JP2010274799A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動性能、制動性能およびコーナリング性能に優れ、操縦安定性能を向上した空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ビード部2、カーカス12並びにビードフィラー9を具え、ベルト11およびトレッド7を配置し、サイド部10を具えた空気入りタイヤ1であって、サイド部10に、ベルト11の幅方向端とビードフィラー9のタイヤ径方向最外側端16とに跨る複数本のコード14のゴム引き布から成るサイド補強層8を具え、前記サイド補強層8の各コード14は、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14との交点における該円周Oの法線nに対して傾斜しており、該傾斜の向きは、タイヤの両サイド部10間において同一である。
【選択図】図2
【解決手段】ビード部2、カーカス12並びにビードフィラー9を具え、ベルト11およびトレッド7を配置し、サイド部10を具えた空気入りタイヤ1であって、サイド部10に、ベルト11の幅方向端とビードフィラー9のタイヤ径方向最外側端16とに跨る複数本のコード14のゴム引き布から成るサイド補強層8を具え、前記サイド補強層8の各コード14は、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14との交点における該円周Oの法線nに対して傾斜しており、該傾斜の向きは、タイヤの両サイド部10間において同一である。
【選択図】図2
Description
本発明は、タイヤ、特に、駆動性能、制動性能およびコーナリング性能に優れ、操縦安定性能を向上した空気入りタイヤに関するものである。
車両がコーナリングをする際、ハンドル操作により舵角を与えられた空気入りタイヤは、車両の進行方向と空気入りタイヤの向きとの間に角度差、いわゆるスリップアングル(SA)を生じ、横力を発生させる。車両は、空気入りタイヤが発生させるこの横力により、モーメントを受けて方向転換することができる。尚、図1は、車両コーナリング時の空気入りタイヤの転動の様子を示す斜視図である。
通常、小スリップアングルの領域においては、横力はこのスリップアングルの大きさに比例する。そのため、車両のコーナリング性能を向上させる方法として、タイヤのトレッド部にあるベルトの面内せん断剛性を増大させ、ベルトの面内曲げ変形を抑制する方法や、タイヤのサイド部にサイド補強層を配することにより、サイド部の剛性を増大させてタイヤのコーナリング時の姿勢を安定させる方法が知られている。
しかし、上記のようにしてベルトやサイド部の剛性を増大させるのみでは、タイヤのたわみ変形までも抑制して接地面積を減少させてしまい、特に、タイヤの駆動性能などを損ねる場合がある。これに対し、サイド補強層の材質、角度および高さを工夫するなどしてコーナリング性能と駆動性能とのバランスを試みる発明が多く見られるものの、従来ある技術では、これらの性能を両立できているとは言い難い。
一方、タイヤの接地面積を拡大させることを所期してサイド部の剛性を低下させると、コーナリング性能が低下するとともに、車両のブレーキング時における前後の荷重移動に対して、特に前輪が大きく沈み込んでしまい、車両が非常に不安定になる。また、その際、後輪側の摩擦力が大きく減少するため、制動性能が低下してしまう。即ち、駆動性能、制動性能およびコーナリング性能の全てにおいてバランス良く優れた空気入りタイヤを提供することは、従来の技術では困難である。
尚、特許文献1では、駆動性能および制動性能の向上を図り、車両の駆動輪と非駆動輪とによって、サイド部に配するサイド補強層のコードの傾斜角度を異なるものとした発明が提案されているが、上記発明では、通常のタイヤに比して、さほどの大きな性能の向上が見られない。また、特に、コーナリング特性の向上を達成するためには、より詳細な工夫が必要である。
従って、本発明は、上記課題に鑑み、駆動性能、制動性能およびコーナリング性能に優れ、操縦安定性能に優れた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
尚、本明細書に記載する「駆動性能」、「制動性能」および「コーナリング性能」とは、それぞれ車両の駆動時、制動時およびコーナリング時において、運転者が感じる車両の安定性についてのタイヤの性能を言い、本明細書に記載する「操縦安定性能」とは、上記性能を総合して見たタイヤの性能を言う。
発明者らは、駆動性能を十分に確保しつつ制動性能およびコーナリング性能を向上させる方途について鋭意検討したところ、複数本のコードのゴム引き布から成るサイド補強層を、タイヤのサイド部に適切に配置することによって、上記性能をバランス良く向上できることを知見し、本発明を完成するに到った。
即ち、上記課題を満たす本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格とし、該ビード部にビードコアからタイヤ径方向外側に延びるビードフィラーを具え、該カーカスのクラウン部の径方向外側にベルトおよびトレッドを順に配置し、該トレッドと該ビード部との間にサイド部を具えた空気入りタイヤであって、
前記サイド部に、前記ベルトの幅方向端と前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端とに跨る複数本のコードのゴム引き布から成るサイド補強層を具え、
前記サイド補強層の各コードは、タイヤの回転軸を中心とする円周と該コードとの交点における該円周の法線に対して傾斜しており、該傾斜の向きは、タイヤの両サイド部間において同一であることを特徴とした空気入りタイヤ。
(1)一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格とし、該ビード部にビードコアからタイヤ径方向外側に延びるビードフィラーを具え、該カーカスのクラウン部の径方向外側にベルトおよびトレッドを順に配置し、該トレッドと該ビード部との間にサイド部を具えた空気入りタイヤであって、
前記サイド部に、前記ベルトの幅方向端と前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端とに跨る複数本のコードのゴム引き布から成るサイド補強層を具え、
前記サイド補強層の各コードは、タイヤの回転軸を中心とする円周と該コードとの交点における該円周の法線に対して傾斜しており、該傾斜の向きは、タイヤの両サイド部間において同一であることを特徴とした空気入りタイヤ。
ここで、「前記ベルトの幅方向端と前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端とに跨る」とは、当該サイド補強層のタイヤ径方向最外側端が、前記ベルトの幅方向端よりもタイヤ幅方向内側に位置し、且つ、当該サイド補強層のタイヤ径方向最内側端が、前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端よりもタイヤ径方向内側に位置している状態を言う。
また、前記コードの傾斜の向きが「タイヤの両サイド部間において同一である」とは、両サイド部に配した補強層のコードの向きが、タイヤを転動させた際のタイヤの回転方向に対して同一であることを言う。その際、コードの前記法線に対する傾斜角の大きさは、タイヤの両補強層間で異なっていても良い。
(2)前記サイド補強層のタイヤ径方向最外側端と前記ベルトの幅方向端とのタイヤ幅方向距離は、5mm以内である、上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)前記サイド補強層のタイヤ径方向最内側端と前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端とのタイヤ径方向距離は、5mm以上である、上記(1)または(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)前記サイド補強層のコードの前記法線に対する傾斜角は、10〜70°である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(5)前記サイド補強層のコードの前記法線に対する傾斜角は、30〜60°である、上記(4)に記載の空気入りタイヤ。
(6)前記サイド補強層は、有機繊維から成るコードを有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(7)前記サイド補強層は、カーボン繊維から成るコードを有する上記(6)に記載の空気入りタイヤ。
(8)前記サイド補強層は、芳香族ポリアミドから成るコードを有する上記(6)に記載の空気入りタイヤ。
(9)前記サイド補強層は、ガラス繊維から成るコードを有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(10)前記カーカスは、熱収縮性を持った材料から成るコードを有する上記(1)〜(9)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の空気入りタイヤを、車両の前輪に装着するにあたり、前記サイド補強層の各コードが、タイヤの回転軸を中心とする円周と該コードとの交点における該円周の法線の、該円周外側の部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向に傾斜するよう装着する装着方法。
(12)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の空気入りタイヤをさらに、車両の後輪に装着するにあたり、前記サイド補強層の各コードが、前記法線に対して、車両前進時のタイヤ回転方向と反対の方向に傾斜するよう装着する、上記(11)に記載の装着方法。
本発明により、駆動性能、制動性能およびコーナリング性能をバランス良く向上し、操縦安定性能に優れた空気入りタイヤを提供することが可能である。
以下、図面を参照にして本発明を詳細に説明する。
図2は、本発明による空気入りタイヤの一実施形態の幅方向断面図である。図2に示す空気入りタイヤ1は、一対のビード部2間にトロイダル状に跨るカーカス12を骨格とし、ビード部2のビードコア3からタイヤ径方向外側に延びるビードフィラー9を具え、カーカス12のクラウン部の径方向外側にベルト11およびトレッド7を順に配置し、トレッド7とビード部2との間にサイド部10を具える。
図2は、本発明による空気入りタイヤの一実施形態の幅方向断面図である。図2に示す空気入りタイヤ1は、一対のビード部2間にトロイダル状に跨るカーカス12を骨格とし、ビード部2のビードコア3からタイヤ径方向外側に延びるビードフィラー9を具え、カーカス12のクラウン部の径方向外側にベルト11およびトレッド7を順に配置し、トレッド7とビード部2との間にサイド部10を具える。
尚、図示例では、前記カーカス12はラジアル、即ちタイヤの赤道Cに直交する複数のプライコードを持った2層のカーカス層4aおよび4bから成る。また、図示例では、前記ベルト11は、傾斜ベルト層5aおよび5bを有し、傾斜ベルト層5aおよび5bのタイヤ径方向外側にスパイラル補強層6を配置して成る。傾斜ベルト層5aおよび5bは、互いのプライコードがタイヤの赤道面Cに対して対象な傾斜角度となるよう積層配置される。スパイラル補強層6は、相互に平行に引き揃えた有機繊維コードを一体的にゴム被覆してなるリボン状ストリップを螺旋巻回することにより成型される。
ここで、本発明による空気入りタイヤ1は、前記サイド部10に、前記ベルト11の幅方向端15と前記ビードフィラー9のタイヤ径方向最外側端16とに跨る複数本のコード14のゴム引き布から成るサイド補強層8を具えており、サイド補強層8の各コード14は、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14との交点における該円周Oの法線nに対して傾斜しており、該傾斜の向きは、タイヤの両サイド部間において同一であることが肝要である。
尚、「前記ベルト11の幅方向端15と前記ビードフィラー9のタイヤ径方向最外側端16とに跨る」とは、図示例のように、当該サイド補強層8のタイヤ径方向最外側端17が、ベルト11の幅方向端15よりもタイヤ幅方向内側に位置し、且つ、当該サイド補強層8のタイヤ径方向最内側端18が、ビードフィラー9のタイヤ径方向最外側端16よりもタイヤ幅方向内側に位置している状態を言う。
また、前記コード14の傾斜の向きが「タイヤの両サイド部10間において同一である」とは、両サイド部10に配した補強層8のコード14の向きが、タイヤを転動させた際のタイヤの回転方向に対して同一であることを言う。その際、コード14の前記法線nに対する傾斜角θの大きさは、タイヤの両補強層8間で異なっていても良い。
以上に、本発明に必要なタイヤの構造について記載した。以下、本発明による空気入りタイヤ1を車両に装着する際の装着方法について説明する。図3は、本発明による好適な装着方法にて車両に装着した際の、本発明による空気入りタイヤ1の転動を示す側面図である。
図示例では、車両の前輪に、タイヤのサイド補強層8の各コード14が、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14との交点における該円周Oの法線nの、該円周外側部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向に傾斜するよう、本発明による空気入りタイヤ1を装着している。
また、図示例では、車両の後輪に、タイヤのサイド補強層8の各コード14が、前記法線nの前記円周Oの外側部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向と反対の方向に傾斜するよう、本発明による空気入りタイヤ1を装着している。即ち、後輪に装着した空気入りタイヤ1のコード14は、前輪に装着した空気入りタイヤ1のコード14に対して反対方向に傾斜している。
ここで、本発明の空気入りタイヤ1を車両の前輪に装着するにあたり、図3のように、タイヤのサイド補強層8の各コード14が、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14との交点における該円周Oの法線nの、該円周外側の部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向に傾斜するよう装着することが肝要である。
本発明の空気入りタイヤ1を上記装着方法によって車両前輪に装着することにより、車両の操縦安定性能を向上、具体的には、駆動性能、制動性能およびコーナリング性能を向上することが可能である。
上記装着方法により装着した場合、タイヤの補強層に配したコード14は、タイヤが路面から車両後方に向く摩擦力を受ける際、引張方向の力を受け、また、タイヤが路面から車両前方に向く摩擦力を受ける際、圧縮方向の力を受ける。通常、補強材として配置されたコード14は、引張方向の力に対して強い剛性を示す。そのため、コード14に引張方向の力が働く際、即ち、車両の制動時において、このコード14は、タイヤの変形を抑制するように作用する。これによって、従来の課題であった、車両制動時の前後の荷重移動による沈み込みを抑制することができ、制動時の車両を安定させることが可能である。
また一方、前記補強材として配置されたコード14は、圧縮方向に対してはほとんど剛性を発揮しない。そのため、上記方法により前輪に装着された本発明のタイヤは、車両の駆動時に適度にたわみ変形を生じる。このように、車両駆動時において、車両の前輪部は適度に変形して接地面積を確保することが好ましい。これによって、駆動時の車両を安定させることが可能である。
さらに、サイド補強層を配置したことによって、鉛直方向に対するサイド部の剛性が向上するため、車両コーナリング時のタイヤの姿勢が安定する。従って、本発明により、コーナリング時の車両を安定させることが可能である。
尚、前記のようにコード14が剛性を発揮し、上記の効果を奏するためには、先述の通り、前記サイド補強層8をベルト11の幅方向端部15とビードフィラー9のタイヤ径方向最外側端16とに跨るように配設することが、特に肝要であり、これによって駆動力や制動力をタイヤのホイールからトレッド部7まで確実に伝達することが可能である。仮に、従来のように、前記サイド補強層8が、ベルト11またはビードフィラー9のいずれか一方に届いてない場合、前記の駆動力や制動力は、剛性の小さくなる部分で吸収されてしまうため、十分な操縦安定性能を確保することができなくなる。
本発明においては、上記装着方法によって本発明による空気入りタイヤ1を車両前輪に装着した際、さらに、車両後輪には、本発明の空気入りタイヤ1を、図示例のように、タイヤのサイド補強層8の各コード14が、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14との交点における該円周Oの法線nの、該円周外側の部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向と反対の方向に傾斜するよう装着することが好ましい。即ち、車両後輪には、車両前輪に装着した空気入りタイヤ1のコード14の傾斜方向と反対になるよう、空気入りタイヤ1を装着することが好ましい。
車両の後輪は、駆動時において、路面から車両後方に向く大きな摩擦力を受けることが一般的である。従来は、後輪のタイヤが、この大きな摩擦力に対して十分な剛性を発揮しないために、駆動時の安定性を確保できないことが課題であった。この課題に対し、本発明の空気入りタイヤ1をさらに、サイド補強層8のコード14が本発明の装着方法で車両前輪に装着した空気入りタイヤのコード14の方向と反対となるよう、車両後輪に装着することによって、前記コード14が、駆動時に路面から受ける大きな摩擦力に対して剛性を発揮し、駆動時の安定性を確保することができる。従って、車両の操縦安定性能をさらに向上させることが可能である。
また、本発明では、前記サイド補強層8のタイヤ径方向最外側端17と前記ベルト11の幅方向端15とのタイヤ幅方向距離tは、5mm以内であることが好ましい。
サイド補強層8に配設したコードの傾斜角は、ベルト11におけるベルト層に配設したコードの傾斜角と異なっているため、両者の重なり合う部分の面積を大きくし過ぎると、タイヤのショルダ部に、サイド補強層8の面内せん断剛性による影響が生じる可能性がある。しかし、両者の重なり合う部分の面積を適度に小さく、具体的には、サイド補強層8のタイヤ径方向最外側端17と前記ベルト11の幅方向端15とのタイヤ幅方向距離を5mm以内とすることにより、その可能性を排除することができ、より安全に本発明の効果を得ることができる。
さらに、本発明では、前記サイド補強層8のタイヤ径方向最内側端18と前記ビードフィラー9のタイヤ径方向最外側端16とのタイヤ径方向距離sは、5mm以上であることが好ましい。
通常、空気入りタイヤのビード部2は比較的硬質のゴム素材によって構成される場合が多く、タイヤの転動による変形量が少ない。そのため、このビード部は、サイド補強層8の面内せん断剛性による影響を受けることは無い。一方、このサイド補強層8をよりビード部に深く重ねることにより、サイド補強層8とビード部2とがより強固に結合するため、ホイールからの駆動性能および制動性能をより高精度に伝達することができる。サイド補強層8とビードフィラー9との重なり幅sを5mm以上とすれば、サイド補強層8が十分強固にビード部2と結合する。そのため、本発明においては、重なり幅sは5mm以上であることが好ましい。
また、図示例では、タイヤのサイド補強層8の各コード14は、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14との交点における該円周Oの法線nに対して、車両前進時のタイヤ回転方向に角度θで傾斜している。
ここで、本発明においては、前記角度θは、であることが好ましく、より好ましくは、30°≦θ≦60°である。前記コード14は、角度θを10°≦θ≦70°とすることにより路面の摩擦力に対して効果的に剛性を発揮し、さらに、30°≦θ≦60°とすることにより最も効果的に剛性を発揮することができる。前記コード14が、路面の摩擦力に対して剛性を発揮することにより、車両の駆動時、制動時およびコーナリング時の車両をより安定させることが可能である。
加えてまた、本発明では、前記サイド補強層8は、有機繊維から成るコード14を有することが好ましく、より好ましくは、カーボン繊維または芳香族ポリアミドから成る、コード14を有する。
有機繊維、芳香族ポリアミドおよびガラス繊維から成るコードは、一般的に引張変形に対する弾性率が大きい。従って、上記材料から成るコード14をサイド補強層8に設けることによって、路面からの摩擦力に対するタイヤの剛性が、より優れたものとなる。また、上記材料は、圧縮変形に対しては弾性率がそれほど大きくなく柔軟であるため、走行に必要なタイヤの変形を阻害しにくい。そのため、他性能との両立に便利である。
また、本発明では、前記サイド補強層8は、ガラス繊維から成るコード14を有することが好ましい。ガラス繊維は、上記材料と同様に引張変形に対する弾性率が大きい。そのため、ガラス繊維から成るコード14をサイド補強層8に設けることによって、上記同様、路面からの摩擦力に対するタイヤの剛性を増大させることが可能である。
さらに、本発明では、前記カーカス12は、熱収縮性を持った材料から成るプライコードを有することが好ましい。熱収縮性を持った材料から成るプライコードをタイヤのカーカス12に設けることによって、車両の走行時の温度上昇に伴って前記プライコードが強度を増し、操縦安定性能を向上させるためである。
以下に、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
尚、図4は、比較例としての空気入りタイヤの幅方向断面図であり、図5は、従来例としての空気入りタイヤの幅方向断面図である。図4に示す空気入りタイヤ200は、ビードフィラー9のみに重なってベルト11に跨らないサイド補強層8をタイヤ両側に具えており、それ以外の構造は、図2に示した空気入りタイヤ1の構造と等しい。また、図5に示す空気入りタイヤ300は、サイド補強層を具えておらず、それ以外の構造は、図2に示した空気入りタイヤ1の構造と等しい。
尚、図4は、比較例としての空気入りタイヤの幅方向断面図であり、図5は、従来例としての空気入りタイヤの幅方向断面図である。図4に示す空気入りタイヤ200は、ビードフィラー9のみに重なってベルト11に跨らないサイド補強層8をタイヤ両側に具えており、それ以外の構造は、図2に示した空気入りタイヤ1の構造と等しい。また、図5に示す空気入りタイヤ300は、サイド補強層を具えておらず、それ以外の構造は、図2に示した空気入りタイヤ1の構造と等しい。
図2に示す構造に従い、タイヤサイズ245/45R18(タイヤの外径677mm、リム幅8.5インチ×リム径18インチ)とした乗用車用の高性能タイヤにつき、本発明による発明例タイヤ1〜9を製作した。また、同一サイズの乗用車用高性能タイヤにつき、図4に示す構造の比較例タイヤおよび図5に示す構造の従来例タイヤを製作した。その際、発明例タイヤおよび比較例タイヤの各タイヤについて、補強層に配するコードの角度、材質および補強層の幅を種々に変化させた。上記各タイヤの諸元を表1に示す。尚、比較例タイヤのサイド補強層8に配した各コード14の傾斜の向きは、タイヤの両サイド部10間において同一である。
ここで、表1に記載の発明例タイヤ11を除く上記各タイヤは、直径0.5mmのナイロンコードを有する2層のカーカス層4a,4bを具え、発明例タイヤ11においては、直径0.9mmのポリケトン繊維コードを有する2層のカーカス層4a,4bを具える。前記カーカス層4a,4bは、いずれもラジアル、即ち、赤道に対する傾斜角度が90度であり、ビードコア3を経由して折り返される。タイヤのクラウン部(トレッド部7)を補強する2枚の傾斜ベルト層5a,5bは、直径0.18mmのスチールを3本撚り合わせた、いわゆる1×3タイプのコードを、赤道方向に対して40°の角度で互いに交差させて配置したものである。コードの打ち込み間隔は、35本/50mmである。
トレッド幅TWは245mmであり、下層の傾斜ベルト層5aの幅は240mm、上層の傾斜ベルト層5bの幅は220mmである。この傾斜ベルト層5a,5bのタイヤ径方向外側にはスパイラル補強層6が配置されており、スパイラル補強層6は、直径0.7mmの撚った芳香族ポリアミド(商品名ケブラー)を、打ち込み間隔50本/50mmで配置している。前記ケブラーの撚り数は、30回/100mm(コードの長さ100mmの中に30回の撚りがあるとの意)である。スパイラル補強層6の幅は250mmであり、全層について1層で形成されている。また、スパイラル補強層6の製造は、ケブラーコードを平行に2本並べて未加硫ゴムで覆いストリップ状として、これをタイヤ成型時に傾斜ベルト層の上に巻きつけて製造した。尚、トレッド部7には、所定の溝が配置されている。
トレッド幅TWは245mmであり、下層の傾斜ベルト層5aの幅は240mm、上層の傾斜ベルト層5bの幅は220mmである。この傾斜ベルト層5a,5bのタイヤ径方向外側にはスパイラル補強層6が配置されており、スパイラル補強層6は、直径0.7mmの撚った芳香族ポリアミド(商品名ケブラー)を、打ち込み間隔50本/50mmで配置している。前記ケブラーの撚り数は、30回/100mm(コードの長さ100mmの中に30回の撚りがあるとの意)である。スパイラル補強層6の幅は250mmであり、全層について1層で形成されている。また、スパイラル補強層6の製造は、ケブラーコードを平行に2本並べて未加硫ゴムで覆いストリップ状として、これをタイヤ成型時に傾斜ベルト層の上に巻きつけて製造した。尚、トレッド部7には、所定の溝が配置されている。
尚、表1に示した「サイド補強層に用いたコードの角度θ」は、タイヤの回転軸を中心とする円周Oとコード14との交点における該円周Oの法線nに対しての、コード14の傾斜角であり、タイヤの両サイド部10間において同一であるものとする。
また、表1における「サイド補強層の材質」の欄の記載については、以下に詳細に示す通りである。
〈ナイロン〉
直径0.7mmのナイロンコードを打ち込み数55本/50mmで配置しており、ナイロンコードにおけるナイロン繊維撚り数は、50回/100mmである。
〈カーボン繊維〉
直径0.1mmのカーボン繊維のモノフィラメントを250本/50mmで配置している。
〈アラミド〉
直径0.9mmのアラミド繊維コードを打ち込み数35本/50mmで配置しており、アラミド繊維コードにおけるアラミド繊維撚り数は30回/100mmである。
〈ガラス繊維〉
直径0.1mmのガラス繊維のモノフィラメントを250本/50mmで配置している。
発明例タイヤ11におけるカーカスの材料としては、直径0.9mmのポリケトン繊維コードを打ち込み数35本/50mmで配置しており、ポリケトン繊維コードにおけるポリケトン繊維の拠り数は30回/100mmである。
尚、各サイド補強層のゴムシートはベルトコーティングゴムと同質のものである。
〈ナイロン〉
直径0.7mmのナイロンコードを打ち込み数55本/50mmで配置しており、ナイロンコードにおけるナイロン繊維撚り数は、50回/100mmである。
〈カーボン繊維〉
直径0.1mmのカーボン繊維のモノフィラメントを250本/50mmで配置している。
〈アラミド〉
直径0.9mmのアラミド繊維コードを打ち込み数35本/50mmで配置しており、アラミド繊維コードにおけるアラミド繊維撚り数は30回/100mmである。
〈ガラス繊維〉
直径0.1mmのガラス繊維のモノフィラメントを250本/50mmで配置している。
発明例タイヤ11におけるカーカスの材料としては、直径0.9mmのポリケトン繊維コードを打ち込み数35本/50mmで配置しており、ポリケトン繊維コードにおけるポリケトン繊維の拠り数は30回/100mmである。
尚、各サイド補強層のゴムシートはベルトコーティングゴムと同質のものである。
さらに、表1における「サイド補強層の幅」の欄の記載については、以下に詳細に示す通りである。
〈ベルトからビード〉
図2に示すタイヤのサイド補強層8の構造であり、前記距離tは、t=5mmであり、前記距離sは、s=25mmである。
〈サイドからビード〉
図4に示すタイヤのサイド補強層8の構造であり、該サイド補強層8のタイヤ径方向最外側端は、ベルト11の幅方向端からカーカス層4a,4b上の経路長さで10mm外側にある。サイド補強層8のタイヤ径方向最内側端は、ビードフィラー9のタイヤ径方向最外側端よりもタイヤ径方向に25mm内側にある。
〈ベルトからビード〉
図2に示すタイヤのサイド補強層8の構造であり、前記距離tは、t=5mmであり、前記距離sは、s=25mmである。
〈サイドからビード〉
図4に示すタイヤのサイド補強層8の構造であり、該サイド補強層8のタイヤ径方向最外側端は、ベルト11の幅方向端からカーカス層4a,4b上の経路長さで10mm外側にある。サイド補強層8のタイヤ径方向最内側端は、ビードフィラー9のタイヤ径方向最外側端よりもタイヤ径方向に25mm内側にある。
かくして得られたタイヤをリム組みし、後輪駆動のスポーツタイプの車両に装着した後、熟練ドライバーによるテストコース走行を実施した。その際、車両の前後に装着するタイヤおよびタイヤの向きを種々に入れ替えて装着し、それぞれ、従来例1、比較例1および2、並びに、発明例1〜12として実施した。限界時の操縦安定性能を調査するために激しい走行を行い、最高時速は200km/hに達した。その際の、駆動性能、制動性能およびコーナリング性能を10点満点で評価し、さらにこれらの性能を総合した操縦安定性能について評価した。表2にその試験結果を示す。
尚、表2の「装着したタイヤおよび装着の方向」の欄において、「従」は表1に記載の従来例タイヤを示し、「比」は表1に記載の比較例タイヤを示し、「発1」〜「発11」は、表1に記載の発明例タイヤ1〜発明例タイヤ11を示す。
また、同欄における(正)および(負)の記載については、以下に示す通りである。尚、従来例タイヤについては、サイド補強層がなく、タイヤの方向を区別する必要がないため、〈正〉および〈負〉の記載をしていない。
〈正〉
タイヤのサイド補強層8の各コード14が、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14との交点における該円周Oの法線nの、該円周外側の部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向に傾斜するよう装着したことを示す。即ち、図3における前輪の向きである。
〈負〉
タイヤのサイド補強層8の各コード14が、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14との交点における該円周Oの法線nの、該円周外側の部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向と反対の方向に傾斜するよう装着したことを示す。即ち、図3における後輪の向きである。
また、同欄における(正)および(負)の記載については、以下に示す通りである。尚、従来例タイヤについては、サイド補強層がなく、タイヤの方向を区別する必要がないため、〈正〉および〈負〉の記載をしていない。
〈正〉
タイヤのサイド補強層8の各コード14が、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14との交点における該円周Oの法線nの、該円周外側の部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向に傾斜するよう装着したことを示す。即ち、図3における前輪の向きである。
〈負〉
タイヤのサイド補強層8の各コード14が、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14との交点における該円周Oの法線nの、該円周外側の部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向と反対の方向に傾斜するよう装着したことを示す。即ち、図3における後輪の向きである。
従来例1は、表1に記載の従来例タイヤ1を車両の前輪および後輪に装着したものであり、発明例1は、表1に記載の発明例タイヤ7を車両の前輪に正の方向に装着し、従来例タイヤを車両の後輪に装着したものである。表2より、発明例1は、各性能について従来例よりも大きく優れていることがわかる。これは、上記発明例タイヤ7を車両の前輪に正の方向に装着したことによって、車両前輪の剛性、特に、制動時において路面より受ける大きな摩擦力に対しての剛性が、効果的に向上したためである。
発明例2〜8は、表1に記載の発明例タイヤ1〜7を、車両前輪に正の方向に装着し、車両後輪に負の方向に装着したものである。ここで、発明例タイヤ1〜7は、サイド補強層にナイロンのコードを配した本発明によるタイヤであり、それぞれコードの傾斜角θが異なる。表2より、サイド補強層に配したコードの傾斜角θが、θ=40°に近づくに従ってタイヤの操縦安定性能が向上する傾向を知見することができる。
即ち、前記傾斜角θを、10°≦θ≦70°とした発明例4〜8は、前記傾斜角θが上記範囲外である発明例2および3よりも各性能につき優れており、また、前記傾斜角θを、30°≦θ≦60°とした発明例6〜8は、前記傾斜角θが30°≦θ≦60°の範囲外である発明例4および5よりもさらに、操縦安定性能に優れている。
これは、サイド補強層のコードを適切な角度で傾斜させることにより、コードの引張剛性が、路面から受ける摩擦力に対してより効果的に作用するためである。上記結果より、本発明において、前記傾斜角θは、10°≦θ≦70°であることが好ましく、より好ましくは、30°≦θ≦60°であることがわかる。
また、表2より、発明例タイヤ7を前後輪に適切に装着した発明例8は、同一の発明例タイヤ7を前輪にのみ装着した発明例1よりも、操縦安定性能に優れていることがわかる。これは、上記発明例タイヤを車両後輪に負の方向に装着したことによって、車両後輪の剛性、特に、駆動時において路面より受ける大きな摩擦力に対しての剛性が、効果的に向上したためである。従って、本発明においては、さらに、本発明による空気入りタイヤを車両後輪に負の方向に装着することが好ましいと言える。
発明例9〜11は、発明例8で使用した発明例タイヤ7と同一の構造につきサイド補強層の材質を種々に変化させた発明例タイヤ8〜10を、車両前輪に正の方向に装着し、車両後輪に負の方向に装着したものである。表2より、発明例9〜11は、発明例8よりも各性能につき優れていることがわかる。即ち、サイド補強層にカーボン繊維から成るコードを有する発明例タイヤ8、サイド補強層にアラミド、即ち芳香族ポリアミドから成るコードを有する発明例タイヤ9、並びに、サイド補強層にガラス繊維から成るコードを有する発明例タイヤ10は、サイド補強層にナイロンコードを使用した発明例タイヤ7に対し、いずれも操縦安定性能に優れていると言える。
これは、一般的に引張変形に対する弾性率が大きい上記材料をコードとし、サイド補強層に設けたことによって、路面からの摩擦力に対するタイヤの剛性を、さらに向上させることができたためである。以上の結果から、本発明においては、前記サイド補強層は、カーボン繊維または芳香族ポリアミド或いはガラス繊維から成るコードを有することが好ましいと言える。
発明例12は、発明例8で使用した発明例タイヤ7と同一の構造につきカーカス層の材質をポリケトン繊維、即ち、熱収縮性を持った材料としたものである。表2より、発明例12は、発明例8よりも各性能につき優れていることがわかる。即ち、カーカス層にポリケトン繊維、即ち、熱収縮性を持った材料から成るコードを有する発明例タイヤ11は、カーカス層にナイロンコードを使用した発明例タイヤ7よりも操縦安定性能に優れていることがわかる。
これは、上記熱収縮性を持った材料から成るコードが、車両の走行によるタイヤの温度上昇に伴って収縮して引張強度を増すことによって、タイヤの剛性を効果的に増大させるためである。以上の結果より、本発明においては、前記カーカス層は、熱収縮性を持った材料から成るコードを有することが好ましいと言える。
比較例1は、サイド補強層がベルトの幅方向端に届いていない比較例タイヤ1を車両前輪に正の方向に装着し、車両後輪に負の方向に装着したものである。表2より、比較例1は、各性能において、従来例に対して大きく有利な効果を示しておらず、ほぼ同一の操縦安定性能であることがわかる。
これは、上記の比較例タイヤ1は、前記サイド補強層が、ベルトに届いてないため、ホイールからの駆動力や制動力がサイド部で吸収されてしまい、十分な操縦安定性能を確保することができなかったためである。従って、本発明においては、サイド補強層は、ベルトの幅方向端部とビードフィラーのタイヤ径方向最外側端とに跨るように配設される必要がある。
比較例2は、表1に記載の発明例7を車両の前輪に負の方向に装着し、車両後輪に正の方向に装着したものである。表2より、比較例2は、各性能において従来例以上の結果を得ることができなかったことがわかる。これは、サイド補強層のコードの傾斜の向きが適切でないために、サイド補強層がタイヤの走行に応じて十分に剛性を発揮しなかったためである。
本発明により、駆動性能、制動性能およびコーナリング特性に優れ、操縦安定性能を向上した空気入りタイヤを提供することが可能である。
C タイヤの赤道
θ 補強層コードの傾斜角
O 円周
1 空気入りタイヤ
2 ビード部
3 ビードコア
4 カーカス層
4a カーカス層(内側)
4b カーカス層(外側)
5 傾斜ベルト層
5a 傾斜ベルト層(最大)
5b 傾斜ベルト層
6 スパイラル補強層
7 トレッド部
8 補強層
9 ビードフィラー
10 サイド部
11 ベルト
12 カーカス
13 リム
14 補強層コード
15 ベルト端
16 ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端
17 サイド補強層のタイヤ径方向最外側端
18 サイド補強層のタイヤ径方向最内側端
θ 補強層コードの傾斜角
O 円周
1 空気入りタイヤ
2 ビード部
3 ビードコア
4 カーカス層
4a カーカス層(内側)
4b カーカス層(外側)
5 傾斜ベルト層
5a 傾斜ベルト層(最大)
5b 傾斜ベルト層
6 スパイラル補強層
7 トレッド部
8 補強層
9 ビードフィラー
10 サイド部
11 ベルト
12 カーカス
13 リム
14 補強層コード
15 ベルト端
16 ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端
17 サイド補強層のタイヤ径方向最外側端
18 サイド補強層のタイヤ径方向最内側端
Claims (12)
- 一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格とし、該ビード部にビードコアからタイヤ径方向外側に延びるビードフィラーを具え、該カーカスのクラウン部の径方向外側にベルトおよびトレッドを順に配置し、該トレッドと該ビード部との間にサイド部を具えた空気入りタイヤであって、
前記サイド部に、前記ベルトの幅方向端と前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端とに跨る複数本のコードのゴム引き布から成るサイド補強層を具え、
前記サイド補強層の各コードは、タイヤの回転軸を中心とする円周と該コードとの交点における該円周の法線に対して傾斜しており、該傾斜の向きは、タイヤの両サイド部間において同一であることを特徴とした空気入りタイヤ。 - 前記サイド補強層のタイヤ径方向最外側端と前記ベルトの幅方向端とのタイヤ幅方向距離は、5mm以内である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイド補強層のタイヤ径方向最内側端と前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端とのタイヤ径方向距離は、5mm以上である、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイド補強層のコードの前記法線に対する傾斜角は、10〜70°である、請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイド補強層のコードの前記法線に対する傾斜角は、30〜60°である、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイド補強層は、有機繊維から成るコードを有する請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイド補強層は、カーボン繊維から成るコードを有する請求項6に記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイド補強層は、芳香族ポリアミドから成るコードを有する請求項6に記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイド補強層は、ガラス繊維から成るコードを有する請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記カーカスは、熱収縮性を持った材料から成るコードを有する請求項1〜9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の空気入りタイヤを、車両の前輪に装着するにあたり、前記サイド補強層の各コードが、タイヤの回転軸を中心とする円周と該コードとの交点における該円周の法線の、該円周外側の部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向に傾斜するよう装着する装着方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の空気入りタイヤをさらに、車両の後輪に装着するにあたり、前記サイド補強層の各コードが、前記法線に対して、車両前進時のタイヤ回転方向と反対の方向に傾斜するよう装着する、請求項11に記載の装着方法。
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JP2009129673A Withdrawn JP2010274799A (ja) | 2009-05-28 | 2009-05-28 | 空気入りタイヤ |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014069719A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-21 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 空気入りタイヤ |
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WO2020230688A1 (ja) | 2019-05-14 | 2020-11-19 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
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2009
- 2009-05-28 JP JP2009129673A patent/JP2010274799A/ja not_active Withdrawn
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