくとも透明酸化物膜層、貴金属膜層、貴金属保護膜層、が順次積層されて成る熱線遮蔽積層膜である。また、基体上に、透明酸化物膜層、貴金属膜層、貴金属保護膜層、透明酸化物膜層、貴金属膜層、貴金属保護膜層、というように、貴金属膜層を2層以上積層してもよい。上記のように積層された熱線遮蔽積層膜の、透明酸化物膜層と貴金属膜層との間に貴金属保護膜層が介在してもよく、また、上記のように積層された熱線遮蔽積層膜の基体と反対側の最外層には透明酸化物膜層を積層することが好ましい。なお、「基体上」は、基体の上であればよく、基体と透明酸化物膜層との間に、本発明の熱線遮蔽積層膜の特性を損なわない程度であれば、他の膜が介在するものであっても差し支えない。
上記透明酸化物膜層は、ZnSn膜のみ、もしくは、ZnSn膜と他の金属膜とを2層以上積層して成る層である。上記金属膜は、例えば、ZnOx、SnOx、TiOx、ZnAl、ZnTi等の透明酸化物膜、SiNx等の窒化物膜、及びこれらを主成分とする膜が挙げられ、好ましくはZnOx膜、SnOx 膜、ZnAl膜、TiOx膜、SiNx膜としてもよい。
また、該透明酸化物膜層の膜厚は、約1200Å以下、好ましくは約150Å以上、1000Å以下としてもよい。さらに、本発明の熱線遮蔽積層膜において、基体から見て最も遠い貴金属保護膜層の基体と反対側に、SnO膜を有し、該SnO膜の膜厚は、10Å以上であることが好ましい。
上記貴金属膜層は、Ag膜、もしくはAgを主成分とする貴金属膜から成るものであり、該貴金属膜は、例えば、Agを主成分として、Au、Cu、Pt、Ir等の異種金属を含むものであってもよい。
また、該貴金属膜層の膜厚は、約200Å程度以下、好ましくは約50Å以上、150Å 以下としてもよい。
上記貴金属保護膜層は、Zn、Ti、Ni-Cr、Zn-Al、Ni-Cr-O、Ti、Zr、Cr、Al、SUS 、Taから選ばれる少なくとも1つを主成分とする膜であり、特に、Zn-Al膜を用いるのが好ましい。Zn−Al膜は、ZnとAlとを有する膜であり、膜内のZnとAlとのAl/(Zn+Al)で表される値が1〜10wt%とするものである。また、好ましくは4〜10wt%としてもよい。
また、該貴金属層保護膜層の膜厚は、10Å以上が好ましく、貴金属膜層を保護するバリア層としての機能と生産性とを考慮すると、好ましくは13Å以上100Å以下としてもよい。貴金属保護膜層の膜厚が厚くなると、可視光線透過率を下げることから、貴金属層保護膜層の膜厚は、より好ましくは15Å以上30Å以下としてもよい。
成膜装置としては、図1に示すようなマグネトロンスパッタ装置が好適に用いられる。ガラス3を基体ホルダー2に保持させた後、真空チャンバー8内を真空ポンプ5によって排気し、成膜中、真空ポンプ5は連続して稼働させ、真空チャンバー内の雰囲気ガスは、ガス導入管7より導入し、ガスの流量をマスフローコントローラー(図示せず)により制御して調整する。なお、基体ホルダー2はターゲット1に対して正面に設置されるものとする。成膜中の真空チャンバ−内の圧力は、真空チャンバーと真空ポンプの間に設置されたバルブ6の開度を制御することと、ガスの流量を変更することで調節する。裏側にマグネット4が配置されたターゲット1を用い、ターゲットへ電源コード9を通じで電源10より投入する。
ZnSn膜を形成する際は、ZnとSnとを有するZn-Sn合金ターゲットを用いる。この時真空チャンバー内に導入されるガスは、O、CO、CO、N等の反応性のガスであることが好ましく、また、上記のガスには放電を安定させるために、Ar、Xe、Ne、Krなどのガスを加えて混合ガスとしてもよい。
また、上記熱線遮蔽積層膜を構成する貴金属膜層が1層である時、該熱戦遮蔽積層膜の紫外線透過率が40%以下であることが好ましく、また、上記貴金属膜層が2層である時、該熱戦遮蔽積層膜の紫外線透過率が25%以下であることが好ましい。
本発明の熱線遮蔽積層膜、特に、基体にガラスを使用したものは、Low−E膜を成膜したLow−Eガラスとして、複層ガラスにおける使用が最も好ましく、建築用複層窓ガラスとして有用であるが、自動車用複層窓ガラスや自動車用合せガラスとしても使用することが可能であり、さらには船舶や航空機等の複層窓ガラスとしても使用できる。複層ガラスの外に合せガラス、曲げガラス等、場合によっては単板での使用も可能である。上記の低放射複層ガラスとは、主に2枚のガラスをスペーサーを介して合わせ、ガラス間には乾燥空気層を、乾燥空気層に接するガラス面にはLow−E膜を形成した窓ガラスである。該低放射複層ガラスは、窓ガラスを通して、夏季は室外から室内へと流入する日射熱、冬季は室内から室外へと流出する暖房熱を反射することで冷暖房費を抑え、省エネルギーに役立つ窓ガラスとして好適に用いられる。
一般的に、上記の複層ガラスや合わせガラス、単板ガラス等で熱線遮蔽積層膜を使用する際、単板ガラスに熱線遮蔽積層膜が成膜された後、保管、運搬、洗浄等の過程を経た後、各製品に組み込まれる。一方で、熱線遮蔽積層膜の金属膜として広く用いられているAg膜は、水分などに起因する欠陥の発生や膜の剥離等が生じやすく、耐湿性に劣る膜とされており、上記の過程を経る中で膜の欠陥や剥離が生じることがある。本発明の熱線反射積層膜は、透明酸化物膜層としてZnSnを用いており、耐湿性に優れた膜であることから、製造工程における欠陥の発生を抑制することが可能であり、Low−Eガラスとして好適に使用される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではない。
1.透明酸化物膜形成時の欠陥に関する評価
実施例1
真空チャンバー内に、Zn-Snターゲット(Sn/(Zn+Sn)=12wt%)を設置し、DCマグネトロンスパッタリング装置の真空チャンバー内を真空ポンプで約5×10-4Paまでに脱気した後、混合ガスの体積がAr:O=2:8となるようにガスを導入し、チャンバー内の圧力を0.3Paに調整した。上記装置内にクリアーなソーダライムガラス基板(厚さ:3mm)を設置し、該ガラス基板上に、ZnSn膜を成膜した。
比較例1〜7
真空チャンバー内に設置するターゲットを、Zn-Snターゲット(Sn/(Zn+Sn)=30wt%:比較例1、2wt%:比較例4)、Znターゲット(比較例2)、Snターゲット(比較例3)、Zn−Alターゲット(Al/(Zn+Al)=1wt%:比較例5、2wt%:比較例6、4wt%:比較例7)とした以外は、DCマグネトロンスパッタリング装置は実施例1と同様の条件で設定し、それぞれZnSn膜(比較例1、4)、ZnOx膜(比較例2)、SnOx膜(比較例3)、ZnAl膜(比較例5〜7)を成膜した。
[ノジュール、及び粒子屑の評価]
DC電源の出力電力を2.2kW/cmとし、約12時間通電させ、発生するノジュール、及び粒子屑を観測した。結果を表1に示し、ノジュール、又は粒子屑の発生が見られなかったものは○、見られたものを×とした。
実施例1及び比較例1〜7より、ZnターゲットはSnターゲットと比較するとノジュールや粒子屑が生じ易く、また、ZnターゲットにSn又はAlを添加していくに従って、ノジュール及び粒子屑の発生が抑えられることがわかった。
Figure 2011063500
2.熱線遮蔽積層膜の作成
実施例2
DCマグネトロンスパッタリング装置の真空チャンバー内を真空ポンプで約5×10-4Paまでに脱気した後、混合ガスの体積がAr:O=2:8となるようにガスを導入し、チャンバー内の圧力を0.3Paに調整した。Zn-Snターゲット(Sn/(Zn+Sn)=12wt%)を用いて、クリアーなソーダライムガラス基板(厚さ:3mm)上に、170Åの厚さのZnSn膜を第1層として成膜した。次いで、真空チャンバー内のガスをArガスに変更し、チャンバー内の圧力を0.3Paに調整し、Agターゲットを用いて、108ÅのAg膜を第2層として成膜し、次いで、Zn−Alターゲット(Al/(Zn+Al)=4wt%)を用いて、20ÅのZnxAly層を第3層として成膜した。次いで、混合ガスの体積がAr:O=2:8となるようにチャンバー内のガスを変更し、チャンバー内の圧力を0.3Paに調整し、第1層と同じ条件で、450ÅのZnSn層を第4層として成膜した。次いで、Snターゲットを用いて、50Åの厚さのSnO層を第5層として成膜し、熱線遮蔽積層膜を得た。
実施例3
クリアーなソーダライムガラス基板上に120Åの厚さのZnSn膜を成膜し、次いで、Zn−Alターゲット(Al/(Zn+Al)=4wt%)を用いた以外は、実施例2の第1層と同じ条件で、50ÅのZnAl膜を第2層として成膜し、次いで第3層、第4層、第5層、第6層を、それぞれ実施例2の第2層、第3層、第4層、第5層と同様の条件にて成膜し、熱線遮蔽積層膜を得た。
実施例4
クリアーなソーダライムガラス基板上に、第1層、第2層、第3層、第4層は、それぞれ実施例3の第1層、第2層、第3層、第4層と同じ条件にて、それぞれ同じ膜厚で成膜し、次いで第5層を、実施例3の第2層と同じ条件で、50Åとなるように成膜し、次いで、第6層、第7層を、それぞれ実施例2の第4層、第5層と同じ条件にて、それぞれ400Å、50Åとなるように成膜し、熱線遮蔽積層膜を得た。
実施例5
クリアーなソーダライムガラス基板上に、実施例2の第1層、第2層、第3層、第4層のそれぞれと同じ条件にて、第1層として290Å、第2層として100Å、第3層として16Å、第4層として700Åの膜厚となるように成膜し、次いで第5層、第6層、第7層、第8層を、それぞれ実施例2の第2層、第3層、第4層、第5層と同じの条件にて、それぞれ115Å、16Å、270Å、50Åとなるように成膜し、熱線遮蔽積層膜を得た。
実施例6
クリアーなソーダライムガラス基板上に、実施例3の第1層、第2層、第3層、第4層、第5層のそれぞれと同じ条件にて、第1層として240Å、第2層として50Å、第3層として100Å、第4層として16Å、第5層として650Åの膜厚となるように成膜し、次いで第6層、第7層、第8層、第9層、第10層を、それぞれ、実施例3の第2層、第3層、第4層、第5層、第6層と同じの条件にて、それぞれ50Å、115Å、16Å、270Å、50Åとなるように成膜し、熱線遮蔽積層体を得た。
比較例8
クリアーなソーダライムガラス基板上に5層積層し、熱線遮蔽積層体を得た。第1層、第4層に、Zn- Alターゲット(Al/(Zn+Al)=4wt%)が備えられたカソードを用いて成膜を行った以外は、実施例2の第1層と同じ条件で、それぞれ170Å、450Åとなるように成膜した。第2層、第3層、第5層を、それぞれ実施例2の第2層、第3層、第5層と同様の条件にて、それぞれ成膜し、比較例8の熱線遮蔽積層体を得た。
比較例9
クリアーなソーダライムガラス基板上に4層積層し、熱線遮蔽積層体を得た。第1層目、第4層目は、実施例2の第5層と同じ条件で、それぞれ170Å、500Åとなるように成膜した。第2層、第3層を、それぞれ実施例2の第2層、第3層と同様の条件にてそれぞれ成膜し、比較例9の熱線遮蔽積層体を得た。
比較例10
クリアーなソーダライムガラス基板上に5層積層し、熱線遮蔽積層体を得た。第1層目、第4層目は、Zn−Snターゲット(Sn/(Zn+Sn)=30wt%)が備えられたカソードを用いて成膜した以外は、実施例2の第1層と同様の条件で、それぞれ170Å、450Åとなるように成膜した。第2層、第3層、第5層を、それぞれ実施例2の第2層、第3層、第5層と同様の条件にて、それぞれ成膜し、比較例10の熱線遮蔽積層体を得た。
比較例11
クリアーなソーダライムガラス基板上に8層積層し、熱線遮蔽積層体を得た。第1層、第4層、第7層は、Zn−Alターゲット(Al/(Zn+Al)=4wt%)が備えられたカソードを用いて成膜を行った以外は、実施例2の第1層と同じ条件で、それぞれ290Å、700Å、270Åとなるように成膜した。第2層、第3層、第5層、第6層、第8層を、それぞれ実施例5の第2層、第3層、第5層、第6層、第8層と同様の条件でそれぞれ成膜し、比較例11の熱線遮蔽積層体を得た。
比較例12
クリアーなソーダライムガラス基板上に8層積層し、熱線遮蔽積層体を得た。第1層、第4層、第7層は、Zn−Snターゲット(Sn/(Zn+Sn)=30wt%)が備えられたカソードを用いて成膜を行った以外は、実施例2の第1層と同じ条件で、それぞれ290Å、700Å、270Åとなるように成膜した。第2層、第3層、第5層、第6層、第8層を、それぞれ実施例5の第2層、第3層、第5層、第6層、第8層と同様の条件でそれぞれ成膜を行い、比較例12の熱線遮蔽積層体を得た。
3.熱線遮蔽積層体の評価
実施例2〜6、比較例8〜12で得られた熱線遮蔽積層体について、以下の評価を実施し、その結果を表2に示す。
[光学性能]
分光光度計U−4100((株)日立ハイテクノージ社製)を用い、300〜2500nmの波長範囲の透過率について測定を行った。その結果を用い、可視光透過率は、JIS R 3106に基づき算出し、紫外線透過率はISO9050に基づき算出した。
[耐湿試験]
ガラス上に形成した熱線遮蔽積層体を30℃、90%Rhの環境試験機内で、2週間保管し、点状欠陥等の劣化箇所(0.3mmφ以上)の個数を目視にてカウントした。その結果、発生した欠陥数が1m2当り10個以下である場合を○、11〜20個である場合を△、21個以上である場合を×として、評価を行った。
実施例2〜6及び比較例8〜12より、可視光透過率はいずれも優れた値を示し、さらに、透明酸化物膜層としてSn含量が20wt%以下のZnSnを用いた場合、紫外光透過率、耐湿性ともに優れたものとなった。一方で、ZnSnの代わりにZnAlを用いた場合、耐湿性は優れたものとなるが、紫外光透過率に劣化する。また、ZnSnの代わりにSnOxを用いた場合、紫外光透過率、耐湿性、共に劣化する。さらに、透明酸化物膜層のSn含量が30wt%のZnSnを用いると、紫外光透過率、耐湿性、共に劣化したものとなる。
以上のことから、透明酸化物膜層として、Sn含量が5〜20wt%であるZnSnを用いることで、可視光透過率、紫外光透過率、耐湿性、に優れた熱線遮蔽積層体を得ることが可能となることが明らかとなった。
Figure 2011063500
1 ターゲット
2 基材ホルダー
3 ガラス
4 カソードマグネット
5 真空ポンプ
6 開閉バルブ
7 ガス導入管
8 真空チャンバー
9 電源コード
10 DC電源
11 バッキングプレート
12 搬送ロール
13 透明酸化物膜層
14 貴金属膜層
15 貴金属保護膜層

Claims (7)

  1. 基体上に真空成膜プロセスを経て形成される熱線遮蔽積層膜であり、該熱線遮蔽積層膜は、基体上に、少なくとも透明酸化物膜層、貴金属膜層、貴金属保護膜層、が順次積層されて成り、上記透明酸化物膜層はZnSn膜(x、y、zは正の有理数)を有し、該ZnSn膜は該膜に含まれるSnとZnとのSn/(Zn+Sn)で表される値が5〜20wt%であり、上記貴金属膜層はAg膜もしくはAgを主成分とする膜から成ることを特徴とする熱線遮蔽積層膜。
  2. 前記貴金属保護膜層は、Alが添加されたZn膜を有するものであり、該膜に含まれるAlとZnとのAl/(Zn+Al)で表される値が1〜10wt%であることを特徴とする請求項1に記載の熱線遮蔽積層膜。
  3. 基体から見て最も遠い貴金属保護膜層の基体と反対側に、SnO膜を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱線遮蔽積層膜。
  4. 上記熱線遮蔽積層膜を構成する貴金属膜層が1層である時、該熱戦遮蔽積層膜の紫外線透過率が40%以下であること特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の熱線遮蔽積層膜。
  5. 上記熱線遮蔽積層膜を構成する貴金属膜層が2層である時、該熱戦遮蔽積層膜の紫外線透過率が25%以下であること特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の熱線遮蔽積層膜。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の熱線遮蔽積層膜の製造方法は、ZnとSnとを含むZn−Sn合金スパッタリングターゲットを用いてZnSn膜を形成する工程、を含むことを特徴とする熱線遮蔽積層膜の製造方法。
  7. 前記Zn−Sn合金スパッタリングターゲットは、該ターゲットに含まれるSnとZnとのSn/(Zn+Sn)で表される値が5〜20wt%である事を特徴する請求項6に記載の熱線遮蔽積層膜の製造方法。
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