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JP2011002034A - 車両用前後進切換装置 - Google Patents

車両用前後進切換装置 Download PDF

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JP2011002034A JP2009145558A JP2009145558A JP2011002034A JP 2011002034 A JP2011002034 A JP 2011002034A JP 2009145558 A JP2009145558 A JP 2009145558A JP 2009145558 A JP2009145558 A JP 2009145558A JP 2011002034 A JP2011002034 A JP 2011002034A
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rotating
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Yasuhiro Kawai
康弘 河合
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Toyota Motor Corp
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16H37/00Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00
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Abstract

【課題】車両の被牽引時において、ピニオンギヤの耐久性を確保することができる車両用前後進切換装置を提供する。
【解決手段】サンギヤSと、キャリヤCAと、第1,第2ピニオンギヤP1,P2を介してサンギヤSと噛み合うリングギヤRとの3つの回転要素を有するダブルピニオン型の遊星歯車装置17を備える前後進切換装置16において、リングギヤRとキャリヤCAとの間に連結されると共に、キャリヤCAの回転速度がリングギヤRの回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、キャリヤCAの回転速度がリングギヤRの回転速度を超えない場合には空転状態とされる一方向クラッチF1が備えられる。従って、エンジン12の回転停止状態における被牽引時には、一方向クラッチF1が係合状態とされて遊星歯車装置17は一体回転状態とされ、被牽引時の車速Vに関係なく、第1,第2ピニオンギヤP1,P2の各自転分の回転速度上昇が回避される。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用前後進切換装置に係り、特に、車両の被牽引時における耐久性に関するものである。
駆動力源からの動力を駆動輪へ伝達する車両用動力伝達装置に備えられた遊星歯車式の前後進切換装置が良く知られている。例えば、特許文献1、2に示された前後進切換機構がそれである。図12は、特許文献1に示された前後進切換機構と同様に、ダブルピニオン型の遊星歯車装置(プラネタリギヤ列)8を主体として構成された前後進切換装置2を備えた動力伝達装置1の一例を示す図である。また、図13は、遊星歯車装置8における各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。共線図における縦軸間の関係に示すρは遊星歯車装置8のギヤ比ρ(=サンギヤSの歯数ZS/リングギヤRの歯数ZR)であり、δ1は(サンギヤSの歯数ZS/ピニオンギヤP1の歯数ZP1)であり、δ2は(サンギヤSの歯数ZS/ピニオンギヤP2の歯数ZP2)である。また、共線図における各直線Lにより各回転要素における回転速度の相対関係が示されている。前後進切換装置2において、例えばサンギヤSはエンジン3に動力伝達可能に連結され、キャリヤCAは自動変速機4を介して駆動輪5に動力伝達可能に連結されている一方で、キャリヤCAとサンギヤSとはクラッチCを介して選択的に連結され、リングギヤRはブレーキBを介して非回転部材6に選択的に固定されている。
このように構成された前後進切換装置2において、図13(a)の直線L1に示すように、クラッチCが係合されると遊星歯車装置8は一体回転状態とされ、エンジン3の回転方向と同じ方向の回転で動力が駆動輪5側へ伝達される前進用動力伝達経路が成立させられる。一方、図13(a)の直線L2に示すように、ブレーキBが係合されると遊星歯車装置8はエンジン3の回転方向と逆方向(反対方向)の回転で動力が駆動輪5側へ伝達される後進用動力伝達経路が成立させられる。また、クラッチC及びブレーキBが共に解放されると、前後進切換装置2は動力伝達を遮断するニュートラル状態(動力伝達遮断状態)となる動力伝達経路が成立させられる。
特開平11−51147号公報 特開2005−308041号公報
ここで、一般的に動力伝達装置1では、例えばエンジン3にて回転駆動される機械式のオイルポンプから出力(発生)される作動油圧を元圧としてクラッチCやブレーキBの係合油圧が供給されたり、動力伝達装置1の各部に潤滑油が強制的に供給される。従って、例えば車両停止時や車両の被牽引時などのエンジン3が停止状態とされているときには、動力伝達装置1の各部へはオイルポンプによる作動油圧を元圧とした潤滑油が強制的に供給されない。その為、例えば駆動輪5が路面により回転駆動される車両の被牽引時には、潤滑油が強制的に供給されない状態で動力伝達装置1内の各回転部材が回転させられることになる。特に、遊星歯車装置8を主体とした前後進切換装置2において、図13の(b)の直線L3に示すように示すように、駆動輪5側からの入力によりキャリヤCAが回転駆動され且つエンジン停止状態によりサンギヤSが回転停止される被牽引時には、2つのピニオンギヤ(遊星歯車、プラネタリギヤ)P1、P2は、回転駆動されるキャリヤCAに対してそれぞれ上記δ1、δ2倍の回転速度で回転駆動される。例えば、ピニオンギヤP1、P2の回転速度は、駆動輪5の回転速度に終減速部7のギヤ比(減速比やファイナルギヤ比)や自動変速機4のギヤ比(例えば発進に備えた最大変速比(最Lo側のギヤ比))や上記δ1(或いはδ2)が掛け合わされる為、被牽引時の車速によっては数万回転(rpm)程度の高回転速度となる可能性がある。そうすると、エンジン3が回転停止状態とされてオイルポンプによる作動油圧を元圧とした潤滑油が強制的に供給されないときの被牽引状態では、ピニオンギヤP1、P2の耐久性が特に低下する可能性がある。尚、上述したような課題は未公知である。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、車両の被牽引時において、ピニオンギヤの耐久性を確保することができる遊星歯車式の車両用前後進切換装置を提供することにある。
前記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) サンギヤと、ピニオンギヤを自転及び公転可能に支持するキャリヤと、前記ピニオンギヤを介して前記サンギヤと噛み合うリングギヤとの3つの回転要素を有する遊星歯車装置を備え、第1回転要素は駆動力源に動力伝達可能に連結され、第3回転要素は駆動輪に動力伝達可能に連結されると共に、第2回転要素の回転が禁止されることにより前記第3回転要素は前記第1回転要素の回転方向とは反対方向に回転させられ、前記第1、第2、第3回転要素が一体回転させられることにより前記第3回転要素は前記第1回転要素の回転方向と同じ方向に回転させられる車両用前後進切換装置であって、(b) 前記第1、第2、第3回転要素のうちの何れか2つの回転要素の間において前記遊星歯車装置に作動的に連結されると共に、前記第3回転要素の回転速度が前記第1回転要素の回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、前記第3回転要素の回転速度が前記第1回転要素の回転速度を超えない場合には空転状態とされる一方向クラッチを備えることにある。
このようにすれば、サンギヤと、キャリヤと、ピニオンギヤを介してサンギヤと噛み合うリングギヤとの3つの回転要素を有する遊星歯車装置を備える車両用前後進切換装置において、前記第1、第2、第3回転要素のうちの何れか2つの回転要素の間において前記遊星歯車装置に作動的に連結されると共に、前記第3回転要素の回転速度が前記第1回転要素の回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、前記第3回転要素の回転速度が前記第1回転要素の回転速度を超えない場合には空転状態とされる一方向クラッチが備えられるので、駆動力源の回転停止状態にて駆動輪側から遊星歯車装置が回転駆動される場合にはすなわち第1回転要素の回転停止状態にて駆動輪側から遊星歯車装置の第3回転要素が回転駆動される場合には、必ず第3回転要素の回転速度が第1回転要素の回転速度を上回ろうとするため、一方向クラッチが係合状態とされ、結果的に遊星歯車装置は一体回転させられる。遊星歯車装置が一体回転させられる場合には、ピニオンギヤは公転こそするもののキャリアに対するピニオンギヤの相対回転すなわちピニオンギヤの自転は発生しないため、ピニオンギヤが高回転となることが回避される。従って、駆動力源の回転停止状態における被牽引時には、一方向クラッチが係合状態とされて遊星歯車装置は一体回転状態とされ、被牽引時の車速に関係なく、ピニオンギヤの自転分の回転速度が上昇することが回避される。よって、被牽引時において、ピニオンギヤの耐久性を確保することができる遊星歯車式の車両用前後進切換装置が提供される。一方、駆動力源側から遊星歯車装置が回転駆動されるときにすなわち駆動力源側から遊星歯車装置の第1回転要素が回転駆動されるときに、第2回転要素の回転が禁止される場合には、第3回転要素は第1回転要素の回転方向とは反対方向に回転させられるため、一方向クラッチは空転状態とされる。また、前記第1、第2、第3回転要素が一体回転させられる場合には、第3回転要素は第1回転要素と同じ方向及び同じ回転速度にて回転させられるため、一方向クラッチは空転状態とされる。このように、駆動力源側から遊星歯車装置の第1回転要素が回転駆動される場合には、第3回転要素の回転方向を第1回転要素の回転方向に対して同じ方向と反対方向とに選択的に切り換える車両用前後進切換装置としての機能が適切に作動させられる。
ここで、好適には、前記遊星歯車装置はダブルピニオン型の遊星歯車装置であり、前記第1回転要素は前記サンギヤであり、前記第2回転要素は前記リングギヤであり、前記第3回転要素は前記キャリヤである。このようにすれば、駆動力源の回転停止状態にてすなわちサンギヤの回転停止状態にて駆動輪側から遊星歯車装置のキャリヤが回転駆動される場合には、必ずキャリヤの回転速度がサンギヤの回転速度を上回ろうとするため、一方向クラッチが係合状態とされて遊星歯車装置は一体回転させられる。一方、駆動力源側から遊星歯車装置のサンギヤが回転駆動される場合には、キャリヤの回転方向をサンギヤの回転方向に対して同じ方向と反対方向とに選択的に切り換える車両用前後進切換装置としての機能が適切に作動させられる。
また、好適には、前記遊星歯車装置はシングルピニオン型の遊星歯車装置であり、前記第1回転要素は前記サンギヤであり、前記第2回転要素は前記キャリヤであり、前記第3回転要素は前記リングギヤである。このようにすれば、駆動力源の回転停止状態にてすなわちサンギヤの回転停止状態にて駆動輪側から遊星歯車装置のリングギヤが回転駆動される場合には、必ずリングギヤの回転速度がサンギヤの回転速度を上回ろうとするため、一方向クラッチが係合状態とされて遊星歯車装置は一体回転させられる。一方、駆動力源側から遊星歯車装置のサンギヤが回転駆動される場合には、リングギヤの回転方向をサンギヤの回転方向に対して同じ方向と反対方向とに選択的に切り換える車両用前後進切換装置としての機能が適切に作動させられる。
また、好適には、前記第2回転要素を非回転部材に選択的に連結するブレーキと、前記第1、第2、第3回転要素のうちの少なくとも2つの回転要素を選択的に連結するクラッチとを備え、前記ブレーキの係合且つ前記クラッチの解放により前記第2回転要素の回転が禁止されて前記駆動力源と反対方向の回転にて動力が前記駆動輪側へ伝達される後進用動力伝達経路が成立させられる一方で、前記クラッチの係合且つ前記ブレーキの解放により前記遊星歯車装置は一体回転状態とされて前記駆動力源と同じ方向の回転にて動力が前記駆動輪側へ伝達される前進用動力伝達経路が成立させられる。このようにすれば、3つの回転要素を有する遊星歯車装置とブレーキとクラッチとを備える車両用前後進切換装置において、駆動力源側から遊星歯車装置の第1回転要素が回転駆動されるときに、ブレーキの係合且つクラッチの解放により第2回転要素の回転が禁止される場合には、駆動力源と反対方向の回転にて動力が駆動輪側へ伝達されるため、一方向クラッチは空転状態とされる。また、クラッチの係合且つブレーキの解放により第1、第2、第3回転要素が一体回転させられる場合には、駆動力源と同じ方向の回転にて動力が駆動輪側へ伝達されるため、一方向クラッチは空転状態とされる。このように、駆動力源側から遊星歯車装置の第1回転要素が回転駆動される場合には、前進用動力伝達経路と後進用動力伝達経路とを選択的に切り換える車両用前後進切換装置としての機能が適切に作動させられる。
また、好適には、前記一方向クラッチは、前記第2回転要素と前記第3回転要素との間において前記遊星歯車装置に作動的に連結されると共に、前記第3回転要素の回転速度が前記第2回転要素の回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、前記第3回転要素の回転速度が前記第2回転要素の回転速度を超えない場合には空転状態とされる。このようにすれば、第1回転要素の回転停止状態にて駆動輪側から遊星歯車装置の第3回転要素が回転駆動される場合には、必ず第3回転要素の回転速度が第2回転要素の回転速度を上回ろうとするため、一方向クラッチが係合状態とされて遊星歯車装置は一体回転させられる。一方、駆動力源側から遊星歯車装置の第1回転要素が回転駆動される場合には、第3回転要素の回転方向を第1回転要素の回転方向に対して同じ方向と反対方向とに選択的に切り換える車両用前後進切換装置としての機能が適切に作動させられる。
また、好適には、前記一方向クラッチは、前記第1回転要素と前記第2回転要素との間において前記遊星歯車装置に作動的に連結されると共に、前記第2回転要素の回転速度が前記第1回転要素の回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、前記第2回転要素の回転速度が前記第1回転要素の回転速度を超えない場合には空転状態とされる。このようにすれば、第1回転要素の回転停止状態にて駆動輪側から遊星歯車装置の第3回転要素が回転駆動される場合には、必ず第2回転要素の回転速度が第1回転要素の回転速度を上回ろうとするため、一方向クラッチが係合状態とされて遊星歯車装置は一体回転させられる。一方、駆動力源側から遊星歯車装置の第1回転要素が回転駆動される場合には、第3回転要素の回転方向を第1回転要素の回転方向に対して同じ方向と反対方向とに選択的に切り換える車両用前後進切換装置としての機能が適切に作動させられる。
また、好適には、前記一方向クラッチは、前記第1回転要素と前記第3回転要素との間において前記遊星歯車装置に作動的に連結されると共に、前記第3回転要素の回転速度が前記第1回転要素の回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、前記第3回転要素の回転速度が前記第1回転要素の回転速度を超えない場合には空転状態とされる。このようにすれば、第1回転要素の回転停止状態にて駆動輪側から遊星歯車装置の第3回転要素が回転駆動される場合には、必ず第3回転要素の回転速度が第1回転要素の回転速度を上回ろうとするため、一方向クラッチが係合状態とされて遊星歯車装置は一体回転させられる。一方、駆動力源側から遊星歯車装置の第1回転要素が回転駆動される場合には、第3回転要素の回転方向を第1回転要素の回転方向に対して同じ方向と反対方向とに選択的に切り換える車両用前後進切換装置としての機能が適切に作動させられる。
また、好適には、前記第3回転要素は自動変速機を介して前記駆動輪に連結されるものであり、前記駆動力源により回転駆動されて前記自動変速機の変速作動を実行する為の元圧となる作動油圧を発生するオイルポンプにより潤滑油が供給される。このようにすれば、自動変速機を備える実用的な車両用動力伝達装置において、駆動力源の回転停止状態における被牽引時には、一方向クラッチが係合状態とされて遊星歯車装置は一体回転状態とされ、被牽引時の車速に関係なく、ピニオンギヤの自転分の回転速度が上昇することが回避される。よって、駆動力源が回転停止状態とされてオイルポンプによる作動油圧を元圧とした潤滑油が強制的に供給されないときの被牽引時において、ピニオンギヤの耐久性を確保することができる。また、駆動力源側から遊星歯車装置が回転駆動される場合には、車両用前後進切換装置が適切に作動させられる。
また、好適には、前記自動変速機は、有効径が可変の一対の可変プーリと、それら一対の可変プーリの間に巻き掛けられた伝動ベルトとを有し、それら一対の可変プーリの有効径が相反的に変化させられることによって変速比を無段階に変化させることが可能なベルト式無段変速機である。つまり、このベルト式無段変速機は、入力プーリと、出力プーリと、前記プーリに巻き掛けられてそのプーリを連動させる動力伝達部材とを有し、前記プーリの各溝幅を変更してそのプーリ上における前記動力伝達部材との各接触径の比で変速比を変更する自動変速機である。このようにすれば、ベルト式無段変速機を備える実用的な車両用動力伝達装置において、駆動力源が回転停止状態とされてオイルポンプによる作動油圧を元圧とした潤滑油が強制的に供給されないときの被牽引時には、ピニオンギヤの耐久性を適切に確保することができる。また、駆動力源側から遊星歯車装置が回転駆動される場合には、車両用前後進切換装置が適切に作動させられる。
また、好適には、前記自動変速機は、例えば同心で相対回転可能に配置された一対のコーン部材とそれらの間に挟圧状態で配置された複数個のローラとを備え、そのローラの回転軸心が一対のコーン部材の回転軸心を含む面内で回動させられることによって変速比が連続的に変化させられる形式のトロイダル型無段変速機などであっても良い。つまり、このトロイダル型無段変速機は、入力ディスクと、出力ディスクと、前記ディスクの間で挟圧されてそのディスクを連動させるローラとを有し、前記ローラの傾きを変更して前記ディスク上におけるそのローラとの各接触点径の比で変速比を変更する自動変速機である。
また、好適には、前記駆動力源としては、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であるエンジンが広く用いられる。更に、補助的な走行用動力源として、電動機等がこのエンジンに加えて用いられても良い。或いは、走行用動力源として電動機のみが用いられてもよい。
本発明が適用された車両用前後進切換装置を備える車両用動力伝達装置を説明する骨子図である。 前後進切換装置において、前進用クラッチ及び後進用ブレーキの作動状態毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。 図1の車両用動力伝達装置などを制御するために車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。 油圧制御回路のうち無段変速機のベルト挟圧力制御、変速比制御、シフトレバーの操作に伴う前進用クラッチ及び後進用ブレーキの係合油圧制御に関する要部を示す油圧回路図である。 無段変速機の変速制御において目標入力回転速度を求める際に用いられる変速マップの一例を示す図である。 無段変速機の挟圧力制御において変速比等に応じて必要セカンダリ圧を求めるベルト挟圧力マップの一例を示す図である。 前進方向への被牽引時に駆動輪側からの入力があった場合の前後進切換装置における共線図を示しており、図2の共線図に相当する。 図1の車両用動力伝達装置が備える車両用前後進切換装置の別の実施例を示す骨子図である。 図1の車両用動力伝達装置が備える車両用前後進切換装置の別の実施例を示す骨子図である。 シングルピニオン型の遊星歯車装置を備える前後進切換装置の一例を示す骨子図である。 図10の前後進切換装置における共線図を示している。 ダブルピニオン型の遊星歯車装置を主体として構成された前後進切換装置を備えた動力伝達装置の従来例を示す図である。 図12の遊星歯車装置における各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用前後進切換装置16(以下、前後進切換装置16)を備える車両用動力伝達装置10の構成を説明する骨子図である。この車両用動力伝達装置10は横置き型自動変速機であって、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に採用されるものである。内燃機関にて構成されている走行用の駆動力源としてのエンジン12の動力は、車両用動力伝達装置10に備えられた流体式伝動装置としてのトルクコンバータ14、前後進切換装置16、自動変速機としてのベルト式無段変速機(CVT)18、減速歯車装置20、差動歯車装置22などを順次介して、左右の駆動輪24L、24Rへ伝達される。
トルクコンバータ14は、エンジン12のクランク軸13に連結されたポンプ翼車14p、及びトルクコンバータ14の出力側部材に相当するタービン軸34を介して前後進切換装置16に連結されたタービン翼車14tを備えており、流体を介して動力伝達を行うようになっている。また、それ等のポンプ翼車14p及びタービン翼車14tの間にはロックアップクラッチ26が設けられており、油圧回路としての油圧制御回路100(図3、図4参照)内の図示しないロックアップコントロールバルブ(L/C制御弁)などによって係合側油室及び解放側油室に対する油圧供給が切り換えられることにより、係合または解放されるようになっており、完全係合させられることによってポンプ翼車14p及びタービン翼車14tは一体回転させられる。ポンプ翼車14pには、自動変速機としてのベルト式無段変速機18(以下、無段変速機18)を変速制御したりベルト挟圧力を発生させたり、ロックアップクラッチ26を係合解放制御したり、前後進切換装置16における動力伝達経路を切り換えたり、車両用動力伝達装置10内の各部に潤滑油を供給したりする為の作動油圧をエンジン12により回転駆動されることにより発生する機械式のオイルポンプ28が連結されている。
前後進切換装置16は、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1と所定のギヤ比ρを有するダブルピニオン型の遊星歯車装置17とを主体として構成されている。この遊星歯車装置17は、サンギヤS、互いに噛み合う複数対の第1ピニオンギヤP1及び第2ピニオンギヤP2、その第1,第2ピニオンギヤP1,P2を自転及び公転可能に支持するキャリヤCA、第1,第2ピニオンギヤP1,P2を介してサンギヤSと噛み合うリングギヤRを回転要素(要素)として備えている。この前後進切換装置16においては、サンギヤSはトルクコンバータ14のタービン軸34に一体的に連結され、すなわちサンギヤSはエンジン12に動力伝達可能に連結され、キャリアCAは無段変速機18の入力軸36に一体的に連結され、すなわちキャリアCAは駆動輪24に動力伝達可能に連結されている。また、キャリアCAとサンギヤSとは前進用クラッチC1を介して選択的に連結され、リングギヤRは後進用ブレーキB1を介して非回転部材としてのハウジング38に選択的に固定されるようになっている。尚、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1は、断続装置に相当するものであり、例えば何れも油圧シリンダによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
このように構成された前後進切換装置16では、前進用クラッチC1が係合されると共に後進用ブレーキB1が解放されると、前後進切換装置16は一体回転状態とされることによりタービン軸34が入力軸36に直結され、前進用動力伝達経路が成立(達成)させられて、前進方向の動力が無段変速機18側へ伝達される。また、後進用ブレーキB1が係合されると共に前進用クラッチC1が解放されると、前後進切換装置16は後進用動力伝達経路が成立(達成)させられて、入力軸36はタービン軸34に対して逆方向へ回転させられるようになり、後進方向の動力が無段変速機18側へ伝達される。また、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1が共に解放されると、前後進切換装置16は動力伝達を遮断するニュートラル状態(動力伝達遮断状態)とされる。
図2は、前後進切換装置16において、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1の作動状態毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線L上で表すことができる共線図を示している。この図2の共線図は、遊星歯車装置17におけるギヤ比ρ及び歯車比δ1,δ2の関係を示す横軸と、相対的回転速度を示す縦軸とから成る二次元座標である。2本の横線のうちの下側の横線X1が回転速度零を示し、上側の横線X2が回転速度「1.0」すなわちタービン軸に連結されたエンジン8の回転速度Nを示している。尚、ここではトルクコンバータ14の速度比を1.0とする。
また、遊星歯車装置17の3つの回転要素に対応する3本の縦線Y1、Y2、Y3は、左側から順に第1回転要素(第1要素)RE1に対応するサンギヤS、第2回転要素(第2要素)RE2に対応するリングギヤR、第3回転要素(第3要素)RE3に対応するキャリヤCAの相対回転速度を示すものであり、それらの間隔は遊星歯車装置17のギヤ比ρに応じて定められている。一般的に、共線図の縦軸間の関係においてサンギヤとキャリヤとの間が「1」に対応する間隔とされるとキャリヤとリングギヤとの間が遊星歯車装置のギヤ比ρに対応する間隔とされる。すなわち、前後進切換装置16では縦線Y1とY3との縦線間が「1」に対応する間隔に設定され、縦線Y2とY3との間隔はギヤ比ρに対応する間隔に設定される。尚、サンギヤSの歯数をZS、リングギヤRの歯数をZRとすると、上記ギヤ比ρはZS/ZRである。
更に、遊星歯車装置17の他の2つの回転要素に対応する2本の縦線YP1、YP2は、第1ピニオンギヤP1、第2ピニオンギヤP2の相対回転速度を示すものであり、それらの間隔は歯車比δ1,δ2に応じて定められている。前後進切換装置16では縦線Y1とY3との縦線間が「1」に対応する間隔に設定され、縦線Y3とYP1との間隔は歯車比δ1に対応する間隔に設定され、縦線Y3とYP2との間隔は歯車比δ2に対応する間隔に設定される。尚、第1,第2ピニオンギヤP1,P2の歯数をZP1,ZP2とすると、上記歯車比δ1はZS/ZP1であり、上記歯車比δ2はZS/ZP2である。
上記図2の共線図を用いて表現すれば、本実施例の前後進切換装置16は、第1回転要素RE1(サンギヤS)はトルクコンバータ14を介してエンジン12に動力伝達可能に連結され、第3回転要素RE3(キャリヤCA)は無段変速機18を介して駆動輪24に動力伝達可能に連結されている。また、第2回転要素RE2(リングギヤR)は後進用ブレーキB1を介してハウジング38に選択的に連結され、第1回転要素RE1と第3回転要素RE3とは前進用クラッチC1を介して選択的に連結されている。そして、直線L2に示すように、後進用ブレーキB1の係合且つ前進用クラッチC1の解放により第2回転要素RE2の回転が禁止されて、第3回転要素RE3は第1回転要素RE1の回転方向とは反対方向に回転させられる。これにより、前後進切換装置16では、エンジン12と反対方向の回転にて動力が駆動輪24側へ伝達される後進用動力伝達経路「R」が成立させられる。一方で、直線L1に示すように、前進用クラッチC1の係合且つ後進用ブレーキB1の解放により第1,第2,第3回転要素RE1、RE2,RE3が一体回転させられて、すなわち遊星歯車装置17は一体回転状態とされて、第3回転要素RE3は第1回転要素RE1の回転と同じ方向及び同じ回転速度にて回転させられる。これにより、前後進切換装置16では、エンジン12と同じ方向の回転にて動力が駆動輪24側へ伝達される前進用動力伝達経路「D」が成立させられる。このように、前後進切換装置16は、エンジン12側の回転をそのままの回転方向で或いは反対の回転方向にて無段変速機18側(駆動輪24側)へ伝達する機能を有している。
図1に戻り、無段変速機18は、入力軸36に設けられた入力側部材である有効径が可変の入力側可変プーリ(プライマリプーリ、プライマリシーブ)42と、出力軸44に設けられた出力側部材である有効径が可変の出力側可変プーリ(セカンダリプーリ、セカンダリシーブ)46と、それ等の可変プーリ42、46に巻き掛けられた伝動ベルト48とを備えており、可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる。
可変プーリ42及び46は、入力軸36及び出力軸44にそれぞれ固定された固定回転体42a及び46aと、入力軸36及び出力軸44に対して軸まわりの相対回転不能かつ軸方向の移動可能に設けられた可動回転体42b及び46bと、それらの間のV溝幅を変更する為の推力を付与する油圧アクチュエータとしての入力側油圧シリンダ(プライマリ側油圧シリンダ)42c及び出力側油圧シリンダ(セカンダリ側油圧シリンダ)46cとを備えて構成されている。そして、プライマリ側油圧シリンダ42cの油圧であるプライマリ圧(変速圧)Pinが油圧制御回路100によって調圧制御されることにより、両可変プーリ42、46のV溝幅が変化して伝動ベルト48の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT)が連続的に変化させられる。また、セカンダリ側油圧シリンダ46cの油圧であるセカンダリ圧(ベルト挟圧)Poutが油圧制御回路100によって調圧制御されることにより、伝動ベルト48が滑りを生じないようにベルト挟圧力が制御される。
図3は、図1の車両用動力伝達装置10などを制御するために車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。電子制御装置50は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン12の出力制御や無段変速機18の変速制御及びベルト挟圧力制御やロックアップクラッチ26のトルク容量制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や無段変速機18及びロックアップクラッチ26の油圧制御用等に分けて構成される。
電子制御装置50には、エンジン回転速度センサ52により検出されたクランク軸13の回転角度(位置)ACR(°)及びエンジン12の回転速度(エンジン回転速度)Nに対応するクランク軸回転速度を表す信号、タービン回転速度センサ54により検出されたタービン軸34の回転速度(タービン回転速度)Nを表す信号、入力軸回転速度センサ56により検出された無段変速機18の入力回転速度である入力軸36の回転速度(入力軸回転速度)NINを表す信号、車速センサ(出力軸回転速度センサ)58により検出された無段変速機18の出力回転速度である出力軸44の回転速度(出力軸回転速度)NOUTすなわち出力軸回転速度NOUTに対応する車速Vを表す車速信号、スロットルセンサ60により検出されたエンジン12の吸気配管32(図1参照)に備えられた電子スロットル弁30のスロットル弁開度θTHを表すスロットル弁開度信号、冷却水温センサ62により検出されたエンジン12の冷却水温Tを表す信号、CVT油温センサ64により検出された無段変速機18等の油圧回路の油温TCVTを表す信号、アクセル開度センサ66により検出されたアクセルペダル68の操作量であるアクセル開度Accを表すアクセル開度信号、フットブレーキスイッチ70により検出された常用ブレーキであるフットブレーキの操作の有無BONを表すブレーキ操作信号、レバーポジションセンサ72により検出されたシフトレバー74のレバーポジション(操作位置)PSHを表す操作位置信号などが供給されている。
また、電子制御装置50からは、エンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号S、例えば電子スロットル弁30の開閉を制御するためのスロットルアクチュエータ76を駆動するスロットル信号や燃料噴射装置78から噴射される燃料の量を制御するための噴射信号や点火装置80によるエンジン12の点火時期を制御するための点火時期信号などが出力される。また、無段変速機18の変速比γを変化させる為の変速制御指令信号S例えばプライマリ側油圧シリンダ42cへのプライマリ圧Pinを調圧するリニアソレノイド弁SLPを駆動するための指令信号、伝動ベルト48の挟圧力を調整させる為の挟圧力制御指令信号S例えばセカンダリ圧Poutを調圧するリニアソレノイド弁SLSを駆動するための指令信号、ライン油圧Pを制御するリニアソレノイド弁SLTを駆動するための指令信号などが油圧制御回路100へ出力される。
シフトレバー74は、例えば運転席の近傍に配設され、順次位置させられている5つのレバーポジション「P」、「R」、「N」、「D」、及び「L」のうちの何れかへ手動操作されるようになっている。
「P」ポジション(レンジ)は車両用動力伝達装置10の動力伝達経路を解放しすなわち車両用動力伝達装置10の動力伝達が遮断されるニュートラル状態(中立状態)とし且つメカニカルパーキング機構によって機械的に出力軸44の回転を阻止(ロック)するための駐車ポジション(位置)であり、「R」ポジションは出力軸44の回転方向を逆回転とするための後進走行ポジション(位置)であり、「N」ポジションは車両用動力伝達装置10の動力伝達が遮断されるニュートラル状態とするための中立ポジション(位置)であり、「D」ポジションは無段変速機18の変速を許容する変速範囲で自動変速モードを成立させて自動変速制御を実行させる前進走行ポジション(位置)であり、「L」ポジションは強いエンジンブレーキが作用させられるエンジンブレーキポジション(位置)である。このように、「P」ポジション及び「N」ポジションは車両を走行させないときに選択される非走行ポジションであり、「R」ポジション、「D」ポジション及び「L」ポジションは車両を走行させるときに選択される走行ポジションである。
図4は、油圧制御回路100のうち無段変速機18のベルト挟圧力制御、変速比制御、シフトレバー74の操作に伴う前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1の係合油圧制御に関する要部を示す油圧回路図である。図4において、油圧制御回路100は、変速比γが連続的に変化させられるようにプライマリ圧Pinを調圧する変速制御弁としての変速比コントロールバルブ110、伝動ベルト48が滑りを生じないようにセカンダリ圧Poutを調圧する挟圧力コントロールバルブ112、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1が係合或いは解放されるようにシフトレバー74の操作に従って油路が機械的に切り換えられるマニュアルバルブ120等を備えている。
ライン油圧Pは、オイルポンプ28から出力(発生)される作動油圧を元圧として、例えばリリーフ型のプライマリレギュレータバルブ(ライン油圧調圧弁)122によりリニアソレノイド弁SLTの出力油圧である制御油圧PSLTに基づいてエンジン負荷等に応じた値に調圧されるようになっている。
より具体的には、プライマリレギュレータバルブ122は、軸方向へ移動可能に設けられることにより入力ポート122iを開閉してオイルポンプ28から発生される作動油圧を油路130から出力ポート122tを経て排出油路124へ排出するスプール弁子122aと、そのスプール弁子122aを閉弁方向へ付勢する付勢手段としてのスプリング122bと、そのスプリング122bを収容し且つスプール弁子122aに閉弁方向の推力を付与するために制御油圧PSLTを受け入れる油室122cと、スプール弁子122aに開弁方向の推力を付与するためにオイルポンプ28から発生される作動油圧を油路130を介して受け入れる油室122dとを備えている。
このように構成されたプライマリレギュレータバルブ122において、スプリング122bの付勢力をF、油室122cにおける制御油圧PSLTの受圧面積をa、油室122dにおけるライン油圧Pの受圧面積差をbとすると、次式(1)で平衡状態となる。従って、ライン油圧Pは、次式(2)で表され、制御油圧PSLTに比例する。このように、プライマリレギュレータバルブ122とリニアソレノイド弁SLTとは、油圧指令値としてのライン油圧制御指令信号SPLに基づいてオイルポンプ28から吐出される作動油をライン油圧Pに調圧する調圧装置として機能する。
×b=PSLT×a+F ・・・(1)
=PSLT×(a/b)+F/b ・・・(2)
モジュレータ油圧Pは、電子制御装置50によって制御される制御油圧PSLT、リニアソレノイド弁SLPの出力油圧である制御油圧PSLP、及びリニアソレノイド弁SLSの出力油圧である制御油圧PSLSの各元圧となるものであって、ライン油圧Pを元圧としてモジュレータバルブ126により一定圧に調圧されるようになっている。また、出力油圧PLM2は、ライン油圧Pを元圧としてライン圧モジュレータNO.2バルブ128により制御油圧PSLTに基づいて調圧されるようになっている。
マニュアルバルブ120において、入力ポート120aには出力油圧PLM2が供給される。そして、シフトレバー74が「D」ポジション或いは「L」ポジションに操作されると、出力油圧PLM2が前進走行用出力圧として前進用出力ポート120fを経て前進用クラッチC1に供給され且つ後進用ブレーキB1内の作動油が後進用出力ポート120rから排出ポートEXを経て例えば大気圧にドレーン(排出)されるようにマニュアルバルブ120の油路が切り換えられる。これにより、前進用クラッチC1が係合されると共に後進用ブレーキB1が解放される。
また、シフトレバー74が「R」ポジションに操作されると、出力油圧PLM2が後進走行用出力圧として後進用出力ポート120rを経て後進用ブレーキB1に供給され且つ前進用クラッチC1内の作動油が前進用出力ポート120fから排出ポートEXを経て例えば大気圧にドレーン(排出)されるようにマニュアルバルブ120の油路が切り換えられる。これにより、後進用ブレーキB1が係合されると共に前進用クラッチC1が解放される。
また、シフトレバー74が「P」ポジション及び「N」ポジションに操作されると、入力ポート120aから前進用出力ポート120fへの油路及び入力ポート120aから後進用出力ポート120rへの油路がいずれも遮断され且つ前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1内の作動油が何れもマニュアルバルブ120からドレーンされるようにマニュアルバルブ120の油路が切り換えられる。これにより、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1が共に解放される。
変速比コントロールバルブ110は、軸方向へ移動可能に設けられることにより入力ポート110iを開閉してライン油圧Pを入力ポート110iから出力ポート110tを経てプライマリプーリ42へ供給可能にするスプール弁子110aと、そのスプール弁子110aを開弁方向へ付勢する付勢手段としてのスプリング110bと、そのスプリング110bを収容し且つスプール弁子110aに開弁方向の推力を付与するために制御油圧PSLSを受け入れる油室110cと、スプール弁子110aに閉弁方向の推力を付与するために出力ポート110tから出力されたライン油圧Pを受け入れるフィードバック油室110dと、スプール弁子110aに閉弁方向の推力を付与するためにモジュレータ油圧Pを受け入れる油室110eとを備えている。
このように構成された変速比コントロールバルブ110において、目標入力軸回転速度NIN が得られるように制御油圧PSLPをパイロット圧としてライン油圧Pが連続的に調圧制御されることにより、出力ポート110tからプライマリ圧Pinが出力される。このように、変速比コントロールバルブ110と、その変速比コントロールバルブ110を作動させるための制御油圧PSLPを出力するリニアソレノイド弁SLPとは無段変速機18の変速を行うためにプライマリ圧Pinを調圧するためのプライマリ圧調圧装置として機能するものである。そして、制御油圧PSLPが高められるとプライマリ圧Pinの元圧となる変速比コントロールバルブ110に入力されたライン油圧Pがプライマリ側油圧シリンダ42cへ供給され、制御油圧PSLPに応じて制御油圧PSLPが高くなる程プライマリ圧Pinが高められて、プライマリプーリ42のV溝幅が狭くされて変速比γが小さくされるすなわち無段変速機18がアップシフトされる。また、制御油圧PSLPが低められるとプライマリ側油圧シリンダ42cの作動油が出力ポート110tから排出ポートEXを経て排出され、制御油圧PSLPに応じて制御油圧PSLPが低くなる程プライマリ圧Pinが低められて、プライマリプーリ42のV溝幅が広くされて変速比γが大きくされるすなわち無段変速機18がダウンシフトされる。また、ライン油圧Pはプライマリ圧Pinの元圧となるものである。
例えば図5に示すようにアクセル開度Accをパラメータとして車速Vと無段変速機18の目標入力回転速度である目標入力軸回転速度NIN との予め記憶された関係(変速マップ)から実際の車速V及びアクセル開度Accで示される車両状態に基づいて設定される目標入力軸回転速度NIN に実際の入力軸回転速度(以下、実入力軸回転速度という)NINが到達するように変速制御されることにより、前記プライマリ圧調圧装置の制御量である変速制御指令信号Sが調節されて無段変速機18の変速が実行される。すなわち、プライマリ側油圧シリンダ42cに対するプライマリ圧Pinが調圧されることによって両可変プーリ42、46のV溝幅が変化させられて変速比γが例えばフィードバック制御により連続的に変化させられる。図5の変速マップは変速条件に相当するもので、車速Vが小さくアクセル開度Accが大きい程大きな変速比γになる目標入力軸回転速度NIN が設定されるようになっている。また、車速Vは出力軸回転速度NOUTに対応するため、入力軸回転速度NINの目標値である目標入力軸回転速度NIN は目標変速比γ(=NIN /NOUT)に対応し、無段変速機18の最小変速比(最Hiギヤ比)γmin と最大変速比(最Loギヤ比)γmax の範囲内で定められる。
挟圧力コントロールバルブ112は、軸方向へ移動可能に設けられることにより入力ポート112iを開閉してライン油圧Pを入力ポート112iから出力ポート112tを経てセカンダリプーリ46へセカンダリ圧Poutとして供給可能にするスプール弁子112aと、そのスプール弁子112aを開弁方向へ付勢する付勢手段としてのスプリング112bと、そのスプリング112bを収容し且つスプール弁子112aに開弁方向の推力を付与するために制御油圧PSLSを受け入れる油室112cと、スプール弁子112aに閉弁方向の推力を付与するために出力ポート112tから出力されたセカンダリ圧Poutを受け入れるフィードバック油室112dと、スプール弁子112aに閉弁方向の推力を付与するためにモジュレータ油圧Pを受け入れる油室112eとを備えている。
このように構成された挟圧力コントロールバルブ112において、伝動ベルト48が滑りを生じないように制御油圧PSLSをパイロット圧としてライン油圧Pが連続的に調圧制御されることにより、出力ポート112tからセカンダリ圧Poutが出力される。このように、挟圧力コントロールバルブ112と、その挟圧力コントロールバルブ112を作動させるための制御油圧PSLSを出力するリニアソレノイド弁SLSとはセカンダリ圧Poutを調圧するためのセカンダリ圧調圧装置として機能するものである。そして、制御油圧PSLSが出力されるとセカンダリ圧Poutの元圧となる挟圧力コントロールバルブ112に入力されたライン油圧Pがセカンダリ側油圧シリンダ46cへ供給され、制御油圧PSLSに応じて制御油圧PSLSが高くなる程セカンダリ圧Poutが高められてベルト挟圧力が強くされる。また、ライン油圧Pはセカンダリ圧Poutの元圧となるものである。
例えば図6に示すように伝達トルクに対応するアクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θTH、無段変速機18への入力トルクTIN等)をパラメータとして変速比γとベルト挟圧力に対応する必要セカンダリ圧Poutとのベルト滑りが生じないように予め実験的に求められて記憶された関係(ベルト挟圧力マップ)から実際の変速比γ及びアクセル開度Accで示される車両状態に基づいて決定(算出)された必要セカンダリ圧Poutが得られて伝動ベルト48の滑りが発生しないように、セカンダリ圧調圧装置の制御量である挟圧力制御指令信号Sが調節されてセカンダリ圧Poutが調圧され、このセカンダリ圧Poutに応じて可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間の摩擦力(ベルト挟圧力)が増減させられる。
ここで、駆動輪24が路面により回転駆動されるような車両の前進方向への被牽引時には、駆動輪24側からの入力により第3回転要素RE3(キャリヤCA)が回転駆動される。このとき、エンジン12が回転停止状態とされている場合には、第1回転要素RE1(サンギヤS)が回転停止させられることから、図2の共線図からも明らかなように、第1,第2ピニオンギヤP1,P2は第3回転要素RE3(キャリヤCA)に対してそれぞれ自転分として上記歯車比δ1,δ2倍の回転速度で回転駆動される。このときの第1ピニオンギヤP1(或いは第2ピニオンギヤP2)の回転速度は、駆動輪24の回転速度に減速歯車装置20のギヤ比(例えば減速比及びファイナルギヤ比)、無段変速機18のギヤ比γ(例えば発進に備えた最大変速比γmax)、上記歯車比δ1(或いはδ2)などが掛け合わされる為、被牽引時の車速によっては数万回転(rpm)程度の高回転速度となる可能性がある。加えて、エンジン12が回転停止状態とされている場合には、車両用動力伝達装置10内の各部にはオイルポンプ28による作動油圧を元圧とした潤滑油が強制的に供給されない。その為、車両の被牽引時には特に第1,第2ピニオンギヤP1,P2の耐久性が低下する可能性がある。
そこで、本実施例の前後進切換装置16は、第1,第2,第3回転要素RE1,RE2,RE3のうちの何れか2つの回転要素の間において遊星歯車装置17に作動的に連結されると共に、第3回転要素RE3の回転速度が第1回転要素RE1の回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、第3回転要素RE3の回転速度が第1回転要素RE1の回転速度を超えない場合には空転状態とされる一方向クラッチ(ワンウェイクラッチ)F1を備える。つまり、一方向クラッチF1は、第3回転要素RE3の回転速度が第1回転要素RE1の回転速度よりも高い場合に第3回転要素RE3側から第1回転要素RE1側にトルクを伝達し、反対に低い場合には空転する。尚、本実施例では、回転速度の高低は、エンジン12の回転方向を正側として比較するものとする。従って、エンジン12の回転方向と反対方向の回転であれば、エンジン回転速度Nと比較して絶対値が大きい場合でもエンジン回転速度Nの方が高回転速度となる。
このように構成された前後進切換装置16では、エンジン12の回転停止状態にて駆動輪24側から遊星歯車装置17が回転駆動される場合にはすなわち第1回転要素RE1の回転停止状態にて駆動輪24側から第3回転要素RE3が回転駆動される場合には、必ず第3回転要素RE3の回転速度が第1回転要素RE1の回転速度を上回ろうとするため、一方向クラッチF1が係合状態とされすなわちトルクを伝達し、結果的に遊星歯車装置17は一体回転させられる。遊星歯車装置17が一体回転させられる場合には、第1,第2ピニオンギヤP1,P2は公転こそするもののキャリアCAに対する第1,第2ピニオンギヤP1,P2の各相対回転すなわち第1,第2ピニオンギヤP1,P2の自転は発生しないため、第1,第2ピニオンギヤP1,P2がそれぞれ高回転となることが回避される。従って、エンジン12の回転停止状態における被牽引時には、一方向クラッチF1が係合状態とされて遊星歯車装置17は一体回転状態とされ、被牽引時の車速Vに関係なく、第1,第2ピニオンギヤP1,P2の各自転分の回転速度が上昇することが回避される。
一方、本実施例の前後進切換装置16において、エンジン12側からの入力により第1回転要素RE1が回転駆動されて前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1の何れかが係合される通常走行時には、図2の共線図からも明らかなように、第3回転要素RE3の回転速度が第1回転要素RE1の回転速度を超えることはない。従って、前後進切換装置16に上述した一方向クラッチF1が備えられても上記通常走行時には一方向クラッチF1が空転状態とされる。
尚、第1,第2,第3回転要素RE1,RE2,RE3の回転速度の相対関係は直線L上で表されるので、上述した一方向クラッチF1の作動説明における第3回転要素RE3と第1回転要素RE1との回転速度の対比は、第3回転要素RE3と第2回転要素RE2との回転速度の対比や第2回転要素RE2と第1回転要素RE1との回転速度の対比に置き換えることができる。
図2に示す一方向クラッチF1は、上述した機能を有する一方向クラッチF1の一例である。また、図7は、前進方向への被牽引時に駆動輪24側からの入力があった場合の前後進切換装置16における共線図を示している。尚、図7の破線L3は一方向クラッチF1が備えられていない場合の一例を示している。図2に示すように、一方向クラッチF1は、第2回転要素(リングギヤR)と第3回転要素(キャリヤCA)との間において遊星歯車装置17に作動的に連結されると共に、キャリヤCAの回転速度がリングギヤRの回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、キャリヤCAの回転速度がリングギヤRの回転速度を超えない場合には空転状態とされる。つまり、一方向クラッチF1は、キャリヤCAの回転速度がリングギヤRの回転速度よりも高い場合にキャリヤCA側からリングギヤR側にトルクを伝達し、反対に低い場合には空転する。
このように構成された前後進切換装置16において、エンジン12の回転停止状態における前進方向への被牽引時には、図7の破線L3に示すようにサンギヤSの回転停止状態にて回転駆動されるキャリヤCAの回転速度がリングギヤRの回転速度を上回ろうとするが、一方向クラッチF1が係合状態とされることから遊星歯車装置17は一体回転させられる。そして、図7の実線L4に示すように、第1,第2ピニオンギヤP1,P2は公転こそするものの自転は発生しないため、第1,第2ピニオンギヤP1,P2がそれぞれ高回転となることが回避される。一方、エンジン12側からの入力によりサンギヤSが回転駆動されるときに前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1の何れかが係合される場合には、キャリヤCAの回転速度がリングギヤRの回転速度を超えることはないので、上記通常走行時には一方向クラッチF1は空転状態とされる。
上述のように、本実施例によれば、サンギヤSと、キャリヤCAと、第1,第2ピニオンギヤP1,P2を介してサンギヤSと噛み合うリングギヤRとの3つの回転要素を有する遊星歯車装置17を備える前後進切換装置16において、第1,第2,第3回転要素RE1、RE2,RE3のうちの何れか2つの回転要素の間において遊星歯車装置17に作動的に連結されると共に、第3回転要素RE3の回転速度が第1回転要素RE1の回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、第3回転要素RE3の回転速度が第1回転要素RE1の回転速度を超えない場合には空転状態とされる一方向クラッチF1が備えられる。例えば、一方向クラッチF1は、第2回転要素(リングギヤR)と第3回転要素(キャリヤCA)との間において遊星歯車装置17に作動的に連結されると共に、キャリヤCAの回転速度がリングギヤRの回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、キャリヤCAの回転速度がリングギヤRの回転速度を超えない場合には空転状態とされる。従って、エンジン12の回転停止状態における被牽引時には、一方向クラッチF1が係合状態とされて遊星歯車装置17は一体回転状態とされ、被牽引時の車速Vに関係なく、第1,第2ピニオンギヤP1,P2の各自転分の回転速度が上昇することが回避される。よって、被牽引時において、第1,第2ピニオンギヤP1,P2の耐久性を確保することができる。一方、本実施例の前後進切換装置16において、エンジン12側からの入力によりサンギヤSが回転駆動されて前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1の何れかが係合される通常走行時には、一方向クラッチF1が空転状態とされて一方向クラッチF1は前後進切換装置16の機能に影響を与えないので、前後進切換装置16としての機能が適切に作動させられる。
また、本実施例によれば、遊星歯車装置17はダブルピニオン型の遊星歯車装置であり、第1回転要素RE1はサンギヤSであり、第2回転要素RE2はリングギヤRであり、第3回転要素RE3はキャリヤCAである。このようにすれば、エンジン12の回転停止状態にてすなわちサンギヤSの回転停止状態にて駆動輪24側から遊星歯車装置17のキャリヤCAが回転駆動される場合には、必ずキャリヤCAの回転速度がサンギヤSの回転速度を上回ろうとするため、一方向クラッチF1が係合状態とされて遊星歯車装置17は一体回転させられる。一方、エンジン12側から遊星歯車装置17のサンギヤSが回転駆動される場合には、キャリヤCAの回転方向をサンギヤSの回転方向に対して同じ方向と反対方向とに選択的に切り換える前後進切換装置16としての機能が適切に作動させられる。
また、本実施例によれば、リングギヤRをハウジング38に選択的に連結するブレーキB1と、サンギヤSとキャリヤCAとを選択的に連結するクラッチC1とを備え、ブレーキB1の係合且つクラッチC1の解放によりリングギヤRの回転が禁止されてエンジン12と反対方向の回転にて動力が駆動輪24側へ伝達される後進用動力伝達経路が成立させられる一方で、クラッチC1の係合且つブレーキB1の解放により遊星歯車装置17は一体回転状態とされてエンジン12と同じ方向の回転にて動力が駆動輪24側へ伝達される前進用動力伝達経路が成立させられる。このようにすれば、3つの回転要素を有する遊星歯車装置17とブレーキB1とクラッチC1とを備える前後進切換装置16において、エンジン12側からサンギヤSが回転駆動されるときに、後進用動力伝達経路が成立させられる場合にはサンギヤSと反対方向の回転にてキャリヤCAが回転駆動されるため、一方向クラッチF1は空転状態とされる。また、前進用動力伝達経路が成立させられて第1,第2,第3回転要素RE1、RE2,RE3が一体回転させられる場合には、サンギヤSと同じ方向及び同じ回転速度にてキャリヤCAが回転駆動されるため、一方向クラッチF1は空転状態とされる。このように、エンジン12側から遊星歯車装置17の第1回転要素RE1が回転駆動される場合には、前進用動力伝達経路と後進用動力伝達経路とを選択的に切り換える前後進切換装置16としての機能が適切に作動させられる。
また、本実施例によれば、第3回転要素RE3は無段変速機18を介して駆動輪24に連結されるものであり、エンジン12により回転駆動されて無段変速機18の変速作動を実行する為の元圧となる作動油圧を発生するオイルポンプ28により前後進切換装置16へ潤滑油が供給される。このようにすれば、無段変速機18を備える実用的な車両用動力伝達装置10において、エンジン12の回転停止状態における被牽引時には、一方向クラッチF1が係合状態とされて遊星歯車装置17は一体回転状態とされ、被牽引時の車速Vに関係なく、第1,第2ピニオンギヤP1,P2の自転分の回転速度が上昇することが回避される。よって、エンジン12が回転停止状態とされてオイルポンプ28による作動油圧を元圧とした潤滑油が強制的に供給されないときの被牽引時において、第1,第2ピニオンギヤP1,P2の耐久性を確保することができる。また、エンジン12側から遊星歯車装置17が回転駆動される場合には、前後進切換装置16が適切に作動させられる。
また、本実施例によれば、無段変速機18を備える実用的な車両用動力伝達装置10において、エンジン12が回転停止状態とされてオイルポンプ28による作動油圧を元圧とした潤滑油が強制的に供給されないときの被牽引時には、第1,第2ピニオンギヤP1,P2の耐久性を適切に確保することができる。また、エンジン12側から遊星歯車装置17が回転駆動される場合には、前後進切換装置16が適切に作動させられる。
次に、本発明の他の実施例を説明する。尚、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
前述の実施例では、一方向クラッチF1は、第2回転要素(リングギヤR)と第3回転要素(キャリヤCA)との間において遊星歯車装置17に作動的に連結されていたが、本実施例では、図8の前後進切換装置90に示すように、一方向クラッチF1は、第1回転要素(サンギヤS)と第2回転要素(リングギヤR)との間において遊星歯車装置17に作動的に連結されている。そして、一方向クラッチF1は、リングギヤRの回転速度がサンギヤSの回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、リングギヤRの回転速度がサンギヤSの回転速度を超えない場合には空転状態とされる。つまり、一方向クラッチF1は、リングギヤRの回転速度がサンギヤSの回転速度よりも高い場合にリングギヤR側からサンギヤS側にトルクを伝達し、反対に低い場合には空転する。
このように構成された前後進切換装置90において、エンジン12の回転停止状態における前進方向への被牽引時には、キャリヤCAが回転駆動されることに伴って上昇させられるリングギヤRの回転速度が回転停止状態にあるサンギヤSの回転速度を上回ろうとするが、一方向クラッチF1が係合状態とされることから遊星歯車装置17は一体回転させられる。そして、前述の実施例と同様に、第1,第2ピニオンギヤP1,P2は公転こそするものの自転は発生しないため、第1,第2ピニオンギヤP1,P2がそれぞれ高回転となることが回避される。一方、エンジン12側からの入力によりサンギヤSが回転駆動されるときに前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1の何れかが係合される場合には、リングギヤRの回転速度がサンギヤSの回転速度を超えることはないので、上記通常走行時には一方向クラッチF1は空転状態とされる。
上述のように、本実施例によれば、前述の実施例と同様の効果が得られる。また、一方向クラッチF1は、第1回転要素(サンギヤS)と第2回転要素(リングギヤR)との間において遊星歯車装置17に作動的に連結されると共に、リングギヤRの回転速度がサンギヤSの回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、リングギヤRの回転速度がサンギヤSの回転速度を超えない場合には空転状態とされる。従って、前述の実施例と同様に、エンジン12の回転停止状態における被牽引時には、一方向クラッチF1が係合状態とされて遊星歯車装置17は一体回転状態とされ、被牽引時の車速Vに関係なく、第1,第2ピニオンギヤP1,P2の各自転分の回転速度が上昇することが回避される。よって、被牽引時において、第1,第2ピニオンギヤP1,P2の耐久性を確保することができる。一方、本実施例の前後進切換装置90において、エンジン12側からの入力によりサンギヤSが回転駆動されて前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1の何れかが係合される通常走行時には、一方向クラッチF1が空転状態とされて一方向クラッチF1は前後進切換装置90の機能に影響を与えないので、前後進切換装置90としての機能が適切に作動させられる。
前述の実施例では、一方向クラッチF1は、第2回転要素(リングギヤR)と第3回転要素(キャリヤCA)との間において遊星歯車装置17に作動的に連結されていたが、本実施例では、図9の前後進切換装置92に示すように、一方向クラッチF1は、第1回転要素(サンギヤS)と第3回転要素(キャリヤCA)との間において遊星歯車装置17に作動的に連結されている。そして、一方向クラッチF1は、キャリヤCAの回転速度がサンギヤSの回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、キャリヤCAの回転速度がサンギヤSの回転速度を超えない場合には空転状態とされる。つまり、一方向クラッチF1は、キャリヤCAの回転速度がサンギヤSの回転速度よりも高い場合にキャリヤCA側からサンギヤS側にトルクを伝達し、反対に低い場合には空転する。
このように構成された前後進切換装置92において、エンジン12の回転停止状態における前進方向への被牽引時には、回転駆動されるキャリヤCAの回転速度が回転停止状態にあるサンギヤSの回転速度を上回ろうとするが、一方向クラッチF1が係合状態とされることから遊星歯車装置17は一体回転させられる。そして、前述の実施例と同様に、第1,第2ピニオンギヤP1,P2は公転こそするものの自転は発生しないため、第1,第2ピニオンギヤP1,P2がそれぞれ高回転となることが回避される。一方、エンジン12側からの入力によりサンギヤSが回転駆動されるときに前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1の何れかが係合される場合には、キャリヤCAの回転速度がサンギヤSの回転速度を超えることはないので、上記通常走行時には一方向クラッチF1は空転状態とされる。
上述のように、本実施例によれば、前述の実施例と同様の効果が得られる。また、一方向クラッチF1は、第1回転要素(サンギヤS)と第3回転要素(キャリヤCAが)との間において遊星歯車装置17に作動的に連結されると共に、キャリヤCAの回転速度がサンギヤSの回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、キャリヤCAの回転速度がサンギヤSの回転速度を超えない場合には空転状態とされる。従って、前述の実施例と同様に、エンジン12の回転停止状態における被牽引時には、一方向クラッチF1が係合状態とされて遊星歯車装置17は一体回転状態とされ、被牽引時の車速Vに関係なく、第1,第2ピニオンギヤP1,P2の各自転分の回転速度が上昇することが回避される。よって、被牽引時において、第1,第2ピニオンギヤP1,P2の耐久性を確保することができる。一方、本実施例の前後進切換装置92において、エンジン12側からの入力によりサンギヤSが回転駆動されて前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1の何れかが係合される通常走行時には、一方向クラッチF1が空転状態とされて一方向クラッチF1は前後進切換装置90の機能に影響を与えないので、前後進切換装置90としての機能が適切に作動させられる。
前述の実施例では、前後進切換装置16,90,92はそれぞれダブルピニオン型の遊星歯車装置17を備えるものであったが、本実施例の前後進切換装置94はシングルピニオン型の遊星歯車装置96を備えている。図10は、シングルピニオン型の遊星歯車装置96を備える前後進切換装置94の一例を示す骨子図である。また、図11は、前後進切換装置94における共線図を示している。
前後進切換装置94は、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1と所定のギヤ比ρを有する遊星歯車装置96とを主体として構成されている。この遊星歯車装置96は、サンギヤS、ピニオンギヤP、そのピニオンギヤPを自転及び公転可能に支持するキャリヤCA、ピニオンギヤPを介してサンギヤSと噛み合うリングギヤRを回転要素(要素)として備えている。この前後進切換装置94においては、サンギヤSはトルクコンバータ14のタービン軸34に一体的に連結され、すなわちサンギヤSはエンジン12に動力伝達可能に連結され、リングギヤRは無段変速機18の入力軸36に一体的に連結され、すなわちリングギヤRは駆動輪24に動力伝達可能に連結されている。また、リングギヤRとサンギヤSとは前進用クラッチC1を介して選択的に連結され、キャリアCAは後進用ブレーキB1を介して非回転部材としてのハウジング38に選択的に固定されるようになっている。
このように構成された前後進切換装置94では、前進用クラッチC1が係合されると共に後進用ブレーキB1が解放されると、前後進切換装置94は一体回転状態とされることによりタービン軸34が入力軸36に直結され、前進用動力伝達経路が成立(達成)させられて、前進方向の動力が無段変速機18側へ伝達される。また、後進用ブレーキB1が係合されると共に前進用クラッチC1が解放されると、前後進切換装置94は後進用動力伝達経路が成立(達成)させられて、入力軸36はタービン軸34に対して逆方向へ回転させられるようになり、後進方向の動力が無段変速機18側へ伝達される。また、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1が共に解放されると、前後進切換装置94は動力伝達を遮断するニュートラル状態(動力伝達遮断状態)とされる。
図11において、遊星歯車装置96の3つの回転要素に対応する3本の縦線Y1、Y2、Y3は、左側から順に第1回転要素(第1要素)RE1に対応するサンギヤS、第2回転要素(第2要素)RE2に対応するキャリヤCA、第3回転要素(第3要素)RE3に対応するリングギヤRの相対回転速度を示している。また、遊星歯車装置96の他の回転要素に対応する縦線YPは、ピニオンギヤPの相対回転速度を示している。この図11の共線図を用いて表現すれば、本実施例の前後進切換装置94は、第1回転要素RE1(サンギヤS)はトルクコンバータ14を介してエンジン12に動力伝達可能に連結され、第3回転要素RE3(リングギヤR)は無段変速機18を介して駆動輪24に動力伝達可能に連結されている。また、第2回転要素RE2(キャリヤCA)は後進用ブレーキB1を介してハウジング38に選択的に連結され、第1回転要素RE1と第3回転要素RE3とは前進用クラッチC1を介して選択的に連結されている。そして、直線L2に示すように、後進用ブレーキB1の係合且つ前進用クラッチC1の解放により第2回転要素RE2の回転が禁止されて、第3回転要素RE3は第1回転要素RE1の回転方向とは反対方向に回転させられる。これにより、前後進切換装置94では、エンジン12と反対方向の回転にて動力が駆動輪24側へ伝達される後進用動力伝達経路「R」が成立させられる。一方で、直線L1に示すように、前進用クラッチC1の係合且つ後進用ブレーキB1の解放により第1,第2,第3回転要素RE1、RE2,RE3が一体回転させられて、すなわち遊星歯車装置96は一体回転状態とされて、第3回転要素RE3は第1回転要素RE1の回転と同じ方向及び同じ回転速度にて回転させられる。これにより、前後進切換装置94では、エンジン12と同じ方向の回転にて動力が駆動輪24側へ伝達される前進用動力伝達経路「D」が成立させられる。このように、前後進切換装置94は、エンジン12側の回転をそのままの回転方向で或いは反対の回転方向にて無段変速機18側(駆動輪24側)へ伝達する機能を有している。
更に、前後進切換装置94には、第2回転要素(キャリヤCA)と第3回転要素(リングギヤR)との間において遊星歯車装置96に作動的に連結されると共に、リングギヤRの回転速度がキャリヤCAの回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、リングギヤRの回転速度がキャリヤCAの回転速度を超えない場合には空転状態とされる一方向クラッチF1が備えられている。つまり、一方向クラッチF1は、リングギヤRの回転速度がキャリヤCAの回転速度よりも高い場合にリングギヤR側からキャリヤCA側にトルクを伝達し、反対に低い場合には空転する。
このように構成された前後進切換装置94において、エンジン12の回転停止状態における前進方向への被牽引時には、サンギヤSの回転停止状態にて回転駆動されるリングギヤRの回転速度がキャリヤCAの回転速度を上回ろうとするが、一方向クラッチF1が係合状態とされることから遊星歯車装置96は一体回転させられる。従って、被牽引時の車速Vに関係なく、ピニオンギヤPは公転こそするものの自転は発生しないため、ピニオンギヤPが高回転となることが回避される。よって、被牽引時において、ピニオンギヤPの耐久性を確保することができる。一方、エンジン12側からの入力によりサンギヤSが回転駆動されるときに前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1の何れかが係合される場合には、リングギヤRの回転速度がキャリヤCAの回転速度を超えることはないので、上記通常走行時には一方向クラッチF1は空転状態とされる。よって、上記通常走行時には、一方向クラッチF1は前後進切換装置16の機能に影響を与えないので、前後進切換装置16としての機能が適切に作動させられる。
上述のように、本実施例によれば、前述の実施例と同様の効果が得られる。また、本実施例では、一方向クラッチF1は第2回転要素(キャリヤCA)と第3回転要素(リングギヤR)との間において遊星歯車装置96に作動的に連結されるものであったが、前述の実施例と同様に、第1回転要素(サンギヤS)と第2回転要素(キャリヤCA)との間において遊星歯車装置96に作動的に連結されるものであったり、第1回転要素(サンギヤS)と第3回転要素(リングギヤR)との間において遊星歯車装置96に作動的に連結されるものであっても良い。このようにしても、前述の実施例と同様の効果が得られることは言うまでもない。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は実施例相互を組み合わせて実施可能であると共にその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、前進用クラッチC1は、第1回転要素RE1と第3回転要素RE3とを選択的に連結するものであったが、これに限らず例えば第1,第2,第3回転要素RE1、RE2,RE3のうちの少なくとも2つの回転要素を選択的に連結するものであれば良い。つまり、前記第1、第2、第3回転要素が一体回転させられるものすなわち遊星歯車装置17,96が一体回転させられるものであれば良い。
また、前述の実施例では、直接的にプライマリ側油圧シリンダ42cへのプライマリ圧Pinを制御したが、プライマリ側油圧シリンダ42cへの作動油の流量制御により結果的に生じるようにプライマリ圧Pinを制御しても良い。
また、前述の実施例における入力軸回転速度NINやそれに関連する目標入力軸回転速度NIN などは、それら入力軸回転速度NINなどに替えて、エンジン回転速度Nやそれに関連する目標エンジン回転速度N など、タービン回転速度Nやそれに関連する目標タービン回転速度N など、変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT)やそれに関連する目標変速比γなど、変速比γを制御するための変数例えばプライマリ側油圧シリンダ42cへの作動油の供給排出流量やプライマリ圧Pinやそれらに関連する目標値など、シーブ位置やそれに関連する目標シーブ位置などであっても良い。従って、入力軸回転速度センサ56等の回転速度センサは、制御する必要がある回転速度に合わせて適宜備えられれば良い。尚、上記シーブ位置は、例えば変速比γが1であるときの可動回転体42bの位置を基準位置すなわちシーブ位置が零として、軸と平行方向におけるその基準位置からの可動回転体42bの絶対位置を表すものである。
また、前述の実施例において、流体式伝動装置としてロックアップクラッチ26が備えられているトルクコンバータ14が用いられていたが、ロックアップクラッチ26は必ずしも設けられなくてもよく、またトルクコンバータ14に替えて、トルク増幅作用のない流体継手(フルードカップリング)などの他の流体式動力伝達装置が用いられてもよい。
また、前述した複数の実施例はそれぞれ、例えば優先順位を設けるなどして、相互に組み合わせて実施することができる。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
12:エンジン(駆動力源)
16,90,92,94:車両用前後進切換装置
17:ダブルピニオン型の遊星歯車装置
18:ベルト式無段変速機(自動変速機)
24:駆動輪
28:オイルポンプ
38:ハウジング(非回転部材)
42:入力側可変プーリ
46:出力側可変プーリ
48:伝動ベルト
96:シングルピニオン型の遊星歯車装置
S:サンギヤ
CA:キャリヤ
R:リングギヤ
P1,P2:第1,第2ピニオンギヤ
RE1、RE2,RE3:第1,第2,第3回転要素
B1:後進用ブレーキ
C1:前進用クラッチ
F1:一方向クラッチ

Claims (9)

  1. サンギヤと、ピニオンギヤを自転及び公転可能に支持するキャリヤと、前記ピニオンギヤを介して前記サンギヤと噛み合うリングギヤとの3つの回転要素を有する遊星歯車装置を備え、第1回転要素は駆動力源に動力伝達可能に連結され、第3回転要素は駆動輪に動力伝達可能に連結されると共に、第2回転要素の回転が禁止されることにより前記第3回転要素は前記第1回転要素の回転方向とは反対方向に回転させられ、前記第1、第2、第3回転要素が一体回転させられることにより前記第3回転要素は前記第1回転要素の回転方向と同じ方向に回転させられる車両用前後進切換装置であって、
    前記第1、第2、第3回転要素のうちの何れか2つの回転要素の間において前記遊星歯車装置に作動的に連結されると共に、前記第3回転要素の回転速度が前記第1回転要素の回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、前記第3回転要素の回転速度が前記第1回転要素の回転速度を超えない場合には空転状態とされる一方向クラッチを備えることを特徴とする車両用前後進切換装置。
  2. 前記遊星歯車装置はダブルピニオン型の遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は前記サンギヤであり、前記第2回転要素は前記リングギヤであり、前記第3回転要素は前記キャリヤであることを特徴とする請求項1に記載の車両用前後進切換装置。
  3. 前記遊星歯車装置はシングルピニオン型の遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は前記サンギヤであり、前記第2回転要素は前記キャリヤであり、前記第3回転要素は前記リングギヤであることを特徴とする請求項1に記載の車両用前後進切換装置。
  4. 前記第2回転要素を非回転部材に選択的に連結するブレーキと、前記第1、第2、第3回転要素のうちの少なくとも2つの回転要素を選択的に連結するクラッチとを備え、
    前記ブレーキの係合且つ前記クラッチの解放により前記第2回転要素の回転が禁止されて前記駆動力源と反対方向の回転にて動力が前記駆動輪側へ伝達される後進用動力伝達経路が成立させられる一方で、前記クラッチの係合且つ前記ブレーキの解放により前記遊星歯車装置は一体回転状態とされて前記駆動力源と同じ方向の回転にて動力が前記駆動輪側へ伝達される前進用動力伝達経路が成立させられることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両用前後進切換装置。
  5. 前記一方向クラッチは、前記第2回転要素と前記第3回転要素との間において前記遊星歯車装置に作動的に連結されると共に、前記第3回転要素の回転速度が前記第2回転要素の回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、前記第3回転要素の回転速度が前記第2回転要素の回転速度を超えない場合には空転状態とされることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両用前後進切換装置。
  6. 前記一方向クラッチは、前記第1回転要素と前記第2回転要素との間において前記遊星歯車装置に作動的に連結されると共に、前記第2回転要素の回転速度が前記第1回転要素の回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、前記第2回転要素の回転速度が前記第1回転要素の回転速度を超えない場合には空転状態とされることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両用前後進切換装置。
  7. 前記一方向クラッチは、前記第1回転要素と前記第3回転要素との間において前記遊星歯車装置に作動的に連結されると共に、前記第3回転要素の回転速度が前記第1回転要素の回転速度を超える場合に係合状態とされる一方で、前記第3回転要素の回転速度が前記第1回転要素の回転速度を超えない場合には空転状態とされることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両用前後進切換装置。
  8. 前記第3回転要素は自動変速機を介して前記駆動輪に連結されるものであり、
    前記駆動力源により回転駆動されて前記自動変速機の変速作動を実行する為の元圧となる作動油圧を発生するオイルポンプにより潤滑油が供給されることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の車両用前後進切換装置。
  9. 前記自動変速機は、有効径が可変の一対の可変プーリと、それら一対の可変プーリの間に巻き掛けられた伝動ベルトとを有し、それら一対の可変プーリの有効径が相反的に変化させられることによって変速比を無段階に変化させることが可能なベルト式無段変速機であることを特徴とする請求項8に記載の車両用前後進切換装置。
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